凹凸胸壁を備える高密度で頑強なコネクタ
【解決手段】高速コネクタは、2列の導電性端子(420)が絶縁性支持本体に支持される複数のウェハ形の構成要素(400)を含み、前記支持体は、列の導電性端子間に配設された内部キャビティ(133)を含む。端子は水平方向の端子対を作るように配列され、内部キャビティは2端子列内に配列された各水平方向の端子対の間に空気チャネルを画定する。さらに、端子対は各端子対の水平方向を向く面が互いに対向して水平方向の端子対の間での側面結合を促進するように、互いに位置合せされている。構成要素は、さらに、端子の隣接する対の電気的分離を提供するために、隣接する端子対の間に垂直の凹凸胸壁(440)を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電気コネクタに関し、より詳細には、バックプレーンアプリケーションでの使用に適した、頑丈な構造と改善された電気的性能とを有する改良されたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
バックプレーンは、種々の電気回路及び部品を有する大きな回路基板である。バックプレーンは、一般に、情報技術分野のサーバやルータに使用される。バックプレーンは、通常、他のバックプレーンや、回路と部品を有するドーターボードとして知られる他の回路基板に接続される。バックプレーン技術が進歩するにつれて、バックプレーンのデータ転送速度が向上している。数年前には、1ギガビット/秒〔Gb/秒〕のデータ転送速度が高速と考えられていた。この速度は、3〜6〔Gb/秒〕まで向上し、現在では、産業界は、数年のうちに12〔Gb/秒〕等の速度が実現されると予想している。
【0003】
高いデータ転送速度では、差動信号方式が使用され、正確なデータ転送を保証するためには、そのような試験信号印加におけるクロストークとスキューとをできるだけ小さくすることが望ましい。データ転送速度の向上とともに、産業界のコスト削減の要求が高まった。過去において、高速信号転送には、差動信号端子をシールドすることが必要とされ、このシールドは、バックプレーンコネクタに組込む個々のシールドを別々に形成しなければならないため、バックプレーンコネクタのサイズ及びコストを増大させていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのようなシールドは、コネクタの頑強さも高めており、したがって、シールドを除去する場合には、コネクタの頑強さを保持しなければならなかった。シールドを使用すると、コネクタの製造及び組立のコストも増大し、個別のシールド要素の幅によって、シールドされたバックプレーンコネクタの全体サイズは比較的大きかった。
【0005】
本発明は、高速データ転送を可能にし、個別のシールドの使用をなくし、かつ、経済的に製造することができ、多数の係合及び解放サイクルを可能にするほど頑強な、改良されたバックプレーンコネクタに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の一般的な目的は、次世代のバックプレーンアプリケーションに使用する新しいバックプレーンコネクタを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、2枚の回路基板内の回路を接続する際に使用され、端子密度が高く、高速でクロストークが少なく、かつ、頑強なコネクタを提供することである。
【0008】
本発明の更なる目的は、バックプレーンアプリケーションに使用されるコネクタを提供することであり、該コネクタは、行を形成するように配設された複数の導電性端子を有し、端子の行は、信号端子又は接地端子を含み、コネクタを直角及び直交結合アプリケーションに使用することができるようにする支持構造内に保持されている。
【0009】
本発明の更に他の目的は、バックプレーンヘッダ構成要素と、該バックプレーンヘッダ構成要素と嵌(かん)合可能なウェハコネクタ構成要素とを含むバックプレーンコネクタ組立体を提供することであり、バックプレーンヘッダ構成要素は、バックプレーンの表面に配設されたベース部分と、該ベース部分の両端から延在してウェハコネクタ構成要素が嵌(はま)るチャネルを画定する2つの側壁とを有し、バックプレーンヘッダ構成要素は複数の導電性端子を含み、各端子は、平坦(たん)な接点ブレード部分、コンプライアントテール部分、及び、接点部分とテール部分とをそれらが互いにオフセットされるように相互接続する本体部分を有し、バックプレーンヘッダ構成要素は、端子収容キャビティと関連するスロットを含み、該スロットは、バックプレーンヘッダ構成要素の全体に亘(わた)って端子間に空気ギャップ、すなわち、チャネルを提供する。
【0010】
本発明の更なる目的は、2つ対象な列に配列された複数の導電性端子を有するウェハコネクタ要素を提供することであり、端子の各々は、一端に接触部分を備えるとともに他端にテール部分を備え、単一のウェハコネクタ構成要素を形成するために組合される絶縁性支持半体内に端子が保持されている。
【0011】
本発明の付加的な目的は、2列の導電性端子が絶縁性支持体内に支持されたウェハコネクタ構成要素を提供することであり、絶縁性支持体は、2列の導電性端子の間に配設された内部キャビティを含み、端子は水平方向の端子対を作るように配列されており、キャビティは、2端子列内に配列された水平方向の端子対の間に空気チャネルを画定し、端子は、さらに、2行における端子の水平方向を向く面が互いに対向して水平方向の端子対の間での側面結合を促進するように、各行において互いに位置合せされている。
【0012】
本発明の他の目的は、複数のウェハから組立てたバックプレーンコネクタを提供することであり、各ウェハは、複数行の導電性端子を支持するとともに、各行の端子の間に配設された内部キャビティを備え、キャビティは、各行の端子の間の側面容量結合に影響する選択された誘電率を有するインサートを収容している。
【0013】
本発明の更に他の目的は、複数のコネクタ要素を利用した高密度バックプレーンコネクタを提供することであり、各コネクタ要素は2行の導電性端子を支持し、2行の端子は、関連付けられた端子の複数の対を画定し、この関連付けられた端子は、端子対の間の側面容量結合を促進するために互いに併設状態となるように位置合せされており、2行の端子は、接地シールドなしで、所定の間隔でコネクタ要素内に保持されており、各行の端子は、行内の隣接する端子の間に複数の凹凸胸壁(castellation)を備える絶縁性の枠体によって支持されている。凹凸胸壁は、各端子対の端子の結合エネルギー強度を側面結合に集中させ、隣接する端子対の間の縁結合を防ぐ。
【0014】
本発明は、これらの目的及びその他の目的をその構造によって達成する。1つの主な形態では、本発明は、ベース部分と、一連のスロット又はチャネルを協力的に画定する少なくとも1対の側壁とを有するピンヘッダの形を採るバックプレーンコネクタ構成要素を含み、スロットがそれぞれ、ウェハコネクタ構成要素の嵌合部分を収容する。ベース部分は、導電性端子をそれぞれ収容する複数の端子収容キャビティを有する。端子はその両端に平坦な接点ブレード部分とコンプライアントテール部分とが形成されている。これらの接点ブレード部分とテール部分とは互いにオフセットされており、キャビティは、接点ブレード部分とテール部分とを収容するように構成されている。好ましい実施の形態では、キャビティは、H形を有するように示され、H形キャビティの脚部分はそれぞれ端子のうちの1つの端子を収容し、H形キャビティの相互接続するアームは開いたままであり、それにより、2個の端子間に空気チャネルを画定する。そのような空気チャネルは、端子対の間に側面結合を達成するために各端子行の端子対の間に水平方向に存在する。
【0015】
本発明の他の主な形態では、バックプレーンヘッダと嵌合する複数のウェハコネクタ構成要素が提供される。そのようなウェハコネクタ構成要素はそれぞれ、(その嵌合端から見て)2つの垂直方向の列を作るように配列された複数の導電性端子を有し、2つの列は端子の複数の水平方向の端子行を画定し、各行は1対の端子、好ましくは1対の差動信号端子を含む。各ウェハコネクタ行内の端子は、端子対の間にブロードサイド容量結合が生じるように側面で位置合せされる。各端子対のインピーダンスを調整するために、各ウェハ構成要素は、内部キャビティを画定する構造を有し、この内部キャビティは端子列の間に設けられ、その結果、各ウェハコネクタ構成要素内の各端子対の間に空気チャネルが存在するようになる。
【0016】
本発明の他の主な形態では、ウェハコネクタ構成要素端子の接点部分は、ウェハの前方に延在し、カンチレバー状の接点ビーム構造を有する二股接点として形成される。絶縁性ハウジング又はカバー部材が、各ウェハコネクタ構成要素毎に提供されてもよく、そのような例では、ハウジングは、接点ビームを収容し保護するために各ウェハコネクタ構成要素の嵌合端と係合する。代替として、カバー部材は、複数のウェハコネクタ要素を収容する大きなカバー部材として形成されてもよい。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態では、これらのハウジング又はカバー部材はU形を有し、U形の脚部分は、ウェハコネクタ構成要素の対向する上縁及び下縁と係合し、U形のベース部分は、接点ビームに保護シュラウドを提供する。Uの(視点によって正面の)ベース部分には、端子の接点部分と位置合せされた一連のI形又はH形の開口部が形成されている。これらの開口部は、接点ビーム間の個別の空気チャネルを画定し、その結果、ウェハコネクタ構成要素内の実質的に端子の経路全体に亘って端子対の間の側面結合のために空気の誘電率を使用することができるようになる。
【0018】
本発明の他の実施形態では、コネクタウェハ要素を構成する半体の各々は、各端子行の端子の縁の間に配設されたチャネル又は凹部の形態の凹凸胸壁と呼ばれるものを複数含んでいる。この凹凸胸壁が対向する端子行の各々における端子対の間の領域内に差動対結合エネルギーの強度を集中させることが発見された。これは、端子の縁の間に空隙(げき)を設け、これにより、コネクタ内の縁結合を最小にすることで達成される。
【0019】
本発明のこれらの目的並びにその他の目的、機能及び利点は、以下の詳細な説明を検討することにより明確に理解されるであろう。
【0020】
この詳細な説明では、添付図面をしばしば参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の原理に従って構成されたバックプレーンコネクタ組立体50を示す。該組立体50は、2枚の回路基板52と54とを結合するために使用され、回路基板52はバックプレーンであり、回路基板54は補助基板又はドーターボードである。
【0022】
組立体50は、2つの相互係合又は嵌合する構成要素100及び200を含むことが分かる。一方の構成要素100は、バックプレーン基板52に取付けられ、ピンヘッダの形を採るバックプレーン部材である。この点に関して、バックプレーン部材100は、図1及び3に最もよく示されているように、ベース部分102を含み、該ベース部分102からは2枚の側壁104、106が立上がっている。これらの2枚の側壁104、106は、一連のチャネル又はスロット108を画定する働きをし、それぞれのスロットは、単一のウェハコネクタ構成要素202を収容する。バックプレーンコネクタ構成要素内でウェハコネクタ構成要素202を適切な向きにしやすくするために、側壁104、106には、垂直方向に向けられた内側溝110が形成されていることが好ましい。これらの溝110はそれぞれ、導電性端子120の2つの行R1、R2と位置合せされている(図3)。
【0023】
図4Bに示されるように、ヘッダ端子120は、長くて平坦なブレード122の形をした接点部分121が1つの平面P1内において延在し、一方、コンプライアントピン型テール部124として示された細いテール部分123が、第1の平面P1と離間された別の平面P2内において延在するようにオフセットされた形で形成されている。端子120はそれぞれ本体部分126を含み、該本体部分126は、バックプレーン部材100のベース部分102に形成された対応する端子収容キャビティ111内に収容される。図4Aは、キャリアストリップ127に沿って打抜き形成されるときの一段階における端子120を示し、各端子は、キャリアストリップ127によってだけでなく、その成形工程中に端子120を一直線に保持する第2の部分128によっても相互接続されていることが分かる。これらの第2の部分128は、成形工程後において端子120が取外されるとき、すなわち、切離されるときに取除かれ、次に、ステッチングなどによってバックプレーン部材100のベース部分102に挿入される。
【0024】
端子120の接点ブレード部分122とその関連した本体部分126とは、リブ130を含むことができる。リブ130は、打抜きによって作られ、端子120のオフセット湾曲部分全体に亘って延在することが好ましい。これらのリブ130は、端子のその部分に、端子120の挿入の際の曲がり及び相手側のウェハコネクタ構成要素202の端子206との嵌合に耐える断面を提供することによって、端子120を補強する働きをする。また、端子本体部分126には突起131が形成されていてもよい。それにより、突起131は、各端子120(図4B)の一方の面から突出し、バックプレーン部材ベース部分102の端子収容キャビティ111の側壁の一方と干渉的に接触することが好ましい突出部を形成する。図5Dに示されるように、バックプレーン部材ベース部分102は、縦方向に延在して端子の突起131を収容する一連のスロット132を含むことができる。また、端子収容キャビティ111には、端子本体部分126が乗る面を提供する内側肩部又は棚状部134が形成されることが好ましく、これは、図5Dに最もよく示されている。
【0025】
図4Aに示されるように、ヘッダ端子120は、そのテール部分123もオフセットされることが好ましい。図に示されるように、このオフセットは端子120の横方向に生じるので、テール部分123の中心線は、接点部分121の中心線から距離P4だけオフセットされる。このオフセットによって、図5に明示されているように、対のヘッダ端子120が互いに向合い、図5の右半分に示された45度の向きのビアを利用することができる。図5から分かるように、2つの行R1の一方の行のコンプライアントピンテール部分は、左下のビアを使用することができ、一方、それと向合っている端子のコンプライアントピンテール部分は、右側の行の次のビアを使用することができる。このパターンが各対に対して繰返され、2つの各行内のヘッダ端子のビアは、図5の右に示したように、互いに45度の角度にある。これにより、コネクタを取付ける回路基板上のコネクタのための配線が容易になる。
【0026】
図5A及び5Cにおいて最もよく分かるように、本発明のコネクタのバックプレーン部材100の端子収容キャビティ111は、概略H形であるという点が独特であり、各H形は、1つのアーム部分113で相互接続された2つの脚部分112を有する。H形キャビティ111の脚部分112は、端子120の本体部分126で塞(ふさ)がれ、各キャビティ111のアーム部分113は、該アーム部分113に空気チャネル「AC」が画定されるように開いたままである(図5A)。空気チャネルの目的は、後で詳しく説明する。2つの端子接点部分122の間に生じる間隔は、バックプレーン部材チャネル110内に収容されるウェハコネクタ構成要素端子206の2つの接点部分216の間の近似した間隔と一致するように選択される。
【0027】
H形キャビティ111は、また、端子120を、特に、コネクタベース部分102の上側から挿入しやすくするキャビティ111の導入面を画定する傾斜した縁140を含むことが好ましい。キャビティ111は、図5Aに示されるように、それぞれのH形開口部111の斜向かいの角に配設されたテール部穴114を含む。端子120の接点ブレード部分122は、H形キャビティ111の脚部分112の上の少し外側に配設される。これは、本体部分126のオフセットされた形状によるものであり、これは、図5A及び5Bを比較することで最も良く分かる。図5Bは、端子収容キャビティ111内に端子120が存在しない状態のバックプレーン部材ベース部分102の拡大詳細平面図であり、図5Aは、端子120で塞がれた端子収容キャビティ111の拡大上面図である。図5Aでは、接点ブレード部分が、端子行の間の領域における外方に延出しており、その結果、端子の外側面124は、ベース部材端子収容キャビティ111の一番外側の内縁141からオフセットされていることが分かる。
【0028】
図6は、後工程のモールド成形及び切離しのための準備として打抜き形成された複数の導電性端子206を支持する金属リードフレーム204を示す。図に示されるリードフレーム204は、2組の端子206を支持しており、各組の端子は、後で組合されて単一のウェハコネクタ構成要素202を構成する絶縁性支持半体220a、220bに組込まれる。端子206は、リードフレーム204の一部として形成され、外側キャリアストリップ207内の適所に保持される。また、端子は、バー205として示され、端子をリードフレーム204に相互接続する第1の支持体片と、また、端子を相互接続する第2の支持体片208とによってリードフレーム204内にセットとして支持される。これらの支持体片は、ウェハコネクタ構成要素202の組立体中に端子セットから取除かれる、すなわち、切離される。
【0029】
図7は、1セット11本の個別の端子206の一部分の上に支持半体又はウェハ半体220a、220bがモールド成形された状態のリードフレーム204を示す。この段階では、端子206は、支持半体材料と第2の相互接続片208、209とによって支持半体内の隙(すき)間に保持されたままであり、第2の相互接続片208、209は後で除去され、その結果、各端子206は、完成したウェハコネクタ構成要素202内で自立し、他の端子には接続されない。これらの相互接続片208、209は、ウェハコネクタ構成要素半体220a、220bの本体部分の縁の外側に配設される。支持半体220a、220bは対称的であり、互いに鏡像の関係にあると記載するのが適切である。
【0030】
図7Aは、2個のウェハ半体220aと220bとを互いに接続するために使用される構造物を最もよく示す。この構造物は、相補的で比較的大きい形状のポスト222と開口部又は穴224として示されている。1個の大きなポスト222と大きな開口部224とが、図7Aに示されており、コネクタ構成要素半体220a、220bの本体部分238に位置決めされている。3個のそのようなポスト222及び226は、ウェハコネクタ半体220a、220bの本体部分に形成されたように示されており、他のポスト230は、図に示されるように、サイズが遥かに小さく、特定の端子の間に位置決めされ、本体部分220bの平面から延出しているように示されている。これらのポスト230は、インサート成形工程中に形成されるスタンドオフ部分232と考えることができるものから延在し、スタンドオフ部分232は、各ウェハ半体内で端子間に間隙を作るのを助け、また、半体が組立てられたときに端子を各行内で離間させる働きをする。
【0031】
これらの小さい方のポストはそれぞれ、対応する開口部231に収容され、ポスト230と同じように、スタンドオフ部分232のうちの特定のスタンドオフ部分の一部として形成されることが好ましい。本発明の重要な形態では、ウェハコネクタ構成要素を組立てるときに各端子対206の内側垂直面247が互いに露出するように、端子セットの内側面を覆うハウジング材料は提供されない。ポスト230、開口部231及びスタンドオフ部分232は、各ウェハコネクタ構成要素202内で協力して内部キャビティを画定し、このキャビティ237は、図12及び14の断面図に最もよく示されている。
【0032】
図8は、ウェハコネクタ構成要素の反対側、すなわち、外側を示し、また、ウェハコネクタ構成要素半体220a、220bは、骨組として説明するのが適切であるものを構成することが分かる。この骨組は、クロスブレース240と、隣接する端子間に垂直方向に延在し、好ましくは隣接する端子の上縁及び下縁だけと接触する隙間充填(てん)片、すなわち、充填リブ242の形の構造を利用している。このようにして、端子の外側面248(図9)も、端子206の内側面247と同じように空気に晒(さら)される。これらの充填リブ242は、通常、ウェハコネクタ部品本体部分238が形成されるのと同じ材料から形成され、この材料は、誘電性材料であることが好ましい。該誘電性材料を使用することによって、端子(図14)の上縁280と下縁281との間に大きな容量結合が生じるのが防止され、同時に水平方向に配設された端子対の間に側面結合を生じさせる。
【0033】
図9は、2個の半体から組立てられた完成したウェハコネクタ構成要素を示す。このウェハコネクタ構成要素の端子は、2つの縁に沿って配列された接点部分とテール部分とを有し、示した実施の形態では、縁は、互いに交差あるいは垂直であると考えることができる。インターポーザ形のアプリケーションで使用されるときには縁が互いに平行、すなわち、離間されてもよいことが理解されるであろう。第1組の接点部分216は、組立体のバックプレーン部材100の中央部分に収容された複式ビーム接点部分217a、217bであり、第2組の接点部分214は、テール部分として働き、したがって、コンプライアント端子構造215を利用して、回路基板の開口部又はビアに取外し可能に差込むことができるようにする。ウェハコネクタ構成要素202の接点部分216は、複式ビーム217として形成され、各端子の本体部分の前方に延在する。端子接点部分216の端は、接点ビームの本体218の端にある湾曲接点端部219に形成される。これらの湾曲端部219は、バックプレーン部材端子120の平坦なブレード接点122の上に乗上げて接触するように外側に向いている(図18A)。
【0034】
ウェハのユニットとして組立てられたとき、各ウェハコネクタ構成要素202内の端子206間に空気チャネル133が存在するだけでなく、図19に示されるように、隣接するウェハコネクタ構成要素の間にも空気間隙300が存在する。端子は、コネクタ組立体に亘って第1の事前に選択された距離STだけ離間されることが好ましく、距離STは空気チャネルの寸法を画定する。この間隔は、各コネクタ要素内の指定された端子対の間の距離であり、この間隔は、各コネクタ要素内の縁から縁まで同じである。コネクタ要素間の間隔SCは、間隔STより大きいことが好ましい(図19及び20)。この間隔は、ウェハコネクタ要素間を絶縁するのに役立つ。
【0035】
カバー部材250は、複式ビーム接点217a、217bを保護するために利用され、このようなカバー部材250は、図10から11に、単一のウェハコネクタ要素だけの前端を覆う構造のカバー部材として示されている。図11には、カバー部材250がウェハコネクタ構成要素202上の適所にある状態が示されており、複式ビーム接点217a、217bの保護シュラウドとして働く。カバー部材250は、やはり特定の誘電特性を持つものを選択することができるプラスチック等の絶縁性材料からモールド成形されることが好ましい。カバー部材250は、ウェハコネクタ構成要素202に取付けられたときに垂直方向に延在する細長い本体部分251を有し、該本体部分251は、離間された上側係合アーム252と下側係合アーム253とを含む。このように、カバー部材250は、側方から見たときに概略U形を有し、また、図10に示されるように、カバー部材250は、ウェハコネクタ構成要素202の端子206の接点部分216をほぼ覆い、アーム252、253は、ウェハコネクタ構成要素202と係合し、該ウェハコネクタ構成要素202を適所に保持する働きをする。
【0036】
カバー部材250には、複数のキャビティ又は開口部254が形成され、これらのキャビティ254は、図10及び10Bに最も良く示されている。キャビティ254は、併設状態で互いに位置合せされ、したがって、キャビティ254は、ウェハコネクタ構成要素202の端子接点部分216の水平方向対を収容する。カバー部材250は、また、バックプレーン部材100の端子120の導入部として働く様々な傾斜面258を含むことができる。図10Bに最もよく示されるように、そのようなキャビティ254はそれぞれ概略H形を有し、複式ビーム接点216は、H形の脚部分256に収容される。脚部分の開口部256は、H形の介在アーム部分257によって相互接続されており、これらのアーム部分257には端子又はウェハ材料がなく、したがって、各アーム部分は、複式ビーム接点217の対向する面の間に延在する空気チャネルACの役割をする。バックプレーン部材のH形キャビティ111の場合と同じように、カバー部材250のキャビティ254も、ウェハコネクタ構成要素の端子接点部分216の間の側面結合を可能にする。図10Cは、図10〜図10Bのような単一のコネクタウェハ要素よりも幅広のカバー部材2050を示す。このカバー部材2050は、側壁2510間に延在する端壁2520、2530の内側面に形成された内部チャネル2620を含む。カバー部材2050は、カバー部材250に関して示し説明したものと同じように、H形開口部2540と傾斜した導入面を有する。
【0037】
このように、ウェハコネクタ構成要素202の水平方向の端子対206(図12に示される)の間に存在する空気チャネルACが、回路基板に取付けられたコネクタ要素テール部分から、ウェハコネクタ構成要素全体に亘って、バックプレーン又はヘッダコネクタまで、嵌合インターフェイス全体に亘って保持される。カバー部材のキャビティ254の空気チャネル257が、バックプレーン部材のキャビティ111の空気チャネル113と位置合せされることが好ましいことが分かるであろう。
【0038】
図10に示されるように、カバー部材250は、中央リブ264の両側に配設され、かつ、カバー部材250の長さ全体に亘って延在する1対のチャネル262、263を含む。これらのチャネル262、263は、ウェハコネクタ構成要素202の上縁に沿って配設された突起部264と係合しその突起部を収容する。また、カバー部材のアーム252、253は、ウェハコネクタ構成要素の上縁234と下縁235とから立上がる保持フック276が入込む中央スロット275を有することができる。係合の仕方は図11Bに示されており、カバー部材のアーム252、253は、ウェハコネクタ構成要素202とスナップ式に係合されている。すなわち、ウェハコネクタ構成要素202との係合を容易に解除することができる。
【0039】
図12は、2個のコネクタ構成要素間の嵌合インターフェイスを示し、カバー部材250の前方部分がバックプレーン部材100のチャネル110に嵌っていることが分かる。該チャネル110に嵌る際に、バックプレーン部材端子120のブレード接点部分122は、カバー部材のキャビティ254に入り、複式ビーム接点217の遠位先端(すなわち、湾曲端219)は、対のバックプレーン部材端子120の内側面125と係合する。次に、バックプレーン部材端子のブレード接点部分は、カバー部材250の内壁に対してわずかに外方に撓(たわ)み、この接触によって、接点ブレード122が過度に撓まないことが保証される。さらに、カバー部材250は、中央空気チャネルスロット257の両側にある中央壁259を含み、これらの壁259は傾斜しており、これらの傾斜面は、バックプレーン部材の端子本体部分126内にあるオフセット部分と接触する。バックプレーン部材端子120の端子本体部分126のリブ130は、空気チャネルスロット257と位置合せされてもよい。
【0040】
図13は、ウェハコネクタ構成要素のコネクタ端子テール部分214のコンプライアント部分215が、テール領域内でウェハコネクタ構成要素202の本体内より大きく離間されている様子を示す。テール部分214はオフセットされており、テール部分の隣接する対の間の空間には何もないままにされ、したがって、空気で満たされている。対の端子テール部分214の間にはウェハ材料は存在せず、したがって、ウェハコネクタ構成要素の本体内にある空気ギャップが、回路基板への取付インターフェイスにおいて維持される。
【0041】
端子テール部分214は、また、そのアライメントがオフセットされ、このオフセットはコンプライアントテール部分215だけである。図5Aにおいて、H形キャビティ111の脚部分がわずかなオフセットを含むことが分かる。したがって、端子120は、1つの形状及びサイズのものだけでよく、一方の行の端子を他方の行の端子に対して180度回転させてキャビティ111に挿入することができる。本体部分126及びブレード接点部分122はオフセットされておらず、したがって、端子収容キャビティ111の脚部分126のオフセットによって、結合を維持するために平坦な接点ブレードと本体部分(のオフセット部分)とが互いに位置合せされる。次に、テール部分は、約45度互いにオフセットされている。これにより、取付回路基板上に有利なビアパターンを使用することができ、コネクタ組立体を図2に示されるような直交ミッドプレーンアプリケーションで使用することが可能になる。
【0042】
図20〜23は、本発明の他の実施形態400を示す。図20では、コネクタ要素400が2個の相互係合する半体401、402から組立てられた状態を示す。前述のコネクタ要素と同様、コネクタ要素400は、複数の導電性端子420を支持するとともに、複数の縁を有しており、これらの縁の内2個の縁404、405が互いに角度を成して延在しており、好ましくは互いに交差していることが分かる。端子420は接点部分421及びテール部分422を備え、これらは、それぞれ縁404、405に沿って整然と配設されている。図21で最も良く分かるように、接点部分421とテール部分422とは延在する本体部分423によって相互に接続されている。
【0043】
各コネクタ要素400の端子420は、コネクタ要素半体401、402の各々によって単一の行を形成するように支持されている。すなわち、端子の一方の行が右側のコネクタ半体402の上に配設されて支持され、端子の他方の行が左側のコネクタ半体401の上に配設されて支持されている。コネクタ要素半体には複数のスタンドオフ部分425が形成されており、これらのスタンドオフ部分は、各行の2個の端子の側面の間の所定の間隔STだけ、2行の端子を相互に離間する。この間隔STは図23に最も良く示されており、好ましくは、同じ間隔が各行の端子を縁間隔で互いに離間させるために用いられる。図23に示されるように、各行の端子対の間の側面間隔STは水平間隔であり、単一の行における端子間の縁間隔STは垂直間隔である。2個の半体を単一のコネクタ要素400として相互に保持するために、スタンドオフ部分425のいくつかはポスト(図示されていない)及び該ポストを収容する穴426を備えている。
【0044】
一連のスロット430がコネクタ要素半体401、402の側壁431に形成されている。これらのスロットは端子の外側面を空気に露出させ、隣接するコネクタ要素の端子の間の間隔に開口している。スタンドオフ部分425は、図23の露出した切断面に示されるように、コネクタ要素400の内部で、各行の端子が水平方向の対において互いに離間されることを保障する。これにより、本発明の前述の実施形態に関して議論したように、関連付けられた端子対の間に前述の空気チャネルが提供される。これらの空気チャネルは、端子対の間に側面容量結合が生じることを可能にし、コネクタ要素間のより大きな間隔は、各コネクタ要素によって支持された2行の端子を分離する傾向がある。
【0045】
また、本実施形態のコネクタ要素半体401、402は、「凹凸胸壁」440と呼ばれるものを備えている。この凹凸胸壁は、コネクタ要素400の側壁431内にその内面に沿って形成された凹部である。これらは図22及び23から最も良く分かる。これらの凹凸胸壁は、各行の隣接する端子の縁の間に(すなわち、図22及び23に示されるように垂直方向に)生じ、それらは、各端子行の端子の縁の間に配設されたチャネル又は凹部の形態を有すると考えることができる。図に示されるものは、ほぼ半円形状であるが、長方形、正方形、又は傾斜した形状とすることができる。この凹凸胸壁が対向する端子行の各々における端子対の間の領域内に差動対結合エネルギーの強度を集中させることが発見された。これは、端子の縁の間に空隙を設け、これにより、コネクタ内における縁結合を最小にすることで達成される。本実施形態では、関連付けられた端子対(例えば、差動信号を運ぶことを意図された端子対)の間の空気チャネルがあるだけでなく、各単一行内において端子の縁の間に延在する空気チャネルがある。この構成は、各コネクタ要素の2つの行の意図した端子対を分離し、側面結合の強度を高めるとともに、生じる可能性のある縁結合の強度を下げることが分かった。
【0046】
本発明の好ましい実施の形態を示し説明してきたが、本発明の精神から逸脱することなく実施の形態に変更や変形を行うことができ、その範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の原理に従って構成されたバックプレーンコネクタ組立体の斜視図であり、2枚の回路基板上の電気回路を結合するために従来の直角の向きで示されている。
【図2】2枚の回路基板上の回路を結合するために直角向きで使用された本発明の2個のバックプレーンコネクタの斜視図である。
【図3】図1のバックプレーンコネクタ組立体のバックプレーンコネクタ構成要素の斜視図である。
【図4】線4−4に沿って見た図3の端面図である。
【図4A】図4のバックプレーンコネクタ部材に使用される一連の端子の斜視図であり、一連の端子が形成される方法を示すためにキャリアストリップに取付けられた状態で示されている。
【図4B】図4Aの端子のうちの1つの端子の端面図であり、端子のオフセット形状を示す。
【図5】回路基板上の適所のバックプレーンコネクタ構成要素の上面図であり、そのような構成要素に使用されるテール部ビアパターンを示す。
【図5A】図5のバックプレーン部材の一部分の拡大平面図であり、端子収容キャビティ内の適所にある端子を示す。
【図5B】図5と同じバックプレーン部材の平面図であるが、端子収容キャビティが空の状態である。
【図5C】図5Bの一部分の拡大平面図であり、空の端子収容キャビティをより詳細に示す。
【図5D】図4Aに示したタイプの2つの端子が適所に設けられたバックプレーン部材の一部分の拡大詳細断面図である。
【図6】単一のウェハコネクタ構成要素内に収容される2つの端子アレイを示す打抜きリードフレームの斜視図である。
【図7】図6のリードフレームを反対側から見た立面図で、端子上に形成されたウェハ半体を示す。
【図7A】図7と同じ図であるが、斜視図である。
【図8】図7の反対側から見た斜視図である。
【図9】単一ウェハコネクタを形成するために組立られてた図8の2個のウェハ半体の斜視図である。
【図10】図9のウェハコネクタとともに使用されるカバー部材の斜視図である。
【図10A】反対側から見た図9と同じ図であり、カバー部材の内部を示している。
【図10B】図10のカバー部材の正面立面図であり、嵌合面のI形チャネルを示す。
【図11】図9と同じ図であるが、完成したウェハコネクタ構成要素を形成するために適所にカバー部材が設けられている。
【図11A】図11のウェハコネクタ構成要素の反対側から図11の線A−Aに沿って見た断面図であり、分かりやすくするためにカバー部材の一部分が除去されている。
【図11B】反対側から図11の線B−Bに沿って見た図11と同じ斜視図であり、端子接点部分がカバー部材の内部キャビティ内にどのように収容されているかを示す。
【図12】垂直線12−12に沿って見た図11のウェハコネクタ構成要素の断面図である。
【図13A】斜め線13−13に沿って見た図11のウェハコネクタ構成要素の部分断面図である。
【図13B】図13Aと同じ図であるが、図13Aに示した断面の前側から見た図である。
【図14】垂直線14−14に沿って見た図11のウェハコネクタ構成要素の断面図である。
【図15】嵌合されたウェハコネクタ構成要素及びバックプレーン部材の部分断面斜視図である。
【図16】本発明のコネクタとの嵌合方法を分かりやすく示すためにカバー部材が除去された状態の、嵌合されたウェハコネクタ構成要素及びバックプレーン部材の端面概略図である。
【図17】図16と似ているが、ウェハコネクタ構成要素端子がそれぞれのコネクタ構成要素支持体に支持されている図である。
【図18A】ウェハコネクタ構成要素とバックプレーン部材との間の嵌合インターフェイスの拡大断面詳細図であり、これらの構成要素と部材とを示す。
【図18B】図18Aと同じ図であるが、分かりやすくするためにウェハコネクタ構成要素が除去されている。
【図19】回路基板上の適所にある3個のウェハコネクタ構成要素の斜め方向から見た端部断面図であり、隣接する信号対間の空気ギャップと隣接するウェハコネクタ構成要素間の空気ギャップとを示す。
【図20】本発明の原理によって構成されたコネクタ要素の他の実施形態の斜視図である。
【図21】図20と同じ図であるが、1つの内部面を示すために、コネクタ要素が半体に分離されている。
【図22】図20と同じ図であるが、コネクタ要素半体の凹凸胸壁の構造を示すために垂直方向に断面されている。
【図23】図22のコネクタ要素の断面した前端の立面端面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電気コネクタに関し、より詳細には、バックプレーンアプリケーションでの使用に適した、頑丈な構造と改善された電気的性能とを有する改良されたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
バックプレーンは、種々の電気回路及び部品を有する大きな回路基板である。バックプレーンは、一般に、情報技術分野のサーバやルータに使用される。バックプレーンは、通常、他のバックプレーンや、回路と部品を有するドーターボードとして知られる他の回路基板に接続される。バックプレーン技術が進歩するにつれて、バックプレーンのデータ転送速度が向上している。数年前には、1ギガビット/秒〔Gb/秒〕のデータ転送速度が高速と考えられていた。この速度は、3〜6〔Gb/秒〕まで向上し、現在では、産業界は、数年のうちに12〔Gb/秒〕等の速度が実現されると予想している。
【0003】
高いデータ転送速度では、差動信号方式が使用され、正確なデータ転送を保証するためには、そのような試験信号印加におけるクロストークとスキューとをできるだけ小さくすることが望ましい。データ転送速度の向上とともに、産業界のコスト削減の要求が高まった。過去において、高速信号転送には、差動信号端子をシールドすることが必要とされ、このシールドは、バックプレーンコネクタに組込む個々のシールドを別々に形成しなければならないため、バックプレーンコネクタのサイズ及びコストを増大させていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのようなシールドは、コネクタの頑強さも高めており、したがって、シールドを除去する場合には、コネクタの頑強さを保持しなければならなかった。シールドを使用すると、コネクタの製造及び組立のコストも増大し、個別のシールド要素の幅によって、シールドされたバックプレーンコネクタの全体サイズは比較的大きかった。
【0005】
本発明は、高速データ転送を可能にし、個別のシールドの使用をなくし、かつ、経済的に製造することができ、多数の係合及び解放サイクルを可能にするほど頑強な、改良されたバックプレーンコネクタに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の一般的な目的は、次世代のバックプレーンアプリケーションに使用する新しいバックプレーンコネクタを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、2枚の回路基板内の回路を接続する際に使用され、端子密度が高く、高速でクロストークが少なく、かつ、頑強なコネクタを提供することである。
【0008】
本発明の更なる目的は、バックプレーンアプリケーションに使用されるコネクタを提供することであり、該コネクタは、行を形成するように配設された複数の導電性端子を有し、端子の行は、信号端子又は接地端子を含み、コネクタを直角及び直交結合アプリケーションに使用することができるようにする支持構造内に保持されている。
【0009】
本発明の更に他の目的は、バックプレーンヘッダ構成要素と、該バックプレーンヘッダ構成要素と嵌(かん)合可能なウェハコネクタ構成要素とを含むバックプレーンコネクタ組立体を提供することであり、バックプレーンヘッダ構成要素は、バックプレーンの表面に配設されたベース部分と、該ベース部分の両端から延在してウェハコネクタ構成要素が嵌(はま)るチャネルを画定する2つの側壁とを有し、バックプレーンヘッダ構成要素は複数の導電性端子を含み、各端子は、平坦(たん)な接点ブレード部分、コンプライアントテール部分、及び、接点部分とテール部分とをそれらが互いにオフセットされるように相互接続する本体部分を有し、バックプレーンヘッダ構成要素は、端子収容キャビティと関連するスロットを含み、該スロットは、バックプレーンヘッダ構成要素の全体に亘(わた)って端子間に空気ギャップ、すなわち、チャネルを提供する。
【0010】
本発明の更なる目的は、2つ対象な列に配列された複数の導電性端子を有するウェハコネクタ要素を提供することであり、端子の各々は、一端に接触部分を備えるとともに他端にテール部分を備え、単一のウェハコネクタ構成要素を形成するために組合される絶縁性支持半体内に端子が保持されている。
【0011】
本発明の付加的な目的は、2列の導電性端子が絶縁性支持体内に支持されたウェハコネクタ構成要素を提供することであり、絶縁性支持体は、2列の導電性端子の間に配設された内部キャビティを含み、端子は水平方向の端子対を作るように配列されており、キャビティは、2端子列内に配列された水平方向の端子対の間に空気チャネルを画定し、端子は、さらに、2行における端子の水平方向を向く面が互いに対向して水平方向の端子対の間での側面結合を促進するように、各行において互いに位置合せされている。
【0012】
本発明の他の目的は、複数のウェハから組立てたバックプレーンコネクタを提供することであり、各ウェハは、複数行の導電性端子を支持するとともに、各行の端子の間に配設された内部キャビティを備え、キャビティは、各行の端子の間の側面容量結合に影響する選択された誘電率を有するインサートを収容している。
【0013】
本発明の更に他の目的は、複数のコネクタ要素を利用した高密度バックプレーンコネクタを提供することであり、各コネクタ要素は2行の導電性端子を支持し、2行の端子は、関連付けられた端子の複数の対を画定し、この関連付けられた端子は、端子対の間の側面容量結合を促進するために互いに併設状態となるように位置合せされており、2行の端子は、接地シールドなしで、所定の間隔でコネクタ要素内に保持されており、各行の端子は、行内の隣接する端子の間に複数の凹凸胸壁(castellation)を備える絶縁性の枠体によって支持されている。凹凸胸壁は、各端子対の端子の結合エネルギー強度を側面結合に集中させ、隣接する端子対の間の縁結合を防ぐ。
【0014】
本発明は、これらの目的及びその他の目的をその構造によって達成する。1つの主な形態では、本発明は、ベース部分と、一連のスロット又はチャネルを協力的に画定する少なくとも1対の側壁とを有するピンヘッダの形を採るバックプレーンコネクタ構成要素を含み、スロットがそれぞれ、ウェハコネクタ構成要素の嵌合部分を収容する。ベース部分は、導電性端子をそれぞれ収容する複数の端子収容キャビティを有する。端子はその両端に平坦な接点ブレード部分とコンプライアントテール部分とが形成されている。これらの接点ブレード部分とテール部分とは互いにオフセットされており、キャビティは、接点ブレード部分とテール部分とを収容するように構成されている。好ましい実施の形態では、キャビティは、H形を有するように示され、H形キャビティの脚部分はそれぞれ端子のうちの1つの端子を収容し、H形キャビティの相互接続するアームは開いたままであり、それにより、2個の端子間に空気チャネルを画定する。そのような空気チャネルは、端子対の間に側面結合を達成するために各端子行の端子対の間に水平方向に存在する。
【0015】
本発明の他の主な形態では、バックプレーンヘッダと嵌合する複数のウェハコネクタ構成要素が提供される。そのようなウェハコネクタ構成要素はそれぞれ、(その嵌合端から見て)2つの垂直方向の列を作るように配列された複数の導電性端子を有し、2つの列は端子の複数の水平方向の端子行を画定し、各行は1対の端子、好ましくは1対の差動信号端子を含む。各ウェハコネクタ行内の端子は、端子対の間にブロードサイド容量結合が生じるように側面で位置合せされる。各端子対のインピーダンスを調整するために、各ウェハ構成要素は、内部キャビティを画定する構造を有し、この内部キャビティは端子列の間に設けられ、その結果、各ウェハコネクタ構成要素内の各端子対の間に空気チャネルが存在するようになる。
【0016】
本発明の他の主な形態では、ウェハコネクタ構成要素端子の接点部分は、ウェハの前方に延在し、カンチレバー状の接点ビーム構造を有する二股接点として形成される。絶縁性ハウジング又はカバー部材が、各ウェハコネクタ構成要素毎に提供されてもよく、そのような例では、ハウジングは、接点ビームを収容し保護するために各ウェハコネクタ構成要素の嵌合端と係合する。代替として、カバー部材は、複数のウェハコネクタ要素を収容する大きなカバー部材として形成されてもよい。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態では、これらのハウジング又はカバー部材はU形を有し、U形の脚部分は、ウェハコネクタ構成要素の対向する上縁及び下縁と係合し、U形のベース部分は、接点ビームに保護シュラウドを提供する。Uの(視点によって正面の)ベース部分には、端子の接点部分と位置合せされた一連のI形又はH形の開口部が形成されている。これらの開口部は、接点ビーム間の個別の空気チャネルを画定し、その結果、ウェハコネクタ構成要素内の実質的に端子の経路全体に亘って端子対の間の側面結合のために空気の誘電率を使用することができるようになる。
【0018】
本発明の他の実施形態では、コネクタウェハ要素を構成する半体の各々は、各端子行の端子の縁の間に配設されたチャネル又は凹部の形態の凹凸胸壁と呼ばれるものを複数含んでいる。この凹凸胸壁が対向する端子行の各々における端子対の間の領域内に差動対結合エネルギーの強度を集中させることが発見された。これは、端子の縁の間に空隙(げき)を設け、これにより、コネクタ内の縁結合を最小にすることで達成される。
【0019】
本発明のこれらの目的並びにその他の目的、機能及び利点は、以下の詳細な説明を検討することにより明確に理解されるであろう。
【0020】
この詳細な説明では、添付図面をしばしば参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の原理に従って構成されたバックプレーンコネクタ組立体50を示す。該組立体50は、2枚の回路基板52と54とを結合するために使用され、回路基板52はバックプレーンであり、回路基板54は補助基板又はドーターボードである。
【0022】
組立体50は、2つの相互係合又は嵌合する構成要素100及び200を含むことが分かる。一方の構成要素100は、バックプレーン基板52に取付けられ、ピンヘッダの形を採るバックプレーン部材である。この点に関して、バックプレーン部材100は、図1及び3に最もよく示されているように、ベース部分102を含み、該ベース部分102からは2枚の側壁104、106が立上がっている。これらの2枚の側壁104、106は、一連のチャネル又はスロット108を画定する働きをし、それぞれのスロットは、単一のウェハコネクタ構成要素202を収容する。バックプレーンコネクタ構成要素内でウェハコネクタ構成要素202を適切な向きにしやすくするために、側壁104、106には、垂直方向に向けられた内側溝110が形成されていることが好ましい。これらの溝110はそれぞれ、導電性端子120の2つの行R1、R2と位置合せされている(図3)。
【0023】
図4Bに示されるように、ヘッダ端子120は、長くて平坦なブレード122の形をした接点部分121が1つの平面P1内において延在し、一方、コンプライアントピン型テール部124として示された細いテール部分123が、第1の平面P1と離間された別の平面P2内において延在するようにオフセットされた形で形成されている。端子120はそれぞれ本体部分126を含み、該本体部分126は、バックプレーン部材100のベース部分102に形成された対応する端子収容キャビティ111内に収容される。図4Aは、キャリアストリップ127に沿って打抜き形成されるときの一段階における端子120を示し、各端子は、キャリアストリップ127によってだけでなく、その成形工程中に端子120を一直線に保持する第2の部分128によっても相互接続されていることが分かる。これらの第2の部分128は、成形工程後において端子120が取外されるとき、すなわち、切離されるときに取除かれ、次に、ステッチングなどによってバックプレーン部材100のベース部分102に挿入される。
【0024】
端子120の接点ブレード部分122とその関連した本体部分126とは、リブ130を含むことができる。リブ130は、打抜きによって作られ、端子120のオフセット湾曲部分全体に亘って延在することが好ましい。これらのリブ130は、端子のその部分に、端子120の挿入の際の曲がり及び相手側のウェハコネクタ構成要素202の端子206との嵌合に耐える断面を提供することによって、端子120を補強する働きをする。また、端子本体部分126には突起131が形成されていてもよい。それにより、突起131は、各端子120(図4B)の一方の面から突出し、バックプレーン部材ベース部分102の端子収容キャビティ111の側壁の一方と干渉的に接触することが好ましい突出部を形成する。図5Dに示されるように、バックプレーン部材ベース部分102は、縦方向に延在して端子の突起131を収容する一連のスロット132を含むことができる。また、端子収容キャビティ111には、端子本体部分126が乗る面を提供する内側肩部又は棚状部134が形成されることが好ましく、これは、図5Dに最もよく示されている。
【0025】
図4Aに示されるように、ヘッダ端子120は、そのテール部分123もオフセットされることが好ましい。図に示されるように、このオフセットは端子120の横方向に生じるので、テール部分123の中心線は、接点部分121の中心線から距離P4だけオフセットされる。このオフセットによって、図5に明示されているように、対のヘッダ端子120が互いに向合い、図5の右半分に示された45度の向きのビアを利用することができる。図5から分かるように、2つの行R1の一方の行のコンプライアントピンテール部分は、左下のビアを使用することができ、一方、それと向合っている端子のコンプライアントピンテール部分は、右側の行の次のビアを使用することができる。このパターンが各対に対して繰返され、2つの各行内のヘッダ端子のビアは、図5の右に示したように、互いに45度の角度にある。これにより、コネクタを取付ける回路基板上のコネクタのための配線が容易になる。
【0026】
図5A及び5Cにおいて最もよく分かるように、本発明のコネクタのバックプレーン部材100の端子収容キャビティ111は、概略H形であるという点が独特であり、各H形は、1つのアーム部分113で相互接続された2つの脚部分112を有する。H形キャビティ111の脚部分112は、端子120の本体部分126で塞(ふさ)がれ、各キャビティ111のアーム部分113は、該アーム部分113に空気チャネル「AC」が画定されるように開いたままである(図5A)。空気チャネルの目的は、後で詳しく説明する。2つの端子接点部分122の間に生じる間隔は、バックプレーン部材チャネル110内に収容されるウェハコネクタ構成要素端子206の2つの接点部分216の間の近似した間隔と一致するように選択される。
【0027】
H形キャビティ111は、また、端子120を、特に、コネクタベース部分102の上側から挿入しやすくするキャビティ111の導入面を画定する傾斜した縁140を含むことが好ましい。キャビティ111は、図5Aに示されるように、それぞれのH形開口部111の斜向かいの角に配設されたテール部穴114を含む。端子120の接点ブレード部分122は、H形キャビティ111の脚部分112の上の少し外側に配設される。これは、本体部分126のオフセットされた形状によるものであり、これは、図5A及び5Bを比較することで最も良く分かる。図5Bは、端子収容キャビティ111内に端子120が存在しない状態のバックプレーン部材ベース部分102の拡大詳細平面図であり、図5Aは、端子120で塞がれた端子収容キャビティ111の拡大上面図である。図5Aでは、接点ブレード部分が、端子行の間の領域における外方に延出しており、その結果、端子の外側面124は、ベース部材端子収容キャビティ111の一番外側の内縁141からオフセットされていることが分かる。
【0028】
図6は、後工程のモールド成形及び切離しのための準備として打抜き形成された複数の導電性端子206を支持する金属リードフレーム204を示す。図に示されるリードフレーム204は、2組の端子206を支持しており、各組の端子は、後で組合されて単一のウェハコネクタ構成要素202を構成する絶縁性支持半体220a、220bに組込まれる。端子206は、リードフレーム204の一部として形成され、外側キャリアストリップ207内の適所に保持される。また、端子は、バー205として示され、端子をリードフレーム204に相互接続する第1の支持体片と、また、端子を相互接続する第2の支持体片208とによってリードフレーム204内にセットとして支持される。これらの支持体片は、ウェハコネクタ構成要素202の組立体中に端子セットから取除かれる、すなわち、切離される。
【0029】
図7は、1セット11本の個別の端子206の一部分の上に支持半体又はウェハ半体220a、220bがモールド成形された状態のリードフレーム204を示す。この段階では、端子206は、支持半体材料と第2の相互接続片208、209とによって支持半体内の隙(すき)間に保持されたままであり、第2の相互接続片208、209は後で除去され、その結果、各端子206は、完成したウェハコネクタ構成要素202内で自立し、他の端子には接続されない。これらの相互接続片208、209は、ウェハコネクタ構成要素半体220a、220bの本体部分の縁の外側に配設される。支持半体220a、220bは対称的であり、互いに鏡像の関係にあると記載するのが適切である。
【0030】
図7Aは、2個のウェハ半体220aと220bとを互いに接続するために使用される構造物を最もよく示す。この構造物は、相補的で比較的大きい形状のポスト222と開口部又は穴224として示されている。1個の大きなポスト222と大きな開口部224とが、図7Aに示されており、コネクタ構成要素半体220a、220bの本体部分238に位置決めされている。3個のそのようなポスト222及び226は、ウェハコネクタ半体220a、220bの本体部分に形成されたように示されており、他のポスト230は、図に示されるように、サイズが遥かに小さく、特定の端子の間に位置決めされ、本体部分220bの平面から延出しているように示されている。これらのポスト230は、インサート成形工程中に形成されるスタンドオフ部分232と考えることができるものから延在し、スタンドオフ部分232は、各ウェハ半体内で端子間に間隙を作るのを助け、また、半体が組立てられたときに端子を各行内で離間させる働きをする。
【0031】
これらの小さい方のポストはそれぞれ、対応する開口部231に収容され、ポスト230と同じように、スタンドオフ部分232のうちの特定のスタンドオフ部分の一部として形成されることが好ましい。本発明の重要な形態では、ウェハコネクタ構成要素を組立てるときに各端子対206の内側垂直面247が互いに露出するように、端子セットの内側面を覆うハウジング材料は提供されない。ポスト230、開口部231及びスタンドオフ部分232は、各ウェハコネクタ構成要素202内で協力して内部キャビティを画定し、このキャビティ237は、図12及び14の断面図に最もよく示されている。
【0032】
図8は、ウェハコネクタ構成要素の反対側、すなわち、外側を示し、また、ウェハコネクタ構成要素半体220a、220bは、骨組として説明するのが適切であるものを構成することが分かる。この骨組は、クロスブレース240と、隣接する端子間に垂直方向に延在し、好ましくは隣接する端子の上縁及び下縁だけと接触する隙間充填(てん)片、すなわち、充填リブ242の形の構造を利用している。このようにして、端子の外側面248(図9)も、端子206の内側面247と同じように空気に晒(さら)される。これらの充填リブ242は、通常、ウェハコネクタ部品本体部分238が形成されるのと同じ材料から形成され、この材料は、誘電性材料であることが好ましい。該誘電性材料を使用することによって、端子(図14)の上縁280と下縁281との間に大きな容量結合が生じるのが防止され、同時に水平方向に配設された端子対の間に側面結合を生じさせる。
【0033】
図9は、2個の半体から組立てられた完成したウェハコネクタ構成要素を示す。このウェハコネクタ構成要素の端子は、2つの縁に沿って配列された接点部分とテール部分とを有し、示した実施の形態では、縁は、互いに交差あるいは垂直であると考えることができる。インターポーザ形のアプリケーションで使用されるときには縁が互いに平行、すなわち、離間されてもよいことが理解されるであろう。第1組の接点部分216は、組立体のバックプレーン部材100の中央部分に収容された複式ビーム接点部分217a、217bであり、第2組の接点部分214は、テール部分として働き、したがって、コンプライアント端子構造215を利用して、回路基板の開口部又はビアに取外し可能に差込むことができるようにする。ウェハコネクタ構成要素202の接点部分216は、複式ビーム217として形成され、各端子の本体部分の前方に延在する。端子接点部分216の端は、接点ビームの本体218の端にある湾曲接点端部219に形成される。これらの湾曲端部219は、バックプレーン部材端子120の平坦なブレード接点122の上に乗上げて接触するように外側に向いている(図18A)。
【0034】
ウェハのユニットとして組立てられたとき、各ウェハコネクタ構成要素202内の端子206間に空気チャネル133が存在するだけでなく、図19に示されるように、隣接するウェハコネクタ構成要素の間にも空気間隙300が存在する。端子は、コネクタ組立体に亘って第1の事前に選択された距離STだけ離間されることが好ましく、距離STは空気チャネルの寸法を画定する。この間隔は、各コネクタ要素内の指定された端子対の間の距離であり、この間隔は、各コネクタ要素内の縁から縁まで同じである。コネクタ要素間の間隔SCは、間隔STより大きいことが好ましい(図19及び20)。この間隔は、ウェハコネクタ要素間を絶縁するのに役立つ。
【0035】
カバー部材250は、複式ビーム接点217a、217bを保護するために利用され、このようなカバー部材250は、図10から11に、単一のウェハコネクタ要素だけの前端を覆う構造のカバー部材として示されている。図11には、カバー部材250がウェハコネクタ構成要素202上の適所にある状態が示されており、複式ビーム接点217a、217bの保護シュラウドとして働く。カバー部材250は、やはり特定の誘電特性を持つものを選択することができるプラスチック等の絶縁性材料からモールド成形されることが好ましい。カバー部材250は、ウェハコネクタ構成要素202に取付けられたときに垂直方向に延在する細長い本体部分251を有し、該本体部分251は、離間された上側係合アーム252と下側係合アーム253とを含む。このように、カバー部材250は、側方から見たときに概略U形を有し、また、図10に示されるように、カバー部材250は、ウェハコネクタ構成要素202の端子206の接点部分216をほぼ覆い、アーム252、253は、ウェハコネクタ構成要素202と係合し、該ウェハコネクタ構成要素202を適所に保持する働きをする。
【0036】
カバー部材250には、複数のキャビティ又は開口部254が形成され、これらのキャビティ254は、図10及び10Bに最も良く示されている。キャビティ254は、併設状態で互いに位置合せされ、したがって、キャビティ254は、ウェハコネクタ構成要素202の端子接点部分216の水平方向対を収容する。カバー部材250は、また、バックプレーン部材100の端子120の導入部として働く様々な傾斜面258を含むことができる。図10Bに最もよく示されるように、そのようなキャビティ254はそれぞれ概略H形を有し、複式ビーム接点216は、H形の脚部分256に収容される。脚部分の開口部256は、H形の介在アーム部分257によって相互接続されており、これらのアーム部分257には端子又はウェハ材料がなく、したがって、各アーム部分は、複式ビーム接点217の対向する面の間に延在する空気チャネルACの役割をする。バックプレーン部材のH形キャビティ111の場合と同じように、カバー部材250のキャビティ254も、ウェハコネクタ構成要素の端子接点部分216の間の側面結合を可能にする。図10Cは、図10〜図10Bのような単一のコネクタウェハ要素よりも幅広のカバー部材2050を示す。このカバー部材2050は、側壁2510間に延在する端壁2520、2530の内側面に形成された内部チャネル2620を含む。カバー部材2050は、カバー部材250に関して示し説明したものと同じように、H形開口部2540と傾斜した導入面を有する。
【0037】
このように、ウェハコネクタ構成要素202の水平方向の端子対206(図12に示される)の間に存在する空気チャネルACが、回路基板に取付けられたコネクタ要素テール部分から、ウェハコネクタ構成要素全体に亘って、バックプレーン又はヘッダコネクタまで、嵌合インターフェイス全体に亘って保持される。カバー部材のキャビティ254の空気チャネル257が、バックプレーン部材のキャビティ111の空気チャネル113と位置合せされることが好ましいことが分かるであろう。
【0038】
図10に示されるように、カバー部材250は、中央リブ264の両側に配設され、かつ、カバー部材250の長さ全体に亘って延在する1対のチャネル262、263を含む。これらのチャネル262、263は、ウェハコネクタ構成要素202の上縁に沿って配設された突起部264と係合しその突起部を収容する。また、カバー部材のアーム252、253は、ウェハコネクタ構成要素の上縁234と下縁235とから立上がる保持フック276が入込む中央スロット275を有することができる。係合の仕方は図11Bに示されており、カバー部材のアーム252、253は、ウェハコネクタ構成要素202とスナップ式に係合されている。すなわち、ウェハコネクタ構成要素202との係合を容易に解除することができる。
【0039】
図12は、2個のコネクタ構成要素間の嵌合インターフェイスを示し、カバー部材250の前方部分がバックプレーン部材100のチャネル110に嵌っていることが分かる。該チャネル110に嵌る際に、バックプレーン部材端子120のブレード接点部分122は、カバー部材のキャビティ254に入り、複式ビーム接点217の遠位先端(すなわち、湾曲端219)は、対のバックプレーン部材端子120の内側面125と係合する。次に、バックプレーン部材端子のブレード接点部分は、カバー部材250の内壁に対してわずかに外方に撓(たわ)み、この接触によって、接点ブレード122が過度に撓まないことが保証される。さらに、カバー部材250は、中央空気チャネルスロット257の両側にある中央壁259を含み、これらの壁259は傾斜しており、これらの傾斜面は、バックプレーン部材の端子本体部分126内にあるオフセット部分と接触する。バックプレーン部材端子120の端子本体部分126のリブ130は、空気チャネルスロット257と位置合せされてもよい。
【0040】
図13は、ウェハコネクタ構成要素のコネクタ端子テール部分214のコンプライアント部分215が、テール領域内でウェハコネクタ構成要素202の本体内より大きく離間されている様子を示す。テール部分214はオフセットされており、テール部分の隣接する対の間の空間には何もないままにされ、したがって、空気で満たされている。対の端子テール部分214の間にはウェハ材料は存在せず、したがって、ウェハコネクタ構成要素の本体内にある空気ギャップが、回路基板への取付インターフェイスにおいて維持される。
【0041】
端子テール部分214は、また、そのアライメントがオフセットされ、このオフセットはコンプライアントテール部分215だけである。図5Aにおいて、H形キャビティ111の脚部分がわずかなオフセットを含むことが分かる。したがって、端子120は、1つの形状及びサイズのものだけでよく、一方の行の端子を他方の行の端子に対して180度回転させてキャビティ111に挿入することができる。本体部分126及びブレード接点部分122はオフセットされておらず、したがって、端子収容キャビティ111の脚部分126のオフセットによって、結合を維持するために平坦な接点ブレードと本体部分(のオフセット部分)とが互いに位置合せされる。次に、テール部分は、約45度互いにオフセットされている。これにより、取付回路基板上に有利なビアパターンを使用することができ、コネクタ組立体を図2に示されるような直交ミッドプレーンアプリケーションで使用することが可能になる。
【0042】
図20〜23は、本発明の他の実施形態400を示す。図20では、コネクタ要素400が2個の相互係合する半体401、402から組立てられた状態を示す。前述のコネクタ要素と同様、コネクタ要素400は、複数の導電性端子420を支持するとともに、複数の縁を有しており、これらの縁の内2個の縁404、405が互いに角度を成して延在しており、好ましくは互いに交差していることが分かる。端子420は接点部分421及びテール部分422を備え、これらは、それぞれ縁404、405に沿って整然と配設されている。図21で最も良く分かるように、接点部分421とテール部分422とは延在する本体部分423によって相互に接続されている。
【0043】
各コネクタ要素400の端子420は、コネクタ要素半体401、402の各々によって単一の行を形成するように支持されている。すなわち、端子の一方の行が右側のコネクタ半体402の上に配設されて支持され、端子の他方の行が左側のコネクタ半体401の上に配設されて支持されている。コネクタ要素半体には複数のスタンドオフ部分425が形成されており、これらのスタンドオフ部分は、各行の2個の端子の側面の間の所定の間隔STだけ、2行の端子を相互に離間する。この間隔STは図23に最も良く示されており、好ましくは、同じ間隔が各行の端子を縁間隔で互いに離間させるために用いられる。図23に示されるように、各行の端子対の間の側面間隔STは水平間隔であり、単一の行における端子間の縁間隔STは垂直間隔である。2個の半体を単一のコネクタ要素400として相互に保持するために、スタンドオフ部分425のいくつかはポスト(図示されていない)及び該ポストを収容する穴426を備えている。
【0044】
一連のスロット430がコネクタ要素半体401、402の側壁431に形成されている。これらのスロットは端子の外側面を空気に露出させ、隣接するコネクタ要素の端子の間の間隔に開口している。スタンドオフ部分425は、図23の露出した切断面に示されるように、コネクタ要素400の内部で、各行の端子が水平方向の対において互いに離間されることを保障する。これにより、本発明の前述の実施形態に関して議論したように、関連付けられた端子対の間に前述の空気チャネルが提供される。これらの空気チャネルは、端子対の間に側面容量結合が生じることを可能にし、コネクタ要素間のより大きな間隔は、各コネクタ要素によって支持された2行の端子を分離する傾向がある。
【0045】
また、本実施形態のコネクタ要素半体401、402は、「凹凸胸壁」440と呼ばれるものを備えている。この凹凸胸壁は、コネクタ要素400の側壁431内にその内面に沿って形成された凹部である。これらは図22及び23から最も良く分かる。これらの凹凸胸壁は、各行の隣接する端子の縁の間に(すなわち、図22及び23に示されるように垂直方向に)生じ、それらは、各端子行の端子の縁の間に配設されたチャネル又は凹部の形態を有すると考えることができる。図に示されるものは、ほぼ半円形状であるが、長方形、正方形、又は傾斜した形状とすることができる。この凹凸胸壁が対向する端子行の各々における端子対の間の領域内に差動対結合エネルギーの強度を集中させることが発見された。これは、端子の縁の間に空隙を設け、これにより、コネクタ内における縁結合を最小にすることで達成される。本実施形態では、関連付けられた端子対(例えば、差動信号を運ぶことを意図された端子対)の間の空気チャネルがあるだけでなく、各単一行内において端子の縁の間に延在する空気チャネルがある。この構成は、各コネクタ要素の2つの行の意図した端子対を分離し、側面結合の強度を高めるとともに、生じる可能性のある縁結合の強度を下げることが分かった。
【0046】
本発明の好ましい実施の形態を示し説明してきたが、本発明の精神から逸脱することなく実施の形態に変更や変形を行うことができ、その範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の原理に従って構成されたバックプレーンコネクタ組立体の斜視図であり、2枚の回路基板上の電気回路を結合するために従来の直角の向きで示されている。
【図2】2枚の回路基板上の回路を結合するために直角向きで使用された本発明の2個のバックプレーンコネクタの斜視図である。
【図3】図1のバックプレーンコネクタ組立体のバックプレーンコネクタ構成要素の斜視図である。
【図4】線4−4に沿って見た図3の端面図である。
【図4A】図4のバックプレーンコネクタ部材に使用される一連の端子の斜視図であり、一連の端子が形成される方法を示すためにキャリアストリップに取付けられた状態で示されている。
【図4B】図4Aの端子のうちの1つの端子の端面図であり、端子のオフセット形状を示す。
【図5】回路基板上の適所のバックプレーンコネクタ構成要素の上面図であり、そのような構成要素に使用されるテール部ビアパターンを示す。
【図5A】図5のバックプレーン部材の一部分の拡大平面図であり、端子収容キャビティ内の適所にある端子を示す。
【図5B】図5と同じバックプレーン部材の平面図であるが、端子収容キャビティが空の状態である。
【図5C】図5Bの一部分の拡大平面図であり、空の端子収容キャビティをより詳細に示す。
【図5D】図4Aに示したタイプの2つの端子が適所に設けられたバックプレーン部材の一部分の拡大詳細断面図である。
【図6】単一のウェハコネクタ構成要素内に収容される2つの端子アレイを示す打抜きリードフレームの斜視図である。
【図7】図6のリードフレームを反対側から見た立面図で、端子上に形成されたウェハ半体を示す。
【図7A】図7と同じ図であるが、斜視図である。
【図8】図7の反対側から見た斜視図である。
【図9】単一ウェハコネクタを形成するために組立られてた図8の2個のウェハ半体の斜視図である。
【図10】図9のウェハコネクタとともに使用されるカバー部材の斜視図である。
【図10A】反対側から見た図9と同じ図であり、カバー部材の内部を示している。
【図10B】図10のカバー部材の正面立面図であり、嵌合面のI形チャネルを示す。
【図11】図9と同じ図であるが、完成したウェハコネクタ構成要素を形成するために適所にカバー部材が設けられている。
【図11A】図11のウェハコネクタ構成要素の反対側から図11の線A−Aに沿って見た断面図であり、分かりやすくするためにカバー部材の一部分が除去されている。
【図11B】反対側から図11の線B−Bに沿って見た図11と同じ斜視図であり、端子接点部分がカバー部材の内部キャビティ内にどのように収容されているかを示す。
【図12】垂直線12−12に沿って見た図11のウェハコネクタ構成要素の断面図である。
【図13A】斜め線13−13に沿って見た図11のウェハコネクタ構成要素の部分断面図である。
【図13B】図13Aと同じ図であるが、図13Aに示した断面の前側から見た図である。
【図14】垂直線14−14に沿って見た図11のウェハコネクタ構成要素の断面図である。
【図15】嵌合されたウェハコネクタ構成要素及びバックプレーン部材の部分断面斜視図である。
【図16】本発明のコネクタとの嵌合方法を分かりやすく示すためにカバー部材が除去された状態の、嵌合されたウェハコネクタ構成要素及びバックプレーン部材の端面概略図である。
【図17】図16と似ているが、ウェハコネクタ構成要素端子がそれぞれのコネクタ構成要素支持体に支持されている図である。
【図18A】ウェハコネクタ構成要素とバックプレーン部材との間の嵌合インターフェイスの拡大断面詳細図であり、これらの構成要素と部材とを示す。
【図18B】図18Aと同じ図であるが、分かりやすくするためにウェハコネクタ構成要素が除去されている。
【図19】回路基板上の適所にある3個のウェハコネクタ構成要素の斜め方向から見た端部断面図であり、隣接する信号対間の空気ギャップと隣接するウェハコネクタ構成要素間の空気ギャップとを示す。
【図20】本発明の原理によって構成されたコネクタ要素の他の実施形態の斜視図である。
【図21】図20と同じ図であるが、1つの内部面を示すために、コネクタ要素が半体に分離されている。
【図22】図20と同じ図であるが、コネクタ要素半体の凹凸胸壁の構造を示すために垂直方向に断面されている。
【図23】図22のコネクタ要素の断面した前端の立面端面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
併設状態で配設された複数のコネクタ要素を有し、
各コネクタ要素は2列の導電性端子を支持し、2列の端子は、協力して関連付けられた端子の複数の対を画定し、各対の端子は、前記コネクタ要素を通して延在する対応する空気チャネルによって前記コネクタ要素内において互いに離間されており、前記コネクタ要素の内部表面は、前記列内の前記端子の間に配設された複数の凹凸胸壁を含むコネクタ。
【請求項2】
前記端子の各々は、本体部分によって相互に接続された接点部分とテール部分を含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記凹凸胸壁は、前記端子の本体部分と並んで前記コネクタ要素内に配設されている、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記凹凸胸壁は、部分半円形状を備えている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記凹凸胸壁は、前記端子の接点部分とテール部分とがそれに沿って延在する前記コネクタ要素の縁の間に延在している、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
各列において端子の間に配設される複数のスタンドオフ部分を更に含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記スタンドオフ部分は、前記コネクタ要素の各々の第1の列の端子を第2の列の関連する端子から離間させる、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記スタンドオフ部分のいくつかは、対向するスタンドオフ部分内に配設された開口部内に収容される延出ポストを含む、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記端子テール部分は、コンプライアントピン部分を含む、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記コンプライアントピン部分は、前記コネクタ要素の縁に沿って前記端子の本体部分からオフセットされている、請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記接点部分は、接点アーム対を含む、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項12】
複数のウェハ形の構成要素を有し、各構成要素が絶縁性の支持体を含み、各支持体が2列の導電性端子を支持し、前記支持体の各々は更に、2端子列の関連する端子対の間に空気チャネルを確定するために2列の導電性端子の間に配設された内部キャビティを含み、各対の端子の側面が互いに向き合ってそれらの間の側面容量結合を促進するように端子対が相互に位置合せされ、前記支持体は更に、端子の隣接する対の電気的分離を提供するために支持体に形成されるとともに隣接する端子の縁の間に配設された凹凸胸壁を備えるコネクタ。
【請求項13】
前記支持体は、相互に接合される一対の半体を含み、半体の各々が前記端子間に配設された複数のスタンドオフ部分を含む、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記スタンドオフ部分のいくつかは、それらから延出するポスト部材を含み、対向するスタンドオフ部分はそれらの内部に延在する開口部を含み、前記支持体の半体が相互に接合されると、開口部がポスト部材を収容する、請求項13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記端子は、前記支持体からその第1の縁に沿って延出するテール部分と、前記支持体からその第2の縁に沿って延出する接点部分とを含む、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記空気チャネルは、前記第1の縁から前記第2の縁まで、関連する端子対の間に位置するように前記支持体の全体に亘って延在している、請求項15に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記支持体の前面を収容するカバー部材を更に含む、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記端子は、前記カバー部材内に収容される接点部分を含み、前記端子の接点部分はそれぞれ、前記支持体から延出する一対の接点アームを含み、前記カバー部材は更に、複数のH形の開口部を含み、1本の接点アームが前記H形の開口部の4個の角部の各々に配設されるように、2対の接点アームがH形の開口部の各々と位置合せされている、請求項17に記載のコネクタ。
【請求項1】
併設状態で配設された複数のコネクタ要素を有し、
各コネクタ要素は2列の導電性端子を支持し、2列の端子は、協力して関連付けられた端子の複数の対を画定し、各対の端子は、前記コネクタ要素を通して延在する対応する空気チャネルによって前記コネクタ要素内において互いに離間されており、前記コネクタ要素の内部表面は、前記列内の前記端子の間に配設された複数の凹凸胸壁を含むコネクタ。
【請求項2】
前記端子の各々は、本体部分によって相互に接続された接点部分とテール部分を含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記凹凸胸壁は、前記端子の本体部分と並んで前記コネクタ要素内に配設されている、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記凹凸胸壁は、部分半円形状を備えている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記凹凸胸壁は、前記端子の接点部分とテール部分とがそれに沿って延在する前記コネクタ要素の縁の間に延在している、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
各列において端子の間に配設される複数のスタンドオフ部分を更に含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記スタンドオフ部分は、前記コネクタ要素の各々の第1の列の端子を第2の列の関連する端子から離間させる、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記スタンドオフ部分のいくつかは、対向するスタンドオフ部分内に配設された開口部内に収容される延出ポストを含む、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記端子テール部分は、コンプライアントピン部分を含む、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記コンプライアントピン部分は、前記コネクタ要素の縁に沿って前記端子の本体部分からオフセットされている、請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記接点部分は、接点アーム対を含む、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項12】
複数のウェハ形の構成要素を有し、各構成要素が絶縁性の支持体を含み、各支持体が2列の導電性端子を支持し、前記支持体の各々は更に、2端子列の関連する端子対の間に空気チャネルを確定するために2列の導電性端子の間に配設された内部キャビティを含み、各対の端子の側面が互いに向き合ってそれらの間の側面容量結合を促進するように端子対が相互に位置合せされ、前記支持体は更に、端子の隣接する対の電気的分離を提供するために支持体に形成されるとともに隣接する端子の縁の間に配設された凹凸胸壁を備えるコネクタ。
【請求項13】
前記支持体は、相互に接合される一対の半体を含み、半体の各々が前記端子間に配設された複数のスタンドオフ部分を含む、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記スタンドオフ部分のいくつかは、それらから延出するポスト部材を含み、対向するスタンドオフ部分はそれらの内部に延在する開口部を含み、前記支持体の半体が相互に接合されると、開口部がポスト部材を収容する、請求項13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記端子は、前記支持体からその第1の縁に沿って延出するテール部分と、前記支持体からその第2の縁に沿って延出する接点部分とを含む、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記空気チャネルは、前記第1の縁から前記第2の縁まで、関連する端子対の間に位置するように前記支持体の全体に亘って延在している、請求項15に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記支持体の前面を収容するカバー部材を更に含む、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記端子は、前記カバー部材内に収容される接点部分を含み、前記端子の接点部分はそれぞれ、前記支持体から延出する一対の接点アームを含み、前記カバー部材は更に、複数のH形の開口部を含み、1本の接点アームが前記H形の開口部の4個の角部の各々に配設されるように、2対の接点アームがH形の開口部の各々と位置合せされている、請求項17に記載のコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2008−535184(P2008−535184A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504499(P2008−504499)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/012274
【国際公開番号】WO2006/105484
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(591043064)モレックス インコーポレーテッド (441)
【氏名又は名称原語表記】MOLEX INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/012274
【国際公開番号】WO2006/105484
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(591043064)モレックス インコーポレーテッド (441)
【氏名又は名称原語表記】MOLEX INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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