光源装置
【課題】所望の配光特性を安定して得ることができ、機器への組込みも容易な、エレクトロウェッティング効果を有する光源装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る光源装置1は、導電性の第1の液体11と、第1の液体と屈折率が異なる絶縁性の第2の液体12と、第1,第2の液体を収容する液室と、第1,第2の液体間の界面13Aの形状を変化させる電圧印加手段と、液室内に設置された発光体20とを備える。液室内に発光体20を設置することで、レンズ素子13と光源との一体化を図れることにより、光源装置全体の小型化、薄型化を実現できる。また、光源とレンズ素子の一体的な設計、製作及び機器への組込みが可能となるので、所望の配光特性が安定して得られるようになる。
【解決手段】本発明に係る光源装置1は、導電性の第1の液体11と、第1の液体と屈折率が異なる絶縁性の第2の液体12と、第1,第2の液体を収容する液室と、第1,第2の液体間の界面13Aの形状を変化させる電圧印加手段と、液室内に設置された発光体20とを備える。液室内に発光体20を設置することで、レンズ素子13と光源との一体化を図れることにより、光源装置全体の小型化、薄型化を実現できる。また、光源とレンズ素子の一体的な設計、製作及び機器への組込みが可能となるので、所望の配光特性が安定して得られるようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロウェッティング効果(電気毛管現象)を利用した光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロウェッティング効果を利用した光学素子(エレクトロウェッティングデバイス)の開発が進められている。エレクトロウェッティング効果は、導電性を有する液体と電極との間に電圧を印加したときに電極表面と液体との固液界面のエネルギーが変化し、液体表面の形状が変化する現象をいう。
【0003】
例えば下記特許文献1には、エレクトロウェッティング効果を利用したカメラのストロボ装置が開示されている。このストロボ装置は、光源と、絶縁性液体と導電性液体との間の界面形状で個々のレンズを形成したレンズアレイとを備え、エレクトロウェッティング効果を利用してレンズアレイの個々のレンズ形状を電気的に制御することによって、背面から照射される光源光の配光角を任意に制御するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−356708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のストロボ装置においては、レンズアレイを光源とは別個に構成しているため、ストロボ装置全体の小型化、薄型化が図れないという問題がある。また、レンズアレイと光源との間の幾何学的位置関係は機器の光学特性に影響を与えることから、両者間の位置のバラツキによって所望の配光特性を安定して得ることが困難である。
【0006】
また、使用される光源の形態、大きさ、発光特性等に合わせてレンズアレイの設置位置や個々のレンズ特性の最適化を図る必要があるため、機器の設計が煩雑となる。更には、光源とレンズアレイとが別構成であるため、カメラ等の光学機器に対する組み込み作業工数を増加させるという問題がある。
【0007】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、所望の配光特性を安定して得ることができ、機器への組み込みも容易な、エレクトロウェッティング効果を有する光源装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するに当たり、本発明の光源装置は、導電性の第1の液体と、第1の液体と屈折率が異なる絶縁性の第2の液体と、第1,第2の液体を収容する液室と、第1,第2の液体間の界面の形状を変化させる電圧印加手段と、液室内に設置された発光体とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記第1の液体と第2の液体は、互いに混和することなく液室内に収容され、これらの2液界面においてレンズ面を形成するレンズ素子を構成する。このレンズ素子は、導電性液体と液室内面との間におけるエレクトロウェッティング効果を利用して界面のレンズ形状が電気的に制御される。
【0010】
本発明の光源装置においては、これら第1,第2の液体を収容する液室内に発光体を設置することで、レンズ素子と光源との一体化を図るようにしている。これにより、光源装置全体の小型化、薄型化を実現できる。また、光源とレンズ素子の一体的な設計、製作及び機器への組込みが可能となるので、所望の配光特性が安定して得られるようになる。
【0011】
発光体としては、発光ダイオードや半導体レーザ等の半導体発光素子が好適である。これ以外に、キセノン管等の線状光源、ランプ光源等が適用可能である。
【0012】
電圧印加手段は、導電性の第1の液体と液室内面との間に所定の電圧を印加する。液室の内面には電極層とその表面を被覆する撥水性の絶縁膜が形成されている。電圧無印加状態では、第1,第2の液体の表面張力等により定まる所定の界面形状を維持するが、駆動電圧の印加により液室内面に対する第1の液体の接触角が変化する。従って、駆動電圧の大きさを適宜調整することで、界面形状を可逆的に変化させ、発光体からの出射光の任意の配光制御が可能となる。
【0013】
このとき、液室を、発光体の光を内面反射する反射体(リフレクタ)で形成することにより、光の利用効率、配光制御性などを向上させることが可能となる。この場合、反射光が指向性をもつように当該反射体の内面を所定の湾曲形状に形成するのが好ましい。一方、上記反射体に代えて、第1,第2の液体の界面と発光体との間に、発光体の出射光を平行光に変換するレンズ層を設けることによって、上述と同様の効果を得ることができる。
【0014】
また、液室をアレイ状に複数配列させることにより、光源と一体的なレンズアレイを構成することができる。ここで、発光体として半導体発光素子等の点光源が用いられる場合、発光体は複数の液室にそれぞれ個々に設置することができる。一方、発光体として蛍光管等の線光源が用いられる場合、発光体は、隣接する複数の液室に共通に設置することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上述べたように、本発明の光源装置によれば、光源とレンズ素子が一体的に構成されているので、光源装置全体の小型化、薄型化を実現することができる。また、光源とレンズ素子の一体的な設計、製作及び機器への組込みが可能となるので、所望の配光特性が安定して得られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の各実施形態に限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態による光源装置1の概略構成を示す側断面図である。本実施形態の光源装置1は、密閉性の容器19の内部に形成された液室に、導電性の第1の液体11と絶縁性の第2の液体12が収容されてなり、これら第1の液体11と第2の液体12の界面13Aでレンズ面を形成するレンズ素子13を構成している。そして、このレンズ素子13を収容する容器19の底部に、発光体20が設置されている。
【0018】
第1の液体11としては、導電性を有する透明な液体が用いられ、例えば、水、電解液(塩化カリウムや塩化ナトリウム、塩化リチウム等の電解質の水溶液)、分子量の小さなメチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、常温溶融塩(イオン性液体)などの有極性液体を用いることができる。
【0019】
第2の液体12としては、絶縁性を有する透明な液体が用いられ、例えば、デカン、ドデカン、ヘキサデカンもしくはウンデカン等の炭化水素系の材料、シリコーンオイル、フッ素系の材料などの無極性溶媒を用いることができる。本実施形態において、第2の液体12の表面張力は、第1の液体11の表面張力よりも小さいものが用いられている。
【0020】
第1,第2の液体11,12は、互いに異なる屈折率を有するとともに、互いに混和することなく存在できる材料が選ばれる。具体的に、本実施形態では、第1の液体11として塩化リチウム水溶液(濃度3.66wt%、屈折率1.34)が用いられ、第2の液体12としてシリコーンオイル(GE東芝シリコーン社製TSF437、屈折率1.49)が用いられる。また、第1,第2の液体11,12は互いに同等の比重をもつことが好ましい。また、必要に応じて、第1,第2の液体11,12は着色されていてもよい。
【0021】
次に、容器19は、容器本体となる筺体14と、筺体14の下端に液密に固定された基板15と、筺体14の上端に液密に固定された透明な蓋体16とによって構成されている。
【0022】
筺体14は、円筒状又は角筒状に形成され、内部空間がレンズ素子13を収容する液室として形成されている。筺体14の内面には電極層17と、この電極層17を被覆する絶縁膜18が形成されている。本実施形態において電極層17は筺体14の内面のほぼ全域に形成されているが、少なくとも、レンズ素子13のレンズ面13Aが上下移動する領域に形成されていればよい。電極層17と第1の液体11は、それぞれ配線21,22を介して外部の図示しない電圧源に接続されている。これら電極層17、配線22,22、電圧源は本発明の「電圧印加手段」を構成している。
【0023】
絶縁膜18は、電極層17と第1の液体11との間の電気的絶縁を図るためのもので、撥水性の材料で形成されているか、又は表面に撥水処理が施されている。絶縁膜18は、CVD法、ディッピング法、電着法等の適当な表面被覆法を用いて形成される。絶縁膜18の構成材料としては、例えば、ポリパラキシリレン、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの有機系材料のほか、酸化タンタルや酸化チタン等の金属酸化物を用いることができる。
【0024】
発光体20は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)で構成されているが、レーザダイオード(LD:Laser Diode)等の他の半導体発光素子で構成されていてもよい。発光体20は、基板15の上に実装されることで液室内に設置される。基板15は配線基板として構成され、発光体20と電気的に接続されている。なお、図1に示す発光体20は、表面側に一方の端子が形成されるタイプのものが用いられ、ボンディングワイヤ及び基板14の配線層を含む配線23を介して外部電源に接続されているが、勿論、裏面側に全ての端子が形成されるタイプの発光体を用いても構わない。
【0025】
なお、発光体20は絶縁性の第2の液体12によって周囲が覆われることにより、発光体20と第1の液体との間の電気的絶縁が確保されている。また、容器19は、筺体14と基板15及び蓋体16との間に接着剤等の密着部材を介在させることによって、第1,第2の液体11,12を液密に封止している。
【0026】
以上のように構成される本実施形態の光源装置1においては、発光体20で発光した光はレンズ素子13及び蓋体16を介して外部へ出射される。第1の液体11と第2の液体12の界面13Aの形状は、球面あるいは非球面であり、その曲率は、外部電圧源から供給される駆動電圧の大きさに応じて変化する。そして、界面13Aは、第1の液体11と第2の液体12の屈折率差に応じたレンズパワーをもつレンズ面を構成する。従って、第1の液体11と電極層17との間に印加する駆動電圧の大きさを調整することで、発光体20から出射された光の配光角(あるいは焦点距離)を変化させることが可能となる。
【0027】
具体的に、電圧無印加状態では、図1において実線で示すように、第1の液体11と第2の液体12の界面13Aは発光体20側に凸となる凹レンズ形状で釣り合っている。従って、第2の液体12の屈折率が第1の液体11の屈折率よりも大きい場合、当該形状の界面13Aを有するレンズ素子13は、発光体20の光Lを拡散して出射させる。
【0028】
一方、第1の液体11と電極層17との間に電圧を印加し始めると、エレクトロウェッティング効果によって液室(容器19)内面の絶縁膜18に対する第1の液体11の濡れ性が高まり、その結果、界面13Aの曲率が徐々に小さくなる。駆動電圧が一定以上大きくなると、図1において一点鎖線で示すように界面13Aが平面となる。この場合、発光体20の光Lは界面13Aにおけるレンズ効果をほとんど受けることなく直線的に出射されることになる。なお、この状態から駆動電圧を更に大きくすると界面13Aが蓋体16側に凸となる凸レンズ形状を呈することになり、発光体の光は収束して出射されることになる。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、第1の液体11と電極層17との間に印加する駆動電圧の大きさを調整することによって、レンズ素子13のレンズ面13Aを可逆的に変化させることができるので、発光体20にて発光した光の出射配光角を電気的に変化させることが可能となる。これにより、当該光源装置1から出射する光の強度、照射範囲を任意に調整することが可能となり、例えば、ペンライトやレーザポインタ、光ピックアップ装置用レーザ光源等の小型光源機器として好適に用いられる。
【0030】
また、本実施形態によれば、レンズ素子13と発光体(光源)20とが一体的に構成されているため、光源装置全体の小型化、薄型化を図ることが可能となるとともに、機器への組込みの際に光源とレンズ素子との間の面倒な位置合わせ作業が不要となる。
【0031】
更に、本実施形態によれば、レンズ素子13と発光体(光源)20とが一体的に構成されているため、これら光源とレンズ素子の一体的な設計、製作及び機器への組込みが可能となり、所望の配光特性が安定して得られるようになる。特に、発光体20として半導体発光素子のような微小部品を用いた小型の配光角可変光源装置を高精度かつ容易に作製することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態による光源装置2の概略構成を示す側断面図である。なお、図において上述の第1の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0033】
本実施形態の光源装置2は、上述した光源装置1が複数アレイ状に配列されたレンズアレイを構成している。配列方向は一次元方向に限らず、二次元方向であっても構わない。個々のレンズ素子13はそれぞれ同一の構成を有しており、基板15の上に共通に設置されている。容器19の内部は仕切壁21によって複数の液室に仕切られており、これら個々の液室にレンズ素子13が収容されるとともに発光体20がそれぞれ個別に設置されている。また、容器19の上壁は、複数の液室に共通の透明な蓋体16で形成され、各発光体20から出射される光の出射面を構成している。
【0034】
以上のように構成される本実施形態の光源装置2においては、発光体20を備えたレンズ素子13が複数アレイ状に配列されたレンズアレイを構成しているので、上述の第1の実施形態に比べて光源光の照射領域が広くなり、例えばカメラのストロボ装置として好適に実施することが可能となる。また、各レンズ素子を共通に駆動制御する場合に限らず、個別に制御することも可能である。
【0035】
(第3の実施形態)
図3及び図4は、本発明の第3の実施形態による光源装置3の概略構成を示す側断面図であり、図3は光源光Lの拡散出射モードを示し、図4は光源光Lの平行出射モードを示している。なお、図において上述の第1,第2の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0036】
本実施形態の光源装置3は、個々のレンズ素子13を収容する容器が反射体(リフレクタ)22で構成されている点で、上述の第2の実施形態と異なっている。反射体22は、その内面が、発光体20から出射される光を蓋体16の方向に指向性をもって反射させるべく所定の湾曲形状に形成されている。反射体22の内面には、電極層17が形成されているとともに、この電極層17を被覆する絶縁膜18が形成されている。発光体20は、反射体22の内側底部に直接設置され、反射体22を通して外部電源回路に電気的に接続されている。
【0037】
以上のように構成される本実施形態の光源装置3においては、上述の第2の実施形態と同様に、発光体20を備えたレンズ素子13が複数アレイ状に配列されたレンズアレイを構成しているので、上述の第1の実施形態に比べて光源光Lの照射領域が広くなり、例えばカメラのストロボ装置や自動車用ヘッドランプ等として好適に実施することが可能となる。
【0038】
特に本実施形態によれば、レンズ素子13を収容する容器が反射体22で構成されているので、発光体20で発生した光を有効に活用することが可能となり、光源としての照度を向上させることができる。また、反射体22によって発光体20から出射した光を正面方向(図中上方向)に立ち上げる作用を有するので、図4に示すように界面13Aが平面となるレンズ素子13の電圧駆動時において出射光の平行化が容易となり、配光制御性を高めることが可能となる。
【0039】
(第4の実施形態)
続いて、図5及び図6は、本発明の第4の実施形態による光源装置4の概略構成を示す側断面図であり、図5は光源光Lの拡散出射モードを示し、図6は光源光Lの平行出射モードを示している。なお、図において上述の第1,第2の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0040】
本実施形態の光源装置4は、レンズ素子13を収容する個々の液室の内部に、発光体20の出射光を平行光に変換するレンズ層23が設けられている。このレンズ層23は、第1,第2の液体11,12の界面13Aと発光体20との間に配置され、基板15上の発光体20をモールドする透明な絶縁性樹脂層で形成されている。また、レンズ層23を構成する樹脂材料は、第2の液体12とは異なる屈折率を有する材料が用いられている。
【0041】
このような構成により、レンズ層23によって発光体20の出射光を正面方向に効率的に立ち上げられることから、上述の第3の実施形態と同様に、光の利用効率及び配光制御性の向上を図ることが可能となる。
【0042】
また、本実施形態によれば、発光体20がレンズ層23によって封止された構成であるため、第1の液体11と第2の液体12の上下の配置関係を逆にしても発光体20の電気的絶縁を確保することが可能となり、レンズ素子13の設計自由度の向上が図れるようになる。
【0043】
(第5の実施形態)
図7及び図8は、本発明の第5の実施形態による光源装置5の概略構成を示す側断面図であり、図7は光源装置5の構成を説明する側断面図、図8は光源装置5の作用を説明する側断面図である。なお、図において上述の第1,第3の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0044】
本実施形態の光源装置5は、容器として構成される反射体22の内部にレンズ素子13が収容されるとともに発光体24が容器22の底部に設置された構成を有している。本実施形態において、発光体24は、キセノン管等の線状光源で構成されている。
【0045】
本実施形態の光源装置5においては、発光体24の周囲から出射される光を反射体22によって正面方向に立ち上げることが可能となるので、光の利用効率を高められると同時に、エレクトロウェッティング効果を利用したレンズ素子13による配光制御性を高めることができる。図8Aに界面13Aが凹レンズ状のときの光源光Lの拡散出射モード(電圧無印加時)を示すとともに、図8Bに界面13Aが平面状のときの光源光Lの平行出射モード(電圧印加時)を示す。なお、駆動電圧を更に大きくすることで、光源光Lの収束(集光)出射モードを実現することができる。
【0046】
更に、この光源装置5を複数アレイ状に配列してレンズアレイを構成することも可能である。この場合、図示せずとも、発光体24は、光源装置5の配列方向に延在させ、当該配列方向に隣接する複数の光源装置に共通の発光体として構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施形態による光源装置の概略構成を示す側断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による光源装置の概略構成を示す側断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態による光源装置の概略構成及び一作用を説明する側断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による光源装置の他の作用を説明する側断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態による光源装置の概略構成及び一作用を説明する側断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態による光源装置の他の作用を説明する側断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態による光源装置の概略構成を示す側断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態による光源装置の作用を説明する側断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1,2,3,4,5…光源装置、11…第1の液体、12…第2の液体、13…レンズ素子、13A…界面(レンズ面)、14…筺体、15…基板、16…蓋体、17…電極層、18…絶縁膜、19…容器、20,24…発光体、21…仕切壁、22…反射体、23…レンズ層、L…光源光
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロウェッティング効果(電気毛管現象)を利用した光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロウェッティング効果を利用した光学素子(エレクトロウェッティングデバイス)の開発が進められている。エレクトロウェッティング効果は、導電性を有する液体と電極との間に電圧を印加したときに電極表面と液体との固液界面のエネルギーが変化し、液体表面の形状が変化する現象をいう。
【0003】
例えば下記特許文献1には、エレクトロウェッティング効果を利用したカメラのストロボ装置が開示されている。このストロボ装置は、光源と、絶縁性液体と導電性液体との間の界面形状で個々のレンズを形成したレンズアレイとを備え、エレクトロウェッティング効果を利用してレンズアレイの個々のレンズ形状を電気的に制御することによって、背面から照射される光源光の配光角を任意に制御するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−356708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のストロボ装置においては、レンズアレイを光源とは別個に構成しているため、ストロボ装置全体の小型化、薄型化が図れないという問題がある。また、レンズアレイと光源との間の幾何学的位置関係は機器の光学特性に影響を与えることから、両者間の位置のバラツキによって所望の配光特性を安定して得ることが困難である。
【0006】
また、使用される光源の形態、大きさ、発光特性等に合わせてレンズアレイの設置位置や個々のレンズ特性の最適化を図る必要があるため、機器の設計が煩雑となる。更には、光源とレンズアレイとが別構成であるため、カメラ等の光学機器に対する組み込み作業工数を増加させるという問題がある。
【0007】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、所望の配光特性を安定して得ることができ、機器への組み込みも容易な、エレクトロウェッティング効果を有する光源装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するに当たり、本発明の光源装置は、導電性の第1の液体と、第1の液体と屈折率が異なる絶縁性の第2の液体と、第1,第2の液体を収容する液室と、第1,第2の液体間の界面の形状を変化させる電圧印加手段と、液室内に設置された発光体とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記第1の液体と第2の液体は、互いに混和することなく液室内に収容され、これらの2液界面においてレンズ面を形成するレンズ素子を構成する。このレンズ素子は、導電性液体と液室内面との間におけるエレクトロウェッティング効果を利用して界面のレンズ形状が電気的に制御される。
【0010】
本発明の光源装置においては、これら第1,第2の液体を収容する液室内に発光体を設置することで、レンズ素子と光源との一体化を図るようにしている。これにより、光源装置全体の小型化、薄型化を実現できる。また、光源とレンズ素子の一体的な設計、製作及び機器への組込みが可能となるので、所望の配光特性が安定して得られるようになる。
【0011】
発光体としては、発光ダイオードや半導体レーザ等の半導体発光素子が好適である。これ以外に、キセノン管等の線状光源、ランプ光源等が適用可能である。
【0012】
電圧印加手段は、導電性の第1の液体と液室内面との間に所定の電圧を印加する。液室の内面には電極層とその表面を被覆する撥水性の絶縁膜が形成されている。電圧無印加状態では、第1,第2の液体の表面張力等により定まる所定の界面形状を維持するが、駆動電圧の印加により液室内面に対する第1の液体の接触角が変化する。従って、駆動電圧の大きさを適宜調整することで、界面形状を可逆的に変化させ、発光体からの出射光の任意の配光制御が可能となる。
【0013】
このとき、液室を、発光体の光を内面反射する反射体(リフレクタ)で形成することにより、光の利用効率、配光制御性などを向上させることが可能となる。この場合、反射光が指向性をもつように当該反射体の内面を所定の湾曲形状に形成するのが好ましい。一方、上記反射体に代えて、第1,第2の液体の界面と発光体との間に、発光体の出射光を平行光に変換するレンズ層を設けることによって、上述と同様の効果を得ることができる。
【0014】
また、液室をアレイ状に複数配列させることにより、光源と一体的なレンズアレイを構成することができる。ここで、発光体として半導体発光素子等の点光源が用いられる場合、発光体は複数の液室にそれぞれ個々に設置することができる。一方、発光体として蛍光管等の線光源が用いられる場合、発光体は、隣接する複数の液室に共通に設置することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上述べたように、本発明の光源装置によれば、光源とレンズ素子が一体的に構成されているので、光源装置全体の小型化、薄型化を実現することができる。また、光源とレンズ素子の一体的な設計、製作及び機器への組込みが可能となるので、所望の配光特性が安定して得られるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の各実施形態に限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態による光源装置1の概略構成を示す側断面図である。本実施形態の光源装置1は、密閉性の容器19の内部に形成された液室に、導電性の第1の液体11と絶縁性の第2の液体12が収容されてなり、これら第1の液体11と第2の液体12の界面13Aでレンズ面を形成するレンズ素子13を構成している。そして、このレンズ素子13を収容する容器19の底部に、発光体20が設置されている。
【0018】
第1の液体11としては、導電性を有する透明な液体が用いられ、例えば、水、電解液(塩化カリウムや塩化ナトリウム、塩化リチウム等の電解質の水溶液)、分子量の小さなメチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、常温溶融塩(イオン性液体)などの有極性液体を用いることができる。
【0019】
第2の液体12としては、絶縁性を有する透明な液体が用いられ、例えば、デカン、ドデカン、ヘキサデカンもしくはウンデカン等の炭化水素系の材料、シリコーンオイル、フッ素系の材料などの無極性溶媒を用いることができる。本実施形態において、第2の液体12の表面張力は、第1の液体11の表面張力よりも小さいものが用いられている。
【0020】
第1,第2の液体11,12は、互いに異なる屈折率を有するとともに、互いに混和することなく存在できる材料が選ばれる。具体的に、本実施形態では、第1の液体11として塩化リチウム水溶液(濃度3.66wt%、屈折率1.34)が用いられ、第2の液体12としてシリコーンオイル(GE東芝シリコーン社製TSF437、屈折率1.49)が用いられる。また、第1,第2の液体11,12は互いに同等の比重をもつことが好ましい。また、必要に応じて、第1,第2の液体11,12は着色されていてもよい。
【0021】
次に、容器19は、容器本体となる筺体14と、筺体14の下端に液密に固定された基板15と、筺体14の上端に液密に固定された透明な蓋体16とによって構成されている。
【0022】
筺体14は、円筒状又は角筒状に形成され、内部空間がレンズ素子13を収容する液室として形成されている。筺体14の内面には電極層17と、この電極層17を被覆する絶縁膜18が形成されている。本実施形態において電極層17は筺体14の内面のほぼ全域に形成されているが、少なくとも、レンズ素子13のレンズ面13Aが上下移動する領域に形成されていればよい。電極層17と第1の液体11は、それぞれ配線21,22を介して外部の図示しない電圧源に接続されている。これら電極層17、配線22,22、電圧源は本発明の「電圧印加手段」を構成している。
【0023】
絶縁膜18は、電極層17と第1の液体11との間の電気的絶縁を図るためのもので、撥水性の材料で形成されているか、又は表面に撥水処理が施されている。絶縁膜18は、CVD法、ディッピング法、電着法等の適当な表面被覆法を用いて形成される。絶縁膜18の構成材料としては、例えば、ポリパラキシリレン、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの有機系材料のほか、酸化タンタルや酸化チタン等の金属酸化物を用いることができる。
【0024】
発光体20は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)で構成されているが、レーザダイオード(LD:Laser Diode)等の他の半導体発光素子で構成されていてもよい。発光体20は、基板15の上に実装されることで液室内に設置される。基板15は配線基板として構成され、発光体20と電気的に接続されている。なお、図1に示す発光体20は、表面側に一方の端子が形成されるタイプのものが用いられ、ボンディングワイヤ及び基板14の配線層を含む配線23を介して外部電源に接続されているが、勿論、裏面側に全ての端子が形成されるタイプの発光体を用いても構わない。
【0025】
なお、発光体20は絶縁性の第2の液体12によって周囲が覆われることにより、発光体20と第1の液体との間の電気的絶縁が確保されている。また、容器19は、筺体14と基板15及び蓋体16との間に接着剤等の密着部材を介在させることによって、第1,第2の液体11,12を液密に封止している。
【0026】
以上のように構成される本実施形態の光源装置1においては、発光体20で発光した光はレンズ素子13及び蓋体16を介して外部へ出射される。第1の液体11と第2の液体12の界面13Aの形状は、球面あるいは非球面であり、その曲率は、外部電圧源から供給される駆動電圧の大きさに応じて変化する。そして、界面13Aは、第1の液体11と第2の液体12の屈折率差に応じたレンズパワーをもつレンズ面を構成する。従って、第1の液体11と電極層17との間に印加する駆動電圧の大きさを調整することで、発光体20から出射された光の配光角(あるいは焦点距離)を変化させることが可能となる。
【0027】
具体的に、電圧無印加状態では、図1において実線で示すように、第1の液体11と第2の液体12の界面13Aは発光体20側に凸となる凹レンズ形状で釣り合っている。従って、第2の液体12の屈折率が第1の液体11の屈折率よりも大きい場合、当該形状の界面13Aを有するレンズ素子13は、発光体20の光Lを拡散して出射させる。
【0028】
一方、第1の液体11と電極層17との間に電圧を印加し始めると、エレクトロウェッティング効果によって液室(容器19)内面の絶縁膜18に対する第1の液体11の濡れ性が高まり、その結果、界面13Aの曲率が徐々に小さくなる。駆動電圧が一定以上大きくなると、図1において一点鎖線で示すように界面13Aが平面となる。この場合、発光体20の光Lは界面13Aにおけるレンズ効果をほとんど受けることなく直線的に出射されることになる。なお、この状態から駆動電圧を更に大きくすると界面13Aが蓋体16側に凸となる凸レンズ形状を呈することになり、発光体の光は収束して出射されることになる。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、第1の液体11と電極層17との間に印加する駆動電圧の大きさを調整することによって、レンズ素子13のレンズ面13Aを可逆的に変化させることができるので、発光体20にて発光した光の出射配光角を電気的に変化させることが可能となる。これにより、当該光源装置1から出射する光の強度、照射範囲を任意に調整することが可能となり、例えば、ペンライトやレーザポインタ、光ピックアップ装置用レーザ光源等の小型光源機器として好適に用いられる。
【0030】
また、本実施形態によれば、レンズ素子13と発光体(光源)20とが一体的に構成されているため、光源装置全体の小型化、薄型化を図ることが可能となるとともに、機器への組込みの際に光源とレンズ素子との間の面倒な位置合わせ作業が不要となる。
【0031】
更に、本実施形態によれば、レンズ素子13と発光体(光源)20とが一体的に構成されているため、これら光源とレンズ素子の一体的な設計、製作及び機器への組込みが可能となり、所望の配光特性が安定して得られるようになる。特に、発光体20として半導体発光素子のような微小部品を用いた小型の配光角可変光源装置を高精度かつ容易に作製することができる。
【0032】
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態による光源装置2の概略構成を示す側断面図である。なお、図において上述の第1の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0033】
本実施形態の光源装置2は、上述した光源装置1が複数アレイ状に配列されたレンズアレイを構成している。配列方向は一次元方向に限らず、二次元方向であっても構わない。個々のレンズ素子13はそれぞれ同一の構成を有しており、基板15の上に共通に設置されている。容器19の内部は仕切壁21によって複数の液室に仕切られており、これら個々の液室にレンズ素子13が収容されるとともに発光体20がそれぞれ個別に設置されている。また、容器19の上壁は、複数の液室に共通の透明な蓋体16で形成され、各発光体20から出射される光の出射面を構成している。
【0034】
以上のように構成される本実施形態の光源装置2においては、発光体20を備えたレンズ素子13が複数アレイ状に配列されたレンズアレイを構成しているので、上述の第1の実施形態に比べて光源光の照射領域が広くなり、例えばカメラのストロボ装置として好適に実施することが可能となる。また、各レンズ素子を共通に駆動制御する場合に限らず、個別に制御することも可能である。
【0035】
(第3の実施形態)
図3及び図4は、本発明の第3の実施形態による光源装置3の概略構成を示す側断面図であり、図3は光源光Lの拡散出射モードを示し、図4は光源光Lの平行出射モードを示している。なお、図において上述の第1,第2の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0036】
本実施形態の光源装置3は、個々のレンズ素子13を収容する容器が反射体(リフレクタ)22で構成されている点で、上述の第2の実施形態と異なっている。反射体22は、その内面が、発光体20から出射される光を蓋体16の方向に指向性をもって反射させるべく所定の湾曲形状に形成されている。反射体22の内面には、電極層17が形成されているとともに、この電極層17を被覆する絶縁膜18が形成されている。発光体20は、反射体22の内側底部に直接設置され、反射体22を通して外部電源回路に電気的に接続されている。
【0037】
以上のように構成される本実施形態の光源装置3においては、上述の第2の実施形態と同様に、発光体20を備えたレンズ素子13が複数アレイ状に配列されたレンズアレイを構成しているので、上述の第1の実施形態に比べて光源光Lの照射領域が広くなり、例えばカメラのストロボ装置や自動車用ヘッドランプ等として好適に実施することが可能となる。
【0038】
特に本実施形態によれば、レンズ素子13を収容する容器が反射体22で構成されているので、発光体20で発生した光を有効に活用することが可能となり、光源としての照度を向上させることができる。また、反射体22によって発光体20から出射した光を正面方向(図中上方向)に立ち上げる作用を有するので、図4に示すように界面13Aが平面となるレンズ素子13の電圧駆動時において出射光の平行化が容易となり、配光制御性を高めることが可能となる。
【0039】
(第4の実施形態)
続いて、図5及び図6は、本発明の第4の実施形態による光源装置4の概略構成を示す側断面図であり、図5は光源光Lの拡散出射モードを示し、図6は光源光Lの平行出射モードを示している。なお、図において上述の第1,第2の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0040】
本実施形態の光源装置4は、レンズ素子13を収容する個々の液室の内部に、発光体20の出射光を平行光に変換するレンズ層23が設けられている。このレンズ層23は、第1,第2の液体11,12の界面13Aと発光体20との間に配置され、基板15上の発光体20をモールドする透明な絶縁性樹脂層で形成されている。また、レンズ層23を構成する樹脂材料は、第2の液体12とは異なる屈折率を有する材料が用いられている。
【0041】
このような構成により、レンズ層23によって発光体20の出射光を正面方向に効率的に立ち上げられることから、上述の第3の実施形態と同様に、光の利用効率及び配光制御性の向上を図ることが可能となる。
【0042】
また、本実施形態によれば、発光体20がレンズ層23によって封止された構成であるため、第1の液体11と第2の液体12の上下の配置関係を逆にしても発光体20の電気的絶縁を確保することが可能となり、レンズ素子13の設計自由度の向上が図れるようになる。
【0043】
(第5の実施形態)
図7及び図8は、本発明の第5の実施形態による光源装置5の概略構成を示す側断面図であり、図7は光源装置5の構成を説明する側断面図、図8は光源装置5の作用を説明する側断面図である。なお、図において上述の第1,第3の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0044】
本実施形態の光源装置5は、容器として構成される反射体22の内部にレンズ素子13が収容されるとともに発光体24が容器22の底部に設置された構成を有している。本実施形態において、発光体24は、キセノン管等の線状光源で構成されている。
【0045】
本実施形態の光源装置5においては、発光体24の周囲から出射される光を反射体22によって正面方向に立ち上げることが可能となるので、光の利用効率を高められると同時に、エレクトロウェッティング効果を利用したレンズ素子13による配光制御性を高めることができる。図8Aに界面13Aが凹レンズ状のときの光源光Lの拡散出射モード(電圧無印加時)を示すとともに、図8Bに界面13Aが平面状のときの光源光Lの平行出射モード(電圧印加時)を示す。なお、駆動電圧を更に大きくすることで、光源光Lの収束(集光)出射モードを実現することができる。
【0046】
更に、この光源装置5を複数アレイ状に配列してレンズアレイを構成することも可能である。この場合、図示せずとも、発光体24は、光源装置5の配列方向に延在させ、当該配列方向に隣接する複数の光源装置に共通の発光体として構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施形態による光源装置の概略構成を示す側断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による光源装置の概略構成を示す側断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態による光源装置の概略構成及び一作用を説明する側断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による光源装置の他の作用を説明する側断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態による光源装置の概略構成及び一作用を説明する側断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態による光源装置の他の作用を説明する側断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態による光源装置の概略構成を示す側断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態による光源装置の作用を説明する側断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1,2,3,4,5…光源装置、11…第1の液体、12…第2の液体、13…レンズ素子、13A…界面(レンズ面)、14…筺体、15…基板、16…蓋体、17…電極層、18…絶縁膜、19…容器、20,24…発光体、21…仕切壁、22…反射体、23…レンズ層、L…光源光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の第1の液体と、
前記第1の液体と屈折率が異なる絶縁性の第2の液体と、
前記第1,第2の液体を収容する液室と、
前記第1,第2の液体の界面の形状を変化させる電圧印加手段と、
前記液室内に設置された発光体と、を備えた
ことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記発光体は、半導体発光素子である
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記液室は、前記発光体の出射光を内面反射する反射体で形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
前記反射体は、その内面で反射した光に指向性をもたせる湾曲形状を有している
ことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第1,第2の液体の界面と前記発光体との間に、前記発光体の出射光を平行光に変換するレンズ層が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項6】
前記液室は、アレイ状に複数配列されており、
前記発光体は、前記複数の液室にそれぞれ個々に設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項1】
導電性の第1の液体と、
前記第1の液体と屈折率が異なる絶縁性の第2の液体と、
前記第1,第2の液体を収容する液室と、
前記第1,第2の液体の界面の形状を変化させる電圧印加手段と、
前記液室内に設置された発光体と、を備えた
ことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記発光体は、半導体発光素子である
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記液室は、前記発光体の出射光を内面反射する反射体で形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
前記反射体は、その内面で反射した光に指向性をもたせる湾曲形状を有している
ことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第1,第2の液体の界面と前記発光体との間に、前記発光体の出射光を平行光に変換するレンズ層が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項6】
前記液室は、アレイ状に複数配列されており、
前記発光体は、前記複数の液室にそれぞれ個々に設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2008−187065(P2008−187065A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20330(P2007−20330)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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