説明

冷却装置及び冷却装置の使用方法

【課題】発熱量の大きい半導体チップを冷媒を用いて冷却しても、信頼性を損なうことなく、冷却能力を向上し得る冷却装置及び冷却装置の使用方法を提供する。
【解決手段】冷媒52が通流可能な孔30が内部に形成された受熱部10を有し、受熱部の孔の内面の材料がシリコンを含み、冷媒として、受熱部の孔の内面の材料に対して還元作用を示す液体が用いられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置及び冷却装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)等の発熱量の大きい半導体チップは、誤動作等を防止すべく、冷却しながら用いることが求められる。
【0003】
従来より空冷式の冷却装置が知られているが、近時では、冷却能力の高い水冷式の冷却装置が注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−336351号公報
【特許文献2】特開2000−153281号公報
【特許文献3】特開平9−29360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近時では、冷却装置の冷却能力を更に向上することが求められている。
【0006】
本発明の目的は、信頼性を損なうことなく、冷却能力を向上し得る冷却装置及び冷却装置の使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一観点によれば、冷媒が通流可能な孔が内部に形成された受熱部を有し、前記受熱部の前記孔の内面の材料がシリコンを含み、前記冷媒として、前記受熱部の前記孔の内面の材料に対して還元作用を示す液体が用いられていることを特徴とする冷却装置が提供される。
【0008】
実施形態の他の観点によれば、冷媒が通流可能な孔が内部に形成された受熱部を有し、前記受熱部の前記孔の内面の材料がシリコンを含む冷却装置の使用方法であって、前記冷媒として、前記受熱部の前記孔の内面の材料に対して還元作用を示す液体を用いることを特徴とする冷却装置の使用方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示の冷却装置によれば、冷媒として、受熱部の孔の内面の材料に対して還元作用を示す液体が用いられる。このため、受熱部の孔の内面の酸化物が除去され、受熱部の孔の内面が疎水化され、受熱部の孔の内面にパーティクルが付着しにくい状態となる。また、冷媒中における酸素濃度が十分に低減されるため、冷媒中にバクテリアが生じるのを防止することができる。従って、冷却能力を向上すべく、受熱部の孔の微細化を図った場合であっても、受熱部の孔がパーティクルやバクテリア等により狭まってしまったり、塞がってしまったりするのを防止することができる。従って、信頼性を損なうことなく、冷却装置の冷却能力を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態による冷却装置を示すブロック図である。
【図2】一実施形態による冷却装置の受熱部の基部を示す平面図及び断面図である。
【図3】一実施形態による冷却装置の受熱部の蓋部を示す平面図及び断面図である。
【図4】一実施形態による冷却装置の受熱部を示す平面図及び断面図である。
【図5】一実施形態による冷却装置を回路基板上に実装した状態を示す断面図である。
【図6】受熱部の孔の内面の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
参考例による冷却装置について説明する。
【0012】
参考例による冷却装置は、冷媒が通流可能な孔が内部に多数形成された受熱部を有している。
【0013】
発熱体から放熱される熱を受熱部により効率的に受熱するためには、受熱部の孔の内面の面積の総和を大きくすることが考えられる。
【0014】
受熱部の孔の内面の面積の総和を大きくするためには、受熱部内に形成する孔を微細化し、単位領域内における孔の数を増加させることが考えられる。
【0015】
しかしながら、受熱部内の孔を微細化した場合には、パーティクル等により孔が狭まってしまったり、孔が塞がってしまったりすることが考えられる。この場合には、長期に亘っての安定動作が困難になってしまう。
【0016】
本願発明者は、鋭意検討した結果、以下のようにして、信頼性を行うことなく、冷却装置の冷却能力を向上することに想到した。
【0017】
[一実施形態]
一実施形態による冷却装置及び冷却装置の使用方法を図1乃至図6を用いて説明する。
【0018】
図1は、本実施形態による冷却装置を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態による冷却装置は、内部を通流する冷媒によって発熱体からの熱を受熱する受熱部10と、冷媒によって受熱した熱を放熱する放熱部12と、冷媒が循環する配管14a、14b、16と、冷媒を循環させるポンプ18とを有している。
【0020】
図2は、受熱部(受熱器、熱交換器)の基部を示す平面図及び断面図である。図2(a)は平面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A′線断面図である。
【0021】
図2に示すように、板状の基部20には、複数の溝22が形成されている。複数の溝22は、並行するように形成されている。基部20の材料としては、例えばシリコンが用いられている。基部20の外形寸法は、例えば15mm×30mm×0.5mm程度である。溝22の幅は、例えば70μm程度とする。複数の溝22のピッチは、例えば100μm程度とする。溝22の深さは、例えば0.3mm程度とする。溝22の数は、例えば100程度とする。
【0022】
なお、溝22の幅やピッチは上記に限定されるものではない。例えば、溝22の幅を7μm程度としてもよい。また、複数の溝22のピッチを、例えば10μm程度としてもよい。この場合には、溝22の数は、1000程度となる。
【0023】
複数の溝22の長手方向の一方の側には、複数の溝22の一方の側の端部に接続された開口部24aが形成されている。複数の溝22の一方の側の端部は、開口部24aにより互いに接続されている。複数の溝22の長手方向の他方の側には、複数の溝22の他方の側の端部に接続された開口部24bが形成されている。複数の溝22の他方の側の端部は、開口部24bにより互いに接続されている。溝22及び開口部24a、24bは、例えばdeep−RIE(深堀りRIE)により形成することができる。deep−RIEは、アスペクト比の高い(狭く深い)反応性イオンエッチング(RIE,Reactive Ion Etching)のことである。
【0024】
図3は、受熱部の蓋部を示す平面図及び断面図である。
【0025】
蓋部26は、基部20上に設けられるものである。蓋部26の材料としては、例えばシリコンが用いられている。蓋部26の外形寸法は、例えば15mm×30mm×(0.2〜0.5)mm程度とする。蓋部26には、冷媒52(図5参照)を通流させるための貫通孔28a、28bが形成されている。蓋部26の貫通孔28a、28bは、蓋部26を基部20上に配置した際に、基部20の開口部24a、24b上に位置する。
【0026】
図4は、受熱部を示す平面図及び断面図である。図4(a)は平面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A′線断面図であり、図4(c)は図4(a)のB−B′線断面図である。
【0027】
基部20の上面と蓋部26の下面とは互いに接合されている。基部20と蓋部26とを接合する際には、例えばSi−Si接合技術を用いることができる。より具体的には、アンモニアと過酸化水素とを含む薬液を用いて、基部20と蓋部26の表面に対して薬液処理を行った後、基部20と蓋部26とを重ね合わせて、例えば1000℃で熱処理を行うことにより、基部20と蓋部26とを接合することが可能である。
【0028】
複数の溝22が形成された基部20に蓋部26を接合することにより、複数の孔(細管、冷媒流路、冷媒流路孔)30が受熱部10に形成される。溝22の幅が例えば70μm程度であり、溝22の深さが例えば0.3mm程度の場合、孔30の断面のサイズは、70μm×0.3mm程度となる。
【0029】
本実施形態において、このような微細な孔30を、受熱部10内に多数形成しているのは、孔30の内面の面積の総和を十分に大きく確保するためである。これにより、冷媒52と受熱器10との間の接触面積が十分に大きく確保され、発熱体33からの熱を高効率で冷媒52によって受熱することが可能となる。
【0030】
蓋部26に形成された貫通孔28a、28bと、基部20に形成された開口部24a、24bとは、それぞれ繋がっている。
【0031】
図5は、本実施形態による冷却装置を回路基板上に実装した状態を示す断面図である。
【0032】
図5に示すように、回路基板(プリント配線板)32上には、発熱体である半導体チップ(半導体装置、LSI)33が実装されている。半導体チップ33の上面のサイズは、例えば10mm×10mm程度である。回路基板32としては、例えばガラスエポキシ基板等が用いられている。
【0033】
また、回路基板32には、押さえ部34を回路基板32に固定するための取付け部36が設けられている。取付け部36は、例えば接着剤により回路基板32に固定されている。取付け部26には、ねじ穴38が形成されている。
【0034】
半導体チップ33上には、インジウムシート40が配されている。インジウムシート40は、半導体チップ33と受熱部10との間における熱抵抗を十分に低減するためのものである。
【0035】
上面にインジウムシート40が配された半導体チップ33上には、受熱部10が配されている。
【0036】
半導体チップ33上に受熱部10が配された回路基板32上には、受熱部10を半導体チップ33上に固定するための押さえ部34が配されている。押さえ部34には、押さえ部34を回路基板32の取付け部36にねじ止めするための孔42が形成されている。押さえ部34は、回路基板32の取付け部36にねじ44を用いて固定される。
【0037】
押さえ部36には、継ぎ手(コネクタ)46a、46bを押さえ部34に取り付けるための開口部48a、48bが形成されている。押さえ部34には、開口部48a、48bに嵌合された継ぎ手46a、46bを固定するためのロック機構(図示せず)が設けられている。また、押さえ部34には、貫通孔50a、50bが形成されている。貫通孔50a、50bの上端部は、開口部48a、48bの下端部に繋がっている。貫通孔50a、50bは、冷媒52を通流させるためのものである。貫通孔50a、50bの下端部の周囲には、Oリング54を配すためのOリング溝56a、56bが形成されている。Oリング溝56a、56b内には、Oリング54が配されている。Oリング54は、冷媒52が外部に漏れるのを防止するためのものである。
【0038】
押さえ部34の貫通孔50a、50bは、押さえ部34を取付け部36にねじ止めすることにより、受熱部10の蓋部26の貫通孔28a、28bとそれぞれ繋がる。
【0039】
継ぎ手46a、46bは、配管14a、14bの先端にそれぞれ取り付けられている。配管14a、14bは、継ぎ手46a、46bを介して貫通孔50a、50bに接続される。
【0040】
配管14aには、冷媒52を循環させるためのポンプ18(図1参照)が配されている。
【0041】
ポンプ18としては、例えば、小型チューブポンプ等を用いることができる。チューブポンプとは、ローラ又はタイヤ(リング)によりチューブを圧迫して押し潰し、吐出方向へ順次移動させることによって液体を搬送する方式のポンプである。チューブ復元により吸引を行うため、吐出・吸引を繰り返し、連続したポンプ動作が可能である。かかる小型チューブポンプは、例えば、株式会社A&Mにより提供されている。かかる小型チューブポンプは、例えばブラシレスモータにより駆動される。かかる小型チューブポンプのサイズは、例えば、高さが14.5mm程度、全長が50mm程度、ポンプ部外径がφ26mm程度、モータ部外径がφ33mm程度である。ポンプとして小型チューブポンプを用いる場合、配管14a、14bの材料としては、例えば高分子材料が用いられる。
【0042】
なお、ポンプ18は、小型チューブポンプに限定されるものではない。例えば、ポンプ18として、マイクロポンプ等を用いてもよい。かかるマイクロポンプとしては、例えば、シナノケンシ株式会社製のマイクロポンプ(商品名:マイクロポンプアクア、品名:PPLT−01040−002)等を用いることができる。かかるマイクロポンプは、例えば電磁駆動ピストン方式が採用されている。かかるマイクロポンプのサイズは、例えば56mm×39mm×30mm程度である。
【0043】
放熱部12としては、例えばヒートシンクを用いることができる。ヒートシンク12には、十分な放熱効率を確保すべく、複数のフィン(図示せず)が形成されている。放熱部12の材料としては、例えば銅やアルミニウム等が用いられている。放熱部12に接する配管16としては、金属製の配管が用いられる。配管16の材料は、例えば銅とする。配管16と放熱部12との接触面積を十分に確保すべく、配管16は多数回屈曲するように形成されている。配管16の端部には、継ぎ手(コネクタ)58a、58bが取り付けられている。配管14a、14bの端部にも、継ぎ手60a、60bが取り付けられている。配管14aの端部に設けられた継ぎ手60aと、配管16の端部に設けられた継ぎ手58aとが互いに接続される。これにより、配管14aと配管16とが、継ぎ手60a、58bを介して接続される。配管14bの端部に設けられた継ぎ手60bと配管16の端部に設けられた継ぎ手58bとはが互いに接続される。これにより、配管14bと配管16とが、継ぎ手60b、58bを介して接続される。
【0044】
配管14a、14b、16、孔30、開口部24a、24b及び貫通孔28a、28b、50a、50b等により、冷媒流路が形成されている。冷媒流路内には、冷媒52(図5参照)が充填されている。冷媒52としては、受熱部10の孔30の内面の材料に対して還元作用を示す液体が用いられている。受熱部10の基部20及び蓋部26の材料としてシリコンが用いられている場合には、受熱部10の孔30の内面の材料はシリコンである。従って、シリコンに対して還元作用を示す液体が、冷媒52として用いられる。
【0045】
本実施形態において、冷媒52として、受熱部10の孔30の内面の材料に対して還元作用を示す液体を用いるのは、以下のような理由によるものである。
【0046】
即ち、受熱部10の孔30の内面の材料がシリコンである場合には、孔30の内面にはシリコンの酸化物62が存在している。図6(a)は、孔の内面に酸化物62が存在している状態を示す断面図である。かかる酸化物62は、deep−RIE法により溝22を形成する際や、Si−Si接合技術により基部20と蓋部26とを接合する際等に生成される。かかる酸化物62は、例えばSiO等である。このような酸化物62が孔30の内面に存在していると、孔30の内面は親水性を示す。このような酸化物62が孔30の内面に存在している状態においては、孔30の内面にはパーティクル(図示せず)等が付着しやすい。従って、冷媒52として単に水等を用いた場合には、孔30の内面にパーティクル等が付着してしまう虞がある。孔30の内面にパーティクル等が付着すると、孔30が狭められる。高い冷却効果を実現すべく、孔30を非常に微細に形成した場合には、孔30の内面にパーティクルが付着すると、孔30がパーティクルにより塞がってしまう場合もある。また、冷媒52として単に水等を用いた場合には、冷媒52中にバクテリアが発生してしまう虞がある。孔30の内面にバクテリアが付着すると、孔30がバクテリアにより狭められてしまったり、孔30がバクテリアにより塞がってしまったりする虞がある。
【0047】
これに対し、本実施形態のように、受熱部10の孔の内面の材料に対して還元性を示す液体を冷媒52として用いれば、受熱部10の孔30の内面に存在する酸化物62が還元され、孔30の内面に酸化物62が存在しない状態となる。図6(b)は、孔の内面から酸化物62が除去された状態を示す断面図である。図6(b)に示すように、孔30の内面には酸化物62は存在しておらず、水素原子が孔30の内面の近傍に存在する状態となる。酸化物62が孔30の内面に存在しない状態では、孔30の内面は疎水性を示す。孔30の内面に酸化物62が存在しない状態においては、孔30の内面にはパーティクル等が付着しにくい。従って、本実施形態のように、受熱部10の孔30の内面の材料に対して還元性を示す液体を冷媒52として用いれば、孔30の内面にパーティクルが付着するのを防止することができる。また、受熱部10の孔30の内面の材料に対して還元性を示す液体を冷媒52として用いれば、冷媒52中における酸素濃度が十分に低くなり、冷媒52中にバクテリアが発生するのも防止することができる。従って、受熱部10の孔30の内面の材料に対して還元性を示す液体を冷媒52として用いれば、孔30の内面にバクテリアが付着するのも防止することができる。
【0048】
このような理由により、本実施形態では、受熱部10の孔30の内面の材料に対して還元作用を示す液体を、冷媒52として用いている。
【0049】
受熱部10の孔30の内面の材料に対して還元作用を示す溶質としては、例えば亜硫酸ナトリウムや亜硫酸アンモニウム等を挙げることができる。
【0050】
そして、受熱部10の孔30の内面の材料に対して還元作用を示す液体としては、例えば、亜硫酸ナトリウム水溶液や、亜硫酸アンモニウム水溶液等を挙げることができる。
【0051】
なお、受熱部10の孔30の内面の材料に対して還元作用を示す液体は、亜硫酸ナトリウム水溶液や亜硫酸アンモニウム水溶液に限定されるものではない。受熱部10の孔30の内面の材料に対して還元作用を示す液体を、受熱部10の孔の内面の材料に応じて適宜用いるようにすればよい。
【0052】
このように、本実施形態によれば、冷媒52として、受熱部10の孔30の内面の材料に対して還元作用を示す液体を用いる。このため、本実施形態によれば、受熱部10の孔30の内面の酸化物62が除去され、受熱部10の孔30の内面が疎水性となり、受熱部10の孔30の内面にパーティクルが付着するのを防止することができる。また、冷媒52中における酸素濃度が十分に低減されるため、冷媒52中にバクテリアが生じるのを防止することができる。従って、本実施形態によれば、冷却能力を向上すべく、受熱部10の孔30の微細化を図った場合であっても、受熱部10の孔30がパーティクルやバクテリア等により狭まってしまったり、塞がってしまったりするのを防止することができる。従って、本実施形態によれば、信頼性を損なうことなく、冷却能力を向上し得る冷却装置を提供することが可能となる。
【0053】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0054】
例えば、上記実施形態では、受熱部10の材料としてシリコンを用いる場合を例に説明したが、受熱部10の材料はシリコンに限定されるものではない。例えば受熱部10の材料として、シリコンゲルマニウムやシリコンカーバイト等を用いてもよい。
【0055】
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0056】
(付記1)
冷媒が通流可能な孔が内部に形成された受熱部を有し、
前記受熱部の前記孔の内面の材料がシリコンを含み、
前記冷媒として、前記受熱部の前記孔の内面の材料に対して還元作用を示す液体が用いられている
ことを特徴とする冷却装置。
【0057】
(付記2)
付記1記載の冷却装置において、
前記冷媒は、亜硫酸ナトリウムを含む水溶液、又は、亜硫酸アンモニウムを含む水溶液である
ことを特徴とする冷却装置。
【0058】
(付記3)
付記1又は2記載の冷却装置において、
前記冷媒により伝熱される熱を放熱する放熱部と、
前記受熱部と前記放熱部との間に設けられ、前記冷媒が循環する配管と、
前記冷媒を循環させるポンプとを更に有する
ことを特徴とする冷却装置。
【0059】
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の冷却装置において、
前記発熱体は、半導体装置である
ことを特徴とする冷却装置。
【0060】
(付記5)
冷媒が通流可能な孔が内部に形成された受熱部を有し、前記受熱部の前記孔の内面の材料がシリコンを含む冷却装置の使用方法であって、
前記冷媒として、前記受熱部の前記孔の内面の材料に対して還元作用を示す液体を用いる
ことを特徴とする冷却装置の使用方法。
【0061】
(付記6)
付記5記載の冷却装置において、
前記冷媒は、亜硫酸ナトリウムを含む水溶液、又は、亜硫酸アンモニウムを含む水溶液である
ことを特徴とする冷却装置の使用方法。
【0062】
(付記7)
付記5又は6記載の冷却装置の使用方法において、
前記冷却装置は、前記冷媒により伝熱される熱を放熱する放熱部と、前記受熱部と前記放熱部との間に設けられ、前記冷媒が循環する配管と、前記冷媒を循環させるポンプとを更に有する
ことを特徴とする冷却装置の使用方法。
【0063】
(付記8)
付記5乃至8のいずれかに記載の冷却装置の使用方法において、
前記発熱体は、半導体装置である
ことを特徴とする冷却装置の使用方法。
【符号の説明】
【0064】
10…受熱部
12…放熱部
14a、14b…配管
16…配管
18…ポンプ
20…基部
22…溝
24a、24b…開口部
26…蓋部
28a、28b…貫通孔
30…孔
32…回路基板
33…半導体チップ、発熱体
34…押さえ部
36…取付け部
38…ねじ穴
40…インジウムシート
42…ねじ穴
44…ねじ
46a、46b…継ぎ手
48a、48b…開口部
50a、50b…貫通孔
52…冷媒
54…Oリング
56a、56b…Oリング溝
58a、58b…継ぎ手
60a、60b…継ぎ手
62…シリコン酸化物
64…水素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が通流可能な孔が内部に形成された受熱部を有し、
前記受熱部の前記孔の内面の材料がシリコンを含み、
前記冷媒として、前記受熱部の前記孔の内面の材料に対して還元作用を示す液体が用いられている
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
請求項1記載の冷却装置において、
前記冷媒は、亜硫酸ナトリウムを含む水溶液、又は、亜硫酸アンモニウムを含む水溶液である
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の冷却装置において、
前記冷媒により伝熱される熱を放熱する放熱部と、
前記受熱部と前記放熱部との間に設けられ、前記冷媒が循環する配管と、
前記冷媒を循環させるポンプとを更に有する
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の冷却装置において、
前記発熱体は、半導体装置である
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項5】
冷媒が通流可能な孔が内部に形成された受熱部を有し、前記受熱部の前記孔の内面の材料がシリコンを含む冷却装置の使用方法であって、
前記冷媒として、前記受熱部の前記孔の内面の材料に対して還元作用を示す液体を用いる
ことを特徴とする冷却装置の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−174794(P2012−174794A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33548(P2011−33548)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】