説明

入力装置及び携帯端末

【課題】 ジョグダイヤルによる操作性の優位性を確保しつつ、1個のジョグダイヤルを用いた上下方向及び左右方向へのスマート且つスムーズな操作指示入力を実現可能とする。
【解決手段】
回転操作デバイス6は、第二筐体2の筐体主面に対して略々平行する円柱軸を中心として回転自在になされると共にその筐体主面下方向へ押下操作される円柱形状の回転ダイヤル部7を有している。また、回転操作デバイス6は、回転ダイヤル部7が筐体主面に対して略々平行した状態を維持しつつ、その回転ダイヤル部7を、筐体主面に対して垂直で且つ当該回転ダイヤル部7の円柱軸の略々中央と直交する回転軸にて「方向変換」可能に支持している。さらに、回転操作デバイス6は、回転ダイヤル部7の円柱軸による回転方向及び回転量と押下操作と、「方向変換」時の回転位相を検出する回転検出部を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにより操作される操作デバイスとしていわゆるジョグダイヤル等の回転操作デバイスを備えた入力装置及びその入力装置を有する携帯電話端末等の携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯端末の代表例である携帯電話端末には、ユーザが当該携帯端末の動作モードを選択するための指示入力や各種の決定指示入力を行うための操作デバイスとして、いわゆるジョグダイヤルと呼ばれている操作入力装置が搭載されている機種がある。当該従来の携帯端末に搭載されているジョグダイヤルは、そのジョグダイヤルの設置筐体面に対して略々平行な回転軸により回転操作が可能で且つ、当該設置筐体面に対して略々垂直な方向への押下操作(筐体内方向への押下操作)が可能となされた回転ダイヤル部と、その回転ダイヤル部の回転方向及び回転量を検出してそれら検出信号を発生するダイヤル回転検出部とを、主要構成要素として備えている。
【0003】
また、当該携帯電話端末が長方形状の液晶パネルを有している場合において、上記ジョグダイヤルの回転ダイヤル部の回転軸は、当該液晶パネルの長方形状の画面の例えば短尺辺方向と平行するように配置されていることが一般的である。
【0004】
さらに、上記ジョグダイヤルを備えた携帯電話端末において、そのジョグダイヤルの周囲には4個の別のキー(押しボタン)が配置されることも多い。これら4個のキーは、上記ジョグダイヤルの回転軸に対して直交する方向で且つ当該ジョグダイヤルを挟んで相対応した位置に配される2個のキーと、当該ジョグダイヤルの回転軸に対して平行方向で且つジョグダイヤルを挟んで相対応した位置に配される2個のキーとからなっている。
【0005】
それら4個のキーは、上記液晶パネル等の画面上に表示される例えばカーソル(画面上でユーザ所望の部分を指し示すポインタマーク)を、当該画面上で移動させるためのユーザ指示入力デバイスとして使用されることが多い。すなわち例えば、液晶パネルが長方形状の画面を有し、その画面の長尺辺方向を当該表示画面上の上下方向とし、一方、当該画面の短尺辺方向を当該表示画面の左右方向とした場合、上記4個のキーのうち、上記ジョグダイヤル回転軸の直交方向で且つ当該ジョグダイヤルを挟んで相対応した位置に配される2個のキーは、画面上でカーソルを上下方向に移動させるための上下キーとなされ、一方、ジョグダイヤルの回転軸に対して平行方向で且つジョグダイヤルを挟んで相対応した位置に配される2個のキーは、画面上でカーソルを左右方向に移動させるための左右キーとなされる。
【0006】
また、ジョグダイヤルは、上述のように上下キー及び左右キーの操作により上記カーソルが最終的に指し示している部分(これは例えば「選択されたモード」を示すアイコンである場合が多い。)について、ユーザが決定指示の入力を行う際の押下スイッチとして操作されることが多い。
【0007】
以下、実際の携帯電話端末での使用例を挙げ、上記ジョグダイヤルと上下キー及び左右キーの5個の操作デバイスによるユーザ操作及び画面表示の遷移について簡単に説明する。
【0008】
例えば電話帳(アドレス帳)が画面表示されている状態で、当該電話帳画面の中から所望の通話相手先として例えば「鈴木さん」を選択して電話を架けるような場合について、一般的な電話帳表示例とその使用方法を例に挙げて説明する。
【0009】
ここで、日本語表記の電話帳表示の一例として、画面上で横方向に「あ,か,さ,た,な,・・・・」の各行が並べられ、画面上の下方向には各行毎にその行に含まれる各列の文字と一致する先頭文字を有する電話帳登録名(電話帳の名簿)が順に並べられているとする。
【0010】
このような電話帳表示がなされている場合において、上記「鈴木さん」へ電話を架ける際、ユーザは、先ず左右キーを操作してカーソルを画面上で左右方向(横方向)に動かして「さ」行を選択する。この時、電話帳表示画面は、上記選択された状態の「さ」行に含まれる「さ,し,す,せ,そ」の各列文字と一致する先頭文字を有する電話帳登録名が画面上の下方向に並んで表示された状態に遷移する。
【0011】
次に、ユーザは、上記「さ」行が選択されている状態の電話帳表示の時に、上下キーを操作してカーソルを画面上で下方向(縦方向)に動かすことにより、当該「さ」行内の「さ,し,す,せ,そ」の各列文字と一致する先頭文字を有する電話帳登録名の中から先頭文字が「す」である「鈴木さん」を選択する。
【0012】
そして、当該「鈴木さん」が選択されている状態で、ジョグダイヤルが押下操作されると、「鈴木さん」の電話番号が画面表示されて電話発信が可能な状態となり、その状態で発話キーが押された時に「鈴木さん」への電話発信が行われる。
【0013】
上記ジョグダイヤルと上下キー及び左右キーからなる5個の操作デバイスは、上述したような電話発信以外の他の目的にも利用可能である。
【0014】
例えば、画面上に地図が表示されている状態で、その地図上の或る地点をカーソルにより選んだ上で何らかのアクセスを行うような場合にも利用可能となされている。
【0015】
一例として、地図上に表示されているカーソルを、例えば現在地点から地図上で右上方向に位置している所望の地点(例えばホテルなど)へ移動させたいような場合にも、上下キーと左右キーを適当に操作することで実現可能となっている。そして、上下キー及び左右キーが操作されてカーソル位置が上記所望地点に移動した後、例えばジョグダイヤルが押下操作されると、当該所望地点のホテルに関するリンクが貼られたウェブページへのアクセスがなされ、そのページを表示するといった利用が可能となる。
【0016】
ところで、ジョグダイヤルは、上述したような押下操作による決定指示の入力用途の他に、回転操作によりカーソルを画面上で上下方向に素早く移動させるための指示をユーザが入力するためにも使用可能となされている。
【0017】
すなわち、ジョグダイヤルの回転ダイヤル部は、具体的には円柱形となされており、その円柱形回転ダイヤル部が円柱軸を中心として回転する構造を有している。また、当該回転ダイヤル部は、ユーザの操作(多くの場合は指先操作)による適度な力量で容易に回転可能となされているとともに、ユーザにより加えられる回転力が終了すると当該回転ダイヤル部の回転も停止し、その停止後の位置(つまり回転位相)が適度なディテント力をもって保持されるようになされている。
【0018】
そして、一般的な携帯電話端末では、上記ジョグダイヤルの回転ダイヤル部への回転操作に応じて、カーソルを画面上で上下方向へ移動させることも可能となされている。すなわち、ユーザは、当該ジョグダイヤルを回転操作することにより、上下キーによる押下操作に代えて、画面上でカーソルを上下方向へ移動させることができる。特に、上記ジョグダイヤルへの回転操作は、上下キーへの押下操作に比べて非常にスマート且つスムーズな操作となっているため、多くのユーザから好評を博している。
【0019】
なお、特開2007−41963号の公開特許公報(特許文献1)には、ディスプレイ上のカーソルの左右方向の移動操作を行うためのジョグダイヤルと、そのディスプレイ上のカーソルの上下方向の移動操作を行うためのジョグダイヤルとの、合計二つのジョグダイヤルを備えた電子機器が開示されている。すなわちこの公報記載の電子機器において、ジョグダイヤルは、それぞれ回転軸が直交するように設けられており、また、操作者の親指の幅として想定される幅(例えば20mm)より狭い間隔となるように互いに近接して設けられている。
【0020】
【特許文献1】特開2007−41963号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
上述したように、ジョグダイヤルは、スムーズな操作性を有するといった点で非常に優れた操作デバイスではあるが、回転軸が一軸のみとなされているため、例えば画面上で上下方向にカーソルを移動させる際には威力を発揮するが、例えば画面上で左右方向や斜め方向にカーソルを移動させたい場合などには使用できないという点で物足りない面がある。
【0022】
例えば、画面に表示された地図上でカーソルを現在地点から斜め方向の目的地点へ移動させる場合において、例えば上下方向へのカーソル移動を素早くするためにジョグダイヤルを用いるようにしたとすると、ユーザは、例えば先ずジョグダイヤル操作によりカーソルを上下方向へ移動させ、次いで左右キー操作によりカーソルを左右方向へ移動させるような操作を繰り返すか、若しくは、先に左右キー操作によりカーソルを左右方向へ移動させてから、次にジョグダイヤル操作にてカーソルを上下方向へ移動させるような操作を繰り返すことで、カーソルを目的地点へ漸近させるような操作を行わなければならなくなる。
【0023】
すなわち、従来の操作デバイスでは、地図上の目的地点へカーソルを直行させるように移動(つまりカーソルを直接斜め方向へ移動)させることができないため、非常に操作が煩雑となっている。特に、地図上の目的地点が画面表示外となっているような場合、つまり地図上の目的地点が現在地点から何れの方向にあるのかをユーザが直感的に判断し難いような場合には、当該画面表示外の目的地点へカーソルを近づけるために、煩雑な操作を何度も行わなければならなくなり、操作に時間がかかってしまう。
【0024】
なお、このような問題を解決するための手法として、上述の公報記載の電子機器のように、上下方向用のジョグダイヤルと左右方向用のジョグダイヤルの2個のジョグダイヤルを用意し、それら2個のジョグダイヤルを用いた2軸同時回転操作により、上下左右同時にカーソルを移動させること、つまりカーソルを斜め方向に移動させることを、実現するような手法も考えられる。
【0025】
しかしながら、この手法の場合には以下のような新たな問題が発生する。
【0026】
例えば、2個のジョグダイヤルを同時に操作してカーソルを斜め方向に直行させるようにした場合には、それら2個のジョグダイヤルを同時に操作するために両手(実際には両手の親指)が必要になってしまう。
【0027】
また例えば、片手(実際には片手の親指)のみで操作することにした場合には、先ず一方(例えば上下方向用のジョグダイヤル)を操作し、次いで他方(例えば左右方向用のジョグダイヤル)を操作するような、二段階の操作が必要になり時間がかかってしまう。
【0028】
また例えば、ジョグダイヤルを2個配置するような構成を採用した場合、携帯端末上にどのようにジョグダイヤルを配置するかを検討しなければならず、他の操作デバイス等の構成要素をも含めたデザイン上のレイアウトの自由度が低下してしまう虞がある。
【0029】
さらに、ジョグダイヤルを2個搭載する場合には、携帯端末本体が大型化してしまう虞があり、また、部品点数の増加により製造コスト及び端末コストが増加するという問題も発生する。
【0030】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ジョグダイヤルによる操作性の優位性を確保しつつ、1個のジョグダイヤルを用いた上下方向及び左右方向へのスマート且つスムーズな操作指示入力を実現可能とした入力装置及び携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明の入力装置は、所定の主面に対して略々平行する円柱軸を中心として回転自在になされると共にその所定の主面下方向へ押下操作される円柱形状の第一の回転操作子と、所定の主面に対して垂直で且つ第一の回転操作子の円柱軸の略々中央と直交する回転軸を有し第一の回転操作子の円柱軸が上記所定の主面に対して略々平行した状態を維持して当該第一の回転操作子をその回転軸を中心に回動自在に支持する第二の回転操作子と、第一の回転操作子の円柱軸を中心とした回転方向及び回転量と押下操作を検出する回転・押下検出部と、第二の回転操作子の回転軸を中心とした回転操作による少なくとも回転位相を検出する回転位相検出部とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0032】
また、本発明の携帯端末は、本発明の入力装置と、少なくとも画像を表示する画面を有する表示部と、表示部の画面上に表示される所定のポインタマークを入力装置の回転位相検出部が検出した回転位相に応じた方向へ、入力装置の回転・押下検出部が検出した回転方向及び回転量に応じて移動表示させる表示制御部とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0033】
すなわち、本発明によれば、第二の回転操作子は、第一の回転操作子を、所定の主面に対して垂直で且つ第一の回転操作子の円柱軸の略々中央と直交する回転軸にて回転可能としている。また、それら第一,第二の回転操作子への回転操作は、回転・押下検出部及び回転位相検出部により検出される。さらに、本発明によれば、例えば表示部の画面上に表示される所定のポインタマークを、回転位相検出部による回転位相に応じた方向へ、回転・押下検出部による回転方向及び回転量に応じて移動表示させるようになされている。
【発明の効果】
【0034】
本発明において、第二の回転操作子により、第一の回転操作子を所定の主面に対して垂直で且つ第一の回転操作子の円柱軸の略々中央と直交する回転軸にて回転可能とし、また、第一,第二の回転操作子への回転操作が回転・押下検出部及び回転位相検出部にて検出可能となされているため、例えば表示部の画面上に表示される所定のポインタマークを、回転位相検出部による回転位相に応じた方向へ、回転・押下検出部による回転方向及び回転量に応じて移動表示させることが可能となる。すなわち、本発明においては、第一の回転操作子(例えばジョグダイヤル)による操作性の優位性が確保されておると共に、さらに第二の回転操作子により第一の回転操作子の円柱軸を回動可能となされている。したがって、ユーザは、そのジョグダイヤルを用いて、上下方向だけでなく左右方向や斜め方向などについても、スマート且つスムーズに操作指示を入力することができることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0036】
なお、以下の実施形態では、本発明の入力装置及び携帯端末の適用例として、携帯電話端末を挙げているが、勿論、ここで説明する内容はあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。また、本実施形態では、端末タイプとしていわゆる折り畳みタイプを例に挙げているが、本発明は折り畳みタイプに限定されず、ストレートタイプ等の何れのタイプであっても適用可能である。
【0037】
〔携帯電話端末の概略的な外観〕
図1には、本発明の入力装置及び携帯端末の一実施形態である携帯電話端末の概略的な外観構成例を示す。
【0038】
本実施形態の携帯電話端末は、いわゆる折り畳みタイプの端末であり、第一筐体1と第二筐体2とがヒンジ部(連結機構)3を介して回転自在に連結されている。なお、図1は当該携帯電話端末を開いた状態で、後述する各種キー部5及び回転操作デバイス6とディスプレイパネル4側から見た図である。
【0039】
第一筐体1及び第二筐体2は共に長方形状の筐体からなり、それら長方形状の第一筐体1及び第二筐体2のそれぞれ一方の短尺辺側が上記ヒンジ部3を介して連結されている。
【0040】
ヒンジ部3は、その回転軸が上記第一,第二筐体1,2の上記一方の短尺辺と平行する軸となされている。このヒンジ部3が上記回転軸にて上記第一,第二筐体1,2を回動自在に連結していることで、当該携帯電話端末は折り畳みタイプの端末となされている。
【0041】
上記第一筐体1は、ディスプレイパネル4と受話用スピーカやカメラ部等が配置されている。
【0042】
上記ディスプレイパネル4とスピーカ等は、当該第一筐体1を構成する各筐体面のうち、本実施形態の携帯電話端末を折り畳んだ時に内側となる筐体面上に設置されている。また、上記ディスプレイパネル4は、当該第一筐体1の長方形状に略々合わせた長方形形状となされており、したがってその表示画面の形状も長方形状となされている。
【0043】
第二筐体2は、主要な回路構成と着脱可能なバッテリ(図示は省略する。)を内蔵し、また、その筐体上には各種キー部5や回転操作デバイス6、マイクロホン等が配されている。
【0044】
上記各種キー部5は、第二筐体2を構成する各筐体面のうち、本実施形態の携帯電話端末を折り畳んだときに内側となる筐体面(以下、この筐体面を特に筐体主面と表記することとする。)上に設置され、例えば電話番号の入力操作や電子メールの文字入力操作、発信操作、電源のオン/OFF操作などの各種操作を行うための複数のキー操作子からなっている。
【0045】
上記回転操作デバイス6は、上記筐体主面に設けられており、その主要構成要素として、回転ダイヤル部7、回転プレート8、回転検出部等を有して構成されている。なお、当該回転操作デバイス6の構成要素は、上記回転ダイヤル部7や回転プレート8等の他にも在るが、それらの詳細な構成等については後述する。
【0046】
上記回転ダイヤル部7は、略々円柱形状となされており、その円柱軸は回転軸となされている。当該回転ダイヤル部7の詳細な構成については後述する。
【0047】
また、詳細な構成については後述するが、回転操作デバイス6は、上記回転ダイヤル部7の円柱形状の外周部の少なくとも一部を露出させた状態で、且つ、上記円柱軸が上記筐体主面に対して略々平行な関係となるように軸支する機構を有していると共に、上記筐体主面と略々垂直な方向へ一定以上の押下力(第二筐体内方向への押下力)が上記回転ダイヤル部7に加えられた時に、当該回転ダイヤル部7を通常位置から一定深さだけ第二筐体内方向へ沈下させ、一方、当該押下力が解放された時には通常位置へ戻るようにする機構を備えている。同じく詳細な構成については後述するが、回転操作デバイス6は、上記回転ダイヤル部7の円柱軸が上記筐体主面に対して略々平行となる関係を維持した状態で、当該回転ダイヤル部7を上記筐体主面に対して垂直方向の回転軸にて回動可能とする機構を備えている。
【0048】
回転プレート8は、上記回転ダイヤル部7の円柱軸が筐体主面に対して略々平行となる関係を維持した状態で当該回転ダイヤル部7を筐体主面に垂直な回転軸にて回転させる際の回転力を、ユーザが加えるために用意されたデバイスである。当該回転プレート8の詳細な構成については後述する。
【0049】
上記回転検出部は、回転操作デバイス6の第二筐体2の内部側に設けられており、上記回転ダイヤル部7がその円柱軸を回転軸として回転した場合の回転方向及び回転量を検出してそれら検出信号を発生するダイヤル回転検出部と、上記回転ダイヤル部7の円柱軸が筐体主面に対して略々平行となる関係を維持した状態で当該回転ダイヤル部7が筐体主面に垂直な回転軸により回転した場合の少なくとも回転位相を検出してその検出信号を発生するの回転位相検出部とから構成されている。したがって、本実施形態の携帯電話端末は、上記ダイヤル回転検出部からの検出信号により、当該回転ダイヤル部7がその円柱軸にて何れの方向にどの程度の量だけ回転操作されたのかを検知可能となる。同様に、本実施形態の携帯電話端末は、上記回転位相検出部からの検出信号により、上記回転ダイヤル部7が筐体主面に垂直な回転軸により回転した場合の回転位相を検知可能となる。当該回転検出部の詳細な構成については後述する。
【0050】
〔回転ダイヤル部の回転位相と、円柱軸による回転ダイヤル部の回転操作に応じたカーソル表示制御の例〕
図2〜図5には、上記回転プレート8へ加えられた回転力により、上記回転ダイヤル部7が筐体主面に垂直な回転軸にて回転した場合の回転位相の一例を示す。
【0051】
なお、図2〜図5は、第一筐体1のディスプレイパネル4の表示画面と、第二筐体2の筐体主面のうち回転操作デバイス6の近傍部分のみを抜き出して示している図である。
【0052】
また、本実施形態の説明では、例えばカーソル(画面上でユーザ所望の部分を指し示すためのポインタマーク)を移動させる等の目的のために回転ダイヤル部7をその円柱軸で回転させる操作と区別するために、上記回転ダイヤル部7の円柱軸が筐体主面に対して略々平行となる関係を維持した状態で当該回転ダイヤル部7が筐体主面に垂直な回転軸にて回転する動作を、特に「方向変換」と表記することにする。
図2は、上記「方向変換」前の初期状態、つまり、「方向変換」がなされた時に当該「方向変換」による回転位相を検知するための基準となる初期回転位相状態を示している。すなわち本実施形態において、当該初期回転位相状態は、上記回転ダイヤル部7の円柱軸が上記筐体主面の短尺辺(第二筐体2の短尺辺)に対して略々平行となる状態として、予め決められているとする。
【0053】
ここで、本実施形態の携帯電話端末は、上記回転位相検出部から得られる回転位相検出信号により、現在の回転操作デバイス6が初期回転位相状態であることを検出することができる。また、本実施形態の携帯電話端末は、上記ダイヤル回転検出部から得られる回転検出信号により、上記回転ダイヤル部7の円柱軸における回転操作を検出することができる。
【0054】
そして、現在の端末動作モードが、少なくとも回転ダイヤル部7の円柱軸による回転操作に応じて表示画面上で例えばカーソル4kを移動させるようなカーソル移動モードになっている場合において、上記回転ダイヤル部7が図2中矢印AJのようにその円柱軸にて回転操作されたとすると、本実施形態の携帯電話端末は、当該回転ダイヤル部7に対する図2中矢印AJ方向の回転操作に応じて、上記ディスプレイパネル4の表示画面の長尺方向に略々平行する方向、つまり図2中矢印AK方向へカーソル4kを移動させるように表示制御する。
【0055】
すなわちこの場合、ユーザは、上記初期回転位相状態の回転ダイヤル部7を回転操作することにより、カーソル4kを表示画面の長尺方向へ移動させることができる。
【0056】
図3は、例えば図2の初期回転位相状態から図3中矢印APに示すように左45度方向へ回転プレート8を回転させる力が加えられたことで「方向変換」が行われ、それにより回転ダイヤル部7の円柱軸が図2の初期回転位相状態に対して左45度分だけ傾いたときの状態を示している。すなわち本実施形態において、当該図3の回転位相状態の場合、回転ダイヤル部7は、円柱軸が上記筐体主面に対して略々平行となる関係を維持した状態で、筐体主面の短尺辺(第二筐体2の短尺辺)に対して略々左45度だけ傾いた回転位相状態となっている。
【0057】
そして、現在の端末動作モードがカーソル移動モードである場合において、上記回転ダイヤル部7が図3中矢印AJのように回転操作されたとすると、本実施形態の携帯電話端末は、当該回転ダイヤル部7に対する図3中矢印AJ方向の回転操作に応じて、上記ディスプレイパネル4の表示画面の長尺方向(或いは短尺方向)に対して略々左45度に傾いた斜め方向、つまり図3中矢印AK方向へカーソル4kを移動させるように表示制御する。これにより、ユーザは、上記左45度分傾いた回転位相状態の回転ダイヤル部7を図3中矢印AJ方向に回転操作することで、カーソル4kを表示画面の長尺方向(或いは短尺方向)から略々左45度傾いた斜め方向へ移動させることができる。
【0058】
図4は、例えば図2の初期回転位相状態から図4中矢印APに示すように右45度方向へ回転プレート8を回転させる力が加えられたことで「方向変換」が行われ、それにより回転ダイヤル部7の円柱軸が図2の初期回転位相状態に対して右45度分だけ傾いたときの状態を示している。すなわち本実施形態において、当該図4の回転位相状態の場合、回転ダイヤル部7は、円柱軸が上記筐体主面に対して略々平行となる関係を維持した状態で、筐体主面の短尺辺(第二筐体2の短尺辺)に対して略々右45度だけ傾いた回転位相状態となっている。
【0059】
そして、現在の端末動作モードがカーソル移動モードである場合において、上記回転ダイヤル部7が図4中矢印AJのように回転操作されたとすると、本実施形態の携帯電話端末は、当該回転ダイヤル部7に対する図4中矢印AJ方向の回転操作に応じて、上記ディスプレイパネル4の表示画面の長尺方向(或いは短尺方向)に対して略々右45度に傾いた斜め方向、つまり図4中矢印AK方向へカーソル4kを移動させるように表示制御する。これにより、ユーザは、上記右45度分傾いた回転位相状態の回転ダイヤル部7を図4中矢印AJのように回転操作することで、カーソル4kを表示画面の長尺方向(或いは短尺方向)から略々右45度傾いた斜め方向へ移動させることができる。
【0060】
図5は、例えば図2の初期回転位相状態から図5中矢印APに示すように例えば右90度方向へ回転プレート8を回転させる力が加えられたことで「方向変換」が行われ、それにより回転ダイヤル部7の円柱軸が図2の初期回転位相状態に対して右90度分だけ回転したときの状態を示している。すなわち本実施形態において、当該図5の回転位相状態の場合、回転ダイヤル部7は、その円柱軸が上記筐体主面に対して略々平行となる関係を維持した状態で、筐体主面の短尺辺(第二筐体2の短尺辺)に対して略々右90度(つまり垂直)だけ回転した回転位相状態、言い換えれば、筐体主面の短尺辺(第二筐体2の短尺辺)に対して略々平行な状態になった回転位相状態となっている。
【0061】
そして、現在の端末動作モードがカーソル移動モードである場合において、上記回転ダイヤル部7が図5中矢印AJのように回転操作されたとすると、本実施形態の携帯電話端末は、当該回転ダイヤル部7に対する図5中矢印AJ方向の回転操作に応じて、上記ディスプレイパネル4の表示画面の長尺辺に対して略々右90度の方向、言い換えると表示画面の短尺辺に対して略々平行な方向、つまり図5中矢印AK方向へカーソル4kを移動させるように表示制御する。これにより、ユーザは、上記右90度の回転位相状態の回転ダイヤル部7を図5中矢印AJのように回転操作することで、カーソル4kを表示画面の長尺方向の90度方向(短尺方向に平行な方向)へ移動させることができる。
【0062】
[方向変換がなされた時の回転位相検出]
次に、上記回転操作デバイス6が、図2に示した初期回転位相状態であるか、或いは、図3のように初期回転位相から左45度分だけ傾いた回転位相状態であるか、或いは、図4のように初期回転位相から右45度分だけ傾いた回転位相状態であるか、或いは、図5のように初期回転位相から90度分だけ傾いた回転位相状態であるかを検出するための回転位相検出部の構成例について説明する。
【0063】
本実施形態において、回転操作デバイス6は、前記回転位相検出部の構成要素の一つとして、図6に示すような矢印AL,ARの二方向からの外力によるON/OFFを検知可能な位相検出用スイッチ31を二つ(図7〜図10に示す二つの位相検出用スイッチ31a,31b)備えている。すなわち、当該位相検出用スイッチ31は、図6中矢印AL,ARの二方向から外力が加えられた時に当該外力により傾倒するスイッチレバー部33と、上記スイッチレバー部33に対して図6中矢印AL,ARの何れかの方向から外力が加えられて当該スイッチレバー部33が傾倒した時にONとなり、一方、スイッチレバー部33が傾倒していない状態(レバーが解放されている状態)ではOFFとなり、そのON/OFFを示すスイッチ信号を出力するスイッチ本体部32とからなっている。
【0064】
また、詳細な構成については後述するが、当該回転操作デバイス6には、図7〜図10に示すように、上記回転ダイヤル部7における「方向変換」と共に筐体主面に垂直な回転軸にて回動可能となされた内ケース40を有している。
【0065】
当該内ケース40には、円筒部が設けられており、その円筒外周部分には、前記回転位相検出部の構成要素の一つとして、当該円筒部の円筒軸とその弧中心軸とが一致した円弧状突起部41が固定若しくは一体化して設けられている。さらに、当該円弧状突起部41の円弧長は、上記回転位相状態を検出するために所定の長さに決められているとともに、その円弧の両端部は、テーパー状になされて上記内ケース40の円筒外周部に結合されている。本実施形態のように、例えば、初期回転位相と当該初期回転位相から左右45度の回転位相及び90度の回転位相の検出を行うような場合、上記円弧状突起部41の円弧長は、上記内ケースの円筒外周部の1/4の長さとなされる。言い換えると、円弧状突起部41は、その円弧両端部と弧中心軸とを結ぶ線分の有する内角の角度が90度となされている。
【0066】
そして、本実施形態において、上記二つの位相検出用スイッチ31a,31bと、上記内ケース40の上記円弧状突起部41とは、図7〜図10に示すように、所定の位置関係を満足するように配置されている。
【0067】
すなわち本実施形態において、二つの位相検出用スイッチ31a,31bは、それぞれのスイッチレバー33a,33bの頂端部が上記内ケース40の円筒軸へ正対するように配置されると共に、それらスイッチレバー33a,33bの頂端部から上記内ケース40の円筒外周部までの距離が上記円弧状突起部41の突起高さよりも短く(近く)なるように配置される。言い換えると、スイッチレバー33a,33bの頂端部は、内ケース40の回転に伴って円弧状突起部41が描く軌跡内に入る位置に配される。また、これら二つの位相検出用スイッチ31a,31bは、それぞれのスイッチレバー33a,33bのそれぞれの頂端部と上記内ケース40の円筒軸とを結ぶ線分の有する内角の角度が、90度よりも狭い角度(一例として80度程度)となるように配置される。
【0068】
さらに、本実施形態において、二つの位相検出用スイッチ31a,31bと円弧状突起部41との間の所定の位置関係は、上記初期回転位相状態の時には、図7に示すように、上記二つの位相検出用スイッチ31a,31bの両方のスイッチレバー33a,33bが上記内ケース40の円弧状突起部41により押し倒される関係となされ、また例えば、上記左45度の回転位相状態の時には、図8に示すように、上記位相検出用スイッチ31aのスイッチレバー33aが内ケース40の円弧状突起部41により押し倒され、一方、位相検出用スイッチ31bのスイッチレバー33bは解放状態になる関係となされ、また例えば、上記右45度の回転位相状態の時には、図9に示すように、上記位相検出用スイッチ31bのスイッチレバー33bが内ケース40の円弧状突起部41により押し倒され、一方、位相検出用スイッチ31aのスイッチレバー33aは解放状態になる関係となされ、さらに例えば、上記90度の回転位相状態の時には、図10に示すように、上記二つの位相検出用スイッチ31a,31bの両方のスイッチレバー33a,33bが両方とも解放されるような関係となされる。
【0069】
なお、図7〜図10の例では、スイッチレバー33の頂端部と円弧状突起部41とが図面上で重なって描かれている部分が、スイッチレバー33が傾倒した状態になっていることを表している。
【0070】
これにより、本実施形態によれば、図11に示すように、上記初期回転位相状態の時には、上記二つの位相検出用スイッチ31a,31bの両方のスイッチレバー33a,33bが共に傾倒状態となって両スイッチ本体部32a,32bから共にON信号(Hレベル)が出力される。また、上記左45度の回転位相状態の時には、上記位相検出用スイッチ31aのスイッチレバー33aが傾倒状態となってスイッチ本体部32aからON信号(Hレベル)が出力される一方で、位相検出用スイッチ31bのスイッチレバー33bは解放状態となってスイッチ本体部32aからOFF信号(Lレベル)が出力される。また、上記右45度の回転位相状態の時には、上記位相検出用スイッチ31bのスイッチレバー33bが傾倒状態となってスイッチ本体部32bからON信号(Hレベル)が出力される一方で、位相検出用スイッチ31aのスイッチレバー33aは解放状態となってスイッチ本体部32aからOFF信号(Lレベル)が出力される。さらに、上記90度の回転位相状態の時には、上記二つの位相検出用スイッチ31a,31bの両方のスイッチレバー33a,33bが両方とも解放されて両スイッチ本体部32a,32bが共にOFF信号(Lレベル)が出力されるようになる。
【0071】
このように、本実施形態では、二つの位相検出用スイッチ31a,31bのON/OFFの組み合わせによる2ビット分の信号により、4種類の回転位相状態を検知可能となされている。すなわち、本実施形態の携帯電話端末は、これら二つの位相検出用スイッチ31a,31bからのスイッチ信号におけるON/OFF(H/Lレベル)の関係を、予め決められた図11のようなテーブルを参照することにより、現在の回転位相状態が前述した初期回転位相,左右45度回転位相,90度回転位相の何れであるかを判断することが可能となる。
【0072】
[方向変換時の回転規制]
本実施形態の回転操作デバイス6によれば、上述したように回転ダイヤル部7の回転方向及び回転量を検出可能であると共に、「方向変換」が可能となされ、さらに当該「方向変換」時の回転位相をも検出可能となされている、但し、それら回転方向及び回転量や回転位相の検出信号を、例えば無線によらずにケーブル等により携帯電話端末へ出力するような構成を採用した場合には、例えば「方向変換」時の回転を例えば360度自由にしたとすると、上記ケーブルの断線が発生してしまう虞がある。このため、本実施形態の回転操作デバイス6には、「方向変換」時の回転量を規制する回転規制部を備えている。
【0073】
本実施形態において、回転操作デバイス6には、上記回転規制部の一例として、図12〜図15に示すように、内ケース40の円筒外周部に固定されたストッパ用突起部42,43と、上記内ケース40の回転に伴って移動する上記ストッパ用突起部42,43が突き当たることで当該内ケース40の回転を止めるリブ突起部34a,35aとが用意されている。なお、図12は初期回転位相状態を示しており、図13は左45度の回転位相状態を、図14は右45度の回転位相状態を、図15は右90度の回転位相状態を示している。
【0074】
上記リブ突起部34aは、図12〜図15には図示していない後述の外ケース80に設けられたネジ止め用円筒状ボス部34の円筒外周部に固定されており、また、リブ突起部35aは、同じく外ケースに設けられたネジ止め用円筒状ボス部35の円筒外周部に固定されている。なお本実施形態の場合、一例として、それらリブ突起部34a,35aは、回転操作デバイス6が初期回転位相状態である時に前記回転ダイヤル部7の円柱軸方向に略々一致する方向で且つ、内ケース40を挟んで相対応する位置に配されているとする。
【0075】
上記ストッパ用突起部42,43は、上記内ケース40の円筒外周部上で前記円弧状突起部41の配置場所とは異なる位置に設けられている。また上述のように、リブ突起部34a,35aが、初期回転位相状態の回転ダイヤル部7の円柱軸方向に略々一致する方向で且つ内ケース40を挟んで相対応する位置に配されている場合、上記ストッパ用突起部42とストッパ用突起部43は、上記ストッパ用突起部42から内ケース40の円筒軸までの線分と上記ストッパ用突起部43から内ケース40の円筒軸までの線分との有する内角の角度が、上記内ケース40の円弧状突起部41の円弧中央部から弧中心軸までの線分と上記円弧状突起部41の一方の円弧端部から弧中心軸までの線分とが有する内角の角度よりも狭い角度となるように配置されるとともに、ストッパ用突起部43が上記円弧状突起部41の円弧中央部側に配され、ストッパ用突起部42が上記円弧状突起部41の上記一方の円弧端部側(図12〜図15の例では左側の円弧端部側)に配される。
【0076】
そして、上記リブ突起部34aとストッパ用突起部42は、回転操作デバイス6の内ケース40が回転して例えば図13に示すような左45度の回転位相状態になった時に、互いが突き当たることにより当該内ケース40の回転を止められるだけの高さと幅(大きさ)を有している。一方、リブ突起部35aとストッパ用突起部43は、回転操作デバイス6の内ケース40が回転して例えば図15に示すような右90度の回転位相状態になった時に、互いが突き当たることにより当該内ケース40の回転を止めるだけの高さと幅(大きさ)を有している。なお、図12の初期回転位相状態と図14の右45度の回転位相状態の時には、リブ突起部34aとストッパ用突起部42、リブ突起部35aとストッパ用突起部43は突き当たることがない。
【0077】
これにより、本実施形態の携帯電話端末によれば、回転操作デバイス6の回転位相を規制可能となされていることで、例えばケーブルにより検出信号を出力する構成であったとしてもケーブルの断線等の発生を防止できる。
【0078】
[回転操作デバイスの詳細な構成]
図16には本発明実施形態の携帯電話端末に搭載された回転操作デバイス6の分解斜視図を示し、また、図17には回転ダイヤル部7が組み込まれたジョグユニット60の分解斜視図を、図18には組み立て後の回転操作デバイス6をその中央部で筐体主面に対して垂直方向で且つ回転ダイヤル部7の円柱軸(回転軸95a)方向に切断した概略断面図を、図19には同じく組み立て後の回転操作デバイス6をその中央部で筐体主面に対して垂直方向で且つ回転ダイヤル部7の回転軸95aに対して直行する方向に切断した概略断面図を示している。以下、これら図16〜図19を参照しながら回転操作デバイス6の各構成要素の説明と、それら各構成要素の組み立て手順、及び、各構成要素の機能について説明する。
【0079】
本実施形態の回転操作デバイス6において、回転ダイヤル部7は、図17に示すようなジョグユニット60内に組み込まれる。なお、当該ジョグユニット60は、図16に示す回転操作デバイス6内に配される。
【0080】
ジョグユニット60は、図17に示すように、回転ダイヤル部7と、当該回転ダイヤル部7をその回転軸(円柱軸)95aにて回転自在に収納する上側ダイヤルカバー61a及び下側ダイヤルカバー61bと、回転ダイヤル部7の円柱両端面から突設された回転軸95aに嵌装されて固定されるリング状磁石94a,94bと、それらリング状磁石94a,94bと対向配置される固定磁石92a,92bとを有して構成されている。
【0081】
上記回転ダイヤル部7は、円柱外周面にその周方向への外力が加えられて回転操作されるものであり、当該外周面には指等で回転操作し易いように周方向と直交する方向に延びる溝が一定ピッチで形成されている。
【0082】
上記リング状磁石94a,94bは、回転ダイヤル部7の回転軸95aが挿通される軸挿通孔94cが中央に穿設されており、S極とN極が所定の角度ピッチ(例えば60度間隔)で交互に着磁されている。また、各リング状磁石94a,94bは、互いに周方向に角度が僅かだけずらされた状態で回転軸95aに固着されている。すなわち、各磁極の磁力が最大となるような回転ダイヤル部7の回転角度位置が、左右のリング状磁石94a,94bの間で僅かだけずれるように、それら各リング状磁石94a,94b4が当該回転ダイヤル部7の各回転軸95aにそれぞれ設けられている。
【0083】
一方、固定磁石92a,92bは、それぞれ対応したリング状磁石94a,94bに同じ磁極を向け、各リング状磁石94a,94bと所定の間隙を空けて対向配置されている。したがって、各リング状磁石94a,94bとそれぞれ対応した固定磁石92a,92bとの間で、互いに吸引状態がつりあった状態になった場合、回転ダイヤル部7は、安定した状態で停止されることになる。一方、回転ダイヤル部7が回転操作されている時には、各リング状磁石94a,94bとそれぞれ対応した固定磁石92a,92bとの間では、その回転に伴って吸引力と反発力が繰り返し発生することにより、擬似的なクリック感が生成されることになる。
【0084】
上側ダイヤルカバー61aと下側ダイヤルカバー91bは、それぞれ組み合わされることで上記回転ダイヤル部7の各回転軸95aの軸受となる軸受部91aと96aが、対向する端部にそれぞれ形成されている。また、上側ダイヤルカバー91aの中央部には、回転ダイヤル部7の円柱外周面の一部を外部に露出させるように当該回転ダイヤル部7が挿通される貫通孔91bが穿設されている。また、上側ダイヤルカバー61aには、軸受部91aと隣接する各端部に、下側ダイヤルカバー91bの磁石支持部96eとの間で上記固定磁石92a,92bを挟持して保持するための板状の磁石押え部91cが、下側ダイヤルカバー61b側に向けて立設されている。
【0085】
また、回転ダイヤル部7の各回転軸95aには、大径部95cがそれぞれ設けられており、この各大径部95cと回転ダイヤル部7の各端面との間にそれぞれ溝部95bが形成されている。これと対応して、上側ダイヤルカバー61aの各軸受部91a近傍の中央寄りには、回転ダイヤル部7の各回転軸95aの溝部95bと遊嵌する板状の覆い部91dが下側ダイヤル部61b側に向けて立設されている。覆い部91dの回転ダイヤル部7の各回転軸95aと対応する部分には、半円状の凹部91eが形成されている。そして、回転ダイヤル部7は、各回転軸95aの大径部95cが上側ダイヤルカバー61a及び下側ダイヤルカバー61bの各軸受部91a,96aと摺接して軸支されている。
【0086】
下側ダイヤルカバー61bは、上記軸受部96aが両端に設けられたダイヤル収納部96bと、ダイヤル収納部96bの一方の側に形成された支点側鍔部96cと、他方の側に形成された作用点側鍔部96dとを備えている。支点側鍔部96cには、上側ダイヤルカバー61aの磁石押え部91cとの間で固定磁石92a,92bを挟持して保持するための、略直角の折り目を有する長板状の磁石支持部96eが、軸受部96aと隣接する各端部に設けられている。
【0087】
上述したようにして組み立てられたジョグユニット60の下側には、図16と図18及び図19に示すように、ホール素子基板62が配される。
【0088】
ホール素子基板62には、少なくとも、上記ジョグユニット60の下側ダイヤルカバー61bの作用点側鍔部96dが嵌装される鍔部嵌装孔部63と、二つのホール素子64a,64bが設けられている。
【0089】
それら二つのホール素子64a,64bは、上記鍔部嵌装孔部63に上記下側ダイヤルカバー61bの作用点側鍔部96dが嵌装された状態で、それぞれ対応したリング状磁石94a,94bと各々対向するように配置される。そして、これらホール素子64a,64bは、上記回転ダイヤル部7が回転軸95aにて回転した場合に、その回転軸95aの両端に設けられている前記リング状磁石94a,94bのS極とN極が交互に近接することによる磁界の変化を検出する。このとき、リング状磁石94a,94bのS極とN極は、前述のように互いに周方向に角度がずらされた状態で配置されているために、それら二つのホール素子64a,64bから出力されるパルス信号には位相差が生じていることになる。したがって、これらホール素子64a,64bからの出力信号を見ることにより、本実施形態の携帯電話端末は、上記回転ダイヤル部7の回転方向と回転量を判断できることになる。これにより、本実施形態の携帯電話端末は、それら回転方向と回転量に基づいて例えば前述のようなカーソル移動の表示制御等を行うことが可能となる。
【0090】
また、上記ホール素子基板62の上記鍔部嵌装孔部63の真下、つまりジョグユニット61の下側ダイヤルカバー61bの作用点側鍔部96dの真下には、エンタースイッチ68が配置されている。
【0091】
当該エンタースイッチ68は、エンタースイッチ基板67に実装されている。そして、エンタースイッチ基板67は、エンタースイッチ68に対して押下力が加えられた時にON信号を出力するように構成されている。すなわち本実施形態の回転操作デバイス6において、回転ダイヤル部7に対して押下力が加えられた場合には、当該回転ダイヤル部7への押下力によりジョグユニット60自体が端末筐体内部側へ沈降することになり、その結果、当該ジョグユニット60の上記作用点側鍔部96dが上記エンタースイッチ68を押下し、上記エンタースイッチ基板67からON信号が出力されることになる。本実施形態の携帯電話端末は、当該エンタースイッチ68の押下によるエンタースイッチ基板67からのON信号を受け取ることにより、回転ダイヤル部7が押下操作されたことを判断できることになる。したがって、本実施形態の携帯電話端末は、当該回転ダイヤル部7の押下操作の検知により、例えば前述のカーソル位置での決定操作に対応した処理等を行うことができることになる。
【0092】
なお、図16や図18,図19では図示を省略しているが、上記ホール素子64a,64b、エンタースイッチ基板67、ホール素子基板62等は、携帯電話端末本体の基板にワイヤー(電線)により電気的に接続されている。
【0093】
そして、上述したジョグユニット60、ホール素子基板62、エンタースイッチ基板67は、内ケース40内に組み付けられ、上記ホール素子基板62やエンタースイッチ基板67は線材処理がなされた後に、接着等により上記内ケース40に固定される。
【0094】
上記内ケース40は、図16に示すように、円筒軸を共有する一方でそれぞれ外径と内径が異なる幾つかの円筒が組み合わされたものとなされており、携帯電話端末の筐体内に組み込まれた時に前記筐体主面側となる円筒部45の内壁には、その円筒軸方向に延びた二列の平行なリブ48aと、同じく円筒軸方向に延びた二列の平行な48bとが、それぞれ180度対向して設けられている。
【0095】
これら一組のリブ48a,48bは、上記ジョグユニット60に組み込まれた状態の上記回転ダイヤル部7の回転軸95aの両端部を軸支する軸受けとして設けられている。
【0096】
また、上記内ケース40の前記筐体主面側の円筒部45の内壁には、上記一組のリブ48a,48bに対して例えば90度程度ずれた位置で且つ、その円筒軸方向に延びた二列の平行なリブ48cと、同じく円筒軸方向に延びた二列の平行な48d(図16では指示符号48dとそのリブの図示は省略している)とが、それぞれ180度対向して設けられている。
【0097】
そして、これら一組のリブ48c,48dの上端部には、例えば発泡ウレタン等からなるクッション材59a,59bが取り付けられる。
【0098】
上記クッション材59a,59bは、上記ジョグユニット60の下側ダイヤルカバー61b及びホール素子基板62の下側に配置されることで、ジョグユニット60を下側から受ける。すなわち、クッション材59a,59bは、ジョグユニット60を下側から支えることで、筐体主面に対して当該ジョグユニット60を正規の高さ位置に保持する機能と、ジョグユニット60内の回転ダイヤル部7に対して押下力が加えられた後に、その押下力が解放された時に、反発力(クッション材の形状復元力)により当該ジョグユニット60を上記正規の高さ位置まで押し戻す機能とを有している。
【0099】
また、内ケース40の上記筐体主面側の円筒部45の内壁には、その円筒軸方向に孔軸を有する例えば三つの勘合孔44a,44b,44cが設けられている。
【0100】
上記三つの勘合孔44a,44b,44cには、回転プレート8の下面側にそれぞれ一体成形された勘合軸55a,55b,55c(図16では指示符号55a,55cとその勘合軸の図示は省略している)が例えば軽圧入により勘合される。なお、通常の使用状態においては、回転プレート8を端末から引き剥がす方向の力は作用しないため、上記勘合孔44a,44b,44cへ勘合軸55a,55b,55cを挿入する際の勘合は軽圧入程度で十分である。
【0101】
回転プレート8は、円盤形状を有しており、その中央部分に前記回転ダイヤル部7の円柱外周面の一部を外部に露出させるためのダイヤル用孔部57が設けられている。また、当該円盤形状の回転プレート8の上面の外周近傍には、例えば断面形状が三角形のローレット部56が形成されている。上記ローレット部56は、例えばユーザが回転操作デバイス6の回転ダイヤル部7を「方向変換」させる際に例えば指等を掛けて回転力を伝え易くするために設けられている。すなわち、「方向変換」時に行われる実際の操作において、ユーザは、指先を回転プレート8のローレット56上に添え、そこを軽く押さえながら回転(回転プレートの回転軸を中心とした回転)させることになる。
【0102】
なおこの例では、回転プレート8をユーザが回転させる際のユーザの指掛け部分をローレット部56としたが、本発明はローレットに限定されず他の様々な形状による指掛け部分をも適用可能である。例えば、ローレットの断面を三角形状ではなく四角形状としてもよいし、ローレットの代わりに凸部を数ヶ所設けて指掛けとしてもよい。
【0103】
上述のように回転プレート8を回転させる力が加えられると、当該回転プレート8に対して上記勘合軸55a,55b,55c及び勘合孔44a,44b,44cを介して固定されている内ケース40も、その回転プレート8の回転に伴って回転することになる。
【0104】
一方、内ケース40の前記筐体内部側となる円筒部46の外周部には、前述のストッパ用突起部42,43が設けられている。したがって、内ケース40の回転(つまり回転プレート8の回転)には、当該ストッパ用突起部42,43による規制がかけられる。
【0105】
また、内ケース40の上記円筒部45の外周壁面部には、後述するクリック板バネ用円盤部70の係合山部72が係合することにより、各「方向変換」時の各ポジジョンにおいて回転操作デバイス6や回転プレート8を停止させておく役目を果たすと同時に、ユーザへクリック感を与える役目をも果たすためのクリック切欠部47aが、一定間隔で配置されたクリック凹凸部47が形成されている。なお、上記クリック切欠部47aが配される一定間隔は、本実施形態のように回転角45度毎の「方向変換」を想定している場合には、当該「方向変換」時の回転角45度毎の配置間隔とすることが望ましい。
【0106】
上述のように、本実施形態の回転操作デバイス6において、上記「方向変換」時に回動する部分は、上述した回転プレート8とジョグユニット60とホール素子基板62とエンタースイッチ基板67とが組み込まれた状態の上記内ケース40となる。
【0107】
そして、上記内ケース40は、前記筐体内部側となる円筒部46の外周部にオーリング85を介在させた状態で、携帯電話端末の筐体内に固定された外ケース80の内ケース摺動円筒部81の内側に組み込まれる。なお、上記オーリング85は、エチレンプロピレンゴム等からなり、例えば上記内ケース40を外ケース80に組み込んで当該内ケース40が外ケース80から抜けるのを防止しつつ、上記固定された外ケース80に対して当該内ケース40をその円筒軸にて回動可能とするものであり、具体的には特開平5−206656号公報等に開示されている丸ベルト等を用いることができる。
【0108】
上記外ケース80は、携帯電話端末の第二筐体2の内部に例えばネジ止めや接着、若しくは一体成形等により固定される。
【0109】
上記外ケース80は、少なくとも筐体主面側が開放された円筒形状を有しており、その開放端部に相対応する円筒底面側が第二筐体2の内部に固定される。また、前記内ケース摺動円筒部81は、当該外ケース80の円筒軸を共有しており、その円筒部81内部には、前記オーリング85を介在させた状態で前記内ケース40の円筒部46が挿入される。
【0110】
また、上記外ケース80の円筒底面部には、それぞれ円筒形状を成した三つの板バネ円盤位置決め用ボス部(突起部)84a,84b,84cと、前述した二つのネジ止め用円筒状ボス部34,35が固定若しくは一体成形により設けられている。上記板バネ円盤位置決め用ボス部84a,84b,84cとネジ止め用円筒状ボス部34,35は、それぞれ円筒軸が外ケース80の円筒底面部に対して垂直方向となるように設けられている。
【0111】
上記二つのネジ止め用円筒状ボス部34,35には、前述したように、円筒外周部にリブ突起部34a,35aが設けられており、それらリブ突起部34a,35aは外ケース80の円筒軸方向に向けてそれぞれ相対応するように配されている。
【0112】
上記三つの板バネ円盤位置決め用ボス部84a,84b,84cには、クリック板バネ用円盤部70に設けられている位置決め用孔部70a,70b,70cが嵌め込まれる。そして、これらにより位置決めがなされた状態のクリック板バネ用円盤部70は、外ケース80の円筒底面部に固定される。
【0113】
上記クリック板バネ用円盤部70は、上記外ケース80の内ケース摺動円筒部81の外周径よりも大きな内径を有する円形孔部73がその中心部に設けられた略々円盤形状を成しており、その円盤部分に上記位置決め用孔部70a,70b,70cが設けられている。
【0114】
また、クリック板バネ用円盤部70には、一方の端部がクリック板バネ用円盤部70の一外縁部に一体化され、他方の端部側に前記内ケース40のクリック切欠部47aと係合するための係合山部72が配された、U字形状のクリック板バネ71が設けられている。
【0115】
すなわち本実施形態の携帯電話端末において、ユーザにより「方向変換」のための回転操作が行われている時に、上記係合山部72が前記内ケース40のクリック切欠部47aに係合すると、上記U字型のクリック板バネ71のバネ反発力により上記「方向変換」の際の回転力を或る程度止める力が働くことになり、その結果、「方向変換」時の前述した回転角45度毎に、回転操作デバイス6や回転プレート8を安定的に停止させると同時に、ユーザに対してクリックストップ感をも与えることができることになる。
【0116】
したがって、ユーザは、当該クリックストップ感と回転ダイヤル部7の目視とにより、「方向変換」のための回転操作後における上記回転操作デバイス6の状況(つまり現在の回転角度がどうなっているか)を認識可能となる。なお、本実施形態の携帯電話端末によれば、回転操作デバイス6を時計回り方向や反時計回り方向の何れの方向に「方向変換」させる場合でも、同じ感触と同じ力量でクリックストップ感とクリックストップ解除感を実現することが可能である。また、ユーザは、上記「方向変換」後、必要に応じて例えば回転ダイヤル部7をその円柱軸方向へ回転させるような回転操作を行うことになるが、その際の回転操作デバイス6は、上記クリック板バネ用円盤部70の係合山部72とクリック切欠部47aとの係合により、適当な力量で回転位相が保持されているため、不用意に「方向変換」が行われてしまうことがない。
【0117】
一方、本実施形態において、上記係合山部72が上記クリック切欠部47a以外の場所にあるときには、「方向変換」時のスムーズな回転操作が可能となる。
【0118】
なお、本実施形態では、上記クリック板バネ71によりクリックストップ感を出す例を挙げたが、例えばクリック板バネに代えて、例えば圧縮コイルバネとそのバネ先端に球状部を設けたもの(いわゆるポゴピン)を用い、クリックストップ時には当該バネ先端の球状部が上記クリック切欠部47aと係合するような構成としても良い。
【0119】
また、外ケース80には、固定ネジ51a,51bにより、蓋部52と回転位相検出スイッチ基板58とが固定される。
【0120】
上記蓋部52は、上記固定ネジ51a,51bのネジ部分を貫通させるためのネジ孔52a,52bと、前記回転プレート8の回転軸と略々一致する中心軸を有し且つ当該回転プレート8の外径よりも大きい内径を有する円形孔部52cと、を有する円盤状の外装部材である。
【0121】
また、上記回転位相検出スイッチ基板58は、前述した二つの位相検出用スイッチ31a,31bが固定され、上記固定ネジ51a,51bのネジ部分を貫通させるためのネジ孔58a,58bと、前記内ケース40の回転軸と略々一致する中心軸を有し且つ当該内ケース40の円筒部45の外径よりも大きい内径を有する円形孔部58cと、を有する円盤状の基板となされている。
【0122】
そして、これら蓋部52と回転位相検出スイッチ基板58は、上記ネジ孔52a,52bとネジ孔58a,58bとを介した上記固定ネジ51a,51bを、前記外ケース80のネジ止め用円筒状ボス部34,35に螺着することにより、当該外ケース80に固定される。なお本実施形態の場合、図示は省略しているが、上記蓋部52と回転位相検出スイッチ基板58との間で上記固定ネジ51a,51bが通る部分にはスペーサーが設けられており、当該スペーサーにより、蓋部52と回転位相検出スイッチ基板58との間に位相検出用スイッチ31a,31bを配置できるだけの隙間が確保されている。
【0123】
その他、回転位相検出スイッチ基板58は、線材処理の後、接着等にて外ケース80に固定しても良い。また、上記蓋部52を取り付ける際に、デザイン上の観点などから、上記固定ネジ51a,51bのネジ頭部分が第二筐体2の外面に現れることを嫌う場合には、固定ネジ51a,51bの取り付け方向を逆にすること、つまり筐体内部側から上記蓋部52を取り付けるようにしても良い。
【0124】
なお、本実施形態の携帯電話端末の場合、上記蓋部52は第二筐体2の筐体主面と略々同じ高さで且つ前記回転プレート8が上記円形孔部52c内に配されるようにして、上記外ケース80に固定される。
【0125】
また、上記回転位相検出スイッチ基板58は、前記内ケース40の円筒部45が上記円形孔部58c内に配され且つ、上記位相検出用スイッチ31a,31bのスイッチレバー33a,33bと上記内ケース40の円弧状突起部41とが、或る基準面に対して略々同じ配置高さとなるようにして、上記外ケース80に固定される。なお、上記基準面としては、例えば上記外ケース80の円筒底面や筐体主面等を用いることができる。本実施形態では、実際には上記ネジ止め用円筒状ボス部34,35の上記外ケース80の円筒底面からの高さにより、上記回転位相検出スイッチ基板58の配置高さが決められている。
【0126】
なお、上述の組み立て手順の説明では、回転操作デバイス6の各構成要素をそれぞれ組み込む例を述べたが、例えば回転操作デバイス6或いはその一部をサブアッセンブリとして予め組み立てておき、後に携帯電話端末本体に組み込むようにしても良い。また、前述したように、例えば外ケース80等の固定部品については、携帯電話端末の筐体の一部として一体成形し、そこに回転操作デバイス6の残りの各部品を組み込むようにしても良い。
【0127】
[回転操作デバイス関連の概略的な回路ブロック構成]
図20には、上述した回転操作デバイス6のスイッチやホール素子等からの出力信号に基づいて回転ダイヤル部7の円柱軸方向への回転検出や、回転ダイヤル部7の押下検出、回転操作デバイス6における「方向変換」時の回転位相検出等を行う概略的な回路ブロック構成例を示す。
【0128】
図20において、ホール素子64a,64bからの出力信号は、ホール素子基板62に実装されているダイヤル回転検出部16aに送られる。当該ダイヤル回転検出部16aは、前述のように、上記ホール素子64a,64bから出力される位相差を有するパルス信号を基に、回転ダイヤル部7の回転方向及び回転量を表す回転操作データを生成して制御部10へ出力する。
【0129】
エンタースイッチ68からの出力信号は、エンタースイッチ基板67に実装されているダイヤル押下検出部16bへ送られる。当該ダイヤル押下検出部16bは、上記エンタースイッチ68から出力されるON/OFFのスイッチ信号を基に、回転ダイヤル部7が押下操作されたか否かを表す押下操作データを生成して制御部10へ出力する。
【0130】
二つの位相検出用スイッチ31a,31bからの出力信号は、回転位相検出スイッチ基板58に実装されている回転位相検出部16cへ送られる。当該回転位相検出部16cは、上記二つの位相検出用スイッチ31a,31bから出力されるON/OFF信号と予め内部に設定されている前述の図11に示したH,L参照値との比較により、そのH,L参照値と一致したON/OFF信号のH,L値から、「方向変換」時の回転位相を表す回転位相データを生成して制御部10へ出力する。
【0131】
制御部10は、本実施形態の携帯電話端末に搭載されている例えばCPU等であり、上記回転位相検出部16からの出力データにより、回転操作デバイス6における「方向変換」の回転位相を認識し、さらに、ダイヤル回転検出部16aからの出力データにより、例えば表示画面上のカーソルの移動方向と移動量を制御し、また、ダイヤル押下検出部16bからの出力データにより例えばカーソル位置での決定制御などを行う。
【0132】
[携帯電話端末の概略的な内部回路ブロック構成]
図21には、本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部回路ブロック構成を示す。
【0133】
図21において、通信アンテナ12は、例えば内蔵アンテナであり通話やパケット通信のための信号電波の送受信を行う。本実施形態において、テキストや画像等のメッセージはパケット通信により送受信され、音声通話のメッセージは音声通話回線を用いて送受信される。通信回路11は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。上記通信回路11にて受信された通話音声データは、データラインを介して音声処理部23へ送られ、音声以外のテキストや画像等の受信データは、一旦、制御部10へ送られて処理された後、必要に応じて当該制御部10から各部へ送られる。
【0134】
音声処理部23は、上記通信回路11から圧縮符号化された受話音声データが供給された時には、当該圧縮符号化された受信音声データを伸張復号化し、その伸張復号化後の受信音声データを、データラインを介してスピーカ20或いは図示しないイヤホンへ送る。なお、音声処理部23の機能は、制御部10がソフトウェアにより実現することも可能である。
【0135】
スピーカ21は、携帯電話端末に設けられている受話用のスピーカやリンガ(着信音)、アラーム音、警告音、再生音楽、ディジタル音声、再生動画像の音声等の出力用スピーカからなる。当該スピーカ21の信号入力側には、図示しないディジタル/アナログ変換器と増幅器が設けられている。上記音声処理部23から供給された音声データは、上記ディジタル/アナログ変換器によりアナログ音声信号に変換された後、増幅器により増幅されてから当該スピーカ21へ供給される。これにより、当該スピーカ21からは、通話音声やリンガ音,再生音楽等の音声が空気中に出力される。
【0136】
マイクロホン22は、送話用及び外部音声集音用のマイクロホンである。このマイクロホン22の信号出力側には、図示しない増幅器とアナログ/ディジタル変換器が設けられている。上記マイクロホン22からの音声信号は、上記増幅器により所定のレベルに増幅された後、アナログ/ディジタル変換器にてディジタル音声データに変換されて音声処理部23へ送られる。そして、その音声データは、音声処理部23にて符号化された後、データラインを介して通信回路11へ送られ、そこで変調や周波数変換等の各種処理を受けた後に、通信アンテナ12から送信される。
【0137】
操作部14は、本実施形態の携帯電話端末の図示しない筐体上に設けられているテンキーや発話キー、終話/電源キー等の各キー等のキー操作子とそれらキー操作子が操作された時の操作信号を発生する操作信号発生器とからなるキー操作デバイス部15と、前述した回転操作デバイス6とその回転操作デバイス6の操作信号(回転ダイヤル部の操作信号や位相検出用スイッチ等の出力信号等)を発生する操作信号発生器とからなる回転操作デバイス部16とからなる。これらキー操作デバイス部15と回転操作デバイス部16からの操作信号は、制御部10へ送られる。
【0138】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等の表示デバイスと、その表示デバイス用の表示駆動回路とを含み、上記表示デバイスの画面上に文字や記号、カーソル、メニュー項目、静止画像や動画像、地図等を表示する。
【0139】
画像処理部24は、制御部10による制御の元で、表示部13に表示される文字、記号、画像、カーソルやメニュー項目等の各種ユーザインターフェース画面等の画像信号を生成する処理を行う。なお、画像処理部24の機能は、制御部10がソフトウェアにより実現することも可能である。
【0140】
時計部17は、年月日及び日時のような時刻情報や、ユーザにより設定された時間の計測などに用いられる時間情報等を生成する。
【0141】
メモリ部18は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)のような書き換え可能な記憶媒体を含み、例えば、OS(Operating System)等のプログラムや、スケジュール管理アプリケーションプログラム(いわゆるスケジューラ)、電話帳(アドレス帳)管理アプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラム、各種の初期設定値、フォントデータ、各辞書データ、機種名情報や端末識別情報、各種アプリケーションプログラムが扱うデータなどをも記憶している。なお、上記各プログラムはメモリ部18のプログラム格納領域19に格納され、上記各種データはデータ格納領域20に格納される。RAMは、制御部10が各アプリケーションプログラムの実行時に各種データを一時的に格納する作業領域として用意されている。その他、メモリ部18には、着脱可能な外部メモリカードや小型のハードディスクドライブが含まれていてもよい。
【0142】
上記制御部10は、本実施形態の携帯電話端末に搭載されているCPUであり、通信回路11における通信の制御、音声処理部23や画像処理部22のための各種制御や、操作部14のキー操作デバイス部15や回転操作デバイス部16からの操作信号に応じた制御やカーソル移動制御(例えば前述の図2〜図5のようなカーソル移動制御)等を行う。
【0143】
その他、図21には図示を省略しているが、本発明の携帯電話端末は、ディジタルカメラ機能や近距離無線通信機能、GPS(Global Positioning System)による測位機能、キー照明や着信ライト,撮影補助光ライト用などのLED(発光ダイオード)とその駆動部、各部へ電力を供給するバッテリとその電力をコントロールするパワーマネージメントIC部、いわゆる電子マネーのための情報記憶と信号の送受信を行う電子財布機能、ディジタルテレビジョン放送やディジタルラジオ放送の受信アンテナ及び受信チューナ部とそのAVコーデック機能、外部メモリ用スロットなど、一般的な携帯電話端末に設けられる各構成要素についても備えている。
【0144】
[回転操作デバイスの回転位相を検出する他の構成例]
上述の説明では、二つの位相検出用スイッチ31a,31bからのON/OFF信号の組み合わせを見ることにより、回転操作デバイス6における「方向変換」時の回転位相を検出する例を挙げたが、二つの位相検出用スイッチに代えて、例えばホール素子と磁石を適切に配置することで回転位相の検出を行うことも可能である。
【0145】
例えば、回転位相検出スイッチ基板58上に上記位相検出用スイッチ31a,31bに代えて幾つかのホール素子を配置すると共に、内ケース40の円筒部45の外周部に磁石を固定して配置し、それらの磁石をホール素子にて検知することで「方向変換」時の回転位相検知を行うようにしてもよい。この場合、前述の位相検出用スイッチ31a,31bが不要になると共に、内ケース40の円筒部45上の円弧状突起部41も不要になる。
【0146】
また、ホール素子と磁石を用いることにした場合、ホール素子等は位相検出用スイッチに比べて小型であるため、磁石若しくはホール素子の何れかを回転プレート8の裏面側に設けるようにすれば、回転位相検出スイッチ基板58も不要になる可能性がある。
【0147】
また例えば、ホール素子と磁石により「方向変換」時の回転位相を検知する場合において、「方向変換」時に回転ダイヤル部7の回転軸95aが回転する軌跡(つまり筐体主面に平行した円形の回転軌跡)に沿って幾つかのホール素子を配置し、それらホール素子からの出力により「方向変換」時の回転位相検知を行うようなことも可能である。すなわち、この場合、「方向変換」時の回転位相検知のための磁石は、回転軸95aの両端に元々設けられている前記リング状磁石94a,94bが共用されることになり、別途新たに磁石を設ける必要がなく、コストの削減が可能となる。
【0148】
[まとめ]
以上説明したように、本発明実施形態によれば、例えばカーソルを移動させるために回転ダイヤル部7を円柱軸で回転させる操作と、回転ダイヤル部7の円柱軸が筐体主面に対して略々平行となる関係を維持した状態で当該回転ダイヤル部7を筐体主面に垂直な回転軸にて回転させる操作(「方向変換」)とが可能となされ、「方向変換」による回転位相に応じて、画面上でのカーソル移動方向を制御可能となされている。
【0149】
すなわち、従来は、回転ダイヤル部が例えば図2のようにその円柱軸が筐体主面の短尺辺に対して略々平行となる状態でしか操作できなかったのに対して、本発明実施形態では、回転ダイヤル部7の円柱軸を図2の状態だけでなく、例えば図3〜図5の状態をも取り得るようになされている。
【0150】
これにより、例えば地図画面上にカーソルを表示しているような場合において、目的地点へカーソルを移動させることが従来と比較して非常に迅速且つ容易になる。また例えば、「変換文字」や「変換記号」がマトリクス状に画面表示されているような場合にも、目的の文字(或いは記号)へカーソルを移動させることが、従来と比較して非常に迅速且つ容易になる。
【0151】
その他にも、例えば写真や図面等が表示された画面上で、選択した枠を拡大・縮小するような操作(例えば人物写真で顔を部分をクローズアップする等)を行う場合、上記「方向変換」により回転ダイヤル部7の回転位相を例えば前述の図3の回転位相状態にして、回転ダイヤル部7の円柱軸を回転させる操作を行えば、その枠の拡大・縮小が非常に簡単且つ迅速に行えるようになる。なおこの場合の実際の操作例としては、上記「方向変換」により回転ダイヤル部7の回転位相が例えば図3の回転位相状態になされている時に、上記選択した枠のコーナー部分に拡大・縮小用のポインタマークを置き、予め決められた所定のキーをホールドダウンしたまま、上記回転ダイヤル部7を円柱軸にて回転させるような操作を行うことで上記拡大・縮小用ポインタマークを移動させるような操作(つまり枠内の画像を拡大若しくは縮小させる操作)が考えられる。すなわちこの例の場合、上記所定のキーのホールドダウン操作は、当該携帯電話端末の動作モードを、回転ダイヤル部にて拡大・縮小を行う動作モードにするためのキー及び操作となる。
【0152】
以上により、本発明実施形態の携帯電話端末によれば、従来からユーザに好評であった快適なジョグダイヤル機能を更に拡大すること、つまり「方向変換」機能を新たに付加することにより、一つの回転ダイヤル部(ジョグダイヤル)でスマート且つな操作性を実現し、セールス時に高いアピール性を確保している。
【0153】
なお、上述した本発明の実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0154】
本実施形態の入力装置及び携帯端末は、携帯電話端末に限定されず、例えばPDA(Personal Digital Assistant)や携帯型パーソナルコンピュータ、携帯型テレビゲーム装置、携帯型ディジタルテレビジョン受信機、カーナビゲーション装置などのように、入力装置を備えた各種の端末にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明実施形態の折り畳み型携帯電話端末を開いた状態の概略的な外観図である。
【図2】「方向変換」前の初期回転位相状態である場合の回転ダイヤル部の操作とカーソル移動方向の説明に用いる図である。
【図3】「方向変換」により初期回転位相状態から左45度傾いた回転位相状態である場合の回転ダイヤル部の操作とカーソル移動方向の説明に用いる図である。
【図4】「方向変換」により初期回転位相状態から右45度傾いた回転位相状態である場合の回転ダイヤル部の操作とカーソル移動方向の説明に用いる図である。
【図5】「方向変換」により初期回転位相状態から右90度傾いた回転位相状態である場合の回転ダイヤル部の操作とカーソル移動方向の説明に用いる図である。
【図6】回転位相検出部の位相検出用スイッチの動作説明に用いる図である。
【図7】「方向変換」前の初期回転位相状態の場合の円弧状突起部と位相検出用スイッチの位置関係を示す図である。
【図8】「方向変換」により初期回転位相状態から左45度傾いた回転位相状態の場合の円弧状突起部と位相検出用スイッチの位置関係を示す図である。
【図9】「方向変換」により初期回転位相状態から右45度傾いた回転位相状態の場合の円弧状突起部と位相検出用スイッチの位置関係を示す図である。
【図10】「方向変換」により初期回転位相状態から右90度傾いた回転位相状態の場合の円弧状突起部と位相検出用スイッチの位置関係を示す図である。
【図11】「方向変換」による各回転位相状態と位相検出用スイッチの出力レベルとの対応表を示す図である。
【図12】「方向変換」前の初期回転位相状態の場合のストッパ用突起部とリブ突起部の位置関係を示す図である。
【図13】「方向変換」により初期回転位相状態から左45度傾いた回転位相状態の場合のストッパ用突起部とリブ突起部の位置関係を示す図である。
【図14】「方向変換」により初期回転位相状態から右45度傾いた回転位相状態の場合のストッパ用突起部とリブ突起部の位置関係を示す図である。
【図15】「方向変換」により初期回転位相状態から右90度傾いた回転位相状態の場合のストッパ用突起部とリブ突起部の位置関係を示す図である。
【図16】本発明実施形態の携帯電話端末に搭載された回転操作デバイスの分解斜視図である。
【図17】回転ダイヤル部が組み込まれたジョグユニットの分解斜視図である。
【図18】組み立て後の回転操作デバイスを筐体主面に対して垂直方向で且つ回転ダイヤル部の円柱軸方向に切断した概略断面図である。
【図19】組み立て後の回転操作デバイスを筐体主面に対して垂直方向で且つ回転ダイヤル部の円柱軸に対して直行する方向に切断した概略断面図である。
【図20】回転ダイヤル部の円柱軸方向への回転検出と押下検出、回転操作デバイスの「方向変換」時の回転位相検出等を行う概略的な構成を示すブロック図である。
【図21】本発明実施形態の携帯電話端末の概略的な内部回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0156】
1 第一筐体、2 第二筐体、3 ヒンジ部、4 ディスプレイパネル、5 各種キー部、6 回転操作デバイス、7 回転ダイヤル部、8 回転プレート、10 制御部、11 通信回路、12 通信アンテナ、13 表示部、14 操作部、15 キー操作デバイス部、16 回転操作デバイス部、16a ダイヤル回転検出部、16b ダイヤル押下検出部、16c 回転位相検出部、17 時計部、18 メモリ部、19 プログラム格納部、20 データ格納部、21 スピーカ、22 マイクロホン、23 音声処理部、24 画像処理部、31(31a,31b) 位相検出用スイッチ、32(32a,32b) スイッチ本体部、33(33a,33b) スイッチレバー部、34,35 ネジ止め用円筒状ボス部、34a,35a リブ突起部、40 内ケース 41 円弧状突起部、42,43 ストッパ用突起部、51a,51b 固定ネジ、52 蓋部、58 回転位相検出スイッチ基板、59a,59b、クッション材、60 ジョグユニット、62 ホール素子基板、64a,64b ホール素子、67 エンタースイッチ基板、68 エンタースイッチ、70 クリック板バネ用円盤部、71 クリック板バネ、72 係合山部、80 外ケース、85 オーリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の主面に対して略々平行する円柱軸を中心として回転自在になされると共に、上記所定の主面下方向へ押下操作される円柱形状の第一の回転操作子と、
上記所定の主面に対して垂直で且つ上記第一の回転操作子の円柱軸の略々中央と直交する回転軸を有し、上記第一の回転操作子の円柱軸が上記所定の主面に対して略々平行した状態を維持して当該第一の回転操作子を上記回転軸を中心に回動自在に支持する第二の回転操作子と、
上記第一の回転操作子の上記円柱軸を中心とした回転方向及び回転量と上記押下操作を検出する回転・押下検出部と、
上記第二の回転操作子の上記回転軸を中心とした回転操作による少なくとも回転位相を検出する回転位相検出部とを有する、
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
上記第二の回転操作子は、
上記第一の回転操作子が内部に配され当該第一の回転操作子の上記円柱軸を回動自在に軸支するリブ部を内壁に備え、且つ、上記所定の主面に対して垂直な上記回転軸にて回動する円筒形状のケース部と、
上記ケース部内に配された上記第一の回転操作子の円柱外周部の少なくとも一部を外部に露出させる中央孔部を備え、上記ケース部に固定された円盤状プレート部とを有してなることを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
上記第二の回転操作子の上記ケース部は、円筒外周部に所定円弧長となされた円弧状突起部を有し、
上記回転位相検出部は、レバーの傾倒を検知するスイッチ素子を有し、上記ケース部が回転した際に上記円弧状突起部が通る軌跡と相対応する位置に上記スイッチ素子のレバーを配してなり、上記ケース部の回転に伴って移動する上記円弧状突起部による上記スイッチ素子のレバーの傾倒を検知して、その検知信号により上記回転位相を検出することを特徴とする請求項2記載の入力装置。
【請求項4】
上記第二の回転操作子は、上記回転軸を中心とした回転操作量を規制する回転規制手段を有することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項5】
端末筐体主面に対して略々平行する円柱軸を中心として回転自在になされると共に上記端末筐体主面下方向へ押下操作される円柱形状の第一の回転操作子と、上記端末筐体主面に対して垂直で且つ上記第一の回転操作子の円柱軸の略々中央と直交する回転軸を有し上記第一の回転操作子の円柱軸が上記端末筐体主面に対して略々平行した状態を維持して当該第一の回転操作子を上記回転軸を中心に回動自在に支持する第二の回転操作子と、上記第一の回転操作子の上記円柱軸を中心とした回転方向及び回転量と上記押下操作を検出する回転・押下検出部と、上記第二の回転操作子の上記回転軸を中心とした回転操作による少なくとも回転位相を検出する回転位相検出部とを有する入力装置と、
少なくとも画像を表示する画面を有する表示部と、
上記表示部の画面上に表示される所定のポインタマークを、上記入力装置の回転位相検出部が検出した回転位相に応じた方向へ、上記入力装置の回転・押下検出部が検出した回転方向及び回転量に応じて移動表示させる表示制御部とを有する、
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
上記表示制御部は、上記所定のポインタマークの移動に応じて、上記表示部の画面上に表示された枠内の画像を拡大若しくは縮小表示させることを特徴とする請求項5記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−199405(P2009−199405A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41117(P2008−41117)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】