説明

光走査装置、レーザレーダ装置、及び光走査方法

【課題】レンズを交換することなく、光走査の走査角を可変する。
【解決手段】可変焦点レンズ16は、レーザ光源18側に設けられた、焦点距離(f1)が変更可能な第1の液体レンズ26と、レーザ光源18と反対側に設けられ、かつ第1の液体レンズ26と所定の間隔(L)を隔てて設けられた、焦点距離(f2)が変更可能な第2の液体レンズ28との2枚の液体レンズで構成されている。
可変焦点レンズ16のレーザ光源18側の焦点距離(s)、及びレーザ光源18と反対側の焦点距離(f)は、第1の液体レンズ26の焦点距離(f1)、及び第2の液体レンズ28の焦点距離(f2)を変更することによって制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置、レーザレーダ装置、及び光走査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レーザレーダ装置では、ガルバノミラーやポリゴンミラーを用いて所定方向にレーザ光を走査し、対象物からの反射光が到達するまでの時間を測定して、対象物までの距離を測定している。
【0003】
従来の装置では、ミラーを用いて光を走査しているため、光走査装置が比較的大きくなり、レーザレーダ装置が大きくなってしまう。そこで、近年、固体デバイス(例えばKTN結晶)を用いた光走査技術や、ミラーを用いない光走査技術(特許文献1)が考案されている。また、MEMSミラーを用いた光走査が知られている。このような光走査技術では、光源と光走査装置とを小型化することができるため、レーザレーダ装置を小型化することが可能となる。
【特許文献1】特開2004−247461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光走査装置においては、広角度の範囲を光走査をする場合には短焦点のレンズを用いる構成とする必要があり、高角度分解能で狭角度の範囲を光走査する場合には長焦点のレンズを用いる必要がある。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術で用いられるレンズの焦点距離は固定されており、偏向角が一定であることから、光走査の走査角を変更したい場合は、光走査の走査角に応じてレンズを交換する必要が生じる、という問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、レンズを交換することなく、光走査の走査角を可変することができる光走査装置、レーザレーダ装置、及び光走査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために第1の発明に係る光走査装置は、一方の焦点位置が固定で、かつ他方の焦点位置が変更可能な可変焦点レンズと、光軸と交差する方向に間隔を隔てて複数の発光素子を配列させた発光素子列を備え、前記一方の焦点位置に前記可変焦点レンズの方向に光を照射するように配置された光源と、光走査の走査角に応じて前記他方の焦点位置を変更するように制御する制御手段と、を備えている。
【0008】
可変焦点レンズの一方の焦点位置を固定し、かつ他方の焦点位置を変更すると共に、一方の焦点位置に発光素子列を備えた光源を配置することで、可変焦点レンズからの出射光の偏向角が変更し、光走査の走査角が変化する。このように、焦点位置を変更するように制御することで、所望の走査角の光走査を行うことができる。
【0009】
第1の発明に係る光走査装置において、可変焦点レンズは、光源側に設けられた焦点距離が変更可能な第1の液体レンズと、光源と反対側に設けられ、かつ第1の液体レンズと所定の間隔を隔てて設けられた焦点距離が変更可能な第2の液体レンズとを含んで構成するとよい。
【0010】
また、制御手段は、第1の液体レンズの焦点距離(f1)を下記の式(1)を満たすように制御すると共に、第2の液体レンズの焦点距離(f2)を下記の式(2)を満たすように制御することができる。
【0011】
【数1】

【0012】
【数2】

上記式(1)、及び式(2)中、sは可変焦点レンズの一方の焦点位置側の焦点距離、Lは第1の液体レンズの中心と第2のレンズの中心との距離、fは可変焦点レンズの他方の焦点位置側の焦点距離を示す。
【0013】
光源は、光軸と交差する面上に発光素子列を複数列配列して構成することができる。すなわち、複数の発光素子を2次元状に配列することができる。なお、複数の発光素子を1次元状に配列するようにしてもよい。
【0014】
第2の発明に係るレーザレーダ装置は、第1の発明に係る光走査装置と、前記焦点位置を含む所定領域内に配置された受光素子と、を含んで構成される。
【0015】
第3の発明に係る光走査方法は、一方の焦点位置が固定で、かつ他方の焦点位置が変更可能な可変焦点レンズの前記他方の焦点位置を、光走査の偏向角に応じて変更するように制御する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の光走査装置、レーザレーダ装置、及び光走査方法によれば、一方の焦点位置が固定で、かつ他方の焦点位置が変更可能な可変焦点レンズの他方の焦点位置を、光走査の走査角に応じて変更するように制御することにより、搭載するレンズを交換することなく、偏向角の可変を実現することができるため、光走査の走査角を自在に可変できる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態に係るレーザレーダ装置10は、レーザ光を照射すると共に、対象物から反射されたレーザ光を受光する光学系12と、光学系12を制御すると共に、光学系12による受光に基づいて、測定領域の距離画像を生成する測定処理装置14と、操作者からの指示を入力するための入力デバイス62とを備えている。
【0019】
レーザレーダ装置10は、例えば車両、及びロボット等の移動体の前方に搭載され、前方の監視に用いられる。
【0020】
光学系12は、一方の焦点位置が固定で他方の焦点位置が可変である可変焦点レンズ16、及びレーザ光を照射するレーザ光源18で構成され、レーザ光を偏向して走査する光走査部20と、対象物から反射されたレーザ光を受光し、受光したレーザ光を電圧に変換するCCD等で構成された受光素子22と、受光素子22の光入射側に配置されたレンズ24とを備えている。
【0021】
図2に示すように、可変焦点レンズ16は、レーザ光源18側に設けられた、焦点距離(f1)が変更可能な第1の液体レンズ26と、光走査部20に対してレーザ光源18と反対側に設けられ、かつ第1の液体レンズ26と所定の間隔(L)を隔てて設けられた、焦点距離(f2)が変更可能な第2の液体レンズ28との2枚の液体レンズで構成されている。
【0022】
可変焦点レンズ16のレーザ光源18側の焦点距離(s)、及びレーザ光源18と反対側の焦点距離(f)は、第1の液体レンズ26の焦点距離(f1)、及び第2の液体レンズ28の焦点距離(f2)を変更することによって制御される。
【0023】
図3に図示されるように、第1の液体レンズ26、及び第2の液体レンズ28は、レンズホルダー30に挟まれた領域に、2種類の等密度の混ざらない液体が封止されている。液体の一方は電導性を有し、他方は非電導を有するものであり、本実施の形態では、水32と油34とを用いている。液体は薄い絶縁層36で覆われている。
【0024】
第1の液体レンズ26、及び第2の液体レンズ28の両端部には電極38が設けられ、電圧が印加されるようになっている。
【0025】
電極38に電圧が印加されていないときは、水32と油34とは、互いに半分ずつ第1の液体レンズ26、及び第2の液体レンズ28内に存在する。
【0026】
一方、電極38に電圧が印加されたときは、水32に電圧が印加され、2種類の液体の接する境界面の曲率が変化する。図3(A),(B)に示されるように、電極38に印加する電圧に応じて、2種類の液体の接する境界面の曲率が変化し、焦点距離が変化する。本実施の形態では、電極38に印加する電圧の大きさを変更することにより、第1の液体レンズ26、及び第2の液体レンズ28の焦点距離を変更する。
【0027】
測定処理装置14は、レーザ光源18を駆動するパルス駆動回路46と、可変焦点レンズ16を駆動する光走査コントローラ48と、受光素子22からの電圧出力の電圧を増幅した信号を出力する増幅器50と、増幅器50から出力された信号に基づいて、レーザ光を照射してから受光素子22でレーザ光を受光するまでの時間を測定する時間解析器52と、パルス駆動回路46、及び光走査コントローラ48を制御すると共に、時間解析器52の測定結果に基づいて、距離画像を生成する制御部54とを備えている。制御部54は、パルス駆動回路46、光走査コントローラ48、及び時間解析器52の各々と接続するための入出力インタフェース56と、CPU58と、メモリ60とを備えている。
【0028】
パルス駆動回路46は、制御部54から光偏向制御信号に同期して出力された駆動制御信号に基づいて、レーザ光源18から例えば10nsec程度のパルス幅のレーザ光を照射するように、レーザ光源18を駆動する。
【0029】
ここで、図4を参照してレーザ光源18の構成を説明する。レーザ光源18は、平板状のVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)アレイ40と、切換スイッチ42とを備え、VCSELアレイ40の光出射面は可変焦点レンズ16と対向するように配置されている。
【0030】
VCSELアレイ40は、発光素子としての複数個のVCSEL44を所定方向に配列させたVCSEL列を複数列同一平面上に配置して構成されている。なお、本実施の形態では、発光素子としてVCSELを用いているが、発光素子としては、その他の種々のレーザダイオードや発光ダイオードを使用することができるが、VCSELを利用することが好ましい。
【0031】
各VCSEL44から照射されたレーザ光は、可変焦点レンズ16で偏向されて、測定対象領域内の対象物に照射される。
【0032】
VCSELアレイ40は、VCSELアレイ40のVCSEL44が配置された平面(出射面)上の中心部分と、可変焦点レンズ16の焦点とが一致するように配置されている。すなわち、可変焦点レンズ16のレーザ光源18側の焦点距離は、VCSELアレイ40の出射面までの距離に相当する。
【0033】
VCSELアレイ40には、パルス駆動回路46が接続され、パルス駆動回路46によって、VCSEL44を駆動するパルス電流(駆動信号)が生成される。
【0034】
パルス駆動回路46とVCSELアレイ40との間には、切換スイッチ42が接続されており、切換スイッチ42は各VCSEL44の端子44Aにそれぞれ接続されている。切換スイッチ42は複数個のVCSEL44の中から発光対象のVCSEL44を切換えるものであり、そして切換スイッチ42で発光対象とされたVCSEL44はパルス駆動回路46からの駆動信号で駆動され発光する。
【0035】
ここで、VCSELアレイ40、及び可変焦点レンズ16における投光システムの光偏向方式について説明する。図5に示すように、VCSELアレイ40における各VCSEL44の光出射方向が、同一方向になるように、各VCSEL44が配置されている。また、可変焦点レンズ16は各VCSEL44の光軸に対して略垂直に配置されている。
【0036】
可変焦点レンズ16の中心16Oに対応するVCSEL44Oの出力光P1は、可変焦点レンズ16の光軸と同一軸に出射される。一方、可変焦点レンズ16の中央16Oから距離dだけ離れた位置のVCSEL44Dの出力光P2は、可変焦点レンズ16の光軸に対して下記の式(3)で表される角度θだけずれた方向に偏向されて出射される。
【0037】
【数3】

上記式(3)中、fは可変焦点レンズ16の対象物側の焦点距離を示す。
【0038】
各VCSEL44からのレーザ光は、可変焦点レンズ16の中央16Oからの距離に応じて各々異なる角度に偏向されて出射され、出射されたレーザ光は前方の測定対象領域に投光される。そして、出射されたレーザ光は、測定対象領域内の対象物で反射され、反射光が、レーザレーダ装置10の受光素子22にレンズ24を介して入射する。
【0039】
光走査コントローラ48は、制御部54からの光偏向制御信号に基づいて、電極38に印加する電圧を変更し、可変焦点レンズ16の偏向角を制御する。
【0040】
光走査コントローラ48は、制御部54からの光偏向制御信号に基づいて、可変焦点レンズ16のレーザ光源18側の焦点距離(s)が一定となるように、第1の液体レンズ26の焦点距離(f1)、及び第2の液体レンズ28の焦点距離(f2)を制御し、レーザ光源18側の焦点位置はレーザ光源18上のX1で示される位置に固定する。
【0041】
また、制御部54からの光偏向制御信号に基づいて、第1の液体レンズ26の焦点距離(f1)、及び第2の液体レンズ28の焦点距離(f2)を制御し、可変焦点レンズ16を通過した光が所望の偏向角に偏向するように可変焦点レンズ16の対象物側の焦点距離(f)を変更する。
【0042】
一般的に、焦点距離がf1のレンズと焦点距離がf2とを、各々のレンズの中心間の距離をLとして組み合わせた場合は、2枚で構成されるレンズの一方の側の焦点距離(s)、及び他方の焦点距離(f)は、下記の式(4)、及び式(5)で表すことができる。
【0043】
【数4】

【0044】
【数5】

すなわち、第1の液体レンズ26の焦点距離(f1)を下記の式(6)を満たすように制御すると共に、第2の液体レンズ28の焦点距離(f2)を下記の式(7)を満たすように制御することで、レーザ光源18側の焦点距離(s)を一定とし、焦点位置をレーザ光源18上のX1で示される位置に固定すると共に、可変焦点レンズ16の対象物側の焦点位置X2、及び焦点距離(f)を変更することができる。
【0045】
【数6】

【0046】
【数7】

上記式(6)、及び式(7)中、sは可変焦点レンズ16のレーザ光源18側の焦点距離、Lは第1の液体レンズ26、及び第2の液体レンズ28の中心間の距離を示す。
【0047】
図6は、可変焦点レンズ16のレーザ光源18側の焦点距離(s)を30mmで固定し、第1の液体レンズ26、及び第2の液体レンズ28の中心間の距離(L)を10mmとする場合の、所望の焦点距離(f)に対する第1の液体レンズ26の焦点距離(f1)、及び第2の液体レンズ28の焦点距離(f2)を示している。縦軸の正の値は凸レンズでの焦点距離を示し、負の値は凹レンズでの焦点距離を示している。
【0048】
このように、可変焦点レンズ16は、第1の液体レンズ26、及び第2の第2の液体レンズ28を組み合わせた2枚ののレンズで構成としたことで、レーザ光源18側の焦点位置を固定したまま、対象物側の焦点距離(f)を変更可能であり、所望の光走査の走査角に応じた偏向角とすることができる。
【0049】
時間解析器52は、制御部54から出力される駆動制御信号と、増幅器50から入力された信号とに基づいて、レーザ光照射開始時間から反射光受光時間までの時間を測定する。
【0050】
入力デバイス62は、所望の光走査の走査角の指定、及び距離画像生成処理に係る各種のパラメータの指定等、操作者による指示を入力するための装置である。入力デバイス62から入力された操作者による指示は、入出力インタフェース56を介して制御部54に入力される。
【0051】
次に、本実施の形態に係るレーザレーダ装置10の動作について説明する。制御部54において、図7に示す測定処理ルーチンが実行される。
【0052】
まず、ステップ100では、入力デバイス62を介して入力された所望の光走査の走査角(θ×2)を取得する。
【0053】
ステップ102では、下記の式(8)に基づいて、焦点距離(f)を演算する。
【0054】
【数8】

上記式(8)中、dは、VCSELアレイ40Oと最も離れたVCSEL44Dとの距離を示す。
【0055】
ステップ104では、上記の式(4)、及び式(5)に基づいて、焦点距離(f1)、及び焦点距離(f1)を演算する。
【0056】
ステップ106では、第1の液体レンズ26の焦点距離をステップ104において演算した焦点距離(f1)に変更すると共に、第2の液体レンズ28の焦点距離をステップ104において演算した焦点距離(f2)に変更する。
【0057】
ステップ108では、各々のVCSEL44が順にレーザ光を照射するように、駆動制御信号をパルス駆動回路46に出力する。また、上記ステップ108では、時間を測定するために、時間解析器52にも駆動制御信号を出力する。
【0058】
レーザ光源18によって照射されたレーザ光は、可変焦点レンズ16によって偏向されて、前方の測定領域に照射される。照射されたレーザ光は、前方の測定領域内の対象物で反射し、反射されたレーザ光がレンズ24を介して受光素子22で受光される。受光されたレーザ光は、受光素子22によって電圧出力に変換されて増幅器50で電圧増幅され、増幅器50から時間解析器52に信号が出力される。時間解析器52では、増幅器50からの信号に基づいて、レーザ光を照射してからレーザ光を受光するまでの時間を測定する。
【0059】
次のステップ110では、時間解析器52から、測定された時間を取得して、メモリ60に記憶する。
【0060】
ステップ112では、上記ステップ110で取得された測定領域全体の時間の測定結果に基づいて、測定領域全体の距離を示す距離画像を生成する。そして、ステップ114において、上記ステップ112で生成された距離画像をディスプレイ(図示省略)に表示して、測定処理ルーチンを終了する。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態に係るレーザレーダ装置によれば、2枚の液体レンズを組み合わせて構成される、一方の焦点位置が固定で、かつ他方の焦点位置が変更可能な可変焦点レンズを用いて、可変焦点レンズの他方の焦点位置を、光走査の走査角に応じて変更するように制御することにより、搭載するレンズを交換することなく、偏向角の可変を実現することができるため、光走査の走査角を自在に可変できる、という効果が得られる。
【0062】
なお、上記の実施の形態では、2次元状に複数の発光素子を配列した場合を例に説明したが、1次元状に複数の発光素子を配列するようにしてもよい。
【0063】
また、可変焦点レンズの中央部分が、光源の光出射面上で焦点を結ぶ場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、可変焦点レンズの中央部分の焦点位置の近傍の所定領域に、光源の光出射面が位置するように、光源を配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態に係るレーザレーダ装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るレーザレーダ装置の可変焦点レンズの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る可変焦点レンズに含まれる液体レンズの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るレーザレーダ装置のVCSELアレイの構成を示す斜視図である。
【図5】VCSELアレイと可変焦点レンズの中央部分とによってレーザ光を走査する様子を示すイメージ図である。
【図6】可変焦点レンズと液体レンズとの焦点距離の関係を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態に係るレーザレーダ装置における測定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
10 レーザレーダ装置
12 光学系
14 測定処理装置
16 可変焦点レンズ
18 レーザ光源
20 光走査部
22 受光素子
26 第1の液体レンズ
28 第2の液体レンズ
30 レンズホルダー
32 水
34 油
36 絶縁層
38 電極
40 VCSELアレイ
42 切換スイッチ
44 VCSEL
46 パルス駆動回路
48 光走査コントローラ
50 増幅器
52 時間解析器
54 制御部
60 メモリ
62 入力デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の焦点位置が固定で、かつ他方の焦点位置が変更可能な可変焦点レンズと、
光軸と交差する方向に間隔を隔てて複数の発光素子を配列させた発光素子列を備え、前記一方の焦点位置に前記可変焦点レンズの方向に光を照射するように配置された光源と、
光走査の走査角に応じて前記他方の焦点位置を変更するように制御する制御手段と、
を備えた光走査装置。
【請求項2】
前記可変焦点レンズを、前記光源側に設けられた焦点距離が変更可能な第1の液体レンズと、前記光源と反対側に設けられ、かつ前記第1の液体レンズと所定の間隔を隔てて設けられた焦点距離が変更可能な第2の液体レンズとを含んで構成した請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の液体レンズの焦点距離(f1)を下記の式(1)を満たすように制御すると共に、前記第2の液体レンズの焦点距離(f2)を下記の式(2)を満たすように制御する請求項2に記載の光走査装置。
【数1】

【数2】

上記式(1)、及び式(2)中、sは前記可変焦点レンズの前記一方の焦点位置側の焦点距離、Lは前記第1の液体レンズの中心と前記第2のレンズの中心との距離、fは前記可変焦点レンズの前記他方の焦点位置側の焦点距離を示す。
【請求項4】
前記光源は、前記光軸と交差する面上に前記発光素子列を複数列配列して構成される請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の光走査装置と、
前記焦点位置を含む所定領域内に配置された受光素子と、
を含むレーザレーダ装置。
【請求項6】
一方の焦点位置が固定で、かつ他方の焦点位置が変更可能な可変焦点レンズの前記他方の焦点位置を、光走査の走査角に応じて変更するように制御する光走査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−204691(P2009−204691A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44367(P2008−44367)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】