説明

入力装置、入力方法、及び入力プログラム

【課題】安全性を確保しつつ走行中における入力装置の操作性を向上させることができる、入力装置、入力方法、及び入力プログラムを提供すること。
【解決手段】車両に搭載される入力装置1であって、選択されるべき選択候補を表示する液晶パネル2aと、音声を出力するスピーカ4と、車両が走行開始した時に、選択候補が所定基準を満たす場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するようにスピーカ4を制御する出力制御部5aと、各選択候補について共通に設定された動作を、スピーカ4から音声にて出力された選択候補のいずれかを選択するための入力として受け付けるタッチパネル2bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置、入力方法、及び入力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーションやカーオーディオ等の各種車載機器に対する操作入力を受け付けるための入力装置が用いられている。例えば、各種の表示画面を表示するディスプレイの前面に入力装置としてタッチパネルを設け、このタッチパネルに設定された操作領域の中で、ディスプレイの表示画面の一部として表示された操作ボタンに対応する操作領域が押圧されることで、検索語の設定や機能選択等の操作入力を受け付ける。
【0003】
ところで、このような車載用の入力装置においては、運転者がディスプレイを注視せずに運転に集中できるようにするため、車両が走行中であると判定した場合には、タッチパネルやボタン等の操作手段に対する操作を規制することが行われている。さらに、運転に支障がない範囲でユーザの利便性を向上させるため、停車中に表示装置にボタンを表示していた表示時間に応じた個数のボタンの操作規制を解除するナビゲーション装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−14523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の如き従来の装置では、検索後の設定や機能選択等のためにボタンを操作する必要がある場合には、運転者はタッチパネルを目視し、ボタンの位置等を確認した上で操作しなければならなかった。従って、選択対象となるボタンについての操作規制が解除されている場合であっても、走行中に運転操作に支障なくそのボタンを操作することは実質的に困難であり、操作性には更なる向上の余地があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、安全性を確保しつつ走行中における入力装置の操作性を向上させることができる、入力装置、入力方法、及び入力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の入力装置は、車両に搭載される入力装置であって、選択されるべき選択候補を表示する表示手段と、音声を出力する出力手段と、前記車両が走行開始した時に、前記選択候補が所定基準を満たす場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するように前記出力手段を制御する制御手段と、各選択候補について共通に設定された動作を、前記出力手段から音声にて出力された選択候補のいずれかを選択するための入力として受け付ける入力手段と、を備える。
【0008】
また、請求項2に記載の入力装置は、請求項1に記載の入力装置において、前記制御手段は、前記車両が走行開始した時に、前記選択候補の数が所定数以下の場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するように前記出力手段を制御する。
【0009】
また、請求項3に記載の入力装置は、請求項1又は2に記載の入力装置において、前記制御手段は、前記車両が走行開始した時に、前記選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するための合計所要時間が所定時間以下の場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するように前記出力手段を制御する。
【0010】
また、請求項4に記載の入力装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の入力装置において、前記入力手段は、前記表示手段における表示領域の任意の位置を触れる動作を、前記出力手段から音声にて出力された選択候補のいずれかを選択するための入力として受け付ける。
【0011】
また、請求項5に記載の入力方法は、請求項1から4のいずれか一項に記載の入力装置において、前記入力手段は、前記出力手段から前記選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで行われた前記動作を、当該選択候補を選択するための入力として受け付ける。
【0012】
また、請求項6に記載の入力方法は、請求項1から5のいずれか一項に記載の入力装置において、所定の入力に基づき情報を検索する情報検索手段を備え、前記表示手段は、前記選択候補として、前記情報検索手段による情報検索結果を表示する。
【0013】
また、請求項7に記載の入力方法は、請求項1から6のいずれか一項に記載の入力装置において、所定の入力に基づき所定の機能を制御する機能制御手段を備え、前記表示手段は、前記選択候補として、前記機能制御手段により制御される機能に対応する選択項目を表示する。
【0014】
また、請求項8に記載の入力方法は、車両に搭載される入力装置により実行される入力方法であって、選択されるべき選択候補を表示する表示ステップと、音声を出力手段から出力する出力ステップと、前記車両が走行開始した時に、前記選択候補が所定基準を満たす場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するように前記出力手段を制御する制御ステップと、前記選択候補について共通に設定された動作を、前記出力手段から音声にて出力された選択候補のいずれかを選択するための入力として受け付ける入力ステップと、を含む。
【0015】
また、請求項9に記載の入力プログラムは、請求項8に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の入力装置、請求項8に記載の入力方法、及び請求項9に記載の入力プログラムによれば、車両が走行開始した時に、選択候補が所定基準を満たす場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するように出力手段を制御するので、所定基準を満たす選択候補に絞って、利用者が表示手段を目視しなくとも把握可能な態様で、当該各選択候補の選択に必要な情報を出力することができる。さらに、各選択候補について共通に設定された動作を、出力手段から音声にて出力された選択候補のいずれかを選択するための入力として受け付けるので、利用者に、タッチパネルを目視しボタンの位置等を確認しなくとも出力手段から出力された情報に基づいて簡易な動作を行うだけで所望の選択候補を選択させることができる。すなわち、安全性を確保しつつ走行中における入力装置の操作性を向上させることができる。
【0017】
また、請求項2に記載の入力装置によれば、出力制御手段は、車両が走行開始した時に、選択候補の数が所定数以下の場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するように出力手段を制御するので、車両走行開始後においても、利用者が運転操作に支障なく全ての選択候補の内容を音声にて把握できる場合に限って、利用者が表示手段を目視しなくても把握可能な態様で、当該選択候補の選択に必要な情報を出力することができ、利用者を混乱させることなく所望の選択候補を容易に選択させることができる。
【0018】
また、請求項3に記載の入力装置によれば、出力制御手段は、車両が走行開始した時に、選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するための合計所要時間が所定時間以下の場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するように出力手段を制御するので、利用者が運転操作に支障なく全ての選択候補の内容を音声にて把握できる場合に限って、利用者が表示手段を目視しなくても把握可能な態様で、当該選択候補の選択に必要な情報を出力することができ、利用者を混乱させることなく所望の選択候補を容易に選択させることができる。
【0019】
また、請求項4に記載の入力装置によれば、入力手段は、表示手段における表示領域の任意の位置を触れる動作を、出力手段から音声にて出力された選択候補のいずれかを選択するための入力として受け付けるので、車両走行開始後であっても、利用者に、タッチパネルを目視しボタンの位置等を確認しなくとも表示手段における表示領域の任意の位置に触れるという簡易な動作を行うだけで所望の選択候補を選択させることができる。すなわち、安全性を確保しつつ走行中における入力装置の操作性を一層向上させることができる。
【0020】
また、請求項5に記載の入力装置によれば、入力手段は、出力手段から選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで行われた動作を、当該選択候補を選択するための入力として受け付けるので、利用者に、タッチパネルを目視しボタンの位置等を確認しなくとも出力手段から選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに合わせて簡易な動作を行うだけで所望の選択候補を選択させることができる。すなわち、安全性を確保しつつ走行中における入力装置の操作性を一層向上させることができる。
【0021】
また、請求項6に記載の入力装置によれば、表示手段は、選択候補として、情報検索手段による情報検索結果を表示するので、車両走行開始後においても、利用者に、タッチパネルを目視しボタンの位置等を確認しなくとも簡易な動作を行うだけで所望の情報検索結果を選択させることができる。
【0022】
また、請求項7に記載の入力装置によれば、表示手段は、選択候補として、機能制御手段より制御される機能に対応する選択項目を表示するので、利用者に、タッチパネルを目視しボタンの位置等を確認しなくとも簡易な動作を行うだけで所望の機能に対応する選択項目を選択させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る入力装置を例示するブロック図である。
【図2】入力規制処理のフローチャートである。
【図3】選択候補として情報検索結果が表示された液晶パネルを例示した図である。
【図4】選択候補として機能選択項目が表示された液晶パネルを例示した図である。
【図5】選択候補として50音入力の次入力候補が表示された液晶パネルを例示した図である。
【図6】選択候補として機能選択項目が表示された液晶パネルを例示した図である。
【図7】選択入力受付処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る入力装置、入力方法、及び入力プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、本発明に係る入力装置、入力方法、及び入力プログラムは、任意の目的に使用することができるが、この実施の形態では、カーナビゲーションシステムに適用した例を示す。
【0025】
(構成)
最初に、本実施の形態に係る入力装置の構成について説明する。図1は本実施の形態に係る入力装置を例示するブロック図である。入力装置1は車両に搭載されるものであり、図1に示すように、モニタ2、操作部3、スピーカ4、制御部5、及びデータ記録部6を備えている。
【0026】
(構成−モニタ)
モニタ2は、情報の表示出力を行う表示手段であると共に、利用者からの操作入力を受け付ける入力手段である。このモニタ2は、液晶パネル2a、及びタッチパネル2bを備えている。ここで、「利用者」とは、入力装置1を利用する全ての者(入力装置1が搭載された車両の運転者及び同乗者)を意味する。以下では、運転者及び同乗者のうち、その時点において入力装置1を操作している者を「利用者」と称する。
【0027】
(構成−モニタ−液晶パネル)
液晶パネル2aは、制御部5の制御に基づいて各種の情報を表示する表示手段である。この液晶パネル2aとしては公知のものを用いることができる。また、表示手段として、液晶パネル2aに代えて、例えば有機ELディスプレイの如き任意の方式の表示手段を使用することができる。
【0028】
(構成−モニタ−タッチパネル)
タッチパネル2bは、利用者の指等で押圧されることによって操作入力を受け付ける入力手段である。このタッチパネル2bは、透明又は半透明状に形成され、液晶パネル2aの前面において当該液晶パネル2aの表示面と重なり合うように設けられている。このタッチパネル2bとしては、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のタッチパネルを使用することができる。
【0029】
(構成−操作部)
操作部3は、上述のタッチパネル2bの他に、ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部3の具体的な構成は任意であり、例えば、押しボタンやリモートコントローラの如き遠隔操作手段を用いて操作部3を構成することができる。
【0030】
(構成−スピーカ)
スピーカ4は、制御部5の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ4より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0031】
(構成−制御部)
制御部5は、入力装置1を制御するためのものであり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態に係る入力プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して入力装置1にインストールされることで、制御部5の各部を実質的に構成する。
【0032】
この制御部5は、機能概念的に、出力制御部5a、情報検索部5b、及び機能制御部5cを備えている。出力制御部5aは、各種情報を音声にて出力するようにスピーカ4を制御する制御手段である。情報検索部5bは、所定の入力に基づき情報を検索する情報検索手段である。機能制御部5cは、所定の入力に基づき所定の機能を制御する機能制御手段である。これらの制御部5の各部によって実行される処理の詳細については後述する。
【0033】
(構成−データ記録部)
データ記録部6は、入力装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0034】
このデータ記録部6は、例えば地図情報データベース6a(以下、データベースを「DB」と称する)や、音楽DB6bを備えている。
【0035】
地図情報DB6aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、各種施設や地点等を案内するための地点データ(各地点の名称、各地点の位置、各地点の種別等を相互に関連付けた情報を含む)、地形データ、地図を液晶パネル2aに表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。音楽DB6bは、音楽情報を格納する音楽情報格納手段である。「音楽情報」は、音声データのほか、例えば曲名、アーティスト名、アルバム名、ジャンル等の属性データを含んで構成されている。
【0036】
(構成−車速センサ)
入力装置1には、公知の車速センサ7から、車軸の回転数に比例する車速パルス信号等が入力される。
【0037】
(処理)
次に、このように構成された入力装置1によって実行される処理について説明する。この処理は、入力規制処理と選択入力受付処理とに大別される。
【0038】
(処理−入力規制処理)
最初に、入力規制処理について説明する。図2は入力規制処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。入力規制処理は、タッチパネル2bや操作部3に対する操作入力を規制するための処理であり、例えば入力装置1への電源投入後に繰り返し実行される。
【0039】
図2に示すように、入力規制処理が開始されると、制御部5は、車速センサ7からの出力に基づき、車両が走行中か否かを判定する(SA1)。例えば、車速センサ7からの出力に基づき特定された車速が閾値(例えば5km/h)以上である場合、車両が走行中であると判定する。
【0040】
その結果、車両が走行中であると判定した場合(SA1、Yes)、制御部5は、タッチパネル2b及び操作部3に対する入力を規制する状態とする(SA2)。例えば、タッチパネル2bへの押圧や操作部3による操作を検出しても、入力として受け付けない状態とする。その後、制御部5は入力規制処理を終了する。
【0041】
一方、車両が走行中ではないと判定した場合(SA1、No)、制御部5は、タッチパネル2b及び操作部3に対する任意の入力を受け付ける状態とする(SA3)。この場合、例えば、液晶パネル2aに表示された文字ボタン(図示省略)がタッチパネル2bを介して押圧されたことを検出することにより文字入力を受け付けたり、操作部3に含まれる画面切替ボタン(図示省略)が押圧されたことを検出することにより画面切替(例えば地図表示画面から機能選択画面への切り替え等)を指示する旨の操作入力を受け付けたりすることが可能となる。
【0042】
また、選択されるべき選択候補が液晶パネル2aに表示されている場合には、その選択候補のいずれかを選択するための入力をタッチパネル2bや操作部3を介して受け付けることが可能となる。ここで、「選択候補」には、例えば、ナビゲーションシステムにおいて目的地等の地点を選択する場合の地点の候補や、カーオーディオで再生する曲を選択する場合の曲名の候補、あるいはナビゲーションシステムやオーディオ等の機能を選択する場合の機能の候補等が含まれる。図3から図6は、選択候補が表示された液晶パネル2aを例示した図であり、図3は選択候補として情報検索結果が表示された液晶パネルを例示した図、図4は選択候補として機能選択項目が表示された液晶パネルを例示した図、図5は選択候補として50音入力の次入力候補が表示された液晶パネルを例示した図、図6は選択候補として機能選択項目が表示された液晶パネルを例示した図である。
【0043】
例えば、タッチパネル2bを介した文字入力等により「おかざき」とのキーワードが入力され、この「おかざき」を名称に含む地点を検索する旨の指示入力がされた場合、情報検索部5bはデータ記録部6における地図情報DB6aを参照し、「おかざき」を名称に含む地点名を公知の検索方法により検索する。その結果、「岡崎市」、「岡崎市役所」等の529件の地点名が検索された場合、図3(a)に示すように、情報検索部5bは検索結果の529件のうち例えば5件の地点名に対応するボタン20を選択候補として液晶パネル2aに表示させる。また、「おかざきしねま」とのキーワードが入力され、この「おかざきしねま」を名称に含む地点を検索する旨の指示入力がされた場合、情報検索部5bはデータ記録部6における地図情報DB6aを参照し、「おかざきしねま」を名称に含む地点名を公知の検索方法により検索する。その結果、「岡崎シネマワールド本館」、「岡崎シネマワールド新館」、及び「岡崎シネマワールド前」の3件の地点名が検索された場合、図3(b)に示すように、情報検索部5bは検索結果の3件の各地点名に対応するボタン20を選択候補として液晶パネル2aに表示させる。車両が走行中でなく、タッチパネル2b及び操作部3に対する任意の入力を受け付ける状態の場合には、選択候補として表示された何れかのボタン20に対応する位置でタッチパネル2bが押圧されることにより、押圧された位置に表示されているボタン20を選択するための入力が受け付けられる。
【0044】
また、例えば図3(b)で液晶パネル2aに表示されている地点名「岡崎シネマワールド本館」に対応するボタン20がタッチパネル2bを介して押圧された場合、機能制御部5cは図4(a)に示すような機能選択画面を液晶パネル2aに表示させる。この機能選択画面には、選択候補として、機能制御部5cにより制御される機能に対応する選択項目(図4(a)では各機能名「目的地設定」「地点登録」「周辺地図表示」に対応するボタン21)が表示される。車両が走行中でなく、タッチパネル2b及び操作部3に対する任意の入力を受け付ける状態の場合には、選択候補として表示された何れかのボタン21に対応する位置でタッチパネル2bが押圧されることにより、押圧された位置に表示されているボタン21を選択するための入力が受け付けられる。
【0045】
さらに、例えば図4(a)で液晶パネル2aに表示されている機能名「目的地設定」に対応するボタン21がタッチパネル2bを介して押圧された場合、機能制御部5cは図4(b)に示すような機能選択画面を液晶パネル2aに表示させる。この機能選択画面には、選択候補として、機能制御部5cにより制御される機能に対応する選択項目(図4(b)では各機能名「設定する」「キャンセル」に対応するボタン22)が表示される。車両が走行中でなく、タッチパネル2b及び操作部3に対する任意の入力を受け付ける状態の場合には、選択候補として表示された何れかのボタン22に対応する位置でタッチパネル2bが押圧されることにより、押圧された位置に表示されているボタン22を選択するための入力が受け付けられる。
【0046】
また、図5に示すように、液晶パネル2aに文字ボタン23を表示させ、当該文字ボタン23がタッチパネル2bを介して押圧されることにより「おかざきしねまわーるど」と入力された場合、情報検索部5bはデータ記録部6を参照し、「おかざきしねまわーるど」の末尾「ど」の次に入力される可能性のある文字を公知の入力予測方法を用いて予測する。その結果、「し」「ほ」及び「ま」の3文字が予測された場合、図5に示すように、情報検索部5bは当該3文字に対応する文字ボタン23を選択候補として液晶パネル2a上で強調表示させる。車両が走行中でなく、タッチパネル2b及び操作部3に対する任意の入力を受け付ける状態の場合には、選択候補として表示された何れかの文字ボタン23に対応する位置でタッチパネル2bが押圧されることにより、押圧された位置に表示されている文字ボタン23を選択するための入力が受け付けられる。
【0047】
また、画面切替ボタン(図示省略)が押圧されることにより、機能選択画面への画面切替を指示する旨の入力が行われた場合、機能制御部5cは図6(a)に示すような機能選択画面を液晶パネル2aに表示させる。この機能選択画面には、選択候補として、機能制御部5cにより制御される機能に対応する選択項目(図6(a)では各機能名「ワンセグ」「CD」「ラジオ」「カーナビ」「エアコン」に対応するボタン24)が表示される。車両が走行中でなく、タッチパネル2b及び操作部3に対する任意の入力を受け付ける状態の場合には、選択候補として表示された何れかのボタン24に対応する位置でタッチパネル2bが押圧されることにより、押圧された位置に表示されているボタン24を選択するための入力が受け付けられる。
【0048】
さらに、例えば図6(a)で液晶パネル2aに表示されている機能名「CD」に対応するボタン24がタッチパネル2bを介して押圧された場合、機能制御部5cは図6(b)に示すような機能選択画面を液晶パネル2aに表示させる。この機能選択画面には、選択候補として、機能制御部5cにより制御される機能に対応する選択項目(図6(b)では各機能名「再生」「HDDに録音」に対応するボタン25)が表示される。車両が走行中でなく、タッチパネル2b及び操作部3に対する任意の入力を受け付ける状態の場合には、選択候補として表示された何れかのボタン25に対応する位置でタッチパネル2bが押圧されることにより、押圧された位置に表示されているボタン25を選択するための入力が受け付けられる。
【0049】
図2に戻り、SA3でタッチパネル2b及び操作部3に対する任意の入力を受け付ける状態とした後、制御部5は入力規制処理を終了する。
【0050】
(処理−選択入力受付処理)
次に、選択入力受付処理について説明する。図7は選択入力受付処理のフローチャートである。選択入力受付処理は、車両が走行中であっても選択候補の選択入力を受け付けるための処理であり、選択されるべき選択候補が液晶パネル2aに表示されている場合に、所定周期にて繰り返し実行される。なお、選択入力受付処理は、上述の入力規制処理と並行して適宜実行される。
【0051】
図7に示すように、選択入力受付処理が起動されると、出力制御部5aは車両が走行を開始したか否かを判定する(SB1)。車両が走行を開始したか否かの判定基準は任意で、例えば車速センサ7からの出力に基づき特定された車速が閾値(例えば5km/h)以上となった場合に、車両が走行を開始したと判定する。あるいは、パーキングブレーキがOFFとされた場合や、シフトポジションがパーキング以外のポジションとなった場合に車両が走行を開始したと判定してもよく、これらの条件を任意に組み合わせて車両が走行を開始したか否かを判定してもよい。
【0052】
SB1の判定の結果、車両が走行を開始していない(車両が停止している)と判定した場合(SB1、No)、この選択入力受付処理によって選択入力を受け付ける必要はないものとし、制御部5は選択入力受付処理を終了する。この場合には、車両は停止しているため、図2の入力規制処理において、制御部5はタッチパネル2b及び操作部3に対する任意の入力を受け付ける状態とする(SA3)。
【0053】
図7に戻り、車両が走行を開始したと判定した場合(SB1、Yes)、出力制御部5aは、車両が走行を開始した時に、選択候補が所定の基準を満たしていたか否かを判定する(SB2)。この「所定の基準」とは、各選択候補を音声にて順次出力する場合に、当該「所定の基準」を満たすことで、利用者が運転操作に支障なく全ての選択候補の内容を音声にて把握できることとなる基準であり、例えば「選択候補の数が所定数以下であること」を基準とする。
【0054】
例えば、選択候補の数が3以下であることを基準とした場合、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図3(a)の状態であった場合には、選択候補として「岡崎市」、「岡崎市役所」等の529件の選択候補が存在することから、選択候補が所定の基準を満たしていないと判定する。また、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図3(b)の状態であった場合、選択候補として「岡崎シネマワールド本館」、「岡崎シネマワールド新館」、及び「岡崎シネマワールド前」の3件の地点名に対応するボタン20のみが液晶パネル2aに表示されていることから、選択候補が所定の基準を満たすと判定する。
【0055】
また、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図4(a)の状態であった場合、選択候補として各機能名「目的地設定」「地点登録」「周辺地図表示」に対応する3つのボタン21のみが液晶パネル2aに表示されていることから、選択候補が所定の基準を満たすと判定する。また、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図4(b)の状態であった場合、選択候補として各機能名「設定する」「キャンセル」に対応する2つのボタン22のみが液晶パネル2aに表示されていることから、選択候補が所定の基準を満たすと判定する。
【0056】
また、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図5の状態であった場合、選択候補として「し」「ほ」及び「ま」の3文字に対応する文字ボタン23が液晶パネル2aに表示されていることから、選択候補が所定の基準を満たすと判定する。
【0057】
さらに、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図6(a)の状態であった場合、選択候補として各機能名「ワンセグ」「CD」「ラジオ」「カーナビ」「エアコン」に対応する5つのボタン24が液晶パネル2aに表示されていることから、選択候補が所定の基準を満たしていないと判定する。また、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図6(b)の状態であった場合、選択候補として各機能名「再生」「HDDに録音」に対応する2つのボタン25のみが液晶パネル2aに表示されていることから、選択候補が所定の基準を満たすと判定する。
【0058】
あるいは、「選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するための合計所要時間が所定時間以下であること」を基準とする。ここで、「選択候補の選択に必要な情報」とは、例えば図3における検索結果の各地点名(ボタン20上に表示されている地点名の他、液晶パネル2aに表示されていない地点名を含んでもよい)や、図4及び図6における各機能名(ボタン21、ボタン22、ボタン24、及びボタン25上に表示されている機能名の他、液晶パネル2aに表示されていない機能名を含んでもよい)、図5において強調表示されている各文字ボタン23の文字等が含まれる。また、図5の例では、強調表示されている各文字ボタン23の文字を含む地点名(「し」を含む「岡崎シネマワールド新館」、「ほ」を含む「岡崎シネマワールド本館」、及び「ま」を含む「岡崎シネマワールド前」等)を、「選択候補の選択に必要な情報」としてもよい。
【0059】
また、「合計所要時間」としては、例えば選択候補の選択に必要な情報の各々を音声にて出力する際の出力時間の合計値を用いる。車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図3(a)の状態であった場合、選択候補となっている529件の各地点名を音声出力する際の出力時間が1753秒であるとすると、例えば、合計所要時間が20秒以下であることを基準とした場合には、選択候補が所定の基準を満たさないと判定する。また、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図3(b)の状態であった場合において、選択候補として液晶パネル2aに表示されているボタン20上の各地点名を音声出力する際の出力時間が、「岡崎シネマワールド本館」が4秒、「岡崎シネマワールド新館」が4秒、「岡崎シネマワールド前」が3秒であるとすると、合計所要時間は4+4+3=11秒となる。従って、例えば、合計所要時間が20秒以下であることを基準とした場合には、選択候補が所定の基準を満たすと判定する。
【0060】
また、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図4(a)の状態であった場合において、選択候補として液晶パネル2aに表示されているボタン21上の各機能名「目的地設定」「地点登録」及び「周辺地図表示」を音声出力する際の出力時間が、それぞれ2秒であるとすると、合計所要時間は6秒となる。従って、例えば、合計所要時間が20秒以下であることを基準とした場合には、選択候補が所定の基準を満たすと判定する。また、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図4(b)の状態であった場合において、選択候補として液晶パネル2aに表示されているボタン22上の各機能名を音声出力する際の出力時間が、「設定する」が3秒、「キャンセル」が2秒であるとすると、合計所要時間は5秒となる。従って、例えば、合計所要時間が20秒以下であることを基準とした場合には、選択候補が所定の基準を満たすと判定する。
【0061】
また、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図5の状態であった場合において、選択候補として液晶パネル2aに表示されている文字ボタン23上の各文字「し」「ほ」及び「ま」を音声出力する際の出力時間が、それぞれ1秒であるとすると、合計所要時間は3秒となる。従って、例えば、合計所要時間が20秒以下であることを基準とした場合には、選択候補が所定の基準を満たすと判定する。なお、図5において「おかざきしねまわーるど」の末尾「ど」の次に入力される可能性のある文字として予測された「し」を含む「岡崎シネマワールド新館」、「ほ」を含む「岡崎シネマワールド本館」、及び「ま」を含む「岡崎シネマワールド前」の各地点名を音声出力する際の合計所要時間が所定時間以下か否かを判定してもよい。
【0062】
さらに、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図6(a)の状態であった場合において、選択候補として液晶パネル2aに表示されているボタン24上の各機能名「ワンセグ」「CD」「ラジオ」「カーナビ」及び「エアコン」を音声出力する際の出力時間が、それぞれ2秒であるとすると、合計所要時間は10秒となる。従って、例えば、合計所要時間が20秒以下であることを基準とした場合には、選択候補が所定の基準を満たすと判定する。また、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図6(b)の状態であった場合において、選択候補として液晶パネル2aに表示されているボタン25上の各機能名を音声出力する際の出力時間が、「再生」が2秒、「HDDに録音」が3秒であるとすると、合計所要時間は5秒となる。従って、例えば、合計所要時間が20秒以下であることを基準とした場合には、選択候補が所定の基準を満たすと判定する。
【0063】
あるいは、選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力する際の各選択候補間の間隔(例えば2秒間)も含めて、選択候補の選択に必要な全ての情報の音声出力を開始してから終了するまでの時間を用いてもよい。
【0064】
また、選択候補の数と、選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するための合計所要時間とを組み合わせて、選択候補が所定の基準を満たすか否かを判定してもよい。例えば、選択候補の数が所定数以下、且つ選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するための合計所要時間が所定時間以下の場合に選択候補が所定の基準を満たすと判定してもよく、あるいは、選択候補の数が所定数以下、又は選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するための合計所要時間が所定時間以下のいずれかの場合に選択候補が所定の基準を満たすと判定してもよい。
【0065】
図7に戻り、SB2の判定の結果、車両が走行を開始した時に、選択候補が所定の基準を満たしていないと判定した場合(SB2、No)、選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力しても、例えば出力される情報が多すぎて全ての選択候補の内容を把握することができない等、利用者にとって所望の選択候補の選択が困難なものとし、制御部5は選択入力受付処理を終了する。この場合には、車両が走行を開始しているため、図2の入力規制処理において、制御部5はタッチパネル2b及び操作部3に対する入力を規制する状態とする(SA2)。従って、車両が停止するまで、利用者は選択候補の選択ができない状態となる。
【0066】
図7に戻り、SB2の判定の結果、車両が走行を開始した時に、選択候補が所定の基準を満たすと判定した場合(SB2、Yes)、出力制御部5aは、最初の選択候補の選択に必要な情報を音声にて出力するようにスピーカ4を制御する(SB3)。「最初の選択候補」としては、例えば図3(b)において選択候補として液晶パネル2aに表示された各地点名に対応するボタン20のうち最上段のボタン20(「岡崎シネマワールド本館」のボタン20)や、図4(a)において選択候補として液晶パネル2aに表示された各機能名に対応するボタン21のうち最上段に配置されているボタン21(「目的地設定」のボタン21)、図4(b)において選択候補として液晶パネル2aに表示された各機能名に対応するボタン22のうち最上段に配置されているボタン22(「設定する」のボタン22)、図5において選択候補として液晶パネル2aに強調表示された文字ボタン23のうち50音順で最も上位の文字ボタン23(「し」の文字ボタン23)、図6(a)において選択候補として液晶パネル2aに表示された各機能名に対応するボタン24のうち最左上に配置されているボタン24(「ワンセグ」のボタン24)、あるいは図6(b)において選択候補として液晶パネル2aに表示された各機能名に対応するボタン25のうち最上段に配置されているボタン25(「再生」のボタン25)が用いられる。
【0067】
図7に戻り、SB3で最初の選択候補の選択に必要な情報を音声にて出力するようにスピーカ4を制御した後、出力制御部5aは、スピーカ4から最初の選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで、モニタ2における表示領域の任意の位置を触れる動作がタッチパネル2bによって検出された否かを判定する(SB4)。ここで、「選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミング」とは、例えば、その選択候補の選択に必要な情報が音声にてスピーカ4から出力されている期間中のタイミングを示す。さらに、その選択候補の選択に必要な情報が音声にてスピーカ4から出力された後、次の選択候補の選択に必要な情報の出力が開始されるまでの期間(例えば2秒間)中のタイミングを含めてもよい。また、「モニタ2における表示領域の任意の位置を触れる動作」とは、例えばタッチパネル2b上の任意の位置を触れる動作であり、選択候補として液晶パネル2aに表示された任意のボタン上の位置や、ボタンや文字等が表示されていない背景画像上の位置等、タッチパネル2b上のあらゆる位置を触れる動作を含む。
【0068】
その結果、スピーカ4から最初の選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで、モニタ2における表示領域の任意の位置を触れる動作がタッチパネル2bによって検出された場合(SB4、Yes)、出力制御部5aは、最初の選択候補を選択するための入力がタッチパネル2bによって受け付けられたものとする(SB5)。例えば、図3(b)において最初の選択候補として液晶パネル2aに表示されたボタン20の地点名「岡崎シネマワールド本館」がスピーカ4から出力されている期間中に、タッチパネル2b上の任意の位置が触れられた場合、出力制御部5aは、タッチパネル2bにおいて押圧された位置に関わらず地点名「岡崎シネマワールド本館」が選択されたものとする。これにより、地点名「岡崎シネマワールド本館」に対応するボタン20の位置を目視にて確認しなくても、地点名「岡崎シネマワールド本館」がスピーカ4から出力されている間にタッチパネル2b上の任意の位置に触れるだけで、利用者は地点名「岡崎シネマワールド本館」を選択することが可能となる。その後、制御部5は選択入力受付処理を終了する。
【0069】
図7に戻り、SB4においてスピーカ4から最初の選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで、モニタ2における表示領域の任意の位置を触れる動作がタッチパネル2bによって検出されなかった場合(SB4、No)、出力制御部5aは、次の選択候補の有無を判定する(SB6)。「次の選択候補」としては、例えば図3(b)において選択候補として液晶パネル2aに表示された各地点名に対応するボタン20のうち、前回スピーカ4から地点名が音声にて出力されたボタン20の下段に位置するボタン20や、図4(a)において選択候補として液晶パネル2aに表示された各機能名に対応するボタン21のうち、前回スピーカ4から機能名が音声にて出力されたボタン21の下段に位置するボタン21、図4(b)において選択候補として液晶パネル2aに表示された各機能名に対応するボタン22のうち、前回スピーカ4から機能名が音声にて出力されたボタン22の下段に位置するボタン22、図5において選択候補として液晶パネル2aに強調表示された文字ボタン23のうち、50音順で前回スピーカ4から音声にて出力された文字ボタン23の次の文字ボタン23、図6(a)において選択候補として液晶パネル2aに表示された各機能名に対応するボタン24のうち、前回スピーカ4から機能名が音声にて出力されたボタン24の下段に位置するボタン24、あるいは図6(b)において選択候補として液晶パネル2aに表示された各機能名に対応するボタン25のうち、前回スピーカ4から機能名が音声にて出力されたボタン25の下段に位置するボタン25が用いられる。
【0070】
図7に戻り、SB6において次の選択候補が無いと判定した場合(SB6、No)、これ以上選択候補の選択入力を受け付ける必要はないものとし、制御部5は選択入力受付処理を終了する。
【0071】
一方、次の選択候補があると判定した場合(SB6、Yes)、出力制御部5aは、当該次の選択候補の選択に必要な情報を音声にて出力するようにスピーカ4を制御する(SB7)。
【0072】
続いて、出力制御部5aは、SB7でスピーカ4から選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで、モニタ2における表示領域の任意の位置を触れる動作がタッチパネル2bによって検出されたか否かを判定する(SB8)。
【0073】
その結果、SB7でスピーカ4から選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで、モニタ2における表示領域の任意の位置を触れる動作がタッチパネル2bによって検出された場合(SB8、Yes)、出力制御部5aは、当該選択候補を選択するための入力がタッチパネル2bによって受け付けられたものとする(SB9)。例えば、図3(b)において次の選択候補として液晶パネル2aに表示されたボタン20の地点名「岡崎シネマワールド新館」がスピーカ4から出力されている期間中に、タッチパネル2b上の任意の位置が触れられた場合、出力制御部5aは、タッチパネル2bにおいて押圧された位置に関わらず地点名「岡崎シネマワールド新館」が選択されたものとする。これにより、地点名「岡崎シネマワールド新館」に対応するボタン20の位置を目視にて確認しなくても、地点名「岡崎シネマワールド本館」がスピーカ4から出力されている間にタッチパネル2b上の任意の位置に触れるだけで、利用者は地点名「岡崎シネマワールド新館」を選択することが可能となる。すなわち、スピーカ4から選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで、各選択候補について共通に設定された動作(ここでは、タッチパネル2b上の任意の位置を触れる動作)を行うだけで、利用者は所望の選択候補を選択することが可能となる。なお、「各選択候補について共通に設定された動作」は、選択候補を確定するための単一の動作であることが望ましい。SB9の処理の後、制御部5は選択入力受付処理を終了する。
【0074】
図7に戻り、SB8において、SB7でスピーカ4から選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで、モニタ2における表示領域の任意の位置を触れる動作がタッチパネル2bによって検出されなかった場合(SB8、No)、出力制御部5aはSB6に戻り、さらに次の選択候補の有無を判定する(SB6)。
【0075】
(効果)
このように本実施の形態によれば、車両が走行開始した時に、選択候補が所定基準を満たす場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するようにスピーカ4を制御するので、所定基準を満たす選択候補に絞って、利用者がモニタ2を目視しなくとも把握可能な態様で、当該各選択候補の選択に必要な情報を出力することができる。さらに、各選択候補について共通に設定された動作を、スピーカ4から音声にて出力された選択候補のいずれかを選択するための入力として受け付けるので、利用者に、タッチパネル2bを目視しボタンの位置等を確認しなくともスピーカ4から出力された情報に基づいて簡易な動作を行うだけで所望の選択候補を選択させることができる。すなわち、安全性を確保しつつ走行中における入力装置1の操作性を向上させることができる。
【0076】
また、出力制御部5aは、車両が走行開始した時に、選択候補の数が所定数以下の場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するようにスピーカ4を制御するので、車両走行開始後においても、利用者が運転操作に支障なく全ての選択候補の内容を音声にて把握できる場合に限って、利用者がモニタ2を目視しなくても把握可能な態様で、当該選択候補の選択に必要な情報を出力することができ、利用者を混乱させることなく所望の選択候補を容易に選択させることができる。
【0077】
また、出力制御部5aは、車両が走行開始した時に、選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するための合計所要時間が所定時間以下の場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するようにスピーカ4を制御するので、車両走行開始後においても、利用者が運転操作に支障なく全ての選択候補の内容を音声にて把握できる場合に限って、利用者がモニタ2を目視しなくても把握可能な態様で、当該選択候補の選択に必要な情報を出力することができ、利用者を混乱させることなく所望の選択候補を容易に選択させることができる。
【0078】
また、タッチパネル2bは、モニタ2における表示領域の任意の位置を触れる動作を、スピーカ4から音声にて出力された選択候補のいずれかを選択するための入力として受け付けるので、車両走行開始後であっても、利用者に、タッチパネル2bを目視しボタンの位置等を確認しなくともタッチパネル2b上の任意の位置に触れるという簡易な動作を行うだけで所望の選択候補を選択させることができる。すなわち、安全性を確保しつつ走行中における入力装置1の操作性を一層向上させることができる。
【0079】
また、タッチパネル2bは、スピーカ4から選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで行われた動作を、当該選択候補を選択するための入力として受け付けるので、利用者に、タッチパネル2bを目視しボタンの位置等を確認しなくともスピーカ4から選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに合わせて簡易な動作を行うだけで所望の選択候補を選択させることができる。すなわち、安全性を確保しつつ走行中における入力装置1の操作性を一層向上させることができる。
【0080】
また、モニタ2は、選択候補として、情報検索部5bによる情報検索結果を表示するので、車両走行開始後においても、利用者に、タッチパネル2bを目視しボタンの位置等を確認しなくとも簡易な動作を行うだけで所望の情報検索結果を選択させることができる。
【0081】
また、モニタ2は、選択候補として、機能制御部5cより制御される機能に対応する選択項目を表示するので、利用者に、タッチパネル2bを目視しボタンの位置等を確認しなくとも簡易な動作を行うだけで所望の機能に対応する選択項目を選択させることができる。
【0082】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0083】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0084】
(選択候補について)
上記実施の形態では、情報検索部5bによる検索結果(図3(b)における地点名、及び図5における文字ボタン23)や、機能制御部5cにより制御される機能に対応する選択項目(図4及び図6における機能名)が全て選択候補として液晶パネル2aに表示されている場合を例として説明したが、必ずしも全ての選択候補が液晶パネル2aに同時に表示されていなくともよい。この場合、液晶パネル2aに表示されていなかった選択候補についても、所定の基準を満たしている場合には、選択入力受付処理において当該選択候補の選択に必要な情報を音声にてスピーカ4から出力させ、当該選択候補を、選択可能としてもよい。
【0085】
また、選択入力受付処理のSB2において、車両が走行を開始した時に選択候補が所定の基準を満たしていたか否かを判定する際、液晶パネル2aに表示されている階層の選択候補が所定の基準を満たすか否かを判定する場合を例として説明したが、さらに下位の階層に存在する全ての選択候補も含めて所定の基準を満たすか否かを判定するようにしてもよい。例えば、車両が走行を開始した時の液晶パネル2aが図6(a)の状態であった場合、選択候補として、液晶パネル2aに表示されている選択候補「ワンセグ」「CD」「ラジオ」「カーナビ」「エアコン」に加えて、図6(b)に例示した「CD」の下位の階層に存在する選択候補「再生」及び「HDDで録音」や、「カーナビ」の下位の階層に存在する選択候補(例えば「経路探索」「地点検索」「機能設定」)等、下位の階層に存在する全ての選択候補を含めて、所定の基準を満たすか否かを判定するようにしてもよい。この場合、次の選択が不要な最終的な選択候補が所定の基準を満たしている場合にのみ各選択候補の選択に必要な情報を出力するので、選択候補の最終的な確定動作を利用者に容易に行わせることができる。
【0086】
(情報検索部について)
上記実施の形態では、情報検索部5bがデータ記録部6における地図情報DB6aを参照して地点を検索する場合を例として説明したが、例えばデータ記録部6における音楽DB6bを参照して曲名を検索する等、情報検索部5bが任意の情報を検索し、その検索結果を選択候補として液晶パネル2aに表示させてもよい。
【0087】
(選択動作について)
上述の実施の形態では、各選択候補について共通に設定された動作として、スピーカ4から選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで、モニタ2における表示領域の任意の位置を触れる動作がタッチパネル2bによって検出された場合、当該選択候補を選択するための入力がタッチパネル2bによって受け付けられたものとする例を説明したが、その他の動作を選択入力として受け付けるようにしてもよい。例えば、操作部3を介した所定の入力動作(例えばハンドルの近傍に配置された特定のボタンを押下する動作等)を、選択入力として受け付けてもよい。あるいは、公知の音声認識装置により特定の音声(例えば「確定」や「それ」等)が検出された場合に、当該音声を選択入力として受け付けてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 入力装置
2 モニタ
2a 液晶パネル
2b タッチパネル
3 操作部
4 スピーカ
5 制御部
5a 出力制御部
5b 情報検索部
5c 機能制御部
6 データ記録部
6a 地図情報DB
6b 音楽DB
7 車速センサ
20、21、22、24、25 ボタン
23 文字ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される入力装置であって、
選択されるべき選択候補を表示する表示手段と、
音声を出力する出力手段と、
前記車両が走行開始した時に、前記選択候補が所定基準を満たす場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するように前記出力手段を制御する制御手段と、
各選択候補について共通に設定された動作を、前記出力手段から音声にて出力された選択候補のいずれかを選択するための入力として受け付ける入力手段と、
を備える入力装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記車両が走行開始した時に、前記選択候補の数が所定数以下の場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するように前記出力手段を制御する、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記車両が走行開始した時に、前記選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するための合計所要時間が所定時間以下の場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するように前記出力手段を制御する、
請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記入力手段は、前記表示手段における表示領域の任意の位置を触れる動作を、前記出力手段から音声にて出力された選択候補のいずれかを選択するための入力として受け付ける、
請求項1から3のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記入力手段は、前記出力手段から前記選択候補の選択に必要な情報が音声にて出力されるタイミングに対応するタイミングで行われた前記動作を、当該選択候補を選択するための入力として受け付ける、
請求項1から4のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項6】
所定の入力に基づき情報を検索する情報検索手段を備え、
前記表示手段は、前記選択候補として、前記情報検索手段による情報検索結果を表示する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項7】
所定の入力に基づき所定の機能を制御する機能制御手段を備え、
前記表示手段は、前記選択候補として、前記機能制御手段により制御される機能に対応する選択項目を表示する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の入力装置。
【請求項8】
車両に搭載される入力装置により実行される入力方法であって、
選択されるべき選択候補を表示する表示ステップと、
音声を出力手段から出力する出力ステップと、
前記車両が走行開始した時に、前記選択候補が所定基準を満たす場合に、各選択候補の選択に必要な情報を音声にて順次出力するように前記出力手段を制御する制御ステップと、
前記選択候補について共通に設定された動作を、前記出力手段から音声にて出力された選択候補のいずれかを選択するための入力として受け付ける入力ステップと、
を含む入力方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法をコンピュータに実行させる入力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−253304(P2011−253304A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126115(P2010−126115)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】