説明

光学フィルム及びその製造方法

本発明は、アクリル系樹脂及び上記アクリル系樹脂100重量部に対して共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体の少なくとも2種を20から65重量部含み、上記グラフト共重合体の少なくとも2種は粒径が異なることを特徴とする光学フィルム及び位相差フィルムとこれを含む電子装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学フィルム及びその製造方法に関する。より具体的に、本発明は熱安全性及び靭性(toughness)が大きく向上する上、ヘイズの低い光学フィルム及びその製造方法に関し、上記光学フィルムはLCDのような表示装置などの電子装置に有用に用いることができる。
【0002】
本出願は2008年6月3日、韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2008−0051993号の出願日の利益を主張し、その全内容は本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0003】
最近では、光学技術の発展により従来のブラウン管に代わるプラズマディスプレーパネル(PDP)、液晶ディスプレー(LCD)、有機/無機ELディスプレー(ELD)などの様々な方式を利用したディスプレー技術が提案され市販されている。上記のようなディスプレーでは、多様なプラスチックフィルムの利用が提案されており、その要求特性もより高度化されている。例えば、液晶ディスプレーの場合、薄型化及び軽量化のために、また、表示特性を向上させるために、偏光板、位相差フィルム、プラスチック基板、導光板などに様々なプラスチックフィルムが用いられている。
【0004】
一般的に、偏光板は偏光子に保護フィルムとしてトリアセチルセルロースフィルム(triacetyl celluloseフィルム、以下、TACフィルム)をポリビニールアルコール系水溶液から成る水系接着剤で積層させた構造を有する。しかし、偏光子として用いられたポリビニールアルコールフィルムと偏光子用保護フィルムとして用いられたTACフィルムは、両方とも耐熱性と耐湿性が十分でない。従って、上記フィルムから成る偏光板を、高温または高湿の雰囲気下で長時間使用すると、偏光度が低下し、偏光子と保護フィルムが分離したり、光特性が低下するため、用途の面で様々な制約を受けている。また、TACフィルムは周辺温度/湿度環境の変化によって面内位相差(Rin)と厚さ方向の位相差(Rth)の変化が酷く、特に、傾斜方向における入射光に対する位相差の変化が大きい。このような特性を有するTACフィルムを保護フィルムとして含む偏光板を液晶表示装置に適用すると、周辺温度/湿度環境の変化によって視野角特性が変化して画像品質が低下するという問題がある。また、TACフィルムは周辺温度/湿度環境の変化による寸法変化率が大きい上、光弾性係数値も相対的に大きく、耐熱、耐湿熱環境における耐久性評価後に、局部的に位相差特性の変化が生じ画像品質が低下しやすい。
【0005】
このようなTACフィルムの様々な短所を補うための素材として、メタクリル(methacryl)系樹脂がよく知られている。しかし、メタクリル(methacryl)系樹脂は砕けたり、割れやすくて偏光板の生産時に返送性が問題となりやすく、生産性が足りないと知られている。また、フィルムの材料としてアクリレート樹脂を用いると、キャスティング方法を利用しなければならないため、製造方法が難しく、多くの費用を要するという問題がある。
【0006】
位相差フィルムの場合、スチレン系樹脂で製造されたフィルムは延伸及び配向させる時、その配向方向と直交する方向に屈折率が大きくなる光学異方性を示す材料であって、これを延伸して正の厚さ方向の位相差値(Rth)を有するフィルムを製造するのに適する材料として知られている。また、スチレン系樹脂は経済性、且つ透明性に優れるという長所がある。しかし、高価の特殊な単量体をともに用いて製造する場合を除き、耐熱性において不十分であり、機械的物性が劣るという問題点がある。また、ポリカーボネート樹脂を延伸して位相差フィルムを製造する場合は、十分な位相差機能は与えられるが、延伸程度に対する位相差変化率が大きく、均一、且つ安定的な位相差機能を有するフィルムを提供することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来技術の問題点を解決するために、本発明は押出方式などで製造でき、製造方法が容易で、製造費用が安いながらも耐熱性と靭性(toughness)に優れ、ヘイズが低く、延伸前には光学的等方性に優れて偏光板の保護フィルムなど多様な用途に用いることができ、延伸後には均一、且つ安定的な位相差を提供することができ、位相差フィルムとして用いることができる光学フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はアクリル系樹脂及び上記アクリル系樹脂100重量部に対して共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体の少なくとも2種を20から65重量部含み、上記グラフト共重合体の少なくとも2種は粒径が異なることを特徴とする光学フィルムを提供する。
【0009】
また、本発明はa)アクリル系樹脂及び上記アクリル系樹脂100重量部に対して共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体の少なくとも2種を20重量部から65重量部含み、上記グラフト共重合体の少なくとも2種は粒径が異なる樹脂組成物を用意する段階と、b)上記樹脂組成物を用いてフィルムを形成する段階を含む光学フィルムの製造方法を提供する。
【0010】
また、本発明は上記光学フィルムを延伸した位相差フィルムを提供する。
【0011】
また、本発明は上記光学フィルムまたは位相差フィルムを含む電子装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明による光学フィルムは耐熱性と靭性(toughness)に優れ、ヘイズが低くて光学物性に優れ、延伸前には光学的等方性に優れて偏光板の保護フィルムなど多様な用途に用いることができ、既存の高価なTAC樹脂に代わることができ、延伸後には均一、且つ安定的な位相差を提供することができ、位相差フィルムとして用いることができる。また、本発明による光学フィルムは押出方式で製造でき、製造方法が容易で、製造費用が安く、既存のアクリレート樹脂のみから成るフィルムより優れた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明に対して詳しく説明する。
【0014】
本発明による光学フィルムはアクリル系樹脂の他に、共役ジエン系ゴム成分を含むグラフト共重合体の少なくとも2種を含み、上記グラフト共重合体の少なくとも2種は粒径が異なることを特徴とする。
【0015】
LCDのような画像表示装置に用いられるフィルムの材料は、紫外線などに対する安全性及び耐熱性が大きく求められるため、二重結合を含む共役ジエン系化合物を使用しないと知られている。従って、LCDのような画像表示装置などの耐熱性を要する用途に用いられるフィルムの材料として、共役ジエン系ゴムを含む衝撃補強剤をマトリックス樹脂であるアクリル系樹脂100重量部に対して20から65重量部のように多量に使用した例は従来にはなかった。しかし、本発明では上記共役ジエン系ゴム成分を特定構造の共重合体の形態で使用すると共に、共重合体の成分及び成分比などを調節することで、共役ジエン系化合物によるフィルムの靭性の向上を図る一方、従来共役ジエン系化合物の問題点として知られている安全性及び耐熱性の低下を解消することができるということが分かった。
【0016】
本発明において、上記共役ジエン系ゴム成分を含むグラフト共重合体はマトリックスの役割をするアクリル系樹脂100重量部に対して20から65重量部含まれることを特徴とする。上記グラフト共重合体が20重量部未満含まれると、光学フィルムの靭性が低下し、65重量部を超えて含まれると、フィルムの加工が困難である上、フィルムのヘイズが増加し、ガラス転移温度が低下するという問題がある。
【0017】
本発明において、上記共役ジエン系ゴム成分を含むグラフト共重合体のうち少なくとも2種は粒径が異なることが好ましい。ここで、粒径はコア成分の粒径を意味する。
【0018】
靭性(toughness)を高めるためにはグラフト共重合体の粒径が大きい方がよいが、その場合、光学フィルムの外部粗さ(roughness)が増加して全体ヘイズが増加するという問題がある。具体的に説明すると、フィルムで発生するヘイズの多くはフィルムの表面に突出したゴムによる粗さ(roughness)により発生する。
【0019】
しかし、本発明では粒径が大きいグラフト共重合体とともに、相対的に粒径の小さいグラフト共重合体を使用することで、靭性を保持しながら全体ヘイズを減少させることができる。すなわち、本発明ではフィルムの靭性を優れるようにすると共に、フィルムの表面粗さを減らすための方法として、粒径が異なるグラフト共重合体を使用することを特徴とする。使用するグラフト共重合体の種類によってフィルムの靭性と表面粗さに及ぼす影響が多少異なる。従って、グラフト共重合体の種類に応じてフィルムの靭性と粗さの関係を考慮し、粒径の異なるゴムを適切な割合で使用することで、フィルムの靭性の低下なしに外部のヘイズを減らすことができる。
【0020】
例えば、最適の靭性を表すためのグラフト共重合体の粒径が300から400nmの場合、このようなグラフト共重合体を、粒径が100nm以下のグラフト共重合体と混合して使用することで、フィルムの靭性も向上させながらフィルムの表面粗さを減少させ、ヘイズを減らすことができる。
【0021】
上記共役ジエン系ゴム成分を含むグラフト共重合体のうち少なくとも1種は粒径が100nm以下、好ましくは50nmから100nmであり、少なくとも1種は粒径が200nm以上、好ましくは300nm以上であることができる。上記粒径が200nm以上のグラフト共重合体は粒径が200nmから400nmであることがより好ましい。
【0022】
本発明において、上記共役ジエン系ゴム成分を含むグラフト共重合体として粒径が50nmから100nmのものと、粒径が200nmから400nmのものを使用する場合は、これらの重量比は45〜85:15〜55であることが好ましく、50〜80:20〜50であることがより好ましい。
【0023】
本発明において、上記共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体は共役ジエン系ゴム成分とアクリル系樹脂のグラフト共重合体であることが好ましい。上記グラフト共重合体の形態は特に限定されないが、上記共役ジエン系ゴム成分がコア(core)を構成し、その周辺に上記アクリル系樹脂がシェル(shell)を構成するコア−シェル構造であることが好ましい。
【0024】
上記グラフト共重合体のうち共役ジエン系ゴム成分とアクリル系樹脂の重量比は10〜50:90〜50であることが好ましく、15〜45:85〜55であることがより好ましい。
【0025】
上記グラフト共重合体のうち共役ジエン系ゴム成分の重量比が10重量%未満であると、光学フィルムの靭性が十分でないという問題があり、50重量%を超えると、分散性が低下してヘイズと熱膨脹係数が急激に上昇してガラス転移温度が低くなることがある。
【0026】
上記グラフト共重合体のうち共役ジエン系ゴム成分としては特に限定されないが、エチレン−プロピレンジエン系ゴムとブタジエン系ゴムなどを使用することができ、ブタジエン系ゴムがより好ましい。
【0027】
上記グラフト共重合体のうちアクリル系樹脂としては特に限定されないが、アクリル系単量体のホモまたは共重合体;アクリル系単量体と芳香族ビニール系単量体の共重合体;アクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及びアクリロニトリル系単量体の共重合体;アクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及び酸無水物の共重合体;またはアクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体、アクリロニトリル系単量体及び酸無水物の共重合体などであることができる。
【0028】
上記アクリル系単量体としてはエステル基のカルボニル基と共役化された(conjugated)炭素間の二重結合を有する化合物であればよく、その置換基は特に限定されない。本明細書に記載されるアクリル系単量体はアクリレートだけでなく、アクリレート誘導体を含むことを意味し、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アルキルブタクリレートなどを含む概念として理解されるべきである。例えば、上記アクリル系単量体の例としては下記化学式1で表される化合物が含まれる:
【0029】
【化1】

【0030】
上記化学式1において、
、R及びRはそれぞれ独立的に水素原子、ヘテロ原子を含むか、含まない炭素数1から30の1価炭化水素基を表し、R、R及びRのうち少なくとも1つはエポキシ基であることができ、R4は水素原子または炭素数1から6のアルキル基を表す。
【0031】
具体的に、上記アクリル系単量体としてはメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルエタクリレート及びエチルエタクリレートから成る群から選択される1種以上のアクリル系単量体を用いることができ、特に、メチルメタクリレート(MMA)を用いることが最も好ましい。
【0032】
上記芳香族ビニール系単量体としては、ベンゼン核が1つ以上のCからCのアルキル基、またはハロゲン基で置換または非置換された構造の単量体を用いることが好ましい。例えばスチレンまたはα−メチルスチレンなどから成る群から選択される1種以上のスチレン系単量体が好ましい。
【0033】
上記アクリロニトリル系単量体としてはアクリロニトリル、メタアクリロニトリル及びエタアクリロニトリルから成る群から選択される1種以上のアクリロニトリル系単量体が好ましい。
【0034】
上記酸無水物としては、カルボキシル酸無水物を用いることができ、1価または2価以上の多価カルボキシル酸無水物を用いることができる。好ましくは、マレイン酸無水物またはその誘導体を用いることができ、例えば、下記化学式2の化合物を用いることができる。
【0035】
【化2】

【0036】
上記式中、
及びRはそれぞれ独立的に水素原子または炭素数1から6のアルキル基を表す。
【0037】
本発明において、上記グラフト共重合体のうちアクリル系樹脂としてアクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及びアクリロニトリル系単量体の共重合体;またはアクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及び酸無水物の共重合体を用いる場合、その重量比は55〜80:10〜30:4〜15であることが好ましい。
【0038】
上記共役ジエン系ゴム成分とアクリル系樹脂は、当技術分野で知られている方法を利用してグラフト重合されることができ、例えば、通常の乳化重合法を利用することができ、グラフト率が30から80%であることが好ましい。上記共役ジエン系ゴム成分を含むコアの粒径は60〜400nmであることが好ましく、80〜300nmであることがより好ましいが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0039】
本発明において、光学フィルムのマトリックスの役割をするアクリル系樹脂としては、当技術分野で知られているものを用いることができ、特に、アクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及びアクリロニトリル系単量体の共重合体;アクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及び酸無水物の共重合体;またはアクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体、アクリロニトリル系単量体及び酸無水物の共重合体を用いることが好ましい。
【0040】
マトリックス樹脂としてアクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及びアクリロニトリル系単量体の共重合体またはアクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及び酸無水物の共重合体を用いる場合、各単量体の重量比は55〜80:10〜30:4〜15であることが好ましい。上記単量体の例はグラフト共重合体のうちアクリル系樹脂に対して記載した成分の例示と同様である。上記アクリル系単量体は光学的物性に寄与することができ、上記芳香族ビニール系単量体はフィルム成形性及び位相差の付与に寄与することができ、アクリロニトリル系単量体及び酸無水物は耐熱性に寄与することができる。上記マトリックス樹脂は当技術分野で知られている方法を利用して重合されることができ、例えば、塊状重合法を利用することができる。
【0041】
上記マトリックスの役割をするアクリル系樹脂を構成する共重合体は追加の共単量体であって、(メタ)アクリル酸及びイミド系単量体のうち選択される1種以上の単量体をさらに含むことができる。上記(メタ)アクリル酸としてはアクリル酸及びメタクリル酸またはその誘導体を使用することができる。上記イミド系単量体としてはフェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどを使用することができる。上記(メタ)アクリル酸及びイミド系単量体が含まれる場合は、それぞれ共重合体100重量部に対して15重量部以下含まれることが好ましい。
【0042】
上述のマトリックス樹脂は、ガラス転移温度が120〜130℃、分子量が11〜15万、MI(220℃、10kg)が10以下、好ましくは4〜10、ヘイズが0.1〜2%であるという特徴を有する。上記MIは樹脂の流れを示す尺度で、220℃で、荷重10kgで押された時、分当たりに流れる量を示す。また、上記マトリックス樹脂は光学フィルムに求められる透明性を達成することができるように、屈折率が1.48から1.545であることが好ましく、1.485から1.535であることがより好ましい。
【0043】
本発明による光学フィルムは、上述のグラフト共重合体及びアクリル系樹脂を含む樹脂組成物を用いてフィルムを形成して製造することができる。
【0044】
フィルムの形成方法は当技術分野で知られている方法を利用することができる。本発明による光学フィルムはアクリル系樹脂から成るフィルムとは異なって、キャスティング法の他にも押出工程を利用して製造することができる。
【0045】
上記光学フィルムを製造するために、上記樹脂組成物に一般的な添加剤、例えば、可塑剤、潤滑剤、衝撃緩和剤、安定剤、紫外線吸収剤などを添加することができる。特に、本発明による光学フィルムが偏光子の保護フィルムとして用いられる場合は、偏光子及び液晶パネルを外部の紫外線から保護するために、上記樹脂組成物に紫外線吸収剤を添加することが好ましい。紫外線吸収剤の種類は特に限定されないが、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤を用いることが好ましく、ビス(bis)(2,2,6,6−テトラメチル(tetramethyl)−4−ピペリジル(piperidyl))セバケート(sebacate)などのヒンダードアミン(hindered amine)系光安定剤などを使用することができる。好ましくはTinuvin326、Tinuvin327、Tinuvin328、Tinuvin321、Tinuvin770及びTinuvin 360を用いることができる。熱安定剤としてはIgafos168、Iganox1076、Iganox245などを添加することができる。
【0046】
本発明による光学フィルムの厚さは20〜200μmで、好ましくは40〜120μmである。本発明による光学フィルムのガラス転移温度は110〜130℃で、熱変形温度(Vicat)は110〜140℃で、MI(220℃、10kg)は2〜8で、靭性(toughness)に非常に優れている。また、本発明による光学フィルムは、好ましくは熱膨脹係数CTE(ppm/K、40〜90℃)が50〜120で、ヘイズは0.5〜3%で、透過度は88〜93%である。また、本発明による光学フィルムは外部粗さ(roughness)が50nm以下、好ましくは0.1nm以上50nm以下である。
【0047】
上述の本発明による光学フィルムは延伸前の面方向の位相差及び厚さ方向の位相差値が0から10nmであることができ、これを1軸または2軸延伸する場合は、面方向の位相差及び厚さ方向の位相差値が80〜200nmの範囲内であることができる。
【0048】
上記光学等方性フィルムの延伸工程は、樹脂組成物のガラス転位温度(Tg)を基準にすると、Tg−30℃からTg+30℃の温度範囲で行うことが好ましく、特に、Tg−10℃からTg+20℃の温度範囲で行うことがより好ましい。また、延伸速度及び伸び率は、本発明の目的が達成できる範囲内で適切に調節することができる。
【0049】
本発明による光学フィルムは偏光子の保護フィルムとして用いることができる。この場合、接着力を向上させるために、表面を改質することができる。改質の方法としてはコロナー処理、プラズマ処理、UV処理などで保護フィルムの表面を処理する方法と、保護フィルムの表面にプライマー層を形成する方法などがあり、上記2つの方法を同時に使用することもできる。プライマーの種類は特に限定されないが、シランカップリング剤のような反応性官能基を有する化合物を用いることが好ましい。
【0050】
本発明による光学フィルムを保護フィルムとして含む偏光板は、偏光子及び上記偏光子の少なくとも一面に備えられた保護フィルムを含み、上記保護フィルムのうち少なくとも1つが本発明による光学フィルムである構造を有することができる。
【0051】
本発明において、上記偏光子としては当技術分野で知られているものを制限なく用いることができ、例えば、ヨードまたは2色性染料を含むポリビニールアルコール(PVA)から成るフィルムを用いることができる。上記偏光子はPVAフィルムにヨードまたは2色性染料を染着させて製造することができるが、その製造方法は特に限定されない。本明細書において、偏光子は保護フィルムを含まない状態を意味し、偏光板は偏光子と保護フィルムを含む状態を意味する。
【0052】
上記偏光子と保護フィルムの接着は接着剤層を用いて行うことができる。上記保護フィルムと偏光板を貼り合わせる時使用可能な接着剤としては、当技術分野で知られているものであれば、特に制限されない。例えば、1液型または2液型のポリビニールアルコール(PVA)系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、スチレンブタジエンゴム系(SBR系)接着剤、またはホットメルト型接着剤などがあるが、これらは限定されない。
【0053】
上記接着剤のうちポリビニールアルコール系接着剤が好ましく、特にアセトアセチル基を含むポリビニールアルコール系樹脂及びアミン系金属化合物架橋剤を含む接着剤を使用することが好ましい。上記偏光板用接着剤は上記アセトアセチル基を含むポリビニールアルコール系樹脂100重量部及び上記アミン系金属化合物架橋剤1から50重量部を含むことができる。
【0054】
上記ポリビニールアルコール系樹脂は上記偏光子と保護フィルムを十分に接着することができ、光学的透視度に優れながら、経時的な黄変などの変化がないものであれば、特に限定されないが、架橋剤との円滑な架橋反応を考慮すると、特に、アセトアセチル基が含有されたポリビニールアルコール系樹脂を用いることが好ましい。
【0055】
ここで、上記ポリビニールアルコール系樹脂の重合度及び鹸化度は、アセトアセチル基を含むものであれば、特に限定されないが、重合度が200から4,000の範囲内で、鹸化度が70モル%から99.9モル%の範囲内であることが好ましい。自由な分子の動きによる含有物質との柔軟な混合を考慮すると、重合度は1,500から2,500の範囲内で、鹸化度は90モル%から99.9モル%の範囲内であることがより好ましい。このとき、上記ポリビニールアルコール系樹脂は上記アセトアセチル基を0.1から30モル%含むことが好ましい。それは、上記アセトアセチル基の範囲で架橋剤との反応が円滑であることができ、目的とする接着剤の耐水性及び接着力に十分に有意であるためである。
【0056】
上記アミン系金属化合物架橋剤は上記ポリビニールアルコール系樹脂との反応性を有する官能基を有する水溶性架橋剤であって、アミン系リガンドを含む金属錯物形態であることが好ましい。可能な金属はジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などの遷移金属があり、中心金属に結合されたリガンドとしては1次アミン、2次アミン(ジアミン)、3次アミンやアムモニウムヒドロキシドなどの少なくとも1つ以上のアミン基を含むものであればよい。その使用量は、上記ポリビニールアルコール系樹脂100重量部に対して1重量部から50重量部の範囲で調節されることが好ましい。それは上記の範囲で目的とする接着剤に十分に有意的な接着力を与えることができ、接着剤の保存安全性(pot life)を向上させることができるためである。
【0057】
上記アセトアセチル基を含むポリビニールアルコール系樹脂と上記アミン系金属化合物架橋剤を含む接着剤水溶液は、pH調節制を用いて、そのpHを9以下に調節することが好ましい。pHを2超過9以下の範囲で調節することがより好ましく、pHを4から8.5の範囲で調節することがさらに好ましい。
【0058】
上記偏光子と保護フィルムの接着は、偏光子用保護フィルムまたは偏光子であるPVAフィルムの表面上にロールコーター、グラビアコーター、バーコーター、ナイフコーター又はキャピラリーコーターなどを用い、先ず接着剤をコートし、接着剤が完全に乾燥する前に保護フィルムと偏光膜を貼り合わせロールで加熱圧着したり、常温圧着して貼り合わせる方法により行われることができる。ホットメルト型接着剤を使用する場合は、加熱圧着ロールを使用しなければならない。
【0059】
ポリウレタン系接着剤を使用する場合は、光により黄変しない脂肪族イソシアネート系化合物を使用して製造されたポリウレタン系接着剤を用いることが好ましい。1液形または2液形のドライラミネート用接着剤またはイソシアネートとヒドロキシ基との反応性が比較的低い接着剤を使用する場合には、アセテート系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、または芳香族系溶剤などで希釈した溶液型接着剤を用いることもできる。このとき、接着剤の粘度は5,000cps以下の低粘度型であることが好ましい。上記接着剤は保存安全性に優れながらも400〜800nmにおける光透過度が90%以上であることが好ましい。
【0060】
十分な粘着力が発揮できれば、粘着剤も用いることができる。粘着剤は貼り合わせた後、熱または紫外線により十分な硬化が生じ、機械的強度が接着剤レベルまでに向上することが好ましく、界面接着力も大きくて粘着剤が付着された何れかのフィルムの破壊なしには剥離できない程度の粘着力を有することが好ましい。
【0061】
使用可能な粘着剤の具体的な例としては、光学透明性に優れた天然ゴム、合成ゴムまたはエラストマー、塩化ビニール/硝酸ビニール共重合体、ポリビニールアルキルエーテル、ポリアクリレート、変性ポリオレフィン系粘着剤などと、ここにイソシアネートなどの硬化剤を添加した硬化型粘着剤を挙げることができる。
【0062】
上記のように製造される偏光板は各種用途に用いることがができる。具体的に、液晶表示装置(LCD)用偏光板、有機EL表示装置の反射防止用偏光板などを含む画像表示装置に好ましく使用されることができる。また、本発明による光学フィルムは各種機能性膜、例えば、λ/4板、λ/2板などの位相差板、光拡散板、視野角拡大板、輝度向上板、反射板などの様々な光学層を組み合わせた複合偏光板に適用することができる。
【0063】
上記偏光板は、後に画像表示装置などへの適用が容易になるよう少なくとも一面に粘着剤層を備えることができる。また、上記偏光板が画像表示装置などに適用されるまでに粘着剤層を保護するために上記粘着剤層上に離形フィルムをさらに備えることができる。
【0064】
また、本発明は上記光学フィルムまたは位相差フィルムを含む電子装置を提供する。上記電子装置はLCDのような画像表示装置であることができる。
【0065】
例えば、本願発明は光源、第1偏光板、液晶セル、第2偏光板が順に積層された状態で含み、上記第1偏光板及び第2偏光板のうち少なくとも1つの保護フィルムとして、または上記第1偏光板及び第2偏光板のうち少なくとも1つと液晶セルの間に備えられた位相差フィルムとして、本発明による光学フィルムまたは位相差フィルムを含む画像表示装置を提供する。
【0066】
上記液晶セルは液晶層と、これを支持することができる基板と、上記液晶に電圧を印加するための電極層を含む。このとき、本発明による偏光板は横電界方式(In−Plane Switching mode;IPS mode)、垂直配向方式(Vertically Aligned mode;VA mode)、OCB方式(Optically Compensated Birefringence mode)、ツイステッドネマティック(Twisted Nematic mode;TN mode)、FFS(Fringe Field Switching mode;FFS mode)方式などの全液晶モードに適用することができる。
【0067】
以下では、実施例を通じて本発明をより詳しく説明するが、以下の実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0068】
実施例1
SM−MMA−MAH(スチレン−メチルメタアクリレート−無水マレイン酸)の比が23:70:7重量%で、重量平均分子量が13万であるマトリックス樹脂78重量%、ゴム部分を除いた分子量が13万で、コア(ブタジエンゴム)とシェル(SM−MMA−AN=25:70:5)の比が25:75で、サイズが90nmである衝撃補強剤15重量%及びコアとシェルの比が40:60で、サイズが300nmである衝撃補強剤7重量%で構成された樹脂組成物をドライブレンドした後、同方向の二軸押出機を利用してペレット状態の耐熱性ブレンドを製造した。上記製造されたペレットを乾燥させた後、T−台を含む押出機を利用して80μm厚さの押出フィルムを製造した。上記製造されたフィルムの特性を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0069】
実施例2
SM−MMA−MAH(スチレン−メチルメタアクリレート−無水マレイン酸)の比が23:70:7重量%で、重量平均分子量が13万であるマトリックス樹脂80重量%、ゴム部分を除いた分子量が13万で、コアとシェルの比が25:75で、サイズが90nmである衝撃補強剤10重量%及びコアとシェルの比が40:60で、サイズが300nmである衝撃補強剤10重量%で構成された樹脂組成物を用いたことを除き、実施例1と同様の方法でフィルムの特性を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0070】
実施例3
SM−MMA−CHMI(スチレン−メチルメタアクリレート−シクロヘキシルマレイミド)の比が23:70:7重量%で、重量平均分子量が13万であるマトリックス樹脂75重量%、ゴム部分を除いた分子量が13万で、コアとシェルの比が25:75で、サイズが90nmである衝撃補強剤15重量%及びコアとシェルの比が40:60で、サイズが300nmである衝撃補強剤10重量%で構成された樹脂組成物を用いたことを除き、実施例1と同様の方法でフィルムの特性を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0071】
比較例1
SM−MMA−MAH(スチレン−メチルメタアクリレート−無水マレイン酸)の比が23:70:7重量%で、重量平均分子量が13万であるマトリックス樹脂80重量%、ゴム部分を除いた分子量が13万で、コアとシェルの比が25:75で、サイズが90nmである衝撃補強剤20重量%で構成された樹脂組成物を用いたことを除き、実施例1と同様の方法でフィルムの特性を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0072】
比較例2
SM−MMA−MAH(スチレン−メチルメタアクリレート−無水マレイン酸)の比が23:70:7重量%で、重量平均分子量が13万であるマトリックス樹脂80重量%、ゴム部分を除いた分子量が13万で、コアとシェルの比が40:60で、サイズが300nmである衝撃補強剤20重量%で構成された樹脂組成物を用いたことを除き、実施例1と同様の方法でフィルムの特性を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0073】
比較例3
SM−MMA−MAH(スチレン−メチルメタアクリレート−無水マレイン酸)の比が23:70:7重量%で、重量平均分子量が13万であるマトリックス樹脂80重量%、ゴム部分を除いた分子量が13万で、コアとシェルの比が25:75で、サイズが130nmである衝撃補強剤10重量%及びコアとシェルの比が40:60で、サイズが280nmである衝撃補強剤10重量%で構成された樹脂組成物を用いたことを除き、実施例1と同様の方法でフィルムの特性を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0074】
比較例4
SM−MMA−MAH(スチレン−メチルメタアクリレート−無水マレイン酸)の比が23:70:7重量%で、重量平均分子量が13万であるマトリックス樹脂80重量%、ゴム部分を除いた分子量が13万で、コアとシェルの比が25:75で、サイズが170nmである衝撃補強剤10重量%及びコアとシェルの比が40:60で、サイズが220nmである衝撃補強剤10重量%で構成された樹脂組成物を用いたことを除き、実施例1と同様の方法でフィルムの特性を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0075】
比較例5
無延伸TACフィルム(厚さ80μm、富士フィルム)に対し、実施例1と同様の方法で測定し、その結果を下記表1に示した。
【0076】
【表1】

【0077】
(1)Haze及び直進透過率の測定−ASTM 1003方法に基づいて測定した。
(2)Toughness-80μmフィルムを、手で10回曲げて切れるか否かで測定した。(○:一度も切れない、△:1〜3回、X:4回以上)
(3)Tg(ガラス転位温度)−Perkin Elmer社のPyris 6 DSC(Differential Scanning Calroimeter)を用いて測定した。
(4)表面粗さ(nm)−フィルムの表面をAFM機器で測定した。
【0078】
上記表1に示したように、実施例1から3で製造された光学フィルムは全て靭性に優れ、低いヘイズを有しながら、ガラス転移温度が120℃以上と高いガラス転移温度を示す。一方、共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体の粒径が小さなもののみを用いた比較例1では十分な靭性を得ることができなかった。また、共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体の粒径が大きいもののみを用いた場合にはヘイズが大きく増加するという問題があった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル系樹脂及び前記アクリル系樹脂100重量部に対して共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体の少なくとも2種を20から65重量部含み、前記グラフト共重合体の少なくとも2種は粒径が異なることを特徴とする光学フィルム。
【請求項2】
前記共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体の少なくとも1種は粒径が100nm以下で、前記共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体の少なくとも1種は粒径が300nm以上である、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
外部粗さ(roughness)が50nm以下である、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項4】
ガラス転移温度は110〜130℃で、熱変形温度(Vicat)は110〜140℃で、MI(220℃、10kg)は2〜8で、熱膨脹係数CTE(ppm/K、40〜90℃)が50〜120で、ヘイズは0.5〜3%で、透過度は88〜93%である、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項5】
面方向の位相差及び厚さ方向の位相差値が0から10nmである、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項6】
前記アクリル系樹脂はアクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及びアクリロニトリル系単量体の共重合体;アクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及び酸無水物の共重合体;及びアクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体、アクリロニトリル系単量体及び酸無水物の共重合体のうち選択される1以上を含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項7】
前記アクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及びアクリロニトリル系単量体の共重合体;アクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及び酸無水物の共重合体;及びアクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体、アクリロニトリル系単量体及び酸無水物の共重合体から選択される共重合体が追加の共単量体として(メタ)アクリル酸及びイミド系単量体のうち1種以上の単量体を含む共重合体である、請求項6に記載の光学フィルム。
【請求項8】
前記共役ジエン系ゴムはエチレン−プロピレンジエン系ゴム及びブタジエン系ゴムのうち選択される1以上を含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項9】
前記グラフト共重合体は共役ジエン系ゴムとアクリル系樹脂のグラフト共重合体である、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項10】
前記グラフト共重合体のうち共役ジエン系ゴムとアクリル系樹脂の重量比は10〜50:90〜50である、請求項9に記載の光学フィルム。
【請求項11】
前記グラフト共重合体は共役ジエン系ゴムがコア(core)を成し、前記アクリル系樹脂がシェル(shell)を成すコア−シェル構造である、請求項9に記載の光学フィルム。
【請求項12】
前記グラフト共重合体のうち共役ジエン系ゴムとアクリル系樹脂の重量比は10〜50:90〜50である、請求項11に記載の光学フィルム。
【請求項13】
前記グラフト共重合体のうちアクリル系樹脂はアクリル系単量体のホモまたは共重合体;アクリル系単量体と芳香族ビニール系単量体の共重合体;アクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及びアクリロニトリル系単量体の共重合体;アクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体及び酸無水物の共重合体;またはアクリル系単量体、芳香族ビニール系単量体、アクリロニトリル系単量体及び酸無水物の共重合体のうち選択される1以上を含む、請求項9に記載の光学フィルム。
【請求項14】
a)アクリル系樹脂及び前記アクリル系樹脂100重量部に対して共役ジエン系ゴム成分を含むグラフト共重合体の少なくとも2種を20重量部から65重量部含み、前記グラフト共重合体の少なくとも2種は粒径が異なる樹脂組成物を用意する段階と、
b)前記樹脂組成物を用いてフィルムを形成する段階を含む光学フィルムの製造方法。
【請求項15】
前記共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体の少なくとも2種は粒径が異なる、請求項14に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項16】
前記共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体の少なくとも1種は粒径が100nm以下で、前記共役ジエン系ゴムを含むグラフト共重合体の少なくとも1種は粒径が300nm以上である、請求項15に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項17】
請求項1から請求項13の何れか1項の光学フィルムを延伸した位相差フィルム。
【請求項18】
面方向の位相差及び厚さ方向の位相差値が80〜200nmである、請求項17に記載の位相差フィルム。
【請求項19】
偏光子及び前記偏光子の少なくとも一面に備えられた保護フィルムを含む偏光板であって、前記保護フィルムのうち少なくとも1つが請求項1から請求項13の何れか1項の光学フィルムである偏光板。
【請求項20】
請求項1から請求項13の何れか1項の光学フィルムを含む電子装置。
【請求項21】
請求項17の位相差フィルムを含む電子装置。

【公表番号】特表2011−521068(P2011−521068A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510434(P2011−510434)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002952
【国際公開番号】WO2009/148260
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】