説明

加圧焼却炉設備及びその運転方法

【課題】 より簡素な設備によりタービン排気の熱エネルギーを回収できるようにした加圧焼却炉設備及びその運転方法を提供することにある。
【解決手段】 加圧式焼却炉1と、加圧式焼却炉1からの高温排ガスを利用して圧縮空気の生成と送風を行う過給機15と、加圧式焼却炉1を冷却状態から始動するために使用する始動バーナ3と、を備えた加圧焼却炉設備において、過給機15のタービン15b下流に廃熱蒸気ボイラ23を設けるとともに、廃熱ボイラ23で発生する蒸気を過給機15のタービン15b入口上流に吹き込む蒸気供給路24を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧焼却炉設備、詳しは被処理物を加圧下で燃焼し、この燃焼により発生した排ガスにより駆動されるガスタービンを備え、ガスタービンによって圧縮機が駆動され、この圧縮機の駆動によって生成された圧縮空気を流動床の焼却炉内に供給する構成とされた加圧焼却炉設備及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオマスや下水汚泥等の可燃性廃棄物の焼却において、焼却物の持つエネルギーを有効に取り出すための手段の1つとして、加圧流動焼却方法がある。
これを図4に基づいて説明する。図4は、発電用ガスタービンを運転するための従来の発電用加圧式流動床燃焼設備を示す。
図4において、発電用ガスタービンを運転するための従来の発電用加圧式流動床燃焼設備は、被処理物Pを燃焼させる流動床式の焼却炉1と、この燃焼により発生した排ガスGによって駆動されるタービン6b及びこのタービン6bによって駆動され、焼却炉1内に供給する圧縮空気Aを生成するコンブレッサ6aを有するガスタービンエンジン6を備えている。
【0003】
焼却炉1には、粉体状の石炭(発電ボイラーの場合)、バイオマス、都市ゴミや下水汚泥の脱水ケーキ等の被処理物Pを供給する供給器2と、内部を徐々に昇温させる昇温バーナ3とを備えている。昇温バーナ3と焼却炉1の下部の燃料供給口とには、燃焼のための燃料を供給する補助燃料供給設備4が連絡している。また、焼却炉1には、圧縮空気Aが調整弁11を介して1次空気用として炉内に吹き込まれ、圧縮空気Aの充填により、焼却炉1内は、加圧されるようになっている。この加圧下で、被処理物Pが投入されると、吹き上げられる圧縮空気Aに起因して高速で流動する砂などの流動媒体によって激しく混合・攪拌され、被処理物Pは焼却される。
【0004】
焼却炉1では被処理物Pが加圧下で燃焼され、この燃焼により発生した排ガスGを駆動ガスとしてタービン6bを駆動させるようになっている。タービン6bには、コンブレッサ6aが連結されている。コンプレッサ6aはタービン6bの駆動にともなって、駆動されるようになっており、コンブレッサ6aにはエアフィルタ8を通した空気が供給されるようになっている。そして、このタービン6bによって駆動されたコンブレッサ6aの駆動によって生成された圧縮空気Aは、空気供給路12に設けた調整弁11を介して送られる。このようにして焼却炉1内には、コンブレッサ6aによって加圧された高圧の圧縮空気Aが供給されるので、炉内では常圧よりも高圧の状態(加圧下)で被処理物Pが燃焼されることになる。ガスタービンエンジン6は、回転軸を介して起動用電動機兼発電機7と連絡している。起動用電動機兼発電機7は、ガスタービンエンジン6を動作させるため、コンプレッサ作用により空気を圧縮する必要があるため、起動用電動機兼発電機7をそれに供給される電力により回転させ初期駆動される。ガスタービンエンジン6のコンプレッサ6aは、空気フィルタ8と連絡している。
【0005】
焼却炉1内は高圧・高温であることから高圧・高温状態のまま排ガスGが排ガス流路13を介して排気される。この排ガスGは、集塵機5に送られる。この集塵機5は、排ガスG中の煤塵を除去するためのものである。この集塵機5を設置しないと、排ガスG中の煤塵がタービン6bに入り込み,タービン6bを損傷させ又はタービンに付着し、安定した運転を妨げる慮があり、それを防ぐためのものである。
【0006】
集塵機5において煤塵の除去された清浄ガス(排ガス)Gは、駆動ガスとしてタービン6bを駆動させ、圧力(膨張)エネルギーが回収される。その後、排ガス流路13を介して排ガス処理設備9に送られ、排ガス処理設備9に送られた清浄ガス(排ガス)Gは煙突10から大気放出されるものである。タービン6Bの下流側には、タービン6bの高温排気からさらにエネルギー回収して総合熱効率を高めるため、廃熱ボイラ(またはガスタービン発電機あるいは蒸気発生ボイラまたは蒸気タービン発電機)14が設けられている。
【0007】
次に、図4の発電用ガスタービンを運転するための従来の発電用加圧式流動床燃焼設備の作用を説明する。
定常運転時において、ガスタービンエンジン6のガスタービン6bが排ガスで駆動され、同軸に固定されたコンプレッサ6aの回転により吸い込まれた空気は、ガスタービンエンジン6のコンプレッサ6aで昇圧され、焼却炉1に送風される。焼却炉1には、通常、粉体状の石炭(発電ボイラーの場合、焼却炉では焼却物)が供給器2から供給され、燃焼する。焼却炉1の排ガスGは高温の加圧排ガスとなり、排ガス流路13を介して集塵機5に導かれ、排ガス中の塵埃を取り除かれた後、排ガス流路13を介してガスタービンエンジン6のガスタービン6bに導びかれ、ガスタービンエンジン6のガスタービン6bを駆動する。ガスタービンエンジン6のガスタービン6bの回転力は、通常このタービン軸に直結されたガスタービンエンジン6のコンプレッサ6aを駆動し、空気を昇圧する。このコンブレッサ6aの駆動によって生成された圧縮空気Aは、空気供給路12に設けた調整弁11を介して焼却炉1に送られる。そして、タービン6bの下流側で、廃熱ボイラ14によって蒸気を発生させて各種の用途に使用している。
【0008】
以上の説明のように、図4の設備は、全体として内燃機関の構成となっており、焼却炉1は発電ガスタービンや、航空機用ガスタービンにおける燃焼缶に当たる作用を受け持っている。タービン6bを通過した高温排ガスは、タービン6bで圧力エネルギーを放出し、低圧の排ガスとなるが、温度は断熱膨張により多少低下しただけで依然温度大きな温度エネルギーを保有している。このため、この排気熱を有効に活用する廃熱ボイラ14が熱利用設備に利用されている。また、この廃熱で蒸気ボイラ14を運転し高圧蒸気を得て、蒸気タービンを駆動・発電するハイブリッド発電を行う場合もある。この場合、最大限の電力エネルギーを設備から取り出すことが可能と考えられる。
【0009】
しかしながら、図4に示す方式では、ガスタービンエンジン6のタービン6b部分で圧力開放され運動エネルギーを回収された高温の排ガス中には熱エネルギーが残存し、このエネルギーを有効に利用するとエネルギー回収効率の高い設備とすることができる。特に、廃熱ボイラ14による蒸気発生により蒸気タービンを駆動させ動力エネルギーを回収することが可能であることはすでに述べたが、このようなシステムでは2種類のタービン機関を設けるなど設備が複雑となり、その割には回収エネルギーが少なく小規模な設備では経済的に成り立たない。
【0010】
また、このような設備では、通常の流動床炉が電動機駆動の送風機・排風機を必要とするのに比べ、送風機動力を自己発生エネルギーで賄い消費電力量を大幅に節約するだけでなく、余剰のエネルギーをガスタービン機関の軸動力として取リ出し、発電することも可能である。このため、廃棄物焼却においてエネルギー回収をする手段として有望な技術であるが、前述のように加圧流動床焼却炉自体だけでなく、ガスタービン発電機や、蒸気発生ボイラ、蒸気タービン発電機の組み合わせとなり、設備が複雑になり必然的に建設コストの高いものとなる。
【0011】
そこで、本発明者は、図4に示す発電用ガスタービンを用いた加圧焼却炉設備の問題点を解決するため、ガスタービンエンジン(発電用ガスタービン)6の代わりに標準化され大量に市場供給されている内燃機関用の過給機(ターボチャージャ:TC)を利用することによって、経済的な加圧焼却炉設備を得ることを見出した。これを図5により説明する。
【0012】
図5は、過給機を用いた通常型加圧焼却装置の概念フローシートを示す。
図5の過給機を使用した加圧式流動床燃焼設備は、図4に示すような本格的なガスタービンエンジン6の代わりに市場で安価に供給されている過給機(ターボチャージャ:TC)15を使用している。これにはガスタービンエンジン6を起動するための起動用電動機7が装備されていない。このため、過給機15のタービン15bの起動は、過給機15の圧縮機15aの空気吸込口上流に設けた起動用送風機17からの送風により行う。
【0013】
図5において、過給機15の圧縮機15aの空気吸込口上流に起動用送風機17が配置されている。焼却炉1には過給機15の圧縮機15aを通じて空気供給路12を介して圧縮空気Aを送風し、焼却炉1で昇温された排ガスGは排ガス流路13を介して再度過給機15のタービン15bに導かれる構成としている。
過給機15が定常運転となった後に起動用送風機17を通じて空気を吸い込むと、空気の吸い込み抵抗が発生して過給機15の性能低下を招くため、空気フィルタ8と過給機15の間をバイパスさせ、起動用送風機17を迂回して空気を吸い込めるようにバイパス管19及びバイパス弁20を配置している。
【0014】
バイパス弁20の制御機構としては、1)一方通行型のチャッキ弁により、起動用送風機17が吸入抵抗要因になった場合、自動的にこの抵抗圧でチャッキ弁が開く方式、2)電気的に圧力を検出して、強制的にバイパス弁20を開く方式が使用できる。
なお、集塵機5の上流側に熱交換器からなる空気予熱器16が配置されている。過給機15の圧縮機15aと焼却炉1とを連絡する空気供給路12には、圧空利用設備21が調整弁22を介して配置され、その上流側に空気予熱器16が配置されている。また、空気供給路12を介して供給される圧縮空気Aが下部の調整弁11を介して1次空気用として炉内に吹き込まれ、その残部が上部の調整弁18を介して2次空気用として吹込まれるようになっており、圧縮空気Aの充填により、焼却炉1内は、加圧されるようになっている。この加圧下で、被処理物Pが投入されると、吹き上げられる圧縮空気Aに起因して高速で流動する砂などの流動媒体によって激しく混合・攪拌され、被処理物Pは焼却されるものである。なお、調整弁11と調整弁18により焼却炉1内に供給する圧縮空気Aの量が調節されている。
【0015】
そして、このタービン15bによって駆動されたコンブレッサ15aの駆動によって生成された圧縮空気Aは、空気供給路12の途中に設けた空気予熱器16に送られる。この空気予熱器16において、圧縮空気Aは予熱され、高温・高圧の圧縮空気(燃焼用空気)Aとして空気供給路12から調整弁11と調整弁18とに分岐する供給路に送られる。このようにして加庄流動床焼却炉1内には、コンブレッサ15aによって加圧された高圧の圧縮空気Aが供給されるので、炉内では常圧よりも高圧の状態(加圧下)で被処理物Pが燃焼されることになる。
【0016】
図5の加圧焼却炉設備では、焼却炉1には過給機15の圧縮機15aを通じて空気供給路12を介して圧縮空気Aを送風し、焼却炉1で昇温された排ガスGは排ガス流路13を介して再度過給機15のタービン15bに導かれる構成としている。これにより、過給機15の始動用の起動用送風機17は全体の焼却炉1を始動時に昇温するために必要な燃焼(焼却炉内昇温バーナ3で行う)を維持できるだけの空気を設備に供給するのみでよくなり、加圧状態での焼却を維持するための送風機と比較して小吐出量、圧力、動力の送風機で起動可能となる。
【0017】
次に、図5の加圧焼却炉設備の立上げ方法を説明する。
1)起動用送風機17を運転開始すると、起動用送風機17からの空気は過給機15の圧縮機15aを通じて空気供給路12を介して圧縮空気Aが焼却炉1に供給された後、排ガスGとなって、空気予熱器16、集塵機5を通り、過給機15のタービン15bを通過し、タービン15bを駆動した後、排出される。
【0018】
2)この時、過給機15の圧縮機15aへの通風と、焼却炉1を通過した排ガスGのタービン15bへの通風により過給機15のロータに回転力が発生する。これにより、圧縮機15aはその回転数に応じて空気を昇圧する。
3)この状態で、昇温バーナ3を運転すると、排ガスGは次第に昇温され、これにつれてタービン15bの入口ガス温度が上昇し、よって排ガス容積が膨張し、タービン15bの駆動力が増加する。
【0019】
4)焼却炉1の温度が上昇するに従って、排ガス流路13を流れる排ガス温度が上昇し、排ガスGの体積が増加すると、タービン15bのガス通過速度が加速され次第にタービン15bの回転は増加する。
5)タービン15bの回転数の増加に従って、焼却炉1の内圧が上昇するとともに通風量も増加するため、これに応じて昇温バーナ3への供給燃料量を増加させると、さらにタービン15bの回転数が上がり、排ガス流路13の温度、又は送風量を検知して燃料量を増減することにより安定な運転を維持することができるようになる。そして、焼却炉1の温度が所定の焼却温度(通常800℃〜1000℃程度)になる。従って、タービン15bは所定の回転数となり、焼却炉1への圧縮空気Aは所定圧力及び風量を得ることができる。なお、この時点で起動用送風機17は停止することが可能となる。
【0020】
6)排ガス温度、焼却炉1の圧力が所定の状態になった時点で、起動+昇温運転は完了となるので、以後焼却物を徐々に投入し、昇温バーナ3用補助燃料を絞って行き、運転のバランスを取る。その後、被処理物Pを焼却炉1に投入開始し、必要ならば補助燃料を添加して、炉内温度を所定温度に維持することにより、運転を継続できる。
以上のように、図5の加圧焼却炉設備によれば、起動用送風機17と過給機15の圧縮機15aが同一ラインに直列に配置されているため、起動時のラインの切替操作が不要となり、起動操作、設備が簡素化されるだけでなく、起動用送風機17で発生させた圧縮空気Aの運転エネルギーは過給機15の圧縮機15aを通過時及び焼却設備を経由し過給機15のタービン15b内を通過時、ともに過給機15のロータに回転力を発生させるため、動力エネルギー回収が行われ、より小容量の起動用送風機17で起動可能となる。また、加圧焼却炉設備では、その排ガスGの保持エネルギーで過給機15を駆動するため、焼却対象物の保有熱量の変動などにより、炉内温度が低下し一時的に運転が不安定になることがある。この場合、通常は補助燃料の量を制御することで安定運転を維持可能であるが、この加圧焼却炉設備では、起動用送風機17による過給機供給空気の与圧力を制御することにより、安定な運転を維持することが可能で、補助燃料を使用しない運転制御が可能となる。すなわち、起動用送風機17を炉内圧力維持のための昇圧装置(ブースタ)として作用させることにより、安定な運転を維持させることが可能となる。また、設備の起動後(起動送風機17の停止時)の過給機15単独による送風時に、空気吸入側に直結した起動送風機17による吸い込み抵抗を減らし、エネルギーロスを減じることができる。
【特許文献1】特開2002−39517号公報
【特許文献2】特開2006−811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかし、図5の加圧焼却炉設備では、本格的なガスタービン機関の代わりに市場で安価に供給されている過給機15を使用するので、運転圧力も2〜4Kg/cm2程度と、通常のガスタービン機関に比べて大幅に低い圧力で運転し、余剰エネルギーは加圧空気で回収することにより大幅に設備の簡素化をはかることができるが、エネルギー回収率は相対的に低いきらいがある。
【0022】
本発明は、斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、より簡素な設備によりタービン排気の熱エネルギーを回収できるようにした加圧焼却炉設備及びその運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
請求項1に係る発明は、加圧式焼却炉と、加圧式焼却炉からの高温排ガスを利用して圧縮空気の生成と送風を行う過給機と、加圧式焼却炉を冷却状態から始動するために使用する始動バーナ設備と、を備えた加圧焼却炉設備において、過給機タービン下流に廃熱蒸気ボイラを設けるとともに、廃熱ボイラで発生する蒸気を過給機のタービン入口上流に吹き込む蒸気供給路を設けて成ることを特徴とする。
【0024】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の加圧焼却炉設備において、蒸気供給路に、加圧式焼却炉の空気吹込口と連絡する切替弁機構を設けて成ることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1記載の加圧焼却炉設備において、蒸気供給路に、加圧式焼却炉内と連絡する切替弁機構を設けて成ることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1記載の加圧焼却炉設備において、蒸気供給路に、加圧式焼却炉の排ガス出口と連絡する切替弁機構を設けて成ることを特徴とする。
【0025】
請求項5に係る発明は、請求項1記載の加圧焼却炉設備において、蒸気供給路に、過給機のタービン入口と連絡する切替弁機構を設けて成ることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5の何れか記載の加圧焼却炉設備において、廃熱ボイラにボイラ昇温バーナを設けて成ることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6の何れか記載の加圧焼却炉設備において、過給機のタービン入口上流に起動用燃焼缶を設けて成ることを特徴とする。
【0026】
請求項8に係る発明は、加圧式焼却炉と、加圧式焼却炉からの高温排ガスを利用して圧縮空気の生成と送風を行う過給機と、加圧式焼却炉を冷却状態から始動するために使用する始動バーナ設備と、を備えた加圧焼却炉設備の運転方法において、過給機タービンを出た高温排ガスを廃熱蒸気ボイラに導き、廃熱ボイラで発生する蒸気を過給機のタービン入口上流に吹き込むことを特徴とする。
【0027】
請求項9に係る発明は、加圧式焼却炉と、加圧式焼却炉からの高温排ガスを利用して圧縮空気の生成と送風を行う過給機と、加圧式焼却炉を冷却状態から始動するために使用する始動バーナ設備と、を備えた加圧焼却炉設備の運転方法において、過給機タービン下流に設けたボイラ昇温バーナ付き廃熱ボイラにて加圧焼却炉設備の起動の前に蒸気を発生させ、この蒸気で過給機を始動させることを特徴とする。
【0028】
請求項10に係る発明は、加圧式焼却炉と、加圧式焼却炉からの高温排ガスを利用して圧縮空気の生成と送風を行う過給機と、加圧式焼却炉を冷却状態から始動するために使用する始動バーナ設備と、を備えた加圧焼却炉設備の運転方法において、
前記過給機のタービン入口上流に設けた起動用燃焼缶にて前記過給機のタービン入口側のガス温度を高めて前記過給機の始動を早めることを特徴とする。
【0029】
請求項11に係る発明は、加圧式焼却炉と、加圧式焼却炉からの高温排ガスを利用して圧縮空気の生成と送風を行う過給機と、加圧式焼却炉を冷却状態から始動するために使用する始動バーナ設備と、を備えた加圧焼却炉設備の運転方法において、過給機タービン下流に設けたボイラ昇温バーナ付き廃熱ボイラにて加圧焼却炉設備の起動の前に蒸気を発生させ、この蒸気で過給機を始動させるとともに、過給機のタービン入口上流に設けた起動用燃焼缶にて過給機のタービン入口側のガス温度を高めて過給機の始動を早めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、簡素な設備により過給機のタービン排気の熱エネルギーを回収することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明に係る加圧焼却炉設備の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る加圧焼却炉設備を示す。本実施形態に係る加圧焼却炉設備は、図5の加圧焼却炉設備に、廃熱ボイラ23を設け、過給機15の排ガス(低圧高温の排ガス)を廃熱ボイラ23に導き、排ガスから熱エネルギーを回収して水蒸気を発生させ、過給機15のタービン15b上流に吹き込むことにより、タービン15bの通過ガス量を増量させてタービン15bの出力の増強を図るものである。具体的には、廃熱ボイラ23に蒸気供給路24を設け、この蒸気供給路24に、過給機15のタービン15bの直上の排ガス流路13に水蒸気を吹き込むための切替弁機構25と、空気予熱器16と流動床式の焼却炉1とを連絡する空気供給路12(焼却炉1の空気吹込口)に水蒸気を吹き込むための切替弁機構26と、焼却炉1の内部に水蒸気を吹き込むための切替弁機構27と、焼却炉1の直後の排ガス流路13(焼却炉1の出口)に水蒸気を吹き込むための切替弁機構28とを設けている。
【0032】
廃熱ボイラ23から発生する蒸気の圧力は、焼却炉1の運転圧力より高い必要があるが、本実施形態では、2〜4kg/cm2程度と比較的低いため、同程度の圧力の蒸気を発生させればよい。この蒸気はタービン15b出口の残圧により過熱状態であり、それを過給機15のタービン15b上流に切替弁機構25,26,27,28によって吹き込むことにより、タービン15bを通過するガス量を増大させ、タービン15bの出力を増やすことができる。
【0033】
本実施形態では、蒸気の吹込位置を変えることによりプロセス運転上、様々な特性を得ることが可能となり、焼却炉1の使用目的によって選択できる。
次に、本実施形態に係る加圧焼却炉設備の作用を説明する。
1)起動用送風機17を運転開始すると、過給機15の圧縮機15aを通じて焼却炉1に送風される。
【0034】
2)この時、過給機15の圧縮機15aへの通風と、焼却炉1を通過した排ガスのタービン15bへの通風により過給機15のロータに回転力が発生する。これにより、圧縮機15aはその回転数に応じて空気を昇圧する。
3)焼却炉1の昇温バーナ3を起動し、焼却炉1及び排ガス系統の管路内空気、管路及び装置を昇温させる。
【0035】
4)焼却炉1の温度が上昇するに従って、排ガスGの温度が上昇し、排ガスGの容積が増加すると、タービン15bのガス通過速度が加速され次第にタービン15b回転は増加する。
5)タービン15b回転数の増加に従って、焼却炉1の内圧が上昇するとともに通風量も増加するため、これに応じて昇温バーナ3への供給燃料量を増加させると、さらにタービン15b回転数が上がってくるので、排ガスGの温度、又は送風量を検知して燃料量を増減することにより安定な運転を維持することができるようになる。なお、この時点で起動用送風機17は停止することが可能となる。
【0036】
6)排ガス温度、炉内圧力が所定の状態になった時点で、起動+昇温運転は完了となるので、以後焼却物を徐々に投入し、昇温バーナ用補助燃料を絞って行き、運転のバランスを取る。
7)一方、過給機15のタービン15bを通過した低圧高温の排ガスGは、廃熱ボイラ23で回収され蒸気を発生させた後、排ガス処理設備9にて処理され煙突10から大気中に排出される。
【0037】
8)廃熱ボイラ23で発生した水蒸気は、切替弁30を介して蒸気利用段備29に供給される他、過給機15のタービン15bの上流部に設けた切替弁機構25,26,27,28を通じて吹き込まれ、タービン15bの出力増加に寄与する。
9)このとき、蒸気の吹込位置により、プロセスに与える効果が異なるため、目的により選択する。以下、順に説明する。
【0038】
切替弁機構25を開いて廃熱ボイラ23で発生した蒸気を過給機15のタービン15bの入口側直近に吹き込む方法について説明する。
廃熱ボイラ23で発生させた蒸気の吹い込みを過給機15のタービン15b入口とすることにより、蒸気吹き込みによる排ガス流路13の通過排ガス量の増大を防ぎ、空気予熱器16および集塵機5での圧力損失増加、あるいは装置の大型化を抑制しつつタービン15b出力を高める方法でもっとも簡便な方法である。
【0039】
切替弁機構26を開いて廃熱ボイラ23で発生した蒸気を焼却炉1に燃焼用空気ともに吹き込む方法について説明する。
これは、焼却物の種類・カロリーの変動幅が大きく焼却炉1に吹き込む空気の必要量が燃焼に必要な空気量を大幅に上回る事態が発生する場合に有効な方法である。即ち、焼却炉1の形式が流動床などの場合、焼却物のカロリーが低く燃焼に必要な空気量は比較的少ないが、流動床を維持するために必要な吹込ガス量(通常スペースレートとして規定される流動床内の空塔速度に比例)が比較的大きくなる場合がある。このような場合は、通常は必要以上に空気を吹き込み、空塔速度を維持し、大過剰空気状態での焼却運転を余儀なくされる。その結果、必要以上に空気を吹き込むため、それに応じて余剰圧縮空気の収量が減少し、他用途への利用が制限される。本実施形態では、焼却炉1に蒸気を吹き込むことにより、必要空塔速度を維持するとともに、過給機15のタービン15bヘのガス量も維持することが可能となる。
【0040】
切替弁機構27を開いて廃熱ボイラ23で発生した蒸気を焼却炉1内部に吹き込む方法について説明する。
この場合は、排ガス系に蒸気を吹き込み、排ガス量を増加させて過給機15のタービン15bの出力を増大させる目的以外に以下の作用効果が期待できる。
蒸気を焼却炉1内に吹き込む効果としては、流動床の維持及び燃焼のため必要な空気量を吹込ながら、焼却炉1内に直接蒸気を吹き込むことにより焼却炉1内に強い乱流を発生させて、低空気比燃焼時の不完全燃焼を回避させる効果が期待できる。特に、含窒素有機質を焼却時に発生する窒素酸化物(NOx)を抑制するためには低空気比での燃焼が効果的であるが、過剰空気の少ない状態での燃焼はCOあるいはCNなどの生成を促すことがある。このような場合、低空気比での燃焼を達成するために、燃焼火炎に強い攪拌作用を与えることが重要である。このため二次空気を高圧で吹き込み乱流を発生させる方法や、火炎気流への水噴霧などが提案されているが、これらと同様に蒸気を高速で吹き込むことにより火炎に強い攪拌流を与えることは低空気比での焼却に有効な方法である。
【0041】
切替弁機構28を開いて廃熱ボイラ23で発生した蒸気を焼却炉1の排ガス出口近辺に吹き込む方法について説明する。
この方法は、焼却炉1内温度を高い状態(通常850℃以上)に維持しつつ、空気予熱器16への排ガス流入温度を下げ、空気予熱器16の運転温度を下げる方法である。
前述したように廃棄物等の焼却過程では、燃焼状況により高酸化+高温状態ではNOxの発生、低空気比+低温状態ではCO、CN、ダイオキシンの生成が起きる可能性が高い。これは高温高酸化性状態では燃焼物中の室素分やアンモニアがN2に分解される以上に酸化作用を受け、窒素酸化物NOxまで酸化されるためで、この反応には焼却物に含まれる灰分の触媒作用も関与しており、単純に温度だけの制御では防止することが困難である。同様にCO、CNは燃焼空気が不足した不完全燃焼が原因であり、また、ダイオキシンは多くの複雑な要因で生成されることがわかってきている。このため、これらの発生を抑制しながら変動する組成の廃棄物などを焼却するためには、低空気比での完全燃焼が求められ、必然的に高温での乱流燃焼が有効な手段となる。しかしながら、低空気比燃焼下では空気予熱器16への流入排ガス温度が高温になり易く、通常の耐熱鋼の耐熱温度を超え、空気予熱器16の破損にいたる危険が生じる。このため、通常は空気予熱器16への排ガス流入温度を850℃以下に制限するため、冷却空気の吹き込みを行うが、本実施形態では廃熱ボイラ23で得た蒸気を吹き込み、空気予熱器16を冷却するとともに、合わせて排ガス量を増大させ、過給機15のタービン15bの出力の向上も図ることが可能となる。
【0042】
10)蒸気の吹込みにより、過給機15のタービン15bを通過するガス量が増加し、過給機15で送給される圧縮空気Aの量を増やすことができ、他用途に使用できる空気量が増えることとなる。この増加量は、蒸気の吹込位置、燃焼条件で変わってくるが、75%水分含有量の下水汚泥の焼却運転では10%程度と効果は低い。これは、高含水物の燃焼では焼却炉1内で大量に水蒸気が発生し、燃焼温度維持のためには、元々過剰空気率の低い運転を行う必要があり、焼却炉1内に別途蒸気を吹き込み加熱する余裕が少ないためである。この場合、蒸気吹込位置は、空気予熱器16以降とならざるを得ず、蒸気吹込みにより増量されるガス量も、比較的低温の蒸気で希釈され全体の温度が低下するため、過給機15のタービン15b入口でのガス容積はあまり増加しないからである。
【0043】
一方、焼却物にカロリー的に余裕のある場合には、蒸気吹込位置を焼却炉1前、あるいは焼却炉1内部とし、吹込蒸気を加熱することが可能で、過給機15のタービン15bの入口のガスは高温を維持でき、ガス容積も大きくなるため、蒸気吹込によるタービン15bの出力の増加は顕著なものとなる。
これにより、1)過給機15の圧縮機15aで発生する圧縮空気を増大させることができ、焼却炉1の運転に必要な空気量を差し引いた余剰空気も増やすことが可能となり、水処理設備のための曝気空気として利用する場合など、曝気ブロワ動力の削減率向上に寄与することが可能となる。2)また、蒸気の吹込場所としては、過給機15のタービン15bの直上だけでなく、焼却炉1の空気吹込口、焼却炉1の内部、焼却炉1の出口など、タービン15の上流各所に吹き込むことにより、焼却炉1の運転上、様々な効果を得ることが可能となる。
【0044】
図2は、本発明の第二実施形態に係る加圧焼却炉設備を示す。本実施形態に係る加圧焼却炉設備は、廃熱ボイラ23で発生した蒸気を使用してこの設備の起動を行うことを可能とした。
本実施形態では、廃熱ボイラ23に起動用バーナ31を設置したものである。本実施形態では、第一実施形態と比較して起動用送風機17を必要としない構成となり、設備の運転に必要な電気設備を大幅に簡素化することが可能となる。特に、大電力を消費するブロワ、ファンなどの電動の空気機器が無く、電力は制御、マテリアルハンドリング機器に必要なだけで運転可能となる。
【0045】
次に、本施形態に係る加圧焼却炉設備設備の起動方法について説明する。
1)廃熱ボイラ23内に設置した起動用バーナ31を運転し、蒸気を発生させる。
2)発生蒸気を切替弁機構25から吹き込む。このとき切替弁32を開放すると同時に切替弁33は閉じておく。
3)蒸気発生量が増加し、過給機15の圧縮機15aで発生する空気圧が焼却炉1の圧力損失をカバーできるほどになると、焼却炉1内の起動バーナ3を点火し、焼却炉1、排ガスダクト系統の昇温を開始する。
【0046】
4)全体の系統が昇温するにしたがって排ガス温度が上昇し、系内の圧力も上昇する。(過給機15の回転数が上昇する。)
5)焼却炉1の排ガスの圧力が過給機15のタービン15b入口圧力より大きくなった時点で、切替弁33を開放すると同時に切替弁32を閉じ、焼却排ガスをタービン15bに導く。
【0047】
6)以後必要に応じて起動用バーナ31の出力を(焼却量)を調整して、タービン15bの圧力を調整する。
7)焼却炉1のヒートアップが完了した時点で、焼却物供給を開始し、炉内温度は補助燃料供給路34への量や、切替弁機構26からの蒸気吹込量を調整し、炉内温度を制卸する。過給機15の回転数は、圧空利用設備21への放風量で制御する。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば、廃熱ボイラ23内に起動用バーナ31を、過給機15のタービン15b入口側直近に排ガス流路切替弁32,33とそれぞれ設けることにより、短時聞での過給機15のタービン15bの立ち上げを可能としたので、制御用及び焼却物の搬送や水・補助撚料などのユーティリティ供給などを除き全ての動力を自己で賄うことが可能となり、大電力電源の供給の無い地域でも、大きな焼却設備を運転可能となる。
【0049】
また、本実施形態では、過給機15のタービン15bの廃熱で蒸気を発生する廃熱ボイラ23に独自の起動用バーナ31を設置し、全体段備の起動に先立ち廃熱ボイラ23を運転し、発生蒸気で過給機15のタービン15bを駆動、これにより焼却炉1への送風を賄うことにより設備の起動運転を開始することができる。
図3は、本発明の第三実施形態に係る加圧焼却炉設備を示す。
【0050】
図2に示す加圧焼却炉設備では、過給機15のタービン15b廃熱で蒸気を発生する廃熱ボイラ23に独自のバーナ31を設置し、全体段備の起動に先立ちボイラ31を運転し、発生蒸気で過給機15のタービン15bを駆動し、これにより焼却炉1への送風をまかない、設備の起動運転を開始することができる。しかしながら、送風開始より焼却炉1の起動バーナ(昇温バーナ3)を運転し、徐々に系内の温度を上げ、最終的に過給機15が自立運転可能な状態になるためには長時間を要する。特に、起動初期は過給機15の回転速度も遅く十分な空気を焼却炉1に送り込めないため、昇温バーナ3の負荷は小さくして運転しなければならないため、余計に昇温時間が必要となる。
【0051】
本実施形態に係る加圧焼却炉設備は、図2に示す加圧焼却炉設備の課題を解決するために、焼却炉1と過給機15のタービン15b入口との間に燃焼缶35を設け、設備の起動・昇温を加速することを目的としている。
次に、本施形態に係る加圧焼却炉設備設備の起動方法について説明する。
1)廃熱ボイラ23内に設置した起動用バーナ31を運転し、蒸気を発生させる。
【0052】
2)発生蒸気を切替弁機構25から吹き込む。このとき切替弁32を開放すると同時に切替弁33は閉じておく。
3)蒸気発生量が増加し、過給機15の圧縮機15aで発生する空気圧が焼却炉1の圧力損失をカバーできるほどになると、燃焼缶35内のバーナを点火し、燃焼缶35で発生する高温ガスを過給機15のタービン15bに導入する。
【0053】
4)過給機15の回転数が増加するに従って、過給機15の圧縮機15aの発生空気量・圧ともに次第に増加し、焼却炉1に必要な空気量が供給されるようになった時点で、焼却炉1内の昇温バーナ3を点火し、設備の昇温を開始する。
5)焼却炉1の排ガスの圧力が過給機15のタービン15b入口圧力より大きくなった時点で、切替弁33を開放すると同時に切替弁32閉じ、焼却排ガスをタービン15bに導く。
【0054】
6)以後必要に応じて起動用バーナ31の出力及び燃焼缶35内のバーナ出力を(焼却量)を調整して、タービン15bの圧力を調整する。
7)焼却炉1のヒートアッブが完了した時点で、焼却物供給を開始し、炉内温度は補助燃料供給路34への量や、切替弁機構26からの蒸気吹込量を調整し、炉内温度を制御する。過給機15の回転数は、圧空利用設備21への放風量で制御する。
【0055】
以上のように、本実施形態では、過給機15のタービン15bの上流に焼却炉1とは別の起動用の燃焼缶35を段置し、過給機15のタービン15bを蒸気で起動した直後から、燃焼缶25のバーナに点火して過給機15のタービン15b入口側ガス温度を過熱することにより、直ちに過給機15の回転速度を上げて大量の空気を焼却炉1に送り込めることが可能となり、設備全体の昇温時間を大幅に短くできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第一実施形態に係る加圧焼却炉設備のブロック図である。
【図2】本発明の第二実施形態に係る加圧焼却炉設備のブロック図である。
【図3】本発明の第三実施形態に係る加圧焼却炉設備のブロック図である。
【図4】ガスタービン機関を使用した従来の発電用加圧燃焼設備のブロック図である。
【図5】過給機を使用した加圧式流動床式燃焼炉設備のブロック図である。
【符号の説明】
【0057】
1 焼却炉
2 供給器
3 昇温バーナ
4 補助燃料供給設備
5 集塵機
9 排ガス処理設備
10 煙突
12 空気供給路
13 排ガス流路
15 過給機
15a 圧縮機
15b タービン
16 空気予熱器
23 廃熱ボイラ
24 蒸気供給炉
25,26,27,28 切替弁機構
29 蒸気利用段備
31 起動用バーナ
32,33 切替弁
34 補助燃料供給路
35 燃焼缶
A 圧縮空気
G 排ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧式焼却炉と、
前記加圧式焼却炉からの高温排ガスを利用して圧縮空気の生成と送風を行う過給機と、
前記加圧式焼却炉を冷却状態から始動するために使用する始動バーナ設備と、を備えた加圧式焼却炉設備において、
前記過給機タービン下流に廃熱蒸気ボイラを設けるとともに、前記廃熱ボイラで発生する蒸気を過給機のタービン入口上流に吹き込む蒸気供給路を設けて成ることを特徴とする加圧式焼却炉設備。
【請求項2】
前記蒸気供給路に、前記加圧式焼却炉の空気吹込口と連絡する切替弁機構を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の加圧式焼却炉設備。
【請求項3】
前記蒸気供給路に、前記加圧式焼却炉内と連絡する切替弁機構を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の加圧式焼却炉設備。
【請求項4】
前記蒸気供給路に、前記加圧式焼却炉の排ガス出口と連絡する切替弁機構を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の加圧式焼却炉設備。
【請求項5】
前記蒸気供給路に、前記過給機のタービン入口と連絡する切替弁機構を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の加圧式焼却炉設備。
【請求項6】
前記廃熱ボイラにボイラ昇温バーナを設けて成ることを特徴とした請求項1乃至請求項5の何れか記載の加圧式焼却炉設備。
【請求項7】
前記過給機のタービン入口上流に起動用燃焼缶を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか記載の加圧式焼却炉設備。
【請求項8】
加圧式焼却炉と、
前記加圧式焼却炉からの高温排ガスを利用して圧縮空気の生成と送風を行う過給機と、
前記加圧式焼却炉を冷却状態から始動するために使用する始動バーナ設備と、を備えた加圧式焼却炉設備の運転方法において、
前記過給機タービンを出た高温排ガスを廃熱蒸気ボイラに導き、前記廃熱ボイラで発生する蒸気を前記過給機のタービン入口上流に吹き込む
ことを特徴とする加圧式焼却炉設備の運転方法。
【請求項9】
加圧式焼却炉と、
前記加圧式焼却炉からの高温排ガスを利用して圧縮空気の生成と送風を行う過給機と、
前記加圧式焼却炉を冷却状態から始動するために使用する始動バーナ設備と、を備えた加圧式焼却炉設備の運転方法において、
前記過給機タービン下流に設けたボイラ昇温バーナ付き廃熱ボイラにて前記加圧式焼却炉設備の起動の前に蒸気を発生させ、この蒸気で前記過給機を始動させる
ことを特徴とする加圧式焼却炉設備の運転方法。
【請求項10】
加圧式焼却炉と、
前記加圧式焼却炉からの高温排ガスを利用して圧縮空気の生成と送風を行う過給機と、
前記加圧式焼却炉を冷却状態から始動するために使用する始動バーナ設備と、を備えた加圧式焼却炉設備の運転方法において、
前記過給機のタービン入口上流に設けた起動用燃焼缶にて前記過給機のタービン入口側のガス温度を高めて前記過給機の始動を早める
ことを特徴とする加圧式焼却炉設備の運転方法。
【請求項11】
加圧式焼却炉と、
前記加圧式焼却炉からの高温排ガスを利用して圧縮空気の生成と送風を行う過給機と、
前記加圧式焼却炉を冷却状態から始動するために使用する始動バーナ設備と、を備えた加圧式焼却炉設備の運転方法において、
前記過給機タービン下流に設けたボイラ昇温バーナ付き廃熱ボイラにて前記加圧式焼却炉設備の起動の前に蒸気を発生させ、この蒸気で前記過給機を始動させるとともに、
前記過給機のタービン入口上流に設けた起動用燃焼缶にて前記過給機のタービン入口側のガス温度を高めて前記過給機の始動を早める
ことを特徴とする加圧式焼却炉設備の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−25965(P2008−25965A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201745(P2006−201745)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(301031392)独立行政法人土木研究所 (107)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【出願人】(000165273)月島機械株式会社 (253)
【Fターム(参考)】