説明

光通信システム

【課題】OLTの処理負荷や管理情報量が増大するのを防止でき、かつ伝送路の高速切り替えが可能な光通信システムを得ること。
【解決手段】本発明は、リング型ネットワークから特定波長の信号光を抽出してリング型ネットワークを構成していない他のノードへ出力するとともに、他のノードから入力された信号光をリング型ネットワークに出力するリングノード21〜22と、他のノードとして動作するリモートノード311〜3nrと、リモートノードに接続されたONU51,510,5101とを含んで構成された光通信システムであって、リングノードの中の一部がOLTとして動作し、リモートノードは、自身に接続されている各ONUとの間のRTTを測定する機能を有し、上り帯域の割り当て結果を示すGate情報を受信した場合、Gate情報を自身のローカル時刻およびRTTの測定結果に基づいて補正した上で転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局側装置と加入者側装置(加入者終端装置)とを1対多接続して構成された光通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムの一形態であるPON(Passive Optical Network)は、中央局に配置される局側装置(OLT:Optical Line Terminal)と複数の加入者宅に配置される加入者終端装置(ONU:Optical Network Unit)をスター型カプラおよび光ファイバで1対多接続し、上り方向(加入者から中央局への方向)は時分割多重通信を行い、下り方向は連続通信を行う。このPONは、下り信号をONU側でフレームに付与されたONU識別子でフィルタする機能をもつことによって、1台のOLTで複数のONUを収容する経済的な通信システムとして普及している(例えば、非特許文献1参照)。また、近年、アクセス網の通信容量の更なる増大を目的とした10Gbps級-PONの標準化が完了した(例えば、非特許文献2参照)。この標準は、従来のIEEE802.3で規定されている1Gbps級PONの10Gbps版であり、従来の1GbpsのEPONと10Gbpsの10G-EPONのONUを混在収容可能なOLT、およびこのOLTに収容されるONUが実現すべき機能を規定している。同様に、ITU-Tでも10Gbps級のPONの標準化が進められている。
【0003】
これらの国際標準を適用するとPON区間の通信速度が10倍となり、この場合、ふたつメリットが考えられる。一つ目のメリットは、通信キャリアがOLT1台あたりの加入者収容数を1Gbps級のPONの加入者数と同じにして運用することにより、加入者当たりの通信容量が増大し、加入者がPON区間大容量化の恩恵を受けられることである。二つ目のメリットは、通信キャリアがOLT1台あたりの加入者収容数を1Gbps級のPONより多い加入者を収容することにより、運用コストを下げつつ、加入者に1Gbps級PONと同等またはそれ以上のサービス(通信容量)を提供できることである。
【0004】
一般に、1Gbps級のPONのスター型カプラは最大32分岐乃至64分岐が用いられ、それ以上の分岐数は、その通信容量の小ささとスター型カプラでの分岐による光伝送路ロスにより、ほとんど実現されていないが、多分岐化によるONUの収容数は、従来から検討されている。たとえば、特許文献1では、中央局に設置された複数の局側装置が扱う、波長が異なる複数のPON信号を合波又はその波長毎に分波するWDMカプラに接続し、WDMカプラで合波された波長多重信号を1本の光ファイバおよびスター型カプラで特定の局側装置に対応する波長のPON信号を送受可能な複数のトランスポンダと接続し、さらにトランスポンダと複数のONUを1本の光ファイバおよびスター型カプラで接続し、PON信号を上り方向は時分割多重で送受するような多分岐化方法が開示されている。
【0005】
また、10Gbps級PON装置の有効利用を考える場合、単に1加入者当たりの通信速度向上だけを考えるよりも、OLT1台あたりの加入者数を増加させ、通信キャリアの運用コストを下げつつ加入者の満足度も向上するような運用形態が望ましい。
【0006】
このような運用形態を適用し、OLTをより多くの加入者で共用することは、結果としてOLTの消費電力(局側の全OLTの合計消費電力)を下げることにもつながり、世界中で広まりつつある低消費電力化の流れにも沿うものである。
【0007】
しかし、10Gbps級の国際標準(上記非特許文献2)に規定されている規定だけでは、多分岐化による伝送品質劣化により、現在サービスされている中央局と加入者宅の距離を縮めることなく多分岐化を実現することは難しい。たとえば、OLTやONUの送信器のパワーを高めたり、ファイバ中にアンプを挿入したりするなどして、サービス距離と多分岐化を両立する方法も考えられるが、OLTやONUの送信パワーが高くなるとアクセス系ファイバ敷設作業者に対するハザードレベルが高くなることや、上り方向のバースト信号をアンプで増幅することは困難であるなど、オペレーションや技術的な問題が生じる。
【0008】
また、上記特許文献1で開示された方法では、局側装置の構成が今までの構成と変わらず、さらにトランスポンダも新たに挿入されるため、多分岐化は可能であるが、低消費電力化が難しいという問題が生じる。また、従来方式に共通の課題として、一つのOLTでより多くの加入者にサービスを提供する場合、中央局装置と加入者装置が1本のファイバで接続されているため、中央局装置や光ファイバ(特に幹線)が故障した場合に、障害エリアが拡大するという問題が生じる。
【0009】
そこで、上記のような問題点を解決するために、10Gbps級以上のPON装置において、OLT当たりの加入者収容数の増加(多分岐化)を許容しつつ、省電力,冗長構成が可能な加入者収容装置を提供することを目的として、OTN技術とPON技術の融合によって従来よりも多くのONUを1台のOLTに集約する方法が開示されている(たとえば、非特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−206008号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】IEEE802.3
【非特許文献2】IEEE802.3av
【非特許文献3】信学技報 IEICE Technical Report CS2010-9(2010-7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の非特許文献3には、OLTにPON機能を集約し、PONの信号をOTN(Optical Transport Network)の信号に直接収容して送受信することにより、多分岐,長延化,ネットワーク信頼性向上,低消費電力化を実現する方法が示されている。しかしながら、従来技術ではPON区間の上りバースト信号の衝突を避けるために必要なONU毎のRTT(Round Trip Time)計測(レンジング)を、OTN区間とPON区間で個別に測定した上で、合算のRTTを算出する方法であるため煩雑であり、OLTの処理負荷およびOLTで管理する情報量が増大するとともに、伝送路の高速な切り替えを実現することが難しいという問題があった。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、OLTにPON機能を集約した構成を採用した場合においても、OLTの処理負荷や管理情報量が増大するのを防止でき、かつ伝送路の高速切り替えが可能な光通信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、リング型ネットワークを構成し、当該リング型ネットワークから特定波長の信号光を抽出して当該リング型ネットワークを構成していない他のノードへ出力するとともに、当該他のノードから入力された信号光を当該リング型ネットワークに出力する複数のリングノードと、前記他のノードとして動作するリモートノードと、光カプラを介して前記リモートノードに接続されたONUとを含んで構成された光通信システムであって、前記リングノードの中の一部のノードが、前記ONUに対して上り帯域を割り当てる処理を実行するOLTとして動作し、前記リモートノードは、自身に接続されている各ONUとの間の伝送遅延時間を示すRTTを測定する機能を有し、当該各ONUに対する上り帯域の割り当て結果を示すGate情報を受信した場合、当該Gate情報を自身のローカル時刻および前記RTTの測定結果に基づいて補正した上で当該各ONUへ転送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、リモートノードよりも上位の通信経路が切り替わった場合に、リモートノードで保持しているRTTが影響を受けなくなるため、PONの上りバースト制御が容易になるとともに、通信経路切り替えが発生した場合の通信復旧までの所要時間を従来よりも短縮化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明にかかる光通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、OLTの構成例を示す図である。
【図3】図3は、RNの構成例を示す図である。
【図4】図4は、レンジング方法にかかる制御手順の一例を示す図である。
【図5】図5は、帯域割り当て動作の一例を示す図である。
【図6】図6は、GSTを更新する手順、および帯域更新周期の基準時刻を更新する手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明にかかる光通信システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
実施の形態.
<システム構成>
まず、システムの全体構成について説明する。図1は、本発明にかかる光通信システムの構成例を示す図である。図示したように、光通信システムは、2重化された光ファイバ(幹線光ファイバ)で複数のノード(OLT1およびリングノード21〜2n)が接続された構成のリング型ネットワークと、2重化された光ファイバを介してリングノード21〜2nに接続されたリモートノード(RN)311〜31p,321〜32q,…,3n1〜3nrと、光ファイバおよび光カプラ(32分岐カプラ)4を介してRNに接続されたONU(10G-ONU510,1G-ONU51,10G・1G-ONU5101)とを含んで構成されている。なお、10G-ONU510は、上り下り双方向10Gbps通信が可能なONU(例えば、IEEE802.3avで規定されているもの)であり、1G-ONU51は、上り下り双方向1Gbps通信が可能なONU(例えば、IEEE802.3で規定されているもの)であり、10G・1G-ONU5101は、上り1Gbps,下り10Gbpsで通信可能なONU(例えば、IEEE802.3avで規定されているもの)である。以降の説明において、単に「ONU」と記載した場合、10G-ONU510、1G-ONU51および10G・1G-ONU5101を示すものとする。また、OLT1にRNが接続され、さらにRNに各種ONUが接続されていてもよい。本実施の形態では光カプラ4を32分岐カプラとした場合について説明するが、他の分岐数であってもよい。
【0019】
図1に示した光通信システムにおいて、OLT1は、上位網とリング型ネットワークを接続する通信装置であり、多重分離部と、冗長化された2つのOLT−IFと、監視制御部と、ROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)部とを有する。各リングノードは同一構成の通信装置であり、ROADM部およびトランスポンダを有する。各RNは同一構成の通信装置であり、トランスポンダおよび監視制御部を有する。なお、OLT1は、各リングノードが有する機能に加え、PONのOLTとして動作する機能を有する通信装置であり、本実施の形態の光通信システムは、従来は各リングノード配下の通信装置(図1において各RNが配置されている場所の通信装置)が有していたOLT機能(OLTとして動作する機能)を一つのリングノードに集約してOLT1としたものである。
【0020】
OLT1の多重分離部では、上位網から受け取った下り信号光(フレーム)を2つのOLT−IFのうちのいずれか一方に出力し、また、OLT−IFから受け取った上り信号光を上位網へ出力する。OLT−IFは、OLT1がPONの局側装置として動作するための各種処理を実行する。詳細については別途説明する。また、2つのOLT−IFのうち、一方が現用系、他方が予備系に設定される。監視制御部は、通信システム内の監視(故障検出)および故障検出時の経路切替などを行う。OLT1および各リングノードのROADM部は、リング型ネットワーク上を流れている信号(光)を対象として、特定波長の抽出および追加(リング型ネットワークへの出力)を行う。各リングノードのトランスポンダは、受信した信号光の波長変換を行う。各RNのトランスポンダも受信した信号光の波長変換を行うが、上り方向においては、通信速度の異なる複数の光バースト信号を終端し、RNとOLT1が通信するための少なくとも1波以上の波長の光連続信号に変換する処理も併せて実施する。一方、下り方向においては、あらかじめRN毎に定められた所定の通信波長の信号からトランスポンダ毎の信号を抽出し、標準規格で規定されたPON固有の波長で所定のフレームフォーマットにて通信信号を送信する。
【0021】
OLT1とRN311〜31p(pはリングノード21配下に接続されるRN数),RN321〜32q(qはリングノード22配下に接続されるRN数),RN3n1〜3nr(rはリングノード2n配下に接続されるRN数)は、1つ以上のリングノード21〜2n(nはリング型ネットワークを構成しているリングノードの数)を介して接続され、RNとその配下のONU(10G-ONU,1G-ONU,10G・1G-ONU)との間の通信速度よりも高速な伝送速度で連続光WDMによるOTU(Optical-channel Transport Unit)フレーム転送を行うことにより通信する。一方、各RNに収容されているトランスポンダとその配下に接続されている各ONUは、従来のPONと同様にスター型トポロジーで接続され、従来のTDMA−PON方式で通信する。
【0022】
本実施の形態では、説明の簡単化のために、図1に示したような、リング型ネットワークを構成しているノード(通信装置)の中の1つにOLT機能を集約した構成の光通信システムを想定して説明を行う。しかし、1つのノードに集約することは必須ではない。OLT機能を一部のノードに分散して持たせてもよい。
【0023】
<OLTの構成>
次に、OLT1の構成について説明する。図2は、図1に示したOLT1の構成例を示す図である。ここでは、一例として、OLT1はIEEE標準に準拠するPON制御を行うものとする。図示したように、OLT1は、多重分離部11と、OLT−IF12Aおよび12Bと、現用系監視制御部13Aおよび予備系監視制御部13Bからなる監視制御部13と、ROADM部14とを備える。OLT−IF12A,12Bと監視制御部13(現用系監視制御部13A,予備系監視制御部13B)は監視制御バスで接続されている。
【0024】
多重分離部11は、NNI(Network Network Interface)経由で上位網から下り信号光(フレーム)を受信した場合、受信した信号光を2つのOLT−IFのうちのいずれか一方に出力する。また、OLT−IF12A,12Bから受け取った上り信号光を上位網へ送信する。
【0025】
OLT−IF12Aおよび12Bは同じ構成となっており、いずれか一方が現用系に設定され、他方が予備系に設定される。図2では、OLT−IF12Aが現用系に設定されている。OLT−IF12Aおよび12Bは、CPU12−1、このCPU12−1の動作に必要なメモリ12−2、高集積PON制御部12−3、光送受信器(Optical TRx)12−4およびパケットバッファメモリ12−5からなり、高集積PON制御部12−3は、L2ブリッジ121、PON制御部122、マルチプレクサ(MUX)123、デマルチプレクサ(DEMUX)124、OTNマッパ/デマッパ125およびSER/DES126を備えている。
【0026】
L2ブリッジ121は、多重分離部11経由で複数のNNIから入力された信号をブリッジする処理や、VLANタグの処理を実施する。PON制御部122は、複数のトランスポンダをサポートするために超多リンク(LLID:Logical Link ID)をサポートしており、MPCP(Multi-Point Control Protocol)制御,RTT(Round Trip Time)管理,上り帯域割り当て制御などの制御を行う。MUX123は、下り方向のNNI側から入力されたEthernet(登録商標)フレーム(以下、イーサフレームと記載する)とPON制御部122で生成されたイーサフレームを多重する。DEMUX124は、上り方向のフレームをPON制御に必要なイーサフレーム(PON制御部122が処理するフレーム)とNNI側に送信すべきイーサフレームに振り分ける。OTNマッパ/デマッパ125は、MUX123経由でNNIまたはPON制御部122から入力されたイーサフレームをOTUフレームにマッピング(カプセリング)して送信する処理、およびSER/DES126経由で受信したOTUフレームをイーサフレームにデマッピング(デカプセリング)する処理を行う。SER/DES126は、OTN(Optical Transport Network)-IFに接続する光送受信器12−4とのインタフェースに必要なシリアライザ/デシリアライザである。OTUフレームとはOTNで使用するフレームである。
【0027】
光送受信器12−4は、SER/DES126から出力された波長λ111〜λ1nkの信号光をROADM部14へ送信するとともに、波長λ511〜λ5nkの信号光をROADM部14から受信し、SER/DES126へ出力する。
【0028】
監視制御部13の現用系監視制御部13Aおよび予備系監視制御部13Bは同じ構成であり、光パス切替制御やOLT-IFの故障検出/通知、OLT−IFの切り替えなどを行う。
【0029】
ROADM部14は、リング型ネットワークを流れている信号光に対して、特定波長の信号光の抽出処理および追加処理を行う。なお、ROADM部14は、一般的な機能を具備する従来の光スイッチとトランスポンダから構成されるものである。
【0030】
<RNの構成>
次に、リモートノード(RN)311〜31p,321〜32q,…,3n1〜3nrの構成について説明する。なお、図1に示した各RNは同一構成である。そのため、ここではRN311を例にとって各RNの構成を説明する。図3は、図1に示したRN311の構成例を示す図である。図示したように、RN311は、WDMカプラ31と、現用系監視制御部32Aおよび予備系監視制御部32Bからなる監視制御部32と、OTNトランスポンダ33Aおよびトランスポンダ33B1〜33Bnからなるトランスポンダ部33とを備える。監視制御部32(現用系監視制御部32A,予備系監視制御部32B)とトランスポンダ部33(OTNトランスポンダ33A,トランスポンダ33B1〜33Bn)は監視制御バスで接続されている。
【0031】
WDMカプラ31は、上り下りの通信波長を波長多重し、波長λ421〜λ42sの上り信号光の送信、および波長λ211〜λ21sの下り信号光の受信を行う。
【0032】
監視制御部32の現用系監視制御部32Aおよび予備系監視制御部32Bは同じ構成であり、トランスポンダ部33の故障検出/通知、波長マッピング設定などを行う。これらの現用系監視制御部32Aおよび予備系監視制御部32Bは、光送受信器(Optical TRx)321、OTNマッパ/デマッパ322、管理フレーム送受信部323、TS付与部324、時刻同期部325、メモリ326およびこのメモリ326を使用して動作を行うCPU327を備える。
【0033】
光送受信器321は、WDMカプラ31との間で信号光を送受信する。OTNマッパ/デマッパ322は、上り方向(リングノード21に向けた方向)では、管理フレーム送受信部323から入力されるイーサフレームをカプセル化してOTUフレームを生成し、WDMカプラ31に出力する。また、下り方向については、WDMカプラ31から入力されるOTUフレームをデカプセル化してイーサフレームを取り出す。管理フレーム送受信部323は、リングノード21経由で管理フレームを送受信する。管理フレームの受信時は、管理フレームがマッピングされたOUTフレームが光送受信器321からOTNマッパ/デマッパ322に入力され、OTNマッパ/デマッパ322によりイーサフレームフォーマットの管理フレームに変換された後、受信する。一方、送信時は、管理フレーム送受部323はイーサフレームフォーマットの管理フレームを生成してOTNマッパ/デマッパ322に出力し、そこでイーサフレーム(管理フレーム)がOTUフレームにマッピングされた後、光送受信器321からWDMカプラ31に送信され、WDMカプラ31で波長多重されてからリングノード21へ送信される。TS付与部324は、管理フレーム送受信部323が管理フレームを生成して送信する場合に、必要に応じて時刻同期部325から現在時刻の情報を受け取り、タイムスタンプとして管理フレームに書き込む。時刻同期部325は、16ns精度のカウンタ(タイマ)であり、時刻を管理する。なお、TS付与部324,時刻同期部325は、自RNを収容しているリングノードとの間の伝送路遅延を測定するための機能を実現している。
【0034】
OTNトランスポンダ33Aは、光送受信器(Optical TRx)331およびOTNマッパ/デマッパ332を備える。光送受信器331は、WDMカプラ31との間で信号光を送受信する。OTNマッパ/デマッパ332は、上り方向では、接続されている各トランスポンダ(トランスポンダ33B1〜33Bn)から受信した信号をOTUフレームにマッピングし、光送受信器331に出力する。また、下り方向については、光送受信器331から入力されるOTUフレームからイーサフレームを抽出し、トランスポンダ33B1〜33Bnのいずれかに出力する。なお、図3に示した構成例では、OTNトランスポンダ33Aは2重化(冗長化)されていないが、2重化して信頼性を向上させてもよい。
【0035】
トランスポンダ33B1〜33Bnは同じ構成であり、上り用デュアルレートバーストClock Data Recovery(DB CDR)333、デュアルレートバースト光受信器(DOB Rx)334、10Gbps連続光送信器(Continuous 10G-Tx)335、1Gbps連続光送信器(Continuous 1G-Tx)336、WDMカプラ337、ローカルタイマ338、タイムスタンプ処理部339、およびRTT管理部340を備える。
【0036】
上り用デュアルレートバーストClock Data Recovery333およびデュアルレートバースト光受信器334は、通信速度が1Gbpsと10Gbpsの上り信号光、具体的には、ONUから送信されてくる波長λup41およびλup42のバースト信号をWDMカプラ337経由で受信して、1Gbpsと10Gbpsの連続信号として再生する。また、10Gbps連続光送信器335および1Gbps連続光送信器336は、OTNトランスポンダ33Aから送られてくる下り信号光である1Gbpsと10GbpsのイーサフレームをIEEE標準で規定された波長に変換し、WDMカプラ337を介して、スター型カプラ(光カプラ4)の接続された光ファイバ側に送信する。なお、10Gbps連続光送信器335および1Gbps連続光送信器336に入力されるイーサフレームには、ローカルタイマ338で管理されている時刻を示すタイムスタンプが埋め込まれている。ローカルタイマ338は、PON制御で標準的に使用される16ns粒度の32ビットカウンタにより構成されており、トランスポンダごとのローカル時刻を管理する。タイムスタンプ処理部339は、OTNマッパ/デマッパ332から入力されるフレームに対して、ローカルタイマ338で管理されている時刻を示すタイムスタンプを付与する。RTT管理部340は、PON区間(自装置(自トランスポンダ)と配下の各ONUとの間)のRTTを測定するとともに、測定結果を管理する。また、必要に応じて、管理しているRTTをOLT1へ通知する。
【0037】
上記構成の各RNでは、下り方向のフレーム処理動作において、各トランスポンダがMPCPフレームを識別し、これにトランスポンダ毎のローカルタイマ338で管理している時刻(ローカル時刻)を示すタイムスタンプを付与するなどして、Gateフレーム内の情報の補正を行う。一方、上り方向のフレーム処理動作において、各トランスポンダは、ローカルタイマ値と受信したMPCPフレームに打刻されているタイムスタンプ値とを用いて、論理リンク毎のRTTを算出し、保持する。なお、図3では、トランスポンダ33B1〜33Bnの各々がローカルタイマ338を備えている構成例について示したが、トランスポンダ部33またはRNがローカルタイマを備え、このローカルタイマで管理されているローカル時刻に従ってトランスポンダ33B1〜33Bnが動作するようにしてもよい。
【0038】
<RTTの管理動作(レンジング方法)>
次に、本実施の形態の光通信システムによるレンジング方式(伝送路遅延の測定方法)について、図4を用いて説明する。なお、ここでは、一例として、ONUを登録する際に実行するレンジング方法について説明する。図4に示したPON転送区間(RNとONUの間)では、PON制御用のMPCPフレームが送受信される。MPCPフレームは、OTN転送区間(OLTとRNの間)では、カプセル化され、OTUフレームとして送受信される。ただし、RNにおけるカプセル化/デカプセル化動作については説明を省略する。また、説明を簡単化するため、RNが単一のトランスポンダを備えているものとして説明を行う。従って、以下に示すレンジング方法において、RNが実行する処理は、RN内のトランスポンダが実行する処理に相当する。
【0039】
図4に示した制御では、まず、OLTからRNに対して、送信開始時刻(Grant start time、図中ではGSTと表記)の相対値が格納されたDiscovery Gateフレームを送信する(ステップS1)。
【0040】
RNは、OLTから受信したフレームに対して、自装置内のローカルタイマで管理しているローカル時刻を示すTS(タイムスタンプ)を押印するとともにGSTを絶対時刻の値に補正し(ステップS2)、ONUへ転送する(ステップS3)。
【0041】
Discovery Gateフレームを受信したONUは、この受信したフレームに埋め込まれているTS値(絶対時刻)を確認し、ローカルタイマの値をこれに同期させる処理(TS同期)を行い(ステップS4)、その後、Discovery Gateフレームで指定された送信開始時刻(GST)になると、ONUのローカルタイマの値を示すTSを押印したRegister RequestフレームをOLTに向けて送信する(ステップS5,S6)。なお、ステップS4を実行したことにより、これらのステップS5,S6を実行する時点では、ONUのローカル時刻はRNのローカル時刻に一致した状態となっている。
【0042】
RNは、Register Requestフレームを受信すると、Discovery Gateフレームを送信した時刻(Discovery Gateフレームに付与したTS値)、受信したフレームに埋め込まれていたTS値、フレームの受信時刻(受信した時点のローカルタイマ値)に基づいてRTTを算出する(ステップS7)。さらに、算出したRTTを含めて、Register Requestフレームを転送する(ステップS8)。
【0043】
OLTは、RTTが含まれたRegister Requestフレームを受信すると、受信したRTTに基づいて、対応する論理リンクのRTTを更新する(ステップS9)。また、フレーム送信元のONUを登録するための所定の処理(ONUへ論理リンクを割り当てる処理など)を実行する。次に、OLTは、ONUの登録処理が完了したことを示すRegisterフレームを送信し(ステップS10)、RNは、受信フレームに対してTSを押印してONUへ送信する(ステップS11,S12)。ONUは、Registerフレームを受信すると、上記ステップS4と同様にTS同期を行う(ステップS13)。また、受信フレームに含まれていた情報に従い、自装置内部の設定を変更する。例えば、自装置に割り当てられた論理リンクを把握し、その識別情報(論理リンクID)を記憶する。
【0044】
OLTは、さらに、ステップS10で送信したRegisterフレームに対する応答フレームをONUが送信するための帯域を割り当て(Grant生成)、帯域割り当て結果を通知するためのGateフレームを送信する(ステップS14,S15)。このGateフレームには、ONUに割り当てた論理リンクのIDを埋め込む。
【0045】
RNは、Gateフレームを受信すると、埋め込まれているTSに代えて自装置のローカル時刻を示すTSを押印するとともに、GSTをローカル時刻に基づいて補正し、ONUへ転送する(ステップS16,S17)。
【0046】
ONUは、Gateフレームを受信すると、上記ステップS4,S13と同様にTS同期を行う(ステップS18)。また、TSを押印してRegister Ackフレームを送信する(ステップS19,S20)。Register Ackフレームは、上記受信したGateフレームで通知された帯域を使用して送信する。
【0047】
RNは、Register Ackフレームを受信すると、上記ステップS7と同様にRTTを算出し(ステップS21)、算出したRTTを含めて、Register Ackフレームを転送する(ステップS22)。OLTは、RTTが含まれたRegister Ackフレームを受信すると、対応する論理リンクのRTTを更新する(ステップS23)。
【0048】
なお、RNは、RTTを計算した場合に、計算結果を毎回OLTに通知する必要は無い。少なくとも、それ以前(前回)に算出したRTTと新たに算出したRTTが異なる場合(それ以前にRTTをOLTへ通知したことがない場合も含む)にのみOLTへ通知すればよい。
【0049】
このように、RNは、OLTからフレームを受信した場合、フレーム内のタイムスタンプ値(TS値)をローカル時刻(ローカルタイマの値)に更新してONUへ転送する。また、受信したフレームが上り帯域の割当情報を含んでいる場合(Discovery Gateフレーム,Gateフレームの場合)には、帯域割当情報に含まれる送信開始時刻(GST)も併せて更新した上でONUへ転送する。さらに、ONUからフレームを受信した場合には、RTTを算出する。なお、RNが複数のトランスポンダを備えている場合、RNでは、トランスポンダ毎に、上述した手順でレンジングを実施する。また、RNに収容されている各ONUは、RN経由で受信した各フレームのTS値やGSTがRNのローカル時刻に基づくものかどうか、および、OLTとの間で時刻同期を行っているのかそれともRNとの間で時刻同期を行っているのかを認識する必要は無い。すなわち、従来のONUと同様の動作を行えばよく、特別な動作は必要ない。
【0050】
ここで、上記ステップS2などで実行するGSTの補正動作を含む帯域割り当て動作について説明する。図5は、帯域割り当て動作の一例を示す図であり、k番目のRNおよびこのRN配下の各ONUからなるネットワーク(図5ではODN#kと表記)を対象とした帯域割り当て動作の例を示している。k番目以外のRNと配下のONUからなるネットワークを対象とした場合の動作もこれと同様である。
【0051】
本実施の形態の光通信システムにおける帯域割り当て動作では、まず、Step(A)として、OLTが、論理リンク(図中ではLLと表記)毎の帯域割当量を計算し、論理リンク毎の帯域割り当て結果をRNに通知する。なお、帯域割り当て結果は、既に説明したように、Gateフレーム(Discovery Gateフレームも含む)にてRNへ通知される。
【0052】
図示したように、帯域割り当て結果は、論理リンクごとの送信開始時刻(GST)と送信を許可する期間の長さ(Grant Length、図中ではGLと表記)として通知される。図5では、先頭論理リンクの(LL=1の)GST(GST_LTk(LL))を0として各論理リンクのGSTとGL(GLk(LL))とを算出する場合の例を示している。また、各論理リンクでの送信信号が衝突しないよう、GLについては、各GSTの間隔(差分)から10を差し引いた値としている。なお、OLTは、GSTを決定する際に、各論理リンクに接続されている端末との間のRTTを考慮しなくてもよい。GSTは、RNにおいて、RNとその配下の各ONUとのRTTを考慮して補正されるので、OLTは、通常動作時には、自装置(OLT)に各ONUからの信号が到達するタイミング(時刻)のみを考慮すればよい。
【0053】
次に、Step(B)として、OLTから帯域割り当て結果(GSTとGL)を含んだフレーム(Gateフレーム,Discovery Gateフレーム)を受信したRNが、ローカル時刻と、論理リンク毎のRTTと、予め算出しておいた基準時刻(RN_GST_basek)とに基づいて、受信したフレーム内の情報(帯域割り当て結果を示すGST)を補正する。たとえば、基準時刻を各論理リンクのGSTに一律加算し、さらに、基準時刻加算後の各GSTから、対応するRTT(論理リンク毎のRTT)を減算して補正後の各GSTを得る。なお、GLについては変更しない。
【0054】
帯域更新周期Kについて、LLを論理リンクID、OLTが算出した論理リンク毎のGSTをGST_LTk(LL)、基準時刻をRN_GST_basek、RNで保持している論理リンク毎のRTTをRTTk(LL)とすると、絶対GST(補正後のGST)であるGSTk(LL)は次式で与えられる。このような計算を実施することで、上り方向のバーストが衝突しないようにスケジューリングされた上り通信制御が可能となる。
GSTk(LL) = GST_LTk(LL) + RN_GST_basek − RTTk(LL)
【0055】
RNは、このような手順で生成した補正後の各GSTと、OLTから通知されてきた論理リンク毎のGLとを含んだGateフレームを、自装置配下の各ONUへ送信する。
【0056】
なお、図5に示した動作では、OLTがRNと各ONUとの間のRTTを考慮することなくGSTを決定し、RNが各ONUとの間のRTT(論理リンク毎のRTT)およびローカル時刻に基づいてGSTを補正することとしたが、OLTが上記RTTを考慮してGSTを決定し、RNが、ローカル時刻のみを考慮してGSTを補正するように構成してもよい。
【0057】
図6は、RNが、GSTを更新(補正)する手順、および帯域更新周期の基準時刻を更新する手順を示したフローチャートである。図6の(a)は、GSTの補正値算出および基準時刻更新の手順を示したフローチャートであり、(b)は、基準時刻更新の手順を示したフローチャートである。本実施の形態の光通信システムでは、図6に示したように、GSTの補正値を算出する際に基準時刻の更新も併せて実施するが、さらに、必要に応じて、GSTの補正値算出を伴わずに基準時刻を更新する動作も実施する。
【0058】
図6(a)に示したように、GSTの補正動作では、RN#k(k番目のRN)は、Gate情報(Gateフレーム,Discovery Gateフレームに挿入されている情報)を受信すると、起動後に初めて受信したGate情報かどうかを確認し、初めて受信したのであれば、基準時刻(RN_GST_basek)を初期化する。この初期化動作では、ローカルタイマの値(図6ではTSと表記)に対して所定のオフセット値(OFFSET)を加算し、初期化後の基準時刻とする。
【0059】
基準時刻の初期化が完了した場合、または上記受信したGate情報が起動後に初めて受信したものではない場合、受信したGate情報に含まれている各GST(論理リンク毎のGST)を更新する。この更新動作では、まず、受信したGate情報に含まれている各送信開始時刻GST_LTk(LL)に対して基準時刻RN_GST_basekを加算し、論理リンク毎のRN_GSTk(LL)を算出する。次に、算出したRN_GSTk(LL)から、保持している論理リンク毎のRTTの中の対応するもの(RTTk(LL))を減算し、更新後の送信開始時刻GSTk(LL)とする。
【0060】
全ての送信開始時刻について更新を行うと、基準時刻を更新する。具体的には、上記の送信開始時刻更新動作により算出した論理リンクごとの送信開始時刻GSTk(LL)の中から値が最大のものを選択し、新たな基準時刻RN_GST_basekとする。各RNは、このようなGSTの更新動作を、Gate情報を受信する毎に実施する。
【0061】
また、各RNは、図6(a)に示した動作に加えて、図6(b)に示した手順で基準時刻を更新する。すなわち、各RNは、Gate情報を受信済みの状態において、ローカル時刻(Local_Timer)および基準時刻(RN_GST_basek)を監視し、ローカル時刻が基準時刻以上となっている状態を検出した場合には、ローカル時刻の現在値TSに対して所定のオフセット値(OFFSET)を加算し、更新後の基準時刻とする。オフセット値は、ローカル時刻と基準時刻の差に基づいて決定する。具体的には、ローカル時刻が基準時刻よりも小さくなるような値とする。
【0062】
このように、本実施の形態の光通信システムでは、各RNが、配下の各ONUとの間の個別の伝送遅延量を示すRTTを算出して保持しておき、OLTは、各RNに収容されているONUに対して割り当てる上り帯域の算出結果を通知する際、送信開始時刻(GST)の設定値を、各RNとの間のRTTを考慮することなく決定し、RNは、OLTからの受信フレームに含まれているGSTの設定値を、自装置のローカル時刻、および保持しておいたRTTに基づいて更新することとした。すなわち、RNは、配下の各ONUのローカル時刻を自身のローカル時刻に同期させるように制御し、さらに、配下の各ONUとの間のRTTを算出し、算出した各RTTを保持しておく。そして、受信フレームに設定されている各GSTを、ローカル時刻とRTTとに基づいて更新することとした。これにより、RNより上位の通信経路が切り替わった場合に、RNで保持しているRTTが影響を受けなくなるため、PONの上りバースト制御が容易になるとともに、通信経路切り替えが発生した場合の通信復旧までの所要時間を従来よりも短縮化できる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明にかかる光通信システムは、1対多接続されたネットワークを複数含み、上り方向の通信を時分割多重通信とした構成の光通信システムに適している。
【符号の説明】
【0064】
1 OLT
1,22,2n リングノード
11,31p,321,32q,3n1,3nr リモートノード(RN)
4 光カプラ
1 1G-ONU
10 10G-ONU
101 10G・1G-ONU
11 多重分離部
12A,12B OLT−IF
12−1,327 CPU
12−2,326 メモリ
12−3 高集積PON制御部
12−4,321,331 光送受信器(Optical TRx)
12−5 パケットバッファメモリ
121 L2ブリッジ
122 PON制御部
123 マルチプレクサ(MUX)
124 デマルチプレクサ(DEMUX)
125,322,332 OTNマッパ/デマッパ
126 SER/DES
13,32 監視制御部
13A,32A 現用系監視制御部
13B,32B 予備系監視制御部
323 管理フレーム送受信部
324 TS付与部
325 時刻同期部
14 ROADM部
31,337 WDMカプラ
33 トランスポンダ部
33A OTNトランスポンダ
33B1,33Bn トランスポンダ
333 上り用デュアルレートバーストClock Data Recovery(DB CDR)
334 デュアルレートバースト光受信器(DOB Rx)
335 10Gbps連続光送信器(Continuous 10G-Tx)
336 1Gbps連続光送信器(Continuous 1G-Tx)
338 ローカルタイマ
339 タイムスタンプ処理部
340 RTT管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング型ネットワークを構成し、当該リング型ネットワークから特定波長の信号光を抽出して当該リング型ネットワークを構成していない他のノードへ出力するとともに、当該他のノードから入力された信号光を当該リング型ネットワークに出力する複数のリングノードと、前記他のノードとして動作するリモートノードと、光カプラを介して前記リモートノードに接続されたONUとを含んで構成された光通信システムであって、
前記リングノードの中の一部のノードが、前記ONUに対して上り帯域を割り当てる処理を実行するOLTとして動作し、
前記リモートノードは、自身に接続されている各ONUとの間の伝送遅延時間を示すRTTを測定する機能を有し、当該各ONUに対する上り帯域の割り当て結果を示すGate情報を受信した場合、当該Gate情報を自身のローカル時刻および前記RTTの測定結果に基づいて補正した上で当該各ONUへ転送する
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項2】
前記リモートノードは、
前記Gate情報に含まれている情報のうち、前記ONU各々の送信開始時刻を示すGSTを補正対象として、前記ONU各々から送信される上り信号同士が衝突しないようにGSTを補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の光通信システム。
【請求項3】
前記リモートノードは、
収容している各ONUとの間の伝送遅延時間を示すRTTを測定して測定結果を保持しておくとともに、当該各ONUに対する上り帯域の割り当て結果を示すGate情報を受信した場合、当該Gate情報を自身のローカル時刻および前記RTTの測定結果に基づいて補正した上で当該各ONUへ転送するトランスポンダ、
を1つ以上備えることを特徴とする請求項1に記載の光通信システム。
【請求項4】
前記トランスポンダは、
前記Gate情報に含まれている情報のうち、前記ONU各々の送信開始時刻を示すGSTを補正対象として、前記ONU各々から送信される上り信号同士が衝突しないようにGSTを補正する
ことを特徴とする請求項3に記載の光通信システム。
【請求項5】
前記OLTとして動作するリングノードは、
前記上り帯域を割り当てる処理を実行後、上り帯域を割り当てた各ONUとの間の伝送遅延時間を考慮することなく前記Gate情報を生成する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の光通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−129942(P2012−129942A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282101(P2010−282101)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】