説明

免疫調節物質としてのスルホン置換キナゾリン誘導体、これらの調製及び薬剤としての使用

本発明は式(I)のスルホン置換キナゾリン誘導体、これらの調製の方法及び様々な疾患の治療のための薬剤としてのこれらの使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホン置換キナゾリン誘導体、これらの調製のための方法、及び様々な疾患の治療のための薬剤としてのこれらの使用に関する。
【0002】
生物学的背景
過剰反応する免疫系は、例えばリウマチ性関節炎、クローン病、喘息及び多発性硬化症等の様々な慢性炎症性疾患の原因となる。炎症性サイトカインの放出の増加により、内因性組織構造の損傷が生じる。この場合において、先天性及び後天性免疫系の相互作用が最も重要である(Akira他, 2001)。先天性及び/又は後天性免疫系の細胞の活性を阻害する物質による免疫系の調節は、抗炎症性作用を有し、このため、上記の例で言及した疾患における病理学的表現型を軽減することができる。
【0003】
先天免疫は、細菌やウイルス等の微生物が免疫系に認識され、続いて活性化するという手段による特定の固有素性を有するという事実に基づくものである。特定の病原体関連分子パターン(PAMPs)が認識される。PAMPsはパターン認識受容体(PRR)により認識され、Toll様受容体(TLR)も含まれる(Janeway及びMedzhitov, 2002)。TLRはショウジョウバエの受容体タンパク質Tollの相同物である。ヒトは10種類のの異なるTLRを有する。TLR1と6はTLR2の共同受容体である。TLR2は、とりわけ、リポタンパク質とリポペプチドを認識する。TLR3は二本鎖RNAを認識する。TLR4は、とりわけ、グラム陰性細菌のLPSとグラム陽性細菌のリポタイコ酸を認識する。TLR5はフラジェリンを認識する。TLR9は細菌性DANNにおけるCpGモチーフを認識する(O´Neill, 2006)。共同受容体は更にTLRの認識能力を修正することができる(Jiang他, 2005)。
【0004】
IL-1/-18、TLRシグナル伝達
TLRは、シグナル伝送において、IL-1/IL-18サイトカイン受容体に関連する。IL-1(内因性発熱物質)は、炎症を強く刺激し、熱を誘導する。IL-1R/TLRスーパーファミリーのメンバーは、TIRドメインを有する(toll/IL1受容体)。 TIRは約200アミノ酸長であり、3つの保存された配列モチーフを含有する。TIRドメインを有するタンパク質は、タンパク質-タンパク質相互作用の手段により結合する(O´Neill他, 2005)。サブクラス1(IL-1Rファミリー)は、3つのIg様ドメインを含有し;受容体はヘテロ二量体である。これらはIL-1受容体1及び2、共同受容体IL-1RAcP並びにIL-18系の対応するタンパク質を含む。サブクラス2(TLRファミリー)は、ロイシンに富んだモチーフを含有する。Toll様受容体はホモ又はヘテロ二量体を形成する。
【0005】
適切なリガンドによってTLR又はIL-1、-18受容体が活性した後、多段階のシグナルカスケードが発動する。TLR又はIL-1/-18受容体複合体は、TIR/TIR接触によりアダプタータンパク質MyD88と相互作用する。IL-1関連受容体キナーゼ(IRAK-1)には通常、Tollip(Toll相互作用タンパク質)が結合しており、緩和分子(「サイレンサー」)として作用している可能性がある。IRAK/Tollipは活性TLR/IL-1R複合体に結合する。MyD88は、Tollipを置換し、それによりIRAK1及びIRAK-4が活性化し、リン酸転移により二量体としての可能性が高い。活性IRAKは受容体を離れ、細胞質でアダプター分子TRAFに結合する(Barton及びMedzhitov, 2003)。TRAFによって、更なるタンパク質がユビキチン化される。未知の機構により、Ub-TRAFがS/TキナーゼTAK1(MAPキナーゼキナーゼキナーゼ)の自己リン酸化を導く。TAK1はIκB (NF-κB活性)及びMKK6を活性化する。後者は、MAPキナーゼp38及びJNKの活性化の原因となる。NF-κBは、B細胞における抗体軽鎖カッパの発現のための核因子として同定されているが、他の多数の遺伝子の制御にも関与する。NF-κBは細胞質中で不活性状態で保持され、抑制因子であるIκB に結合している(Deng他, 2000)。IκBのリン酸化により、抑制因子であるIkBがタンパク質分解的に分解され、転写因子がコアに移動することができる。NF-κBはサブユニットp65 (Rel) 及びp50 (Bauerle及びHenkel, 1994)のへテロ二量体である。異なる方法で相互さようできるこのファミリーのメンバーが多数存在する。NF-κB自体では、転写を誘導することはできない。遺伝子活性化のためには、例えば、p300又はCBT (Akira及びTakeda, 2004)等の転写共同活性化因子が必要である。
【0006】
次の特許出願の構成は、構成的に明らかな先行技術を形成する:
ベンジルオキシ置換キナゾリン誘導体は次の特許出願において言及されている:WO2006/076246(セリンプロテアーゼの抑制因子)。しかし、ベンジル位置でのアミド側鎖は絶対的に必須である。WO93/17682 (アンジオテンシン-II-受容体アンタゴニスト)。スルホニルが置換基として開示されていない。
【0007】
先行技術から始まり、本発明の目的は、治療、特に免疫修飾のために更なる構造を調製することにある。
【0008】
目的は一般式(I)のスルホン-置換化合物により達成され、
【化1】

ここで、
R1は次を表し:
(i)ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR6-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、 C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるアリール若しくはヘテロアリール環、又は
(ii)ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル若しくはC2-C6-アルキニル基、又は
(iii)ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、 C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されたC3-C8シクロアルキル又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル、
R2は次を表し:
(i)水素、
(ii)ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CF3、-OCF3、-C(O)OR10-C(O)OH、-C(O)NR6R7、-C(S)NR6R7、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、又は
(iii)ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、-CF3、-OCF3又は-NR6R7により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6アルキル又はC1-C6アルコキシ基、又は
(iv)ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、-CF3、-OCF3、-NR6R7及び/又はC1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC3-C8-シクロアルキル環、
R3は次を表し:
各場合において、それ自体がヒドロキシル、-C(O)OR10、-C(O)NR6R7、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ、-OCF3及び/又はC1-C6-アルキルにより同一又は異なるように随意に単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル又はC2-C6-アルキニル基、C3-C7-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環へテロアリール環、
X、Yは互いに独立して-O- 又は基-NR4-を表し、
Aは、ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-C(O)NR6R7、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるアリール又はヘテロアリール環を表し、
Nは1〜6を表し、
R4は次を表し:
(i)水素、
(ii)C1-C6-アルキル基、C3-C8-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又はヘテロアリール環、又は
(iii)-C(O)-(C1-C6)-アルキル、-C(O)-フェニル又は-C(O)-ベンジルであり、(ii)及び(iii)は、ヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換され、或いは
Xが-NR4-を表す場合、X、R1及びR4は一緒に、窒素原子に加えて随意に1つ以上のヘテロゲン原子を含有し、ヒドロキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、-C(O)R10、-SO2R10、ハロゲン又は基-NR8R9により随意に同一又は異なるように一又は多置換され、随意に1〜3個の二重結合を含有し、及び/又は1つ以上の-C(O)-基によって随意に中断される3〜8員環を形成し、
R5は水素又はC1-C6-アルキル基を表し、
R6及びR7は互いに独立して次を表し:
(i)水素及び/又は
(ii)C1-C6-アルキル基、C2-C6-アルケニル、C3-C8-シクロアルキル及び/又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又はヘテロアリール環、これらはヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換され、
R6及びR7は窒素原子に加えて、随意に1又は2個の更なるヘテロ原子を含有し、ヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により同一又は異なるように単置換又は多置換できる5〜7員環を窒素原子と共に形成し、
R8及びR9は、互いに独立して、水素若しくはヒドロキシル又はハロゲンにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基を表し、
R10は、各場合において、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-NR6R7、C1-C6-アルキル、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意にそれ自体が同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル又はC2-C6-アルキニル基、C3-C8-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を表し、
及びそれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【0009】
次の定義は本発明の根底にある。
【0010】
Cn-アルキル:
n個の炭素原子を有する、一価の直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素基。
C1-C6アルキル基は、とりわけ、例えば次を含む:メチル-、エチル-、プロピル-、ブチル-、ペンチル-、ヘキシル-、イソプロピル-、イソブチル-、s-ブチル-、t-ブチル-、イソペンチル-、2-メチルブチル-、1-メチルブチル-、1-エチルプロピル-、1,2-ジメチルプロピル、ネオペンチル-、1,1-ジメチルプロピル-、4-メチルペンチル-、3-メチルペンチル-、2-メチルペンチル-、1-メチルペンチル-、2-エチルブチル-、1-エチルブチル-、3,3-ジメチルブチル-、2,2-ジメチルブチル-、1,1-ジメチルブチル-、2,3-ジメチルブチル-、1,3-ジメチルブチル-、1,2-ジメチルブチル-。
メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基が好ましい。
【0011】
Cn-アルケニル:
n個の炭素原子と少なくとも1つの二重結合を有する一価の直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素基。
C2-C6アルケニル基は、とりわけ、例えば次を含む:ビニル-、アリル-、(E)-2-メチルビニル-、(Z)-2-メチルビニル-、ホモアリル-、(E)-ブタ-2-エニル-、(Z)-ブタ-2-エニル-、(E)-ブタ-1-エニル-、(Z)-ブタ-1-エニル-、ペンタ-4-エニル-、(E)-ペンタ-3-エニル-、(Z)-ペンタ-3-エニル-、(E)-ペンタ-2-エニル-、(Z)-ペンタ-2-エニル-、(E)-ペンタ-1-エニル-、(Z)-ペンタ-1-エニル-、へキサ-5-エニル-、(E)-へキサ-4-エニル-、(Z)-へキサ-4-エニル-、(E)-へキサ-3-エニル-、(Z)-へキサ-3-エニル-、(E)-へキサ-2-エニル-、(Z)-へキサ-2-エニル-、(E)-へキサ-1-エニル-、(Z)-へキサ-1-エニル-、イソプロペニル-、2-メチルプロパ-2-エニル-、1-メチルプロパ-2-エニル-、2-メチルプロパ-1-エニル-、(E)-1-メチルプロパ-1-エニル-、(Z)-1-メチルプロパ-1-エニル-、3-メチルブタ-3-エニル-、2-メチルブタ-3-エニル-、1-メチルブタ-3-エニル-、3-メチルブタ-2-エニル-、(E)-2-メチルブタ-2-エニル-、(Z)-2-メチルブタ-2-エニル-、(E)-1-メチルブタ-2-エニル-、(Z)-1-メチルブタ-2-エニル-、(E)-3-メチルブタ-1-エニル-、(Z)-3-メチルブタ-1-エニル-、(E)-2-メチルブタ-1-エニル-、(Z)-2-メチルブタ-1-エニル-、(E)-1-メチルブタ-1-エニル-、(Z)-1-メチルブタ-1-エニル-、1,1-ジメチルプロパ-2-エニル-、1-エチルプロパ-1-エニル-、1-プロピルビニル-、1-イソプロピルビニル-、4-メチルペンタ-4-エニル-、3-メチルペンタ-4-エニル-、2-メチルペンタ-4-エニル-、1-メチルペンタ-4-エニル-、4-メチルペンタ-3-エニル-、(E)-3-メチルペンタ-3-エニル-、(Z)-3-メチルペンタ-3-エニル-、(E)-2-メチルペンタ-3-エニル-、(Z)-2-メチルペンタ-3-エニル-、(E)-1-メチルペンタ-3-エニル-、(Z)-1-メチルペンタ-3-エニル-、(E)-4-メチルペンタ-2-エニル-、(Z)-4-メチルペンタ-2-エニル-、(E)‐3‐メチルペンタ-2-エニル-、(Z)-3-メチルペンタ-2-エニル-、(E)-2-メチルペンタ-2-エニル-、(Z)-2-メチルペンタ-2-エニル-、(E)-1-メチルペンタ-2-エニル-、(Z)-1-メチルペンタ-2-エニル-、(E)-4-メチルペンタ-1-エニル-、(Z)-4-メチルペンタ-1-エニル-、(E)-3-メチルペンタ-1-エニル-、(Z)-3-メチルペンタ-1-エニル-、(E)-2-メチルペンタ-1-エニル-、(Z)-2-メチルペンタ-1-エニル-、(E)-1-メチルペンタ-1-エニル-、(Z)-1-メチルペンタ-1-エニル-, 3-エチルブタ-3-エニル-、2-エチルブタ-3-エニル-、1-エチルブタ-3-エニル-、(E)-3-エチルブタ-2-エニル-、(Z)-3-エチルブタ-2-エニル-、(E)-2-エチルブタ-2-エニル-、(Z)-2-エチルブタ-2-エニル-、(E)-1-エチルブタ-2-エニル-、(Z)-1-エチルブタ-2-エニル-、(E)-3-エチルブタ-1-エニル-、(Z)-3-エチルブタ-1-エニル-、2-エチルブタ-1-エニル-、(E)-1-エチルブタ-1-エニル-、(Z)-1-エチルブタ-1-エニル-、2-プロピルプロパ-2-エニル-、1-プロピルプロパ-2-エニル-、2-イソプロピルプロパ-2-エニル-、1-イソプロピルプロパ-2-エニル-、(E)-2-プロピルプロパ-1-エニル-、(Z)-2-プロピルプロパ-1-エニル-、(E)-1-プロピルプロパ-1-エニル-、(Z)-1-プロピルプロパ-1-エニル-、(E)-2-イソプロピルプロパ-1-エニル-、(Z)-2-イソプロピルプロパ-1-エニル-、(E)-1-イソプロピルプロパ-1-エニル-、(Z)-1-イソプロピルプロパ-1-エニル-、(E)-3,3-ジメチルプロパ-1-エニル-、(Z)-3,3-ジメチルプロパ-1-エニル-、1-(1,1-ジメチルエチル)エテニル。
ビニル又はアリル基が好ましい。
【0012】
Cn-アルキニル:
n個の炭素原子と少なくとも1つの三重結合を有する一価の直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素基。
C2-C6アルキニル基は、とりわけ、例えば次を含む:エチニル-、プロパ-1-イニル-、プロパ-2-イニル-、ブタ-1-イニル-、ブタ-2-イニル-、ブタ-3-イニル-、ペンタ-1-イニル-、ペンタ-2-イニル-、ペンタ-3-イニル-、ペンタ-4-イニル-、へキサ-1-イニル-、へキサ-2-イニル-、へキサ-3-イニル-、へキサ-4-イニル-、へキサ-5-イニル-、1-メチルプロパ-2-イニル-、2-メチルブタ-3-イニル-、1-メチルブタ-3-イニル-、1-メチルブタ-2-イニル-、3-メチルブタ-1-イニル-、1-エチルプロパ-2-イニル-、3-メチルペンタ-4-イニル、2-メチルペンタ-4-イニル、1-メチルペンタ-4-イニル、2-メチルペンタ-3-イニル、1-メチルペンタ-3-イニル、4-メチルペンタ-2-イニル、1-メチルペンタ-2-イニル、4-メチルペンタ-1-イニル、3-メチルペンタ-1-イニル、2-エチルブタ-3-イニル-、1-エチルブタ-3-イニル-、1-エチルブタ-2-イニル-、1-プロピルプロパ-2-イニル-、1-イソプロピルプロパ-2-イニル-、2,2-ジメチルブタ-3-イニル-、1,1-ジメチルブタ-3-イニル-、1,1-ジメチルブタ-2-イニル-又は3,3-ジメチルブタ-1-イニル-。
エチニル、プロパ-1-イニル-又はプロパ-2-イニル基が好ましい。
【0013】
Cn-シクロアルキル:
n個の炭素原子を有する一価の環状の炭化水素。
C3-C7-シクロアルキル環は次を含む:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチル。
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル環が好ましい。
【0014】
Cn-アルコキシ:
R=アルキルを有する式-ORの直鎖又は分枝鎖Cn-アルキルエーテル基。
【0015】
アリール
アリールとは、一価のヘテロ原子なしの芳香族環系である。
C6-アリールはフェニルと同等であり、C10-アリールはナフチルと同等である。
他に明記されない限り、アリールはフェニル及びナフチルのみを含む。
フェニルが好ましい。
【0016】
ヘテロ原子
ヘテロ原子は酸素、窒素又は硫黄原子の意味として理解されよう。
【0017】
ヘテロアリール
ヘテロアリールとは、炭素とはことなる少なくとも1つのへテロ原子を有する、一価の芳香族環系である。存在することのできるヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子である。原子価結合は、任意の所望する芳香族炭素原子又は窒素原子上でできる。
【0018】
他に明記されない限り、ヘテロアリールは単環及び二環のみを含む。
【0019】
本発明の単環式へテロアリール環は5又は6個の環原子を有する。
【0020】
5個の環原子を有するヘテロアリール環は、例えば次の環を含む:
チエニル、チアゾリル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル及びチアジアゾリル。
【0021】
6個の環原子を有するヘテロアリール環は、例えば次の環を含む:
ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニル。
【0022】
本発明の二環式へテロアリール環は9又は10個の環原子を有する。
【0023】
9個の環原子を有するヘテロアリール環は、例えば次の環を含む:
フタリジル、チオフタリジル、インドリル、イソインドリル、 インダゾリル、ベンゾチアゾリル、インドロニル、イソインドロニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、アゾシニル、インドリジニル、プリニル。
【0024】
10個の環原子を有するヘテロアリール環は、例えば次の環を含む:
イソキノリニル-、キノリニル-、ベンゾオキサジノニル-、フタラジノニル、キノロニル-、イソキノロニル-、キナゾリニル-、キノキサリニル-、シノリニル-、フタラジニル-、1,7-又は1,8-ナフチリジニル-、キノリニル-、イソキノリニル-、キナゾリニル-又はキノキサリニル-。
【0025】
5又は6個の環原子を有する単環式へテロアリール環が好ましい。
【0026】
ヘテロシクリル
本発明の意味において、ヘテロシクリルとは、完全に水素化したヘテロアリール(完全に水素化したヘテロアリール=飽和へテロシクリル)、即ち、炭素とは異なる少なくとも1つのへテロ原子を有する非芳香族環系である。
存在することのできるヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子である。原子価結合は任意の所望する炭素原子又は窒素原子上でできる。
3個の環原子を有するヘテロシクリル環は、例えば次を含む:
アジリジニル。
4個の環原子を有するヘテロシクリル環は、例えば次を含む:
アゼチジニル、オキセタニル。
5個の環原子を有するヘテロシクリル環は、例えば、次の環を含む:
ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル及びテトラヒドロフラニル。
6個の環原子を有するヘテロシクリル環は、例えば、次の環を含む:
ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル及びチオモルホリニル。
7個の環原子を有するヘテロシクリル環は、例えば次を含む:
アゼパニル、オキセパニル、[1,3]-ジアゼパニル、[1,4]-ジアゼパニル。
8個の環原子を有するヘテロシクリル環は、例えば次を含む:
オキソカニル、アゾカニル。
他に明記されない限り、ヘテロシクリルは3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環を意味する。
【0027】
ハロゲン
指定するハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。
一般式(I)の化合物は、好ましいサブグループを形成し、ここで、
R1は次を表し:
(i)ヒドロキシル、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-NR5-C(O)R10、-OCF3、-CF3, C1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるヘテロアリール環、又は
(ii)ヒドロキシル、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-NR5-C(O)R10、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基、又は
(iii)3〜8個の環原子を有し、ヒドロキシル、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、 C1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC3-C8シクロアルキル又はヘテロシクリル環、
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、-C(O)OR10、-C(O)OH、-C(O)NR6R7を表すか、又はハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、-CF3、-OCF3 又は-NR6R7により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されたC1-C6-アルキル又はC1-C6-アルコキシを表し、
R3は随意にそれ自体が、ヒドロキシル、-C(O)OR10、-C(O)NR6R7、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ、-OCF3及び/又はC1-C6-アルキルにより同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基又はC3-C7-シクロアルキル環を表し、
Xは、基-NR4-を表し、
Yは、-O-又は基-NR4-を表し、
Aは、ヒドロキシル、-NR6R7、-C(O)NR6R7、シアノ、ハロゲ、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、 -CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるアリール又はヘテロアリール環を表し、
nは1〜5を表し、
R4は、各場合において随意にヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により同一又は異なるように単置換又は多置換される水素、C1-C6-アルキル基、C3-C8-シクロアルキル環又は-C(O)-(C1-C6)-アルキルを表し、
R5は水素又はC1-C6-アルキル基を表し、
R6及びR7は、互いに独立して次を表し:
(i)水素及び/又は
(ii)ヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基、C3-C8-シクロアルキル及び/又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又はヘテロアリール環、
R8及びR9は、互いに独立して、水素又はC1-C3-アルキル基を表し、
R10は、各場合において随意にそれ自体が、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-NR6R7、C1-C6-アルキル、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C3-アルキル、C3-C8-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル又はヘテロアリール環を表し、並びに
それらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【0028】
一般式(I)の化合物はより好ましいサブグループを形成する。ここで、
R1は、ヒドロキシルにより随意に置換されるヘテロアリールを表し、又は-NR6R7又はC1-C6-アルコキシにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基又はC3-C8シクロアルキル環を表し、
R2は水素、ハロゲン-C(O)OR10、-C(O)OH又はC1-C6-アルコキシ基を表し、
R3はC1-C6-アルキル基を表し、
Xは-NH-を表し、
Yは-O-を表し、
Aはアリール環を表し、
nは1〜4を表し、
R6及びR7は、互いに独立して、水素又はC1-C6-アルキル基を表し、
R10は、各場合においてそれ自体が随意にニトロにより置換されるC1-C3-アルキル基又はアリール環を表し、
並びにそれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【0029】
一般式(I)の化合物も同様により好ましいサブグループを形成する。ここで、
R1は次を表し:
(i)ヒドロキシル、-NR5-C(O)-R10、シアノ、C1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換される単環のヘテロアリール環、又は
(ii)ヒドロキシル、-NR6R7、C1-C6-アルコキシ及び/又はC3-C6-シクロアルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基、又は
(iii)C3-C8シクロアルキル環、
R2は水素、ハロゲン、シアノ、-C(O)OR10、-C(O)OH又はC1-C6-アルコキシ基を表し、
R3はC1-C6-アルキル基を表し、
Xは-NH-を表し、
Yは-O-又は-NH-を表し、
Aはフェニル又は単環のヘテロアリール環を表し、
nは1〜4を表し、
R5は水素を表し、
R6及びR7は、互いに独立して、水素又はC1-C6-アルキル基を表し、そして
R10は各場合においてそれ自体がニトロにより随意に置換されるC1-C6-アルキル基又はフェニル環を表し、
並びにそれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【0030】
一般式(I)の化合物は特に好ましいサブグループを形成する。ここで、
R1はヒドロキシル、-NR6R7、C1-C6-アルコキシ及び/又はC3-C6-シクロアルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基を表し、
R2は水素、ハロゲン、シアノ又はC1-C6-アルコキシ基を表し、
R3はC1-C6-アルキル基を表し、
Xは-NH-を表し、
Yは-O-又は-NH-を表し、
Aはフェニル又は単環式ヘテロアリール環を表し、
nは1又は2を表し、そして
R6及びR7は、互いに独立して、水素又はC1-C3-アルキル基を表し、
並びにそれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【0031】
一般式(I)の化合物は非常に好ましいサブグループを形成する。ここで、
R1はC1-C3-アルキル基を表し、
R2はハロゲン又はC1-C6-アルコキシ基を表し、
R3はC1-C3-アルキル基を表し、
Xは-NH-を表し、
Yは-O-を表し、
Aはフェニル環を表し、そして
nは1を表し、
並びにそれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【0032】
一般式(I)において、R1は次を表すことができる:
(i)ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR6-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるアリール又はヘテロアリール環、又は
(ii)ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル又はC2-C6-アルキニル、又は
(iii)ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC3-C8シクロアルキル又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環。
【0033】
R1は次を表すのが好ましい:
(i)ヒドロキシル、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-NR5-C(O)R10、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるヘテロアリール環、又は
(ii)ヒドロキシル、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-NR5-C(O)R10、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように一又は多置換されるC1-C6-アルキル基、又は
(iii)ヒドロキシル、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC3-C8シクロアルキル又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環。
【0034】
R1は次を表すのがより好ましい:
(i)ヒドロキシル、-NR5-C(O)-R10、シアノ、C1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換される単環式ヘテロアリール環、又は
(ii)ヒドロキシル、-NR6R7、C1-C6-アルコキシ及び/又はC3-C6-シクロアルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基、又は
(iii)C3-C8シクロアルキル環。
【0035】
同様に、R1は次を表すのが好ましい:
ヒドロキシルにより随意に置換されるヘテロアリール環、又は-NR6R7又はC1-C6-アルコキシにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基又はC3-C8シクロアルキル環。
【0036】
特に好ましくは、R1は、R6及びR7が互いに独立して水素又はC1-C3アルキル基を表す、ヒドロキシル、-NR6R7、C1-C6-アルコキシ及び/又はC3-C6-シクロアルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基を表す。
【0037】
非常に好ましくは、R1はC1-C3アルキル基を表す。
【0038】
一般式(I)において、R2は次を表すことができる:
(i)水素
(ii)ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CF3、-OCF3、-C(O)OR10、-C(O)OH、-C(O)NR6R7、-C(S)NR6R7、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、又は
(iii)ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、-CF3、-OCF3又は-NR6R7により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル又はC1-C6-アルコキシ基、又は
(iv)ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、-CF3、-OCF3、-NR6R7及び/又はC1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC3-C8-シクロアルキル環。
【0039】
好ましくは、R2は次を表す:
水素、ハロゲン、シアノ、-C(O)OR10、-C(O)OH、-C(O)NR6R7であるか又はハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、-CF3、-OCF3又は-NR6R7により、随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル又はC1-C6-アルコキシ基。
【0040】
より好ましくは、R2は次を表す:
水素、ハロゲン、シアノ、-C(O)OR10、-C(O)OH又はC1-C6-アルコキシ基。
【0041】
より好ましくは、R2は次も表す:
水素、ハロゲン、-C(O)OR10、-C(O)OH又はC1-C6-アルコキシ基。
【0042】
特に好ましくは、R2は水素、ハロゲン、シアノ又はC1-C6-アルコキシ基を表す。
【0043】
非常に好ましくは、R2はハロゲン又はC1-C6-アルコキシ基を表す。
【0044】
一般式(I)において、R3は次を表すことができる:
各場合において、それ自体がヒドロキシル、-C(O)OR10、-C(O)NR6R7、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ、-OCF3及び/又はC1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル又はC2-C6-アルキニル基、C3-C7-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式ヘテロアリール環。
【0045】
好ましくは、R3は次を表す:
ヒドロキシル、-C(O)OR10、-C(O)NR6R7、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ、-OCF3及び/又はC1-C6-アルキルによりそれ自体が随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基又はC3-C7-シクロアルキル環。
【0046】
特に好ましくは、R3はC1-C6-アルキル基を表す。
【0047】
非常に好ましくは、R3はC1-C3-アルキル基を表す。
【0048】
一般式(I)において、X及びYは、互いに独立して、-O-又は基-NR4-を表す。
【0049】
好ましくは、Xは基-NR4-を表す。
特に好ましくは、Xは-NH-を表す。
【0050】
好ましくは、Yは-O-又は基-NR4-を表す。
特に好ましくは、Yは-O-又は-NH-を表す。
非常に好ましくは、Yは-O-を表す。
【0051】
一般式(I)において、Aは次を表すことができる:
ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-C(O)NR6R7、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより、随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるアリール又はヘテロアリール環。
【0052】
好ましくは、Aは次を表す:
ヒドロキシル、-NR6R7、-C(O)NR6R7、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより、随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるアリール又はヘテロアリール環。
【0053】
より好ましくは、Aはアリール環を表す。
【0054】
特に好ましくは、Aはフェニル又は単環式ヘテロアリール環を表す。
【0055】
非常に好ましくは、Aはフェニル環を表す。
【0056】
一般式(I)において、nは1〜6を表すことができる。
好ましくは、nは1〜5を表す。
より好ましくは、nは1〜4を表す。
特に好ましくは、nは1又は2を表す。
非常に好ましくは、nは1を表す。
【0057】
一般式(I)において、R4は次を表すことができる。
(i)水素、
(ii)C1-C6-アルキル基、C3-C8-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又はヘテロアリール環、又は
(iii)ヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意に(ii)及び(iii)が同一又は異なるように単置換又は多置換される-C(O)-(C1-C6)-アルキル、-C(O)-フェニル又は-C(O)-ベンジル、 又は
代わりにXが-NR4-を表す場合、随意に、窒素原子に加えて、1つ以上のヘテロ原子を含有し、随意にヒドロキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、-C(O)R10、-SO2R10、 ハロゲン又は基-NR8R9により同一又は異なるように単置換又は多置換され、随意に1〜3個の二重結合を含有し、及び/又は、随意に1つ以上の-C(O)-基により中断される3〜8員環をX、R1及びR4が一緒になって形成する。
【0058】
好ましくは、R4は次を表す:
各場合において、ヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換される水素、C1-C6-アルキル基、C3-C8-シクロアルキル環又は-C(O)-(C1-C6)-アルキル。
【0059】
特に好ましくは、R4は水素を表す。
【0060】
一般式(I)において、R5は水素又はC1-C6-アルキル基を表すことができる。
好ましくは、R5は水素又はC1-C3-アルキル基を表す。
特に好ましくは、R5は水素を表す。
【0061】
一般式(I)において、R6及びR7は、互いに独立して次を表すことができる:
(i)水素及び/又は
(ii)ヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基、C2-C6-アルケニル、C3-C8-シクロアルキル及び/又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロアリール環及び/又はヘテロアリール環、又は
随意に、窒素原子に加えて更なる1又は2個のヘテロ原子を含有し、ヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により同一又は異なるように単置換又は多置換されることができる5〜7員環をR6及びR7が窒素原子と共に形成する。
【0062】
好ましくは、R6及びR7は、互いに独立して次を表す:
(i)水素及び/又は
(ii)ヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基、C3-C8-シクロアルキル及び/又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又はヘテロアリール環。
【0063】
特に好ましくは、R6及びR7は、互いに独立して、水素又はC1-C6-アルキル基を表す。
【0064】
非常に好ましくは、R6及びR7は、互いに独立して、水素又はC1-C3-アルキル基を表す。
【0065】
一般式(I)において、R8及びR9は、互いに独立して、ヒドロキシル又はハロゲンにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換される水素又はC1-C6-アルキル基を表す。
【0066】
好ましくは、R8及びR9は、互いに独立して、水素又はC1-C3-アルキル基を表す。
【0067】
一般式(I)において、R10は次を表すことができる:
各場合において、それ自体がヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-NR6R7、C1-C6-アルキル、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル又はC2-C6-アルキニル基、C3-C8-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又はヘテロアリール環。
【0068】
好ましくは、R10は次を表す:
各場合において、それ自体がヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-NR6R7、C1-C6-アルキル、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C3-アルキル、C3-C8-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又はヘテロアリール環。
【0069】
特に好ましくは、R10は次を表す:
各場合においてそれ自体が随意にニトロにより置換されるC1-C6-アルキル基又はフェニル環。
【0070】
同様に、特に好ましくは、R10は次を表す:
各場合において随意にそれ自体がニトロにより置換されるC1-C3-アルキル基又はアリール環。
置換基の上記した可能な、好ましい、特に好ましい意味の任意の可能な組み合わせにより生じる全ての化合物は、同様に、本発明に包含されるとみなす。
【0071】
本発明の特別な実施形態は、実施例において直接開示される置換基の意味の組み合わせにより生じる化合物にある。
【0072】
化合物の塩も同様に、本発明に包含されるとみなす。
【0073】
医薬調製物をもたらす本発明の化合物の配合は、例えば製剤学において慣例となっている賦形剤を用いて活性化合物又は化合物を所望の投与形態に変換する既知の方法によって行われる。
【0074】
ここで用いることのできる賦形剤として、例えば、ビヒクル、増量剤、崩壊剤、結合剤、保湿剤、潤滑剤、吸収剤及び吸着剤、希釈剤、溶媒、補助溶媒、乳化剤、可溶化剤、矯味薬、着色料、防腐剤、安定剤、湿潤剤、浸透圧を変化させる塩又は緩衝剤が挙げられる。ここで、Remington´s Pharmaceutical Science, 第15版. Mack Publishing Company, East Pennsylvania (1980)を参照するとよい。
【0075】
医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、丸薬、坐薬、カプセル、経皮システムとして固体の形態で、又は、例えば軟膏、クリーム、ジェル、坐薬、乳剤として半固体の形態で、又は例えば、溶液、チンキ剤、懸濁液又は乳剤として液体の形態で存在することができる。
【0076】
本発明の意味の中で賦形剤は、例えば、塩、糖(単糖、二糖、三糖、オリゴ糖及び又は多糖)、タンパク質、アミノ酸、ペプチド、脂肪、ワックス、油、炭化水素及びそれらの誘導体とすることができ、賦形剤は天然由来又は合成もしくは部分的合成により得ることができる。
【0077】
錠剤、コーティング錠、カプセル、丸薬、粉薬、顆粒剤、香錠、懸濁液、乳濁液又は溶液は、特に、口又は経口投与に好適である。懸濁液、乳濁液及び特に溶液は、特に、非経口投与に好適である。
【0078】
これらの抗炎症性及び加えて免疫抑制作用により、本発明の一般式(I)の化合物は、哺乳類及びヒトにおいて次の病状の治療又は予防のための薬剤として、局所及び全身投与に用いることができる:
(i)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する肺疾患:
−任意の起源の慢性閉塞性肺疾患、特に気管支喘息
−様々な起源の気管支炎
−成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、急性呼吸促迫症候群
−気管支拡張症
−全ての形態の拘束性肺疾患、特にアレルギー性肺胞炎、
−肺水腫、特にアレルギー性
−サルコイドーシス及び肉芽腫症、特にベック病
【0079】
(ii)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与するリウマチ性疾患/自己免疫疾患/関節疾患:
−全ての形態のリウマチ性疾患、特に、関節リウマチ、急性リウマチ熱、リウマチ性多発筋痛、ベーチェット病
−反応性関節炎
−他の起源の炎症性軟組織疾患
−変形性関節疾患(関節症)における関節炎の症状
−白斑
−任意の由来の膠原病、例えば、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発筋炎、皮膚筋炎-シェーグレン症候群、スティル病、フェルティ症候群
−サルコイドーシス及び肉芽腫症
−軟組織リウマチ
【0080】
(iii)炎症性及び/又は増殖性の過程に関与するアレルギー又は偽アレルギー疾患:
−全ての形態のアレルギー反応、例えば、クインケ浮腫、枯草熱、刺咬症、薬剤に対するアレルギー反応、血液製剤、造影剤等、アナフィラキシーショック、蕁麻疹、アレルギー性及び刺激性接触皮膚炎、アレルギー性血管疾患
−アレルギー性血管炎
【0081】
(iv)血管炎症(血管炎)
−汎動脈炎性多発動脈炎、側頭動脈炎、リンパ節症
−結節性多発動脈炎
−ウェゲナー肉芽腫症
−巨細胞動脈炎
【0082】
(v)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する皮膚病
−アトピー性皮膚炎(特に子供において)
−全ての形態の皮膚炎、例えば、アトピー性湿疹等(特に子供において)
−任意の起源の発疹又は皮膚病
−乾癬及び乾癬性障害
−毛孔性紅色粃糠疹
−例えば、光線、化学物質、焼成等の異なる病毒により引き起こされる紅斑病
−水疱症、例えば、自己免疫性尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡等
−苔癬様種類の疾患
−掻痒(例えば、アレルギー性起源のもの)
−酒さ性障害
−スティーブンス・ジョンソン症候群
−血管疾患の兆候
−円形脱毛症等の脱毛
−皮膚リンパ腫
【0083】
(vi)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する腎疾患:
−ネフローゼ症候群
−全ての腎炎、例えば糸球体腎炎
【0084】
(vii)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する肝疾患:
−様々な由来の急性肝炎
−慢性侵攻性(chronic aggressive)及び/又は慢性断続的(chronic intermittent)肝炎
【0085】
(viii)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する胃腸疾患
−限局性腸炎(クローン病)
−潰瘍性大腸炎
−様々な由来の胃腸炎、例えば地方病性スプルー(endemic sprue)
【0086】
(ix)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する眼疾患:
−アレルギー性角膜炎、ブドウ膜炎、虹彩炎
−結膜炎
−眼瞼炎
−視神経炎
−脈絡膜炎
−交感性眼炎
【0087】
(x)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する耳鼻咽喉科領域の疾患:
−アレルギー性鼻炎、枯草熱
−例えば接触性湿疹により引き起こされる外耳炎
【0088】
(xi)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する神経系疾患:
−脳浮腫、特にアレルギー性脳浮腫
−多発性硬化症
−急性脳脊髄炎
−髄膜炎、特にアレルギー性の
−ギランバレー症候群
−アルツハイマー病
【0089】
(xii)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する血液疾患、例えば:ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、血小板血症、赤血球増加等、
−後天性溶血性貧血
−特発性血小板減少症
−特発性顆粒球減少症
【0090】
(xiii)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する腫瘍症
−急性リンパ性白血病
−悪性リンパ腫
−リンパ肉芽腫症
−リンパ肉腫
【0091】
(xiv)炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する内分泌疾患、例えば:
−内分泌性眼窩疾患
−亜急性甲状腺炎
−橋本甲状腺炎
−パセドウ病
−肉芽腫性甲状腺炎
−リンパ節様甲状腺腫
−自己免疫性副腎炎
−糖尿病、特にタイプ1糖尿病
−子宮内膜症
【0092】
(xv)器官及び組織移植、移植片対宿主病
【0093】
(xvi)重篤なショック状態、例えば、アナフィラキシーショック、全身性炎症反応症候群 (SIRS)
【0094】
本発明の対象の一つは、薬剤の製造のための本発明の一般式(I)の化合物の使用である。
【0095】
本発明の更なる対象は、炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性の過程に関与する疾患の治療のための、本発明の化合物の使用である。
【0096】
本発明の化合物の調製
プロセス変形1
【化2】

スキーム1
Y. Hang他(Org. Lett., 2004, 6, 4775-4778)によれば、本発明の一般式(I)の化合物の調製は、マイクロウェーブ中、溶媒としてのアセトニトリル中の酢酸の存在下で、式(II)の中間体を化合物R1-XHと反応させることにより行われる。ここで、R1、R2、R3及びX、Y、A及びnは、請求項1〜11の一般式(I)において示された意味を有する。
【0097】
式(II)の中間体の調製
【化3】

スキーム2
置換基R2、R3及びY、A及びnは請求項1〜11の一般式(I)において示された意味を有する。
【0098】
式(II)の中間体は、式(III)の中間体を式(IV)の中間体で求核置換反応を行うことにより得られる。式(IV)の中間体は、ここで、この目的に好適な基LGを用いて、官能化される。例えば、ハロゲン、メシラート、トシレート又はトリフラート基は、LGとして好適である。中間体(III)と(IV)の反応において、とりわけ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムは塩基として用いられる。好適な溶媒は、例えば、アセトン又はジメチルホルムアミドである。
【0099】
式(III)の中間体の調製
【化4】

スキーム3
式(III)の中間体は、R2とYが請求項1〜11の一般式(I)において示された意味を有する、式(V)とN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールの反応により得られる。
【0100】
式(IV)の中間体の調製
【化5】

スキーム4
1.スルホンへの酸化
式(VI)のチオエーテルを、最初に、対応するスルホン化合物に返還し、ここで、AとR3が請求項1〜11の一般式(I)において示された意味を有する。この変換に対して好適な酸化剤は、例えば、過ヨウ素酸ナトリウム、メタクロロ過安息香酸、過酸化水素又はペルオキソモノ硫酸カリウムである。対応するスルホン化合物が既に市販されている場合は、スルホンへの酸化が省略される。
【0101】
2.FGのLGへの変換
官能基FGは、例えば、カルボン酸とエステルである。これらの基は、対応するアルコールに還元されることができる。後続するステップにおいて、アルコールはLG基に属するメシラート、トシレート及びトリフラート基に変換される。
【0102】
A=アリール/ヘタリールで、n=1である場合、FGは、例えば、ヒドロキシル基又は保護形態において随意に存在する水素とすることができる。フリーラジカルハロゲン化により、この水素はハロゲン置換基により置換され得る。
【0103】
プロセス変形2
【化6】

スキーム5
本発明の一般式(I)の化合物の調製は、この変形において、式(VII)のキナゾリンと式(IV)の中間体の反応により行われ、ここで、R1、R2、R3及びX、Y、A及びnは請求項1〜11の一般式(I)において示された意味を有する。この反応は、式(III)の中間体と式(IV)の中間体の反応に類似して行われる(スキーム2を参照)。
【0104】
式(VII)の中間体の調製
(VII)のキナゾリンの合成は、プロセス変形1において記載された方法に似た方法(スキーム1を参照)又は当業者に知られた他の方法(Science of Synthesis, Houben-Weyl Methods of Molecular Transformations, Thieme Verlag, 2004, Volume 16, pages 573-749を参照)に従って行われる。
【0105】
プロセス変形3:
【化7】

スキーム6
このプロセス変形において、本発明の一般式(I)の化合物は、硫黄中心で、式(VIII)の化合物を対応するスルホンに酸化することにより変換することができ、ここでR1、R2、R3及びX、Y、A及びnは請求項1〜11の一般式(I)に示された意味を有する。
【0106】
式(VIII)の中間体の調製:
変形VIII-A
【化8】

スキーム7
式(VIII)の中間体は、プロセス変形1と類似して調製することができる(スキーム1)。式(IX)の中間体は、スキーム3と類似して、式(III)の中間体と式(X)の中間体を反応させることにより得られる。R1、R2、R3及びX、Y、A及びnは、請求項1〜11の一般式(I)において示された意味を有する。
【0107】
【化9】

スキーム8
変形VIII-B
プロセス変形2(スキーム5を参照)に代わって及び類似して、式(VIII)の中間体は、式(VII)の中間体と式(X)の中間体の反応により調製できる。
ハロゲン及びメシラート、トシレート又はトリフラート基、並びにこの場合においてはヒドロキシル基も、例えばLGとして好適である。
LGがヒドロキシル基である場合、式(V)の中間体と式(X)の中間体との結合は、例えばミツノブ反応(O. Mitsunobu Synthesis 1981, 1-27)により行うことができる。
【0108】
実験部:
I.合成
プロセス変形1
実施例1.1:
[6-ブロモ-7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)キナゾリン-4-イル]イソプロピルアミン
【化10】

1.1.a)中間体の調製
化合物1.1.a.1
2-アミノ-5-ブロモ-4-メトキシベンゾニトリル
【化11】

2-アミノ-4メトキシベンゾニトリル(4.47g、30.2ミリモル)を70mlのジオキサンに溶解し、0℃で臭素(1.71ml、33.2ミリモル)で処理する。続いて、0℃で1時間撹拌する。ジエチルエーテルを加えた後、生じた結晶を吸引でろ過除去する。所望の生成物を81%の収率(5.52g)で得る。

1H-NMR(400MHz、DMSO-d6):δ3.75 (s, 3H), 6.30-6.50 (m, 3H), 7.54 (s, 1H)。
【0109】
化合物1.1.a.2
(E/Z)-N'-(4-ブロモ-2-シアノ-5-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルホルムイミドアミド
【化12】

2-アミノ-5-ブロモ-メトキシベンゾニトリル(3.0g、13.2mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(6.5ml、48.9mmol)で処理し、続いて室温で24時間撹拌する。反応混合物を、トルエンを用いて何回か乾燥するまで濃縮する。所望の生成物をクロマトグラフィー精製(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル:0→100%酢酸エチル、そして酢酸エチル/メタノール:4/1)の後、42%の収率(1.56g)で得る。

1H-NMR(300MHz、DMSO-d6):δ2.95 (s, 3H), 3.05 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 6.80 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.99 (s, 1H).
【0110】
化合物1.1.a.3
(E/Z)-N'-(4-ブロモ-2-シアノ-5-ヒドロキシフェニル)-N,N-ジメチルホルムイミドアミド
【化13】

(E/Z)-N'-(4-ブロモ-2-シアノ-5-メトキシフェニル)-N,N-ジメチルホルムイミドアミド (1.28g、4.54ミリモル)を45mlの塩化メチレンに溶解する。塩化メチレン(91ml、91ミリモル)中の三臭化ホウ素(1M)を滴下して加える。室温で20時間後、メタノールを加えることにより反応を停止する。反応混合物をトルエンで何回か乾燥するまで濃縮する。所望する生成物をクロマトグラフィー精製(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル:0→100%酢酸エチル、そして酢酸エチル/メタノール:4/1)の後、21%の収率(250mg)で得る。

1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 2.92 (s, 3H), 3.02 (s, 3H), 6.50 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 11.01 (br, 1H).
【0111】
化合物1.1.a.4
(E/Z)-N’-[2-シアノ-5-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)-4-ブロモフェニル]-N,N-ジメチルホルムアミジン
【化14】

5.9mlのテトラクロロメタン中の1,0gの3-メタンスルホニルトルエンの溶液を、1.05gのN-ブロモスクシンイミド、11.8mgの2,2-アゾイソブチロニトリルと25℃で混合し、続いて5時間還流させた。静かに移した後、オレンジ色の沈殿物をテトラクロロメタンで洗浄し、合わせた有機相を減圧下で濃縮した。これによって得られた3-ブロモメチルフェニルメチルスルホンを、更に浄化することなく次の段階で用いた。100mgの(E/Z)-N’-(4-ブロモ-2-シアノ-5-ヒドロキシフェニル)-N,N-ジメチルホルムイミダミドを、95.4mgの炭酸カリウムと混合し3時間還流した後、新たに上記で調製した臭化物と共に1.5mlのアセトンに懸濁した。25℃まで冷却した後、反応混合物を25mlの水と混合し、各回において25mlの酢酸エチルで2回洗浄した。結合した有機相を、25mlの飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過した後、減圧下で濃縮した。これにより得られた残留物をカラムクロマトグラフィーのシリカゲルで酢酸エチルを用いて精製し、166mgの (E/Z)-N’-[2-シアノ-5-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)-4-ブロモフェニル]-N,N-ジメチルホルムアミジンを得た。

1H-NMR (400 MHz), DMSO-d6): δ 2.38/2.67 (s, 3H), 2.96/3.07 (s, 3H), 3.17/3.21 (s, 3H), 4.61/5.36 (s, 2H), 6.96 (s)及び7.48 - 8.07 (m, 7H)。
【0112】
1.1b)最終生成物の調製
2a)で調製した166mgの中間体を0.37mlのアセトニトリルに溶解した。0.12mlの氷酢酸と0.04mlのイソプロピルアミンを加え、そして160℃で20分間マイクロウェーブ中で加熱した。反応混合物を40mlの希釈した重炭酸ナトリウム溶液と混合し、各回において30mlの酢酸エチルで3回洗浄した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過した後、減圧下で濃縮した。これにより得られた残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーで酢酸エチル/0〜1%メタノールを用いて精製し、79mgの[6-ブロモ-7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)キナゾリン-4-イル]イソプロピルアミンを得た。

1H-NMR (400 MHz), DMSO-d6): δ 1.21 (d, 6H), 3.21 (s, 3H), 4.42 (dsept, 1H), 5.45 (d, 2H), 7.28 (s, 1H), 7.70 (dd, 1H), 7.84 (d, 1H), 7.90 (m, 2H), 8.07 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.68 (s, 1H).
【0113】
実施例1.2:
[6-ブロモ-7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)キナゾリン-4-イル]エチルアミン
【化15】

実施例1.1と同様の方法で、化合物1.1.a.4をエチルアミン塩酸塩と反応させた(収率70%、無色結晶)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.21 (t, 3H); 3.34 (s, 3H); 3.48-3.57 (m, 2H); 5.48 (s, 2H); 7.32 (s, 1H); 7.73 (t, 1H); 7.87 (d, 1H); 7.93 (d, 1H); 8.11 (s, 1H); 8.24 (t, 1H); 8.42 (s, 1H); 8.63 (s, 1H) ppm.
【0114】
実施例1.3:
[6-ブロモ-7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)キナゾリン-4-イル](2-メトキシエチル)-アミン
【化16】

実施例1.1と同様の方法で、化合物1.1.a.4を2-メトキシ-エチルアミンと反応させた(収率84%、無色結晶)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.25 (s, 3H); 3.28 (s, 3H); 3.55 (t, 2H); 3.67 (q, 2H); 5.48 (s, 2H); 7.33 (s, 1H); 7.73 (t, 1H); 7.87 (d, 1H); 7.93 (d, 1H); 8.11 (s, 1H); 8.35 (t, 1H); 8.43 (s, 1H); 8.67 (s, 1H) ppm.
【0115】
実施例1.4:
2-[6-ブロモ-7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)キナゾリン-4-イルアミノ]エタノール
【化17】

実施例1.1と同様の方法で、化合物1.1.a.4をエタノールアミンと反応させた(収率52%、無色結晶)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.95 (s, 3H); 3.56-3.64 (m, 4H); 4.87 (br, 1H); 5.48 (s, 2H); 7.33 (s, 1H); 7.73 (t, 1H); 7.87 (d, 1H); 7.93 (d, 1H); 8.11 (s, 1H); 8.32 (t, 1H); 8.41 (s, 1H); 8.66 (s, 1H) ppm.
【0116】
実施例1.5:
[6-ブロモ-7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)キナゾリン-4-イル](1H-ピラゾール-3-イル)-アミン
【化18】

実施例1.1と同様の方法で、化合物1.1.a.4を1H-ピラゾール-3-アミンと反応させた(収率74%、無色結晶)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.25 (s, 3H); 5.52 (s, 2H); 6.81 (s, 1H); 7.41 (s, 1H); 7.69 (s, 1H); 7.74 (s, 1H); 7.90 (d, 1H); 7.94 (m, 1H); 8.12 (s, 1H); 8.56 (s, 1H); 9.07 (s, 1H); 10.46 (br, 1H); 12.50 (br, 1H) ppm.
【0117】
実施例1.6:
[6-ブロモ-7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)キナゾリン-4-イル][1,3,4]チアジアゾール-2-イルアミン
【化19】

実施例1.1と同様の方法で、化合物1.1.a.4を1,3,4-チアジアゾール-2-アミンと反応させた(収率32%、クリーム色の結晶)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.25 (s, 3H); 5.44 (s, 2H); 7.51 (s, 1H); 7.75 (t, 1H); 7.90 (m, 1H); 7.95 (m, 1H); 8.13 (t, 1H); 8.80 (s, 1H); 9.10 (br, 1H); 9.19 (s, 1H); 12.90 (br, 1H) ppm.
【0118】
実施例1.7:
[6-ブロモ-7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)キナゾリン-4-イル]シクロプロピルアミン
【化20】

実施例1.1と同様の方法で、化合物1.1.a.4をシクロプロピルアミンと反応させた(収率61%、無色結晶)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 0.60-0.66 (m, 2H); 0.76-0.82 (m, 2H); 2.97-3.06 (m, 1H); 3.24 (s, 3H); 5.48 (s, 2H); 7.34 (s, 1H); 7.73 (t, 1H); 7.87 (dt, 1H); 7.94 (dt, 1H); 8.11 (t, 1H); 8.22 (d, 1H); 8.48 (s, 1H); 8.61 (s, 1H) ppm.
【0119】
実施例1.8:
[6-ブロモ-7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)キナゾリン-4-イル]シクロブチルアミン
【化21】

実施例1.1と同様の方法で、化合物1.1.a.4をシクロブチルアミンと反応させた(収率78%、無色結晶)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.69 - 1.78 (m, 2H); 2.04-2.17 (m, 2H); 2.27-2.37 (m, 2H); 3.24 (s, 3H); 4.61-4.74 (m, 1H); 5.48 (s, 2H); 7.32 (s, 1H); 7.73 (t, 1H); 7.88 (dt, 1H); 7.94 (dt, 1H); 8.11 (t, 1H); 8.32 (d, 1H); 8.41 (s, 1H); 8.71 (s, 1H) ppm.
【0120】
実施例1.9:
[6-ブロモ-7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)キナゾリン-4-イル]シクロプロピルメチル-アミン
【化22】

実施例1.1と同様の方法で、化合物1.1.a.4をシクロプロピルメチルアミンと反応させた(収率69%、無色結晶)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 0.25 - 0.30 (m, 2H); 0.44-0.50 (m, 2H); 1.11-1.21 (m, 1H); 3.25 (s, 3H); 3.31-3.39 (m, 2H); 5.48 (s, 2H); 7.33 (s, 1H); 7.73 (t, 1H); 7.88 (dt, 1H); 7.94 (dt, 1H); 8.11 (t, 1H); 8.36 (t, 1H); 8.41 (s, 1H); 8.68 (s, 1H) ppm.
【0121】
実施例1.10:
N'-[6-ブロモ-7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)キナゾリン-4-イル]-N,N-ジメチルエタン-1,2-ジアミン
【化23】

実施例1.1と同様の方法で、化合物1.1.a.4をN,N-ジメチルエチレンジアミンと反応させた(収率47%、無色結晶)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 2.20 (s, 6H); 3.24 (s, 3H); 3.64 (q, 4H); 5.48 (s, 2H); 7.33 (s, 1H); 7.73 (t, 1H); 7.88 (d, 1H); 7.93 (dt, 1H); 8.11 (1H); 8.21 (t, 1H); 8.42 (s, 1H); 8.63 (s, 1H) ppm.
【0122】
実施例1.11:
シクロプロピル[7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)-6-メトキシキナゾリン-4-イル]アミン
【化24】

1.11 a)中間体の調製

化合物1.11.a)
(E/Z)-N'-[2-シアノ-5-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)-4-メトキシフェニル]-N,N-ジメチルホルムアミジン
【化25】

化合物1.1.a.4.と同様の方法で調製を行った。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 2.96 (s, 3H); 3.06 (s, 3H); 3.25 (s, 3H); 3.74 (s, 3H); 5.28 (s, 3H); 6.90 (s, 1H); 7.14 (s, 1H); 7.71 (t, 1H); 7.80 (d, 1H); 7.88 (s, 1H); 7.92 (d,1H); 8.05 (s, 1H) ppm.
【0123】
1.11 b)最終生成物の調製
1.11.a)で調製した120mgの中間体を0.65mlのアセトニトリルに溶解した。85μlの氷酢酸と25μlのシクロプロピルアミンを加えた後、溶液を160℃で60分間、マイクロウェーブで加熱した。反応液を蒸発させた。得られた残留物をクロマトグラフィーで精製した。これにより、53mgのシクロプロピル[7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ) -6-メトキシキナリゾン-4-イル]アミンを無色発泡体として得た。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 0.59-0.64 (m, 2H); 0.78-0.84 (m, 2H); 2.92-3.01 (m, 1H); 3.24 (s, 3H); 3.90 (s, 3H); 5.37 (s, 2H); 7.23 (s, 1H); 7.60 (s, 1H); 7.71 (s, 1H); 7.84 (d, 1H); 7.91-7.97 (m, 2H); 8.07 (1H); 8.39 (s, 1H) ppm.
【0124】
実施例1.12:
シクロブチル[7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)-6-メトキシキナゾリン-4-イル]アミン
【化26】

実施例1.7と同様の方法で、化合物1.11.aをシクロブチルアミンと反応させた(収率46%、無色発泡体)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.70-1.79 (m, 2H); 2.05-2.18 (m, 2H); 2.30-2.39 (m, 2H); 3.25 (s, 3H); 3.92 (s, 3H); 4.64-4.77 (m, 1H); 5.37 (s, 2H); 7.21 (s, 1H); 7.67 (s, 1H); 7.71 (t, 1H); 7.85 (dt, 1H); 7.93 (dt, 1H); 7.99 (d, 1H); 8.07 (t, 1H); 8.14 (s, 1H) 8.32 (s, 1H) ppm.
【0125】
実施例1.13:
[7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)-6-メトキシキナゾリン-4-イル]ピリジン-4-イルアミン
【化27】

実施例1.7と同様の方法で、化合物1.11.aを4-アミノピリジンと反応させた(収率33%、無色発泡体)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.26 (s, 3H); 4.01 (s, 3H); 5.44 (s, 2H); 7.41 (s, 1H); 7.73 (t, 1H); 7.86-7.96 (m, 5H); 8.10 (1H); 8.49 (d, 2H); 8.63 (s, 1H); 9.75 (sbr, 1H) ppm.
【0126】
実施例1.14:
[7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)-6-メトキシキナゾリン-4-イル]ピリジン-3-イルアミン
【化28】

実施例1.7と同様の方法で、化合物1.11.aを3-アミノピリジンと反応させた(収率21%、無色発泡体)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.26 (s, 3H); 3.99 (s, 3H); 5.43 (s, 2H); 7.36 (s, 1H); 7.44 (dd, 1H); 7.73 (t, 1H); 7.88 (dt, 1H); 7.90 (s, 1H); 7.94 (dt, 1H); 8.09 (1H); 8.23-8.27 (m, 1H); 8.32 (dd, 1H); 8.49 (s, 1H); 8.95 (d, 1H); 9.67 (s, 1H) ppm.
【0127】
実施例1.15:
5-[7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)-6-メトキシキナゾリン-4-イルアミノ]ピリジン-2-オール
【化29】

実施例1.7と同様の方法で、化合物1.11.aを5-アミノピリジン-2-オールと反応させた(収率39%、灰色固体)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.27 (s, 3H); 4.01 (s, 3H); 5.46 (s, 2H); 6.45 (d, 1H); 7.42 (s, 1H); 7.72-7.78 (m, 3H); 7.88 (d, 1H); 7.96 (dt, 1H); 8.10 (1H); 8.29 (s, 1H); 8.80 (s, 1H); 11.26 (s, 1H) ppm.
【0128】
実施例1.16:
[7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)-6-メトキシキナゾリン-4-イル]チアゾール-2-イルアミン
【化30】

実施例1.7と同様の方法で、化合物1.11.aをチアゾール-2-イルアミンと反応させた(収率36%、無色発泡体)。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 3.26 (s, 3H); 3.98 (s, 3H); 5.44 (s, 2H); 7.27 (d, 1H); 7.41 (s, 1H); 7.56 (d, 1H); 7.73 (t, 1H); 7.87 (d, 1H); 7.94 (dt, 1H); 8.09 (1H); 8.18 (s, 1H); 8.69 (s, 1H); 12.18 (br, 1H) ppm.
【0129】
プロセス変形2
実施例2.1:
イソプロピル[7-(3-メタンスルホニルベンジルオキシ)-6-メトキシキナゾリン-4-イル]アミン
【化31】

2.1 a)中間体の調製
4-(イソプロピルアミノ)-6-メトキシキナゾリン-7-オール
【化32】

WO2004/58752に従って調製された(E/Z)-N'-(2-シアノ-5-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-N,N-ジメチル-ホルムイミダミド (0.62 g, 2.25 ミリモル)を、アセニトリル(3ml)及び酢酸(0.7ml)中のイソプロピルアミン(0.16g、2.7ミリモル)と反応させ、撹拌しながら10分間160℃でマイクロ波を放射する(cf. Y. Hang, Org. Lett., 2004, 6, 4775-4778)。室温まで冷却した後、バッチを飽和炭酸水素ナトリウム溶液でアルカリにし、酢酸エチルを用いて抽出する。有機相を濃縮することにより、所望する生成物を55%の収率(310mg)で得る。

1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 1.26 (d, 6H), 3.91 (s, 3H), 4.49 (dsept, 1H), 6.94 (s, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.59 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 10.08 (br s, 1H).
【0130】
2.1 b)最終生成物の調製
4-(イソプロピルアミノ)-6-メトキシキナゾリン-7-オール(30mg、0.13mmol)を最初に5mlのアセトンに入れ、US2005/222175及びUS2004-94-7995に記載された通りに調製された臭化3-メチルスルホニルベンジル(40mg、0.16ミリモル)と共に炭酸カリウム(28mg、0.2ミリモル)と混合し、続いて6時間還流する。室温まで冷却した後、バッチを酢酸エチルで希釈する。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を濃縮し、予備薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール:9/1)をした後、所望の化合物を40%の収率(21mg)で得る。

1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 1.28 (d, 6H), 3.25 s, 3H), 3.93 (s, 3H), 4.47-4.54 (m, 1H), 5.38 (d, 2H), 7.21 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.72 (t, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.93 (d, 1H), 8.08 (s, 1H), 8.33 (s, 1H).
【0131】
II.本発明の化合物の生物学的作用
ヒト「末梢血単核細胞」(PBMC)におけるTLR-誘導サイトカイン放出
試験原理
TLRリガンドを用いて、ヒト全血より単離されたPBMCを刺激する。サイトカイン決定をELISAキットで行い、増殖/細胞代謝決定をAlamar Blueを用いて行う。
【0132】
PBMC単離:
細胞調製について、約200mlの血液を抗凝血剤(例えば、クエン酸塩モノベテス(Monovettes))で処理する。リューコセップ(Leucosep)管に、15mlのヒストパック(Histopaque)(室温、RT)を注ぎ、簡潔な最初の遠心分離(1分間、1000xg、RT)に用いるフリットを通して下方に加圧する。このように調製された20mlの血液を管に加え、800xgで15分間(RT)、遠心分離する。遠心分離した後、次の層状配列が上から下に向かって生じる:血漿-PBMC-ヒストパック-フィルターディスク(filter disc)-ヒストパック-赤血球及び顆粒球。上清血漿を吸引する。PBMCを下のヒストパックと共に新たな50ml管に移し、2つのリューコセップ管の内容物は、常に、1つの50ml管に加えられる。そして、50ml管はPBSと共に50mlに満たされる。この細胞懸濁液を300xg(RT)で10分間、遠心分離する。上清液を除去し、細胞ペレットを少量のPBSで再懸濁し、そしてPBSと共に50mlに満たされる。この洗浄ステップを2回繰り返す。生じたペレットを媒体(添加剤入り)の決まった量にとる。この物質を試験するために、PBMCを試験物質の滴定濃度、例えば、TLRリガンドの存在又は不存在下で18時間インキュベートする。次の日に、特異的ELISAにより、上清についてIL-12、TNF-アルファ又は他のケモカインの内容物を調べる。処理した細胞の代謝活性をAlamar Blueの助けにより決定する。
【0133】
結果:
例 IC50 (TNF-α)
2.1 3 μM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物
【化1】

(式中、R1は次を表し:
(i)ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR6-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるアリール若しくはヘテロアリール環、又は
(ii)ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル若しくはC2-C6-アルキニル基、又は
(iii)ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC3-C8シクロアルキル又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル、
R2は次を表し:
(i)水素、
(ii)ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CF3、-OCF3、-C(O)OR10-C(O)OH、-C(O)NR6R7、-C(S)NR6R7、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、又は
(iii)ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、-CF3、-OCF3又は-NR6R7により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6アルキル又はC1-C6アルコキシ基、又は
(iv)ハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、-CF3、-OCF3、-NR6R7及び/又はC1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC3-C8-シクロアルキル環、
R3は次を表し:
各場合において、それ自体がヒドロキシル、-C(O)OR10、-C(O)NR6R7、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ、-OCF3及び/又はC1-C6-アルキルにより同一又は異なるように随意に単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル又はC2-C6-アルキニル基、C3-C7-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又は単環式へテロアリール環、
X、Yは互いに独立して-O- 又は基-NR4-を表し、
Aは、ヒドロキシル、-NR6R7、-NR5-C(O)-R10、-C(O)NR6R7、-NR5-C(O)-OR10、-NR5-C(O)-NR6R7、-NR5-SO2-R10、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるアリール又はヘテロアリール環を表し、
nは1〜6を表し、
R4は次を表し:
(i)水素、
(ii)C1-C6-アルキル基、C3-C8-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又はヘテロアリール環、又は
(iii)-C(O)-(C1-C6)-アルキル、-C(O)-フェニル又は-C(O)-ベンジルであり、(ii)及び(iii)は、ヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換され、又は
Xが-NR4-を表す場合、X、R1及びR4は一緒になって、窒素原子に加えて随意に1つ又は複数のヘテロ原子を含有し、ヒドロキシル、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、-C(O)R10、-SO2R10、ハロゲン又は基-NR8R9により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換され、随意に1〜3個の二重結合を含有し、及び/又は1つ又は複数の-C(O)-基によって随意に中断される3〜8員環を形成し、
R5は水素又はC1-C6-アルキル基を表し、
R6及びR7は互いに独立して次を表し:
(i)水素及び/又は
(ii)C1-C6-アルキル基、C2-C6-アルケニル、C3-C8-シクロアルキル及び/又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又はヘテロアリール環、これらはヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換され、
R6及びR7は、窒素原子に加えて、随意に1又は2個の更なるヘテロ原子を含有し、ヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により同一又は異なるように単置換又は多置換できる5〜7員環を窒素原子と共に形成し、
R8及びR9は、互いに独立して、水素若しくはヒドロキシル又はハロゲンにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基を表し、
R10は、各場合において、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-NR6R7、C1-C6-アルキル、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意にそれ自体が同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル又はC2-C6-アルキニル基、C3-C8-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環又はヘテロアリール環を表す)
及びそれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【請求項2】
R1は次を表し:
(i)ヒドロキシル、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-NR5-C(O)R10、-OCF3、-CF3, C1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるヘテロアリール環、又は
(ii)ヒドロキシル、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-NR5-C(O)R10、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基、又は
(iii)3〜8個の環原子を有し、ヒドロキシル、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、 C1-C6-アルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC3-C8シクロアルキル又はヘテロシクリル環、
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、-C(O)OR10、-C(O)OH、-C(O)NR6R7であるか又はハロゲン、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、-CF3、-OCF3又は-NR6R7により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル又はC1-C6-アルコキシ基を表し、
R3は随意にそれ自体が、ヒドロキシル、-C(O)OR10、-C(O)NR6R7、-NR6R7、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ、-OCF3及び/又はC1-C6-アルキルにより同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基又はC3-C7-シクロアルキル環を表し、
Xは、基-NR4-を表し、
Yは、-O-又は基-NR4-を表し、
Aは、ヒドロキシル、-NR6R7、-C(O)NR6R7、シアノ、ハロゲン、C1-C6-アルコキシ、-OCF3、-CF3、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル及び/又は3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるアリール又はヘテロアリール環を表し、
nは1〜5を表し、
R4は、各場合において随意にヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により同一又は異なるように単置換又は多置換される水素、C1-C6-アルキル基、C3-C8-シクロアルキル環又は-C(O)-(C1-C6)-アルキルを表し、
R5は水素又はC1-C6-アルキル基を表し、
R6及びR7は、互いに独立して次を表し:
(i)水素及び/又は
(ii)ヒドロキシル、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基、C3-C8-シクロアルキル及び/又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル環及び/又はヘテロアリール環、
R8及びR9は、互いに独立して、水素又はC1-C3-アルキル基を表し、
R10は、各場合において随意にそれ自体が、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-NR6R7、C1-C6-アルキル、-CF3、C1-C6-アルコキシ及び/又は-OCF3により同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C3-アルキル、C3-C8-シクロアルキル又はアリール環、3〜8個の環原子を有するヘテロシクリル又はヘテロアリール環を表す、
請求項1記載の一般式(I)の化合物、並びにそれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【請求項3】
R1がヒドロキシル、-NR6R7、C1-C6-アルコキシ及び/又はC3-C6-シクロアルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6アルキル基を表す、請求項1又は2記載の一般式(I)の化合物並びにこれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【請求項4】
R2がハロゲン又はC1-C6アルコキシ基を表す、請求項1〜3のいずれか一項記載の一般式(I)の化合物並びにこれらの塩、ジアステオレマー及び鏡像体。
【請求項5】
R3がC1-C3アルキル基を表す、請求項1〜4のいずれか一項記載の一般式(I)の化合物並びにこれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【請求項6】
Aがフェニル環を表す、請求項1〜5のいずれか一項記載の一般式(I)の化合物並びにこれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【請求項7】
Xが-NH-を表す、請求項1〜6のいずれか一項記載の一般式(I)の化合物並びにこれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【請求項8】
Yが-O-を表す、請求項1〜7のいずれか一項記載の一般式(I)の化合物並びにこれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【請求項9】
nが1を表す、請求項1〜8のいずれか一項記載の一般式(I)の化合物並びにこれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【請求項10】
R1がヒドロキシル、-NR6R7、C1-C6-アルコキシ及び/又はC3-C6-シクロアルキルにより随意に同一又は異なるように単置換又は多置換されるC1-C6-アルキル基を表し、
R2が水素、ハロゲン、シアノ又はC1-C6-アルコキシ基を表し、
R3がC1-C6-アルキル基を表し、
Xが-NH-を表し、
Yが-O-又は-NH-を表し、
Aがフェニル又は単環のヘテロアリール環を表し、
nが1又は2を表し、そして
R6及びR7が互いに独立して水素又はC1-C3-アルキル基を表す、
一般式(I)の請求項1記載の化合物並びにこれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【請求項11】
R1がC1-C3-アルキル基を表し、
R2がハロゲン又はC1-C6-アルコキシ基を表し、
R3がC1-C3-アルキル基を表し、
Xが-NH-を表し、
Yが-O-を表し、
Aがフェニル環を表し、そして
nが1を表す、
一般式(I)の請求項1記載の化合物並びにこれらの塩、ジアステレオマー及び鏡像体。
【請求項12】
式(II)の中間体を化合物R1-XHと反応させるステップを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物の調製方法
【化2】

(式中、R1、R2、R3及びX、Y、A及びnは請求項1〜11の一般式(I)で示した意味を有する)。
【請求項13】
式(VII)のキナゾリンを式(IV)の中間体と反応させるステップを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物の調製方法
【化3】

(式中、R1、R2、R3及びX、Y、A及びnは請求項1〜11の一般式(I)で示した意味を有する)。
【請求項14】
式(VII)の中間体を対応するスルホンに酸化することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物の調製方法
【化4】

(式中、R1、R2、R3及びX、Y、A及びnは請求項1〜11の一般式(I)で示した意味を有する)。
【請求項15】
式(II)の中間体
【化5】

(式中、R2、R3及びY、A及びnは請求項1〜11の一般式(I)で示した意味を有する)。
【請求項16】
薬剤としての使用のための請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性過程に関与する疾患の治療のための薬剤の生産のための請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物を含む医薬製剤。

【公表番号】特表2011−528676(P2011−528676A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519070(P2011−519070)
【出願日】平成21年7月18日(2009.7.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005232
【国際公開番号】WO2010/009845
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(300049958)バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】