説明

光検出回路及び電子機器

【課題】消費電流が極めて少ない光検出回路を提供すること。
【解決手段】ゲートが相対するPチャネルMOSトランジスタのドレインに夫々接続された2個の相対するPチャネルMOSトランジスタを有し、一方のPチャネルMOSトランジスタのドレインは、光発電素子で発生した電圧でオンするNチャネルMOSトランジスタで放電し、もう片方のPチャネルMOSトランジスタのドレインは、ゲートに基準電源端子の電圧が入力され、ソースに光発電素子で発生した電圧が入力されるディプレッション型NチャネルMOSトランジスタのオン電流で放電される構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視光や赤外光等の光を検出する光検出回路に係り、特に、従来よりも消費電流が少ない光検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、掛け時計の時報等の周囲が暗い場合に必要としない機能や、携帯電話のバックライト等の周囲が暗い場合に必要な機能を有する電子機器は、内蔵する光検出回路により周囲の明暗を検出して、これら機能を必要な時のみ動作させることで、低消費電力化してきた。しかし、近年のさらなる低消費電力化の要求により、この光検出回路の消費電力も削減する必要が出てきている。
【0003】
図5に、従来の光検出回路を用いて掛け時計の時報を制御する回路を示す。図5で示すように、フォトダイオード120は、N型端子がプラス電源端子VDDに接続され、P型端子が電流制限抵抗501の第1の電極に接続され、トランジスタ510は、コレクターとベースが電流制限抵抗501の第2の電極とトランジスタ511のベースに接続され、エミッターが基準電源端子GNDに接続され、トランジスタ511は、コレクターが判定第1のノードN1に接続され、エミッターが、基準電源端子GNDに接続され、トランジスタ520は、コレクターが判定第1のノードN1に接続され、ベースがトランジスタ521のベースと同じくトランジスタ521のコレクターと基準抵抗502の第1の電極に接続され、エミッターがスイッチ530の第2の電極とトランジスタ521のエミッターに接続され、スイッチ530の第1の電極はプラス電源端子VDDに接続され、基準抵抗502の第2の電極は基準電源端子GNDに接続され、PチャネルMOSトランジスタ104は、ソースがプラス電源端子VDDに接続され、ゲートが判定第1のノードN1に接続され、ドレインが出力ノードN2に接続され、NチャネルMOSトランジスタ107は、ソースが基準電源端子GNDに接続され、ゲートが判定第1のノードN1に接続され、ドレインが出力ノードN2に接続され、出力ノードN2は時計制御部540に接続され、図示はしないが、電源からのプラスの電圧がプラス電源端子VDDに与えられ、電源からのゼロボルトの電圧が基準電源端子GNDに与えられる構成である。
【0004】
上記構成とすることで、従来の光検出回路は、スイッチ530がオンしている状態において、以下のように動作して光を検出する。
【0005】
フォトダイオード120に発生する明るさに比例した光電流が、トランジスタ510を介してトランジスタ511にミラーされる。基準抵抗502に流れる基準電流が、トランジスタ521を介してトランジスタ520にミラーされる。従って、この光電流に基づくトランジスタ511の電流と、基準電流に基づくトランジスタ520の電流が、判定第1のノードN1で比較される。よって、周囲が明るい場合は、光電流に基づくトランジスタ511の電流の方が、基準電流に基づくトランジスタ520の電流よりも多いので、判定ノードはロウとなり、出力ノードN2はハイとなるので、時計制御部540は、このハイの信号により時報を作動させる。一方、周囲が暗い場合は、光電流に基づくトランジスタ511の電流の方が、基準電流に基づくトランジスタ520の電流よりも少ないので、判定ノードはハイとなり、出力ノードN2はロウとなるので、時計制御部540は、このロウの信号により時報を停止させる。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−287658号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の光検出回路では、スイッチ530を光検出動作が必要な時に必要な時間だけオンすることで、低消費電流化を図っている。しかしながら、このスイッチ530を間欠制御するためにはパルス回路が必要であり、回路規模が大きくなるという課題があった。しかも、パルス回路の消費電流は常に流れるため、この分の消費電流は削減できないという課題があった。また、従来の光検出回路は、フォトダイオードの光電流が、このスイッチでオフされていないため、周囲が明るい場合には、常に光電流が消費流されてしまうといった課題もあった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、回路規模を大きくすることなく、スタンバイ時に電流をほとんど消費しない光検出回路を提供することを目的とする。さらには、周囲が明るい場合にも、フォトダイオードの光電流も消費しない光検出回路を提供する。すなわち、回路規模が小さく、消費電流が極めて少ない光検出回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光検出回路は、上記課題を解決するため、以下のような構成とした。オン電流により第1のノードを充電する第1のPチャネルMOSトランジスタと、オン電流により第2のノードを充電する第2のPチャネル型トランジスタと、ゲートに光発電素子の発電電力で発生させた電圧が入力され、オン電流により第1のノードを放電する第1のNチャネルMOSトランジスタと、ゲートに基準電源端子の電圧が入力され、ソースに前記光発電素子の発電電力で発生させた電圧が入力され、オン電流により前記第2のノードを放電するディプレッション型NチャネルMOSトランジスタと、を有し、光発電素子の発電電力で発生させた電圧が高い場合は、第1のNチャネルMOSトランジスタがオンし、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタがオフし、第1のPチャネルMOSトランジスタがオフし、第2のPチャネルMOSトランジスタがオンする構成であり、光発電素子の発電電力で発生させた電圧が低い場合は、第1のNチャネルMOSトランジスタがオフし、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタがオンし、第1のPチャネルMOSトランジスタがオンし、第2のPチャネルMOSトランジスタがオフする構成とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光検出回路は、周囲の明るさによらず、電流が流れる経路をいずれかのMOSトランジスタで切断するように構成したので、簡便な回路構成で、消費電流を極めて少なくすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の光検出回路における第1の実施形態を示す概略回路図である。
【図2】本発明の光検出回路における第2の実施形態を示す概略回路図である。
【図3】本発明の光検出回路における第3の実施形態を示す概略回路図である。
【図4】本発明の光検出回路における定電流回路の一例を示す回路図である。
【図5】従来の光検出回路で掛け時計の時報を制御する場合の概略回路図である。
【図6】第3の実施形態における各MOSトランジスタのチャネルタイプを逆に構成した場合の概略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の光検出回路における第1の実施形態を示す概略回路図である。PチャネルMOSトランジスタ101は、ソースがプラス電源端子VDDに接続され、ゲートが第1のノードN1に接続され、ドレインが出力端子130に接続される。NチャネルMOSトランジスタ106は、ソースが基準電源端子GNDに接続され、ゲートが第2のノードN2に接続され、ドレインが出力端子120に接続される。PチャネルMOSトランジスタ102は、ソースがプラス電源端子VDDに接続され、ゲートが出力端子130に接続され、ドレインが第1のノードN1に接続される。ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ105は、ソースが第2のノードN2に接続され、ゲートが基準電源端子GNDに接続され、ドレインが第1のノードN1に接続される。定電流回路101は、流入端子が第2のノードN2に接続され、流出端子が基準電源端子GNDに接続される。PN接合素子120は、P型端子が第2のノードN2に接続され、N型端子が基準電源端子GNDに接続される。図示はしないが、プラス電源端子VDDに電源からプラスの電圧が供給され、基準電源端子GNDに電源からゼロボルトの電圧が供給される。
【0013】
第1の実施形態の光検出回路は、上記構成とすることで、以下のように動作して光を検出する。
【0014】
PN接合素子120に光が入射されると、PN接合素子120の発電電力は、第2のノードN2の電圧を上昇させる。電圧定電流回路110は、第2のノードN2より定電流を放電するので、第2のノードN2の電圧は低下する。
【0015】
周囲が明るく、検出すべき光量以上の光がPN接合素子120に入射された場合、PN接合素子120の発電電力により、第2のノードN2の電圧が上昇する。第2のノードN2の電圧が上昇すると、NチャネルMOSトランジスタ160はオンし、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ105をオフする。従って、出力端子130は、NチャネルMOSトランジスタ106のオン電流により、基準電源端子GNDの電圧付近まで放電する。そして、出力端子130が基準電源端子GNDの電圧付近まで放電されることにより、PチャネルMOSトランジスタ102がオンし、第1のノードN1がPチャネルMOSトランジスタ102のオン電流によりプラス電源端子VDDの電圧付近まで充電される。そして、第1のノードN1がプラス電源端子VDDの電圧付近まで充電されるので、PチャネルMOSトランジスタ101がオフする。
【0016】
また、周囲が暗く、検出すべき光量未満の光がPN接合素子120に入射された場合、PN接合素子120の発電電力が少ないので、第2のノードN2の電圧は定電流回路110の定電流放電により低下する。第2のノードN2の電圧が低下すると、NチャネルMOSトランジスタ160はオフし、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ105はオンする。従って、第1のノードN1は、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ105のオン電流により、基準電源端子GNDの電圧付近まで放電される。そして、第1のノードN1が基準電源端子GNDの電圧付近まで放電されると、PチャネルMOSトランジスタ101がオンするので、出力端子130は、PチャネルMOSトランジスタ101のオン電流でプラス電源端子VDD付近の電圧まで充電される。そして、出力端子130がプラス電源端子VDDの電圧付近まで充電されるので、PチャネルMOSトランジスタ102がオフする。従って、本発明の光検出回路は、周囲が明暗に応じて、出力端子130に検出信号を出力する機能を有する。
【0017】
以上述べてきたように、第1の実施形態の光検出回路は、周囲が明るい時は、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ105とPチャネルMOSトランジスタ101がオフしており、周囲が暗い場合はNチャネルMOSトランジスタ106とPチャネルMOSトランジスタ102がオフしている。従って、周囲の明暗に係わらず、電流が流れる経路が常に遮断されている。すなわち、第1の実施形態の光検出回路は、周囲の明暗に係わらず消費電流が非常に小さい。そのため、低消費電流化のための間欠動作を必要とせず、回路規模が小さくなる。更に、間欠動作用の回路の消費電流や、フォトトランジスタ等のPN接合素子に流れる光電流も削減することが出来る。
<第2の実施形態>
図2は、本発明の光検出回路における第2の実施形態を示す概略回路図である。
【0018】
第2の実施形態の光検出回路は、第1の実施形態の光検出回路の構成に、定電流回路111と定電流回路112を追加した構成である。定電流回路111は、流入端子がPチャネルMOSトランジスタ101のドレインに接続され、流出端子が出力端子130に接続される。定電流回路112は、流入端子がPチャネルMOSトランジスタ102のドレインに接続され、流入端子が第1のノードN1に接続される。定電流回路112が流す定電流値は、定電流回路110が流す定電流値よりも少ない構成である。
【0019】
上記構成の第2の実施形態の光検出回路の動作は、第1の実施形態の光検出回路の動作と同じである。異なる点は、PチャネルMOSトランジスタ101のオン電流が定電流回路111を介して出力端子130に供給され、PチャネルMOSトランジスタ102のオン電流が定電流回路112を介して第1のノードN1に供給されることである。従って、定電流回路111と定電流回路112の効果についてのみ説明する。
【0020】
本発明の光検出回路は、第2のノードN2の電圧が周囲の明るさによって変化することで、光を検出している。第2のノードN2の電圧によっては、電流が流れる経路を完全に遮断することが出来ず、貫通電流が流れてしまう。第2の実施形態の光検出回路は、その貫通電流の電流値を小さくし、消費電流を更に削減することを目的とする。
【0021】
上記目的のためには、PチャネルMOSトランジスタ101とPチャネルMOSトランジスタ102のオン電流を小さくする必要がある。しかし、電源電圧が高い場合、ゲートとソース間の電圧が非常に高くなるので、L長をかなり長くする必要がある。すなわち、PチャネルMOSトランジスタ101及びPチャネルMOSトランジスタ102の面積が非常に大きくなってしまう。そこで、定電流回路111と定電流回路112を設けて、各トランジスタのオン電流を制限する構成とした。これにより、PチャネルMOSトランジスタ101とPチャネルMOSトランジスタ102の面積を大きくすることなく、オン電流を小さくすることができる。すなわち、第2の実施形態の光検出回路は、定電流回路を2個追加するだけで、貫通電流の電流値を小さくすることが出来き、消費電流を更に削減することが出来る。
<第3の実施形態>
図3は、本発明の光検出回路における第3の実施形態を示す概略回路図である。第3の実施形態の光検出回路は、第2の実施形態の光検出回路の構成に、定電流回路113とPチャネルMOSトランジスタ103を追加した構成である。定電流回路113は、流入端子がPN接合素子120のP型端子に接続され、流出端子が基準電源端子GNDに接続される。PチャネルMOSトランジスタ103は、ソースがPN接続素子120のP型端子と定電流回路113の流入端子に接続され、ゲートが基準電源端子GNDに接続され、ドレインが第2のノードN2に接続される。
【0022】
上記構成の第3の実施形態の光検出回路の動作は、第2の実施形態の光検出回路の動作と同じである。従って、追加した定電流回路113とPチャネルMOSトランジスタ103の動作と効果についてのみ説明する。
【0023】
第3の実施形態の光検出回路は、さらに貫通電流の流れる時間を少なくして、消費電流を更に削減することを目的とする。
【0024】
上記目的のためには、NチャネルMOSトランジスタ106のゲート電圧、すなわち第2のノードN2の電圧が、NチャネルMOSトランジスタ106が弱オンする電圧にならないようにすることである。
【0025】
PチャネルMOSトランジスタ103は、PN接合素子120の発電電力から、定電流回路113が放電する電力を引いた残りの電力を第2のノードN2に供給する。そして、PチャネルMOSトランジスタ103は、ソースの電圧がしきい値の絶対値を超える電圧になったときに、その電圧を第2のノードN2に供給する。従って、PチャネルMOSトランジスタ103のしきい値の絶対値を、NチャネルMOSトランジスタ106が弱オンする電圧よりも高く設計することで、貫通電流の流れる時間を少なくすることが出来る。
【0026】
また、第2の実施形態の光検出回路では、PN接合素子120に、光量に比例して発電電圧も増加するタイプを採用した場合に、第2のノードN2が中途半端な電圧になる期間が広くなり、貫通電流が多くなる。そのような場合でも、第3の実施形態の光検出回路では、第2のノードN2の電圧が中途半端になる期間を狭めることができるので、消費電流を少なくすることが出来る。
【0027】
図4は、本発明の光検出回路における定電流回路の回路図である。図4に示す定電流回路は、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ402で構成される。ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ402は、ドレインが流入端子401に接続され、ソースとゲートが流出端子402に接続される。
【0028】
上記構成とすることで、回路規模が小さくすることが出来る。そして、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ402のドレインとソース間のしか電流パスが無いので、この電流パスを遮断するだけで、消費電流をゼロに出来る。従って、本発明の光検出回路に非常に適した定電流回路である。
【0029】
なお、PチャネルMOSトランジスタ101及び102のゲートは、相対するPチャネルMOSトランジスタで充電されるノードと接続する回路構成であるが、同様の制御が可能であるならば、この回路構成に限らない。
【0030】
また、本発明ではNチャネルMOSトランジスタ106のゲートとディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ105ソースは同じノードとしたが、PN接合素子の発電電力を利用して電圧が上昇するノードであれば、別のノードとしても良いし、PN接合素子の個数は、複数でも良い。
【0031】
そして、本発明において、光を検出した場合に、その検出信号を用いて、定電流回路110や113の電流量を減少させる構成とし、検出する光の光量にヒステリシスを設けるようにしても良い。
【0032】
さらに、PN接合素子120は、色素増感タイプの光発電素子等の光が入射されて発電できる光発電素子であれば、PN接合素子に限らない。
【0033】
図6は、各MOSトランジスタのチャネルタイプを逆に構成した光検出回路の概略回路図である。図3で示した第3の実施形態の構成において、各MOSトランジスタのチャネルタイプを逆にした回路である。すなわち、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタ、NチャネルMOSトランジスタとPチャネルMOSトランジスタ、ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタとディプレッション型PチャネルMOSトランジスタに置き換えた回路である。
【0034】
各ノードの電圧も、図3の光検出回路とは逆になるため、PN接合素子120から発電電力が供給されると出力端子130はハイレベルとなる。このような構成としても、上述の第3の実施形態の光検出回路と同様の効果がある。
【0035】
なお、定電流回路610〜612の構成は、図4で示したディプレションタイプのNチャネル型MOSトランジスタのゲートとソースを接続した構成でも良く、図示はしないが、ディプレッションタイプのPチャネル型MOSトランジスタのゲートとソースを接続した構成でも良いことは言うまでもない。
【0036】
上述したように、本発明の光検出回路は、光の有無に係わらず消費電流を非常に少ないので、電子機器の起動回路とすれば、電子機器のスタンバイ時の消費電力をほぼ無くすことが出来る。
【0037】
例えば、トイレの自動洗浄器に本発明の光検出回路を用いることが出来る。本発明の光検出回路に入射される光を、手でさえぎった場合に、一定時間トイレを洗浄する構成とすることで、トイレの自動洗浄器のスタンバイ時消費電流をほぼゼロにすることが出来る。
【0038】
しかし、この場合トイレが暗くなった場合と、手で光をさえぎった場合の区別が出来ない。そこで、更に周囲の明るさのみを検出する光検出回路を追加すれば、トイレが暗くなった場合と手で光をさえぎった場合の区別が可能となる。
【0039】
この時、2個の光発電素子を以下のように構成することで、明るさによらず、安定した検出ができるようになる。一方の光発電素子の発電電力からもう一方の光発電素子の発電電力をマイナスする構成する。例えば、2個の光発電素子をお互いに電極を逆に接続し、一方の光発電素子の発電電力からもう一方の光発電素子の光電流をマイナスする。そのように構成すると、2個の光発電素子に入射される光の強さの差で発生する電力を、第2のノードN2に入力する。そして、マイナスする方の光発電素子に入射される光のみを手でさえぎる構成とすれば、トイレが暗くなった場合と手で光をさえぎった場合の区別ができるだけでなく、手での遮光量やトイレの明るさによらず、安定した検出ができるようになる。
【0040】
また例えば、テレビ等のリモコンで電源をオンする電子機器に、本発明の光検出回路を用いることが出来る。本発明の光検出回路が光を検出した場合に、リモコン受信機をオンする構成とすれば、この様な電子機器のスタンバイ時の消費電流をほぼゼロにすることが出来る。しかしこの場合、周囲の光で本発明の光検出回路を誤動作さいないために、リモコンから強めの光や通常では発生しないパルスの光を入射させたり、本発明の光検出回路に赤外線等のある波長の光しか検出しない構成とし、リモコンから本発明の光検出回路が検出できる波長の光を入射したりする必要があることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0041】
101〜103 PチャネルMOSトランジスタ
105、402 ディプレッション型NチャネルMOSトランジスタ
106 NチャネルMOSトランジスタ
110〜113 定電流回路
120 PN接合素子
601〜603 NチャネルMOSトランジスタ
605 ディプレッション型PチャネルMOSトランジスタ
606 PチャネルMOSトランジスタ
610〜613 定電流回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射する光量が多いと発電電力が増加する光発電素子を有し、該光発電素子の発電電力量にて入射する光量を検出する光検出回路であって、
オン電流により出力端子を充電する第1のPチャネルMOSトランジスタと、
オン電流により第1のノードを充電する第2のPチャネルMOSトランジスタと、
ゲートに前記光発電素子の発電電力で発生させた電圧が入力され、オン電流により前記出力端子を放電する第1のNチャネルMOSトランジスタと、
ゲートに基準電源端子の電圧が入力され、ソースに前記光発電素子の発電電力で発生させた電圧が入力され、オン電流により前記第1のノードを放電する第1のディプレッション型NチャネルMOSトランジスタと、を備え、
前記光発電素子の発電電力で発生させた電圧が高い場合は、前記第1のNチャネルMOSトランジスタがオンし、前記第1のディプレッション型NチャネルMOSトランジスタがオフし、前記第1のPチャネルMOSトランジスタがオフし、前記第2のPチャネルMOSトランジスタがオンする構成であり、
前記光発電素子の発電電力で発生させた電圧が低い場合は、前記第1のNチャネルMOSトランジスタがオフし、前記第1のディプレッション型NチャネルMOSトランジスタがオンし、前記第1のPチャネルMOSトランジスタがオンし、前記第2のPチャネルMOSトランジスタがオフする構成であることを特徴とする光検出回路。
【請求項2】
前記第2のPチャネルMOSトランジスタのオン電流は、第1の定電流回路を介して前記第1のノードを充電し、前記第1のディプレッション型NチャネルMOSトランジスタのソース電流は、前記第1の定電流回路よりも流す定電流値が大きい第2の定電流回路を介して基準電源端子に流れることを特徴とする請求項1記載の光検出回路。
【請求項3】
前記第1のPチャネルMOSトランジスタのオン電流は、第3の定電流回路を介して、前記出力端子を充電することを特徴とする請求項2記載の光検出回路。
【請求項4】
前記光発電素子の発電電力は、ゲートに基準電源端子の電圧が入力された第3のPチャネルMOSトランジスタを介して、前記第1のNチャネルMOSトランジスタのゲートに供給されることを特徴とする請求項1〜3記載の光検出回路。
【請求項5】
入射する光量が多いと発電電力が増加する光発電素子を有し、該光発電素子の発電電力量にて入射する光量を検出する光検出回路であって、
オン電流により出力端子を充電する第1のNチャネルMOSトランジスタと、
オン電流により第1のノードを充電する第2のNチャネルMOSトランジスタと、
ゲートに前記光発電素子の発電電力で発生させた電圧が入力され、オン電流により前記出力端子を放電する第1のPチャネルMOSトランジスタと、
ゲートにプラス電源端子の電圧が入力され、ソースに前記光発電素子の発電電力で発生させた電圧が入力され、オン電流により前記第1のノードを充電する第1のディプレッション型PチャネルMOSトランジスタと、を備え、
前記光発電素子の発電電力で発生させた電圧が高い場合は、前記第1のPチャネルMOSトランジスタがオンし、前記第1のディプレッション型PチャネルMOSトランジスタがオフし、前記第1のNチャネルMOSトランジスタがオフし、前記第2のNチャネルMOSトランジスタがオンする構成であり、
前記光発電素子の発電電力で発生させた電圧が低い場合は、前記第1のPチャネルMOSトランジスタがオフし、前記第1のディプレッション型PチャネルMOSトランジスタがオンし、第1のNチャネルMOSトランジスタがオンし、前記第2のNチャネルMOSトランジスタがオフする構成であることを特徴とする光検出回路。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の光検出回路と、
前記光検出回路の出力信号によって起動される制御部と、
を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−268416(P2010−268416A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152975(P2009−152975)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】