説明

光検知器及びその製造方法

【課題】容易且つ高精度に製造することができる光検知器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】光検知器の一態様には、下部電極1と、下部電極1上方に形成された活性層2と、活性層2上方に形成された上部電極3と、上部電極3上方に形成された回折部4と、回折部4を覆う反射膜5と、が設けられている。回折部4には、複数の量子ドットが結合して構成された複数の結合ドット4aが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光検知器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光検知器として、量子井戸型光検知器(QWIP:quantum well infrared photodetector)及び量子ドット型光検知器(QDIP:quantum dot infrared photodetector)が注目されている。これらの光検知器では、活性層への光の入射量に応じて光電流が発生する。しかし、QWIPでは、活性層である量子井戸層に垂直に光が入射しても、光電流が発生しない。そこで、QWIPでは、上部電極上に、垂直入射光を散乱させる光結合器(カプラ)が設けられている。この光結合器には、回折格子等、及び回折格子等の表面に倣う反射膜が設けられている。このため、下部電極側からQWIPの量子井戸層に垂直に入射した光は回折格子等によって散乱され、その進行方法が変化する。そして、進行方向が変化した光は、反射膜によって量子井戸層側に反射され、量子井戸層に吸収される。
【0003】
従来、光結合器は、リソグラフィ技術を採用したGaAs等の化合物半導体層のエッチングにより形成されている。つまり、従来の方法では、上部電極上に化合物半導体層を形成し、その上に所定のレジストパターンを形成し、このレジストパターンを用いて化合物半導体層のエッチングを行っている。
【0004】
このような光結合器では、回折格子等の形状によって光の回折方向等が変化する。このため、十分な光の吸収効率を得るためには、高い精度でレジストパターンを形成する必要がある。従って、高精度の加工設備が必要とされる。また、化合物半導体層のエッチング量を高い精度で制御する必要があるが、この制御は困難である。
【0005】
なお、QDIPにおいても光結合器が必要とされる場合があり、この光結合器にも、QWIPに設けられる光結合器と同様の課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−156513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、容易且つ高精度に製造することができる光検知器及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
光検知器の一態様には、下部電極と、前記下部電極上方に形成された活性層と、前記活性層上方に形成された上部電極と、前記上部電極上方に形成された回折部と、前記回折部を覆う反射膜と、が設けられている。前記回折部には、複数の量子ドットが結合して構成された複数の結合ドットが設けられている。
【発明の効果】
【0009】
上記の光検知器等によれば、回折部に複数の量子ドットが結合して構成された複数の結合ドットが設けられているので、回折部の形成に従来のリソグラフィが不要となり、容易且つ高精度に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る光検知器の構成を示す断面図である。
【図2】量子ドット及び結合ドットの形成時の基板温度と量子ドットの密度との関係を示すグラフである。
【図3】第2の実施形態に係る赤外線検知器を示す断面図である。
【図4A】第2の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法を示す断面図である。
【図4B】図4Aに引き続き、第2の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法を示す断面図である。
【図5】第2の実施形態の変形例の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図6】第3の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図7】第4の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図8】第5の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法を工程順に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る光検知器の構成を示す断面図である。
【0013】
第1の実施形態では、下部電極1上に活性層2が形成され、活性層2上に上部電極3が形成され、上部電極3上に回折部4が形成されている。そして、回折部4の表面に倣う反射膜5が回折部4上に形成されている。活性層2としては、例えば量子井戸層が設けられている。また、回折部4には、複数の量子ドットが互いに結合して構成された結合ドット4aが複数設けられている。複数の結合ドット4aは、濡れ層(wetting layer)を介して互いに一体化されている。
【0014】
このように構成された第1の実施形態に係る光検知器の下部電極1に光が入射すると、この光は下部電極1を透過して活性層2まで到達する。活性層2に到達した光のうち、活性層2の表面に垂直な方向から傾斜した方向に進行するものは活性層2に吸収されるが、活性層2の表面に垂直な方向に進行するものは活性層2に吸収されず、上部電極3を介して回折部4まで到達する。そして、この光は回折部4で回折部4の形状に応じて回折し、反射膜5により反射され、活性層2に戻ってくる。従って、一旦活性層2を透過した光もその後に活性層2に吸収される。活性層2での光の吸収は、量子井戸内に束縛された電子により行われ、この吸収の結果、電子が励起されて光電流が流れる。
【0015】
なお、結合ドット4aの寸法は、検知対象の光の波長及び活性層2を構成する材料等に応じて設定されていることが好ましい。例えば、検知対象の光が、波長λ0が5μmの赤外線であって、活性層2が主としてGaAs及びInAsから構成されている場合、結合ドット4aの高さは0.36μm程度、直径は2.1μm程度であることが好ましい。これは、次のような理由による。
【0016】
GaAsの屈折率は3.6程度であり、InAsの屈折率は3.4程度である。このため、活性層2において赤外線の波長λは1.4μm程度となる。また、光の散乱は位相が90度ずれた場合に最大となる。つまり、光路差がλ/4となった場合に光の散乱が最大となる。従って、回折部4において0.36μm程度の光路差が生じることが好ましく、結合ドット4aの高さは0.36μm程度であることが好ましい。
【0017】
また、回折格子に関しては、一般的に、格子周期をd、波長をλ1、入射角をα、出射角をβと表わした場合、「d×sinα+d×sinβ=n×λ1」が成り立つときに各開口部から出射された光が強め合う。ここで、nは整数であり、次数に対応している。従って、回折格子に垂直(α=0°)で入射する光がほぼ90度(β=90°)の方向で強め合うためには、「d=n×λ1」が成り立つことが好ましい。このため、波長λ1が1.4μmの場合、格子周期dは1.4μmであることが好ましい。本実施形態では、結合ドット4aの直径がこの格子周期dに相当するが、結合ドット4aの高さの影響もあるため、結合ドット4aの直径は1.4μm〜2.8μm(λ〜2λ)であることが好ましく、特に2.1μm(1.5λ)であることが好ましい。なお、ここでいう直径とは、結合ドット4aの底面の直径である。
【0018】
なお、検知対象の光が、波長λ0が10μmの赤外線であって、活性層2が主としてGaAs及びInAsから構成されている場合には、同様の計算により、結合ドット4aの高さは0.71μm程度、直径は4.2μm程度であることが好ましい。
【0019】
また、結合ドット4aの密度も特に限定されないが、結合ドット4aの密度は、例えば1×107cm-2程度である。
【0020】
このような回折部4は、自己組織化量子ドットの形成を行い、更に原料の供給を継続することにより、容易に形成することができる。例えば、結晶成長によりGaAs層上に複数のInAs量子ドットを形成した後、InAsの原料の供給を継続すると、複数のInAs量子ドットが互いに結合し、結合ドット(巨大ドット)が形成される。但し、複数のInAs量子ドットが互いに結合したばかりの状態では、結合ドットの直径は1.4μm〜2.8μmには達せず、また、結合ドットの高さは0.36μmには達しない。更に、In原料及びAs原料の供給を継続すると、結合ドットが成長し、直径が1.4μm〜2.8μm程度、高さが0.36μm程度の結合ドット(超ドット)が得られる。このような超ドットの大きさ(体積)は、例えば自己組織化量子ドットの10倍以上である。
【0021】
ここで、本願発明者が調査した量子ドットの形成時の基板温度と量子ドットの密度との関係について説明する。本願発明者は、種々の基板温度でGaAs層上にInAs結合ドットを形成し、その密度を測定した。また、結合ドットに取り込まれていない量子ドットの密度も測定した。このときの原料(InAs)の供給速度は0.1ML/sec(モノレイヤ毎秒)とし、供給量は2.7MLとした。図2にこれらの結果を示す。
【0022】
図2に示すように、基板温度が高いほど、量子ドット及び結合ドットの密度が低くなった。このことは、基板温度の制御により、量子ドット及び結合ドットの密度を制御することができることを意味する。
【0023】
そして、このような方法で回折部4を形成するには、結晶成長を行えばよい。つまり、従来の光結合器の形成に必要とされる化合物半導体層の形成に代えて、量子ドットが成長する条件下での結晶成長を行えばよく、リソグラフィは必要とされない。即ち、レジストパターンの形成及び化合物半導体層のエッチングは必要とされない。このため、本実施形態によれば、リソグラフィに必要とされる設備を不要とし、また、工数を減らすこともできる。
【0024】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図3(a)は、第2の実施形態に係る赤外線検知器(光検知器)を示す断面図であり、図3(b)は、第2の実施形態の変形例を示す断面図である。第2の実施形態に係る赤外線検知器には、複数の画素が設けられているが、図3には、1個の画素のみを示す。各画素の平面形状は、例えば一辺の長さが20μm〜30μm程度の矩形である。
【0025】
第2の実施形態では、GaAs基板等の基板10上に下部電極11が形成されている。下部電極11は、例えばn型不純物が導入されたn−GaAs層であり、下部電極11の厚さは1000nm程度である。例えば、下部電極11中のn型不純物はSiであり、その濃度は1×1018cm-3程度である。下部電極11上に活性層12が形成されている。活性層12には、例えば順に形成された、不純物を含まないi−Al0.3Ga0.7As層(厚さ:25nm)、n型不純物が導入されたn−In0.3Ga0.7As層(厚さ:2.5nm)、及び不純物を含まないi−Al0.3Ga0.7As層(厚さ:25nm)からなる積層構造体が5個積層されて含まれている。例えば、n−In0.3Ga0.7As層中のn型不純物はSiであり、その濃度は5×1018cm-3程度である。n−In0.3Ga0.7As層が量子井戸層として機能し、i−Al0.3Ga0.7As層が障壁層として機能する。活性層12上に上部電極13が形成されている。上部電極13は、例えばn型不純物が導入されたn−GaAs層であり、上部電極13の厚さは300nm程度である。例えば、上部電極13中のn型不純物はSiであり、その濃度は1×1018cm-3程度である。
【0026】
上部電極13上に下地層16が形成されている。下地層16は、例えばn型不純物が導入されたn−GaAs層であり、下地層16の厚さは5nm程度である。例えば、下地層16中のn型不純物はSiであり、その濃度は1×1018cm-3程度である。そして、下地層16上に回折部14が形成されている。回折部14には、複数の量子ドットが互いに結合して構成された結合ドット14aが複数設けられている。更に、回折部14には、複数の量子ドット14bも含まれている。これらの結合ドット14a及び量子ドット14bは、濡れ層(図示せず)を介して互いに一体化されている。結合ドット14a及び量子ドット14bは、例えばInAsから構成されている。例えば、結合ドット14aの高さは0.36μmであり、直径は2.1μmであり、個数密度は1×107cm-2である。なお、量子ドット14bは、詳細は後述するが、第1の実施形態と同様の方法で回折部14を形成する際に、結合ドット14aに取り込まれなかった量子ドットがそのまま残存したものである。
【0027】
活性層12、上部電極13、下地層16及び回折部14には、画素同士を分離する分離溝19が形成されている。そして、下部電極11の分離溝19から露出した部分に導電膜20が形成されている。また、回折部14の表面に倣う反射膜15が回折部14上に形成されている。導電膜20及び反射膜15は、例えば金膜、銀膜又はアルミニウム膜である。導電膜20及び反射膜15として、AuGe膜及びAu膜からなる積層膜が形成されていてもよい。更に、分離溝19の側面に保護膜17が形成されている。保護膜17は、例えばシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜である。
【0028】
このように構成された赤外線検知器は、例えば、反射膜15及び導電膜20上にIn等からなるバンプを全ての画素に形成し、これらのバンプを、他の基板(Si基板等)上に形成された読み出し回路(半導体集積回路)に接続して使用される。
【0029】
そして、結合ドット14aの高さが0.36μmであり、直径が2.1μmであるため、特に入射波長が5μmの赤外線を高効率で活性層12により吸収することができる。なお、量子ドット14bは結合ドット14aと比較して非常に小さいため、回折にはほとんど影響を及ぼさない。また、図3(b)に示すように、反射膜15の形成前に量子ドット14bを除去しておいてもよい。
【0030】
次に、第2の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法について説明する。図4A及び図4Bは、第2の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0031】
先ず、図4A(a)に示すように、基板10上に下部電極11を分子線エピタキシ(MBE:molecular beam epitaxy)法により形成する。このときの基板温度は、例えば600℃程度とする。次いで、下部電極11上に活性層12をMBE法により形成する。活性層12の形成では、i−Al0.3Ga0.7As層、n−In0.3Ga0.7As層及びi−Al0.3Ga0.7As層をこの順で形成し、このような積層体構造の形成を総計で5回繰り返す。このときの基板温度は、例えば500℃程度とする。その後、活性層12上に上部電極13をMBE法により形成する。このときの基板温度は、例えば600℃程度とする。
【0032】
続いて、上部電極13上に下地層16をMBE法により形成する。このときの基板温度は、例えば530℃程度とする。次いで、基板温度を530℃程度としたまま、下地層16上にInAsからなる複数の量子ドット14bをMBE法により形成する。このとき、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は100とし、原料の供給速度は0.03ML/secとし、原料の供給量は1.7MLより多くする。なお、530℃でのInAsの解離速度は0.003ML/secである。
【0033】
更に原料の供給を継続すると、図4A(b)に示すように、複数の量子ドット14bが互いに結合して、複数の結合ドット14a(巨大ドット)が形成される。そして、更に原料の供給を継続すると、量子ドット14bの結合が生じなくなり、図4A(c)に示すように、結合ドット14aが成長する。例えば、原料の総供給量が460ML程度となると、結合ドット14a(超ドット)の高さは0.36μm程度となり、直径は2.1μm程度となり、個数密度は1×107cm-2程度となる。このようにして回折部14を形成することができる。
【0034】
回折部14の形成後には、リソグラフィによりレジストパターンを形成し、このレジストパターンを用いたエッチングにより、図4B(d)に示すように、分離溝19を形成する。つまり、画素分離を行う。画素の平面形状は、例えば一辺の長さが20μm〜30μm(例えば25μm)の矩形とする。
【0035】
分離溝19の形成後には、スパッタリング法又は真空蒸着法等により、回折部14上に反射膜15を形成し、下部電極11の分離溝19から露出している部分上に導電膜20を形成する。反射膜15及び導電膜20は、このように、例えば同一の材料を用いて同時に形成することができる。
【0036】
反射膜15及び導電膜20の形成後には、分離溝19の側面に保護膜17を形成する。
【0037】
このようにして赤外線検知器を製造することができる。
【0038】
このような製造方法では、回折部14の形成では結晶成長を行えばよく、リソグラフィ及びエッチングは必要とされない。また、結合ドット14aの寸法の制御は、原料の供給速度、供給量、基板温度及び原料供給比の調整によって行うことが可能である。このため、従来のエッチング量の制御を伴う回折格子の形成と比較して、容易に、且つ高い精度で回折部14を形成することができる。
【0039】
なお、結合ドット14aの成長時には、原料の供給を連続して行うのではなく、途中にアニールを行ってもよい。
【0040】
次に、図3(b)に示す第2の実施形態の変形例の製造方法について説明する。図5は、第2の実施形態の変形例の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0041】
先ず、第2の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法と同様にして、上部電極13の形成までの処理を行う。次いで、上部電極13上に下地層16をMBE法により形成する。このときの基板温度は、例えば510℃程度と、上記の温度よりも低くする。その後、基板温度を510℃程度としたまま、下地層16上にInAsからなる複数の量子ドット14bをMBE法により形成する(図4A(a)参照)。このとき、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は20とし、原料の供給速度は0.1ML/secとし、原料の供給量は1.7MLより多くする。
【0042】
更に原料の供給を継続すると、複数の量子ドット14bが互いに結合して、複数の結合ドット14a(巨大ドット)が形成される(図4A(b)参照)。例えば、原料の総供給量が2.7ML程度となると、結合ドット14aの高さは25nm程度となり、直径は63nm程度となり、個数密度は1×107cm-2となる。また、結合ドット14aに取り込まれずに残存する量子ドット14bの高さは7nm程度となり、直径は36nm程度となり、個数密度は1.7×1010cm-2となる。
【0043】
次いで、図5(a)に示すように、量子ドット14bを解離により除去する。このとき、例えば、基板温度を540℃として、3分間保持する。結合ドット14aの一部も解離するが、ほんの僅かであるため、結合ドット14aの寸法にはほとんど影響しない。
【0044】
その後、図5(b)に示すように、基板温度を540℃程度としたまま、原料の供給により結合ドット14aを所定の寸法まで成長させる。この成長では、原料の供給及びアニールを繰り返す。1回の原料の供給では、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は100とし、原料の供給速度は0.2ML/secとし、原料の供給量は1.5MLとする。1回のアニールの時間は30秒間とする。このようなアニールを行うと、供給された原料が結合ドット14aに集積しやすくなる。そして、この繰り返しを280回行い、原料の総供給量を420MLとする。この結果、結合ドット14a(超ドット)の高さは0.36μm程度となり、直径は2.1μm程度となり、個数密度は1×107cm-2程度となる。このようにして回折部14を形成することができる。
【0045】
回折部14の形成後には、第2の実施形態と同様の処理を行って、赤外線検知器を完成させる。
【0046】
このような方法によれば、結合ドット14aの成長前に、結合ドット14aに取り込まれなかった量子ドット14bを除去しているため、結合ドット14aの成長を、より成長が促進される条件下で行うことができる。つまり、原料の供給速度を高くすることができる。このため、時間を短縮することができ、スループットが向上する。
【0047】
なお、量子ドット14bを解離させる際の基板温度は特に限定されないが、量子ドット14bの形成時の基板温度よりも高くすることが好ましい。効率的に解離させるためである。例えば、InAsの解離速度は、510℃では0.0004ML/secであるのに対し、540℃では0.007ML/secと18倍になる。
【0048】
また、結合ドット14aの成長を行う際の基板温度は特に限定されないが、量子ドット14bの形成時の基板温度よりも高くすることが好ましい。原料の集積をより効率的に行うためである。
【0049】
また、結合ドット14aの成長時において、1回の原料の供給での供給量は、量子ドットの臨界膜厚(InAsでは1.7ML程度)以下とすることが好ましい。臨界膜厚を超える原料供給を行うと、結合ドット14aが成長するだけでなく、新たに量子ドットが形成される可能性があるからである。
【0050】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図6は、第3の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0051】
先ず、第2の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法と同様にして、上部電極13の形成までの処理を行う。次いで、上部電極13上に下地層16をMBE法により形成する。このときの基板温度は、例えば520℃程度と、第2の実施形態の温度よりも低くする。その後、基板温度を520℃程度としたまま、下地層16上にInAsからなる複数の量子ドット14bをMBE法により形成する(図4A(a)参照)。このとき、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は20とし、原料の供給速度は0.1ML/secとし、原料の供給量は1.7MLより多くする。更に原料の供給を継続すると、複数の量子ドット14bが互いに結合して、複数の結合ドット14a(巨大ドット)が形成される(図4A(b)参照)。結合ドット14aの個数密度は5×106cm-2程度となる。
【0052】
次いで、量子ドット14bを解離により除去する(図5(a)参照)。このとき、例えば、基板温度を540℃として、3分間保持する。結合ドット14aの一部も解離するが、ほんの僅かであるため、結合ドット14aの寸法にはほとんど影響しない。
【0053】
その後、図6(a)に示すように、基板温度を540℃程度としたまま、原料の供給により結合ドット14aを所定の寸法まで成長させる。この成長では、原料の供給及びアニールを繰り返す。1回の原料の供給では、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は100とし、原料の供給速度は0.2ML/secとし、原料の供給量は1.5MLとする。1回のアニールの時間は30秒間とする。このようなアニールを行うと、供給された原料が結合ドット14aに集積しやすくなる。そして、この繰り返しを140回行い、原料の総供給量を210MLとする。
【0054】
続いて、基板温度を510℃程度とし、図6(b)に示すように、下地層16上にInAsからなる複数の量子ドット24cをMBE法により形成する。このとき、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は20とし、原料の供給速度は0.1ML/secとし、原料の供給量は1.7MLより多くする。また、n型不純物として、Siを1×1018cm-3の濃度で添加する。更に原料の供給を継続すると、複数の量子ドット24cが互いに結合して、複数の結合ドット24b(巨大ドット)が形成される。また、原料は結合ドット14aにも供給されるため、結合ドット14aが成長する。結合ドット24bの個数密度は5×106cm-2程度となる。
【0055】
次いで、図6(c)に示すように、量子ドット24cを解離により除去する。このとき、例えば、基板温度を540℃として、3分間保持する。結合ドット14a及び24bの一部も解離するが、ほんの僅かであるため、結合ドット14a及び24bの寸法にはほとんど影響しない。
【0056】
その後、図6(d)に示すように、基板温度を540℃程度としたまま、原料の供給により結合ドット14a及び24bを所定の寸法まで成長させる。この成長では、原料の供給及びアニールを繰り返す。1回の原料の供給では、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は100とし、原料の供給速度は0.2ML/secとし、原料の供給量は1.5MLとする。1回のアニールの時間は30秒間とする。このようなアニールを行うと、供給された原料が結合ドット14a及び24bに集積しやすくなる。そして、この繰り返しを1100回行い、原料の総供給量を1650MLとする。この結果、結合ドット14a(超ドット)の高さは0.71μm程度となり、直径は4.2μm程度となり、個数密度は5×106cm-2程度となる。また、結合ドット24b(超ドット)の高さは0.36μm程度となり、直径は2.1μm程度となり、個数密度は5×106cm-2程度となる。このようにして、結合ドット14a及び24bを含む回折部24が形成される。
【0057】
回折部24の形成後には、第2の実施形態と同様の処理を行って、赤外線検知器を完成させる。
【0058】
このような方法により製造された第3の実施形態に係る赤外線検知器では、回折部24の結合ドット14aにおいて入射波長が10μmの赤外線が高効率で回折し、結合ドット24bにおいて入射波長が5μmの赤外線が高効率で回折する。従って、活性層12により、これらの2種類の波長の赤外線が高効率で吸収される。
【0059】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図7は、第4の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0060】
先ず、第2の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法と同様にして、上部電極13の形成までの処理を行う。次いで、上部電極13上に下地層16をMBE法により形成する。このときの基板温度は、例えば520℃程度と、第2の実施形態の温度よりも低くする。その後、基板温度を520℃程度としたまま、下地層16上にInAsからなる複数の量子ドット14bをMBE法により形成する(図4A(a)参照)。このとき、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は20とし、原料の供給速度は0.1ML/secとし、原料の供給量は1.7MLより多くする。更に原料の供給を継続すると、複数の量子ドット14bが互いに結合して、複数の結合ドット14a(巨大ドット)が形成される(図4A(b)参照)。結合ドット14aの個数密度は5×106cm-2程度となる。
【0061】
次いで、量子ドット14bを解離により除去する(図5(a)参照)。このとき、例えば、基板温度を540℃として、3分間保持する。結合ドット14aの一部も解離するが、ほんの僅かであるため、結合ドット14aの寸法にはほとんど影響しない。
【0062】
その後、図7(a)に示すように、基板温度を540℃程度としたまま、原料の供給により結合ドット14aを所定の寸法まで成長させる。この成長では、原料の供給及びアニールを繰り返す。1回の原料の供給では、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は100とし、原料の供給速度は0.2ML/secとし、原料の供給量は1.5MLとする。1回のアニールの時間は30秒間とする。このようなアニールを行うと、供給された原料が結合ドット14aに集積しやすくなる。そして、この繰り返しを1100回行い、原料の総供給量を1650MLとする。この結果、結合ドット14a(超ドット)の高さは0.71μm程度となり、直径は4.2μm程度となる。
【0063】
続いて、図7(b)に示すように、基板温度を540℃程度としたまま、結合ドット14aを覆う下地層36を下地層16上に形成する。下地層36としては、例えば厚さが5nmのGaAs層をMBE法により形成する。
【0064】
次いで、基板温度を510℃程度とし、図7(c)に示すように、下地層36上にInAsからなる複数の量子ドット34cをMBE法により形成する。このとき、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は20とし、原料の供給速度は0.1ML/secとし、原料の供給量は1.7MLより多くする。また、n型不純物として、Siを1×1018cm-3の濃度で添加する。更に原料の供給を継続すると、複数の量子ドット34cが互いに結合して、複数の結合ドット34b(巨大ドット)が形成される。結合ドット34bの一部は、結合ドット14aの間に形成され、結合ドット34bの一部は結合ドット14aの上方に形成される。
【0065】
その後、図7(d)に示すように、量子ドット34cを解離により除去する。このとき、例えば、基板温度を540℃として、3分間保持する。結合ドット34bの一部も解離するが、ほんの僅かであるため、結合ドット34bの寸法にはほとんど影響しない。また、結合ドット14aは下地層36に覆われているため、解離しない。
【0066】
続いて、図7(d)に示すように、基板温度を540℃程度としたまま、原料の供給により結合ドット34bを所定の寸法まで成長させる。この成長では、原料の供給及びアニールを繰り返す。1回の原料の供給では、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は100とし、原料の供給速度は0.2ML/secとし、原料の供給量は1.5MLとする。1回のアニールの時間は30秒間とする。このようなアニールを行うと、供給された原料が結合ドット34bに集積しやすくなる。そして、この繰り返しを280回行い、原料の総供給量を420MLとする。この結果、結合ドット34b(超ドット)の高さは0.36μm程度となり、直径は2.1μm程度となり、個数密度は5×106cm-2程度となる。このようにして、結合ドット14a及び34bを含む回折部34が形成される。
【0067】
回折部34の形成後には、第2の実施形態と同様の処理を行って、赤外線検知器を完成させる。
【0068】
このような方法により製造された第4の実施形態に係る赤外線検知器では、回折部34の結合ドット14aにおいて入射波長が10μmの赤外線が高効率で回折し、結合ドット34bにおいて入射波長が5μmの赤外線が高効率で回折する。従って、活性層12により、これらの2種類の波長の赤外線が高効率で吸収される。
【0069】
また、第3の実施形態と比較して、回折部の形状の制御が容易となる。結合ドット34bの形成時に結合ドット14aが原料の供給を受けず、互いに独立して寸法を制御できるからである。
【0070】
なお、第3及び第4の実施形態では、結合ドットの大きさが2種類となっているが、同様の処理を繰り返して、3種類以上の大きさの結合ドットを回折部に設けてもよい。
【0071】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。図8は、第5の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0072】
先ず、第2の実施形態に係る赤外線検知器の製造方法と同様にして、上部電極13の形成までの処理を行う。次いで、上部電極13上に下地層16をMBE法により形成する。このときの基板温度は、例えば510℃程度と、第2の実施形態の温度よりも低くする。また、下地層16の厚さは、例えば0.6μmとする。その後、基板温度を510℃程度としたまま、下地層16上にInAsからなる複数の量子ドット14bをMBE法により形成する(図4A(a)参照)。このとき、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は20とし、原料の供給速度は0.1ML/secとし、原料の供給量は1.7MLより多くする。更に原料の供給を継続すると、複数の量子ドット14bが互いに結合して、複数の結合ドット14a(巨大ドット)が形成される(図4A(b)参照)。結合ドット14aの個数密度は1×107cm-2程度となる。
【0073】
次いで、量子ドット14bを解離により除去する(図5(a)参照)。このとき、例えば、基板温度を540℃として、3分間保持する。結合ドット14aの一部も解離するが、ほんの僅かであるため、結合ドット14aの寸法にはほとんど影響しない。
【0074】
その後、図8(a)に示すように、基板温度を540℃程度としたまま、原料の供給により結合ドット14aを所定の寸法まで成長させる。この成長では、原料の供給及びアニールを繰り返す。1回の原料の供給では、例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)は20とし、原料の供給速度は0.2ML/secとし、原料の供給量は1.5MLとする。1回のアニールの時間は30秒間とする。このようなアニールを行うと、供給された原料が結合ドット14aに集積しやすくなる。そして、この繰り返しを600回行い、原料の総供給量を900MLとする。この結果、結合ドット14a(超ドット)の高さは0.2μm程度となり、直径は4.2μm程度となる。
【0075】
続いて、結合ドット14aをマスクとして用いて、下地層16のエッチングを行い、図8(b)に示すように、凹部16aを形成する。ここでは、下地層16のエッチング量を0.51μmとする。この結果、凹部16aの底を基準とした結合ドット14aの表面の高さは0.71μmとなる。このようにして、結合ドット14a及び下地層16を含む回折部44が形成される。
【0076】
回折部44の形成後には、第2の実施形態と同様の処理を行って、赤外線検知器を完成させる。
【0077】
このような方法により製造された第5の実施形態に係る赤外線検知器では、回折部44において入射波長が10μmの赤外線が高効率で回折する。従って、活性層12により、入射波長が10μmの赤外線が高効率で吸収される。
【0078】
また、本実施形態では、下地層16のエッチングを行うが、この際には従来の方法のようなフォトマスクは不要である。従って、容易かつ安価に製造することができる。また、第2の実施形態及びその変形例と比較して、短時間で製造することができる。
【0079】
なお、いずれの実施形態においても、活性層12に含まれる量子井戸層の数は限定されず、例えば1層でもよい。また、量子井戸層に代えて量子ドット層が形成されていてもよい。また、回折部(光結合器)が3波長以上に対応できるように、超ドット形状を3種以上設けられていてもよい。
【0080】
また、回折部に含まれる結合ドットの高さ、直径及び密度は、検知対象である赤外線等の光の波長に応じて適宜選択することができる。結合ドットの高さ、直径及び密度は、例えば、原料の供給速度、供給量、基板温度、及び原料比により調整することができる。例えば、上述のように、基板温度を調整することにより、結合ドットの密度を制御することができる。また、原料供給比を調整することにより、結合ドットの成長方向を制御することができる。つまり、半径方向(横方向)に優先的に成長するか、高さ方向(縦方向)に優先的に成長するかを制御することができる。例えば、原料供給比(V族/III族比:As/In比)が高いほど、高さ方向に優先的に成長しやすい。第2の実施形態の変形例では、結合ドット14aの成長前の原料供給比を20、結合ドット14aの成長時の原料供給比を100としているため、初期に、横方向に広がった結合ドット14a(巨大ドット)が形成され、その後、縦方向に成長した結合ドット14a(超ドット)が得られる。このようにして、結合ドットの縦方向及び横方向の寸法を容易に調整することができる。
【0081】
また、結合ドットを構成する材料は特に限定されず、また、下地層を構成する材料も特に限定されない。結合ドットには、例えばIn又はSbが含まれていることが好ましい。また、下地層の材料としては、例えばGaAs、AlAs、InP、GaP、AlP、GaSb、AlSb、InN、GaN、及びAlNが挙げられる。また、これらの混晶が用いられてもよく、これらとInAs又はInSbとの混晶が用いられていてもよい。
【0082】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0083】
(付記1)
下部電極と、
前記下部電極上方に形成された活性層と、
前記活性層上方に形成された上部電極と、
前記上部電極上方に形成された回折部と、
前記回折部を覆う反射膜と、
を有し、
前記回折部は、複数の量子ドットが結合して構成された複数の結合ドットを有することを特徴とする光検知器。
【0084】
(付記2)
前記結合ドットは、前記量子ドットの10倍以上の大きさを有することを特徴とする付記1に記載の光検知器。
【0085】
(付記3)
前記回折部は、前記複数の結合ドットとは大きさの異なる複数の第2の結合ドットを更に有することを特徴とする付記1又は2に記載の光検知器。
【0086】
(付記4)
前記回折部は、
前記上部電極上方に形成された第1の下地層と、
前記第1の下地層上に形成され、前記複数の結合ドットを覆う第2の下地層と、
を有し、
前記複数の結合ドットは、前記第1の下地層上に形成され、
前記複数の第2の結合ドットは、前記第2の下地層上に形成されていることを特徴とする付記3に記載の光検知器。
【0087】
(付記5)
前記回折部は、前記上部電極上方に形成された下地層を有し、
前記複数の結合ドットは、前記下地層上に形成され、
前記下地層の表面には、前記複数の結合ドットの隙間に整合する凹部が形成されていることを特徴とする付記1又は2に記載の光検知器。
【0088】
(付記6)
下部電極上方に活性層を形成する工程と、
前記活性層上方に上部電極を形成する工程と、
前記上部電極上方に回折部を形成する工程と、
前記回折部を覆う反射膜を形成する工程と、
を有し、
前記回折部を形成する工程は、
複数の量子ドットを前記上部電極上方に形成する工程と、
前記複数の量子ドット同士を結合させて結合ドットを形成する工程と、
前記結合ドットを成長させる工程と、
を有することを特徴とする光検知器の製造方法。
【0089】
(付記7)
前記回折部を形成する工程は、前記結合ドットを形成する工程と、前記結合ドットを成長させる工程との間に、残存している量子ドットを除去する工程を有することを特徴とする付記6に記載の光検知器の製造方法。
【0090】
(付記8)
前記結合ドットを成長させる工程は、前記結合ドットの原料の供給及びアニールを繰り返す工程を有することを特徴とする付記6又は7に記載の光検知器の製造方法。
【0091】
(付記9)
前記結合ドットの原料の供給における原料の供給量は、前記量子ドットの臨界膜厚以下とすることを特徴とする付記8に記載の光検知器の製造方法。
【0092】
(付記10)
前記回折部を形成する工程は、
前記複数の量子ドットを形成する工程の前に、前記上部電極上方に下地層を形成する工程を有し、
前記結合ドットを成長させる工程の後に、前記結合ドットをマスクとして前記下地層をエッチングする工程を有することを特徴とする付記6乃至9のいずれか1項に記載の光検知器の製造方法。
【符号の説明】
【0093】
1、11:下部電極
2、12:活性層
3、13:上部電極
4、14、24、34、44:回折部
4a、14a、24b、34b:結合ドット
5、15:反射膜
16、36:下地層
16a:凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部電極と、
前記下部電極上方に形成された活性層と、
前記活性層上方に形成された上部電極と、
前記上部電極上方に形成された回折部と、
前記回折部を覆う反射膜と、
を有し、
前記回折部は、複数の量子ドットが結合して構成された複数の結合ドットを有することを特徴とする光検知器。
【請求項2】
前記結合ドットは、前記量子ドットの10倍以上の大きさを有することを特徴とする請求項1に記載の光検知器。
【請求項3】
前記回折部は、前記複数の結合ドットとは大きさの異なる複数の第2の結合ドットを更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光検知器。
【請求項4】
前記回折部は、
前記上部電極上方に形成された第1の下地層と、
前記第1の下地層上に形成され、前記複数の結合ドットを覆う第2の下地層と、
を有し、
前記複数の結合ドットは、前記第1の下地層上に形成され、
前記複数の第2の結合ドットは、前記第2の下地層上に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光検知器。
【請求項5】
前記回折部は、前記上部電極上方に形成された下地層を有し、
前記複数の結合ドットは、前記下地層上に形成され、
前記下地層の表面には、前記複数の結合ドットの隙間に整合する凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光検知器。
【請求項6】
下部電極上方に活性層を形成する工程と、
前記活性層上方に上部電極を形成する工程と、
前記上部電極上方に回折部を形成する工程と、
前記回折部を覆う反射膜を形成する工程と、
を有し、
前記回折部を形成する工程は、
複数の量子ドットを前記上部電極上方に形成する工程と、
前記複数の量子ドット同士を結合させて結合ドットを形成する工程と、
前記結合ドットを成長させる工程と、
を有することを特徴とする光検知器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−66319(P2011−66319A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217494(P2009−217494)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】