説明

光電変換装置の製造方法

【課題】複数の光電変換素子を支持した支持体および電気絶縁層を介して支持体に接合した導電体層を具備する組立体を発電ユニットとする光電変換装置の内部短絡を防止し、同装置の光電変換性能とその信頼性を高める。
【解決手段】前記光電変換装置を構成するに先立ち、前記組立体の光電変換特性もしくは電気的特性の計測データに基づいて内部短絡による異常品を抽出する。次いで、この異常品に降伏電圧未満の逆方向バイアスを印加した時に流れる電流による発熱状態を赤外線サーモグラフィにより観測して内部短絡の発生部位を特定し、その部位の短絡状態を解除して、前記異常品を修復する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状の光電変換素子を搭載した光電変換装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
安価で、高出力が期待できる光電変換装置として、第1半導体である球状のp型半導体の表面に、第2半導体層であるn型半導体層を形成した光電変換素子を用いた球状太陽電池が検討されている。当初は、支持体の多数の孔のそれぞれに直径1mm前後の球状素子を装着する方式が検討された(特許文献1など)。近年では、多数の凹部を有する支持体の各凹部内に球状素子を取り付け、凹部内面を反射鏡として働かせる方式の低集光型球状太陽電池が提案されている(特許文献2〜5)。これは、光電変換部を薄型化して、高価なシリコンの使用量を低減し、さらに、反射鏡の作用により、直接照射される光の4〜6倍の光を素子に照射させ、光を有効に利用しようとするものである。
【0003】
この種の光電変換装置およびその代表的な製造方法として、本発明者らによる提案(特許文献3〜5)がある。これらの光電変換装置の発電ユニットは、(1)球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、第2半導体層が第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、(2)前記素子を1個ずつ配置する複数の孔を有し、前記第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ第1半導体の露出部を裏面側に臨ませている導電性の支持体、(3)支持体の裏面側に接合され、前記第1半導体の露出部の少なくとも一部に対向する孔を有する電気絶縁層、並びに、(4)電気絶縁層上に形成され、前記素子のそれぞれの第1半導体を、電気絶縁層の孔を通して相互に電気的に接続する導電体層を具備する。
【0004】
導電体層は、例えば、電気絶縁層の裏面に貼り付けられた金属シートと各素子の第1半導体とを、電気絶縁層の孔に充填され固化された導電性ペーストなどにより、電気的に接続することにより形成される。こうして、各素子が並列に接続された組立体(発電ユニット)ができる。上記の発電ユニットの複数を直列あるいは並列に適宜組み合わせて電気的に接続することにより、所望の電圧および出力を備えた光電変換装置が構成される。
【0005】
当初は、例えば、底部に孔を有する複数の凹部を形成した金属製の第2半導体側導電体(支持体)と前記孔に対応した孔を有する電気絶縁層とが一体化された二層構造の部材、およびその電気絶縁層側に金属シートからなる第1半導体側導電体層を接合した三層構造の部材を用いて発電ユニットを製造する方法が提案された。しかしこれらは、部材の製造効率と加工精度などに難点があり、特に、支持体の孔と電気絶縁層の孔のずれや変形により、第1半導体と支持体が短絡し易い。また、第1半導体側、あるいは第1半導体側および第2半導体層側、予め導電層(電極)を形成した素子を支持体に配置する方法が検討されたが、工程の煩雑さに加えて、素子を特定の姿勢に制御した状態で支持体の所定位置に配置することが困難なために、上記と同様に短絡が発生し易いという問題があった。
【0006】
その後、第2半導体側導電体のみからなる一層構造の支持体を用いる製造方法が提案されている。この方法では、まず、支持体の孔に第1半導体の全面が第2半導体層で被覆された球状素子を装着する。その後、例えば、支持体の裏側に電気絶縁層を接合し、これにレーザ照射により孔を開ける工程、および支持体の裏面側に臨んでいる部位の第1半導体を露出させ、必要に応じて該露出部に導電層を形成する工程を順不同で実施し、この電気絶縁層上に金属シートを用いて第1半導体側の導電体層を形成する。これにより、素子を支持体に配置する際の姿勢制御が不要となり、しかも電気絶縁層の孔の位置ずれが少なくなるので、作業効率が向上し、さらに内部短絡の発生が抑止される。上記の第1半導体と支持体との短絡以外に、工程中の電気絶縁層の部分的破損による支持体と金属シートとの局所的な接触などによる短絡があるが、現在ではその発生率も低く抑制されている。
【0007】
しかし、例えば、出力1ワット前後の発電ユニットには約1800個という多数の直径約1mmの微小な素子が装着されるので、現実には、内部短絡が皆無の発電ユニットを高い信頼性で量産することは極めて困難である。仮に一箇所でも内部短絡が発生すると、発電ユニット内の全ての素子の第2半導体層に電気的に接続されている支持体と、これらの素子のそれぞれの第1半導体が電気的に接続されている導電体層とが導通することになる。その結果、発電ユニット内の全ての素子が内部短絡によるリーク回路に取り込まれ、そのリーク電流により、発電ユニット全体の光電変換効率が低下する。
【0008】
さらに、それらの発電ユニットの多数を接続して組み立てられた光電変換装置の中に、内部短絡が発生している発電ユニットが一個でも存在すると、その発電ユニットと並列に接続されている他の発電ユニット内の素子までが、リーク回路に取り込まれることになる。これにより、光電変換装置全体の出力が低下し、著しい場合には、リーク電流が集中する短絡箇所もしくはその周辺部が過熱されて損傷を受け、装置全体が使用不能となる。
【0009】
上記の事由から、光電変換装置を組み立てるに先立って、その発電ユニット毎に内部短絡の有無を確認し、さらに、内部短絡が認められた発電ユニットについては、その内部短絡の発生部位を特定するとともに、該内部短絡の影響を他の部位に及ぼすことがないように修復することが不可欠である。しかし、その適切な手段は未だ見出されていない。
【特許文献1】特開昭61−124179号公報
【特許文献2】特開2002−50780号公報
【特許文献3】特開2002−164554号公報
【特許文献4】特開2004−63564号公報
【特許文献5】US2006/0185716A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、第2半導体層が第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、前記素子を支持し、かつ素子の第1半導体または第2半導体層と電気的に接続された導電性の支持体、前記素子の第2半導体層または第1半導体と電気的に接続された導電体層、および支持体と導電体層とを絶縁する電気絶縁層を具備する発電ユニットを備えた光電変換装置の製造方法の改良に関する。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、上記の光電変換装置の製造方法において、発電ユニットを光電変換装置に組み込むに先立って、内部短絡が認められた発電ユニットについてはその短絡箇所を特定し、該発電ユニットの短絡状態を解除する手段を確立することである。上記課題の解決により、高出力、高信頼性の光電変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の光電変換装置の製造方法は、
(a)球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、前記第2半導体層が前記第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、前記光電変換素子を支持し、かつ光電変換素子の第1半導体または第2半導体層と電気的に接続された導電性の支持体、前記光電変換素子の第2半導体層または第1半導体と電気的に接続された導電体層、および前記支持体と導電体層とを絶縁する電気絶縁層を具備する組立体を準備する工程、
(b)前記組立体の光電変換特性もしくは電気的特性を計測し、その計測データに基づいて、前記組立体の中から、内部短絡による異常品を抽出する工程
(c)前記異常品に降伏電圧未満の逆方向バイアスを印加し、この時に流れる電流による前記異常品の発熱の状態を、赤外線サーモグラフィにより観測し、前記内部短絡が発生している部位を特定する工程、および、
(d)前記特定された部位の短絡状態を解除する工程、
を有することを特徴とする。
【0013】
上記のように、本発明においては、まず、工程(a)において、光電変換装置の発電ユニットとすべき上記の組立体を準備する。工程(b)では、これら組立体のうち、所定レベル以上の内部短絡が発生しているものを異常品として抽出する。工程(c)では、異常品について、内部短絡が発生している部位を探知する。次いで、工程(d)では、前記の内部短絡が発生している部位と他の部位との電気的接続を遮断して、リーク電流が流れる回路を消滅させることにより、異常品を内部短絡の無い組立体として修復する。
【0014】
本発明の第1の特徴は、光電変換装置を構成するに先立って、前記組立体の光電変換特性もしくは電気的特性を計測し、その計測データに基づいて、前記組立体の中から、内部短絡による異常品を抽出することである。第2の特徴は、異常品として抽出された組立体に前記の逆方向バイアスを印加したときに、リーク電流が集中して流れて発熱する部位(短絡が発生している部位)を赤外線サーモグラフィにより検知することである。さらに、第3の特徴は、短絡が発生している部位の短絡状態を解除することにより、前記の異常品を、光電変換装置に組み込むことができる発電ユニットに修復することである。この修復された組立体を、工程(b)で正常品と判定された発電ユニットと同じ扱いで、直列もしくは並列に接続することにより、所望の電圧および電力を備えた、内部短絡の無い光電変換装置を構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、内部短絡による出力低下が無く、高品質で信頼性が高い光電変換装置を効率的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、上記のように、多数の光電変換素子を支持し、各素子の一方導電型半導体(前記第1半導体または第2半導体層)と電気的に接続された導電性の支持体、およびこれと電気絶縁層により絶縁され、各素子の他方導電型半導体(前記第2半導体層または第1半導体)と電気的に接続された導電体層を具備する発電ユニットとしての組立体における、局部的な短絡による異常品を修復する方法を提供するものである。
【0017】
すなわち、本発明の光電変換装置の製造方法は、
(a)前記の組立体を準備する工程、
(b)前記組立体の光電変換特性もしくは電気的特性を計測し、その計測データに基づいて、前記組立体の中から、内部短絡による異常品を抽出する工程
(c)前記異常品に降伏電圧未満の逆方向バイアスを印加し、この時に流れる電流による前記異常品の発熱の状態を、赤外線サーモグラフィにより観測し、前記内部短絡が発生している部位を特定する工程、および、
(d)前記特定された部位の短絡状態を解除する工程、
を有することを特徴とする。
【0018】
本発明における工程(b)においては、前記組立体の光電変換特性をソーラシミュレータを光源として計測する工程、前記組立体のダイオード特性をカーブトレーサにより計測する工程、および、前記組立体に降伏電圧未満の逆方向バイアスを印加した時に流れる逆方向電流を計測する工程、のうちの少なくとも一つを含むことが好ましい。これにより、前記組立体の中から、異常品を的確に抽出することができる。
【0019】
本発明における組立体において発生する内部短絡の原因は後述のように様々であり、
その発生原因は組立体内の素子が関与している場合と、素子が関与していない場合に大別される。その発生原因を問わず、内部短絡の発生箇所として特定された部位もしくはその周辺部の支持体もしくは導電体層の少なくとも一方を異常品として抽出された組立体から取り除く工程を、工程(d)において設けることにより、組立体の内部での短絡状態を効果的に解除することができる。素子が関与している内部短絡を解除するには、工程(d)において、前記の特定された部位の支持体の孔に配置されている素子を組立体から取り除く工程を含むことが効果的である。
【0020】
工程(a)で準備する組立体の構造は多様であるが、代表的な形態の組立体は、前記複数のほぼ球状の光電変換素子、前記素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体であって、素子の第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ第1半導体の露出部を裏面側に臨ませている支持体、支持体の裏面側に接合され、第1半導体の露出部に対向する部位の少なくとも一部に孔を有する電気絶縁層、並びに、電気絶縁層の上に形成され、前記複数の素子のそれぞれの第1半導体を、電気絶縁層の孔を通して相互に電気的に接続する導電体層を具備するものである。
【0021】
上記の代表的な形態の組立体において、導電体層は、電気絶縁層の裏面に接合された金属シートと組立体内の各素子のそれぞれの第1半導体とを、電気絶縁層の孔を通して導電性の層間接続部により電気的に接続することにより形成されている場合が多い。この場合には、工程(c)において特定された内部短絡の発生部位ないしはその周辺部に対向する部位の金属シートの少なくとも一部を除去する工程を、工程(d)において含むことが好ましい。具体的には、内部短絡の発生部位ないしはその周辺部に対向する部位の金属シートの全周にわたってレーザを照射して、該照射された部位の金属シートを除去する工程を含むことが好ましい。これにより、内部短絡への素子の関与の有無を問わず、異常品の短絡状態を確実に解除することができる。
【0022】
前記代表的な組立体において、導電体層は、電気絶縁層の孔内の第1半導体の露出部もしくは該露出部上の導電層を繋ぐように前記孔内および電気絶縁層上に塗布され、固化された導電性ペーストにより形成されていてもよい。この場合には、工程(d)において、工程(c)で特定された部位もしくはその周辺部の固化された導電性ペーストの少なくとも一部を除去する工程を含むことが好ましい。これにより、内部短絡への素子の関与の有無に関わらず、異常品の短絡状態を確実に解除することができる。
【0023】
本発明における組立体において、光電変換素子は、第2半導体層の表面を被覆する反射防止膜を有し、第2半導体層および反射防止膜が第1半導体を露出させる開口部をそれぞれ同部位に有することが好ましい。さらに、支持体は、前記孔を底部に有する凹部を隣接して表面に有し、その凹部の内面に反射鏡層を有することが好ましい。
【0024】
本発明における光電変換素子について詳細に説明する。素子の中核を構成する球状の第1半導体は、例えば、極微量のホウ素を含むp型多結晶シリコン塊を坩堝内に供給し、不活性ガス雰囲気中で溶融させ、この融液を坩堝底部の微小なノズル孔から滴下させ、その液滴を自然落下中に冷却して固化させることにより作製できる。この第1半導体は、多結晶または単結晶のp型半導体である。通常は、その表面を研磨し、さらにエッチングなどにより表面層の約50μmを除去した後、球状の第1半導体として用いる。
【0025】
p型の第1半導体を、例えば、オキシ塩化リンを拡散源として800〜950℃で10〜30分間熱処理することにより、その表面に、第2半導体層、即ちn型半導体層として、厚さ約0.5μm程度の燐の拡散層が形成される。上記の素子とは逆に、第1半導体がn型半導体であり、第2半導体層がp型半導体層であってもよい。第1半導体は、芯体の外周面に第1半導体層が被覆されたものや、中心付近が空洞のものであってもよい。第1半導体は、真球が好ましいが、ほぼ球状であればよい。第1半導体の直径は、通常0.5〜2mmであり、0.8〜1.2mmが好ましい。
【0026】
光電変換素子は、結晶シリコン半導体を主成分とする以外に、化合物半導体などからなってもよく、アモルファス材料などからなってもよい。また、素子は、第1半導体と第2半導体層の界面にノンドープ層を形成したpin形構造のもの、MIS形、ショットキーバリヤ形、ホモ接合形、またはヘテロ接合形などの構成を有していてもよい。
【0027】
第1半導体1の表面に第2半導体層2が形成されている素子10Aを図1(a)に示す。第2半導体層2に開口部4を形成した素子10Bを図1(b)に示す。第2半導体層2および第1半導体1が部分的に削りとられて第1半導体の露出部3が形成されている。第1半導体の露出部3に導電層6が形成されている素子10Cを図1(c)に示す。図2には第2半導体層2上に反射防止膜5が形成されている素子を示す。図2(a)は図1(a)の素子に対応するもので、これを加工すれば、図2(b)および図2(c)に示すような素子とすることができる。図1(c)および図2(c)の導電層6は、例えば、第1半導体の露出部3に導電性ペーストを塗着し、高温で熱処理することにより形成される。
【0028】
導電層形成用の導電性ペーストは、銀、金、銅、ニッケルなどの金属あるいはそれらの合金の粉末などからなる導電材、バインダー、および溶媒ないしは分散媒を含む導電性ペーストを使用できる。第1半導体がp型の場合はアルミニウム粉末、n型の場合はリンもしくはリン化合物などの、それぞれの添加材を含むものが好ましい。塗着後の熱処理により、第1半導体とのオーミックな導電性に富む層が、導電層の第1半導体との接合面側に形成される。この導電性に富む層は、導電性ペースト中の上記添加材と第1半導体表面のシリコンとの合金層ないしは拡散層として形成されるもので、第1半導体と金属シートとを低抵抗で電気的に接続するために有効に作用する。
【0029】
図2の各素子の反射防止膜には、例えば、溶液析出法、霧化法またはスプレー法などで形成したZnO、SnO2またはITO(In23−SnO2)などを主体とする薄膜を適用することができる。これらの素子は、多くの場合に、第2半導体層と支持体とが反射防止膜を介して電気的に接続されるので、反射防止膜は導電性を有することが好ましい。特に、フッ素およびアンチモンの少なくとも一方をドープした、厚さ50〜100nmの導電性のSnO2膜が好ましい。例えば、第2半導体層を形成した多数の素子を加熱板上において回転させながら400〜600℃に加熱し、フッ化アンモニウム、フッ酸、五塩化アンチモンまたは三塩化アンチモンなどのドープ材料および四塩化錫、二塩化ジメチル錫またはトリメチル塩化錫などの錫化合物の溶液の微粒子を、素子に吹きつけることにより、その表面にほぼ一定厚みの導電性SnO2膜が形成される。
【0030】
本発明における支持体は、素子を所定の位置に装着するための多数の孔を規則的に有する。支持体の表面を反射鏡として利用できるように、素子を装着するための孔を底部に有する凹部を形成するのが好ましい。支持体は、素子の第2半導体層と電気的に接続される導電体を兼ねるので、少なくとも表面側、好ましい形態では受光面となる側は、導電性を有することを必要とする。
【0031】
図3に代表的な支持体を示す。この支持体20は、例えば、厚さ0.2mmのアルミニウム薄板をプレス加工して作製される。支持体20の凹部21は底になるほど狭く、それらの各開口端23は六角形であって蜂の巣状に相互に隣接し、その底部に形成された孔22は素子の外径より小さい。支持体の主材料はアルミニウムが好ましいが、銅、ステンレス鋼またはニッケルなどであってもよい。導電性および反射性に優れた銀などの層を、メッキ、スパッタ、又は真空蒸着などで凹部の内面に形成すれば、導電体および反射鏡としての機能が高まり、光電変換装置の出力を増大させることができる。
【0032】
電気絶縁層を形成するための電気絶縁性シートとしては、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、および、ポリカーボネイト、ポリテトラフルオロエチレン、熱可塑性ポリイミドおよびポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂のシートないしはフィルムを用いることができる。特に好ましい電気絶縁性シートは半硬化状態の樹脂シートであり、半硬化状態のエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂もしくはこれを主体とするシート、および基材シートの両面に半硬化状態の熱硬化性樹脂層を形成したシートなどがある。
【0033】
これら半硬化状態の樹脂シートは、支持体の裏面に熱圧着する際の加熱により、適度な柔軟性と粘着性が付与されて支持体に強固に密着する。さらに、この樹脂シートに金属シートを接合する際の熱圧着時の加熱・加圧により、両者が強固に密着する。継続して加圧しながら、さらに加熱して樹脂シートを硬化させれば、接着剤を用いることなく、支持体および金属シートを樹脂シートを介して強固に結合することができる。
【0034】
導電体層を形成するための金属シートとしては、通常はアルミニウムシートが用いられ、ニッケル、銅、ステンレス鋼などの、例えば厚さ15〜100μm程度の薄板を加工したものも用いられる。無孔性のシート以外に、多数の小孔を備えた多孔性シートも金属シートとして用いられる。
【0035】
次に、本発明の光電変換装置の製造方法の実施形態を工程毎に具体的に説明する。
1)工程(a)
本工程では、光電変換装置に組み込まれる発電ユニットとなる組立体を準備する。本実施形態における組立体は、前記の本発明の代表的な形態の組立体であり、球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、第2半導体層が第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、前記素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有し、第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ第1半導体の露出部を裏面側に臨ませている導電性の支持体、支持体の裏面側に接合され、第1半導体の露出部に対向する部位の少なくとも一部に孔を有する電気絶縁層、並びに、電気絶縁層上に形成され、前記素子のそれぞれの第1半導体を電気絶縁層の孔を通して相互に電気的に接続する導電体層を具備している。
【0036】
上記組立体の構成方法は、支持体に装着する段階で用いる素子の形態によって、(イ)図1(a)または図2(a)の素子を用いる場合、(ロ)図1(b)または図2(b)の素子を用いる場合、および、(ハ)図1(c)または図2(c)の素子を用いる場合、の三種類に大別される。以下に、それぞれの場合について、代表的な実施形態を詳細に説明する。
【0037】
1)−(イ)
本実施形態では、まず、例えば、図1(a)の素子10Aを図3の支持体の孔の部分に固定した構造体を準備する。図4に示す構造体30Aは、素子10Aの第2半導体層2が支持体20の凹部の孔の縁部に導電性接着剤24により接続され、かつ素子10Aの一部が支持体20の裏面側に臨んでいる。図4には、図3のIV−IV線で切った断面図に相当する支持体の一部のみを示している。支持体のサイズは、例えば50×150mmであり、約1800個の素子が配置されている。
【0038】
導電性接着剤24は、例えば、支持体の孔に先端部が嵌合するような球面状の転写ピンの先端に付着させ、これを支持体の孔に向けて押しつけて、支持体の孔の周縁部にリング状に塗着される。構造体30Aは、塗着された接着剤が乾燥する以前に、支持体に素子を配置し、加熱して接着剤を固化させることにより構成される。導電性接着剤は、銀、アルミニウム、銅、ニッケルなどの導電材、バインダー、および溶媒ないしは分散媒を含む導電性ペーストを使用でき、その粘度は、25℃において約100Pa・sが好ましい。
第2半導体層が反射防止膜で被覆された図2(a)の素子を支持体に固定する場合にも上記と同様の方法を実施する。この場合、第2半導体層は、導電性の反射防止膜を介して、導電性接着剤により支持体に電気的に接続される。
【0039】
次いで、構造体30Aの支持体20の裏面側に臨む部位の素子10に第1半導体の露出部13を形成する(図5(1))。具体的には、エッチング、もしくはサンドブラスト、ブラッシングなどの機械的な研磨、またはこれらの併用などにより素子の表面層(厚さ約1〜3μm)を除去する。例えば、エッチング法では、構造体30Aの裏面側にフッ酸と硝酸の混合液を接触させて素子の表面層を溶解させた後、水洗、乾燥する方法が一般的である。除去される表面層は、第1半導体の極く表面の層とその上に形成した第2半導体層である場合と、その上に形成された反射防止膜を含む場合とがある。
【0040】
第1半導体の露出部13には導電層を形成するのが好ましい。まず、印刷法あるいはディスペンサーにより、常温での粘度が約100Pa・sの前記の導電層形成用の導電性ペーストを第1半導体の露出部13に塗着し、直径約300μm、厚さ約50μmの塗布層を形成する。次いで、YAGレーザ装置を用い、前記の塗布層にレーザを照射して局部的に加熱することにより導電層16を形成する(図5(2))。このレーザ照射により局所的に高温の熱処理が施され、第1半導体の露出面のシリコンとペースト内のアルミニウムとの合金層が形成される。この際、ペースト内のバインダー成分などの大半は分解して気化し、導電層は上記の合金層を主体とした薄肉の層となる。この合金層は、第1半導体とのオーミックな導電性に富むので、第1半導体と金属シートとの低抵抗の電気的接続に寄与する。
【0041】
第1半導体の露出部もしくは上記の導電層の上には、後の工程でレーザ照射により電気絶縁層に孔を開け易くするために、導電性ペーストの塗布層を形成することが好ましい。導電性ペーストは、銀、銅、ニッケルおよび金のうちの少なくとも一種の導電材を含むもの使用でき、その25℃における粘度は、50〜300Pa・sが好ましい。導電性ペーストは、例えば、メタルマスクを用いたスクリーン印刷により塗布する。第1半導体の露出部の直径が0.4〜0.7mmの場合には、塗布層の直径は0.2〜0.5mm、厚みは50〜100μmが好ましい。図5(3)に、図5(2)の構造体の導電層6の上に導電性ペーストの塗布層7を形成した状態を示す。導電層16は単独でも電極の機能を有するが、上記のように、導電層16と導電性ペーストの塗布層7の双方で電極の機能を果たすこともできる。導電性ペーストの塗布層7は、加熱して固化することが好ましい。
【0042】
次に、支持体の裏面に電気絶縁層を接合する。その代表的な実施形態は、半硬化状態のエポキシ樹脂からなる樹脂シートを支持体の裏面に貼り付ける方法である。例えば、まず、樹脂シート40を図5(3)の構造体の支持体20の裏面に軽く圧着して仮固定する。これを、約120℃に加熱された二枚の熱盤で挟んで加圧する。これにより、樹脂シート40は、支持体20の裏面の凹凸に追随して支持体20に貼り付けられる(図6(1))。
上記のように樹脂シートを用いる以外に、支持体の裏面に樹脂ペーストを塗布し乾燥することにより形成された樹脂層を電気絶縁層とすることもできる。樹脂ペーストには、ポリイミド系、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系などの樹脂を有機溶媒や水に溶解または分散させたものを用いる。
【0043】
次いで、第1半導体の露出部の少なくとも一部が対向する部位の電気絶縁層にレーザを照射することにより、該部位の電気絶縁層に孔を開ける。前記の導電性ペーストの塗布層に含まれる銀などの金属に対する炭酸ガスレーザの反射率が高いので、この塗布層を電気絶縁層の下地として形成しておけば、被照射部位にレーザのエネルギーが集中的に吸収される。これにより、所定の位置に所定の寸法形状の孔を、より正確に開けることができる。この孔は後の工程で各素子の第1半導体を相互に接続するための導電路となる。
【0044】
図6(1)の構造体の電気絶縁層に孔を開ける工程を図6(2)に示す。樹脂シート40の、導電性ペーストの塗布層7に対向する部位に、炭酸ガスレーザ照射装置11によりレーザ12を照射する。これにより、厚さ75μmの樹脂シート40を貫通する直径約0.3mmの孔42が開けられ、その孔42の内部に導電性ペーストの塗布層7が露出する。
【0045】
次いで、電気絶縁層の上に導電体層を形成することにより、工程(a)の組立体(発電ユニット)が完成する。その形成方法は多様であるが、通常は、電気絶縁層の裏面に接合された金属シートと支持体に固定された各素子のそれぞれの第1半導体とを、電気絶縁層の孔を通して導電性の層間接続部により電気的に接続する。その代表的な実施形態は、導電路に導電性ペーストを充填した後、金属シートを電気絶縁層に接着する方法である。
【0046】
まず、図6(2)の構造体の樹脂シート40の孔42を満たすよりやや多量に孔内に導電性ペースト55を充填する(図7(1))。導電性ペーストには、支持体に素子を固定するために用いた導電性接着剤と同様のものを使用することができる。次いで、金属シート75を半硬化性の樹脂シート40に重ね合わせて加熱圧着した後、熱処理して導電性ペースト55を固化し、同時に樹脂シートを硬化させる(図7(2))。これにより、金属シート75は樹脂シート40に強固に接合し、かつ、第1半導体1と金属シート75が確実に電気的に接続される。樹脂シートに金属シートを加熱圧着するときの温度T1は70〜180℃、面圧は0.1〜3MPaであり、熱処理温度T2は、T1より高く、通常は120〜200℃である。上記の方法に準じて、第2半導体層2が反射防止膜5で被覆された図2(a)の素子を用いて、図7(2)に示す組立体を構成することもできる。
【0047】
導電路に充填された導電性ペーストが加熱されると、ペースト中の有機溶剤や樹脂成分などの一部が揮発あるいは熱分解により気化した成分が電気絶縁層と金属シートの間に介在し、両者間の接合や第1半導体と金属シートとの電気的導通が不安定になる場合がある。この気化成分を外部に逸散させるには、多数の通気孔を設けた金属シートを、個々の導電路に少なくとも該小孔の一部を対向させるように、電気絶縁層に貼り合わせればよい。
【0048】
以上、金属シートを用いて導電体層を形成する実施形態として、電気絶縁層の導電路に導電性ペーストを充填した後、金属シートを電気絶縁層に貼り合わせる方法を説明したが、他の実施形態として、電気絶縁層と金属シートのそれぞれに、互いに連通する孔を設け、前記二つの孔に導電性ペーストを充填し、固化する方法を以下に説明する。
【0049】
例えば、まず、図6(1)の構造体の樹脂シート40に、支持体の孔と対応する位置に孔44を有する金属シート35を貼り付ける(図8(1))。次いで、金属シートの孔44内にレーザ15を照射して、その部位の樹脂シート40に孔52を開ける(図8(2))。次いで、樹脂シートの孔52に導電性ペースト55を充填し、これを固化する(図8(3))。これにより各素子の第1半導体が金属シートに電気的に接続される。図8(3)と同構造の導電体層は、例えば、電気絶縁層と金属シートを順次支持体の裏面に接合するか、両者が一体化された複合シートを支持体の裏面に接合した後、両者を連通する孔を形成し、その孔に導電性ペーストを充填して固化することによっても構成することができる。
【0050】
以上の導電体層の形成方法においては、いずれも、固化された導電性ペーストを層間接続部としたが、第1半導体側に形成された導体バンプを層間接続部とすることもできる。例えば、図5(2)の構造体の第1半導体の露出部13上の導電層16上に円錐状の導体バンプを形成する。導体バンプは、比較的高粘度(2000〜4000Pa・s程度)の導電性ペーストを、厚手のメタルマスクを用いて導電層上に塗布し、これを加熱して固化することにより形成される。導体バンプの先端部は先細状であり、さらに金属シートに当接するに十分な100〜300μm程度の厚みが好ましい。
【0051】
導体バンプ8を形成した後、支持体20の裏面に樹脂シート40を重ね合わせて加圧し、両者を貼り合わせるとともに導体バンプ8の先端部を樹脂シート40から突き抜けさせる(図9(1))。次いで、金属シート45を樹脂シート40に重ね合わせて加圧することにより、両者を貼り合わせるとともに、塑性変形させた導体バンプ8の先端部を金属シート45に当接させる(図9(2))。これにより、導体バンプを層間接続部として、金属シートと各素子の第1半導体が電気的に接続された導電体層が形成される。
【0052】
上記の各実施形態においてアルミニウム製の金属シートを用いる場合には、その表面に酸化膜が形成され易いため、層間接続部と金属シートとの接合界面の電気抵抗が大きくなる場合が多い。これを防止するためには、層間接続部と接触する部位の金属シートに、銀、銅、ニッケルまたは錫などの導電性が良好な表面層を設けることが好ましい。
【0053】
金属シートを用いて導電体層を形成する上記の方法に代わり、電気絶縁層の孔内の第1半導体の露出部もしくは該露出部上の導電層を繋ぐように前記孔内および前記電気絶縁層上に導電性ペーストを塗布し固化することにより、導電体層を形成することもできる。例えば、ディスペンサーのノズルから導電性ペーストを吐出させながら、図6(2)の構造体の樹脂シート40の各孔(導電路)42を繋ぐ線に沿ってノズルを移動させることにより、全ての導電路を結ぶ線状の導電性ペーストの塗布層25を樹脂シート40上に形成する(図10)。平行に配列された複数の上記線状の塗布層の先端部を結ぶように他の線状の塗布層を形成したり、線状の塗布層を網の目状に形成し、網の目の交点にそれぞれの導電路が位置するようなパターンで塗布層を形成することにより、各素子の第1半導体は相互に電気的に接続される。
【0054】
1)−(ロ)
第2半導体層に第1半導体の一部を露出させる開口部を形成した図1(b)あるいは図2(b)に示す素子を用いて工程(a)の組立体を構成する方法について、その代表的な実施形態を図11に沿って説明する。
【0055】
先ず、図4の構造体30Aの構成方法に準じて、孔の縁部に導電性接着剤24を塗着した支持体20に図1(b)の素子を固定する(図11(1))。素子10Bは、第1半導体1の露出部3が支持体20の裏面側に臨むように位置合わせして固定される。次いで、図6の方法に準じて支持体20の裏面に貼り合わされた樹脂シート70に、導電路となる孔72を開ける((図11(2))。次に、孔72の内部の第1半導体の露出部3に導電性ペーストを塗布し、これにレーザを照射して、図5(2)に準じた方法で導電層76を形成する((図11(3))。次いで、図7(1)の方法に準じて、孔72を満たすよりやや多くの導電性ペースト85を充填した樹脂シートに金属シート75を貼り付けた後、導電性ペースト85を固化する((図11(4))。
【0056】
1)−(ハ)
第1半導体の露出部を形成し、さらにその露出部に導電層を形成した図1(c)あるいは図2(c)に示す素子を用いて工程(a)の組立体を構成する方法について、その代表的な実施形態を図12に沿って説明する。
【0057】
先ず、図4の構造体30Aを構成した方法に準じて、孔の縁部に導電性接着剤24を塗着した支持体20に図1(c)の素子を固定する(図12(1))。この場合、素子10Cは、第1半導体1の露出部3および導電層6が支持体20の裏面側に臨むように位置合わせして固定される。次いで、図6の方法に準じて、樹脂シート70を支持体20の裏面に貼り合わせ、これに導電路となる孔62を開ける((図12(2))。次いで、図7(1)の方法に準じて、孔62を満たすよりやや多くの導電性ペースト65を充填した樹脂シート70に金属シート75を貼り付けた後、導電性ペースト65を固化する((図12(3))。
【0058】
上記の1)−(ロ)または1−(ハ)において、導電性の反射防止膜で第2半導体層が被覆された図2(b)または図2(c)の素子を用いて組立体を構成する場合にも、上記の図11または図12と同様の方法が適用できる。これらの場合、第2半導体層と支持体の縁部の間に反射防止膜が介在する構造となる。また、図11および図12には、1)−(ロ)または1−(ハ)における工程の手順と組立体の構造の代表的な実施形態を示したが、1)−(イ)の種々の実施形態における工程やその手順および組立体の構造に準じて、1)−(ロ)または1−(ハ)における種々の実施形態を採ることができる。
また、工程(a)に関する上記の各実施形態では、第1半導体の露出部に導電層を形成し、あるいは、その上に導電性ペーストの塗布層を形成するという好ましい形態を採用した。しかし、上記の導電層およびは導電性ペーストの塗布層は必ずしも必要としない。
【0059】
2)工程(b)
本工程では、工程(a)で準備した組立体の光電変換特性もしくは電気的特性を計測し、その計測データに基づいて、前記組立体の中から、内部短絡による異常品を抽出する。本工程の具体的な方法は多様であり、それらの実施形態については後に詳述するが、まず、前記組立体の内部で発生する可能性のある短絡の形態について説明する。
【0060】
前記組立体においては、支持体は各素子の第2半導体層に電気的に接続され、導電体層は各素子の第1半導体に電気的に接続されているので、両者が何らかの形で導通すれば組立体の内部短絡が発生する。その短絡の形態は多様であるが、金属シートを用いて導電体層を形成した組立体の内部短絡の代表例として、図8(3)の組立体の内部短絡の主な形態を説明する。
【0061】
図13(1)では、第1半導体1の露出部に形成された導電層16上の導電性ペーストの塗布層7が、所定位置からずれて形成されたために、その先端部7aが支持体20の孔の縁部に塗布された導電性接着剤24と接触している。上記の先端部7aが支持体20と接触する場合にも内部短絡が発生する。これらと類似の内部短絡は、形成位置がずれた導電層の先端部が支持体に接触する場合などにも発生する可能性がある。図13(2)では、支持体20の孔の縁部に塗布され、その裏側に回りこんだ導電性接着剤24の延長部24aが導電性ペーストの塗布層7ないしは導電層16と接触している。
【0062】
図13(3)では、樹脂シート40の孔の近傍と導電性ペーストの塗布層7ないしは導電層16との接着が不十分なために生じた隙間に、樹脂シート40の孔に充填した導電性ペースト55の一部55aが浸入し、これが、支持体20ないしは支持体に塗布された導電性ペースト24と接触している。図13(4)では、樹脂シート40を支持体20の裏面に加熱圧着する際に、孔の縁部ないしはその外側の支持体20と対向する部位の樹脂シート40が薄く変形して部分的に支持体が露出し、その露出部位40aにおいて金属シート35と支持体20が直接的に接触している。
【0063】
上記のうち、図13(1)および(2)により説明した内部短絡では、第1半導体の導電層16ないしは導電性ペーストの塗布層7と支持体20ないしは支持体に塗布した導電性接着剤24とが接触している。これらの内部短絡においては、素子を介して支持体20と金属シート35が電気的に導通している。一方、図13(3)の場合は、導電性ペースト55と支持体20ないしは導電性接着剤24とが接触することにより支持体20と金属シート35が電気的に導通しており、素子は直接的には内部短絡に関与していない。また、図13(4)の場合は、金属シートと支持体との直接的な接触により短絡しており、素子は内部短絡に関与していない。
【0064】
図14には、電気絶縁層の孔内および電気絶縁層上に塗布され、固化された導電性ペーストにより導電体層が形成された図10の組立体における内部短絡の形態を例示する。図14(1)では、図13(1)と同様に、導電層16上の導電性ペーストの塗布層7が、所定の位置からずれて塗布されたために、その先端部7bが支持体20に塗布された導電性接着剤24と接触している。この他に、導電性ペーストの塗布層が支持体と接触する場合や、支持体ないしは支持体に塗布された導電性接着剤と、電気絶縁層の孔に充填された導電性ペーストとが接触する場合などにも内部短絡が発生する可能性がある。図14(2)では、樹脂シート40が薄く変形して部分的に支持体が露出し、その露出部位40bにおいて支持体20と導電性ペースト25aが接触することにより内部短絡が発生している。
【0065】
次に、内部短絡が発生している組立体を異常品として抽出する方法の実施形態を説明する。第1の実施形態は、前記組立体の光電変換特性をソーラシミュレータによる光を照射して計測し、その計測データに基づいて内部短絡による異常品を抽出する方法である。上記の測定は、一般的に、高圧キセノンランプを光源とし、地上で受ける標準的な太陽光(AM1.5)に近似したスペクトル分布(JIS C8912等級A)で、照射エネルギー密度1kW/m2の光を受光面に照射したときの常温における前記組立体の光電変換特性を測定する。この測定により、組立体の光電変換特性を総合的に評価できるが、測定データのうち、主として電流−電圧特性を解析することにより、内部短絡の状況を検知することができる。
【0066】
図15は、直径約1mmの素子の約1800個を、50×150mmのサイズの支持体に固定した図8(3)の組立体における、正常なサンプルA、顕在的な内部短絡が発生しているサンプルB、および軽微な内部短絡が発生しているサンプルC、についての電圧と電流の関係を示す特性図である。サンプルAとサンプルBまたはサンプルCとの特性の特徴的な相違点は、前者では、通常の作動電圧(約0.45V以下)での電流値がほぼ一定であるが、後者では、作動電圧が高くなるにつれて電流が少なくなる傾向が顕著に観測されることである。サンプルBでは内部短絡が組立体の光電変換効率にも明らかな悪影響を及ぼしており、サンプルCでは実用的には許容される程度であるが、若干(例えば10%以下)の光電変換効率の低下が認められる。
【0067】
異常品を抽出する方法の第2の実施形態は、組立体のダイオード特性(I−V特性)をカーブトレーサにより計測し、その計測データに基づいて異常品を抽出する方法である。衆知のように、正常なpn接合に順方向バイアス(Vf:p型に正、n型に負の極性の外部電圧)を印加すると、順方向電流(If)が流れる。また、或る値未満の逆方向バイアス(Vr:p型に負、n型に正の極性の外部電圧)を印加しても、逆方向電流(Ir)は殆ど流れずに整流性を示し、或る値(Vb:(降伏電圧)以上の逆方向電圧を印加すると、急激にIrが流れる。
【0068】
図16には、図15と同様のサンプルA、サンプルBおよびサンプルC、についてのダイオード特性を示す。サンプルAにおいては、上記のような正常なpn接合に相当する特性を示すが、サンプルBおよびサンプルCにおいては、整流性が損なわれ、降伏電圧(Vb:約−10V)未満の逆方向電圧が印加されている状態でも、逆方向電流が観測される。さらに、順方向電圧が印加されている状態では、順方向電流が流れ始める電圧が低くなる傾向が観測される。顕在的な内部短絡が発生しているサンプルBにおいては、上記の傾向が特に顕著である。
【0069】
異常品を抽出する方法の第3の実施形態は、上記の第2の実施形態による方法を簡略化したもので、図16に示すダイオード特性のうち、組立体に降伏電圧未満の特定電圧(Vbs)の逆方向バイアスを印加した時に計測される逆方向電流(Irs)の値に基づいて異常品を抽出する方法である。Vbsを印加した時には正常な組立体においても、ごく僅かの逆方向飽和電流が流れるが、内部短絡による逆方向電流と比較するとオーダー的に異なるので、正常品と異常品は容易に判別できる。Vbsは、通常、−0.5〜−2.0Vの範囲から選ばれる。Vbs=−1.0Vを印加して検査する場合には、内部短絡が発生していないサンプルAでは1mA未満、サンプルBでは1000mA以上、サンプルCでは、200mAの電流が流れる。
【0070】
発電ユニットとなる組立体は、pn接合が形成された多数の光電変換素子が並列に電気的に接続されて構成されている。本発明においては、第1半導体がp型であり、第2半導体層がn型である素子を用いる場合と、第1半導体がn型であり、第2半導体層がp型である素子を用いる場合がある。前者の場合には、支持体がn型半導体、導電体層がp型半導体にそれぞれ電気的に接続され、後者の場合には、逆に、支持体がp型半導体、導電体層がn型半導体にそれぞれ電気的に接続される。上記の実施形態において、組立体に逆方向バイアスを印加する場合には、n型側に正の極性、p型側に負の極性の外部電圧を印加する。従って、前者の組立体の場合は、支持体に外部電源の正の極性、導電体層に負の極性をそれぞれ接続し、後者の組立体の場合はその逆の接続をすることにより、逆方向バイアスを印加することができる。
【0071】
上記の第1〜3の実施形態の方法により、複数の組立体から、内部短絡による異常品を抽出する場合には、例えば、サンプルAの特性を基準とし、この基準特性に対する差異が、サンプルBにおける差異もしくはそれ以上であるものと、サンプルBとサンプルCとの中間的な特性を示すものとを、ランク分けして抽出することが好ましい。これは、工程(c)で内部短絡の発生部位を特定し、工程(d)でその箇所を修復する作業をより的確に行うために有効である。また、サンプルCもしくはそれより軽度な異常が認められた組立体については、例えば、同一方法もしくは上記の実施形態のうちの他の方法により、再検査を実施することが好ましい。
【0072】
3)工程(c)
本工程では、工程(b)で異常品として抽出された組立体に降伏電圧未満の逆方向バイアスを印加し、この時に流れる逆方向電流による前記組立体の発熱状態を赤外線サーモグラフィにより観測することにより、内部短絡が発生している部位を特定する。
【0073】
例えば、50×150mmのサイズの支持体を用いた組立体には、約1800個という多数の直径約1mmの素子が高密度に配置されている。このように高密度に配置されている個々の素子もしくはその周辺部の微細な部位において、組立体の内部短絡が発生することがある。内部短絡の発生箇所では上記の逆方向電流が集中的に流れることにより発熱する。赤外線サーモグラフィにより、その組立体から放射する赤外線を検出し、該赤外線エネルギー量を温度に換算して、温度分布を画像表示する。赤外線サーモグラフィの温度分布の表示画像は、例えば、240×320=76800という極めて多数の画素数に対応したマトリックスで構成され、しかも、例えば0.05℃というわずかな温度差を視認できる高い温度分解能を備えている。このような装置を用いて、上記の組立体の温度分布を画像表示すれば、短絡により発熱している微細な箇所をピンポイントで検出することができる。
【0074】
工程(a)で準備された図8(3)の組立体のうちから、工程(b)において抽出された異常品について、その内部短絡の発生部位を実際に特定した事例について説明する。例えば、サンプルB以上に顕著な内部短絡が認められた組立体に、−5.0Vの逆方向バイアスを印加した場合、3000mAの逆方向電流が流れた。この逆方向バイアスを約1秒間印加したときの組立体の支持体側の発熱状況を赤外線サーモグラフィにより画像表示し、その色彩変化の状況から、内部短絡の発生部位を特定した。色彩変化は二箇所で観察された。一箇所は中心点が白色に変色し、その周辺部は赤色に染まっており、その中心点を強度の内部短絡が発生している部位として特定した。他の一箇所は薄く赤色に変色しており、比較的軽微な内部短絡が発生しているものと認められた。
【0075】
さらに、工程(b)において、サンプルBとサンプルCの中間的な特性が認められた異常品について、上記と同様の逆方向バイアスを印加したところ、1000mAの逆方向電流が流れた。この場合の赤外線サーモグラフィの画像表示においては、一箇所で色彩変化は観察され、赤色に変色していた。このことから、一箇所において軽視できない程度の内部短絡が発生しているものと認められた。
【0076】
また、上記のサンプルB以上の顕著な内部短絡が認められた異常品の強度の内部短絡は、図13(4)のように支持体20と金属シート35の直接的な接触によるものであり、他の軽微な内部短絡は、図13(1)または(2)のように、導電性接着剤24と素子10の導電層16ないしは導電性ペースト塗布層7との僅かな接触によるものであった。また、上記のサンプルBとサンプルCの中間的な異常品については、導電性接着剤24と導電性ペースト塗布層7との接触が明瞭に認められた。
【0077】
4)工程(d)
本工程では、工程(c)で特定された内部短絡の発生部位の短絡状態を解除する。その実施形態は、内部短絡の形態や導電体層の構造などによって異なる。金属シートを用いて導電体層を形成した場合の内部短絡は、前記のように、i)素子が内部短絡に関与してい
る場合、および、ii)素子が必ずしも内部短絡に関与していない場合、に大別される。
【0078】
上記のi)の場合には、例えば図17(1)のように、図13(2)の異常品の内部短
絡の発生部位の支持体の孔に配置されている素子10を支持体20から取り除くことにより、支持体20と金属シート35との電気的導通が断たれる。これにより短絡状態が解除され、作動時に組立体内の他の素子からリーク電流が流れることがなくなる。この方法は、多くの場合、前記のサンプルCないしは、サンプルCとサンプルBとの中間的な異常品の内部の短絡状態を解除するために適用される。
【0079】
上記のii)の場合には、異常品の特定箇所の素子を取り除く上記の手法によっては、必
ずしも短絡状態を解除することはできないが、次に説明する手法により、内部短絡への素子の関与の有無を問わず、異常品の内部の短絡状態を解除することができる。この手法は、内部短絡の発生箇所として特定された部位ないしはその周辺部に対向する部位の金属シートの少なくとも一部を除去するものである。図17(4)はその端的な実施形態を示すもので、図13(4)のように支持体20と金属シート35とが直接に接触している短絡部位の周辺部の金属シート35を、例えば円形に切って、組立体から取り除く。これにより、異常品の内部の短絡状態を確実に解除することができる。
【0080】
図17(4)の方法の作業性を改善する好ましい実施形態として、内部短絡の発生箇所として特定された部位ないしはその周辺部に対向する部位の金属シートに所定のパターンでレーザを照射して、前記特定された部位ないしはその周辺部に対向する部位の全周にわたって、金属シートを除去する方法がある。これにより、作業性良く、かつ確実に短絡状態を解除できる。図17(2)は、図13(1)の異常品を、図17(3)は図13(4)の異常品を、それぞれ上記の方法で修復した状態をそれぞれ示している。これらの場合には、金属シートをリング状に除去した箇所35aにおいて、短絡箇所と他の箇所との電気的導通が遮断されている。
【0081】
次に、電気絶縁層に形成された全ての孔(導電路)が繋がるように電気絶縁層上に塗布され固化された導電性ペーストにより、導電体層が形成されている組立体の異常品の内部の短絡状態を解除する方法について説明する。この方法は、内部短絡の発生箇所もしくはその周辺部の固化された導電性ペーストの少なくとも一部を除去するものである。図18(1)あるいは図18(2)に、図14(1)あるいは図14(2)に示す異常品の、それぞれの短絡箇所の周辺部の固化された導電性ペースト25を取り除いた状態を示す。これらの場合には、導電性ペーストが取り除かれた箇所25aにおいて、短絡箇所と他の正常な箇所との電気的導通が遮断されている。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明により、高品質・高信頼性の光電変換装置を効率的に製造することができる。この光電変換装置は、特に建物の屋根などに設置する太陽光発電装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に用いる光電変換素子の態様を示す縦断面図である。
【図2】本発明に用いる光電変換素子の別の態様を示す縦断面図である。
【図3】本発明に用いる支持体の一例を示す要部の平面図である。
【図4】本発明の工程(a)において準備する組立体の第1の実施形態の製造過程における第1段階の工程を示す縦断面図である。
【図5】同上の製造過程における第2段階の工程を示す縦断面図である。
【図6】同上の製造過程における第3段階の工程を示す縦断面図である。
【図7】同上の製造過程における最終段階の工程を示す縦断面図である。
【図8】同上の第2の実施形態の組立体の製造工程を示す縦断面図である。
【図9】同上の第3の実施形態の組立体の製造工程を示す縦断面図である。
【図10】同上の第4の実施形態の組立体の製造工程を示す縦断面図である。
【図11】同上の第5の実施形態の組立体の製造工程を示す縦断面図である。
【図12】同上の第6の実施形態の組立体の製造工程を示す縦断面図である。
【図13】本発明における組立体の内部短絡の態様を示す縦断面図である。
【図14】本発明における他の組立体の内部短絡の態様を示す縦断面図である。
【図15】本発明における組立体の正常品と異常品との光電変換特性の比較図である。
【図16】本発明における組立体の正常品と異常品とのダイオード特性の比較図である。
【図17】本発明における組立体の異常品が修復された態様を示す縦断面図である。
【図18】本発明における他の組立体の異常品が修復された態様を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0084】
1 第1半導体
2 第2半導体層
3、13 第1半導体の露出部
4 第2半導体層の開口部
5 反射防止膜
6、16、76 第1半導体とのオーミックな導電性を有する層
7、17 導電性ペーストの塗布層
8 導体バンプ
10、10A、10B、10C 光電変換素子
12、15 レーザ
20 支持体
21 凹部
22(支持体の)孔
24 導電性接着剤
25、55、65、75、85 導電性ペースト
35、45、75 金属シート
40、70 樹脂シート
42、52、72、62 電気絶縁層の孔(導電路)
44 金属シートの孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、前記第2半導体層が前記第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、前記光電変換素子を支持し、かつ光電変換素子の第1半導体または第2半導体層と電気的に接続された導電性の支持体、前記光電変換素子の第2半導体層または第1半導体と電気的に接続された導電体層、および前記支持体と導電体層とを絶縁する電気絶縁層を具備する組立体を準備する工程、
(b)前記組立体の光電変換特性もしくは電気的特性を計測し、その計測データに基づいて、前記組立体の中から、内部短絡による異常品を抽出する工程
(c)前記異常品に降伏電圧未満の逆方向バイアスを印加し、この時に流れる電流による前記異常品の発熱の状態を、赤外線サーモグラフィにより観測し、前記内部短絡が発生している部位を特定する工程、および、
(d)前記特定された部位の短絡状態を解除する工程、
を有することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
【請求項2】
(a)球状の第1半導体およびその表面を被覆する第2半導体層を具備し、前記第2半導体層が前記第1半導体を露出させる開口部を有する複数のほぼ球状の光電変換素子、前記光電変換素子を1個ずつ配置するための複数の孔を有する導電性の支持体であって、前記光電変換素子の第2半導体層が前記孔の縁部に電気的に接続され、かつ前記第1半導体の露出部を裏面側に臨ませている支持体、前記支持体の裏面側に接合され、前記第1半導体の露出部に対向する部位の少なくとも一部に孔を有する電気絶縁層、並びに、前記電気絶縁層の上に形成され、前記複数の光電変換素子のそれぞれの第1半導体を、前記電気絶縁層の孔を通して相互に電気的に接続する導電体層、
を具備する組立体を準備する工程、
(b)前記組立体の光電変換特性もしくは電気的特性を計測し、その計測データに基づいて、前記組立体の中から、内部短絡による異常品を抽出する工程
(c)前記異常品に降伏電圧未満の逆方向バイアスを印加し、この時に流れる電流による前記異常品の発熱の状態を、赤外線サーモグラフィにより観測し、前記内部短絡が発生している部位を特定する工程、および、
(d)前記特定された部位の短絡状態を解除する工程、
を有することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
【請求項3】
前記工程(b)が、前記組立体の光電変換特性を、ソーラシミュレータを光源として、計測する工程を含む請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項4】
前記工程(b)が、前記組立体のダイオード特性をカーブトレーサにより計測する工程を含む請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項5】
前記工程(b)が、前記組立体に降伏電圧未満の逆方向バイアスを印加した時に流れる逆方向電流を計測する工程を含む請求項1または2に記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項6】
前記工程(d)が、前記特定された部位もしくはその周辺部の前記支持体もしくは導電体層の少なくとも一方を前記異常品から取り除く工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項7】
前記工程(d)が、前記特定された部位の前記支持体の孔に配置されている光電変換素子を前記異常品から取り除く工程を含む請求項2〜5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項8】
前記工程(a)において、前記導電体層が、前記電気絶縁層の裏面に接合された金属シートと前記複数の光電変換素子のそれぞれの第1半導体とを、前記電気絶縁層の孔を通して導電性の層間接続部により電気的に接続することにより形成されている請求項2〜5の1〜5のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項9】
前記層間接続部が、前記電気絶縁層の孔を満たすよりやや多量に充填され、固化された導電性ペーストである請求項8記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項10】
前記層間接続部が、前記光電変換素子の第1半導体の露出部ないしは該露出部上の導電層の上に形成された導体バンプである請求項8記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項11】
前記工程(d)が、前記特定された部位ないしはその周辺部の金属シートの少なくとも一部を前記異常品から取り除く工程を含む請求項8〜10のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項12】
前記工程(d)が、前記部位の金属シートの全周にわたってレーザを照射して、前記レーザが照射された部位の金属シートを除去する工程を含む請求項11記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項13】
前記工程(a)において、前記導電体層が、前記電気絶縁層の孔内の第1半導体の露出部もしくは該露出部上の導電層を繋ぐように前記孔内および前記電気絶縁層上に塗布され、固化された導電性ペーストにより形成されている請求項2〜6のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項14】
前記工程(d)において、前記特定された部位もしくはその周辺部の固化された導電性ペーストの少なくとも一部を前記異常品から取り除く工程を含む請求項13記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項15】
前記光電変換素子が、前記第2半導体層の表面を被覆する反射防止膜を有し、前記第2半導体層および前記反射防止膜が前記第1半導体を露出させる開口部をそれぞれ同部位に有する請求項1〜14のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項16】
前記支持体が、前記孔を底部に有する凹部を隣接して表面に有し、前記凹部の内面に反射鏡層を有する請求項1〜15のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−306129(P2008−306129A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154145(P2007−154145)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成18年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「太陽光発電システム実用化加速技術開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(502139910)株式会社クリーンベンチャー21 (33)
【Fターム(参考)】