説明

光学装置のアクチュエータ装置及び撮像装置

【課題】光学装置のアクチュエータ装置の回動マグネットとして外径が4mm以下という小さいものである場合には、回動マグネットの内面を用いて圧入等の締結手段で締結することができなかった。
【解決手段】回動マグネットと一体に回動される回動アーム102と、その回動アームに設けられた駆動ピン103と、回動マグネットを回動可能に支持するベース部材72と、を備えた構成とし、回動アーム102に、回動マグネット101の軸方向の一端が嵌合される嵌合穴165を設け、ベース部材72に支持軸104を設け、支持軸と回動アームの支持穴との間の隙間を支持軸と軸方向穴との間の隙間よりも小さくし、回動マグネットの回動時、支持軸が軸方向穴に接触しない構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁力を用いて光学部材を光路に対して出し入れする光学装置のアクチュエータ装置及び、そのアクチュエータ装置を備えた撮像装置に関し、特に、アクチュエータ装置の主要な構成要素をなす円筒形の回動マグネットを精度良く保持することができる光学装置のアクチュエータ装置及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、この種の光学装置のアクチュエータ装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、電磁力により駆動力を発生する電磁アクチュエータであって、カメラのシャッタ羽根等を駆動する際に適用される電磁アクチュエータ及びこれを用いたカメラ用シャッタ装置に関するものが記載されている。この特許文献1に記載された電磁アクチュエータは、「周方向に分割され交互に異なる磁極に着磁された外周面を有すると共に前記外周面から突出して形成された駆動ピンを有するロータと、励磁用のコイルと、前記ロータの外周面に対向する円弧面を有しかつ前記コイルへの通電によりお互いに異なる磁極が発生する第1磁極部及び第2磁極部を有するヨークとを備え、所定の角度範囲を回動して前記駆動ピンから駆動力を出力する電磁アクチュエータであって、前記ロータは、前記外周面から径方向外側に突出しかつその外周面と同一の磁極に着磁されると共に、前記第1磁極部及び前記第2磁極部に対向し得るように形成された突出部を有する」ことを特徴としている。
【0003】
このような構成を有する特許文献1に記載された電磁アクチュエータによれば、「ロータの外周面から径方向外側に突出しかつその外周面と同一の磁極に着磁され、ヨークの第1磁極部及び第2磁極部に対向し得るように形成された突出部を設けたことにより、ロータ全体としてヨークに対向する面が増加する。これにより、小型化を図りつつも、所望の保持力及び駆動トルクを発生する電磁アクチュエータを提供することができる」(明細書の段落[0037])という効果が期待される。
【特許文献1】特開2004−194403号公報
【0004】
従来、光学装置のシャッタや固定絞り等の光学部材を動かすために、マグネットの磁力を用いたアクチュエータ装置が提供されている。このアクチュエータ装置のためのマグネットとしては、例えば、プラスチックの中に磁性粉を混入したプラスチック磁石が一般的に用いられている。このプラスチック磁石は、プラスチックを主原料とするため成形性には優れているが、発生する磁力が弱いという不十分な点がある。
そのため、従来の光学装置では、磁力を所定の値まで強くするためにプラスチック磁石の径を大きくする必要があった。その結果、光学装置の全体が大型化されており、その光学装置を用いた撮像装置も大型になっていた。
【0005】
一方、磁石の材料として、近年、小型でありながら強力な磁力を発生することができるネオジム化合物やサマリウム化合物を用いた永久磁石が開発され、用いられている。
この場合、ネオジム化合物やサマリウム化合物を用いた永久磁石は、焼結によって形成されている。そのため、焼結により製造される永久磁石(以下「焼結マグネット」という。)は、成形性の点から考えると、単純な形状とすることが好ましい。この場合の単純な形状は円柱や円筒であり、円柱や円筒であれば焼結によっても比較的容易に製造することができる。
【0006】
このように、焼結マグネットを円筒形に形成し、光学装置のアクチュエータ装置として用いる場合には、次のような問題点が生じるおそれがある。図17は、この種のアクチュエータ装置に使用可能な円筒形の回動マグネット200を断面して示す図である。この回動マグネット200は、一般に、直径の小さな円筒体(例えば、外径φAが4mm以下)として形成されている。この回動マグネット200の外径φAが4mm程度の場合には、外周面の研磨加工が可能であるため、その外面の精度をある程度出すことができ、例えば、±0.03mm程度の公差は可能である。そのため、精度の高い外面を有する回動マグネットであれば、その外面を用いて圧入等の締結手段により十分に強力に締結することができる。
【0007】
ところが、回動マグネット200の内径φBの場合には、研磨加工が不可能であるため、その内面の精度を出すことができず、その公差としては、±0.08mm程度が精一杯であった。これは、回動マグネット200の軸方向穴201の内面が、焼結時における焼きっぱなしの、極めて硬い状態となるためである。そのため、精度の低い内面を有する回動マグネットでは、その内面を用いて圧入等の締結手段で締結することができないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、光学装置のアクチュエータ装置に用いられる回動マグネットとして円筒形のものを使用する場合、特に、回動マグネットの外径が4mm以下という小さいものである場合には、回動マグネットの内面を用いて圧入等の締結手段で締結することができず、精度の高い外面を用いる場合には、圧入等の締結手段で締結することができる、という点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光学装置のアクチュエータ装置は、光学装置の光路の外側に配置されるコアと、そのコアに巻回されるコイルと、そのコイルへの通電によりコアから出力される磁界の向きに対応した方向に回動され且つ軸心部分に軸方向に貫通する軸方向穴を有する円筒形の回動マグネットと、その回動マグネットと一体に回動される回動アームと、その回動アームに設けられた駆動ピンと、コアを固定して支持すると共に回動マグネットを回動可能に支持するベース部材と、を備えて構成されている。回動マグネットの回動に基づき回動される駆動ピンの回動により光学部材を光路に対して出し入れさせるアクチュエータ装置であって、回動アームに、回動マグネットの軸方向の一端が嵌合される嵌合穴を設け、ベース部材又は回動アームに、軸方向穴を貫通する支持軸を設け、支持軸とその支持軸を支持する回動アームの支持穴又はベース部材の支持穴との間の隙間を支持軸と軸方向穴との間の隙間よりも小さくし、回動マグネットの回動時、支持軸が軸方向穴に接触しない構成としたことを最も主要な特徴とする。
【0010】
また、本発明の撮像装置は、レンズ鏡筒に取り付けられる撮像素子と、レンズ鏡筒の内部に保持されると共に被写体からの像を撮像素子に導く撮影光学系と、その撮影光学系の光路に対して光学部材を出し入れさせるアクチュエータ装置と、を備えた撮像装置である。アクチュエータ装置は、光学装置の光路の外側に配置されるコアと、そのコアに巻回されるコイルと、そのコイルへの通電によりコアから出力される磁界の向きに対応した方向に回動され且つ軸心部分に軸方向に貫通する軸方向穴を有する円筒形の回動マグネットと、その回動マグネットと一体に回動される回動アームと、その回動アームに設けられた駆動ピンと、コアを固定して支持すると共に回動マグネットを回動可能に支持するベース部材と、を有している。回動アームに、回動マグネットの軸方向の一端が嵌合される嵌合穴を設け、ベース部材又は回動アームに、軸方向穴を貫通する支持軸を設け、支持軸とその支持軸を支持する回動アームの支持穴又はベース部材の支持穴との間の隙間を支持軸と軸方向穴との間の隙間よりも小さくし、回動マグネットの回動時、支持軸が軸方向穴に接触しない構成として、回動マグネットの回動に基づき回動される駆動ピンの回動により光学部材を光路に対して出し入れさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の光学装置のアクチュエータ装置及び撮像装置によれば、アクチュエータ装置に用いられる円筒形の回動マグネットを比較的容易に製造することができる。特に、回動マグネットの主原料としてネオジム化合物又はサマリウム化合物を用いることにより、小型でありながら磁力が強い回動マグネットを有するアクチュエータ装置を得ることができる。そのため、このアクチュエータ装置を使用する光学装置全体の小型化を図り、更に、その光学装置を用いた撮像装置の小型化、軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
回動マグネットを円筒形に形成すると共に、回動アームに嵌合穴を設け、ベース部材又は回動アームに支持軸を設け、支持軸とその支持軸を支持する回動アームの支持穴又はベース部材の支持穴との間の隙間を支持軸と回動マグネットの軸方向穴との間の隙間よりも小さくし、回動マグネットの回動時、支持軸が軸方向穴に接触することがなく、小さい回動マグネットでありながら大きな磁力を発生することができ、装置全体の小型化、軽量化に寄与し得る光学装置のアクチュエータ装置及び撮像装置を、簡単な構成によって実現した。
【0013】
例えば、回動マグネットの外径を基準として、内径の公差が問題とならないクリアランスをあけて、回動マグネットを回動アームに一体的に固定する。そして、地板であるベース部材に設けた支持軸と回動アームの軸受穴とで摺動させ、支持軸が回動マグネットの内面に接触しないようにする。また、回動マグネットの内面がベース部材に設けた支持軸に当たらないよう十分に大きなクリアランスをあけて、回動マグネットを回動アームに一体的に固定する。そして、支持軸と回動アームの軸受穴及び軸受蓋の軸受穴とで摺動させ、支持軸が回動マグネットの内面に接触しないようにする。
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1〜図17は、本発明の実施の形態の例を説明するものである。即ち、図1は本発明の撮像装置の第1の実施の例を示すデジタルスチルカメラのレンズ鏡筒収納状態の斜視図、図2は同じくレンズ鏡筒繰出し状態の斜視図、図3はデジタルスチルカメラの背面図、図4はレンズ鏡筒の縦断面図、図5はデジタルスチルカメラの概略構成を示すブロック説明図、図6は本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例を示す斜視図、図7はコア体に回動マグネットが配置された状態の説明図、図8はアクチュエータ装置のベース部材の平面図、図9は回動マグネットの第1の実施の例を示す斜視図、図10はアクチュエータ装置の断面図、図11は同じく分解斜視図、図12はコアとコイルの斜視図、図13はコアとコイルの平面図である。図14はコアとコイルの第2の実施の例を示す平面図、図15は回動アーム及び支持軸等の第2の実施の例を示す断面図、図16は回動アーム及び支持軸等の第3の実施の例を示す断面図、図17は円筒形の回動マグネットを説明する図である。
【0015】
まず、本発明の撮像装置に係るデジタルスチルカメラ1について説明する。図1〜図4に示すデジタルスチルカメラ1は、後述する本発明の光学装置のアクチュエータ装置を備えた本発明の撮像装置の第1の実施の例を示すものである。このデジタルスチルカメラ1は、情報記録媒体として半導体記録メディアを使用し、被写体からの光学的な画像をCCDやCMOS等の撮像素子で電気的な信号に変換して、半導体記録メディアに記録したり、液晶ディスプレイ等の表示装置である平面表示パネル4に表示できるようにしたものである。
【0016】
このデジタルスチルカメラ1は、被写体の像を光として取り込んで撮像素子に導くレンズ鏡筒3と、そのレンズ鏡筒3その他の装置、機器等が内蔵されるカメラケース2と、撮像素子から出力される映像信号に基づいて画像を表示する液晶ディスプレイ等からなる表示装置である平面表示パネル4と、レンズ鏡筒3の動作や平面表示パネル4の表示等を制御する制御装置と、図示しないバッテリー電源等を備えて構成されている。
【0017】
カメラケース2は、横長とされた偏平の容器からなり、前後方向に重ね合わされたフロントケース5及びリアケース6と、このフロントケース5とリアケース6の間に介在された略長方形の枠体からなるセンタケース7等によって構成されている。フロントケース5の前面の、中央より一側に少し偏倚した位置には、リング状をなす化粧リング8が取り付けられており、その化粧リング8の中央穴8aにレンズ鏡筒3の正面側の1群環等が進退可能に臨んでいる。
【0018】
図1は、レンズ鏡筒3の非撮影状態(鏡筒収納状態)を示すもので、レンズ鏡筒3の前面の略全体が、フロントケース5の前面と略同一平面となるように構成されている。また、図2は、レンズ鏡筒3の撮影状態(繰出し状態)を示すもので、1群環を包む化粧環10と、直進環を包む化粧環11が入れ子状態で繰出されている。
【0019】
フロントケース5のレンズ鏡筒3の斜め上部には、フラッシュ装置の発光部12と、オートフォーカス機構の発光・受光部13が設けられている。また、センタケース7の上面には、電源ボタン14やシャッタボタン15、マイクロホン等の集音装置の集音用穴16等が設けられている。更に、センタケース7の一方の側面部には、電源であるバッテリーが着脱可能に収納されるバッテリー収納部が設けられており、そのバッテリー収納部にはバッテリー蓋17が着脱可能に係合されている。そして、センタケース7のバッテリー蓋17と反対側の側面部には、スピーカ装置のためのスピーカ用孔18が設けられている。
【0020】
リアケース6には表示窓21が大きく開口されており、その表示窓21に平面表示パネル4が装着されている。平面表示パネル4は、使用者が表示面に触れることにより操作が可能なタッチ操作機能を備えている。また、リアケース6の平面表示パネル4の一側には、各種の操作スイッチが設けられている。操作スイッチとしては、例えば、機能モード(静止画、動画、再生等)を選択するモード切替スイッチ22と、ズーム操作を実行する光学ズーム操作ボタン23と、各種メニューを選択するメニューボタン24と、画面表示を切り替える表示切替ボタン25等を挙げることができるが、その他にもメニューを選択するカーソル等を移動させる方向キー、画面サイズを切り換えたり画面削除を行う画面ボタン等を設けることも可能である。
【0021】
このような構成を有するカメラケース2の内部に、レンズ鏡筒3や平面表示パネル4等を駆動制御する制御装置が内蔵されている。制御装置は、例えば、配線基板上に所定のマイクロコンピュータ、抵抗やコンデンサその他の電子部品等を搭載することによって構成される。
【0022】
図4は、沈胴状態にあるレンズ鏡筒3を縦方向に断面して示す説明図である。このレンズ鏡筒3は、カメラケース2の内部においてそのカメラケース2に固定される固定環31と、この固定環31に回動可能に支持される可動環32と、これらによって保持された撮影光学系33等を備えて構成されている。このレンズ鏡筒3の後部に、撮影光学系33によって結像された被写体像を撮像するCCDやCMOSセンサ等で構成された撮像素子28が配設されている。この撮像素子28から出力される撮像信号に基づいて画像データが生成され、その画像データがデジタルスチルカメラ1の各部に供給される。
【0023】
レンズ鏡筒3の撮影光学系33は、光学的には3群レンズ構成であり、被写体側から順に配置されている複数のレンズの組合せからなる1群レンズ34と、同じく複数のレンズの組合せからなる2群レンズ35と、1又は2以上のレンズの組合せからなる3群レンズ36と、図示しないローパスフィルタ等から構成されている。1群レンズ34は1群レンズ枠37によって保持され、2群レンズ35は2群レンズ枠38によって保持され、3群レンズ36は3群レンズ枠39によって保持されている。そして、2群レンズ枠38に、本発明に係るアクチュエータ装置60が取り付けられている。
【0024】
この撮影光学系33では、1群レンズ34と2群レンズ35によってズーミング機能が発揮され、この1群レンズ34及び2群レンズ35を光軸方向に所定量移動することにより、光学系のズーミング動作を実行することができる。また、3群レンズ36によってフォーカシング機能が発揮され、3群レンズ36を光軸方向に所定量移動することにより、光学系のフォーカシング動作を実行することができる。
【0025】
図5は、レンズ鏡筒3を備えたデジタルスチルカメラ1の概略構成の第1の実施の例を示すブロック図である。このデジタルスチルカメラ1は、レンズ鏡筒3と、制御装置の中心的役割を果す映像記録/再生回路部41と、その映像記録/再生回路部41を駆動するためのプログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する内蔵メモリ42と、撮影された映像等を所定の信号に処理する映像信号処理部43と、撮影された映像等を表示する平面表示パネル4と、記憶容量を拡大する外部メモリ44と、レンズ鏡筒3を駆動制御するレンズ鏡筒制御部45等を備えて構成されている。
【0026】
映像記録/再生回路部41は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路等を備えて構成されている。この映像記録/再生回路部41に、内蔵メモリ42と映像信号処理部43とレンズ鏡筒制御部45とモニタ駆動部46と増幅器51と2つのインタフェース(I/F)48,49が接続されている。映像信号処理部43は、レンズ鏡筒3に取り付けられた撮像素子28に増幅器51を介して接続されている。映像信号処理部43で所定の映像信号に処理された信号が映像記録/再生回路部41に入力される。
【0027】
平面表示パネル4は、モニタ駆動部46を介して映像記録/再生回路部41に接続されている。第1のインタフェース(I/F)48にはコネクタ52が接続されており、このコネクタ52に外部メモリ44が着脱自在に接続可能とされている。また、第2のインタフェース(I/F)49には、カメラケース2に設けられた接続端子53が接続されている。そして、レンズ鏡筒制御部45には、レンズ鏡筒3を駆動制御するレンズ駆動部54と、レンズ鏡筒3の回動量や光軸方向への移動量等を検出する位置センサ55が接続されている。
【0028】
かくして、被写体の像がレンズ鏡筒3の撮影光学系33に入力されて撮像素子28の結像面に結像されると、その画像信号が増幅器51を介して映像信号処理部43に入力される。この映像信号処理部43で所定の映像信号に処理された信号が映像記録/再生回路部41に入力される。これにより、映像記録/再生回路部41から被写体の像に対応した信号がモニタ駆動部46、内蔵メモリ42若しくは外部メモリ44に出力される。その結果、モニタ駆動部46を介して平面表示パネル4に被写体の像に対応した画像が表示され、或いは、必要により情報信号として内蔵メモリ42若しくは外部メモリ44に記録される。
【0029】
次に、まず、アクチュエータ装置60の概略を説明し、その後に、アクチュエータ装置60の構成及び作用を詳細に説明する。レンズ鏡筒3の2群レンズ枠38に取り付けられているアクチュエータ装置60は、図6に示すように、第1のアクチュエータ61と第2のアクチュエータ62と第3のアクチュエータ63との3つのアクチュエータを備えて構成されている。
【0030】
第1〜第3の3つのアクチュエータ61〜63は、光学部材を撮影光学系33の光路SLに対して出し入れするように構成されている。この実施例では、第1のアクチュエータ61は、固定絞り65を光路SLに対して出し入れする。第2のアクチュエータ62は、NDフィルタ66を光路SLに対して出し入れする。また、第3のアクチュエータ63は、シャッタ羽根67を光路SLに対して出し入れする。これにより、固定絞り65とNDフィルタ66によって光路SLの光量調整が行われ、シャッタ羽根67によって光路SLの開閉が行われる。
【0031】
第1〜第3の3つのアクチュエータ61〜63は、それぞれヨーク68A,68B,68Cと、コイル69と、回動マグネット71A,71B,71Cと、ベース部材72等を含んで構成されている。3つのヨーク68A,68B,68Cは、周方向に所定の間隔をあけて連続して形成され、1個のヨーク体68として一体に構成されている。図7に示すように、3つのヨーク68A,68B,68Cは、光路SLの周囲に沿って延在する内側部分74と、その内側部分74よりも光路SLから離れた外側に位置し且つ内側部分74と対向して延在する外側部分75と、それら内側部分74と外側部分75の延在方向の一方の端部を接続する接続部分76とを有している。そして、隣り合う内側部分74と内側部分74が、それぞれ連結部分77によって連結されている。
【0032】
更に、3つのヨーク68A,68B,68Cは、磁性を有する1又は2以上の薄板材が積層されて構成されている。この薄板材の枚数は、それぞれが回動させる光学部材に応じて、それぞれの光学部材を光路SL中に出没させるに足る強度の磁力によって決定される。このヨーク68の材料としては、例えば、珪素鋼板、電磁鋼板、純鉄板、鋼板等を使用することができる。このヨーク体68は、図8に示すように、ベース部材72に取り付けられている。ベース部材72は、中央に光が通過する丸穴73を有するリング状の部材として形成されている。ベース部材72には、3本の支軸78A,78B,78Cが丸穴73を囲むように周方向へ等間隔に配置されて設けられている。
【0033】
3本の支軸78A,78B,78Cには、3つの回動マグネット71がそれぞれ回動自在に嵌合されている。3つの回動マグネット71A,71B,71Cは、3つのヨーク68A,68B,68Cの接続部分76と反対側において内側部分74の端部と外側部分75の端部との間に配置されている。各回動マグネット71A,71B,71Cは、中心に軸受孔71aが貫通された円筒形状とされている。この回動マグネット71A,71B,71Cは、直径方向へ2分割するようにN極とS極にそれぞれ着磁されており、内側部分74と外側部分75の極性に応じて所定角度を回動するように構成されている。そして、回動マグネット71A,71B,71Cの外周面と対向する面積を広くするように、内側部分74には凹状の湾曲面79aがそれぞれ設けられ、外側部分75には凹状の湾曲面79bがそれぞれ設けられている。
【0034】
また、3つのヨーク68A,68B,68Cの内側部分74には、それぞれコイル81が装着されている。このコイル81は、各ヨーク68A,68B,68Cの外側部分75に装着する構成としてもよい。コイル81は、ボビンに巻線を巻回することによって形成されるものでもよく、また、ボビンを有さずに電線を巻回して接着剤等で固定することによって形成されるものであってもよい。このコイル81に通電される電流の方向を変えることにより、内側部分74を+(プラス)極として外側部分75を−(マイナス)極としたり、これとは逆に、内側部分74を−極として外側部分75を+極に変更する切り換え操作を行うことができる。
【0035】
図6に示すように、3本の支軸78A,78B,78Cによって回動可能に支持された3つの回動マグネット71A,71B,71Cのうち、第1のヨーク68Aに対向された第1の回動マグネット71Aには固定絞り65のアーム部65aの一端が固定されている。この第1の回動マグネット71Aを回動することにより固定絞り65を、光路SLの中心に一致する第1の位置と、その光路SLから半径方向外側に離れた第2の位置とに選択的に移動させることができる。第2のヨーク68Bに対向された第2の回動マグネット71BにはNDフィルタ66のアーム部66aの一端が固定されている。この第2の回動マグネット71Bを回動することによりNDフィルタ66を、光路SLの中心に一致する第1の位置と、その光路SLから半径方向外側に離れた第2の位置とに選択的に移動させることができる。
【0036】
また、第3のヨーク68Cに対向された第3の回動マグネット71Cにはシャッタ羽根67の一端が固定されている。シャッタ羽根67は、光路SLを開閉可能な2枚の羽根体67a,67bの組み合わせからなり、第3の支軸78Cによって回動可能に支持されている。各羽根体67a,67bにはカム溝83が設けられており、それらのカム溝83にはカムピン84が摺動可能に係合されている。このカムピン84を図示しない羽根開閉機構によって移動させることにより、2つの羽根体67a,67bを近づけて光路SLを閉鎖する第1の位置と、2つの羽根体67a,67bを遠ざけて光路SLを開放する第2の位置とに選択的に移動させることができるようになっている。
【0037】
次に、アクチュエータ装置60の詳細を、図9〜図16を参照して説明する。図9〜図13は、本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例の具体的構成を示すもので、このアクチュエータ装置100は、回動マグネット101と回動アーム102と駆動ピン103と支持軸104とコア105とコイル106等を備えて構成されている。
【0038】
図9〜図11に示すように、回動マグネット101は、横断面形状が円形をなし且つ軸心部分を軸方向に貫通する軸方向穴111を有するパイプ状の中空軸体からなる。この回動マグネット101は、焼結加工によって形成されている(焼結マグネット)。この回動マグネット101の材料としては、例えば、ネオジムを主原料として、これに鉄等を加えたネオジム化合物や、サマリウムを主原料として、これにコバルト等を加えたサマリウム化合物が好適である。
【0039】
この回動マグネット101の外径は、例えば、4mm程度と比較的大である。この場合には、回動マグネット101の外周面の研磨加工が可能である。そのため、所定の外径寸法に対して所定の公差(例えば、±0.03mm)が得られるように、回動マグネット101の外周面に研磨加工を加える。その一方、回動マグネット101の内径は、例えば、1mm程度と小さいため、研磨加工を施すことができない。そのため、回動マグネット101の内面は、焼結加工を施したままの焼結面である。この場合、回動マグネット101の内面の公差は、例えば、±0.1mm程度である。
【0040】
このマグネット101は、ある直径方向に対してN極とS極に2極着磁されていて、図13において、例えば、2つのコア片105a,105bが延在する方向と直交するX軸に対して、±15度の角度で回動できるように構成されている。そして、コア105との間に生ずる磁気ばねにより、非通電時においても、必ず+15度若しくは−15度の角度位置に保持されるように構成している。更に、コイルへの通電方向の+−を切り替えることにより、元いたポジションから反対側のポジションへ回動変位するようにしている。
【0041】
回動アーム102は、カップ状に形成された軸受部161と、この軸受部161の外周面から半径方向外側へ突出するように形成されたアーム部162と、軸受部161の一面の中央から軸方向へ突出するように形成された枢軸163とを有している。軸受部161は円盤状をなしており、その一方の面の中央に、軸心部分に軸方向に貫通する軸方向穴164を有する枢軸163が一体に設けられている。更に、軸受部161の一面には、周方向に連続する環状溝が設けられており、この環状溝によって回動マグネット101の軸方向の一端を固定するための嵌合穴165が形成されている。
【0042】
そして、回動アーム102のアーム部162の先端部であって枢軸163が突出する側と反対側の面に、枢軸163と反対側に突出する駆動ピン103が設けられている。回動マグネット101と回動アーム102は、回動マグネット101の軸方向の一端を軸受部161の嵌合穴165に嵌め込むことによって一体的に構成されている。回動マグネット101と回動アーム102の結合手段は、嵌合穴165に回動マグネット101の軸方向の一端を圧入することによって固定してもよく、また、嵌合穴165に接着剤を塗布して接着剤で接合することによって固定してもよい。回動アーム102の材質としては、例えば、ABSやPC等のエンジニアリングプラスチックが好適である。
【0043】
この回動アーム102を回動自在に支持するため、ベース部材72には支持軸104が設けられている。支持軸104の基部には、回動マグネット101の外径と同程度の直径を有する座部166が設けられている。回動アーム102は、この座部166に接触して回動される。いま、回動マグネット101の外径及び内径をM1,M2、枢軸163の外径及び内径をS1,S2、支持軸104の直径をDとすると、これらの間には、M1>M2>S1>S2>Dという関係がある。この場合、枢軸163の内径S2と支持軸104の直径Dとの間の隙間Z2は、回動マグネット101の内径M2と枢軸163の外径S1との間の隙間Z1よりも十分に小さい値となるようにする。このとき、回動マグネット101の内径M2には±0.1程度のバラツキが生じることを考慮して、隙間Z1は、適当な大きさのクリアランスが空くよう十分に逃げておく。
【0044】
コア105は、平面形状がコ字状をなすように形成されており、2つの対向するコア片105a,105bが互いに平行に延在されている。このコア105の材料としては、例えば、珪素鋼板、電磁鋼板、純鉄板、鋼板等を用いることができる。一方のコア片105aには、コイル106が装着されている。
【0045】
コイル106は、断面形状が四角形の枠体をなすボビン113と、このボビン113に所定巻数だけ巻回されたコイル線114とを有している。図12に示すように、ボビン113の中央穴にコア105の一方のコア片105aが挿入され、コア105に対してボビン113が固定されて移動不能とされている。図13に示すように、コア105の2つのコア片105a,105bの間に回動マグネット101が介在されている。
【0046】
回動マグネット101は、図10に示すように、その軸方向穴11を貫通する支持軸104によって、ベース部材(地板)72の平面方向と直交する垂直方向へ軸方向穴11を向けた状態で当該ベース部材72に回動自在に支持されている。ベース部材72には、回動マグネット101と一体の駆動ピン103が挿通される長穴116が設けられている。この長穴116は、支持軸104を中心として円弧状に延在されており、その曲率半径は、支持軸104から駆動ピン103までの長さと等しくなるように構成されている。
【0047】
支持軸104の先端は、ベース部材(地板)72の一部をなす軸受ブラケット121によって回動自在に支持されている。軸受ブラケット121は、短冊状をなす板材の長手方向の2箇所を90度に折り曲げたようなクランク形状をなしている。この軸受ブラケット121の一方の平面部121aには軸受穴122が設けられている。この軸受穴122に支持軸104の先端部が嵌合され、回動自在に支持されている。また、軸受ブラケット121の他方の平面部121bには、この軸受ブラケット121をベース部材72にねじ止めするための挿通孔123と、軸受ブラケット121をベース部材72の所定位置に位置決めするための位置決め孔124とが設けられている。
【0048】
この軸受ブラケット121の挿通孔123に対応してベース部材72にはねじ孔117が設けられている。そして、軸受ブラケット121の位置決め孔124に対応してベース部材72には位置決め突起118が設けられている。この位置決め突起118に位置決め孔124を嵌合すると共に、固定ねじ125の軸部を挿通孔123に挿通し、ねじ孔117にねじ軸を螺合して締め込む。これにより、軸受ブラケット121がベース部材72に締め付けられて固定される。
【0049】
また、ベース部材72には、コア105を所定位置に位置決めして固定支持するための支持部131が設けられている。支持部131の上面には、コア105の中間部を係合して支持する支持溝132が設けられている。この支持溝132にコア105の中間部を係合支持することにより、図13に示すように、コア105の2つのコア片105a,105b間に回動マグネット101が介在されるように構成されている。ベース部材72及び軸受ブラケット121の材料としては、例えば、ABSやPC等のエンジニアリングプラスチックが好適である。
【0050】
かくして、図13に示す状態において、コイル106のコイル線114にある方向へ向けて(例えば、一端114aから他端114bに向けて)電流を流すことにより、コア105の一方のコア片105aがN極になり他方のコア片105bがS極になると、それらの極に対向する回動マグネット101の極と一致することになる。これにより、対向する極間において互いに反発力が生じ、回動マグネット101が時計方向(又は反時計方向)に回動する。その結果、回動マグネット101と一体化された回動アーム102に設けた駆動ピン103が、回動マグネット101と同じ角度を回動する。この駆動ピン103の回動により、所望の光学部材、例えば、前述した固定絞りやNDフィルタを回動させて光路SL中に出し入れさせたり、シャッタ羽根を開閉させたり等することができる。
【0051】
図14は、前述したコア105の変形実施例を示すものである。このコア135は、回動マグネット101に対向する2つのコア片135a,135bの内面に湾曲面136a,136bを設け、回動マグネット101に対向する面積を大きくして発生する磁力の強度を高めるようにしたものである。
【0052】
図15は、アクチュエータ装置の第2の実施の例を示すものである。このアクチュエータ装置170が前記アクチュエータ装置100と異なるところは、回動アーム171が異なる点と、回動マグネット101の軸方向の一端に軸受蓋172を設けた点である。そのため、ここでは回動アーム171が回動アーム102と異なる点と軸受蓋172について重点的に説明し、同一部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0053】
回動アーム171が回動アーム102と異なる点は、枢軸163を取り除いたところである。回動アーム171は、軸受部161と同様の軸受部173とアーム部174を有している。回動アーム171の軸受部173の一面には、周方向に連続する環状溝からなる嵌合穴175が設けられている。そして、軸受部173の中央には、枢軸163の軸方向穴164と同様の軸受穴176が設けられている。更に、アーム部174の先部に、一面側に突出する駆動ピン103が設けられている。
【0054】
軸受蓋172は、軸受部173と略同様の構成を有しており、その一面には、周方向に連続する環状溝からなる嵌合穴175が設けられている。そして、軸受蓋172の中央には、軸受穴176と同様の軸受穴178が同一軸心線上に設けられている。この軸受蓋172が、回動マグネット101の軸方向の一端に嵌合されて一体的に固定されている。この回動マグネット101に対する軸受蓋172の固定手段は、回動アーム102と同様であり、圧入してもよく、また、接着剤を用いて接合するようにしてもよい。その他の構成は、前記実施例と同様である。
【0055】
いま、回動マグネット101の外径及び内径をM1,M2、回動アーム171の軸受部173の軸受穴176及び軸受蓋172の軸受穴178の直径をS2,S2、支持軸104の直径をDとすると、これらの間には、M1>M2>S2>Dという関係がある。この場合、軸受穴178の直径S2と支持軸104の直径Dとの間の隙間Z2は、回動マグネット101の内径M2と支持軸104の直径Dとの間の隙間Z1よりも十分に小さい値となるようにする。このとき、回動マグネット101の内径M2には±0.1程度のバラツキが生じることを考慮して、隙間Z1は、適当な大きさのクリアランスが空くよう十分に逃げておく。
【0056】
図16は、アクチュエータ装置の第3の実施の例を示すものである。このアクチュエータ装置180が前記アクチュエータ装置100と異なるところは、回動アーム181の構造と、この回動アーム181をベース部材72に支持する支持構造である。そのため、ここでは、これらの異なる点について重点的に説明し、同一部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、回動マグネット101は、前述した実施例のものと同一である。
【0057】
回動アーム181は、支持軸182と軸受部183とアーム部184を有している。回動アーム181の軸受部183の一面には、周方向に連続する環状溝からなる嵌合穴185が設けられている。そして、軸受部183の中央には、アーム部184が延びる方向と直交する方向に延在する支持軸182が設けられている。支持軸182は、軸受部183の一面から第1の方向へ突出する第1の軸部182aと、軸受部183の他面から第1の方向と反対側の第2の方向へ突出する第2の軸部182bとを有している。この支持軸182の両端を回動自在に支持するため、軸受ブラケット121には第1のボス部191が設けられ、ベース部材72には第2のボス部192が設けられている。2つのボス部191,192は、同一軸心線上に位置するように対向されている。
【0058】
いま、回動マグネット101の外径及び内径をM1,M2、支持軸104の直径をDとすると、これらの間には、M1>M2>Dという関係がある。この場合、ボス部191,192に設けた軸受穴の直径S2と支持軸182の直径Dとの間の隙間Z2は、回動マグネット101の内径M2と支持軸104の直径Dとの間の隙間Z1よりも十分に小さい値となるようにする。このとき、回動マグネット101の内径M2には±0.1程度のバラツキが生じることを考慮して、隙間Z1は、適当な大きさのクリアランスが空くよう十分に逃げておく。
【0059】
図15及び図16に示すような構成とすることによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。因みに、従来のこの種のアクチュエータ装置においては、回動マグネットに使用されるマグネットの直径は3mm程度が限度であったが、本発明においては、マグネットの直径を0.6mm〜1.0mm程度にまで小さくすることが可能になった。これの主な要因は、(1)マグネットの原料にネオジム化合物やサマリウム化合物を使用すること、(2)軸部を別部材で形成して、その後に接合すること、等があると考えられる。また、一般的に、焼結マグネット(ネオジムマグネット若しくはサマリウムマグネット)は、異形に成形することが困難であり、円柱状に加工することが、コスト的(経済性)にも精度や信頼性等の点からも好ましい。
【0060】
前述したような構成を備えたデジタルスチルカメラ1は、例えば、次のようにして使用することができる。図1は、レンズ鏡筒3におけるレンズバリアユニットの開閉ばねを閉じて光学レンズ系を閉じた状態、即ち、非撮影状態を示している。この場合には、デジタルスチルカメラ1の電源はオフの状態となる。また、図2は、レンズバリアユニットの開閉ばねを開いて光学レンズ系を開放した状態、即ち、撮影可能状態を示している。この撮影可能状態は、電源ボタン14を操作して電源をオンとすることによって自動的に実行される。その結果、デジタルスチルカメラ1が、図1に示す形態から図2に示す形態に変化することになる。
【0061】
その後、デジタルスチルカメラ1の撮影可能状態において、被写体に撮影レンズを向けてシャッタボタン15を押すことにより、その被写体を撮影してその画像を取り込むことができる。この際、光学ズーム操作ボタン23を操作することにより、像点の位置を変えることなく、その操作方向に応じて焦点距離を連続的に変化させて、ワイド(広角)画面又はテレ(望遠)画面を得ることができる。
【0062】
以上説明したように、本発明によれば、光学装置のアクチュエータ装置において、従来装置よりも小型化が可能であって、高トルクを発生することができる。そのため、シャッタスピードの高速化を図ることができると共に、固定絞りやNDフィルタ等の光学部品の光路に対する出し入れを高速で行うことができる。
【0063】
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例においては、撮像装置としてデジタルスチルカメラを適用した例について説明したが、デジタルビデオカメラ、カメラ付きパーソナルコンピュータ、カメラ付き携帯電話その他の撮像装置にも適用できるものである。更に、光学レンズとして3群レンズを用いた例について説明したが、4群レンズ以上であってもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の撮像装置の第1の実施の例を示すデジタルスチルカメラのレンズ鏡筒収納状態の斜視図である。
【図2】本発明の撮像装置の第1の実施の例を示すデジタルスチルカメラのレンズ鏡筒繰出し状態の斜視図である。
【図3】本発明の撮像装置の第1の実施の例を示すデジタルスチルカメラを背面から見た斜視図である。
【図4】本発明の撮像装置の第1の実施の例を示すデジタルスチルカメラに用いて好適なレンズ鏡筒の縦断面図である。
【図5】本発明の撮像装置の第1の実施の例を示すデジタルスチルカメラの概略構成を表したブロック説明図である。
【図6】本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例を示す斜視図である。
【図7】本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例を示すもので、コア体に回動マグネットが配置された状態の説明図である。
【図8】本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例を示すもので、アクチュエータ装置のベース部材の平面図である。
【図9】本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例に係る回動マグネットの第1の実施の例を示す斜視図である。
【図10】本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例を示すアクチュエータ装置の断面図である。
【図11】本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例を示すアクチュエータ装置の分解斜視図である。
【図12】本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例に係るコアとコイルの斜視図である。
【図13】本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例に係るコアとコイルの平面図である。
【図14】本発明のアクチュエータ装置の第2の実施の例に係るコアとコイルの平面図である。
【図15】本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例に係る回動アームの第2の実施の例を示す断面図である。
【図16】本発明のアクチュエータ装置の第1の実施の例に係る回動アームの第3の実施の例を示す分解斜視図である。
【図17】本発明のアクチュエータ装置に係る円筒形の回動マグネットを説明する断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1…デジタルスチルカメラ(撮像装置)、 2…カメラケース、 3…レンズ鏡筒、 28…撮像素子、 33…撮影光学系、 60,100,170,180…アクチュエータ装置、 65…固定絞り(光学部材)、 66…NDフィルタ(光学部材)、 67…シャッタ羽根(光学部材)、 72…ベース部材(地板)、 101…回動マグネット、 102,171,181…回動アーム、 103…駆動ピン、 104,182…支持軸、 105,135…コア、 106…コイル、 111…軸方向穴、 121…軸受ブラケット、 122,176,178…軸受穴、 161,173,183…軸受部、 162,174,184…アーム部、 165,175,177,185…嵌合穴、 172…軸受蓋、 191,192…ボス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学装置の光路の外側に配置されるコアと、
前記コアに巻回されるコイルと、
前記コイルへの通電により前記コアから出力される磁界の向きに対応した方向に回動され且つ軸心部分に軸方向に貫通する軸方向穴を有する円筒形の回動マグネットと、
前記回動マグネットと一体に回動される回動アームと、
前記回動アームに設けられた駆動ピンと、
前記コアを固定して支持すると共に前記回動マグネットを回動可能に支持するベース部材と、を備え、
前記回動マグネットの回動に基づき回動される前記駆動ピンの回動により光学部材を前記光路に対して出し入れさせるアクチュエータ装置であって、
前記回動アームに、前記回動マグネットの軸方向の一端が嵌合される嵌合穴を設け、
前記ベース部材又は前記回動アームに、前記軸方向穴を貫通する支持軸を設け、
前記支持軸と当該支持軸を支持する前記回動アームの支持穴又は前記ベース部材の支持穴との間の隙間を前記支持軸と前記軸方向穴との間の隙間よりも小さくし、前記回動マグネットの回動時、前記支持軸が前記軸方向穴に接触しない構成とした
ことを特徴とする光学装置のアクチュエータ装置。
【請求項2】
前記支持軸は、前記ベース部材に設け、
前記支持穴は、前記回動アームの前記嵌合穴と同心に設けた円筒形の枢軸の軸方向穴からなる
ことを特徴とする請求項1記載の光学装置のアクチュエータ装置。
【請求項3】
前記支持軸は、前記ベース部材に設け、
前記支持穴は、前記回動アームの前記嵌合穴と同心に設けた第1の軸受穴と、前記回動マグネットの軸方向の一端に固定された軸受蓋に設けた第2の軸受穴とからなる
ことを特徴とする請求項1記載の光学装置のアクチュエータ装置。
【請求項4】
前記支持軸は、前記回動アームに設け、当該支持軸の軸方向の両端を前記ベース部材で回動自在に支持した
ことを特徴とする請求項1記載の光学装置のアクチュエータ装置。
【請求項5】
前記回動マグネットは、少なくとも磁性材料を有する焼結素材で焼結により形成した
ことを特徴とする請求項1記載の光学装置のアクチュエータ装置。
【請求項6】
前記回動マグネットは、ネオジム化合物又はサマリウム化合物を主原料として形成したことを特徴とする請求項5記載の光学装置のアクチュエータ装置。
【請求項7】
レンズ鏡筒に取り付けられる撮像素子と、
前記レンズ鏡筒の内部に保持されると共に被写体からの像を前記撮像素子に導く撮影光学系と、
前記撮影光学系の光路に対して光学部材を出し入れさせるアクチュエータ装置と、を備えた撮像装置であって、
前記アクチュエータ装置は、
光学装置の光路の外側に配置されるコアと、
前記コアに巻回されるコイルと、
前記コイルへの通電により前記コアから出力される磁界の向きに対応した方向に回動され且つ軸心部分に軸方向に貫通する軸方向穴を有する円筒形の回動マグネットと、
前記回動マグネットと一体に回動される回動アームと、
前記回動アームに設けられた駆動ピンと、
前記コアを固定して支持すると共に前記回動マグネットを回動可能に支持するベース部材と、を有し、
前記回動アームに、前記回動マグネットの軸方向の一端が嵌合される嵌合穴を設け、
前記ベース部材又は前記回動アームに、前記軸方向穴を貫通する支持軸を設け、
前記支持軸と当該支持軸を支持する前記回動アームの支持穴又は前記ベース部材の支持穴との間の隙間を前記支持軸と前記軸方向穴との間の隙間よりも小さくし、前記回動マグネットの回動時、前記支持軸が前記軸方向穴に接触しない構成として、
前記回動マグネットの回動に基づき回動される前記駆動ピンの回動により光学部材を前記光路に対して出し入れさせる
ことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−92742(P2008−92742A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−273255(P2006−273255)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】