説明

内毒素レベルを測定するオンライン装置および方法

流体管路からの流体試料中のエンドトキシンの存在をオンライン試験する装置および方法。本装置は少なくとも1つのエンドトキシンの存在のオンライン流体試験を実行するように流体と流体連通して位置決めされる。本装置はハウジングと、流体管路と流体連通して位置決めされた流体抽出システムとを含み得る。流体抽出システムは、流体管路から流体抽出システムへの流体流れを制御する弁を含み得る。流体流れウェルはハウジング内で流体抽出システムと流体連通して位置決めされる。取り外し可能なアセンブリもハウジング内に固定され得る。取り外し可能なアセンブリは、流体流れウェルから試料を受け取ることのできる使用済みおよび未使用の流体保持部材受取用の複数のウェルと、複数の流体試料受取りウェルと、個々の流体容器の部分を確実に受け取る凹部を含んだ複数の容器保持位置とを含む。対照試料および流体管路からの流体の試料を試験する検出システムが提供される。流体試料がエンドトキシンを保持しているか否かを判断するために、このような試験の結果が比較される。一実施形態では、試料がエンドトキシンを含むか否かを判断するために、試料の蛍光試験が対照の試料と比較される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
流体中の微量の内毒素レベルを測定する装置および方法、さらに特には、流体管路と流体連通して位置決めする装置および流体中の内毒素レベルをオンラインで測定する方法である。
【背景技術】
【0002】
本出願は37 CFR §1.78に基づいて、2003年11月7日に出願された仮出願第60/518003号の利益を主張するものである。本出願の全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
細菌内毒素は水、食物、医薬品、および非経口投与製剤などの種々の物質に潜在的に広範に存在する汚染物質である。細菌内毒素(リポ多糖体)は細菌細胞の成長、食細胞の消化、または自己溶解の初期段階でグラム陰性菌の細胞の外膜から放出される。リポ多糖体は疎水性部分および親水性部分の両方を有する水溶性の安定分子である。親水性部分は多糖体核に結合したオリゴ糖側鎖の繰り返しから構成される。
【0004】
種々の細菌から引き出されるエンドトキシンの構造の詳細には相当なばらつきがある。多糖部分はエンドトキシンの免疫原性に関わっているが、その毒性は疎水性部分(リピドAと呼ばれ、種々の細菌種にわたって実質的に組成が不変である)によって惹起される。投与量が少ない場合であっても、ヒトまたは動物の循環系にエンドトキシンが入れば、幅広い非特異的な病態生理学的変化、例えば、発熱、赤血球数の増大、播種性血管内凝固、低血圧、ショック、細胞死等を生じる恐れがある。投与量が多いと、ほとんどの哺乳動物において死に至る。若齢期にエンドトキシンに曝露されると、内分泌系および中枢神経の発達に長期的影響が及び、炎症性疾患を起こし易い素因が高くなる。ShanksらのProc.Natl.Acad.Sci.97、5645〜5650号、2000年のほか、Pearson IIIの、PYROGENS:ENDOTOXINS、LAL TESTING,AND DEPYROGENATION、Pearson III、Marcel Dekker社編集、NY、1985年、11−19頁;URLアドレス、httpファイル形式、www host server、ドメイン名「bact.wisc.edu.」ファイル名「Bact330/lectureendo/」も参照すること。
【0005】
バイオテロに関する現在の懸念を考えると、高濃度のエンドトキシンを吸引すれば、肺機能の低下および発熱を伴う乾咳および息切れが生じることに留意することが有用である。RylanderのORGANIC DUSTS:EXPOSURE、EFFECTS AND PREVENTION、RylanderとJaccobs編集、Lewis Publishers、Boca Raton、FL、1994年;HeederikとDouwes、Ann.Agric.Environ、Med.4、17〜19頁、1997年。疫学調査および動物実験からエンドトキシンへの呼吸器の慢性的曝露は慢性気管支炎および肺機能の低下を生じ得ることがわかっている。Rylander,Scand.J、Work Environ.Health 11、199〜206頁、1985年。
【0006】
したがって、非経口投与された薬剤または他の流体のエンドトキシン含有量が許容限界(米国では、これは米国食品医薬品局によって設定されている)以下であることを確実にすることが必要である。例えば、注入または灌流用の滅菌水の最大許容限界は0.25エンドトキシン単位(EU)/mL(大腸菌由来のエンドトキシンの場合、1EUは約75〜200ピコグラムである)である。URLアドレス:httpファイル形式、www host server、ドメイン名「fda.gov,」ファイル形式「ora/inspect_ref/itg/itg40.html」;United States Pharmacopeia、USP 24〜NF19、Suppl.2、2761〜2762頁;2000年7月1日発行を参照すること。
【0007】
エンドトキシンの測定
1942年、米国薬局方では細菌内毒素を含んだ発熱性物質の一般的試験のためウサギ発熱試験(ウサギを発熱させる)を行った。この試験は時間がかかり、定性的であるので、ほとんどが何らかの形式のカブトガニ血球抽出成分(LAL)試験に替えられた。1964年、LevinとBangはアメリカカブトガニからの細菌内毒素が血液凝固の速度を著しく加速し得ることを見出した。LevinとBang,Bull、Johns Hopkins Hosp.115、265〜274頁、1964年。URLアドレス:httpファイル形式、www host server、ドメイン名「dnr.state.md.us」、ファイル形式「fisheries/education/horseshoe/horseshoefacts.html」も参照すること。1987年までに、米国食品医薬品局(FDA)はUSPウサギ発熱性試験に代わるものとしてLAL試験のバリデーションのためのガイドラインを発行した。ウサギ発熱性試験よりもLALベースのアッセイが優れていることは以前から知られていた。LevinのENDOTOXINS AND THEIR DETECTION WITH THE LIMULS AMEBOCYTE LYSATE TEST、Watsonら編集、Alan R.Liss,Inc.、ニューヨーク州、1982年、7〜24頁を参照すること。Berzofskyの米国特許第5310657号は、LAL試験はウサギ発熱性試験よりも2桁分感度が高く、また安価であり、時間もかからず、容易に行えることを明らかに示した。
【0008】
LALはエンドトキシンが誘起するゲル/凝固の形成に関与する種々のプロテアーゼ酵素を含んでいる。一続きのカスケード反応を通し、このエンドトキシンに反応し易い主要なタンパク質成分はproclotting酵素を活性化して凝固酵素を形成する。BerzofskyとMcCulloughのIMMUNOLOGY OF INSECTS AND OTHER ARTHROPODS、Gupta編集、CRC Press、フロリダ州Boca Raton、1991年、429〜448頁;MoritaらのHaemostasis 7、53〜64頁、1978年。次に、凝固酵素はコアグロゲンをコアグリンに変換し、これは自己組織化してゲルを形成する。
【0009】
現在、LAL試験には3つの主要なバージョンがある:gel−clotアッセイ(LevinとBang、1964年;Levin、1982年;米国特許第5310657号);濁度アッセイ(Levinら、J.Lab.Clin.Med.75、903〜911頁、1970年;Cooperら、J.Lab.Clin.Med.78、138〜148頁、1971年;PearsonとWeary、J.Lab.Clin.Med.78、65〜77頁、1971年);および比色アッセイ(TellerとKelly、BIOMEDICAL APPLICATION OF THE HORSE SHOE CRAB(LIMULIDAE)、Cohen編集、Alan R.Liss Inc.ニューヨーク州、1979年、423〜434頁;Ditterら、J.Lab.Clin.Med.78、65〜77頁、385〜392頁、1971年;Dubczakら、Haemostasis 7、403〜414頁、1978年;NovitskyとRoslansky、BACTERIAL ENDOTOXINS:STRUCTURE,BIOMEDICAL SIGNIFICANCE,AND DETECTION WITH THE LIMULS AMEBOCYTE LYSATE TEST、Cateら編集、Alan R.Liss,Inc.、ニューヨーク州、1985年、181〜193頁;Sturkら、Haemostasis 7、117〜136頁、1978年;Iwanagaら、Haemostasis 7、183〜188頁、1978年;TsujiとMartin、Haemostasis 7、151〜166頁、1978年;Tsujiら、Appl.Env.Microbiol.48、550〜555頁、1984年)である。
【0010】
濁度アッセイはゲル形成に起因する濁度を測定する。明らかな濁度は粒子等の大きさおよび数によって多少影響を受けるが、この問題は大部分が克服され得る。Ohkiら、FEBS Lett.120、217〜220頁、1980年。濁度測定は一般に試料中に存在する色による影響を受けない。ゲル化の間に起こる粘度変化を測定するために水晶発振器が使用されてきた。この技術によって混濁した試料を分析することが可能となる。NovitskyらのDETECTION OF BACTERIAL ENDOTOXINS WITH THE LIMULUS AMEBOCYTE LYSATE TEST、Watsonら編集、Alan R.Liss,Inc.、ニューヨーク州、1987年、189〜196頁。
【0011】
比色アッセイでは、合成ペプチド基質を凝固酵素によって加水分解して末端に色が付いた発色部分を放出する。この方法はよりよい定量化を提供し、凝固ベースの方法よりも難しくない。発色基質の加水分解に必要な酵素の量が凝固を形成するのに要する量よりも少ないので、感度も高い。FribergerらのENDOTOXINS AND THEIR DETECTION WITH THE LIMULUS AMEBOCYTE LYSATE TEST、195〜206頁。
【0012】
濁度および比色アッセイは2つの方法で実施され得る。エンドポイント形態では、濁度または色は所定のインキュベーション期間の後に測定される。より広いダイナミックレンジを提供する反応速度アッセイ形態では、濁度または発色は時間の関数として連続的に測定される。エンドポイントアッセイ形態では、比色反応は酸性溶液または界面活性剤溶液(例えば、SDS)を添加することによって停止され得、その後の任意の時間にて吸光度が測定され得る。濁度アッセイでは、これは可能ではない。また、酸を添加すれば、濁度が破壊される。
【0013】
濁度エンドポイントアッセイのある程度の自動化は、市販のシステムを用いて達成された(Muramatsuら、Anal.Chim.Acta 215、91〜98頁、1988年;Hommaら、Anal.Biochem.204、398〜404頁、1992年)。しかし、他の方法および一般的により高い結果との相関の悪さが認められた(TsujiとMartin、1978年)。
【0014】
これまでは、発色LAL試験が広範に使用されている。JorgensenとAlexander、Appl.Environ.Microbiol.41、1316〜1320頁、1981年;Novitskyら、Parenteral.Sci.Technol.36、11〜16頁、1982年。
【0015】
発色試験用にロボット自動システムが開発された。TsujiとMartin、1978年。この初期のシステムおよびこれに続く市販の対応品は目を見張る能力を有しているが、全コストは非常に高い。BusseyとTsujiのJ.Parenter.Sci.Technol.38、228〜233頁、1984年;Martinら、J.Parenter.Sci.Technol.40、61〜66頁、1986年を参照すること。実際、例えば滅菌水試験用途で必要になるように、そのコストは使用場所毎に配置するには非常に高額となる。むしろ、大半のユーザは試料、標準液、および試薬を手動で96ウェルプレートに装填するマイクロプレートリーダーベースの機器を利用する。URLアドレス:httpファイル形式、www host server、ドメイン名「Cambrex.com,」ファイル名「biosciences/lal/b−EndotoxinDPS−instrument.htm#l.」を参照すること。
【0016】
当該分野では、種の存在を検出しようとする際にフローインジェクション分析またはシーケンシャルインジェクション分析を使用することが知られている。従来のシーケンシャルインジェクション分析は、典型的には、試料および試薬を含んだ多数の液体溶液が周りに配置される回転式多位置選択弁を備えたシステムの使用を伴う。双方向ポンプを用いて、このような試料および試薬の量を選択弁の個々の口を通して引き上げ、試料および試薬が積み重ねられ、次に検出器に送られて分析に供される保持コイルに入れられる。このプロセスは試料および試薬の断片の混合を生じさせて、検出器に送る前に検出可能な分析種を形成する化学反応に至る。検出器は典型的には回転弁の口に取り付けられており、そこを介して重ねられた断片がポンプによって流され得る。積重ねは流体の複数のアリコート、スラグ、または断片を別の部分から分離し離れているか、または相互に隣接した1つのスラグまたはアリコートとして単一の導管内に提供する工程である。従来のシステムは単一の(シリンジまたは蠕動)ポンプおよび単一の回転選択弁の使用を伴う。従来の多位置選択弁は試料、試薬、および検出器に接続された口にランダムに接近することを可能にする。シーケンシャルインジェクション分析システムにおいて使用可能な従来の選択弁は、6〜28個の口を有する。一般に、選択弁は8〜10個の口を有する。ある場合には、時計回りまたは反時計回りに口を移動する電子アクチュエータが選択弁の動作を制御する。典型的には、常に接近できる口は1つだけである。フローインジェクション分析と比較すると、シーケンシャルインジェクション分析システムは、単に1つのポンプを用いて多数の溶液に接近できるという利点を有する。しかし、このようなタイプのシーケンシャルインジェクション分析システムは、少なくとも一部には異なる試験試料間で清掃を行うことが困難であるという理由のために、エンドトキシンの存在を判定するのに使用されていなかった。
【特許文献1】米国特許第5310657号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、当該分野では、現場において流体管路を用いた内毒素測定に使用することのできる手頃な価格で感度の良く、完全に自動化された(「オンライン」)内毒素測定システムの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の態様には、流体管路からの流体試料中の内毒素の存在をオンラインで検査する装置および方法を含む。試料抽出および分析は流体管路が運転中に実行され得る。また、検査は流体管路の運転を停止または中断を必要とせずに、管路内の流体の一部を迂回させることによって実行され得る。
【0019】
本装置は少なくとも1つの内毒素の存在のオンライン流体検査を実行するために流体管路と流体連通して位置決めされる。本装置はハウジングおよび流体管路と流体連通して位置決めされた流体抽出システムを備え得る。この流体抽出システムは流体管路から流体抽出システムへの流体の流れを制御する弁を含み得る。流体流れウェルがハウジング内に流体抽出システムと流体連通して位置決めされる。取外し可能なアセンブリもハウジング内に固定され得る。取外し可能なアセンブリは、流体流れウェルから試料を受け取ることのできる使用済みおよび未使用の流体搬送部材を受け取る複数のウェル、複数の流体試料受取りウェル、および複数の個々の流体容器の部分を確実に受け取る凹部を含んだ容器保持位置を含む。対照試料および流体管路からの流体の試料を検査する検出システムが設けられている。流体試料が内毒素を有しているか否かを決定するために、このような検査の結果が比較される。一実施形態では、試料が内毒素を含んでいるか否かを決定するために、試料の蛍光試験が対照試料の蛍光試験と比較される。
【0020】
流体管路によって運ばれる流体中の内毒素のオンライン検出を実行する方法は、流体システムの流体管路内に内毒素試験装置を位置決めする工程および流体管路からその試験装置内に流体を導く工程を含む。この方法は導かれた流体を抽出し、かつその抽出試料を受取りウェルに送り届ける工程も含み得る。さらに、この方法は内毒素識別剤を取得する工程、流体試料を含んだ受取りウェルに該薬剤を導入する工程、および試料中の内毒素の存在を検出する工程を含み得る。
【0021】
本発明は細菌内毒素検出のためのカブトガニ血球抽出成分(LAL)−発色体基質反応速度アッセイを実行することのできる自動内毒素検出(すなわち、自動「オンライン」流体分析システム)システムを提供する。本システムを用いて製造ラインからの流体試料を試験して、例えば、水、食物、飲料、医薬品(動物およびヒトの健康のための医薬品を含む)、および非経口投与用製剤の調整中に内毒素の存在を検出することができる。
【0022】
本発明のシステムでは、試験用流体試料がウェル内で発色体基質およびLAL剤などの薬剤と混合されて、現場でアッセイ混合物が作製される。次に、アッセイ混合物を試験して内毒素およびその濃度のレベルを検出する。本発明の自動システムは、0.01〜10エンドトキシン単位(EU)/mL(r≧0.99)の優れた精度および再現性でエンドトキシン濃度を測定する。本発明の自動システムは0.05EU/mL〜5EU/mLの標準曲線を用いて試験を実行する。本発明の手動システムは、0.005〜50エンドトキシン単位(EU)/mL(r≧0.99)の優れた精度および再現性でエンドトキシン濃度を測定する。3回の測定によるブランクの標準偏差および較正曲線に基づいて、本発明のシステムは0.003EU/mL以下のエンドトキシン濃度を検出することができる。このアッセイ法の変動性は20%未満である(n=10)。0.05EU/mLの標準に必要な分析時間は典型的には100分未満である。例えば、分析時間は約60分であり得る。
【0023】
LAL試薬および発色体基質
本願明細書で用いる「LAL」試薬とは、カブトガニ(例えば、アメリカカブトガニ、マルオカブトガニ、Tachypleudus tridentata、あるいはTachypleudus gigas)から得た血球抽出成分および「合成」LAL試薬の両方を意味する。合成LAL試薬には、WO03/002976に記載されているように、例えば、精製したカブトガニC因子タンパク質(天然由来または組換え)、および任意には界面活性剤がある。そのような試薬の1つ「PyroGene(商標)」がCambrex Bio Science Walkersville社から市販されている。米国特許公開第20030054432号として公表された米国特許出願第10/183992号で考察されているような試薬が、本願明細書において使用され得る。LAL試薬はCambrex Bio Science Walkersville社から入手するのが好ましい。凍結乾燥LAL試薬をLAL試薬水(無エンドトキシン水)1.4mLで戻し、使用するまで冷蔵することができる。
【0024】
活性セリンプロテアーゼ(トロンビン、トリプシン等)(すなわち、配列「Arg−発色基質」を有する)を検出するのに使用され得る任意の発色基質は、本願明細書に記載の自動システムにおいて使用され得る。このような基質は良く知られており、市販されている。例えば、発色基質用緩衝液(p−ニトロアニリン末端ペンタペプチド(Ac−Ile−Glu−Ala−Arg−pNA、S50−640)が適しており、LAL試薬水で戻され得、使用時まで冷蔵して保管され得る。配列「Arg−蛍光基質」を有する蛍光基質も使用され得、「発色基質」という用語の範囲に含まれる。
【0025】
標準曲線を生成するために、Cambrex Bio Science Walkersville社から入手した大腸菌055:B5凍結乾燥エンドトキシンが使用され得る。典型的には、凍結乾燥エンドトキシンは無エンドトキシン水(LAL試薬水、Cambrex Bio Science Walkersville社)で戻し、少なくとも5分間攪拌して50EU/mLの濃度にする。冷蔵した戻した後のエンドトキシンは少なくとも1ヶ月間安定している。作業標準液を調整するために、保存した溶液を室温まで温め、5分間攪拌し、LAL試薬水で希釈し、使用前に再度攪拌する。
【0026】
発色アッセイで使用する溶菌液−基質試薬は典型的には、血球抽出成分および基質の混合物から構成され、この混合物は滅菌容器において共凍結乾燥した固体として供給される。ユーザまたはロボットシステムは所定量の無エンドトキシン試薬水を添加することによって使用直前に溶菌液−試薬を戻す。標準的な滅菌法を用いて等しい量の戻した試薬および試験試料をピペットでマイクロプレートウェルに移し、その吸光度を時間の関数として監視する。一定量(典型的には0.2AU)毎に上昇する開始吸収度(starting absorbance)の時間tとログ[エンドトキシン]との対数のグラフは、右下がりの線形になる(エンドトキシン濃度が上昇するにつれて、より速く発色する)。試料のエンドトキシン濃度は、通常は同じマイクロプレート上でエンドトキシン標準品およびエンドトキシン試薬バッチ(reagent batch)を用いて生成した較正曲線を参照することにより決定される。
【0027】
本願明細書に開示したようなシステムでは、LAL試薬および発色体基質は適度に安定しているべきである。このような成分は、使用時に組み合わせてこのような成分の安定性を高めるまで別個の容器に保管されることが好ましい。
【0028】
発色LALアッセイのためのpHおよび温度
文献によれば、LAL試薬の活性化に最適なpHは7.5であり、基質からのpNAの酵素的切断に最適なpHは8.2〜8.5である(Tsujiら、Appl.Env.Microbiol.48、550〜555頁、1984年;BusseyとTsuji、J.Parenter.Sci.Technol.38、228〜233頁、1984年;Duner、J.Biochem.Biophy.Meth.,26、131〜142頁、1993年)。単一の混合溶液では、最適なpHは7.7〜7.8である。感度はこの領域において一定である(Duner、1993年)。発色LALアッセイに適した最適な温度は数名の研究者によって試験され、37℃であると報告されている(BusseyとTsuji、1984年;Duner、1993年)。同様にわれわれも、報告された最適条件を本願明細書に開示のシステムに適用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の態様は流体のオンライン試験を実行してエンドトキシン濃度を測定する方法および自動装置10に関する。図1に示した実施形態では、試験される流体はWFIまたは高純度水系1などのプロセスループ2内の水である。一実施形態では、自動装置10は発色法または蛍光発生法により、LALまたは組換えエンドトキシン部分などの薬剤を用いて水のエンドトキシンを関する。
【0030】
図2に示したように、エンドトキシン濃度を測定する装置10は、水系1の流体プロセスループ2の流体管路内の水を受け取る開口部12を有するハウジング11を備えている。ハウジング11はハウジング11の枠部分6に掛け金で留められた扉5を含み得る。扉5および枠部分6は扉5が正しく閉鎖および施錠されたかどうかを判断するための光センサまたは接触センサを含み得る。また、装置10用の電子制御部8が、扉5が開いたときに電子制御部8が容易にアクセスされるように、ハウジング11上に扉5から離間して位置決めされる。
【0031】
図4に示したように、流路16が開口部12と流体抽出供給システム20との間に延在している。流路16はパイプなどの剛性または可撓性の流体供給管17または他のタイプの従来の流体供給導管を含み得る。一実施形態では、流路16の流量は約0ml/分〜約100ml/分の間で調整可能である。
【0032】
図3〜5に示した流体抽出供給システム20’および20は各々、流体保管タンク26内への水の流れを制御するための開閉する電磁弁22を備えている。電磁弁22は開くときの予め設定された下限圧力および閉じるときの予め設定された上限圧力を有する。電磁弁22の上限は約10psi〜80psi(約68947.5パスカル〜551580.6パスカル)の間に設定され得る。別の実施形態では、上限は約15psi〜55psi(約103421.3パスカル〜379211.6パスカル)の間に設定され得る。さらなる実施形態では、電磁弁22が開く上限は約16psi(約110316パスカル)に設定され得る。電磁弁22の下限は約1psi〜20psi(約6894.8パスカル〜137895パスカル)の間に設定され得る。別の実施形態では、電磁弁22は約5psi〜15psi(約34473.8パスカル〜103421.3パスカル)の下限を有し得る。さらに別の実施形態では、電磁弁22が閉じる下限は約6psi(約41368.5パスカル)に設定される。本システムは水ループ2内の流体圧に対して比較的影響されない。抽出システム20は最大で80psi(約551580.6パスカル)またはそれを超える圧力を有する水ループと共に使用され得る。
【0033】
図4に示したように、抽出システム20に入る流体を含むであろう流体保管タンク26は電磁弁22の下流側に位置決めされている。流体保管タンク26はエンドトキシンがタンク26の内面に結合するのを防ぐテフロンまたは他のタイプのライニング材料を有し得る。図5に示したように、タンク26は外側タンク121、内側タンク122、および内側タンク122および外側タンク121の上部の上に位置決めされるカバー123を含んでいる。カバー123は複数の入口および出口を含む。図4に示したように、カバー123は3つの入口/出口124、125、および126を含み得る。他の実施形態では、カバー125は2つ以下または4つ以上の口を含み得る。別の実施形態では、図3に示したように、タンク26は上流端において、入口開口部127を含み、出口開口部128をその下部、すなわち下流端に含む。
【0034】
図4はタンク26の下流に位置する計量流体制御弁28を示している。一実施形態では、この流体流れ制御弁28はピンチ弁である。流体流れ制御弁28は実質的に連続的な流れがタンク26を出て、流体試料を流体流れウェル30に送り届ける流体供給導管29に流れ込むように、タンク26からの流れを制御するように設定される。流体導管29はパイプ、チューブ、または他の知られた流体搬送導管を含み得る。流体流れ制御弁28はタンク26内の圧力が弁28によって維持される圧力よりも常に高くなっているように、電磁弁22の下限よりも低い圧力に設定される。その結果、流体は実質的に連続的にタンク26からウェル30へと流れる。一実施形態では、末端、すなわち流体導管29の下流端は、流体導管29の下流端を出ていく水などの液体がウェル30に落ちるようにウェル30の開口部の上方に離間されている。ゲージ遮断弁94は開口部12とウェル30との間の任意の地点において流路内に位置決めされる。
【0035】
操作中、ループ2の流体管路から受け取られた流体試料は流路16に入る(図4)。電磁弁22は電磁弁22の下限圧がタンク26内で達成されるまで閉じられたままである。この圧力は試験されているシステム1の水ライン2内の圧力より低いであろう。電磁弁22の下限圧に達すると、電磁弁22が開いて、流路16からの流体がタンク26に移動する。次に、タンク26の圧力が電磁弁22の上限に達すると、電磁弁22は、流体がタンク26の下流端を出て流体制御弁28を越えてウェル30に入る結果としてタンク26内の圧力が下限に達するまで閉じている。当然、流体制御弁28によって生まれる流体供給導管29内の圧力は、タンク26から排出され、かつタンク26が充填されるときに連続的な流れが流体供給導管29を通って生じるように、電磁弁22の下限より低い。
【0036】
試験される水と接する上記の流体試料供給システム20の実施形態の部分は、エンドトキシンがシステム20内の流路のパーツの濡れた表面に付かないようにするために、少なくともその内面に沿ってテフロンまたはPE材料で被覆または裏打ちされる。
【0037】
図6に示したように、流体流れウェル30は装置10の交換可能なカートリッジアセンブリ40内に位置決めされている。カートリッジアセンブリ40は、装着されているカートリッジアセンブリが空になったときに新しいカートリッジアセンブリ40が引出し内に位置決めされるように、取外し可能かつ交換可能に可動引出し450(図2)内に位置決めされている。引出し450は図2に示したようなハウジング11内に摺動可能に位置決めされている。ハウジング11は、取外し可能な引出し450が閉じられているかどうかを判断するために光センサまたは接触センサ452(図8)も含み得る。ハウジング11は閉鎖(図7)中に引出し450の正確かつ反復可能な位置決めを可能にする磁気的な戻り止め454も含む。アセンブリ10の操作中に引出し450が不意に開かないように、電磁ロック456(図8)が含まれ得る。図7に示した実施形態では、ハウジング11は、例えばカートリッジアセンブリ40を交換したときに、引出しが適正な閉位置に入り、かつその位置になるにしたがって引出し450の動きを弱める少なくとも1つの減衰部材458を含む。
【0038】
カートリッジアセンブリ40は、試薬、ピペットチップ、マイクロプレート、および使い捨て可能な水抽出ウェルをパッケージングする工程を含む試験手順中に使用され得る複数の部材を取外し可能に受け取る複数の開口部を有するカートリッジハウジング42を含んでいる。一実施形態では、カートリッジアセンブリ40は使い捨て可能なプラスチックパッケージから形成され得る。
【0039】
図9に示したように、カートリッジハウジング42は、被試験流体がそこを通ってウェル30に入るウェル30の外側流体ウェル開口部を画定する第1の開口部32を有する。ウェル30は内側溝33および外側溝37も含む。内側溝33は流体供給導管29を出た水を受け取る流体受取り内部34を有する。図9に示したように、内側溝33は、ウェル30に入る受け取られた流体が所定の方向(向けられた溢流)に外側溝37に溢れ出て溢流排出管38および溢れ出た流れを廃棄液容器まで運ぶか、またはそれを元の流体ループ2に戻す排水管39に排出されるように、反対側の第2の上端部分36よりも垂直方向により高くなっている第1の上端部分35を含んだ側壁34を有する。第1の実施形態では、第2の上端部分36は、第1の上端部分35よりも低くなるように形成または切断され得る。別の実施形態では、内側溝33は、第2の上端部分36が第1の上端部分35よりも外側溝37の上端からより離れて位置決めされるように、外側溝37内で角度が付けられている。いずれの実施形態においても、水は重力によって生じる十字流により内側溝33を越えて溢れ出る。水などの流体試料が以下のようにウェル30内から取得されるとき、このような試料は抽出時に内側溝33内に存在する流体から取得される。飛沫除け31は、上方向に延びて外側溝の上方部分を形成し、水が外側溝37の外側に溢れ出るのを防ぐことができる。一実施形態では、内側溝33は外側溝37の下面に確実に取り付けられ得る。別の実施形態では、図9に示したように、内側溝は外側溝の内面に取外し可能に固定され得る。エンドトキシンが内側溝33の内面に結合するのを防ぐために、内側溝33はテフロンまたはポリエチレン(PE)などの他の材料で裏打ちまたは形成される。
【0040】
図6および10に示したように、カートリッジハウジング42はアセンブリ40の他のパーツを受け取る複数の開口部も有する。例えば、ハウジング42は少なくとも1つのウェルプレート50を受け取る少なくとも1つの開口部43を含む。図示のカートリッジハウジング42は、例えば、それぞれ個々のウェルプレート50を受け取る少なくとも3つの開口部43を含んでいる。ウェルプレート50はカートリッジハウジング42に取外し可能に固定されるように、カートリッジハウジング42内にスナップロックされ得る。突出部を有している弾性緩み止め部材は、ウェルプレート50をカートリッジハウジング42に固定するようにカートリッジハウジング42の開口部を通って延び得る。他の知られた取り外し可能な固定部材を用いてウェルプレート50がカートリッジハウジング42に固定される。
【0041】
各ウェルプレート50はウェル52などの複数の流体受取り部材を含む。図10に示したウェルプレート50の各々は96個のウェル52を含む。しかし、ウェルプレート50は図示した96個のウェルより多いか、または少ないウェル52を含み得る。例えば、ウェルプレート50は各々、プレート当たり100〜400個のウェルを含んでよい。以下に記載のように、ウェル52は水試験プロセスにおいて使用される流体を受け取る。
【0042】
図6および10に示したように、カートリッジハウジング42は流体支持部材用の個々のウェルハウジング46を受け取ることのできる少なくとも1つの開口部45も含んでいる。図示の実施形態では、アセンブリ40は個々のチップウェルハウジング46を各々受け取る4つの開口部45を含んでいる。チップウェルハウジング46の各々は、ピペットチップ48が使用される前の新しいピペットチップ48及びウェル52の1つの流体を送るのに使用された後の汚染されたピペットチップ48を受け取りかつ保持する、複数のウェル47を含む。このようなチップウェルハウジング46は各々、約30個のウェル47を含み得る。しかし、各チップウェルハウジング46は、30個よりも多いまたは少ないウェル47を含み得る。カートリッジハウジング42毎のチップウェルハウジング47の数は、使用済みチップ48と未使用のチップ48との間のウェル47の少なくとも2つの空の列に緩衝液を提供すべきである。使用済みチップ48と未使用のチップ48との間に、空のウェル47の空の列を一切有さないか、またはただ1つの空の列を有することが可能である。しかし、カートリッジハウジング42は、使用済みチップ48と未使用のチップ48との間に少なくとも2列の空のウェルを含んでいることが好ましい。チップウェルハウジング46の各々は、カートリッジハウジング42に取外し可能に固定され得る。図示の実施形態は約105個の新しいチップ48および未使用のチップ48を有する。
【0043】
カートリッジハウジング42は図6および10に示したような流体用容器70を受け取るように配置された、容器保持部分61の複数の列60も含んでいる。図10に示した実施形態では、カートリッジハウジング42はカートリッジハウジング42に沿って相互に離間された容器保持部分61の3つの列60を有している。他の実施形態では、カートリッジハウジング42は、流体用容器70を受け取る容器保持部分61の2つの列60、4つの列60、または5つ以上の列60を有し得る。列60の数はカートリッジハウジング42内に位置決めされることが意図された流体用容器70の数に左右される。
【0044】
図6および10に示したように、容器保持部分61の列60の各々は、流体用容器70を受け取り、かつ支持する複数の開口部64を含んでいる。図14に示したように、流体用容器70の各々は細長形のボディ71を有している。各細長形ボディ71の上部端は、半径方向に突出する肩部73から細長形の垂直方向に延びる首部74によって離間された半径方向に突出するヘッド72を有する。一実施形態では、流体用容器70はバイアルを含む。「容器」および「バイアル」という用語は、流体用容器70を任意の特定の形状および大きさに限定するものではない。むしろ、容器は、列60内に収まり、かつそれらの個々の列60に対して容器70を確実に固定する固定部材65によって係合され得る任意の知られた形状または大きさであってよい。図13は本発明の流体用容器70の例示的実施形態を示している。図13に示したように、首部74は(その上の)ヘッド72および(その下の)肩部73と比較すると、より小さい外径を有する。
【0045】
隣接する容器保持部分61の各々は、容器70が列60に導入される鍵穴63および容器70が確実に保持される協働する保持開口部64を含む。図10に示したように、各列60の第1の端部は、流体用容器70がそこを通して導入されて、次に図10に示したような第1の開口部64内に位置決めされ得る細長形の鍵穴63を有している。同様に、隣接する容器保持部分61の各々はそれ自身のより大きな鍵穴63およびより小さな径の保持開口部64を有する。その結果、取外し可能なアセンブリ40の製造中に、容器70のすべてはそれらの個々の鍵穴63を通してカートリッジハウジング42に同時に挿入されてよく、カートリッジハウジング42全体は水平にずらされて容器70はそれらの保持開口部64内の適所に収められ得る。鍵穴63は流体用容器70の径よりも大きい径を有している。その結果、流体用容器70は容易に受け取られ得るとともに、列60の個々の1つ内に垂直に位置決めされ得る。代替実施形態では、開口部64は鍵穴63の径と実質的に同じ大きさである径を有する。
【0046】
開口部64のいずれの実施形態においても、固定部材65は開口部64内に延び、流体用容器70と係合する。図10、11、および13に示したように、固定部材65は、容器70が開口部64に取外し可能に受け取られるように、容器70が開口部64内にスナップ嵌めされるときに、開いた列60内に突出しかつ十分に撓むカートリッジハウジング42の成形された突出部分を含んでいる。固定部材65は位置決めシステム200が容器70およびそのカバー80を操作するときに、容器70を取り外すことができるほどには撓まない。別の実施形態では、固定部材65はばねによって偏らされて容器70と係合し得る。容器70を受け取るが、容器70または固定部材65を破壊しないほどに撓む良く知られた材料は周知の可塑物を含む。
【0047】
図13に示したように、固定部材65の端部は、容器70がカートリッジハウジング42内で垂直方向に動かされるときに、容器70の首部74の外面と係合し、かつヘッド72および肩部73に当接するような形状になっている。固定部材65を位置決めすれば、両方向の容器70の垂直の動きが阻止されるだけでなく、列60内のバイアル70の水平/側方の動きも阻止される。理解されるように、「水平」とは、列60の長さに平行であるカートリッジハウジング42の上面が横たわっている平面に対して平行な方向に関する。他方、「垂直」とはカートリッジハウジング42の高さに対して平行に延びる方向である。
【0048】
流体用容器70はウェル30に入っている、内側トラフ(試料ウェル)内から取得した流体試料を試験するのに使用される流体を保持し得る。図10に示した実施形態では、第1のセットのバイアル75がウェル52に送られる酵素を保持する。一実施形態では、バイアル75の各々は約5cc〜10ccの内部流体容積を有することができ、約1.2cc以上の総充填容量の酵素を保持する。バイアル76に含まれ得る酵素には、「PytoGene(商標)」を含む本願明細書に記載のものがある。少なくとも1つのバイアル76はエンドトキシンを含み得る。一実施形態では、バイアル76は約10ccの内容積を有し、約7ccのエンドトキシンを含む。バイアル76によって保持されるエンドトキシンは大腸菌を含み得る。流体用容器70は基質を保持する3本のバイアル77も含み得る。図示の3本のバイアル77の各々は約10ccの内容積を有する。3本のバイアル77は総容量が約6ccの好適な基質を保持し得る。本発明に使用可能な基質には、エンドトキシンの存在を識別することのできる知られている任意の発色性または蛍光性基質を含む。さらなるセットのバイアル78が、本願明細書に記載したものを含む従来の任意の緩衝液を保持する。図示したバイアル78の各々は約10ccの内容積を有し、約5ccの組み合わされた総充填容量の緩衝液を保持する。別のセットのバイアル79は清浄な対照水を含み得る。図示の実施形態では、アセンブリ40は合計で約11.5ccの水を保持する4本の10ccのバイアルを含んでいる。上記実施形態のいずれかでは、バイアルは上記容積を超える内容積を有し得る。同じく、流体用容器70は多少のその個々の流体を含むように充填され得る。また、各液体を保持するバイアルの数は上記の数より多いか、または少ないものであり得る。さらに、緩衝液および基質を組み合わせて1つの液体試薬を形成してよい。同じく、緩衝液、基質、および組換酵素を組み合わせ、凍結乾燥して1つの凍結乾燥試薬を形成してもよい。
【0049】
カートリッジハウジング42は、図10および12に示したように、容器70からカバー80を受け取る複数の複数の溝付き開口部84も含み、容器70はアクセスされ、容器70内の流体が取得される。カバー80は下面82を有するフランジ81および容器70のある開口部内に位置決めされる栓部分83を含む。各開口部84は第1の径を有する鍵穴85および第2の径を有する保持穴86を含む。図11に示したように、鍵穴85の径は保持穴86の径よりも大きい。その結果、以下に記載するように、カバー80は鍵穴85に垂直に導入され、次に保持穴86内に水平に滑動される。保持穴86は図12に示したようにカバー80を受け取る。保持穴86の一部の周りに延在する上部フランジ87はフランジ81の下方の下面82と係合し、保持穴86内でカバー80を支持する。図12に示したように、フランジ81の下面82はカートリッジハウジング42(フランジ87)の一部分と接触する唯一の表面である。容器70内に延びる栓部分83は、鍵穴85に導入され、かつ保持穴86内に滑動されるときに、カートリッジハウジング42と接触しない。その結果、カバー80の栓部分83上の流体または材料はカートリッジハウジング42と接触せず、それを汚染しない。同様に、種々の容器70のカバー80はカートリッジハウジング42によって汚染されない。
【0050】
交換可能なカートリッジアセンブリ40はカートリッジハウジング42の上に取外し可能に固定されているカバー90も含み得る(図14)。一実施形態では、カバー90はゴム製の血清ストッパーまたは凍結乾燥ストッパーを含んでよい。カバー90はカートリッジアセンブリ40がハウジング11内に設置される前に元のまたは交換用のカートリッジアセンブリ40の内容物を保護する。カバー90はカートリッジハウジング42の開口部94内に延びる支柱92(図15および16)を含む。各支柱92は、アセンブリ40がハウジング11内に設置される用意ができるまで支柱92およびカバー90がカートリッジハウジング42に固定されるように、カートリッジハウジング42の開口部94および/または鍵穴63内に受け取られる少なくとも1つの固定用突出部96を含む。各固定用突出部96は、カバー90がカートリッジハウジング42から意図せず外れることのないようにカートリッジハウジング42と着脱可能に係合することのできる、少なくとも1つの歯部または他の部材を含み得る。アセンブリ40をハウジング11内に挿入する前または後に、カバー90は、支柱92およびその個々の歯部96をカートリッジハウジング42との係合から離れて撓ませることによって、カートリッジハウジング42から取り外され得る。取り外す前に、支柱92およびその個々の歯部96は容器70の1つまたは複数に当接し、カートリッジハウジング42の関連する動きに対してそれらを固定できる。同じく、複数の支柱92およびその固定用突出部96は、取り付けられたカバー90によってカバーされるときに、動きに対してウェルプレート50およびチップウェルハウジング46も固定できる。
【0051】
装置10はハウジング11内に位置決めされた電動位置決めシステム200(図17)も含む。一実施形態では、位置決めシステム200は図示の電動ロボットアームを含み得る。電動位置決めシステム200は図18に示したようなX、YおよびZ軸に沿って、一体化された関節状に動くヘッドアセンブリ300を搬送かつ操作する。以下のように、ヘッドアセンブリ300は容器70からカバー80を取り外し、チップ48を回収し、容器70およびウェル30から流体を取得し、その流体をウェルプレート50内のウェル52に運び、かつ流体を含んだウェル52内のエンドトキシンの存在を試験することができる。位置決めシステム200は、(ヘッドアセンブリ300によって保持されるか、またはヘッドアセンブリ300から離れている)蛍光検出アセンブリ610および/または光ファイバ蛍光リーダー(図19Aおよび26)をウェルプレート50内の流体を含んだウェル52の上に位置決めし、開口部84からカバー80を取り外し、それを個々の容器70に戻すようにヘッドアセンブリ300を移動させることもできる。
【0052】
図17および18に示したように、位置決めシステム200はハウジング11内に位置決めされた設置プレート211に固定された垂直の設置台210を含んでいる。第1および第2の線形誘導/支持レール214が、位置決めシステムに支持および剛性を提供するようにX軸に沿って(平行に)垂直の設置台の間に延在している。アセンブリ10の動作中、ヘッドアセンブリ300はリニアモーションモータシステム220および複数の行程センサ216を含んだX軸駆動システム215が動作されるときにレール214の長さに沿って移動し得る。行程センサ216はレール214に沿ったヘッドアセンブリ300の移動の長さを制限する。本願明細書に記載の行程センサは、接触によって、センサから放出される光線を遮断することによって、または各センサの所定の視野内に動作が入っているようにすることによって起動されるセンサであり得る。行程センサ216はホームセンサ217およびリミットセンサ218を含み得る。行程センサ216は、部材の直線運動を測定し、かつそれに応じてモータを制御する知られている任意の動作制限センサであり得る。
【0053】
図示した実施形態では、リニアモーションモータシステム200は、ハウジング221、継目無し歯付ベルト222、駆動される歯付プーリ224、および従動プーリ226を含んでいる。駆動される歯車224はハウジング221内の従来の回転ステッパモータ(図示せず)によって駆動かつ給電される。理解されるように、レール214に沿ってヘッドアセンブリ300を駆動するためにプーリ224、226の歯はベルト222の歯と係合する。ヘッドアセンブリ300が行程センサ216のいずれかを起動すると、モータの動作は停止され、モータおよび駆動されるプーリ224の動作の方向は、ヘッドアセンブリ300が起動されたセンサ216から離れた方向に移動するように、反転される。他の実施形態(図示せず)では、プーリ224は従来のリニア可変リラクタンスモータまたは動力付きラックピニオンによって駆動され得る。位置決めシステム200は当該分野では知られたようなケーブルガイド228も含み得る。また、位置決めシステム200は約0.152mm(約0.006インチ)のハーフステッピング能力を有し得る。
【0054】
位置決めシステム200はまた図17に示したY軸に沿ってヘッドアセンブリを移動し得る。Y軸動作はリニアモータシステム242および複数の動作制限センサ247(図19B)を含んだY軸駆動システム240の動作によって発生される。リニアモータシステム242は回転モータ243および少なくともY軸移動距離全体に延びる親ネジ244を含んでいる。回転モータ243は動作するときに親ネジ244を駆動する。上記システムを含む他の任意の知られた直線運動システムがY軸駆動システム240に使用されてもよい
図19Bに示したように、ヘッドアセンブリ300は、親ネジ244が通る開口部247を有する設置プラットフォーム246に協働的に固定されている。開口部247の内面は、親ネジ244がレール214に対して回転するときにヘッドアセンブリ300が親ネジ244の長さに沿って動いて所定位置に納まるよう、親ネジ244と噛み合い、かつ親ネジ244と協働的に係合するネジ山を含んでいる。プラットフォーム246は、プラットフォーム246に固定されたヘッドアセンブリ300がハウジング211と共に動くように、ハウジング221に固定された支持部材249の溝付き進路248内で移動する突出部を含んだ支持ブラケット247に固定されている。図20Bに示したように、支持部材249は滑動部241の下に延びる1つまたは複数の細長形の、溝付きのレールを含み得る。Y軸駆動システム240は約0.0127mm(約0.0005インチ)のハーフステッピング能力を有する。
【0055】
図19Aおよび20に示したように、位置決めシステム200は垂直のZ軸に沿ってヘッドアセンブリ300を移動させるZ軸駆動システム260も備えている。Z軸駆動システム260は、協働して溝付き線形滑動部268に沿ってヘッドアセンブリ300の滑動部材310を駆動する、回転モータ262および親ネジ264を含んでいる。Z軸駆動システム260はY軸駆動システム240と実質的に同じ様式で動作する。図20に示したように、親ネジ264は滑動部材310の部分314内のねじ切り開口部312を通って延びる。回転モータ262が回転すると、親ネジ264は2つの回転方向の一方に駆動される。親ネジ264のこの回転によって、滑動部材310およびヘッドアセンブリ300はカートリッジハウジング42の方向か、またはカートリッジハウジングから離れる方向かのいずれかに垂直に動かされる。行程制限センサ269は滑動部材310が親ネジ264に沿った所定の場所を越えて動かないようにする。Y軸システムに用いたセンサのように、行程制限センサ269は、X軸駆動システム215に関して上に記載したセンサを含む任意の知られたセンサであり得る。
【0056】
滑動部材310に加え、図20〜23に示したように、ヘッドアセンブリ300は容器70からカバー80を係合かつ取り外すシステム320も含んでいる。このシステム320は滑動部材310に固定されたハウジング322を含む。図示のように、ハウジング322は親ネジ264を螺合的に受け取る部分314近傍の滑動部材310に固定され得る。ハウジング322は、容器70からカバー80を取り外し、開口部84内にカバー80を位置決めし、かつカバー80をその個々の容器70に戻す持ち上げフォーク324を形成する下部を有する。図示した実施形態では、持ち上げフォーク324はカバー80の下側に導入されるテーパ状の前方端を有する1対の離間したフォーク部材326を含む(図21)。フォーク部材326はカバー80の栓部分83を受け取るような大きさである空隙によって相互に離間されている。フォーク部材326間の空隙は、栓部分83と係合することなく、かつ該栓部分によって汚染されることなく空隙が栓部分83を受け取るように、栓部分83の径よりも大きくなっている。持ち上げフォーク324は、カバー受取り空間327が持ち上げフォークと保持部材328の下面329との間に形成されるように、図示のようにフォーク部材326の上に延在する上部保持部材328を含んでいる。カバー部材328は容器30のカバー80をフォーク部材326内で保持する。その結果、持ち上げフォーク324は、容器70からカバーを取り外し、開口部84内にカバーを置き、開口部84内からカバーを取り出し、カバー80を容器70の上に戻すときに、カバー80を操作することができる。
【0057】
図20、24、および25に示したように、ヘッドアセンブリ300はチップ結合部材340およびチップ排出器360をさらに含んでいる。チップ結合部材340は図示のようにハウジング322の一部として形成され得るか、またはハウジング322とは別個のものであり得る。いずれの実施形態でも、チップ結合部材340はZ軸に沿って垂直方向に可動である。図示した実施形態では、チップ結合部材340は、チップ結合部材340が下方向に動いて未使用のチップ48の1つと係合するときにチップ48の中空の内部に導入されるような大きさである細長形のテーパ形状部材を含む。チップ結合部材340は、滑動部材310およびハウジング322がチップ48に向かって垂直に下方向に動くときに、チップ48内に導入され、位置決めされる。チップ結合部材340は中空のチップ48の内面と摩擦係合し、カートリッジハウジング42から離れて垂直に上方に動くときに、そのチップウェル46からそれを除去する。
【0058】
チップ結合部材340からチップ48を分離し、使用済みのチップ48をチップウェル46内に排出するために、排出器360のフォーク状の部分364の下面362は、チップウェル46内に位置決めされた使用済みチップ48と係合する。排出器360は、排出器360(図25)の一部分と接触させられるプランジャまたはピストンロッド367を起動する電磁スイッチ366によって、除去されるチップ48と係合させられる。ロッド367は任意の知られた駆動源によって駆動され得る。ロッド367が排出器360に接した後、排出器360は回転されて保持されたチップ48と係合する。排出器360が静止し、かつ下面362がチップ48と係合している間に、滑動部材310およびハウジング322は、排出器360のフォーク状部分364から離れた方向に、垂直に上方に移動される。フォーク状部分364はチップ結合部材340が個々のチップウェル46から離れて上昇されるときにチップ48が動くのを阻止する。その結果、チップ48はチップ結合部材340から分離され、個々のチップウェル46内に残される。
【0059】
ヘッドアセンブリ300はその容器70に対するカバー80の位置および個々のチップウェル46に対するチップ48の位置を検出する位置検出システム550(図20)も含む。この位置検出システム550は開口部84から取り外した後のカバー80の位置または使用後のチップ48の位置を判断するのに特に有用である。検出システム550は、カバー80またはチップ48の垂直投入の完了、あるいはカバー80またはチップ48を持ち上げるか、または戻す結果としてカートリッジハウジング42方向のY軸に沿ったその動きに対して滑動部材310が抵抗力を受けているときを判断し得るセンサ551を含む。センサ551が滑動部材310が抵抗力を受けており、カバー80が容器70に戻されたと判断すると、センサ551はスイッチにY軸駆動モータをオフにさせる。
【0060】
第1の実施形態では、センサ551が親ネジ264を受け取る滑動部材310の部分314近傍に位置決めされ得る。その結果、センサ551は、部分314が滑動部材310の前方部分の動きの停止および親ネジ264の回転の継続に応じて撓むときに、部分314によって係合される。別の場合には、センサ551は、ばね荷重式部材が撓まされてセンサ551と接するか、あるいはばね荷重式部材光線を横切るか、またはセンサ551の視野内に撓むときにY軸モータの動作を停止するスイッチを起動する。ばね荷重式部材が滑動部材310の停止に応じてセンサ551と接するとき、アセンブリ10は滑動部材310が垂直動作を完了したことおよびカバー80またはチップ48を拾い上げたか、または元に戻したことのいずれかであることを認識する。滑動部材310が移動する垂直距離のこの長さはまた、アセンブリ10のプロセッサおよび制御システムに、ヘッドアセンブリ300の水平運動が生じるときの高さに関する情報を提供し、これによりアセンブリの動作はより効果的なものになる。
【0061】
図26に示したように、アセンブリ10はウェル30からの被試験水中の微量なレベルのエンドトキシンの存在を判断する発色性または蛍光発生スキームを提供するシステム600も含み得る。システム600はX軸およびY軸に沿って動く検出アセンブリ610を含む。検出アセンブリ610はX軸に沿って延びる第1の溝付きレール620およびY軸に沿って延びる第2の溝付きレール625を含む。検出器ヘッド630がブラケット622および627によってレール620、625に各々固定されている。ブラケット622および627は取付プレート628によって相互に固定されている。検出アセンブリ610はヘッドアセンブリ300を駆動するのに用いられるX軸駆動システム215およびY軸駆動システム240の動作を介して、X軸およびY軸に沿って移動する。検出器ヘッド630は、ヘッドアセンブリ300が両軸に沿って動くときまたはアセンブリ10の制御プロセッサが位置決めシステム200を起動してヘッドアセンブリ300の位置とは関係なく検出アセンブリを動かすときにX軸およびY軸に沿って動くように、位置決めシステム200に協働的に固定されている。
【0062】
図26に示したように、検出器ヘッド630はウェルプレート50が受け取られるU字形部材632を含んでいる。図示のように、U字形部材632の下部アーム634は、検出器ヘッドがカートリッジハウジング42に沿って動くときにウェルプレート50の真下に位置決めされる。U字形部材632の上部アーム636は、検出器ヘッドが動くときにウェルプレート50の上で延びる。下部アーム634はLED642および該LED642の上に位置決めされたレンズ644を保持する複数の通路640を有する。レンズ644は通路640の上端部の開口部646を覆う。フィードバック検出器647はLED642に対してある角度で下部アーム634内で延在する通路648内に位置決めされている。フィードバック検出器647はアセンブリ10の作動システムに情報を提供する。上部アーム636は、例えばBio−Tek Instruments社による、当該産業において使用されものなどの、吸光度アッセイ用の半導体検出器(フォトダイオード)および蛍光アッセイ用の従来の光電子増倍管検出器654などの従来のフィルタ652を保持する長穴を含む。上部アーム636はその外面内に当該分野では知られているような光透過を受け取る開口部も含んでいる。代替実施形態では、上部アーム636はフィルタ652を含まない。また、検出器ヘッド630は第1の部分をウェルプレート50の下で伸ばすことができ、かつ別の部分をウェルプレート50の上で伸ばすことのできる任意の形状を有し得る。別の実施形態では、ヘッドアセンブリ300は、ウェルプレート50の上で動き、かつヘッドアセンブリ300がカートリッジハウジングの上で動くときに適切に読り取を行う光ファイバ蛍光リーダーを保持する(図17を参照)。上記実施形態の各々では、LEDからの光は各ウェル52の透明および/または半透明の下面を透過され得る。また、光はLEDまで運ばれ、データは光ファイバを用いて検出器から送信される。マイクロプレートウェルにわたって読み取る図示したU字形アセンブリは、エンドトキシン検出および酵素結合抗体免疫吸着アッセイ(ELISA)などのより一般的なアッセイを含む、吸光度検出を用いたアッセイに好ましい実施形態である。この検出器ヘッド630によって、材料をピペットで移し、運ぶほか、マイクロプレートウェル52を通る光を着脱可能な光学アセンブリ638と結合するためにヘッドアセンブリ300を使用することが可能となる。ヘッドアセンブリ300上の束になった単一の光ファイバ(図20)の使用は、蛍光アッセイと共に好適な実施形態で使用される。
【0063】
図27〜29に示したように、アセンブリ10は流体ウェルプレート50を温める加熱システム400および容器70の周囲を冷温に保つ冷却システム420も含み得る。加熱システム400は、取り外し可能かつ交換可能なカートリッジハウジング42がハウジング11内に位置決めされるときに、ウェルプレート50の下に位置決めされる加熱要素410を含み得る。図示した実施形態では、加熱要素410は抵抗加熱要素を含む。別の知られている加熱要素が使用されてもよい。熱がX軸およびY軸に沿って放射されないように、ヒートシンク415が加熱要素の外部垂直壁を裏打ちし得る。冷却システム420は容器70を保持する列60下のカートリッジハウジング42の下面の上の複数の冷却フィン422と協働する冷気源または冷蔵源を含み得る。冷却システム420は電子式冷却デバイスを使用する。一実施形態では、この冷却デバイスはペルチェ熱電冷却器を含む。カートリッジハウジング42内の冷却ブロックから熱を除去するために、送風機425を用いて空気がハウジング11内およびヒートシンク422にわたって引き込まれる。内部ハウジングの上部に位置決めされた付加的なファン429が、上部室(電子機器収容部)から位置決めシステム200を保持する室に気中汚染物質が入るのを抑える高性能(HEPA式)フィルタを介して、下部室(ロボット用ハウジング)に空気を移送する。ファン429はハウジング11内に正圧も発生する。
【0064】
アセンブリ10はヘッドアセンブリ300と流体連通するシリンジポンプ700をさらに含む(図4)。ヘッドアセンブリ300は、シリンジポンプ700のピストンの吸込工程に応じてチップ48内に吸引力を発生し、かつウェル30および容器70から流体をチップ48内に引き込む吸引口を含む。シリンジポンプ700がリセットされると、保持されたチップ48内の吸引力が解放されるので、流体はウェルプレート50の一方のその個々のウェル52内に引き込まれる。
【0065】
動作中、アセンブリ10は先に記載したようなループ2から水試料を受け取って試験する。上記のような様式で、ループ2からの水は流路16に入り、流体供給システム20を通過し、上記のような様式でウェル30に入る。位置決めシステム200は、チップ結合部材340がチップウェル46内のチップ48の上に位置決めされるまで、X軸および/またはY軸に沿ってヘッドアセンブリを移動させる。次に、チップ48と係合し、センサ551が起動されるまで、滑動部材310がZ軸に沿って動かされる。この動作が生じると、滑動部材310の行程は、チップ48がチップウェル46から取り外されるように逆転される。次に、装置10のプロセッサおよび制御システムは、位置決めシステム200に、保持されたチップ48をウェル30の内側溝33の上に位置決めさせる。一旦チップ48が溝33の上に位置決めされると、滑動部材310はチップ48が内側溝33内の流体と係合するまで垂直に下方に駆動される。次に、シリンジポンプ700は試験される流体が内側溝33からチップ48内に引き上げられるように起動される。
【0066】
次に、流体保持チップ48は、ウェルプレート50のウェル52の上に位置決めされるまで位置決めシステム200によって移動される。次に、流体保持チップ48はZ軸駆動システム260によってウェル52に向かって駆動される。所定の高さに達すると、試験用のある量の保持された流体が、上記のようなシリンジポンプ700の動作によって第1のウェル内に放出される。本発明の方法には、複数の別個のウェル52において各試験を再現する工程を含み得る。その結果、チップ48内の流体が放出される前に、流体保持チップ48が第2のウェル52まで移動され、運ばれた流体をウェル52に放出する工程が反復される。運ばれた流体が2つのウェル52内に放出された後、使用済みのチップ48は位置決めシステム200によって空のチップウェル47の上に置かれる。空のチップウェル47は上記のようにチップウェル47の少なくとも1列を含む空間によって、未使用のチップ48から離間されていることが好ましい。一旦使用済みのチップ48がチップウェル47内に位置決めされると、検出システム550はチップ48が上記のようにそのウェル47に完全に挿入されたときを判断し、チップ排出器360が上記の様式でチップ結合部材340から使用済みチップ48を分離する。次に、ヘッドアセンブリ300は位置決めシステム200によって、カートリッジフレーム42から容器70に向かって移動される。
【0067】
容器70に達すると、持ち上げフォーク324はZ軸に沿って対照水を保持するバイアル79のカバー80近傍の位置に垂直に移動される(図21)。次に、持ち上げフォーク324は、フォーク部材326がカバー80の下側82と容器70のヘッド72との間に位置決めされるように、水平方向に移動される(図22)。一旦カバー80がカバー受取り空間327内に受け取られ、かつ位置決めされると、カバー80は、容器70から離れて垂直方向に持ち上げフォーク324を上昇させることによって、その容器70から取り外される(図23)。次に、位置決めシステム200は開口部84の鍵穴85の上にカバー80を置き、栓83が鍵穴85内に位置決めされるように開口部84までカバー80を引き下げる。導入されたカバー80は位置決めシステム200の動きに応じて水平に滑動して保持穴86に入る。持ち上げフォーク324は保持されたカバー80から離れ、ヘッドアセンブリ300はチップウェル46まで戻る。
【0068】
チップウェル46まで戻ると、チップ結合部材340は上記様式で別のチップ48を取得して、このチップ48を対照水の開いたバイアル79の上の適所に移動させる。次に、位置決めシステム200はZ軸方向に沿って滑動部材310を動かし、保持されたチップ48を開いた容器79に入れる。次に、シリンジポンプ700が動作して、対照水をバイアル79からチップ48に引き入れる。対照水を保持しているチップ48は、内側溝33からの水に関して上記したようにウェルプレート50の上の適所に移動し、少なくとも2つのウェル52に対照水を放出する。好適な実施形態では、対照水は少なくとも4つのウェル52に放出される。次に、位置決めシステム10は使用済みのチップ48を空のチップウェル47の1つの上に置き、使用済みのチップ48は先に記載したように空のチップウェル47内に排出される。
【0069】
対照水を保持している使用済みのチップ48がチップウェル47内に位置決めされた後、位置決めシステム200は穴86内に位置するカバー80近傍に持ち上げフォーク324を位置決めする。滑動部材310はZ軸に沿って移動し、持ち上げフォーク324をカバー80の高さまで上げる。位置決めシステム200は、持ち上げフォーク234をカバー80と係合させ、かつカバーを鍵穴85内に移動させ、次にカバーは開口部84から取り外されて、その容器70まで戻される。持ち上げフォーク324がカバー80をそのバイアル79まで戻した後、ヘッドアセンブリ300は別の容器70からカバー80を取り外す準備をするために容器70に戻る。カバー80を取り外す工程、開口部84内にカバー80を確実に置く工程、チップウェル47からチップ48を取得する工程、開いた容器70から流体を取得する工程、取得した流体を適したウェル52内に導入する工程、使用済みのチップ48を排出する工程、および取り外したカバー80を開いた容器70に戻す工程は、上記の様式でバイアル70内の他の流体の各々について行われる。しかし3つのウェル52が試験に使用されている場合に限り、バイアル76からのエンドトキシンは対照水が入ったウェルの1つに位置決めされるだけである。試験が複製され、かつ少なくとも6つのウェル52が使用されている実施形態では、対照水が入ったウェル52の2つ、またはその半分に導入される。
【0070】
本方法の実施形態では、カバー80を取り外し位置決めするシステム320は、基質バイアル77および緩衝液バイアルが同時に開いているように、未使用のチップ48を取得する前に基質バイアル77および緩衝液バイアル78の1つからカバー80を取り外す。この実施形態では、同じチップ48を用いて、基質および緩衝液を取得し、試験される水の入ったウェル52の各々および対照水の入ったウェル52の各々にその基質および緩衝液が送られ得る。他の流体を送るのに使用したチップからの異なるチップ48は、試験される水が入ったウェル52および対照水が入ったウェル52に容器75からの酵素を受け入れかつそれを送る。バイアル70からの流体および水などの試験される流体は任意の順でウェル52に導入され得る。上記のウェル52に流体を送る順序は、本発明の方法を限定するものではない。
【0071】
バイアル75〜79からの流体および試験される水が一旦それぞれの適したウェル52内に位置決めされると、ヘッドアセンブリ300上に位置決めされた検出アセンブリ610および/または蛍光リーダーを含んだ検出システム600は、流体の入ったウェル52の上を通される。検出システム600は流体の入ったウェル52の光学的濃度を発色法または濁度法で測定するか、あるいは流体の入ったウェル52の蛍光濃度を蛍光法で測定する。次に、検出システム600は流体の入ったウェルを走査した結果を比較し、試験した水の中にエンドトキシンが存在するかどうかを識別する。
【0072】
すべての特許、特許出願、および本開示に引用した参照物は明示的に本願明細書に援用される。
上記考察は本発明を限定するものではない。本開示は本発明の好適な実施形態を記載し、説明しているが、本発明はこのような特定の実施形態に限定されるものではないことを理解すべきである。当業者であれば多数の変形例および改変例が想起されよう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の態様によるオンラインエンドトキシン検出装置を含んだ流体管路システムを示す略図である。
【図2】図1に示したエンドトキシン検出装置を示す斜視図である。
【図3】図2に示した装置の一部を形成する流体抽出システムを示す図である。
【図4】図2に示した流体抽出システムの代替実施形態を示す図である。
【図5】図4に示した流体抽出システムを示す分解図である。
【図6】図2に示した取り外し可能なアセンブリを示す図である。
【図7】図2に示した装置の一部を形成する検出システムを示す部分図である。
【図8】図7の検出システムのセンサ配置を示す図である。
【図9】図6のアセンブリの一部を示す部分切欠図である。
【図10】図6に示したカートリッジを示す分解図である。
【図11】流体容器を確実に保持するカートリッジの一部を示す図である。
【図12】カートリッジのキャップ保持部およびバイアル保持部を示す部分切欠図である。
【図13】図11に示したカートリッジの容器保持領域を示す断面図である。
【図14】カバーを含んだカートリッジを示す図である。
【図15】カートリッジの下面部分を示す図である。
【図16】カートリッジの下面部分を示す図である。
【図17】図2に示したカートリッジアセンブリ、位置決めシステム、および検出システムを示す図である。
【図18】位置決めシステムを示す部分等角図である。
【図19A】位置決めシステムの一部を示す等角図である。
【図19B】位置決めシステムの一部を示す等角図である。
【図20】位置決めシステムの一部を示す等角図である。
【図21】本発明の一態様による、流体容器からキャップを取り外す工程を示す図である。
【図22】本発明の一態様による、流体容器からキャップを取り外す工程を示す図である。
【図23】本発明の一態様による、流体容器からキャップを取り外す工程を示す図である。
【図24】流体保持部材を取得かつ排出するシステムを示す等角図である。
【図25】流体保持部材を取得かつ排出するシステムを示す等角図である。
【図26】図2の検出システムを示す等角図である。
【図27】図2に示したカートリッジアセンブリの加熱部分および冷却部分を示す等角図である。
【図28】図2に示したカートリッジアセンブリの加熱部分および冷却部分を示す等角図である。
【図29】図2に示したカートリッジアセンブリの加熱部分および冷却部分を示す等角図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライン内の流体のオンライン試験を実行してエンドトキシンの存在を調べる流体システムライン内で位置決めを行う装置であって、
前記流体システムラインから流体試料を取得する流体抽出システムと、
前記流体試料および薬剤が導入される流体受取り部材を含んだアセンブリと、
前記流体受取り部材内のエンドトキシンの存在を判断する検出システムと、
を備えた装置。
【請求項2】
前記薬剤は発色基質および/または試薬を含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流体抽出システムは前記流体抽出システムへの流体の流れを制御するように動作する電磁弁を含んだ請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記流体抽出システムは、前記電磁弁が開いたときに前記流体システムラインからの流体試料を受け取る、前記電磁弁の下流側に流体保管容器をさらに含んだ請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記流体試料を前記流体保管容器から流体流れウェルに送る流体導管をさらに含んだ請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記流体導管の末端は前記流体流れウェルから離間され、かつ前記流体流れウェルは前記アセンブリの一部を形成する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記流れウェルは内側溝、および該内側溝を囲繞しかつ前記内側溝からの流体の溢流を受け取る外側溝を含む請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記外側溝内の溢流した流体を前記流れウェルから離して運ぶために前記流れウェルを通って延びる流体管路をさらに含んだ請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記流れウェルは飛沫除けをさらに含んだ請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記アセンブリは前記装置のハウジング内に取り外し可能に固定された請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記アセンブリは前記装置のハウジング内に取り外し可能に固定されたカートリッジアセンブリを含んだ請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記カートリッジアセンブリは複数の取り外し可能なプレートをさらに含んだ請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記カートリッジアセンブリは、ピペットチップを受け取る複数のウェルを有するチップウェルハウジングを含んだ請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記カートリッジアセンブリは、前記流体試料の少なくとも一部を受け取る少なくとも1つのウェルを含んだ請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記カートリッジアセンブリは複数の容器保持位置をさらに含んだ請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記容器保持位置の各々は、容器が挿入される第1の開口部、および前記第1の開口部から前記容器を滑動的に受け取る、前記第1の開口部に対して開いている第2の開口部を含み、前記第1の開口部は前記第2の開口部よりも大きい請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第2の開口部は挿入された容器を係合させる固定部材を含んだ請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記カートリッジアセンブリは、各々個々の容器のカバーを受け取る複数のカバー受取り開口部をさらに含んだ請求項15に記載の装置。
【請求項19】
複数の機能を実行する動力付きアームおよびヘッドアセンブリを含んだモータ駆動位置決めシステムをさらに備えた請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記ヘッドアセンブリは、前記アセンブリのウェル内に位置決めされた流体保持部材を係合かつ保持する部材をさらに含んだ請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ヘッドアセンブリは、前記ヘッドアセンブリから使用済みの流体保持部材を除去する排出器をさらに含んだ請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記位置決めシステムは、前記ヘッドアセンブリの動きを少なくとも1平面に制限する複数の行程センサを含む請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記流体受取り部材内の流体試料中のエンドトキシンの存在を判定する検出器ヘッドをさらに含んだ請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記検出器ヘッドは光源および検出器を含んだ請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記光源はLEDである請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記アセンブリに熱を提供する加熱システムおよび前記アセンブリ内の容器周囲の温度を冷温に維持する冷却システムをさらに含んだ請求項1に記載の装置。
【請求項27】
流体システムライン内の流体のオンライン試験を実行してエンドトキシンの存在を判断する装置であって、
ハウジングと、
前記流体抽出システム内の圧力の変化に応じて前記流体システムラインからの流体が前記流体抽出システムに入るように、前記流体システムライン内で位置決めする流体抽出システムと、
前記流体抽出システムの下流側に位置決めした、該抽出システムから前記流体を受け取る流体流れウェルと、
少なくとも1つの流体支持部材を保持する複数のウェル、前記流体抽出システムから受け取られた流体の試料の一部を保持する複数のウェルと、少なくとも1つの流体容器保持位置とを含んだ、取外し可能なアセンブリと、
前記取外し可能なアセンブリに対して前記少なくとも1つの流体支持部材を取り出し、かつ移動させるヘッドアセンブリを含んだ位置決めシステムと、
前記流体流れウェルからの流体およびエンドトキシン識別剤を個々の流体支持部材に引き入れる、前記ヘッドアセンブリに協働的に流体連通して接続された負圧源と、
前記流体試料内にエンドトキシンが存在するか否かを判断する検出器システムとを備えた装置。
【請求項28】
前記エンドトキシン識別剤は発色基質および/または試薬を含んだ請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記流体抽出システムは、前記圧力変化を発生させ、かつ前記流体抽出システムへの前記流体試料の流れを制御するように動作する電磁弁を含んだ請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記流体抽出システムは、前記電磁弁が開いたときに前記流体システムからの流体を受け取る、前記電磁弁の下流側に流体保持部材をさらに含んだ請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記流体保持部材から前記流体流れウェルに流体を送る流体導管をさらに含んだ請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記流体導管の末端は前記流れウェルから離間され、かつ前記流れウェルは前記可動アセンブリの一部を形成する請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記流れウェルは内側溝および該内側溝を囲繞する外側溝を含み、前記外側溝は前記内側溝からの流体の溢流を受け取る請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記外側溝内の溢流した流体を前記流れウェルから離して運ぶために前記流れウェルを通って延びる流体管路をさらに含んだ請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記流れウェルは飛沫除けをさらに含んだ請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記可動アセンブリは前記ハウジング内に取り外し可能に固定されたカートリッジアセンブリを含んだ請求項27に記載の装置。
【請求項37】
前記カートリッジアセンブリは複数の取り外し可能なプレートを含んだ請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記カートリッジアセンブリは、前記流体保持部材を受け取る複数のウェルを有するチップウェルハウジングを含んだ請求項36に記載の装置。
【請求項39】
前記流体保持部材は、ピペットチップを含んだ請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記可動アセンブリは複数の容器保持位置をさらに含んだ請求項36に記載の装置。
【請求項41】
前記容器保持位置の各々は、容器が挿入される第1の開口部、および前記第1の開口部から前記容器を滑動的に受け取る、前記第1の開口部に対して開いている第2の開口部を含み、前記第1の開口部は前記第2の開口部よりも大きい請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記第2の開口部は挿入された容器を係合させる固定部材を含んだ請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記アセンブリは、各々個々の容器のカバーを受け取る複数のカバー受取り開口部をさらに含んだ請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記ヘッドアセンブリは前記流体保持部材を係合かつ確実に固定する細長形の部材を含んだ請求項38に記載の装置。
【請求項45】
前記ヘッドアセンブリは、前記ヘッドアセンブリから使用済みの流体保持部材を除去する排出器をさらに含んだ請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記位置決めシステムは、前記ヘッドアセンブリの動きを少なくとも1平面に制限する複数の行程センサを含む請求項27に記載の装置。
【請求項47】
前記検出システムは、前記試料保持ウェルの少なくとも1つの流体試料中のエンドトキシンの存在を判定する検出器ヘッドを含んだ請求項27に記載の装置。
【請求項48】
前記検出器ヘッドは光源および検出器を含んだ請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記光源はLEDである請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記可動アセンブリに熱を提供する加熱システムおよび前記可動アセンブリ内に位置決めされた容器周囲の温度を冷温に維持する冷却システムをさらに含んだ請求項27に記載の装置。
【請求項51】
該流体管路内の流体をオンライン試験を実行して少なくとも1つのエンドトキシンの存在を調べるために流体管路と流体連通して位置決めする装置であって、
ハウジングと、
前記流体管路の第1の部分の下流であり、かつ前記流体管路の第2の部分の上流の場所にて前記流体管路と流体連通して位置決めされる流体抽出システムであり、前記流体管路から前記流体抽出システムへの前記流体の流れを制御する弁を備えた流体抽出システムと、
前記流体抽出システムを出る流体を受け取る、前記ハウジング内に位置決めされた流体流れウェルと、
前記ハウジング内に位置決めされた取外し可能なアセンブリであり、使用済みおよび未使用の流体支持部材を受け取る複数のウェルと、複数の流体試料受取りウェルと、個々の流体容器の部分を確実に受け取る凹部を含んだ複数の容器保持位置とを備えたアセンブリと、
前記アセンブリから前記流体支持部材を取得し、かつ前記流体流れウェルから流体を取得するヘッドアセンブリを含んだ可動位置決めシステムと、
個々の流体試料受取りウェル内の試料中にエンドトキシンが存在するか否かを判断する検出システムとを備えた装置。
【請求項52】
前記弁は前記流体管路から前記流体抽出システムへの流体の流れを制御するように動作する電磁弁を含んだ請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記流体抽出システムは、前記電磁弁が開いたときに前記流体管路からの流体を受け取る、前記電磁弁の下流側に流体保持容器をさらに含んだ請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記流体を前記流体保持容器から前記流体流れウェルに送る流体導管をさらに含んだ請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記流体導管の末端は前記流体流れウェルから離間され、かつ前記流体流れウェルは前記アセンブリの一部を形成する請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記流体流れウェルは内側溝、および該内側溝を囲繞しかつ前記内側溝からの流体の溢流を受け取る外側溝を含む請求項51に記載の装置。
【請求項57】
前記外側溝内の溢流した流体を前記流れウェルから離して運ぶために前記流体流れウェルを通って延びる流体管路をさらに含んだ請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記流体流れウェルは飛沫除けをさらに含んだ請求項56に記載の装置。
【請求項59】
前記可動アセンブリは前記ハウジング内に固定され得る交換可能なカートリッジを含んだ請求項51に記載の装置。
【請求項60】
前記カートリッジは少なくとも1つの取り外し可能なプレートを含んだ請求項59に記載の装置。
【請求項61】
前記流体保持部材はピペットチップを含んだ請求項51に記載の装置。
【請求項62】
前記容器保持位置の各々は、容器が挿入される第1の開口部、および前記第1の開口部から前記容器を滑動的に受け取る、前記第1の開口部に対して開いている第2の開口部を含み、前記第1の開口部は前記第2の開口部よりも大きい請求項51に記載の装置。
【請求項63】
前記第2の開口部は挿入された容器を係合させる固定部材を含んだ請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記アセンブリは、各々個々の容器のカバーを受け取る複数のカバー受取り開口部をさらに含んだ請求項51に記載の装置。
【請求項65】
前記位置決めシステムは、複数の機能を実行する前記ヘッドアセンブリを保持する動力付きアームを含んだ請求項51に記載の装置。
【請求項66】
前記ヘッドアセンブリは、前記流体保持部材を係合かつ保持する部材をさらに含んだ請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記ヘッドアセンブリは、前記ヘッドアセンブリから流体保持部材を除去する排出器をさらに含んだ請求項66に記載の装置。
【請求項68】
前記位置決めシステムは、前記ヘッドアセンブリの動きを少なくとも1平面に制限する複数の行程センサを含んだ請求項51に記載の装置。
【請求項69】
前記検出器システムは前記流体試料受取りウェルの少なくとも1つの流体試料中のエンドトキシンの存在を判定する検出器ヘッドを含んだ請求項51に記載の装置。
【請求項70】
前記検出器ヘッドは光源および検出器を含んだ請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記光源はLEDである請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記可動アセンブリに熱を提供する加熱システムおよび前記可動アセンブリ内の容器周囲の温度を冷温に維持する冷却システムをさらに含んだ請求項51に記載の装置。
【請求項73】
流体管路内に位置決めされるオンラインエンドトキシン検出システムであって、
前記流体管路から流体を取得する手段と、
前記取得した流体の試料を流体試料受取りウェルに運ぶ手段と、
前記ウェル内において薬剤と前記流体試料とを組み合わせる手段と、
前記ウェル内に配置された前記試料中のエンドトキシンの存在を検出する手段とを備えたシステム。
【請求項74】
前記薬剤は発色基質および/または試薬を含む請求項73に記載のシステム。
【請求項75】
流体システムの流体管路によって運ばれた流体中のエンドトキシンのオンライン検出を実行する方法であって、
前記流体システムの流体管路内でエンドトキシン試験装置を位置決めする工程であり、前記試験装置は前記流体管路と流体連通している工程と、
前記流体管路から前記試験装置内に流体を導く工程と、
前記導いた流体を抽出し、この抽出試料を受取りウェル内に運ぶ工程と、
エンドトキシン識別剤を取得する工程と、
前記流体試料の入った前記受取りウェル内に前記薬剤を導入する工程と、
前記試料中のエンドトキシンの存在を検出する工程とを含む方法。
【請求項76】
機器近傍にヘッドアセンブリを位置決めし、前記機器に機器結合部材を導入し、かつ前記機器結合部材上で前記機器を確実に受け取る工程をさらに含む請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記抽出工程は流体流れウェル内に前記機器を位置決めする工程を含む請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記抽出工程は前記流体流れウェル内からの流体を前記機器に引き入れる工程をさらに含む請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記流体試料を送る工程は、前記流体試料を保持する前記機器を流体受取りウェル近傍に位置決めし、かつ該流体試料の少なくとも一部を前記流体受取りウェル内に置く工程を含む請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記方法は、前記流体試料の残りを保持する前記機器を第2の流体受取りウェル近傍に位置決めし、かつ該残りの流体試料の少なくとも一部を前記第2の流体受取りウェル内に置く工程をさらに含む請求項79に記載の方法。
【請求項81】
機器保持ウェル内に使用済みの機器を置きかつ排出する工程をさらに含む請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記取得工程は、前記識別剤が入った容器からカバーを取り外し、前記容器に機器を導入し、前記容器から前記識別剤を引き出す工程を含む請求項75に記載の方法。
【請求項83】
前記検出工程は、ヘッドアセンブリ上に位置決めされた検出アセンブリおよび/または蛍光リーダーを前記流体受取りウェルに沿って通過させ、対照物が入った流体受取りウェルに沿って前記ヘッドアセンブリを通過させ、かつ前記ヘッドアセンブリの各通過の読取値を比較して、前記流体管路からの流体試料中にエンドトキシンが存在しているか否かを判定する工程を含む請求項75に記載の方法。
【請求項84】
前記検出工程は蛍光を測定する工程を含む請求項75に記載の方法。
【請求項85】
前記発色基質は蛍光基質を含んだ請求項2に記載の装置。
【請求項86】
前記発色基質は蛍光基質を含んだ請求項28に記載の装置。
【請求項87】
前記発色基質は蛍光基質を含んだ請求項74に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公表番号】特表2007−510911(P2007−510911A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538533(P2006−538533)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/037097
【国際公開番号】WO2005/047858
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(505326656)キャンブレックス・バイオ・サイエンス・ウォーカーズヴィル・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】