説明

利用状況監視方法および装置

【課題】本発明は、知識・技術のない親が、未成年ユーザーのWebシステム利用状況を把握するための判断の指標を提示する方法とその際に未成年ユーザーのWebサービス利用が阻害されないことを目的とした発明であり、従来技術では、機械的判断によりユーザーの利用が阻害されるか、監視する側にも知識・技術が要求されるものであった。
【解決手段】上記課題を解決するために、ユーザーの利用状況を定量的な得点で表す利用状況判断機能と、それらの機能で必要となるデータを保持するDBと、技術・知識のない監督者でもわかるように、結果を三段階にわけた簡単な構成で表示する結果表示機能で構成されるシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
Webサイトなど利用状況の監視技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話の普及と携帯端末からアクセスできるコンテンツの充実により、Webサイトをいつでもどこからでも利用できるようになった。また、プライバシーの観点から、ユーザーの秘匿性が高まることとなった。しかし、それは一方で、未成年者でも、安心して有害なサイトにアクセスできてしまう状況を生み出すこととなった。
【0003】
これらの状況に対応するため、各プロバイダは、フィルタリングサービスを導入し、未成年ユーザーが有害サイトにアクセスできないようにした。
しかし、フィルタリングサービスによっては、問題がないサイトまでフィルタリングしてしまうこともあり、半数以上の未成年ユーザーが、フィルタリングを解除した、という報告がある(非特許文献1より)。
また、このフィルタリングと関連して、特許文献1では、フィルタのカスタマイズと利用状況の監視を同時に行う方法が開示されている。上記従来技術では、未成年ユーザーがWebサービスを利用しようとすると、保護者であるユーザーに連絡がいき、保護者の許可・拒否の判断によって、ホワイトリスト・ブラックリストへの登録がなされるというのもである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-110774
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ItmediaNews 2009 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0903/25/news043.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術では、保護者が判断を行うまで未成年ユーザーはWebサービスを利用できない、未成年ユーザーが利用しようとしているWebサービスの概要を保護者であるユーザーが把握していなければ正しい判断が下せない、という欠点があった。そのため、本発明の目的である、技術・知識の少ない保護者が未成年者のWebサービス利用状況を的確に判断できる、その際未成年者のWebサービス利用が妨げられないようにする、ことを実現したサービスを提供するには不十分であった。
本発明は、技術・知識の少ない保護者(監督者)が、未成年ユーザー(被監督者)のWebサイト利用状況を把握する方法とともに、それを把握するための指標をカスタマイズする方法を提供する。また、そのために未成年ユーザーのWebサービスの利用を阻害することがないようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、被監督者がアクセスしたWebサイトの危険度を三つある指標からそれぞれ三段階で判定して、各指標における判定とともに、総合的な判定を監督者に示すようにしたものである。
被監督者がアクセスしたWebサイト内の情報、Webサイトを利用した時間、そのWebサイトを利用するユーザーの分布から、当該Webサイトの危険度を総合的に判定し、その結果を監督者に提示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、Webサイトの危険度を三つの指標から判定し、また総合的な判断も同時に行うため、被監督者のWebサイトにおける問題点をより明確にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例の全体構成を示した図である。
【図2】図1で示した発明内で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】プロバイダが保存しているアクセス履歴情報のテーブルである。
【図4】プロバイダが保存しているユーザーの個人情報のテーブルである。
【図5】監督者が、対象となる被監督者を選択する際の画面構成である。
【図6】監督者が、対象となる被監督者を選択する際の、処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】被監督者がアクセスしたサイトのURLと、そのURLへのアクセス回数を格納するテーブルである。
【図8】被監督者がアクセスしたサイトと、同じURLへアクセスしたユーザーの情報を格納するテーブルである。
【図9】被監督者がアクセスしたサイトの、サイト内に含まれる情報からページ危険度得点を算出する際の、処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】被監督者のページ危険度を算出する際に、危険な情報として検出するためのキーワードと、キーワードごとの重み付け得点を格納するテーブルである。
【図11】被監督者がWebサービスを利用した時間から、アクセス時間得点を算出する際の、処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】被監督者が、Webサービスを利用していた場合に、注意するべき時間と、禁止するべき時間を格納するテーブルである。
【図13】監督者が、被監督者の生活パターンに応じて、注意時間及び禁止時間を設定する際の画面構成である。
【図14】禁止時間内でのアクセスを検出しやすくするための禁止時間倍率を設定する際の画面構成である。
【図15】被監督者がアクセスしたサイトを、利用しているユーザーの年齢の分布情報から、ユーザー分布得点を算出する際の、処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】ユーザー分布得点を算出する際の、比較対象となるテンプレートの分布パターンを格納するテーブルである。
【図17】ユーザー分布得点算出に利用するための、テンプレートの分布パターンを登録する際の画面構成である。
【図18】ページ利用における、総合危険度を判定するための判定条件と、その条件を満たした場合の判定結果を格納するテーブルである。
【図19】利用状況の判定結果を判定するための判定条件と結果を登録するための画面である。
【図20】算出した各得点が、○、△、×のどの評価にあたるかを判定するための閾値を登録するための画面である。
【図21】被監督者のWebサービス利用状況の判定結果を表示する際の画面構成である。
【図22】ページ危険度得点の判定結果の詳細を表示する際の画面構成である。
【図23】アクセス時間得点の判定結果の詳細を表示する際の画面構成である。
【図24】ユーザー分布得点の判定結果の詳細を表示する際の画面構成である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明におけるシステムの構成を示すものである。
プロバイダ101は、携帯端末ユーザー(以下、単にユーザー)にサービスを提供するプロバイダであり、本発明で実現されるサービスを提供する。被監督者102と監督者103はプロバイダ101と契約したユーザーであり、プロバイダ101を通してネットワーク104に接続されているWebサイト(図示せず)のサービスを利用することができる。プロバイダ101は、契約したユーザーのWebサービス利用履歴を保持するアクセス履歴DB201、契約したユーザーの個人情報を保持するユーザー情報DB202、また、フィルタリング機能を提供するためのフィルタ情報DB203を持つものとする。
本システムの発明では、上記のプロバイダ101に、以下の機能やデータを追加する。
【0011】
プロバイダ101は、ユーザーの生活パターンを格納する生活パターンDB211と、Webサイトの利用者の年齢分布を示す情報を格納するユーザー分布パターンDB212と、利用状況の最終結果を判定する条件を格納する判定条件閾値情報DB213を持ち、その中の情報を被監督者ごとに管理する。
また、上記アクセス履歴DB201とユーザー情報DB202内の情報からユーザー別アクセス情報401を生成するアクセス情報生成機能301と、上記アクセス履歴DB201とユーザー情報DB202内の情報からアクセスユーザーリスト402を生成するユーザーリスト生成機能302と、ユーザー別アクセス情報401とフィルタ情報DB203の情報からページ危険度得点403を算出するページ危険度判定機能303と、ユーザー別アクセス情報401と生活パターンDB211の情報から利用時間得点404を算出するアクセス時間判定機能304と、アクセスユーザーリスト402とユーザー分布パターンDB212の情報からユーザー分布得点405を算出するユーザー分布判定機能305と、算出したページ危険度得点403と利用時間得点404とユーザー分布得点405から最終的な利用状況を判定する利用状況判定機能306と、利用状況判定機能306で判定された結果を画面に表示する利用状況表示機能307の、全部で7つの機能を持つ。
【0012】
本システムは図2に示すフローに従って処理を行う。
【0013】
まず監督者が、被監督者を選択する(ステップ2001)。システムは、選択された被監督者のユーザー別アクセス情報401を生成し(ステップ2002)、被監督者がアクセスしたサイトのアクセスユーザーリスト402を生成する(ステップ2003)。続いて、ページ危険度得点403の算出(ステップ2004)、利用時間得点404の算出(ステップ2005)、ユーザー分布得点405の算出(ステップ2006)を行い、算出した得点を元に総合判定を行う(ステップ2007)。総合判定の結果を監督者の画面に表示して(ステップ2008)、処理を終える。
なお、各ステップの詳細については後述する。
【0014】
図3はアクセス履歴DB201に保持されたデータを示したものである。プロバイダ101を介してネットワーク104に接続する全ての携帯端末ユーザーのWebサイト利用の履歴が保持されており、アクセスサイトのURL3001、アクセスした日付3002、アクセスした時間3003、アクセスしたユーザーのユーザーID3004が、一つのデータとして格納されている。日付3002及び時間3003が古い順番に格納されており、新しいアクセスがあった場合、最古のもので1月前のものがあり、それを越えたものは削除される。
【0015】
図4はユーザー情報DB202に保持されたデータを示したものである。プロバイダ101と契約しているユーザー全員の情報が登録されており、ユーザーのユーザーID4001、氏名4002、年齢4003、生年月日4004、職業4005、性別4006、が登録される。また、保護者と被保護者の関係にあるユーザーが同じプロバイダを利用する場合は、保護者側の情報に、監督対象ユーザーとして被監督者のユーザーID4007が登録される。これらの情報は携帯端末の契約時に登録されるものであり、年齢4003は生年月日4004にあわせて自動で更新される。また、ユーザーID4001は、ユニークなIDをシステムで決定して登録する。このユーザーIDは、ユーザーを識別する目的でのみ使用され、外部には公開されない。
【0016】
図5に示すのが、図2のステップ2001で使用される被監督者の選択画面例である。監督者は、被監督者のWebサービス利用状況の監視を行いたい時に特定のURLにアクセスして本選択画面を表示し、画面中央のドロップダウンリスト5001から利用状況を確認したいユーザーの氏名を選択する。続いて、ドロップダウンリスト5002で分析結果として表示されるWebサービス利用先のURLの件数を、ドロップダウンリスト5003で分析時に使用する履歴情報の日数を選択し、実行ボタン5004を押すことで、ユーザーの選択が完了する。
ドロップダウンリスト5002の分析結果として表示されるWebサービス利用先のURLの件数は、5件刻みで最大50件まで選択できデフォルトを10件とする。
ドロップダウンリスト5003で分析時に使用する履歴情報の日数は、1日以上最大30日まで指定可能であり、デフォルトは7日(1週間分)とする。
【0017】
図6に示す被監督者の選択処理(図2のステップ2001)では、以下の流れで処理を行う。
まず、監督者のユーザーIDを基に、ユーザー情報DB202にアクセスし、監督対象となるユーザーのユーザーID4007を取得する(ステップ6001)。取得した監督対象ユーザーIDから、監督対象ユーザーの氏名4002を取得し、それを画面に表示する(ステップ6002)。監督者が、表示された名前のリストから利用状況を確認したいユーザーの氏名を選択すると、システムは、被監督者のユーザーID4001を対象者として選択する(ステップ6003)。
【0018】
図7は、図2のステップ2002において、アクセス情報生成機能301によって得られた被監督者のユーザー別アクセス情報401である。被監督者がアクセスしたURL7001ごとに、アクセスした回数7002と最終アクセス日7003が保存される。
【0019】
アクセス情報生成機能301では、監督者が選択した被監督者のユーザーID4001を基に、アクセス履歴DB201のユーザーID3004の検索を行い、被監督者のユーザー別アクセス情報401を生成する。図5のドロップダウンリスト5003で指定された日数分のアクセス回数と最終アクセス日を取得し、アクセス回数の高い順に、ドロップダウンリスト5002で指定された分だけ、リストを生成する。このリストに含まれる情報が利用状況監視対象URLとなる。
【0020】
図8は、図2のステップ2003において、ユーザーリスト生成機能302によって得られたアクセスユーザーリスト402である。対象URL(図7のURL7001)にアクセスしたユーザーのユーザーID8001、年齢8002、職業8003、性別8004を保持する。
ユーザーリスト生成機能302では、アクセス情報生成機能301で生成したリストから対象URL7001を取得し、その対象URLを基に、アクセス履歴DB201とユーザー情報DB202の検索を行い、にアクセスしたユーザーのアクセスユーザーリスト402を生成する。
【0021】
図9に、図2のステップ2004における、ページ危険度判定機能303の処理の流れを示す。
【0022】
最初に、被監督者のユーザー別アクセス情報401から、対象となるURL7001を取得する(ステップ9001)。続いて、選択したURL内のソーステキスト情報を取得する(ステップ9002)。次に、フィルタ情報DB203から、フィルタリング対象キーワードのリストを取得し(ステップ9003)、探索するキーワードを一つ選ぶ(ステップ9004)。選択したキーワードがページ内に出現するかどうかの走査を行い(ステップ9005)、出現した場合はそのキーワードの後述する重み付けスコア分だけ、部分得点を加算する(ステップ9006、9007)。選択したキーワードについて、ページ内の探索を終えると、全てのキーワードについてチェックを行ったかを確認し、未走査のキーワードがある場合は、その中から次のキーワードを選択する(ステップ9004、9008)。取得した全てのキーワードについて同様の走査を行ったら、全てのキーワードの部分得点を合計して(ステップ9009)、それをページ危険度得点403として算出する(ステップ9010)。以上の処理(9001〜9010)を、ドロップダウンリスト5002で選択したURLの件数分繰り返す。
【0023】
図10に、フィルタ情報DB203の中のキーワードリストを示す。
キーワードリストには、キーワード10001とキーワードごとの重み付けスコア10002のリストが保持されている。また、フィルタ情報DB203には、ユーザーごとにWebサイトのブラックリストURL、ホワイトリストURLなども保持するようにしてURLにより重み付けをすることも可能であるが、本発明には直接的には関与しないので、ここでは割愛する。
【0024】
図11に、図2のステップ2005における、アクセス時間判定機能304の処理の流れを示す。
まず、アクセス履歴DB201から、被監督者がWebサイトにアクセスした時間のリストを取得する(ステップ11001)。取得したアクセス時間の中から一つを選択し、アクセス時間がユーザーの生活パターンDB211に登録された注意時間及び禁止時間に含まれないかをチェックする。このとき、アクセスした時間が、注意時間に含まれる場合は注意時間でのアクセス回数を、禁止時間に含まれる場合は禁止時間でのアクセス回数をカウントする(ステップ11002、11003、11004、11005)。これを全ての利用時間についてチェックを行うまで繰り返す(ステップ11006)。チェックを終えると、注意時間内のアクセス回数と禁止時間内のアクセス回数に禁止時間倍率12004をかけたものを足して、利用時間得点404を算出する(11007)。
以上の処理(11001〜11007)をドロップダウンリスト5002で選択したURLの件数分繰り返す。
【0025】
図12に、ユーザーの生活パターン情報211における注意・禁止時間の保持形式を示す。
注意・禁止時間は、ユーザーID12001と対応する形で、注意時間12002、禁止時間12003にあたる時間の範囲が規定されている。また、禁止時間倍率12004は、アクセス時間得点閾値18003とあわせて、禁止時間内の利用時の検出精度を挙げるために利用するもので、デフォルトは2に設定されている。
【0026】
ユーザーの生活パターン情報211は、被監督者の職業に応じたテンプレートがプロバイダから提供され、それをもとに監督者が被監督者の生活に合わせて設定することができる。
【0027】
図13に、ユーザー生活パターンのカスタマイズ画面例を示す。
まず、一日の時間の中で、どの時間が注意時間でどの時間が禁止時間なのが表示されており(13001)、その下に、注意時間と禁止時間のリストが表示されている(13002、13003)。
【0028】
画面下部左側のドロップダウンリスト13004では、○・△・×のいずれかを選択でき、画面下部中央の時間帯13005の登録内容を選択できる。画面下部右側の設定ボタンには、登録ボタン13006があり、このボタンが押下されると、ドロップダウンリスト13004と時間帯13005の内容に従って、時間帯表示13001と登録時間帯のリスト(13002、13003)を更新する。
【0029】
図14では、禁止時間倍率12004の設定画面例を示す。
テキストボックス14001に、設定したい禁止時間倍率を入力する。初期状態では2が設定されており、半角正数字の入力しか受け付けない。実行ボタン14002を押すと、テキストボックス14001の内容が、禁止時間倍率12004として設定される。
【0030】
図15に、図2のステップ2006における、ユーザー分布判定機能305の処理の流れを示す。
まず、対象URLのアクセスユーザーリスト402から、ユーザー分布情報を生成する(ステップ15001)。ユーザー分布情報は、年齢を軸にした一次元配列で表され、配列一要素あたりの年齢幅は5歳とする。ユーザー分布情報を取得すると、有害サイトのユーザー分布パターンDB212から、比較する分布パターンを選択し(ステップ15002)、対象URLのユーザー分布情報と選択した分布パターンの類似度を算出する(ステップ15003)。この操作を、全てのユーザー分布パターンに対して繰り返した(ステップ15004)後で、最大の類似度をユーザー分布得点405として算出する(ステップ15005)。
以上の処理(15001〜15005)をドロップダウンリスト5002で選択したURLの件数分繰り返す。
【0031】
図16は、ユーザー分布パターンDB212に登録されているパターンを示したものである。パターンごとに、どういうサイトかを示すパターン名16001がつけられている。また、分布パターン16002は、年齢を軸とした配列であり、5歳間隔で区切られている(16003)。また、各値は最大が1となるよう正規化されたものである。
【0032】
ユーザー分布パターンDB212に登録されているパターンは、初期状態ではテンプレートが提供され、それをもとに監督者が被監督者の生活に合わせて設定することができる。
【0033】
図17に、ユーザー分布パターンのカスタマイズ画面例を示す。
ドロップダウンリスト17001は、テンプレート名を示しており、提供されるテンプレートのジャンルや、新規登録を行う際に選択する「新規登録」が選択可能である。ここで選択したジャンルのユーザー分布パターンが、画面中央に表示される(17002)。
【0034】
実際に被監督者が閲覧していたサイトのユーザー分布パターンを禁止サイトとして登録することもでき、その際は、入力欄17003にURLを入力し、それがどういうサイトなのかを示すパターン名を入力欄17004に入力する。その状態で、登録ボタン17005を押下すれば、新しいパターンの登録が完了する。
また、登録済みの分布パターンを削除したい場合は、ドロップダウンリスト17001から削除したいパターン名を選択し、削除ボタン17006を押下することで実行できる。
【0035】
図2のステップ2007における、利用状況判定機能306では、ページ危険度得点403、利用時間得点404、ユーザー分布得点405を、判定条件閾値情報DB213に保存されている各閾値と比較して、それぞれの得点が○、△、×のいずれかを判定する。
以上の判定処理を、ドロップダウンリスト5002で選択したURLの件数分繰り返す。
【0036】
図18は、判定条件閾値情報DB213内のデータを示したもので、利用状況判定機能306で使用するための総合判定条件18001と、ページ危険度得点閾値18002、アクセス時間得点閾値18003、ユーザー分布得点閾値18004のそれぞれについて、判定条件18011と判定結果18012を保持している。
【0037】
総合判定条件18001に登録された判定条件18011のうち、複数の条件が当てはまる場合は、判定結果の中から、×>△>○の優先順位で結果を返す。また、当てはまる条件がない場合は○と判断する。
【0038】
図19は、判定条件18011と判定結果18012を登録する画面例である。ドロップダウンリスト19001で新規を選択し、ドロップダウンリスト19002、19003、19004で、それぞれページ危険度、アクセス時間、ユーザー分布の判定結果を○、△、×から選択する。また、ドロップダウンリスト19005で、上記で選択したドロップダウンリスト19002、19003、19004の判定結果が得られた場合の総合判定結果を選択する。最後に登録ボタン19006を押下すると、新しい判定条件と判定結果が登録される。
また、設定済みの判定条件と判定結果を削除したい場合は、ドロップダウンリスト19001で、削除したい判定条件と判定結果を選択する。ドロップダウンリスト19001で選択した判定条件と判定結果は、それぞれドロップダウンリスト19002、19003、19004、19005に表示されるので、間違いがなければ削除ボタン19007を押下すると、表示された条件が削除される。
【0039】
図20は、ページ危険度得点閾値18002、アクセス時間得点閾値18003、ユーザー分布得点閾値18004を設定する画面例である。ドロップダウンリスト20001で、設定する閾値を選択されると、ドロップダウンリスト20002に△と判断する閾値を、ドロップダウンリスト20003に×と判断する閾値を表示する。監督者がドロップダウンリスト20002、20003に希望する得点の設定を行い、設定ボタン20004を押下すると、設定された条件を判定条件閾値情報DB213に登録する。
【0040】
図2のステップ2008における、利用状況表示機能307では、利用状況判定機能306の結果を基に監督者に結果を表示する。
図21に、監督者に結果を表示する画面例を示す。
選択した被監督者がアクセスしたURL21001ごとに、利用状況の総合評価21002とともに、ページ危険度の評価21003、アクセス時間の評価21004、ユーザー分布の評価21005の各評価が3段階で表示される。
また、ページ危険度の評価21003、アクセス時間の評価21004、ユーザー分布の評価21005の各評価の詳細を、結果表示欄(○、△、×が表示されている場所)から閲覧できる。
【0041】
図22は、ページ危険度の詳細情報表示画面例であり、ページの危険度の評価22001と、出現したキーワード22002と出現回数22003を表示する。
【0042】
図23は、アクセス時間の詳細情報表示画面例であり、ユーザーがいつアクセスしたかを示した全体図23001を画面上部に表示して、アクセス時間の内訳表23002を下部に表示する。アクセス時間の内訳表23002には、アクセス時間の評価23011、アクセス時間の種別23012、アクセス時間種別ごとのアクセス回数23013を表示する。
【0043】
図24は、ユーザー分布の詳細情報表示画面例であり、分布パターン24001を画面上部に表示して、評価内容24002を画面下部に表示する。評価内容には、ユーザー分布の評価24011と、最も類似度が高かったパターンの類似度24012と、ジャンル24013を表示する。
以上により、判定結果は、「○、△、×」の三段階で提示されるので、知識・技術のない監督者でも、被監督者のWeb利用状況の問題点を直感的に判断することができる。
また、危険と判断する閾値を、監督者がカスタマイズできるようにすることで、被監督者に対して柔軟なフォローが可能となる。
【符号の説明】
【0044】
101 プロバイダ
102 被監督者ユーザー
103 監督者ユーザー
104 ネットワーク
201 アクセス履歴DB
202 ユーザー情報DB
203 フィルタ情報DB
211 被監督者ユーザーの生活パターンDB
212 ユーザー分布パターンDB
213 判定条件閾値情報DB
301 アクセス情報生成機能
302 ユーザーリスト生成機能
303 ページ危険度判定機能
304 アクセス時間判定機能
305 ユーザー分布判定機能
306 利用状況判定機能
307 利用状況表示機能
401 ユーザー別アクセス情報
402 アクセスユーザーリスト
403 ページ危険度得点
404 利用時間得点
405 ユーザー分布得点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置を備えたアクセス管理装置におけるアクセス管理方法において、
予め、インターネットへのアクセスの統計情報をとるか否かを判定するためのキーワード情報を対応付けて記憶し、
ユーザー毎にユーザーIDと年齢と性別と監督対象ユーザーIDとをユーザー情報として対応付けて蓄積し、
ユーザーがインターネットにアクセスしたURL情報と時刻とユーザーIDとをユーザーアクセス情報として対応付けて蓄積し、
ユーザーのユーザーIDとURLを含むアクセス要求に応じて、前記キーワード情報が前記URLで示されるページに存在する場合、前記アクセス要求の返信として注意を示す応答を返信し、そのアクセス要求が発生した時刻とアクセスが終了した時刻である注意時間帯を前記ユーザーに対応するユーザーID毎に注意時間情報として蓄積し、
監督者からの前記監督対象ユーザーIDを含むアクセス要求に応じて、蓄積した前記注意時間情報から前記監督対象ユーザーIDに対応付けられたユーザーの注意時間帯を表示することを特徴とする利用状況監視方法。
【請求項2】
予め、禁止時間帯と注意時間帯を設定しておき、前記キーワード情報に、前記ユーザーからのアクセス要求では、前記ユーザーアクセス情報を参照して注意時間帯では前記注意に関する返信が発生した場合、注意に関する返信を行い、前記禁止時間帯では、前記ユーザーのアクセスを禁止することを特徴とする請求項1記載の利用状況監視方法。
【請求項3】
前記禁止時間に含まれる場合は前記禁止時間でのアクセス回数をカウントし、全ての利用時間についてチェックを行うまで繰り返し、チェックを終えると、前記注意時間内のアクセス回数と前記禁止時間内のアクセス回数に禁止時間倍率をかけたものを足して、利用時間得点を算出することを特徴とする請求項2記載の利用状況監視方法。
【請求項4】
ユーザー情報とユーザーアクセス情報とを参照して、URLごとに横軸を年齢としたグラフを表示することを特徴とする請求項2記載の利用状況監視方法。
【請求項5】
記憶装置を備えたアクセス管理装置において、
前記記憶装置は、予め、インターネットへのアクセスの統計情報をとるか否かを判定するためのキーワード情報を対応付けて記憶し、
ユーザー毎にユーザーIDと年齢と性別と監督対象ユーザーIDとをユーザー情報として対応付けて蓄積し、
ユーザーがインターネットにアクセスしたURL情報と時刻とユーザーIDとをユーザーアクセス情報として対応付けて蓄積し、
前記アクセス管理装置は、ユーザーのユーザーIDとURLを含むアクセス要求に応じて、前記キーワード情報が前記URLで示されるページに存在する場合、前記アクセス要求の返信として注意を示す応答を返信し、そのアクセス要求が発生した時刻とアクセスが終了した時刻である注意時間帯を前記ユーザーに対応するユーザーID毎に注意時間情報として蓄積し、
監督者からの前記監督対象ユーザーIDを含むアクセス要求に応じて、蓄積した前記注意時間情報から前記監督対象ユーザーIDに対応付けられたユーザーの注意時間帯を表示することを特徴とする利用状況監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−95868(P2011−95868A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247202(P2009−247202)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】