説明

全放射感度測定方法およびシステム

【課題】携帯無線機の全方位放射感度を測定する際の測定時間を短縮する新たな測定方法およびシステムを提供する。
【解決手段】携帯無線機(11)を所定ステップで回転させながら全放射感度を測定するシステムであって、所定データを携帯無線機へ無線送信し携帯無線機からループバックされた受信データのエラーレートを所定ビット数まで連続して測定し、リセットされる毎にエラーレート連続測定を繰り返し実行する基地局シミュレータ(103)と、所定ビット数よりも少ない測定ビット数で受信データから測定されたエラーレートを読み出し、読み出されたエラーレートが所定の基準範囲外であれば所定データの送信出力レベルを変化させて基地局シミュレータ(103)をリセットすることでエラーレート連続測定を繰り返す制御PC(104)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナの性能測定技術に係り、特に全方位放射感度(TRS: Total Radiated SensitivityあるいはTIS:Total Isotropic Sensitivity)を測定するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機や携帯情報端末などの携帯無線機器は、アンテナの小型化、薄型化、種々のアプリケーション用アンテナの搭載などにより、アンテナ特性やアンテナ間結合の問題などが生じ易くなっている。そこで、アンテナの性能確保のための測定技術が益々重要になってきている。
【0003】
携帯電話機の性能指標としてはアンテナ特性や送受信回路特性がある。アンテナ特性については、水平面の平均化利得や放射効率等が定義されており、小型発振器をアンテナに接続し放射パターンを測定することで求められる。送受信回路特性については、スペクトラムアナライザやシグナルジェネレータ等を用いて出力電力や受信感度等の測定を行うことで求められる。
【0004】
しかしながら、実際の携帯電話機等では、アンテナと送受信回路が一体化されているため、使用ユーザにとっては、アンテナから出力される実効放射電力やアンテナ実効感度などの性能指標が重要となってくる。そのため、性能指標として、全放射電力(TRP:Total Radiated Power)や全方位放射感度TRS/TISを定義し、世界的に携帯無線機の性能指標として統一する動きがあり、現在、CTIA(Cellular Telecommunication & Internet Association)および3GPP(3rd Generation Partnership Project)のワーキンググループで検討されている。
【0005】
この性能指標を測定するシステムの一例が特許文献1に提案されている。これによれば、電波暗室内に被測定物である携帯電話機と対向アンテナとを同じ高さで配置し、携帯電話機を回転台に設置してアジマス方向(経度方向)およびロール方向(緯度方向)の両方向に回転させながら対向アンテナで電波を送信または受信する。携帯電話機をアジマス方向およびロール方向の両方向に回転させることにより全空間の測定を行うことが可能になる。
【0006】
上記ワーキンググループによれば、全放射電力(TRP)についてはアジマス方向(θ軸)およびロール方向(φ軸)の測定間隔を15°ステップに、全方位放射感度(TRS/TIS)については30°ステップに、それぞれ設定することが規定されている。この規定に従った測定を行うと、TRP測定については、水平および垂直偏波の各々で、288ポイント(θ軸:0°〜360°の範囲で360/15ポイント、φ軸:0°〜180°の範囲で180/15ポイント、したがって計360/15×180/15ポイント)の計576ポイント(288×2ポイント)の電力を測ることになるが、スペクトラムアナライザ等の測定スピードが速いため、測定時間としては5分程度で測定することができる。
【0007】
これに対して、TRS/TIS測定については、携帯電話機の最大送信電力時で20,000ビットのデータに対するビット誤り率(エラーレート)を1%とする感度点が定義されており、水平および垂直偏波の各々で72ポイント(θ軸:0°〜360°の範囲で360/30ポイント、φ軸:0°〜180°の範囲で180/30ポイント、したがって計360/30×180/30ポイント)、計144ポイント(72×2ポイント)の感度を測定することになる。以下、一般的なTRS/TIS測定手順について図4を参照しながら説明する。
【0008】
図4において、基地局シミュレータ(あるいは無線機テスタ)は測定ビット数を規定の20,000ビットに設定されており、制御PC(personal computer)からの測定開始コマンドにより基地局シミュレータが所定の20,000ビットのデータストリームを所定の送信出力レベルで携帯電話機へ送信し、そのループバックデータと送信データとをビット比較することでエラービット数をカウントする。
【0009】
同時に、制御PCは、測定開始時点から測定終了までの推定時間(20,000/データ速度+α)を計算し、推定時間経過後に、そのときのエラービット数をエラーレートとして読み出し、エラーレートが所定の基準値1%前後を満たしている否かを判定する。エラーレートが低すぎる場合には基地局シミュレータの出力レベルを低下させ、高すぎる場合には上昇させた後、測定ビットカウンタをリセットして上記測定手順を繰り返す。エラーレートが所定の基準値1%前後を満たしていれば、基地局シミュレータの出力レベルの制御を終了し、測定結果を表示して終了する。こうして1つのポイントにおける放射感度の測定が終了することになる。以下、同様にして144ポイント全てについて測定を行い、全方位の放射感度を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−064704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、エラーレートが1%になる受信レベルを各ポイントで追い込むためには非常に時間が掛かることが知られており、1つのポイントのデータ取得に2時間程度を要する場合がある。測定が長時間になると、携帯電話機が最大送信出力を維持できず、途中で電源が切れてしまう問題が生じる。
【0012】
上述したTRS/TIS測定では、基地局シミュレータが所定の20,000ビットのカウントを完了して測定を終了し、制御PCがエラーレートを読み出し、エラーレートが基準範囲を逸脱していれば、再度測定開始コマンドを発行する、という手順を繰り返す。したがって、図4に示すように、測定ビットカウンタをリセットして、測定開始コマンドを受信するまでに時間差Δtだけ時間を要する。一つのポイントにおける放射感度の測定する際に、数回〜数十回の測定開始コマンドを発行する場合があるので、測定開始コマンドの発行回数が多くなる程、測定時間が益々長くなる。
【0013】
たとえば、Δt=100ms、一つのポイントの感度追い込み回数=20回、全方位の放射感度を測定するために必要なポイント数=72ポイント×2(水平偏波と垂直偏波)とすれば、全方位の放射感度を測定する際に、測定開始コマンドに起因する遅延時間TはΔt×20×72×2で計算され5分程度となり、無視することができない長さである。
【0014】
そこで、本発明の目的は、携帯無線機の全方位放射感度を測定する際の測定時間を短縮する新たな測定方法およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による全放射感度測定システムは、携帯無線機を所定ステップで回転させながら全放射感度を測定するシステムであって、所定データを前記携帯無線機へ無線送信し、前記携帯無線機からループバックされた受信データのエラーレートを所定ビット数まで連続して測定し、リセットされる毎にエラーレート連続測定を繰り返し実行する測定手段と、前記所定ビット数よりも少ない測定ビット数で前記受信データから測定されたエラーレートを読み出し、読み出されたエラーレートが所定の基準範囲外であれば前記所定データの送信出力レベルを変化させて前記測定手段をリセットすることで前記エラーレート連続測定を繰り返す制御手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明による全放射感度測定方法は、携帯無線機を所定ステップで回転させながら全放射感度を測定する方法であって、測定手段は、所定データを前記携帯無線機へ無線送信し、前記携帯無線機からループバックされた受信データのエラーレートを所定ビット数まで連続して測定し、制御手段は、前記所定ビット数よりも少ない測定ビット数で前記受信データから測定されたエラーレートを前記測定手段から読み出し、読み出されたエラーレートが所定の基準範囲外であれば前記所定データの送信出力レベルを変化させて前記測定手段をリセットし、前記測定手段は、リセットされる毎にエラーレート連続測定を繰り返し実行することで前記エラーレート連続測定を繰り返す、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、携帯無線機の全方位放射感度を測定する際の測定時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態による全放射感度測定システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による全放射感度測定方法のシーケンスを示すタイムチャートである。
【図3】本実施形態による全放射感度測定システムの動作(感度追い込みアルゴリズム)を示すフローチャートである。
【図4】一般的なTRS/TIS測定手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に述べる実施形態により限定されるものではない。
【0020】
1.システム構成
図1に示すように、電波暗室10内には、被測定物である携帯無線機11を2軸回転させることができる2軸回転台12と、携帯無線機11と対向して電波の送信および受信を行う送受信アンテナ13とが設けられている。
【0021】
2軸ポジショナ制御部101は、携帯無線機11がアジマス軸(θ軸)方向および/またはロール軸(φ軸)方向に回転するように2軸回転台12を制御する。本実施形態では、θ軸方向あるいはφ軸方向に所定間隔30°ごとに携帯無線機11を回転させることができる。偏波切替ポジショナ制御部102は、送受信アンテナ13の偏波面を垂直または水平に切り替える。
【0022】
基地局シミュレータ103は送受信アンテナ13に接続され、送受信アンテナ13からRF信号を携帯無線機11へ向けて送信し、その携帯無線機11からのループバックRF信号を受信する。基地局シミュレータ103は送信電力を制御可能であり、また後述するTRS/TIS測定を行うための測定手段として測定ビットカウンタCおよびエラーレートカウンタCERを有する。基地局シミュレータ103は、所定のビットストリームからなる送信データを携帯無線機11へ無線送信し、携帯無線機11からループバックされた受信データと送信データとをビット単位で比較することによりエラービット数をカウントしエラーレートを測定する。測定ビット数のカウントは測定ビットカウンタCにより実行される。エラーレートカウンタCERは、測定ビットカウンタCがカウントしている間のエラービット数をカウントする。基地局シミュレータ103は、測定ビットカウンタCがリセットされる毎に測定ビットカウント動作を新たに開始する連続測定モードに設定されている。したがって、測定開始コマンドを受信することなく、リセットすれば自動的に測定動作が開始する。なお、基地局シミュレータ103は、プログラム制御プロセッサ上でプログラムを実行することにより同等の機能を実現することも可能である。
【0023】
制御PC104は、2軸ポジショナ制御部101、偏波切替ポジショナ制御部102および基地局シミュレータ103を制御して全放射感度測定システムの全体的な動作制御を行う。特に、制御PC104は、基地局シミュレータ103の測定ビットカウンタCのタイムアウト値を規定の20,000より十分大きい値、具体的にはエラーレート判定に要する時間を考慮した十分大きなカウント値、に設定しておく。さらに制御PC104は、基地局シミュレータ103の測定動作が測定ビットカウンタCをリセットする毎に開始される連続測定モードに設定することができる。なお、基地局シミュレータ103は、制御PC104のプログラム制御プロセッサ上でプログラムを実行することにより同等の機能を実現することも可能である。以下、本実施形態による連続測定モードでの測定方法について説明する。
【0024】
2.連続測定モード
図2に示すように、基地局シミュレータ103の測定ビットカウンタCは、タイムアウト値を規定の20,000より十分大きい値(たとえば100,000ビットカウント)に設定しておく。制御PC104は、基地局シミュレータ103の測定ビットカウンタCをリセットした測定開始時点から測定終了までの推定時間(20,000/データ速度+α)を計算してタイマに設定する。推定時間が経過してタイマがタイムアウトすると、制御PC104は、そのときのエラーレートカウンタCERが示すエラービット数をエラーレートとして読み出し、エラーレートが所定の基準値1%前後を満たしている否かを判定する。すなわち、制御PC104は、規定の20,000ビットに到達する毎にエラーレートカウンタCERのカウント値(エラーレート)を読み出し、後述するようにエラーレートをチェックして、再測定が必要ならば、リセット信号を基地局シミュレータ103へ出力すると共に基地局シミュレータ103の送信出力レベルを変更する。
【0025】
基地局シミュレータ103の測定ビットカウンタCは、エラーレートの読み出しとは関係なく、リセットされるまで、あるいはタイムアウトするまで、受信データのビットカウントを続行する。基地局シミュレータ103は、制御PC104からリセット信号を受信すると、測定ビットカウンタCおよびエラーレートカウンタCERをリセットし、自動的に測定動作を最初から開始する。
【0026】
エラーレートの読み出した制御PC104は、このエラーレートが基準値の範囲内になるように基地局シミュレータ103の送信出力レベル制御を繰返し(感度追い込み)、エラーレートが基準値の範囲内になった時の送信出力レベルを測定結果として表示する。たとえば、2軸回転台をθ軸=0°、φ軸=0°に、送受信アンテナ13を水平にセットし、リセット信号により測定を開始する。エラーレートが基準値を満たすように基地局シミュレータ103の出力レベルを制御する感度追い込みが終了すると、θ軸を30°回転し、次のポジションに移動しリセット信号により測定開始する。こうしてθ軸が360°回転終了すると、送受信アンテナ13の偏波面を垂直に変更する。そして同様にθ軸を0°から360°まで30°ステップで回転させて測定を繰返すことで、φ軸=0°の面の測定が終了する。その後、φ軸を30°回転し、再度上記で述べた測定を行う。φ軸が180°回転し測定が終了すると、全方位の放射感度の測定が終了する。こうして計144ポイントの放射感度が測定されたことになる。
【0027】
3.感度追い込み動作
以下、測定に必要なビット数が20,000ビットの場合、制御PC104が判定するエラーレート基準値範囲は0.8%〜1.2%であるとし、制御PC104のタイマには測定結果の読み出し推定時間(20,000/R+α)が予め設定されているものとする。ここで、Rはループバックデータのデータ速度、αはマージンである。
【0028】
図3において、まず、携帯無線機11を基地局シミュレータ103と送受信アンテナ13を通して通信状態とし、2軸回転台12に取り付ける。
【0029】
次に、制御PC104は基地局シミュレータ103の初期設定を行う(ステップ201)。ここでは、測定ビットカウンタCのタイムアウト値Nを100,000に、送信出力レベルを初期値に、さらに測定モードをコンティニュアスモード(連続測定モード)に、それぞれ設定する。
【0030】
続いて、制御PC104はリセット信号を基地局シミュレータ103へ送信すると共に、タイマのタイムアウト、すなわち測定結果の読み出し推定時間(20,000/R+α)の経過をモニタする。基地局シミュレータ103は、リセット信号を受信すると、所定送信データを携帯無線機11へ送信し、測定ビットカウンタCをスタートさせ、携帯無線機11からのループバックデータを用いたエラーレート測定を開始する(ステップ202)。
【0031】
制御PC104は、タイマがタイムアウトすると、その時点での基地局シミュレータ103のエラーレートカウンタCERのカウント値をエラーレートとして読み出し、(ステップ203)、エラーレート基準値範囲(0.8%〜1.2%)であるか否かを判定する。まず、測定されたエラーレートが下限値0.8%より小さいときには(ステップ204:Yes)、基地局シミュレータ103の送信出力レベルを低下させ(ステップ205)、測定ビットカウンタCおよびエラーレートカウンタCERをリセットし、自己のタイマもリセットして測定を最初から開始する(ステップ206、ステップ203)。
【0032】
測定されたエラーレートが下限値0.8%以上であれば(ステップ204:No)、上限値1.2%より大きいか否かが判断される(ステップ207)。測定されたエラーレートが下限値1.2%より大きいときには(ステップ207:Yes)、基地局シミュレータ103の送信出力レベルを上昇させ(ステップ208)、測定ビットカウンタCおよびエラーレートカウンタCERをリセットし、自己のタイマもリセットして測定を最初から開始する(ステップ209、ステップ203)。測定されたエラーレートが下限値1.2%以下であれば(ステップ207:No)、基準値を満たしていると判断され、その時の送信出力レベルを測定結果として表示して測定を終了し(ステップ210)、測定ビットカウンタCおよびエラーレートカウンタCERをリセットし、自己のタイマもリセットして、1つの偏波面における1つのポイントでの感度追い込み処理を終了する。以下、上述したように、偏波面を切り替え、30°ステップでθ軸あるいはφ軸を回転させながら、上述した感度測定ステップ201−211を繰り返す。
【0033】
4.効果
上述したように、本実施形態によれば、基地局シミュレータ103において連続的にエラーレートの測定を実行し、所定タイミング毎にエラーレートを読み出し、条件を変えて再測定が必要であれば、リセット信号を送出するだけで再測定を開始することができる。したがって、エラーレートを読み出す毎に測定を停止し、再度測定開始コマンドを発行するというステップが不要となり、全方位の放射感度を測定するために要する時間を短縮することができる。
【0034】
具体的には、図4で説明したように、リセットと測定開始コマンドによる測定開始までの時間Δtを100msとし、一つのポイントの感度追い込み回数を20回程度、全方位の放射感度の測定ポイントを144ポイント=72ポイント×2(水平、垂直偏波)とすれば、全方位の放射感度を測定する際に短縮できる時間Tは、
T=Δt×(追い込み回数)×72ポイント×2(水平、垂直偏波)=約5[分]
として算出される。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、3次元で携帯無線機の全方位放射感度(TRS/TIS)を測定するための全放射感度測定システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
10 電波暗室
11 携帯無線機
12 2軸回転台
13 送受信アンテナ
101 2軸ポジショナ制御部
102 偏波切替ポジショナ制御部
103 基地局シミュレータ
104 制御PC
測定ビットカウンタ
ER エラーレートカウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯無線機を所定ステップで回転させながら全放射感度を測定するシステムであって、
所定データを前記携帯無線機へ無線送信し、前記携帯無線機からループバックされた受信データのエラーレートを所定ビット数まで連続して測定し、リセットされる毎にエラーレート連続測定を繰り返し実行する測定手段と、
前記所定ビット数よりも少ない測定ビット数で前記受信データから測定されたエラーレートを読み出し、読み出されたエラーレートが所定の基準範囲外であれば前記所定データの送信出力レベルを変化させて前記測定手段をリセットすることで前記エラーレート連続測定を繰り返す制御手段と、
を有することを特徴とする全放射感度測定システム。
【請求項2】
前記測定手段は、
前記携帯無線機からループバックされた受信データのビット数を前記リセットされるまでカウントする第1カウンタと、
前記第1カウンタがカウントしている間、前記受信データと前記所定データとを比較することでエラービット数をエラーレートとしてカウントする第2カウンタと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の全放射感度測定システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記測定ビット数と前記受信データのデータ速度から求めた測定推定時間の経過後に前記エラーレートを読み出すことを特徴とする請求項1または2に記載の全放射感度測定システム。
【請求項4】
携帯無線機を所定ステップで回転させながら全放射感度を測定する方法であって、
測定手段は、所定データを前記携帯無線機へ無線送信し、前記携帯無線機からループバックされた受信データのエラーレートを所定ビット数まで連続して測定し、
制御手段は、前記所定ビット数よりも少ない測定ビット数で前記受信データから測定されたエラーレートを前記測定手段から読み出し、読み出されたエラーレートが所定の基準範囲外であれば前記所定データの送信出力レベルを変化させて前記測定手段をリセットし、
前記測定手段は、リセットされる毎にエラーレート連続測定を繰り返し実行することで前記エラーレート連続測定を繰り返す、
ことを特徴とする全放射感度測定方法。
【請求項5】
前記測定手段は、
第1カウンタにより、前記携帯無線機からループバックされた受信データのビット数をリセットされるまでカウントし、
第2カウンタにより、前記第1カウンタがカウントしている間、前記受信データと前記所定データとを比較することでエラービット数をエラーレートとしてカウントする、
ことを特徴とする請求項4に記載の全放射感度測定方法。
【請求項6】
前記制御手段は、前記測定ビット数と前記受信データのデータ速度から求めた測定推定時間の経過後に前記エラーレートを読み出すことを特徴とする請求項4または5に記載の全放射感度測定方法。
【請求項7】
携帯無線機を所定ステップで回転させながら全放射感度を測定する装置としてプログラム制御プロセッサを機能させるプログラムであって、
所定データを前記携帯無線機へ無線送信し、前記携帯無線機からループバックされた受信データのエラーレートを所定ビット数まで連続して測定し、リセットされる毎にエラーレート連続測定を繰り返し実行する測定手段と、
前記所定ビット数よりも少ない測定ビット数で前記受信データから測定されたエラーレートを読み出し、読み出されたエラーレートが所定の基準範囲外であれば前記所定データの送信出力レベルを変化させて前記測定手段をリセットすることで前記エラーレート連続測定を繰り返す制御手段と、
を有する装置としてプログラム制御プロセッサを機能させるプログラム。
【請求項8】
前記測定手段は、
第1カウンタにより、前記携帯無線機からループバックされた受信データのビット数をリセットされるまでカウントし、
第2カウンタにより、前記第1カウンタがカウントしている間、前記受信データと前記所定データとを比較することでエラービット数をエラーレートとしてカウントする、
ことを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記測定ビット数と前記受信データのデータ速度から求めた測定推定時間の経過後に前記エラーレートを読み出すことを特徴とする請求項7または8に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−19031(P2011−19031A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161549(P2009−161549)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】