説明

入口噴霧制御のためのシステムおよび方法

【課題】ガスタービンエンジン用の入口空気噴霧システムを提供する。
【解決手段】入口空気噴霧システム100は、ガスタービンエンジン110と共に使用することができ、噴霧ノズルアレイ270と、噴霧ノズルアレイ270と通信する噴霧制御システムとを備えることができる。噴霧制御システムは、液滴粒径測定システムおよび湿度レベル測定システムを備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願および結果的な特許は、全体的にガスタービンエンジンに関し、より詳細には、入口冷却のための連続的フィードバックを有する多重光学的感知技術を使用する入口噴霧制御のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンが生成することができる出力量を増加させるための様々な対策が知られている。ガスタービンエンジンの出力を増加させる1つの方法は、圧縮機内で空気を圧縮する前に流入空気を冷却することによるものである。そのような冷却により、空気はより高い密度を有し、より高い質量流量が生成され圧縮機に入る。圧縮機内の空気の高い質量流量により、より多くの空気を圧縮することができ、ガスタービンエンジンはより大きい出力を生成することができる。加えて、入口空気温度を冷却すると、ガスタービンエンジンの全体の効率が増加する。
【0003】
上記を考えると、噴霧システムを圧縮機入口区域付近で使用し、水滴の流れをもたらして流入空気を冷却することができる。噴霧システムは、一般に流入空気の湿度によって制御することができる。例えば、流入空気の湿度を測定することができるように、湿度センサおよび温度センサが圧縮機入口付近に配置されることができる。湿度および温度の測定値に基づいて、噴霧システムはどれくらいの水が蒸発するかを計算することができ、空気流中にその量を噴射することができる。しかし、そのような噴霧システムの欠点には、すべての水が蒸発することができるわけではないこと、水が蒸発するためには滞留時間が不十分である場合があること、水滴が塊になる傾向があること、これらの水滴が圧縮機の羽根を打つ可能性がある入射粒子を形成し、点食および他の種類の損傷の原因になる場合があることが含まれる。局部的な温度降下もまた、水が空気流の外に滴り、腐食を起こす原因になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7381954号明細書
【発明の概要】
【0005】
したがって、ガスタービンエンジンと共に使用するための、入口噴霧システムまたは他の型の入口空気冷却システム用の改良された制御システムが求められている。好ましくは、そのようなシステムは、リアルタイムの測定に基づいて、水滴の粒径および流入空気内に噴射される水量を制御することができ、圧縮機の羽根への損傷を防止し、一方では全体的なタービンの効率および出力を促進する。
【0006】
したがって、本出願および結果的な特許は、ガスタービンエンジン用の入口空気噴霧システムを提供する。入口空気噴霧システムは、噴霧ノズルアレイと、噴霧ノズルアレイと通信する噴霧制御システムとを備えることができる。噴霧制御システムは、液滴粒径測定システムおよび湿度レベル測定システムを備えることができる。
【0007】
本出願および結果的な特許はさらに、多数の液滴をその中に有する入口空気噴霧システムを作動する方法を提供する。その方法は、多数の液滴の湿度レベルを決定するステップと、湿度レベルから水分比レベルを計算するステップと、計算された水分比レベルを所望の水分比レベルと比較するステップと、多数の液滴の粒径の分布を決定するステップと、決定済み粒径分布を所望の粒径分布と比較するステップと、計算された水分比レベルが所望の水分比レベルよりも大きい場合、および決定済み粒径分布が所望の粒径分布よりも大きい場合、液滴の粒径を変更するステップとを含む。
【0008】
本出願は、ガスタービンエンジン用の入口空気噴霧システムを提供する。入口空気噴霧システムは、噴霧ノズルアレイと、噴霧ノズルアレイと通信する噴霧制御システムとを備えることができる。噴霧制御システムは、粒子画像速度測定システム、または位相ドップラ測風システム、およびチューナブルダイオードレーザ吸収分光法システムを備えることができる。
【0009】
本出願および結果的な特許のこれらのおよび他の特徴および改良は、いくつかの図面および添付の特許請求の範囲と共に以下の詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本明細書に説明することができる噴霧システムおよび噴霧制御システムを有するガスタービンの概略図である。
【図2】図1の噴霧制御システムの概略図である。
【図3】図2の噴霧制御システムで使用されることがある粒子画像速度測定システム、および/または位相ドップラ測風システムの概略図である。
【図4】図2の噴霧制御システムで使用するためのチューナブルダイオードレーザ吸収分光法システムの斜視図である。
【図5】噴霧制御システムのフィードバック論理を示す流れ図である。
【図6】噴霧制御システムの修正論理を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、いくつかの図にわたって同様の符号が同様の要素を指す図面を参照すると、図1は、本明細書で説明することができる入口空気噴霧システム100を示す。入口空気噴霧システムは、ガスタービンエンジン110と共に使用することができる。ガスタービンエンジン110は圧縮機120を含むことができる。圧縮機120は、流入空気130を圧縮する。圧縮機120は圧縮された空気流130を燃焼器140に配送する。燃焼器140は圧縮された空気流130を圧縮された燃料流150と混合し、混合物に点火して燃焼ガス流160を生成する。今度は、燃焼ガス流160はタービン170に配送される。燃焼ガス流160はタービン170を駆動し、機械的仕事を行う。タービン170はシャフト180を介して圧縮機120、および発電機などの外部負荷190などを駆動することができる。負荷センサ175はタービン170上の負荷を決定することができる。ガスタービンエンジン110は天然ガス、様々な型の合成ガス、および他の型の燃料を使用することができる。ガスタービンエンジン110は、General Electric Company of Schenectady,New Yorkなどによって提供される複数の様々なガスタービンエンジンの任意の1つであってもよい。他の構成要素および他の構成が本明細書で使用されることもできる。
【0012】
入口空気噴霧システム100は、入口フィルタ筺体210に取り付けられた吸込雨除け200を含むことができ、流入空気130はそれを通過する。吸込雨除け200は、雨、雪などの気候要素がその中に入るのを防止することができる。吸込雨除け200および入口フィルタ筺体210は一般に従来の設計のものであってもよい。次いで、空気流130は移行部分220および入口ダクト230を通って流れることができる。消音器区域240もまた本明細書で使用されることができる。次いで、空気流130は入口プレナム250を通って、上記のように圧縮および燃焼のために圧縮機120の中に入ることができる。ベルマウス260が圧縮機120付近に配置可能である。他の構成要素および他の構成が本明細書で使用されてもよい。
【0013】
入口噴霧システム100はまた、噴霧ノズルアレイ270を含むことができる。噴霧ノズルアレイ270は、その中に任意の数のノズル275を有することができる。ノズル275は、任意のサイズ、形状または配向を有することができる。噴霧ノズルアレイ270は入口フィルタ筺体210および移行部分220付近またはその他の場所に配置されてもよい。噴霧ノズルアレイ270は、水供給スキッド290または他の型の水源上に配置された水流280と連通することができる。気象計310は、入口フィルタ筺体210、水供給スキッド290付近または他の場所に配置されてもよい。気象計310は、所望の温度、湿度および他のパラメータを含む、局所的な周囲の気象状況を決定するために使用することができる。他の構成要素および他の構成が本明細書で使用されてもよい。
【0014】
図2に示すように、入口空気噴霧システム100はまた、噴霧制御システム320を含むことができる。噴霧制御システム320は制御装置330を含むことができる。制御装置330は、入口空気噴霧システム100およびガスタービンエンジン110を作動し、調整する、様々な制御アルゴリズムおよび他の型のソフトウェアでプログラムされることができる。特定のタスクを有する多重制御装置330もまた本明細書で使用することができる。制御装置330は水供給スキッド290と通信して、噴霧ノズルアレイ270に配送されることができる水流280の流量比率を制御することができる。制御装置330はまた、負荷センサ175、気象計310および他の型の入力と通信することもできる。多くの異なる型の作動パラメータが本明細書に適応されることができる。他の構成および他の構成要素が本明細書で使用されてもよい。
【0015】
噴霧制御システム320はまた、液滴粒径測定システム340と通信して、空気流130内の液滴粒径300を決定することができる。図3に示すように、液滴粒径測定システム340は入口プレナム250付近または圧縮機120の上流のベルマウス260付近に配置可能である。以下に説明するように、異なる型の液滴粒径測定システム340が本明細書で使用可能である。
【0016】
液滴粒径測定システム340は、広い領域の粒子画像速度測定(PIV)システム350であることができる。一般的に説明すると、PIVシステム350はレーザ360およびカメラ370または他の型の光学検出装置を使用することができる。レーザ360は扇形に広がるビームを有するパルスレーザシートであることができる。カメラ370は、電荷結合素子(CCD)カメラなどの高速画像カメラであることができる。レーザ360およびカメラ370の作動は協調する。例えば、一対のレーザパルスがカメラ370の焦点面を照らす場合、対応する画像が使用されて、フレーム内の液滴300の粒径および速度を計算することができる。制御装置330は、画像内の液滴300の位置を見つけ、それらの粒径を計算し、粒径分布曲線を生成することができる。いくつかのフレームに対するこの粒径分布曲線を平均することにより、実際の液滴の粒径分布の概算を提供することができる。制御装置330はまた、液滴の移動距離を計算することができ、したがって噴霧速度が、距離をフレーム間の時間差で割ることによって概算することができる。他の構成要素および他の構成が本明細書で使用されてもよい。
【0017】
別法として、または追加として、液滴粒径測定システム340が、位相ドップラ測風(PDA)システム380を含むことができる。一般的に説明すると、PDAシステム380は、一対のレーザ360および一対のカメラ370または他の型の光学装置を使用することができる。レーザ360の一対のレーザビームが、関係する領域の干渉パターンを生成する。その領域を通って流れる液滴300は、強め合う干渉の領域から光を散乱させるであろう。次いで、カメラ370は空間的散乱パターンを記録する。散乱光によるドップラ偏移は粒子速度の測定値であることができ、カメラ370間の相対的位相差は粒子の粒径の測定値である。他の構成要素および他の構成が本明細書で使用されてもよい。
【0018】
PIVシステム350およびPDAシステム380は共に局部的領域内の検出を提供するが、全体的分布は長期間に亘って繰り返し実行する測定によって推定することができる。また、複数の領域測定を、複数のシステムを展開することによって行うことができる。他の構成要素および他の構成が本明細書で使用されてもよい。
【0019】
噴霧制御システム320はまた、湿度レベル測定システム390と通信することができる。湿度レベル測定システム390は、入口プレナム340または圧縮機120の上流のベルマウス260付近に配置可能である。湿度レベル測定システム390は、図4に示すように、チューナブルダイオードレーザ吸収分光法(TDLAS)システム400に基づくことができる。TDLASシステム400は、一対のチューナブルダイオードレーザ、第1のレーザ410および第2のレーザ420を含むことができる。第1のレーザ410および第2のレーザ420は、異なるレーザ波長を使用することができる。第1のレーザ波長(例えば、約945nm(ナノメートル))が流入液滴300の気相水の含有量を測定するために使用され、一方、第2のレーザ波長(例えば、約1516nm)が流入液滴300の液相水を測定するために使用することができる。他の波長を本明細書で使用することができる。したがって、2つのレーザ波長が水蒸気および液体水の吸収ピークを探測する。
【0020】
一般的に説明すると、レーザ410および420は、結合器430にファイバ結合され(50:50)、次いで多重変換装置440を介して上部ビーム450および下部ビーム460に多重化されることができる。上部ビーム450は、入口プレナム350またはベルマウス260付近の、または他の場所の上部ポート470に結合されることができ、一方下部ビーム460は下部ポート480に結合されることができる。上部ビーム450は上部スプリッタ490に受信され、一方、下部ビーム460は下部スプリッタ500に受信されることができる。スプリッタ490および500は双方とも一対の検出器と通信することができる。上部スプリッタ490は、上部第1の波長検出器510および上部第2の波長検出器520と通信することができ、一方、下部スプリッタ500は下部第1の波長検出器530および下部第2の波長検出器540と通信することができる。他の構成要素および他の構成が本明細書で使用されてもよい。
【0021】
液滴300を透過した後、レーザ出力の強度が下降することを使用し、対応する吸収化学種の見通し線平均濃度を計算することができる。具体的には、上部ビーム450は気相の水の分子密度を測定することができ、一方、下部ビーム460は液相の水の分子密度を測定する。次いで、気象計310からの測定済み温度および圧力値を使用して、制御装置330は、流入空気130内の液滴300の水分比を計算することができる。他の構成要素および他の構成が本明細書で使用されてもよい。
【0022】
再び図2を参照すると、噴霧制御システム320の制御装置330は、したがって、フィードバックループ内で液滴粒径測定システム340および湿度レベル測定システム390から受信したデータを使用して、水供給スキッド290を介して液滴を制御することができる。具体的には、PIVシステム350および/またはPDAシステム380からの液滴粒径測定データ、ならびにTDLASシステム400からの所与のノズル設計に対する湿度レベル測定データに基づいて、液滴粒径分布を水供給スキッド290の圧力により制御することができる。対照的に、飽和レベルは、水流速度、入口ダクト230内の液滴の滞留時間、液滴粒径、および任意のノズル閉塞または故障により多く依存することがある。
【0023】
図5は、本明細書で使用されることがあるフィードバックループの一例を示す。具体的には、噴霧制御システム320は連続して液滴粒径および湿度レベルを測定することができる。異常が決定されるとすぐに、噴霧制御システム320は自動的に制御パラメータを調節して、入口空気噴霧システム100を所望の作動範囲に戻すことができる。システム320が調節するためにかかる時間は、測定の応答時間、測定のための平均時間、および制御装置330の反応時間に依存することがある。したがって、噴霧制御システム320は、噴霧工程を通して継続的に、迅速で信頼性のある制御を提供する。
【0024】
ステップ550で、制御装置330は所望の水分比レベル(H)に対する入力値を読み取る。ステップ560で、制御装置330は所望の最大液滴粒径(D)に対する入力済み値を読み取る。ステップ570で、制御装置330は順守時間(T)から受け入れ可能な入力済み値を読み取る。ステップ580で、制御装置330は事前に較正されたパラメータで噴霧ノズルアレイ270をオンにする。ステップ590で、制御装置330はタイマをゼロ(t=0)に設定する。ステップ600で、制御装置330はTDLASシステム400から水分比レベル(y’)、およびPIVシステム350から液滴粒径分布を受信する。ステップ610で、制御装置330はPIVデータから水分比を計算し、この値をTDLASデータと比較して、修正された液滴粒径の値を計算する。この修正ステップ論理を以下に詳細に説明する。ステップ620で、制御装置330は修正済み粒径分布から最大液滴粒径(d)を計算する。ステップ630で、制御装置330は、決定済み水分比レベル(y’)が所望の水分比レベル(H)よりも低いかどうか、および計算された最大液滴粒径(d)が所望の最大液滴粒径(D)よりも小さいかどうかを決定する。そうである場合、制御装置330は、ステップ590に戻り、システムタイマをゼロにリセットする。そうでない場合、制御装置330は、ステップ640に進み続け、ステップ640では制御装置330は、システム時間(t)が順守時間(T)から受け入れ可能時間を越えるかどうかを決定する。そうである場合、制御装置330は、システム故障を調査するために噴霧システム100を停止する。そうでない場合、制御装置330は、ステップ650に進んで、計算された水分比(h)および計算された最大液滴粒径(d)に対する誤り信号に基づいて、全体的なシステムパラメータを調整する。次いで、システムはステップ600に戻り、ループは継続する。他の型の制御論理が使用されてもよい。
【0025】
噴霧制御システム320はTDLASシステム400で測定された水分比の値を使用して、上記のステップ610に言及したように、PIVシステム350およびPDAシステム380から得られた液滴粒径分布を修正することができる。具体的には、PIV画像もまた、水分比を推定するために使用することができる。画像体積はレーザシート幅およびカメラ画像領域から推定することができる。現在の温度および圧力に基づいて、画像体積中の水分子の総数が推定され得る。液状水滴が占める総体積は、液滴直径および画像からの液滴の数に基づいて計算することができる。液滴の直径は単一波長に対して以下のように決定することができる。
【0026】
【数1】

同様に、液滴の体積を以下のように計算することができる。
【0027】
【数2】

総体積に水密度を掛けると、水滴の総体積が得られ、したがって画像体積中の水分子の総数が得られる。したがって、水分比を以下のように計算することができる。
【0028】
【数3】

同様に、以下のように複数の波長に対して水分比を決定することができる。
【0029】
【数4】

同様に、TDLASシステム400は上述のように水分比を計算することができる。具体的には、分子密度を以下のように決定することができる。
【0030】
【数5】

一方、混合相の特定の体積を以下のように決定することができる。
【0031】
【数6】

混合相の特定の体積は、水分比を計算するために使用することができる。したがって、液相および気相の特定の体積は、熱力学表を使用して計算することができる。
【0032】
【数7】

次いで、制御装置330は、PIVシステム350からの水分比の値をTDLASシステム400によって決定された水分比の値と比較することができる。TDLASシステム400はレーザ感知技術に基づくので、TDLASの結果はPIVシステム350などの画像技術よりも正確であると期待される。そうであるので、修正によりさらに正確な液滴粒径測定が可能になり、したがって、制御ループの正確さを高める。PIVシステム350の誤りは、焦点からはずれた液滴および/または画像パス内の液滴による散乱によって引き起こされることがある。
【0033】
上記を考えると、図6は修正ステップ610を説明する流れ図を示す。ステップ660で、制御装置はPIVシステム350から水分比を受信する。ステップ670で、制御装置330はTDLASシステム400から平均水分比を受信する。ステップ680で、制御装置はPIVシステム350の結果とTDLASシステム400の結果との相違を決定する。ステップ690で、制御装置330はその相違がゼロ(0)よりも大きいかどうかを決定する。大きくない場合、制御装置330はステップ700で水分比を報告する。大きい場合、制御装置330は試料平均を調整して、母平均を定数として保つようにする。このステップには、ステップ720で最大分布に対する試料粒径を見つけ出すステップと、ステップ730で試料平均から平均水分比を計算するステップと、ステップ740で試料平均から平均水分比を増加させるステップとから成るサブステップが含まれる。他の型の制御論理が本明細書で使用されてもよい。
【0034】
したがって、入口空気噴霧システム100は噴霧工程の制御および最適化をもたらす。具体的には、噴霧制御システム320が液滴粒径測定システム340および湿度レベル測定システム390を連続的フィードバックループで使用して、迅速で信頼性のある制御を提供する。
【0035】
上記のことは本出願および結果的な特許のある実施形態に関係するのみであることは明らかであるはずである。以下の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される本発明の広い精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更および修正を当業者ならここに加えることができる。
【符号の説明】
【0036】
100 入口空気噴霧システム
110 ガスタービンエンジン
120 圧縮機
130 空気流
140 燃焼器
150 燃料流
160 燃焼ガス流
170 タービン
175 負荷センサ
180 シャフト
190 負荷
200 吸込雨除け
210 入口フィルタ筺体
220 移行部分
230 入口ダクト
240 消音器
250 入口プレナム
260 ベルマウス
270 噴霧ノズルアレイ
275 ノズル
280 水
290 水供給スキッド
300 液滴
310 気象計
320 噴霧制御システム
330 制御装置
340 液滴粒径測定システム
350 粒子画像速度測定(PIV:particle imaging velocimetry)システム
360 レーザ
370 カメラ
380 位相ドップラ測風(PDA:phase doppler anemometry)システム
390 湿度レベル測定システム
400 チューナブルダイオードレーザ吸収分光法(TDLAS:turnable diode laser absorption spectroscopy)システム
410 第1のレーザ
420 第2のレーザ
430 結合器
440 多重変換装置
450 上部ビーム
460 下部ビーム
470 上部ポート
480 下部ポート
490 上部スプリッタ
500 下部スプリッタ
510 上部第1の波長検出器
520 上部第2の波長検出器
530 下部第1の波長検出器
540 下部第2の波長検出器
550〜740 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン(110)用の入口空気噴霧システム(100)であって、
噴霧ノズルアレイ(270)と、
前記噴霧ノズルアレイ(270)と通信する噴霧制御システム(320)とを備え、
前記噴霧制御システム(320)が、液滴粒径測定システム(340)および湿度レベル測定システム(390)を備える、入口空気噴霧システム(100)。
【請求項2】
入口プレナム(250)と、ベルマウス(260)とをさらに備え、前記液滴粒径測定システム(340)が前記入口プレナム(250)または前記ベルマウス(260)の付近に配置される、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項3】
入口プレナム(250)と、ベルマウス(260)とをさらに備え、前記湿度レベル測定システム(390)が前記入口プレナム(250)または前記ベルマウス(260)の付近に配置される、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項4】
気象計(310)をさらに備え、前記気象計(310)が前記噴霧制御システム(320)と通信する、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項5】
負荷センサ(175)をさらに備え、前記負荷センサ(175)が前記噴霧制御システム(320)と通信する、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項6】
前記液滴粒径測定システム(340)が1つまたは複数のレーザ(360)と、1つまたは複数のカメラ(370)とを備える、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項7】
前記液滴粒径測定システム(340)が粒子画像速度測定システム(350)を備える、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項8】
前記液滴粒径測定システム(340)が位相ドップラ測風システム(380)を備える、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項9】
前記湿度レベル測定システム(390)がチューナブルダイオードレーザ吸収分光法システム(400)を備える、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項10】
前記湿度レベル測定システム(390)が第1の波長の第1のレーザ(410)と、第2の波長の第2のレーザ(420)とを備える、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項11】
前記湿度レベル測定システム(390)が一対の第1の波長検出器(510,530)と、一対の第2の波長検出器(520,540)とを備える、請求項10記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項12】
水供給スキッド(290)をさらに備え、前記水供給スキッド(290)が前記噴霧ノズルアレイ(270)および前記噴霧制御システム(320)と通信する、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項13】
前記噴霧制御システム(320)が前記噴霧ノズルアレイ(270)内の前記液滴(300)の前記粒径を制御する制御器(330)を備える、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項14】
前記噴霧ノズルアレイ(270)が入口フィルタ筺体(210)の付近に配置される、請求項1記載の入口空気噴霧システム(100)。
【請求項15】
多数の液滴(300)をその中に有する入口空気噴霧システム(100)を作動する方法であって、
前記多数の液滴(300)の湿度レベルを決定するステップと、
前記湿度レベルから水分比レベルを計算するステップと、
前記計算された水分比レベルを所望の水分比レベルと比較するステップと、
前記多数の液滴(300)の粒径分布を決定するステップと、
前記決定済み粒径分布を所望の粒径分布と比較するステップと、
前記計算された水分比レベルが前記所望の水分比レベルよりも大きい場合、および前記決定済み粒径分布が前記所望の粒径分布よりも大きい場合、前記液滴(300)の前記粒径を変化させるステップと
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−60947(P2013−60947A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−198054(P2012−198054)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】