入力保護回路および半導体集積回路
【課題】全ての入力端子に対してアナログ電流検出回路を設けなくても、入力端子に入力される信号にもとづくデバイスの誤動作やデバイスの故障を防止することができるようにする。
【解決手段】入力保護回路2は、入力回路11と電流供給源12との間に設けられているスイッチ回路21と、入力信号11における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路22と、レベル変化検出回路22が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路23と、レベル変化判定回路23が上記の所定時間よりも長い所定期間において計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合にスイッチ回路21を遮断状態に設定する異常判定回路24とを含む。
【解決手段】入力保護回路2は、入力回路11と電流供給源12との間に設けられているスイッチ回路21と、入力信号11における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路22と、レベル変化検出回路22が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路23と、レベル変化判定回路23が上記の所定時間よりも長い所定期間において計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合にスイッチ回路21を遮断状態に設定する異常判定回路24とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路に内蔵され、入力信号の異常を検出して入力回路に過電流が流れないようにする処理を行う入力保護回路、および入力保護回路を内蔵した半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル回路である半導体集積回路(以下、デバイスという。)の入力信号の電位が不定になったり、非常に短い期間でデータの変化が生ずるノイズが入力信号に加わったりすると、入力端子に接続されている入力回路としてのCMOS回路が高速のスイッチング動作を行って過大な電流が流れ、デバイスに誤動作を生じさせたりデバイスの故障が生ずる可能性がある(例えば、特許文献1参照。)。そのような可能性をなくすために、アナログ回路による過電流検出回路が内蔵されたデバイスが用いられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−61834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、アナログ回路による過電流検出回路を採用する場合には、全ての入力端子に対してアナログ回路を設けることが要請される。すなわち、各入力バッファの近傍にアナログ回路を設けることが求められ、デバイスの設計が困難になるという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、全ての入力端子に対してアナログ電流検出回路を設けなくても、入力端子に入力される信号にもとづくデバイスの誤動作やデバイスの故障を防止することができる入力保護回路、および入力保護回路を内蔵した半導体集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による入力保護回路は、ディジタル信号である入力信号が入力される入力回路と当該入力回路に電流を供給する電流供給源との間に設けられているスイッチ回路と、入力信号における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路と、レベル変化検出回路が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路と、レベル変化判定回路が上記の所定時間よりも長い所定期間において計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合にスイッチ回路を遮断状態に設定する異常判定回路とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明による半導体集積回路は、ディジタル信号である入力信号が入力される入力回路と、当該入力回路に電流を供給する電流供給源と、入力回路に過電流が流れないようにする処理を行う入力保護回路とを備えた半導体集積回路であって、入力保護回路が、入力回路と電流供給源との間に設けられているスイッチ回路と、入力信号における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路と、レベル変化検出回路が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路と、レベル変化判定回路が上記の所定時間よりも長い所定期間において計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合にスイッチ回路を遮断状態に設定する異常判定回路とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アナログ電流検出回路を設けなくても、入力端子に入力される信号にもとづくデバイスの誤動作やデバイスの故障を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】入力保護回路が搭載されたデバイスを対向デバイスおよびパーソナルコンピュータとともに示すブロック図である。
【図2】不定検出回路部の構成例を示すブロック図である。
【図3】入力保護回路の動作を説明するためのタイミング図である。
【図4】入力保護回路の動作を示すフローチャートである。
【図5】入力保護回路を内蔵する半導体集積回路の主要部を示すブロック図である。
【図6】他の態様の入力保護回路を内蔵する半導体集積回路の主要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明による入力保護回路が搭載されたデバイス10を対向デバイス20およびパーソナルコンピュータ30とともに示すブロック図である。図1に示す例において、デバイス10は、対向デバイス20から信号を入力する。パーソナルコンピュータ30は、JTAG(Joint European Test Action Group)ポートを介してデバイスの動作を検証する。
【0011】
図1に示すように、デバイス10において、対向デバイス20からデバイス10に対して出力された信号1001〜100Nが、入力回路2001〜200Nに入力される。なお、Nは、任意の自然数である。入力回路2001〜200Nから、配線3001〜300Nで入力信号がデバイス10の内部の回路に伝達される。また、配線3001〜300Nの各々は、対応する不定検出回路部4001〜400Nにも接続されている。
【0012】
不定検出回路部4001〜400Nは、対応する配線3001〜300Nにおける信号の論理反転を検出すると、その旨を示す信号を、対応するデコーダ部5001〜500Nに出力する。デコーダ部5001〜500Nは、不定検出回路部4001〜400Nから出力された論理反転を検出したことを示す信号の数、すなわち論理反転の回数のカウント値を、あらかじめ決められているしきい値と比較する。そして、カウント値がしきい値を越えたときに、対応するデコーダ部5001〜500Nに接続された保護段数部6001〜600Nに対して、1つのパルス信号を出力する。
【0013】
保護段数部6001〜600Nは、配線7001〜配線700Nによって、入力回路2001〜200Nに接続される電流供給源のスイッチ8001〜800Nに接続されている。また、デコーダ部5001〜500Nおよび保護段数部6001〜600Nは、JTAGモニタ用レジスタ部900にも接続されている。
【0014】
保護段数部6001〜600Nは、対応するデコーダ部5001〜500Nから入力されるパルス信号の数を、所定期間に亘って計数する。そして、計数値があらかじめ決められている値以上である場合に、対応する電流供給源のスイッチ8001〜800Nを遮断状態にする。
【0015】
なお、不定検出回路部4001〜400Nと、デコーダ部5001〜500Nと、保護段数部6001〜600Nとは、入力信号異常検出回路を構成する。また、入力保護回路は、入力信号異常検出回路と、スイッチ8001〜800Nとを含む。図1には、入力保護回路が、JTAGモニタ用レジスタ部900も含む構成が示されている。
【0016】
また、この実施形態では、不定検出回路部4001〜400Nに、入力回路2001〜200Nの出力側から入力信号が入力されるが、入力回路2001〜200Nの入力側から不定検出回路部4001〜400Nに入力信号が入力されるようにしてもよい。
【0017】
図2は、不定検出回路部400Nの構成例を示すブロック図である。なお、不定検出回路部4001〜400(N−1)の各々も、図2に示されるように構成される。
【0018】
図2に示すように、不定検出回路部400Nにおいて、配線300Nは非同期ラッチ回路401N〜40MNに接続されている。各非同期ラッチ回路401N〜40MNから出力されるEN信号411N〜41MNは、デコーダ部500Nに入力される。なお、Mは、任意の自然数である。
【0019】
次に、入力保護回路の動作の原理を図3のタイミング図を参照して説明する。
対向デバイスから出力された信号が不定になった場合(ハイレベルでもなくローレベルでもない状態になった場合)、図3(A)に示すように、入力回路200Nにおいて論理が高速スイッチングされ、配線300Nにおける信号に高速な論理反転が生ずる。不定検出回路部400Nにおける非同期ラッチ回路401N〜40MNは、配線300Nにおける信号の論理反転を検出する。なお、配線300Nにおける信号に生ずる高速な論理反転は、ノイズに起因することもある。
【0020】
例えば、非同期ラッチ回路401N〜40MNのイネーブル端子ENは、ローレベルでアサートになるとする。また、非同期ラッチ回路401N〜40MNの出力である各EN信号411N〜41MNの初期値はハイレベルであるとする。また、配線300Nは、各非同期ラッチ回路401N〜40MNのデータ端子Daに接続されている。
【0021】
非同期ラッチ回路401Nは配線300Nにおける信号がローレベルである場合には、出力であるEN信号411Nをローレベルにする回路である(図3(B)参照)。EN信号411Nは、デコーダ部500Nにも入力される。
【0022】
次段の非同期ラッチ回路402Nは、EN信号411Nがローレベルの状態である場合において、データ端子Daの論理レベルがハイレベルになると、出力であるEN信号412Nをローレベルにする回路である(図3(C)参照)。EN信号412Nは、デコーダ部500Nにも入力される。
【0023】
次々段の非同期ラッチ回路403Nは、EN信号412Nがローレベルの状態である場合において、データ端子Daの論理レベルがローレベルになると、出力であるEN信号413Nをローレベルにする回路である(図3(D)参照)。EN信号413Nは、デコーダ部500Nにも入力される。
【0024】
同様に、非同期ラッチ回路403Nよりも後の段の非同期ラッチ回路404N〜40MNにおける偶数段の非同期ラッチ回路は、入力されるEN信号がローレベルの状態である場合において、データ端子Daの論理レベルがハイレベルになると、EN信号をローレベルにする。また、奇数段の非同期ラッチ回路は、入力されるEN信号がローレベルの状態である場合において、データ端子Daの論理レベルがローレベルになると、EN信号をローレベルにする。各非同期ラッチ回路から出力されるEN信号は、次段の非同期ラッチ回路のイネーブル端子ENに入力されるとともに、デコーダ部500Nに入力される。
【0025】
なお、この実施形態では、非同期ラッチ回路401N〜40MNは、出力の初期レベルがハイレベルであって、配線300Nに生じた論理反転を検出すると出力をローレベルにするが、出力の初期レベルがローレベルであって、配線300Nに生じた論理反転を検出すると出力をハイレベルにするように構成されていてもよい。
【0026】
また、図3に示すように、非同期ラッチ回路401N〜40MNは、動作クロック信号420Nがハイレベルになることによってリセットされ、ラッチが解除される。
【0027】
例えば、動作クロック信号420Nの周波数が10MHzであって、不定検出回路部400Nの動作速度が2nsに相当する速度である(例えば、2nsのクロック信号に同期して動作する。)場合には、不定検出回路部400Nは、動作クロック信号420Nの1周期におけるアサート期間である50ns(1周期の半分の期間)において、配線300Nにおける信号の論理反転を最大25回検出できる。
【0028】
デコーダ部500Nは、各EN信号411N〜41MNを入力し、動作クロック信号420Nの半周期内で、ローレベルになっている入力信号の数をカウントすることによって、生じた論理反転の回数をカウントし、カウント値をデコードする。そして、カウント値が所定値を越えている場合に、その旨を通知するために、保護段数部600Nに対して1つのパルス信号を出力する。保護段数部600Nは、所定期間内に、保護段数を越える数のパルスが検出された場合に、入力回路200Nにおける電流供給源のスイッチ800Nを遮断することによって入力回路200Nをハイインピーダンス状態にし、入力回路200Nに過電流が流れないようにする。
【0029】
デコーダ部500Nと保護段数部600Nとは、JTAGポート経由でパーソナルコンピュータ30によって状態がモニタされることが可能なJTAG用モニタレジスタ部900に接続されている。デコーダ部500Nでカウントされた論理反転のカウント値と、保護段数部600Nが制御するスイッチ800Nのスイッチング状態とが、JTAG用モニタレジスタ900に設定される。従って、パーソナルコンピュータ30は、JTAG用モニタレジスタ900を介して、カウント値とスイッチング状態とをモニタすることができる。モニタは、主にデバイス10の評価において使用される。なお、JTAG用モニタレジスタ900に設定されるスイッチング状態は、保護段数部600Nの判定処理の判定結果に相当する。
【0030】
スイッチ800Nのスイッチング状態は、入力回路200Nに入力される信号の状態が正常か否か判断するために使用される。すなわち、スイッチング状態がオフ状態であれば、アラーム状態(ALM状態)であると判定され、スイッチング状態がオン状態であれば、正常状態であると判定される。また、デコーダ部500Nでカウントされた論理反転のカウント値は、デバイス10の内部における入力信号の振る舞いを確認するために使用される。
【0031】
次に、図4のフローチャートを参照して、入力保護回路の動作を説明する。以下、不定検出回路部400Nの動作を説明するが、不定検出回路部4001〜400(N−1)も、不定検出回路部400Nと同様に動作する。
【0032】
対向デバイス20から出力された信号100Nは、入力回路200Nに入力される。
【0033】
不定検出回路部400Nにおいて、非同期ラッチ回路401N〜40MNは、動作クロック信号420Nの半周期に期間において、順次、配線300Nにおける信号の論理反転を検出する(ステップS1:図3参照)。
【0034】
動作クロック信号420Nの半周期の期間が経過すると、デコーダ部500Nは、各EN信号411N〜41MNのうちのローレベルになっている信号の数を計数する。例えば、各EN信号411N〜41MNの配列において、ローレベルを「1」と捉えハイレベルを「0」と捉え、「1」の数を集計する。そして、計数の結果であるカウント値が所定のしきい値を越えているか否か判断する(ステップS2)。カウント値が所定のしきい値を越えている場合には、デコーダ部500Nは、保護段数部600Nにパルス信号を出力する。
【0035】
カウント値が所定のしきい値以下である場合には、デコーダ部500Nは、JTAG用モニタレジスタ900に、論理反転の値の状態(ステータス)を設定し、かつ、カウント値の最悪値(例えば、最大値)をJTAG用モニタレジスタ900に残す(ステップS3)。例えば、この時点でのカウント値が既にJTAG用モニタレジスタ900に設定されているカウント値よりも大きい場合に、JTAG用モニタレジスタ900に設定されているカウント値を、この時点でのカウント値で更新する。そして、ステップS7に移行する。
【0036】
また、カウント値が所定のしきい値を越えている場合にも、デコーダ部500Nは、JTAG用モニタレジスタ900に、論理反転の値の状態(ステータス)を設定し、かつ、カウント値の最悪値をJTAG用モニタレジスタ900に残す(ステップS4)。そして、保護段数部600Nは、デコーダ部500Nからパルス信号が出力されたことに応じて、保護段数カウンタの値を1増やす(ステップS5)。
【0037】
最初にステップS1の処理を開始してからあらかじめ決められている所定期間が経過していない場合には、あらためてステップS1以降の処理が実行される(ステップS6)。
【0038】
所定期間が経過している場合には、保護段数部600Nは、保護段数カウンタの値があらかじめ決められている保護段数よりも大きいか否か判定する(ステップS7)。保護段数カウンタの値が保護段数以下である場合には、保護段数部600Nは、入力回路200Nにおける電流供給源のスイッチ800Nを導通状態に維持する(ステップS8)。なお、保護段数カウンタは任意の時点でリセット可能であり、例えば、所定期間が経過したときにリセットされる。
【0039】
保護段数カウンタの値が保護段数よりも大きい場合には、保護段数部600Nは、入力回路200Nにおける電流供給源のスイッチ800Nを遮断状態にする。また、JTAG用モニタレジスタ900に、ALM状態であることを設定する(ステップS9)。
【0040】
以上に説明したように、この実施形態では、アナログ電流検出回路なしで、不定な入力信号によってデバイスに過電流が流れることを防止することができる。すなわち、全入力端子に過電流検出用のアナログ回路を実装する必要はなく、設計が簡素化される。また、ユーザが検出を必要とする入力端子について、個々に過電流検出を行うことができる。
【0041】
また、入力端子の不定接続が生じていないかや、入力信号の振る舞いが異常になっていないかを、パーソナルコンピュータ30を用いてモニタすることができ、デバイス10に生じた問題を早期に解決することができる。
【0042】
図5は、入力保護回路を内蔵する半導体集積回路の主要部を示すブロック図である。図5に示すように、半導体集積回路1Aは、ディジタル信号である入力信号が入力される入力回路11(図1に示す入力回路2001〜200Nに相当)と、入力回路11に電流を供給する電流供給源1と、入力回路11に過電流が流れないようにする処理を行う入力保護回路2とを備え、入力保護回路2は、入力回路11と電流供給源12との間に設けられているスイッチ回路21(図1に示すスイッチ8001〜800Nに相当)と、入力信号11における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路22(図2に示す非同期ラッチ回路401N〜401Nに相当)と、レベル変化検出回路22が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路23(図2に示すデコーダ部411N〜41MNに相当)と、レベル変化判定回路23が上記の所定時間よりも長い所定期間において計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合にスイッチ回路21を遮断状態に設定する異常判定回路24(図1に示す保護段数部411N〜41MNに相当)とを含む。
【0043】
図6は、入力保護回路を内蔵する他の態様の半導体集積回路の主要部を示すブロック図である。図6に示すように、半導体集積回路1Bは、図5に示された構成要素に加えて、レベル変化判定回路23による計数値と、異常判定回路24の判定結果とを記憶するレジスタ25が設けられている。
【0044】
また、上記の実施の形態には、以下のように構成された入力保護回路が含まれている。
【0045】
(1)レベル変化検出回路22が、入力信号がハイレベルからローレベルに変化したときに、または入力信号がローレベルからハイレベルに変化したときに所定レベル(ハイレベルまたはローレベル)の信号をラッチ出力する複数のラッチ回路を含み、複数のラッチ回路からのラッチ出力の数を集計した値を論理レベルの変化回数とする入力保護回路。
【0046】
(2)さらに、複数のラッチ回路の各々が、所定周波数のクロック信号によってリセットされるように構成されている入力保護回路。なお、所定周波数は、入力保護回路の動作周波数よりも低く、かつ、所定周波数の逆数すなわち周期は、入力信号に現れると想定される論理変化の平均的な周期よりも長いことが好ましい。
【0047】
(3)レベル変化判定回路22が、複数の計数値のうちの最大値をレジスタ25に設定するように構成されている入力保護回路。そのような構成によれば、レジスタ25の内容がモニタされるときに、異常判定回路24が異常と判定していない場合でも、デバイスの状態をある程度把握することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、プログラマブルな半導体集積回路を始めとする半導体集積回路一般に適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1A,1B 半導体集積回路
2 入力保護回路
10 デバイス
11 入力回路
12 電流供給源
20 対向デバイス
21 スイッチ回路
22 レベル変化検出回路
23 レベル変化判定回路
24 異常判定回路
25 レジスタ
30 パーソナルコンピュータ
1001〜100N 信号
2001〜200N 入力回路
3001〜300N 配線
4001〜400N 不定検出回路部
401N〜40MN 非同期ラッチ回路
411N〜41MN EN信号
420N 動作クロック信号
5001〜500N デコーダ部
6001〜600N 保護段数部
7001〜配線700N 配線
8001〜800N スイッチ
900 JTAGモニタ用レジスタ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路に内蔵され、入力信号の異常を検出して入力回路に過電流が流れないようにする処理を行う入力保護回路、および入力保護回路を内蔵した半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル回路である半導体集積回路(以下、デバイスという。)の入力信号の電位が不定になったり、非常に短い期間でデータの変化が生ずるノイズが入力信号に加わったりすると、入力端子に接続されている入力回路としてのCMOS回路が高速のスイッチング動作を行って過大な電流が流れ、デバイスに誤動作を生じさせたりデバイスの故障が生ずる可能性がある(例えば、特許文献1参照。)。そのような可能性をなくすために、アナログ回路による過電流検出回路が内蔵されたデバイスが用いられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−61834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、アナログ回路による過電流検出回路を採用する場合には、全ての入力端子に対してアナログ回路を設けることが要請される。すなわち、各入力バッファの近傍にアナログ回路を設けることが求められ、デバイスの設計が困難になるという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、全ての入力端子に対してアナログ電流検出回路を設けなくても、入力端子に入力される信号にもとづくデバイスの誤動作やデバイスの故障を防止することができる入力保護回路、および入力保護回路を内蔵した半導体集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による入力保護回路は、ディジタル信号である入力信号が入力される入力回路と当該入力回路に電流を供給する電流供給源との間に設けられているスイッチ回路と、入力信号における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路と、レベル変化検出回路が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路と、レベル変化判定回路が上記の所定時間よりも長い所定期間において計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合にスイッチ回路を遮断状態に設定する異常判定回路とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明による半導体集積回路は、ディジタル信号である入力信号が入力される入力回路と、当該入力回路に電流を供給する電流供給源と、入力回路に過電流が流れないようにする処理を行う入力保護回路とを備えた半導体集積回路であって、入力保護回路が、入力回路と電流供給源との間に設けられているスイッチ回路と、入力信号における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路と、レベル変化検出回路が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路と、レベル変化判定回路が上記の所定時間よりも長い所定期間において計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合にスイッチ回路を遮断状態に設定する異常判定回路とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アナログ電流検出回路を設けなくても、入力端子に入力される信号にもとづくデバイスの誤動作やデバイスの故障を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】入力保護回路が搭載されたデバイスを対向デバイスおよびパーソナルコンピュータとともに示すブロック図である。
【図2】不定検出回路部の構成例を示すブロック図である。
【図3】入力保護回路の動作を説明するためのタイミング図である。
【図4】入力保護回路の動作を示すフローチャートである。
【図5】入力保護回路を内蔵する半導体集積回路の主要部を示すブロック図である。
【図6】他の態様の入力保護回路を内蔵する半導体集積回路の主要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明による入力保護回路が搭載されたデバイス10を対向デバイス20およびパーソナルコンピュータ30とともに示すブロック図である。図1に示す例において、デバイス10は、対向デバイス20から信号を入力する。パーソナルコンピュータ30は、JTAG(Joint European Test Action Group)ポートを介してデバイスの動作を検証する。
【0011】
図1に示すように、デバイス10において、対向デバイス20からデバイス10に対して出力された信号1001〜100Nが、入力回路2001〜200Nに入力される。なお、Nは、任意の自然数である。入力回路2001〜200Nから、配線3001〜300Nで入力信号がデバイス10の内部の回路に伝達される。また、配線3001〜300Nの各々は、対応する不定検出回路部4001〜400Nにも接続されている。
【0012】
不定検出回路部4001〜400Nは、対応する配線3001〜300Nにおける信号の論理反転を検出すると、その旨を示す信号を、対応するデコーダ部5001〜500Nに出力する。デコーダ部5001〜500Nは、不定検出回路部4001〜400Nから出力された論理反転を検出したことを示す信号の数、すなわち論理反転の回数のカウント値を、あらかじめ決められているしきい値と比較する。そして、カウント値がしきい値を越えたときに、対応するデコーダ部5001〜500Nに接続された保護段数部6001〜600Nに対して、1つのパルス信号を出力する。
【0013】
保護段数部6001〜600Nは、配線7001〜配線700Nによって、入力回路2001〜200Nに接続される電流供給源のスイッチ8001〜800Nに接続されている。また、デコーダ部5001〜500Nおよび保護段数部6001〜600Nは、JTAGモニタ用レジスタ部900にも接続されている。
【0014】
保護段数部6001〜600Nは、対応するデコーダ部5001〜500Nから入力されるパルス信号の数を、所定期間に亘って計数する。そして、計数値があらかじめ決められている値以上である場合に、対応する電流供給源のスイッチ8001〜800Nを遮断状態にする。
【0015】
なお、不定検出回路部4001〜400Nと、デコーダ部5001〜500Nと、保護段数部6001〜600Nとは、入力信号異常検出回路を構成する。また、入力保護回路は、入力信号異常検出回路と、スイッチ8001〜800Nとを含む。図1には、入力保護回路が、JTAGモニタ用レジスタ部900も含む構成が示されている。
【0016】
また、この実施形態では、不定検出回路部4001〜400Nに、入力回路2001〜200Nの出力側から入力信号が入力されるが、入力回路2001〜200Nの入力側から不定検出回路部4001〜400Nに入力信号が入力されるようにしてもよい。
【0017】
図2は、不定検出回路部400Nの構成例を示すブロック図である。なお、不定検出回路部4001〜400(N−1)の各々も、図2に示されるように構成される。
【0018】
図2に示すように、不定検出回路部400Nにおいて、配線300Nは非同期ラッチ回路401N〜40MNに接続されている。各非同期ラッチ回路401N〜40MNから出力されるEN信号411N〜41MNは、デコーダ部500Nに入力される。なお、Mは、任意の自然数である。
【0019】
次に、入力保護回路の動作の原理を図3のタイミング図を参照して説明する。
対向デバイスから出力された信号が不定になった場合(ハイレベルでもなくローレベルでもない状態になった場合)、図3(A)に示すように、入力回路200Nにおいて論理が高速スイッチングされ、配線300Nにおける信号に高速な論理反転が生ずる。不定検出回路部400Nにおける非同期ラッチ回路401N〜40MNは、配線300Nにおける信号の論理反転を検出する。なお、配線300Nにおける信号に生ずる高速な論理反転は、ノイズに起因することもある。
【0020】
例えば、非同期ラッチ回路401N〜40MNのイネーブル端子ENは、ローレベルでアサートになるとする。また、非同期ラッチ回路401N〜40MNの出力である各EN信号411N〜41MNの初期値はハイレベルであるとする。また、配線300Nは、各非同期ラッチ回路401N〜40MNのデータ端子Daに接続されている。
【0021】
非同期ラッチ回路401Nは配線300Nにおける信号がローレベルである場合には、出力であるEN信号411Nをローレベルにする回路である(図3(B)参照)。EN信号411Nは、デコーダ部500Nにも入力される。
【0022】
次段の非同期ラッチ回路402Nは、EN信号411Nがローレベルの状態である場合において、データ端子Daの論理レベルがハイレベルになると、出力であるEN信号412Nをローレベルにする回路である(図3(C)参照)。EN信号412Nは、デコーダ部500Nにも入力される。
【0023】
次々段の非同期ラッチ回路403Nは、EN信号412Nがローレベルの状態である場合において、データ端子Daの論理レベルがローレベルになると、出力であるEN信号413Nをローレベルにする回路である(図3(D)参照)。EN信号413Nは、デコーダ部500Nにも入力される。
【0024】
同様に、非同期ラッチ回路403Nよりも後の段の非同期ラッチ回路404N〜40MNにおける偶数段の非同期ラッチ回路は、入力されるEN信号がローレベルの状態である場合において、データ端子Daの論理レベルがハイレベルになると、EN信号をローレベルにする。また、奇数段の非同期ラッチ回路は、入力されるEN信号がローレベルの状態である場合において、データ端子Daの論理レベルがローレベルになると、EN信号をローレベルにする。各非同期ラッチ回路から出力されるEN信号は、次段の非同期ラッチ回路のイネーブル端子ENに入力されるとともに、デコーダ部500Nに入力される。
【0025】
なお、この実施形態では、非同期ラッチ回路401N〜40MNは、出力の初期レベルがハイレベルであって、配線300Nに生じた論理反転を検出すると出力をローレベルにするが、出力の初期レベルがローレベルであって、配線300Nに生じた論理反転を検出すると出力をハイレベルにするように構成されていてもよい。
【0026】
また、図3に示すように、非同期ラッチ回路401N〜40MNは、動作クロック信号420Nがハイレベルになることによってリセットされ、ラッチが解除される。
【0027】
例えば、動作クロック信号420Nの周波数が10MHzであって、不定検出回路部400Nの動作速度が2nsに相当する速度である(例えば、2nsのクロック信号に同期して動作する。)場合には、不定検出回路部400Nは、動作クロック信号420Nの1周期におけるアサート期間である50ns(1周期の半分の期間)において、配線300Nにおける信号の論理反転を最大25回検出できる。
【0028】
デコーダ部500Nは、各EN信号411N〜41MNを入力し、動作クロック信号420Nの半周期内で、ローレベルになっている入力信号の数をカウントすることによって、生じた論理反転の回数をカウントし、カウント値をデコードする。そして、カウント値が所定値を越えている場合に、その旨を通知するために、保護段数部600Nに対して1つのパルス信号を出力する。保護段数部600Nは、所定期間内に、保護段数を越える数のパルスが検出された場合に、入力回路200Nにおける電流供給源のスイッチ800Nを遮断することによって入力回路200Nをハイインピーダンス状態にし、入力回路200Nに過電流が流れないようにする。
【0029】
デコーダ部500Nと保護段数部600Nとは、JTAGポート経由でパーソナルコンピュータ30によって状態がモニタされることが可能なJTAG用モニタレジスタ部900に接続されている。デコーダ部500Nでカウントされた論理反転のカウント値と、保護段数部600Nが制御するスイッチ800Nのスイッチング状態とが、JTAG用モニタレジスタ900に設定される。従って、パーソナルコンピュータ30は、JTAG用モニタレジスタ900を介して、カウント値とスイッチング状態とをモニタすることができる。モニタは、主にデバイス10の評価において使用される。なお、JTAG用モニタレジスタ900に設定されるスイッチング状態は、保護段数部600Nの判定処理の判定結果に相当する。
【0030】
スイッチ800Nのスイッチング状態は、入力回路200Nに入力される信号の状態が正常か否か判断するために使用される。すなわち、スイッチング状態がオフ状態であれば、アラーム状態(ALM状態)であると判定され、スイッチング状態がオン状態であれば、正常状態であると判定される。また、デコーダ部500Nでカウントされた論理反転のカウント値は、デバイス10の内部における入力信号の振る舞いを確認するために使用される。
【0031】
次に、図4のフローチャートを参照して、入力保護回路の動作を説明する。以下、不定検出回路部400Nの動作を説明するが、不定検出回路部4001〜400(N−1)も、不定検出回路部400Nと同様に動作する。
【0032】
対向デバイス20から出力された信号100Nは、入力回路200Nに入力される。
【0033】
不定検出回路部400Nにおいて、非同期ラッチ回路401N〜40MNは、動作クロック信号420Nの半周期に期間において、順次、配線300Nにおける信号の論理反転を検出する(ステップS1:図3参照)。
【0034】
動作クロック信号420Nの半周期の期間が経過すると、デコーダ部500Nは、各EN信号411N〜41MNのうちのローレベルになっている信号の数を計数する。例えば、各EN信号411N〜41MNの配列において、ローレベルを「1」と捉えハイレベルを「0」と捉え、「1」の数を集計する。そして、計数の結果であるカウント値が所定のしきい値を越えているか否か判断する(ステップS2)。カウント値が所定のしきい値を越えている場合には、デコーダ部500Nは、保護段数部600Nにパルス信号を出力する。
【0035】
カウント値が所定のしきい値以下である場合には、デコーダ部500Nは、JTAG用モニタレジスタ900に、論理反転の値の状態(ステータス)を設定し、かつ、カウント値の最悪値(例えば、最大値)をJTAG用モニタレジスタ900に残す(ステップS3)。例えば、この時点でのカウント値が既にJTAG用モニタレジスタ900に設定されているカウント値よりも大きい場合に、JTAG用モニタレジスタ900に設定されているカウント値を、この時点でのカウント値で更新する。そして、ステップS7に移行する。
【0036】
また、カウント値が所定のしきい値を越えている場合にも、デコーダ部500Nは、JTAG用モニタレジスタ900に、論理反転の値の状態(ステータス)を設定し、かつ、カウント値の最悪値をJTAG用モニタレジスタ900に残す(ステップS4)。そして、保護段数部600Nは、デコーダ部500Nからパルス信号が出力されたことに応じて、保護段数カウンタの値を1増やす(ステップS5)。
【0037】
最初にステップS1の処理を開始してからあらかじめ決められている所定期間が経過していない場合には、あらためてステップS1以降の処理が実行される(ステップS6)。
【0038】
所定期間が経過している場合には、保護段数部600Nは、保護段数カウンタの値があらかじめ決められている保護段数よりも大きいか否か判定する(ステップS7)。保護段数カウンタの値が保護段数以下である場合には、保護段数部600Nは、入力回路200Nにおける電流供給源のスイッチ800Nを導通状態に維持する(ステップS8)。なお、保護段数カウンタは任意の時点でリセット可能であり、例えば、所定期間が経過したときにリセットされる。
【0039】
保護段数カウンタの値が保護段数よりも大きい場合には、保護段数部600Nは、入力回路200Nにおける電流供給源のスイッチ800Nを遮断状態にする。また、JTAG用モニタレジスタ900に、ALM状態であることを設定する(ステップS9)。
【0040】
以上に説明したように、この実施形態では、アナログ電流検出回路なしで、不定な入力信号によってデバイスに過電流が流れることを防止することができる。すなわち、全入力端子に過電流検出用のアナログ回路を実装する必要はなく、設計が簡素化される。また、ユーザが検出を必要とする入力端子について、個々に過電流検出を行うことができる。
【0041】
また、入力端子の不定接続が生じていないかや、入力信号の振る舞いが異常になっていないかを、パーソナルコンピュータ30を用いてモニタすることができ、デバイス10に生じた問題を早期に解決することができる。
【0042】
図5は、入力保護回路を内蔵する半導体集積回路の主要部を示すブロック図である。図5に示すように、半導体集積回路1Aは、ディジタル信号である入力信号が入力される入力回路11(図1に示す入力回路2001〜200Nに相当)と、入力回路11に電流を供給する電流供給源1と、入力回路11に過電流が流れないようにする処理を行う入力保護回路2とを備え、入力保護回路2は、入力回路11と電流供給源12との間に設けられているスイッチ回路21(図1に示すスイッチ8001〜800Nに相当)と、入力信号11における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路22(図2に示す非同期ラッチ回路401N〜401Nに相当)と、レベル変化検出回路22が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路23(図2に示すデコーダ部411N〜41MNに相当)と、レベル変化判定回路23が上記の所定時間よりも長い所定期間において計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合にスイッチ回路21を遮断状態に設定する異常判定回路24(図1に示す保護段数部411N〜41MNに相当)とを含む。
【0043】
図6は、入力保護回路を内蔵する他の態様の半導体集積回路の主要部を示すブロック図である。図6に示すように、半導体集積回路1Bは、図5に示された構成要素に加えて、レベル変化判定回路23による計数値と、異常判定回路24の判定結果とを記憶するレジスタ25が設けられている。
【0044】
また、上記の実施の形態には、以下のように構成された入力保護回路が含まれている。
【0045】
(1)レベル変化検出回路22が、入力信号がハイレベルからローレベルに変化したときに、または入力信号がローレベルからハイレベルに変化したときに所定レベル(ハイレベルまたはローレベル)の信号をラッチ出力する複数のラッチ回路を含み、複数のラッチ回路からのラッチ出力の数を集計した値を論理レベルの変化回数とする入力保護回路。
【0046】
(2)さらに、複数のラッチ回路の各々が、所定周波数のクロック信号によってリセットされるように構成されている入力保護回路。なお、所定周波数は、入力保護回路の動作周波数よりも低く、かつ、所定周波数の逆数すなわち周期は、入力信号に現れると想定される論理変化の平均的な周期よりも長いことが好ましい。
【0047】
(3)レベル変化判定回路22が、複数の計数値のうちの最大値をレジスタ25に設定するように構成されている入力保護回路。そのような構成によれば、レジスタ25の内容がモニタされるときに、異常判定回路24が異常と判定していない場合でも、デバイスの状態をある程度把握することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、プログラマブルな半導体集積回路を始めとする半導体集積回路一般に適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1A,1B 半導体集積回路
2 入力保護回路
10 デバイス
11 入力回路
12 電流供給源
20 対向デバイス
21 スイッチ回路
22 レベル変化検出回路
23 レベル変化判定回路
24 異常判定回路
25 レジスタ
30 パーソナルコンピュータ
1001〜100N 信号
2001〜200N 入力回路
3001〜300N 配線
4001〜400N 不定検出回路部
401N〜40MN 非同期ラッチ回路
411N〜41MN EN信号
420N 動作クロック信号
5001〜500N デコーダ部
6001〜600N 保護段数部
7001〜配線700N 配線
8001〜800N スイッチ
900 JTAGモニタ用レジスタ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタル信号である入力信号が入力される入力回路と当該入力回路に電流を供給する電流供給源との間に設けられているスイッチ回路と、
前記入力信号における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路と、
前記レベル変化検出回路が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路と、
前記レベル変化判定回路が前記所定時間よりも長い所定期間で計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合に前記スイッチ回路を遮断状態に設定する異常判定回路と
を備えたことを特徴とする入力保護回路。
【請求項2】
レベル変化検出回路は、
入力信号がハイレベルからローレベルに変化したときに、または入力信号がローレベルからハイレベルに変化したときに所定レベルの信号をラッチ出力する複数のラッチ回路を含み、
前記複数のラッチ回路からのラッチ出力の数を集計した値を論理レベルの変化回数とする
請求項1記載の入力保護回路。
【請求項3】
複数のラッチ回路の各々は、所定周波数のクロック信号によってリセットされる
請求項2記載の入力保護回路。
【請求項4】
レベル変化判定回路による計数値と、異常判定回路の判定結果とを記憶するレジスタを備えた
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の入力保護回路。
【請求項5】
レベル変化判定回路は、複数の計数値のうちの最大値をレジスタに設定する
請求項4記載の入力保護回路。
【請求項6】
ディジタル信号である入力信号が入力される入力回路と、当該入力回路に電流を供給する電流供給源と、入力回路に過電流が流れないようにする処理を行う入力保護回路とを備えた半導体集積回路であって、
前記入力保護回路は、
前記入力回路と前記電流供給源との間に設けられているスイッチ回路と、
前記入力信号における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路と、
前記レベル変化検出回路が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路と、
前記レベル変化判定回路が前記所定時間よりも長い所定期間で計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合に前記スイッチ回路を遮断状態に設定する異常判定回路とを含む
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項7】
入力保護回路におけるレベル変化検出回路は、
入力信号がハイレベルからローレベルに変化したときに、または入力信号がローレベルからハイレベルに変化したときに所定レベルの信号をラッチ出力する複数のラッチ回路を含み、
前記複数のラッチ回路からのラッチ出力の数を集計した値を論理レベルの変化回数とする
請求項6記載の半導体集積回路。
【請求項8】
入力保護回路は、レベル変化判定回路による計数値と、異常判定回路の判定結果とを記憶するレジスタを含む
請求項6または請求項7記載の半導体集積回路。
【請求項1】
ディジタル信号である入力信号が入力される入力回路と当該入力回路に電流を供給する電流供給源との間に設けられているスイッチ回路と、
前記入力信号における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路と、
前記レベル変化検出回路が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路と、
前記レベル変化判定回路が前記所定時間よりも長い所定期間で計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合に前記スイッチ回路を遮断状態に設定する異常判定回路と
を備えたことを特徴とする入力保護回路。
【請求項2】
レベル変化検出回路は、
入力信号がハイレベルからローレベルに変化したときに、または入力信号がローレベルからハイレベルに変化したときに所定レベルの信号をラッチ出力する複数のラッチ回路を含み、
前記複数のラッチ回路からのラッチ出力の数を集計した値を論理レベルの変化回数とする
請求項1記載の入力保護回路。
【請求項3】
複数のラッチ回路の各々は、所定周波数のクロック信号によってリセットされる
請求項2記載の入力保護回路。
【請求項4】
レベル変化判定回路による計数値と、異常判定回路の判定結果とを記憶するレジスタを備えた
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の入力保護回路。
【請求項5】
レベル変化判定回路は、複数の計数値のうちの最大値をレジスタに設定する
請求項4記載の入力保護回路。
【請求項6】
ディジタル信号である入力信号が入力される入力回路と、当該入力回路に電流を供給する電流供給源と、入力回路に過電流が流れないようにする処理を行う入力保護回路とを備えた半導体集積回路であって、
前記入力保護回路は、
前記入力回路と前記電流供給源との間に設けられているスイッチ回路と、
前記入力信号における所定時間内の論理レベルの変化を検出するレベル変化検出回路と、
前記レベル変化検出回路が検出した論理レベルの変化回数を計数し、計数値が所定のしきい値を越えているか否か判定するレベル変化判定回路と、
前記レベル変化判定回路が前記所定時間よりも長い所定期間で計数値が所定のしきい値を越えていると判定した回数が、所定回数を越えているか否か判定し、所定回数を越えていると判定した場合に前記スイッチ回路を遮断状態に設定する異常判定回路とを含む
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項7】
入力保護回路におけるレベル変化検出回路は、
入力信号がハイレベルからローレベルに変化したときに、または入力信号がローレベルからハイレベルに変化したときに所定レベルの信号をラッチ出力する複数のラッチ回路を含み、
前記複数のラッチ回路からのラッチ出力の数を集計した値を論理レベルの変化回数とする
請求項6記載の半導体集積回路。
【請求項8】
入力保護回路は、レベル変化判定回路による計数値と、異常判定回路の判定結果とを記憶するレジスタを含む
請求項6または請求項7記載の半導体集積回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2011−222789(P2011−222789A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91045(P2010−91045)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]