説明

分析装置と分析装置の測光方法

【課題】反応容器に保持された液体の位置に合わせて測光位置を制御可能とした分析装置と分析装置の測光方法を提供すること。
【解決手段】容器7に保持された液体の光学的特性を測定する分析装置1と分析装置の測光方法。分析装置は、液体の光学的特性を測定する測光部10と、容器7内において液体が保持される位置をもとに測光部10が液体を測光する測光位置を制御する制御部16とを備えている。分析装置の測光方法は、容器7内において液体が保持される位置をもとに液体を測光する測光位置を制御する工程と、制御された測光位置において液体を測光する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置と分析装置の測光方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、分析装置は、反応容器に保持された液体の光学的特性を測定することによって検体の成分濃度等を分析している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−116213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、分析装置は、用いる反応容器の容量が数nL〜数十μLまで微量になると、小型化によって試薬や検体等の液体を分注する開口が反応容器に対して相対的に狭くなると共に、液体の表面張力の影響が非常に大きくなってしまう。このため、従来の分析装置は、微小化した反応容器を使用すると、試薬や検体等の液体が反応容器内部まで導入されないため、測光を行うことができなくなることがあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、反応容器に保持された液体の位置に合わせて測光位置を制御可能とした分析装置と分析装置の測光方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る分析装置は、容器に保持された液体の光学的特性を測定する分析装置において、前記液体の光学的特性を測定する測光手段と、前記容器内において前記液体が保持される位置をもとに前記測光手段が前記液体を測光する測光位置を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る分析装置は、上記の発明において、前記容器が前記液体を保持する位置は、前記液体の種類又は量、前記容器の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて変化することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る分析装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記容器内における前記液体の気液界面に交差する方向へ移動するように前記測光位置を制御することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る分析装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記液体の種類又は量、前記容器の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて前記測光位置を制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る分析装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記測光手段を移動させることにより前記測光位置を制御することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係る分析装置は、上記の発明において、前記測光手段は、前記液体を測光する光を照射する光源と、当該液体に照射された光を受光する受光素子とを有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に係る分析装置は、上記の発明において、前記検出手段は、複数の光源を有し、前記制御手段は、点灯させる前記光源を選択することにより前記測光位置を制御することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に係る分析装置は、上記の発明において、前記複数の光源は、前記液体の気液界面に交差する方向に沿って配列されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項9に係る分析装置は、上記の発明において、前記検出手段は、複数の受光素子を有し、前記制御手段は、測光に利用する前記受光素子を選択することにより前記測光位置を制御することを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に係る分析装置は、上記の発明において、前記複数の受光素子は、前記液体の気液界面に交差する方向に沿って配列されていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項11に係る分析装置は、上記の発明において、さらに、前記容器内における前記液体の位置を検出する検出手段を有し、前記制御手段は、前記検出手段が検出した前記液体の位置に応じて前記測光位置を制御することを特徴とする。
【0017】
また、請求項12に係る分析装置は、上記の発明において、前記検出手段は、櫛歯状電極を有する表面弾性波素子であることを特徴とする。
【0018】
また、請求項13に係る分析装置は、上記の発明において、前記検出手段は、前記液体を攪拌する攪拌手段を兼ねることを特徴とする。
【0019】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項14に係る分析装置の測光方法は、容器に保持された液体の光学的特性を測定する分析装置の測光方法において、前記容器内において前記液体が保持される位置をもとに当該液体を測光する測光位置を制御する工程と、制御された測光位置において前記液体を測光する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる分析装置は、液体の光学的特性を測定する測光手段と、容器内において液体が保持される位置をもとに液体を測光する測光位置を制御する制御手段とを備え、分析装置の測光方法は、容器内において液体が保持される位置をもとに液体を測光する測光位置を制御する工程と、制御された測光位置において液体を測光する工程とを含むので、反応容器に保持された液体の位置に合わせて測光位置を制御することができ、容器が保持した液体をその位置で測光することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施の形態1)
以下、本発明の分析装置と分析装置の測光方法にかかる実施の形態1について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、実施の形態1の自動分析装置を示す概略構成図である。図2は、実施の形態1の自動分析装置で使用する反応容器を反応ホイールの一部及び攪拌装置の概略構成図と共に示す斜視図である。図3は、反応容器が保持した液体の表面張力、内部の空気から鉛直上方に作用する力及び液体の重力との関係を説明する反応容器の縦断面図である。図4は、図3の反応容器の平面図である。
【0022】
自動分析装置1は、図1に示すように、作業テーブル2上に検体テーブル3、検体分注機構5、反応ホイール6、測光部10、洗浄装置11、試薬分注機構12及び試薬テーブル13が設けられ、攪拌装置20を備えている。
【0023】
検体テーブル3は、図1に示すように、駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って等間隔で配置される収納室3aが複数設けられている。各収納室3aは、検体を収容した検体容器4が着脱自在に収納される。
【0024】
検体分注機構5は、反応ホイール6に保持された複数の反応容器7に検体を分注する手段であり、図1に示すように、検体テーブル3の複数の検体容器4から検体を順次反応容器7に分注する。検体分注機構5は、反応容器7に分注した検体の分注量を制御部16へ出力する。
【0025】
反応ホイール6は、図1に示すように、検体テーブル3とは異なる駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、外周には周方向に沿って複数の凹部6aが等間隔で設けられている。反応ホイール6は、各凹部6aの半径方向両側に測定光が通過するスリット6b(図2参照)が形成されている。スリット6bは、反応容器7が有する液体保持部7dの上下方向に略対応した長さに成形されている。反応ホイール6は、一周期で時計方向に(1周−1反応容器)/4分回転し、四周期で反時計方向に凹部6aの1個分回転する。反応ホイール6の近傍には、測光部10及び洗浄装置11が設けられている。
【0026】
反応容器7は、容量が数nL〜数十μLと微量な容器であり、測光部10の光源10aから出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する透明素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス,環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が使用される。反応容器7は、図2及び図3に示すように、側壁7a,7bと底壁7cとによって液体を保持する水平断面が正方形の液体保持部7dが形成され、液体保持部7dの上部に開口7eを有する四角筒形状のキュベットである。反応容器7は、液体保持部7dの内面に検体や試薬等の液体に対する親和性処理が施され、対向配置され、分析光を透過させる2つの側壁7aが液体の光学的測定に使用される。反応容器7は、側壁7aを反応ホイール6の半径方向に向けると共に、側壁7bを反応ホイール6の周方向に向けて、凹部6aに配置される。
【0027】
ここで、反応容器7は、図3及び図4に示すように、液体Lqを少なくとも2つの気液界面M1,M2を有する状態で保持した場合に、保持した液体Lqから内壁全周に作用する表面張力Tの鉛直成分の大きさ(F=T・cosθ・L)と反応容器7内の、気体、例えば、空気Arから液体Lqに鉛直上方に作用する力(f=ΔP・S)との和が、次式で示すように液体Lqに作用する重力(W=ρ・g・H・S)以上となる接触角を有するものを用いる。
F+f=(T・cosθ・L+ΔP・S)≧W=ρ・g・H・S
【0028】
このとき、図示のように、反応容器7と保持した液体Lqとの接触角をθ、液体Lqと反応容器7との気液界面における周方向に沿った長さをL、気液界面M1に作用する大気圧をP1、反応容器7内の空気Arから気液界面M2に作用する圧力をP2(ΔP=P1−P2)、液体Lqの密度をρ、重力加速度をg、反応容器7に保持された液体Lqの鉛直方向の長さをH、液体保持部7dの水平方向の断面積をS、とする。反応容器7は、液体Lqに対してこのような接触角θを有していれば、表面張力と空気Arの圧力との和が重力以上となるので、液体Lqが開口7eに保持される。反応容器7におけるこのような表面張力F、液体Lqに作用する力f及び重力Wの関係は、反応容器7内に空気Arが存在する場合には、以下に説明する各実施の形態で使用する他の反応容器においても同様に適用される。
【0029】
測光部10は、図1に示すように、反応ホイール6下部の凹部6aを挟んで半径方向に対向する位置に昇降自在に設けられる測光手段であり、反応容器7に保持された液体を分析する分析光(340〜800nm)を出射する光源10aと、液体を透過した分析光を分光して受光する受光器10bとを有している。測光部10は、制御部16に作動を制御されたZ軸ステージ等のドライバDrによって光源10aと受光器10bが反応容器7に保持された液体の気液界面に交差する鉛直方向へ移動するように上下位置(測光位置)が制御される。
【0030】
洗浄装置11は、反応容器7から液体や洗浄液を排出する排出手段と、洗浄液の分注手段とを有している。洗浄装置11は、測光終了後の反応容器7から測光後の液体を排出した後、洗浄液を分注する。洗浄液の分注量は、測光時に反応容器7が保持していた液体よりも僅かに多い量とする。洗浄装置11は、洗浄液の分注と排出の動作を複数回繰り返すことにより、反応容器7の内部を洗浄する。このようにして洗浄された反応容器7は、再度、新たな検体の分析に使用される。
【0031】
試薬分注機構12は、反応ホイール6に保持された複数の反応容器7に試薬を分注する手段であり、図1に示すように、試薬テーブル13の所定の試薬容器14から試薬を順次反応容器7に分注する。試薬分注機構12は、反応容器7に分注した試薬の分注量を制御部16へ分注量信号として出力する。
【0032】
試薬テーブル13は、図1に示すように、検体テーブル3及び反応ホイール6とは異なる駆動手段によって矢印で示す方向に回転され、扇形に成形された収納室13aが周方向に沿って複数設けられている。各収納室13aは、試薬容器14が着脱自在に収納される。複数の試薬容器14は、それぞれ検査項目に応じた所定の試薬が満たされ、外面には収容した試薬に関する情報を表示するバーコードラベル(図示せず)が貼付されている。
【0033】
ここで、試薬テーブル13の外周には、図1に示すように、試薬容器14に貼付した前記バーコードラベルに記録された試薬の種類,ロット及び有効期限等の情報を読み取り、制御部16へ出力する読取装置15が設置されている。
【0034】
制御部16は、検体テーブル3、検体分注機構5、反応ホイール6、受光器10b、洗浄装置11、試薬分注機構12、試薬テーブル13、読取装置15、分析部17、入力部18、表示部19及び攪拌装置20と接続され、例えば、分析結果を記憶する記憶機能を備えたマイクロコンピュータ等が使用される。制御部16は、自動分析装置1の各部の作動を制御すると共に、前記バーコードラベルの記録から読み取った情報に基づき、試薬のロットや有効期限等が設置範囲外の場合、分析作業を停止するように自動分析装置1を制御し、或いはオペレータに警告を発する。
【0035】
また、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に基づいて、予め測光部10の上下位置、即ち、測光位置を決める表や関数を求めておき、これらの表や関数に基づいて測光部10を駆動するドライバDrの作動を制御して、測光位置を制御する。ここで、入力部18から検体の測定項目と反応容器7の位置情報とを入力すると、入力した測定項目と反応容器7の位置情報とに対応した信号が制御部16に出力される。制御部16は、これらの信号に基づいて検体分注機構5や試薬分注機構12に検体や試薬を指定された反応容器7に所定量分注させる。このとき、検体分注機構5や試薬分注機構12は、上述のように、反応容器7に分注した検体や試薬の分注量に関する分注量信号を制御部16へ出力する。制御部16は、この分注量信号を攪拌装置20へ出力すると共に、このようにして入力される分注量信号に基づいて反応容器7に関して予め測定し、記憶させておいた測光位置を読み出し、ドライバDrを介して測光部10の測光位置を制御する。
【0036】
分析部17は、制御部16を介して受光器10bに接続され、受光器10bが受光した光量に基づく反応容器7内の液体の吸光度から検体の成分濃度等を分析し、分析結果を制御部16に出力する。入力部18は、制御部16へ検査項目等を入力する操作を行う部分であり、例えば、キーボードやマウス等が使用される。表示部19は、分析内容や警報等を表示するもので、ディスプレイパネル等が使用される。
【0037】
攪拌装置20は、表面弾性波素子22を駆動するもので、図2に示すように、表面弾性波素子22に電力を送電する送電体21と、表面弾性波素子22とを有している。
【0038】
送電体21は、RF送信アンテナ21a、駆動回路21b及びコントローラ21cを有している。送電体21は、数MHz〜数百MHz程度の高周波交流電源から供給される電力をRF送信アンテナ21aから駆動信号として表面弾性波素子22に発信する。RF送信アンテナ21aは、反応ホイール6の凹部6a内面に取り付けられている。このため、攪拌装置20は、例えば、コントローラ21cによって制御されるスイッチを切り替えることにより、供給される電力を複数のRF送信アンテナ21aの中から特定のRF送信アンテナ21aに出力するように切り替える。
【0039】
駆動回路21bは、コントローラ21cからの制御信号に基づいて発振周波数を変更可能な発振回路を有しており、数十MHz〜数百MHz程度の高周波の発振信号をRF送信アンテナ21aへ出力する。ここで、RF送信アンテナ21aと駆動回路21bとの間は、反応ホイール6が回転しても電力が電送されるように、接触電極を介して接続されている。コントローラ21cは、駆動回路21bの作動を制御し、例えば、表面弾性波素子22が発する音波の特性(周波数,強度,位相,波の特性)、波形(正弦波,三角波,矩形波,バースト波等)或いは変調(振幅変調,周波数変調)等を制御する。また、コントローラ21cは、内蔵したタイマに従って駆動回路21bが発振する発振信号の周波数を切り替えることができる。
【0040】
表面弾性波素子22は、RF送信アンテナ21aから発信される駆動信号(電力)を受信して音波(表面弾性波)を発生し、発生した音波によって液体を攪拌する攪拌手段である。表面弾性波素子22は、エポキシ樹脂等の音響整合層を介して図2に示すように反応容器7の側壁7aに取り付けられる。表面弾性波素子22は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)等からなる圧電基板22a上に櫛歯状電極(IDT)からなる振動子22bとアンテナ22cが形成されている。振動子22bは、RF送信アンテナ21aから発信される駆動信号(電力)をアンテナ22cで受信することによって音波(表面弾性波)を発生する発音部である。表面弾性波素子22は、測光部10の光源10aから出射された分析光が入射或いは出射する側壁7aを避けて、これらに隣り合う側壁7bに取り付けられる。
【0041】
以上のように構成される自動分析装置1は、反応容器7内において液体が保持される位置に応じて液体を測光する測光位置を制御する工程と、制御された測光位置において液体を測光する工程とを含む以下に説明する測光方法によって反応容器7に分注される検体を分析する。
【0042】
先ず、自動分析装置1は、制御部16による制御の下、反応ホイール6の回転によって周方向に沿って移動してくる反応容器7に、試薬分注機構12の分注ノズル12aが試薬テーブル13の所定の試薬容器14から試薬Rを順次分注する(図5参照)。このとき、試薬分注機構12は、反応容器7に分注した試薬の分注量に関する分注量信号を制御部16へ出力する。
【0043】
すると、反応容器7は、容量が数nL〜数十μLと非常に微小であるため、試薬Rは、その種類又は量、反応容器7の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じ、図6に示すように、開口7eから下方へ浸入した状態で空気Arを介して開口7e近傍に保持される。即ち、反応容器7は、保持した試薬Rから内壁全周に作用する表面張力Tの鉛直成分の大きさ(F=T・cosθ・L)と試薬Rに空気Arから鉛直上方に作用する力(f=ΔP・S)との和が、試薬Rに作用する重力(W=ρ・g・H・S)以上となる接触角θを有しているので、試薬Rは開口7e近傍に保持される。
【0044】
試薬Rを分注した後、自動分析装置1は、制御部16による制御の下、反応ホイール6を回転させ、試薬Rが分注された反応容器7を検体分注機構5の近傍へ移動する。次に、自動分析装置1は、制御部16による制御の下、検体分注機構5を駆動させる。これにより、反応容器7は、所定の検体容器4から試薬Rの上に分注ノズル5aによって検体Sが分注される(図6参照)。試薬Rと検体Sとの混合液は、上述の理由により開口7e近傍に保持される(図7参照)。
【0045】
このとき、検体分注機構5は、反応容器7に分注した検体の分注量に関する分注量信号を制御部16へ出力する。このようにして入力された試薬と検体の分注量に関する分注量信号に基づき、自動分析装置1は、制御部16が予め記憶させておいた測光位置を読み出し、ドライバDrを介して測光部10の測光位置を制御する。但し、試薬Rと検体Sとの混合液Lmは、図7に示すように、反応容器7の開口7e近傍に保持されているので、制御部16は、測光部10を反応容器7の開口7eに近い初期位置に保持し、上下方向の位置を変更することはしない。
【0046】
このようにして反応容器7に試薬と検体を分注した後、自動分析装置1は、制御部16による制御の下、駆動装置20によって表面弾性波素子22を駆動する。これにより、反応容器7は、図7に示すように、発音部である振動子22bが発した音波Waが混合液Lm中へ漏れ出し、漏れ出した音波Waによって混合液Lmが攪拌される。この結果、混合液Lmは、試薬Rと検体Sが反応する。
【0047】
自動分析装置1は、このようにして試薬Rと検体Sとを反応させて反応液Lrとした後、制御部16による制御の下、反応ホイール6を回転して反応液を保持した反応容器7を移動させる。これにより、反応容器7は、測光部10を通過する際、図8に示すように、側壁7aに出射する光束BLによって開口7e近傍に保持した反応液Lrが測光部10の初期位置で測光される。ここで、図8に点線で示す部分が測光領域Ropである。
【0048】
測光終了後、自動分析装置1は、制御部16による制御の下、洗浄装置11を駆動し、図9に示すように、測光終了後の反応容器7から測光後の反応液Lrを吸引ノズル11aによって吸引する。次に、自動分析装置1は、制御部16による制御の下、洗浄装置11の洗浄ノズルから、図10に示すように、反応容器7に洗浄液Lcを吐出する。吐出する洗浄液Lcの量は、反応液Lrよりも僅かに多くするが、開口7eに滞留しないように、数回に分けて吐出する。洗浄液Lcが開口7eを塞いで滞留した場合には、液体保持部7dを洗浄するため、表面弾性波素子22を駆動し、発生する音波を利用して洗浄液Lcを液体保持部7dへ送り込む。
【0049】
次いで、自動分析装置1は、制御部16による制御の下、駆動装置20によって表面弾性波素子22を駆動する。これにより、反応容器7は、試薬Rと検体Sとを反応させた場合と同様に、図11に示すように、洗浄液Lc中へ漏れ出した音波Waによって洗浄液Lcを攪拌し、液体保持部7dを洗浄液Lcによって洗浄する。反応容器7を洗浄した後、自動分析装置1は、制御部16による制御の下、洗浄装置11を駆動し、図12に示すように、液体保持部7dを洗浄した洗浄液Lcを吸引ノズル11aによって吸引する。自動分析装置1は、制御部16による制御の下、洗浄装置11に洗浄液Lcの吐出,攪拌,吸引に亘る一連の動作を複数回繰り返させることにより、反応容器7を洗浄する。このようにして洗浄された反応容器7は、再度、新たな検体の分析に使用される。
【0050】
このように、反応容器7が容量数nL〜数十μLと非常に微小になると、液体は、表面張力の影響が大きくなって開口7e近傍に保持されてしまう。このため、液体が開口7e近傍に保持された場合には、その状態で測光を行うと、液体を反応容器7の内部へ送り込むための余分なエネルギーを浪費せず合理的である。
【0051】
但し、反応容器7が試薬Rと検体Sを含む液体を保持する位置は、液体の種類又は量、反応容器7の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて変化する。このため、例えば、試薬や検体の分注量が多く、図13に示すように、混合液Lmの量が多い場合、制御部16は、先ず、表面弾性波素子22を駆動し、音波Waによって混合液Lmを攪拌して試薬Rと検体Sとを反応させる。
【0052】
その後、制御部16は、測光位置を制御することなく測光部10の初期位置で反応液を測光してもよいし、測光位置を制御してから反応液を測光してもよい。この場合、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に関する分注量信号に基づき、予め記憶させておいた測光位置を読み出し、ドライバDrを介して測光部10を初期位置から反応容器7の上下方向中央へ移動(下降)させ、測光位置を制御する。従って、反応容器7は、下方へ移動した測光領域Ropにおいて保持した反応液が測光される。
【0053】
一方、量が少ないにも拘わらず、例えば、表面張力が極端に小さいか、密度ρが大きい等により、図14に示すように、混合液Lmが反応容器7の上下方向中央へ浸入し、表面弾性波素子22の振動子22bから離れた位置に保持される場合がある。このような場合、振動子22bが発生した音波Waは、反応容器7の材質と音響インピーダンスの差が大きい空気中には放射されない。このため、音波Waは、図15に示すように、圧電基板22aと側壁7bを通って伝搬され、音響インピーダンスの差が小さい混合液Lmの部分で混合液Lm中へ放射される。このようにして混合液Lm中へ放射された音波Waにより生じた音響流によって混合液Lmが攪拌されて検体と試薬とが反応し、反応液となる。
【0054】
その後、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に関する分注量信号に基づき、予め記憶させておいた測光位置を読み出し、ドライバDrを介して測光部10を初期位置から反応容器7の上下方向中央へ下降させ、測光位置を制御する。これにより、自動分析装置1は、反応容器7の反応液が存在する測光領域Rop(図14参照)において反応液を測光することができる。
【0055】
また、反応容器7は、容量が数nL〜数十μLと微量な容器であるため、保持した液体に作用する重力よりも液体の表面張力の影響が大きい。このため、反応容器7は、図16に示すように、開口7eを鉛直下方に向けて反応ホイール6の凹部6aに配置してもよい。このような配置とした場合、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に関する分注量信号に基づき、予め記憶させておいた測光位置を読み出し、ドライバDrを介して測光部10を初期位置から反応容器7の上下方向中央へ下降させ、測光位置を制御する。このように制御することにより、自動分析装置1は、反応容器7の反応液Lrが存在する測光領域Rop(図16参照)において反応液Lrを測光することができる。また、別の変形例として、反応容器7は、水平方向に配置してもよい。この場合、気液界面は、水平方向に並ぶため、測光部10は2つの気液界面の間で測光位置が制御される。つまり、測光位置は、水平方向に制御される。
【0056】
ここで、自動分析装置1で使用する反応容器は、液体を導入する開口と、液体を少なくとも2つの気液界面を有する状態で保持する液体保持部とを有していればよい。このため、図17及び図18に示す反応容器8のように、互いに平行に対向配置される一組の側壁8a、互いに対向配置され、下方に向かって狭くなる一組の傾斜壁8b及び底壁8cによって液体を保持する液体保持部8dが形成され、液体保持部8dの上部に開口8eを有する形状としてもよい。このとき、反応容器8は、反応容器7と同一の素材からなり、内面に検体や試薬等の液体に対する親和性処理が施された反応容器7と容量が同じである微量な容器である。反応容器8は、傾斜壁8bに表面弾性波素子22が取り付けられ、一組の側壁8aが液体の光学的測定に使用される。反応容器7は、側壁8aを反応ホイール6の半径方向に向けると共に、傾斜壁8bを反応ホイール6の周方向に向けて、凹部6aに配置される。
【0057】
反応容器8は、反応容器7と同様に、上方から分注した液体が表面張力の影響によって開口8e近傍に保持される。このため、反応容器8は、図18に示すように、開口8eの近傍で試薬Rと検体Sの混合液Lmを表面弾性波素子22が発する音波Waによって攪拌し、開口8eの近傍で反応液の測光が行われる。但し、反応容器8が試薬Rと検体Sを含む液体を保持する位置は、液体の種類又は量、反応容器8の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて変化する。このため、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に関する分注量信号に基づき、予め記憶させておいた測光位置を読み出し、ドライバDrを介して測光部10による測光位置を制御してもよい。
【0058】
また、自動分析装置1で使用する反応容器は、図19に示す反応容器9のように、互いに平行に対向配置される二組の側壁9aによって上下に開口9cを有する液体保持部9dを形成してもよい。このとき、反応容器9は、反応容器7と同一の素材からなり、内面に検体や試薬等の液体に対する親和性処理が施された反応容器7と容量が同じである微量な容器である。
【0059】
従って、反応容器9は、反応容器7と同様に、上方から分注した液体が表面張力の影響によって開口9c近傍に保持される。このため、反応容器9は、図19に示すように、開口9cの近傍で試薬Rと検体Sの混合液Lmを表面弾性波素子22が発する音波Waによって攪拌し、開口9cの近傍で反応液の測光が行われる。但し、反応容器9が試薬Rと検体Sを含む液体を保持する位置は、液体の種類又は量、反応容器9の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて変化する。このため、このような場合には、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に関する分注量信号に基づき、予め記憶させておいた測光位置を読み出し、ドライバDrを介して測光部10による測光位置を制御してもよい。
【0060】
一方、表面弾性波素子は、図20に示す表面弾性波素子24のように、圧電基板22aと同じ素材からなる圧電基板24a上に櫛歯状電極(IDT)からなる2つの振動子24b,24cを形成し、振動子24b,24cをアンテナ24dによって並列接続した構成としてもよい。このとき、振動子24b,24cは、それぞれ駆動周波数に対するインピーダンス及び位相が図21に示す周波数特性を有するものを使用し、上側に位置する振動子24bの中心周波数をf1とし、下側に位置する振動子24cの中心周波数をf2(>f1)とする。また、表面弾性波素子24は、振動子24bを上側に配置した状態で音響整合層を介して反応容器7の側壁7bに取り付ける。
【0061】
このため、表面弾性波素子24は、送電体21のRF送信アンテナ21aから周波数f1の駆動信号を発信すると、上側に位置する振動子24bが励振され、周波数f2の駆動信号を発信すると、下側に位置する振動子24cが励振される。
【0062】
従って、自動分析装置1は、制御部16から攪拌装置20へ出力される分注量信号により、例えば、試薬と検体の混合液の量が少なく、液体保持部7d上側の開口7e近傍に保持されている場合には、攪拌装置20は、制御部16による制御の下に、コントローラ21cから表面弾性波素子24に周波数f1の駆動信号を出力させる。すると、自動分析装置1は、反応ホイール6が停止したときに、RF送信アンテナ21aから周波数f1の駆動信号が表面弾性波素子24に発信される。
【0063】
これにより、攪拌装置20は、表面弾性波素子24の上側に位置する振動子24bが、図22に示すように、反応ホイール6が停止する停止時間Ts中に周波数f1の駆動信号によって順次駆動される。この結果、反応ホイール6の停止中に振動子24bによって誘起された表面弾性波(音波)は、反応容器7の側壁7b内を伝搬し、図23に示すように、音響インピーダンスが近い混合液Lm中へ音波Waが漏れ出す。この漏れ出した音波Waによって音響流が生じ、混合液Lm中の試薬と検体とが攪拌される。攪拌後、制御部16は、測光位置を制御することなく測光部10の初期位置(開口7e近傍)で反応液を測光する。
【0064】
一方、制御部16から攪拌装置20へ出力される分注量信号により、例えば、液体保持部7dの開口7e近傍に保持された試薬と検体の混合液の量が多い場合、攪拌装置20は、制御部16による制御の下に、コントローラ21cから表面弾性波素子24に周波数f1の駆動信号と周波数f2の駆動信号を時分割で交互に出力させる。すると、自動分析装置1は、反応ホイール6が停止したときに、RF送信アンテナ21aから周波数f1の駆動信号と周波数f2の駆動信号が表面弾性波素子24に交互に発信される。
【0065】
これにより、攪拌装置20は、図24に示すように、反応ホイール6が停止する停止時間Ts中に周波数f1と周波数f2の駆動信号が表面弾性波素子24に交互に入力される。このため、自動分析装置1の反応ホイール6が停止する毎に、表面弾性波素子24に入力される駆動信号が周波数f1と周波数f2との間で交互に変更され、音波を発生する振動子24b,24cが自己選択的に切り替えられる。
【0066】
この結果、攪拌装置20は、図25に示すように、上側に位置する振動子24bから周波数f1の音波Wa1が、下側に位置する振動子24cから周波数f2の音波Wa2が、それぞれ混合液Lm中へ交互に漏れ出して音響流が発生する。このため、反応容器7が保持した試薬と検体の混合液Lmは、エネルギーの無駄を抑えて反応容器7の底部から気液界面に至るまで効率良く攪拌され、試薬と検体との十分な反応が保証される。この場合、制御部16は、測光位置を制御することなく測光部10の初期位置(開口7e近傍)で反応液を測光してもよいし、測光部10を初期位置から反応容器7の上下方向に沿って下方へ移動させることにより測光位置を制御してから反応液を測光してもよい。なお、周波数f1,f2の切り替え時間は、必ずしも1:1である必要はなく、検体の性状又は液量等に応じて適宜設定,変更しても良い。
【0067】
また、実施の形態1の自動分析装置1は、図26に示すように、反応ホイール6の凹部6a内面に設けたコンタクトピン21dによって駆動装置20から表面弾性波素子22に有線によって電力を供給するようにしてもよい。このとき、表面弾性波素子22は、図27に示すように、圧電基板22a上に形成するアンテナ22cに代えてコンタクトピン21dと接触するコンタクトパッド22dを形成する。
【0068】
以上のように、実施の形態1の自動分析装置1とその測光方法は、反応容器7内において液体が保持される位置に応じて制御部16が測光部10の位置を制御するので、反応容器7に保持された液体の位置に合わせて測光位置を制御することができるという効果を奏する。
【0069】
(実施の形態2)
次に、本発明の分析装置とその測光方法にかかる実施の形態2について、図面を参照しつつ詳細に説明する。実施の形態1の自動分析装置は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に基づいて、制御部16が測光部10の上下位置や測光位置を決めた。これに対して、実施の形態2の自動分析装置は、攪拌手段である表面弾性波素子によって容器に保持された液体の位置を検出している。
【0070】
図28は、実施の形態2の自動分析装置で使用する反応容器を反応ホイールの一部及び攪拌装置の概略構成図と共に示す斜視図である。図29は、図28に示す反応容器で使用され、反応容器に保持された液体の位置検出に使用する表面弾性波素子を示す正面図である。ここで、実施の形態2の自動分析装置は、基本構成が実施の形態1の自動分析装置と同じである。従って、以下に説明する各実施の形態の自動分析装置において、実施の形態1の自動分析装置と同一の構成部分には同一の符号を使用している。
【0071】
実施の形態2の自動分析装置は、図28に示すように、駆動回路21bとRF送信アンテナ21aとの間に反射測定器26を直列に接続した位置検出装置25を備えている。位置検出装置25は、反射測定器26、表面弾性波素子27及びコントローラ21cを有しており、反応容器に保持された液体を攪拌する攪拌手段を兼ねている。
【0072】
反射測定器26は、表面弾性波素子27の発音部である振動子27b〜27dの電気的特性を測定する測定部である。反射測定器26は、駆動回路21bで発生し、RF送信アンテナ21aから表面弾性波素子27に出力された電力に対して、振動子27b〜27dから反射されて戻ってくる電気エネルギー(電力)の反射率を測定するもので、例えば、定在波比(SWR: Standing Wave Ratio)計が使用される。反射測定器26は、測定した電力の反射率を反射信号としてコントローラ21cに出力する。ここで、反射測定器26は、振動子27b〜27dの電気的特性を測定することができれば、発音部である振動子27b〜27dからの電力の反射率の他、インピーダンス,電圧,電流に関する値の少なくとも一つであればよい。
【0073】
表面弾性波素子27は、複数の発音部を有する音波発生手段であり、図29に示すように、圧電基板22aと同じ素材からなる圧電基板27a上に櫛歯状電極(IDT)からなる発音部である振動子27b〜27dが形成され、振動子27b〜27dがアンテナ27eによって並列接続されている。このとき、表面弾性波素子27は、振動子27b〜27dの中心周波数をf1〜f3(f1<f2<f3)に設定し、音響整合層を介して反応容器7の側壁7bに取り付ける。
【0074】
コントローラ21cは、反射測定器26において測定された電気的特性の違いを利用して発音部である各振動子27b〜27dの位置における液体の有無を判定する判定制御部である。コントローラ21cは、反射測定器26から入力される反射信号をもとに反応容器に保持された液体の有無を判定し、液体の位置を検出すると共に、振動子27b〜27dの中から液体の攪拌に使用すべき振動子を決定する。このとき、使用すべき振動子を決定したコントローラ21cは、駆動回路21bに制御信号を出力し、決定した振動子を中心周波数で駆動させるように発振周波数を変更する。
【0075】
このように構成される位置検出装置25は、以下に説明する位置検出方法により、反応容器7に保持された液体の有無や位置を検出する。即ち、位置検出装置25による位置検出方法は、駆動回路21bがRF送信アンテナ21aに出力する表面弾性波素子27の駆動信号の周波数を経時的に変化させ、振動子27b〜27dから個々に音波を発生させる工程と、個々に発生させた音波に基づいて各振動子27b〜27dからの駆動信号の反射率を測定する工程と、測定された反射率の違いに基づいて各振動子27b〜27dの位置における液体の有無を判定する工程と、を含んでいる。位置検出装置25は、この位置検出方法により、反応容器7に保持された液体の有無や位置を検出することができる。
【0076】
ここで、位置検出装置25は、位置検出方法を実行する際、例えば、駆動回路21bがRF送信アンテナ21aに出力する表面弾性波素子27の駆動信号の周波数を、図30に示すように、経時的に直線的に変化させる。この場合、反応容器7は、検体や試薬の分注がないと、図31に示すように、液体保持部7cが空の状態である。このとき、位置検出装置25は、図30に示すように、駆動信号の周波数を変化させると、ぞれぞれの時刻T1,T2,T3において周波数がf1,f2,f3となり、振動子27b〜27dが振動子27b,振動子27c,振動子27dの順に駆動される。しかし、反応容器7は、液体保持部7cが空のため、発生した音波が液体に漏れ出さず、駆動回路21bから出力された電力の一部が振動子27b〜27dから反射されてくる。このため、反射測定器26は、図32に示すように、時刻T1,T2,T3において周波数f1,f2,f3の駆動信号の反射率が最小となる振動子27b〜27dからの反射信号をコントローラ21cに出力する。
【0077】
一方、検体や試薬の分注量が僅かな場合、反応容器7は、図33に示すように、表面張力によって液体Lqが開口7d近傍に保持される。このとき、位置検出装置25は、図30に示すように、駆動信号の周波数を変化させると、振動子27bが最も液体Lqに近いことから、振動子27bが発生した音波が液体に漏れ出す量が最も多く、振動子27c,27dが発生した音波が液体に漏れ出す量が少なくなる。このため、反射測定器26は、図34に示すように、振動子27bからの反射率が、振動子27c,27dからの反射率よりも格段に小さくなる反射信号(周波数f1)をコントローラ21cに出力する。このとき、振動子27c,27dから反射してくる駆動信号(周波数f2,f3)の反射率は、振動子27c,27dに対応する液体保持部7cに液体がなく、音波が液体に漏れ出さないことから、周波数f1の駆動信号の反射率よりも大きく、かつ、図32における振動子27c,27dの駆動信号(周波数f2,f3)の反射率と略等しい値になっている。
【0078】
これに対し、検体や試薬が多量に分注されると、反応容器7は、図35に示すように、液体Lqが、開口7d近傍から液体保持部7cの下部近く迄保持される。この状態においては、振動子27b〜27dと液体Lqとの位置が近い関係にある。このため、位置検出装置25は、図30に示すように、駆動信号の周波数を変化させると、振動子27b〜27dのそれぞれが発生した音波が液体に漏れ出すため、振動子27b〜27dからの駆動信号の反射率が小さくなる。このため、反射測定器26は、図36に示すように、振動子27bの駆動信号(周波数f1)の反射率に加え、振動子27c,27dの駆動信号(周波数f2,f3)の反射率も同様に最小となる反射信号をコントローラ21cに出力する。
【0079】
さらに、検体や試薬の分注量は中程度であるが、例えば、表面張力が極端に小さいか、密度ρが大きい等により、図37に示すように、液体Lqが反応容器7の底部まで浸入することがある。この状態においては、振動子27dと液体Lqとの位置が近い関係にある。このため、位置検出装置25は、図30に示すように、駆動信号の周波数を変化させると、振動子27dが発生した音波が液体に漏れ出し、振動子27b,27cが発生した音波の漏れ出し量が少なくなる。このため、反射測定器26は、図38に示すように、振動子27dの駆動信号(周波数f3)の反射率が、振動子27b,27cの駆動信号(周波数f1,f2)の反射率に比べて格段に小さい反射信号をコントローラ21cに出力する。
【0080】
以上から、位置検出装置25は、反射測定器26からコントローラ21cに出力される駆動信号の反射率の大小をコントローラ21cにおいて判断することにより、反応容器7への液体の分注の有無(液体の有無)の他、反応容器7が保持した液体の位置を検出することができる。
【0081】
このため、実施の形態2の自動分析装置は、位置検出装置25のコントローラ21cが検出した反応容器7における液体の位置に応じ、駆動すべき振動子27b〜27dを制御部16が選択することにより、反応容器7に保持された液体の最適な攪拌を行うことができる。このとき、実施の形態2の自動分析装置は、実施の形態1の自動分析装置が行う測光位置制御の他、位置検出装置25が検出した液体の位置に応じて、制御部16によってドライバDrを介して測光部10の上下位置を調節し、液体の位置に合わせて測光位置を制御し、測光を行う。
【0082】
従って、実施の形態2の自動分析装置とその測光方法は、反応容器7内において液体が保持される位置に応じて制御部16が測光部10の位置を制御するので、反応容器7に保持された液体の位置に合わせて測光位置を制御することができるという効果を奏する。
【0083】
ここで、実施の形態2の自動分析装置は、位置検出装置25で使用する表面弾性波素子27の駆動信号の周波数を、図30に示すように経時的に直線的に変化させたが、駆動信号の周波数を時刻T1までは周波数f1、時刻T1〜T2の間は周波数f2、時刻T2以降は周波数f3というように段階的に変化させてもよい。
【0084】
なお、位置検出装置25は、表面弾性波素子27の発音部として3つの振動子27b〜27dを用いたが、発音部の数は3つに限られるものではなく、反応容器の大きさに応じて設置数を増すことにより、一層細かな位置検出が可能となる。
【0085】
(実施の形態3)
次に、本発明の分析装置と分析装置の測光方法にかかる実施の形態3について、図面を参照しつつ詳細に説明する。実施の形態1,2の自動分析装置は、反応容器に表面弾性波素子が取り付けられていたが、実施の形態3の自動分析装置は、反応容器の近傍に配置した表面弾性波素子が離接するように構成されている。図39は、実施の形態3の自動分析装置の構成を反応容器及び反応テーブルを断面にして示すブロック図である。図40は、図39の自動分析装置で用いる反応テーブルの一部を表面弾性波素子及びその駆動装置と共に示す平面図である。
【0086】
自動分析装置30は、図39に示すように、検体分注部31、試薬分注部32、反応テーブル33、表面弾性波素子36、測光部38、制御部39及び攪拌部40を備えている。
【0087】
検体分注部31は、図39に示すように、検体格納部31aに収容された検体を検体ノズル31bによって反応容器35に分注する。試薬分注部32は、試薬格納部32aに収容された試薬を試薬ノズル32bによって反応容器35に分注する。検体分注部31及び試薬分注部32は、駆動手段によってそれぞれ個別に駆動され、反応テーブル33の外周上方を表面に沿って2次元方向に移動する。検体分注部31及び試薬分注部32は、反応容器35に分注した検体及び試薬の分注量を制御部39へ出力する。
【0088】
反応テーブル33は、図39及び図40に示すように、駆動モータ34によって回転され、外周には周方向に沿って配置される凹状に成形したホルダ33aが複数設けられている。ホルダ33aには、反応容器35が着脱自在に収容される。また、反応テーブル33は、側壁33b外面の中央に開口からなる当接窓33cが形成されると共に、側壁33bに隣り合う側壁33dに上下方向に延びる測光窓33eが形成されている。このとき、ホルダ33aは、当接窓33cを形成する側壁33b及び対向する側壁33bが半径方向に対して45°傾斜するように形成され、測光窓33eを形成する2つの側壁33dが互いに平行に形成されている。
【0089】
ここで、ホルダ33aは、図40に示すように、反応テーブル33の外周に周方向に沿って複数設けられているが、図42〜図44においては、構造を明示する便宜上、ホルダ33aを1つだけ示している。また、図39に示すように、表面弾性波素子36と測光部38は、反応テーブル33の直径方向に対向する位置に配置されているが、図40においては、表面弾性波素子36と測光部38との配置を分かり易く、かつ、簡単に示すため、表面弾性波素子36を測光部38の近傍に配置して描いている。
【0090】
反応容器35は、液体保持部35dに数nL〜数十μLの微量な液体を保持する実施の形態1で説明した図17,図18に示す四角筒形状の反応容器8が使用されるが、表面弾性波素子36は側壁35bに取り付けることなく、近傍に配置されている。
【0091】
表面弾性波素子36は、音波(表面弾性波:SAW)によって反応容器35に保持された液体を攪拌する攪拌手段であり、図40〜図42に示すように、圧電基板36a上に櫛歯状電極(IDT)からなる発音部である振動子36bが形成され、攪拌部40の駆動回路42(図39参照)から供給される電力によって駆動される。また、表面弾性波素子36は、図39に示すように、モータ41によって矢印方向に駆動されるアーム41aの先端に取り付けられ、側壁33bに形成された当接窓33cを介して反応容器35の側壁35bに離接する。このとき、表面弾性波素子36は、ホルダ33aに保持される反応容器35の側壁35bに対向させて傾斜配置されており、上部近傍に配置された液分注部37の液格納部37aに保持した音響整合液がノズル37bから滴下される。
【0092】
測光部38は、図39に示すように、ホルダ33aを挟んで反応テーブル33の半径方向に対向配置され、反応容器35に保持された液体を分析する分析光(340〜800nm)の光束(図40参照)を出射する光源38aと、液体を透過してくる光束を分光して受光する受光器38bを有している。測光部38は、下部に設けられ、制御部39に作動を制御されたドライバDrによって光源38aと受光器38bの上下位置(測光位置)が制御される。ここで、測光部38における測光が終了した反応容器35は、洗浄装置に移送されて洗浄された後、再度、新たな検体の分析に使用される。
【0093】
制御部39は、図39に示すように、検体分注部31、試薬分注部32、駆動モータ34、液分注部37、測光部38及び攪拌部40と接続され、例えば、メモリとタイマを内蔵し、分析結果を記憶するマイクロコンピュータ等が使用される。制御部39は、自動分析装置30の各部の作動を制御し、受光器38bから出力される透過光の情報に基づいて検体の成分濃度等を分析する。また、制御部39は、検査項目等を入力する操作を行うキーボードやマウス等の入力部や、分析内容や警報等を表示するディスプレイパネル等を備えている。
【0094】
ここで、制御部39は、攪拌部40を制御する場合には、例えば、表面弾性波素子36が発する音波の特性(周波数,強度,位相,波の特性)、波形(正弦波,三角波,矩形波,バースト波等)或いは変調(振幅変調,周波数変調)等を制御する。また、制御部39は、内蔵したタイマに従って駆動回路42が発振する発振信号の周波数を切り替えることができる。
【0095】
制御部39は、検体分注部31及び試薬分注部32から入力される検体や試薬の分注量に基づいて、予め測光部38の上下位置、即ち、測光位置を決める表や関数を求めておき、これらの表や関数に基づいてドライバDrの位置を制御して、測光部38の測光位置を制御する。ここで、制御部39は、前記入力部から検体の測定項目や反応容器35の位置情報等を入力すると、入力した測定項目と反応容器35の位置情報とに対応した信号が前記入力部から入力される。制御部39は、これらの信号に基づいて検体分注部31や試薬分注部32に検体や試薬を指定された反応容器35に所定量分注させる。
【0096】
このとき、検体分注部31や試薬分注部32は、上述のように、反応容器35に分注した検体や試薬の分注量に関する分注量信号を制御部39へ出力する。制御部39は、この分注量信号を攪拌部40へ出力すると共に、このようにして入力される分注量信号に基づいて反応容器35に関して予め測定し、記憶させておいた測光位置を読み出し、ドライバDrを介して測光部38の測光位置を制御する。
【0097】
攪拌部40は、制御部39による制御の下に表面弾性波素子36を駆動して反応容器35に保持される液体を攪拌する部分であり、図39に示すように、モータ41と駆動回路42を有している。
【0098】
モータ41は、制御部39による制御の下にアーム41aを駆動し、表面弾性波素子36を図39に示す矢印方向に移動させ、攪拌時にホルダ33aの当接窓33cを介して反応容器35の側壁35cに当接させる(図43参照)。
【0099】
駆動回路42は、制御部39からの制御信号に基づいて発振周波数をプログラマブルに変更可能な発振回路を有しており、数十MHz〜数百MHz程度の高周波の発振信号を増幅し、駆動信号として表面弾性波素子36に出力する他、制御部39からの制御信号に基づいて駆動信号の駆動周波数を段階的に切り替える。
【0100】
以上のように構成される自動分析装置30は、反応容器35内において液体が保持される位置に応じて液体を測光する測光位置を制御する工程と、制御された測光位置において液体を測光する工程とを含む以下に説明する測光方法によって反応容器35に分注される検体を分析する。
【0101】
先ず、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、反応テーブル33を回転させ、分注対象の反応容器35を保持したホルダ33aを試薬分注位置に停止させる。次に、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、試薬分注部32が試薬ノズル32bによって反応容器35の上方から開口35aに第1試薬を分注する。このとき、反応容器35は、容量が数nL〜数十μLと非常に微小であるため、第1試薬は、その種類又は量、反応容器35の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じ、下部に空気を介して開口35e近傍に保持される。試薬分注部32が出力した第1試薬の分注量に基づき、制御部39は、ドライバDrによって測光部38の上下位置(測光位置)を制御する。
【0102】
次いで、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、反応テーブル33を回転させ、第1試薬が分注された反応容器35を測光部38へ移動させる。これにより、反応容器35は、光源38aから出射された分析光がホルダ33aの測光窓33eから照射され、第1試薬を透過した光束が開口35e近傍の適切な測光位置で受光器38bによって測光される。受光器38bは、受光した光束に関する光情報を制御部39へ出力する。この光情報に基づき、制御部39は、第1試薬の吸光度を算出し、記憶する。
【0103】
このようにして第1試薬に関するブランク測光が終了した後、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、駆動モータ34を駆動して反応テーブル33を回転させ、第1試薬が分注された反応容器35を検体分注部31へ移動させる。次に、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、検体ノズル31bから検体を反応容器35の開口35e近傍に保持された第1試薬上に分注する。このとき、制御部39は、検体分注部31が出力した検体の分注量に基づき、ドライバDrによって測光部38の上下位置(測光位置)を制御する。
【0104】
次いで、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、駆動回路42によって振動子36bを駆動し、発生する音波(表面弾性波)によって第1試薬と検体とを攪拌して反応させる。その後、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、駆動モータ34を駆動して反応テーブル33を回転させ、反応容器35を測光部38へ移動させる。これにより、反応容器35は、第1試薬と検体が反応した反応液が開口35e近傍の適切な測光位置で測光される。制御部39は、受光器38bが測光した光情報に基づき、第1試薬と検体が反応した反応液の吸光度を算出し、記憶する。
【0105】
次に、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、駆動モータ34を駆動して反応テーブル33を回転させ、第1試薬と検体の反応液を保持した反応容器35を試薬分注部32へ移動させる。その後、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、試薬ノズル32bから第2試薬を反応容器35の開口35e近傍に保持された反応液上に分注する。このとき、制御部39は、試薬分注部32が出力した第2試薬の分注量に基づき、測光部38の測光位置を制御する。次いで、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、モータ41を駆動してアーム41aを繰り出して反応容器35の側壁35bに当接させると共に、駆動回路42によって振動子36bを駆動し、発生する音波(表面弾性波)によって第1試薬と検体の反応液と第2試薬とを攪拌して反応させる。
【0106】
その後、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、モータ41を駆動して繰り出したアーム41aを引き込むと共に、駆動モータ34を駆動して反応テーブル33を回転させ、反応容器35を測光部38へ移動させる。これにより、反応容器35は、第1試薬と検体の反応液と第2試薬とが反応した反応液が、反応容器35の開口35e近傍の適切な測光位置で測光される。制御部39は、受光器38bが測光した光情報に基づき、第1試薬と検体の反応液と第2試薬とが反応した反応液の吸光度を算出し、先に測定してある第1試薬の吸光度及び第1試薬と検体の混合液の吸光度をもとに検体の成分濃度等を算出する。そして、測光部38における測光が終了した反応容器35は、洗浄装置に移送されて反応液が排出され、洗浄された後、再度、新たな検体の分析に使用される。
【0107】
ここで、自動分析装置30は、表面弾性波素子36による液体の攪拌に際し、制御部39の制御の下、図42に示すように、液分注部37のノズル37bによって表面弾性波素子36の表面に音響整合液Lmを滴下する。このとき、ホルダ33aには、開口35e近傍に液体Lqを保持した反応容器35が挿着されている。次に、自動分析装置30は、制御部39の制御の下、モータ41によってアーム41aを繰り出し、図43に示すように、当接窓33cを介して表面弾性波素子36を反応容器35の側壁35bに当接させる。これにより、表面弾性波素子36と側壁35bとの間に音響整合液Lmの薄い膜が配置されるので、表面弾性波素子36が発生する音波(表面弾性波)が、側壁35bを介して反応容器35が保持した液体Lq中に漏れ出し、漏れ出した音波Waによって液体Lqが攪拌される。
【0108】
このように、実施の形態3の自動分析装置30とその測光方法は、反応容器35の液体が保持される位置に応じて制御部39が測光部38の位置を制御するので、反応容器35に保持された液体の位置に合わせて測光位置を制御することができるという効果を奏する。このとき、自動分析装置30は、液体が反応容器35の開口35e近傍に保持された状態で、開口35e近傍で液体を測光する。このため、自動分析装置30は、液体を反応容器35の内部へ送り込むための手段が不要である。
【0109】
但し、反応容器35が試薬Rと検体Sを含む液体を保持する位置は、液体の種類又は量、反応容器35の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて変化する。このため、このような場合、制御部39は、検体分注部31及び試薬分注部32から入力される検体や試薬の分注量に関する分注量信号に基づき、予め記憶させておいた測光位置を読み出し、ドライバDrを介して測光部38による測光位置を制御する。
【0110】
ここで、音響整合液Lmは、粘性が低いと、流れ易い。このため、ホルダ33aは、図44に示すように、当接窓33c側の下部に表面弾性波素子36に滴下した音響整合液Lmを受けるスカート部33fを設けておくとよい。
【0111】
(実施の形態4)
次に、本発明の分析装置と分析装置の測光方法にかかる実施の形態4について、図面を参照しつつ詳細に説明する。実施の形態1の自動分析装置は、測光部の光源と受光器の測光位置を1つの駆動手段によって一括して制御していた。これに対して実施の形態4の自動分析装置は、光源と受光器の測光位置をそれぞれ独立した駆動手段によって独立して制御している。図45は、実施の形態4の自動分析装置の概略構成を反応容器の断面と共に示す模式図である。
【0112】
自動分析装置50は、反応ホイール6の凹部6aを挟んで半径方向に対向する位置に設けられる測光部10に関し、図45に示すように、光源10aがドライバ51に、受光器10bがドライバ52に、それぞれ上下位置(測光位置)を制御可能に設けられている。ここで、ドライバ56a,57aは、制御部16によって駆動され、光源10aと受光器10bの上下位置(測光位置)を個別に制御する。制御部16には、検体分注機構5や試薬分注機構12から検体や試薬の分注量が入力される。制御部16は、この分注量に基づいて、予め光源10aや受光器10bの上下位置、即ち、測光位置を決める表や関数を求めておき、これらの表や関数に基づいてドライバ51,52の作動を制御して、測光位置を制御する。
【0113】
自動分析装置50は、反応容器7内において液体が保持される位置に応じて液体を測光する測光位置を制御する工程と、制御された測光位置において液体を測光する工程とを含む自動分析装置1の測光方法と同様にして反応容器7が保持した液体を分析する。
【0114】
このとき、図45に示すように、液体Lqの分注量が少ない場合、反応容器7は容量が数nL〜数十μLと非常に微小であることから、液体Lqは、表面張力の影響が大きくなって開口7e近傍に保持される。このため、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力された検体や試薬の分注量から液体Lqの量を求め、求めた液体Lqの量に基づいて予め求めておいた測光位置を決める前記表や関数からドライバ51,52を駆動することなく光源10aと受光器10bを初期位置に保持する。そして、自動分析装置50は、光源10aと受光器10bが初期位置に保持された状態で、図45に示すように、光源10aから出射された光束BLによって液体Lqを開口7eの近傍で測光する。
【0115】
但し、反応容器7が試薬や検体を含む液体Lqを保持する位置は、液体Lqの種類又は量、反応容器7の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて変化する。このため、例えば、試薬や検体の分注量が多く、液体Lqの量が多い場合、図46に示すように、反応容器7は、液体Lqが開口7e近傍から液体保持部7dの半ばまで浸入する。
【0116】
このため、制御部16は、測光位置を制御することなく測光部10の初期位置である開口7eの近傍で液体Lqを測光してもよいし、測光位置を制御してから液体Lqを測光してもよい。この場合、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に関する分注量信号に基づき、予め記憶させておいた測光位置を読み出し、ドライバ51,52を介して光源10aと受光器10bを初期位置から反応容器7の上下方向中央へ距離L1だけ移動(下降)させ、測光位置を制御する。そして、自動分析装置50は、図46に示すように、下方へ移動した測光位置において反応容器7が保持した液体Lqを光源10aが出射した光束BLによって測光する。
【0117】
このように、実施の形態4の自動分析装置50とその測光方法は、反応容器7に保持される液体の位置に応じて制御部16が光源10aと受光器10bの位置を個々に制御するので、反応容器7に保持された液体の位置に合わせて測光位置を制御することができるという効果を奏する。
【0118】
(実施の形態5)
次に、本発明の分析装置と分析装置の測光方法にかかる実施の形態5について、図面を参照しつつ詳細に説明する。実施の形態4の自動分析装置は、光源と受光器の測光位置をそれぞれ独立した駆動手段によって鉛直方向に移動させることによって制御している。これに対して実施の形態5の自動分析装置は、液体の測光位置をそれぞれ独立した可動鏡によって制御している。図47は、実施の形態5の自動分析装置の概略構成を反応容器の断面と共に示す模式図である。
【0119】
自動分析装置55は、駆動部56のドライバ56aに可動鏡56bが、駆動部57のドライバ57aに可動鏡57bが、それぞれドライバ56a,57aによって傾斜角度を制御可能に設けられている。ここで、可動鏡56b,57bは、制御部16に入力される検体分注機構5や試薬分注機構12による反応容器7への検体や試薬の分注量に基づき、制御部16によって駆動されて傾斜角度が制御される。制御部16は、これにより光源10aが出射した光束BLが反応容器7に保持される液体の位置に応じて液体を透過する位置を可動鏡56b,57bによって制御している。
【0120】
従って、制御部16は、実施の形態1と同様に、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される反応容器7への検体や試薬の分注量に基づいて、予めドライバ56a,57aによる可動鏡56b,57bの傾斜角度θ1,θ2に基づく光束BLが反応容器7を透過する鉛直方向の位置を決める表や関数を求めておき、これらの表や関数に基づいてドライバ56a,57aの作動を制御して、測光位置を制御する。このとき、可動鏡56b,57bが傾斜することにより、反応容器7に保持された液体を透過する光束BLも傾斜し、液体を透過する際の光路長が変化すると共に、受光器10bへ入射する光の入射角θi、従って入射光量も変化する。このため、自動分析装置55は、光路長と入射光量を補正するデータ補正部58が設けられている。
【0121】
データ補正部58は、例えば、マイクロコンピュータ等が使用され、液体の分注量に基づいて制御部16がドライバ56a,57aへ入力する可動鏡56b,57bの傾斜角度から、予め反応容器7へ入射する光の入射角と受光器10bへ入射する入射角θiをもとに光路長の補正値と入射光量とを求めて記憶している。データ補正部58は、制御部16から可動鏡56b,57bの傾斜角度θ1,θ2が入力されると、光路長と入射光量の補正値を読み出し、その値を制御部16に出力する。制御部16は、これらの補正値を利用して測光部10による吸光度を補正する。
【0122】
自動分析装置55は、反応容器7内において液体が保持される位置に応じて液体を測光する測光位置を制御する工程と、制御された測光位置において液体を測光する工程とを含む自動分析装置1の測光方法と同様にして反応容器7が保持した液体を分析する。
【0123】
このとき、図47に示すように、液体Lqの分注量が少ない場合、反応容器7は容量が数nL〜数十μLと非常に微小であることから、液体Lqは、表面張力の影響が大きくなって開口7e近傍に保持される。このため、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力された検体や試薬の分注量から液体Lqの量を求めた制御部16は、求めた液体Lqの量に基づいて予め求めておいた前記表や関数からドライバ56a,57aを駆動することなく可動鏡56b,57bを初期位置に保持する。そして、自動分析装置55は、可動鏡56b,57bが初期位置に保持された状態で、図47に示すように、光源10aから出射された光束BLによって液体Lqを開口7eの近傍で測光する。
【0124】
但し、反応容器7が試薬や検体を含む液体Lqを保持する位置は、液体Lqの種類又は量、反応容器7の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて変化する。このため、例えば、試薬や検体の分注量が多く、液体Lqの量が多い場合、図48に示すように、反応容器7は、液体Lqが開口7e近傍から液体保持部7dの半ばまで浸入することがある。
【0125】
このため、図48に示すように液体Lqが開口7e近傍から液体保持部7dの半ばまで浸入した場合、制御部16は、測光位置を制御することなく測光部10の初期位置で液体Lqを測光してもよいし、測光位置を制御してから液体Lqを測光してもよい。この場合、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に関する分注量信号に基づき、予め記憶させておいた測光位置を読み出し、ドライバ56a,57aを介して可動鏡56b,57bを初期位置からそれぞれ傾斜角度θ1,θ2だけ傾ける。これにより、制御部16は、光束BLが反応容器7を透過する鉛直方向の位置を下降させ、測光位置を制御する。そして、自動分析装置55は、図47に示すように、下方へ移動した測光位置において反応容器7が保持した液体Lqを光源10aが出射した光束BLによって測光する。
【0126】
このように、実施の形態5の自動分析装置55とその測光方法は、反応容器7に保持される液体の位置に応じて制御部16が可動鏡56b,57bを傾斜させることによって測光位置を制御するので、反応容器7に保持された液体の位置に合わせて測光位置を制御することができるという効果を奏する。
【0127】
ここで、自動分析装置55は、ドライバ56a,57aによって可動鏡56b,57bを傾斜させるのに代えて、可動鏡56b,57bの鉛直方向の位置を初期位置から変更させるようにしてもよい。このように構成すると、自動分析装置55は、光束BLが液体を透過する際の光路長と入射光量が変化しないので、データ補正部58を設ける必要がなくなる。
【0128】
(実施の形態6)
次に、本発明の分析装置と分析装置の測光方法にかかる実施の形態6について、図面を参照しつつ詳細に説明する。実施の形態5の自動分析装置は、単一の光源から出射された光束を単一の受光器によって測光している。これに対して実施の形態6の自動分析装置は、複数の光源から出射された光束を複数の受光器によって測光している。図49は、実施の形態6の自動分析装置の概略構成を反応容器の断面と共に示す模式図である。
【0129】
自動分析装置60は、図49に示すように、測光部61が複数のLED62aからなる光源アレイ62と複数の受光素子63aからなる受光素子アレイ63とを有している。自動分析装置60は、制御部16が受光素子アレイ63の測光データをもとに反応容器7に保持された液体の位置を検出する検出部となる。このとき、複数のLED62a及び複数の受光素子63aは、反応容器7に保持された液体Lqの気液界面M1,M2に交差する鉛直方向に沿って配列されている。自動分析装置60は、制御部16から出力された制御信号を切替回路64によって切り替え、光源アレイ62に出力することによりLED62aを順次点灯させる。これと並行して、自動分析装置60は、制御部16から出力された制御信号を切替回路65によって切り替えることによりLED62aから出射された分析光を受光素子アレイ63の中の対応する受光素子63aによって順次受光することにより反応容器7に保持された液体Lqの測光と位置検出を行う。各受光素子63aが受光した測光データは、制御部16に出力される。
【0130】
このとき、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に基づいて、予め液体Lqの位置、即ち、測光位置を決める表や関数を求めておき、これらの表や関数に基づいて液体Lqの位置及びその前後を含む範囲に位置するLED62aと受光素子63aを順次切り替えることにより、測光位置を制御する。そして、制御部16は、各受光素子63aから出力された測光データの中から、液体Lqによる吸収に起因する光量が少ない測光データと、液体Lqが存在しないため光の吸収が少なく、光量が多い測光データとを比較し、光量が少ない測光データを出力した受光素子63aの位置を液体の位置として検出すると共に、受光量が少ない受光素子63aの測光データを液体Lqを透過した分析光の測光量とする。この場合、液体Lqが存在する位置にある受光素子63aの数は、液量に応じて単数の場合もあれば複数の場合もある。また、LED,受光素子を順次切り替えて測光位置を制御するだけでなく、予め液体Lqが保持される位置を求めておき、その位置に応じて駆動するLED,受光素子を選択しても良い。このようにすることにより、測光位置の制御が可能となる。
【0131】
自動分析装置60は、反応容器7内において液体が保持される位置に応じて液体を測光する測光位置を制御する工程と、制御された測光位置において液体を測光する工程とを含む自動分析装置1の測光方法と同様にして反応容器7が保持した液体を分析する。
【0132】
このとき、図49に示すように、液体Lqの分注量が少ない場合、反応容器7は容量が数nL〜数十μLと非常に微小であることから、液体Lqは、表面張力の影響が大きくなって開口7e近傍に保持される。このため、制御部16は、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力された検体や試薬の分注量から液体Lqの量を求め、求めた液体Lqの量に基づいて予め求めておいた測光位置を決める前記表や関数に基づいてLED62aと受光素子63aを順次切り替えることにより、測光位置を制御しながら液体Lqを開口7eの近傍で測光する。
【0133】
但し、反応容器7が試薬や検体を含む液体Lqを保持する位置は、液体Lqの種類又は量、反応容器7の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて変化する。このため、例えば、試薬や検体の分注量が多く、液体Lqが多くなり、液体Lqが開口7e近傍から液体保持部7dの半ばまで浸入したような場合や、量の少ない液体Lqが開口7e近傍から液体保持部7dの半ばまで浸入したような場合が生ずることがある。
【0134】
この場合、制御部16は、測光位置を制御することなく測光部10の初期位置である開口7eの近傍で液体Lqを測光してもよいし、LED62aと受光素子63aを順次切り替えることにより、測光位置を制御しながら液体Lqを測光してもよい。また、量の少ない液体Lqが液体保持部7dに浸入したような場合には、開口7e近傍における測光データから開口7e近傍に液体が存在していないことが分かる。このため、自動分析装置60は、液体の存在を検出した位置及び分注量の情報から、制御部16が前記表や関数に基づいて決まる前記範囲に位置するLED62aと受光素子63aを順次切り替えることにより、測光位置を制御しながら液体Lqを開口7eの近傍で測光する。
【0135】
このように、実施の形態6の自動分析装置60とその測光方法は、反応容器7に保持される液体の位置に応じて制御部16がLED62aと受光素子63aを順次切り替えるので、反応容器7に保持された液体の位置に合わせて測光位置を制御することができるという効果を奏する。
【0136】
また、自動分析装置60は、実施の形態5の自動分析装置55のように、可動鏡56b,57b等の可動部品を駆動するドライバを使用しないので、光源66や受光素子アレイ63が受けるノイズの低減やリファレンス測光の工程を削減することができる。
【0137】
(変形例1)
ここで、自動分析装置60は、図50に示すように、光源アレイ62に代えて単一の光源66とし、制御部16から出力された制御信号を切替回路65によって切り替える。そして、光源66が出射した分析光を複数の受光素子63aによって順次受光することによって反応容器7の開口7e近傍で液体Lqの測光を行う。これにより、制御部16は、測光と併せて各受光素子63aが出力した測光データから液体の位置を検出することができる。ここで、制御部16は、測光に利用する特定の受光素子63aを選択する場合、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に基づいて該当位置に存在する受光素子63aを選択する。従って、自動分析装置60は、反応容器7が保持した液体の量が多い場合であっても、制御部16によって特定の受光素子63aを選択することにより、反応容器7に保持された液体Lqの位置に合わせて受光素子アレイ63による測光位置を制御しながら液体Lqを測光することができる。尚、単一の光源は、測定光を平行にするレンズが対向する受光素子の各要素に対応するように、光源の出射面に設けられている。
【0138】
(変形例2)
一方、自動分析装置60は、図51に示すように、受光素子アレイ63に代えて単一の受光素子67とし、制御部16から出力された制御信号を切替回路64によって切り替えることにより光源アレイ62の複数のLED62aを順次点灯させる。そして、各LED62aが出射した分析光を受光素子67によって順番に受光することによって反応容器7の開口7e近傍で液体Lqを測光してもよい。これにより、制御部16は、受光素子67が出力した複数の測光データから液体Lqを透過した分析光を出射したLED62aを特定することで、液体の位置を検出することができる。ここで、制御部16は、点灯するLED62aを選択する場合、検体分注機構5や試薬分注機構12から入力される検体や試薬の分注量に基づいて該当位置に存在するLED62aを選択する。従って、自動分析装置60は、反応容器7が保持した液体の量が多い場合であっても、制御部16によって点灯するLED62aを選択することにより、反応容器7に保持された液体Lqの位置に合わせ、光源アレイ62によって測光位置を制御しながら液体Lqを測光することができる。
【0139】
以上の説明から明らかなように、変形例1,2によれば、光源、受光部及び切替回路の構成部品数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】実施の形態1の自動分析装置を示す概略構成図である。
【図2】実施の形態1の自動分析装置で使用する反応容器を反応ホイールの一部及び攪拌装置の概略構成図と共に示す斜視図である。
【図3】反応容器が保持した液体の表面張力、内部の空気から鉛直上方に作用する力及び液体の重力との関係を説明する反応容器の縦断面図である。
【図4】図3の反応容器の平面図である。
【図5】試薬分注機構による反応容器への試薬の分注を示す断面図である。
【図6】検体分注機構による図5の反応容器への検体の分注を示す断面図である。
【図7】試薬と検体とを混合した液体試料を表面弾性波素子の振動子が発した音波によって攪拌する様子を示す反応容器の断面図である。
【図8】試薬と検体との反応液を測光部の初期位置で光源から出射される光束によって測光する様子を示す反応容器の断面図である。
【図9】測光終了後の反応容器から測光後の反応液を吸引ノズルによって吸引する様子を示す反応容器の断面図である。
【図10】反応液を吸引した反応容器に洗浄液を分注する様子を示す反応容器の断面図である。
【図11】分注した洗浄液を表面弾性波素子の振動子が発した音波によって攪拌して反応容器を洗浄する様子を示す反応容器の断面図である。
【図12】反応容器を洗浄した洗浄液を吸引ノズルによって吸引する様子を示す反応容器の断面図である。
【図13】液体試料の量が多い場合における液体試料の攪拌と、測光位置の制御とを説明する反応容器の断面図である。
【図14】液体試料の位置が異なる場合における液体試料の攪拌と、測光位置の制御とを説明する反応容器の断面図である。
【図15】図14のA部拡大図である。
【図16】反応容器の配置が異なる場合における液体試料の攪拌と、測光位置の制御とを説明する反応容器の断面図である。
【図17】反応容器の第1の変形例を示す斜視図である。
【図18】図17に示す反応容器の断面図である。
【図19】反応容器の第2の変形例を示す断面図である。
【図20】表面弾性波素子の変形例を示す正面図である。
【図21】図20に示す表面弾性波素子のインピーダンス及び位相の周波数特性図である。
【図22】図20に示す表面弾性波素子の第1の駆動例を示す図である。
【図23】第1の駆動例によって駆動した表面弾性波素子の振動子が発生した音波が液体保持部の開口近傍に保持された液体中で漏れ出す様子を示す反応容器の断面図である。
【図24】図20に示す表面弾性波素子の第2の駆動例を示す図である。
【図25】第2の駆動例によって駆動した表面弾性波素子の振動子が発生した音波が液体保持部の開口近傍に保持された液体中で漏れ出す様子を示す反応容器の断面図である。
【図26】表面弾性波素子に接触子によって電力を供給する変形例を、攪拌装置の概略構成図と共に示す反応ホイールの凹部の断面図である。
【図27】図26に示す変形例で使用する表面弾性波素子の正面図である。
【図28】実施の形態2の自動分析装置で使用する反応容器を反応ホイールの一部及び攪拌装置の概略構成図と共に示す斜視図である。
【図29】図28に示す反応容器で使用され、反応容器に保持された液体の位置検出に使用する表面弾性波素子を示す正面図である。
【図30】図29に示す表面弾性波素子の経時的な駆動の一例を示す周波数の時間変化図である。
【図31】図29に示す表面弾性波素子を取り付けた反応容器の液体保持部が空の場合を示す断面図である。
【図32】図31に示す表面弾性波素子を駆動した場合の駆動信号の反射率に関する周波数特性図である。
【図33】液体が図29に示す反応容器の液体保持部上部の開口近傍に保持された場合を示す断面図である。
【図34】図33に示す表面弾性波素子を駆動した場合の駆動信号の反射率に関する周波数特性図である。
【図35】液体が図29に示す反応容器の開口近傍から液体保持部の下部近く迄保持された場合を示す断面図である。
【図36】図35に示す表面弾性波素子を駆動した場合の駆動信号の反射率に関する周波数特性図である。
【図37】液体が図29に示す反応容器の底部まで浸入した場合を示す断面図である。
【図38】図37に示す表面弾性波素子を駆動した場合の駆動信号の反射率に関する周波数特性図である。
【図39】実施の形態3の自動分析装置の構成を反応容器及び反応テーブルを断面にして示すブロック図である。
【図40】図39の自動分析装置で用いる反応テーブルの一部を表面弾性波素子及びその駆動装置と共に示す平面図である。
【図41】図39の自動分析装置を構成する反応テーブルのホルダ、反応容器及び表面弾性波素子の配置を示す斜視図である。
【図42】図39の自動分析装置を構成する反応テーブルのホルダ、反応容器及び表面弾性波素子の配置並びに表面弾性波素子に滴下される音響整合液を示す断面図である。
【図43】ホルダに形成した当接窓を介して表面弾性波素子を反応容器の側壁に当接させた状態を示す図42に対応した断面図である。
【図44】ホルダの変形例を示す図42に対応した断面図である。
【図45】実施の形態4の自動分析装置の構成を反応容器の断面と共に概略的に示すブロック図である。
【図46】反応容器が保持する液体の量が多い場合を示す図45に対応したブロック図である。
【図47】実施の形態5の自動分析装置の構成を反応容器の断面と共に概略的に示すブロック図である。
【図48】反応容器が保持する液体の量が多い場合を示す図47に対応したブロック図である。
【図49】実施の形態6の自動分析装置の構成を反応容器の断面と共に概略的に示すブロック図である。
【図50】実施の形態6の自動分析装置の変形例1を反応容器の断面と共に概略的に示すブロック図である。
【図51】実施の形態6の自動分析装置の変形例2を反応容器の断面と共に概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0141】
1 自動分析装置
2 作業テーブル
3 検体テーブル
4 検体容器
5 検体分注機構
6 反応ホイール
7,8,9 反応容器
10 測光部
11 洗浄装置
12 試薬分注機構
13 試薬テーブル
14 試薬容器
15 読取装置
16 制御部
17 分析部
18 入力部
19 表示部
20 攪拌装置
21 送電体
22,24,27 表面弾性波素子
25 位置検出装置
26 反射測定器
30 自動分析装置
31 検体分注部
32 試薬分注部
33 反応テーブル
34 駆動モータ
35 反応容器
36 表面弾性波素子
37 液分注部
38 測光部
39 制御部
40 攪拌部
41 モータ
42 駆動回路
50 自動分析装置
51,52 ドライバ
55 自動分析装置
56,57 駆動部
56a,57a ドライバ
56b,57b 可動鏡
60 自動分析装置
61 測光部
62 光源アレイ
63 受光素子アレイ
64,65 切替回路
66 光源
67 受光素子
Ar 空気
BL 光束
Dr ドライバ
Lq 液体
Lc 洗浄液
Lm 混合液
Lr 反応液
Rop 測光領域
S 検体
R 試薬
Wa 音波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に保持された液体の光学的特性を測定する分析装置において、
前記液体の光学的特性を測定する測光手段と、
前記容器内において前記液体が保持される位置をもとに前記測光手段が前記液体を測光する測光位置を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記容器が前記液体を保持する位置は、前記液体の種類又は量、前記容器の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて変化することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記容器内における前記液体の気液界面に交差する方向へ移動するように前記測光位置を制御することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記液体の種類又は量、前記容器の形状又は材質のうち少なくとも一つに応じて前記測光位置を制御することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記測光手段を移動させることにより前記測光位置を制御することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項6】
前記測光手段は、前記液体を測光する光を照射する光源と、当該液体に照射された光を受光する受光素子とを有することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項7】
前記検出手段は、複数の光源を有し、
前記制御手段は、点灯させる前記光源を選択することにより前記測光位置を制御することを特徴とする請求項5に記載の分析装置。
【請求項8】
前記複数の光源は、前記液体の気液界面に交差する方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項7に記載の分析装置。
【請求項9】
前記検出手段は、複数の受光素子を有し、
前記制御手段は、測光に利用する前記受光素子を選択することにより前記測光位置を制御することを特徴とする請求項5に記載の分析装置。
【請求項10】
前記複数の受光素子は、前記液体の気液界面に交差する方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項9に記載の分析装置。
【請求項11】
さらに、前記容器内における前記液体の位置を検出する検出手段を有し、
前記制御手段は、前記検出手段が検出した前記液体の位置に応じて前記測光位置を制御することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項12】
前記検出手段は、櫛歯状電極を有する表面弾性波素子であることを特徴とする請求項11に記載の分析装置。
【請求項13】
前記検出手段は、前記液体を攪拌する攪拌手段を兼ねることを特徴とする請求項11に記載の分析装置。
【請求項14】
容器に保持された液体の光学的特性を測定する分析装置の測光方法において、
前記容器内において前記液体が保持される位置をもとに当該液体を測光する測光位置を制御する工程と、
制御された測光位置において前記液体を測光する工程と、
を含むことを特徴とする分析装置の測光方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【公開番号】特開2007−205816(P2007−205816A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−23820(P2006−23820)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】