説明

光源ユニット、光走査装置および画像形成装置

【課題】装置の大型化を抑制して、効率よく冷却することができる光源ユニット、光走査装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】面発光光源などの光源と、光源に駆動信号を供給する駆動回路とを備えた光源ユニット3において、光源ユニットの温度上昇箇所である回路基板305に熱的に接するように設置された受熱部112と、冷却液の熱を放出させる冷却部115などの放熱手段と、冷却液を受熱部112と放熱手段との間で循環させるための循環パイプ113と、循環パイプ内の冷却液を搬送するためのポンプ114など搬送手段とを有する液冷装置を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニット、光走査装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
潜像担持体である感光体上に画像情報に応じた書込光を偏向走査することにより照射して感光体上に潜像を形成し、この潜像を現像して画像を得るものが知られている。書込光を偏向走査する光走査装置は、レーザーダイオード(LD)などの光源、光源に駆動信号を供給する駆動回路を備えた光源ユニット、コリメートレンズやポリゴンミラーなどの走査光学系の光学素子を備えている。光源ユニットは、走査光学系の光学素子が搭載された光学ハウジングの側面に装着されている。そして、光源から照射された光が、コリメートレンズやアパーチャによって所定の形状に成形されてポリゴンミラーに入射する。ポリゴンミラーに入射した光は、ポリゴンミラーで偏向走査され、感光体表面に結像される。
【0003】
画像形成装置の高速化及び高密度化に伴い、駆動回路での発熱量が増加する傾向にある。この駆動回路は、駆動信号の遅延を抑制するため、通常、光源の近くに設けられている。そのため、駆動回路の発熱に起因して、光源ユニットが熱変形して光軸ずれが生じたり、光源の温度が上昇し、光源の寿命低下を招いたりするおそれがあった。
【0004】
特許文献1には、冷却ファンにより光源ユニットに冷却エアを送風して光源ユニットを冷却する光走査装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の光走査装置のように、空冷により光源ユニットを冷却する構成においては、エアを吸排気するためのダクトスペースが必要となり、装置が大型化するおそれがあるという課題ある。また、空冷では、光源ユニットを効率よく冷却することができず、光源ユニットを十分に冷却することができないという課題もある。
【0006】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、装置の大型化を抑制して、効率よく冷却することができる光源ユニット、光走査装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光源と、該光源に駆動信号を供給する駆動回路とを備えた光源ユニットにおいて、温度上昇箇所に熱的に接するように設置された受熱部と、冷却液の熱を放出させる放熱手段と、前記冷却液を前記受熱部と前記放熱手段との間で循環させるための循環パイプと、前記循環パイプ内の冷却液を搬送するための搬送手段とを有する液冷装置を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光源ユニットを液冷装置により冷却するので、空冷で光源ユニットを冷却するものに比べて効率よく光源ユニットを冷却することができ、光源ユニットを十分に冷却することができる。また、冷却液を循環させるための循環パイプは、エアを吸排気するためのダクトよりも小さいため、空冷で光源ユニットを冷却するものに比べて、装置のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態のプリンタの概略構成図。
【図2】本実施形態の書込装置の要部平面図。
【図3】同書込装置を側方断面図。
【図4】同書込装置の斜視図。
【図5】本実施形態の光源ユニットの斜視図。
【図6】(A)は、同光源ユニットを正面よりも左上側から見た図であり、(B)は正面よりも右上側から見た図。
【図7】光源ユニットの構成を光学ハウジング内から見た正面図。
【図8】書込装置の光学ハウジングの構成を示す斜視図。
【図9】光学ハウジングへの光源ユニットの装着の様子を示す図。
【図10】光学ハウジングの開口部への光源ユニットの装着状態を示す図。
【図11】板ばね部材の斜視図。
【図12】液冷装置の基本構成を示す図。
【図13】書込装置の光源ユニットを冷却する液冷装置と、書込装置とを示す概略構成図。
【図14】液冷装置の受熱部を、各光源ユニットにネジ止めした状態を示す斜視図。
【図15】循環パイプに伸縮可能な蛇腹形状部を設けた実施例を示す図。
【図16】受熱部を、光学ハウジングに固定する実施例を示す図。
【図17】受熱部を、画像形成装置の筐体に固定した実施例を示す図。
【図18】画像形成装置の筐体に固定した受熱部を、光源ユニットの回路基板に当接させた状態を示す図。
【図19】循環パイプを、受熱部の接続部分へガイドするガイド部材を設けた第1の実施例を示す図。
【図20】循環パイプを、受熱部の接続部分へガイドするガイド部材を設けた第2の実施例を示す図。
【図21】受熱部に接続された循環パイプの一端と、冷却部に接続された循環パイプの一端とにカプラを設け、受熱部が、光源ユニットとともに、装置本体から着脱できるように構成した実施例を示す図。
【図22】Y色の受熱部と、M色の受熱部とを結んで、一つの循環経路でY色、M色の光源ユニットを冷却する実施例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を、画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成及び動作について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置(以下、プリンタ500という)の全体の概略構成図である。プリンタ500はタンデム型中間転写式の電子写真装置であり、本体100と本体100を載せる給紙テーブルとを備える。なお、図中の添え字Y、M、C、Kは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の各色をそれぞれ示す。
【0011】
本体100は、中央付近に無端ベルト状の中間転写ベルト99を備える。中間転写ベルト99は、複数の支持ローラに掛け回して図1中時計回りに回転搬送可能とする。図1では、支持ローラ19の左に、中間転写ベルト用のクリーニング装置17を設ける。クリーニング装置17は画像転写後に中間転写ベルト99上に残留する残留トナーを除去する。
【0012】
支持ローラ14と支持ローラ15間に張り渡した中間転写ベルト99上には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成手段としての4つの画像形成部18Y、18M、18C、18K(以下18Y、M、C、Kのように略記する。)を横に並べて配置してタンデム画像形成部20を構成する。そして、タンデム画像形成部20の上には、図1に示すように第一書込装置55a、第二書込装置55bが横並びに配置されている。光走査装置たる第一書込装置55aは、Y色の感光体40YおよびM色の感光体40Mに対して走査光線を照射して潜像を形成する。一方、光走査装置たる第二書込装置55bは、C色の感光体40CおよびK色の感光体40Kに対して走査光線を照射して潜像を形成する。
【0013】
タンデム画像形成部20の各画像形成部18は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色トナー像を担持する像担持体としてのドラム状の感光体40Y、M、C、Kを有している。また、各画像形成部18は、感光体40Y、M、C、Kの周りに、帯電装置43Y、M、C、K、書込装置55によって感光体40Y、M、C、K上に形成された潜像を現像する現像装置41Y、M、C、K、及び、中間転写ベルト99上に画像を転写した後の感光体40Y、M、C、Kの表面をクリーニングする感光体クリーニング装置42Y、M、C、K等を備える。
また、感光体40Y、M、C、Kから中間転写ベルト99にトナー像を転写する一次転写位置には、中間転写ベルト99を間に挟んで各感光体40Y、M、C、Kに対向するように一次転写手段の構成要素としての一次転写ローラ62Y、M、C、Kが設けられている。また、支持ローラ14は中間転写ベルトを回転駆動する駆動ローラである。ブラック単色画像を中間転写ベルト99上に形成する場合には駆動ローラではない支持ローラ15、15’を移動させて、イエロー、シアン、マゼンタの感光体40Y、M、Cを中間転写ベルトから離間させることも可能である。
【0014】
本体100は、中間転写ベルト99を挟んでタンデム画像形成部20と反対の側に二次転写装置22を備える。二次転写装置22は、図1に示す例では、二次転写対向ローラ16に二次転写ローラ16’を押し当てることで二次転写部を形成し、二次転写対向ローラ16と二次転写ローラ16’とに転写電界を印加することで中間転写ベルト99上の画像を転写紙としてのシートSに転写する。また、本体100は、二次転写装置22の横(図1中左側)に、シートS上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。また、二次転写装置22と定着装置25との間には、二次転写装置22によって中間転写ベルト99上の画像の転写を受けたシートSを定着装置25まで搬送する搬送ベルト24を備えている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。搬送ベルト24により、画像転写後のシートSをこの定着装置25へと搬送する。なお、図1に示す例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部20と平行に、シートSの両面に画像を記録すべくシートSを反転するシート反転装置28を備える。
【0015】
プリンタ100に画像データが送られ、作像開始の信号を受けると、不図示の駆動モータで支持ローラ14を回転駆動して他の複数の支持ローラを従動回転することで、中間転写ベルト99を無端移動させる。同時に、書込装置55によって個々の画像形成部18で各感光体40上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに対応した潜像が書き込まれ、各画像形成部18が備える各現像装置41が潜像を現像することにより、各感光体40上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト99の無端移動とともに、それらの単色画像を各感光体40と各一次転写ローラ62との対向部である一次転写部で順次中間転写ベルト99に転写し、中間転写ベルト99上にカラー画像を形成する。
【0016】
また、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートSを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の本体側給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。または、手差し給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートSを繰り出し、手差し分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト99上のカラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、二次転写装置22の二次転写ローラ16’と中間転写ベルト99との間にシートSを送り込み、中間転写ベルト99上のカラー画像を二次転写装置22でシートS上に転写してシートS上にカラー画像を記録する。画像転写後のシートSは、搬送ベルト24で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えてカラー画像をシートSに定着した後、排出ローラ56によってプリンタ500の外に排出し、排紙トレイ57上にスタックする。
また両面プリントを行う場合は、不図示の切換爪で切り換えて定着装置25を通過したシートSをシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。一方、画像転写後の中間転写ベルト99は、ベルトクリーニング装置17によって画像転写後に表面に残留する残留トナーが除去され、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。
【0017】
次に、光走査装置としての書込装置について説明する。第一書込装置55a、第二書込装置55bは、構成は、同じであるので、以下の説明では、第一書込装置55aについて説明する。
図2は、第一書込装置55aを上方から見た要部平面図であり、図3は、第一書込装置55aを側方から見た断面図であり、図4は、第一書込装置55aの要部斜視図である。
図2に示すように第一書込装置55aは、図1に示すようにY色の感光体40YとM色の感光体40Mとに走査光線SLを照射するものであり、偏向手段としてのポリゴンミラー9の回転中心をとおり、ポリゴンミラー9の回転軸の軸方向に対して直交する方向に引いた対称線に関して、Y色用の光学系とM色用光学係が線対称となる位置に配置されて対をなした対向走査型の光走査装置である。
第一書込装置55aは、感光体40Yに走査光線SLYを照射するためのY色用の光源を備えた光源ユニット3Yと、感光体40Mに走査光線SLMを照射するためのM色用の光源を備えた光源ユニット3Mとを有している。
【0018】
光源ユニット3Yから出射した主光線4Yは、不図示のコリメートレンズ、アパーチャ5Yを通過し、シリンドリカルレンズ6Yを透過して、ポリゴンミラー9に入射する。同様に、光源ユニット3Mから出射した主光線4Mも、不図示のコリメートレンズ、アパーチャ5Mを通過し、シリンドリカルレンズ6Mを透過して、ポリゴンミラー9に入射する。
【0019】
ポリゴンミラー9はポリゴンモータによって回転駆動され、Y色の画像形成に寄与する主光線4Yは回転するポリゴンミラー9に入射して反射することにより、Y色用の走査光線SLYとなる。走査光線SLYは、図3に示すように、Fθレンズ12Yを透過後、上部ミラー31Yと下部ミラー32Yとで折り返されて、下側にある長尺レンズ10Yを透過して、第二下部ミラー33Yで反射する。第二下部ミラー33Yで反射した走査光線SLYは、第一書込装置55aの光学ハウジング71のY用光照射口を塞ぐように設けられて塵埃が光照射口から光学ハウジング71内に侵入するのを防止する防塵ガラス35Yから感光体40Yに向けて出射する。第一書込装置55aから出射した走査光線SLYが被走査面である感光体40Yの表面に到達しY色に対応する潜像形成を行う。
【0020】
同様に、M色の画像形成に寄与する主光線4Mはポリゴンミラー9で、M色用の走査光線SLMとなる。走査光線SLMは、図3に示すように、Fθレンズ12M、上部ミラー31M、下部ミラー32YM、長尺レンズ10M、第二下部ミラー33Yを通って、防塵ガラス35Mから感光体40Mに向けて出射する。これにより、感光体40MにM色に対応する潜像形成を行う。
【0021】
次に、光源ユニットについて詳細に説明する。なお、各色光源ユニットの構成は、同じであるので、以下の説明では、光源ユニット3Yについて説明する。
図5は、光源ユニット3Yの外観を示す斜視図である。また、図6は、図5の光源ユニット3Yにおける保護カバー303を外した状態を示す斜視図であり、図6(A)は光源ユニット3Yを正面よりも左上側から見た図、図6(B)は正面よりも右上側から見た図である。
【0022】
光源ユニット3Yは、複数の発光源(VCSEL)を、光ビームの射出方向と直交する面内に2次元(モノリシック)に配列してなる面発光光源と、面発光光源から出射された光ビームを検出する光検出器とを実装した回路基板305を備えている。また、図6に示すように、光源ユニット3Yは、光ビームを平行光束あるいは所定の収束または発散状態の光束とするコリメートレンズ2Y,温度補正レンズ13Y,アパーチャ5Yを備えている。コリメートレンズ2Y、温度補正レンズ13Y、アパーチャ5Yは、光学素子ホルダ302の光学素子保持部302aに保持されている。
【0023】
コリメートレンズ2Yは、例えば屈折率が1.5程度で−x側に焦点を有する単玉レンズであり、面発光光源から入射する光ビーム(レーザ光ともいう)の発散角を変更することにより光ビームを略平行光に整えるものである。あるいは所定の収束または発散状態の光束とするものである。
【0024】
温度補正レンズ13Yは、コリメートレンズ2Yと、アパーチャ5Yとの間に配置されており、その光学特性は、例えば光源ユニット3Yの温度の変動に伴ってコリメートレンズ2Yと面発光光源との距離が微小変動することなどによる光源ユニット3Yの光学特性の変動を補正するように変化するようになっている。
【0025】
アパーチャ5Yは、中央にy軸方向を長手方向とする矩形の開口が形成された板状の部材であり、温度補正レンズ13Yと対向する側の面にはレーザ光を反射する反射面が形成されている。また、アパーチャ5Yは、開口の中心がコリメートレンズ2Yの焦点位置又はその近傍に位置するとともに、反射面がxz平面に対して−45度傾いた(−y側に45度回転した)状態で、光学素子ホルダ302の光学素子保持部302aに保持されている。
【0026】
また、図6(B)に示すように、光学素子ホルダ302は、回路基板305に実装された光検出器に光を導くための光学系部品も保持している。具体的には、折返しミラー314、検知用アパーチャ315、集光レンズ316を保持している。
【0027】
折返しミラー314は、xz平面に対して+45度傾いた(+y側に45度回転した)状態、すなわち、アパーチャ5となす角度が90度となる状態で、回路基板側の面が反射面となるように光学素子ホルダ302の光学素子保持部302aに配置されている。また、検知用アパーチャ315は、折返しミラー314と集光レンズ316との間に配置され、レーザ光の絞り部材である。また、集光レンズ316は、平凸形の単玉レンズである。
【0028】
回路基板305に実装された面発光光源から出射された光ビームは、コリメートレンズ2Y、温度補正レンズ13Yを透過したのち、アパーチャ5Yへ入射する。アパーチャ5Yに入射した光ビームの一部は、アパーチャ5Yの開口から、ポリゴンミラー9に向けて出射し、残りの光ビームは、アパーチャ5Yの反射面に反射し、折り返しミラー314へ入射する。そして、折り返しミラー314により折り返された光ビームは、検知用アパーチャ315、集光レンズ316により所定のビーム径となるように絞り込まれ、回路基板に実装された不図示の光検出器へ入射する。
【0029】
光源ユニット3Yでは、光検出器へ入射したときに出力される信号が常時モニタされ、面発光光源から出射される光ビームの光量制御が行われる。具体的には、光ビームが、感光体40Yへの走査を開始するまでの間に、光ビームを受光することで光検出器から出力される光電変換信号に基づいて面発光光源から出射されるレーザ光の強度を検出し、面発光光源から出射されるレーザ光の強度が予め設定された強度となるように、面発光光源の各VCSELへ供給する注入電力の値のセット(決定)が行われる。これにより、光ビームは予め設定された強度に調整された状態で感光体40Yへの光走査が行われる。
【0030】
図5に示すように、光学素子ホルダ302の光学素子保持部302aに保持された光学系部品(コリメートレンズ2Y、温度補正レンズ13Y、アパーチャ5Y、折り返しミラー314、検知用アパーチャ315、集光レンズ316)は、保護カバー303に覆われている。
【0031】
また、回路基板305は、締結ネジ309aにより中間ホルダ301にネジ止めされており、中間ホルダ301は、光学素子ホルダ302に締結ネジ309bによりネジ止めされている。
【0032】
回路基板305は、長手方向をy軸方向とする基板であり、この回路基板305の−x側の面に面発光光源と光検出器とが実装され、+x側の面に面発光光源を駆動する駆動回路などが形成されている。
【0033】
また、回路基板305の−x側の面の長手方向の両端には、板金加工で作られた一組の補強部材305aが設けられている。各補強部材305aには、中間ホルダ301のxz平面と対向する対向面を有しており、この対向面の所定位置の2つの穴が設けられている。これら穴に締結ネジ309aが挿入され中間ホルダ301の不図示のねじ穴に、ネジ止めすることにより、回路基板305が中間ホルダ301に所定位置に固定される。
【0034】
光源ユニット3Yの第1書込装置55aの光学ハウジング71への組立あるいはメンテナンス(交換)において、回路基板305上のコネクタ抜き差しにより回路基板305に負荷がかかることがある。しかし、本実施形態では回路基板305と中間ホルダ301との間で少なくとも4箇所以上の締結箇所を設けて、確実に挟持締結しているため、光源ユニット3Yにおいて容易には回路基板305の位置ズレが発生することが無く、また生産性という意味においても大きな効果がある。
【0035】
また、回路基板305の材質はエポキシガラスなどの樹脂、補強部材305aは鉄、中間ホルダ301はアルミニウムで構成している。それぞれ線膨張係数の異なる構造部材をねじ締結すると環境温度の変化により膨張、収縮の量が異なりそれぞれの構成部材の間にそり等の変形が生じる。本構成部材の線膨張係数はアルミニウム>鉄>エポキシガラスの順で小さく、それぞれの線膨張の差により使用上の環境温度範囲で十数μmの回路基板305のそりが生じることがシミュレーションで確かめられている。これは光源たる面発光光源における発光点の位置変動になりビーム径の劣化や、走査ピッチの変動になり大きな技術課題となっていた。
【0036】
この対策として、ある程度の嵌合がた(半径方向の隙間)を持たせて締結ねじ309aで中間ホルダ301に挟持締結している。これによって、光軸方向(x軸方向)に位置変化することなく、回路基板305、補強部材305aあるいは中間ホルダ301における主走査方向(y軸方向)、副走査方向(z軸方向)の膨張収縮を阻害させずに、構成部材間ですべりを発生させて、面発光光源のVCSELの発光点変動を極小に抑制することができる。
【0037】
光学素子ホルダ302は、板状の本体部302pと、本体部302pの両端部からそれぞれy方向それぞれに延びるアーム部302p2を有している。本体部302pには、光源ユニット3Yを光学ハウジング71に装着した際に、光学ハウジング71の壁面に当接して、光源ユニット3Yのx方向の位置決めを行うための位置決め面302iが、本体部302pの−x側の主面から−x方向に突出して設けられている。また、本体部302Pには、本体部302pの−x側の主面から−x方向に延びるように立設され複数の光学係部品を保持する光学素子保持部302aを有している。また、本体部302pには、中間ホルダ301を締結するための締結ネジ309bが、挿入される挿入部が4箇所設けられている。
【0038】
また、アーム部302p2の先端には、それぞれ、面発光光源の光軸(X軸)を中心軸として光源ユニット3Yを回転させて面発光光源のX軸方向回りの傾き調整(γ調整)を行う姿勢調整手段たる角度調整部302fを備えている。角度調整部302fは、図4に示すように、光学ハウジング71に装着されているとき、引張ばね311bの一端が係止されるフック部302f1と、六角ナット312h(図7参照)が回転不能に格納される六角溝302f2と、六角溝302f2内の六角ナット312hに上部から調整ねじ311hを差し込むための逃げ穴302f3とを有している。
【0039】
図5に示すように、いずれか一方のアーム部302p2に設けられた角度調整部302fを用いてγ調整が行われる。図4において、光源ユニット3Mは、図中左側のアーム部302p2の角度調整部302fを用いており、光源ユニット3Yは図中右側のアーム部302p2の角度調整部302fが用いられる。すなわち、光源ユニット3Yにおいては、図中右側の角度調整部302fのフック部302f1に、引張ばね311bの一端が係止され、六角溝302f2内に六角ナットが格納され、逃げ穴302f3に調整ネジが挿入されて、六角ナットに差し込まれている。
【0040】
図7は、光源ユニット3Yの構成を光学ハウジング71内から見た正面図である。
図7に示すように、光源ユニット3Yの角度調整部302fのフック部302f1には、一端が光学ハウジング71の所定の場所に係止され、ある程度伸びた状態の引張ばね311bの他端が係止されており、この引張ばね311bの収縮しようとするテンションが図中下方に向かう力faとしてフック部302f1に作用している。
【0041】
一方、六角溝302f2に格納されたナット部材312hのナット穴に対して、光学ハウジング71の壁面の所定位置に設けられたステイ71sにねじ頭が支持された調整ねじ311hが逃げ穴302f3を通してねじ込まれている。
【0042】
以上のように構成された光源ユニット3は、書込装置55の光学ハウジング71に対して、次のようにして、コリメートレンズ2Yの光軸にほぼ平行な軸回りに回動可能に取り付けられる。
【0043】
図8は、第1書込装置55aの光学ハウジング71の構成を示す斜視図である。
光学ハウジング71は、上方に開口した箱型のケースであり、その側壁にY色の光源ユニット3Yを装着するためのY用の開口部71hYと、M色の光源ユニット3Mを装着するためのM用の開口部71hMとを備えている。各開口部71hY,71hMは、貫通した円形の嵌合穴71h1と方形の逃げ部71h2からなる鍵穴形状のが2箇所設けられている。
【0044】
図9に、光学ハウジング71への光源ユニット3Yの装着の様子を示す。
光学ハウジング71への光源ユニット3の装着に際しては、まず光源ユニット3の保護カバー303側を前方として、この保護カバー303を開口部71hYに挿入する。このとき、保護カバー303の外形は、開口部71hYの開口形状よりも小さいため、スムーズな挿入が可能であり、保護カバー303Yの根元部分であるストッパ部303s及び光学素子ホルダ302の環状凸部302gの部分まで挿入されるとともに、光学ハウジング71の壁面に光学素子ホルダ302のハウジング突き当て面302iが当接するようになる。なお、ストッパ部303sは、x方向において環状凸部302gと同じ位置にあり環状凸部302gから+y側にはみ出している保護カバー303の外周面である。図9ではストッパ部303sの領域を斜線で表示している。
【0045】
図10に、光学ハウジング71の開口部71hYへの光源ユニット3Yの装着状態を示す。この図は、光学ハウジング71内から開口部71hYを見た図である。
保護カバー303の外形の大きさは、光学ハウジング71の開口部71hYの鍵穴形状よりも小さくなっているため、保護カバー303を装着したままで光源ユニット3Yを光学ハウジング71に組み付け可能である。
【0046】
また、開口部71hYの嵌合穴71h1の内径は、光学素子ホルダ302の環状凸部302gの外径とほぼ同等、正確には環状凸部302gの外径よりもわずかに大きくなるように規定されており、また逃げ部71h2のz方向の幅は保護カバー303のストッパ部303sよりも±z方向にそれぞれある程度の空きスペースができるように保護カバー303よりも大きく規定されている。これにより、開口部71hYを保護カバー303が通過した後に、嵌合穴71h1に環状凸部302gが嵌め合わさり光学ハウジング71における光源ユニット3Yのyz方向の装着位置が決まり、ハウジング突き当て面302iが光学ハウジング71の壁面に当接して光学ハウジング71における光源ユニット3Yのx方向の装着位置が決まるようになる。
【0047】
また、逃げ部71h2では、保護カバー303が嵌め込まれた後でも保護カバー303のストッパ部303sとの間に空きスペースがあるため、嵌合穴71h1を回転軸受け、円筒形状の環状凸部302gを回転軸とし、光軸中心Oを回転中心として、光源ユニット3Y全体を回転させることが可能な状態にある。これにより、調整機構部によるγ調整が可能となる(後述)。
【0048】
次に、板ばね部材312を用いて、光源ユニット3Yを、光学ハウジング71に保持する。板ばね部材312は、図11に示すように、y方向を長手とする板状のハウジング固定部312aと、ハウジング固定部312aの長手方向中央部分に設けられた1つのz方向板ばね部312bと、ハウジング固定部312aの長手方向両端部分にそれぞれz方向に延びるアーム状の2つのx方向板ばね部312cと、からなる。
【0049】
板ばね部材312を用いた光源ユニット3Yの光学ハウジング71への保持は、次のように行う。すなわち、光源ユニット3Yを光学ハウジング71に装着した状態で、x方向板ばね部312cを光学ハウジング71の光源ユニット3Yが装着される壁面に対して光源ユニット3Yの光学素子ホルダ302における2つのアーム部302p2を挟んで平行になるように配置する。また、z方向板ばね部312bが光源ユニット3Yの中間ホルダ301の底面に当接し、そのばね弾性で光源ユニット3Yを重力に抗する方向(+z方向)に押し上げるように配置する。そして、板ばね部材312のハウジング固定部312aを光学ハウジング71の底板部分にハウジング固定部312aに設けられた2つの穴部分でネジ止めして、板ばね部材312を光学ハウジング71に固定する。すると、x方向板ばね部312cがそのばね弾性でアーム部302p2それぞれを−x方向に押させるように働くことになり、光源ユニット3Yは環状凸部302g及びストッパ部303sが開口部71hYに嵌め込まれた状態で、一定の力でハウジング突き当て面302iが光学ハウジング71の壁面に押し当てられる状態となる。
【0050】
光源ユニット3Yが光学ハウジング71に装着された後、角度調整部302fのフック部302f1と光学ハウジング71との間を弾性部材としての引張ばね311bで連結する。このとき、フック部302f1には前述のように図中下向き力faが作用するため、光源ユニット3Yは、ストッパ部303sが開口部71hの逃げ部71h2の端部に当接して歯止めがかかるまで、環状凸部302gを回転軸として図7中時計回り方向に回転する(回転ra)。
【0051】
次に、光学ハウジング71のステイ71sと角度調整部302fの逃げ穴302f3とに調整ネジ311hを挿入して六角溝302f2に格納された6角ナット312hのナット穴に調整ねじ311hを差し込む。次に、ナット穴にねじ込む方向に調整ねじ311hを回転させる。これにより、調整ねじ311hはステイ71sにねじ頭が支持されていることから、角度調整部302fには、引張ばね311bによる力faに抗する力fbが作用し、光源ユニット3Yは、環状凸部302gを回転軸として図7中反時計回り方向に回転する(回転rb)。このとき、ストッパ部303sが逃げ部71h2の端部に当接して歯止めがかかった位置からの戻り量である回転rbは、調整ねじ311hの六角ナット312hへのねじ込み量によって調整することができる。ここでは、光学ハウジング71において光学的な測定を行いながら調整ねじ311hの六角ナット312hのねじ込み量を調整して、光源ユニット3Y全体の傾き量γを調整し、面発光光源の傾斜角度を調整して固定することを行う。
【0052】
γ調整終了後は、そのときの調整ねじ311hのねじ込み量で固定しておくだけで、引張ばね311bのテンションにより、光源ユニット3Yは傾き量γの状態で安定して保持されるようになり、そのまま書込装置として使用可能である。
【0053】
なお、γ調整に関して、光学素子ホルダ302における2つのアーム部302p2の部分は、光軸中心Oに対して等距離でかつ線対称な位置に配置するとよい。光軸中心Oから調整ねじ311hの作用点(六角溝302f2、六角ナット312h)までの距離を十分長く取ることによって、角度調整の分解能を上げることが可能となるため、ことさら調整ねじ311hのねじピッチを細かくすることなく並目ピッチの調整ねじを採用できるメリットがある。
【0054】
また、光軸方向(x方向)において、面発光光源側から、(1)光源ユニット3Yの重心位置、(2)力点部(フック部302f1)、(3)光源ユニット3Yの光学ハウジング71壁面との光軸方向当接部(位置決め面302i)、(4)環状凸部302gの順に配置されてなることが好ましい。
【0055】
本実施例では、すべての位置(1)〜(4)がこの順番で近接して配置され、光源ユニット3Yにおけるハウジング突き当て面302iが主走査、副走査方向に広く取っているため(スパンが長くなるため)、同じ加工精度でも光学ハウジング71に装着した際の光源ユニット3Yの姿勢のずれが小さくなる。更に、調整機構部の力点(フック部302f1)とハウジング突き当て面302i、環状凸部302gまでの距離が極小になるように配置しているため、引張ばね311bによる抗力によってこじられる、(チルトする)作用が少ないため、γ調整の際にスムーズな微小な動きが可能となって、高精度にピッチ調整ができる。
【0056】
なお、光源ユニット3Yにおいて一方のアーム部302p2だけに角度調整部302fを設けておけばよいが、前述したように両方のアーム部302p2に角度調整部302fを設けることにより、各色それぞれで共通の光源ユニットを使用することができる。このとき、光源ユニットを上下反転させることなく同じ向きで配置するため、それぞれの面発光光源の1チャンネル目の光源を揃えることができ、それぞれの光源ユニットに対するデータの吐き出しを揃えることが可能となる。
【0057】
また、図4で示すように、光学ハウジング71の中央部に引張ばね311b、調整ねじ311h、ステイ71sを配置し、光源ユニット3Yにおいて光源中心Oから左右の等距離に配置した角度調整部302fを使うことにより、同一ピッチの調整ねじ311hを用いて同じ分解能の調整が可能となるため、調整の自動化等も容易に行うことが可能である。また、光源ユニット3Yの配置はポリゴンミラーに対して対称で最適な配置となり、光学ハウジング71の大きさもコンパクトにできるというメリットがある。さらに、色毎に形状の異なる光源ユニットを作る必要がなく、光学ハウジング71の形状も略対称形でコンパクトになるのでコスト的にも有利となる。
【0058】
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
画像形成装置の高速化及び画像の高密度化に伴い、回路基板305の駆動回路での発熱量が増加する傾向にある。回路基板305に実装された面発光光源は、複数の発光源(VCSEL)を、光ビームの射出方向と直交する面内に2次元(モノリシック)に配列しているため、ビーム数を増やすことができ、画素密度を上げることができる。このように、画素密度を上げることができるので、ポリゴンモータの回転数を抑えることができ、ポリゴンミモータの発熱を抑えることができる。その結果、装置の熱劣化を抑制することができ、長寿命化を図ることができる。しかし、面発光光源は、従来の半導体レーザ(発光ダイオード)に比べて熱に弱いため、光源の寿命低下、画像品質の低下を招くおそれがあった。
【0059】
そこで、本実施形態においては、光源ユニット3Yの冷却を液冷装置で行っている。
【0060】
図12は、液冷装置110の基本構成を示す図である。液冷装置110は、受熱手段としての受熱部112、冷却液が循環する循環パイプ113、搬送手段たるポンプ114、放熱手段たるラジエータ115aおよび冷却気流発生手段たる冷却ファン115bからなる冷却部115、リザーブタンク116を備えている。受熱部112は、熱伝導性の高い部材(例えば、アルミや銅などの金属)で形成されており、冷却される温度上昇箇所Aから熱を奪う冷却液が流動する流路が貼り付けまたは埋め込みにより形成されている。また、受熱部112自体が流路を形成する構成としても良い。受熱部112は、温度上昇箇所Aに熱的に接するように設置されている。なお、温度上昇箇所Aに熱的に接するとは、温度上昇箇所Aから発した熱と接触することを意味し、温度上昇箇所Aに接触するよう受熱部112を設置してもよいし、温度上昇箇所Aから離れた位置に受熱部112を設置してもよい。温度上昇箇所Aに熱的に接していれば、受熱部112は温度上昇箇所Aから熱を受けることができる。受熱部112は、温度上昇箇所Aからの熱を受け、効率よく流路内の冷却液に伝達する。循環パイプ113は、熱を奪った冷却液を受熱部112から冷却部115へ移動させて冷却した後に再び受熱部112へ戻して、冷却液を受熱部112と冷却部115との間で循環させる管である。その使用場所により、適宜アルミ管、ゴムチューブ等を使用している。冷却部115では、循環経路113からの冷却媒体を内包する収容部(熱伝導率が高いアルミ等で構成)を介して冷却液を伝熱・放熱する放熱手段であるラジエータ115aを備え、放熱量に応じて冷却ファン115bによる強制空冷、または自然空冷がとられる。ポンプ114は冷却液を受熱部112と冷却部115とで循環させる駆動源であり、冷却液は図12中矢印のように循環させる。また、リザーブタンク116は冷却液保管用のタンクである。冷却液は、受熱部112で受けた熱をラジエータ115aまで輸送する熱輸送媒体であり、プロピレングリコール系不凍液等が用いられている。
【0061】
次に、上記液冷装置110を用いた光源ユニットの冷却について説明する。
図13は、第1書込装置55aの光源ユニット3Y,3Mを冷却する液冷装置110と、第1書込装置55aとを示す概略構成図であり、図14は、液冷装置110の受熱部112Y,112Mを、各光源ユニット3Y,3Mにネジ止めした状態を示す斜視図である。
図13に示すように、液冷装置110は、Y色の光源ユニット3Yを冷却するY色用の循環経路と、M色の光源ユニット3Mを冷却するM色用の循環経路とを有している。光源ユニット3Y,3Mの温度上昇箇所である回路基板305に受熱部112Y,112Mを当接させている。受熱部112Y,112Mは、図14に示すように、光源ユニット3Y,3Mの温度上昇箇所である回路基板305に固定部材としてのネジ117により固定されている。交換のしやすさやメンテナンス性を考慮するとネジ117で受熱部112を回路基板305に固定するのがこの好ましいが、ネジ頭にドライバーをアクセスできないなど、レイアウトの制約等の問題があればネジ止めに限らず接着剤等により、受熱部112を回路基板305に固定してもよい。
【0062】
図13に示すように、受熱部112Y,112Mと冷却部115とを結ぶチューブ状の循環パイプ113Y,113Mは、略中央部分を、画像形成装置の筐体100aに設けられたパイプ保持部材119に保持されている。また、循環パイプ113Y,113Mの長さは、受熱部112Y,112Mと冷却部115とを結ぶ最短長よりも長くなっている。これは、循環パイプ113Y,113Mの長さを、受熱部112Y,112Mと冷却部115とを結ぶ最短長にして、循環パイプを張った状態にしておくと、不図示のポンプ114などの振動が、循環パイプ113を介して光源ユニット3に伝達され、光源ユニット3が振動する場合がある。光源ユニット3が振動すると、バンディングなどの異常画像を引き起こす。しかし、本実施形態のように、循環パイプ113の長さを、受熱部112と冷却部115とを結ぶ最短長よりも長くして、多少、撓ませておくことで、不図示のポンプ114などの振動が循環パイプ113により吸収され、光源ユニット3が振動するのを抑制することができる。
【0063】
また、循環パイプ113の材質としては、ポンプ114の振動等の外乱の吸収のし易さや画像形成装置内の開いた空間に配置することを考えると、低硬度の材質、またはゴム状の材質が望ましい。また、冷却液が腐食しないこと等も考慮するとハロゲン系物質が含まれていない材質が望ましい。
【0064】
また、循環パイプ113の画像形成装置内の配置によっては、循環パイプ113を大きく曲げる(弾性変形させる)必要がある。この場合、循環パイプ113の復元力が、受熱部112に働く。その結果、受熱部112が固定されている光源ユニット3が引っ張りばね311bの張力に抗して、回転し、姿勢調整手段としての角度調整部302fで調整した光源ユニット3の姿勢が変化するおそれがある。このように光源ユニット3が、調整された姿勢から変化してしまうと、走査線の位置ずれが生じ、高品位な画像を得ることができない。
【0065】
よって、図15に示すように、循環パイプ113に光源ユニット姿勢変化抑制手段として、伸縮可能な蛇腹形状部113aを設けるのが好ましい。循環パイプ113の蛇腹形状部113aは、図15に示すように、パイプ保持部材119と受熱部112との間の部分のみでよい。このように、保持部材119と受熱部112との間の部分を蛇腹形状部113aとすることで、この間の循環パイプ113を大きく変形させても、復元力がほとんど働かない。よって、受熱部112に循環パイプ113の復元力が、引っ張りばねの張力よりも大きくなることがないので、光源ユニット3が、循環パイプ113の復元力により姿勢が変化することはない。これにより、高精度な照射を保つことができ、高品質な画像を得ることができる。
【0066】
また、冷却部115と保持部材119との間の循環パイプ113は、大きく弾性変形させても、その復元力は、保持部材119と冷却部115に生じ、受熱部112には加わることはないので、この部分は、蛇腹形状にする必要はない。これにより、循環パイプ113のラジエータ115aと保持部材119と間の部分の構成は自由度が高くなるため、より安価な部品を使用する等の対応が可能となる。また、蛇腹形状部113aは、循環パイプ113の復元力の受熱部112への伝わり難さを考慮すると蛇腹の間隔が広い方が望ましい。
【0067】
また、図16に示すように、受熱部112を、光源ユニット3に固定せず、光学ハウジング71に固定する構成でも、循環パイプ113の復元力による光源ユニット3の姿勢変化を抑制することができる。この場合、光源ユニット3を、調整ネジ311hを用いて調整したのち、受熱部112を、光源ユニット3の回路基板305に当接させた状態で受熱部112を固定手段たるネジ118で光学ハウジング71に固定する。受熱部112を光学ハウジング71に固定することにより、循環パイプ113が大きく弾性変形するように画像形成装置内に配置され、受熱部112に循環パイプの復元力が働いても、光源ユニット3に循環パイプ113の復元力は、働かない。よって、光源ユニット3が、循環パイプ113の復元力により姿勢が変化することはない。これにより、高精度な照射を保つことによって高品質な画像を得ることができる。光学ハウジング71は、画像形成装置に位置決め固定されており、重量もあるので、循環パイプ113の復元力により光学ハウジング71が動いてしまうことはない。
【0068】
また、姿勢を調整した後、受熱部112がネジ止めされた光源ユニット3を固定手段たるねじで光学ハウジング71に固定する構成でも、光源ユニットの姿勢変化を抑制することができる。すなわち、受熱部112に循環パイプ113の復元力が働いても、光源ユニット3は、光学ハウジング71に固定されているので、光源ユニット3は、光学ハウジング71に対して回転移動することはない。これにより、循環パイプ113の復元力により光源ユニット3の姿勢が変化することはない。
【0069】
また、受熱部112を、画像形成装置の筐体100aに固定しても、光源ユニットの姿勢の変化を抑制することができる。
図17、図18は、Y色用の受熱部112Yを、画像形成装置の筐体100aに固定した実施例を示す図である。図17は、Y色用の受熱部112Yを、光源ユニット3Yの回路基板305に当接させる前の状態を示しており、図18は、Y色用の受熱部112Yを、光源ユニット3Yの回路基板305に当接させた状態を示している。また、図17、図18の(a)は、平面図であり、(b)は、A−A断面図である。なお、他の色の受熱部についても、同様な構成を採用することができる。
受熱部112Yを、画像形成装置の筐体100aに固定する固定手段は、受熱部112を保持する受熱部保持部材121と、受熱部保持部材121を、光源ユニット3Yの回路基板305面に対して直交する方向にスライド可能に支持する案内部材123とで構成されている。
【0070】
受熱部112Yは、板金で形成された受熱部保持部材121に光源ユニット3Yの回路基板面に対して直交する方向にスライド可能に保持されている。受熱部保持部材121の両側面には、案内突起121aが設けられており、この案内突起121aは、筐体100aに設けられた案内部材123に支持されている。また、受熱部112Yの回路基板305と当接する面と反対側の背面と、受熱部保持部材121の受熱部112Yの背面と対向する面との間には、複数の圧縮ばね122が設けられており、光源ユニット側へ受熱部112Yを付勢している。
【0071】
案内部材123の側面には、図17(b)に示すように、受熱部保持部材121(案内突起121a)を、光源ユニット3Yの回路基板面に対して直交する方向にスライド可能に案内する案内溝123aと、案内溝123aよりも一段低くなっており、受熱部保持部材121を、光源ユニット側に固定するための固定溝123bとを有している。
【0072】
図17に示すように、光源ユニット3Yの角度調整部302fによる姿勢調整前は、案内突起121aは、案内部材123の案内溝123aに位置しており、受熱部112Yは、光源ユニット3Yから離間している。光源ユニット3Yの姿勢調整後、受熱部保持部材121を、光源ユニット側へ移動させ、受熱部112を光源ユニット3Yの回路基板305に当接させる。この状態からさらに、受熱部保持部材121を光源ユニット側へ移動させていくと、圧縮ばね122が、縮み、図18(b)に示すように、受熱部保持部材の案内突起121aが、案内溝123aよりも一段低い位置にある固定溝123bまで移動する。これにより、受熱部保持部材121は、受熱部112Yが光源ユニット3Yに対して所定の押圧力で光源ユニット3Yに当接する位置で固定される。
【0073】
循環パイプ113が大きく弾性変形するように画像形成装置内に配置され、受熱部112に循環パイプ113の復元力が働いても、その復元力は受熱部保持部材121に働き、光源ユニット3に加わるのを抑制することができる。これにより、光源ユニット3が、循環パイプ113の復元力により姿勢が変化するのを抑制することができる。
【0074】
また、循環パイプ113の受熱部112との接続部近傍付近が急激に屈折していると、受熱部112に加わる循環パイプ113の復元力が大きくなる。その結果、受熱部112が固定されている光源ユニット3が引っ張りばね311bの張力に抗して、回転し、姿勢調整手段としての角度調整部302fで調整した光源ユニット3の姿勢が変化するおそれが高くなる。
よって、循環パイプ113を、受熱部112の接続部分へガイドする姿勢変化抑制手段としてのガイド部材を設けて、循環パイプ113の受熱部112近傍が、急激に屈折するのを抑制するようにしてもよい。屈折抑制部材としてのガイド部材は、循環パイプ113が屈折するおそれがある方向に設ける。例えば、図19に示すように、図の下向き、図の左向き、図の右向きに循環パイプ113が屈折するおそれがある場合は、ガイド部材120を、循環パイプ113の下側、右側、左側に対向させる。また、図20に示すように、循環パイプ113が、図の下向きにのみ屈折するおそれがある場合は、循環パイプ113の下側にガイド部材120を対向させる。ガイド部材120は、組付け性、分解性等を考慮すると、画像形成装置に対してネジ止めされていることが望ましい。また、ガイド部材120を画像形成装置に固定することにより、循環パイプ113に振動などが生じたとしても、その影響が受熱部112や光源ユニット3に及ぶのを抑制することができる。また、ガイド部材120と循環パイプ113とを予め一体に設け、ガイド部材120一体型の循環パイプ113のガイド部材120を、画像形成装置などに固定してもよい。このように、ガイド部材120を設けることで、画像形成装置内に循環パイプ113を配置し、循環パイプ113を受熱部112に接続させたとき、循環パイプ113の受熱部112付近が、屈折するのを抑制することができる。これにより、受熱部112に加わる循環パイプ113の復元力を小さくすることができ、受熱部112が固定されている光源ユニット3の姿勢が、変化するのを抑制することができる。
【0075】
また、受熱部112が、光源ユニット3の回路基板305に固定されている構成の場合、図21に示すように、受熱部112に接続された循環パイプ113の一端と、冷却部115に接続された循環パイプ113の一端とにカプラを設け、受熱部112が、光源ユニット3とともに、装置本体から着脱できるように構成してもよい。
具体的には、冷却液移動方向上流側のカプラに雌型カプラ131aを用い、冷却液移動方向下流側のカプラに雄型カプラ131bを用いる。雌型カプラ131aには、内部にスプリングにより閉弁される弁機構を有しており、雄型カプラ131bには、逆止弁が設けられている。雌型カプラ131aに雄型カプラ131bを接続することで、雌型カプラ131a内の弁機構が、雄型カプラ131bに押されて、弁が開き、冷却部115からの冷却液が、受熱部112へ流れる。また、受熱部112からの冷却液が、冷却部へ流れ、冷却液が循環する。
【0076】
光源ユニット3を交換するときは、雄型カプラ131bを、雌型カプラ131aから抜き出す。これにより、雌型カプラ131a内の弁機構により弁が閉じられ、冷却液が雌型カプラ131aから漏れることはない。また、雄型カプラ131bに設けられた逆止弁により、雄型カプラ131bから冷却液が漏れ出すことはない。これにより、光源ユニット3を、受熱部112とともに、装置本体から取り出しても、装置本体に冷却液がこぼれることがない。そして、新品の光源ユニット3を光学ハウジング71に取り付け、光源ユニット3の角度調整部302fにより光源ユニット3の姿勢を調整したのち、雄型カプラ131bを雌型カプラ131aに接続する。
【0077】
光源ユニット3の姿勢調整後に受熱部112を、光源ユニット3にネジ117により固定する構成の場合、ネジ117により受熱部112を固定するときに、ネジ117の締結トルクにより光源ユニット3の姿勢が変化してしまうおそれがある。また、光源ユニット3の姿勢調整前に受熱部112を光源ユニット3にねじ止めした場合は、光源ユニット3の姿勢調整後、循環パイプ113の弾性変形が大きくなり、光源ユニット3に大きな力がかかり、光源ユニット3の姿勢が変化する場合がある。
【0078】
一方、上述のように、受熱部112が予め光源ユニット3に固定された状態の光源ユニット3を交換することにより、ネジ117により受熱部112を固定するときに、ネジ117の締結トルクにより光源ユニット3の姿勢が変化してしまうことがない。また、角度調整部302fによる光源ユニット3の姿勢調整時は、循環パイプ113は、受熱部112から外れているので、光源ユニット3の姿勢調整のときに、循環パイプ113が弾性変形することはない。よって、光源ユニット3に大きな力がかかることがなくなり、光源ユニット3の姿勢が変化することが抑制される。
【0079】
また、雌型カプラ131aと雄型カプラ131bとを連結する際に、受熱部112に接続された循環パイプ113が弾性変形して、受熱部112に力が加わり、光源ユニット3の姿勢が変化するおそれがある。よって、画像形成装置の筐体100aに上述したガイド部材120を設け、光源ユニット3の姿勢調整後、循環パイプ113の受熱部112との接続箇所近傍を、このガイド部材120で固定した後、雌型カプラ131aと雄型カプラ131bとを連結するのが好ましい。これにより、雌型カプラ131aと雄型カプラ131bとを連結する際、受熱部112に接続された循環パイプ113が弾性変形しても、その弾性変形による力は、ガイド部材120で受け止められ、受熱部112に伝達されない。これにより、受熱部112が固定された光源ユニット3に力が生じず、光源ユニット3の姿勢が変化するのを抑制することができる。
【0080】
また、光源ユニットに受熱部112をネジ117で固定することにより、光源ユニットの温度上昇箇所に確実に受熱部112を当接させることができ、効率よく光源ユニットを冷却することができる。
【0081】
また、本実施形態においては、液冷装置110は、Y色の光源ユニット3Yを冷却するY色用の循環経路と、M色の光源ユニット3Mを冷却するM色用の循環経路とを有しているが、図22に示すように、Y色の受熱部112Yと、M色の受熱部112Mとを結んで、一つの循環経路でY色、M色の光源ユニット3Y,3Mを冷却してもよい。
【0082】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の(1)〜(7)態様毎に特有の効果を奏する。
(1)
面発光光源などの光源と、光源に駆動信号を供給する駆動回路とを備えた光源ユニット3において、温度上昇箇所に熱的に接するように設置された受熱部112と、冷却液の熱を放出させる冷却部115などの放熱手段と、冷却液を受熱部112と放熱手段との間で循環させるための循環パイプ113と、循環パイプ内の冷却液を搬送するためのポンプ114など搬送手段とを有する液冷装置を備えた。
かかる構成を備えることで、光源ユニット3を冷却することができ、光源ユニット3が熱変形して光軸ずれが生じたり、光源の温度が上昇し、光源の寿命低下を招いたりするのを抑制することができる。また、空冷により光源ユニット3を冷却する場合に比べて、効率よく光源ユニット3を冷却することができ、光源ユニット3を十分に冷却することができる。また、冷却液を循環させるための循環パイプ113は、エアを吸排気するためのダクトよりも小さいため、空冷で光源ユニット3を冷却するものに比べて、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0083】
(2)
また、光源ユニット3と、光源ユニット3からの光を偏向走査するポリゴンミラー9などの光偏向手段とを備えた書込装置55などの光走査装置において、光源ユニット3として、上記(1)に記載の態様の光源ユニットを用いた。
かかる構成を備えることにより、感光体40などの光走査対象物の所定の位置に光走査を行えることができる。
【0084】
(3)
また、上記(2)に記載の態様の光走査装置において、光源ユニット3および光偏向手段とを収納する光学ハウジング71と、光学ハウジング71に対する光源ユニット3の装着姿勢を調整する角度調整部302fなどの姿勢調整手段とを備え、循環パイプ113からの力により、光源ユニット3の姿勢が変化するのを抑制する姿勢変化抑制手段を設けた。
かかる構成を備えることにより、循環パイプ113からの力により、光源ユニット3の光学ハウジング71に対する姿勢が変化するのを抑制することができ、感光体40などの光走査対象物に対する走査位置がずれたりするのを抑制することができる。
【0085】
(4)
また、上記(3)に記載の態様の光走査装置において、受熱部112は、光源ユニット3に固定されており、姿勢変化抑制手段として、循環パイプ113に蛇腹形状部113aを設けた。
かかる構成を備えることで、蛇腹形状部113aが、循環パイプ113にかかる力を吸収することができ、その力が、受熱部112から光源ユニット3に伝達されるのを抑制することができる。これにより、循環パイプ113からの力により、光源ユニット3の光学ハウジング71に対する姿勢が変化するのを抑制することができ、感光体40などの光走査対象物に対する走査位置がずれたりするのを抑制することができる。
【0086】
(5)
また、上記(3)または(4)に記載の態様の光走査装置において、姿勢変化抑制手段として、受熱部112を光学ハウジング71または光走査装置が搭載される画像形成装置100などの装置に固定する固定手段を設けた。
かかる構成を備えることで、循環パイプ113にかかる力が受熱部112に加わっても、受熱部112は、固定手段により光学ハウジング71または光走査装置が搭載される装置に固定されているので、循環パイプ113にかかる力が受熱部112から光源ユニット3に伝達されることはない。これにより、循環パイプ113からの力により、光源ユニット3の光学ハウジング71に対する姿勢が変化するのを抑制することができ、感光体40などの光走査対象物に対する走査位置がずれたりするのを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、受熱部112を光学ハウジング71に固定する固定手段を、ネジ118で構成し、受熱部112を装置に固定する固定手段を、受熱部112を保持する受熱部保持部材121と、受熱部保持部材121を、光源ユニット3Yの回路基板305面に対して直交する方向にスライド可能に支持する案内部材123とで構成した。
【0087】
(6)
また、上記(3)乃至(5)いずれかに記載の態様の光走査装置において、受熱部112は、光源ユニット3に固定されており、姿勢変化抑制手段として、循環パイプ113の受熱部112との接続部近傍の屈折を抑制するガイド部材120などの屈折抑制部材を設けた。
このように、屈折抑制部材により循環パイプ113の受熱部112との接続部近傍の屈折を抑制することにより、循環パイプ113の屈折による復元力が、受熱部112に生じるのを抑制することができる。これにより、受熱部112から光源ユニット3に伝達される循環パイプ113からの力を小さくすることができ、光源ユニット3の光学ハウジング71に対する姿勢が変化するのを抑制することができる。
【0088】
(7)
また、上記(3)、(4)または(6)に記載の態様の光走査装置において、受熱部112は、光源ユニット3に固定されており、受熱部112は、光源ユニット3と一体で装置に着脱可能に構成した。
かかる構成を備えることにより、予め受熱部112が光源ユニット3に固定された状態でかつ、循環パイプ113により冷却部115に連結されていない状態で、光源ユニット3の姿勢を調整することができる。これにより、上述したように、光源ユニット3の姿勢調整後の受熱部112を固定したり、循環パイプ113により冷却部115に連結されていない状態の受熱部112が固定された光源ユニット3の姿勢を調整したりする場合に比べて、姿勢調整後の光源ユニット3の姿勢が変化するのを抑制することができる。
【0089】
(8)
また、潜像を担持する感光体40などの潜像担持体と、光走査によって潜像担持体の表面に潜像を形成する書込装置55などの光走査手段と、潜像担持体に担持された潜像を現像する現像装置42などの現像手段とを備える画像形成装置において、光走査手段として、上記(2)乃至(7)いずれかに記載の態様の光走査装置を用いた。
かかる構成を備えることで、良好な画像を得ることができる。
【符号の説明】
【0090】
3:光源ユニット
5:アパーチャ
13:温度補正レンズ
18:画像形成部
40:感光体
55:書込装置
71:光学ハウジング
71h:開口部
71h1:嵌合穴
逃げ部:71h2
100a:筐体
110:液冷装置
112:受熱部
113:循環パイプ
113a:蛇腹形状部
114:ポンプ
115:冷却部
116:リザーブタンク
117:ネジ
118:ネジ
119:パイプ保持部材
120:ガイド部材
121:受熱部保持部材
121a:案内突起
123:案内部材
123a:案内溝
123b:固定溝
131a:雌型カプラ
131b:雄型カプラ
301:中間ホルダ
302:光学素子ホルダ
302a:光学素子保持部
302p:本体部
302p2:アーム部
302f:角度調整部
302f1:フック部
302f2:六角溝
302f3:逃げ穴
302g:環状凸部
302i:位置決め面面
303s:ストッパ部
303:保護カバー
305:回路基板
305a:補強部材
309a:締結ネジ
309b:締結ネジ
311h:調整ネジ
312h:ナット部材(六角ナット)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】特開2010−217240号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、該光源に駆動信号を供給する駆動回路とを備えた光源ユニットにおいて、温度上昇箇所に熱的に接するように設置された受熱部と、冷却液の熱を放出させる放熱手段と、前記冷却液を前記受熱部と前記放熱手段との間で循環させるための循環パイプと、前記循環パイプ内の冷却液を搬送するための搬送手段とを有する液冷装置を備えたことを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
光源ユニットと、光源ユニットからの光を偏向走査する光偏向手段とを備えた光走査装置において、前記光源ユニットとして、請求項1の光源ユニットを用いたことを特徴とする光走査装置。
【請求項3】
請求項2の光走査装置において、
前記光源ユニットおよび前記光偏向手段とを収納する光学ハウジングと、該光学ハウジングに対する前記光源ユニットの装着姿勢を調整する姿勢調整手段とを備え、
上記循環パイプからの力により、前記光源ユニットの姿勢が変化するのを抑制する姿勢変化抑制手段を設けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項4】
請求項3の光走査装置において、
前記受熱部が前記光源ユニットに固定されており、
前記姿勢変化抑制手段として、循環パイプに蛇腹形状部を設けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項5】
請求項3の光走査装置において、
前記姿勢変化抑制手段として、前記受熱部を前記光学ハウジングまたは前記光走査装置が搭載される装置に固定する固定手段を設けたことを特徴する光走査装置。
【請求項6】
請求項3または4の光走査装置において、
前記受熱部が前記光源ユニットに固定されており、
前記姿勢変化抑制手段として、前記循環パイプの前記受熱部との接続部近傍の屈折を抑制する屈折抑制部材を設けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項7】
請求項3、4または6の光走査装置において、
前記受熱部は、前記光源ユニットに固定されており、
前記光源ユニットと一体で装置に着脱可能に構成したことを特徴とする光走査装置。
【請求項8】
潜像を担持する潜像担持体と、光走査によって該潜像担持体の表面に潜像を形成する光走査手段と、該潜像担持体に担持された潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置において、前記光走査手段として、請求項2乃至7いずれかの光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−44925(P2013−44925A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182463(P2011−182463)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】