説明

加熱溶融型成形装置

【課題】加熱溶融型成形装置から散逸する熱エネルギーを再利用可能であり、使用電力を削減する。
【解決手段】装置本体10と、装置本体10に連通し且つ熱可塑性材料が供給されるシリンダ20と、シリンダ20の先端に配設される成形ヘッド30と、シリンダ20及び成形ヘッド30を加熱し、シリンダ20内及び成形ヘッド30内の熱可塑性材料を加熱溶融する加熱装置40と、シリンダ内20に配設され、シリンダ20内の熱可塑性材料を成形ヘッド30に搬送する搬送スクリュー50と、一端がシリンダ20及び成形ヘッド30の少なくとも一方に接続され、他端が当該一方よりも低温である部位に接続された熱輸送部60と、熱輸送部60の他端側に接続された熱電変換素子70と、熱電変換素子70に接続され、熱電変換素70により発電した電力を蓄電する蓄電部80とを有する加熱溶融型成形装置1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プラスチック等の熱可塑性材料を加熱溶融させて所望の形状に加工する加熱溶融型成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プラスチック等の熱可塑性材料を加熱溶融させて所望の形状に加工する装置として、押出成形機や射出成形機等の加熱溶融型成形装置が提供されている。この加熱溶融型成形装置は、成形品の製造工程において多くの電力を必要とする。特に、装置自身を昇温し高温化する必要がある工程においては、使用する電力を最小限に抑えることが課題となっている。
【0003】
そこで、使用電力を節約するため、製造スピードを上げる、昇温の設定温度を下限値まで下げる等、生産効率を向上させる試みがなされている。
【0004】
また、近年では、地球環境問題の対策として、生産現場や工場等から排出される二酸化炭素(CO2)の削減が挙げられており、生産現場や工場等で使用されるエネルギーの効率を向上させることが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、既存の加熱溶融型成形装置を用いた熱可塑性材料の成形加工では、例えば、加熱用のヒータ等で加熱溶融型成形装置を所定の設定温度まで加熱し、その温度を維持する工程において、当該加熱溶融型成形装置から散逸する熱エネルギーを再利用することがなされていない。
【0006】
そこで、加熱溶融型成形装置から散逸する熱エネルギーを再利用可能であり、使用電力を削減することができる加熱溶融型成形装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る加熱溶融型成形装置は、熱可塑性材料を加熱溶融させて所望の形状に加工する加熱溶融型成形装置であって、熱可塑性材料が供給される供給口と、当該供給された熱可塑性材料を排出する排出口と、を有するシリンダと;前記シリンダの排出口に連通して配設される成形ヘッドと;前記シリンダ及び成形ヘッドを加熱し、当該シリンダ内及び成形ヘッド内の熱可塑性材料を加熱溶融する加熱装置と;前記シリンダ内に配設され、当該シリンダ内の熱可塑性材料を前記成形ヘッドに搬送する搬送部と;一端が前記シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方に接続された熱輸送部と;前記熱輸送部の他端が接続される第1の面と、当該第1の面とは反対側に位置し、前記熱輸送部の一端が接続される接続位置よりも低温である低温部に接続された第2の面と、を有する熱電変換素子と;前記熱電変換素子に接続され、当該熱電変換素子により発電した電力を蓄電する蓄電部と;を含み、前記熱輸送部が、前記シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方の外周面に沿って環状に配設される熱伝導性部材と、一端が当該熱伝導性部材に接続され且つ他端が前記熱電変換素子の第1の面に接続されたヒートパイプと、を有している。
【0008】
また、本開示に係る加熱溶融型成形装置は、熱可塑性材料を加熱溶融させて所望の形状に加工する加熱溶融型成形装置であって、熱可塑性材料が供給される供給口と、当該供給された熱可塑性材料を排出する排出口と、を有するシリンダと;前記シリンダの排出口に連通して配設される成形ヘッドと;前記シリンダ及び成形ヘッドを加熱し、当該シリンダ内及び成形ヘッド内の熱可塑性材料を加熱溶融する加熱装置と;前記シリンダ内に配設され、当該シリンダ内の熱可塑性材料を前記成形ヘッドに搬送する搬送部と;一端が前記シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方に接続された熱輸送部と;前記熱輸送部の他端が接続される第1の面と、当該第1の面とは反対側に位置し、前記熱輸送部の一端が接続される接続位置よりも低温である低温部に接続された第2の面と、を有する熱電変換素子と;前記熱電変換素子に接続され、当該熱電変換素子により発電した電力を蓄電する蓄電部と;を含んでいる。
【0009】
前記熱輸送部は、ヒートパイプを有することができる。また、この場合、前記ヒートパイプの一端は、熱伝導性部材を介して前記接続位置に接続することができる。さらにまた、前記熱伝導性部材は、前記シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方の外周面に沿って環状に配設することができる。
【0010】
また、前記熱伝導性部材は、前記シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方の外周面に密着した状態で配設され、当該シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方の外周面に密着する面とは異なる部分の少なくとも一部が断熱材に包囲された構成を有することもできる。
【0011】
そしてまた、前記低温部は、前記シリンダを駆動させる駆動部を収容するハウジングであってもよく、加熱溶融型成形装置とは別に配設された設備の一部であってもよい。
【0012】
さらにまた、前記搬送部は、前記シリンダの軸方向を中心として回転可能なスクリューを有することができる。
【0013】
なお、本開示に係る加熱溶融型成形装置としては、射出成形装置や押出成形機等を挙げることができる。
【0014】
また、本開示に係る加熱溶融型成形装置は、前記蓄電部に接続され、当該蓄電部に蓄電された電力によって作動する装置(例えば、コントロールパネルやセンサ等)を有することもできる。
【0015】
また、本開示に係る加熱溶融型成形方法は、熱可塑性材料を加熱溶融させて所望の形状に加工する加熱溶融型成形方法であって、熱可塑性材料をシリンダ内に供給すること、前記シリンダを加熱し、当該シリンダ内の熱可塑性材料を加熱溶融すること、前記加熱溶融された熱可塑性材料を成形すること、前記加熱により高温となった高温部と、当該高温部よりも低温である低温部と、を接続し、当該高温部と低温部との温度差により発電を行うこと、前記発電された電力を蓄電すること、を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本開示の一実施形態に係る加熱溶融型成形装置を模式的に示す側面図である。
【図2】図1に示す加熱溶融型成形装置を模式的に示す部分断面図である。
【図3】本開示の他の実施形態に係る加熱溶融型成形装置を模式的に示す部分断面図である。
【図4】本開示の他の実施形態に係る加熱溶融型成形装置を模式的に示す側面図である。
【図5】本開示の他の実施形態に係る加熱溶融型成形装置を模式的に示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本開示の実施形態に係る加熱溶融型成形装置について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本開示は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
【0018】
図1は、本開示の実施形態に係る加熱溶融型成形装置を模式的に示す側面図、図2は、図1に示す加熱溶融型成形装置を模式的に示す部分断面図である。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
【0019】
図1及び図2に示すように、本開示の実施形態に係る加熱溶融型成形装置1は、押出成形機であり、装置本体10と、装置本体10に連通する連通路21を有するシリンダ20と、シリンダ20の装置本体10と反対側に連通する成形ヘッド30と、シリンダ20を加熱するヒータ41と、成形ヘッド30を加熱するヒータ42と、シリンダ20内に配設された搬送スクリュー50と、シリンダ20の外周面に沿って環状に配設された熱伝導性部材61と、一端が熱伝導性部材61に接続されたヒートパイプ62と、ヒートパイプ62の他端に接続された熱電変換素子70と、熱電変換素子70に接続された蓄電部80と、を有している。
【0020】
装置本体10の上部には、原材料である熱可塑性材料(例えば、低密度ポリエチレン)のペレットが投入されるホッパ11が配設されている。装置本体10の内部には、ホッパ11に投入された熱可塑性材料をシリンダ20の連通路21に供給するための供給路12が形成されている。また、装置本体10の内部には、搬送スクリュー50を駆動するモータや、このモータを制御する制御装置等が搭載されている。この装置本体10のハウジング10Aは、加熱溶融型成形装置1によって熱可塑性材料の成形加工を行っている際に、30℃程度の温度となる。
【0021】
シリンダ20は、装置本体10から延出する略円筒形の中空部材から構成されており、この中空部分が装置本体10の供給路12に連通する連通路21を構成している。具体的には、連通路21の装置本体10側端部が、装置本体10の供給路12から供給される熱可塑性材料を受け入れる供給口22となっており、連通路21の供給口22とは反対側の端部が、連通路21を移動した(搬送された)熱可塑性材料を成形ヘッド30に排出する排出口23となっている。なお、本実施形態では、外径が90mmのシリンダ20を使用した。
【0022】
成形ヘッド30は、排出口23から供給された熱可塑性材料を押し出し、所定のダイに供給する。ダイに供給された熱可塑性材料は、所定の形状に成形される。
【0023】
ヒータ41は、シリンダ20の外周面に配設されており、シリンダ20を加熱することで、連通路21に供給された熱可塑性材料が加熱溶融される。また、ヒータ42は、成形ヘッド30の外周面に配設されており、成形ヘッド30を加熱することで、成形ヘッド30内の熱可塑性材料が加熱溶融される。本実施形態では、これらのヒータ41及び42が加熱装置40を構成している。
【0024】
ヒータ41及び42は、所望により、シリンダ20及び成形ヘッド30が同一の温度となるように加熱してもよく、異なった温度となるように加熱してもよい。また、シリンダ20及び成形ヘッド30は、同一のヒータにより加熱してもよい。なお、本実施形態では、シリンダ20及び成形ヘッド30の温度が各々約250℃となるように、ヒータ41及び42で各々加熱した。
【0025】
搬送スクリュー50は、シリンダ20の軸芯に平行な軸芯を有し、回転することによって、シリンダ20内の熱可塑性材料を排出口23側に向けて移動させ、成形ヘッド30に搬送するものである。この搬送スクリュー50は、ヒータ41による加熱により溶融された熱可塑性材料を、搬送(移動)する際に混練する役割も果たしている。なお、本実施形態では、搬送スクリュー50の軸芯方向の長さ(L)は、シリンダ20の直径(D)との比(L/D)が30となるように設定した。
【0026】
熱伝導性部材61は、熱伝導率が高い材料から構成され、シリンダ20の外周面に沿って環状に配設されている。熱伝導率が高い材料としては、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、これらの金属を含む合金等が挙げられる。熱伝導性部材61を環状に配設することで、加熱されたシリンダ20から散逸する熱を効率よく集めることができる。また、熱伝導性部材61の軸方向の幅は、所望により任意に決定することができる。なお、本実施形態では、この熱伝導性部材61は、加熱されたシリンダ20から散逸する熱により約140℃の温度となっている。また、この熱伝導性部材61には、ヒートパイプ62の一端が接続されている。本実施形態では、熱伝導性部材61及びヒートパイプ62が、熱輸送部60を構成している。
【0027】
ヒートパイプ62は、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属管の中に、大きな気化熱を持ち、しかもその蒸気の拡散速度の大きな熱媒体を閉じ込めた構成を有し、熱媒体の蒸発と凝縮の潜熱を利用した閉ループの電熱素子で、小さな温度差で大量の熱輸送が可能である。このヒートパイプ62は、円管から作られているが、シリンダ20の外周面に取り付けられる段階で要求される形状に曲げたり、平板化したりすることができる。このヒートパイプ62の他端は、後に詳述する熱電変換素子70の第1の面70Aに接続されている。
【0028】
なお、本実施形態では、ヒートパイプ62として、例えば、「マイクロヒートパイプCW05G−R(商品名)」:古河電気工業製を使用した。
【0029】
熱電変換素子70は、例えば、ペルチェ素子であり、第1の面70Aと、第1の面70Aとは反対側に位置する第2の面70Bを有している。この第1の面70Aには、ヒートパイプ62の他端(装置本体10に接続されている側の端部)が接続されており、第2の面70Bは、装置本体10のハウジング10Aの外表面に接続されている。
【0030】
ペルチェ素子は、互いに離間した2枚の四角形の金属板の間に、n形及びp形半導体が挟み設けられた構成を有しており、n形及びp形半導体からは、リード線が各々導出されている。これらのリード線は、電気的に蓄電部80に接続されている。このペルチェ素子は、片面(第1の面70A)に熱を加え、当該片面と反対側の面(第2の面70B)との温度差が所定温度以上になるとゼーベック効果により発電する機能を有している。この起電力(熱起電力)は、前記温度差が大きいほど大きくなる。
【0031】
本実施形態の場合、ペルチェ素子の第1の面70Aにヒートパイプ62が接続されており、この第1の面70Aは、ヒートパイプ62からの熱により約140℃に加熱されている。一方、ペルチェ素子の第2の面70Bは、装置本体10のハウジング10A(前述したように、表面の温度は約30℃)に取付けられており、約30℃となっている。したがって、ペルチェ素子の第1の面70A(高温部)と、第2の面70B(低温部)との温度差は、約110℃である。そして、この温度差によりペルチェ素子が発電した電力は、約4〜6ワットであった。
【0032】
このペルチェ素子は、前記2枚の金属板に電流を流すと、片方の金属板からもう片方の金属板へ熱が移動するというペルチェ効果も有している。
【0033】
なお、本実施形態では、熱電変換素子70として、「発電サーモモジュール:TMG−127−1.4−1.2(商品名)」:株式会社フェローテック社製を使用した。
【0034】
蓄電部80は、熱電変換素子70が発電した電力(4〜6ワット)を蓄電し、この蓄電した電力を必要に応じて取り出すことができる。蓄電した電力が供給される装置が、交流電力を要求するものである場合は、インバーターによって直流電力を交流電力に変換すればよい。
【0035】
本実施形態では、蓄電部80として、「FHR−AAA760(商品名)」(公称電圧:1.2V、定格容量:760mAh/0.2It、標準充電:76Max×16H、寸法:10.5×50):古河電池株式会社製を使用した。
【0036】
なお、本実施形態では、ヒートパイプ62の他端を熱電変換素子(ペルチェ素子)70の第1の面70Aに接続し、熱電変換素子70の第2の面70Bをハウジング10Aに接続した場合について説明したが、これに限らず、熱電変換素子70の第2の面70Bは、例えば、図3に示すように、加熱溶融型成形装置1が配設されている部屋に加熱溶融型成形装置1と別途に配設されている低温な設備90(例えば、水道管等:水道管の温度は約23℃)に接続してもよい。この場合、図3に示すように、熱電変換素子70の第2の面70Bと低温な設備90とは、導電性部材91を介して接続してもよく、熱電変換素子70の第2の面70Bを低温な設備90に直接取付けてもよい。また、この場合、熱電変換素子70の第1の面70A(高温部)と、第2の面70B(低温部)との温度差は、約117℃であり、この温度差により発電された電力は、前述したワット数よりも若干多くなっていた。
【0037】
また、本実施形態では、加熱溶融型成形装置1が、押出成形機である場合について説明したが、これに限らず、加熱溶融型成形装置1は、例えば、成形ヘッド30の下流側に配設する冶具を変更し、これに合わせて成形ヘッド30の形状を変更することで、射出成形機、ブロー成形機等、熱可塑性材料を加熱溶融させて所望の形状に加工する他の成形装置とすることもできる。
【0038】
そしてまた、本実施形態では、熱伝導性部材61を、シリンダ20の外周面に沿って環状に配設した場合について説明したが、これに限らず、熱伝導性部材61は、図4に示すように、シリンダ20の外周面の所望位置に、所望の接触面積をもって配設すればよい。さらにまた、熱伝導性部材61は、成形ヘッド30の外周面に沿って環状に配設してもよく、成形ヘッド30の外周面の所望位置に、所望の接触面積をもって配設してもよい。そしてまた、熱伝導性部材61は、シリンダ20の外周面及び成形ヘッド30の外周面の両方に配設してもよく、シリンダ20の外周面の複数の位置、あるいは、成形ヘッド30の複数の位置に配設してもよい。
【0039】
さらにまた、例えば、シリンダ20の軸芯方向に沿って温度分布が生じる場合、シリンダ20の高温部分に熱伝導性部材61を配設することで、この高温部分の熱が熱伝導性部材61に伝達するため、高温部分の温度を下げることができる。したがって、前記温度分布の幅を小さくすることができ、シリンダ20をより均一な温度に維持することもできる。このようにすることで、例えば、エンジニアプラスチックの加熱溶融や、発泡性樹脂の加熱溶融等のように、加熱温度を高精度で制御する必要がある成形加工にも適用することができる。
【0040】
また、加熱溶融型成形装置1は、図5に示すように、装置本体10に配設されているコントロールパネル110と、蓄電部80とを接続し、蓄電部80に蓄電された電力をコントロールパネル110に供給し、この電力によってコントロールパネル110を作動させることもできる。なお、蓄電部80に蓄電された電力によって作動する装置は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、コントロールパネル110や温度センサ等、比較的低電力で作動する装置に蓄電部80を接続している。
【0041】
また、本開示に係る加熱溶融型成形装置1は、図5に示すように、熱伝導性部材61のシリンダ20の外周面に密着する面とは異なる部分の少なくとも一部が断熱材100に包囲されていてもよい。このようにすることで、加熱されたシリンダ20から散逸する熱をさらに無駄なく集めることができる。なお、この断熱材100は、熱伝導性部材61を成形ヘッド30の外周面に配設した場合も設置することができる。
【0042】
そしてまた、ヒータ41及び42として、鋳込みヒータを使用した場合は、シリンダ20の外周面及び成形ヘッド30の外周面に熱伝導性部材61を配設せず、ヒートパイプ62の一端を鋳込みヒータに直接接続することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…加熱溶融型成形装置、 10…装置本体、 12…供給路、 20…シリンダ、 30…成形ヘッド、 40…加熱装置、41、42…ヒータ、 50…搬送スクリュー、 60…熱輸送部、 61…熱伝導性部材、 62…ヒートパイプ、 70…熱電変換素子、 80…蓄電部、 90…低温の設備、 100…断熱材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料を加熱溶融させて所望の形状に加工する加熱溶融型成形装置であって、
熱可塑性材料が供給される供給口と、当該供給された熱可塑性材料を排出する排出口と、を有するシリンダと、
前記シリンダの排出口に連通して配設される成形ヘッドと、
前記シリンダ及び成形ヘッドを加熱し、当該シリンダ内及び成形ヘッド内の熱可塑性材料を加熱溶融する加熱装置と、
前記シリンダ内に配設され、当該シリンダ内の熱可塑性材料を前記成形ヘッドに搬送する搬送部と、
一端が前記シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方に接続された熱輸送部と、
前記熱輸送部の他端が接続される第1の面と、当該第1の面とは反対側に位置し、前記熱輸送部の一端が接続される接続位置よりも低温である低温部に接続された第2の面と、を有する熱電変換素子と、
前記熱電変換素子に接続され、当該熱電変換素子により発電した電力を蓄電する蓄電部と、
を含み、
前記熱輸送部が、前記シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方の外周面に沿って環状に配設される熱伝導性部材と、一端が当該熱伝導性部材に接続され且つ他端が前記熱電変換素子の第1の面に接続されたヒートパイプと、を有する、
加熱溶融型成形装置。
【請求項2】
熱可塑性材料を加熱溶融させて所望の形状に加工する加熱溶融型成形装置であって、
熱可塑性材料が供給される供給口と、当該供給された熱可塑性材料を排出する排出口と、を有するシリンダと、
前記シリンダの排出口に連通して配設される成形ヘッドと、
前記シリンダ及び成形ヘッドを加熱し、当該シリンダ内及び成形ヘッド内の熱可塑性材料を加熱溶融する加熱装置と、
前記シリンダ内に配設され、当該シリンダ内の熱可塑性材料を前記成形ヘッドに搬送する搬送部と、
一端が前記シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方に接続された熱輸送部と、
前記熱輸送部の他端が接続される第1の面と、当該第1の面とは反対側に位置し、前記熱輸送部の一端が接続される接続位置よりも低温である低温部に接続された第2の面と、を有する熱電変換素子と、
前記熱電変換素子に接続され、当該熱電変換素子により発電した電力を蓄電する蓄電部と、
を含む、加熱溶融型成形装置。
【請求項3】
前記熱輸送部がヒートパイプを有する、請求項2記載の加熱溶融型成形装置。
【請求項4】
前記ヒートパイプの一端が熱伝導性部材を介して前記接続位置に接続される、請求項3記載の加熱溶融型成形装置。
【請求項5】
前記熱伝導性部材が前記シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方の外周面に沿って環状に配設される、請求項4記載の加熱溶融型成形装置。
【請求項6】
前記熱伝導性部材が前記シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方の外周面に密着した状態で配設され、当該シリンダ及び成形ヘッドの少なくとも一方の外周面に密着する面とは異なる部分の少なくとも一部が断熱材に包囲される、請求項5記載の加熱溶融型成形装置。
【請求項7】
前記低温部が前記シリンダを駆動させる駆動部を収容するハウジングである、請求項2記載の加熱溶融型成形装置。
【請求項8】
前記低温部が外部に配設された設備の一部である、請求項2記載の加熱溶融型成形装置。
【請求項9】
前記搬送部が前記シリンダの軸方向を中心として回転可能なスクリューを有する、請求項2記載の加熱溶融型成形装置。
【請求項10】
射出成形を行う請求項2記載の加熱溶融型成形装置。
【請求項11】
押出成形を行う請求項2記載の加熱溶融型成形装置。
【請求項12】
前記蓄電部に接続され、当該蓄電部に蓄電された電力によって作動する装置を含む、請求項2記載の加熱溶融型成形装置。
【請求項13】
熱可塑性材料を加熱溶融させて所望の形状に加工する加熱溶融型成形方法であって、
熱可塑性材料をシリンダ内に供給すること、
前記シリンダを加熱し、当該シリンダ内の熱可塑性材料を加熱溶融すること、
前記加熱溶融された熱可塑性材料を成形すること、
前記加熱により高温となった高温部と、当該高温部よりも低温である低温部と、を接続し、当該高温部と低温部との温度差により発電を行うこと、
前記発電された電力を蓄電すること、
を含む、加熱溶融型成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−189568(P2011−189568A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56236(P2010−56236)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(509348786)エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー (117)
【Fターム(参考)】