刺繍システム及び方法
消費者が、画像又はテキストなどのデザインを供給し、それをデジタル化画像に変換し、製品上に配置することができる特別注文の刺繍を生成するのに用いるようにすることができる、刺繍システム及び方法が提供される。本システムは、ユーザ作成の刺繍製品デザインライブラリからのデザインの購入に対する使用料をもたらすためのマーケットユニット及び電子商取引エンジンの使用を実施する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のシステムは、製品の上に特別注文の刺繍を作成するためのシステム及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
布地の上に特注デザインの刺繍画像を作成することは、依然として科学というよりも美術である。その主な理由は、供給される特注デザインの意味論及び意図を自動化された方法で検出することが困難な場合があることである。さらに、画像を有色糸のステッチに変換する作業には、プロセスの重要な部分での解釈及び美術的な判断が必要となる。最良品質の刺繍デザインは熟練した職人によって作られる。これらのデザインは、最初の原美術品の意図を保持し、製造プロセス中をなめらかに流れ、糸切れ、色変化、及び機械摩耗が少ない。
【0003】
デジタル画像から刺繍を自動的に作成するための部分的な解決策を与える多くの市販のシステムが存在する。典型的にはこれらのシステムはラスタ画像から出発して以下のステップを実行する。
1.周知の方法によりラスタ画像をベクトル画像に変換する。
2.ベクトル画像の各領域にステッチパターン及び色を付ける。
3.保管されたデータを用いて基材用のステッチを決定する。
4.ステッチの接続を最少にするようにステッチの順序を決定する。
5.刺繍ソフトウェアが編集することができる命令を含んだファイルを出力する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、自動的に生成されたデザインを固定又は最適化するためには編集が必要である。従って、消費者がユーザ・コンテンツを供給して製品の上に特注の刺繍を作成できるようにするシステム及び方法を提供することが望ましく、この目的に対して本システム及び方法が向けられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】刺繍システムの一実施形態の一例を示す。
【図1B】自動的刺繍の方法の一実施を示す。
【図1C】刺繍システムの一例を示す。
【図1D】刺繍システムの一部分であるデジトロンプロセスのさらに細部を示す。
【図2】原画像のデジタル化を説明するユーザーインタフェースの一例を示す。
【図3】デジタル化の価格を含むユーザーインタフェースの一例を示す。
【図4A】刺繍テキストのためのユーザーインタフェースの一例を示す。
【図4B】刺繍テキストのためのユーザーインタフェースの一例を示す。
【図4C】製品上の特定の位置にデザインを配置するための、製品デザインツールのユーザーインタフェースを示す。
【図5A】色パレットを含む製品デザインツールを示す。
【図5B】色パレットを含む製品デザインツールを示す。
【図6A】刺繍システムの一部分である、刺繍マーケット内にデザイン又は製品を掲載するためのユーザーインタフェースの一例を示す。
【図6B】刺繍システムの部分である、刺繍マーケット内においてデザイン又は製品を掲載するためのユーザーインタフェースの一例を示す。
【図6C】刺繍システムの部分である、刺繍マーケット内においてデザイン又は製品を掲載するためのユーザーインタフェースの一例を示す。
【図7】ステッチプレーヤのユーザーインタフェースの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本システム及び方法は、以下に説明するコンピュータ上のソフトウェア内で実施される特注刺繍システム及び方法を用いて製品を作成するための、ウェブベースのクライアント/サーバ・アーキテクチャシステムに特に適用することができ、この文脈において本システム及び方法を説明することになる。しかし、本システム及び方法は、消費者/ユーザが特注の刺繍を配置できることが望ましい任意の製品をカスタマイズするのに用いることができることを認識されたい。さらに本システム及び方法は、ソフトウェア(図示した実施において示される)、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組合せによって実施することができ、そしてまたクライアント/サーバシステム(図示した実施において示される)、ウェブサーバ、端末、及びピアツーピアシステムなどの上で実施することができ、それゆえに、本システム及び方法は、システム及び方法の特定の実施には限定されない。
【0007】
図1Aは、刺繍システム100の実施の一例を示す。このシステムは、1つ又はそれ以上の顧客コンピュータ装置102、例えば、102a、102b、...、102nを含むことができ、ここで各々のコンピュータ装置は、少なくとも1つの処理ユニット、メモリ、ある永続性メモリ、他の何らかのメモリ、表示装置及び入力/出力装置を有し、各々はパーソナルコンピュータ、携帯機器、携帯電話機器、無線電子メール機器、及び、消費者が、消費者のコンピュータ装置と対話すること、及び、消費者のコンピュータ装置により実行される例えば周知のブラウザアプリケーションのようなアプリケーションを通してシステムと対話することを可能にする、トレオ(Treo)又はブラックベリー(Blackberry)のような集中型機器などとすることができる。各々の消費者コンピュータ装置はリンク104上で刺繍ユニット106と接続を確立して通常の保護又は無保護プロトコルを用いて通信することができる。リンク104は、コンピュータネットワーク、携帯電話ネットワーク、及び有線又は無線リンクなどを用いて実施することができる。一実施形態において、リンクはインターネットである。刺繍ユニット106は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組合せで実施することができる。一実施形態において刺繍ユニット106は、以下に説明するように刺繍ユニット106の機能及び動作を遂行するための複数行のコンピュータコードを実行させる1つ又はそれ以上のサーバコンピュータとすることができる。
【0008】
例証的な一実施形態において、刺繍ユニット106は少なくとも1つのウェブサーバ107(ハードウェア又はソフトウェア又はそれら2つの組合せにおいて実施される)をさらに備えることができ、これは各々の消費者コンピュータ装置との接続を確立し、各々の消費者コンピュータ装置から要求を受信し、各々の消費者コンピュータ装置に対して、データ及び情報(例えば1つ又はそれ以上のウェブページを用いることなどにより)及び消費者コンピュータ装置に関する情報の要求を送信し、ここで消費者コンピュータ装置は、既知の保護又は無保護プロトコル及び通常のブラウザアプリケーションを用いて、ウェブページと対話する。少なくとも1つのウェブサーバは、例えば、消費者が利用可能なデザインを閲覧し、次いでデジタル化デザイン(以下でより詳しく説明する)を用いて、ユーザ・コンテンツとすることもできる刺繍を特定の製品の上に配置することができるウェブページを提供することができる。刺繍ユニットはストア108をさらに含むことができ、これは例えばデータベースであり、ウェブページ用の製品情報及び画像、ユーザのためのステッチファイル、ユーザ供給デザインのためのプロキシビットマップ、システムの各ユーザに関するユーザ情報、各ユーザに関する電子商取引関連情報などを含んだ、刺繍ユニットのための関連情報を包含し保管する。刺繍ユニットは、刺繍カスタマイザ109をさらに備えることができ、このカスタマイザは複数行のコンピュータコードとして実施することができ、ここで複数行のコンピュータコードは、消費者がデザインをサブミットし、デザインのデジタル化(以下でより詳しく説明する)を要求し、デジタル化の前にデザインのプロキシを審査し、ステッチファイルの個人用ライブラリにアクセスし、デザインを刺繍マーケットにサブミットし、以下により詳しく説明するように刺繍を有する製品を要求することを可能にする刺繍ユニットを実現するためのサーバコンピュータの処理装置によって実行される。刺繍ユニット106は、周知の電子商取引エンジン110をさらにそなえることができ、このエンジンは、ひとたび消費者が刺繍デザインを仕上げるか又は刺繍デザインを選択したら、消費者が特定の刺繍デザインを有する製品をカスタマイズし、次いで特注製品を購入できるようにする。一実施において刺繍システムはまた、例えば、www.zazzle.comのような、より大きなウェブサイト/システムの一部分とすることができる。本システム(刺繍システムと呼ぶ)は、顧客がデザインをサブミットして高品質の刺繍製品を購入するために行われる必要がある一式の社会的取引(刺繍製品作成フローと呼ぶ)の表示に基づいた異なる自動化手法を採用する。
【0009】
図1Bは、刺繍システムの一部分である刺繍カスタマイザ109を用いた刺繍方法120の実施を示す。図1Bに示すプロセスは、一実施形態において、1つ又はそれ以上のサーバコンピュータによって実行される複数行のコンピュータコード(1つ又はそれ以上のソフトウェアモジュール/ルーチンに含まれる)として実施することができる。以下に説明する各々のプロセスは、従って、以下で説明する機能又は動作を実行するモジュール又はユニットとして実施することができる。以下で説明する種々のプロセスはまたハードウェアで実施することもできる。本プロセスは、ユーザ/顧客が、図1Aに示すような1つ又はそれ以上の消費者コンピュータ装置102のうちの1つからデザイン(122)を、同じく図1Aに示す刺繍ユニット106にアップロードするときに開始する。このデザインは、以下で説明するように、その出力として刺繍デザインを生成する刺繍デザイン変換プロセス125に供給される原画像として理解することができる。原画像は種々の形式、例えばラスタ化形式又はベクトル形式などを有することができる。ひとたび原画像がアップロードされると、消費者は粗刺繍プレビューとして理解される刺繍デザインの画像の概略を閲覧することができ(刺繍変換プロセスが完了するまで)、これを、一実施形態において刺繍ユニット106上で実行される複数行のコンピュータコードとして実施される刺繍プレビューコンポーネントを用いて、承認する(122)。
【0010】
図1Cは、刺繍カスタマイザ109のさらに詳しい細部を示す。刺繍カスタマイザ109は、UI部分102aを用いたユーザのコンピュータ装置102から入力を受け取り、それにデータ/情報を送ることができ、このUI部分102aにより、ユーザは、デザインをサブミットし、画像の色を調整し又は画像の形状を調整し、対話形式でプロキシデザインを審査して承認し、対話形式でデザインを審査して承認し、製品の種類を選択し、デザインを選び、デザイン及びテキストを配置し、刺繍を有する製品を審査することができる。刺繍カスタマイザ109は、刺繍デザインユニット130、刺繍製品デザインツール131、永続的な刺繍デザインライブラリ、永続的な製品ストア133、刺繍デザイン変換コンポーネント134、刺繍製作コンポーネント136、及び以下で詳しく説明する反映コンポーネント138をさらに備えることができる。一実施において、これらのモジュール/ユニット/コンポーネントの各々は、刺繍カスタマイザ109のコンピュータシステムの処理ユニットによって実行される複数行のコンピュータコードとすることができる。代替的に、ユニット/コンポーネントはハードウェアで実施することもできる。
【0011】
刺繍デザインユニット130は、ユーザが刺繍デザインをアップロードし、サイズを決め、色を選択することができるようにするユニット130a、以下でより詳しく説明する粗刺繍プレビュージェネレータ130b、以下でより詳しく説明する粗刺繍見積りコンポーネント130c、ユーザが粗刺繍デザインをプレビューできるようにする承認済み粗刺繍プレビューユニット130d、及び、以下でより詳しく説明する刺繍シミュレーションユニット(対話型ステッチプレーヤ)130eをさらに備えることができる。
【0012】
永続的刺繍デザインライブラリ132は、ユーザ刺繍デザインライブラリ132a、粗刺繍プレビューデザイン・プロキシライブラリ132b、及び刺繍デザインライブラリ132cをさらに備えることができ、これらの各々は以下でより詳しく説明する。永続的刺繍デザインライブラリ132内の情報及び刺繍デザインユニット130を用いて、刺繍製品デザインツール131は、以下でより詳しく説明するように、刺繍デザインを有する製品を作成する。永続的製品ストア133は、ユーザ刺繍デザイン、及び、以下でより詳しく説明するように、製品を作成するのに用いることができる刺繍製品説明を含むことができる。
【0013】
刺繍デザイン変換コンポーネント134は、デジトロンコンポーネント134a(以下でより詳しく説明する)、組み込み刺繍デザイン変換ベンダ134b、及び刺繍製品サービス134cをさらに備えることができ、これらの各々は以下でより詳しく説明する。
【0014】
刺繍製作ユニット136は、刺繍待ち行列136a、刺繍作業命令ユニット136b、刺繍製作ユニット136c及び刺繍出荷ユニット136dをさらに備えることができる。
【0015】
粗刺繍プレビュー(130b)
粗刺繍プレビューは、変換された刺繍デザイン内に存在することになる色を示し、また顧客が完成した刺繍可能製品のデザインを予想できるような詳細を示す。粗刺繍プレビューは、粗刺繍プレビュージェネレータによって原画像から生成された視覚的なプレビューであり、原画像がどのように刺繍デザインに変換され得るかについての概略的な指針として機能し、全体の刺繍デザイン変換プロセスに関わるものではない。粗刺繍プレビューは、刺繍可能製品デザインツールのユーザーインタフェース内、及び刺繍デザインを表示する必要があり得る広範囲の刺繍システムのユーザーインタフェース内の他の位置において、刺繍デザインのプロキシとして機能する。刺繍デザインの視覚的プロキシとして機能することに加えて、粗刺繍プレビューはまた、刺繍デザイン変換プロセスに通知するべき推奨色などの指針をカプセル化するのに用いることもできる。
【0016】
刺繍可能製品デザインの作成において、刺繍可能製品デザインツール内で、1つ又はそれ以上の粗刺繍プレビューを刺繍デザイン及び刺繍テキストと共に用いることができる。粗刺繍プレビューを含む刺繍可能製品デザインは、全てのそれら粗刺繍プレビューが、刺繍デザイン変換プロセスによって粗刺繍プレビューがそれから導かれた原画像から変換された刺繍デザインで置き換えられるまで、刺繍機械によって刺繍可能製品上に具体化することはできない。この保留状態の刺繍可能製品デザインは、作成者から購入することができ、刺繍製品デザインライブリ又は刺繍製品デザインマーケットに公開することができるが、一般のユーザには、刺繍デザイン変換プロセスが完了するまで利用できない。
【0017】
粗刺繍プレビュージェネレータは、粗刺繍プレビューを原画像から作成するソフトウェアである。粗刺繍プレビュージェネレータは、原画像を分析し、色数を刺繍デザインのための許容最大数まで減らし、変換された刺繍デザインには反映されない背景を検出し除去するためのアルゴリズムを用いることができ、それにより刺繍デザインの作成を容易にし、刺繍デザイン変換プロセス中の費用を最小にすることができる。
【0018】
粗刺繍プレビュージェネレータはまた、前景によって覆われる面積に基づく公式又は他の経験則を用いて、刺繍デザインのステッチ数を推定し、粗刺繍プレビューの見積り及び刺繍可能製品デザイン費用を計算することができる。粗刺繍プレビュージェネレータのソフトウェアの着実な革新は、それが生成する粗刺繍プレビューを、変換された刺繍デザインのプロキシとして時間とともに益々効率的にし、並びに、計算された粗刺繍プレビュー見積り及び刺繍可能製品デザイン費用を時間と共に益々正確にするであろう。
【0019】
一実施において、粗刺繍プレビューコンポーネントは、以下の制限条件を刺繍製作プロセス内で用いて粗刺繍プレビューを作成する。
1.刺繍製品には一定数の色が用いられる。
2.最小の色面積はステッチのサイズ、限定された色セット、及び色変化機構によって制限される。
3.刺繍製品内の最小細部が制限される。
a.細部は糸の選択によって制限される。
b.細部はステッチの長さによって制限される
c.ステッチの長さ及び糸の選定は、製品基材の種類によって制約される。
【0020】
一実施において、粗刺繍プレビューコンポーネントは以下のプロセスを実行してプレビュー画像を作成する。
1.画像細部を制限する。
a.所与の製品基材(ProductSubstrate)の糸のサイズ及びステッチのサイズに基づいて画像解像度(ImageResolution)を決定する。
b.原画像にエッジ保存ローパスフィルターを適用して粗画像を生成する。
2.製品刺繍色を見出す。
a.ユーザ選定及びストアデータに基づいて用いる色数(NumberOfColors)を決定する。
b.ユーザ選定及びストアデータに基づいて基材及び糸の色解像度を決定する。
c.現在の画像サイズ及び色解像度に基づいて最大色画像サイズ(MaximumColorImageSize)を決定する。
d.原画像の色保存ダウンサンプリングを適用して最大色画像サイズ(MaximumColorImageSize)よりも小さいダウンサンプリング画像を生成する(以下でより詳しく説明する)。
e.ダウンサンプリング画像に色クラスタリングを適用して使用可能な糸色の大きな組の中から一組の色を見出す。
3.画像色を制限する。
a.粗画像内の各画素に対して、製品刺繍色の中で最近接の色整合を見出し、画素の組をその色に設定する。
4.製品情報を組み込む。
a.粗画像における製品刺繍色を保管する。
b.粗画像における基材選定を保管する。
c.粗画像における色解像度を保管する。
d.粗画像における画像解像度を保管する。
【0021】
一実施において、粗刺繍プレビューコンポーネントは、以下のプロセスによって色保存ダウンサンプリングを実行する。
1.入力画像及びダウンサンプリングのための最大サイズを受け取る。
2.入力画像が最大サイズより大きい間は、以下のステップを実行する。
a.入力画像サイズの各画像寸法の(OriginalSize/2)+1にサイズ変更した目標画像を作成する。
b.目標の行を目標画像の第1行に設定する。
c.第2行から開始して、全ての他の行に対して入力画像内の行の最後に至るまで、
i.現在の目標行に対して目標画素を設定する。
ii.第2列から開始して、全ての他の列について入力画像内の列の最後に至るまで、
1.入力画像の行及び列において画素を見出し、それを入力画素(InputPixel) と呼ぶ。
2.入力画素(InputPixel)に隣接する各画素に対して、
a.色空間において入力画素(InputPixel)に最も近い隣接ピクセルを見出 す。
3.目標画素を見出された最隣接画素に設定する。
4.目標画素を次の列にインクリメントする。
iii.目標行を目標画像内の次の行にインクリメントする。
d.入力画像を目標画像として設定する。
3.ダウンサンプリング入力画像を返す。
【0022】
粗刺繍見積りコンポーネント(130c)
図1Bに戻ると、刺繍システムは粗刺繍プレビューに対する対話による費用を、ユーザ選定及び原画像統計に基づいて(一実施形態において、刺繍ユニット106上で実行される複数行のコンピュータコードとして実施される粗刺繍見積りコンポーネントを用いて)提供し、その費用は粗刺繍プレビュー見積りと呼ぶ。粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、後でより詳しく説明するように、粗刺繍プレビューコンポーネントによって供給される情報、及び、結果として得られた粗刺繍プレビューのそれ自体による分析を用いて、所与の原画像に対する刺繍デザイン変換プロセスの見積り価格(刺繍デザイン変換価格として理解される)を決定する。刺繍デザイン変換価格は、熟練職人(刺繍デザイン翻訳者)が原画像を刺繍デザインとして解釈するのにかかる時間を決定する因子に基づくものである。刺繍デザイン変換価格は結果として得られる刺繍デザイン内の刺繍ステッチの総数(ステッチ数と呼ばれる)に基づくことが多く、この総数は容易に検証され、刺繍デザイン変換プロセスに関わる労力と十分に良く相関する尺度であり、この方法で価格を決めるのが一般的になっている。べつの普通に用いられる尺度は刺繍デザイン面積(即ち、刺繍デザイン内の糸で覆われる平方インチ数)であり、刺繍デザイン面積は結果として得られる刺繍デザインのステッチ数とおおよそ相関することが見出されているので、これら2つの尺度は原画像を刺繍デザインに変換する労力の価格を決めるのに同様に役立つ。
【0023】
粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、上記のステッチ数計量を用いて、刺繍デザイン変換プロセスの価格を決める。ステッチ数から価格への実際の変換はビジネス因子によって決められ、直線的関係(例えば、刺繍デザイン内の1000ステッチ当たり$10)、段階的関係(例えば、1000ステッチまでは$10、1001乃至2000ステッチに対して$20、2001乃至3000ステッチに対しては$40、など)、又は他のなんらかの定式にすることができる。
【0024】
このコンポーネントにおけるステッチ数は、粗刺繍プレビュー見積りは原画像が刺繍デザインに変換される前に作成されるので、概算である。粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、原画像が指定の物理的寸法における刺繍デザインに変換されることになるので、刺繍デザイン面積の推定値を用いてステッチ数の推定値を計算することができる。指定の物理的寸法は刺繍デザイン翻訳者(以下で説明する)に伝達され、結果として得られる刺繍デザインはそれらの正確な物理的寸法(例えば、3インチ×4インチ)を占めなければならない。
【0025】
原画像は背景及び前景成分を有することができる。背景は、実際に刺繍デザインに変換されることになる原画像の部分を典型的には取り囲む、原画像の部分である。刺繍デザイン翻訳者は、原画像のどの部分を刺繍デザインの部分(前景)にしようとするか、そしてどの部分をしないか(背景)を決定するための判断を行うことになる。これは、例えば無地白色の背景地の上に現れる漫画キャラクタなどのように、明白なことが多い。粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、画像処理技術を用いて、原画像のどの部分が前景であるかを自動的に判断することができる。これらの技術は、通常、原画像自体ではなく粗刺繍プレビューについて実行されるが、その理由は、粗刺繍プレビューはその色セットにおいてより限定されており、また前景と背景の区別を分析することがより容易な画像であるからである。前景及び背景成分を判断するための技術の一例は、原画像の境界の周りの画素をサンプリングしてこれらの画素の大多数の色を用いて背景色を決定し、次いで、粗刺繍プレビュー内の背景色と同色でないあらゆる画素が前景であると決定することである。しかし、より洗練された技術、例えば、画像の前景部分内にあるが、たまたま背景色と同じ色を有する領域を考慮に入れるシードフィルアルゴリズムなどを用いることも可能である。それゆえに、粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、前景画素を背景画素から分離するために本方法を使用することに限定されない。
【0026】
ひとたび粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントが、粗刺繍プレビュー内の前景画素を決定し、所望の刺繍デザインの正確な期待される物理的寸法を有すると、粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、全体の粗刺繍プレビューに対する所望の物理的寸法によって定められる解像度で粗刺繍プレビューの前景画素によって覆われる面積を算出することができ、この面積は、前景画素が正確に決定されると仮定した刺繍デザイン面積となる。
【0027】
次に粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、推定刺繍デザイン面積である入力を用いてステッチ数推定値を計算し、その出力がステッチ数推定値となる。ステッチ数推定値は、簡単な線形方程式値s=a*factor+baseとすることができ、ここで、「s」はステッチ数推定値であり、「a」は平方インチ単位の推定刺繍デザイン面積であり、「factor」は面積をステッチ数に関連させる倍数因子であり、そして「base」は、最小ステッチ数推定値である。実際に、この推定値は、結果として得られる刺繍デザインの実際のステッチ数と、採算の取れる刺繍変換プロセスがこのプロセスによって見積られる価格に基づくことができる程度に、かなり良く相関することが分かっている。
【0028】
さらに、ステッチ数を推定するために、純粋な前景面積に加えて他の因子が存在する可能性がある。例えば、ステッチは重なることがあるので、ステッチにより一回を越えて覆われる面積を推定することができる局部的な画像の複雑さの推定は、この推定値を複雑な画像に対して改善することになる。本発明者等は、粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントがこれら他の因子を用いてより正確な推定ステッチ数を与え、従って、刺繍デザイン変換プロセスの実際の費用からあまり異ならない粗刺繍プレビュー見積り(図3に一例を示す)を与え得ることを可能にする。
【0029】
プロキシ(132b)
図1Bに戻ると、顧客は、直ちに粗刺繍プレビューを受け入れるか、又は粗刺繍プレビューを受け入れる前に先ず色及びサイズ設定を調整して所望の画像細部を得ることが可能である。ひとたび粗刺繍プレビューが受け入れられると、これは変換済み刺繍デザイン(124)のプロキシになり、この状態において承認済み粗刺繍プレビューと呼ばれる。このプロキシは変換済み刺繍デザインが使用され得るあらゆる場合に用いることができる。本システムが生成した粗刺繍プレビュー見積りは変換済み刺繍デザインの価格になる。プロキシ(承認済み粗刺繍プレビュー)は顧客アートのコレクション(刺繍デザインライブラリと呼ばれる)(124)に保存され、刺繍テキスト及び刺繍デザインと組み合せて、対話形式で種々の刺繍可能製品の上に配置することができる。さらにプロキシはまた、刺繍可能製品デザインの状況において色及び向きについて編集することができる。
【0030】
刺繍デザインライブラリは刺繍デザインのコレクションであり、このデザインはアップロードされたものであってもよく、又はアップロードされた原画像から生成され、次いで刺繍デザイン変換プロセスにより刺繍デザインに変換されたものであってもよい。刺繍デザインライブラリ内部に包含された複数の刺繍デザインは、同じ原画像から、それぞれ異なる製作パラメータ、例えば、物理的サイズ、ステッチ数、向き、及び布基材など、によって変換されたものであってもよい。複数の刺繍デザインが同じ原画像から変換される場合、この関係はユーザーインタフェース内に表示することができる。刺繍デザインライブラリはまた、刺繍デザイン変換プロセスによる刺繍デザインへの変換を保留中の承認済み粗刺繍プレビューを含むこともできる。
【0031】
刺繍システムは複数の刺繍デザインライブラリ・インスタンスをサポートすることができ、その各々のインスタンスは刺繍デザインライブラリの所有者によって管理される。刺繍デザインライブラリ内に含まれる刺繍デザインは、刺繍可能製品デザインの作成プロセス中に、刺繍可能製品デザインツール内からアクセスし利用することができる。さらに、刺繍デザインライブラリからの刺繍デザインは、刺繍デザインマーケット内にリストすることにより、刺繍デザインライブラリの所有者以外の他者が使用できるようにすることができる。
【0032】
刺繍デザインライブラリの所有者は、刺繍デザインライブラリへの管理アクセス権を与えられた一人又はそれ以上の個人である。刺繍デザインライブラリ内の刺繍デザインの管理には、題名、タグ、説明、及び、刺繍デザインを説明するか又は刺繍システムの他のコンポーネント内でのそれらの使用の態様を管理する他のメタデータの指定及び修正を含めることができる。刺繍デザインライブラリの所有者は、刺繍デザインライブラリのコンテンツ、及び、それに含まれる個々の刺繍デザインを、以下で説明する刺繍デザインマーケット内で利用することができる条件を管理することができる。
【0033】
刺繍デザイン変換コンポーネント及びプロセス(125及び134)
刺繍システムは、熟練職人(刺繍デザイン変換ベンダ)との契約を組み込み、彼らを承認済み粗刺繍プレビュー内に含まれる指示を用いて原画像を刺繍デザインに変換することに従事させることになる。このプロセスは刺繍デザイン変換プロセスと呼ばれ、図1Dに示すようにデジトロンプロセスを含む。このコンポーネントは承認済み粗刺繍プレビューを入力として受け取り、出力の刺繍デザインを作成する。刺繍デザイン変換プロセスコンポーネントは、刺繍システムを外部サービスに接続してこの相互交換の側面を調整するように機能する。
【0034】
刺繍デザイン変換ベンダは、刺繍デザイン変換サービスの外部ベンダであり、これは、それらの承認済み粗刺繍プレビュー内で捕捉された色選定キュー及び他の指針を用いて承認済み粗刺繍プレビューを刺繍デザインへ変換するのに、熟練職人を雇用し独自の技術を使用することができるベンダである。
【0035】
刺繍デザイン変換プロセスコンポーネントの中心は刺繍デザイン変換ジョブマネージャであり、これは複数の刺繍デザイン変換ジョブの管理及び調整を容易にし、刺繍システムホストと複数の刺繍デザイン変換ベンダとの間の相互交換として機能する。従って、刺繍デザイン変換ジョブマネージャのユーザは刺繍システムホストと刺繍デザイン変換ベンダとを取り込むことになる。
【0036】
刺繍デザイン変換ジョブマネージャはデータストアへのアクセス権を有することになり、そのデータストアには複数の刺繍デザイン変換ジョブ及び複数の刺繍デザイン変換ベンダを記述するデータが常駐することになる。刺繍デザイン変換ジョブマネージャは管理ツールを実装して、刺繍システムホストが、刺繍デザイン変換ベンダが保持する口座を開設及び管理できるようにし、またそのベンダがプロセス内における彼らの関与の選好を設定できるようにすることができる。
【0037】
刺繍デザイン変換ジョブマネージャはジョブ管理ツールを実装して、刺繍システムホストが刺繍デザイン変換ジョブを審査してそれらを刺繍デザイン変換ベンダに割り当ることができるようにし、そのベンダが彼らに割り当てられたジョブのアセットを認めてチェックできるようにし、ベンダが完了したジョブのアセットを登録できるようにし、そして刺繍システムホストが完了したジョブのアセットを審査して承認できるようにする。
【0038】
刺繍デザイン変換ジョブマネージャは、例えば、一般健康診断書のような、システム内のジョブの状態を評価する報告書、並びにシステム内の非効率性を診断するのに役立ち、また刺繍デザイン変換ベンダを評価する助けとなる実績報告書を作成するためのシステムを実装することができる。この報告システムはまた、データストア内に含まれるデータを用いて、刺繍デザインに対する推定ステッチ数と、刺繍デザイン変換ベンダが刺繍デザイン変換ジョブに関する料金を策定するのに用いたステッチ数との間の相違などのことを検査して、刺繍デザイン変換ベンダにより提供された請求書に含まれる料金を確認することができる。
【0039】
刺繍デザイン変換ジョブマネージャはトリアージシステムを実装して、刺繍システムホストによる修正措置を必要とする問題、例えば、刺繍デザイン変換ベンダによって拒絶されたジョブ、及び、特に刺繍デザイン変換ベンダへの割り当てに失敗したジョブを含む問題の解決を容易にすることができる。
【0040】
刺繍デザイン変換プロセスコンポーネント内の典型的な流れは、以下のステップに関係して説明する。
1.1つ又はそれ以上の粗刺繍プレビューを含んだ刺繍可能製品デザインが注文されるか又は刺繍可能製品デザインのマーケットに対して公開される。
2.刺繍システムが、刺繍可能製品デザイン内に含まれる粗刺繍プレビューの各々に関して、保留状態の刺繍デザイン変換ジョブを刺繍デザイン変換ジョブマネージャに入力する。
3.保留刺繍デザイン変換ジョブはコンテンツ審査チームによって審査され、コンテンツが、刺繍システムホストの適切な使用指針、及びサービスを管理するサービス契約の関連条件によって課せられる制限に適合することを確認する。ジョブを刺繍デザイン変換ベンダに割り当てる前にジョブを審査することにより、ベンダがすでに彼らのサービスを提供した後で、ジョブが拒絶されたとした場合に被ることになる損失が避けられる。
4.コンテンツ審査に合格した後、保留の刺繍デザイン変換ジョブは、刺繍デザイン変換ジョブマネージャのオペレータの判断で、そして場合により、ベンダの能力、ベンダの負荷調整、特定のベンダの専門技術及び専門性、並びに、特に費用競争力因子を考慮に入れた経験則を指針として、適切な刺繍デザイン変換ベンダに割り当てられる。
5.刺繍デザイン変換ベンダは、刺繍デザイン変換ジョブマネージャから、彼らに新規のジョブが割り当てられたことの通知を受けることができる。
6.刺繍デザイン変換ジョブマネージャのユーザーインタフェースを通じて、刺繍デザイン変換ベンダは彼らに割り当てられたジョブを受諾することができ、そして彼らがジョブを完了するのに必要な粗刺繍プレビューをチェックすることができ、又はジョブを断ることができ、その場合ジョブは可能な再割当又は他の修正措置のためにトリアージシステムに入力される。
7.刺繍デザイン変換ベンダにより受諾されたジョブが完了すると、ベンダは刺繍デザイン変換ジョブマネージャのユーザーインタフェースを通じて、変換済み刺繍デザインを登録し、ジョブに関する状態を更新することができる。
8.刺繍デザイン変換ジョブマネージャのオペレータは、完了ジョブの通知を受けてプロセスを一般的にモニタすることができ、又は、流れを継続する前にジョブを明白に承認することを求められる可能性があり、拒絶された完了ジョブはトリアージシステムに入力される。
9.刺繍システムは刺繍可能製品デザインクリエータに通知して刺繍デザイン変換プロセスの結果を承認又は拒絶する機会を与え、拒絶されたジョブはトリアージシステムに入力される。
10.刺繍デザイン変換ベンダにより生成された刺繍デザインが承認されると、その刺繍デザインは、将来の使用のために刺繍デザインライブラリに入れられ、刺繍可能製品デザイン内のあらゆる原画像参照は、それら原画像から変換された刺繍デザインへの参照で置き換えられる。
11.変換済み刺繍デザインを参照するように刺繍可能製品デザインを更新すると、その刺繍可能製品デザインは、刺繍可能製品デザインライブラリに入れることができ、又は、刺繍デザイン変換フローがどのように開始したかに応じて、製作フローにサブミットすることができる。
【0041】
図1Bに戻ると、ひとたび変換プロセスが完了して刺繍デザインが作成されると、刺繍システムは承認済み粗刺繍プレビューを刺繍デザインで置き換えて、この進展を顧客に通知する。この通知は製作中の刺繍デザインの対話型シミュレーションを含む。
【0042】
刺繍シミュレーション/対話型ステッチプレーヤ(130e)
シミュレーションは刺繍シミュレーションと呼ばれ、これは職人によって配置された刺繍テクスチャ及び色を用いて変換済み刺繍デザインを示す。シミュレーションはまた、刺繍機械の公差をエミュレートする。刺繍シミュレーションは、ムービーによく似た動画表現であり、刺繍可能製品デザイン内に含まれる刺繍デザイン、刺繍テキスト、又は他の刺繍領域デザインの中に内在するステッチ指示を刺繍機械がどのように実行し得るかをユーザに見せる。
【0043】
刺繍シミュレーションは、ステッチ配置のバリエーション、糸の応答(捩じれることなど)、及び種々の設定可能な照明条件下で光がステッチと相互作用し得る様式を含む、具体化された刺繍可能製品デザインの特徴をシミュレートすることができる。刺繍シミュレーションはまた、刺繍がその上にステッチされる布基材を、粗く織られた布のうね又はナッピングなどの特質を含めて、写実的に描くことができる。
【0044】
図7は、対話型ステッチプレーヤのユーザーインタフェースの一例を示す。刺繍シミュレーションは、具体化された刺繍可能製品デザインのプロキシとして機能し、ユーザが、ある刺繍デザイン(原画像から刺繍デザイン変換プロセスにより導き出された)を用いた刺繍可能製品デザインの購入を契約する前に、その刺繍デザインをそれによって審査することができる実物様のシミュレーションを提供する。刺繍シミュレーションはまた、刺繍可能製品デザインの価値、品質、及び精緻さを宣伝し強調して、その製品への顧客の信頼を高め、そして消費者に、購入前に刺繍可能製品デザインをより詳細に審査する手段を提供するための伝達手段として機能することができる。
【0045】
一実施において、刺繍シミュレーションコンポーネントは、デザインが布の上にステッチされる過程を、以下の計量を用いてシミュレートする。
1.ステッチの配置における刺繍機械の許容誤差。
a.再現性。
b.ステッチ配置における誤差分布。
2.糸の物理的外観。
a.糸の太さ。
b.糸内部における色の内部反射率。
c.糸表面の透明度の鏡面反射に対する影響。
d.糸内部の繊維の数。
e.各繊維内の小繊維の軟化効果。
f.ステッチの遷移ねじれ頻度分布
3.ステッチの順序。
【0046】
一実施において、前記のコンポーネントは以下のプロセスを実行して、刺繍デザインが製品基材上にどのようにステッチされるかのシミュレーションを与える。
1.初期化。
a.標準マップをレンダリングする。
i.ステッチ長さの分布。
ii.ステッチ繊維のねじれの分布。
b.ZTRファイルをロードする。
i.ファイル内の各原子に対して、
1.暗号化の型を決定する。
2.暗号化の型を有する糸色をロードする。
3.暗号化の型を有するステッチオペコードをロードする。
c.画像参照をロードする。
i.背景画像。
ii.プロキシとしての粗刺繍画像。
2.実行。
a.ステッチをレンダリングする。
i.ステッチの標準マップを以下の分布に基づいて選択する。
1.長さの分布。
2.ねじれの分布。
ii.基材上のステッチ標準マップを以下のステップを用いてレンダリングする。
1.糸色のフィルターを通した周囲光を標準マップに当てる。
2.内部反射機能を利用して拡散光を標準マップに当てる。
3.表面透明性機能を利用して反射光を標準マップに当てる。
iii.ステッチ速度によってステッチの速さを制御する。
3.ユーザの動作に応答する。
a.以下のユーザ表示を更新する。
i.進捗度。
ii.ステッチ時間。
iii.進行状態。
b.以下のユーザの動作に応答する。
i.ステッチ速度の変更。
ii.進行状態の変更(一時停止又は進行)。
iii.シミュレーションを停止又は終了。
【0047】
刺繍製品デザインツール/コンポーネント(131)
図1Bに戻ると、顧客は刺繍デザインが期待に沿っていない場合にはそれを拒絶することができる。刺繍デザインが拒絶された場合、それは顧客の刺繍デザインライブラリから除去される。次に刺繍システムはこの一連のステップから抜け出る。
【0048】
刺繍可能製品デザインツールは、ユーザが複数の種類の刺繍可能製品に関する特別注文の刺繍可能製品デザインを作成できるようにする対話型インタフェースである。このツールはサポートされた種々の種類のコンテンツを、編集中の刺繍可能製品デザインに加えるための機構を提供する。例えば、ユーザは、彼らのコンピュータ装置から刺繍システムにアップロードされた、又は刺繍システムによりホストされるアセットライブラリからメディアブラウザによってアクセスされた、原画像又は刺繍デザインを加えることができる。刺繍デザイン変換プロセスによる刺繍デザインへの変換を待っている粗刺繍プレビュー又は承認済み粗刺繍プレビューもまたこの方法で加えることができる。
【0049】
新規の原画像を刺繍可能製品デザインに加えると、ユーザーインタフェース内の機構は、ユーザに対して、図2に示すように原画像を刺繍可能製品上の刺繍として作成できるようにするのに行うことが必要となる変換について促し通知することができる。刺繍デザイン変換プロセスの公差のために、刺繍可能領域上に配置された原画像は、そうしなければ印刷プロセスに対して許容されるよりも大きく拡大縮小できるようにすることができる。
【0050】
刺繍可能製品デザインツールはまた、図4A及び図4Bに示すように、ユーザが刺繍テキストを刺繍可能製品デザインに加えることができるようにするユーザーインタフェースを有する。そのように加えられる刺繍テキストに対しては、テキストの性質、例えば、その単語又は文字、色、フォント、サイズ、パス、及び刺繍システムによりサポートされる刺繍テキストの他の性質、などの編集を可能にするユーザーインタフェース要素が準備される。
【0051】
刺繍可能製品デザインツールはまた、ユーザが、刺繍可能製品デザイン内に含まれる刺繍デザインオブジェクト及び刺繍テキストオブジェクトに関する配置、方向、色、及び刺繍システムがサポートする他の性質を編集できるようにする種々のユーザーインタフェースを提供することができる。編集機能は、ユーザが1つ又はそれ以上のオブジェクトの選択に関する動作を実行できるように準備され、その動作には、例えば、コピー、カット、貼付け、削除などの基本編集動作、及び、例えば、位置調整、位置合せ、スケール調整などのより進んだレイアウト機能が含まれる。図4Cは、製品の特定の位置にデザインを配置するための製品デザインツールのユーザーインタフェースを示す。
【0052】
刺繍可能製品デザインツール(例えば、図5A及び図5Bに示す)はまた、新たに加えられた刺繍テキストに対して刺繍領域色パレット内に既に存在する色を選択すること、並びに刺繍可能領域デザイン内の刺繍テキストに既に使用されている色を編集することを可能にする、刺繍テキストの色選定の管理のためのユーザーインタフェースを提供する。ユーザは、色選定に対して、ダイナミック刺繍領域色パレットによって課せられる可能性のある制限に対して、ある場合には色の利用可能性が変わるときの不一致をユーザがどのように解決したいかについてユーザに対する指示に、応じなければならない。
【0053】
より詳しく言えば、刺繍領域色パレット(ソフトウェア内に色パレットモジュールとして実装することができる)は単一の刺繍領域デザインの状況において用いることができる色の集合であり、刺繍領域デザイン内の刺繍デザイン及び刺繍テキストには、刺繍領域色パレット内に含まれる色を使用するように制限される。刺繍領域色パレットは、刺繍領域デザイン内に含まれる刺繍デザインから導かれ、刺繍可能製品デザインツールのユーザーインタフェース内でユーザが変更できない固定色と、ユーザが変えることができ、刺繍領域デザイン内の刺繍テキストに適用することができる顧客指定色とに分けることができる。刺繍領域色パレットは、ユーザが刺繍デザインにより用いられている色を、ユーザがより気に入った色、又は刺繍領域デザイン内の他の刺繍デザイン又は刺繍テキストの色とよりよく適合するか又は引き立たせる色に再配置できる機構を提供することができる。
【0054】
刺繍可能製品デザインツールはまた、ユーザの刺繍可能製品デザインが意図する刺繍可能製品の種類に関する製品選択肢をユーザが設定できるようにする刺繍可能製品選択肢コンフィギュレータを含むことができ、その選択肢には、特に、スタイル、色及びサイズが含まれる。そのように選ばれた製品選択肢は、ユーザーインタフェース並びに刺繍可能製品デザインの可視化に反映される価格に影響を及ぼす可能性がある。ユーザが設定した製品選択肢は、刺繍可能製品デザインのインスタンスがどのように作成されるかを決定することになり、また、以下でより詳しく説明するように、公開された刺繍可能製品デザインが刺繍可能製品デザインマーケットでどのように表現されるかを決定する可能性がある。
【0055】
刺繍可能製品デザインツールはまた、刺繍可能製品デザインを可視化するためのツールを提供する。刺繍可能製品デザインの編集のどの段階においても、ユーザは刺繍可能製品の実物そっくりの表現(その図はモデルショット図と呼ばれる)で可視化されるデザインを検査することができ、或は、ユーザは、彼らの刺繍可能製品デザイン内に含まれる刺繍可能領域デザイン(その図はデザイン図と呼ばれる)のうちの1つのフラット表現を検査することができる。モデルショット図に関して、刺繍可能製品の所望の図の選択は、モデルショット図セレクタによって行われる。刺繍可能領域デザイン図に関しては、所望の刺繍可能領域デザインの選択は刺繍可能領域デザイン図セレクタによって行われる。
【0056】
刺繍可能製品デザインの編集中のどの段階においても、製作された刺繍可能製品デザインのインスタンスの購入価格は、ユーザーインタフェース内に示すことができ、その価格は、例えば、製作費用、刺繍デザイン変換プロセスにより必要となり得るあらゆる変換の費用、及び、刺繍可能製品に対して設定された、特にスタイル及び色のような製品選択肢の費用などの要素から構成することができる。
【0057】
刺繍可能製品デザインツールはまた、刺繍可能製品デザインツール内で用いられて、刺繍可能製品デザインについて、そのデザインが刺繍システムによって課せられた特定の制限を破る場合には、公開又は注文を妨げるための刺繍可能製品デザインバリデータを含むことができる。そのような制限の例には、特に、重なる刺繍テキスト又は刺繍デザイン、及び刺繍可能領域外にある刺繍テキスト又は刺繍デザインが含まれる。刺繍可能製品デザインツールが、制限を破って検証に失敗する状態になったときはいつでも、ユーザーインタフェースの要素が違反の性質についてユーザに警告し通知することができ、その結果許されない動作はユーザーインタフェース内で無効にすることができる。さらに、刺繍可能製品デザインバリデータの対話要素は、ユーザーインタフェース内で先制的に動作を制限して刺繍可能製品デザインが検証に失敗することになる状態を防ぐことができ、その一例は刺繍可能領域内のオブジェクトの移動に課せられた制限が、オブジェクトが刺繍可能領域外に出ることを防ぐことである。
【0058】
刺繍可能製品デザインツールはまた、近接した刺繍可能領域の間に存在し得る排他的関係を管理する管理システムを含むことができる。このシステムは刺繍可能領域排他性マネージャと呼ばれる。このシステムは、可能な刺繍可能領域の上位集合内において他の刺繍可能領域と互いに排他的であり得る、特定の刺繍可能領域の既存の使用によって決定される使用可能な刺繍可能領域に対する制限に応じて、ユーザーインタフェース要素の適切な有効化及び無効化を決定することを担当する。このシステムはまた、刺繍可能製品に関する設定可能選択肢内で変更が生じ、刺繍可能領域デザインが意図されたものが、もはや可能な刺繍可能領域の上位集合内には得られない刺繍可能領域をレンダリングすることになる場合に、刺繍可能領域デザインを刺繍可能製品デザインから場合によっては除去することを担当する。
【0059】
刺繍可能製品デザインツール内で作成された刺繍可能製品デザインは、刺繍可能製品デザインライブラリに保存することができ、そこから後に、完成、公開、又は注文のためにアクセスすることができる。認可システムは、ユーザが、刺繍可能製品デザインライブラリ内の刺繍可能製品デザインを、広く一般の人々に見えるようにするか、又はそれらの刺繍可能製品デザインを見ることを許可された選ばれたグループにだけ見えるようにするか、又は、刺繍可能製品デザインライブラリの所有者にだけ見えるようにすることを可能にする。
【0060】
刺繍可能製品デザインツール内で作成された刺繍可能製品デザインは、ユーザが刺繍製品デザイン内に含まれるコンテンツに対する適切な公開権を有することを条件として、刺繍可能製品デザインマーケットに公開することができる。公開が許可されない場合には、ユーザーインタフェースの適切な要素を無効にすることができ、さもなければユーザは公開するように促される可能性がある。
【0061】
刺繍可能製品デザインツール内で作成された刺繍可能製品デザインは、注文することができる。注文により、刺繍可能製品デザインの、カスタマイズされ構成されたインスタンスがフロー内に入力され、このフローは支払金を徴収するステップを含み、またこのフローは最終的にそれが刺繍機械により製作され、所定の受取人に輸送されることで終わる。
【0062】
粗刺繍プレビューを含む刺繍可能製品デザインの公開又は注文により、その粗刺繍プレビューは承認済み刺繍プレビューとなり、刺繍デザイン変換プロセスに入力されて刺繍デザインに変換される。支払いは刺繍デザイン変換プロセスを起動する前に収集することができるが、公開又は注文を完了する前に、刺繍デザイン変換プロセスから得られた刺繍デザインをユーザが承認するか又は拒絶することを可能にする審査ステップを設けることができる。
【0063】
製作コンポーネント(136)
次に、前述のステップによって作成された刺繍デザイン(又は任意の既存の若しくは承認済み刺繍デザイン)を用いる刺繍可能製品のデザイン(刺繍可能製品デザインと呼ぶ)を製作することができる(128)。製作された刺繍可能製品は次いで顧客に向けて出荷される。
【0064】
刺繍製作シートが、首尾よくデジタル化された全ての新規の刺繍注文に対して自動的に印刷される。刺繍製作シートは製作プロセスを開始する信号であり、作業者を効率的な方法に沿って誘導する情報を含む。注文は複数の刺繍製品(即ち、1つのハット、1つのバッグ及び3つのシャツ)を含むことができる。さらに、各々の製品は、各々の領域がユーザによって作成された刺繍デザインと刺繍テキストの組合せである複数の印刷領域を含むことができる。刺繍製作シートは、注文された全ての製品に対して印刷され、各々の印刷領域に対する欄を含み、各々の印刷領域の欄はさらにバーコードを含む。このバーコードは刺繍コマンドファイル生成ソフトウェアによって読み取られ、このソフトウェアがそのプリント領域の複合デザインを刺繍機械用の単一コマンドファイルに変換する。
【0065】
製品の種類及び注文によってグループ分けされたバッチ製作シートが、定期的に印刷される。その周期はシフトマネージャによって定められる。製作シートは、印刷領域及び糸色によってさらにグループ分けされて作業者に渡され、各々の作業者は、特定の製品の種類、領域及び糸色の組合せを印刷するために最適化された一組の刺繍機械を担当する。各々の製作シートは以下の欄を含む。
出荷宛先及び方法、並びに出荷ソフトウェアによって読み取られ出荷ラベルに印刷されるバーコードなどの注文情報を含む、注文欄。
品目の個数及びSKU(スタイル、色、サイズ)などの製品情報を含む製品欄。さらに、正しいSKUが確実に在庫リストから迅速に選択されるように、SKUを装ったモデルの画像が存在する。この欄はまた、出荷前に顧客の注文の迅速な照合を可能にするために、同じ注文内の他の製品に対する参照を含む。
領域名(即ち、左袖、右袖)及び一意的なバーコードで始まる各々の独立した印刷領域に関する情報を含む印刷領域欄。領域名は常に特定の順序でリストされ、作業者が製作シートを迅速に仕分けられるようにする。この欄はまた、印刷領域に関する重要なステッチの詳細を含む。
デザインの寸法。
デザイン内のステッチの総数。
デザインをステッチするのに必要な糸の総数。
各々の糸の色の、縫う順序によって順序付けられた実際の糸番号への視覚マッピング。やはりこの情報も、作業者が製作シートを迅速に調べて糸色及び順序によってさらにグループ分けできるようにする。さらに、これは作業者が与えられたジョブのための正しい糸を迅速に刺繍機械に装着できるようにする。
【0066】
刺繍コマンドファイル生成ソフトウェアは、印刷領域を一意的に識別するバーコードを読み取り、その領域をステッチするためのコマンドファイルを生成し、そのファイルを刺繍機械にスプールする。このソフトウェアは、指定の印刷領域と縫う順序との組合せに関するコマンドファイルを指定の刺繍機械に送って、各ステッチジョブに対するセットアップ時間の全体を削減するように設定することができる。
【0067】
付属のバーコードスキャナを用いて、ソフトウェアは印刷領域を一意的に識別するバーコードを読み取る。複数の領域を同時にスキャンすることができる。
このソフトウェアは、複数の刺繍デザイン及び刺繍テキストをコンパイルして印刷領域を表す単一のコマンドファイルにし、このコマンドファイルは、設定によって定められた刺繍機械に送られる。
印刷領域のプレビューが、オペレータの間違えを最小にするために作業者に送られる。
ジョブが完了すると、更新データがバックエンドサーバに送られ、顧客は彼らの注文の状況を実時間で知ることができる。
【0068】
反映プロセス/コンポーネント(138)
次に反映プロセス(129)が刺繍可能製品作成フローから計量を収集し、刺繍システムを洗練するのに用いる。より詳細には、刺繍反映コンポーネントは、作成及びデザイン変換から刺繍デザインユニットへのフィードバックループを与える。刺繍反映コンポーネントは作成及び変換情報を収集し、それをまとめ、使用可能形態で刺繍システムの他のコンポーネントに供給する。
【0069】
一実施において、各コンポーネントに供給される情報の種類のリストには以下のものを含めることができる。
1.粗刺繍プレビューコンポーネント。
a.糸色の制限。
i.使用計量に基づく最適の糸ライブラリ色。
ii.使用計量に基づくデザイン用の最適色の使用及び総数。
iii.糸色特性。
1.統合糸色。
iv.テストに基づく色領域解像度。
b.作成プロセス解像度。
i.テストアセットに基づく刺繍デザイン解像度の測定値。
c.使用に基づくステッチ密度計量。
d.使用に基づくステッチ被覆率。
2.粗刺繍プレビュー見積りコンポーネント。
a.刺繍デザイン変換プロセス費用。
i.画像領域計量に関する。
ii.画像精緻さ計量に関する。
b.刺繍作成費用。
i.糸変更費用。
ii.オペレータ費用。
iii.品物の費用。
3.刺繍可能製品デザインツール・コンポーネント。
a.モデルショット。
i.製品デザイン領域の配置。
1.参照デザインの配置。
2.参照製品の作成。
ii.デザイン領域設定マッピング。
1.自動排他デザイン領域セットの説明。
iii.色マッピング曲線。
1.参照SKU見本からの収集。
4.刺繍デザイン変換プロセスコンポーネント。
a.原画像及び粗刺繍プレビュー計量を収集する。
b.刺繍デザイン変換費用を収集する。
5.刺繍シミュレーションコンポーネント。
a.糸色。
i.糸のテストに基づく周囲照明機能曲線。
ii.糸のテストに基づく拡散照明機能曲線。
iii.糸のテストに基づく鏡面反射照明機能曲線。
iv.テストによって決定された糸繊維のねじれ頻度分布。
b.刺繍機械特性。
i.色限界。
ii.ステッチ配置の解像度及び再現性。
iii.ステッチ配置誤差の分布。
6.刺繍製作コンポーネント。
a.製作のための参照製品の指定。
b.製作費用の収集。
i.糸変更費用。
ii.オペレータ費用。
iii.品物の費用。
【0070】
刺繍システム(図1Bに示した方法を実施する)は、顧客のための余分な仕事を作る可能性のある、又は顧客を不必要に長時間待たせる可能性のある、システムのコンポーネントを自動化することができ、それらコンポーネントには、粗刺繍プレビューの対話型表示と、粗刺繍プレビューから通知された原画像の刺繍デザインへの変換に関する見積り(粗刺繍プレビュー見積り)を結合することと、編集のための刺繍デザインプロキシ(粗刺繍プレビュー)の作成及び管理と、刺繍可能製品上の粗刺繍プレビュー、刺繍デザイン及び刺繍テキストの対話型編集、配置及び検査(刺繍可能製品デザインツール及びモデルショット)と、刺繍デザインを作成する熟練職人の契約管理(刺繍デザイン変換プロセス)と、可視シミュレーションを用いた変換済み刺繍デザインの顧客審査(刺繍シミュレーション)と、特注刺繍可能製品デザインの製作(製作)と、システムを洗練するのに用いるデータを収集することと、を含めることができる。
【0071】
刺繍製品デザインマーケット及び刺繍デザインマーケット
刺繍システムはまた、刺繍デザインマーケットを含むことができ、このマーケットは、一般のユーザが刺繍可能製品デザインを作成するプロセス中に刺繍可能製品デザインツール内で利用できる刺繍デザインの集合である。このマーケットは、刺繍デザインの表示を可能にする1つ又はそれ以上のユニット(刺繍デザインを、ウェブページ内に既知の方法で表示する表示ユニット)を含むことができ、これによってユーザは刺繍デザインを購入することができ(電子商取引エンジン)、また購入された刺繍デザインの所有者は使用料を受け取ることができる(同様に電子商取引の一部分)。一実施において、マーケットは、マーケットを実施するためのソフトウェアコードを実行する1つ又はそれ以上のサーバコンピュータとすることができる。図6A−図6Cは、デザイン又は製品を刺繍システムの一部分である刺繍マーケットに掲載するためのユーザーインタフェースの一例を示す。刺繍デザインマーケットのコンテンツには、複数の刺繍デザインライブラリからの刺繍デザインであって、刺繍デザインライブラリの所有者の判断でリストに載せられた刺繍デザインと、刺繍システムを主催する事業体によって刺繍デザインマーケットに事前に並べられた刺繍デザインとを含めることができる。刺繍デザインライブラリの所有者によって刺繍デザインマーケットに掲載された刺繍デザインを一般のユーザが利用することにより、使用料又は他の報酬が刺繍デザインライブラリの所有者のものとなるようにすることができる。刺繍デザインの売り主は、購入価格の一定の割合又は均一料金などの使用料を受け取ることができる。
【0072】
刺繍システムはまた、一般のユーザが、購入し、随意に刺繍可能製品デザインツール内でカスタマイズするために利用できるようにした刺繍製品デザインの集合である刺繍製品デザインマーケットを含むことができる。刺繍製品デザインマーケットは、刺繍デザインマーケットとは、以下の点、即ち、刺繍製品デザインマーケットは刺繍機械によって製作する準備ができた刺繍製品デザインから成るのに対して、刺繍デザインマーケットは、刺繍可能製品デザインツール内で刺繍製品デザインを作成する際に用いることができる刺繍デザインから成る点で異なる。刺繍製品デザインの売り主は、購入価格の一定の割合又は均一料金などの使用料を受け取ることができる。
【0073】
刺繍製品デザインマーケットのコンテンツには、複数の刺繍製品デザインライブラリからの刺繍製品デザインであって、刺繍製品デザインライブラリの所有者の判断でリストに載せられた刺繍製品デザインと、刺繍システムを主催する事業体によって刺繍製品デザインマーケットに事前に並べられた刺繍製品デザインとを含めることができる。刺繍製品デザインライブラリの所有者によって刺繍製品デザインマーケットに掲載された刺繍製品デザインを一般のユーザが購入することにより、使用料又は他の報酬が刺繍製品デザインライブラリの所有者のものとなるようにすることができる。
【0074】
刺繍製品デザインマーケットにおいて、売り主は、売り主の刺繍デザインと、買主が刺繍製品デザインマーケットを利用して彼ら自身の特注のテキスト又は画像を挿入するための1つ又はそれ以上のプレースホルダとを含んだテンプレートである製品を公開することができる。買主は彼/彼女の特注のテキスト/画像を加えて製品を購入することができ、その際売り主は同様に購入価格の一定の割合又は均一料金などの使用料を受け取る。
【0075】
前述のことは、本発明の特定の実施形態に関するものであるが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって範囲が定められる本発明の原理及び趣旨から逸脱せずに、この実施形態に変更を加えることができることを認識するであろう。
【符号の説明】
【0076】
100:刺繍システム
102、102a、102b、102n:コンピュータ装置
104:リンク
106:刺繍ユニット
107:サーバ
108:ストア
109:刺繍カスタマイザ
110:電子商取引エンジン
120:刺繍方法
125:刺繍デザイン変換プロセス
130:刺繍デザインユニット
130a:ユニット
130b:粗刺繍プレビュージェネレータ
130c:粗刺繍見積りコンポーネント
130d:承認済み粗刺繍プレビューユニット
130e:刺繍シミュレーションユニット(対話型ステッチプレーヤ)
131:刺繍製品デザインツール
132:永続的刺繍デザインライブラリ
132a:ユーザ刺繍デザインライブラリ
132b:粗刺繍プレビューデザイン・プロキシライブラリ
132c:刺繍デザインライブラリ
133:永続的製品ストア
134:刺繍デザイン変換コンポーネント
134a:デジトロンコンポーネント
134b:刺繍デザイン変換ベンダ
134c:刺繍製品サービス
136:刺繍製作コンポーネント
136a:刺繍待ち行列
136b:刺繍作業命令ユニット
136c:刺繍製作ユニット
136d:刺繍出荷ユニット
138:反映コンポーネント
【技術分野】
【0001】
本発明のシステムは、製品の上に特別注文の刺繍を作成するためのシステム及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
布地の上に特注デザインの刺繍画像を作成することは、依然として科学というよりも美術である。その主な理由は、供給される特注デザインの意味論及び意図を自動化された方法で検出することが困難な場合があることである。さらに、画像を有色糸のステッチに変換する作業には、プロセスの重要な部分での解釈及び美術的な判断が必要となる。最良品質の刺繍デザインは熟練した職人によって作られる。これらのデザインは、最初の原美術品の意図を保持し、製造プロセス中をなめらかに流れ、糸切れ、色変化、及び機械摩耗が少ない。
【0003】
デジタル画像から刺繍を自動的に作成するための部分的な解決策を与える多くの市販のシステムが存在する。典型的にはこれらのシステムはラスタ画像から出発して以下のステップを実行する。
1.周知の方法によりラスタ画像をベクトル画像に変換する。
2.ベクトル画像の各領域にステッチパターン及び色を付ける。
3.保管されたデータを用いて基材用のステッチを決定する。
4.ステッチの接続を最少にするようにステッチの順序を決定する。
5.刺繍ソフトウェアが編集することができる命令を含んだファイルを出力する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、自動的に生成されたデザインを固定又は最適化するためには編集が必要である。従って、消費者がユーザ・コンテンツを供給して製品の上に特注の刺繍を作成できるようにするシステム及び方法を提供することが望ましく、この目的に対して本システム及び方法が向けられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】刺繍システムの一実施形態の一例を示す。
【図1B】自動的刺繍の方法の一実施を示す。
【図1C】刺繍システムの一例を示す。
【図1D】刺繍システムの一部分であるデジトロンプロセスのさらに細部を示す。
【図2】原画像のデジタル化を説明するユーザーインタフェースの一例を示す。
【図3】デジタル化の価格を含むユーザーインタフェースの一例を示す。
【図4A】刺繍テキストのためのユーザーインタフェースの一例を示す。
【図4B】刺繍テキストのためのユーザーインタフェースの一例を示す。
【図4C】製品上の特定の位置にデザインを配置するための、製品デザインツールのユーザーインタフェースを示す。
【図5A】色パレットを含む製品デザインツールを示す。
【図5B】色パレットを含む製品デザインツールを示す。
【図6A】刺繍システムの一部分である、刺繍マーケット内にデザイン又は製品を掲載するためのユーザーインタフェースの一例を示す。
【図6B】刺繍システムの部分である、刺繍マーケット内においてデザイン又は製品を掲載するためのユーザーインタフェースの一例を示す。
【図6C】刺繍システムの部分である、刺繍マーケット内においてデザイン又は製品を掲載するためのユーザーインタフェースの一例を示す。
【図7】ステッチプレーヤのユーザーインタフェースの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本システム及び方法は、以下に説明するコンピュータ上のソフトウェア内で実施される特注刺繍システム及び方法を用いて製品を作成するための、ウェブベースのクライアント/サーバ・アーキテクチャシステムに特に適用することができ、この文脈において本システム及び方法を説明することになる。しかし、本システム及び方法は、消費者/ユーザが特注の刺繍を配置できることが望ましい任意の製品をカスタマイズするのに用いることができることを認識されたい。さらに本システム及び方法は、ソフトウェア(図示した実施において示される)、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組合せによって実施することができ、そしてまたクライアント/サーバシステム(図示した実施において示される)、ウェブサーバ、端末、及びピアツーピアシステムなどの上で実施することができ、それゆえに、本システム及び方法は、システム及び方法の特定の実施には限定されない。
【0007】
図1Aは、刺繍システム100の実施の一例を示す。このシステムは、1つ又はそれ以上の顧客コンピュータ装置102、例えば、102a、102b、...、102nを含むことができ、ここで各々のコンピュータ装置は、少なくとも1つの処理ユニット、メモリ、ある永続性メモリ、他の何らかのメモリ、表示装置及び入力/出力装置を有し、各々はパーソナルコンピュータ、携帯機器、携帯電話機器、無線電子メール機器、及び、消費者が、消費者のコンピュータ装置と対話すること、及び、消費者のコンピュータ装置により実行される例えば周知のブラウザアプリケーションのようなアプリケーションを通してシステムと対話することを可能にする、トレオ(Treo)又はブラックベリー(Blackberry)のような集中型機器などとすることができる。各々の消費者コンピュータ装置はリンク104上で刺繍ユニット106と接続を確立して通常の保護又は無保護プロトコルを用いて通信することができる。リンク104は、コンピュータネットワーク、携帯電話ネットワーク、及び有線又は無線リンクなどを用いて実施することができる。一実施形態において、リンクはインターネットである。刺繍ユニット106は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組合せで実施することができる。一実施形態において刺繍ユニット106は、以下に説明するように刺繍ユニット106の機能及び動作を遂行するための複数行のコンピュータコードを実行させる1つ又はそれ以上のサーバコンピュータとすることができる。
【0008】
例証的な一実施形態において、刺繍ユニット106は少なくとも1つのウェブサーバ107(ハードウェア又はソフトウェア又はそれら2つの組合せにおいて実施される)をさらに備えることができ、これは各々の消費者コンピュータ装置との接続を確立し、各々の消費者コンピュータ装置から要求を受信し、各々の消費者コンピュータ装置に対して、データ及び情報(例えば1つ又はそれ以上のウェブページを用いることなどにより)及び消費者コンピュータ装置に関する情報の要求を送信し、ここで消費者コンピュータ装置は、既知の保護又は無保護プロトコル及び通常のブラウザアプリケーションを用いて、ウェブページと対話する。少なくとも1つのウェブサーバは、例えば、消費者が利用可能なデザインを閲覧し、次いでデジタル化デザイン(以下でより詳しく説明する)を用いて、ユーザ・コンテンツとすることもできる刺繍を特定の製品の上に配置することができるウェブページを提供することができる。刺繍ユニットはストア108をさらに含むことができ、これは例えばデータベースであり、ウェブページ用の製品情報及び画像、ユーザのためのステッチファイル、ユーザ供給デザインのためのプロキシビットマップ、システムの各ユーザに関するユーザ情報、各ユーザに関する電子商取引関連情報などを含んだ、刺繍ユニットのための関連情報を包含し保管する。刺繍ユニットは、刺繍カスタマイザ109をさらに備えることができ、このカスタマイザは複数行のコンピュータコードとして実施することができ、ここで複数行のコンピュータコードは、消費者がデザインをサブミットし、デザインのデジタル化(以下でより詳しく説明する)を要求し、デジタル化の前にデザインのプロキシを審査し、ステッチファイルの個人用ライブラリにアクセスし、デザインを刺繍マーケットにサブミットし、以下により詳しく説明するように刺繍を有する製品を要求することを可能にする刺繍ユニットを実現するためのサーバコンピュータの処理装置によって実行される。刺繍ユニット106は、周知の電子商取引エンジン110をさらにそなえることができ、このエンジンは、ひとたび消費者が刺繍デザインを仕上げるか又は刺繍デザインを選択したら、消費者が特定の刺繍デザインを有する製品をカスタマイズし、次いで特注製品を購入できるようにする。一実施において刺繍システムはまた、例えば、www.zazzle.comのような、より大きなウェブサイト/システムの一部分とすることができる。本システム(刺繍システムと呼ぶ)は、顧客がデザインをサブミットして高品質の刺繍製品を購入するために行われる必要がある一式の社会的取引(刺繍製品作成フローと呼ぶ)の表示に基づいた異なる自動化手法を採用する。
【0009】
図1Bは、刺繍システムの一部分である刺繍カスタマイザ109を用いた刺繍方法120の実施を示す。図1Bに示すプロセスは、一実施形態において、1つ又はそれ以上のサーバコンピュータによって実行される複数行のコンピュータコード(1つ又はそれ以上のソフトウェアモジュール/ルーチンに含まれる)として実施することができる。以下に説明する各々のプロセスは、従って、以下で説明する機能又は動作を実行するモジュール又はユニットとして実施することができる。以下で説明する種々のプロセスはまたハードウェアで実施することもできる。本プロセスは、ユーザ/顧客が、図1Aに示すような1つ又はそれ以上の消費者コンピュータ装置102のうちの1つからデザイン(122)を、同じく図1Aに示す刺繍ユニット106にアップロードするときに開始する。このデザインは、以下で説明するように、その出力として刺繍デザインを生成する刺繍デザイン変換プロセス125に供給される原画像として理解することができる。原画像は種々の形式、例えばラスタ化形式又はベクトル形式などを有することができる。ひとたび原画像がアップロードされると、消費者は粗刺繍プレビューとして理解される刺繍デザインの画像の概略を閲覧することができ(刺繍変換プロセスが完了するまで)、これを、一実施形態において刺繍ユニット106上で実行される複数行のコンピュータコードとして実施される刺繍プレビューコンポーネントを用いて、承認する(122)。
【0010】
図1Cは、刺繍カスタマイザ109のさらに詳しい細部を示す。刺繍カスタマイザ109は、UI部分102aを用いたユーザのコンピュータ装置102から入力を受け取り、それにデータ/情報を送ることができ、このUI部分102aにより、ユーザは、デザインをサブミットし、画像の色を調整し又は画像の形状を調整し、対話形式でプロキシデザインを審査して承認し、対話形式でデザインを審査して承認し、製品の種類を選択し、デザインを選び、デザイン及びテキストを配置し、刺繍を有する製品を審査することができる。刺繍カスタマイザ109は、刺繍デザインユニット130、刺繍製品デザインツール131、永続的な刺繍デザインライブラリ、永続的な製品ストア133、刺繍デザイン変換コンポーネント134、刺繍製作コンポーネント136、及び以下で詳しく説明する反映コンポーネント138をさらに備えることができる。一実施において、これらのモジュール/ユニット/コンポーネントの各々は、刺繍カスタマイザ109のコンピュータシステムの処理ユニットによって実行される複数行のコンピュータコードとすることができる。代替的に、ユニット/コンポーネントはハードウェアで実施することもできる。
【0011】
刺繍デザインユニット130は、ユーザが刺繍デザインをアップロードし、サイズを決め、色を選択することができるようにするユニット130a、以下でより詳しく説明する粗刺繍プレビュージェネレータ130b、以下でより詳しく説明する粗刺繍見積りコンポーネント130c、ユーザが粗刺繍デザインをプレビューできるようにする承認済み粗刺繍プレビューユニット130d、及び、以下でより詳しく説明する刺繍シミュレーションユニット(対話型ステッチプレーヤ)130eをさらに備えることができる。
【0012】
永続的刺繍デザインライブラリ132は、ユーザ刺繍デザインライブラリ132a、粗刺繍プレビューデザイン・プロキシライブラリ132b、及び刺繍デザインライブラリ132cをさらに備えることができ、これらの各々は以下でより詳しく説明する。永続的刺繍デザインライブラリ132内の情報及び刺繍デザインユニット130を用いて、刺繍製品デザインツール131は、以下でより詳しく説明するように、刺繍デザインを有する製品を作成する。永続的製品ストア133は、ユーザ刺繍デザイン、及び、以下でより詳しく説明するように、製品を作成するのに用いることができる刺繍製品説明を含むことができる。
【0013】
刺繍デザイン変換コンポーネント134は、デジトロンコンポーネント134a(以下でより詳しく説明する)、組み込み刺繍デザイン変換ベンダ134b、及び刺繍製品サービス134cをさらに備えることができ、これらの各々は以下でより詳しく説明する。
【0014】
刺繍製作ユニット136は、刺繍待ち行列136a、刺繍作業命令ユニット136b、刺繍製作ユニット136c及び刺繍出荷ユニット136dをさらに備えることができる。
【0015】
粗刺繍プレビュー(130b)
粗刺繍プレビューは、変換された刺繍デザイン内に存在することになる色を示し、また顧客が完成した刺繍可能製品のデザインを予想できるような詳細を示す。粗刺繍プレビューは、粗刺繍プレビュージェネレータによって原画像から生成された視覚的なプレビューであり、原画像がどのように刺繍デザインに変換され得るかについての概略的な指針として機能し、全体の刺繍デザイン変換プロセスに関わるものではない。粗刺繍プレビューは、刺繍可能製品デザインツールのユーザーインタフェース内、及び刺繍デザインを表示する必要があり得る広範囲の刺繍システムのユーザーインタフェース内の他の位置において、刺繍デザインのプロキシとして機能する。刺繍デザインの視覚的プロキシとして機能することに加えて、粗刺繍プレビューはまた、刺繍デザイン変換プロセスに通知するべき推奨色などの指針をカプセル化するのに用いることもできる。
【0016】
刺繍可能製品デザインの作成において、刺繍可能製品デザインツール内で、1つ又はそれ以上の粗刺繍プレビューを刺繍デザイン及び刺繍テキストと共に用いることができる。粗刺繍プレビューを含む刺繍可能製品デザインは、全てのそれら粗刺繍プレビューが、刺繍デザイン変換プロセスによって粗刺繍プレビューがそれから導かれた原画像から変換された刺繍デザインで置き換えられるまで、刺繍機械によって刺繍可能製品上に具体化することはできない。この保留状態の刺繍可能製品デザインは、作成者から購入することができ、刺繍製品デザインライブリ又は刺繍製品デザインマーケットに公開することができるが、一般のユーザには、刺繍デザイン変換プロセスが完了するまで利用できない。
【0017】
粗刺繍プレビュージェネレータは、粗刺繍プレビューを原画像から作成するソフトウェアである。粗刺繍プレビュージェネレータは、原画像を分析し、色数を刺繍デザインのための許容最大数まで減らし、変換された刺繍デザインには反映されない背景を検出し除去するためのアルゴリズムを用いることができ、それにより刺繍デザインの作成を容易にし、刺繍デザイン変換プロセス中の費用を最小にすることができる。
【0018】
粗刺繍プレビュージェネレータはまた、前景によって覆われる面積に基づく公式又は他の経験則を用いて、刺繍デザインのステッチ数を推定し、粗刺繍プレビューの見積り及び刺繍可能製品デザイン費用を計算することができる。粗刺繍プレビュージェネレータのソフトウェアの着実な革新は、それが生成する粗刺繍プレビューを、変換された刺繍デザインのプロキシとして時間とともに益々効率的にし、並びに、計算された粗刺繍プレビュー見積り及び刺繍可能製品デザイン費用を時間と共に益々正確にするであろう。
【0019】
一実施において、粗刺繍プレビューコンポーネントは、以下の制限条件を刺繍製作プロセス内で用いて粗刺繍プレビューを作成する。
1.刺繍製品には一定数の色が用いられる。
2.最小の色面積はステッチのサイズ、限定された色セット、及び色変化機構によって制限される。
3.刺繍製品内の最小細部が制限される。
a.細部は糸の選択によって制限される。
b.細部はステッチの長さによって制限される
c.ステッチの長さ及び糸の選定は、製品基材の種類によって制約される。
【0020】
一実施において、粗刺繍プレビューコンポーネントは以下のプロセスを実行してプレビュー画像を作成する。
1.画像細部を制限する。
a.所与の製品基材(ProductSubstrate)の糸のサイズ及びステッチのサイズに基づいて画像解像度(ImageResolution)を決定する。
b.原画像にエッジ保存ローパスフィルターを適用して粗画像を生成する。
2.製品刺繍色を見出す。
a.ユーザ選定及びストアデータに基づいて用いる色数(NumberOfColors)を決定する。
b.ユーザ選定及びストアデータに基づいて基材及び糸の色解像度を決定する。
c.現在の画像サイズ及び色解像度に基づいて最大色画像サイズ(MaximumColorImageSize)を決定する。
d.原画像の色保存ダウンサンプリングを適用して最大色画像サイズ(MaximumColorImageSize)よりも小さいダウンサンプリング画像を生成する(以下でより詳しく説明する)。
e.ダウンサンプリング画像に色クラスタリングを適用して使用可能な糸色の大きな組の中から一組の色を見出す。
3.画像色を制限する。
a.粗画像内の各画素に対して、製品刺繍色の中で最近接の色整合を見出し、画素の組をその色に設定する。
4.製品情報を組み込む。
a.粗画像における製品刺繍色を保管する。
b.粗画像における基材選定を保管する。
c.粗画像における色解像度を保管する。
d.粗画像における画像解像度を保管する。
【0021】
一実施において、粗刺繍プレビューコンポーネントは、以下のプロセスによって色保存ダウンサンプリングを実行する。
1.入力画像及びダウンサンプリングのための最大サイズを受け取る。
2.入力画像が最大サイズより大きい間は、以下のステップを実行する。
a.入力画像サイズの各画像寸法の(OriginalSize/2)+1にサイズ変更した目標画像を作成する。
b.目標の行を目標画像の第1行に設定する。
c.第2行から開始して、全ての他の行に対して入力画像内の行の最後に至るまで、
i.現在の目標行に対して目標画素を設定する。
ii.第2列から開始して、全ての他の列について入力画像内の列の最後に至るまで、
1.入力画像の行及び列において画素を見出し、それを入力画素(InputPixel) と呼ぶ。
2.入力画素(InputPixel)に隣接する各画素に対して、
a.色空間において入力画素(InputPixel)に最も近い隣接ピクセルを見出 す。
3.目標画素を見出された最隣接画素に設定する。
4.目標画素を次の列にインクリメントする。
iii.目標行を目標画像内の次の行にインクリメントする。
d.入力画像を目標画像として設定する。
3.ダウンサンプリング入力画像を返す。
【0022】
粗刺繍見積りコンポーネント(130c)
図1Bに戻ると、刺繍システムは粗刺繍プレビューに対する対話による費用を、ユーザ選定及び原画像統計に基づいて(一実施形態において、刺繍ユニット106上で実行される複数行のコンピュータコードとして実施される粗刺繍見積りコンポーネントを用いて)提供し、その費用は粗刺繍プレビュー見積りと呼ぶ。粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、後でより詳しく説明するように、粗刺繍プレビューコンポーネントによって供給される情報、及び、結果として得られた粗刺繍プレビューのそれ自体による分析を用いて、所与の原画像に対する刺繍デザイン変換プロセスの見積り価格(刺繍デザイン変換価格として理解される)を決定する。刺繍デザイン変換価格は、熟練職人(刺繍デザイン翻訳者)が原画像を刺繍デザインとして解釈するのにかかる時間を決定する因子に基づくものである。刺繍デザイン変換価格は結果として得られる刺繍デザイン内の刺繍ステッチの総数(ステッチ数と呼ばれる)に基づくことが多く、この総数は容易に検証され、刺繍デザイン変換プロセスに関わる労力と十分に良く相関する尺度であり、この方法で価格を決めるのが一般的になっている。べつの普通に用いられる尺度は刺繍デザイン面積(即ち、刺繍デザイン内の糸で覆われる平方インチ数)であり、刺繍デザイン面積は結果として得られる刺繍デザインのステッチ数とおおよそ相関することが見出されているので、これら2つの尺度は原画像を刺繍デザインに変換する労力の価格を決めるのに同様に役立つ。
【0023】
粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、上記のステッチ数計量を用いて、刺繍デザイン変換プロセスの価格を決める。ステッチ数から価格への実際の変換はビジネス因子によって決められ、直線的関係(例えば、刺繍デザイン内の1000ステッチ当たり$10)、段階的関係(例えば、1000ステッチまでは$10、1001乃至2000ステッチに対して$20、2001乃至3000ステッチに対しては$40、など)、又は他のなんらかの定式にすることができる。
【0024】
このコンポーネントにおけるステッチ数は、粗刺繍プレビュー見積りは原画像が刺繍デザインに変換される前に作成されるので、概算である。粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、原画像が指定の物理的寸法における刺繍デザインに変換されることになるので、刺繍デザイン面積の推定値を用いてステッチ数の推定値を計算することができる。指定の物理的寸法は刺繍デザイン翻訳者(以下で説明する)に伝達され、結果として得られる刺繍デザインはそれらの正確な物理的寸法(例えば、3インチ×4インチ)を占めなければならない。
【0025】
原画像は背景及び前景成分を有することができる。背景は、実際に刺繍デザインに変換されることになる原画像の部分を典型的には取り囲む、原画像の部分である。刺繍デザイン翻訳者は、原画像のどの部分を刺繍デザインの部分(前景)にしようとするか、そしてどの部分をしないか(背景)を決定するための判断を行うことになる。これは、例えば無地白色の背景地の上に現れる漫画キャラクタなどのように、明白なことが多い。粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、画像処理技術を用いて、原画像のどの部分が前景であるかを自動的に判断することができる。これらの技術は、通常、原画像自体ではなく粗刺繍プレビューについて実行されるが、その理由は、粗刺繍プレビューはその色セットにおいてより限定されており、また前景と背景の区別を分析することがより容易な画像であるからである。前景及び背景成分を判断するための技術の一例は、原画像の境界の周りの画素をサンプリングしてこれらの画素の大多数の色を用いて背景色を決定し、次いで、粗刺繍プレビュー内の背景色と同色でないあらゆる画素が前景であると決定することである。しかし、より洗練された技術、例えば、画像の前景部分内にあるが、たまたま背景色と同じ色を有する領域を考慮に入れるシードフィルアルゴリズムなどを用いることも可能である。それゆえに、粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、前景画素を背景画素から分離するために本方法を使用することに限定されない。
【0026】
ひとたび粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントが、粗刺繍プレビュー内の前景画素を決定し、所望の刺繍デザインの正確な期待される物理的寸法を有すると、粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、全体の粗刺繍プレビューに対する所望の物理的寸法によって定められる解像度で粗刺繍プレビューの前景画素によって覆われる面積を算出することができ、この面積は、前景画素が正確に決定されると仮定した刺繍デザイン面積となる。
【0027】
次に粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントは、推定刺繍デザイン面積である入力を用いてステッチ数推定値を計算し、その出力がステッチ数推定値となる。ステッチ数推定値は、簡単な線形方程式値s=a*factor+baseとすることができ、ここで、「s」はステッチ数推定値であり、「a」は平方インチ単位の推定刺繍デザイン面積であり、「factor」は面積をステッチ数に関連させる倍数因子であり、そして「base」は、最小ステッチ数推定値である。実際に、この推定値は、結果として得られる刺繍デザインの実際のステッチ数と、採算の取れる刺繍変換プロセスがこのプロセスによって見積られる価格に基づくことができる程度に、かなり良く相関することが分かっている。
【0028】
さらに、ステッチ数を推定するために、純粋な前景面積に加えて他の因子が存在する可能性がある。例えば、ステッチは重なることがあるので、ステッチにより一回を越えて覆われる面積を推定することができる局部的な画像の複雑さの推定は、この推定値を複雑な画像に対して改善することになる。本発明者等は、粗刺繍プレビュー見積りコンポーネントがこれら他の因子を用いてより正確な推定ステッチ数を与え、従って、刺繍デザイン変換プロセスの実際の費用からあまり異ならない粗刺繍プレビュー見積り(図3に一例を示す)を与え得ることを可能にする。
【0029】
プロキシ(132b)
図1Bに戻ると、顧客は、直ちに粗刺繍プレビューを受け入れるか、又は粗刺繍プレビューを受け入れる前に先ず色及びサイズ設定を調整して所望の画像細部を得ることが可能である。ひとたび粗刺繍プレビューが受け入れられると、これは変換済み刺繍デザイン(124)のプロキシになり、この状態において承認済み粗刺繍プレビューと呼ばれる。このプロキシは変換済み刺繍デザインが使用され得るあらゆる場合に用いることができる。本システムが生成した粗刺繍プレビュー見積りは変換済み刺繍デザインの価格になる。プロキシ(承認済み粗刺繍プレビュー)は顧客アートのコレクション(刺繍デザインライブラリと呼ばれる)(124)に保存され、刺繍テキスト及び刺繍デザインと組み合せて、対話形式で種々の刺繍可能製品の上に配置することができる。さらにプロキシはまた、刺繍可能製品デザインの状況において色及び向きについて編集することができる。
【0030】
刺繍デザインライブラリは刺繍デザインのコレクションであり、このデザインはアップロードされたものであってもよく、又はアップロードされた原画像から生成され、次いで刺繍デザイン変換プロセスにより刺繍デザインに変換されたものであってもよい。刺繍デザインライブラリ内部に包含された複数の刺繍デザインは、同じ原画像から、それぞれ異なる製作パラメータ、例えば、物理的サイズ、ステッチ数、向き、及び布基材など、によって変換されたものであってもよい。複数の刺繍デザインが同じ原画像から変換される場合、この関係はユーザーインタフェース内に表示することができる。刺繍デザインライブラリはまた、刺繍デザイン変換プロセスによる刺繍デザインへの変換を保留中の承認済み粗刺繍プレビューを含むこともできる。
【0031】
刺繍システムは複数の刺繍デザインライブラリ・インスタンスをサポートすることができ、その各々のインスタンスは刺繍デザインライブラリの所有者によって管理される。刺繍デザインライブラリ内に含まれる刺繍デザインは、刺繍可能製品デザインの作成プロセス中に、刺繍可能製品デザインツール内からアクセスし利用することができる。さらに、刺繍デザインライブラリからの刺繍デザインは、刺繍デザインマーケット内にリストすることにより、刺繍デザインライブラリの所有者以外の他者が使用できるようにすることができる。
【0032】
刺繍デザインライブラリの所有者は、刺繍デザインライブラリへの管理アクセス権を与えられた一人又はそれ以上の個人である。刺繍デザインライブラリ内の刺繍デザインの管理には、題名、タグ、説明、及び、刺繍デザインを説明するか又は刺繍システムの他のコンポーネント内でのそれらの使用の態様を管理する他のメタデータの指定及び修正を含めることができる。刺繍デザインライブラリの所有者は、刺繍デザインライブラリのコンテンツ、及び、それに含まれる個々の刺繍デザインを、以下で説明する刺繍デザインマーケット内で利用することができる条件を管理することができる。
【0033】
刺繍デザイン変換コンポーネント及びプロセス(125及び134)
刺繍システムは、熟練職人(刺繍デザイン変換ベンダ)との契約を組み込み、彼らを承認済み粗刺繍プレビュー内に含まれる指示を用いて原画像を刺繍デザインに変換することに従事させることになる。このプロセスは刺繍デザイン変換プロセスと呼ばれ、図1Dに示すようにデジトロンプロセスを含む。このコンポーネントは承認済み粗刺繍プレビューを入力として受け取り、出力の刺繍デザインを作成する。刺繍デザイン変換プロセスコンポーネントは、刺繍システムを外部サービスに接続してこの相互交換の側面を調整するように機能する。
【0034】
刺繍デザイン変換ベンダは、刺繍デザイン変換サービスの外部ベンダであり、これは、それらの承認済み粗刺繍プレビュー内で捕捉された色選定キュー及び他の指針を用いて承認済み粗刺繍プレビューを刺繍デザインへ変換するのに、熟練職人を雇用し独自の技術を使用することができるベンダである。
【0035】
刺繍デザイン変換プロセスコンポーネントの中心は刺繍デザイン変換ジョブマネージャであり、これは複数の刺繍デザイン変換ジョブの管理及び調整を容易にし、刺繍システムホストと複数の刺繍デザイン変換ベンダとの間の相互交換として機能する。従って、刺繍デザイン変換ジョブマネージャのユーザは刺繍システムホストと刺繍デザイン変換ベンダとを取り込むことになる。
【0036】
刺繍デザイン変換ジョブマネージャはデータストアへのアクセス権を有することになり、そのデータストアには複数の刺繍デザイン変換ジョブ及び複数の刺繍デザイン変換ベンダを記述するデータが常駐することになる。刺繍デザイン変換ジョブマネージャは管理ツールを実装して、刺繍システムホストが、刺繍デザイン変換ベンダが保持する口座を開設及び管理できるようにし、またそのベンダがプロセス内における彼らの関与の選好を設定できるようにすることができる。
【0037】
刺繍デザイン変換ジョブマネージャはジョブ管理ツールを実装して、刺繍システムホストが刺繍デザイン変換ジョブを審査してそれらを刺繍デザイン変換ベンダに割り当ることができるようにし、そのベンダが彼らに割り当てられたジョブのアセットを認めてチェックできるようにし、ベンダが完了したジョブのアセットを登録できるようにし、そして刺繍システムホストが完了したジョブのアセットを審査して承認できるようにする。
【0038】
刺繍デザイン変換ジョブマネージャは、例えば、一般健康診断書のような、システム内のジョブの状態を評価する報告書、並びにシステム内の非効率性を診断するのに役立ち、また刺繍デザイン変換ベンダを評価する助けとなる実績報告書を作成するためのシステムを実装することができる。この報告システムはまた、データストア内に含まれるデータを用いて、刺繍デザインに対する推定ステッチ数と、刺繍デザイン変換ベンダが刺繍デザイン変換ジョブに関する料金を策定するのに用いたステッチ数との間の相違などのことを検査して、刺繍デザイン変換ベンダにより提供された請求書に含まれる料金を確認することができる。
【0039】
刺繍デザイン変換ジョブマネージャはトリアージシステムを実装して、刺繍システムホストによる修正措置を必要とする問題、例えば、刺繍デザイン変換ベンダによって拒絶されたジョブ、及び、特に刺繍デザイン変換ベンダへの割り当てに失敗したジョブを含む問題の解決を容易にすることができる。
【0040】
刺繍デザイン変換プロセスコンポーネント内の典型的な流れは、以下のステップに関係して説明する。
1.1つ又はそれ以上の粗刺繍プレビューを含んだ刺繍可能製品デザインが注文されるか又は刺繍可能製品デザインのマーケットに対して公開される。
2.刺繍システムが、刺繍可能製品デザイン内に含まれる粗刺繍プレビューの各々に関して、保留状態の刺繍デザイン変換ジョブを刺繍デザイン変換ジョブマネージャに入力する。
3.保留刺繍デザイン変換ジョブはコンテンツ審査チームによって審査され、コンテンツが、刺繍システムホストの適切な使用指針、及びサービスを管理するサービス契約の関連条件によって課せられる制限に適合することを確認する。ジョブを刺繍デザイン変換ベンダに割り当てる前にジョブを審査することにより、ベンダがすでに彼らのサービスを提供した後で、ジョブが拒絶されたとした場合に被ることになる損失が避けられる。
4.コンテンツ審査に合格した後、保留の刺繍デザイン変換ジョブは、刺繍デザイン変換ジョブマネージャのオペレータの判断で、そして場合により、ベンダの能力、ベンダの負荷調整、特定のベンダの専門技術及び専門性、並びに、特に費用競争力因子を考慮に入れた経験則を指針として、適切な刺繍デザイン変換ベンダに割り当てられる。
5.刺繍デザイン変換ベンダは、刺繍デザイン変換ジョブマネージャから、彼らに新規のジョブが割り当てられたことの通知を受けることができる。
6.刺繍デザイン変換ジョブマネージャのユーザーインタフェースを通じて、刺繍デザイン変換ベンダは彼らに割り当てられたジョブを受諾することができ、そして彼らがジョブを完了するのに必要な粗刺繍プレビューをチェックすることができ、又はジョブを断ることができ、その場合ジョブは可能な再割当又は他の修正措置のためにトリアージシステムに入力される。
7.刺繍デザイン変換ベンダにより受諾されたジョブが完了すると、ベンダは刺繍デザイン変換ジョブマネージャのユーザーインタフェースを通じて、変換済み刺繍デザインを登録し、ジョブに関する状態を更新することができる。
8.刺繍デザイン変換ジョブマネージャのオペレータは、完了ジョブの通知を受けてプロセスを一般的にモニタすることができ、又は、流れを継続する前にジョブを明白に承認することを求められる可能性があり、拒絶された完了ジョブはトリアージシステムに入力される。
9.刺繍システムは刺繍可能製品デザインクリエータに通知して刺繍デザイン変換プロセスの結果を承認又は拒絶する機会を与え、拒絶されたジョブはトリアージシステムに入力される。
10.刺繍デザイン変換ベンダにより生成された刺繍デザインが承認されると、その刺繍デザインは、将来の使用のために刺繍デザインライブラリに入れられ、刺繍可能製品デザイン内のあらゆる原画像参照は、それら原画像から変換された刺繍デザインへの参照で置き換えられる。
11.変換済み刺繍デザインを参照するように刺繍可能製品デザインを更新すると、その刺繍可能製品デザインは、刺繍可能製品デザインライブラリに入れることができ、又は、刺繍デザイン変換フローがどのように開始したかに応じて、製作フローにサブミットすることができる。
【0041】
図1Bに戻ると、ひとたび変換プロセスが完了して刺繍デザインが作成されると、刺繍システムは承認済み粗刺繍プレビューを刺繍デザインで置き換えて、この進展を顧客に通知する。この通知は製作中の刺繍デザインの対話型シミュレーションを含む。
【0042】
刺繍シミュレーション/対話型ステッチプレーヤ(130e)
シミュレーションは刺繍シミュレーションと呼ばれ、これは職人によって配置された刺繍テクスチャ及び色を用いて変換済み刺繍デザインを示す。シミュレーションはまた、刺繍機械の公差をエミュレートする。刺繍シミュレーションは、ムービーによく似た動画表現であり、刺繍可能製品デザイン内に含まれる刺繍デザイン、刺繍テキスト、又は他の刺繍領域デザインの中に内在するステッチ指示を刺繍機械がどのように実行し得るかをユーザに見せる。
【0043】
刺繍シミュレーションは、ステッチ配置のバリエーション、糸の応答(捩じれることなど)、及び種々の設定可能な照明条件下で光がステッチと相互作用し得る様式を含む、具体化された刺繍可能製品デザインの特徴をシミュレートすることができる。刺繍シミュレーションはまた、刺繍がその上にステッチされる布基材を、粗く織られた布のうね又はナッピングなどの特質を含めて、写実的に描くことができる。
【0044】
図7は、対話型ステッチプレーヤのユーザーインタフェースの一例を示す。刺繍シミュレーションは、具体化された刺繍可能製品デザインのプロキシとして機能し、ユーザが、ある刺繍デザイン(原画像から刺繍デザイン変換プロセスにより導き出された)を用いた刺繍可能製品デザインの購入を契約する前に、その刺繍デザインをそれによって審査することができる実物様のシミュレーションを提供する。刺繍シミュレーションはまた、刺繍可能製品デザインの価値、品質、及び精緻さを宣伝し強調して、その製品への顧客の信頼を高め、そして消費者に、購入前に刺繍可能製品デザインをより詳細に審査する手段を提供するための伝達手段として機能することができる。
【0045】
一実施において、刺繍シミュレーションコンポーネントは、デザインが布の上にステッチされる過程を、以下の計量を用いてシミュレートする。
1.ステッチの配置における刺繍機械の許容誤差。
a.再現性。
b.ステッチ配置における誤差分布。
2.糸の物理的外観。
a.糸の太さ。
b.糸内部における色の内部反射率。
c.糸表面の透明度の鏡面反射に対する影響。
d.糸内部の繊維の数。
e.各繊維内の小繊維の軟化効果。
f.ステッチの遷移ねじれ頻度分布
3.ステッチの順序。
【0046】
一実施において、前記のコンポーネントは以下のプロセスを実行して、刺繍デザインが製品基材上にどのようにステッチされるかのシミュレーションを与える。
1.初期化。
a.標準マップをレンダリングする。
i.ステッチ長さの分布。
ii.ステッチ繊維のねじれの分布。
b.ZTRファイルをロードする。
i.ファイル内の各原子に対して、
1.暗号化の型を決定する。
2.暗号化の型を有する糸色をロードする。
3.暗号化の型を有するステッチオペコードをロードする。
c.画像参照をロードする。
i.背景画像。
ii.プロキシとしての粗刺繍画像。
2.実行。
a.ステッチをレンダリングする。
i.ステッチの標準マップを以下の分布に基づいて選択する。
1.長さの分布。
2.ねじれの分布。
ii.基材上のステッチ標準マップを以下のステップを用いてレンダリングする。
1.糸色のフィルターを通した周囲光を標準マップに当てる。
2.内部反射機能を利用して拡散光を標準マップに当てる。
3.表面透明性機能を利用して反射光を標準マップに当てる。
iii.ステッチ速度によってステッチの速さを制御する。
3.ユーザの動作に応答する。
a.以下のユーザ表示を更新する。
i.進捗度。
ii.ステッチ時間。
iii.進行状態。
b.以下のユーザの動作に応答する。
i.ステッチ速度の変更。
ii.進行状態の変更(一時停止又は進行)。
iii.シミュレーションを停止又は終了。
【0047】
刺繍製品デザインツール/コンポーネント(131)
図1Bに戻ると、顧客は刺繍デザインが期待に沿っていない場合にはそれを拒絶することができる。刺繍デザインが拒絶された場合、それは顧客の刺繍デザインライブラリから除去される。次に刺繍システムはこの一連のステップから抜け出る。
【0048】
刺繍可能製品デザインツールは、ユーザが複数の種類の刺繍可能製品に関する特別注文の刺繍可能製品デザインを作成できるようにする対話型インタフェースである。このツールはサポートされた種々の種類のコンテンツを、編集中の刺繍可能製品デザインに加えるための機構を提供する。例えば、ユーザは、彼らのコンピュータ装置から刺繍システムにアップロードされた、又は刺繍システムによりホストされるアセットライブラリからメディアブラウザによってアクセスされた、原画像又は刺繍デザインを加えることができる。刺繍デザイン変換プロセスによる刺繍デザインへの変換を待っている粗刺繍プレビュー又は承認済み粗刺繍プレビューもまたこの方法で加えることができる。
【0049】
新規の原画像を刺繍可能製品デザインに加えると、ユーザーインタフェース内の機構は、ユーザに対して、図2に示すように原画像を刺繍可能製品上の刺繍として作成できるようにするのに行うことが必要となる変換について促し通知することができる。刺繍デザイン変換プロセスの公差のために、刺繍可能領域上に配置された原画像は、そうしなければ印刷プロセスに対して許容されるよりも大きく拡大縮小できるようにすることができる。
【0050】
刺繍可能製品デザインツールはまた、図4A及び図4Bに示すように、ユーザが刺繍テキストを刺繍可能製品デザインに加えることができるようにするユーザーインタフェースを有する。そのように加えられる刺繍テキストに対しては、テキストの性質、例えば、その単語又は文字、色、フォント、サイズ、パス、及び刺繍システムによりサポートされる刺繍テキストの他の性質、などの編集を可能にするユーザーインタフェース要素が準備される。
【0051】
刺繍可能製品デザインツールはまた、ユーザが、刺繍可能製品デザイン内に含まれる刺繍デザインオブジェクト及び刺繍テキストオブジェクトに関する配置、方向、色、及び刺繍システムがサポートする他の性質を編集できるようにする種々のユーザーインタフェースを提供することができる。編集機能は、ユーザが1つ又はそれ以上のオブジェクトの選択に関する動作を実行できるように準備され、その動作には、例えば、コピー、カット、貼付け、削除などの基本編集動作、及び、例えば、位置調整、位置合せ、スケール調整などのより進んだレイアウト機能が含まれる。図4Cは、製品の特定の位置にデザインを配置するための製品デザインツールのユーザーインタフェースを示す。
【0052】
刺繍可能製品デザインツール(例えば、図5A及び図5Bに示す)はまた、新たに加えられた刺繍テキストに対して刺繍領域色パレット内に既に存在する色を選択すること、並びに刺繍可能領域デザイン内の刺繍テキストに既に使用されている色を編集することを可能にする、刺繍テキストの色選定の管理のためのユーザーインタフェースを提供する。ユーザは、色選定に対して、ダイナミック刺繍領域色パレットによって課せられる可能性のある制限に対して、ある場合には色の利用可能性が変わるときの不一致をユーザがどのように解決したいかについてユーザに対する指示に、応じなければならない。
【0053】
より詳しく言えば、刺繍領域色パレット(ソフトウェア内に色パレットモジュールとして実装することができる)は単一の刺繍領域デザインの状況において用いることができる色の集合であり、刺繍領域デザイン内の刺繍デザイン及び刺繍テキストには、刺繍領域色パレット内に含まれる色を使用するように制限される。刺繍領域色パレットは、刺繍領域デザイン内に含まれる刺繍デザインから導かれ、刺繍可能製品デザインツールのユーザーインタフェース内でユーザが変更できない固定色と、ユーザが変えることができ、刺繍領域デザイン内の刺繍テキストに適用することができる顧客指定色とに分けることができる。刺繍領域色パレットは、ユーザが刺繍デザインにより用いられている色を、ユーザがより気に入った色、又は刺繍領域デザイン内の他の刺繍デザイン又は刺繍テキストの色とよりよく適合するか又は引き立たせる色に再配置できる機構を提供することができる。
【0054】
刺繍可能製品デザインツールはまた、ユーザの刺繍可能製品デザインが意図する刺繍可能製品の種類に関する製品選択肢をユーザが設定できるようにする刺繍可能製品選択肢コンフィギュレータを含むことができ、その選択肢には、特に、スタイル、色及びサイズが含まれる。そのように選ばれた製品選択肢は、ユーザーインタフェース並びに刺繍可能製品デザインの可視化に反映される価格に影響を及ぼす可能性がある。ユーザが設定した製品選択肢は、刺繍可能製品デザインのインスタンスがどのように作成されるかを決定することになり、また、以下でより詳しく説明するように、公開された刺繍可能製品デザインが刺繍可能製品デザインマーケットでどのように表現されるかを決定する可能性がある。
【0055】
刺繍可能製品デザインツールはまた、刺繍可能製品デザインを可視化するためのツールを提供する。刺繍可能製品デザインの編集のどの段階においても、ユーザは刺繍可能製品の実物そっくりの表現(その図はモデルショット図と呼ばれる)で可視化されるデザインを検査することができ、或は、ユーザは、彼らの刺繍可能製品デザイン内に含まれる刺繍可能領域デザイン(その図はデザイン図と呼ばれる)のうちの1つのフラット表現を検査することができる。モデルショット図に関して、刺繍可能製品の所望の図の選択は、モデルショット図セレクタによって行われる。刺繍可能領域デザイン図に関しては、所望の刺繍可能領域デザインの選択は刺繍可能領域デザイン図セレクタによって行われる。
【0056】
刺繍可能製品デザインの編集中のどの段階においても、製作された刺繍可能製品デザインのインスタンスの購入価格は、ユーザーインタフェース内に示すことができ、その価格は、例えば、製作費用、刺繍デザイン変換プロセスにより必要となり得るあらゆる変換の費用、及び、刺繍可能製品に対して設定された、特にスタイル及び色のような製品選択肢の費用などの要素から構成することができる。
【0057】
刺繍可能製品デザインツールはまた、刺繍可能製品デザインツール内で用いられて、刺繍可能製品デザインについて、そのデザインが刺繍システムによって課せられた特定の制限を破る場合には、公開又は注文を妨げるための刺繍可能製品デザインバリデータを含むことができる。そのような制限の例には、特に、重なる刺繍テキスト又は刺繍デザイン、及び刺繍可能領域外にある刺繍テキスト又は刺繍デザインが含まれる。刺繍可能製品デザインツールが、制限を破って検証に失敗する状態になったときはいつでも、ユーザーインタフェースの要素が違反の性質についてユーザに警告し通知することができ、その結果許されない動作はユーザーインタフェース内で無効にすることができる。さらに、刺繍可能製品デザインバリデータの対話要素は、ユーザーインタフェース内で先制的に動作を制限して刺繍可能製品デザインが検証に失敗することになる状態を防ぐことができ、その一例は刺繍可能領域内のオブジェクトの移動に課せられた制限が、オブジェクトが刺繍可能領域外に出ることを防ぐことである。
【0058】
刺繍可能製品デザインツールはまた、近接した刺繍可能領域の間に存在し得る排他的関係を管理する管理システムを含むことができる。このシステムは刺繍可能領域排他性マネージャと呼ばれる。このシステムは、可能な刺繍可能領域の上位集合内において他の刺繍可能領域と互いに排他的であり得る、特定の刺繍可能領域の既存の使用によって決定される使用可能な刺繍可能領域に対する制限に応じて、ユーザーインタフェース要素の適切な有効化及び無効化を決定することを担当する。このシステムはまた、刺繍可能製品に関する設定可能選択肢内で変更が生じ、刺繍可能領域デザインが意図されたものが、もはや可能な刺繍可能領域の上位集合内には得られない刺繍可能領域をレンダリングすることになる場合に、刺繍可能領域デザインを刺繍可能製品デザインから場合によっては除去することを担当する。
【0059】
刺繍可能製品デザインツール内で作成された刺繍可能製品デザインは、刺繍可能製品デザインライブラリに保存することができ、そこから後に、完成、公開、又は注文のためにアクセスすることができる。認可システムは、ユーザが、刺繍可能製品デザインライブラリ内の刺繍可能製品デザインを、広く一般の人々に見えるようにするか、又はそれらの刺繍可能製品デザインを見ることを許可された選ばれたグループにだけ見えるようにするか、又は、刺繍可能製品デザインライブラリの所有者にだけ見えるようにすることを可能にする。
【0060】
刺繍可能製品デザインツール内で作成された刺繍可能製品デザインは、ユーザが刺繍製品デザイン内に含まれるコンテンツに対する適切な公開権を有することを条件として、刺繍可能製品デザインマーケットに公開することができる。公開が許可されない場合には、ユーザーインタフェースの適切な要素を無効にすることができ、さもなければユーザは公開するように促される可能性がある。
【0061】
刺繍可能製品デザインツール内で作成された刺繍可能製品デザインは、注文することができる。注文により、刺繍可能製品デザインの、カスタマイズされ構成されたインスタンスがフロー内に入力され、このフローは支払金を徴収するステップを含み、またこのフローは最終的にそれが刺繍機械により製作され、所定の受取人に輸送されることで終わる。
【0062】
粗刺繍プレビューを含む刺繍可能製品デザインの公開又は注文により、その粗刺繍プレビューは承認済み刺繍プレビューとなり、刺繍デザイン変換プロセスに入力されて刺繍デザインに変換される。支払いは刺繍デザイン変換プロセスを起動する前に収集することができるが、公開又は注文を完了する前に、刺繍デザイン変換プロセスから得られた刺繍デザインをユーザが承認するか又は拒絶することを可能にする審査ステップを設けることができる。
【0063】
製作コンポーネント(136)
次に、前述のステップによって作成された刺繍デザイン(又は任意の既存の若しくは承認済み刺繍デザイン)を用いる刺繍可能製品のデザイン(刺繍可能製品デザインと呼ぶ)を製作することができる(128)。製作された刺繍可能製品は次いで顧客に向けて出荷される。
【0064】
刺繍製作シートが、首尾よくデジタル化された全ての新規の刺繍注文に対して自動的に印刷される。刺繍製作シートは製作プロセスを開始する信号であり、作業者を効率的な方法に沿って誘導する情報を含む。注文は複数の刺繍製品(即ち、1つのハット、1つのバッグ及び3つのシャツ)を含むことができる。さらに、各々の製品は、各々の領域がユーザによって作成された刺繍デザインと刺繍テキストの組合せである複数の印刷領域を含むことができる。刺繍製作シートは、注文された全ての製品に対して印刷され、各々の印刷領域に対する欄を含み、各々の印刷領域の欄はさらにバーコードを含む。このバーコードは刺繍コマンドファイル生成ソフトウェアによって読み取られ、このソフトウェアがそのプリント領域の複合デザインを刺繍機械用の単一コマンドファイルに変換する。
【0065】
製品の種類及び注文によってグループ分けされたバッチ製作シートが、定期的に印刷される。その周期はシフトマネージャによって定められる。製作シートは、印刷領域及び糸色によってさらにグループ分けされて作業者に渡され、各々の作業者は、特定の製品の種類、領域及び糸色の組合せを印刷するために最適化された一組の刺繍機械を担当する。各々の製作シートは以下の欄を含む。
出荷宛先及び方法、並びに出荷ソフトウェアによって読み取られ出荷ラベルに印刷されるバーコードなどの注文情報を含む、注文欄。
品目の個数及びSKU(スタイル、色、サイズ)などの製品情報を含む製品欄。さらに、正しいSKUが確実に在庫リストから迅速に選択されるように、SKUを装ったモデルの画像が存在する。この欄はまた、出荷前に顧客の注文の迅速な照合を可能にするために、同じ注文内の他の製品に対する参照を含む。
領域名(即ち、左袖、右袖)及び一意的なバーコードで始まる各々の独立した印刷領域に関する情報を含む印刷領域欄。領域名は常に特定の順序でリストされ、作業者が製作シートを迅速に仕分けられるようにする。この欄はまた、印刷領域に関する重要なステッチの詳細を含む。
デザインの寸法。
デザイン内のステッチの総数。
デザインをステッチするのに必要な糸の総数。
各々の糸の色の、縫う順序によって順序付けられた実際の糸番号への視覚マッピング。やはりこの情報も、作業者が製作シートを迅速に調べて糸色及び順序によってさらにグループ分けできるようにする。さらに、これは作業者が与えられたジョブのための正しい糸を迅速に刺繍機械に装着できるようにする。
【0066】
刺繍コマンドファイル生成ソフトウェアは、印刷領域を一意的に識別するバーコードを読み取り、その領域をステッチするためのコマンドファイルを生成し、そのファイルを刺繍機械にスプールする。このソフトウェアは、指定の印刷領域と縫う順序との組合せに関するコマンドファイルを指定の刺繍機械に送って、各ステッチジョブに対するセットアップ時間の全体を削減するように設定することができる。
【0067】
付属のバーコードスキャナを用いて、ソフトウェアは印刷領域を一意的に識別するバーコードを読み取る。複数の領域を同時にスキャンすることができる。
このソフトウェアは、複数の刺繍デザイン及び刺繍テキストをコンパイルして印刷領域を表す単一のコマンドファイルにし、このコマンドファイルは、設定によって定められた刺繍機械に送られる。
印刷領域のプレビューが、オペレータの間違えを最小にするために作業者に送られる。
ジョブが完了すると、更新データがバックエンドサーバに送られ、顧客は彼らの注文の状況を実時間で知ることができる。
【0068】
反映プロセス/コンポーネント(138)
次に反映プロセス(129)が刺繍可能製品作成フローから計量を収集し、刺繍システムを洗練するのに用いる。より詳細には、刺繍反映コンポーネントは、作成及びデザイン変換から刺繍デザインユニットへのフィードバックループを与える。刺繍反映コンポーネントは作成及び変換情報を収集し、それをまとめ、使用可能形態で刺繍システムの他のコンポーネントに供給する。
【0069】
一実施において、各コンポーネントに供給される情報の種類のリストには以下のものを含めることができる。
1.粗刺繍プレビューコンポーネント。
a.糸色の制限。
i.使用計量に基づく最適の糸ライブラリ色。
ii.使用計量に基づくデザイン用の最適色の使用及び総数。
iii.糸色特性。
1.統合糸色。
iv.テストに基づく色領域解像度。
b.作成プロセス解像度。
i.テストアセットに基づく刺繍デザイン解像度の測定値。
c.使用に基づくステッチ密度計量。
d.使用に基づくステッチ被覆率。
2.粗刺繍プレビュー見積りコンポーネント。
a.刺繍デザイン変換プロセス費用。
i.画像領域計量に関する。
ii.画像精緻さ計量に関する。
b.刺繍作成費用。
i.糸変更費用。
ii.オペレータ費用。
iii.品物の費用。
3.刺繍可能製品デザインツール・コンポーネント。
a.モデルショット。
i.製品デザイン領域の配置。
1.参照デザインの配置。
2.参照製品の作成。
ii.デザイン領域設定マッピング。
1.自動排他デザイン領域セットの説明。
iii.色マッピング曲線。
1.参照SKU見本からの収集。
4.刺繍デザイン変換プロセスコンポーネント。
a.原画像及び粗刺繍プレビュー計量を収集する。
b.刺繍デザイン変換費用を収集する。
5.刺繍シミュレーションコンポーネント。
a.糸色。
i.糸のテストに基づく周囲照明機能曲線。
ii.糸のテストに基づく拡散照明機能曲線。
iii.糸のテストに基づく鏡面反射照明機能曲線。
iv.テストによって決定された糸繊維のねじれ頻度分布。
b.刺繍機械特性。
i.色限界。
ii.ステッチ配置の解像度及び再現性。
iii.ステッチ配置誤差の分布。
6.刺繍製作コンポーネント。
a.製作のための参照製品の指定。
b.製作費用の収集。
i.糸変更費用。
ii.オペレータ費用。
iii.品物の費用。
【0070】
刺繍システム(図1Bに示した方法を実施する)は、顧客のための余分な仕事を作る可能性のある、又は顧客を不必要に長時間待たせる可能性のある、システムのコンポーネントを自動化することができ、それらコンポーネントには、粗刺繍プレビューの対話型表示と、粗刺繍プレビューから通知された原画像の刺繍デザインへの変換に関する見積り(粗刺繍プレビュー見積り)を結合することと、編集のための刺繍デザインプロキシ(粗刺繍プレビュー)の作成及び管理と、刺繍可能製品上の粗刺繍プレビュー、刺繍デザイン及び刺繍テキストの対話型編集、配置及び検査(刺繍可能製品デザインツール及びモデルショット)と、刺繍デザインを作成する熟練職人の契約管理(刺繍デザイン変換プロセス)と、可視シミュレーションを用いた変換済み刺繍デザインの顧客審査(刺繍シミュレーション)と、特注刺繍可能製品デザインの製作(製作)と、システムを洗練するのに用いるデータを収集することと、を含めることができる。
【0071】
刺繍製品デザインマーケット及び刺繍デザインマーケット
刺繍システムはまた、刺繍デザインマーケットを含むことができ、このマーケットは、一般のユーザが刺繍可能製品デザインを作成するプロセス中に刺繍可能製品デザインツール内で利用できる刺繍デザインの集合である。このマーケットは、刺繍デザインの表示を可能にする1つ又はそれ以上のユニット(刺繍デザインを、ウェブページ内に既知の方法で表示する表示ユニット)を含むことができ、これによってユーザは刺繍デザインを購入することができ(電子商取引エンジン)、また購入された刺繍デザインの所有者は使用料を受け取ることができる(同様に電子商取引の一部分)。一実施において、マーケットは、マーケットを実施するためのソフトウェアコードを実行する1つ又はそれ以上のサーバコンピュータとすることができる。図6A−図6Cは、デザイン又は製品を刺繍システムの一部分である刺繍マーケットに掲載するためのユーザーインタフェースの一例を示す。刺繍デザインマーケットのコンテンツには、複数の刺繍デザインライブラリからの刺繍デザインであって、刺繍デザインライブラリの所有者の判断でリストに載せられた刺繍デザインと、刺繍システムを主催する事業体によって刺繍デザインマーケットに事前に並べられた刺繍デザインとを含めることができる。刺繍デザインライブラリの所有者によって刺繍デザインマーケットに掲載された刺繍デザインを一般のユーザが利用することにより、使用料又は他の報酬が刺繍デザインライブラリの所有者のものとなるようにすることができる。刺繍デザインの売り主は、購入価格の一定の割合又は均一料金などの使用料を受け取ることができる。
【0072】
刺繍システムはまた、一般のユーザが、購入し、随意に刺繍可能製品デザインツール内でカスタマイズするために利用できるようにした刺繍製品デザインの集合である刺繍製品デザインマーケットを含むことができる。刺繍製品デザインマーケットは、刺繍デザインマーケットとは、以下の点、即ち、刺繍製品デザインマーケットは刺繍機械によって製作する準備ができた刺繍製品デザインから成るのに対して、刺繍デザインマーケットは、刺繍可能製品デザインツール内で刺繍製品デザインを作成する際に用いることができる刺繍デザインから成る点で異なる。刺繍製品デザインの売り主は、購入価格の一定の割合又は均一料金などの使用料を受け取ることができる。
【0073】
刺繍製品デザインマーケットのコンテンツには、複数の刺繍製品デザインライブラリからの刺繍製品デザインであって、刺繍製品デザインライブラリの所有者の判断でリストに載せられた刺繍製品デザインと、刺繍システムを主催する事業体によって刺繍製品デザインマーケットに事前に並べられた刺繍製品デザインとを含めることができる。刺繍製品デザインライブラリの所有者によって刺繍製品デザインマーケットに掲載された刺繍製品デザインを一般のユーザが購入することにより、使用料又は他の報酬が刺繍製品デザインライブラリの所有者のものとなるようにすることができる。
【0074】
刺繍製品デザインマーケットにおいて、売り主は、売り主の刺繍デザインと、買主が刺繍製品デザインマーケットを利用して彼ら自身の特注のテキスト又は画像を挿入するための1つ又はそれ以上のプレースホルダとを含んだテンプレートである製品を公開することができる。買主は彼/彼女の特注のテキスト/画像を加えて製品を購入することができ、その際売り主は同様に購入価格の一定の割合又は均一料金などの使用料を受け取る。
【0075】
前述のことは、本発明の特定の実施形態に関するものであるが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって範囲が定められる本発明の原理及び趣旨から逸脱せずに、この実施形態に変更を加えることができることを認識するであろう。
【符号の説明】
【0076】
100:刺繍システム
102、102a、102b、102n:コンピュータ装置
104:リンク
106:刺繍ユニット
107:サーバ
108:ストア
109:刺繍カスタマイザ
110:電子商取引エンジン
120:刺繍方法
125:刺繍デザイン変換プロセス
130:刺繍デザインユニット
130a:ユニット
130b:粗刺繍プレビュージェネレータ
130c:粗刺繍見積りコンポーネント
130d:承認済み粗刺繍プレビューユニット
130e:刺繍シミュレーションユニット(対話型ステッチプレーヤ)
131:刺繍製品デザインツール
132:永続的刺繍デザインライブラリ
132a:ユーザ刺繍デザインライブラリ
132b:粗刺繍プレビューデザイン・プロキシライブラリ
132c:刺繍デザインライブラリ
133:永続的製品ストア
134:刺繍デザイン変換コンポーネント
134a:デジトロンコンポーネント
134b:刺繍デザイン変換ベンダ
134c:刺繍製品サービス
136:刺繍製作コンポーネント
136a:刺繍待ち行列
136b:刺繍作業命令ユニット
136c:刺繍製作ユニット
136d:刺繍出荷ユニット
138:反映コンポーネント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刺繍システムであって、
刺繍用デザインを受け取るためのデザインユニットを有する刺繍デザインユニットと、
1つ又はそれ以上の刺繍デザインを保管する刺繍デザインライブラリと、
前記刺繍用デザインを変換してステッチファイルを生成する刺繍デザイン変換ユニットと、
前記刺繍用デザインを有する製品をデザインするための刺繍製品デザインツールと、
を備え、
前記刺繍デザインライブラリはまた、各々の刺繍デザインのプロキシを保管し、該プロキシは、前記ステッチファイルの生成中に、前記刺繍用デザインを有する製品をデザインするのに用いることができる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
刺繍用デザインを表示する表示ユニットと、ユーザが表示された刺繍用デザインを選択し、該選択された刺繍用デザインを購入できるようにする電子商取引エンジンとを有するマーケットユニットをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記刺繍デザイン変換ユニットは、色を最大色数にまで減らし、前記刺繍用デザインのあらゆる背景を除去して前記ステッチファイルを生成する命令をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記刺繍デザイン変換ユニットは、前記刺繍用デザインの前景により覆われる面積に基づいて、前記ステッチファイルのステッチ数を推定する命令をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記刺繍デザイン変換ユニットは、前記ステッチ数に基づいて、前記ステッチファイルの価格を決定する命令をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
刺繍システムであって、
刺繍用デザインを受け取るためのデザインユニットを有する刺繍デザインユニットと、
前記刺繍用デザインを変換してステッチファイルを生成する刺繍デザイン変換ユニットと、
前記刺繍用デザインに関連する1つ又はそれ以上のステッチファイルを保管する刺繍デザインライブラリと、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項7】
前記刺繍デザインライブラリは、前記ステッチファイルが生成されていない刺繍用デザインを保管することを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記刺繍デザインライブラリは、画像及び該画像のステッチファイルを保管することを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記刺繍デザインライブラリは、画像及び該画像に関連する複数のステッチファイルを保管し、各々の前記ステッチファイルは所定のサイズを有することを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
刺繍システムであって、
各々の刺繍デザインライブラリが特定の刺繍デザイン所有者の1つ又はそれ以上の刺繍デザインを有する、複数の刺繍デザインライブラリと、
前記刺繍デザイン所有者の前記刺繍デザインを表示する表示ユニット、及び、ユーザが表示された刺繍デザインを選択し、該選択された刺繍デザインを購入できるようにする電子商取引エンジン、を有するマーケットユニットと、
を備え、
前記選択された刺繍デザインの前記刺繍デザイン所有者は、前記選択された刺繍デザインの使用料を受け取る、
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記使用料は、購入価格の一定の割合又は所定の金額をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
各々の刺繍製品デザインライブラリが特定の刺繍製品デザイン所有者の1つ又はそれ以上の刺繍製品デザインを有する、複数の刺繍製品デザインライブラリをさらに備え、
前記表示ユニットは前記刺繍製品デザインを表示し、前記電子商取引エンジンは、ユーザが表示された刺繍製品デザインを選択して購入できるようにし、
前記刺繍製品デザインの前記所有者は、前記選択された刺繍製品デザインの使用料を受け取る、
ことを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
各々の刺繍製品デザインライブラリが特定の刺繍製品デザイン所有者の1つ又はそれ以上の刺繍製品デザインを有する、複数の刺繍製品デザインライブラリと、
前記刺繍製品デザイン所有者の前記刺繍製品デザインを表示する表示ユニット、及び、ユーザが表示された刺繍製品デザインを選択し、該選択された刺繍製品デザインを購入できるようにする電子商取引エンジン、を有するマーケットユニットと、
を備え、
前記選択された刺繍製品デザインの前記刺繍製品デザイン所有者は、前記選択された刺繍製品デザインの使用料を受け取る、
ことを特徴とするシステム。
【請求項14】
前記使用料は、購入価格の一定の割合又は所定の金額をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記刺繍製品デザインは、前記刺繍製品デザイン所有者の刺繍デザイン及び買主のデザインのためのテンプレートをさらに含み、前記購入された製品は、前記刺繍製品デザイン所有者の前記刺繍デザイン及び前記買主の前記デザインを有することを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記刺繍製品デザインは、前記刺繍製品デザイン所有者の、買主によって修正された刺繍デザインをさらに含み、前記購入された製品は、前記刺繍製品デザイン所有者の前記修正された刺繍デザインを有し、前記選択された刺繍製品デザインの前記刺繍製品デザイン所有者は、前記選択された刺繍製品デザインの使用料を受け取る、
ことを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
刺繍用デザインを受け取るためのデザインユニットを有する刺繍デザインユニットと、
3次元において、前記刺繍用デザインをレンダリングし、表示する対話型ステッチプレーヤと、
を備えることを特徴とする刺繍システム。
【請求項18】
前記刺繍用デザインを変換してステッチファイルを生成する刺繍デザイン変換ユニットをさらに備え、前記ステッチファイルは前記対話型ステッチプレーヤ内で表示されることを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記対話型ステッチプレーヤは、前記刺繍用デザインが表示されるとき、ステッチ及び糸の配置の応答の変化をシミュレートすることを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記対話型ステッチプレーヤは、布基材をレンダリングし、前記刺繍用デザイン及びこれの布基材との相互作用を表示することを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記対話型ステッチプレーヤはまた、粗刺繍プレビュー及び刺繍デザインのうちの1つを3次元においてレンダリングすることを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
刺繍システムであって、
1つ又はそれ以上の刺繍デザインを保管する刺繍デザインライブラリと、
前記刺繍用デザインを有する製品をデザインするための刺繍製品デザインツールと、
を備え、
前記刺繍製品デザインツールは、1つ又はそれ以上の固定色、及び1つ又はそれ以上の特注色を有する色パレットをさらに備え、該色パレットは、デザインが刺繍製作機械の限界を越えないようにして前記刺繍用デザインを有する前記製品が製作可能となるようにする、
ことを特徴とするシステム。
【請求項23】
前記刺繍用デザインを変換して1つ又はそれ以上の色を有するステッチファイルを生成する刺繍デザイン変換ユニットをさらに備えることを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記1つ又はそれ以上の固定色は、前記ステッチファイル内の前記1つ又はそれ以上の色であることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記1つ又はそれ以上の特注色は、テキスト用の色を含むことを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記1つ又はそれ以上の固定色は、ユーザが刺繍デザインの画像を変更するときに変化することを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
前記ステッチファイル内の前記1つ又はそれ以上の色は、ユーザによるカスタマイズが可能であることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項1】
刺繍システムであって、
刺繍用デザインを受け取るためのデザインユニットを有する刺繍デザインユニットと、
1つ又はそれ以上の刺繍デザインを保管する刺繍デザインライブラリと、
前記刺繍用デザインを変換してステッチファイルを生成する刺繍デザイン変換ユニットと、
前記刺繍用デザインを有する製品をデザインするための刺繍製品デザインツールと、
を備え、
前記刺繍デザインライブラリはまた、各々の刺繍デザインのプロキシを保管し、該プロキシは、前記ステッチファイルの生成中に、前記刺繍用デザインを有する製品をデザインするのに用いることができる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
刺繍用デザインを表示する表示ユニットと、ユーザが表示された刺繍用デザインを選択し、該選択された刺繍用デザインを購入できるようにする電子商取引エンジンとを有するマーケットユニットをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記刺繍デザイン変換ユニットは、色を最大色数にまで減らし、前記刺繍用デザインのあらゆる背景を除去して前記ステッチファイルを生成する命令をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記刺繍デザイン変換ユニットは、前記刺繍用デザインの前景により覆われる面積に基づいて、前記ステッチファイルのステッチ数を推定する命令をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記刺繍デザイン変換ユニットは、前記ステッチ数に基づいて、前記ステッチファイルの価格を決定する命令をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
刺繍システムであって、
刺繍用デザインを受け取るためのデザインユニットを有する刺繍デザインユニットと、
前記刺繍用デザインを変換してステッチファイルを生成する刺繍デザイン変換ユニットと、
前記刺繍用デザインに関連する1つ又はそれ以上のステッチファイルを保管する刺繍デザインライブラリと、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項7】
前記刺繍デザインライブラリは、前記ステッチファイルが生成されていない刺繍用デザインを保管することを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記刺繍デザインライブラリは、画像及び該画像のステッチファイルを保管することを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記刺繍デザインライブラリは、画像及び該画像に関連する複数のステッチファイルを保管し、各々の前記ステッチファイルは所定のサイズを有することを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
刺繍システムであって、
各々の刺繍デザインライブラリが特定の刺繍デザイン所有者の1つ又はそれ以上の刺繍デザインを有する、複数の刺繍デザインライブラリと、
前記刺繍デザイン所有者の前記刺繍デザインを表示する表示ユニット、及び、ユーザが表示された刺繍デザインを選択し、該選択された刺繍デザインを購入できるようにする電子商取引エンジン、を有するマーケットユニットと、
を備え、
前記選択された刺繍デザインの前記刺繍デザイン所有者は、前記選択された刺繍デザインの使用料を受け取る、
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記使用料は、購入価格の一定の割合又は所定の金額をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
各々の刺繍製品デザインライブラリが特定の刺繍製品デザイン所有者の1つ又はそれ以上の刺繍製品デザインを有する、複数の刺繍製品デザインライブラリをさらに備え、
前記表示ユニットは前記刺繍製品デザインを表示し、前記電子商取引エンジンは、ユーザが表示された刺繍製品デザインを選択して購入できるようにし、
前記刺繍製品デザインの前記所有者は、前記選択された刺繍製品デザインの使用料を受け取る、
ことを特徴とする、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
各々の刺繍製品デザインライブラリが特定の刺繍製品デザイン所有者の1つ又はそれ以上の刺繍製品デザインを有する、複数の刺繍製品デザインライブラリと、
前記刺繍製品デザイン所有者の前記刺繍製品デザインを表示する表示ユニット、及び、ユーザが表示された刺繍製品デザインを選択し、該選択された刺繍製品デザインを購入できるようにする電子商取引エンジン、を有するマーケットユニットと、
を備え、
前記選択された刺繍製品デザインの前記刺繍製品デザイン所有者は、前記選択された刺繍製品デザインの使用料を受け取る、
ことを特徴とするシステム。
【請求項14】
前記使用料は、購入価格の一定の割合又は所定の金額をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記刺繍製品デザインは、前記刺繍製品デザイン所有者の刺繍デザイン及び買主のデザインのためのテンプレートをさらに含み、前記購入された製品は、前記刺繍製品デザイン所有者の前記刺繍デザイン及び前記買主の前記デザインを有することを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記刺繍製品デザインは、前記刺繍製品デザイン所有者の、買主によって修正された刺繍デザインをさらに含み、前記購入された製品は、前記刺繍製品デザイン所有者の前記修正された刺繍デザインを有し、前記選択された刺繍製品デザインの前記刺繍製品デザイン所有者は、前記選択された刺繍製品デザインの使用料を受け取る、
ことを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
刺繍用デザインを受け取るためのデザインユニットを有する刺繍デザインユニットと、
3次元において、前記刺繍用デザインをレンダリングし、表示する対話型ステッチプレーヤと、
を備えることを特徴とする刺繍システム。
【請求項18】
前記刺繍用デザインを変換してステッチファイルを生成する刺繍デザイン変換ユニットをさらに備え、前記ステッチファイルは前記対話型ステッチプレーヤ内で表示されることを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記対話型ステッチプレーヤは、前記刺繍用デザインが表示されるとき、ステッチ及び糸の配置の応答の変化をシミュレートすることを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記対話型ステッチプレーヤは、布基材をレンダリングし、前記刺繍用デザイン及びこれの布基材との相互作用を表示することを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記対話型ステッチプレーヤはまた、粗刺繍プレビュー及び刺繍デザインのうちの1つを3次元においてレンダリングすることを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
刺繍システムであって、
1つ又はそれ以上の刺繍デザインを保管する刺繍デザインライブラリと、
前記刺繍用デザインを有する製品をデザインするための刺繍製品デザインツールと、
を備え、
前記刺繍製品デザインツールは、1つ又はそれ以上の固定色、及び1つ又はそれ以上の特注色を有する色パレットをさらに備え、該色パレットは、デザインが刺繍製作機械の限界を越えないようにして前記刺繍用デザインを有する前記製品が製作可能となるようにする、
ことを特徴とするシステム。
【請求項23】
前記刺繍用デザインを変換して1つ又はそれ以上の色を有するステッチファイルを生成する刺繍デザイン変換ユニットをさらに備えることを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記1つ又はそれ以上の固定色は、前記ステッチファイル内の前記1つ又はそれ以上の色であることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記1つ又はそれ以上の特注色は、テキスト用の色を含むことを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記1つ又はそれ以上の固定色は、ユーザが刺繍デザインの画像を変更するときに変化することを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
前記ステッチファイル内の前記1つ又はそれ以上の色は、ユーザによるカスタマイズが可能であることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【公表番号】特表2012−507082(P2012−507082A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533373(P2011−533373)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/061858
【国際公開番号】WO2010/048516
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(510116679)ザズル ドット コム インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/061858
【国際公開番号】WO2010/048516
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(510116679)ザズル ドット コム インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】
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