説明

冷却構造を有する高電圧機器装置、及びそれを備えた車両

【課題】高電圧機器装置のケース内で発生する冷却用空気の流通による騒音を効果的に低減できる冷却構造を提供する。
【解決手段】車両に搭載する高電圧機器装置10であって、ケース60内に設置したバッテリユニット20を冷却するための第1冷却流路65と、高電圧制御機器ユニット40を冷却するための第2冷却流路80と、第1冷却流路65と第2冷却流路80とを接続する中間ダクト70と、これらに送風するための送風ファン90とを備え、中間ダクト70は、第1冷却流路65に繋がる流入口71と、第2冷却流路80に繋がる流出口72と、流入口71と流出口72を連通する内部流路73とを備え、流入口71及び流出口72の断面積が内部流路73の断面積よりも小さな寸法に設定されていることで、内部を流通する冷却用空気の通風音を消音することが可能な膨張型サイレンサとして機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載するための蓄電池と該蓄電池の電力を制御するための高電圧制御機器とを含む高電圧機器装置であって、詳細には、これら蓄電池及び高電圧制御機器を冷却するための冷却構造を有する高電圧機器装置、及びそれを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンとモータを併用して走行する自動車(以下、「ハイブリッド自動車」と称す。)、又は、モータのみを用いて走行する自動車(以下、「電気自動車」と称す。)には、電力を蓄えると共に電動装置に電力を供給するための蓄電池を有する蓄電池ユニットと、蓄電池の電力を所定電圧に制御するインバータなどの高電圧制御機器を有する高電圧制御機器ユニットとを備えた高電圧機器装置が搭載されている。特許文献1には、この種の高電圧機器装置の従来構成例が記載されている。特許文献1に記載の高電圧機器装置は、蓄電池ユニットと高電圧制御機器ユニットを略直方体形状のケースに収容した構成である。
【0003】
蓄電池を含む蓄電池ユニットやインバータなどを含む高電圧制御機器ユニットは、作動時に発熱を伴うが、蓄電池は、高温状態では充放電効率が低下する。また、インバータは耐熱温度を越えると損傷するおそれがある。そのため、特許文献1に記載の高電圧機器装置は、蓄電池ユニットや高電圧制御機器ユニットを冷却するための冷却構造を備えている。この冷却構造は、送風ファンによって吸気ダクトからケース内に吸入した冷却用空気を蓄電池ユニットと高電圧制御機器ユニットにこの順番で送り、その後、排気ダクトで外部に排出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−82803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の高電圧機器装置が備える冷却構造では、ケース内の通気通路に冷却用空気が流通する際に通風音(風切音)が発生し、これが騒音としてケースの外部に伝わるおそれがあった。特に、特許文献1に示すように、高電圧機器装置を車両の後部座席の背面側に設置している場合、後部座席に座る乗員の耳元から高電圧機器装置が近い位置にあるため、上記のような通風音による騒音が無視できないレベルになるおそれがある。なお、座席の背凭れ(シートバック)のクッション材などで、当該騒音が座席側に伝わることをある程度は抑制することが可能である。しかしながら、背凭れの中央部などに収納式のアームレストを設けている場合には、アームレストを収納部から引き出すと、アームレストを収納していた凹部の箇所にはクッション材が無いため、その箇所から座席側に騒音が伝わり易くなってしまう。
【0006】
また、特許文献1に記載の高電圧機器装置では、ケースが幅方向を長手方向とする長方形状であって、蓄電池ユニットと高電圧制御機器ユニットとをケース内で幅方向に並べて設置している。この場合、蓄電池ユニットと高電圧制御機器ユニットを効率的に冷却するためには、ケース内の通気路の延伸方向を幅方向(横方向)に貫通するように設定することが望ましい。ところが、ケースの後壁における幅方向の中央(蓄電池ユニットと高電圧制御機器ユニットとの間)には、車両の後部衝突などに対してケースの強度を確保するための補強部材が取り付けられている。この補強部材があることによって、通気路を幅方向に貫通させることができなかった。そのため、従来は、ケース内の通気路の延伸方向を蓄電池ユニットの部分と高電圧制御機器ユニットの部分とのそれぞれで上下方向(縦方向)に設けていた。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高電圧機器装置のケース内における冷却用空気の流通による騒音を効果的に低減することができ、かつ、ケース内に設置した蓄電池ユニットと高電圧制御機器ユニットを効率的に冷却することができると共に、ケースに必要な強度を確保することができる高電圧機器装置の冷却構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、蓄電池(22)を内蔵した蓄電池ユニット(20)と、蓄電池(22)の電力を制御するための高電圧制御機器(41,43)を内蔵した高電圧制御機器ユニット(40)と、蓄電池ユニット(20)及び高電圧制御機器ユニット(40)を収容してなるケース(60)とを有すると共に、ケース(60)内の蓄電池ユニット(20)と高電圧制御機器ユニット(40)を冷却するための冷却構造を有する高電圧機器装置(10)であって、冷却構造は、蓄電池ユニット(20)を冷却するための第1冷却流路(65)と、高電圧制御機器ユニット(40)を冷却するための第2冷却流路(80)と、第1冷却流路(65)と第2冷却流路(80)とを接続する接続流路(70)と、第1冷却流路(65)、接続流路(70)、第2冷却流路(80)内に送風するための送風手段(90)と、を備え、接続流路(70)は、第1冷却流路(65)に繋がれた第1開口部(71)と、第2冷却流路(80)に繋がれた第2開口部(72)と、第1開口部(71)と第2開口部(72)とを連通する内部流路(73)と、を備え、第1開口部(71)及び第2開口部(72)の断面積が内部流路(73)の断面積よりも小さな寸法に設定されていることを特徴とする。
【0009】
本発明にかかる冷却構造を有する高電圧機器装置によれば、接続流路における第1開口部及び第2開口部の断面積を内部流路の断面積よりも小さな寸法に設定したことで、接続流路に膨張型サイレンサとしての機能を持たせることが可能となる。これにより、冷却用空気が接続流路を流れることによって発生する通風音を消音することができる。したがって、ケース内における冷却用空気の送風による騒音を低減することができる。
【0010】
また、本発明にかかる冷却構造を有する高電圧機器装置では、接続流路(70)は、内部流路(73)の両側に間隔を有して対向配置した一対の底壁(74,75)と、これら一対の底壁(74,75)の両端同士を繋ぐ側壁(76)とを備え、一方の底壁(74)が他方の底壁(75)よりも大きな面積である台形型の断面形状を有しており、一方の底壁(74)は、ケース(60)を構成する隔壁(60b)の内面に固定されているか、又は隔壁(60b)の内面によって構成されているとよい。
【0011】
この構成によれば、接続流路の底壁がケースの内面に固定されているか、又はケースの内面の一部によって構成されていることで、接続流路を構成する部材よって、高電圧制御機器ユニットや蓄電池ユニットで発生した動作時の振動によるケースの共振を抑制することができる。特に、台形型の断面形状を有する接続流路の一対の底壁のうち、より広い面積の底壁がケースの内面側に配置されていることで、接続流路に接するケースの内面をより広い領域として確保することが可能となる。これにより、ケースの共振を効果的に抑制することができる。
【0012】
また、本発明にかかる上記の高電圧機器装置では、接続流路(70)の他方の底壁(75)には、第1開口部(71)と第2開口部(72)のいずれか一方が形成されており、側壁(76)には、第1開口部(71)と第2開口部(72)のいずれか他方が形成されているとよい。これによれば、簡単な構成で、第1開口部及び第2開口部の断面積を内部流路の断面積よりも小さな寸法に設定した接続流路を構成できるので、接続流路に膨張型サイレンサとして機能するために必要な形状を設定することが可能となる。
【0013】
また、蓄電池ユニット(20)と高電圧制御機器ユニット(40)は、ケース(60)内の幅方向の両側に並べて設置されており、第1冷却流路(65)と第2冷却流路(80)は、ケース(60)内の該幅方向の両側それぞれにおいて該幅方向に沿って延びており、接続流路(70)は、ケース(60)内の該幅方向の中央部に配置されており、接続流路(70)は、底壁(75)及び側壁(76)を一体に形成してなる構成部材(77)を備え、該構成部材(77)をケース(60)の隔壁(60b)の内面に固定し、隔壁(60b)の内面と構成部材(77)との間に内部流路(73)を形成した構造であるとよい。
【0014】
この構成によれば、接続流路の構成部材をケースの隔壁を補強するための補強部材として用いることができるので、接続流路でケースの隔壁を補強することができる。これにより、従来構造のように、ケースを補強するための補強部材によって冷却用空気の通路の配置に制限を受けずに済む。したがって、上記のように、蓄電池ユニットと高電圧制御機器ユニットをケース内の幅方向の両側に並べて設置し、第1冷却流路と第2冷却流路をケース内の該幅方向の両側それぞれにおいて該幅方向に沿って延びるように配置して、接続流路をケース内の幅方向の中央部に配置することができる。これにより、ケース内において蓄電池ユニットと高電圧制御機器が配列された幅方向に沿って略一直線状に延びる冷却用空気のスムーズな流れを確保しながらも、ケースに必要な強度を確保することが可能となる。
【0015】
また、本発明にかかる上記の高電圧機器装置では、ケース(60)の隔壁(60a,60b)は、接続流路(70)が設置された第1隔壁(60b)と、該第1隔壁(60b)に対して間隔を有して対向配置された第2隔壁(60a)とを含み、第1隔壁(60b)と第2隔壁(60a)との間に蓄電池ユニット(20)が配置されており、第1冷却流路(65)は、第2隔壁(60a)の一端側に設けた冷却用空気を導入する導入部(65a)と、接続流路(70)へ冷却用空気を導出する導出部(65b)と、導入部(65a)と導出部(65b)を連通する連通路(66)と、を備え、連通路(66)には、導入部(65a)から蓄電池(22)と第1隔壁(60b)との間に沿って延びる第1通路(66a)と、蓄電池(22)と第2隔壁(60a)との間を延びて導出部(65b)に繋がる第2通路(66b)と、蓄電池(22)の間を第1隔壁(60b)側から第2隔壁(60a)側に延びて第1通路(66a)と第2通路(66b)とを連絡する連絡路(66c)と、が含まれているとよい。
【0016】
この構成によれば、蓄電池ユニット内の蓄電池の第1隔壁側と第2隔壁側のそれぞれに連通路の第1通路と第2通路とが配置されているため、これら第1通路と第2通路を流通する冷却用空気によって、蓄電池ユニットと第1隔壁及び第2隔壁との間を断熱することができ、第1通路と第2通路を流通する冷却用空気に断熱材としての機能を持たせることができる。これにより、蓄電池の発熱がケースの外部へ放出されることを抑制できる。特に、上記の第1隔壁と第2隔壁をケースにおける面積の広い側の隔壁とすれば、蓄電池の発熱がケースの外部へ放出されることをより効果的に抑制することができる。
【0017】
また、本発明にかかる車両は、座部(4)と、該座部(4)の後方に立設した背凭れ(3)とを有する座席(2)と、本発明にかかる上記いずれかの冷却構造を有する高電圧機器装置(10)と、を備えた車両であって、高電圧機器装置(10)は、座席(2)の背凭れ(3)の背面(3a)側に設置されていることを特徴とする。また、この場合、車両が備える高電圧機器装置(10)のケース(60)は、接続流路(70)が設置された第1隔壁(60b)と、該第1隔壁(60b)に対して間隔を有して対向配置された第2隔壁(60a)とを備え、第1隔壁(60b)と第2隔壁(60a)との間に蓄電池ユニット(20)が配置されており、第1冷却流路(65)は、第2隔壁(60a)の一端側に設けた冷却用空気を導入する導入部(65a)と、接続流路(70)へ冷却用空気を導出する導出部(65b)と、導入部(65a)と導出部(65b)を連通する連通路(66)と、を備え、連通路(66)には、導入部(65a)から蓄電池(22)と第1隔壁(60b)との間に沿って延びる第1通路(66a)と、蓄電池(22)と第2隔壁(60a)との間を延びて導出部(65b)に繋がる第2通路(66b)と、蓄電池(22)の間を第1隔壁(60b)側から第2隔壁(60a)側に延びて第1通路(66a)と第2通路(66b)とを連絡する連絡路(66c)と、が含まれており、ケース(60)における接続路(70)を設置した第1隔壁(60b)が背凭れ(3)と反対側である車両の後方を向いて設置されているとよい。
【0018】
上記構成の車両によれば、高電圧機器装置のケースにおける接続路を設けた第1隔壁が車両の後方を向いた状態で設置されるので、接続路及びその構成部材によって車両の後方を向いたケースの隔壁が補強されている。これにより、車両の後部衝突に対してケースに必要な強度を確保することが可能となる。
【0019】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる高電圧機器装置の冷却構造によれば、高電圧機器装置のケース内での冷却用空気の流通による騒音を効果的に低減することができ、かつ、ケース内の蓄電池ユニットと高電圧制御機器ユニットを効率的に冷却することができると共に、ケースに必要な強度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる冷却構造を有する高電圧機器装置を正面側から見た概略の斜視図である。
【図2】車両の後部座席及びその背面側に設置した高電圧機器装置の分解斜視図である。
【図3】高電圧機器装置の内部構造を示す図で、図1のZ−Z矢視に対応する断面を示す切断斜視図である。
【図4】高電圧機器装置の配置構成を示す図で、図3のX−X矢視に対応する概略図である。
【図5】中間ダクトの詳細構成を示す図で、図3のY部分の部分拡大図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる冷却構造を有する高電圧機器装置が備える中間ダクトの詳細構成を示す図で、図3のY部分に対応する部分の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態にかかる冷却構造を有する高電圧機器装置10を正面側から見た概略の斜視図である。図2は、車両の後部座席2及びその背面側に設置した高電圧機器装置10の分解斜視図である。図3は、高電圧機器装置10の内部構造を示す図で、図1のZ−Z矢視に対応する断面を示す切断斜視図である。図4は、高電圧機器装置10の配置構成を示す図で、図3のX−X矢視に対応する概略図である。これらの図に示す高電圧機器装置10は、エンジンとモータで走行するハイブリッド自動車の車両に搭載される装置である。ハイブリッド自動車は、詳細な図示は省略するが、直流電源のバッテリからモータに給電する際にインバータによって直流から交流に変換し、また、モータを介してエンジンの出力または車両の運動エネルギーの一部をバッテリに蓄電する際にインバータによって交流を直流に変換する。また、インバータによって変換された直流電圧は高圧なので、その一部はDC/DCコンバータによって降圧される。
【0023】
したがって、高電圧機器装置10は、バッテリ(蓄電池)22を内蔵したバッテリユニット(蓄電池ユニット)20と、バッテリの電力を所定電圧に制御するための高電圧制御機器であるインバータユニット41及びDC/DCコンバータ43を内蔵した高電圧制御機器ユニット40とを備えている。加えて、高電圧機器装置10は、バッテリユニット20及び高電圧制御機器ユニット40を収容した箱型のケース60を有すると共に、ケース60内のバッテリユニット20と高電圧制御機器ユニット40を冷却するための冷却構造を有している。なお、以下の説明で前側又は正面側というときは、後述する高電圧機器装置10のケース60の蓋板63及び前壁60a側を指し、後側又は背面側というときは、ケース60の後壁60b側を指すものとする。また、左右というときは、図1に示すように、高電圧機器装置10のケース60を正面側(蓋板63側)から見た状態での左右を指すものとする。
【0024】
図2などに示す座席2は、車両の後部座席(リアシート)である。座席2は、乗員が着席する座部4と、座部4の後方に立設された背凭れ部分を構成するシートバック(センターシートバック)3とを備えて構成されている。なお、シートバック3の両側部には、サイドカバー(サイドシートバック)6が取り付けられている。サイドカバー6は、合成樹脂製の成型品からなるカバー部材である。なお、右側のサイドカバー6には、後述する吸気ダクト45の吸気口46に接続された開口部6aが設けられている。
【0025】
座席2は、座部4の座面4a及びシートバック3の座面(正面)3aが車室9内を向いており、シートバック3の背面3b側は、リアトレイ7の下方における車体の下部フレーム1との間に設けたトランクルーム5に面している。したがって、シートバック3及びサイドカバー6によって、車室9とトランクルーム5とが仕切られている。そして、高電圧機器装置10は、シートバック3の背面3b側のトランクルーム5内に設置されている。この高電圧機器装置10は、ケース60の前壁60aがシートバック3の背面3bに沿うように、若干後方に傾斜した状態で設置されている。
【0026】
高電圧機器装置10のケース60は、図2に示すように、前側の全面に開口部61aを有する長方形状の箱型の本体部61と、本体部61の開口部61aを塞ぐ平板状の蓋板63とで構成されている。蓋板63は、ケース60の前壁60aを構成している。本体部61は、後壁60bとその周囲に設けた上壁60c及び下壁60dと一対の側壁60e,60eとで囲まれた有底の容器状に形成されている。
【0027】
バッテリユニット20は、ケース60内の幅方向(横方向)の中央より右側の部分(右半分)に設置されている。このバッテリユニット20は、前面が開口する箱型のバッテリボックス21と、バッテリボックス21内に装着した複数のバッテリ(蓄電池)22(図3参照)と、バッテリボックス21の前面側に被せて取り付けた板状のフレーム23とを備えている。バッテリボックス21は、アルミニウムやマグネシウム等の剛性の高い材料から形成されている。バッテリボックス21の内部に装着した各バッテリ22を構成するセル電池同士の隙間には、冷却用空気を流通させるための第1冷却流路65が形成されている。第1冷却流路65の詳細については、後述する。
【0028】
また、高電圧制御機器ユニット40は、ケース60内の幅方向(横方向)の中央より左側の部分(左半分)に配置されており、インバータを含むインバータユニット41とDC/DCコンバータ43、及びそれらを設置するための板状のトレイ44及び配線類42などがユニット化された装置である。トレイ44の前側及び後側には、インバータユニット41の構成部品が設置されており、トレイ44の前面側には、DC/DCコンバータ43が設置されている。トレイ44とインバータユニット41及びDC/DCコンバータ43との間には、冷却用空気を流通させるための第2冷却流路80が形成されている。第2冷却流路80の詳細構成については、後述する。
【0029】
また、ケース60内に冷却用空気を導入するための吸気ダクト45が設置されている。吸気ダクト45は、発砲ポリプロピレン等で形成されている。この吸気ダクト45は、バッテリユニット20の右側部に設置されており、正面側を向いて開口する吸気口46と、吸気口46からバッテリユニット20のバッテリボックス21に連通する配管47とを備えている。吸気口46は、右側のサイドカバー6の開口部6aに接続されており、開口部6aを介して車室9内の空気が吸入されるようになっている。
【0030】
また、ケース60内には、送風ファン90が設置されている。送風ファン90は、ケース60内の左側の端部における高電圧制御機器ユニット40の後側に設置されている。また、ケース60内の冷却用空気を外部へ導出するための排気ダクト55が設置されている。排気ダクト55は、吸気ダクト45と同様、発砲ポリプロピレン等で形成されている。排気ダクト55は、送風ファン90の排気端90bから出てケース60の後側の左上方に延伸している。排気ダクト55の先端(下流端)には、排気口56が設けられている。排気口56は、トランクルーム5内に開口している。
【0031】
高電圧機器装置10のケース60内に設けた冷却構造は、バッテリユニット20及び高電圧制御機器ユニット40を冷却するためのもので、ケース60内で吸気ダクト45から排気ダクト55に連通する冷却用空気の通路として、バッテリユニット20を冷却するための第1冷却流路65と、高電圧制御機器ユニット40を冷却するための第2冷却流路80と、第1冷却流路65と第2冷却流路80とを接続する中間ダクト(接続流路)70とを備えている。以下、この冷却構造について詳細に説明する。
【0032】
図3に示すように、第1冷却流路65は、バッテリユニット20内に設けられた流路である。この第1冷却流路65は、吸気ダクト45からの冷却用空気を導入するための導入端(導入部)65aと、バッテリボックス21内の冷却用空気を中間ダクト70へ導出するための導出端(導出部)65bと、バッテリボックス21内で導入端65aから導出端65bに連通する連通路66とを備えている。導入端65aには、吸気ダクト45が接続されており、導出端65bは、中間ダクト70の流入口71に接続されている。連通路66は、導入端65aからバッテリボックス21内をバッテリ22の前側(前壁60a側)に沿って延びる第1通路66aと、バッテリボックス21をバッテリ22の後側(後壁60b側)に沿って導出端65bまで延びる第2通路66bと、各バッテリ22を構成するセル電池の隙間を前後方向(縦方向)に延びて第1通路66aと第2通路66bを連絡している複数の連絡路66cとを備えている。
【0033】
第2冷却流路80は、高電圧制御機器ユニット40の内部に設けられた流路である。この第2冷却流路80は、高電圧制御機器ユニット40の右端に設けた中間ダクト70からの冷却用空気を導入するための導入端80aと、高電圧制御機器ユニット40の左端に設けた冷却用空気を送風ファン90へ導出するための導出端80bと、高電圧制御機器ユニット40の内部で導入端80aから導出端80bに繋がる連通路81とを備えている。導入端80aは、中間ダクト70の流出口72に接続されている。導出端80bは、送風ファン90の吸気端90aに繋がっている。連通路81は、導入端80aから導出端80bに向かって高電圧制御機器ユニット40の内部を幅方向(横方向)に貫通している貫通路である。この連通路81は、トレイ44の前面に沿ってインバータユニット41及びDC/DCコンバータ43との間に設けられている。なお、連通路81には、その面が冷却用空気の流通方向に沿う板状の冷却フィン(図示せず)が配列形成されている。
【0034】
また、図3に示すように、バッテリユニット20と高電圧制御機器ユニット40は、ケース60内の幅方向の両側に並べて設置されており、第1冷却流路65と第2冷却流路80は、ケース60内の当該幅方向の両側それぞれにおいて該幅方向に沿って延びており、中間ダクト70は、ケース60内の当該幅方向の中央部に配置されている。この中間ダクト70は、ケース60内の幅方向の中央部において、後壁(第1隔壁)60bの内面に設置されている。
【0035】
図5は、中間ダクト70の詳細構成を示す図で、図3のY部分の部分拡大図である。同図に示すように、中間ダクト70は、第1冷却流路65の導出端65bに繋がる流入口(第1開口部)71と、第2冷却流路80の導入端80aに繋がる流出口(第2開口部)72と、これら流入口71と流出口72とを連通する内部流路73とを備えている。そして、内部流路73の前後それぞれに間隔を有して対向配置された一対の底壁74,75と、これら底壁74,75の両端同士を繋ぐ側壁76とを有し、一方の底壁74が他方の底壁75よりも大きな面積を有する台形型の断面形状を有している。そして、底壁74は、ケース60の後壁60bの内面によって構成されている。また、流入口71は、右側(バッテリユニット20側)を向く側壁76に形成されており、流出口72は、底壁75に形成されている。
【0036】
中間ダクト70では、図5に示すように、流入口71及び流出口72の断面積が内部流路73の断面積よりも小さな寸法に設定されている。これにより、空気の流通音を消音することが可能な膨張型サイレンサとしての機能を備えることができる。なお、この場合、十分な消音効果を得るためには、流入口71及び流出口72の断面積と流入口71から流出口72までの距離などの各種寸法を適切な寸法に設計されていることが必要である。
【0037】
また、中間ダクト70は、その底壁75及び側壁76を一体に形成してなる略板状の構成部材77を備えている。そして、図2に示すように、中間ダクト70は、構成部材77をケース60の後壁60bの内面に固定し、後壁60bの内面と構成部材77との間に内部流路73を形成した構造である。
【0038】
図1、図3、図5には、高電圧機器装置10のケース60内における冷却用空気の流れを点線の矢印で示している。本実施形態の高電圧機器装置10において、ケース60内を吸気ダクト45から排気ダクト55に連通する冷却用空気の通路は、図3に示すように、吸気ダクト45→第1冷却流路65→中間ダクト70→第2冷却流路80→送風ファン90→排気ダクト55の順に連通している。したがって、送風ファン90の運転によって、吸気口46から吸気ダクト45内に冷却用空気が導入される。吸気ダクト45に導入された冷却用空気は、吸気ダクト45からバッテリボックス21内の第1冷却流路65に導入される。第1冷却流路65内の冷却用空気は、第1通路66aから連絡路66cを通って第2通路66bへ流通する。この第1冷却流路65を通過する冷却用空気がバッテリ22と熱交換を行うことで、バッテリ22の発熱が冷却される。
【0039】
バッテリユニット20内の第1冷却流路65を出た冷却用空気は、中間ダクト70に導入される。中間ダクト70に導入された冷却用空気は、流入口71から内部流路73を通って流出口72に導かれ、中間ダクト70の外部に排出される。ここで、中間ダクト70は、流入口71及び流出口72の断面積が内部流路73の断面積よりも小さな寸法に設定されていることで、膨張型サイレンサとして機能するので、中間ダクト70内を流通する冷却用空気による通風音を消音することができる。
【0040】
中間ダクト70を出た冷却用空気は、高電圧制御機器ユニット40内の第2冷却流路80に導入される。第2冷却流路80を通過する冷却用空気がインバータユニット41及びDC/DCコンバータ43と熱交換を行うことで、これらインバータユニット41及びDC/DCコンバータ43を含む高電圧制御機器ユニット40の発熱が冷却される。第2冷却流路80を出た冷却用空気は、送風ファン90に吸入される。送風ファン90から排出された冷却用空気は、排気ダクト55を介して排気口56からトランクルーム5に排出される。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の高電圧機器装置10は、ケース60内に設置したバッテリユニット20及び高電圧制御機器ユニット40を冷却するための冷却構造として、バッテリユニット20内に設けた第1冷却流路65と、高電圧制御機器ユニット40内に設けた第2冷却流路80と、これら第1冷却流路65と第2冷却流路80を接続する中間ダクト70を備えている。また、第1、第2冷却流路65,80及び中間ダクト70に冷却用空気を流通させるための送風ファン90を備えている。
【0042】
そして、中間ダクト70は、第1冷却流路65に繋がる流入口71と、第2冷却流路80に繋がる流出口72と、これら流入口71と流出口72を連通する内部流路73とを備えており、流入口71及び流出口72の断面積が内部流路73の断面積よりも小さな寸法に設定されている。これにより、中間ダクト70に膨張型サイレンサとしての機能を持たせている。したがって、中間ダクト70を流通する冷却用空気による通風音を消音することができ、冷却用空気の送風による騒音を低減することができる。
【0043】
さらに、図示は省略するが、高電圧機器装置10のケース60とセンターシートバック3の背面3bとの間に防音部材(防音シートなど)を設置した防音構造を設けることがある。この場合、中間ダクト70に上記の膨張型サイレンサとしての機能による消音作用があるので、当該防音部材は、センターシートバック3の背面3b側の一部(例えば、中間ダクト70及びその近傍に対応する部分)を覆うように設置すれば、高電圧制御機器ユニット40で発生した動作音による騒音を座席2の乗員が感知することを効果的に抑制でき、騒音のレベルを無視できる程度にまで低減することが可能となる。また、防音部材をセンターシートバック3の背面3b側の全体に設置する必要が無く、防音部材の使用量が少なく抑えることができるので、コスト低減が可能となる。
【0044】
また、台形型の断面形状を有する中間ダクト70の底壁74がケース60の内面の一部によって構成されていることで、中間ダクト70及びその構成部材77よって、インバータユニット41やDC/DCコンバータ43などの高電圧制御機器やバッテリユニット20などで発生した動作時の振動によるケース60の共振を抑制することができる。特に、台形型の断面形状を有する中間ダクト70の一対の底壁74,75のうち、広い面積の底壁74が後壁60b側に配置されていることで、中間ダクト70がケース60の後壁60bに接する領域をより広い領域として確保することが可能となる。これにより、ケース60の共振を効果的に抑制することができる。
【0045】
また、本実施形態では、中間ダクト70を構成する部材として、底壁75及び側壁76を一体に形成してなる板状の構成部材77を備えている。中間ダクト70は、この構成部材77をケース60の後壁60bの内面に固定し、後壁60bの内面と構成部材77との間に内部流路73を形成した構造である。この構成によって、中間ダクト70の構成部材77をケース60の後壁60bを補強するための補強部材として用いることができる。これにより、従来構造のように、ケースを補強するための補強部材によって冷却用空気の通路の配置に制限を受けずに済む。したがって、ケース60内における第1冷却流路65と第2冷却流路80の間の中央部に中間ダクト70を備えたことで、ケース60内を幅方向に沿って一直線状に貫通する冷却用空気のスムーズな流れを確保しながらも、ケース60に必要な強度を持たせることが可能となる。
【0046】
また、本実施形態では、第1冷却流路65の連通路66には、導入端65aからバッテリボックス21内のバッテリ22の後側を延びる第1通路66aと、バッテリ22の前側を延びて導出端65bに繋がる第2通路66bと、複数のバッテリ22の間を前側から後側へ延びて第1通路66aと第2通路66bとを連絡する連絡路66cとが含まれている。
【0047】
この構成によれば、バッテリユニット20内のバッテリ22の前後それぞれに連通路66の第1通路66aと第2通路66bとが配置されているため、これら第1通路66aと第2通路66bを流通する冷却用空気によって、バッテリ22とケース60の後壁60b又は前壁60aとの間を断熱することができる。したがって、バッテリ22の発熱がケース60の外部へ放出されることを抑制できる。特に、本実施形態では、ケース60の後壁60bと前壁60aがケース60における面積が広い側の一対の隔壁である。そのため、バッテリ22の発熱がケース60の外部へ放出されることをより効果的に抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態では、高電圧機器装置10は、車両の後部座席2におけるシートバック3の背面3b側に設置されている。そして、高電圧機器装置10のケース60における中間ダクト70を設置した後壁60bがシートバック3と反対側である車両の後方を向いて配置されている。これにより、中間ダクト70及びその構成部材77によって車両の後方を向いたケース60の後壁60bが補強されている。したがって、車両の後部衝突に対してケース60に必要な強度を確保することが可能となる。
【0049】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項については、第1実施形態と同じである。図6は、本発明の第2実施形態にかかる冷却構造を有する高電圧機器装置10が備える中間ダクト70−2の詳細構成を示す図で、第1実施形態における図3のY部分に対応する部分の部分拡大図である。
【0050】
本実施形態の高電圧機器装置10が備える中間ダクト70−2は、バッテリユニット20側の側壁76に設けた流入口71に加えて、底壁74に設けた他の流入口78を備えている。流入口78は、底壁74を構成しているケース60の後壁60bに設けられており、トランクルーム5内に向かって開口している。これにより、中間ダクト70−2には、第1冷却流路65から流入口71を通して流入する冷却用空気と、トランクルーム5から流入口78を通して流入する冷却用空気との両方が導入されるようになっている。
【0051】
高電圧機器装置10では、バッテリユニット20と高電圧制御機器ユニット40の夫々で稼働に最適な温度領域が異なっており、高電圧制御機器ユニット40の稼働に最適な温度領域は、バッテリユニット20の稼働に最適な温度領域よりも高い温度領域である。また、高電圧制御機器ユニット40は、スイッチング素子やコンデンサ等の発熱によってユニット自体が高温になり易い性質がある。しかしながら、第1実施形態の冷却構造で、稼働に最適な温度領域を超えて高温になった高電圧制御機器ユニット40を冷却する場合、同時にバッテリユニット20にも冷却用空気が供給されるので、バッテリユニット20も冷却される。そのため、バッテリユニット20が最適な温度領域で稼働している場合には、それをさらに冷却することになってしまう。これにより、バッテリユニット20の稼働温度が最適温度よりも低い温度になってしまうおそれがある。
【0052】
そこで、本実施形態の冷却構造では、中間ダクト70−2に、第1冷却流路65を経由せず冷却用空気を流入させるための流入口78を追加した。これにより、送風ファン90の運転によって、バッテリユニット20を冷却するための第1冷却流路65を通過した冷却用空気に加えて、トランクルーム5から直接取り入れた冷却用空気を用いて高電圧制御機器ユニット40を冷却することができる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態の冷却構造では、中間ダクト70−2に流入口78を設けたことで、高電圧制御機器ユニット40が高温になったときに、バッテリユニット20の稼働温度が想定以上に低下することを防止しながら、高電圧制御機器ユニット40を効率的に冷却することが可能となる。また、流入口78を設けたことで、バッテリユニット20を冷却するための第1冷却流路65以外の経路で中間ダクト70−2に冷却用空気を導入できるので、冷却用空気が第1冷却流路65を通過する際の圧損を低減することができる。これにより、送風ファン90を大型化せずに済むので、送風ファン90の設置スペースの低減、軽量化、省電力化を図ることができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、中間ダクト70の底壁74がケース60の後壁60bの一部で構成されている場合を示したが、これ以外にも、中間ダクト70の底壁74をケース60の後壁60bとは別部材として設け、当該底壁74が後壁60bの内面に固定した構造としてもよい。また、上記実施形態では、台形型の断面形状を有する中間ダクト70の側壁76に第1冷却流路65に連通する流入口71を設け、底壁75に第2冷却流路80に連通する流出口72を設けた場合を示したが、これ以外にも、図示は省略するが、例えば、第1冷却流路65に連通する流入口を底壁75に設け、第2冷却流路80に連通する流出口を側壁76に設けるなど、他の構成を採用することも可能である。
【0055】
また、上記実施形態における自動車はハイブリッド自動車であったが、本発明にかかる冷却構造を有する高電圧機器装置10は、モータのみで走行する電気自動車にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 下部フレーム
2 座席(後部座席)
3 シートバック(背凭れ)
3b 背面
5 トランクルーム
6 サイドカバー
6a 開口部
7 リアトレイ
9 車室
10 高電圧機器装置
20 バッテリユニット
21 バッテリボックス
22 バッテリ
23 フレーム
40 高電圧制御機器ユニット
41 インバータユニット
43 DC/DCコンバータ
45 吸気ダクト
46 吸気口
47 配管
55 排気ダクト
56 排気口
60 ケース
60a 前壁(第2隔壁)
60b 後壁(第1隔壁)
61 本体部
63 蓋板
65 第1冷却流路
65a 導入端
65b 導出端
66 連通路
66a 第1通路
66b 第2通路
66c 連絡路
70 中間ダクト
71 流入口
72 流出口
73 内部流路
74 底壁
75 底壁
76 側壁
77 構成部材
80 第2冷却流路
80a 導入端
80b 導出端
81 連通路
90 送風ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池を内蔵した蓄電池ユニットと、前記蓄電池の電力を制御するための高電圧制御機器を内蔵した高電圧制御機器ユニットと、前記蓄電池ユニット及び前記高電圧制御機器ユニットを収容してなるケースと、を有すると共に、
前記ケース内の前記蓄電池ユニットと前記高電圧制御機器ユニットを冷却するための冷却構造を有する高電圧機器装置であって、
前記冷却構造は、
前記蓄電池ユニットを冷却するための第1冷却流路と、前記高電圧制御機器ユニットを冷却するための第2冷却流路と、前記第1冷却流路と前記第2冷却流路とを接続する接続流路と、前記第1、第2冷却流路及び前記接続流路内に送風するための送風手段と、を備え、
前記接続流路は、前記第1冷却流路に繋がれた第1開口部と、前記第2冷却流路に繋がれた第2開口部と、前記第1開口部と前記第2開口部とを連通する内部流路と、を備え、前記第1開口部及び前記第2開口部の断面積が前記内部流路の断面積よりも小さな寸法に設定されている
ことを特徴とする冷却構造を有する高電圧機器装置。
【請求項2】
前記接続流路は、前記内部流路の両側に間隔を有して対向配置した一対の底壁と、これら一対の底壁の両端同士を繋ぐ側壁とを備え、一方の底壁が他方の底壁よりも大きな面積である台形型の断面形状を有しており、
前記一方の底壁は、前記ケースを構成する隔壁の内面に固定されているか、又は前記隔壁の内面によって構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の高電圧機器装置。
【請求項3】
前記他方の底壁には、前記第1開口部と前記第2開口部のいずれか一方が形成されており、前記側壁には、前記第1開口部と前記第2開口部のいずれか他方が形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の冷却構造を有する高電圧機器装置。
【請求項4】
前記蓄電池ユニットと高電圧制御機器ユニットは、前記ケース内の幅方向の両側に並べて設置されており、
前記第1冷却流路と前記第2冷却流路は、前記ケース内の前記幅方向の両側それぞれにおいて該幅方向に沿って延びており、
前記接続流路は、前記ケース内の前記幅方向の中央部に配置されており、
前記接続流路は、前記底壁及び前記側壁を一体に形成してなる構成部材を備え、該構成部材を前記ケースの前記隔壁の内面に固定し、前記隔壁の内面と前記構成部材との間に前記内部流路を形成した構造である
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の冷却構造を有する高電圧機器装置。
【請求項5】
前記ケースの前記隔壁は、前記接続流路が設置された第1隔壁と、該第1隔壁に対して間隔を有して対向配置された第2隔壁とを含み、
前記第1隔壁と前記第2隔壁との間に前記蓄電池ユニットが配置されており、
前記第1冷却流路は、
前記第2隔壁の一端側に設けた冷却用空気を導入する導入部と、前記接続流路へ前記冷却用空気を導出する導出部と、前記導入部と前記導出部を連通する連通路と、を備え、
前記連通路には、前記導入部から前記蓄電池と前記第1隔壁との間に沿って延びる第1通路と、前記蓄電池と前記第2隔壁との間を延びて前記導出部に繋がる第2通路と、前記蓄電池の間を前記第1隔壁側から前記第2隔壁側に延びて前記第1通路と前記第2通路とを連絡する連絡路と、が含まれている
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の冷却構造を有する高電圧機器装置。
【請求項6】
座部と、該座部の後方に立設した背凭れとを有する座席と、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の高電圧機器装置と、を備え、
前記高電圧機器装置は、前記座席の前記背凭れの背面側に設置されている
ことを特徴とする車両。
【請求項7】
前記高電圧機器装置は、請求項5に記載の高電圧機器装置であって、
前記ケースにおける前記接続路を設置した前記第1隔壁が前記背凭れと反対側である車両の後方を向いて設置されている
ことを特徴とする請求項6に記載の車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−148584(P2012−148584A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6402(P2011−6402)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】