制御プログラム、画像処理装置及び出力制御システム並びに出力制御方法
【課題】印刷物に不足ページがある場合でも、完全な印刷物を出力することができる制御プログラム、画像処理装置及び出力制御システム並びに出力制御方法の提供。
【解決手段】スキャナ機能を備える画像処理装置に、ハードウェア又はソフトウェアとして、印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部と、コードに記録されたページ情報に基づいて印刷物の不足ページを判別するページ構成判別部と、不足ページがある場合に、表示部に認証情報の入力を求める画面を表示させ、入力された認証情報とコードに記録された認証情報とが一致する場合に、コードに記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、不足ページを文書データで補完して印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部と、を設ける。
【解決手段】スキャナ機能を備える画像処理装置に、ハードウェア又はソフトウェアとして、印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部と、コードに記録されたページ情報に基づいて印刷物の不足ページを判別するページ構成判別部と、不足ページがある場合に、表示部に認証情報の入力を求める画面を表示させ、入力された認証情報とコードに記録された認証情報とが一致する場合に、コードに記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、不足ページを文書データで補完して印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部と、を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、不足ページを補完して出力する制御プログラム、画像処理装置及び出力制御システム並びに出力制御方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、コピー機能やファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能などを備える複写機や複合機（ＭＦＰ：Multi Function Peripheral）など（以下、これらを総称して画像処理装置と呼ぶ。）が普及している。この画像処理装置では、プリンタ機能を使用してネットワーク接続されたコンピュータ機器からの指示に従って印刷物を出力したり、コピー機能を使用して印刷物をコピーするなどの処理が行われる。
【０００３】
上記画像処理装置の制御に関して、例えば、下記特許文献１には、画像読取部が原稿を読み取った際に、当該原稿に付されたＲＦＩＤに記録された情報を読み取り、読み取った情報から原稿のページ番号を取得し、そのページ番号に基づいて、読み取った原稿の抜けや順番違い等の異常を検知する方法が開示されている。
【０００４】
また、下記特許文献２には、読み取った原稿又は送信された原稿の画像データの各頁の頁番号を認識し、認識した頁番号を頁順に配列し、この配列順番になるように蓄積した画像データの配置を替えて出力する方法が開示されている。
【０００５】
【特許文献１】特開２００６−２５４０５８号公報
【特許文献２】特開平８−１２５８３８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記特許文献１記載の方法を用いることにより順番違いを検知することができ、コピー対象となる印刷物に順番違いがある場合には、上記特許文献２記載の方法を利用することにより、正しい順番に並び替えて出力することができるが、コピー対象となる印刷物に不足ページ（落丁）があった場合には、コンピュータ機器などから再び不足ページの印刷を指示しなければならず、特に、この印刷物が他人から受け取ったものである場合は、コンピュータ機器などから不足ページの印刷を指示することすらできず、利便性が悪いという問題があった。
【０００７】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、印刷物に不足ページがある場合でも、完全な印刷物を出力することができる制御プログラム、画像処理装置及び出力制御システム並びに出力制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するため、本発明は、スキャナ機能を有する画像処理装置で動作する制御プログラムであって、コンピュータを、複数ページで構成される印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部、前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部、として機能させるものである。
【０００９】
また、本発明は、スキャナ機能を有する画像処理装置で動作する制御プログラムであって、コンピュータを、複数ページで構成される印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部、前記不足ページがあり、かつ、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とが一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部、として機能させるものである。
【００１０】
本発明においては、コンピュータを、更に、前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部、として機能させる構成とすることができる。
【００１１】
また、本発明の画像処理装置は、複数ページで構成される印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するスキャナ部と、前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部と、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部と、前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、を少なくとも備えるものである。
【００１２】
また、本発明の画像処理装置は、複数ページで構成される印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するスキャナ部と、前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部と、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部と、前記不足ページがあり、かつ、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とが一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、を少なくとも備えるものである。
【００１３】
本発明においては、前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部を更に備える構成とすることができる。
【００１４】
また、本発明の出力制御システムは、上記いずれか一に記載の画像処理装置と前記文書データを保存するサーバとが通信ネットワークで接続されているものである。
【００１５】
また、本発明の出力制御方法は、複数ページで構成される印刷物の各々のページにコードを付加して印刷するステップと、前記印刷物の文書データを所定の保存場所に保存するステップと、前記印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するステップと、前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するステップと、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するステップと、前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される前記所定の保存場所から前記文書データを取得するステップと、前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させるステップと、を少なくとも有するものである。
【００１６】
また、本発明の出力制御方法は、複数ページで構成される印刷物の各々のページにコードを付加して印刷するステップと、前記印刷物の文書データを所定の保存場所に保存するステップと、前記印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するステップと、前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するステップと、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するステップと、前記不足ページがある場合に、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とを比較するステップと、両者が一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される前記所定の保存場所から前記文書データを取得するステップと、前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させるステップと、を少なくとも有するものである。
【００１７】
このように、本発明では、印刷物の各々のページのスキャン画像からコードが検出され、このコードに記録されたページ情報に基づいて不足ページが判別され、不足ページがある場合には、コードに記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から文書データが取得され、不足ページが文書データで補完されて表示又は印刷されるため、印刷物に不足ページがある場合でも、完全な印刷物を出力することができる。
【発明の効果】
【００１８】
本発明の制御プログラム、画像処理装置及び出力制御システム並びに出力制御方法によれば、印刷物に不足ページがある場合でも、完全な印刷物を出力することができる。
【００１９】
その理由は、複数ページの印刷物を印刷する際に、各々のページに、ページ情報や保存場所情報、認証情報などが記録された１次元バーコードや２次元コード等のコードを印刷すると共に、文書データがＨＤＤやサーバ等の所定の保存場所に記憶し、この印刷物をコピーする際には、印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出し、コードに記録されたページ情報に基づいて不足ページを判別し、不足ページがある場合にはユーザに認証情報の入力を求め、入力された認証情報がコードに記録された認証情報と一致すれば、コードに記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から文書データを取得し、その文書データで不足ページを補完して表示又は印刷する制御を行うからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２０】
従来技術で示したように、画像処理装置で印刷物を印刷する際に、各々のページにＲＦＩＤ等を埋め込み、コピーやＦＡＸ時に不足ページを検知したり、正しい順番に並び替えるなどの処理を行なう技術はある。しかしながら、これらの技術を利用しても、印刷物に不足ページ（落丁）があった場合には、その場で完全な印刷物を出力することができないという問題があった。
【００２１】
また、従来のコピーのログを取得する場合、認証機能を利用することで「誰が」コピーを行なったかを判別することは可能であったが「何を」コピーしたかを判別することはできず、コピー機能を管理する上で、不完全なログしか取得することができないという問題もあった。
【００２２】
そこで、本発明では、印刷時に各ページに印刷したコードを元に、コピー時の不足ベージの補完印刷を実現する。具体的には、スキャナ機能を備える画像処理装置に、ハードウェア又はソフトウェアとして、印刷物の各々のページをスキャンしたスキャン画像から１次元バーコードや２次元コード等のコードを検出するコード検出部と、コードに予め記録されたページ情報に基づいて印刷物の不足ページを判別するページ構成判別部と、不足ページがある場合に、表示部に認証情報の入力を求める画面を表示させ、入力された認証情報とコードに予め記録された認証情報とが一致する場合に、コードに予め記録された保存場所情報で特定されるＨＤＤやサーバ等の所定の保存場所から印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、各々のページのスキャン画像と取得した文書データとに基づいて不足ページを補完して表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部と、を設け、コピー対象となる印刷物に不足ページがある場合でも完全な印刷物を出力できるようにする。
【００２３】
このように、印刷物の各々のページに印刷されたコードを元に、必要なページを画像処理装置が自動的に補完するため、コピー機能の利便性を高めることができる。また、各ページのコードに記録された情報を利用することにより「どのページを誰がコピーした」というログを取得することができるため、コピー機能の使用を確実に管理することもできる。
【００２４】
なお、上記コード検出部でスキャン画像からコードを検出する手法は特に限定されないが、二項ウェーブレット変換やハフ変換を利用することによって効率的にコードを検出することが可能となる。以下、本発明の理解を容易にするために、二項ウェーブレット変換及びハフ変換の概要を説明する。
【００２５】
［二項ウェーブレット］
ウェーブレット変換とは図１０に示すような有限範囲で振動するウェーブレット関数（式（１））を用いて、入力信号ｆ（ｘ）に対するウェーブレット変換係数〈ｆ，ψａ，ｂ〉を式（２）で求める事により、入力信号を式（３）のようなウェーブレット関数の総和に分解する変換である。
【００２６】
【００２７】
【００２８】
【００２９】
上式で、ａはウェーブレット関数のスケールを表し、ｂはウェーブレット関数の位置を示す。図１０に例示するように、スケールａの値が大きいほどウェーブレット関数ψａ，ｂ（ｘ）の周波数は小さくなり、また、位置ｂの値に従ってウェーブレット関数ψａ，ｂ（ｘ）が振動する位置が移動する。従って式（３）は、入力信号ｆ（ｘ）を種々のスケールと位置を持つウェーブレット関数ψａ，ｂ（ｘ）の総和に分解する事を意味している。
【００３０】
上記のような変換を可能にするウェーブレット関数は多くのものが知られているが、画像処理分野では計算が高速な直交ウェーブレット（Orthogonal Wavelet）・双直交ウェーブレット（Biorthogonal Wavelet）が広く用いられている。直交ウェーブレット・双直交ウェーブレットのウェーブレット関数は式（４）のように定義される。
【００３１】
【００３２】
式（４）と式（１）を比べると、直交ウェーブレット・双直交ウェーブレットではスケールａの値が２のｉ乗で離散的に定義され、また、位置ｂの最小移動単位が２ｉで離散的に定義されている事が判る。このｉの値はレベルと呼ばれる。
【００３３】
一方、本発明で利用する二項ウェーブレット（Dyadic Wavelet）のウェーブレット関数は式（５）のように定義される（例えば、特開平９−２１２６２３号公報）。
【００３４】
【００３５】
ここで、直交ウェーブレット・双直交ウェーブレットのウェーブレット関数は前述のようにレベルｉにおける位置の最小移動単位が２ｉで離散的に定義されていたのに対し、二項ウェーブレットはレベルｉにかかわらず位置の最小移動単位が一定である。この相違により、二項ウェーブレット変換には下記の特徴が生じる。
【００３６】
特徴１：式（６）に示す１レベルの二項ウェーブレット変換で生成する、高周波数帯域成分Ｗｉと低周波数帯域成分Ｓｉの各々の信号量は、変換前の信号Ｓｉ−１と同一である。
【００３７】
【００３８】
特徴２：スケーリング関数φｉ，ｊ（ｘ）とウェーブレット関数ψｉ，ｊ（ｘ）の間に式（７）の関係が成立する。
【００３９】
【００４０】
従って二項ウェーブレット変換で生成する、高周波数帯域成分Ｗｉは、低周波数帯域成分Ｓｉの一次微分（勾配）を表す。
【００４１】
特徴３：ウェーブレット変換のレベルｉに応じて定められた係数γｉを高周波数帯域成分に乗じたＷｉ・γｉ（以下、これを補正済高周波数帯域成分と呼ぶ。）について、入力信号の信号変化の特異性（singularity）に応じて、前記変換後の補正済高周波数帯域成分Ｗｉ・γｉの信号強度のレベル間の関係が一定の法則に従う。すなわち、なだらかな（微分可能な）信号変化に対応する補正済高周波数帯域成分Ｗｉ・γｉはレベル数ｉが増大するほど信号強度が増大するのに対して、ステップ状の信号変化に対応する補正済高周波数帯域成分Ｗｉ・γｉはレベル数ｉに関わらず信号強度が一定となり、δ関数状の信号変化に対応する補正済高周波数帯域成分Ｗｉ・γｉはレベル数ｉが増大するほど信号強度が減少する。
【００４２】
特徴４：画像信号のような２次元信号における１レベルの二項ウェーブレット変換の方法は、前述の直交ウェーブレット・双直交ウェーブレットの方法と異なり、１レベルのウェーブレット変換により、低周波数帯域成分Ｓｎ−１は２つの高周波数帯域成分Ｗｘｎ，Ｗｙｎと１つの低周波数帯域成分Ｓｎに分解される。２つの高周波数帯域成分は低周波数帯域成分Ｓｎの２次元における変化ベクトルＶｎのｘ成分とｙ成分に相当する。変化ベクトルＶｎの大きさＭｎと偏角Ａｎは式（８）、式（９）で与えられる。
【００４３】
【００４４】
【００４５】
以上の特徴より、処理の対象となる情報の種類に応じて補正済高周波数帯域成分Ｗｉ・γｉの信号強度の大きさが異なるため、スキャナ画像の中から、なだらかな曲線で構成される画像情報を除外することが可能となる。
【００４６】
［ハフ変換］
ハフ変換とは、特定の点を通る直線の中から、画像の特徴点を最も多く通る直線を決定する処理であり、標準的なハフ変換では、式（１０）に示すように、１つの直線は２つのパラメータ（その直線に引いた法線の長さと角度、ｒとθ）で表される。
【００４７】
【００４８】
ここで、θ∈［０、π］かつｒ∈Ｒとするか、若しくは、θ∈［０、２π］かつｒ≧０とすると、ある直線に対する（ｒ、θ）の組は一意に決定する。いいかえれば、θに対して直角で、原点からｒの距離にあるものとして直線が表現される。
【００４９】
そこで、二項ウェーブレット変換で抽出したエッジに対してハフ変換を行い、ハフ変換したデータ上で投票数が少ないデータをカットし、その後、逆変換することにより、特定のエッジを直線として抽出することができ、投票数が最も多いデータを最も長い直線と見なすことにより、二項ウェーブレット変換で抽出したエッジの中から枠線や仕切り線などを基準線として特定することができ、この基準線に基づいてパターンマッチングの方向を設定したり、候補領域を特定することにより、パターンマッチングを迅速且つ容易に実行することが可能となる。
【実施例１】
【００５０】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る制御プログラム、画像処理装置及び出力制御システム並びに出力制御方法について、図１乃至図９を参照して説明する。図１は、本実施例の出力制御システムの構成を模式的に示す図であり、図２は、本実施例の画像処理装置の構成を示すブロック図、図３は、画像処理装置の制御部の構成を示すブロック図である。また、図４及び図５は、各々、本実施例の出力制御システムを用いた出力手順を模式的に示す図であり、図６及び図７は、各々、本実施例の出力制御システムを用いた出力手順を示すフローチャート図である。また、図８は、本実施例のコード検出手順を示すフローチャート図であり、図９は、その具体例を示す図である。
【００５１】
図１（ａ）に示すように、本実施例の出力制御システムは、複数ページで構成される印刷物３０の印刷時には、各々のページに、１次元バーコードや２次元コード、カラー２次元コードなど（以下、これらを総称してコードと呼ぶ。）を付加して出力すると共に、印刷物３０の電子データ（以下、文書データと呼ぶ。）をＨＤＤなどの所定の保存場所に記憶し、印刷物３０のコピー時には、各々のページのコードに基づいて、不足ページを補完して完全な印刷物３０を出力する画像処理装置１０で構成される。また、文書データを外部に記憶する場合は、図１（ｂ）に示すように、画像処理装置１０と文書データを記憶するサーバ２０とがＷＡＮ（Wide Area Network）やＬＡＮ（Local Area Network）などの通信ネットワークで接続されて構成される。
【００５２】
なお、上記１次元バーコードは、JAN、CODE39、ITF、NW-7、CODE128、CODE93など（登録商標を含む）があり、また、上記２次元コードはスタック型２次元コードとマトリクス型２次元コードに分類され、スタック型２次元コードは、PDF417、CODE49、CODE16Kなど（登録商標を含む）があり、マトリクス型２次元コードは、ＱＲコード、DATA MATRIX、VERI CODE、MAXI CODE、CP CODE、CODE1、ボックス図形コード、ULTRA CODE、AZTECH CODEなど（登録商標を含む）があるが、本実施例におけるコードは各種情報をコード化して記録したものであればよく、その規格は特に限定されない。また、本実施例のコードには、情報を光学的に記録するホログラムなども含むものとする。
【００５３】
また、上記文書データは、ページ記述言語（ＰＤＬ：Page Description Language）形式のデータとしてもよいし、ＸＰＳ（XML Paper Specification）に基づいて作成されたデータ、ＰＤＦ（Portable Document Format）データ、ＰＳ（Post Script）やＰＣＬ（Printer Control Language）等で記述されたデータとしてもよいし、各々のページを展開したビットマップ形式のデータとしてもよい。
【００５４】
また、図２に示すように、本実施例の画像処理装置１０は、制御部１１と、操作・表示部１２と、スキャナ部１３と、画像処理部１４と、印刷部１５と、記憶部１６と、ネットワーク接続部１７などを備え、各部はバスにより接続されている。
【００５５】
制御部１１は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）などにより構成される。ＣＰＵは、操作・表示部１２の操作により、ＲＯＭに記憶されている各種プログラムを読み出してＲＡＭに展開し、展開されたプログラムに従って、画像処理装置１０の各部の動作を制御する。
【００５６】
この制御部１１は、図３に示すように、後述するページ情報や保存場所情報、認証情報などを記録したコードを生成するコード生成部１１ａと、印刷物３０の各ページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部１１ｂと、コードに記録されたページ情報等に基づいて印刷物３０のページ構成を判定するページ構成判定部１１ｃと、不足ページがある場合に、必要に応じて認証情報の入力画面を操作・表示部１２に表示させ、入力された認証情報とコードに記録された認証情報とを比較することによって認証を行い、所定の保存場所から文書データを取得する文書データ取得部１１ｄと、不足ページがある場合に、文書データで不足ページを補完して印刷部１５に印刷させる出力制御部１１ｅなどとしても機能する。
【００５７】
上記コード検出部１１ｂ、ページ構成判定部１１ｃ、文書データ取得部１１ｄ、出力制御部１１ｅはハードウェアとして構成してもよいし、コンピュータを、コード検出部１１ｂ、ページ構成判定部１１ｃ、文書データ取得部１１ｄ、出力制御部１１ｅとして機能させる制御プログラムとして構成し、該制御プログラムを制御部１１上で動作させる構成としてもよい。
【００５８】
操作・表示部１２は、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）等の表示部上に、透明電極が格子状に配置された感圧式の操作部（タッチパネル）を設けたものであり、制御部１１からの表示信号に従って表示部上に各種操作ボタンや装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。また、手指やタッチペン等で押下された力点のＸＹ座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部１１に出力する。なお、ここでは操作・表示部１２を表示部と操作部とが一体となった構成としているが、表示部とは別に各種操作ボタンを配置した操作部を設けてもよい。
【００５９】
スキャナ部１３は、印刷物３０を載置するガラスの下部に配置され、印刷物３０に記録された情報を読み取るものであり、印刷物３０を走査する光源と、印刷物３０で反射された光を電気信号に変換するＣＣＤ（Charge Coupled Devices）と、電気信号をＡ／Ｄ変換するＡ／Ｄ変換器等により構成される。
【００６０】
画像処理部１４は、スキャナ部１３で読み取ったスキャン画像に対して、拡大／縮小、回転、周波数変換、ＲＧＢデータからＹＭＣＫデータへの色変換、階調補正等の各種画像処理を施して印刷部１５へ出力する。
【００６１】
印刷部１５は、転写紙に印刷する画像を形成する画像形成部、形成した画像を転写紙に転写する転写部、転写した画像を定着させる定着部、転写紙を搬送する搬送部、画像形成部や転写部、定着部をそれぞれクリーニングする各クリーニング部などを備え、電子写真方式により、入力されたデータに基づいて、転写紙上に画像を形成して出力する。
【００６２】
記憶部１６は、フラッシュメモリやハードディスク等により構成され、印刷物３０の文書データなどの各種データや設定条件等を記憶する。
【００６３】
ネットワーク接続部１７は、ＮＩＣ（Network Interface Card）、モデム、ＬＡＮアダプタ、ルータ、ＴＡ（Terminal Adapter）等により構成され、通信ネットワークを介して接続されたサーバ２０等との通信制御を行う。
【００６４】
なお、本実施例では、印刷物３０の印刷及び文書データ等の記憶と、コードの検出及び印刷物３０のコピーと、を画像処理装置１０で処理する構成としているが、印刷物３０の印刷及び文書データの記憶を他の画像処理装置で処理し、コードの検出及び印刷物３０のコピーのみを本実施例の画像処理装置１０で処理する構成としてもよいし、更に、コードの検出及び印刷物３０のコピー指示のみを本実施例の画像処理装置１０で処理し、印刷物３０のコピーを他の画像処理装置で処理する構成としてもよい。また、図２の構成は例示であり、例えば、自動原稿送り装置（ＡＤＦ：Auto Document Feeder）や後処理装置（フィニッシャ）などを備えた構成としてもよい。また、本実施例では、印刷物３０の各々のページにコードを付加する構成とするが、コードに代えてＲＦＩＤ（Radio Frequency Identification）タグを付加する構成とすることもでき、この場合は、コード検出部１１ｂは、ＲＦＩＤタグのＩＣに記録された情報を読み取るＲＦＩＤリーダとして機能させればよい。
【００６５】
以下、上記構成の出力制御システムを用いて、印刷物３０を印刷する手順について、図４の概念図及び図６のフローチャート図を参照して説明する。
【００６６】
まず、ユーザは、画像処理装置１０に通信ネットワークで接続されたコンピュータ機器を用いて印刷物３０の元となる文書を作成し、ＯＳの印刷機能によりプリンタドライバを参照してドキュメントプロパティ画面を表示させる。このドキュメントプロパティ画面には、プリンタドライバで設定可能な各種項目がタブで分類されて表示されており、ユーザは、所定のタブを選択して原稿サイズや印刷部数などの印刷条件の設定を行うと共に、コードを印字するか否かの設定やコピー時に認証を行うか否かの設定、認証時のパスワードの設定等を行い（図４の（１）参照）、画像処理装置１０に、文書データと上記設定情報とを送信する。
【００６７】
次に、図６のステップＳ１０１で、画像処理装置１０の制御部１１は、ネットワーク接続部１７を用いて、コンピュータ機器から文書データ、設定情報を取得する。なお、この文書データはコンピュータ機器から取得するデータに限らず、画像処理装置１０のスキャナ部１３でスキャンしたデータとしてもよいし、記憶部１６やサーバ２０などに予め記憶されたデータとしてもよい。
【００６８】
次に、ステップＳ１０２で、制御部１１は、設定情報に基づいて、コードの印字が設定されているかを判断し、設定されてない場合は、ステップＳ１０３で、制御部１１は印刷部１５に通常のプリントを実行させる。
【００６９】
一方、コードの印字が設定されている場合は、ステップＳ１０４で、制御部１１は、設定情報に基づいて、コピー時の認証が設定されているかを判断し、設定されている場合は、ステップＳ１０５で、コード生成部１１ａは、文書データ取得の際のキーとして使用するプリントＩＤや、ＨＤＤ格納フォルダやサーバ２０のＵＲＬ（Uniform Resource Locator）などの保存場所情報、全体ページ数やページ番号などのページ情報、ユーザ情報、認証を行うか否かの設定やパスワードなどの認証情報等を記録した１次元バーコードや２次元コード等のコードを生成する。
【００７０】
一方、コピー時の認証が設定されていない場合は、ステップＳ１０６で、コード生成部１１ａは、上記プリントＩＤ、保存場所情報、ページ情報、ユーザ情報等を記録したコードを生成する。
【００７１】
なお、コードには、少なくとも、ページ情報と保存場所情報とが記録されていればよく、例えば、ページ情報及び保存場所情報以外の情報を文書データに関連付けて所定の保存場所に記憶する場合はこれらの情報の記録を省略することができる。また、文書データをページ毎のビットマップデータとする場合は、保存場所情報でページ毎のビットマップデータを特定可能にすれば、不足ページに対応する文書データのみを取得することが可能となる。
【００７２】
次に、ステップＳ１０７で、制御部１１は、記憶部１６やサーバ２０などの所定の保存場所に、文書データを記憶、又は、文書データと各種設定情報とを対応付けて記憶する（図４の（２）参照）。
【００７３】
次に、ステップＳ１０８で、制御部１１は、印刷部１５に、各々のページに該ページに対応するコードを付加して印刷物３０を印刷する（図４の（３）参照）。その際、コードの印刷位置は特に限定されないし、上記情報を一つのコードに記録できない場合は、各々のページに複数のコードを印刷してもよい。
【００７４】
次に、上記構成の出力制御システムを用いて、印刷物３０をコピーする手順について、図５の概念図及び図７のフローチャート図を参照して説明する。
【００７５】
まず、コードが印刷された印刷物３０を画像処理装置１０にセットし、ユーザが操作・表示部１２を操作してスキャンを指示すると、図７のステップＳ２０１で、スキャナ部１３は、光源で印刷物３０を走査し、印刷物３０で反射された光をＣＣＤで受光して電気信号に変換し、その電気信号をＡ／Ｄ変換して印刷物３０の情報が記録されたスキャン画像を作成する（図５の（１）参照）。このスキャンはモノクロ又はカラーのいずれでもよいが、スキャン画像の処理はモノクロの方が簡易であるため、コード３１がカラー２次元コードでなければ、モノクロでスキャンする方が好ましい。
【００７６】
次に、制御部１１のコード検出部１１ｂは、各々のページのスキャン画像からコードを検出する。このコード検出方法は特に限定されないが、印刷物３０には、通常、境界を示す枠線や仕切り線などの長い直線が印刷されており、コードは、その直線に対して平行及び／又は直角に印刷されていることから、この直線を利用することによりコードを効率的に検出することが可能となる。
【００７７】
図８及び図９を参照して具体的に説明すると、まず、図８のステップＳ２０１ａで、制御部１１は、スキャナ部１３からスキャン画像を取得する。このスキャン画像は、輝度、濃度、明度データ等、明るさを表す画像であれば特に限定されず、スキャナ部１３で得た画像としてもよいし、画像処理部１４で処理した画像としてもよい。
【００７８】
次に、ステップＳ２０１ｂで、コード検出部１１ｂは、スキャン画像に対して、１レベルのみの二項ウェーブレット変換を行って、水平高周波成分（Ｗｘ）、垂直高周波成分（Ｗｙ）を取得し、上述した式（８）、（９）に従って、高周波強度（すなわち、変化ベクトルＶｎの大きさＭｎ）、エッジ角度（すなわち、偏角Ａｎ）を演算する。
【００７９】
模式的に説明すると、図９（ａ）はスキャン画像の構成を模式的に示しており、このスキャン画像に対して二項ウェーブレット変換を行うとエッジが検出されて、図９（ｂ）に示すようなエッジ画像が生成される。その際、枠線３４ａや仕切り線３４ｂ、コード３１はほとんど変化しないが、テキスト情報３３は、様々な傾きの短い直線群となり、画像情報３２はなだらかな曲線となる。
【００８０】
次に、ステップＳ２０１ｃで、コード検出部１１ｂは、二項ウェーブレット変換で得られるエッジの内、高周波強度（すなわち、濃度変動）が所定値以上のエッジを選別する。ここで、画像情報は通常なだらかな曲線であり、上述した二項ウェーブレット変換の特徴により、１レベルの二項ウェーブレット変換では、なだらかな曲線の高周波強度は小さくなるため、図９（ｃ）に示すように、スキャン画像から画像情報３２が除外される。
【００８１】
次に、ステップＳ２０１ｄで、コード検出部１１ｂは、特定強度以上のエッジに対してハフ変換を行う。このハフ変換において投票数が少ないエッジをカットし、その後、逆変換して直線を抽出すると、図９（ｄ）に示すように、枠線３４ａや仕切り線３４ｂは長い直線として抽出され、テキスト情報３３及びコード３１のエッジの内、投票数が規定値以上のエッジは短い直線として抽出される。そして、これらの直線の中から最も長い直線（すなわち、最も投票数が多い直線）を選択することによって枠線３４ａや仕切り線３４ｂが基準線３４として特定される。
【００８２】
次に、ステップＳ２０１ｅで、コード検出部１１ｂは、ハフ変換で抽出された複数の直線の中から、上記ステップで特定した基準線３４に対して、特定の方向（ここでは、基準線３４に平行及び／又は直角）の直線のみを抽出する。この処理により、テキスト情報３３の中の斜めの直線が除外されてスキャン画像は図９（ｅ）のようになる。
【００８３】
次に、ステップＳ２０１ｆで、コード検出部１１ｂは、スキャン画像を縦横の線で複数の領域に分割し、ステップＳ２０１ｇで、分割した複数の領域の中から、エッジが所定数以上の領域を選別し、その領域を候補領域として特定する。例えば、図９（ｆ）に示すように、縦横線で分割した領域の内、網掛けで示した領域が、基準線３４に平行及び／又は直角の直線が所定数以上含まれる候補領域となる。なお、候補領域はいくつかの領域の集合となるので、その集合と非候補領域との境目で切り出しシンボル（ＱＲコードの場合は左上、右上、左下の３カ所の矩形の図形）を探すことになる。
【００８４】
次に、ステップＳ２０１ｈで、コード検出部１１ｂは、公知の手法を用いてスキャン画像の候補領域近傍でパターンマッチングを行い、予め設定された図形と切り出しシンボルとを比較することによって切り出しシンボルを検出する。
【００８５】
なお、図８のフローチャート図では、候補領域を特定し、スキャン画像の候補領域に対してパターンマッチングを行っているが、図８のステップＳ２０２ｄで基準線３４を特定した後、その基準線３４に対して特定の向き（例えば、基準線３４に平行及び／又は直角）でスキャン画像に対してパターンマッチングを行う構成とすることもでき、特定の向きでのみパターンマッチングを行うことにより、コード３１を簡単且つ迅速に検出することができる。
【００８６】
また、コード３１の検出に際して、印刷物３０に枠線３４ａや仕切り線３４ｂを備える構成としたが、これらが印刷されていないものであっても、スキャナ部１３で印刷物３０をスキャンする際に、用紙のエッジを抽出することができることから、用紙のエッジを基準線３４として利用して、コード３１を検出することもできる。
【００８７】
次に、図７に戻って、ステップＳ２０２で、コード検出部１１ｂは、パターンマッチングの結果に基づいて、スキャン画像にコードがあるか否かを判断し、コードがない場合は、ステップＳ２０３で、制御部１１は、コピーのログを記憶部１６に登録した後、ステップＳ２０４で、出力制御部１１ｅは、印刷部１５に通常のコピーを実行させる。
【００８８】
一方、スキャン画像にコードがある場合は、ステップＳ２０５で、制御部１１は、コピーのログを記憶部１６に登録する。その際、本実施例では、ログの情報としてコードに記録された情報も登録することにより、誰がコピーしたかのみならず、何をコピーしたかも登録することができ、コピー機能の使用を確実に管理することができる。
【００８９】
次に、ステップＳ２０６で、ページ構成判定部１１ｃは、各ページのコードに記録された全ページ数やページ番号などのページ情報に基づいて、不足ページがあるか否かを判断する（図５の（２）参照）。その際、落丁などの不足ページを特定するためには、印刷物３０の各ページが適切な順番で配置されている必要があるため、まず、印刷物３０全体の読み取りを行ってコードに記録されたページ番号をソート処理し、全体ページ数を参照して、その中に不足ページが存在するか調べる。例えば、ソート処理の結果、３ページの次が５ページになっていた場合には、４ページ目が不足ページと判定される。また、全体ページ数が４ページで、ソート処理したページが３ページまでしかない場合も、４ページ目が不足ページと判定される。なお、ページが重複している場合も考えられるが、その場合はページ番号が重複するページを除いて処理すればよい。
【００９０】
そして、不足ページがない場合は、ステップＳ２０３で通常のコピーを実行する。一方、不足ページがある場合は、ステップＳ２０７で、文書データ取得部１１ｄは、コードに記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所にアクセスし、スキャンした印刷物３０の文書データが保存されているかを判断し、文書データが保存されていない場合は、同様にステップＳ２０３で通常のコピーを実行する。
【００９１】
文書データが保存されている場合は、ステップＳ２０８で、制御部１１は、操作・表示部１２に、不足ページを印刷するか否かをユーザに選択させるための画面を表示させ、不足ページの印刷を実施しない場合（ステップＳ２０９のＮｏの場合）は、同様にステップＳ２０３で通常のコピーを実行する。
【００９２】
一方、不足ページの印刷を実施する場合（ステップＳ２０９のＹｅｓの場合）は、悪意のある第３者が印刷物３０を取得するのを回避するために、ステップＳ２１０で、文書データ取得部１１ｄは、必要に応じて、印刷物３０のコピーをしているユーザが、認証が必要なユーザであるかを判断する。具体的には、コピー時に入力したユーザ情報とコードに記録されたユーザ情報とが一致しない場合は、認証が必要なユーザであると判断する。なお、画像処理装置１０のユーザ認証機能（コピー機能自体を利用する際の認証）と連携させることで、特定の権限を持ったユーザ（例えば、部長、課長等）は、認証が必要なプリントにおいて、認証を行わなくても補完印刷ができるように設定することも可能である。
【００９３】
次に、認証が必要なユーザであると判断された場合には、ステップＳ２１１で、制御部１１は、コードに記録された認証情報を参照して、認証を実行する／しないのいずれに設定されているかを判断し、認証が設定されている場合は、ステップＳ２１２で、文書データ取得部１１ｄは、操作・表示部１２に、パスワード等をユーザに入力させるための画面を表示させ、ステップＳ２１３で、入力されたパスワードとコードに記録されたパスワードとが一致するかを判断する（図５の（３）参照）。
【００９４】
次に、パスワードが一致しない場合は、ステップＳ２０３で通常のコピーを実行し、パスワードが一致する場合は、ステップＳ２１４で、文書データ取得部１１ｄは、コードに記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から文書データを取得する。その際、文書データをページ毎のビットマップデータとする場合は、不足ページに対応する文書データのみを取得することができる。
【００９５】
そして、ステップＳ２１５で、出力制御部１１ｅは、文書データで不足ページを補完して、操作・表示部１２に印刷物３０の全ページを表示させたり、印刷部１５に印刷物３０の全ページをコピーさせる（図５の（３）参照）。具体的には、印刷物３０が全５ページで４ページ目が不足している場合には、１〜３ページ目をスキャン画像に基づいて出力し、４ページ目を文書データに基づいて出力し、その後、５ページ目をスキャン画像に基づいて出力する。
【００９６】
このように、印刷物３０の印刷時に、各々のページにコードを付加し、コピー時に、コードに記録されたページ情報に基づいて落丁などの不足ページを判定し、不足ページがある場合は所定の保存場所から文書データを取得し、文書データで不足ページを補完して表示又は印刷することにより、印刷物に不足ページがある場合でも、完全な印刷物を出力することができる。また、副次的に、各々のページのコードに記録された情報を利用することにより、完全なログ取得が可能となるため、コピー機能の使用を確実に管理することができる。
【００９７】
なお、上記実施例では、印刷物３０にコードを付加する場合について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、印刷物３０の各々のページに予め埋め込んだＲＦＩＤタグにページ情報や保存場所情報を記録し、画像処理装置１０に予め設けたＲＦＩＤリーダ機能を用いてＲＦＩＤタグに記録した各種情報を読み取ることによっても、同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【００９８】
本発明は、印刷物に付加されたコードを検出し、不足ページを補完して出力するプログラム、画像処理装置及びシステム並びに方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００９９】
【図１】本発明の一実施例に係る出力制御システムの構成を模式的に示す図である。
【図２】本発明の一実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図３】本発明の一実施例に係る画像処理装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図４】本発明の一実施例に係る出力制御システムを用いた出力手順（コード付き印刷物を印刷する手順）を示す概念図である。
【図５】本発明の一実施例に係る出力制御システムを用いた出力手順（コード付き印刷物を表示／コピーする手順）を示す概念図である。
【図６】本発明の一実施例に係る出力制御システムを用いた出力手順（コード付き印刷物を印刷する手順）を示すフローチャート図である。
【図７】本発明の一実施例に係る出力制御システムを用いた出力手順（コード付き印刷物を表示／コピーする手順）を示すフローチャート図である。
【図８】本発明の一実施例に係るコード検出手順を示すフローチャート図である。
【図９】本発明の一実施例に係るコード検出手順の具体例を示す図である。
【図１０】ウェーブレット変換関数を示す図である。
【符号の説明】
【０１００】
１０ 画像処理装置
１１ 制御部
１１ａ コード生成部
１１ｂ コード検出部
１１ｃ ページ構成判定部
１１ｄ 文書データ取得
１１ｅ 出力制御部
１２ 操作・表示部
１３ スキャナ部
１４ 画像処理部
１５ 印刷部
１６ 記憶部
１７ ネットワーク接続部
２０ サーバ
３０ 印刷物
３１ コード
３１ａ 切り出しシンボル
３２ 画像情報
３３ テキスト情報
３４ 基準線
３４ａ 枠線
３４ｂ 仕切り線
【技術分野】
【０００１】
本発明は、不足ページを補完して出力する制御プログラム、画像処理装置及び出力制御システム並びに出力制御方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、コピー機能やファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能などを備える複写機や複合機（ＭＦＰ：Multi Function Peripheral）など（以下、これらを総称して画像処理装置と呼ぶ。）が普及している。この画像処理装置では、プリンタ機能を使用してネットワーク接続されたコンピュータ機器からの指示に従って印刷物を出力したり、コピー機能を使用して印刷物をコピーするなどの処理が行われる。
【０００３】
上記画像処理装置の制御に関して、例えば、下記特許文献１には、画像読取部が原稿を読み取った際に、当該原稿に付されたＲＦＩＤに記録された情報を読み取り、読み取った情報から原稿のページ番号を取得し、そのページ番号に基づいて、読み取った原稿の抜けや順番違い等の異常を検知する方法が開示されている。
【０００４】
また、下記特許文献２には、読み取った原稿又は送信された原稿の画像データの各頁の頁番号を認識し、認識した頁番号を頁順に配列し、この配列順番になるように蓄積した画像データの配置を替えて出力する方法が開示されている。
【０００５】
【特許文献１】特開２００６−２５４０５８号公報
【特許文献２】特開平８−１２５８３８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記特許文献１記載の方法を用いることにより順番違いを検知することができ、コピー対象となる印刷物に順番違いがある場合には、上記特許文献２記載の方法を利用することにより、正しい順番に並び替えて出力することができるが、コピー対象となる印刷物に不足ページ（落丁）があった場合には、コンピュータ機器などから再び不足ページの印刷を指示しなければならず、特に、この印刷物が他人から受け取ったものである場合は、コンピュータ機器などから不足ページの印刷を指示することすらできず、利便性が悪いという問題があった。
【０００７】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、印刷物に不足ページがある場合でも、完全な印刷物を出力することができる制御プログラム、画像処理装置及び出力制御システム並びに出力制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するため、本発明は、スキャナ機能を有する画像処理装置で動作する制御プログラムであって、コンピュータを、複数ページで構成される印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部、前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部、として機能させるものである。
【０００９】
また、本発明は、スキャナ機能を有する画像処理装置で動作する制御プログラムであって、コンピュータを、複数ページで構成される印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部、前記不足ページがあり、かつ、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とが一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部、として機能させるものである。
【００１０】
本発明においては、コンピュータを、更に、前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部、として機能させる構成とすることができる。
【００１１】
また、本発明の画像処理装置は、複数ページで構成される印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するスキャナ部と、前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部と、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部と、前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、を少なくとも備えるものである。
【００１２】
また、本発明の画像処理装置は、複数ページで構成される印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するスキャナ部と、前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部と、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部と、前記不足ページがあり、かつ、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とが一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、を少なくとも備えるものである。
【００１３】
本発明においては、前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部を更に備える構成とすることができる。
【００１４】
また、本発明の出力制御システムは、上記いずれか一に記載の画像処理装置と前記文書データを保存するサーバとが通信ネットワークで接続されているものである。
【００１５】
また、本発明の出力制御方法は、複数ページで構成される印刷物の各々のページにコードを付加して印刷するステップと、前記印刷物の文書データを所定の保存場所に保存するステップと、前記印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するステップと、前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するステップと、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するステップと、前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される前記所定の保存場所から前記文書データを取得するステップと、前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させるステップと、を少なくとも有するものである。
【００１６】
また、本発明の出力制御方法は、複数ページで構成される印刷物の各々のページにコードを付加して印刷するステップと、前記印刷物の文書データを所定の保存場所に保存するステップと、前記印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するステップと、前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するステップと、前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するステップと、前記不足ページがある場合に、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とを比較するステップと、両者が一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される前記所定の保存場所から前記文書データを取得するステップと、前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させるステップと、を少なくとも有するものである。
【００１７】
このように、本発明では、印刷物の各々のページのスキャン画像からコードが検出され、このコードに記録されたページ情報に基づいて不足ページが判別され、不足ページがある場合には、コードに記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から文書データが取得され、不足ページが文書データで補完されて表示又は印刷されるため、印刷物に不足ページがある場合でも、完全な印刷物を出力することができる。
【発明の効果】
【００１８】
本発明の制御プログラム、画像処理装置及び出力制御システム並びに出力制御方法によれば、印刷物に不足ページがある場合でも、完全な印刷物を出力することができる。
【００１９】
その理由は、複数ページの印刷物を印刷する際に、各々のページに、ページ情報や保存場所情報、認証情報などが記録された１次元バーコードや２次元コード等のコードを印刷すると共に、文書データがＨＤＤやサーバ等の所定の保存場所に記憶し、この印刷物をコピーする際には、印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出し、コードに記録されたページ情報に基づいて不足ページを判別し、不足ページがある場合にはユーザに認証情報の入力を求め、入力された認証情報がコードに記録された認証情報と一致すれば、コードに記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から文書データを取得し、その文書データで不足ページを補完して表示又は印刷する制御を行うからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２０】
従来技術で示したように、画像処理装置で印刷物を印刷する際に、各々のページにＲＦＩＤ等を埋め込み、コピーやＦＡＸ時に不足ページを検知したり、正しい順番に並び替えるなどの処理を行なう技術はある。しかしながら、これらの技術を利用しても、印刷物に不足ページ（落丁）があった場合には、その場で完全な印刷物を出力することができないという問題があった。
【００２１】
また、従来のコピーのログを取得する場合、認証機能を利用することで「誰が」コピーを行なったかを判別することは可能であったが「何を」コピーしたかを判別することはできず、コピー機能を管理する上で、不完全なログしか取得することができないという問題もあった。
【００２２】
そこで、本発明では、印刷時に各ページに印刷したコードを元に、コピー時の不足ベージの補完印刷を実現する。具体的には、スキャナ機能を備える画像処理装置に、ハードウェア又はソフトウェアとして、印刷物の各々のページをスキャンしたスキャン画像から１次元バーコードや２次元コード等のコードを検出するコード検出部と、コードに予め記録されたページ情報に基づいて印刷物の不足ページを判別するページ構成判別部と、不足ページがある場合に、表示部に認証情報の入力を求める画面を表示させ、入力された認証情報とコードに予め記録された認証情報とが一致する場合に、コードに予め記録された保存場所情報で特定されるＨＤＤやサーバ等の所定の保存場所から印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、各々のページのスキャン画像と取得した文書データとに基づいて不足ページを補完して表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部と、を設け、コピー対象となる印刷物に不足ページがある場合でも完全な印刷物を出力できるようにする。
【００２３】
このように、印刷物の各々のページに印刷されたコードを元に、必要なページを画像処理装置が自動的に補完するため、コピー機能の利便性を高めることができる。また、各ページのコードに記録された情報を利用することにより「どのページを誰がコピーした」というログを取得することができるため、コピー機能の使用を確実に管理することもできる。
【００２４】
なお、上記コード検出部でスキャン画像からコードを検出する手法は特に限定されないが、二項ウェーブレット変換やハフ変換を利用することによって効率的にコードを検出することが可能となる。以下、本発明の理解を容易にするために、二項ウェーブレット変換及びハフ変換の概要を説明する。
【００２５】
［二項ウェーブレット］
ウェーブレット変換とは図１０に示すような有限範囲で振動するウェーブレット関数（式（１））を用いて、入力信号ｆ（ｘ）に対するウェーブレット変換係数〈ｆ，ψａ，ｂ〉を式（２）で求める事により、入力信号を式（３）のようなウェーブレット関数の総和に分解する変換である。
【００２６】
【００２７】
【００２８】
【００２９】
上式で、ａはウェーブレット関数のスケールを表し、ｂはウェーブレット関数の位置を示す。図１０に例示するように、スケールａの値が大きいほどウェーブレット関数ψａ，ｂ（ｘ）の周波数は小さくなり、また、位置ｂの値に従ってウェーブレット関数ψａ，ｂ（ｘ）が振動する位置が移動する。従って式（３）は、入力信号ｆ（ｘ）を種々のスケールと位置を持つウェーブレット関数ψａ，ｂ（ｘ）の総和に分解する事を意味している。
【００３０】
上記のような変換を可能にするウェーブレット関数は多くのものが知られているが、画像処理分野では計算が高速な直交ウェーブレット（Orthogonal Wavelet）・双直交ウェーブレット（Biorthogonal Wavelet）が広く用いられている。直交ウェーブレット・双直交ウェーブレットのウェーブレット関数は式（４）のように定義される。
【００３１】
【００３２】
式（４）と式（１）を比べると、直交ウェーブレット・双直交ウェーブレットではスケールａの値が２のｉ乗で離散的に定義され、また、位置ｂの最小移動単位が２ｉで離散的に定義されている事が判る。このｉの値はレベルと呼ばれる。
【００３３】
一方、本発明で利用する二項ウェーブレット（Dyadic Wavelet）のウェーブレット関数は式（５）のように定義される（例えば、特開平９−２１２６２３号公報）。
【００３４】
【００３５】
ここで、直交ウェーブレット・双直交ウェーブレットのウェーブレット関数は前述のようにレベルｉにおける位置の最小移動単位が２ｉで離散的に定義されていたのに対し、二項ウェーブレットはレベルｉにかかわらず位置の最小移動単位が一定である。この相違により、二項ウェーブレット変換には下記の特徴が生じる。
【００３６】
特徴１：式（６）に示す１レベルの二項ウェーブレット変換で生成する、高周波数帯域成分Ｗｉと低周波数帯域成分Ｓｉの各々の信号量は、変換前の信号Ｓｉ−１と同一である。
【００３７】
【００３８】
特徴２：スケーリング関数φｉ，ｊ（ｘ）とウェーブレット関数ψｉ，ｊ（ｘ）の間に式（７）の関係が成立する。
【００３９】
【００４０】
従って二項ウェーブレット変換で生成する、高周波数帯域成分Ｗｉは、低周波数帯域成分Ｓｉの一次微分（勾配）を表す。
【００４１】
特徴３：ウェーブレット変換のレベルｉに応じて定められた係数γｉを高周波数帯域成分に乗じたＷｉ・γｉ（以下、これを補正済高周波数帯域成分と呼ぶ。）について、入力信号の信号変化の特異性（singularity）に応じて、前記変換後の補正済高周波数帯域成分Ｗｉ・γｉの信号強度のレベル間の関係が一定の法則に従う。すなわち、なだらかな（微分可能な）信号変化に対応する補正済高周波数帯域成分Ｗｉ・γｉはレベル数ｉが増大するほど信号強度が増大するのに対して、ステップ状の信号変化に対応する補正済高周波数帯域成分Ｗｉ・γｉはレベル数ｉに関わらず信号強度が一定となり、δ関数状の信号変化に対応する補正済高周波数帯域成分Ｗｉ・γｉはレベル数ｉが増大するほど信号強度が減少する。
【００４２】
特徴４：画像信号のような２次元信号における１レベルの二項ウェーブレット変換の方法は、前述の直交ウェーブレット・双直交ウェーブレットの方法と異なり、１レベルのウェーブレット変換により、低周波数帯域成分Ｓｎ−１は２つの高周波数帯域成分Ｗｘｎ，Ｗｙｎと１つの低周波数帯域成分Ｓｎに分解される。２つの高周波数帯域成分は低周波数帯域成分Ｓｎの２次元における変化ベクトルＶｎのｘ成分とｙ成分に相当する。変化ベクトルＶｎの大きさＭｎと偏角Ａｎは式（８）、式（９）で与えられる。
【００４３】
【００４４】
【００４５】
以上の特徴より、処理の対象となる情報の種類に応じて補正済高周波数帯域成分Ｗｉ・γｉの信号強度の大きさが異なるため、スキャナ画像の中から、なだらかな曲線で構成される画像情報を除外することが可能となる。
【００４６】
［ハフ変換］
ハフ変換とは、特定の点を通る直線の中から、画像の特徴点を最も多く通る直線を決定する処理であり、標準的なハフ変換では、式（１０）に示すように、１つの直線は２つのパラメータ（その直線に引いた法線の長さと角度、ｒとθ）で表される。
【００４７】
【００４８】
ここで、θ∈［０、π］かつｒ∈Ｒとするか、若しくは、θ∈［０、２π］かつｒ≧０とすると、ある直線に対する（ｒ、θ）の組は一意に決定する。いいかえれば、θに対して直角で、原点からｒの距離にあるものとして直線が表現される。
【００４９】
そこで、二項ウェーブレット変換で抽出したエッジに対してハフ変換を行い、ハフ変換したデータ上で投票数が少ないデータをカットし、その後、逆変換することにより、特定のエッジを直線として抽出することができ、投票数が最も多いデータを最も長い直線と見なすことにより、二項ウェーブレット変換で抽出したエッジの中から枠線や仕切り線などを基準線として特定することができ、この基準線に基づいてパターンマッチングの方向を設定したり、候補領域を特定することにより、パターンマッチングを迅速且つ容易に実行することが可能となる。
【実施例１】
【００５０】
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る制御プログラム、画像処理装置及び出力制御システム並びに出力制御方法について、図１乃至図９を参照して説明する。図１は、本実施例の出力制御システムの構成を模式的に示す図であり、図２は、本実施例の画像処理装置の構成を示すブロック図、図３は、画像処理装置の制御部の構成を示すブロック図である。また、図４及び図５は、各々、本実施例の出力制御システムを用いた出力手順を模式的に示す図であり、図６及び図７は、各々、本実施例の出力制御システムを用いた出力手順を示すフローチャート図である。また、図８は、本実施例のコード検出手順を示すフローチャート図であり、図９は、その具体例を示す図である。
【００５１】
図１（ａ）に示すように、本実施例の出力制御システムは、複数ページで構成される印刷物３０の印刷時には、各々のページに、１次元バーコードや２次元コード、カラー２次元コードなど（以下、これらを総称してコードと呼ぶ。）を付加して出力すると共に、印刷物３０の電子データ（以下、文書データと呼ぶ。）をＨＤＤなどの所定の保存場所に記憶し、印刷物３０のコピー時には、各々のページのコードに基づいて、不足ページを補完して完全な印刷物３０を出力する画像処理装置１０で構成される。また、文書データを外部に記憶する場合は、図１（ｂ）に示すように、画像処理装置１０と文書データを記憶するサーバ２０とがＷＡＮ（Wide Area Network）やＬＡＮ（Local Area Network）などの通信ネットワークで接続されて構成される。
【００５２】
なお、上記１次元バーコードは、JAN、CODE39、ITF、NW-7、CODE128、CODE93など（登録商標を含む）があり、また、上記２次元コードはスタック型２次元コードとマトリクス型２次元コードに分類され、スタック型２次元コードは、PDF417、CODE49、CODE16Kなど（登録商標を含む）があり、マトリクス型２次元コードは、ＱＲコード、DATA MATRIX、VERI CODE、MAXI CODE、CP CODE、CODE1、ボックス図形コード、ULTRA CODE、AZTECH CODEなど（登録商標を含む）があるが、本実施例におけるコードは各種情報をコード化して記録したものであればよく、その規格は特に限定されない。また、本実施例のコードには、情報を光学的に記録するホログラムなども含むものとする。
【００５３】
また、上記文書データは、ページ記述言語（ＰＤＬ：Page Description Language）形式のデータとしてもよいし、ＸＰＳ（XML Paper Specification）に基づいて作成されたデータ、ＰＤＦ（Portable Document Format）データ、ＰＳ（Post Script）やＰＣＬ（Printer Control Language）等で記述されたデータとしてもよいし、各々のページを展開したビットマップ形式のデータとしてもよい。
【００５４】
また、図２に示すように、本実施例の画像処理装置１０は、制御部１１と、操作・表示部１２と、スキャナ部１３と、画像処理部１４と、印刷部１５と、記憶部１６と、ネットワーク接続部１７などを備え、各部はバスにより接続されている。
【００５５】
制御部１１は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）などにより構成される。ＣＰＵは、操作・表示部１２の操作により、ＲＯＭに記憶されている各種プログラムを読み出してＲＡＭに展開し、展開されたプログラムに従って、画像処理装置１０の各部の動作を制御する。
【００５６】
この制御部１１は、図３に示すように、後述するページ情報や保存場所情報、認証情報などを記録したコードを生成するコード生成部１１ａと、印刷物３０の各ページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部１１ｂと、コードに記録されたページ情報等に基づいて印刷物３０のページ構成を判定するページ構成判定部１１ｃと、不足ページがある場合に、必要に応じて認証情報の入力画面を操作・表示部１２に表示させ、入力された認証情報とコードに記録された認証情報とを比較することによって認証を行い、所定の保存場所から文書データを取得する文書データ取得部１１ｄと、不足ページがある場合に、文書データで不足ページを補完して印刷部１５に印刷させる出力制御部１１ｅなどとしても機能する。
【００５７】
上記コード検出部１１ｂ、ページ構成判定部１１ｃ、文書データ取得部１１ｄ、出力制御部１１ｅはハードウェアとして構成してもよいし、コンピュータを、コード検出部１１ｂ、ページ構成判定部１１ｃ、文書データ取得部１１ｄ、出力制御部１１ｅとして機能させる制御プログラムとして構成し、該制御プログラムを制御部１１上で動作させる構成としてもよい。
【００５８】
操作・表示部１２は、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）等の表示部上に、透明電極が格子状に配置された感圧式の操作部（タッチパネル）を設けたものであり、制御部１１からの表示信号に従って表示部上に各種操作ボタンや装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。また、手指やタッチペン等で押下された力点のＸＹ座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として制御部１１に出力する。なお、ここでは操作・表示部１２を表示部と操作部とが一体となった構成としているが、表示部とは別に各種操作ボタンを配置した操作部を設けてもよい。
【００５９】
スキャナ部１３は、印刷物３０を載置するガラスの下部に配置され、印刷物３０に記録された情報を読み取るものであり、印刷物３０を走査する光源と、印刷物３０で反射された光を電気信号に変換するＣＣＤ（Charge Coupled Devices）と、電気信号をＡ／Ｄ変換するＡ／Ｄ変換器等により構成される。
【００６０】
画像処理部１４は、スキャナ部１３で読み取ったスキャン画像に対して、拡大／縮小、回転、周波数変換、ＲＧＢデータからＹＭＣＫデータへの色変換、階調補正等の各種画像処理を施して印刷部１５へ出力する。
【００６１】
印刷部１５は、転写紙に印刷する画像を形成する画像形成部、形成した画像を転写紙に転写する転写部、転写した画像を定着させる定着部、転写紙を搬送する搬送部、画像形成部や転写部、定着部をそれぞれクリーニングする各クリーニング部などを備え、電子写真方式により、入力されたデータに基づいて、転写紙上に画像を形成して出力する。
【００６２】
記憶部１６は、フラッシュメモリやハードディスク等により構成され、印刷物３０の文書データなどの各種データや設定条件等を記憶する。
【００６３】
ネットワーク接続部１７は、ＮＩＣ（Network Interface Card）、モデム、ＬＡＮアダプタ、ルータ、ＴＡ（Terminal Adapter）等により構成され、通信ネットワークを介して接続されたサーバ２０等との通信制御を行う。
【００６４】
なお、本実施例では、印刷物３０の印刷及び文書データ等の記憶と、コードの検出及び印刷物３０のコピーと、を画像処理装置１０で処理する構成としているが、印刷物３０の印刷及び文書データの記憶を他の画像処理装置で処理し、コードの検出及び印刷物３０のコピーのみを本実施例の画像処理装置１０で処理する構成としてもよいし、更に、コードの検出及び印刷物３０のコピー指示のみを本実施例の画像処理装置１０で処理し、印刷物３０のコピーを他の画像処理装置で処理する構成としてもよい。また、図２の構成は例示であり、例えば、自動原稿送り装置（ＡＤＦ：Auto Document Feeder）や後処理装置（フィニッシャ）などを備えた構成としてもよい。また、本実施例では、印刷物３０の各々のページにコードを付加する構成とするが、コードに代えてＲＦＩＤ（Radio Frequency Identification）タグを付加する構成とすることもでき、この場合は、コード検出部１１ｂは、ＲＦＩＤタグのＩＣに記録された情報を読み取るＲＦＩＤリーダとして機能させればよい。
【００６５】
以下、上記構成の出力制御システムを用いて、印刷物３０を印刷する手順について、図４の概念図及び図６のフローチャート図を参照して説明する。
【００６６】
まず、ユーザは、画像処理装置１０に通信ネットワークで接続されたコンピュータ機器を用いて印刷物３０の元となる文書を作成し、ＯＳの印刷機能によりプリンタドライバを参照してドキュメントプロパティ画面を表示させる。このドキュメントプロパティ画面には、プリンタドライバで設定可能な各種項目がタブで分類されて表示されており、ユーザは、所定のタブを選択して原稿サイズや印刷部数などの印刷条件の設定を行うと共に、コードを印字するか否かの設定やコピー時に認証を行うか否かの設定、認証時のパスワードの設定等を行い（図４の（１）参照）、画像処理装置１０に、文書データと上記設定情報とを送信する。
【００６７】
次に、図６のステップＳ１０１で、画像処理装置１０の制御部１１は、ネットワーク接続部１７を用いて、コンピュータ機器から文書データ、設定情報を取得する。なお、この文書データはコンピュータ機器から取得するデータに限らず、画像処理装置１０のスキャナ部１３でスキャンしたデータとしてもよいし、記憶部１６やサーバ２０などに予め記憶されたデータとしてもよい。
【００６８】
次に、ステップＳ１０２で、制御部１１は、設定情報に基づいて、コードの印字が設定されているかを判断し、設定されてない場合は、ステップＳ１０３で、制御部１１は印刷部１５に通常のプリントを実行させる。
【００６９】
一方、コードの印字が設定されている場合は、ステップＳ１０４で、制御部１１は、設定情報に基づいて、コピー時の認証が設定されているかを判断し、設定されている場合は、ステップＳ１０５で、コード生成部１１ａは、文書データ取得の際のキーとして使用するプリントＩＤや、ＨＤＤ格納フォルダやサーバ２０のＵＲＬ（Uniform Resource Locator）などの保存場所情報、全体ページ数やページ番号などのページ情報、ユーザ情報、認証を行うか否かの設定やパスワードなどの認証情報等を記録した１次元バーコードや２次元コード等のコードを生成する。
【００７０】
一方、コピー時の認証が設定されていない場合は、ステップＳ１０６で、コード生成部１１ａは、上記プリントＩＤ、保存場所情報、ページ情報、ユーザ情報等を記録したコードを生成する。
【００７１】
なお、コードには、少なくとも、ページ情報と保存場所情報とが記録されていればよく、例えば、ページ情報及び保存場所情報以外の情報を文書データに関連付けて所定の保存場所に記憶する場合はこれらの情報の記録を省略することができる。また、文書データをページ毎のビットマップデータとする場合は、保存場所情報でページ毎のビットマップデータを特定可能にすれば、不足ページに対応する文書データのみを取得することが可能となる。
【００７２】
次に、ステップＳ１０７で、制御部１１は、記憶部１６やサーバ２０などの所定の保存場所に、文書データを記憶、又は、文書データと各種設定情報とを対応付けて記憶する（図４の（２）参照）。
【００７３】
次に、ステップＳ１０８で、制御部１１は、印刷部１５に、各々のページに該ページに対応するコードを付加して印刷物３０を印刷する（図４の（３）参照）。その際、コードの印刷位置は特に限定されないし、上記情報を一つのコードに記録できない場合は、各々のページに複数のコードを印刷してもよい。
【００７４】
次に、上記構成の出力制御システムを用いて、印刷物３０をコピーする手順について、図５の概念図及び図７のフローチャート図を参照して説明する。
【００７５】
まず、コードが印刷された印刷物３０を画像処理装置１０にセットし、ユーザが操作・表示部１２を操作してスキャンを指示すると、図７のステップＳ２０１で、スキャナ部１３は、光源で印刷物３０を走査し、印刷物３０で反射された光をＣＣＤで受光して電気信号に変換し、その電気信号をＡ／Ｄ変換して印刷物３０の情報が記録されたスキャン画像を作成する（図５の（１）参照）。このスキャンはモノクロ又はカラーのいずれでもよいが、スキャン画像の処理はモノクロの方が簡易であるため、コード３１がカラー２次元コードでなければ、モノクロでスキャンする方が好ましい。
【００７６】
次に、制御部１１のコード検出部１１ｂは、各々のページのスキャン画像からコードを検出する。このコード検出方法は特に限定されないが、印刷物３０には、通常、境界を示す枠線や仕切り線などの長い直線が印刷されており、コードは、その直線に対して平行及び／又は直角に印刷されていることから、この直線を利用することによりコードを効率的に検出することが可能となる。
【００７７】
図８及び図９を参照して具体的に説明すると、まず、図８のステップＳ２０１ａで、制御部１１は、スキャナ部１３からスキャン画像を取得する。このスキャン画像は、輝度、濃度、明度データ等、明るさを表す画像であれば特に限定されず、スキャナ部１３で得た画像としてもよいし、画像処理部１４で処理した画像としてもよい。
【００７８】
次に、ステップＳ２０１ｂで、コード検出部１１ｂは、スキャン画像に対して、１レベルのみの二項ウェーブレット変換を行って、水平高周波成分（Ｗｘ）、垂直高周波成分（Ｗｙ）を取得し、上述した式（８）、（９）に従って、高周波強度（すなわち、変化ベクトルＶｎの大きさＭｎ）、エッジ角度（すなわち、偏角Ａｎ）を演算する。
【００７９】
模式的に説明すると、図９（ａ）はスキャン画像の構成を模式的に示しており、このスキャン画像に対して二項ウェーブレット変換を行うとエッジが検出されて、図９（ｂ）に示すようなエッジ画像が生成される。その際、枠線３４ａや仕切り線３４ｂ、コード３１はほとんど変化しないが、テキスト情報３３は、様々な傾きの短い直線群となり、画像情報３２はなだらかな曲線となる。
【００８０】
次に、ステップＳ２０１ｃで、コード検出部１１ｂは、二項ウェーブレット変換で得られるエッジの内、高周波強度（すなわち、濃度変動）が所定値以上のエッジを選別する。ここで、画像情報は通常なだらかな曲線であり、上述した二項ウェーブレット変換の特徴により、１レベルの二項ウェーブレット変換では、なだらかな曲線の高周波強度は小さくなるため、図９（ｃ）に示すように、スキャン画像から画像情報３２が除外される。
【００８１】
次に、ステップＳ２０１ｄで、コード検出部１１ｂは、特定強度以上のエッジに対してハフ変換を行う。このハフ変換において投票数が少ないエッジをカットし、その後、逆変換して直線を抽出すると、図９（ｄ）に示すように、枠線３４ａや仕切り線３４ｂは長い直線として抽出され、テキスト情報３３及びコード３１のエッジの内、投票数が規定値以上のエッジは短い直線として抽出される。そして、これらの直線の中から最も長い直線（すなわち、最も投票数が多い直線）を選択することによって枠線３４ａや仕切り線３４ｂが基準線３４として特定される。
【００８２】
次に、ステップＳ２０１ｅで、コード検出部１１ｂは、ハフ変換で抽出された複数の直線の中から、上記ステップで特定した基準線３４に対して、特定の方向（ここでは、基準線３４に平行及び／又は直角）の直線のみを抽出する。この処理により、テキスト情報３３の中の斜めの直線が除外されてスキャン画像は図９（ｅ）のようになる。
【００８３】
次に、ステップＳ２０１ｆで、コード検出部１１ｂは、スキャン画像を縦横の線で複数の領域に分割し、ステップＳ２０１ｇで、分割した複数の領域の中から、エッジが所定数以上の領域を選別し、その領域を候補領域として特定する。例えば、図９（ｆ）に示すように、縦横線で分割した領域の内、網掛けで示した領域が、基準線３４に平行及び／又は直角の直線が所定数以上含まれる候補領域となる。なお、候補領域はいくつかの領域の集合となるので、その集合と非候補領域との境目で切り出しシンボル（ＱＲコードの場合は左上、右上、左下の３カ所の矩形の図形）を探すことになる。
【００８４】
次に、ステップＳ２０１ｈで、コード検出部１１ｂは、公知の手法を用いてスキャン画像の候補領域近傍でパターンマッチングを行い、予め設定された図形と切り出しシンボルとを比較することによって切り出しシンボルを検出する。
【００８５】
なお、図８のフローチャート図では、候補領域を特定し、スキャン画像の候補領域に対してパターンマッチングを行っているが、図８のステップＳ２０２ｄで基準線３４を特定した後、その基準線３４に対して特定の向き（例えば、基準線３４に平行及び／又は直角）でスキャン画像に対してパターンマッチングを行う構成とすることもでき、特定の向きでのみパターンマッチングを行うことにより、コード３１を簡単且つ迅速に検出することができる。
【００８６】
また、コード３１の検出に際して、印刷物３０に枠線３４ａや仕切り線３４ｂを備える構成としたが、これらが印刷されていないものであっても、スキャナ部１３で印刷物３０をスキャンする際に、用紙のエッジを抽出することができることから、用紙のエッジを基準線３４として利用して、コード３１を検出することもできる。
【００８７】
次に、図７に戻って、ステップＳ２０２で、コード検出部１１ｂは、パターンマッチングの結果に基づいて、スキャン画像にコードがあるか否かを判断し、コードがない場合は、ステップＳ２０３で、制御部１１は、コピーのログを記憶部１６に登録した後、ステップＳ２０４で、出力制御部１１ｅは、印刷部１５に通常のコピーを実行させる。
【００８８】
一方、スキャン画像にコードがある場合は、ステップＳ２０５で、制御部１１は、コピーのログを記憶部１６に登録する。その際、本実施例では、ログの情報としてコードに記録された情報も登録することにより、誰がコピーしたかのみならず、何をコピーしたかも登録することができ、コピー機能の使用を確実に管理することができる。
【００８９】
次に、ステップＳ２０６で、ページ構成判定部１１ｃは、各ページのコードに記録された全ページ数やページ番号などのページ情報に基づいて、不足ページがあるか否かを判断する（図５の（２）参照）。その際、落丁などの不足ページを特定するためには、印刷物３０の各ページが適切な順番で配置されている必要があるため、まず、印刷物３０全体の読み取りを行ってコードに記録されたページ番号をソート処理し、全体ページ数を参照して、その中に不足ページが存在するか調べる。例えば、ソート処理の結果、３ページの次が５ページになっていた場合には、４ページ目が不足ページと判定される。また、全体ページ数が４ページで、ソート処理したページが３ページまでしかない場合も、４ページ目が不足ページと判定される。なお、ページが重複している場合も考えられるが、その場合はページ番号が重複するページを除いて処理すればよい。
【００９０】
そして、不足ページがない場合は、ステップＳ２０３で通常のコピーを実行する。一方、不足ページがある場合は、ステップＳ２０７で、文書データ取得部１１ｄは、コードに記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所にアクセスし、スキャンした印刷物３０の文書データが保存されているかを判断し、文書データが保存されていない場合は、同様にステップＳ２０３で通常のコピーを実行する。
【００９１】
文書データが保存されている場合は、ステップＳ２０８で、制御部１１は、操作・表示部１２に、不足ページを印刷するか否かをユーザに選択させるための画面を表示させ、不足ページの印刷を実施しない場合（ステップＳ２０９のＮｏの場合）は、同様にステップＳ２０３で通常のコピーを実行する。
【００９２】
一方、不足ページの印刷を実施する場合（ステップＳ２０９のＹｅｓの場合）は、悪意のある第３者が印刷物３０を取得するのを回避するために、ステップＳ２１０で、文書データ取得部１１ｄは、必要に応じて、印刷物３０のコピーをしているユーザが、認証が必要なユーザであるかを判断する。具体的には、コピー時に入力したユーザ情報とコードに記録されたユーザ情報とが一致しない場合は、認証が必要なユーザであると判断する。なお、画像処理装置１０のユーザ認証機能（コピー機能自体を利用する際の認証）と連携させることで、特定の権限を持ったユーザ（例えば、部長、課長等）は、認証が必要なプリントにおいて、認証を行わなくても補完印刷ができるように設定することも可能である。
【００９３】
次に、認証が必要なユーザであると判断された場合には、ステップＳ２１１で、制御部１１は、コードに記録された認証情報を参照して、認証を実行する／しないのいずれに設定されているかを判断し、認証が設定されている場合は、ステップＳ２１２で、文書データ取得部１１ｄは、操作・表示部１２に、パスワード等をユーザに入力させるための画面を表示させ、ステップＳ２１３で、入力されたパスワードとコードに記録されたパスワードとが一致するかを判断する（図５の（３）参照）。
【００９４】
次に、パスワードが一致しない場合は、ステップＳ２０３で通常のコピーを実行し、パスワードが一致する場合は、ステップＳ２１４で、文書データ取得部１１ｄは、コードに記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から文書データを取得する。その際、文書データをページ毎のビットマップデータとする場合は、不足ページに対応する文書データのみを取得することができる。
【００９５】
そして、ステップＳ２１５で、出力制御部１１ｅは、文書データで不足ページを補完して、操作・表示部１２に印刷物３０の全ページを表示させたり、印刷部１５に印刷物３０の全ページをコピーさせる（図５の（３）参照）。具体的には、印刷物３０が全５ページで４ページ目が不足している場合には、１〜３ページ目をスキャン画像に基づいて出力し、４ページ目を文書データに基づいて出力し、その後、５ページ目をスキャン画像に基づいて出力する。
【００９６】
このように、印刷物３０の印刷時に、各々のページにコードを付加し、コピー時に、コードに記録されたページ情報に基づいて落丁などの不足ページを判定し、不足ページがある場合は所定の保存場所から文書データを取得し、文書データで不足ページを補完して表示又は印刷することにより、印刷物に不足ページがある場合でも、完全な印刷物を出力することができる。また、副次的に、各々のページのコードに記録された情報を利用することにより、完全なログ取得が可能となるため、コピー機能の使用を確実に管理することができる。
【００９７】
なお、上記実施例では、印刷物３０にコードを付加する場合について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、印刷物３０の各々のページに予め埋め込んだＲＦＩＤタグにページ情報や保存場所情報を記録し、画像処理装置１０に予め設けたＲＦＩＤリーダ機能を用いてＲＦＩＤタグに記録した各種情報を読み取ることによっても、同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【００９８】
本発明は、印刷物に付加されたコードを検出し、不足ページを補完して出力するプログラム、画像処理装置及びシステム並びに方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００９９】
【図１】本発明の一実施例に係る出力制御システムの構成を模式的に示す図である。
【図２】本発明の一実施例に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図３】本発明の一実施例に係る画像処理装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図４】本発明の一実施例に係る出力制御システムを用いた出力手順（コード付き印刷物を印刷する手順）を示す概念図である。
【図５】本発明の一実施例に係る出力制御システムを用いた出力手順（コード付き印刷物を表示／コピーする手順）を示す概念図である。
【図６】本発明の一実施例に係る出力制御システムを用いた出力手順（コード付き印刷物を印刷する手順）を示すフローチャート図である。
【図７】本発明の一実施例に係る出力制御システムを用いた出力手順（コード付き印刷物を表示／コピーする手順）を示すフローチャート図である。
【図８】本発明の一実施例に係るコード検出手順を示すフローチャート図である。
【図９】本発明の一実施例に係るコード検出手順の具体例を示す図である。
【図１０】ウェーブレット変換関数を示す図である。
【符号の説明】
【０１００】
１０ 画像処理装置
１１ 制御部
１１ａ コード生成部
１１ｂ コード検出部
１１ｃ ページ構成判定部
１１ｄ 文書データ取得
１１ｅ 出力制御部
１２ 操作・表示部
１３ スキャナ部
１４ 画像処理部
１５ 印刷部
１６ 記憶部
１７ ネットワーク接続部
２０ サーバ
３０ 印刷物
３１ コード
３１ａ 切り出しシンボル
３２ 画像情報
３３ テキスト情報
３４ 基準線
３４ａ 枠線
３４ｂ 仕切り線
【特許請求の範囲】
【請求項１】
スキャナ機能を有する画像処理装置で動作する制御プログラムであって、
コンピュータを、
複数ページで構成される印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部、
前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部、として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項２】
スキャナ機能を有する画像処理装置で動作する制御プログラムであって、
コンピュータを、
複数ページで構成される印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部、
前記不足ページがあり、かつ、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とが一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部、として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項３】
コンピュータを、更に、
前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部、として機能させることを特徴とする請求項１又は２に記載の制御プログラム。
【請求項４】
複数ページで構成される印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するスキャナ部と、
前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部と、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部と、
前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、を少なくとも備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項５】
複数ページで構成される印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するスキャナ部と、
前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部と、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部と、
前記不足ページがあり、かつ、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とが一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、を少なくとも備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項６】
前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部を更に備えることを特徴とする請求項４又は５に記載の画像処理装置。
【請求項７】
請求項４乃至６のいずれか一に記載の画像処理装置と前記文書データを保存するサーバとが通信ネットワークで接続されていることを特徴とする出力制御システム。
【請求項８】
複数ページで構成される印刷物の各々のページにコードを付加して印刷するステップと、
前記印刷物の文書データを所定の保存場所に保存するステップと、
前記印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するステップと、
前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するステップと、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するステップと、
前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される前記所定の保存場所から前記文書データを取得するステップと、
前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させるステップと、を少なくとも有することを特徴とする出力制御方法。
【請求項９】
複数ページで構成される印刷物の各々のページにコードを付加して印刷するステップと、
前記印刷物の文書データを所定の保存場所に保存するステップと、
前記印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するステップと、
前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するステップと、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するステップと、
前記不足ページがある場合に、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とを比較するステップと、
両者が一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される前記所定の保存場所から前記文書データを取得するステップと、
前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させるステップと、を少なくとも有することを特徴とする出力制御方法。
【請求項１】
スキャナ機能を有する画像処理装置で動作する制御プログラムであって、
コンピュータを、
複数ページで構成される印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部、
前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部、として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項２】
スキャナ機能を有する画像処理装置で動作する制御プログラムであって、
コンピュータを、
複数ページで構成される印刷物の各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部、
前記不足ページがあり、かつ、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とが一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部、として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項３】
コンピュータを、更に、
前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部、として機能させることを特徴とする請求項１又は２に記載の制御プログラム。
【請求項４】
複数ページで構成される印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するスキャナ部と、
前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部と、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部と、
前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、を少なくとも備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項５】
複数ページで構成される印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するスキャナ部と、
前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するコード検出部と、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するページ構成判定部と、
前記不足ページがあり、かつ、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とが一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される所定の保存場所から前記印刷物の文書データを取得する文書データ取得部と、を少なくとも備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項６】
前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させる出力制御部を更に備えることを特徴とする請求項４又は５に記載の画像処理装置。
【請求項７】
請求項４乃至６のいずれか一に記載の画像処理装置と前記文書データを保存するサーバとが通信ネットワークで接続されていることを特徴とする出力制御システム。
【請求項８】
複数ページで構成される印刷物の各々のページにコードを付加して印刷するステップと、
前記印刷物の文書データを所定の保存場所に保存するステップと、
前記印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するステップと、
前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するステップと、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するステップと、
前記不足ページがある場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される前記所定の保存場所から前記文書データを取得するステップと、
前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させるステップと、を少なくとも有することを特徴とする出力制御方法。
【請求項９】
複数ページで構成される印刷物の各々のページにコードを付加して印刷するステップと、
前記印刷物の文書データを所定の保存場所に保存するステップと、
前記印刷物の各々のページをスキャンしてスキャン画像を取得するステップと、
前記各々のページのスキャン画像からコードを検出するステップと、
前記各々のページの前記コードに予め記録された全ページ数及びページ番号に基づいて、不足ページを判定するステップと、
前記不足ページがある場合に、入力された認証情報と前記コードに予め記録された認証情報とを比較するステップと、
両者が一致する場合に、前記コードに予め記録された保存場所情報で特定される前記所定の保存場所から前記文書データを取得するステップと、
前記不足ページがある場合に、該不足ページを前記文書データで補完して、前記印刷物の全ページを表示部に表示又は印刷部に印刷させるステップと、を少なくとも有することを特徴とする出力制御方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２００９−８８６５５（Ｐ２００９−８８６５５Ａ）
【公開日】平成２１年４月２３日（２００９．４．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２５２０５９（Ｐ２００７−２５２０５９）
【出願日】平成１９年９月２７日（２００７．９．２７）
【出願人】（３０３０００３７２）コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年４月２３日（２００９．４．２３）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年９月２７日（２００７．９．２７）
【出願人】（３０３０００３７２）コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]