説明

加熱調理器

【課題】複数のスイッチからなる静電容量方式のタッチスイッチにおいて、検知できるスイッチの数を増やすこと。
【解決手段】複数のスイッチの検知をマルチプレクサ18などのパラレル―シリアル回路を用いて検知回路16を1つにまとめ、更に性質の異なるスイッチは、独立した検知回路16を持つ事で、作用の同じスイッチについては、オペアンプ17の増幅率を同じに設定できるために、検知回路16やマイクロコンピュータの入力端子を節約でき、他のスイッチとは面積や役割の異なるスイッチについては、独立して増幅率の設定ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器の操作検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の操作方法としては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。
【0003】
図8に従来の加熱調理器の概要を示す。加熱調理器の上本体は、表面が平らな耐熱性強化ガラスからなるトッププレート101で構成されており、トッププレート101の表面上には、誘導加熱調理部102、103、ヒーター加熱調理部104がある。誘導加熱調理部102、103は、加熱調理器の手前側左右に配置され、ヒーター加熱調理部104は、中央奥側に配置される。誘導加熱調理部102、103の更に手前側には、誘導加熱調理部102、103、ヒーター加熱調理部104に対応して、3つの操作部105、106、107が左右方向に一列に並ぶように設けれている。これらの操作部のうち操作部105を例に取ると、操作手段たる接触部105aで構成されている。
【0004】
図9に静電容量式の操作スイッチ108の斜視図を示す。操作部105、106、107の各操作スイッチ108は、操作回路基板109上に銅箔で形成された平面状電極108aと、この平面状電極108aの周囲を取り囲むシールド用電極108b(操作スイッチ108の接触範囲を確定するために設けられ、アースされている)とから構成されている。
【0005】
図10に示すように使用者がトッププレート101表面の接触部105aを指110で接触すると、平面状電極108aとの間に等価的にコンデンサが形成されて、そのコンデンサに電源から充電が行われる。
【0006】
図11で、操作スイッチ108の等価回路と操作信号の検出回路の一例を示す。
【0007】
コンデンサの一方の電極である平面状電極108aは、コンパレータ111の非反転入力端子に接続されている。また、平面状電極108aは、電源とアースとの間に接続されている抵抗112a及び112bの直列回路の共通接続点にも接続されている。
【0008】
これらの平面状電極108a並びに抵抗112a及び112bは、作業者が接触部105aを接触した事を検出する検出部として設けられている。コンパレータ111の反転入力端子は、直接アースされており、コンパレータ111の出力端子は、抵抗113によってプルアップされていると共に、制御回路の入力端子114aに接続されている。
【0009】
そして、図10に示すように使用者がトッププレート101表面の接触部105aを指110で接触すると、図11において破線で示されているように、平面状電極108aとの間に等価的にコンデンサが形成されて、そのコンデンサに電源から抵抗112aを介して充電が行われる。すると、コンパレータ111の非反転入力端子のレベルはハイから僅かの間ロウに変化する。その時、コンパレータ111の出力端子はロウレベルとなって、制御回路に操作信号が出力されるようになっている。このコンパレータ111は、上記検出部により検出された操作に基づいて制御回路に操作信号を与える信号処理部である。
【特許文献1】特開平10−214677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記従来の構成では、図8に示すように操作部105、106、107には多数の操作スイッチ108が存在するため、図11に示す検出回路を操作スイッチ108の数だけ設ける必要がある。
【0011】
更に、制御回路への操作信号の入力数も多数となる。制御回路はマイクロコンピュータを主体として構成される場合が多く、マイクロコンピュータの入力数には限度があるため、操作スイッチ108の数が増えると、入力数の多いマイクロコンピュータが必要になる。
【0012】
そのため、マルチプレクサなどのパラレルーシリアル変換回路を用いて複数の操作スイッチ108の操作信号を1つのシリアル信号として制御回路へ出力する方法がある。
【0013】
マルチプレクサは入力チャンネルに入力される複数の電圧を一定順序でシリアル出力するため、複数の平面状電極108aをマルチプレクサに入力し、マルチプレクサの出力とコンパレータ111の非反転入力端子をつなぐ事で、コンパレータ111から制御回路までの検知回路は1つで済む。
【0014】
制御回路は、マルチプレクサのシリアル出力の順序を制御し、どの操作スイッチ108の平面状電極108aの入力がシリアル出力されているかを知る事ができるので、対応する操作スイッチ108の操作信号を得る事ができる。
【0015】
しかし、平面状電極108aとシールド用電極108bのように形状の異なる電極では、電極とトッププレート101表面を指110で接触した際に形成される等価的なコンデンサの容量が異なるため、コンパレータ111の反転入力端子に閾値となる電圧を加えて、コンパレータ111の出力がトッププレート101表面を指110で接触した際に確実にロウレベルとなるよう調整する必要があるが、マルチプレクサによりコンパレータ111から制御回路までを1つにまとめてしまうと、個別の調整ができないといった課題がある。
【0016】
また、検知回路に増幅回路を用いて増幅を行う場合、同様に電極の面積の異なるスイッチの増幅回路をまとめると個別の増幅率の設計ができないという課題を有していた。
【0017】
さらに、スイッチの機能に応じてスイッチの検知感度を調整する場合にも、機能の異なるスイッチとそれ以外のスイッチの増幅回路をまとめると機能の異なるスイッチの増幅率の変更による感度調整ができないないという課題を有していた。
【0018】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、作用の同じスイッチについては、増幅回路の増幅率を同じに設定できるために、検知回路やマイクロコンピュータの入力端子を節約でき、他のスイッチとは面積や役割の異なるスイッチについては、独立して増幅率の設定ができるので、それぞれのスイッチに最適な増幅率を設定でき、検知できるスイッチの数を増やすことができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、複数の操作スイッチの検知回路をマルチプレクサを用いてパラレルーシリアル変換回路で1つにまとめ、検知回路の削減とマイクロコンピュータの入力端子の削減を図る場合、複数の操作スイッチの中で平面状電極の面積の異なるスイッチは、マルチプレクサを介さず、独立した検知回路を用い、それ以外のスイッチはマルチプレクサを介して、検知回路を1つにまとめる。
【0020】
検知回路に増幅回路を用いて増幅を行う場合も電極の面積の異なるスイッチは、独立し
た増幅回路を用い、それ以外のスイッチはマルチプレクサを介して、増幅回路を1つにまとめる。
【0021】
機能の異なるスイッチの検知回路についても、独立した検知回路を用い、それ以外のスイッチはマルチプレクサを介して、検知回路や増幅回路を1つにまとめる。
【0022】
これによって、電極が多数ある場合でも増幅回路を1つにでき、増幅率を別途設計する必要のある電極のみ独立した増幅回路により別途増幅率の設定が可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、加熱調理器の上面に配置された絶縁性の材料からなるトッププレートとトッププレートの表面の操作スイッチを指で触れたときに指とトップレート裏面に印刷された導電性印刷との間に発生する静電容量の変化を検知する検知回路において、操作スイッチが複数存在する場合に検知回路を減らすためにマルチプレクサを用いてパラレルーシリアル変換をするが、導電性印刷の面積が外の操作スイッチの導電性印刷と異なる操作スイッチは、マルチプレクサを介さず、独立した検知回路を持つ事で、導電性印刷の違いによりトッププレート表面を指で触れた際の静電容量の変化が外の操作スイッチと異なる場合も検知回路の検知閾値や増幅回路の増幅率を外の操作スイッチとは異なる値に設計し、調整する事ができる。
【0024】
また、複数の操作スイッチの中でも機能が異なるためにスイッチの感度を他の操作スイッチとは異に設計したい場合も、機能の異なる操作スイッチのみ独立した検知回路を持つ事で、自由に感度の調整ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
第1の発明は、被加熱物が載置される耐熱性且つ絶縁性の材料からなるトッププレートと、前記トッププレートの下方に配置され前記被加熱物を加熱する複数の加熱手段と、前記トッププレート裏面に印刷された複数の導電性の電極と、前記トッププレート表面の前記電極と対向する場所を使用者が接触する事による静電容量の変化を検出する複数の検知手段と、前記検知手段の検出した静電容量の変化を増幅して電気信号に変換する増幅回路と、前記増幅回路で変換した電気信号に応じて加熱手段を各々制御する制御手段とを備え、前記増幅回路は、複数の前記検知手段につき1つの増幅回路を有しており増幅率は複数の前記検知手段で同じになる様構成されているが、複数の前記検知手段のうち少なくとも1つの前記電極の前記検知手段は、独立した増幅回路を有する事を特徴とする。
【0026】
上記の手段によれば、電極が多数ある場合でも増幅回路を1つにでき、増幅率を別途設計する必要のある電極のみ独立した増幅回路により別途増幅率の設定が可能となる。
【0027】
第2の発明は、特に、第1の発明において、電極のうち他の前記電極と面積の異なるものの検知手段は、独立した増幅回路を有する事を特徴とする。
【0028】
上記の手段によれば、電極が多数ある場合でも増幅回路を1つにでき、電極の面積が他の電極と異なるものと他の電極とでのみトッププレート表面の電極と対向する場所を使用者が触れたときの静電容量の変化が異なる場合には、面積の異なる電極のみ別途増幅率の設定が可能となる。
【0029】
第3の発明は、特に第1の発明において、電極のうち他の前記電極と加熱手段の制御内容が異なるものの検知手段は、独立した増幅回路を有する事を特徴とする。
【0030】
上記の手段によれば、電極が多数ある場合でも増幅回路を1つにでき、電極の制御内容
が他の電極と異なる場合に、別途増幅率の設定ができるために、他の前記電極とは異なる感度に設定できる。
【0031】
第4の発明の加熱調理器は、特に、第1の発明において、電極のうちトッププレート表面の前記電極と対向する場所に電極印刷のあるものの検知手段は、独立した前記増幅回路を有する事を特徴とする。
【0032】
上記の手段によれば、前記電極が多数ある場合でも増幅回路を1つにでき、前記トッププレート表面の前記電極と対向する場所に電極印刷のあるものについては、前記トッププレート表面に電極印刷のないものと比べて、使用者が指で触れたときの静電容量の変化が異なるため、同じ感度にするために別途増幅率の設定が可能となる。
【0033】
第5の発明の加熱調理器は、特に、第1の発明において、電極のうち他の前記電極と離れた位置に印刷されたものの検知手段は、独立した増幅回路を有する事を特徴とする。
【0034】
上記の手段によれば、電極が多数ある場合でも増幅回路を1つにでき、電極のうち他の電極と離れた位置に印刷されたものについては、他の電極と比べて、使用者が指で触れたときの静電容量の変化が異なるため、同じ感度にするために別途増幅率の設定をすることが可能となる。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
【0036】
(実施の形態1)
本実施の形態を図1、図2、図3、図4、図5、図6を用いて説明する。
【0037】
図1において、外郭を構成する本体1の上面には、耐熱強化ガラスからなるトッププレート2が配設されている。本体1内のトッププレート2の下面にはトッププレート2上方に載置された被加熱物3を加熱する2つの誘導加熱コイル4、5と1つのラジェントヒーター6からなる加熱手段が配設されている。
【0038】
トッププレート2上面には、誘導加熱コイル4、5、ラジェントヒーター6の配設されている位置に対応して、左加熱調理部7、右加熱調理部8、後ヒーター部9が印刷されている。
【0039】
左加熱調理部7、右加熱調理部8の手前には、2つの加熱調理部に対応して操作部10、表示部11が図2のように左右方向に一列に並ぶように設けられている。
【0040】
図3にトッププレート2裏面の電極印刷を示す。トッププレート2裏面の操作部10に対向する位置には、導電性を有するカーボン印刷からなる同形状の複数のスイッチ電極12が施されている。また、複数のスイッチ電極12を囲むように同じく導電性を有するカーボン印刷からなるキャンセル電極13が施される。
【0041】
誘導加熱コイル4、5と1つのラジェントヒーター6は、誘導加熱コイル5の下方に配置され、操作部10より操作信号を受け取る加熱制御部14により制御される。
【0042】
操作部10のスイッチ10aを例に取り、図4に断面図。図5に等価回路と増幅回路の構成を示す。
【0043】
図4に示すように、スイッチ電極12aとキャンセル電極13aは、トッププレート2
下方の検知回路16に接続されており、使用者が指15で操作部10aを触れると、指とスイッチ電極12aとの間に等価的にコンデンサが形成され、形成されたコンデンサの静電容量を検知回路16が検知する。検知回路16は、マイクロコンピュータを主体としており、使用者が操作部10aを指15で触れる前と触れた後の静電容量の差を電圧に変換し、その差が一定の値以上であれば、操作部10aが操作されたと判断して、加熱制御部14に制御情報を送信する。
【0044】
加熱制御部14は、検知回路16より得た制御情報に従って、誘導加熱コイル4、5、ラジェントヒーター6の制御を行う。
【0045】
図5の等価回路と増幅回路で使用者が指15で操作部10aに触れたときの動作を示す。
【0046】
コンデンサの一方の電極であるスイッチ電極12aは、オペアンプ17で構成する差分増幅回路に接続されている。他方は、使用者の指15である。この差分増幅回路は、入力電圧Vi、V1と出力電圧Voに以下の関係式が成り立ち、R1、R2によって、増幅率が決まる。
【0047】
Vo=R2/R1(Vi−V1)
Voは、検知回路16のマイクロコンピュータに接続されており、検知回路16のマイクロコンピュータは、使用者が指15で操作部10aを触れる前と触れた後のVoの差から操作の判定を行う。
【0048】
スイッチ電極部12a〜12fの6つの操作部で以上の検知回路を構成すると部品点数が増え、マイクロコンピュータの入力端子が足りなくなることから、図5に示すように、マルチプレクサ18を用いて、スイッチ電極12a〜10fのViをシリアル出力することで、オペアンプ17とその周辺部品は1つで済み、マイクロコンピュータの入力端子も1つで済む。
【0049】
この時、R1、R2も1つの回路に集約しているため、増幅率は全てのスイッチ電極12a〜12fで一定となる。
【0050】
ただし、キャンセル電極13aについては、スイッチ電極12a〜12fとは、形状が異なるため、同じ面積の指15でキャンセル電極13a上を触れても、キャンセル電極13aと指15の対向する面積がスイッチ電極12a〜12fとは異なり、発生する等価的なコンデンサの容量も異なるので、同じ増幅率では、スイッチの性能が確保できない。そこで、キャンセル電極13aのみ独立した検知回路を用い、検知回路16のマイクロコンピュータにVo2を入力する。
【0051】
これにより、キャンセル電極13aの入力電圧Vi、V2と出力電圧Vo2の関係式は、
Vo2=R22/R12(Vi−V2)
となり、キャンセル電極13aの増幅率は、R12,R22によって、スイッチ電極12a〜12fとは別に決める事ができる。
【0052】
(実施の形態2)
本実施の形態を図1、図2、図3、図4、図5、図6用いて説明する。
【0053】
第1の実施の形態と同一部分には同一符合を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
【0054】
図2における操作部10a〜10fの操作により加熱制御部14は、左加熱調理部7下の誘導加熱コイル4の電流制御を行い、加熱の開始、停止、火力制御などを行う。それに対して、キャンセル電極13aは、トッププレート2表面に操作部として印刷されておらず、操作部10a〜10fとは、異なる働きをする。キャンセル電極13aと操作部10a〜10f裏面のスイッチ電極12a〜12fのいずれかの電極が同時に操作を検知した場合、キャンセル13aはスイッチ電極12a〜12fを覆うように周囲に印刷されている事から、使用者がトッププレート2に手をつく、布巾で操作部10a〜10f周辺を拭くなど、操作部10a〜10fを意図して操作したわけではないと判断して、キャンセル電極13aと同時に操作されているスイッチ電極12a〜12fの操作を無効にする働きを持つ。
【0055】
この時、スイッチ電極12a〜12fは、指15で触れて操作するため、指15で触れる面積相当のコンデンサが発生すると想定した増幅率で設計するが、キャンセル電極13aの場合、指15より広い布巾で触れる事を想定した増幅率に設計する必要があるため、スイッチ電極12a〜12fと同じ増幅率で設計することはできない。
【0056】
そこで、図6に示すように、スイッチ電極12a〜12fはマルチプレクサ18を用いて、1つのオペアンプで検知し、キャンセル電極13aのみ独立した検知回路を用い、検知回路16のマイクロコンピュータにVo2を入力する。
【0057】
これにより、キャンセル電極13aの増幅率は、スイッチ電極12a〜12fと異なる値に設定することができる。
【0058】
(実施の形態3)
本実施の形態を図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7用いて説明する。
【0059】
第1の実施の形態と同一部分には同一符合を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。
【0060】
図4に示す操作部10a、スイッチ電極12aにおいて、操作部10aの印刷が導電性の印刷であった場合、操作部10aのいずれかに指15を触れると操作部10a全体が同電位となり、操作部10aの面積とスイッチ電極12aが対向してコンデンサを生成する。
【0061】
これに対し、操作部10b〜10fの印刷は絶縁物であるため、指15で触れた場合、指15が操作部10b〜10fに触れた面積とスイッチ電極12b〜12fが対向してコンデンサを生成する。
【0062】
以上より、スイッチ電極12aは他のスイッチ電極12b〜12fとは、異なる静電容量が発生するため、図7に示すようにスイッチ電極12b〜12fをマルチプレクサ18で1つの検知回路とし、スイッチ電極12aのみを独立した検知回路で構成する。
【0063】
スイッチ電極12aの入力電圧Vi、V3と出力電圧Vo3に以下の関係式が成り立ち、R13、R23によって、増幅率が決まる。
【0064】
Vo3=R23/R13(Vi−V3)
本発明は上記し且つ図面に記載した実施の形態にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
【0065】
操作部10a〜10lは指15で触れた際のスイッチ電極12a〜12lと対向する面積に影響がない範囲で、同形状でなくてもよい。また、配置は一列でなくてもよい。加熱手段の数は3つに限ること無く、1、2つ若しくは4つ以上であっても良い。加熱手段は、誘導加熱に限らない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の加熱調理器は、多数の操作スイッチを用いた静電容量方式のタッチスイッチに有効である。例えば、ガスコンロや電子レンジなど調理メニューが多く操作スイッチの多い機器でも限られた入力端子でスイッチの性質に合わせたスイッチ検知回路の設計が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態1、2、3における誘導加熱調理器の構造図
【図2】本発明の実施の形態1、2、3における誘導加熱調理器のトッププレートの図
【図3】本発明の実施の形態1、2、3における誘導加熱調理器の電極印刷の図
【図4】本発明の実施の形態1、2、3におけるスイッチ検知の構造図
【図5】本発明の実施の形態1、2、3におけるスイッチ検知の検知回路と等価回路図
【図6】本発明の実施の形態1、2、3における複数のスイッチ検知回路図
【図7】本発明の実施の形態3における複数のスイッチ検知回路図
【図8】従来例の誘導加熱調理器のトッププレートの図
【図9】従来例の誘導加熱調理器のスイッチ斜視図
【図10】従来例の誘導加熱調理器のスイッチ検知の構造図
【図11】従来例の誘導加熱調理器の検知回路と等価回路図
【符号の説明】
【0068】
2 トッププレート
10 操作部
12 スイッチ電極
13 キャンセル電極
15 指
16 検知回路
17 オペアンプ
18 マルチプレクサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物が載置される耐熱性且つ絶縁性の材料からなるトッププレートと、前記トッププレートの下方に配置され前記被加熱物を加熱する複数の加熱手段と、前記トッププレート裏面に印刷された複数の導電性の電極と、前記トッププレート表面の前記電極と対向する場所を使用者が接触する事による静電容量の変化を検出する複数の検知手段と、前記検知手段の検出した静電容量の変化を増幅して電気信号に変換する増幅回路と、前記増幅回路で変換した電気信号に応じて加熱手段を各々制御する制御手段とを備え、前記増幅回路は、複数の前記検知手段につき1つの増幅回路を有しており増幅率は複数の前記検知手段で同じになる様構成されているが、複数の前記検知手段のうち少なくとも1つの前記電極の前記検知手段は、独立した増幅回路を有する加熱調理器。
【請求項2】
電極のうち他の前記電極と面積の異なるものの検知手段は、独立した増幅回路を有する請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
電極のうち他の前記電極と加熱手段の制御内容が異なるものの検知手段は、独立した増幅回路を有する請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項4】
電極のうちトッププレート表面の前記電極と対向する場所に電極印刷のあるものの検知手段は、独立した増幅回路を有する請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項5】
電極のうち他の前記電極と離れた位置に印刷されたものの検知手段は、独立した増幅回路を有する請求項1に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−8010(P2010−8010A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170080(P2008−170080)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】