説明

力学量検出センサ

【課題】検出感度が高く、小型化可能な力学量検出センサを提供すること。
【解決手段】
矩形枠状の枠体11と、枠体11の内側に配置された変位部12と、枠体11の一辺から対向辺に向かって延在する長尺部15と長尺部15に連なり、変位部12の四隅に接続される接続部16とを有し、枠体11の四辺と変位部12とを接続する4つの梁部13と、枠体11との接続部分に位置する検出素子17とを有し、梁部の13の撓みを検出素子17によって検出することにより、X軸、Y軸及びZ軸の3軸方向の加速度を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸方向の加速度を検出可能な力学量検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車産業や機械産業では、加速度を正確に検出できる小型の加速度センサの需要が高まっている。このような加速度センサとして、圧電素子等の検出素子を用いて互いに直交する3軸方向の加速度を検出する加速度センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9は、特許文献1記載の加速度センサの検出原理を示す模式図である。かかる加速度センサは、枠体91と、枠体91の中央部に位置し、力(加速度)を受けて変位する錘部92と、枠体91と錘部92との間に接続され、錘部92を枠体91に揺動自在に支持する梁部93と、梁部93の変位を電気信号に変換する検出素子94とを備えて構成される。図9に示すように、加速度センサに加速度の力が作用した場合、Z軸方向からの力であれば、錘部92は、Z軸方向(上方又は下方)に変位する。この錘部92の変位を受けて梁部93が撓み、この梁部93の撓みを圧電素子等で構成された検出素子94によって電気信号として取出す。
【0004】
また、図中に示すように、梁部93は、錘部92の重心より上部であるZ軸方向の上面と枠体91との間に接続されている。このため、Y軸方向から力(加速度)が作用した場合、錘部92はZ軸方向(上方又は下方)に変位する。この錘部92の変位を受けて梁部93が撓み、この梁93の撓みを検出素子94によって電気信号として取出す。
【0005】
一方、X軸方向から力(加速度)が作用した場合、錘部92はZ軸方向には変位しないので、加速度を検出することができない。このため、特許文献1の加速度センサは、複数の梁部93及び検出素子94を互いの不感領域を補完するように配置して不感領域を無くし、3軸方向の加速度の作用を検出できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−101531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、複数の梁部93及び検出素子94を用いた場合、錘部92が放射状に四方に伸びる複数の梁部93によって支持されるため、検出素子93に加わる力が複数の検出素子93に分散して検出感度が低下する。また、複数の梁部93を四方に伸びるように配置するため、加速度センサ自体の小型化が難しいという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、検出感度が高く、小型化可能な力学量検出センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の力学量検出センサは、収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも4つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面に沿って延設され、少なくとも4本の梁が前記錘の外周面の略全周に沿って延設されることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、梁の全長を短縮することなく枠体内に梁を設けることができるので、梁の撓みを大きくすることができ、検出感度を向上できる。また、梁と錘との干渉を回避できるので、力学量検出センサを小型化できる。
【0011】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記梁は、少なくとも1つの屈折部を有することが好ましい。
【0012】
本発明の力学量検出センサは、収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも2つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面に沿って延設され、少なくとも2本の梁が前記錘の外周面の略全周に沿って延設されることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、梁の長手方向の距離を延ばすことなく、梁の全長を延長できるので、梁の撓みを大きくすることができ、検出感度を更に向上できる。また、梁と錘の干渉を回避できるので、力学量検出センサを小型化できる。
【0014】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記梁は、少なくとも2つの屈折部を有することが好ましい。
【0015】
本発明の力学量検出センサは、収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも1つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面の少なくとも半周以上前記錘に沿って延設されることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、梁の長手方向の距離を延ばすことなく、全長を更に延長できるので、梁の撓みを大きくすることができ、検出感度を特に向上できる。また、梁と錘の干渉を回避できるので、力学量検出センサを小型化できる。
【0017】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記梁は、少なくとも3つの屈折部を有することが好ましい。
【0018】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記検出素子は、X軸、Y軸及びZ軸の検出方向に応じて前記梁の対応する位置に設けられることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれの検出方向に対して出力信号を得ることができるので、簡素な演算で力学量を算出することができる。
【0020】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記検出素子は、梁のX軸、Y軸及びZ軸の3軸方向の力学量を共に検出できる位置に設けられることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、X軸、Y軸及びZ軸方向の加速度を1つの検出素子で検出することができるので、力学量検出センサの構成が容易になると共に、各軸方向の力学量の合計を簡素な演算で算出することができる。
【0022】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記検出素子は、平面視においてそれぞれの梁部の前記枠体側に設けられていることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、撓みの大きい梁部の枠体側で力学量を検出できるので、錘部の形状、質量によらず、高い検出感度で力学量を検出することができる。
【0024】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記検出素子は、圧電素子で構成されることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、梁上に形成した圧電素子を検出素子に用いることができるので、検出素子の形成が容易になり、力学量検出素子の製造が容易となる。
【0026】
本発明は、上記力学量検出センサにおいて、前記検出素子は、前記梁及び前記変位部上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に部分的に形成された上部電極とで構成されることを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、力学量検出センサの製造工程において、検出素子の形成を梁及び変位部上に行うことができると共に、検出素子の形成を上部電極の形状によって制御することができるので、力学量検出センサの製造を容易にすることができる。
【0028】
本発明の力学量検出センサは、収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも4つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記検出素子が前記梁及び前記錘部上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に部分的に形成された上部電極とで構成されており、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面に沿って延設され、少なくとも4本の梁が前記錘の外周面の略全周に沿って延設されていることを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、梁の全長を短縮することなく枠体内に梁を設けることができるので、梁の撓みを大きくすることができ、検出感度を向上できる。また、梁と錘との干渉を回避できるので、力学量検出センサを小型化できる。
【0030】
本発明の力学量検出センサは、収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも2つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記検出素子が前記梁及び前記錘上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に部分的に形成された上部電極とで構成されており、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面に沿って延設されて、少なくとも2本の梁が前記錘の外周面の略全周に沿って延設されることを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、梁の長手方向の距離を延ばすことなく、全長を更に延長できるので、梁の撓みを大きくすることができ、検出感度を更に向上できる。また、梁と錘の干渉を回避できるので、力学量検出センサを小型化できる。さらに、力学量検出センサの製造工程において、検出素子の形成を梁及び変位部上に行うことができると共に、検出素子の形成を上部電極の形状によって制御することができるので、力学量検出センサの製造を容易にすることができる。
【0032】
本発明の力学量検出センサは、収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも1つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記検出素子が前記梁及び前記錘上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に部分的に形成された上部電極とで構成されており、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面の少なくとも半周以上前記錘に沿って延設されることを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、梁の長手方向の距離を延ばすことなく、全長を特に延長できるので、梁の撓みを大きくすることができ、検出感度を特に向上できる。また、梁と錘の干渉を回避できるので、力学量検出センサを小型化できる。さらに、力学量検出センサの製造工程において、検出素子の形成を梁及び変位部上に行うことができると共に、検出素子の形成を上部電極の形状によって制御することができるので、力学量検出センサの製造を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、検出感度が高く、小型化可能な力学量検出センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態1に係る力学量センサを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る力学量センサの分解斜視図である。
【図3】(a)は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサを示す平面図であり、(b)は、(a)に示す検出素子を示す図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの加工プロセスを示す図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの加工プロセスを示す図である。
【図6】(a)錘部がX軸及びY軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(b)錘部がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【図7】(a)本発明の実施の形態2に係る力学量検出センサの構造を示す模式図であり、(b)錘部がY軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(c)錘部がX軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(d)錘部がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【図8】(a)本発明の実施の形態3に係る力学量検出センサの構成を示す模式図であり、(b)錘部がY軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(c)錘部がX軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(d)錘部がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【図9】従来技術の加速度検出装置の検出原理を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る力学量検出センサ1の斜視図であり、図2は、力学量検出センサ1の分解斜視図である。
【0038】
図1および図2に示すように、力学量検出センサ1は、第1の半導体基板2と第2の半導体基板3とを絶縁層4を介して接合して構成されている。力学量検出センサ1は、例えば、第1の半導体基板2をシリコン層、絶縁層4を酸化シリコン層、第2の半導体基板3をシリコン層とした3層構造をなすSOI(Silicon On Insulator)基板を用いて製造可能である。
【0039】
第1の半導体基板2は、第2の半導体基板3と比較して相対的に薄板状のシリコン層で構成され、収納空間が形成された矩形枠状の枠体11と、枠体11の内側に配置された変位部12と、枠体11の枠内の隣接する二辺が交差する4つの角部(以下、単に角部という)と変位部12とを接続する4つの梁部13とが形成されている。枠体11、変位部12、梁部13は、第1の半導体基板2をエッチングにより変位部12の周囲に上面視L字状の4つの開口を設けることで形成される。
【0040】
枠体11は、L字状の4つの開口により変位部12を囲うように形成されている。変位部12は、略正方形状に形成され、枠体11の枠内中央に配置されている。4つの梁部13は、それぞれ枠体11の一辺から対向辺に向かって延在する長尺部15と、長尺部15に連なり、変位部12の4つの角部に接続される接続部16とから構成される。このように、4つの梁部13は、長尺部15を有し、変位部12(後述する錘部22を含む)の略全周に沿って延在しているため、撓み易い構成となっている。尚、この場合の略全周とは、変位部12の全周に沿って延設されているのみでなく、長尺部15の撓みによって加速度を検出できる範囲内であれば、変位部12の外周面の全周に沿っていなくとも良い。
【0041】
各梁部13の上面には、枠体11との接続部分の近傍にそれぞれ検出素子17が設けられており、この検出素子17により各梁部13の撓み量が検出される。検出素子17は、いわゆる圧電素子であり、例えば、図示しない下地膜の上面に、下部電極、圧電体膜、上部電極の順に蒸着などにより成膜することで形成される。検出素子17は、梁部13に生じた撓みにより変形し、この変形による圧力を電圧に変換して出力する。
【0042】
第2の半導体基板3には、第1の半導体基板2と比較して相対的に厚板状のシリコン層で構成され、矩形状の開口部23を有する支持部21と、開口部23の内側に配置された錘部22とが形成されている。支持部21および錘部22は、第2の半導体基板3をエッチングにより錘部22の周囲に矩形枠状の開口を設けることで形成される。
【0043】
支持部21は、上面視において枠体11に対応した形状を有しており、枠体11の下面に絶縁層4を介して接合されている。錘部22は、略直方体形状に形成されており、変位部12の下面に絶縁層4を介して接合されている。このように、錘部22は、枠体11の収納空間及び支持部21の開口部23の内側において、変位部12を介して4つの梁部13により揺動自在に支持される。よって、錘部22の重心位置に慣性力が作用すると、X軸回りの回動、Y軸回りの回動、Z軸方向の直動が可能となっている。
【0044】
このように、梁部13の構造を、枠体11の角部から対向辺に向かって延在する長尺部15と長尺部15に連なる接続部16とに分け、屈曲させて構成することにより、梁部13の全長を短縮することなく、枠体11の収納空間及び支持部21の開口部23内に設けることができると共に、梁部13の錘部22への干渉を最小限とすることができる。このため、梁部13の全長を長くとることができると共に、錘部22重量を低減しないので、力学量検出センサ1の検出感度を向上でき、装置を小型化することができる。
【0045】
図3(a)は、本発明の実施の形態1に係る力学量検出センサ1を示す平面図である。図3(a)に示すように、梁13は、一端(図中のA側〜D側)が枠体11に固定されており、他端が変位部12に固定されている。図3(a)においては、枠体11を省略して図示している。梁13は、それぞれ変位部12の外周面との間に所定の間隔をとって変位部12の外周面に沿って延設されている。
【0046】
検出素子17は、図3(b)に示すように、梁13及び変位部12上に形成された下部電極25と、この下部電極25上に形成された圧電薄膜26と、圧電薄膜26上に部分的に形成された上部電極27とで構成されている。上部電極27は、下部電極25/圧電薄膜26の積層体のうち、力学量が加わったときに応力が集中する応力集中部分に形成する。このような構成によれば、応力集中部分に下部電極25/圧電薄膜26/上部電極27の3層の積層体を形成する場合に比べて、アライメントずれなく、応力集中部分に上部電極27を形成することが可能となる。
【0047】
次に、図4及び図5を参照して、力学量検出センサの加工プロセスの一例について説明する。図4(a)〜(d)及び図5(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る力学量検出センサの加工プロセスを示す図である。
【0048】
図4(a)に示すように、第1の半導体基板2、絶縁層4、第2の半導体基板3を積層したSOI基板を準備し、第1の半導体基板2の上面にサポート基板30が配置される。次に、図4(b)に示すように、第2の半導体基板3の下面が研磨され薄化されると共に、第2の半導体基板3がフォトリソグラフィ及びエッチング(deep RIE)により加工されて支持部21及び錘部22が形成される。
【0049】
次に、図4(c)に示すように、第3の基板31がフォトリソグラフィ及びエッチングにより加工されて凹部31aが形成され、第2の半導体基板3の下面に接合される。次に、図4(d)に示すように、第1の半導体基板2の上面からサポート基板30が剥離され、第1の半導体基板2の上面が研磨されて所望の厚みに薄化される。
【0050】
次に、図5(a)に示すように、第1の半導体基板2の上面にスパッタリングにより絶縁材料が被着される。次に、図5(b)に示すように、絶縁層18の梁部13領域を含む領域上に、検出素子17が形成される。検出素子17は、梁13及び変位部12上に形成された下部電極25と、下部電極25上に形成された圧電薄膜26と、圧電薄膜26上に部分的に形成された上部電極27とから構成されている。まず、梁13及び変位部12上に、スパッタリングにより下部電極25用の金属材料、圧電材料及び上部電極27用の金属材料をこの順で被着し、フォトリソグラフィ及びエッチングにより金属材料及び圧電材料をパターンニングして下部電極25、圧電薄膜26及び上部電極27用の金属層を形成する。その後、再度フォトリソグラフィ及びエッチングにより上部電極27用の金属層をパターンニングして上部電極27を形成する。
【0051】
次に、図5(c)に示すように、第1の半導体基板2を絶縁層4,18と共に部分的に除去することにより、梁部13及び変位部12を設ける。このようにして、図3に示す力学量検出センサ1を得ることができる。
【0052】
次に、図6を参照して、力学量検出センサの動作について説明する。図6(a)は、錘部がX軸、Y軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、(b)は錘部がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【0053】
図6(a)に示すように、力学量検出センサ1に対して力(加速度)が作用して、錘部22に対してY軸方向に慣性力が作用すると、錘部22はX軸回りに回動する。このとき、梁部13a、13bの変位部12側がZ軸方向下方に移動して、梁部13a、13bの枠体11側(検出素子17a、17b側)にZ軸方向上方の力が作用する。また、梁部13c、13dの変位部12側がZ軸方向上方に移動して、梁部13c、13dの枠体11側(検出素子17c、17d側)にZ軸方向下方の力が作用する。そして、梁部13a、13bの枠体11側はZ軸方向上方に膨らむように撓み、梁部13c、13dの枠体11側はZ軸方向下方に沈むように撓む。
【0054】
検出素子17a、17bは、それぞれ梁部13a、13bの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、変形を受けて電圧を出力する。また、検出素子17c、17dは、それぞれ梁部13c、13dの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向下方に沈むように変形し、変形を受けて電圧を出力する。各検出素子17a、17b、17c、17dから出力された電圧は、図示しない演算回路において演算され、加速度が算出される。
【0055】
なお、力学量検出センサ1に対して力(加速度)が作用して、錘部22に対してX軸方向に慣性力が作用すると、錘部22はY軸回りに回動する。この場合には、梁部13b、13cの枠体11側にZ軸方向上方に力が作用し、梁部13a、13dの枠体11側にZ軸方向下方に力が作用する。したがって、検出素子17b、cは、それぞれ梁部13b、13cの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、検出素子17a、17dは、それぞれ梁部13a、13dの枠体11側の撓みに合わせてZ軸方向下方に沈むように変形する。
【0056】
図6(b)に示すように、力学量検出センサ1に対して力(加速度)が作用して、錘部22に対してZ軸方向に慣性力が作用すると、錘部22はZ軸方向下方に直動する。このとき、梁部13a、13b、13c、13dの変位部12側がZ軸方向下方に移動して、梁部13a、13b、13c、13dの枠体11側にZ軸方向上方に力が作用する。そして、梁部13a、13b、13c、13dの枠体11側はZ軸方向上方に膨らむように撓み、検出素子17a、17b、17c、17dもZ軸方向上方に膨らむように変形する。各検出素子17a、17b、17c、17dの変形を受けて電圧を出力し、出力された電圧は、図示しない演算回路において演算され、加速度が算出される。
【0057】
以上のように、力学量検出センサ1によれば、X軸、Y軸方向からの力(加速度)の作用をそれぞれY軸、X軸の回動として、また、Z軸方向からの力(加速度)の作用を直動としてそれぞれ錘部22のZ軸方向の変位に変換することができるので、各軸方向からの力(加速度)の作用を検出することができる。
【0058】
また、力学量検出センサ1は、一端が枠体11に固定され、他端が変位部12に固定された梁部13を有する。この梁部13は、錘部22の外周面との間に所定の間隔をとって錘部22の外周面に延設されるので、梁部13と錘部22の干渉を低減でき、錘部22の重量を低減することなく、梁部13と錘部22を配置することができる。また、梁部13は、長尺部15と接続部16とを備え、屈曲された構造を有するので、梁部13の全長を短縮することなく、梁部13を枠体11の枠内に配することができる。このため、力学量検出センサ1においては、高い検出感度が得られると共に、装置全体を小型化できる。
【0059】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る力学量検出センサ40について説明する。図7(a)は、力学量検出センサ40の錘部41(図示されない変位部を含む)、梁部42の構造を示す模式図であり、説明の便宜上、枠体11、支持部21は省略している。尚、力学量センサ1と構成が同一の部分については、説明を省略する。
【0060】
図7(a)に示すように、力学量検出センサ40は、枠体11と錘部41とを接続する2つの梁部42a、42bを備えて構成される。梁部42aは、一端が枠体11の角部に接続され、対向辺に向かって錘部41に沿って延在する長尺部43aと、長尺部43aの他端に長尺部43aに略直交して一端が接続され、対向辺に向かって錘部41に沿って延在する中尺部44aと、中尺部44aに連なり、錘部41の角部に接続される接続部45aとから構成される。
【0061】
梁部42bは、一端が梁部42aの接続された枠体11の角部と対角上の角部に接続され、対向辺に向かって錘部41に沿って延在する長尺部43bと、長尺部43bの他端に長尺部43bに略直交して一端が接続され、対向辺に向かって錘部41に沿って延在する中尺部44bと、中尺部44bに連なり、接続部45aと対角上の角部に接続される接続部45bとから構成される。すなわち、梁部42a、42bは、それぞれ互い違いに構成され、錘部41の略全周に沿って延設されるように構成されている。
【0062】
このように、2つの梁部42a、42bは、長尺部43a、43bと、中尺部44a、44bとを有し、錘部41の略全周に沿って延設されているため、更に撓みやすい構成となっている。尚、この場合の略全周とは、錘部41の全周に沿って延設されているのみでなく、長尺部43a、43b及び中尺部44a、44bの撓みによって加速度を検出できる範囲内であれば、錘部41の外周面の全周に沿っていなくとも良い。
【0063】
梁部42a、42bの中尺部44a、44bそれぞれの中央部には、検出素子46a、46bが形成されている。梁部42a、42bの長尺部43a、43bそれぞれの中央部には、検出素子47a、47bが形成され、長尺部43bの枠体11との接続側(中尺部44bと反対側)には、検出素子48が形成されている。その他の構成に関しては、実施の形態1の力学量センサ1と同様に構成されるため、説明を省略する。
【0064】
次に、力学量センサ40の動作について説明する。図7(b)は、錘部41がY軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、図7(c)は、錘部41がX軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、図7(d)は、錘部41がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【0065】
図7(b)に示すように、力学量検出センサ40に対して力(加速度)が働いて、錘部41に対してX軸方向の慣性力が作用すると、錘部41はY軸回りに回動する。このとき、梁部42aの接続部45aはZ軸方向下方に移動して、梁部42aの中尺部44aにはZ軸方向下方の力が作用する。また、梁部42bの接続部45bはZ軸方向上方に移動して、梁部42bの中尺部44bにはZ軸方向上方に力が作用する。そして、中尺部44aはZ軸方向上方に撓み、中尺部44bは、Z軸方向下方に撓む。
【0066】
検出素子46aは、中尺部44aの撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、変形を受けて電圧を出力する。また、検出素子46bは、中尺部44bの撓みに合わせてZ軸方向下方に沈むように変形し、変形を受けて電圧を出力する。各検出素子46a、46bから出力された電圧は、図示しない演算回路において演算され、加速度が算出される。
【0067】
図7(c)に示すように、力学量検出センサ40に対して力(加速度)が働いて、錘部41に対してY軸方向の慣性力が作用すると、錘部41はX軸回りに回動する。このとき、梁部42aの接続部45aはZ軸方向上方に移動して、梁部42aの長尺部43aにはZ軸方向上方の力が作用する。また、梁部42bの接続部45bは、Z軸方向下方に移動して、梁部42bの長尺部43bにはZ軸方向下方の力が作用する。そして、長尺部43aはZ軸方向下方に撓み、長尺部43bは、Z軸方向上方に撓む。
【0068】
検出素子47aは、長尺部43aの撓みに合わせてZ軸方向下方に沈むように変形し、変形を受けて電圧を出力する。また、検出素子47bは、長尺部43bの撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、変形を受けて電圧を出力する。各検出素子47a、47bから出力された電圧は、図示しない演算回路において演算され、加速度が算出される。
【0069】
次に図7(d)に示すように、力学量検出センサ40に対して力(加速度)が働いて、錘部41に対してZ軸方向の慣性力が作用すると、錘部41はZ軸方向に直動する。このとき、梁部42a、42bの接続部45a、45bはZ軸方向下方に移動して、梁部42a、42b全体にZ軸方向上方に力が作用する。この場合、枠体11に一端が接続された長尺部43a、43bに大きく力が作用し、長尺部43a、43bはZ軸方向上方に変形する。そして、検出素子47a、47bは、それぞれの長尺部43a、43bに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、変形を受けて電圧を出力する。各検出素子47a、47bから出力された電圧は、図示しない演算回路において演算され、加速度が算出される。
【0070】
以上のようにして、力学量検出センサ40によれば、2つの梁42a、42b上に設けられた4つの検出素子46a、46b、47a及び47bによってX軸、Y軸及びZ軸に対してそれぞれ電圧が出力されるので、X軸、Y軸及びZ軸方向の力(加速度)を検出することができる。また、同じ質量の錘41を用いて構成された4つの梁13a、13b、13c及び13dを有する構成の実施の形態1の力学量検出センサ1と2つの梁42a、42bを有する力学量センサ40とを比較した場合、力学量検出センサ40は、1つあたりの梁部42a、42bに対する錘部41の荷重が大きくできることに加え、梁部42a、42bの全長を梁部13a、13b、13c及び13dより長く構成することができるため、検出感度を増大させることができる。
【0071】
また、力学量検出センサ40の構成においては、検出素子48のみを用いてX軸、Y軸及びZ軸方向の加速度を検出することもできる。この場合、上記した作用で、検出素子48は、X軸方向及びZの軸方向の慣性力に対しては、Z軸方向下方に変形し、Y軸方向の加速度に対してはZ軸方向上方に変形する。このため、検出素子48は、X軸、Y軸及びZ軸方向の加速度全てに対して変形し、変形を受けて電圧を出力することができる。また、この場合、X軸、Y軸及びZ軸の各軸方向からの力(加速度)が検出素子48に集約されて出力されるので、簡素な演算処理で、X軸、Y軸及びZ軸方向の全ての方向に対して力(加速度)が検出できる。尚、検出素子48は、梁42aの長尺部43aの枠体11側に設けることもできる。
【0072】
さらに、力学量検出センサ40において、検出素子48を用いた場合、錘部41の質量、形状及び梁部42a、42bの形状、長尺部43a、43b、中尺部44a、44bの長さを調整することにより、各軸方向の出力信号を調整することができる。このように各軸方向の出力を調整することにより、例えば、X軸、Y軸及びZ軸の各軸方向を問わず、所定の力(加速度)以上の作用を軽微な演算で検出できるように構成することもできる。
【0073】
以上のように、本実施の形態に係る加速度センサ40によれば、梁の数を2本に削減することができると共に、梁の長さを長く構成することができるので、加速度の検出感度を増大させることができる。また、検出素子の位置を調整することにより、軽微な演算処理で、力(加速度)の検出を行うこともできる。
【0074】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る力学量検出センサ50について説明する。図8(a)は、力学量検出センサ50の錘部51(図示されない変位部を含む)、梁部52の構造を示す模式図であり、説明の便宜上、枠体11、支持部21は省略している。尚、力学量センサ1と構成が同一の部分については、説明を省略する。
【0075】
図8(a)に示すように、力学量検出センサ50においては、枠体11と錘部51とを接続する梁部52を備えて構成される。梁部52は、一端が枠体11の角部に接続され、この角部の対向辺に向かって錘部51に沿って延在する長尺部53と、長尺部53と略直交して長尺部53の他端に一端が接続され、対向辺に向かって錘部51に沿って延在する中尺部54と、中尺部54と略直交して中尺部54の他端に一端が接続され、錘部12に沿って延在する短尺部55と、短尺部55に連なって錘部51と接続される接続部56とを有する。このように、梁部52は、長尺部53と、中尺部54と、短尺部55を有し、錘部51の外周面の半周以上に沿って形成されているため、特に撓みやすい構造となっている。
【0076】
梁部52の中尺部54の中央には、検出素子57が設けられている。梁部52の長尺部53の中央には検出素子58が設けられ、梁部52の枠体11側には検出素子59が設けられている。その他に関しては、実施の形態1の力学量検出センサ1及び実施の形態2の力学量検出センサ40と同様に構成されるため、説明を省略する。
【0077】
次に、力学量センサ50の動作について説明する。図8(b)は、錘部がY軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、図8(c)は、錘部がX軸回りに回動する際の検出動作説明図であり、図8(d)は、錘部がZ軸方向に直動する際の検出動作説明図である。
【0078】
図8(b)に示すように、力学量検出センサ50に対して力(加速度)が働いて、錘部51に対してX軸方向に慣性力が作用した場合、錘部51はY軸回りに回動する。このとき、梁部52の中尺部54にはZ軸方向上方に力が作用する。そして、中尺部54はZ軸方向下方に撓む。検出素子57は、中尺部54の撓みに合わせてZ軸方向下方に沈むように変形し、変形を受けて電圧を出力する。このように、検出素子57から出力された電圧は、図示しない演算回路で加速度が算出される。
【0079】
図8(c)に示すように、力学量検出センサ50に対して力(加速度)が働いて、錘部51に対してY軸方向に慣性力が作用すると、錘部51はX軸回りに回動する。このとき、梁部52の長尺部53には、Z軸方向下方に力が作用する。そして、長尺部53はZ軸方向上方に撓む。検出素子58は、長尺部53の撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、変形を受けて電圧を出力する。このように、検出素子58から出力された電圧は、図示しない演算回路で加速度が算出される。
【0080】
次に、図8(d)に示すように、力学量検出しセンサ50に対して力(加速度)が働いて、錘51に対してZ軸方向に慣性力が作用した場合、錘部51はZ軸方向に直動する。このとき、梁部52の長尺部53、中尺部54、短尺部55のそれぞれにZ軸方向下方の力が作用する。この場合、枠体11と接続された長尺部53にZ軸方向上方の力が強く作用し、Z軸方向上方に撓みが生じる。そして、検出素子59は、長尺部53の撓みに合わせてZ軸方向上方に膨らむように変形し、変形を受けて電圧を出力する。このように、検出素子59から出力された電圧は、図示しない演算回路で加速度が算出される。
【0081】
力学量検出センサ50においては、3つの検出素子57、58、59をX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向の検出にそれぞれ分けて用いることができる。このため、各軸方向の加速度が独立して検出でき、各検出素子57、58、59によって検出された電圧より、複雑な演算をすることなく、各軸方向の加速度を算出することができる。また、各軸方向の信号を合算することにより、X軸、Y軸及びZ軸方向の合計の加速度の合計を軽微な演算により求めることもできる。
【0082】
また、同じ質量の錘51を用いて実施の形態2の力学量検出センサ40と本実施の形態に係る力学量検出センサ50とを構成した場合、力学量検出センサ50は、1梁あたりの梁部52の荷重を増大させることができることに加え、梁部52の全長を梁部42a、42bより長く構成できるため、検出感度を増大させることができる。
【0083】
また、力学量検出センサ50は、Z軸方向の加速度検出において、梁部52の長尺部53、中尺部54、短尺部55のすべてにZ軸方向の力が作用し得るため、検出素子57、58、59の全てをZ軸方向の加速度に対して検出感度を持たせるように構成することもできる。このため、例えば、一軸方向において、特に検出感度を向上させることもできる。
【0084】
尚、力学量検出センサ1、40及び50においては、各錘部22、41、51の質量、及び、梁部13a、13b、13c、13d、42a、43b、52の長さ及び又は太さ、バネ定数を調整することにより、検出感度を任意に調整することができる。また、力学量検出センサ1、40、50において、各検出素子の配置は、各加速度検出センサ1、40、50の各梁部の任意の場所に設けることができる。
【0085】
また、上記した実施の形態1〜3においては、検出素子として圧電素子を例示して説明したが、この構成に限定されるものではない。梁部の撓みに基づいて力学量に応じた信号を出力する構成であればよく、例えば、圧電素子の代わりにピエゾ抵抗素子を用いてもよい。
【0086】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、錘は直方体に限らず多角柱、円柱等が使用することもできる。また、梁の形状に関しても、矩形状の形状以外にも多角柱、円柱等、種々形状の梁部を用いることができる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形実施可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、エアバックを作動させるための加速度センサや、あるいは、携帯機器の加速度センサ等、互いに直交する3軸方向の力学量検出センサに有用である。
【符号の説明】
【0088】
1、40、50 力学量検出センサ
2 第1の半導体基板
3 第2の半導体基板
4 絶縁層
11 枠体
12 変位部
13、42、52 梁部
15、43、53 長尺部
16、45、56 接続部
17、46、47、48、57、58、59 検出素子
18 絶縁層
21 支持部
22、41、51 錘部
23 開口部
25 下部電極
26 圧電薄膜
27 上部電極
30 サポート基板
31 第3の基板
31a 凹部
44、54 中尺部
55 短尺部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも4つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面に沿って延設され、少なくとも4本の梁が前記錘の外周面の略全周に沿って延設されることを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項2】
前記梁は、少なくとも1つの屈折部を有することを特徴とする請求項1記載の力学量検出センサ。
【請求項3】
収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも2つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面に沿って延設され、少なくとも2本の梁が前記錘の外周面の略全周に沿って延設されることを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項4】
前記梁は、少なくとも2つの屈折部を有することを特徴とする請求項3記載の力学量検出センサ。
【請求項5】
収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも1つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面の少なくとも半周以上前記錘に沿って延設されることを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項6】
前記梁は、少なくとも3つの屈折部を有することを特徴とする請求項5記載の力学量検出センサ。
【請求項7】
前記検出素子は、X軸、Y軸及びZ軸の検出方向に応じて前記梁の対応する位置に設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の力学量検出センサ。
【請求項8】
前記検出素子は、梁のX軸、Y軸及びZ軸の3軸方向の加速度を共に検出できる位置に設けられることを特徴とする請求項3または請求項4記載の力学量検出センサ。
【請求項9】
前記検出素子は、平面視においてそれぞれの梁部の前記枠体側に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の力学量検出センサ。
【請求項10】
前記検出素子は、圧電素子で構成されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の力学量検出センサ。
【請求項11】
前記検出素子は、前記梁及び前記変位部上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に部分的に形成された上部電極とで構成されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の力学量検出センサ。
【請求項12】
収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも4つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記検出素子が前記梁及び前記錘部上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に部分的に形成された上部電極とで構成されており、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面に沿って延設され、少なくとも4本の梁が前記錘の外周面の略全周に沿って延設されていることを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項13】
収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも2つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記検出素子が前記梁及び前記錘上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に部分的に形成された上部電極とで構成されており、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面に沿って延設されて、少なくとも2本の梁が前記錘の外周面の略全周に沿って延設されることを特徴とする力学量検出センサ。
【請求項14】
収納空間が形成された枠体と、前記枠体の収納空間に収容された錘と、前記錘を揺動自在に支持する少なくとも1つの梁と、それぞれの梁に設けられており、前記梁の動きをそれぞれ検出する検出素子とを具備し、前記検出素子が前記梁及び前記錘上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成された圧電薄膜と、前記圧電薄膜上に部分的に形成された上部電極とで構成されており、前記梁は、一端が前記枠体に固定され、他端が前記錘に固定されると共に、前記錘の外周面との間に所定の間隔をとって前記錘の外周面の少なくとも半周以上前記錘に沿って延設されることを特徴とする力学量検出センサ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−216835(P2010−216835A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60860(P2009−60860)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】