説明

光電子顕微鏡用ガス反応観察試料

【課題】 光電子顕微鏡内において、基板表面に直接吸着するガスと、先ず他の媒体に吸着した後に基板表面に移動供給されるガスとの反応を観察できる光電子顕微鏡用ガス反応観察試料を提供する。
【解決手段】 光電子顕微鏡内で基板の表面に吸着したガスの反応を観察するための試料であって、基板の表面に、開口を持ち該開口を除く基板全面を覆う外周薄膜と、該開口に内接し上記基板表面のガス反応領域を露出する反応窓を持つ環状の内周薄膜とを備え、電気陰性度の大きさが、基板>内周薄膜>外周薄膜の順であることを特徴とする。典型的には、上記基板は貴金属から成り、上記外周薄膜および上記内周薄膜は酸化物から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電子顕微鏡内で基板の表面に吸着したガスの反応を観察するための試料に関する。
【背景技術】
【0002】
光電子顕微鏡は、超高真空下において、基板の表面に吸着したガスの反応を高解像度でリアルタイムに可視化できる装置である。特に、自動車排ガス浄化用触媒の開発には、貴金属触媒表面におけるCO等の未燃焼ガスと酸素ガスOとの反応を詳細に試験研究する必要があり、光電子顕微鏡はそのための有力なツールとして期待される。
【0003】
そのため一般には、モデル触媒試料としての貴金属の平滑面に吸着したガスの反応を観察していた。しかし実際の排気ガス触媒では、ガスが直接貴金属に吸着するとは限らず、ガスが先ず触媒担体(通常は酸化物)に吸着し、触媒担体から触媒貴金属の表面へ移動供給される現象が起きる。この現象は主として触媒金属の種類に起因する。典型例としては、触媒金属がPtであればCOもOも直接に触媒金属Ptに吸着するが、触媒金属がAuであるとCOは直接吸着するがOは直接吸着しない。Oは先ずAl等の触媒担体に吸着した後、触媒金属Auの表面へ移動供給されて、触媒金属Auの表面でCOと反応する。
【0004】
このような実際の排気ガス触媒で生じる現象をモデル触媒試料上で再現することが、触媒開発に不可欠である。
【0005】
従来の知見のうち上記観点にやや関連するものとして、特許文献1には触媒配合物を担体に担持させ、反応条件で担持配合物を反応物と接触させ、反応進行中に個々の配合物によって放出または吸収される熱を観察することが開示されており、特許文献2にはライブラリー・プレート表面上に物質(触媒)を配置し、化学的または物理的プロセスを観察することが開示されているが、触媒担体経由で触媒金属表面へ移動供給されて反応する現象については何ら考慮もされず示唆もされていない。
【0006】
【特許文献1】特表2000−506265
【特許文献2】特表2002−500359
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、光電子顕微鏡内において、基板表面に直接吸着するガスと、先ず他の媒体に吸着した後に基板表面に移動供給されるガスとの反応を観察できる光電子顕微鏡用ガス反応観察試料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明によれば、光電子顕微鏡内で基板の表面に吸着したガスの反応を観察するための試料であって、
基板の表面に、開口を持ち該開口を除く基板全面を覆う外周薄膜と、該開口に内接し上記基板表面のガス反応領域を露出する反応窓を持つ環状の内周薄膜とを備え、電気陰性度の大きさが、基板>内周薄膜>外周薄膜の順であることを特徴とする光電子顕微鏡用ガス反応観察試料が提供される。
【0009】
典型的には、上記基板は貴金属から成り、上記外周薄膜および上記内周薄膜は酸化物から成る。
【0010】
上記外周薄膜および上記内周薄膜は多孔質であることが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板上で2種のガスを反応させる際に、第1のガス(CO等)は基板に直接吸着されるが第2のガス(O等)は基板に直接吸着され難い場合に、第2のガスを電気陰性度が最も小さい外周薄膜に先ず吸着させ、これより電気陰性度の大きい内周薄膜へ移動させ、更に基板に直接吸着している第1ガスとの親和力により引き付けられ、反応窓内に露出している基板表面で反応が起きる。これにより、実際の排気ガス浄化用触媒における、触媒担体を経由して触媒金属表面に到達するガスの反応を光電子顕微鏡内で再現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の試料を用いる光電子顕微鏡の基本的な構造を示す縦断面図である。
【0013】
図示した光電子顕微鏡100は、真空チャンバ110内に、光源ユニット120、試料操作ユニット130、光電子検出器140、ガス噴霧ノズル150が配置されて成る。真空チャンバ110は図示しない排気装置により超高真空(1×10−5Pa以下)に減圧される。光源ユニット120は、必要に応じて紫外光、X線等の種々の光Lを試料200の表面に照射する。試料操作ユニット130は、試料ステージ132およびXYZステージコントローラー134から成る。光電子検出器140は、光Lを照射された試料200の表面から放出される光電子Pを検出し、試料200の表面の観察対象領域における光電子Pのエネルギー値の分布を画像化する。ガス噴霧ノズル150は図示の例では第1ノズル150A、第2ノズル150Bの2基設けてあり、2種類のガスを同時に試料200の表面に噴霧できる。試料200の表面にガスが吸着すると、光照射によって励起される光電子のエネルギー値が変化し、これを画像のコントラストとして表示する(表示装置は図示していない)。
【0014】
図2に、本発明の試料を示す。図2(A)は試料の上面から見た平面図であり、図2(B)は図2(A)の線B−Bにおける断面図である。
【0015】
図示した光電子顕微鏡用ガス反応観察試料200は、触媒金属等から成る基板202の表面に、中心部にガス反応領域を規定する反応窓Wを持つ薄膜204を備えている。ただし、一体として図示した薄膜204は、実際には外周と内周の2層構造になっている。
【0016】
図3に試料200の中央部を拡大して詳細に示す。すなわち、図2に一括表示した薄膜204は、開口Hを持つ外周薄膜204Aと、この開口Hに内接し反応窓Wを持つ環状の内周薄膜204Bとの2層から成る。外周薄膜204Aは外周薄膜204Aおよび内周薄膜204Bの材質は、電気陰性度の大きさが、基板202>内周薄膜204B>外周薄膜204Aの関係になるように選択する。
【0017】
上記に規定した電気陰性度の関係は、基板202上で2種のガスG1とG2を反応させる際に、第1のガスG1(CO等の還元性ガス(不完全燃焼ガス))は基板202に吸着されるが、第2のガスG2(O等の酸化性ガス)は基板202に吸着され難く薄膜204に吸着される場合を想定したものである。第2ガスG2との親和力の大きさは、電気陰性度の関係の逆で、外周薄膜204A>内周薄膜204B>基板202の関係になる。
【0018】
実際に光電子顕微鏡観察を行なうには、図1のガス噴霧ノズル150のうち第1ノズル150Aから第1ガスG1(CO等)を基板202の表面に噴霧して吸着させ、第2ノズル150Bから第2ガスG2(O等)を外周薄膜204Aの表面に噴霧して吸着させる。外周薄膜204Aに吸着した第2ガスG2は下記のメカニズムで移動し、内周薄膜204Bの反応窓Wに達し、反応窓W内に露出している基板202の表面に吸着している第1ガスG1(CO等)と反応する。
【0019】
第2ガスG2が移動するメカニズムは下記のとおりである。すなわち、外周薄膜204Aに吸着した第2ガスG2(O等)と、基板202に吸着した第1ガスG1は反応性が高いため互いに引き寄せ合おうとする。ここで、第2ガスG2の分子のうち、外周薄膜204Aに直接吸着している部分は強い吸着力に拘束されて移動することが困難である。しかし一般に、第2ガスG2の分子は外周薄膜204A上に積み重なって吸着され、積み重なりの上層ほど第2ガス分子G2の外周薄膜204Aに対する吸着力が弱くなる。内周薄膜204Bは直接吸着については外周薄膜204Aに比べて第2ガスG2との吸着力が弱いが、外周薄膜204Aとの吸着力の弱い上層の第2ガス分子G2は、外周薄膜204Aによる吸着力よりも内周薄膜204による吸着力の方が大きくなるため、外周薄膜204Aから内周薄膜204B上に移動して吸着する。
【0020】
第2ガスG2の分子は更に、内周薄膜204Bの反応窓W内に露出している基板202表面に吸着している第1ガスG1の分子との親和力により引き付けられて内周薄膜204B表面を移動して反応窓Wの内壁面に達し、基板202表面上の第1ガスG1分子と反応する。
【0021】
反応開始位置Rは、内周薄膜204Bの内壁面と基板202表面との界面付近であるが、一旦反応が開始すると、引き続き外周薄膜204Aと内周薄膜204Bを経由して供給される第2ガス分子G2と基板202表面の第1ガス分子G1との反応は、反応窓Wの対岸(図3(B)で反応窓Wの右端)にまで進行し、結局、基板202表面の反応窓W内に露出している部分全体で反応が起きる。
【0022】
このような反応の伝播をし易くするために、反応窓Wは円形とすることが望ましい。すなわち、反応窓Wを円形とすることで、外周薄膜204Aに吸着した第1ガスG1は、内周薄膜204Bに移動する過程で基板202の円形露出領域の中心方向に向かって移動する確率が高くなるため、基板202に吸着した第1ガスG1との反応が起き易くなるという利点がある。
【0023】
このようにして、実際の排気ガス浄化用触媒における、触媒担体を経由して触媒金属表面に到達するガスの反応を光電子顕微鏡内で再現できる。
【0024】
外周薄膜204Aおよび内周薄膜204Bは多孔質材料から成ることが望ましい。特に細孔径10〜50nm程度のいわゆるメソポーラスとすることが望ましい。更に、外周薄膜204Aと内周薄膜204Bの細孔同士が互いに50%以上連通していることが望ましい。これにより、外周薄膜204Aの表面だけでなく内部にも第2ガスG2が吸着し、薄膜204A、204Bの表面だけでなく内部を通して移動することができる。これにより、反応窓Wの内壁面に達する第2ガスG2の量が大幅に増大し、基板202上の第1ガスG1との反応が促進される。これにより単位時間当たりの反応量が増大するため、光電子顕微鏡観察における画像分解能が向上し、より明瞭なガス反応像が得られる。
【実施例】
【0025】
〔実施例1〕
Au(111)単結晶基板202(直径5mmφ、厚さ1mm)の表面上に、外周薄膜204AとしてセリアCeO薄膜(厚さ100〜500nm)を蒸着法により形成した。その際、中央部分にマスキングを施して、中央部に未蒸着部分として開口H(直径200〜700μm)を残した。
【0026】
次に、内周薄膜204BとしてTiO薄膜8(厚さは外周薄膜204Aと同じ)を蒸着法で形成した。その際、外周薄膜204Aの全体と開口H内に露出している基板202の中央部分にマスキングを施したことにより、内周薄膜204Bは、外周薄膜204Aの開口Hに内接し、中央部に反応窓W(直径100〜500μm)が開いた形状とした。
【0027】
以上により、本発明による光電子顕微鏡用ガス反応観察試料200が得られた。
【0028】
この試料200を図1に示したように光電子顕微鏡100内の試料ホルダー132に取り付けた。
【0029】
試料200を120〜160℃に加熱した状態で、ガス噴霧ノズル150のうち第1ノズル150AからはCOガスを反応窓W内の基板202露出表面へ、第2ノズル150BからはOガスを外周薄膜204A表面へ、それぞれ0.01〜0.1ml/minの範囲内の種々の流量で噴霧しつつ、反応像を観察した。
【0030】
その結果、2種のガスの合計流量が0.04〜0.05ml/minの場合に、COガスとOガスの反応する様子が、リアルタイムの動画として明瞭なコントラストで観察できた。図4に、観察された画像の一例をスケッチとして示す。黒色部がOガス、白色部がCOガスであり、両者の反応が白矢印で示した方向へ移動していた。画像分解能は約100nmと良好であった。
〔実施例2〕
Au(111)単結晶基板202(直径5mmφ、厚さ1mm)の表面上に、外周薄膜204Aとしてメソポーラスな細孔を持つセリアCeO薄膜(厚さ500〜1000nm)を蒸着法により形成した。その際、中央部分にマスキングを施して、中央部に未蒸着部分として開口H(直径200〜700μm)を残した。
【0031】
次に、内周薄膜204Bとしてメソポーラスな細孔を持つTiO薄膜8(厚さは外周薄膜204Aと同じ)を蒸着法で形成した。その際、外周薄膜204Aの全体と開口H内に露出している基板202の中央部分にマスキングを施したことにより、内周薄膜204Bは、外周薄膜204Aの開口Hに内接し、中央部に反応窓W(直径100〜500μm)が開いた形状とした。
【0032】
ここで、各薄膜204A、204Bをメソポーラス膜とするために下記のように形成した。
【0033】
すなわち、外周薄膜204Aは下記のようにした作成した。先ず、界面活性剤の水溶液にCeのアルコキシドを混合した溶液を作成した。界面活性剤の水溶液に対するCeアルコキシド化合物濃度は5〜20wt%とした。作成した溶液を、中央部にマスキングを施したAu単結晶板にディッピングした後、500〜550℃での焼成により重合させ、次いで乾燥を行なうことにより形成した。
【0034】
次いで、内周薄膜204Bは下記のようにして作成した。すなわち、外周薄膜204Aと同じく界面活性剤の水溶液に、この場合はTiのアルコキシドを混合した溶液を作成した。界面活性剤の水溶液に対するTiアルコキシド化合物濃度は5〜20wt%とした。作成した溶液を用いてディッピング後、450〜500℃での焼成により重合させ、次いで乾燥を行うことにより形成した。その際、上記のとおり外周薄膜204Aの全体と開口H内に露出している基板202の中央部分にマスキングを施した。
【0035】
次いで、界面活性剤のみを除去する溶液に浸漬して界面活性剤を除去した後、熱処理と乾燥とを行ってメソポーラス膜を得た。
【0036】
以上により、本発明の望ましい形態による光電子顕微鏡用ガス反応観察試料200が得られた。
【0037】
得られた試料200の薄膜204A、204Bについて透過電子顕微鏡(TEM)観察および窒素吸着細孔分布計測を行なった。その結果、細孔径は10〜50nmであること、外周薄膜204Aと内周薄膜204Bの細孔同士は50%以上が連通してことが確認された。
【0038】
試料200を120〜160℃に加熱した状態で、ガス噴霧ノズル150のうち第1ノズル150AからはCOガスを反応窓W内の基板202露出表面へ、第2ノズル150BからはOガスを外周薄膜204A表面へ、それぞれ0.01〜0.1ml/minの範囲内の種々の流量で噴霧しつつ、反応像を観察した。
【0039】
その結果、2種のガスの合計流量が0.02〜0.03ml/minの場合に、COガスとOガスの反応する様子が、リアルタイムの動画として明瞭なコントラストで観察できた。観察された図4にスケッチを示したのと同様な画像で、更に鮮明であった。画像分解能は約50nmであり、実施例1よりも更に良好であった。
【0040】
〔比較例1〕
比較のため、従来行なわれていたように薄膜204を形成しないAu(111)単結晶板を用いて、実施例1、2と同様な観察を行なったが、反応は全く観察されなかった。これはOガスがAu基板に吸着しないためであると考えられる。
【0041】
確認実験として、実際にOガスを導入後、光電子分光法(XPS)で元素分析を行なった結果、Oの増加は認められなかった。一方、COを導入した場合には、CとOの増加が確認された。
【0042】
〔比較例2〕
比較のため、外周薄膜204Aのみを形成して同様な観察を行なったところ、反応は僅かに観察されたが、非常に不鮮明であり、実用に適さなかった。これは内周薄膜204Bが伴わないため、外周薄膜204Aに吸着したOガスの移動がほとんど起きないためであると考えられる。
【0043】
図5に、実施例1、2および比較例の観察における画像分解能を対比して示す。
【0044】
薄膜204を形成しない比較例1、外周薄膜204Aのみを形成した比較例2ともに実用上必要な画像分解能は全く得られない。
【0045】
これに対して、2層構造の薄膜204A、204Bを形成した実施例1およびさらに両薄膜204A、204Bをメソポーラス膜として形成した実施例2では、実用的に十分な鮮明画像が得られ、画像分解能はそれぞれ約100nm、約50nmであった。
【0046】
なお、上記の実施例1、2においては、外周薄膜204A/内周薄膜204Bの材質の組み合わせとしてCeO/TiOを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、電気陰性度が基板202>内周薄膜204B>外周薄膜204Aの関係になっていればよい。このような関係が得られる材質は多種多様にあるが、そのうちで、メソポーラス膜を形成することが容易な酸化物が特に適している。そのような酸化物薄膜の組み合わせの例として、上記実施例も含めて列挙すると、CeO/TiO、CeO/Al、CeO/ZrO、La/TiO、La/Al、La/ZrOが挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、光電子顕微鏡内において、基板表面に直接吸着するガスと、先ず他の媒体に吸着した後に基板表面に移動供給されるガスとの反応を観察できる光電子顕微鏡用ガス反応観察試料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の試料を用いる光電子顕微鏡の基本構造を示す銃断面図である。
【図2】図2は、本発明の試料の(A)上面図および(B)断面図である。
【図3】図3は、図2に示した本発明の試料の中央部を拡大して示す(A)拡大上面図および(B)拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明の試料を用いた光電子顕微鏡観察像の一例を示すスケッチである。
【図5】図5は、本発明による実施例と比較例の画像分解能を比較して示すグラフである。
【符号の説明】
【0049】
100 光電子顕微鏡
110 真空チャンバ
120 光源ユニット
130 試料操作ユニット
132 試料ステージ
134 XYZステージコントローラー
140 光電子検出器
150 ガス噴霧ノズル
150A 第1ノズル
150B 第2ノズル
200 試料
202 基板
204 薄膜
204A 外周薄膜
204B 内周薄膜
L 光
P 光電子
H 開口
W 反応窓
G1 第1ガス(CO等)
G2 第2ガス(O等)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電子顕微鏡内で基板の表面に吸着したガスの反応を観察するための試料であって、
基板の表面に、開口を持ち該開口を除く上記基板全面を覆う外周薄膜と、該開口に内接し上記基板表面のガス反応領域を露出する反応窓を持つ環状の内周薄膜とを備え、電気陰性度の大きさが、基板>内周薄膜>外周薄膜の順であることを特徴とする光電子顕微鏡用ガス反応観察試料。
【請求項2】
請求項1において、上記基板が貴金属から成り、上記外周薄膜および上記内周薄膜が酸化物から成ることを特徴とする光電子顕微鏡用ガス反応観察試料。
【請求項3】
請求項1または2において、上記外周薄膜および上記内周薄膜が多孔質であることを特徴とする光電子顕微鏡用ガス反応観察試料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−308427(P2006−308427A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131604(P2005−131604)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】