制御装置
【課題】車両に搭載される制御手段の制御内容の変更の促進を図ることができる制御装置を提供する。
【解決手段】プログラム更新案内装置35では、車両3のユーザの特性情報を特性情報取得部45によって取得し、この特性情報に基づいてユーザに対するプログラムの更新の案内手法を案内手法設定部46が設定する。このように、ユーザの特性情報に基づいて案内手法が設定されるので、例えば機器に不慣れなユーザには、オペレータが直接案内を実施するといったプログラムの案内手法を設定することができる。したがって、ユーザの特性に応じた案内手法により、プログラムの更新に対しての抵抗感等を低減でき、その結果、車両3に搭載される電子制御装置の更新の促進を図ることができる。
【解決手段】プログラム更新案内装置35では、車両3のユーザの特性情報を特性情報取得部45によって取得し、この特性情報に基づいてユーザに対するプログラムの更新の案内手法を案内手法設定部46が設定する。このように、ユーザの特性情報に基づいて案内手法が設定されるので、例えば機器に不慣れなユーザには、オペレータが直接案内を実施するといったプログラムの案内手法を設定することができる。したがって、ユーザの特性に応じた案内手法により、プログラムの更新に対しての抵抗感等を低減でき、その結果、車両3に搭載される電子制御装置の更新の促進を図ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された制御手段の制御内容の変更を案内する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の内部に搭載された装置を制御するプログラムを更新する技術が提案されている。例えば、下記の特許文献1に記載の装置では、車両外部のプログラム提供センターからプログラムの書き換え要求があった場合に、車両の動作状態に基づいて車両制御プログラムの書き換えが可能であるか否かを判断し、この判断結果に基づいて車両のユーザの携帯電話に対して書き換えに関する情報を通知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−65856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両制御装置(制御手段)であるECU(Electronic Control Unit)のプログラムの更新が通知された際、例えば機器の扱いに不慣れなユーザ(年配のユーザ等)は、プログラムの更新に対して不安感や抵抗感等を覚える場合がある。この場合、ユーザによっては、プログラムの更新を実施しないこともある。プログラムの更新は、対象となる全車両に実施してもらうことが好ましく、特に重要度の高いプログラムにあっては、早めの更新が好ましい。そのため、プログラム更新の促進を図るべく、プログラムの更新通知や案内手法について更なる改善が求められている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、車両に搭載される制御手段の制御内容の変更の促進を図ることができる制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る制御装置は、車両に搭載される制御手段の制御内容の変更を案内する制御装置であって、車両のユーザの特性情報を取得する特性情報取得手段と、特性情報取得手段によって取得された特性情報に基づいて、ユーザに対する制御内容の変更の案内手法を設定して出力する案内手法設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この制御装置では、車両のユーザの特性情報を取得し、特性情報に基づいてユーザに対する制御内容の変更の案内手法を設定する。このように、ユーザの特性情報に基づいて案内手法が設定されるので、例えば機器に不慣れなユーザには、オペレータが直接案内を実施するといった制御内容の変更の案内手法を設定することができる。したがって、ユーザの特性に応じた案内手法により、制御内容の変更に対しての不安感や抵抗感等を低減でき、その結果、車両に搭載される制御手段の制御内容の変更の促進を図ることができる。
【0008】
特性情報は、ユーザの個人情報であることが好ましい。特に、個人情報は、ユーザの年齢、性別、職業の少なくとも一つを含んでいることが好ましい。この場合には、ユーザの個人情報(年齢、性別、職業等)に合わせて適切な制御内容の変更の案内手法を設定することができる。
【0009】
特性情報は、車両に搭載される車載機器の利用に関する利用情報であることが好ましい。特に、利用情報は、制御内容の変更の際のオペレータの利用頻度に関する情報、制御内容の変更案内の頻度に関する情報、制御内容の変更の実施頻度に関する情報、制御内容の変更のキャンセルの頻度に関する情報、及びナビゲーションシステムの操作頻度に関する情報の少なくとも一つであることが好ましい。この場合には、ユーザの車載機器(ナビゲーションシステム等)の利用特性、つまり車載機器に対する習熟度に合わせて、適切な制御内容の変更の案内手法を設定することができる。
【0010】
特性情報は、ユーザの行動を示す行動情報であるが好ましい。また、特性情報は、ナビゲーションシステムの経路情報であることが好ましい。この場合には、ユーザの行動特性、つまりユーザの状況に合わせて、適切な制御内容の変更の案内手法を設定することができる。
【0011】
特性情報は、ユーザの運転操作に関する運転者操作情報であることが好ましい。この場合には、ユーザの運転操作からユーザの状態(例えば、急いでいる、機嫌がよくない等)を推定することができるので、ユーザの状態に合わせた適切な制御内容の変更の案内手法を設定することができる。
【0012】
制御手段は、電子制御装置であり、案内手法設定手段は、特性情報取得手段によって取得された特性情報に基づいて、ユーザに対する電子制御装置のプログラムの変更の案内手法を設定して出力することが好ましい。このような構成によれば、車両に搭載される電子制御装置(ECU)のプログラムの変更(更新、追加、削除)の促進を図ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車両に搭載される制御手段の制御内容の変更の促進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る制御装置を搭載した車両を含むプログラム更新システムを示す図である。
【図2】学習部の動作を示すフローチャートである。
【図3】プログラム更新案内装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】個人情報取得処理を示すフローチャートである。
【図5】個人情報による基本属性の特定を説明する図である。
【図6】可変情報取得処理を示すフローチャートである。
【図7】案内手法の補正処理を説明する図である。
【図8】案内手法の補正処理を説明する図である。
【図9】ライフログ情報取得処理を示すフローチャートである。
【図10】ライフログ情報取得処理を示すフローチャートである。
【図11】案内手法の補正処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置を搭載した車両を含むプログラム更新システムを示す図である。図1に示すように、プログラム更新システム1は、オペレータセンター2と、車両3とを含んで構成されている。なお、図示しないが、プログラム更新システム1には、データセンター等も含まれている。
【0017】
オペレータセンター2は、オペレータが常駐しており、オペレータによって各車両3で実行される電子制御装置(制御手段)であるECU(Electronic Control Unit)の制御内容の変更、つまりプログラムの更新(以下、リプログラミング(リプロ))、追加及び削除の管理や監視をサポートするセンターである。オペレータセンター2は、車両3から送信されたリプロ案内データ(リプログラミングの案内方法)を受信し、リプロ案内データに応じたリプログラミングの案内を行う。オペレータセンター2は、車両3とデータの送受信や音声通話を行う通信部21と、顧客情報DB(データベース)22とを含んで構成されている。
【0018】
顧客情報DB22は、車両3を所有するユーザに関する顧客情報(年齢、性別、職業等)を格納している。顧客情報DB22は、車両3からの要求に応じて、車両情報に紐付けられた顧客情報を抽出して出力する。
【0019】
車両3は、センサ31と、アクチュエータ32と、ナビゲーションシステム(車載機器)33と、ECU34と、プログラム更新案内装置(制御装置)35とを備えている。
【0020】
センサ31は、車両3の各種状態情報や、車両外部からの情報を取得する部分である。センサ31としては、車速センサ、アクセル開度センサ、ハンドル操舵センサ、インフラ装置から発せられる情報(渋滞情報、天気情報等)を受信するセンサ等である。センサ31は、取得した情報をECU34に出力する。アクチュエータ32は、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、ステアリングアクチュエータ等である。アクチュエータ32は、制御状態を示す情報をECU34に出力する。
【0021】
ナビゲーションシステム33は、GPS(Global Positioning System)により車両3の地表面における絶対位置を測定し、別途記憶されている地図情報と照合して、自車両の地図上の位置を特定してディスプレイに表示する。ナビゲーションシステム33では、ユーザからの入力を受け付け、入力に応じた動作が行われる。ナビゲーションシステム33は、後述する通信部40によって、オペレータセンター2とデータ通信が可能とされている。また、オペレータセンター2との音声通話も可能となっている。
【0022】
ECU34は、センサ31及びアクチュエータ32が取得した各種情報を取得すると共に、ナビゲーションシステム33の操作情報を取得する。また、ECU34は、アクチュエータ32の状態制御を行う。なお、リプログラミングの対象となるソフトウェアを有する電子制御装置は、ECU34であってもよいし、図示しない他のECUであってもよい。
【0023】
プログラム更新案内装置35は、通信部40と、学習部41と、不変情報DB42と、可変情報DB43と、ライフログ情報DB44と、特性情報取得部(特性情報取得手段)45と、案内手法設定部(案内手法設定手段)46と、を備えている。通信部40は、オペレータセンター2とデータの送受信、音声通話の接続を行う部分である。
【0024】
学習部41は、特性情報を取得して学習情報として各DB42〜44に保存する部分である。学習部41は、センサ31、アクチュエータ32、ナビゲーションシステム33にて取得された各種情報、及び通信部40から出力された情報を取得し、情報種別毎に不変情報DB42、可変情報DB43、ライフログ情報DB44に保存する。具体的には、学習部41は、取得した情報に対応するデータベース(不変情報DB42、可変情報DB43、ライフログ情報DB44のいずれか)を特定して選択し、選択したデータベースに格納されている格納情報と取得した取得情報とを比較して、格納情報と取得情報とが合致しているか、類似しているか、或いは乖離しているかを判定する。そして、学習部41は、判定結果に基づいて、取得情報とデータベースに格納されている格納情報とを紐付けて保存、更新(書き換え)を行う。
【0025】
ここで、学習部41の具体的な動作について説明する。図2は、学習部の動作を示すフローチャートである。図2においては、ライフログ情報DB44に格納されるライフログ情報について説明する。なお、ライフログ情報の詳細については後述するが、ライフログ情報とは、例えばユーザの生活情報や行動履歴、運転特性に関する情報である。
【0026】
図2に示すように、まずライフログ情報DB44への格納要求が実施される(ステップS01)。そして、センサ31やアクチュエータ32等からライフログ情報が取得されたか否かが判定される(ステップS02)。ライフログ情報が取得されたと判定された場合には、ステップS03に進む。一方、ライフログ情報が取得されたと判定されなかった場合には、初期登録が実施される(ステップS04)。初期登録は、ライフログ情報DB44に格納されている情報を全て初期値の状態とすることである。
【0027】
ステップS03では、ナビゲーションシステム33の操作があるか否かが判定される。ナビゲーションシステム33の操作があると判定された場合には、ステップS05に進む。一方、ナビゲーションシステム33の操作があると判定されなかった場合には、ステップS06に進む。
【0028】
ステップS05では、ナビゲーションシステム33において過去に操作された操作履歴があるか否かが判定される。ナビゲーションシステム33の操作履歴があると判定された場合には、操作履歴情報に操作回数が加算されてライフログ情報DB44に情報が保存(格納)される(ステップS07)。一方、ナビゲーションシステム33の操作履歴があると判定されなかった場合には、新規操作としてライフログ情報DB44に情報が保存される(ステップS08)。
【0029】
ステップS06では、ユーザによる運転操作があるか否かが判定される。運転操作があると判定された場合には、ユーザの運転に関する運転特性情報や走行履歴情報が取得されてライフログ情報DB44に保存される(ステップS09)。一方、運転操作があると判定されなかった場合には、状態変更待機とされる(ステップS10)。以上のように、学習部41では、運転特性情報であるライフログ情報を取得し、ライフログ情報DB44に格納する。
【0030】
図1に戻って、不変情報DB42は、ユーザの不変情報を格納するデータベースである。不変情報DB42には、年齢、性別、職業等といった短期間で変更されることのない情報が格納されている。不変情報DB42には、オペレータセンター2の顧客情報DB22から取得されたり、車両3に搭載された入力手段(例えば、ナビゲーションシステム33)にて入力されて取得された不変情報が格納されている。
【0031】
可変情報DB43は、ユーザの可変情報を格納するデータベースである。可変情報は、ナビゲーションシステム33の利用情報を含んでおり、オペレータセンター2のオペレータの利用頻度、リプロ実施回数(拒否回数)、リプロ案内回数、ナビゲーションシステム33の操作頻度等の頻繁に(短期間で)変更される情報が格納されている。
【0032】
ライフログ情報DB44は、ユーザの生活情報や行動情報である行動履歴、運転者操作情報である運転特性等といったライフログ情報を格納するデータベースである。生活情報は、例えば日常の行動パターンであり、行動情報である車両3の行動履歴は、例えば車両での行き先(経路情報)等のであり、運転者操作情報である運転特性は、例えばアクセル、ブレーキ、ハンドル操作等である。
【0033】
特性情報取得部45は、ユーザの特性情報を取得する部分である。特性情報取得部45は、不変情報DB42、可変情報DB43及びライフログ情報DB44に格納されている各種情報を取得する。特性情報取得部45は、取得した特性情報を案内手法設定部46に出力する。
【0034】
案内手法設定部46は、ユーザの特性情報に基づいて、ユーザに対するプログラムの更新の案内手法を設定する部分である。案内手法設定部46は、特性情報取得部45から出力された特性情報(不変情報、可変情報、ライフログ情報)を受け取ると、不変情報に基づいて案内手法の基本属性を特定し、可変情報及びライフログ情報に基づいて案内手法の補正を行う。案内手法設定部46は、設定した案内手法を示すリプロ案内データを通信部40に出力する。これにより、リプロ案内データが通信部40によってオペレータセンター2に送信される。
【0035】
続いて、プログラム更新案内装置35の動作について説明する。図3は、プログラム更新案内装置の動作を示すフローチャートである。
【0036】
図3に示すように、まず車両3のエンジンの始動が確認されると(ステップS11)、個人情報取得処理が学習部41によって実施される(ステップS12)。個人情報取得処理について図4を参照しながら説明する。図4は、個人情報取得処理を示すフローチャートである。
【0037】
図4に示すように、個人情報取得処理では、まず不変情報DB42に個人情報(年齢、性別、職業等)を要求する個人情報要求が実施される(ステップS31)。次に、不変情報DB42から個人情報が取得されたか否かが判定される(ステップS32)。個人情報が取得されたと判定された場合には、ステップS33に進む。一方、個人情報が取得されたと判定さなかった場合には、ステップS34に進む。
【0038】
ステップS33では、不変情報DB42において情報不足フラグが立っているか否かが判定される。情報不足フラグが立っていると判定された場合には、ステップS34に進む。一方、情報不足フラグが立っていると判定されなかった場合には、個人情報が取得されたとして処理が終了する。
【0039】
ステップS34では、個人情報の新規入力がユーザによって可能か否かが判定される。新規入力が可能であると判定された場合には、入力によって取得された個人情報が不変情報DB42にユーザ識別情報(ユーザID)と紐付けされて格納される(ステップS35)。一方、新規入力が可能であると判定されなかった場合には、ステップS36に進む。
【0040】
ステップS36では、個人情報をオペレータセンター2の顧客情報DB22から取得できるか否かが判定される。顧客情報DB22から個人情報が取得できると判定された場合には、ステップS35に進む。一方、顧客情報DB22から個人情報が取得できると判定されなかった場合には、ステップS37に進む。
【0041】
ステップS37では、車両3に搭載されたETC(Electronic Toll Collection System)に挿入されているETCカードから個人情報を取得できるか否かが判定される。ETCカードから個人情報が取得できると判定された場合には、ステップS35に進む。一方、ETCカードから個人情報が取得できると判定されなかった場合には、ステップS38に進む。
【0042】
ステップS38では、個人情報に不足している情報(不足情報)がないか否かが判定される。不足情報がないと判定された場合には、処理が終了する。一方、不足情報がないと判定されなかった場合には、可変情報DB43に情報不足フラグが立てられる(ステップS39)。以上のように、個人情報取得処理が実施される。
【0043】
図3に戻って、個人情報取得処理が実行されると、不変情報DB42から個人情報が取得されたか否かが特性情報取得部45によって判定される(ステップS13)。不変情報DB42から個人情報が取得されたと判定された場合には、ステップS14に進む。一方、不変情報DB42から個人情報が取得されたと判定されなかった場合には、ステップS15に進む。
【0044】
ステップS14では、案内手法設定部46によってリプログラミングの案内手法の基本属性の特定が実施される。具体的には、図5を参照しながら説明する。図5は、個人情報による基本属性の特定を説明する図である。図5に示すテーブルでは、「項目」、「種類」、「重み」が対応付けられて格納されている。「項目」は、個人情報である「性別」、「年齢」及び「職業」となっており、「種類」が対応付けられている。具体的には、「性別」には、「男性」及び「女性」が対応付けられており、「年齢」には、「20〜30代」、「40〜50代」、「60代〜」が対応付けられており、「職業」には、「技術職」及び「事務職」が対応付けられている。「種類」には、例えばナビゲーションシステム33の操作が得意どうかの判断基準である「重み」が対応付けられている。「重み」は、0〜2の3段階に分けて付与されている。
【0045】
案内手法設定部46は、「重み」のポイントの合計によってユーザがナビゲーションシステム33の操作が得意かどうかを判断し、その判断結果によってリプログラミングの案内手法の基本方針(ナビガイダンス、オペレータガイダンス)を選択して特定する。案内手法設定部46は、「重み」が一定値(例えば、「3」)を超えた場合には、ユーザがナビゲーションシステム33の操作が得意であると判断してナビガイダンスを選定する一方、「重み」が一定値を超えない場合には、ユーザがナビゲーションシステム33の操作が不慣れであると判断してオペレータガイダンスを選択する。
【0046】
具体的には、案内手法設定部46は、例えば特性情報取得部45によって取得された個人情報が「30代」、「女性」、「技術職」を示している場合には、「重み」のトータルが「4」となるため、ナビゲーションシステム33の操作が得意であると判断し、ナビゲーションシステム33によりリプログラミングを案内する基本方針を選択する。また、案内手法設定部46は、例えば特性情報取得部45によって取得された個人情報が「60代」、「男性」、「事務職」を示している場合には、「重み」のトータルが「1」となるため、ナビゲーションシステム33の操作が不慣れであると判断し、オペレータガイダンスによりリプログラミングを案内する基本方針を選択する。以上のように案内手法設定部46によってリプログラミングの案内手法の基本属性の特定が実施される。
【0047】
図3に戻って、ステップS15では、可変情報取得処理が特性情報取得部45によって実施される。可変情報取得処理について図6を参照しながら説明する。図6は、可変情報取得処理を示すフローチャートである。
【0048】
図6に示すように、可変情報取得処理では、まず可変情報DB43に可変情報(オペレータ利用回数、リプロ実施回数、リプロ案内回数等)を要求する可変情報要求が実施される(ステップS41)。次に、可変情報DB43から可変情報が取得されたか否かが判定される(ステップS42)。可変情報が取得されたと判定された場合には、ステップS43に進む。一方、可変情報が取得されたと判定さなかった場合には、初期登録が実施される(ステップS44)。初期登録は、可変情報DB43に格納されている情報を全て初期値の状態とすることである。
【0049】
ステップS43では、不変情報においてオペレータセンター2のオペレータの利用の実績があるか否かが判定される。オペレータの利用があると判定された場合には、可変情報DB43に登録されているオペレータの利用回数が変更されて可変情報DB43に変更後の情報が格納される(ステップS45)。一方、オペレータの利用があると判定されなかった場合には、ステップS46に進む。
【0050】
ステップS46では、不変情報においてリプログラミングの案内の実績があるか否かが判定される。リプログラミングの案内があると判定された場合には、可変情報DB43に登録されているリプログラミングの案内回数が変更されて可変情報DB43に変更後の情報が格納される(ステップS47)。一方、リプログラミングの案内があると判定されなかった場合には、ステップS48に進む。
【0051】
ステップS48では、不変情報においてリプログラミングが実施の実績があるか否かが判定される。リプログラミングの実施の実績があると判定された場合には、可変情報DB43に登録されているリプログラミング実施のキャンセル回数が変更されて可変情報DB43に変更後の情報が格納される(ステップS49)。一方、リプログラミングの実施の実績があると判定さなかった場合には、ステップS50に進む。
【0052】
ステップS50では、リプログラミングの実施がオペレータの案内による実施であるか否かが判定される。オペレータの案内による実施であると判定された場合には、オペレータ利用有りによるリプログラミング実施回数が変更されて変更後の情報が可変情報DB43に格納される(ステップS51)。一方、オペレータの案内による実施であると判定されなかった場合には、オペレータ利用無しによるリプログラミング実施回数が変更されて変更後の情報が可変情報DB43に格納される(ステップS52)。以上のように、可変情報取得処理が実施される。
【0053】
図3に戻って、可変情報取得処理が実行されると、可変情報DB43から可変情報が取得されたか否かが特性情報取得部45によって判定される(ステップS16)。可変情報DB43から可変情報が取得されたと判定された場合には、ステップS17に進む。一方、可変情報DB43から可変情報が取得されたと判定されなかった場合には、ステップS18に進む。
【0054】
ステップS17では、案内手法設定部46によって案内手法の補正処理が実施される。図7は、案内手法の補正処理を示すフローチャートであり、図8は、案内手法の補正処理を説明する図である。
【0055】
図7に示すように、案内手法の補正処理では、まずリプログラミングの案内が初回であるか否かが可変情報に基づいて判定される(ステップS61)。リプログラミングの案内が初回であると判定された場合には、ステップS62に進む。一方、リプログラミングの案内が初回であると判定されなかった場合には、過去の実績による補正が実施される(ステップS63)。
【0056】
ステップS62では、オペレータの利用履歴があるか否かが可変情報に基づいて判定される。オペレータの利用履歴があると判定された場合には、オペレータからの案内が選択される(ステップS64)。一方、オペレータの利用履歴があると判定されなかった場合には、基本方針に応じた初回案内が選択される(ステップS65)。図8に示すように、案内手法設定部46は、リプログラミングの実施回数に応じて案内手法を補正する。具体的には、案内手法設定部46では、リプログラミングの実施回数とリプログラミングの案内回数とに基づいて、案内手法の属性を選択して補正する。
【0057】
図3に戻って、ステップS18では、ライフログ情報取得処理が学習部41によって実施される。ライフログ情報取得処理について図9,10を参照しながら説明する。図9,10は、ライフログ情報取得処理を示すフローチャートである。
【0058】
図9に示すように、ライフログ情報取得処理では、まずライフログ情報DB44にライフログ情報(生活情報、運転特性情報、走行履歴情報等)を要求するライフログ情報要求が実施される(ステップS71)。次に、ライフログ情報DB44からライフログ情報が取得されたか否かが判定される(ステップS72)。ライフログ情報が取得されたと判定された場合には、ステップS73に進む。一方、ライフログ情報が取得されたと判定さなかった場合には、初期登録が実施される(ステップS74)。初期登録は、ライフログ情報DB44に格納されている情報を全て初期値の状態とすることである。
【0059】
ステップS73では、ナビゲーションシステム33の操作に関するナビ操作情報があるか否かが判定される。ナビ操作情報があると判定された場合には、ステップS75に進む。一方、ナビ操作情報があると判定されなかった場合には、ステップS76に進む。
【0060】
ステップS75では、過去のナビゲーションシステム33の全操作回数が取得される。そして、全操作回数とナビゲーションシステム33の操作の種類とが比較され(ステップS77)、特定の操作(例えば、目的地の設定等)のみが実施されているか否かが判定される(ステップS78)。特定の操作のみが実施されていると判定された場合には、ナビゲーションシステム33の操作対応レベルが「低」と判定され(ステップS79)、その旨を示す情報が格納される。一方、特定の操作のみが実施されていると判定さなかった場合には、ナビゲーションシステム33の操作対応レベルが「高」と判定され(ステップS80)、その旨を示す情報が格納される。
【0061】
ステップS76では、ユーザの運転操作に係る運転特性情報があるか否かが判定される。運転特性情報があると判定された場合には、ステップS81に進む。一方、運転特性情報があると判定されなかった場合には、ステップS82に進む。
【0062】
ステップS81では、取得された運転特性情報と履歴情報の運転特性情報と比較した際、情報の乖離が大きいか否かが判定される。運転特性情報の乖離が大きいと判定された場合には、ユーザの状態が「緊急時」や「体調不良時」等とった「異常状態」であると判断され(ステップS82)、その旨を示す情報が格納される。一方、運転特性情報の乖離が大きいと判定されなかった場合には、ユーザの状態が「通常状態」と判断され(ステップS83)、その旨を示す情報が格納される。
【0063】
図10に示すように、ステップS82では、ユーザの運転履歴に関する運転履歴情報があるか否かが判定される。運転履歴情報があると判定された場合には、ステップS84に進む。一方、運転履歴情報があると判定されなかった場合には、ステップS85に進む。ステップS84では、運転履歴情報に基づいて、定期的な車両3の利用があるか否かが判定される。定期的な利用には、平日・休日の利用時間帯も加味している。定期的な車両3の利用があると判定された場合には、目的地までの距離に関する情報が格納される(ステップS86)。一方、定期的な車両3の利用があると判定されなかった場合には、ステップS87に進む。
【0064】
ステップS87では、ナビゲーションシステム33において目的地の設定があるか否かが判定される。目的地の設定があると判定された場合には、目的地までの距離に関する情報が格納される(ステップS88)。一方、目的地の設定があると判定されなかった場合には、目的地の設定が不要な距離(例えば、近距離)であると判定され、処理が終了する。
【0065】
ステップ85では、天気情報があるか否かが判定される。天気情報があると判定された場合には、天気情報がライフログ情報DB44に格納される(ステップS89)。天気情報があると判定されなかった場合には、処理が終了する。ライフログ情報取得処理が実施される。
【0066】
図3に戻って、ライフログ情報取得処理が実行されると、ライフログ情報DB44からライフログ情報が取得されたか否かが特性情報取得部45によって判定される(ステップS19)。ライフログ情報DB44からライフログ情報が取得されたと判定された場合には、ステップS20に進む。一方、ライフログ情報DB44からライフログ情報が取得されたと判定されなかった場合には、ステップS21に進む。
【0067】
ステップS20では、案内手法設定部46によって案内手法の補正処理が実施される。図11は、案内手法の補正処理を示すフローチャートである。
【0068】
図11に示すように、案内手法の補正処理では、まず天気情報が取得されたか否か判定される(ステップS90)。天気情報が取得されたと判定された場合には、ステップS91に進む。一方、天気情報が取得されたと判定されなかった場合には、ステップS92に進む。ステップS91では、天気情報が悪天候(例えば、雨、雪)を示しているか否かが判定される。悪天候であると判定された場合には、リプログラミングの案内が中止とされる(ステップS93)。一方、悪天候であると判定されなかった場合には、ステップS92に進む。
【0069】
ステップS92では、取得された運転特性と通常運転時の特性との乖離が大きいか否かが判定される。乖離が大きいと判定された場合には、ステップS93に進む。一方、乖離が大きいと判定されなかった場合には、日常生活の行動パターンであるか否かが判定される(ステップS94)。日常生活の行動パターンであると判定された場合には、リプログラミングの案内手法の設定処理が実施される(ステップS95)。一方、日常生活の行動パターンであると判定された場合には、長距離(長時間)の運転であるか否かが判定される(ステップS96)。長距離の運転であると判定された場合には、ステップS95に進む。一方、長距離の運転であると判定さなかった場合には、ステップS93に進む。以上のように、案内手法の補正処理が実施される。
【0070】
図3に戻って、ステップS21では、各処理にて決定された案内方針に基づいて、リプログラミングのユーザに対する案内手法が設定される。以上により、リプログラミングの案内手法の設定が行われる。
【0071】
以上説明したように、プログラム更新案内装置35では、車両3のユーザの特性情報を特性情報取得部45によって取得し、この特性情報に基づいてユーザに対するプログラムの更新の案内手法を案内手法設定部46が設定する。例えば、プログラム更新案内装置35では、特性情報である個人情報(不変情報)に基づいて、ユーザが年配の場合には、ナビゲーションシステム33の操作に慣れていないと考えられるため、オペレータが直接案内を実施する手法を設定する。また、ユーザが女性である場合には、ナビゲーションシステム33の操作は慣れているが、案内に対して不安感や困惑を覚える可能性があるため、初回のみ直接案内を実施する手法を設定する。さらに、ユーザが男性である場合には、比較的機器の操作に慣れていると考えられるため、ナビゲーションシステム33の操作履歴等の情報を元に案内手法の実施を設定する。
【0072】
また、プログラム更新案内装置35では、特性情報である可変情報に基づいて、個人情報にて設定された案内手法に更に補正を実施する。具体的には、プログラム更新案内装置35では、オペレータをよく利用するユーザには、直接案内を実施する手法を設定する。また、リプログラミングが初対応の場合において、ナビゲーションシステム33の操作に慣れているユーザには、ナビゲーションシステム33にて案内を実施する手法を設定し、ナビゲーションシステム33の操作に不慣れなユーザには、直接案内を実施する手法を設定する。さらに、リプログラミングの実施をキャンセルすることが多いユーザには、直接案内する手法を設定する。
【0073】
さらに、プログラム更新案内装置35では、個人情報であるライフログ情報に基づいて、個人情報及び可変情報にて設定された案内手法に更に補正を実施する。具体的には、プログラム更新案内装置35では、ユーザの日常生活を生活情報から推定し、シーンに応じて案内手法を設定する。また、運転特性情報に基づいて、「急いでいる」、「機嫌が悪い」とった状態を推定し、案内実施の中止(見送る)等を設定する。また、天気情報に基づいて、雨や雪といった悪天候の日には、案内の実施の中止を設定する。
【0074】
このように、ユーザの特性情報に基づいて案内手法が設定される。したがって、ユーザの特性に応じた案内手法により、プログラムの更新に対しての抵抗感等を低減でき、その結果、車両3に搭載される電子制御装置(ECU34)のプログラム更新の促進を図ることができる。
【0075】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、プログラム更新案内装置35が車両3に搭載されている形態としたが、プログラム更新案内装置35は、オペレータセンター2やその他のセンターに設けられてもよい。
【0076】
なお、上記実施形態では、特性情報について、不変情報、可変情報及びライフログ情報を例示しているが、特性情報はこれら情報に限定されない。また、特性情報の取得方法も上記の形態に限定されず、その他の方法によって取得されてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、本発明の制御装置をECUのリプログラミングに適用したが、制御手段であるFPGA(Field Programmable Gate Array)のプログラムの書き換えに適用してもよい。FPGAは、論理回路が書き込み可能なゲートアレイであり、論理回路のプログラムが書き換え(制御内容の変更)可能とされている。FPGAでは、メモリからプログラムを読み込むことで、機能が実現される。
【符号の説明】
【0078】
1…プログラム更新案内装置、3…車両、33…ナビゲーションシステム、35…特性情報取得部(特性情報取得手段)、36…案内手法設定部(案内手法設定手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された制御手段の制御内容の変更を案内する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の内部に搭載された装置を制御するプログラムを更新する技術が提案されている。例えば、下記の特許文献1に記載の装置では、車両外部のプログラム提供センターからプログラムの書き換え要求があった場合に、車両の動作状態に基づいて車両制御プログラムの書き換えが可能であるか否かを判断し、この判断結果に基づいて車両のユーザの携帯電話に対して書き換えに関する情報を通知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−65856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両制御装置(制御手段)であるECU(Electronic Control Unit)のプログラムの更新が通知された際、例えば機器の扱いに不慣れなユーザ(年配のユーザ等)は、プログラムの更新に対して不安感や抵抗感等を覚える場合がある。この場合、ユーザによっては、プログラムの更新を実施しないこともある。プログラムの更新は、対象となる全車両に実施してもらうことが好ましく、特に重要度の高いプログラムにあっては、早めの更新が好ましい。そのため、プログラム更新の促進を図るべく、プログラムの更新通知や案内手法について更なる改善が求められている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、車両に搭載される制御手段の制御内容の変更の促進を図ることができる制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る制御装置は、車両に搭載される制御手段の制御内容の変更を案内する制御装置であって、車両のユーザの特性情報を取得する特性情報取得手段と、特性情報取得手段によって取得された特性情報に基づいて、ユーザに対する制御内容の変更の案内手法を設定して出力する案内手法設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この制御装置では、車両のユーザの特性情報を取得し、特性情報に基づいてユーザに対する制御内容の変更の案内手法を設定する。このように、ユーザの特性情報に基づいて案内手法が設定されるので、例えば機器に不慣れなユーザには、オペレータが直接案内を実施するといった制御内容の変更の案内手法を設定することができる。したがって、ユーザの特性に応じた案内手法により、制御内容の変更に対しての不安感や抵抗感等を低減でき、その結果、車両に搭載される制御手段の制御内容の変更の促進を図ることができる。
【0008】
特性情報は、ユーザの個人情報であることが好ましい。特に、個人情報は、ユーザの年齢、性別、職業の少なくとも一つを含んでいることが好ましい。この場合には、ユーザの個人情報(年齢、性別、職業等)に合わせて適切な制御内容の変更の案内手法を設定することができる。
【0009】
特性情報は、車両に搭載される車載機器の利用に関する利用情報であることが好ましい。特に、利用情報は、制御内容の変更の際のオペレータの利用頻度に関する情報、制御内容の変更案内の頻度に関する情報、制御内容の変更の実施頻度に関する情報、制御内容の変更のキャンセルの頻度に関する情報、及びナビゲーションシステムの操作頻度に関する情報の少なくとも一つであることが好ましい。この場合には、ユーザの車載機器(ナビゲーションシステム等)の利用特性、つまり車載機器に対する習熟度に合わせて、適切な制御内容の変更の案内手法を設定することができる。
【0010】
特性情報は、ユーザの行動を示す行動情報であるが好ましい。また、特性情報は、ナビゲーションシステムの経路情報であることが好ましい。この場合には、ユーザの行動特性、つまりユーザの状況に合わせて、適切な制御内容の変更の案内手法を設定することができる。
【0011】
特性情報は、ユーザの運転操作に関する運転者操作情報であることが好ましい。この場合には、ユーザの運転操作からユーザの状態(例えば、急いでいる、機嫌がよくない等)を推定することができるので、ユーザの状態に合わせた適切な制御内容の変更の案内手法を設定することができる。
【0012】
制御手段は、電子制御装置であり、案内手法設定手段は、特性情報取得手段によって取得された特性情報に基づいて、ユーザに対する電子制御装置のプログラムの変更の案内手法を設定して出力することが好ましい。このような構成によれば、車両に搭載される電子制御装置(ECU)のプログラムの変更(更新、追加、削除)の促進を図ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車両に搭載される制御手段の制御内容の変更の促進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る制御装置を搭載した車両を含むプログラム更新システムを示す図である。
【図2】学習部の動作を示すフローチャートである。
【図3】プログラム更新案内装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】個人情報取得処理を示すフローチャートである。
【図5】個人情報による基本属性の特定を説明する図である。
【図6】可変情報取得処理を示すフローチャートである。
【図7】案内手法の補正処理を説明する図である。
【図8】案内手法の補正処理を説明する図である。
【図9】ライフログ情報取得処理を示すフローチャートである。
【図10】ライフログ情報取得処理を示すフローチャートである。
【図11】案内手法の補正処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置を搭載した車両を含むプログラム更新システムを示す図である。図1に示すように、プログラム更新システム1は、オペレータセンター2と、車両3とを含んで構成されている。なお、図示しないが、プログラム更新システム1には、データセンター等も含まれている。
【0017】
オペレータセンター2は、オペレータが常駐しており、オペレータによって各車両3で実行される電子制御装置(制御手段)であるECU(Electronic Control Unit)の制御内容の変更、つまりプログラムの更新(以下、リプログラミング(リプロ))、追加及び削除の管理や監視をサポートするセンターである。オペレータセンター2は、車両3から送信されたリプロ案内データ(リプログラミングの案内方法)を受信し、リプロ案内データに応じたリプログラミングの案内を行う。オペレータセンター2は、車両3とデータの送受信や音声通話を行う通信部21と、顧客情報DB(データベース)22とを含んで構成されている。
【0018】
顧客情報DB22は、車両3を所有するユーザに関する顧客情報(年齢、性別、職業等)を格納している。顧客情報DB22は、車両3からの要求に応じて、車両情報に紐付けられた顧客情報を抽出して出力する。
【0019】
車両3は、センサ31と、アクチュエータ32と、ナビゲーションシステム(車載機器)33と、ECU34と、プログラム更新案内装置(制御装置)35とを備えている。
【0020】
センサ31は、車両3の各種状態情報や、車両外部からの情報を取得する部分である。センサ31としては、車速センサ、アクセル開度センサ、ハンドル操舵センサ、インフラ装置から発せられる情報(渋滞情報、天気情報等)を受信するセンサ等である。センサ31は、取得した情報をECU34に出力する。アクチュエータ32は、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、ステアリングアクチュエータ等である。アクチュエータ32は、制御状態を示す情報をECU34に出力する。
【0021】
ナビゲーションシステム33は、GPS(Global Positioning System)により車両3の地表面における絶対位置を測定し、別途記憶されている地図情報と照合して、自車両の地図上の位置を特定してディスプレイに表示する。ナビゲーションシステム33では、ユーザからの入力を受け付け、入力に応じた動作が行われる。ナビゲーションシステム33は、後述する通信部40によって、オペレータセンター2とデータ通信が可能とされている。また、オペレータセンター2との音声通話も可能となっている。
【0022】
ECU34は、センサ31及びアクチュエータ32が取得した各種情報を取得すると共に、ナビゲーションシステム33の操作情報を取得する。また、ECU34は、アクチュエータ32の状態制御を行う。なお、リプログラミングの対象となるソフトウェアを有する電子制御装置は、ECU34であってもよいし、図示しない他のECUであってもよい。
【0023】
プログラム更新案内装置35は、通信部40と、学習部41と、不変情報DB42と、可変情報DB43と、ライフログ情報DB44と、特性情報取得部(特性情報取得手段)45と、案内手法設定部(案内手法設定手段)46と、を備えている。通信部40は、オペレータセンター2とデータの送受信、音声通話の接続を行う部分である。
【0024】
学習部41は、特性情報を取得して学習情報として各DB42〜44に保存する部分である。学習部41は、センサ31、アクチュエータ32、ナビゲーションシステム33にて取得された各種情報、及び通信部40から出力された情報を取得し、情報種別毎に不変情報DB42、可変情報DB43、ライフログ情報DB44に保存する。具体的には、学習部41は、取得した情報に対応するデータベース(不変情報DB42、可変情報DB43、ライフログ情報DB44のいずれか)を特定して選択し、選択したデータベースに格納されている格納情報と取得した取得情報とを比較して、格納情報と取得情報とが合致しているか、類似しているか、或いは乖離しているかを判定する。そして、学習部41は、判定結果に基づいて、取得情報とデータベースに格納されている格納情報とを紐付けて保存、更新(書き換え)を行う。
【0025】
ここで、学習部41の具体的な動作について説明する。図2は、学習部の動作を示すフローチャートである。図2においては、ライフログ情報DB44に格納されるライフログ情報について説明する。なお、ライフログ情報の詳細については後述するが、ライフログ情報とは、例えばユーザの生活情報や行動履歴、運転特性に関する情報である。
【0026】
図2に示すように、まずライフログ情報DB44への格納要求が実施される(ステップS01)。そして、センサ31やアクチュエータ32等からライフログ情報が取得されたか否かが判定される(ステップS02)。ライフログ情報が取得されたと判定された場合には、ステップS03に進む。一方、ライフログ情報が取得されたと判定されなかった場合には、初期登録が実施される(ステップS04)。初期登録は、ライフログ情報DB44に格納されている情報を全て初期値の状態とすることである。
【0027】
ステップS03では、ナビゲーションシステム33の操作があるか否かが判定される。ナビゲーションシステム33の操作があると判定された場合には、ステップS05に進む。一方、ナビゲーションシステム33の操作があると判定されなかった場合には、ステップS06に進む。
【0028】
ステップS05では、ナビゲーションシステム33において過去に操作された操作履歴があるか否かが判定される。ナビゲーションシステム33の操作履歴があると判定された場合には、操作履歴情報に操作回数が加算されてライフログ情報DB44に情報が保存(格納)される(ステップS07)。一方、ナビゲーションシステム33の操作履歴があると判定されなかった場合には、新規操作としてライフログ情報DB44に情報が保存される(ステップS08)。
【0029】
ステップS06では、ユーザによる運転操作があるか否かが判定される。運転操作があると判定された場合には、ユーザの運転に関する運転特性情報や走行履歴情報が取得されてライフログ情報DB44に保存される(ステップS09)。一方、運転操作があると判定されなかった場合には、状態変更待機とされる(ステップS10)。以上のように、学習部41では、運転特性情報であるライフログ情報を取得し、ライフログ情報DB44に格納する。
【0030】
図1に戻って、不変情報DB42は、ユーザの不変情報を格納するデータベースである。不変情報DB42には、年齢、性別、職業等といった短期間で変更されることのない情報が格納されている。不変情報DB42には、オペレータセンター2の顧客情報DB22から取得されたり、車両3に搭載された入力手段(例えば、ナビゲーションシステム33)にて入力されて取得された不変情報が格納されている。
【0031】
可変情報DB43は、ユーザの可変情報を格納するデータベースである。可変情報は、ナビゲーションシステム33の利用情報を含んでおり、オペレータセンター2のオペレータの利用頻度、リプロ実施回数(拒否回数)、リプロ案内回数、ナビゲーションシステム33の操作頻度等の頻繁に(短期間で)変更される情報が格納されている。
【0032】
ライフログ情報DB44は、ユーザの生活情報や行動情報である行動履歴、運転者操作情報である運転特性等といったライフログ情報を格納するデータベースである。生活情報は、例えば日常の行動パターンであり、行動情報である車両3の行動履歴は、例えば車両での行き先(経路情報)等のであり、運転者操作情報である運転特性は、例えばアクセル、ブレーキ、ハンドル操作等である。
【0033】
特性情報取得部45は、ユーザの特性情報を取得する部分である。特性情報取得部45は、不変情報DB42、可変情報DB43及びライフログ情報DB44に格納されている各種情報を取得する。特性情報取得部45は、取得した特性情報を案内手法設定部46に出力する。
【0034】
案内手法設定部46は、ユーザの特性情報に基づいて、ユーザに対するプログラムの更新の案内手法を設定する部分である。案内手法設定部46は、特性情報取得部45から出力された特性情報(不変情報、可変情報、ライフログ情報)を受け取ると、不変情報に基づいて案内手法の基本属性を特定し、可変情報及びライフログ情報に基づいて案内手法の補正を行う。案内手法設定部46は、設定した案内手法を示すリプロ案内データを通信部40に出力する。これにより、リプロ案内データが通信部40によってオペレータセンター2に送信される。
【0035】
続いて、プログラム更新案内装置35の動作について説明する。図3は、プログラム更新案内装置の動作を示すフローチャートである。
【0036】
図3に示すように、まず車両3のエンジンの始動が確認されると(ステップS11)、個人情報取得処理が学習部41によって実施される(ステップS12)。個人情報取得処理について図4を参照しながら説明する。図4は、個人情報取得処理を示すフローチャートである。
【0037】
図4に示すように、個人情報取得処理では、まず不変情報DB42に個人情報(年齢、性別、職業等)を要求する個人情報要求が実施される(ステップS31)。次に、不変情報DB42から個人情報が取得されたか否かが判定される(ステップS32)。個人情報が取得されたと判定された場合には、ステップS33に進む。一方、個人情報が取得されたと判定さなかった場合には、ステップS34に進む。
【0038】
ステップS33では、不変情報DB42において情報不足フラグが立っているか否かが判定される。情報不足フラグが立っていると判定された場合には、ステップS34に進む。一方、情報不足フラグが立っていると判定されなかった場合には、個人情報が取得されたとして処理が終了する。
【0039】
ステップS34では、個人情報の新規入力がユーザによって可能か否かが判定される。新規入力が可能であると判定された場合には、入力によって取得された個人情報が不変情報DB42にユーザ識別情報(ユーザID)と紐付けされて格納される(ステップS35)。一方、新規入力が可能であると判定されなかった場合には、ステップS36に進む。
【0040】
ステップS36では、個人情報をオペレータセンター2の顧客情報DB22から取得できるか否かが判定される。顧客情報DB22から個人情報が取得できると判定された場合には、ステップS35に進む。一方、顧客情報DB22から個人情報が取得できると判定されなかった場合には、ステップS37に進む。
【0041】
ステップS37では、車両3に搭載されたETC(Electronic Toll Collection System)に挿入されているETCカードから個人情報を取得できるか否かが判定される。ETCカードから個人情報が取得できると判定された場合には、ステップS35に進む。一方、ETCカードから個人情報が取得できると判定されなかった場合には、ステップS38に進む。
【0042】
ステップS38では、個人情報に不足している情報(不足情報)がないか否かが判定される。不足情報がないと判定された場合には、処理が終了する。一方、不足情報がないと判定されなかった場合には、可変情報DB43に情報不足フラグが立てられる(ステップS39)。以上のように、個人情報取得処理が実施される。
【0043】
図3に戻って、個人情報取得処理が実行されると、不変情報DB42から個人情報が取得されたか否かが特性情報取得部45によって判定される(ステップS13)。不変情報DB42から個人情報が取得されたと判定された場合には、ステップS14に進む。一方、不変情報DB42から個人情報が取得されたと判定されなかった場合には、ステップS15に進む。
【0044】
ステップS14では、案内手法設定部46によってリプログラミングの案内手法の基本属性の特定が実施される。具体的には、図5を参照しながら説明する。図5は、個人情報による基本属性の特定を説明する図である。図5に示すテーブルでは、「項目」、「種類」、「重み」が対応付けられて格納されている。「項目」は、個人情報である「性別」、「年齢」及び「職業」となっており、「種類」が対応付けられている。具体的には、「性別」には、「男性」及び「女性」が対応付けられており、「年齢」には、「20〜30代」、「40〜50代」、「60代〜」が対応付けられており、「職業」には、「技術職」及び「事務職」が対応付けられている。「種類」には、例えばナビゲーションシステム33の操作が得意どうかの判断基準である「重み」が対応付けられている。「重み」は、0〜2の3段階に分けて付与されている。
【0045】
案内手法設定部46は、「重み」のポイントの合計によってユーザがナビゲーションシステム33の操作が得意かどうかを判断し、その判断結果によってリプログラミングの案内手法の基本方針(ナビガイダンス、オペレータガイダンス)を選択して特定する。案内手法設定部46は、「重み」が一定値(例えば、「3」)を超えた場合には、ユーザがナビゲーションシステム33の操作が得意であると判断してナビガイダンスを選定する一方、「重み」が一定値を超えない場合には、ユーザがナビゲーションシステム33の操作が不慣れであると判断してオペレータガイダンスを選択する。
【0046】
具体的には、案内手法設定部46は、例えば特性情報取得部45によって取得された個人情報が「30代」、「女性」、「技術職」を示している場合には、「重み」のトータルが「4」となるため、ナビゲーションシステム33の操作が得意であると判断し、ナビゲーションシステム33によりリプログラミングを案内する基本方針を選択する。また、案内手法設定部46は、例えば特性情報取得部45によって取得された個人情報が「60代」、「男性」、「事務職」を示している場合には、「重み」のトータルが「1」となるため、ナビゲーションシステム33の操作が不慣れであると判断し、オペレータガイダンスによりリプログラミングを案内する基本方針を選択する。以上のように案内手法設定部46によってリプログラミングの案内手法の基本属性の特定が実施される。
【0047】
図3に戻って、ステップS15では、可変情報取得処理が特性情報取得部45によって実施される。可変情報取得処理について図6を参照しながら説明する。図6は、可変情報取得処理を示すフローチャートである。
【0048】
図6に示すように、可変情報取得処理では、まず可変情報DB43に可変情報(オペレータ利用回数、リプロ実施回数、リプロ案内回数等)を要求する可変情報要求が実施される(ステップS41)。次に、可変情報DB43から可変情報が取得されたか否かが判定される(ステップS42)。可変情報が取得されたと判定された場合には、ステップS43に進む。一方、可変情報が取得されたと判定さなかった場合には、初期登録が実施される(ステップS44)。初期登録は、可変情報DB43に格納されている情報を全て初期値の状態とすることである。
【0049】
ステップS43では、不変情報においてオペレータセンター2のオペレータの利用の実績があるか否かが判定される。オペレータの利用があると判定された場合には、可変情報DB43に登録されているオペレータの利用回数が変更されて可変情報DB43に変更後の情報が格納される(ステップS45)。一方、オペレータの利用があると判定されなかった場合には、ステップS46に進む。
【0050】
ステップS46では、不変情報においてリプログラミングの案内の実績があるか否かが判定される。リプログラミングの案内があると判定された場合には、可変情報DB43に登録されているリプログラミングの案内回数が変更されて可変情報DB43に変更後の情報が格納される(ステップS47)。一方、リプログラミングの案内があると判定されなかった場合には、ステップS48に進む。
【0051】
ステップS48では、不変情報においてリプログラミングが実施の実績があるか否かが判定される。リプログラミングの実施の実績があると判定された場合には、可変情報DB43に登録されているリプログラミング実施のキャンセル回数が変更されて可変情報DB43に変更後の情報が格納される(ステップS49)。一方、リプログラミングの実施の実績があると判定さなかった場合には、ステップS50に進む。
【0052】
ステップS50では、リプログラミングの実施がオペレータの案内による実施であるか否かが判定される。オペレータの案内による実施であると判定された場合には、オペレータ利用有りによるリプログラミング実施回数が変更されて変更後の情報が可変情報DB43に格納される(ステップS51)。一方、オペレータの案内による実施であると判定されなかった場合には、オペレータ利用無しによるリプログラミング実施回数が変更されて変更後の情報が可変情報DB43に格納される(ステップS52)。以上のように、可変情報取得処理が実施される。
【0053】
図3に戻って、可変情報取得処理が実行されると、可変情報DB43から可変情報が取得されたか否かが特性情報取得部45によって判定される(ステップS16)。可変情報DB43から可変情報が取得されたと判定された場合には、ステップS17に進む。一方、可変情報DB43から可変情報が取得されたと判定されなかった場合には、ステップS18に進む。
【0054】
ステップS17では、案内手法設定部46によって案内手法の補正処理が実施される。図7は、案内手法の補正処理を示すフローチャートであり、図8は、案内手法の補正処理を説明する図である。
【0055】
図7に示すように、案内手法の補正処理では、まずリプログラミングの案内が初回であるか否かが可変情報に基づいて判定される(ステップS61)。リプログラミングの案内が初回であると判定された場合には、ステップS62に進む。一方、リプログラミングの案内が初回であると判定されなかった場合には、過去の実績による補正が実施される(ステップS63)。
【0056】
ステップS62では、オペレータの利用履歴があるか否かが可変情報に基づいて判定される。オペレータの利用履歴があると判定された場合には、オペレータからの案内が選択される(ステップS64)。一方、オペレータの利用履歴があると判定されなかった場合には、基本方針に応じた初回案内が選択される(ステップS65)。図8に示すように、案内手法設定部46は、リプログラミングの実施回数に応じて案内手法を補正する。具体的には、案内手法設定部46では、リプログラミングの実施回数とリプログラミングの案内回数とに基づいて、案内手法の属性を選択して補正する。
【0057】
図3に戻って、ステップS18では、ライフログ情報取得処理が学習部41によって実施される。ライフログ情報取得処理について図9,10を参照しながら説明する。図9,10は、ライフログ情報取得処理を示すフローチャートである。
【0058】
図9に示すように、ライフログ情報取得処理では、まずライフログ情報DB44にライフログ情報(生活情報、運転特性情報、走行履歴情報等)を要求するライフログ情報要求が実施される(ステップS71)。次に、ライフログ情報DB44からライフログ情報が取得されたか否かが判定される(ステップS72)。ライフログ情報が取得されたと判定された場合には、ステップS73に進む。一方、ライフログ情報が取得されたと判定さなかった場合には、初期登録が実施される(ステップS74)。初期登録は、ライフログ情報DB44に格納されている情報を全て初期値の状態とすることである。
【0059】
ステップS73では、ナビゲーションシステム33の操作に関するナビ操作情報があるか否かが判定される。ナビ操作情報があると判定された場合には、ステップS75に進む。一方、ナビ操作情報があると判定されなかった場合には、ステップS76に進む。
【0060】
ステップS75では、過去のナビゲーションシステム33の全操作回数が取得される。そして、全操作回数とナビゲーションシステム33の操作の種類とが比較され(ステップS77)、特定の操作(例えば、目的地の設定等)のみが実施されているか否かが判定される(ステップS78)。特定の操作のみが実施されていると判定された場合には、ナビゲーションシステム33の操作対応レベルが「低」と判定され(ステップS79)、その旨を示す情報が格納される。一方、特定の操作のみが実施されていると判定さなかった場合には、ナビゲーションシステム33の操作対応レベルが「高」と判定され(ステップS80)、その旨を示す情報が格納される。
【0061】
ステップS76では、ユーザの運転操作に係る運転特性情報があるか否かが判定される。運転特性情報があると判定された場合には、ステップS81に進む。一方、運転特性情報があると判定されなかった場合には、ステップS82に進む。
【0062】
ステップS81では、取得された運転特性情報と履歴情報の運転特性情報と比較した際、情報の乖離が大きいか否かが判定される。運転特性情報の乖離が大きいと判定された場合には、ユーザの状態が「緊急時」や「体調不良時」等とった「異常状態」であると判断され(ステップS82)、その旨を示す情報が格納される。一方、運転特性情報の乖離が大きいと判定されなかった場合には、ユーザの状態が「通常状態」と判断され(ステップS83)、その旨を示す情報が格納される。
【0063】
図10に示すように、ステップS82では、ユーザの運転履歴に関する運転履歴情報があるか否かが判定される。運転履歴情報があると判定された場合には、ステップS84に進む。一方、運転履歴情報があると判定されなかった場合には、ステップS85に進む。ステップS84では、運転履歴情報に基づいて、定期的な車両3の利用があるか否かが判定される。定期的な利用には、平日・休日の利用時間帯も加味している。定期的な車両3の利用があると判定された場合には、目的地までの距離に関する情報が格納される(ステップS86)。一方、定期的な車両3の利用があると判定されなかった場合には、ステップS87に進む。
【0064】
ステップS87では、ナビゲーションシステム33において目的地の設定があるか否かが判定される。目的地の設定があると判定された場合には、目的地までの距離に関する情報が格納される(ステップS88)。一方、目的地の設定があると判定されなかった場合には、目的地の設定が不要な距離(例えば、近距離)であると判定され、処理が終了する。
【0065】
ステップ85では、天気情報があるか否かが判定される。天気情報があると判定された場合には、天気情報がライフログ情報DB44に格納される(ステップS89)。天気情報があると判定されなかった場合には、処理が終了する。ライフログ情報取得処理が実施される。
【0066】
図3に戻って、ライフログ情報取得処理が実行されると、ライフログ情報DB44からライフログ情報が取得されたか否かが特性情報取得部45によって判定される(ステップS19)。ライフログ情報DB44からライフログ情報が取得されたと判定された場合には、ステップS20に進む。一方、ライフログ情報DB44からライフログ情報が取得されたと判定されなかった場合には、ステップS21に進む。
【0067】
ステップS20では、案内手法設定部46によって案内手法の補正処理が実施される。図11は、案内手法の補正処理を示すフローチャートである。
【0068】
図11に示すように、案内手法の補正処理では、まず天気情報が取得されたか否か判定される(ステップS90)。天気情報が取得されたと判定された場合には、ステップS91に進む。一方、天気情報が取得されたと判定されなかった場合には、ステップS92に進む。ステップS91では、天気情報が悪天候(例えば、雨、雪)を示しているか否かが判定される。悪天候であると判定された場合には、リプログラミングの案内が中止とされる(ステップS93)。一方、悪天候であると判定されなかった場合には、ステップS92に進む。
【0069】
ステップS92では、取得された運転特性と通常運転時の特性との乖離が大きいか否かが判定される。乖離が大きいと判定された場合には、ステップS93に進む。一方、乖離が大きいと判定されなかった場合には、日常生活の行動パターンであるか否かが判定される(ステップS94)。日常生活の行動パターンであると判定された場合には、リプログラミングの案内手法の設定処理が実施される(ステップS95)。一方、日常生活の行動パターンであると判定された場合には、長距離(長時間)の運転であるか否かが判定される(ステップS96)。長距離の運転であると判定された場合には、ステップS95に進む。一方、長距離の運転であると判定さなかった場合には、ステップS93に進む。以上のように、案内手法の補正処理が実施される。
【0070】
図3に戻って、ステップS21では、各処理にて決定された案内方針に基づいて、リプログラミングのユーザに対する案内手法が設定される。以上により、リプログラミングの案内手法の設定が行われる。
【0071】
以上説明したように、プログラム更新案内装置35では、車両3のユーザの特性情報を特性情報取得部45によって取得し、この特性情報に基づいてユーザに対するプログラムの更新の案内手法を案内手法設定部46が設定する。例えば、プログラム更新案内装置35では、特性情報である個人情報(不変情報)に基づいて、ユーザが年配の場合には、ナビゲーションシステム33の操作に慣れていないと考えられるため、オペレータが直接案内を実施する手法を設定する。また、ユーザが女性である場合には、ナビゲーションシステム33の操作は慣れているが、案内に対して不安感や困惑を覚える可能性があるため、初回のみ直接案内を実施する手法を設定する。さらに、ユーザが男性である場合には、比較的機器の操作に慣れていると考えられるため、ナビゲーションシステム33の操作履歴等の情報を元に案内手法の実施を設定する。
【0072】
また、プログラム更新案内装置35では、特性情報である可変情報に基づいて、個人情報にて設定された案内手法に更に補正を実施する。具体的には、プログラム更新案内装置35では、オペレータをよく利用するユーザには、直接案内を実施する手法を設定する。また、リプログラミングが初対応の場合において、ナビゲーションシステム33の操作に慣れているユーザには、ナビゲーションシステム33にて案内を実施する手法を設定し、ナビゲーションシステム33の操作に不慣れなユーザには、直接案内を実施する手法を設定する。さらに、リプログラミングの実施をキャンセルすることが多いユーザには、直接案内する手法を設定する。
【0073】
さらに、プログラム更新案内装置35では、個人情報であるライフログ情報に基づいて、個人情報及び可変情報にて設定された案内手法に更に補正を実施する。具体的には、プログラム更新案内装置35では、ユーザの日常生活を生活情報から推定し、シーンに応じて案内手法を設定する。また、運転特性情報に基づいて、「急いでいる」、「機嫌が悪い」とった状態を推定し、案内実施の中止(見送る)等を設定する。また、天気情報に基づいて、雨や雪といった悪天候の日には、案内の実施の中止を設定する。
【0074】
このように、ユーザの特性情報に基づいて案内手法が設定される。したがって、ユーザの特性に応じた案内手法により、プログラムの更新に対しての抵抗感等を低減でき、その結果、車両3に搭載される電子制御装置(ECU34)のプログラム更新の促進を図ることができる。
【0075】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、プログラム更新案内装置35が車両3に搭載されている形態としたが、プログラム更新案内装置35は、オペレータセンター2やその他のセンターに設けられてもよい。
【0076】
なお、上記実施形態では、特性情報について、不変情報、可変情報及びライフログ情報を例示しているが、特性情報はこれら情報に限定されない。また、特性情報の取得方法も上記の形態に限定されず、その他の方法によって取得されてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、本発明の制御装置をECUのリプログラミングに適用したが、制御手段であるFPGA(Field Programmable Gate Array)のプログラムの書き換えに適用してもよい。FPGAは、論理回路が書き込み可能なゲートアレイであり、論理回路のプログラムが書き換え(制御内容の変更)可能とされている。FPGAでは、メモリからプログラムを読み込むことで、機能が実現される。
【符号の説明】
【0078】
1…プログラム更新案内装置、3…車両、33…ナビゲーションシステム、35…特性情報取得部(特性情報取得手段)、36…案内手法設定部(案内手法設定手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される制御手段の制御内容の変更を案内する制御装置であって、
前記車両のユーザの特性情報を取得する特性情報取得手段と、
前記特性情報取得手段によって取得された前記特性情報に基づいて、前記ユーザに対する前記制御内容の変更の案内手法を設定して出力する案内手法設定手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記特性情報は、前記ユーザの個人情報である請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記個人情報は、前記ユーザの年齢、性別、職業の少なくとも一つを含んでいる請求項2記載の制御装置。
【請求項4】
前記特性情報は、前記車両に搭載される車載機器の利用に関する利用情報である請求項1記載の制御装置。
【請求項5】
前記利用情報は、前記制御内容の変更の際のオペレータの利用頻度に関する情報、前記制御内容の変更案内の頻度に関する情報、前記制御内容の変更の実施頻度に関する情報、前記制御内容の変更のキャンセルの頻度に関する情報、及びナビゲーションシステムの操作頻度に関する情報の少なくとも一つである請求項4記載の制御装置。
【請求項6】
前記特性情報は、前記ユーザの行動を示す行動情報である請求項1〜5のいずれか一項記載の制御装置。
【請求項7】
前記特性情報は、前記ナビゲーションシステムの経路情報である請求項1〜6のいずれか一項記載のプ制御装置。
【請求項8】
前記特性情報は、前記ユーザの運転操作に関する運転者操作情報である請求項1〜7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、電子制御装置であり、
前記案内手法設定手段は、前記特性情報取得手段によって取得された前記特性情報に基づいて、前記ユーザに対する前記電子制御装置のプログラムの変更の案内手法を設定して出力する請求項1〜8のいずれか一項記載の制御装置。
【請求項1】
車両に搭載される制御手段の制御内容の変更を案内する制御装置であって、
前記車両のユーザの特性情報を取得する特性情報取得手段と、
前記特性情報取得手段によって取得された前記特性情報に基づいて、前記ユーザに対する前記制御内容の変更の案内手法を設定して出力する案内手法設定手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記特性情報は、前記ユーザの個人情報である請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記個人情報は、前記ユーザの年齢、性別、職業の少なくとも一つを含んでいる請求項2記載の制御装置。
【請求項4】
前記特性情報は、前記車両に搭載される車載機器の利用に関する利用情報である請求項1記載の制御装置。
【請求項5】
前記利用情報は、前記制御内容の変更の際のオペレータの利用頻度に関する情報、前記制御内容の変更案内の頻度に関する情報、前記制御内容の変更の実施頻度に関する情報、前記制御内容の変更のキャンセルの頻度に関する情報、及びナビゲーションシステムの操作頻度に関する情報の少なくとも一つである請求項4記載の制御装置。
【請求項6】
前記特性情報は、前記ユーザの行動を示す行動情報である請求項1〜5のいずれか一項記載の制御装置。
【請求項7】
前記特性情報は、前記ナビゲーションシステムの経路情報である請求項1〜6のいずれか一項記載のプ制御装置。
【請求項8】
前記特性情報は、前記ユーザの運転操作に関する運転者操作情報である請求項1〜7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、電子制御装置であり、
前記案内手法設定手段は、前記特性情報取得手段によって取得された前記特性情報に基づいて、前記ユーザに対する前記電子制御装置のプログラムの変更の案内手法を設定して出力する請求項1〜8のいずれか一項記載の制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−13443(P2012−13443A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147711(P2010−147711)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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