説明

光学的情報読取装置の光軸位置調整構造

【課題】 照明光学系の照明光軸あるいは結像光学系の読取光軸の位置の調整が可能なものにあって、作業者による調整作業を簡単に済ませる。
【解決手段】 本体ケース内に、読取対象に照明光を照射する照明光学系4、結像レンズ及び受光センサを備え読取対象からの反射光を受光してバーコードを読取る受光光学系5を設ける。照明光学系4を、LED11、絞り板12、ミラー13、照明用レンズ14から構成し、そのうちミラー13を、調整板16に取付ける。調整板16に、長孔16bを設けると共に、前後方向に交互に凹凸となる複数の凹凸部18を設ける。取付ベース15の上面に、ねじ穴15aを設けると共に、凹凸部18のいずれかの位置に選択的に噛合う噛合部19を設ける。調整板16を、取付ベース15に対し、噛合部19が凹凸部18のいずれかの位置で相対的に噛合った状態に位置合せし、ねじ17によって固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばバーコード等の光学情報の読取りが可能な光学的情報読取装置における、照明光軸或いは読取光軸の位置を調整するための光学的情報読取装置の光軸位置調整構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばバーコードを読取るハンディタイプの光学的情報読取装置(バーコードリーダ)は、本体ケース内に、読取対象(バーコードが印刷されたラベル)に対し横長な照明光を照射する照明光学系と、読取対象からの反射光を、結像レンズを介してCCDセンサ等の受光センサより受光(撮像)する受光光学系とを備えて構成されている。前記照明光学系は、例えば、光源となるLED、その前部に配置された絞り板、その前方に配置されたいわばかまぼこ型の照明用レンズ等から構成されており、例えば2組が結像光学系の左右両側に水平に並ぶように配設されている。これにて、照明光の照明光軸と、受光光学系の読取光軸とが同一の光学的平面内(例えば水平方向に広がる平面内)に配置され、以て、読取対象のうち照明光の当たった部分の画像を確実に取込めるようになっている。
【0003】
ところで、この種の光学的情報読取装置にあっては、照明光学系の照明光軸と、受光光学系の読取光軸とが同一の光学的平面内に配置されていることが望ましいのであるが、構成部品の組付け誤差などにより、それら光軸の位置(角度)がずれる虞がある。そこで、従来では、照明光の光源となるLDを保持するホルダを、金属製の弾性体を介して基板に取付け、その弾性体の高さ位置を高さ調整用ビスによって調整可能とすると共に、その弾性体の基板に平行な位置を偏心ドライバーによって調整可能とした構成が考えられている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−16706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の調整構造では、照明光源の高さ及び水平方向の位置を無段階(リニア)に調整できる構成であるため、細かい微調整が可能となる反面、作業者による調整作業が面倒となる欠点があった。つまり、従来のものでは、照明光源(弾性体)の位置がリニアに変位可能であるため、作業者にとって照明光源を位置決めするための機械的な目安となるものがなく、作業者が止めようと思った位置に正確に位置合せすることはかなり困難性が高く、作業者がその作業に神経を使い、作業に時間がかかってしまう事情があったのである。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、光学的情報読取装置における照明光学系の照明光軸あるいは結像光学系の読取光軸の位置の調整が可能なものにあって、作業者による調整作業を簡単に済ませることができる光学的情報読取装置の光軸位置調整構造を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1の光学的情報読取装置の光軸位置調整構造は、光学的情報読取装置における照明光学系の照明光軸の位置を調整するための構造であって、前記照明光学系のいずれかの構成部品が本体ケースの固定部に対して所定方向に移動可能とされ、前記構成部品側又は本体ケースの固定部の一方に、前記所定方向に交互に凹凸となる複数の凹凸部が設けられていると共に、他方に、前記凹凸部のいずれかの位置に選択的に噛合う1以上の凹凸からなる噛合部が設けられ、前記凹凸部のいずれかの位置に前記噛合部が噛合った状態で、前記構成部品を固定部に固定するための固定手段を備える構成に特徴を有する。
【0007】
上記構成によれば、照明光学系のいずれかの構成部品を、本体ケースの固定部に対して所定方向に移動させ、固定手段により固定することによって、照明光学系の照明光軸の位置(角度)を調整することができる。この調整においては、構成部品の固定部に対する位置を、凹凸部のピッチに対応していわば段階的に変更することができる。このとき、固定部に対する構成部品の機械的な位置決めを、凹凸部のいずれかの位置に噛合部を選択的に噛合わせることにより行うことができるので、作業者が固定前の構成部品の位置決めを容易に行うことができ、その分調整作業を簡単に済ませることができる。
【0008】
この場合、前記所定方向に移動可能な構成部品を、照明光源と照明用レンズとの間に配置され該照明光源からの出射光を折曲げるためのミラーとすることができる(請求項2の発明)。これによれば、ミラーを所定方向に移動させることによって、折曲げられた出射光が照明用レンズに対して入射される位置を変更し、照明用レンズからの出射光の出射位置(出射角度)を調整することが可能となり、他の構成部品を移動させる場合に比べて、照明光軸の位置調整を簡単な構成で行うことが可能となる。
【0009】
本発明の請求項3の光学的情報読取装置の光軸位置調整構造は、光学的情報読取装置における照明光学系の照明光軸の位置を調整するための構造であって、前記照明光学系は全体がユニット化されており、本体ケースの固定部に階段状位置決め部が設けられると共に、前記照明光学系ユニットには前記階段状位置決め部のいずれかの段に選択的に係止される係止部が設けられ、前記階段状位置決め部のいずれかの段に前記係止部が係止された状態で、前記照明光学系ユニットを前記固定部に固定するための固定手段を備える構成に特徴を有する。
【0010】
この構成によれば、照明光学系全体の固定部に対する取付け位置(角度)を変更し、固定手段により固定することによって、照明光学系の照明光軸の位置(角度)を調整することができる。この調整においては、係止部を階段状位置決め部のいずれかの段に係止させることによって、照明光学系ユニットの固定部に対する位置(角度)を、階段状位置決め部の段に対応していわば段階的に変更することができる。このとき、固定部に対する照明光学系ユニットの機械的な位置決めを、階段状位置決め部のいずれかの段に係止部を選択的に係止することにより行うことができるので、作業者が、固定前の照明光学系ユニットの位置決めを容易に行うことができ、その分調整作業を簡単に済ませることができる。
【0011】
本発明の請求項4の光学的情報読取装置の光軸位置調整構造は、光学的情報読取装置における受光光学系の読取光軸の位置を調整するための構造であって、前記受光光学系のいずれかの構成部品が本体ケースの固定部に対して所定方向に移動可能とされ、前記構成部品側又は本体ケースの固定部の一方に、前記所定方向に交互に凹凸となる複数の凹凸部が設けられていると共に、他方に、前記凹凸部のいずれかの位置に選択的に噛合う1以上の凹凸からなる噛合部が設けられ、前記凹凸部のいずれかの位置に前記噛合部が噛合った状態で、前記構成部品を固定部に固定するための固定手段を備える構成に特徴を有する。
【0012】
上記構成によれば、受光光学系のいずれかの構成部品を、本体ケースの固定部に対して所定方向に移動させ、固定手段により固定することによって、受光光学系の読取光軸の位置(角度)を調整することができる。この調整においては、構成部品の固定部に対する位置を、凹凸部のピッチに対応していわば段階的に変更することができる。このとき、固定部に対する構成部品の機械的な位置決めを、凹凸部のいずれかの位置に噛合部を選択的に噛合わせることにより行うことができるので、作業者が固定前の構成部品の位置決めを容易に行うことができ、その分調整作業を簡単に済ませることができる。
【0013】
この場合、前記所定方向に移動可能な構成部品を、結像レンズと受光センサとの間に配置され該結像レンズを通った入射光を折曲げるためのミラーとすることができる(請求項5の発明)。これによれば、ミラーを所定方向に移動させることによって、折曲げられた入射光が受光センサに対して入射される位置を変更し、結像レンズを通った入射光の受光センサに対する入射位置(入射角度)を調整することが可能となり、他の構成部品を移動させる場合に比べて、読取光軸の位置調整を簡単な構成で行うことが可能となる。
【0014】
本発明の請求項6の光学的情報読取装置の光軸位置調整構造は、光学的情報読取装置における受光光学系の読取光軸の位置を調整するための構造であって、前記受光光学系は全体がユニット化されており、本体ケースの固定部に階段状位置決め部が設けられると共に、前記受光光学系ユニットには前記階段状位置決め部のいずれかの段に選択的に係止される係止部が設けられ、前記階段状位置決め部のいずれかの段に前記係止部が係止された状態で、前記受光光学系ユニットを前記固定部に固定するための固定手段を備える構成に特徴を有する。
【0015】
この構成によれば、受光光学系全体の固定部に対する取付け位置(角度)を変更し、固定手段により固定することによって、受光光学系の読取光軸の位置(角度)を調整することができる。この調整においては、係止部を階段状位置決め部のいずれかの段に係止させることによって、受光光学系ユニットの固定部に対する位置(角度)を、階段状位置決め部の段に対応していわば段階的に変更することができる。このとき、固定部に対する受光光学系ユニットの機械的な位置決めを、階段状位置決め部のいずれかの段に係止部を選択的に係止することにより行うことができるので、作業者が、固定前の受光光学系ユニットの位置決めを容易に行うことができ、その分調整作業を簡単に済ませることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を具体化したいくつかの実施例について、図面を参照しながら説明する。尚、以下に述べる各実施例は、本発明を、光学的情報読取装置としての、バーコードを読取るハンディタイプのバーコードリーダ(バーコードハンディターミナル)に適用したものである。
【0017】
(1)第1の実施例
まず、本発明の第1の実施例について、図1ないし図4を参照しながら説明する。本実施例に係る光学的情報読取装置たるバーコードリーダ1は、図4にその外観を示すように、ユーザが片手で持って操作可能な大きさの縦長形状をなす本体ケース2内の先端側に、ラベル等の読取対象Rに記録されたバーコードBを読取るための読取機構3(図3参照)を配設して構成される。詳しく図示はしないが、前記本体ケース2は、下ケースと上ケースとを突合せてねじ止め固定されるようになっている。
【0018】
図3に示すように、前記読取機構3は、読取対象Rに向けて照明光Lを照射する照明手段としての照明光学系4、読取対象Rからの反射光を受光(撮像)しバーコードBを読取る受光手段としての受光光学系5、更に、図示はしないが、読取対象Rに対して読取位置を示すマーカ光を照射するマーカ光学系を備えて構成される。照明光学系4及び受光光学系5については後述する。
【0019】
図4に示すように、前記本体ケース2の先端面には、横長な矩形状をなし透光性を有する読取口2aが設けられている。また、本体ケース2の上面部には、表示部6やキー操作部7が設けられ、本体ケース2の左右の側面部には、読取指示用のトリガキー8が設けられている。さらに、これも図示はしないが、前記本体ケース2内には、全体の制御や読取ったバーコードBのデコード処理等を行う制御回路、外部との通信を行うための通信回路、駆動電源となる二次電池等が設けられている。
【0020】
ここで、前記照明光学系4及び受光光学系5について述べる。まず、前記受光光学系5は、図3に示すように、本体ケース2内の先端側に配設された例えばCCDエリアセンサからなる受光センサ9と、その受光センサ9の前方に配置された結像レンズ10とを備えて構成されている。詳しく図示はしないが、前記結像レンズ10は、例えば鏡筒内に複数枚のレンズを配設して構成される。この受光光学系5の読取光軸Oは、前記読取口2aの中心を該読取口2a面に直交する状態で延びている。また、受光光学系5は、横長な読取視野を有している。
【0021】
そして、前記照明光学系4は、図1及び図2にも示すように、この場合、照明光源としての1個又は複数個のLED11、絞り板12、前記LED11からの出射光を折曲げるためのミラー13、前記LED11からの光を集光,拡散する照明用レンズ14を備えて構成される。詳しく図示はしないが、照明光学系4は、前記受光センサ9のやや後方に位置して、2組が、受光光学系5(読取光軸O)に対して左右対称的に設けられている。
【0022】
具体的には、前記照明用レンズ14は、入射面が平面状をなし、出射面が円筒面とされたいわゆるかまぼこ型をなし、受光センサ9のやや後方に前向きに設けられている。前記ミラー13は、前記照明用レンズ14の後方に45度の角度をなすように設けられている。そして、前記LED11及びその前部に配置された絞り板12は、前記ミラー13の下方に位置して上向きに設けられている。これにて、LED11から発せられ絞り板12を通った上向きの光は、ミラー13により前方に向けて直角に折曲げられ、照明用レンズ14に入射されるようになっている。そして、照明用レンズ14により、LED11からの入射光が集光,拡散され、横方向(読取幅方向)に広がると共に縦方向には細い帯状の照明光Lとして出射されるようになっている。
【0023】
このように構成された照明光学系4により、前記読取口2aから前方(図3で左方)に向けて照明光Lが出射され、読取対象Rに対して、前記受光光学系5の読取視野よりもやや広い範囲について、読取幅方向に長い照明光Lが照射されるようになっている。また、このとき、左右の照明用レンズ14から出射される照明光Lの照明光軸P(図1、図2参照)は、前記受光光学系5の読取光軸Oを含む光学的平面と同一の光学的平面内(水平面内)に位置されるようになっている。尚、この照明光Lは、バーコードBの読取り時(画像取込み時)に点灯されるようになっている。
【0024】
さて、本実施例では、照明光学系4を構成する構成部品のうちミラー13が、本体ケース2内に設けられた固定部である取付ベース15に対し、この場合、所定方向である前後方向(矢印a方向)に位置調整可能に取付けられるようになっている。前記照明用レンズ14並びにLED11及び絞り板12は、本体ケース2内に固定的に設けられている。このとき、前記ミラー13の取付ベース15に対する取付位置の調整により、照明光軸Pの位置(この場合角度)を調整できるようになっており、もって、光軸位置の調整構造が設けられるようになっている。以下、本実施例に係る光軸位置調整構造について、図1及び図2を参照しながら詳述する。
【0025】
即ち、前記ミラー13は、調整板16に取付けられた状態で取付ベース15に固定的に支持される。前記調整板16は、全体として前後方向に延びる板状をなし、その先端側に、例えば斜め45度方向に傾斜して立上るミラー取付部16aが設けられ、このミラー取付部16aに前記ミラー13が固着されている。また、調整板16の長手方向中間部分には、前後方向にやや長い長孔16bが形成されている。
【0026】
一方、前記取付ベース15の上面は、水平な取付面とされると共に、ねじ穴15aが設けられている。前記調整板16は、取付ベース15の取付面に載置状態とされると共に、ねじ17が上方から長孔16bを通して前記ねじ穴15aにねじ込まれることによって、取付ベース15に取付けられるようになっている。これら長孔16b、ねじ穴15a、ねじ17から固定手段が構成されている。このとき、調整板16ひいてはミラー13は、長孔16bの分だけ前後方向に移動可能とされている。
【0027】
そして、このとき、前記調整板16のうち後部側下面(長孔16bの後ろ側近傍)に、前後方向に交互に凹凸となる複数の凹凸部18が形成されていると共に、前記取付ベース15の上面には、そのねじ穴15aの後ろ側近傍に位置して、前記凹凸部18のいずれかの位置に選択的に噛合う凹凸からなる噛合部19が設けられている。この場合、図1(b)、図2(b)に示すように、凹凸部18は、側面鋸歯状に構成され、例えば凸(山)が5個(凹(谷)が4個)並ぶように設けられている。これに対し、噛合部19は、その凹凸部18に噛合う鋸歯状の凸(山)を2個設けて構成されている。
【0028】
これにて、図1及び図2に2つの例を示すように、調整板16は、取付ベース15に対し、凹凸部18に対して噛合部19がいずれかの位置で相対的に噛合った状態に位置合せされ、その状態でねじ17によって固定されるのである。この調整構造により、調整板16(ミラー13)の取付ベース15(本体ケース2)に対する前後方向の取付け位置を、凹凸部18のピッチに対応して複数段階(この場合5段階)でいわば段階的に変更することができ、ひいては照明光軸Pの角度を調整できるようになっている。
【0029】
例えば、図1に示すように、噛合部19が凹凸部18に対して中央の位置で相対的に噛合っている場合には、調整板16(ミラー13)は前後方向中間の位置に配置される。この状態では、LED11からの出射光の光軸がミラー13の中央で反射され、照明用レンズ14の高さ方向中間部に入射され、照明用レンズ14から出射される照明光Lの光軸Pの角度が図で水平方向となる。尚、この位置が、初期の(基準となる)調整板16(ミラー13)の取付位置とされる。
【0030】
これに対し、図2に示すように、噛合部19が凹凸部18に対して前側の位置で相対的に噛合っている場合には、調整板16(ミラー13)は後ろ寄りの位置に配置されることになる。この状態では、LED11からの出射光の光軸がミラー13の上部寄りで反射され、照明用レンズ14の高さ方向上部寄りに入射される。このときには、照明用レンズ14から出射される照明光Lの光軸Pの角度が図で水平からやや下向きに変更されるようになる。図示はしないが、それとは逆に、調整板16(ミラー13)が前寄りの位置に移動されると、照明用レンズ14から出射される照明光Lの光軸Pの角度が図で水平からやや上向きに変更されるようになるのである。
【0031】
次に、上記構成の作用について述べる。バーコードリーダ1によりバーコードBを読取るにあたっては、ユーザは、本体ケース2を読取対象Rから適当な距離(読取基準距離前後)だけ離した状態で、その読取口2aを、横長のバーコードBが記録された読取対象Rに対してほぼ平行となるように向ける。このとき、図示しないマーカ光が読取対象Rに照射されることによって、ユーザは、読取口2aと読取対象Rとの位置合せを行うことができる。
【0032】
そして、その状態で、トリガキー8のオン操作が行われると、図4に示すように、マーカ光が消灯された上で、今度は照明光学系4により読取口2aを通してバーコードB部分に横長な帯状の照明光Lが照射され、バーコードBからの反射光が読取口2aを通して入射されて結像レンズ10を介して受光センサ9上に結像され、以てバーコードBが読取られる。このとき、照明光軸Pと読取光軸Oとが同一の光学的平面内(水平面内)に配置されることによって、良好な読取りが行われる。
【0033】
ところが、照明光学系4及び受光光学系5の構成部品の組付け誤差などにより、それら照明光軸Pと読取光軸Oとの位置(角度)がずれるケースが考えられる。照明光軸Pと読取光軸Oとの位置(角度)がずれていると、照明光Lが照射されている部分の画像を受光光学系5により正しく取込むことができなくなり、バーコードBの読取りが良好に行えなくなる虞が生ずる。そこで、本実施例では、例えばバーコードリーダ1の組立て時(工場出荷時)において、照明光軸Pと読取光軸Oとの位置(角度)が一致しているかどうかの検査が行われ、ずれが生じている場合には、照明光軸Pの角度の調整が行われる。
【0034】
この調整の作業は、例えば図1の状態から、まず、ねじ17を緩めて調整板16(ミラー13)を移動可能な状態とし、調整板16を取付ベース15に対して調整方向(前後方向)に移動させ、ねじ17を締付けることにより行うことができる。このとき、この調整作業においては、凹凸部18に対して噛合部19がいずれかの位置で相対的に噛合った状態とすることにより、取付ベース15に対する調整板16の機械的な位置決めを行うことができ、その状態でねじ17を締付けて調整板16を固定することができる。
【0035】
この場合、仮に、凹凸部18及び噛合部19が存在しない構成を想像すると、ねじ17を締付ける際の力によって調整板16が取付ベース15に対してずれ動いてしまう不具合が生ずる。これに対し、本実施例では、取付ベース15に対する調整板16の位置を一旦位置決めしたら、調整板16がずれ動くことなくねじ17を締付けて固定することができるのである。尚、上記のような照明光軸Pの調整作業は、バーコードリーダ1の出荷後(使用開始後)にあっても、サービスマンやユーザ自身が行うこともできる。
【0036】
このように本実施例によれば、取付ベース15に対する調整板16の取付け位置の調整によって、照明光軸Pの角度を調整することができるものにあって、調整板16に凹凸部18を形成すると共に、取付ベース15側にその凹凸部18のいずれかの位置に選択的に噛合う噛合部19を設けたので、取付ベース15に対する調整板16(ミラー13)の機械的な位置決めを、凹凸部18のいずれかの位置に噛合部19を選択的に噛合わせることにより行うことができるようになった。
【0037】
この結果、調整時に照明光源を正確に位置合せすることが困難であった従来の構造と異なり、作業者が固定前の調整板16の位置決めを容易に行うことができ、調整作業を簡単に済ませることができるという優れた効果を得ることができる。しかも、特に本実施例では、照明光学系4の構成部品のうちのミラー13を保持した調整板16を移動させることによって、照明用レンズ14からの出射光の出射位置(出射角度)を調整する構成としたので、LED11や照明用レンズ14等を移動させる場合に比べて、照明光軸Pの位置調整を比較的簡単な構成で行うことができる利点も得ることができる。
【0038】
(2)第2の実施例
次に、図5を参照しながら、本発明の第2の実施例について述べる。尚、以下に述べる各実施例においても、本発明をバーコードリーダ1に適用したものであり、全体の基本的な構成については、上記第1の実施例と共通するので、共通する部分については、同一符号を付すと共に新たな図示や詳しい説明を省略し、上記第1の実施例と相違する点についてのみ述べることとする。
【0039】
この第2の実施例が、上記第1の実施例と異なるところは、照明光学系21の構成にある。即ち、図5に示すように、照明光学系21は、LED11、絞り板12、ミラー13、照明用レンズ14を備えているのであるが、この場合、それらの構成部品のうち、ミラー13及び照明用レンズ14が、調整板22に取付けられている。この調整板22には、前後方向にやや長い長孔22aが形成されていると共に、凹凸部18が設けられている。一方、取付ベース15には、ねじ穴15a及び噛合部19が設けられている。
【0040】
この構成により、調整板22(ミラー13及び照明用レンズ14)は、前後方向(矢印a方向)の位置調整可能とされ、取付ベース15に対し、凹凸部18に対して噛合部19がいずれかの位置で相対的に噛合った状態に位置合せされ、その状態でねじ17によって固定されるのである。この調整構造により、調整板22(ミラー13及び照明用レンズ14)の取付ベース15(本体ケース2)に対する前後方向の取付け位置を、凹凸部18のピッチに対応して複数段階(この場合5段階)でいわば段階的に変更することができ、ひいては照明光軸Pの角度を調整できるようになっている。
【0041】
従って、この第2の実施例においても、取付ベース15に対する調整板22(ミラー13及び照明用レンズ14)の機械的な位置決めを、凹凸部18のいずれかの位置に噛合部19を選択的に噛合わせることにより行うことができる。この結果、照明光学系21の照明光軸Pの角度の調整が可能なものにあって、作業者が固定前の調整板22の位置決めを容易に行うことができ、調整作業を簡単に済ませることができるという優れた効果を得ることができる。
【0042】
(3)第3の実施例
図6は、本発明の第3の実施例を示している。この第3の実施例においては、照明光学系が、全体がユニット化された照明光学系ユニット31として構成されている。この照明光学系ユニット31は、構成部品として、上記と同様に、LED11、絞り板12、ミラー13、照明用レンズ14を備え、それらをほぼ矩形箱状をなすケース32に組付けて構成されている。尚、このとき、前記LED11はLED基板33に実装された状態でケース32に取付けられている。
【0043】
そして、本体ケース2内には、固定部である取付ベース34が設けられているのであるが、この取付ベース34は、その前面が垂直な取付面とされている。前記照明光学系ユニット31(ケース32)は、その取付ベース34に対し、所定方向である上下方向(矢印b方向)に位置調整可能に取付けられるようになっている。
【0044】
このとき、前記照明光学系ユニット31のケース32のうち後壁部には、下寄り部位に位置して縦長の長孔32aが形成されている。そして、前記ケース32の背面部には、前記長孔32aの上部に位置して、上下方向に交互に凹凸となる複数(例えば凸(山)が5個)の鋸歯状の凹凸部35が形成されている。
【0045】
一方、前記取付ベース34の取付面(前面)には、前記凹凸部35のいずれかの位置に選択的に噛合う凹凸からなる鋸歯状の噛合部36が設けられていると共に、その下側にねじ穴34aが設けられている。前記照明光学系ユニット31(ケース32)は、取付ベース34の取付面に前方から宛がわれて凹凸部35のいずれかの位置に噛合部36が噛合った状態とされ、その状態で、ねじ17が前方から長孔32aを通して前記ねじ穴34aにねじ込まれることによって、取付ベース34に取付けられるようになっている。
【0046】
この構成においては、取付ベース34(本体ケース2)に対する照明光学系ユニット31全体の上下方向の取付け位置を微調整することができる。この照明光学系ユニット31の位置を上下方向に平行移動させる調整によって、照明光軸Pの上下方向の位置を微調整することができる。このとき、上記第1、第2の実施例と同様に、取付ベース34に対する照明光学系ユニット31(ケース32)の機械的な位置決めを、凹凸部35のいずれかの位置に噛合部36を選択的に噛合わせることにより行うことができる。この結果、本実施例によれば、照明光学系ユニット31の照明光軸Pの位置の調整が可能なものにあって、作業者が固定前の照明光学系ユニット31の位置決めを容易に行うことができ、調整作業を簡単に済ませることができるという優れた効果を得ることができる。
【0047】
(4)第4の実施例
図7及び図8は、本発明の第4の実施例を示している。この第4の実施例においては、照明光学系が、全体がユニット化された照明光学系ユニット41として構成されている。この照明光学系ユニット41は、前後方向に長い調整板42の上面部に、構成部品としての、LED11、絞り板12、照明用レンズ14を取付けて構成されている。この場合、LED11は、調整板42の後端部寄りに前向きに取付けられ、絞り板12はそのLEDの前部に配置されている。照明用レンズ14は、調整板42の前端部寄りに取付けられている。そして、前記調整板42には、前後方向中央部分に位置して、前後に長い長孔42aが形成されている。この調整板42の前端の縁部及び後端の縁部は、夫々前部係止部42b及び後部係止部42cとされている。
【0048】
一方、本体ケース2内には、固定部である取付ベース43が設けられている。前記照明光学系ユニット41(調整板42)は、この取付ベース43の上面に位置調整可能に取付けられるようになっている。取付ベース43は、前後両端部に上方に立上る壁部を有したほぼ水平の板状をなしている。また、取付ベース43の前後方向中央部に、前記調整板42の長孔42aに対応して、上方にやや凸となるボス状部43aが設けられ、その上面にねじ穴43bが形成されている。
【0049】
そして、取付ベース43の前端の壁部には、後ろを向く部分が、前方にいくに従って段々と高くなる前部階段状位置決め部44が形成されている。これと共に、取付ベース43の後端の壁部には、前を向く部分が、後方にいくに従って段々と高くなる後部階段状位置決め部45が形成されている。この場合、これら前部階段状位置決め部44及び後部階段状位置決め部45は、例えば共に6段程度に設けられている。
【0050】
前記照明光学系ユニット41は、調整板42の前端の前部係止部42bが前部階段状位置決め部44のいずれかの段に係止され、調整板42の後端の後部係止部42cが後部階段状位置決め部45のいずれかの段に係止される。そして、その状態で、調整板42の長孔42aを通して、固定手段としてのねじ46を、前記ボス状部43aのねじ穴43bにねじ込むことにより、取付ベース43に固定されるようになっている。
【0051】
このとき、図7に示すように、調整板42の前部係止部42bが前部階段状位置決め部44の下から3段目の段に係止(載置)されている状態では、後部係止部42cも後部階段状位置決め部45の下から3段目の段に係止(載置)されるような寸法設定とされている。この図7に示す状態では、照明光学系ユニット41の調整板42は、水平に保持され、照明光学系ユニット41(照明用レンズ14)から出射される照明光の照明光軸Pの角度が水平方向となる。
【0052】
これに対し、図8に示すように、調整板42の前部係止部42bが一段下がって前部階段状位置決め部44の下から2段目の段に係止(載置)されている状態では、後部係止部42cは一段上がって後部階段状位置決め部45の下から4段目の段に係止(載置)されるようになる。この状態では、調整板42がやや前下がりに傾斜して取付けられるようになるので、照明光軸Pの角度が水平からやや下向きに変更されるようになる。
【0053】
図示はしないが、それとは逆に、調整板42を前上がりに傾斜させるように調整すると、照明光軸Pの角度が水平からやや上向きに変更されるようになるのである。このように、本実施例では、調整板42の前部係止部42b及び後部係止部42cの、夫々前部階段状位置決め部44及び後部階段状位置決め部45に対する係止位置(段)を選択することにより、照明光軸Pの角度を例えば5段階で段階的に変更することができるのである。
【0054】
この第4の実施例によれば、照明光学系ユニット41の取付ベース43に対する取付け角度を、階段状位置決め部44,45の段に対応していわば段階的に変更することができる。このとき、照明光学系ユニット41(調整板42)の機械的な位置決めを、階段状位置決め部44,45のいずれかの段に係止部42b,42cを選択的に係止することにより行うことができるので、作業者が、固定前の照明光学系ユニット41の位置決めを容易に行うことができる。この結果、上記各実施例と同様に、照明光学系ユニット41の照明光軸Pの角度の調整が可能なものにあって、作業者が固定前の照明光学系ユニット41の位置決めを容易に行うことができ、調整作業を簡単に済ませることができるという優れた効果を得ることができる。
【0055】
(5)第5の実施例
図9及び図10は、本発明の第5の実施例を示している。この第5の実施例では、上記第1〜第4の実施例と異なり、受光光学系51の読取光軸Oの位置(角度)を調整可能に構成している。
【0056】
即ち、受光光学系51は、本体ケース2内に設けられた基板52上に、構成部品としての受光センサ9、ミラー53、結像レンズ10等を組付けて構成される。そのうち受光センサ9は、前記基板52の後部側の上面に上向きに設けられている。前記結像レンズ10は、ホルダ54を介して基板52の前部側に前向きに固定的に設けられている。このとき、ホルダ54の上部側には、後述する取付板55が一体に設けられている。本実施例では、この取付板55が本体ケース2の固定部として機能する。
【0057】
前記ミラー53は、前記結像レンズ10の後方で受光センサ9の上方に位置して45度の角度をなすように設けられ、結像レンズ10を通った入射光を下方に折曲げて受光センサ9に入射させるようになっている。このとき、このミラー53は、調整板56に取付けられた状態で、前記取付板55に対して前後方向(矢印a方向)の位置調整可能に設けられるようになっている。
【0058】
前記調整板56は、前部側が前記取付板55の上面部に重なるように位置される水平板部56aとされ、後部側がその水平板部56aの後端から斜め下方に延びており、さらに、後端部には僅かな水平部が形成されている。前記ミラー53は、調整板56のうち斜めに延びる部分の内面(下面)側に固着されている。また、前記基板52上の受光センサ9の後側には、断面L字状の台板部57が固着されており、前記調整板56の後端部の水平部が台板部57上に載置されている。尚、基板52、取付板55(ホルダ54)、調整板56、台板部57等から暗箱が構成されるようになっている。
【0059】
そして、前記調整板56の水平板部56aには、その前部の下面側に位置して、前後方向に交互に凹凸となる複数の凹凸部58が形成されている。これと共に、水平板部56aの凹凸部58の後ろ側近傍には、前後方向に長い長孔56bが形成されている。これに対し、前記取付板55の上面には、前記凹凸部58のいずれかの位置に選択的に噛合う凹凸からなる噛合部59が形成されている。また、その噛合部59の後ろ側に位置してねじ穴55aが形成されている。
【0060】
これにて、調整板56(ミラー53)は、取付板55に対し凹凸部58に対して噛合部59がいずれかの位置で相対的に噛合った状態に前後方向の位置合せがなされる。そして、その状態で、調整板56の長孔56bを通して、固定手段としてのねじ60を、ねじ穴55aにねじ込むことにより、取付板55に固定されるようになっている。このとき、調整板56(ミラー53)の取付板55に対する前後方向の取付け位置を、凹凸部18のピッチに対応して複数段階(この場合5段階)でいわば段階的に変更することができ、ひいては読取光軸Oの角度を調整できるようになっている。ちなみに、図9の状態では、読取光軸Oが図でほぼ水平となっているのに対し、ミラー53を少し後方に移動させた図10の状態では、読取光軸Oが前方に向かってやや下向きとなるようになっている。
【0061】
このような第5の実施例においては、受光光学系51の読取光軸Oの角度を調整できるものにあって、取付板55に対する調整板56(ミラー53)の機械的な位置決めを、凹凸部58のいずれかの位置に噛合部59を選択的に噛合わせることにより行うことができるので、上記第1の実施例などと同様に、作業者が固定前の調整板56の位置決めを容易に行うことができ、調整作業を簡単に済ませることができるという優れた効果を得ることができる。しかも、ミラー53を保持した調整板56を移動させることによって、読取光軸Oの角度を調整する構成としたので、読取光軸Oの角度調整を比較的簡単な構成で行うことができる利点も得ることができる。
【0062】
(6)第6の実施例、その他の実施例
図11及び図12は、本発明の第6の実施例を示している。この第6の実施例においては、受光光学系が、全体がユニット化された受光光学系ユニット61として構成されている。この照明光学系ユニット61は、前後方向に長く暗箱を構成するケース62内に、構成部品としての受光センサ9及び結像レンズ10を組付けて構成されている。そして、このケース62の底壁部の前後方向中央部分(左右方向には例えば両側に延出した部分)に位置して、前後に長い長孔62aが形成されている。このケース62の底壁部の前端の縁部及び後端の縁部は、夫々前部係止部62b及び後部係止部62cとされている。
【0063】
一方、本体ケース2内には、固定部である取付ベース63が設けられており、前記受光光学系ユニット61(ケース62)は、この取付ベース63の上面に位置調整可能に取付けられるようになっている。取付ベース63には、上記第4の実施例と同様に、ねじ穴63bを有するボス状部63aが設けられていると共に、前部階段状位置決め部64及び後部階段状位置決め部65が設けられている。
【0064】
前記受光光学系ユニット61は、ケース62の前端の前部係止部62bが前部階段状位置決め部64のいずれかの段に係止され、後端の後部係止部62cが後部階段状位置決め部65のいずれかの段に係止される。そして、その状態で、長孔62aを通して、固定手段としてのねじ66を、前記ボス状部63aのねじ穴63bにねじ込むことにより、取付ベース63に固定されるようになっている。
【0065】
この場合も、上記第4の実施例と同様に、ケース62の前部係止部62b及び後部係止部62cの、夫々前部階段状位置決め部64及び後部階段状位置決め部65に対する係止位置(段)を選択することにより、読取光軸Oの角度を例えば5段階で段階的に変更することができるのである。従って、この第6の実施例によっても、上記各実施例と同様に、受光光学系ユニット61の照明光軸Oの角度の調整が可能なものにあって、作業者が固定前の照明光学系ユニット61の位置決めを容易に行うことができ、調整作業を簡単に済ませることができるという優れた効果を得ることができる。
【0066】
尚、本発明は上記し且つ図面に示した各実施例に限定されるものではなく、種々の拡張、変更が可能である。例えば、上記第1の実施例などでは、凹凸部18(並びに噛合部19)を鋸歯状に構成したが、凹凸部の形状としては、図13(a)に示す凹凸部71のように、側面矩形波状としたり、図13(b)に示す凹凸部72のように、丸みをもった三角波形としたりしても良い。
【0067】
また、上記第1〜第4の実施例では、照明光源としてLED11を採用するようにしたが、レーザダイオードなどの別の光源を採用しても良い。例えばレーザダイオードを採用した場合には、絞り板12を不要とすることができる。上記第4、第6の実施例では、取付ベースの前後両側に階段状位置決め部を設けるようにしたが、いずれか一方だけに設けても、所期の目的を達成することができる。その他、照明光学系の照明光軸Pと、受光工学系の読取光軸Oの双方の位置(角度)を調整可能に構成してもよい等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、照明光学系の構成を示す縦断側面図(a)及びそのA部の拡図縦断側面図(b)
【図2】調整板の取付け位置を変更した様子を示す図1相当図
【図3】バーコードリーダの先端側の内部構成を示す縦断側面図
【図4】読取対象に照明光を照射している様子を概略的に示す図
【図5】本発明の第2の実施例を示すもので、照明光学系の構成を示す縦断側面図
【図6】本発明の第3の実施例を示す図5相当図
【図7】本発明の第4の実施例を示す図1相当図
【図8】調整板の取付け角度を変更した様子を示す図7相当図
【図9】本発明の第5の実施例を示すもので、受光光学系の構成を示す縦断側面図
【図10】調整板の取付け位置を変更した様子を示す図9相当図
【図11】本発明の第6の実施例を示す図9相当図
【図12】受光光学ユニットの取付け角度を変更した様子を示す図11相当図
【図13】本発明の他の実施例を示すもので、凹凸部の形状を異ならせた例を示す図
【符号の説明】
【0069】
図面中、1はバーコードリーダ(光学的情報読取装置)、2は本体ケース、4,21は照明光学系、5,51は受光光学系、9は受光センサ、10は結像レンズ、11はLED(照明光源)、13,53はミラー、14は照明用レンズ、15,34,43,63は取付ベース(固定部)、16,22,42,56は調整板、17,46,60,66はねじ(固定手段)、18,35,58は凹凸部、19,36,59は噛合部、31,41照明光学系ユニット、32、62はケース、42b,42c,62b,62cは係止部、44,45,64,65は階段状位置決め部、55は取付板(固定部)、61は受光光学系ユニット、Lは照明光、Pは照明光軸、Oは読取光軸、Rは読取対象を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケース内に、少なくとも照明光源及び照明用レンズを有し読取対象に向けて照明光を照射する照明光学系と、少なくとも結像レンズ及び受光センサを有し前記読取対象からの反射光を受光する受光光学系とを備える光学的情報読取装置における、前記照明光学系の照明光軸の位置を調整するための構造であって、
前記照明光学系のいずれかの構成部品が、前記本体ケースの固定部に対して所定方向に移動可能とされ、
前記構成部品側又は本体ケースの固定部の一方に、前記所定方向に交互に凹凸となる複数の凹凸部が設けられていると共に、他方に、前記凹凸部のいずれかの位置に選択的に噛合う1以上の凹凸からなる噛合部が設けられ、
前記凹凸部のいずれかの位置に前記噛合部が噛合った状態で、前記構成部品を固定部に固定するための固定手段を備えることを特徴とする光学的情報読取装置の光軸位置調整構造。
【請求項2】
前記所定方向に移動可能な構成部品は、前記照明光源と照明用レンズとの間に配置され該照明光源からの出射光を折曲げるためのミラーからなることを特徴とする請求項1記載の光学的情報読取装置の光軸位置調整構造。
【請求項3】
本体ケース内に、少なくとも照明光源及び照明用レンズを有し読取対象に向けて照明光を照射する照明光学系と、少なくとも結像レンズ及び受光センサを有し前記読取対象からの反射光を受光する受光光学系とを備える光学的情報読取装置における、前記照明光学系の照明光軸の位置を調整するための構造であって、
前記照明光学系は、全体がユニット化されており、
前記本体ケースの固定部に階段状位置決め部が設けられると共に、前記照明光学系ユニットには前記階段状位置決め部のいずれかの段に選択的に係止される係止部が設けられ、
前記階段状位置決め部のいずれかの段に前記係止部が係止された状態で、前記照明光学系ユニットを前記固定部に固定するための固定手段を備えることを特徴とする光学的情報読取装置の光軸位置調整構造。
【請求項4】
本体ケース内に、少なくとも照明光源及び照明用レンズを有し読取対象に向けて照明光を照射する照明光学系と、少なくとも結像レンズ及び受光センサを有し前記読取対象からの反射光を受光する受光光学系とを備える光学的情報読取装置における、前記受光光学系の読取光軸の位置を調整するための構造であって、
前記受光光学系のいずれかの構成部品が、前記本体ケースの固定部に対して所定方向に移動可能とされ、
前記構成部品側又は本体ケースの固定部の一方に、前記所定方向に交互に凹凸となる複数の凹凸部が設けられていると共に、他方に、前記凹凸部のいずれかの位置に選択的に噛合う1以上の凹凸からなる噛合部が設けられ、
前記凹凸部のいずれかの位置に前記噛合部が噛合った状態で、前記部構成品を固定部に固定するための固定手段を備えることを特徴とする光学的情報読取装置の光軸位置調整構造。
【請求項5】
前記所定方向に移動可能な構成部品は、前記結像レンズと受光センサとの間に配置され該結像レンズを通った入射光を折曲げるためのミラーからなることを特徴とする請求項4記載の光学的情報読取装置の光軸位置調整構造。
【請求項6】
本体ケース内に、少なくとも照明光源及び照明用レンズを有し読取対象に向けて照明光を照射する照明光学系と、少なくとも結像レンズ及び受光センサを有し前記読取対象からの反射光を受光する受光光学系とを備える光学的情報読取装置における、前記受光光学系の読取光軸の位置を調整するための構造であって、
前記受光光学系は、全体がユニット化されており、
前記本体ケースの固定部に階段状位置決め部が設けられると共に、前記受光光学系ユニットには前記階段状位置決め部のいずれかの段に選択的に係止される係止部が設けられ、
前記階段状位置決め部のいずれかの段に前記係止部が係止された状態で、前記照明光学系ユニットを前記固定部に固定するための固定手段を備えることを特徴とする光学的情報読取装置の光軸位置調整構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−25875(P2007−25875A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−204361(P2005−204361)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】