動力伝達装置
【課題】使用寿命の減少を防止することができ、作業効率の向上を図ることができる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】水平方向に配置されたクランク軸31を有するエンジン8の動力を、垂直方向に配置された入力軸12aを具備するモア9、及び入力軸4aを具備する後車軸駆動装置3に伝達する動力伝達装置100であって、クランク軸31に対して平行に配置された駆動軸120と、クランク軸31に対して垂直に配置された第一従動軸130等と、クランク軸の動力を駆動軸120に伝達するベルト機構180と、駆動軸120の動力を第一従動軸130及び第二従動軸140に伝達するベベルギヤ160・160と、第一従動軸130及び第二従動軸140の動力を入力軸12a及び入力軸4aに伝達するベルト機構190と、駆動軸120及び第一従動軸130を内装し、作業車両1の機体側に取り付けられるギヤボックス110と、を具備した。
【解決手段】水平方向に配置されたクランク軸31を有するエンジン8の動力を、垂直方向に配置された入力軸12aを具備するモア9、及び入力軸4aを具備する後車軸駆動装置3に伝達する動力伝達装置100であって、クランク軸31に対して平行に配置された駆動軸120と、クランク軸31に対して垂直に配置された第一従動軸130等と、クランク軸の動力を駆動軸120に伝達するベルト機構180と、駆動軸120の動力を第一従動軸130及び第二従動軸140に伝達するベベルギヤ160・160と、第一従動軸130及び第二従動軸140の動力を入力軸12a及び入力軸4aに伝達するベルト機構190と、駆動軸120及び第一従動軸130を内装し、作業車両1の機体側に取り付けられるギヤボックス110と、を具備した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平方向に配置されたクランク軸を有するエンジンの動力を、前記クランク軸に対して垂直方向に配置された軸に伝達する動力伝達装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水平方向に配置されたクランク軸を有するエンジンの動力を、前記クランク軸に対して垂直方向に配置された軸に伝達する動力伝達装置の技術は公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、従来例に係る動力伝達装置を備える作業車両について、図11により説明する。
作業車両501は、アッカーマン操舵式芝刈機であって、前後水平方向にクランク軸531を有するエンジン508と、このクランク軸531に対して垂直方向に配置された入力軸512aを有するモア509と、を備えている。そして、エンジン508のクランク軸531には、クランクプーリ533が固設されているとともに、モア509の入力軸512aには、入力プーリ512bが固設されている。また、エンジン508の下方には、左右水平方向にカウンター軸590が配置されており、このカウンター軸590に左右一対のカウンタープーリ591・591が固設されている。そして、クランクプーリ533、左右一対のカウンタープーリ591・591、入力プーリ512bに無端帯であるベルト512cが巻回され、エンジン508のクランク軸531の動力が、クランクプーリ533、ベルト512c、カウンタープーリ591、ベルト512c、入力プーリ512b、入力軸512aに伝達されてモア509の回転刃512が駆動される。
上記の如く、クランクプーリ533、入力プーリ512b、カウンター軸590、カウンタープーリ591・591、及びベルト512cにより、動力伝達装置600が構成されている。
【特許文献1】実開昭60−10427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記従来の動力伝達装置600は、水平方向に配置されたクランク軸531の動力を垂直方向に配置された入力軸512aに伝達するため、ベルト512cがカウンタープーリ591・591により捩られる。これによって、ベルト512cの使用寿命が短くなるという問題があった。また、動力伝達装置600を作業車両501に組み付ける場合、ベルト512cを捩りながら組み付ける必要があるため、作業効率が悪いという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、作業車両に具備され、水平方向に配置されたクランク軸を有するエンジンの動力を、垂直方向に配置された入力軸を具備する作業機及び/または車軸駆動装置に伝達する動力伝達装置であって、前記クランク軸に対して平行に配置された駆動軸と、前記クランク軸に対して垂直に配置された従動軸と、前記クランク軸の動力を前記駆動軸に伝達する第一無端帯機構と、前記駆動軸の動力を前記従動軸に伝達するギヤ列と、前記従動軸の動力を前記入力軸に伝達する第二無端帯機構と、前記駆動軸及び前記従動軸を内装し、前記作業車両の機体側に取り付けられる動力伝達ケースと、を具備するものである。
【0006】
請求項2においては、前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車両フレームに取り付けられるものである。
【0007】
請求項3においては、前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車両フレームに支持部材を介して取り付けられるものである。
【0008】
請求項4においては、前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車軸支持ケースに取り付けられるものである。
【0009】
請求項5においては、前記第二無端帯機構は、前記従動軸から前記入力軸への動力の伝達を断接するクラッチを具備するものである。
【0010】
請求項6においては、前記クラッチは、前記動力伝達ケースに取り付けられるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、第一無端帯機構及び第二無端帯機構を構成する無端帯であるベルトが、作業車両に組み付けられた状態において捩られることがないため、前記ベルトの使用寿命の減少を防止することができる。また、前記ベルトを前記作業車両に組み付ける際に捩る必要がないため、作業効率の向上を図ることができる。さらに、動力伝達ケースをエンジンに直接取り付けることがないため、前記エンジンの振動に起因する動力伝達装置の不具合の発生を抑制することができる。
【0013】
請求項2においては、車両フレームを利用することにより、簡易な構成で動力伝達ケースを作業車両に取り付けることができる。また、剛性の高い前記車両フレームに取り付けることにより、動力伝達装置をより強固に前記作業車両に取り付けることができる。
【0014】
請求項3においては、動力伝達ケースを車両フレームに直接取り付けることができない場合でも、支持部材を介して動力伝達ケースを作業車両に取り付けることができる。また、剛性の高い前記車両フレームに間接的に取り付けることにより、動力伝達装置をより強固に前記作業車両に取り付けることができる。
【0015】
請求項4においては、車軸支持ケースを利用することにより、簡易な構成で動力伝達ケースを作業車両に取り付けることができる。また、剛性の高い前記車軸支持ケースに取り付けることにより、動力伝達装置をより強固に前記作業車両に取り付けることができる。
【0016】
請求項5においては、エンジンの駆動対象たる前記作業機及び前記車軸駆動装置への動力の伝達と遮断を切り換えることができるため、エンジンの利便性を向上させることができる。
【0017】
請求項6においては、クラッチが動力伝達ケースと同一振動系となるため、防振対策を簡素化でき、コストの削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0019】
まず、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備える作業車両1の全体構成について、図1により説明する。
図1に示すように、作業車両1は、アッカーマン操舵式芝刈機であって、車両フレーム2と、車両フレーム2の後部に支持される後車軸駆動装置3と、車両フレーム2の前部に支持される前車軸支持装置6と、後車軸駆動装置3と前車軸支持装置6との間にて車両フレーム2によって支持されるエンジン8と、車両フレーム2の下方に昇降可能に吊設されるモア9とを備えている。
前車軸支持装置6は、前輪7・7を支持するための軸やギヤ等の機構を内装する前車軸支持ケース6aを具備する。前車軸支持ケース6aは、本発明に係る車軸支持ケースの一実施例である。また、後車軸駆動装置3は、後輪5・5を支持するとともに駆動するための軸やギヤ等の機構を内装する後車軸駆動ケース3aを具備する。前車軸支持ケース6a及び後車軸駆動ケース3aは、適宜の方法で車両フレーム2に取り付けられる。
なお、本発明に係る作業車両は、本実施例における作業車両1に限るものではなく、その他の農業用作業車両や建設用作業車両等の作業車両であってもよい。
【0020】
車両フレーム2は、その長手方向が作業車両1の前後方向と略一致する左右一対の矩形板状部材である側板2a・2a、及び側板2a・2aの上端を連結する矩形板状部材である上板2b等を具備する(図2及び図3参照)。
なお、本発明に係る車両フレームの構成は、本実施例における車両フレーム2と同一構成に限るものではなく、さらに多くの板状部材を備える構成や、箱状に構成すること等も可能である。
【0021】
本発明に係る車軸駆動装置の一実施例である後車軸駆動装置3には油圧モータ4が収納されており、油圧モータ4は、油圧ポンプ(図示省略)によって駆動可能に流体接続されている。前記油圧ポンプは、入力軸4aに伝達される動力により駆動される。
【0022】
エンジン8は、ボンネット13内に収納され、ボンネット13直後のダッシュボードから後上方にハンドル14が延設されているとともに、エンジン8の直前の車両フレーム2には、ラジエータ15が搭載されている。そして、ボンネット13内では、油圧シリンダなどに作動油を補給するためのリザーバタンク16がエンジン8後方に配設されている。
【0023】
さらに、車両フレーム2の後部にはリアカバー17が搭載され、リアカバー17の上面には運転席18が搭載されている。そして、リアカバー17内には、後車軸駆動装置3が配設されている。
【0024】
本発明に係る作業機の一実施例であるモア9は、後車軸駆動装置3によって駆動される後輪5・5と、前車軸支持装置6によって支持される前輪7・7との間にて、車両フレーム2の下方に配設されている。そして、車両フレーム2の左右の側板2a・2a前端部には、左右のモアハンガー10・10がそれぞれ連結され、モアハンガー10・10は各リンクロッド11・11を介してモア9の前端に連結されており、これによりモア9が昇降可能に吊設されるようにしている。また、モア9の回転刃12は、入力軸12aに伝達される動力により駆動される。
なお、本発明に係る作業機は、本実施例におけるモア9に限るものではなく、その他、作業車両1に装着されて作業を行う種々の作業機であってもよい。
【0025】
次に、作業車両1が具備するエンジン8について、図2及び図3により説明する。
図2及び図3に示すように、エンジン8は、下部にオイルパン20を備え、このオイルパン20の上部にシリンダブロック30を備え、このシリンダブロック30の上部にシリンダヘッド40を備えている。
【0026】
シリンダブロック30内には、クランク軸31が前後水平方向に架設され、このクランク軸31の前後端部は、シリンダブロック30の前後面からそれぞれ突出している。クランク軸31の後端部には、フライホイル32が固設されているとともに、クランク軸31の前端部には、前方から順に第一クランクプーリ33、第二クランクプーリ34が固設されている。
【0027】
そして、クランク軸31の上方には、冷却ファン50が配置され、この冷却ファン50のファン軸51には、プーリ52が固設されているとともに、冷却水ポンプ53が取り付けられている。冷却ファン50の側方には、オルタネータ60が配置され、このオルタネータ60のオルタネータ軸61には、プーリ62が固設されている。
【0028】
そして、クランク軸31の第二クランクプーリ34、ファン軸51のプーリ52、オルタネータ軸61のプーリ62に、一本のベルト63が巻回されている。このベルト63を介してクランク軸31からの動力が伝達されて、冷却ファン50、冷却水ポンプ53、オルタネータ60が駆動される。
【0029】
また、シリンダヘッド40の前面側には、燃料噴射ポンプ41やカム軸(図示省略)を駆動するギヤ群(図示省略)を内装するギヤケース42が配置されている。
【0030】
シリンダブロック30の両側面には、エンジンブラケット35・35が固設される。エンジンブラケット35・35は、正面視(図3)L字状に形成された板状の部材であり、その一方の面はシリンダブロック30の側面に固設され、他方の面は、防振部材36・36を介して車両フレーム2の上板2bに固設される。
防振部材36・36は、エンジン8の振動を吸収し、エンジン8から車両フレーム2に伝搬する振動を減衰させることができるものであれば、その材質及び形状を限定するものではない。
【0031】
次に、本発明に係る動力伝達装置の一実施例である動力伝達装置100について、図1から図5により説明する。
図4に示すように、本発明に係る動力伝達ケースの一実施例であるギヤボックス110は、クランク軸31からの動力が入力される駆動軸120と、この駆動軸120からの動力を出力する第一従動軸130と、この第一従動軸130に駆動軸120の動力を伝達するベベルギヤ160・160と、を内装している。
【0032】
図2及び図3に示すように、ギヤボックス110の上部には、取付部112が設けられている。取付部112は、ギヤボックス110の上部に固定(あるいはギヤボックス110と一体的に形成)され、左右両端部が正面視(図3)においてギヤボックス110の左右両側面から突出している。取付部112の上面と車両フレーム2の上板2bの下面とを当接させ、取付部112の前記突出した部分において、下方からボルト113を螺挿することにより、ギヤボックス110を車両フレーム2に取り付けることができる。
なお、ギヤボックス110を車両フレーム2に取り付けるための方法は本実施例に記載の方法に限るものではなく、ギヤボックス110を車両フレーム2に取り付けることができる方法であればよい。
また、本実施例において、ギヤボックス110を車両フレーム2に対して取り付ける構成としたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、ギヤボックス110は、作業車両1の機体側に取り付けられる構成であればよい。なお、作業車両1の「機体側」とは、例えば車両フレーム2、前車軸支持装置6の前車軸支持ケース6a、後車軸駆動装置3の後車軸駆動ケース3a、及び図示せぬトランスミッションケース等であり、作業車両1の構造体としてギヤボックス110を支持することが可能な程度の剛性を有するエンジン8以外の部材をいうものとする。
【0033】
駆動軸120は、クランク軸31の下方で、クランク軸31に対して平行(前後水平方向)に配置されている。駆動軸120は、ギヤボックス110前部から突出するようにギヤボックス110に内装され、ギヤボックス110に軸受けを介して回動可能に支持されている(図4参照)。
駆動軸120の前端部には、駆動プーリ121が固設されている。
【0034】
図5に示すように、駆動軸120の駆動プーリ121とクランク軸31の第一クランクプーリ33に、ベルト122が巻回されている。クランク軸31の第一クランクプーリ33、駆動軸120の駆動プーリ121、及びベルト122により、本発明に係る第一無端帯機構の一実施例であるベルト機構180が構成されている。
【0035】
ベルト122の内周側には、ベルト122に張力を付与するテンション部材となるテンションプーリ170が当接されている。テンションプーリ170は、バネなどの弾性部材(図示省略)によって正面視(図5)において右方向に付勢されて、ベルト122に張力を付与している。テンションプーリ170は、ブラケット172を介してシリンダブロック30などエンジン8を構成する部材、または車両フレーム2などエンジン8以外の作業車両1を構成する部材に取り付けられている。ブラケット172には、左右方向を長手方向とする長孔173が開口されており、この長孔173内にテンションプーリ170のプーリ軸171が摺動自在に配置されている。
【0036】
図2及び図3に示すように、第一従動軸130は、クランク軸31に対して垂直(上下方向)に配置されている。つまり、第一従動軸130は、駆動軸120に対しても垂直に配置されている。第一従動軸130は、ギヤボックス110下部から突出するようにギヤボックス110に内装され、ギヤボックス110に軸受けを介して回動可能に支持されている(図4参照)。
【0037】
図4に示すように、本発明に係るギヤ列の一実施例であるベベルギヤ160・160は、駆動軸120の動力を第一従動軸130に伝達するためのものである。ギヤボックス110内では、駆動軸120の端部(後端部)に一方のベベルギヤ160が固設され、このベベルギヤ160に噛合する他方のベベルギヤ160が第一従動軸130の端部(上端部)に固設されている。
【0038】
第一従動軸130の下端部には、第一従動プーリ131がキー嵌合により固定されているとともに、第一従動軸130の同軸上に第二従動軸140が着脱可能に連結されている。第一従動プーリ131と、前記入力軸4aの上端に固設されるプーリ4bとの間には、ベルト4cが巻回されている(図1参照)。
【0039】
第二従動軸140には、第二従動プーリ141が回転自在に支持され、該第二従動軸140と第二従動プーリ141との間には、本発明に係るクラッチの一実施例である電磁クラッチ150が介装されている。電磁クラッチ150は、第二従動軸140から第二従動プーリ141への動力の伝達・遮断を切り換えるものであり、運転席18近傍に配置した操作手段の操作により電磁クラッチ150に電力を供給すると、ソレノイドの電磁力により第二従動軸140と第二従動プーリ141との間に介装したクラッチ板を圧接さけて動力を伝達できるようにしている。第二従動プーリ141と前記入力軸12aの上端に固設される入力プーリ12bとの間には、ベルト12cが巻回されている(図1参照)。
第一従動プーリ131、プーリ4b、及びベルト4c、並びに第二従動プーリ141、入力プーリ12b、及びベルト12cにより、本発明に係る第二無端帯機構の一実施例であるベルト機構190が構成されている。
なお、クラッチは、電磁クラッチ150に限定するものではなく、例えば、油圧クラッチなどでもよい。
【0040】
図2及び図3に示すように、ギヤボックス110下部の左右側面には、電磁クラッチ150を取り付けるためのボス部111が設けられている。ボス部111の内周面には、ネジ溝が形成されている。電磁クラッチ150には、平面視においてボス部111と重なる位置にボルト孔151が穿設されている。
【0041】
このような構成で、ギヤボックス110のボス部111と電磁クラッチ150のボルト孔151とを平面視において一致させた状態で、ボルト孔151の下方からボルト152を螺挿することにより、電磁クラッチ150をギヤボックス110に取り付けることができる。なお、電磁クラッチ150をギヤボックス110に取り付けるための構成は、本実施例におけるものに限らない。
上述の如く構成された駆動軸120、第一従動軸130、第二従動軸140、ベルト機構180、ベベルギヤ160・160、ベルト機構190、及びギヤボックス110により、本発明に係る動力伝達装置の一実施例である動力伝達装置100が構成されている。
【0042】
上述の如く構成されたエンジン8において、図2及び図3に示すように、クランク軸31の動力は、第一クランクプーリ33、ベルト122、及び駆動プーリ121を介して駆動軸120に伝達される。図4に示すように、駆動軸120の動力は、ベベルギヤ160・160を介して第一従動軸130に伝達される。そして、図1に示すように、第一従動軸130の動力は、第一従動プーリ131、ベルト4c、プーリ4b、入力軸4aに伝達されて前記油圧ポンプ(図示省略)が駆動される。また、第一従動軸130の動力は、第二従動軸140、第二従動プーリ141、ベルト12c、入力プーリ12b、入力軸12aに伝達されてモア9の回転刃12が駆動される。
このようにして、長手方向を水平方向として配置されたクランク軸31の動力を、長手方向を垂直方向として配置された入力軸4a及び入力軸12aに伝達することができる。
【0043】
以上の如く、本実施例の動力伝達装置100は、作業車両1に具備され、水平方向に配置されたクランク軸31を有するエンジン8の動力を、垂直方向に配置された入力軸12aを具備するモア9、及び入力軸4aを具備する後車軸駆動装置3に伝達する動力伝達装置100であって、クランク軸31に対して平行に配置された駆動軸120と、クランク軸31に対して垂直に配置された第一従動軸130及び第二従動軸140と、クランク軸の動力を駆動軸120に伝達するベルト機構180と、駆動軸120の動力を第一従動軸130及び第二従動軸140に伝達するベベルギヤ160・160と、第一従動軸130及び第二従動軸140の動力を入力軸12a及び入力軸4aに伝達するベルト機構190と、駆動軸120及び第一従動軸130を内装し、作業車両1の機体側に取り付けられるギヤボックス110と、を具備するものである。
このように構成することにより、ベルト4c及びベルト122は、作業車両1に組み付けられた状態において捩られることがないため、ベルト4c及びベルト122の使用寿命の減少を防止することができる。また、ベルト4c及びベルト122を作業車両1に組み付ける際に、ベルト4c及びベルト122を捩る必要がないため、作業効率の向上を図ることができる。さらに、ギヤボックス110をエンジン8に直接取り付けることがないため、エンジン8の振動に起因する動力伝達装置100の不具合の発生を抑制することができる。
また、ギヤボックス110を、エンジン8と分離し、車両フレーム2に取り付ける構成としたので、エンジン8を他のエンジンに交換する際にもギヤボックス110等を交換する必要がなく、動力伝達装置100の汎用性を向上させることができる。
【0044】
また、本実施例のギヤボックス110は、作業車両1の車両フレーム2に取り付けられるものである。
このように構成することにより、車両フレーム2を利用することで、簡易な構成でギヤボックス110を作業車両1に取り付けることができる。また、剛性の高い車両フレーム2に取り付けることにより、動力伝達装置100をより強固に作業車両1に取り付けることができる。
【0045】
また、ベルト機構190は、第二従動軸140から入力軸12aへの動力の伝達を断接する電磁クラッチ150を具備するものである。
このように構成することにより、エンジン8の駆動対象であるモア9への動力の伝達と遮断を切り換えることができるため、エンジン8の利便性を向上させることができる。
【0046】
また、電磁クラッチ150は、ギヤボックス110に取り付けられるものである。
このように構成することにより、電磁クラッチ150がギヤボックス110と同一振動系となるため、防振対策を簡素化でき、コストの削減を図ることができる。
【0047】
なお、本実施例において、第一従動軸130と第二従動軸140とを別部材により構成したが、本発明はこれに限るものではなく、第一従動軸130と第二従動軸140とを一体(1本の従動軸)として構成することも可能である。
また、本実施例において、動力伝達装置100は、動力を出力するための2つのプーリ(第一従動プーリ131及び第二従動プーリ141)を具備する構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、プーリを1つ、または3つ以上具備する構成とすることも可能である。
また、本実施例において、動力伝達装置100は、電磁クラッチ150を1つ具備する構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、電磁クラッチ150を複数具備する構成とすることも可能である。
また、本実施例において、動力伝達装置100は、後車軸駆動装置3へ動力を伝達し、後輪5・5を駆動する構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、前輪7・7を駆動する構成や、前輪7・7及び後輪5・5をともに駆動する構成とすることも可能である。
【0048】
また、図6に示すように、電磁クラッチ150をギヤボックス110ではなく車両フレーム2に固設する構成とすることも可能である。この場合、ギヤボックス110に前述のボス部111を設ける必要はなく、ボルト孔151の下方からボルト152を螺挿し、車両フレーム2の上板2bに電磁クラッチ150を取り付ける構成とすることが可能である。
なお、電磁クラッチ150を車両フレーム2に固設する方法は、これに限るものではない。
【0049】
また、図7に示すように、作業車両1に動力伝達装置100(クランク軸31の第一クランクプーリ33以外)を複数個具備する構成とすることも可能である。この場合、第一クランクプーリ33、各駆動プーリ121・121には、ベルト122が巻回され、クランク軸31の動力はベルト122によって各駆動プーリ121・121に伝達される。
このような構成において、各動力伝達装置100の駆動プーリ121の径等を変更することで、各動力伝達装置100の回転数を所望の回転数に設定することができる。これによって、後車軸駆動装置3や作業機であるモア9に最適な回転数を選択することができ、作業効率の向上を図ることができる。
なお、図7に示した動力伝達装置100を2個設ける構成に限らず、動力伝達装置100を3個以上設ける構成とすることも可能である。また、ベルト122を複数設け、各駆動プーリ121を互いに独立したベルト122で駆動する構成とすることも可能である。
【0050】
また、図8に示すように、ギヤボックス110を、支持部材70を介して車両フレーム2に取り付ける構成とすることも可能である。
【0051】
支持部材70は、矩形板状の部材である。支持部材70は、例えば、車両フレーム2の上板2bがない部分において、側板2a・2aの上端を連結するように横架され、適宜の方法で側板2a・2aに固定される。
エンジン8は、エンジンブラケット35・35及び防振部材36・36を介して支持部材70に固設される。
ギヤボックス110は、支持部材70の下面にボルト113により取り付けられる。
【0052】
以上の如く、本実施例のギヤボックス110は、作業車両1の車両フレーム2に支持部材70を介して取り付けられるものである。
このように構成することにより、ギヤボックス110を車両フレーム2に直接取り付けることができない場合(例えば、車両フレーム2の上板2bがない部分にギヤボックス110を取り付ける必要がある場合等)でも、支持部材70を介してギヤボックス110を作業車両1に取り付けることができる。また、剛性の高い車両フレーム2に間接的に取り付けることにより、動力伝達装置100をより強固に作業車両1に取り付けることができる。
また、図9に示すように、エンジン8(車両フレーム2の上板2b)の下方にギヤボックス110が配置できない場合(例えば、上板2bの下方に他の装置等が配置されている場合等)は、支持部材70を上板2bの前方に配置することにより、ギヤボックス110を、支持部材70を介して車両フレーム2に取り付けることができる。この場合、エンジン8は上板2bに、ギヤボックス110は支持部材にそれぞれ支持される。
【0053】
また、図10に示すように、ギヤボックス110を、前車軸支持ケース6aに取り付ける構成とすることも可能である。
【0054】
ギヤボックス110の前部には、取付部112が設けられている。取付部112の前面と前車軸支持ケース6aの後面とを当接させ、取付部の後方からボルト113を螺挿することにより、ギヤボックス110を前車軸支持ケース6aに取り付けることができる。このようにギヤボックス110の前部を前車軸支持ケース6aに取り付ける場合、図10に示すように、駆動軸120をギヤボックス110の後部から突出させる構成とすることができる。
なお、ギヤボックス110を前車軸支持ケース6aに取り付けるための方法は本実施例に記載の方法に限るものではなく、ギヤボックス110を前車軸支持ケース6aに取り付けることができる方法であればよい。また、本実施例においては、ギヤボックス110の前面と前車軸支持ケース6aの後面とを取り付けるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、ギヤボックス110及び前車軸支持ケース6aの形状や位置関係に基づいて、適宜取り付ける位置を決定することができる。例えば、ギヤボックス110の下面と前車軸支持ケース6aの上面とを取り付ける構成等とすることも可能である。
【0055】
以上の如く、本実施例のギヤボックス110は、作業車両1の前車軸支持ケース6aに取り付けられるものである。
このように構成することにより、前車軸支持ケース6aを利用することで、簡易な構成でギヤボックス110を作業車両1に取り付けることができる。また、剛性の高い前車軸支持ケース6aに取り付けることにより、動力伝達装置100をより強固に作業車両1に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第一実施例に係る動力伝達装置を備える作業車両を示した側面図。
【図2】同じくエンジン及び動力伝達装置を示した側面図。
【図3】同じく正面図。
【図4】同じく動力伝達装置を示した側面断面図。
【図5】同じく第一無端帯機構を示した正面図。
【図6】本発明の第二実施例に係る動力伝達装置を示した正面図。
【図7】本発明の第三実施例に係る動力伝達装置を示した正面図。
【図8】本発明の第四実施例に係る動力伝達装置の支持構造を示した正面図。
【図9】本発明の第五実施例に係る動力伝達装置の支持構造を示した側面図。
【図10】本発明の第六実施例に係る動力伝達装置の支持構造を示した側面拡大図。
【図11】従来例に係る動力伝達装置を備える作業車両を示した側面図。
【符号の説明】
【0057】
1 作業車両
2 車両フレーム
3 後車軸駆動装置(車軸駆動装置)
6a 前車軸支持ケース(車軸支持ケース)
8 エンジン
9 モア(作業機)
31 クランク軸
35 エンジンブラケット
36 防振部材
70 支持部材
100 動力伝達装置
110 ギヤボックス(動力伝達ケース)
120 駆動軸
130 第一従動軸(従動軸)
140 第二従動軸(従動軸)
150 電磁クラッチ(クラッチ)
160 ベベルギヤ(ギヤ列)
180 ベルト機構(第一無端帯機構)
190 ベルト機構(第二無端帯機構)
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平方向に配置されたクランク軸を有するエンジンの動力を、前記クランク軸に対して垂直方向に配置された軸に伝達する動力伝達装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水平方向に配置されたクランク軸を有するエンジンの動力を、前記クランク軸に対して垂直方向に配置された軸に伝達する動力伝達装置の技術は公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、従来例に係る動力伝達装置を備える作業車両について、図11により説明する。
作業車両501は、アッカーマン操舵式芝刈機であって、前後水平方向にクランク軸531を有するエンジン508と、このクランク軸531に対して垂直方向に配置された入力軸512aを有するモア509と、を備えている。そして、エンジン508のクランク軸531には、クランクプーリ533が固設されているとともに、モア509の入力軸512aには、入力プーリ512bが固設されている。また、エンジン508の下方には、左右水平方向にカウンター軸590が配置されており、このカウンター軸590に左右一対のカウンタープーリ591・591が固設されている。そして、クランクプーリ533、左右一対のカウンタープーリ591・591、入力プーリ512bに無端帯であるベルト512cが巻回され、エンジン508のクランク軸531の動力が、クランクプーリ533、ベルト512c、カウンタープーリ591、ベルト512c、入力プーリ512b、入力軸512aに伝達されてモア509の回転刃512が駆動される。
上記の如く、クランクプーリ533、入力プーリ512b、カウンター軸590、カウンタープーリ591・591、及びベルト512cにより、動力伝達装置600が構成されている。
【特許文献1】実開昭60−10427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記従来の動力伝達装置600は、水平方向に配置されたクランク軸531の動力を垂直方向に配置された入力軸512aに伝達するため、ベルト512cがカウンタープーリ591・591により捩られる。これによって、ベルト512cの使用寿命が短くなるという問題があった。また、動力伝達装置600を作業車両501に組み付ける場合、ベルト512cを捩りながら組み付ける必要があるため、作業効率が悪いという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、作業車両に具備され、水平方向に配置されたクランク軸を有するエンジンの動力を、垂直方向に配置された入力軸を具備する作業機及び/または車軸駆動装置に伝達する動力伝達装置であって、前記クランク軸に対して平行に配置された駆動軸と、前記クランク軸に対して垂直に配置された従動軸と、前記クランク軸の動力を前記駆動軸に伝達する第一無端帯機構と、前記駆動軸の動力を前記従動軸に伝達するギヤ列と、前記従動軸の動力を前記入力軸に伝達する第二無端帯機構と、前記駆動軸及び前記従動軸を内装し、前記作業車両の機体側に取り付けられる動力伝達ケースと、を具備するものである。
【0006】
請求項2においては、前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車両フレームに取り付けられるものである。
【0007】
請求項3においては、前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車両フレームに支持部材を介して取り付けられるものである。
【0008】
請求項4においては、前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車軸支持ケースに取り付けられるものである。
【0009】
請求項5においては、前記第二無端帯機構は、前記従動軸から前記入力軸への動力の伝達を断接するクラッチを具備するものである。
【0010】
請求項6においては、前記クラッチは、前記動力伝達ケースに取り付けられるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、第一無端帯機構及び第二無端帯機構を構成する無端帯であるベルトが、作業車両に組み付けられた状態において捩られることがないため、前記ベルトの使用寿命の減少を防止することができる。また、前記ベルトを前記作業車両に組み付ける際に捩る必要がないため、作業効率の向上を図ることができる。さらに、動力伝達ケースをエンジンに直接取り付けることがないため、前記エンジンの振動に起因する動力伝達装置の不具合の発生を抑制することができる。
【0013】
請求項2においては、車両フレームを利用することにより、簡易な構成で動力伝達ケースを作業車両に取り付けることができる。また、剛性の高い前記車両フレームに取り付けることにより、動力伝達装置をより強固に前記作業車両に取り付けることができる。
【0014】
請求項3においては、動力伝達ケースを車両フレームに直接取り付けることができない場合でも、支持部材を介して動力伝達ケースを作業車両に取り付けることができる。また、剛性の高い前記車両フレームに間接的に取り付けることにより、動力伝達装置をより強固に前記作業車両に取り付けることができる。
【0015】
請求項4においては、車軸支持ケースを利用することにより、簡易な構成で動力伝達ケースを作業車両に取り付けることができる。また、剛性の高い前記車軸支持ケースに取り付けることにより、動力伝達装置をより強固に前記作業車両に取り付けることができる。
【0016】
請求項5においては、エンジンの駆動対象たる前記作業機及び前記車軸駆動装置への動力の伝達と遮断を切り換えることができるため、エンジンの利便性を向上させることができる。
【0017】
請求項6においては、クラッチが動力伝達ケースと同一振動系となるため、防振対策を簡素化でき、コストの削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0019】
まず、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を備える作業車両1の全体構成について、図1により説明する。
図1に示すように、作業車両1は、アッカーマン操舵式芝刈機であって、車両フレーム2と、車両フレーム2の後部に支持される後車軸駆動装置3と、車両フレーム2の前部に支持される前車軸支持装置6と、後車軸駆動装置3と前車軸支持装置6との間にて車両フレーム2によって支持されるエンジン8と、車両フレーム2の下方に昇降可能に吊設されるモア9とを備えている。
前車軸支持装置6は、前輪7・7を支持するための軸やギヤ等の機構を内装する前車軸支持ケース6aを具備する。前車軸支持ケース6aは、本発明に係る車軸支持ケースの一実施例である。また、後車軸駆動装置3は、後輪5・5を支持するとともに駆動するための軸やギヤ等の機構を内装する後車軸駆動ケース3aを具備する。前車軸支持ケース6a及び後車軸駆動ケース3aは、適宜の方法で車両フレーム2に取り付けられる。
なお、本発明に係る作業車両は、本実施例における作業車両1に限るものではなく、その他の農業用作業車両や建設用作業車両等の作業車両であってもよい。
【0020】
車両フレーム2は、その長手方向が作業車両1の前後方向と略一致する左右一対の矩形板状部材である側板2a・2a、及び側板2a・2aの上端を連結する矩形板状部材である上板2b等を具備する(図2及び図3参照)。
なお、本発明に係る車両フレームの構成は、本実施例における車両フレーム2と同一構成に限るものではなく、さらに多くの板状部材を備える構成や、箱状に構成すること等も可能である。
【0021】
本発明に係る車軸駆動装置の一実施例である後車軸駆動装置3には油圧モータ4が収納されており、油圧モータ4は、油圧ポンプ(図示省略)によって駆動可能に流体接続されている。前記油圧ポンプは、入力軸4aに伝達される動力により駆動される。
【0022】
エンジン8は、ボンネット13内に収納され、ボンネット13直後のダッシュボードから後上方にハンドル14が延設されているとともに、エンジン8の直前の車両フレーム2には、ラジエータ15が搭載されている。そして、ボンネット13内では、油圧シリンダなどに作動油を補給するためのリザーバタンク16がエンジン8後方に配設されている。
【0023】
さらに、車両フレーム2の後部にはリアカバー17が搭載され、リアカバー17の上面には運転席18が搭載されている。そして、リアカバー17内には、後車軸駆動装置3が配設されている。
【0024】
本発明に係る作業機の一実施例であるモア9は、後車軸駆動装置3によって駆動される後輪5・5と、前車軸支持装置6によって支持される前輪7・7との間にて、車両フレーム2の下方に配設されている。そして、車両フレーム2の左右の側板2a・2a前端部には、左右のモアハンガー10・10がそれぞれ連結され、モアハンガー10・10は各リンクロッド11・11を介してモア9の前端に連結されており、これによりモア9が昇降可能に吊設されるようにしている。また、モア9の回転刃12は、入力軸12aに伝達される動力により駆動される。
なお、本発明に係る作業機は、本実施例におけるモア9に限るものではなく、その他、作業車両1に装着されて作業を行う種々の作業機であってもよい。
【0025】
次に、作業車両1が具備するエンジン8について、図2及び図3により説明する。
図2及び図3に示すように、エンジン8は、下部にオイルパン20を備え、このオイルパン20の上部にシリンダブロック30を備え、このシリンダブロック30の上部にシリンダヘッド40を備えている。
【0026】
シリンダブロック30内には、クランク軸31が前後水平方向に架設され、このクランク軸31の前後端部は、シリンダブロック30の前後面からそれぞれ突出している。クランク軸31の後端部には、フライホイル32が固設されているとともに、クランク軸31の前端部には、前方から順に第一クランクプーリ33、第二クランクプーリ34が固設されている。
【0027】
そして、クランク軸31の上方には、冷却ファン50が配置され、この冷却ファン50のファン軸51には、プーリ52が固設されているとともに、冷却水ポンプ53が取り付けられている。冷却ファン50の側方には、オルタネータ60が配置され、このオルタネータ60のオルタネータ軸61には、プーリ62が固設されている。
【0028】
そして、クランク軸31の第二クランクプーリ34、ファン軸51のプーリ52、オルタネータ軸61のプーリ62に、一本のベルト63が巻回されている。このベルト63を介してクランク軸31からの動力が伝達されて、冷却ファン50、冷却水ポンプ53、オルタネータ60が駆動される。
【0029】
また、シリンダヘッド40の前面側には、燃料噴射ポンプ41やカム軸(図示省略)を駆動するギヤ群(図示省略)を内装するギヤケース42が配置されている。
【0030】
シリンダブロック30の両側面には、エンジンブラケット35・35が固設される。エンジンブラケット35・35は、正面視(図3)L字状に形成された板状の部材であり、その一方の面はシリンダブロック30の側面に固設され、他方の面は、防振部材36・36を介して車両フレーム2の上板2bに固設される。
防振部材36・36は、エンジン8の振動を吸収し、エンジン8から車両フレーム2に伝搬する振動を減衰させることができるものであれば、その材質及び形状を限定するものではない。
【0031】
次に、本発明に係る動力伝達装置の一実施例である動力伝達装置100について、図1から図5により説明する。
図4に示すように、本発明に係る動力伝達ケースの一実施例であるギヤボックス110は、クランク軸31からの動力が入力される駆動軸120と、この駆動軸120からの動力を出力する第一従動軸130と、この第一従動軸130に駆動軸120の動力を伝達するベベルギヤ160・160と、を内装している。
【0032】
図2及び図3に示すように、ギヤボックス110の上部には、取付部112が設けられている。取付部112は、ギヤボックス110の上部に固定(あるいはギヤボックス110と一体的に形成)され、左右両端部が正面視(図3)においてギヤボックス110の左右両側面から突出している。取付部112の上面と車両フレーム2の上板2bの下面とを当接させ、取付部112の前記突出した部分において、下方からボルト113を螺挿することにより、ギヤボックス110を車両フレーム2に取り付けることができる。
なお、ギヤボックス110を車両フレーム2に取り付けるための方法は本実施例に記載の方法に限るものではなく、ギヤボックス110を車両フレーム2に取り付けることができる方法であればよい。
また、本実施例において、ギヤボックス110を車両フレーム2に対して取り付ける構成としたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、ギヤボックス110は、作業車両1の機体側に取り付けられる構成であればよい。なお、作業車両1の「機体側」とは、例えば車両フレーム2、前車軸支持装置6の前車軸支持ケース6a、後車軸駆動装置3の後車軸駆動ケース3a、及び図示せぬトランスミッションケース等であり、作業車両1の構造体としてギヤボックス110を支持することが可能な程度の剛性を有するエンジン8以外の部材をいうものとする。
【0033】
駆動軸120は、クランク軸31の下方で、クランク軸31に対して平行(前後水平方向)に配置されている。駆動軸120は、ギヤボックス110前部から突出するようにギヤボックス110に内装され、ギヤボックス110に軸受けを介して回動可能に支持されている(図4参照)。
駆動軸120の前端部には、駆動プーリ121が固設されている。
【0034】
図5に示すように、駆動軸120の駆動プーリ121とクランク軸31の第一クランクプーリ33に、ベルト122が巻回されている。クランク軸31の第一クランクプーリ33、駆動軸120の駆動プーリ121、及びベルト122により、本発明に係る第一無端帯機構の一実施例であるベルト機構180が構成されている。
【0035】
ベルト122の内周側には、ベルト122に張力を付与するテンション部材となるテンションプーリ170が当接されている。テンションプーリ170は、バネなどの弾性部材(図示省略)によって正面視(図5)において右方向に付勢されて、ベルト122に張力を付与している。テンションプーリ170は、ブラケット172を介してシリンダブロック30などエンジン8を構成する部材、または車両フレーム2などエンジン8以外の作業車両1を構成する部材に取り付けられている。ブラケット172には、左右方向を長手方向とする長孔173が開口されており、この長孔173内にテンションプーリ170のプーリ軸171が摺動自在に配置されている。
【0036】
図2及び図3に示すように、第一従動軸130は、クランク軸31に対して垂直(上下方向)に配置されている。つまり、第一従動軸130は、駆動軸120に対しても垂直に配置されている。第一従動軸130は、ギヤボックス110下部から突出するようにギヤボックス110に内装され、ギヤボックス110に軸受けを介して回動可能に支持されている(図4参照)。
【0037】
図4に示すように、本発明に係るギヤ列の一実施例であるベベルギヤ160・160は、駆動軸120の動力を第一従動軸130に伝達するためのものである。ギヤボックス110内では、駆動軸120の端部(後端部)に一方のベベルギヤ160が固設され、このベベルギヤ160に噛合する他方のベベルギヤ160が第一従動軸130の端部(上端部)に固設されている。
【0038】
第一従動軸130の下端部には、第一従動プーリ131がキー嵌合により固定されているとともに、第一従動軸130の同軸上に第二従動軸140が着脱可能に連結されている。第一従動プーリ131と、前記入力軸4aの上端に固設されるプーリ4bとの間には、ベルト4cが巻回されている(図1参照)。
【0039】
第二従動軸140には、第二従動プーリ141が回転自在に支持され、該第二従動軸140と第二従動プーリ141との間には、本発明に係るクラッチの一実施例である電磁クラッチ150が介装されている。電磁クラッチ150は、第二従動軸140から第二従動プーリ141への動力の伝達・遮断を切り換えるものであり、運転席18近傍に配置した操作手段の操作により電磁クラッチ150に電力を供給すると、ソレノイドの電磁力により第二従動軸140と第二従動プーリ141との間に介装したクラッチ板を圧接さけて動力を伝達できるようにしている。第二従動プーリ141と前記入力軸12aの上端に固設される入力プーリ12bとの間には、ベルト12cが巻回されている(図1参照)。
第一従動プーリ131、プーリ4b、及びベルト4c、並びに第二従動プーリ141、入力プーリ12b、及びベルト12cにより、本発明に係る第二無端帯機構の一実施例であるベルト機構190が構成されている。
なお、クラッチは、電磁クラッチ150に限定するものではなく、例えば、油圧クラッチなどでもよい。
【0040】
図2及び図3に示すように、ギヤボックス110下部の左右側面には、電磁クラッチ150を取り付けるためのボス部111が設けられている。ボス部111の内周面には、ネジ溝が形成されている。電磁クラッチ150には、平面視においてボス部111と重なる位置にボルト孔151が穿設されている。
【0041】
このような構成で、ギヤボックス110のボス部111と電磁クラッチ150のボルト孔151とを平面視において一致させた状態で、ボルト孔151の下方からボルト152を螺挿することにより、電磁クラッチ150をギヤボックス110に取り付けることができる。なお、電磁クラッチ150をギヤボックス110に取り付けるための構成は、本実施例におけるものに限らない。
上述の如く構成された駆動軸120、第一従動軸130、第二従動軸140、ベルト機構180、ベベルギヤ160・160、ベルト機構190、及びギヤボックス110により、本発明に係る動力伝達装置の一実施例である動力伝達装置100が構成されている。
【0042】
上述の如く構成されたエンジン8において、図2及び図3に示すように、クランク軸31の動力は、第一クランクプーリ33、ベルト122、及び駆動プーリ121を介して駆動軸120に伝達される。図4に示すように、駆動軸120の動力は、ベベルギヤ160・160を介して第一従動軸130に伝達される。そして、図1に示すように、第一従動軸130の動力は、第一従動プーリ131、ベルト4c、プーリ4b、入力軸4aに伝達されて前記油圧ポンプ(図示省略)が駆動される。また、第一従動軸130の動力は、第二従動軸140、第二従動プーリ141、ベルト12c、入力プーリ12b、入力軸12aに伝達されてモア9の回転刃12が駆動される。
このようにして、長手方向を水平方向として配置されたクランク軸31の動力を、長手方向を垂直方向として配置された入力軸4a及び入力軸12aに伝達することができる。
【0043】
以上の如く、本実施例の動力伝達装置100は、作業車両1に具備され、水平方向に配置されたクランク軸31を有するエンジン8の動力を、垂直方向に配置された入力軸12aを具備するモア9、及び入力軸4aを具備する後車軸駆動装置3に伝達する動力伝達装置100であって、クランク軸31に対して平行に配置された駆動軸120と、クランク軸31に対して垂直に配置された第一従動軸130及び第二従動軸140と、クランク軸の動力を駆動軸120に伝達するベルト機構180と、駆動軸120の動力を第一従動軸130及び第二従動軸140に伝達するベベルギヤ160・160と、第一従動軸130及び第二従動軸140の動力を入力軸12a及び入力軸4aに伝達するベルト機構190と、駆動軸120及び第一従動軸130を内装し、作業車両1の機体側に取り付けられるギヤボックス110と、を具備するものである。
このように構成することにより、ベルト4c及びベルト122は、作業車両1に組み付けられた状態において捩られることがないため、ベルト4c及びベルト122の使用寿命の減少を防止することができる。また、ベルト4c及びベルト122を作業車両1に組み付ける際に、ベルト4c及びベルト122を捩る必要がないため、作業効率の向上を図ることができる。さらに、ギヤボックス110をエンジン8に直接取り付けることがないため、エンジン8の振動に起因する動力伝達装置100の不具合の発生を抑制することができる。
また、ギヤボックス110を、エンジン8と分離し、車両フレーム2に取り付ける構成としたので、エンジン8を他のエンジンに交換する際にもギヤボックス110等を交換する必要がなく、動力伝達装置100の汎用性を向上させることができる。
【0044】
また、本実施例のギヤボックス110は、作業車両1の車両フレーム2に取り付けられるものである。
このように構成することにより、車両フレーム2を利用することで、簡易な構成でギヤボックス110を作業車両1に取り付けることができる。また、剛性の高い車両フレーム2に取り付けることにより、動力伝達装置100をより強固に作業車両1に取り付けることができる。
【0045】
また、ベルト機構190は、第二従動軸140から入力軸12aへの動力の伝達を断接する電磁クラッチ150を具備するものである。
このように構成することにより、エンジン8の駆動対象であるモア9への動力の伝達と遮断を切り換えることができるため、エンジン8の利便性を向上させることができる。
【0046】
また、電磁クラッチ150は、ギヤボックス110に取り付けられるものである。
このように構成することにより、電磁クラッチ150がギヤボックス110と同一振動系となるため、防振対策を簡素化でき、コストの削減を図ることができる。
【0047】
なお、本実施例において、第一従動軸130と第二従動軸140とを別部材により構成したが、本発明はこれに限るものではなく、第一従動軸130と第二従動軸140とを一体(1本の従動軸)として構成することも可能である。
また、本実施例において、動力伝達装置100は、動力を出力するための2つのプーリ(第一従動プーリ131及び第二従動プーリ141)を具備する構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、プーリを1つ、または3つ以上具備する構成とすることも可能である。
また、本実施例において、動力伝達装置100は、電磁クラッチ150を1つ具備する構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、電磁クラッチ150を複数具備する構成とすることも可能である。
また、本実施例において、動力伝達装置100は、後車軸駆動装置3へ動力を伝達し、後輪5・5を駆動する構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、前輪7・7を駆動する構成や、前輪7・7及び後輪5・5をともに駆動する構成とすることも可能である。
【0048】
また、図6に示すように、電磁クラッチ150をギヤボックス110ではなく車両フレーム2に固設する構成とすることも可能である。この場合、ギヤボックス110に前述のボス部111を設ける必要はなく、ボルト孔151の下方からボルト152を螺挿し、車両フレーム2の上板2bに電磁クラッチ150を取り付ける構成とすることが可能である。
なお、電磁クラッチ150を車両フレーム2に固設する方法は、これに限るものではない。
【0049】
また、図7に示すように、作業車両1に動力伝達装置100(クランク軸31の第一クランクプーリ33以外)を複数個具備する構成とすることも可能である。この場合、第一クランクプーリ33、各駆動プーリ121・121には、ベルト122が巻回され、クランク軸31の動力はベルト122によって各駆動プーリ121・121に伝達される。
このような構成において、各動力伝達装置100の駆動プーリ121の径等を変更することで、各動力伝達装置100の回転数を所望の回転数に設定することができる。これによって、後車軸駆動装置3や作業機であるモア9に最適な回転数を選択することができ、作業効率の向上を図ることができる。
なお、図7に示した動力伝達装置100を2個設ける構成に限らず、動力伝達装置100を3個以上設ける構成とすることも可能である。また、ベルト122を複数設け、各駆動プーリ121を互いに独立したベルト122で駆動する構成とすることも可能である。
【0050】
また、図8に示すように、ギヤボックス110を、支持部材70を介して車両フレーム2に取り付ける構成とすることも可能である。
【0051】
支持部材70は、矩形板状の部材である。支持部材70は、例えば、車両フレーム2の上板2bがない部分において、側板2a・2aの上端を連結するように横架され、適宜の方法で側板2a・2aに固定される。
エンジン8は、エンジンブラケット35・35及び防振部材36・36を介して支持部材70に固設される。
ギヤボックス110は、支持部材70の下面にボルト113により取り付けられる。
【0052】
以上の如く、本実施例のギヤボックス110は、作業車両1の車両フレーム2に支持部材70を介して取り付けられるものである。
このように構成することにより、ギヤボックス110を車両フレーム2に直接取り付けることができない場合(例えば、車両フレーム2の上板2bがない部分にギヤボックス110を取り付ける必要がある場合等)でも、支持部材70を介してギヤボックス110を作業車両1に取り付けることができる。また、剛性の高い車両フレーム2に間接的に取り付けることにより、動力伝達装置100をより強固に作業車両1に取り付けることができる。
また、図9に示すように、エンジン8(車両フレーム2の上板2b)の下方にギヤボックス110が配置できない場合(例えば、上板2bの下方に他の装置等が配置されている場合等)は、支持部材70を上板2bの前方に配置することにより、ギヤボックス110を、支持部材70を介して車両フレーム2に取り付けることができる。この場合、エンジン8は上板2bに、ギヤボックス110は支持部材にそれぞれ支持される。
【0053】
また、図10に示すように、ギヤボックス110を、前車軸支持ケース6aに取り付ける構成とすることも可能である。
【0054】
ギヤボックス110の前部には、取付部112が設けられている。取付部112の前面と前車軸支持ケース6aの後面とを当接させ、取付部の後方からボルト113を螺挿することにより、ギヤボックス110を前車軸支持ケース6aに取り付けることができる。このようにギヤボックス110の前部を前車軸支持ケース6aに取り付ける場合、図10に示すように、駆動軸120をギヤボックス110の後部から突出させる構成とすることができる。
なお、ギヤボックス110を前車軸支持ケース6aに取り付けるための方法は本実施例に記載の方法に限るものではなく、ギヤボックス110を前車軸支持ケース6aに取り付けることができる方法であればよい。また、本実施例においては、ギヤボックス110の前面と前車軸支持ケース6aの後面とを取り付けるものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、ギヤボックス110及び前車軸支持ケース6aの形状や位置関係に基づいて、適宜取り付ける位置を決定することができる。例えば、ギヤボックス110の下面と前車軸支持ケース6aの上面とを取り付ける構成等とすることも可能である。
【0055】
以上の如く、本実施例のギヤボックス110は、作業車両1の前車軸支持ケース6aに取り付けられるものである。
このように構成することにより、前車軸支持ケース6aを利用することで、簡易な構成でギヤボックス110を作業車両1に取り付けることができる。また、剛性の高い前車軸支持ケース6aに取り付けることにより、動力伝達装置100をより強固に作業車両1に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第一実施例に係る動力伝達装置を備える作業車両を示した側面図。
【図2】同じくエンジン及び動力伝達装置を示した側面図。
【図3】同じく正面図。
【図4】同じく動力伝達装置を示した側面断面図。
【図5】同じく第一無端帯機構を示した正面図。
【図6】本発明の第二実施例に係る動力伝達装置を示した正面図。
【図7】本発明の第三実施例に係る動力伝達装置を示した正面図。
【図8】本発明の第四実施例に係る動力伝達装置の支持構造を示した正面図。
【図9】本発明の第五実施例に係る動力伝達装置の支持構造を示した側面図。
【図10】本発明の第六実施例に係る動力伝達装置の支持構造を示した側面拡大図。
【図11】従来例に係る動力伝達装置を備える作業車両を示した側面図。
【符号の説明】
【0057】
1 作業車両
2 車両フレーム
3 後車軸駆動装置(車軸駆動装置)
6a 前車軸支持ケース(車軸支持ケース)
8 エンジン
9 モア(作業機)
31 クランク軸
35 エンジンブラケット
36 防振部材
70 支持部材
100 動力伝達装置
110 ギヤボックス(動力伝達ケース)
120 駆動軸
130 第一従動軸(従動軸)
140 第二従動軸(従動軸)
150 電磁クラッチ(クラッチ)
160 ベベルギヤ(ギヤ列)
180 ベルト機構(第一無端帯機構)
190 ベルト機構(第二無端帯機構)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両に具備され、水平方向に配置されたクランク軸を有するエンジンの動力を、垂直方向に配置された入力軸を具備する作業機及び/または車軸駆動装置に伝達する動力伝達装置であって、前記クランク軸に対して平行に配置された駆動軸と、前記クランク軸に対して垂直に配置された従動軸と、前記クランク軸の動力を前記駆動軸に伝達する第一無端帯機構と、前記駆動軸の動力を前記従動軸に伝達するギヤ列と、前記従動軸の動力を前記入力軸に伝達する第二無端帯機構と、前記駆動軸及び前記従動軸を内装し、前記作業車両の機体側に取り付けられる動力伝達ケースと、を具備する動力伝達装置。
【請求項2】
前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車両フレームに取り付けられる請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車両フレームに支持部材を介して取り付けられる請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項4】
前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車軸支持ケースに取り付けられる請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項5】
前記第二無端帯機構は、前記従動軸から前記入力軸への動力の伝達を断接するクラッチを具備する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の動力伝達装置。
【請求項6】
前記クラッチは、前記動力伝達ケースに取り付けられる請求項5に記載の動力伝達装置。
【請求項1】
作業車両に具備され、水平方向に配置されたクランク軸を有するエンジンの動力を、垂直方向に配置された入力軸を具備する作業機及び/または車軸駆動装置に伝達する動力伝達装置であって、前記クランク軸に対して平行に配置された駆動軸と、前記クランク軸に対して垂直に配置された従動軸と、前記クランク軸の動力を前記駆動軸に伝達する第一無端帯機構と、前記駆動軸の動力を前記従動軸に伝達するギヤ列と、前記従動軸の動力を前記入力軸に伝達する第二無端帯機構と、前記駆動軸及び前記従動軸を内装し、前記作業車両の機体側に取り付けられる動力伝達ケースと、を具備する動力伝達装置。
【請求項2】
前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車両フレームに取り付けられる請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車両フレームに支持部材を介して取り付けられる請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項4】
前記動力伝達ケースは、前記作業車両の車軸支持ケースに取り付けられる請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項5】
前記第二無端帯機構は、前記従動軸から前記入力軸への動力の伝達を断接するクラッチを具備する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の動力伝達装置。
【請求項6】
前記クラッチは、前記動力伝達ケースに取り付けられる請求項5に記載の動力伝達装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−36773(P2010−36773A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203315(P2008−203315)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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