説明

全方位撮影装置及びその撮影条件調整方法

【課題】撮影条件を適切に調整する。
【解決手段】全方位撮影装置は、回転対称形状の凸面鏡1と、凸面鏡1の頂部周辺に配置された基準被写体である基準被写体部2a,2bと、凸面鏡1と基準被写体部2a,2bからの光を結像させるレンズ3と、レンズ3で結像した光を画像信号に変換する撮像素子4と、撮像素子4からの画像信号のうち基準被写体部2a,2bが撮影されている領域に応じて撮影条件を調整する調整部53,63とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全方位の画像の同時撮影が可能な全方位撮影装置及びその撮影条件調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
全方位の画像を撮影する方法として、魚眼レンズを使用した撮影装置や、回転対称形状の凸面鏡を用いた撮影装置が知られている。後者は、反射面を有する凸面鏡と、その凸面鏡に対向するカメラとを備え、カメラの光軸を中心とした360°の視野範囲からの光をカメラレンズに集光するように構成される(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、通常のカメラにおいて撮影環境の光源に応じて撮影画像のホワイトバランスを自動的に調整するオートホワイトバランス調整方法が提案されている。例えば、カメラの前面に乳白色の光線を散乱させるフィルタを配し、このフィルタごしに入力される光線の中のR(赤色)成分とB(青色)成分との比率を求め、この値をホワイトバランスデータとする方法(第一のホワイトバランス調整方法)が知られている。また、撮影を行う前にニュートラルグレーの標準反射板を撮影してホワイトバランスデータとして記録しておき、このホワイトバランスデータに基いて撮影画像のホワイトバランスを調整するTTL法(第二のホワイトバランス調整方法)が知られている。
【0004】
一方、通常のカメラにおいて適正な露出を自動調整する方法として、撮影された画像の平均輝度レベルを被写体の測光出力として求め、この平均値により適正な露出値(絞り値及び露光時間)を求める方法が一般的に知られている。しかし、この方法では太陽等の光源が撮影領域に存在する場合、注視すべき被写体が暗くなってしまうという問題があった。そこで、領域を分割して注視する被写体領域を推定し、適切な露出調整を行う方法が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−174603号公報
【特許文献2】特開平3−99585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のホワイトバランス調整方法には、次のような問題がある。まず、第一のホワイトバランス調整方法では、被写体を照らしている光源の方向が常に一定ではなく、また、周囲の物体の色に左右される等の理由によりホワイトバランスデータの精度に問題があり、完璧なホワイトバランス再生は不可能であった。また、第二のホワイトバランス調整方法では、例えば朝夕の自然光下での撮影時等のように、時間と共に光源の色温度が変化していく状態で撮影を行う場合、標準反射板を撮影して得たホワイトバランスデータは実際にスチル画を撮影したときのリアルタイムのデータではないので、時間的に後から撮影した画像ほどホワイトバランスが狂うという問題があった。特に全方位画像撮影時には、撮影する範囲が広いうえに対象物が明確に決まっていない場合が多いため、ホワイトバランスを自動で調整するのが困難であった。
【0007】
一方、従来の露出調整方法には、次のような問題がある。すなわち、全方位撮影装置を用いて日中屋外で撮影する場合は、太陽が直接映りこむことが多いうえに画像全体に占める空の割合が多くなるため、全画素の平均値が比較的高くなりやすい。このような環境で前述した平均値を用いる露出調整を行うと、太陽光や空以外の領域の信号レベルが必要以上に下がってしまい、全体的に暗い画像になる等、適切な露出を得るのが難しい。また、全方位を撮影するために注視する被写体がある領域だけに存在するという状況が少ないため、特許文献2記載の方法でも適切な露出を得るのは困難である。
【0008】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、撮影条件を適切に調整することのできる全方位撮影装置及びその撮影条件調整方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の実施形態に係る全方位撮影装置は、全方位の画像を撮影する装置であって、回転対称形状の凸面鏡(1)と、前記凸面鏡(1)の頂部周辺に配置された基準被写体である基準被写体部(2a,2b)と、前記凸面鏡(1)と前記基準被写体部(2a,2b)からの光を結像させるレンズ(3)と、前記レンズ(3)で結像した光を画像信号に変換する撮像素子(4)と、前記撮像素子(4)からの画像信号のうち前記基準被写体部(2a,2b)が撮影されている領域に応じて撮影条件を調整する調整部(53,63)とを備えることを特徴とする。
【0010】
前記全方位撮影装置において、前記基準被写体部(2a,2b)は、基準色となる被写体である基準色被写体部(2a)であり、前記撮像素子(4)からの画像信号をRGB画像信号に変換するRGB処理部(51)と、前記RGB処理部(51)からのRGB画像信号のうち前記基準色被写体部(2a)が撮影されている領域からホワイトバランスを検出するホワイトバランス検出部(52)と、前記ホワイトバランス検出部(52)からのホワイトバランスデータに応じて前記RGB処理部(51)からのRGB画像信号のホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整部(53)とを備えてもよい。
【0011】
前記全方位撮影装置において、前記ホワイトバランス検出部(52)は、前記基準色被写体部(2a)の撮影領域のホワイトバランスの平均値をホワイトバランスデータとしてもよい。
【0012】
前記全方位撮影装置において、前記ホワイトバランス検出部(52)は、前記基準色被写体部(2a)の撮影領域の各画素のホワイトバランスを前記基準色被写体部(2a)の撮影領域の中心からの距離に応じて重み付けを行ってホワイトバランスデータを算出してもよい。
【0013】
前記全方位撮影装置において、前記基準被写体部(2a,2b)は、基準露出となる被写体である基準露出被写体部(2b)であり、前記撮像素子(4)からの画像信号を処理する画像処理部(61)と、前記画像処理部(61)からの輝度画像信号のうち前記基準露出被写体部(2b)が撮影されている領域から露出値を検出する露出検出部(62)と、前記露出検出部(62)からの露出値に応じて適正露出になるよう露出調整する露出調整部(63)と、前記露出調整部(63)からの調整信号に応じて露出量を変動させる露出量変動部(64)とを備えてもよい。
【0014】
前記全方位撮影装置において、前記露出検出部(62)は、前記基準露出被写体部(2b)の撮影領域の輝度の平均値を露出値としてもよい。
【0015】
前記全方位撮影装置において、前記露出検出部(62)は、前記基準露出被写体部(2b)の撮影領域の中心からの距離に応じて重み付けを行って露出値を算出してもよい。
【0016】
前記課題を解決するために、本発明の実施形態に係る撮影条件調整方法は、全方位の画像を撮影する全方位撮影装置の撮影条件調整方法であって、回転対称形状の凸面鏡(1)の頂部周辺に基準被写体である基準被写体部(2a,2b)を配置し、前記凸面鏡(1)と前記基準被写体部(2a,2b)からの光をレンズ(3)で結像させ、前記レンズ(3)で結像した光を撮像素子(4)で画像信号に変換し、前記撮像素子(4)からの画像信号のうち前記基準色被写体部(2a,2b)が撮影されている領域に応じて撮影条件を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、凸面鏡の頂部周辺に被写体を配置し、その被写体が撮影されている領域から基準値を検出して撮影条件を調整するようにしているので、撮影条件を適切に調整することのできる全方位撮影装置及びその撮影条件調整方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態における全方位撮影装置の構成図である。
【図2】第1実施形態における撮像素子で得られた画像信号の一例を示す図である。
【図3】第1実施形態における画像処理部の構成図である。
【図4】第1実施形態における画像処理部の動作を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態における全方位撮影装置の構成図である。
【図6】第2実施形態における撮像素子で得られた画像信号の一例を示す図である。
【図7】第2実施形態における信号処理部の構成図である。
【図8】第2実施形態における露出調整処理の流れ示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における全方位撮影装置の構成図である。この全方位撮影装置は、全方位の画像を撮影する装置であって、図1に示すように、凸面鏡1と、基準色被写体部2aと、レンズ3と、撮像素子4と、画像処理部50とを備えている。凸面鏡1は、回転対称形状を有する反射鏡である。基準色被写体部2aは、凸面鏡1の頂部周辺に配置された被写体であり、ノーマリーグレー等の無彩色の基準色となる被写体である。レンズ3は、凸面鏡1の頂部と対向する位置に配置され、凸面鏡1と基準色被写体部2aからの光を結像させる。撮像素子4は、レンズ3で結像した像を画像信号に変換して出力する。画像処理部50は、撮像素子4からの画像信号を処理する。周囲360度の被写体からの光線は凸面鏡1によって反射し、レンズ3を介して撮像素子4上に結像するようになっている。
【0021】
図2は、撮像素子4で得られた画像信号の一例を示す図である。この図に示すように、全方位の被写体の画像6は円環状になり、その中心部分には基準色被写体部2aの画像7aが撮影される。従来は、基準色被写体部2aが無かったため、撮像素子4で得られる画像信号の中心部分は、レンズ3が映り込むために有効な画像が得られず、無効な領域であった。そこで、本実施形態では、この無効領域を活用して適切なホワイトバランス調整を行うこととしている。
【0022】
図3は、画像処理部50の構成図である。この図に示すように、画像処理部50は、RGB処理部51と、ホワイトバランス検出部52と、ホワイトバランス調整部53と、ガンマ処理部54と、色差処理部55とを備えている。RGB処理部51は、撮像素子4からの画像信号をRGB画像信号に変換する。ホワイトバランス調整部53は、RGB処理部51からのRGB画像信号のうち基準色被写体部2aが撮影されている領域からホワイトバランスを検出する。ホワイトバランス調整部53は、ホワイトバランス検出部52からのホワイトバランスデータに応じてRGB処理部51からのRGB画像信号のホワイトバランスを調整する。ガンマ処理部54は、ホワイトバランス調整部53からの画像信号にガンマ処理を行う。色差処理部55は、ガンマ処理部54からの画像信号をY色差信号に変換して出力する。
【0023】
図4は、画像処理部50の動作を示すフローチャートである。以下、この図に従って画像処理部50の構成を更に詳しく説明する。まず、RGB処理部51は、撮像素子4で得られた画像信号が入力されると、その画像信号を撮像素子4の画素配列及び色フィルタ特性に応じてRGB画像信号に変換する(ステップS1)。例えば、撮像素子4が単板ベイヤ配列の場合はベイヤデコードを行い、撮像素子4が補色系の場合は補色フィルタの特性に応じたRGB変換を行う。次に、ホワイトバランス検出部52は、RGB処理部51からの画像信号中の中心部にある基準色被写体部2aが撮像されている部分からホワイトバランスを検出し、ホワイトバランス調整部53に入力する(ステップS2)。ホワイトバランスの検出方法の具体例については後述する。次に、ホワイトバランス調整部53は、ホワイトバランス検出部52により検出されたホワイトバランスデータに応じてRGB処理部51からの画像信号のホワイトバランスを調整する(ステップS3)。ホワイトバランス調整方法は特に限定されるものではない。次に、ガンマ処理部54は、ホワイトバランス調整部53からの画像信号にガンマ処理を行う(ステップS4)。最後に、色差処理部55は、ガンマ処理部54からの画像信号をY色差信号に変換して出力する(ステップS5)。
【0024】
ここで、ホワイトバランス検出方法の具体例について説明する。例えば、ホワイトバランス検出部52は、基準色被写体部2aの撮影領域のホワイトバランスの平均値をホワイトバランスデータとしてもよい。このとき、基準色被写体部2aの撮影領域が無彩色、すなわちR,G,Bが同じ値になるような調整値が必要であるため、G−R、G−Bの比率に応じてホワイトバランスデータを算出する。あるいは、ホワイトバランス検出部52は、基準色被写体部2aの撮影領域の各画素のホワイトバランスを基準色被写体部2aの撮影領域の中心からの距離に応じて重み付けを行ってホワイトバランスデータを算出してもよい。例えば、中心部の重みを大きくし周辺部を小さくすれば、周辺部に混入する基準色被写体部2a以外の被写体による影響を少なくすることができる。
【0025】
以上のように、本実施形態によれば、凸面鏡1の頂点周辺に基準色被写体部2aを配置し、画像信号のうち基準色被写体部2aが撮影されている領域からホワイトバランスを検出するようにしているので、ホワイトバランスを適切に調整することができる。すなわち、どのような状況下においても基準となる無彩色の画像がリアルタイムに得られるため、容易にホワイトバランスを調整することが可能である。
【0026】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態における全方位撮影装置の構成図である。この全方位撮影装置は、図5に示すように、凸面鏡1と、基準露出被写体部2bと、レンズ3と、電子シャッター64と、撮像素子4と、信号処理部60とを備えている。凸面鏡1、レンズ3、撮像素子4については第1実施形態と同様である。基準露出被写体部2bは、凸面鏡1の頂部周辺に配置された被写体であり、ノーマリーグレー等の基準露出となる被写体である。電子シャッター64は、露出量を変化させるための露出量変動部である。信号処理部60は、撮像素子4からの画像信号を処理する。周囲360度の被写体からの光線は凸面鏡1によって反射し、レンズ3を介して撮像素子4上に結像するようになっている。
【0027】
図6は、撮像素子4で得られた画像信号の一例を示す図である。この図に示すように、全方位の被写体の画像6は円環状になり、その中心部分には基準露出被写体部2bの画像7bが撮影される。従来は、基準露出被写体部2bが無かったため、撮像素子4で得られる画像の中心部分は、レンズ3が映り込むために有効な画像が得られず、無効な領域であった。そこで、本実施形態では、この無効領域を活用して適切な露出調整を行うこととしている。
【0028】
図7は、信号処理部60の構成図である。この図に示すように、信号処理部60は、画像処理部61と、露出検出部62と、露出調整部63とを備えている。画像処理部61は、撮像素子4からの画像信号を処理する。具体的には、ベイヤ配列や補色フィルタ等の撮像素子4に応じた信号処理、ガンマ処理、色差処理等の各種画像処理を行って輝度色差信号を出力する。露出検出部62は、画像処理部61からの輝度画像信号のうち基準露出被写体部2bが撮影されている領域から露出値を検出する。露出調整部63は、露出検出部62からの露出値に応じて適正露出になるよう露出調整する。具体的には、電子シャッター64に調整信号を出力するようになっている。電子シャッター64は、露出調整部63からの調整信号に応じて露出量(露出時間)を変動させる。ここでは、露出調整を電子シャッターのみで行っているが、実際には絞りやゲインコントロール等、他の露出変動部を組み合わせて行ってもよい。
【0029】
図8は、本実施形態における露出調整処理の流れ示すフローチャートである。まず、露出検出部62は、画像処理部61から輝度画像信号が入力されると、その輝度画像信号のうち基準露出被写体部2bが撮影されている領域から露出値を検出する(ステップS11)。例えば、基準露出被写体部2bの撮影領域の輝度の平均値を露出値とする。平均値ではなく、基準露出被写体部2bの撮影領域の中心からの距離に応じて重み付けを行って露出値を算出する方法も考えられる。次に、露出調整部63は、露出検出部62からの露出値が適正露出か否かを判定する(ステップS12)。例えば、基準露出被写体部2bの輝度の目標値である露出目標値をYtとして予め設定しておき、露出検出部62からの露出値をYaとする。この場合、Ya=Ytであれば、適正露出として処理を終了する。一方、Ya≠Ytであれば、適正露出でないと判定してステップS13に移る。ここでは、Ya=Ytを判定基準としたが、判定基準はこれに限定されるものではない。例えば、目標値にある程度範囲を持たせ、最小目標値をYtmin、最大目標値をYtmaxとし、Ytmin≦Ya≦Ytmaxを満たす場合を適正露出と判定する方法も考えられる。適正露出でないと判定した場合は、露出目標値に近づくように露出調整を行い(ステップS13)、電子シャッター64に調整信号を出力して処理を終了する。例えば、現在の電子シャッター64の露出時間をSc、露出目標値をYt、露出検出部62からの露出値をYaとすると、Sn=Sc+F(Yt,Ya)となるSnを電子シャッター64へ出力する。ここで、F(Yt,Ya)は、露出目標値と露出値で表される関数である。例えば、露出時間と露出値の関係が線形の場合は、F(Yt,Ya)=K×(Yt−Ya)と表される(Kは比例定数)。実際には線形でない場合が多いため、撮像素子4の特性に応じてF(Yt,Ya)を決める必要がある。
【0030】
以上のように、本実施形態によれば、凸面鏡1の頂点周辺に基準露出被写体部2bを配置し、画像信号のうち基準露出被写体部2bが撮影されている領域から露出値を検出するようにしているので、露出値を適切に調整することができる。すなわち、日中屋外での撮影時でも適切な露出調整を行うことが可能である。
【0031】
なお、ここでは、ホワイトバランス又は露出を調整する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、凸面鏡1の頂部周辺に被写体を配置し、その被写体が撮影されている領域から何らかの情報を検出して撮影条件を調整する以上、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
1 凸面鏡
2a 基準色被写体部
2b 基準露出被写体部
3 レンズ
4 撮像素子
6 全方位被写体撮影領域
7a 基準色被写体撮影領域
7b 基準露出被写体撮影領域
50 画像処理部
51 RGB処理部
52 ホワイトバランス検出部
53 ホワイトバランス調整部
54 ガンマ処理部
55 色差処理部
60 信号処理部
61 画像処理部
62 露出検出部
63 露出調整部
64 電子シャッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全方位の画像を撮影する全方位撮影装置であって、
回転対称形状の凸面鏡と、
前記凸面鏡の頂部周辺に配置された基準被写体である基準被写体部と、
前記凸面鏡と前記基準被写体部からの光を結像させるレンズと、
前記レンズで結像した光を画像信号に変換する撮像素子と、
前記撮像素子からの画像信号のうち前記基準被写体部が撮影されている領域に応じて撮影条件を調整する調整部と、
を備えることを特徴とする全方位撮影装置。
【請求項2】
前記基準被写体部は、基準色となる被写体である基準色被写体部であり、
前記撮像素子からの画像信号をRGB画像信号に変換するRGB処理部と、
前記RGB処理部からのRGB画像信号のうち前記基準色被写体部が撮影されている領域からホワイトバランスを検出するホワイトバランス検出部と、
前記ホワイトバランス検出部からのホワイトバランスデータに応じて前記RGB処理部からのRGB画像信号のホワイトバランスを調整するホワイトバランス調整部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の全方位撮影装置。
【請求項3】
前記ホワイトバランス検出部は、前記基準色被写体部の撮影領域のホワイトバランスの平均値をホワイトバランスデータとすることを特徴とする請求項2記載の全方位撮影装置。
【請求項4】
前記ホワイトバランス検出部は、前記基準色被写体部の撮影領域の各画素のホワイトバランスを前記基準色被写体部の撮影領域の中心からの距離に応じて重み付けを行ってホワイトバランスデータを算出することを特徴とする請求項2記載の全方位撮影装置。
【請求項5】
前記基準被写体部は、基準露出となる被写体である基準露出被写体部であり、
前記撮像素子からの画像信号を処理する画像処理部と、
前記画像処理部からの輝度画像信号のうち前記基準露出被写体部が撮影されている領域から露出値を検出する露出検出部と、
前記露出検出部からの露出値に応じて適正露出になるよう露出調整する露出調整部と、
前記露出調整部からの調整信号に応じて露出量を変動させる露出量変動部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の全方位撮影装置。
【請求項6】
前記露出検出部は、前記基準露出被写体部の撮影領域の輝度の平均値を露出値とすることを特徴とする請求項5記載の全方位撮影装置。
【請求項7】
前記露出検出部は、前記基準露出被写体部の撮影領域の中心からの距離に応じて重み付けを行って露出値を算出することを特徴とする請求項5記載の全方位撮影装置。
【請求項8】
全方位の画像を撮影する全方位撮影装置の撮影条件調整方法であって、
回転対称形状の凸面鏡の頂部周辺に基準被写体である基準被写体部を配置し、
前記凸面鏡と前記基準被写体部からの光をレンズで結像させ、
前記レンズで結像した光を撮像素子で画像信号に変換し、
前記撮像素子からの画像信号のうち前記基準色被写体部が撮影されている領域に応じて撮影条件を調整する
ことを特徴とする全方位撮影装置の撮影条件調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−169851(P2012−169851A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29026(P2011−29026)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】