包装袋の計数集積装置
【課題】省スペース化を実現した包装袋の計数集積装置を提供する。
【解決手段】スティック型の包装袋pを複数列に亘って同時に製造しかつ間欠的に供給する包装機に付設された計数集積装置であって、開閉可能な底部を有し包装機から供給された包装袋pを各列に対応して収容する同列の下部収容室43と、下部収容室43の各底部を任意数開放して包装袋pを落下させる可動底板と、下部収容室列43Aの直下で循環走行可能に配され下部収容室43から落下した包装袋pを受けたのち集積部に移送して落とし込むコンベア60とが具備される。
【解決手段】スティック型の包装袋pを複数列に亘って同時に製造しかつ間欠的に供給する包装機に付設された計数集積装置であって、開閉可能な底部を有し包装機から供給された包装袋pを各列に対応して収容する同列の下部収容室43と、下部収容室43の各底部を任意数開放して包装袋pを落下させる可動底板と、下部収容室列43Aの直下で循環走行可能に配され下部収容室43から落下した包装袋pを受けたのち集積部に移送して落とし込むコンベア60とが具備される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填包装機に装備される包装袋の計数集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スティック型の包装袋は、縦型多列自動充填包装機で製造される(特許文献1参照)。この包装機では、原反包装フィルムを所定幅ずつスリッタで切り分け、切り分けられた各包装フィルムを幅方向に巻き込んで重ね合わせ端に縦シールを施すことで筒状体を形成し、その筒状体の所定位置に横シールを施したのち、粉状、顆粒状等の内容物を充填して半包装袋を形成し、その半包装袋を1サイクルずつ送り出してさらに横シールを施すことでスティック型の包装袋を形成し、同横シール部を切断して1袋ずつの包装袋を製造するようになっている。
【0003】
ここで、この種の縦型多列自動充填包装機で製造されたスティック型の包装袋の計数集積装置の一例として、以下のようなものが知られている。このものは、各縦列で製造された包装袋をシュートに沿って滑落させて、収容室に設けられた観音開き式の底板で一旦受け、そののち底板を開いてその下方に配されたフィンガコンベアで受けつつ横一列分を纏めて搬送する。搬送先には、複数の区切られた受容部を備えて間欠回転されるスターホイールが装備されていて、搬送先において落下した包装袋の包数を透過型光電センサで計数し、所定包数となったところでスターホイールを回転させて区切るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−27683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の計数集積装置では、搬送先で包装袋を順次に落下させる間に透過型光電センサで包数を計数するのであるから、収容室から受け取った横一列分の包装袋をある程度間隔を保ったままで、光電センサが設けられた位置までフィンガコンベア等の大掛かりな搬送コンベアで搬送する必要があり、それだけスペースに多くを要するという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、省スペース化を実現した包装袋の計数集積装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、スティック型の包装袋を複数列に亘って同時に製造しかつ間欠的に供給する包装機に付設された包装袋の計数集積装置であって、開閉可能な底部を有し前記包装機から供給された包装袋を各列に対応して収容する同列の収容室と、前記収容室の各底部を任意数開放して包装袋を落下させる底部開閉機構と、前記収容室列の直下で循環走行可能に配され前記収容室から落下した包装袋を受けたのち集積部に移送して落とし込むコンベアと、が具備されたところに特徴を有する。
【0007】
上記構成によれば、包装機で同時に製造された各列のスティック型の包装袋は、対応する収容室に個別に入れられ、そののち任意数の収容室の底部が開くことで必要数の包装袋がコンベア上に落下して受けられ、コンベアの走行により受けられた包装袋が集積部に落下して集積される。
収容室から包装袋を落下させる過程で計数しかつ必要数の集積を行うことができ、言い換えると、収容室の下方のスペースにおいて、計数部と集積部とを集約して配することが可能となり、収容室から離間した位置にある計数部に向けてコンベアを配することが必須であった従来装置と比べて大幅な省スペース化を実現することができ、併せて製造コストの低減も図ることができる。
【0008】
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記底部開閉機構は、前記各収容室の底部に亘って覆う底板が設けられる一方、この底板を前記収容室の並び方向に沿って往復運動させる駆動部材が具備され、前記底板の移動ストロークを変更することにより前記収容室の各底部の開放数を変更するようになっている。エアシリンダ等を利用して個々に収容室の底部を開閉することに比べて、構成部品の削減と、さらなる省スペース化を図ることができる。
【0009】
(2)前記コンベアが間欠的に所定距離ずつ循環走行可能であるとともに、同コンベアにおける上方走行面の移動方向の前方に前記集積部が設けられており、前記コンベアの前記上方走行面で包装袋が受けられたのち同コンベアが所定距離走行することに伴い受けられた包装袋の全てが前記上方走行面の前端から前記集積部に落とし込まれる。収容室から落下した必要数の包装袋は、下方で待機しているコンベアの上方走行面で受けられ、コンベアの走行により受けられた包装袋の全てが集積部に落下して集積される。
【0010】
(3)前記コンベアの走行面には複数のガイド板が所定間隔を開けて立てられ、当該コンベアの停止時において前記各収容室の直下に位置する同数の載置部が形成されるようになっている。収容室から落下した包装袋は、両側のガイド板で案内されつつ確実に対応した載置部内に収まって受けられる。また、コンベアが高速駆動された場合も、包装袋が載置部内に保持されて、コンベアからはみ出したり落下することが防止される。
【0011】
(4)前記収容室がその並び方向において所定数ずつの2組に分けられ、各収容室の組ごとに、前記底部開閉機構と前記コンベアとが設けられている。収容室の底部の開閉動作時間及びコンベアにより包装袋を集積部に移送する時間を短縮することができる。
(5)前記収容室の深さ方向の途中位置には開閉可能なシャッタが設けられ、閉鎖時には前記包装機から供給された包装袋を一旦受け、その開放により同包装袋を前記収容室の底部に落下させるようになっている。供給された包装袋はシャッタにより水平姿勢で受けられ、シャッタが開くことで同水平姿勢を維持して収容室の底部側に落とされる。包装袋を正規姿勢で収容室に収容することができる。
【0012】
(6)前記シャッタは、前記各収容室をその並び方向に沿って貫通する本体板に対して、前記収容室と整合する開口部を収容室の配設ピッチと同ピッチで複数並べて形成した形状になり、前記シャッタを、前記各開口部が対応する収容室と整合する開放位置と、同各開口部が対応する収容室の側方に退避する閉鎖位置との間で往復運動させるシャッタ駆動部材が設けられている。簡単な構造で以て、包装袋を各収容室に対して正規姿勢で収容する動作を一斉に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、計数集積装置を設けるに当たって省スペース化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る計数集積装置と包装機とを示す概略側面図
【図2】計数集積装置の配設部分付近を示す一部切欠正面図
【図3】包装袋の製造工程を模式的に示す斜視図
【図4】計数部の側断面図
【図5】同正面から見た断面図
【図6】同平面図
【図7】図5のVII−VII線で切断した一部省略断面図
【図8】コンベアの概略平面図
【図9】1サイクル目の計数工程の途中までの動作を示す断面図
【図10】1サイクル目の計数工程と集積工程の終盤までの動作を示す断面図
【図11】1サイクル目の集積工程が完了するとともに2サイクル目の計数工程が始まるまでの動作を示す断面図
【図12】2サイクル目の集積工程が完了するまでの動作を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図12に基づいて説明する。この実施形態では、自動充填包装機で製造されたスティック型包装袋を計数集積する装置を例示する。
図1及び図2に示すように、計数集積装置20は、縦型多列自動充填包装機10の排出(供給)側に付設され、同装置20で集積されたスティック型包装袋pが、バケットコンベア80によって所定包数ずつ箱詰め等の次工程へ搬送されるようになっている。スティック型包装袋p(以下、単に包装袋p)は、内容物が砂糖等の粉体であって、細長い略円柱状に形成されている。
【0016】
本実施形態の縦型多列自動充填包装機10(以下、単に包装機10)の機能を図3によって簡単に説明する。
フィルムロールFから繰り出された原反包装フィルムは、スリッタ11によって所定幅ずつ10列に切り分けられ、切り分けられた各包装フィルムfは、縦シール装置12において、幅方向に巻き込まれて重ね合わせ端に縦シールが施されることで筒状体が形成され、その筒状体の所定位置に、横シール装置13によって横シールが施されたのち、ホッパ14(図1)に貯留された内容物が充填シュート15により充填されて半包装袋が形成される。その半包装袋が1サイクルずつ送り出されて、さらに横シールが施されることで両端が閉じられたスティック型の包装袋が形成され、同横シール部がカッタ16で切断されることで1袋ずつの包装袋pが製造される。結果、包装袋pは、横一列に並んだ10包ずつが同時に製造されて、間欠的に排出(供給)されるようになっている。
【0017】
上記した包装機10の供給部17の前方位置には、計数集積装置20が配設されている。この計数集積装置20は、バケットコンベア80の一端側を収めたケーシング83上に載せられるようにして設けられている。同装置20は大まかには、上面開口の角箱状の本体部21が設けられ、本体部21内における区画板25を挟んだ上部側に包装袋pの計数部22が、下部側に、計数された包装袋pを集積してバケットコンベア80に移行する集積部23が連続して設けられている。
【0018】
計数部22の構造を、図4ないし図8によって詳細に説明する。計数部22の上部側では収容室構成体27が形成され、この収容室構成体27はさらに、下部構成体40の上面に所定の間隙37を開けて上部構成体30を積み上げて構成されている。上部構成体30は、左右方向に長い前後一対の側壁31が所定間隔を開けて配され、前後の側壁31の間における左右両端部に寄った領域には、同じ高さの仕切壁32が6枚ずつ左右方向に所定間隔を開けて差し渡されている。これにより、上部構成体30では、左右両端に寄った領域において、前後方向に細長い上部収容室33が、5室ずつ一定ピッチで形成されている。
上部収容室33は、包装袋pよりも少し大きい長さと幅とを有しており、例えば包装袋pの厚さの4倍強の深さを有している。
なお、5室ずつの左右の上部収容室列33Aの間には、上部収容室33の3倍強の幅を持った中間スペース35が設けられている。
【0019】
下部構成体40は、同じく左右方向に長い前後一対の側壁41が、上部構成体30側と同じ間隔を開けて配されている。前後の側壁41の間における左右両端部に寄った領域には、上部構成体30側とほぼ同じ高さの仕切壁42が、6枚ずつ左右方向に所定間隔を開けて差し渡されており、これにより、左右両端に寄った領域でかつ上半分の領域において、前後方向に細長い下部収容室43が、5室ずつ、上記した上部構成体30の各上部収容室33と整合する一定ピッチで形成されている。
ただし下部収容室43は、上部収容室33と比べると、深さはほぼ同じであるが、2包の包装袋pが一部を重ねつつ並んで収容できるように少し幅広に形成されている。左右の下部収容室列43Aの間には、上部構成体30側と同幅の中間スペース45が設けられている。
なお、下部構成体40の底面には、詳しくは後記する可動底板55が配設されている。
【0020】
このような構造の下部構成体40と上部構成体30とが、上記したように所定の間隙を開けて積み上げられ、その間隙37の前後の開口を塞ぎつつ、連結体38(図6)が上下の側壁31,41に亘る外面に対して全長に当てられて固定されることにより、上下の構成体30,40が一体となった収容室構成体27が形成されている。各連結体38の内面における間隙37と対応する位置には、同間隙37と整合したガイド溝39が全長に亘って切られている。
【0021】
上記した包装機10における10列にわたる包装袋pの各供給部17には、図4に示すように、斜め下方を向いたシュート18が個別に接続されており、各シュート18の下端は、収容室構成体27に設けられた合計10個の上部収容室33のそれぞれ上面、詳細には、同上面における包装機10側の端部位置に臨んでいる。
【0022】
収容室構成体27の間隙37には、左右の上部収容室列33Aの各上部収容室33の底面を一斉に開閉可能な左右一対のシャッタ50が装備されている。シャッタ50は、図6に示すように、平面視方形状で同間隙37にほぼ緊密に嵌る厚さを持った本体板51を有し、その前後両側縁をガイド溝39に嵌めて、間隙37内を左右方向に摺動可能に嵌装されている。
各シャッタ50の本体板51には、上部収容室33の底面と同じ断面形状をなす5本の開口部52が、上部収容室33と同じピッチで間隔を開けて形成されている。
【0023】
一方、本体部21内における上記したシャッタ50の配設位置の左右両側には、左右一対のエアシリンダ54が、水平姿勢でかつ互いに向き合った姿勢で装備されている。左右のエアシリンダ54は、上部収容室33の配設ピッチ分だけピストンロッド54Aが伸縮するようになっており、各エアシリンダ54のピストンロッド54Aの先端が、それぞれ左右のシャッタ50の外側の端縁に連結されている。
【0024】
そして、図5及び図6の左側に示すように、エアシリンダ54のピストンロッド54Aが収縮した状態では、シャッタ50の各開口部52が対応する上部収容室33と整合する位置から外方に退避し、すなわち各上部収容室33の底面を塞ぐ閉鎖位置にあり、一方、図5及び図6の右側に示すように、ピストンロッド54Aが伸長すると、シャッタ50の各開口部52が対応する上部収容室33と整合してその底面を開放する開放位置に前進するようになっている。
端的には、エアシリンダ54のピストンロッド54Aの伸長によりシャッタ50が開放位置に前進し、5室ずつの上部収容室33の底面を一斉に開放し、ピストンロッド54Aが元位置に収縮することによりシャッタ50が閉鎖位置に後退し、5室ずつの上部収容室33の底面を一斉に閉鎖するようになっている。
【0025】
下部構成体40の底面側には、左右の下部収容室列43Aの各下部収容室43の底面を閉鎖するべく左右一対の可動底板55が装備されている。可動底板55は、図7に示すように、平面視方形状をなし、図示しないガイドに沿って左右方向の摺動可能となっている。左右の可動底板55の元設置位置は、図5の左側に示すように、その先端縁55Aが最も内側の仕切壁42に達する位置であり、そのとき、可動底板55の内側の領域により、左右の下部収容室列43Aごとに下部収容室43の全底面を閉鎖し、また外側の領域は、各下部収容室列43Aの外側に大きく突出するようになっている。各可動底板55の外方突出端の下面にはそれぞれ駆動体58が取り付けられ、各駆動体58は、図示しないガイドに沿って左右方向に移動自由となっている。
【0026】
上記した各駆動体58は、ねじ機構等の駆動連結機構を介して、それぞれサーボモータ59の出力軸と連結されており、同サーボモータ59の出力軸の回転量(回転時間)に応じて駆動体58の移動量が制御できるようになっている。
図5の右側の可動底板55を例に採ると、可動底板55が元位置にある状態からサーボモータ59が正方向に回転駆動されると、駆動体58の移動を介して可動底板55が同図の右方向である開放方向に摺動し、逆方向に回転駆動されると、可動底板55が同図の左方向である閉鎖方向に摺動する。
その際、サーボモータ59の回転量を制御すれば、駆動体58の往復運動のストロークが制御でき、それに伴い、下部収容室列43Aの5室のうち任意の数の下部収容室43の底面を開放し、その後に閉鎖することができる。
【0027】
より具体的には、サーボモータ59の回転量は、下部収容室43の数に対応して5段階に制御でき、例えば最小である1段目の回転量が選定されると、サーボモータ59が同回転量だけ正転駆動されることで、図5の右側に示すように、可動底板55が開放方向に向けて最小ストロークだけ移動して、一番内側の下部収容室43の底面のみが開放され、そののちサーボモータ59が同回転量だけ逆転駆動されることで、一番内側の下部収容室43の底面を閉鎖しつつ可動底板55が元位置に復動する。
そして、回転量の段階を上げるほど、底面が開放される下部収容室43の数が内側から順次に増え、最大では5室の下部収容室43の底面が全て開放されることになる。サーボモータ59の回転量の制御は、予めプログラミングされている。
詳しくは後記するように、下部収容室43の各底面を所定数開放して包装袋pをコンベア60上に落下させることが、包装袋pの袋数を計数することに機能する。
【0028】
上記した各下部構成体40における可動底板55の配設領域を挟んだほぼ直下位置には、それぞれコンベア60が配設されている。両コンベア60はまた、上記した集積部23との間を仕切る水平な区画板25のほぼ直上に位置している。区画板25の中央部には、上記した左右の下部収容室列43Aの間の中間スペース45の平面形状と整合した方形の平面形状を有する落とし込み口25Aが開口されている。
【0029】
コンベア60は、図8に示すように、2本のベルトコンベア61を並設した構造である。ベルトコンベア61は、一対の駆動プーリ62と従動プーリ63との間に無端状のタイミングベルト64が掛け回された構造であって、両ベルトコンベア61の駆動プーリ62同士と従動プーリ63同士は共通の軸62A,63Aで連結されている。コンベア60は、全体としては、下部構成体40の全長よりも大きい長さ寸法と、下部構成体40の奥行に匹敵する幅寸法とを備えて形成されている。
【0030】
ベルトコンベア61を構成する各タイミングベルト64の外面には、複数本ずつのガイド板66が、下部構成体40の下部収容室43と同じピッチで、かつ両ベルトコンベア61間で幅方向に整合した形態で形成されている。これにより、ベルトコンベア61の走行方向において隣り合うガイド板66同士の間に、包装袋pを両タイミングベルト64に渡して載せることが可能な載置部67が形成されている。
【0031】
このような構造になるコンベア60は、図5に示すように、下部構成体40の下方において、駆動プーリ62を内側に配し、言い変えると、同駆動プーリ62を区画板25の落とし込み口25Aの上方に若干臨ませた形態で設けられている。初期位置としては、コンベア60の上方走行面60Aにおいて形成された5個の載置部67が、下部構成体40の各下部収容室43の直下に整合するように設定されている。
【0032】
各コンベア60における駆動プーリ62の軸62Aには、それぞれサーボモータ68が連結されており、正面視右側のコンベア60では、タイミングベルト64が反時計回り方向に、また左側のコンベア60では、タイミングベルト64が時計回り方向にそれぞれ循環走行されるようになっている。また、両サーボモータ68は、同期して間欠的に所定時間ずつ駆動されるようになっており、具体的にはタイミングベルト64は、上方走行面60Aに載っている包装袋pを全て落とし込み口25Aに落下させることができるように、ガイド板66の間に形成された載置部67を、少なくとも上方走行面60A上に形成されている数(5個)だけ、また必要に応じて同数よりも1個または2個多い数だけ送るように間欠的に循環走行されるようになっている。
【0033】
集積部23は、上記した計数部22における区画板25の落とし込み口25Aから落とし込まれた包装袋pを必要数ずつ集積して、バケットコンベア80に移行することに機能するものである。
そのため、図2に示すように、区画板25の落とし込み口25Aと整合した断面形状を有する縦長の角筒状をなす移行路70が設けられ、上端の導入口71が、区画板25の落とし込み口25Aの下面に接続される一方、下端の導出口72が、バケットコンベア80に設定された移行位置の直上に対応するように配されている。
【0034】
移行路70における高さ方向の途中には、同移行路70を全閉または全開する第1、第2及び第3の開閉板73,74,75が、3段に亘って設けられている。各開閉板73,74,75は、図示しないエアシリンダによって、個別に開閉駆動されるようになっている。各開閉板73,74,75の開閉のタイミングは、集積する包装袋pの数や、バケットコンベア80の搬送速度等の条件に応じ、要は、包装袋pの必要数をバケット81に対して的確なタイミングで移行できるように、個別にプログラミングされている。
【0035】
続いて、本実施形態の作動を図9ないし図12によって説明する。本実施形態では、包装機10で自動製造された包装袋pを、24包ずつ纏めてバケットコンベア80の各バケット81に移行する場合を例示している。
計数部22の左右のシャッタ50と、左右の可動底板55、並びに集積部23の3枚の開閉板73,74,75の全てが閉じた状態において、包装機10で同時に製造された横一列に並んだ10包の包装袋pは、シュート18を滑落して個別に上部収容室33に入れられ、図9(A)に示すように、閉じたシャッタ50によって受けられる。一旦シャッタ50で受けることにより、包装袋pは正規の水平姿勢を保って上部収容室33に収容された状態となる。
【0036】
次に、図9(B)に示すように、左右のシャッタ50が開くことにより全10室の上部収容室33の底面が開放されて、10包の包装袋pは、水平姿勢を保ったまま直下の下部収容室43に落下し、閉鎖した元位置にある可動底板55で受けられる。次に、同図(C)に示すように、左右の可動底板55は、各5室ずつの全ての下部収容室43の底面を開く位置まで移動し、これにより全下部収容室43に収容されていた計10包の包装袋pが、コンベア60の上方走行面60Aに形成された各載置部67に落下して受けられる。このとき、包装袋pは、例えば斜め姿勢で落下しようとするところをガイド板66で矯正されたり、また載置部67の底面に当たって跳ねるのをガイド板66により規制されつつ、図8に参照して示すように、コンベア60の走行方向と略直交した姿勢を採った上で、各載置部67において両タイミングベルト64上に亘るように載せられて収容される。
この間に、開いたシャッタ50が閉じ、次に製造された10包の包装袋pが個別に上部収容室33に入れられて、シャッタ50で受けられる。
【0037】
続いて、図10(A)に示すように、左右の可動底板55が元位置に復動し、全10室の下部収容室43の底面を閉じると同時に、コンベア60が所定距離循環走行して、それぞれのコンベア60の載置部67に載せられていた左右の5包ずつの包装袋pを落とし込み口25Aに向けて移送し、それぞれ落とし込み口25Aから移行路70内に落とし込み、10包の包装袋pが第1開閉板73で受けられる。そののち、左右のシャッタ50が開くことにより、全10室の上部収容室33に収容された10包の包装袋pが下部収容室43に落下し、可動底板55で受けられる。
【0038】
次に図10(B)に示すように、左右の可動底板55は、再び各5室ずつの全ての下部収容室43の底面を開く位置まで移動し、計10包の包装袋pが、コンベア60の上方走行面60Aの各載置部67内に落下して受けられる。この間にシャッタ50が閉じ、さらに次に製造された10包の包装袋pが上部収容室33に入れられてシャッタ50で受けられる。続いて、同図(C)に示すように、左右の可動底板55が元位置に復動し、全10室の下部収容室43の底面を閉じると同時に、コンベア60が所定距離だけ循環走行して、コンベア60の載置部67に載せられていた左右の5包ずつの包装袋pを落とし込み口25Aから移行路70内に落とし込み、さらに10包を加えて、計20包の包装袋pが第1開閉板73で受けられた状態となる。そののち、左右のシャッタ50が開くことにより、全10室の上部収容室33に収容された10包の包装袋pが下部収容室43に落下し、可動底板55で受けられる。
【0039】
次に図11(A)に示すように、左右の可動底板55は、それぞれ内側の2室の下部収容室43の底面のみを開く位置まで移動し、したがって4包の包装袋pのみが、左右のコンベア60における落とし込み口25Aに近い側の2個の載置部67内に落下して受けられる。この間にシャッタ50が閉じ、次に製造された10包の包装袋pが上部収容室33に入れられてシャッタ50で受けられる。
続いて、同図(B)に示すように、左右の可動底板55が元位置に復動し、開かれた2室ずつを含めて全10室の下部収容室43の底面を閉じると同時に、左右のコンベア60が所定距離走行して、載置部67で受けられていた左右の2包ずつの包装袋pを落とし込み口25Aから移行路70内に落とし込み、さらに4包を加えて、必要な計24包の包装袋pが第1開閉板73で受けられた状態となる。
以上より、計数部22において必要な24包が計数され、同数の包装袋pが集積部23に落とし込まれることになる。
【0040】
併せて次の計数サイクルに入り、図11(B)に示すように、左右のシャッタ50が開くことにより、全10室の上部収容室33に収容された10包の包装袋pがそれぞれ下部収容室43に落下するが、内側の各2室の下部収容室43では、先の可動底板55の移動動作によって包装袋pがコンベア60上に落下しているから、1包の包装袋pが可動底板55で受けられた状態となり、一方、外側の3室ずつの下部収容室43では、先の包装袋pが落下せずに残っているために、2包の包装袋pが可動底板55で受けられた状態となる。
【0041】
次に、図11(C)に示すように、左右の可動底板55が、各5室ずつの全ての下部収容室43の底面を開く位置まで移動し、これに伴い、内側の2室ずつの下部収容室43から包装袋pが1包ずつ、外側の3室ずつの下部収容室43から包装袋pが2包ずつ落下し、それぞれ対応するコンベア60上の載置部67に落下し、結果、左右8包ずつ計16包の包装袋pがコンベア60上に落下することになる。特に、2包の包装袋pが落下する箇所では、包装袋p同士が干渉し合う等で向きがばらつくおそれがあるが、ガイド板66で向きのばらつきを規制されつつ、対応する載置部67内に正規に近い姿勢で受けられる。
この間にシャッタ50が閉じ、次に製造された10包の包装袋pが上部収容室33に入れられてシャッタ50で受けられる。
また、集積部23の第1開閉板73が開放することで、同第1開閉板73で受けられていた24包の包装袋pが落下して、その下の第2開閉板74上に移される。そののち第1開閉板73は閉鎖位置に戻る。
【0042】
続いて、図12(A)に示すように、左右の可動底板55が元位置に復動し、開かれた全10室の下部収容室43の底面を閉じると同時に、左右のコンベア60が所定距離走行して、載置部67内に落下して受けられていた左右の8包ずつの包装袋pを落とし込み口25Aから移行路70内に落とし込み、これらが第1開閉板73で受けられる。
そののち左右のシャッタ50が開くことにより、全10室の上部収容室33に収容された10包の包装袋pがそれぞれ下部収容室43に落下し、今度は先の包装袋pが全て落下済みであるから、可動底板55上には包装袋pが1包ずつ、計10包が受けられる。
この間に、第2開閉板74が開放することで、同第2開閉板74で受けられていた24包の包装袋pが落下して、その下の第3開閉板75上に移される。そののち第2開閉板74は閉鎖位置に戻る。
【0043】
次に、図12(B)に示すように、左右の可動底板55が、それぞれ4室の下部収容室43の底面を開く位置まで移動し、したがって、左右4包ずつ計8包の包装袋pが、それぞれ対応するコンベア60上の載置部67に落下して受けられる。この間にシャッタ50が閉じ、次に製造された10包の包装袋pが上部収容室33に入れられてシャッタ50で受けられる。
続いて、同図(C)に示すように、左右の可動底板55が元位置に復動し、開かれた4室ずつを含めて全10室の下部収容室43の底面を閉じると同時に、左右のコンベア60が所定距離走行して、載置部67内に落下して受けられていた左右の4包ずつの包装袋pを落とし込み口25Aから移行路70内に落とし込み、先に落とされた16包に8包が加えられて、計24包の包装袋pが第1開閉板73で受けられた状態となる。
同様に、計数部22において必要な24包が計数され、同数の包装袋pが集積部23に落とし込まれることになる。
【0044】
この間に、バケットコンベア80の一のバケット81が移行位置に達するタイミングとなったら、第3開閉板75が開放することで、同第3開閉板75で受けられていた24包の包装袋pが落下して、バケット81内に受容され、次工程に向けて搬送される。
【0045】
それ以降、同時に供給された10包の包装袋pが一旦上部収容室33に入れられたのち、シャッタ50の開放により揃って下部収容室43に落下され、続いて可動底板55の移動ストロークが制御されることで所定数の下部収容室43の底面が開放されて、それに対応した包数の包装袋pがコンベア60の載置部67内に落下されるとともに、同コンベア60の所定距離の走行に伴ってコンベア60上に落下した包装袋pを落とし込み口25Aに落とし込む動作が、同落とし込まれる包数が24包となるまで繰り返され、24包ずつ集積された包装袋pは、第1開閉板73から第3開閉板75に亘って順次に受けられつつ、バケットコンベア80の各バケット81に対して順次に受容されることになる。
【0046】
以上のように本実施形態によれば、数々の利点を得ることができる。
下部収容室43から包装袋pを落下させる過程で計数しかつ必要数の集積を行うことができ、言い換えると、下部収容室43の下方のスペースにおいて、計数部22と集積部23とを集約して配することが可能となり、収容室から離間した位置にある計数部に向けて大掛かりな搬送コンベアを配することが必須であった従来装置と比べると、同搬送コンベアを除去できる分省スペース化を実現することができ、併せて製造コストの低減も図ることができる。
【0047】
下部収容室43の底面の開放数を変更するに際し、各下部収容室43の底面に亘って覆う可動底板55を設け、サーボモータ59により同可動底板55の移動ストロークを変更することにより下部収容室43の各底面の開放数を変更するようにしたから、例えば各下部収容室43の底面に個別に底板を配して同底板を個々に開閉するものと比べると、構成部品の削減と、さらなる省スペースを図ることができる。
【0048】
下部収容室43から落下した包装袋pは、下方で待機しているコンベア60の上方走行面60A上に落下して受けられるが、コンベア60の上方走行面60Aには、ガイド板66で挟まれた各載置部67が、個々の下部収容室43の直下に対応して配されているから、下部収容室43から落下した包装袋pは、両側のガイド板66で案内されつつ確実に対応した載置部67内に収まって受けられる。またコンベア60が高速で駆動された場合も、包装袋pが載置部67内に保持されて、コンベア60から大きくはみ出したり落下することが防止され、結果、コンベア60の高速駆動に対応できる。
【0049】
下部収容室43が5室ずつの左右2組に分けられ、各組ごとに、サーボモータ59で駆動制御される可動底板55と、サーボモータ68で間欠走行されるコンベア60とを備えたから、下部収容室43の開閉動作時間と、包装袋pの集積部23への落とし込み動作の時間を短縮でき、さらなる製造の高速化を図ることができる。
下部収容室43の上に、底面がシャッタ50で開閉される上部収容室33が設けられ、供給された包装袋pを上部収容室33に導いて一旦閉じたシャッタ50で受け、その開放により同包装袋pを下部収容室43に落下させる構造としたから、包装袋pはシャッタ50により水平姿勢で受けられたのち同水平姿勢を維持して下部収容室43に落とされる。包装袋pを正規姿勢で下部収容室43に収容することができる。
【0050】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)左右の各下部収容室列において下部収容室の底面の開放数を変更する手段としては、各下部収容室の底面に個別に底板を配して同底板を個々に開閉するようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、下部収容室から落下した包装袋を受けたのち集積部に移送するコンベアとして、幅狭のタイミングベルトを用いた2本のベルトコンベアを並べて使用する場合を例示したが、幅広のタイミングベルトを用いた1本のベルトコンベアであってもよく、逆に3本以上のベルトコンベアに分割されていてもよい。
【0051】
(3)上記実施形態では、コンベアの走行面にガイド板を立てて載置部を形成したのであるが、包装袋の形状や内容物等の条件によって、包装袋をコンベアの上方走行面上にほぼ一定姿勢で落下させることができるような場合にあっては、ガイド板を立てること、すなわち載置部を形成することは割愛してもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(4)またコンベアとしては、ガイド板付きのベルトコンベアに代えて、小型のバケットコンベア等、他の形式のコンベアを用いてもよい。
【0052】
(5)上記実施形態では、左右2組の下部収容室列に分けられて、各組ごとに可動底板とコンベアとを備えたのであるが、2組に分けることなく、可動底板とコンベアとを全下部収容室に亘るように備えてもよい。
(6)上記に対応して上部収容室も一連に設け、併せてシャッタを全上部収容室に亘る1枚で賄うようにしてもよい。
(7)一方、上部収容室並びにシャッタを除去して、供給された包装袋をそのまま下部収容室(単一の収容室)に収容する構造としてもよい。
【0053】
(8)シャッタの駆動部材としては、上記実施形態に例示したエアシリンダに限らず、ソレノイド、サーボモータ等の他の駆動部材を適用することも可能である。
(9)上記実施形態では、10列に亘って包装袋を製造する包装機に対して、集積数が24包の場合を例示したのであるが、集積数は20包以上、任意の数に設定することが可能である。
(10)本発明は上記実施形態に例示した10列タイプに限らず、他の列数を擁する縦型多列自動充填包装機全般に付設して適用することが可能であり、その場合は、製造列に応じて計数集積装置における下部収容室等の数を設定すればよく、同様に集積数の設定も任意に行うことができる。
【符号の説明】
【0054】
p…スティック型包装袋
10…包装機
18…シュート
20…計数集積装置
22…計数部
23…集積部
25…区画板
25A…落とし込み口
33…上部収容室
43…下部収容室(収容室)
43A…下部収容室列(収容室列)
50…シャッタ
51…本体板
52…開口部
54…エアシリンダ(シャッタ駆動部材)
55…可動底板(底板;底部開閉機構)
59…サーボモータ(駆動部材;底部開閉機構)
60…コンベア
60A…上方走行面
61…ベルトコンベア
62…駆動プーリ
63…従動プーリ
64…タイミングベルト
66…ガイド板
67…載置部
68…サーボモータ
70…移行路
73,74,75…開閉板
80…バケットコンベア
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填包装機に装備される包装袋の計数集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スティック型の包装袋は、縦型多列自動充填包装機で製造される(特許文献1参照)。この包装機では、原反包装フィルムを所定幅ずつスリッタで切り分け、切り分けられた各包装フィルムを幅方向に巻き込んで重ね合わせ端に縦シールを施すことで筒状体を形成し、その筒状体の所定位置に横シールを施したのち、粉状、顆粒状等の内容物を充填して半包装袋を形成し、その半包装袋を1サイクルずつ送り出してさらに横シールを施すことでスティック型の包装袋を形成し、同横シール部を切断して1袋ずつの包装袋を製造するようになっている。
【0003】
ここで、この種の縦型多列自動充填包装機で製造されたスティック型の包装袋の計数集積装置の一例として、以下のようなものが知られている。このものは、各縦列で製造された包装袋をシュートに沿って滑落させて、収容室に設けられた観音開き式の底板で一旦受け、そののち底板を開いてその下方に配されたフィンガコンベアで受けつつ横一列分を纏めて搬送する。搬送先には、複数の区切られた受容部を備えて間欠回転されるスターホイールが装備されていて、搬送先において落下した包装袋の包数を透過型光電センサで計数し、所定包数となったところでスターホイールを回転させて区切るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−27683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の計数集積装置では、搬送先で包装袋を順次に落下させる間に透過型光電センサで包数を計数するのであるから、収容室から受け取った横一列分の包装袋をある程度間隔を保ったままで、光電センサが設けられた位置までフィンガコンベア等の大掛かりな搬送コンベアで搬送する必要があり、それだけスペースに多くを要するという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、省スペース化を実現した包装袋の計数集積装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、スティック型の包装袋を複数列に亘って同時に製造しかつ間欠的に供給する包装機に付設された包装袋の計数集積装置であって、開閉可能な底部を有し前記包装機から供給された包装袋を各列に対応して収容する同列の収容室と、前記収容室の各底部を任意数開放して包装袋を落下させる底部開閉機構と、前記収容室列の直下で循環走行可能に配され前記収容室から落下した包装袋を受けたのち集積部に移送して落とし込むコンベアと、が具備されたところに特徴を有する。
【0007】
上記構成によれば、包装機で同時に製造された各列のスティック型の包装袋は、対応する収容室に個別に入れられ、そののち任意数の収容室の底部が開くことで必要数の包装袋がコンベア上に落下して受けられ、コンベアの走行により受けられた包装袋が集積部に落下して集積される。
収容室から包装袋を落下させる過程で計数しかつ必要数の集積を行うことができ、言い換えると、収容室の下方のスペースにおいて、計数部と集積部とを集約して配することが可能となり、収容室から離間した位置にある計数部に向けてコンベアを配することが必須であった従来装置と比べて大幅な省スペース化を実現することができ、併せて製造コストの低減も図ることができる。
【0008】
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記底部開閉機構は、前記各収容室の底部に亘って覆う底板が設けられる一方、この底板を前記収容室の並び方向に沿って往復運動させる駆動部材が具備され、前記底板の移動ストロークを変更することにより前記収容室の各底部の開放数を変更するようになっている。エアシリンダ等を利用して個々に収容室の底部を開閉することに比べて、構成部品の削減と、さらなる省スペース化を図ることができる。
【0009】
(2)前記コンベアが間欠的に所定距離ずつ循環走行可能であるとともに、同コンベアにおける上方走行面の移動方向の前方に前記集積部が設けられており、前記コンベアの前記上方走行面で包装袋が受けられたのち同コンベアが所定距離走行することに伴い受けられた包装袋の全てが前記上方走行面の前端から前記集積部に落とし込まれる。収容室から落下した必要数の包装袋は、下方で待機しているコンベアの上方走行面で受けられ、コンベアの走行により受けられた包装袋の全てが集積部に落下して集積される。
【0010】
(3)前記コンベアの走行面には複数のガイド板が所定間隔を開けて立てられ、当該コンベアの停止時において前記各収容室の直下に位置する同数の載置部が形成されるようになっている。収容室から落下した包装袋は、両側のガイド板で案内されつつ確実に対応した載置部内に収まって受けられる。また、コンベアが高速駆動された場合も、包装袋が載置部内に保持されて、コンベアからはみ出したり落下することが防止される。
【0011】
(4)前記収容室がその並び方向において所定数ずつの2組に分けられ、各収容室の組ごとに、前記底部開閉機構と前記コンベアとが設けられている。収容室の底部の開閉動作時間及びコンベアにより包装袋を集積部に移送する時間を短縮することができる。
(5)前記収容室の深さ方向の途中位置には開閉可能なシャッタが設けられ、閉鎖時には前記包装機から供給された包装袋を一旦受け、その開放により同包装袋を前記収容室の底部に落下させるようになっている。供給された包装袋はシャッタにより水平姿勢で受けられ、シャッタが開くことで同水平姿勢を維持して収容室の底部側に落とされる。包装袋を正規姿勢で収容室に収容することができる。
【0012】
(6)前記シャッタは、前記各収容室をその並び方向に沿って貫通する本体板に対して、前記収容室と整合する開口部を収容室の配設ピッチと同ピッチで複数並べて形成した形状になり、前記シャッタを、前記各開口部が対応する収容室と整合する開放位置と、同各開口部が対応する収容室の側方に退避する閉鎖位置との間で往復運動させるシャッタ駆動部材が設けられている。簡単な構造で以て、包装袋を各収容室に対して正規姿勢で収容する動作を一斉に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、計数集積装置を設けるに当たって省スペース化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る計数集積装置と包装機とを示す概略側面図
【図2】計数集積装置の配設部分付近を示す一部切欠正面図
【図3】包装袋の製造工程を模式的に示す斜視図
【図4】計数部の側断面図
【図5】同正面から見た断面図
【図6】同平面図
【図7】図5のVII−VII線で切断した一部省略断面図
【図8】コンベアの概略平面図
【図9】1サイクル目の計数工程の途中までの動作を示す断面図
【図10】1サイクル目の計数工程と集積工程の終盤までの動作を示す断面図
【図11】1サイクル目の集積工程が完了するとともに2サイクル目の計数工程が始まるまでの動作を示す断面図
【図12】2サイクル目の集積工程が完了するまでの動作を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図12に基づいて説明する。この実施形態では、自動充填包装機で製造されたスティック型包装袋を計数集積する装置を例示する。
図1及び図2に示すように、計数集積装置20は、縦型多列自動充填包装機10の排出(供給)側に付設され、同装置20で集積されたスティック型包装袋pが、バケットコンベア80によって所定包数ずつ箱詰め等の次工程へ搬送されるようになっている。スティック型包装袋p(以下、単に包装袋p)は、内容物が砂糖等の粉体であって、細長い略円柱状に形成されている。
【0016】
本実施形態の縦型多列自動充填包装機10(以下、単に包装機10)の機能を図3によって簡単に説明する。
フィルムロールFから繰り出された原反包装フィルムは、スリッタ11によって所定幅ずつ10列に切り分けられ、切り分けられた各包装フィルムfは、縦シール装置12において、幅方向に巻き込まれて重ね合わせ端に縦シールが施されることで筒状体が形成され、その筒状体の所定位置に、横シール装置13によって横シールが施されたのち、ホッパ14(図1)に貯留された内容物が充填シュート15により充填されて半包装袋が形成される。その半包装袋が1サイクルずつ送り出されて、さらに横シールが施されることで両端が閉じられたスティック型の包装袋が形成され、同横シール部がカッタ16で切断されることで1袋ずつの包装袋pが製造される。結果、包装袋pは、横一列に並んだ10包ずつが同時に製造されて、間欠的に排出(供給)されるようになっている。
【0017】
上記した包装機10の供給部17の前方位置には、計数集積装置20が配設されている。この計数集積装置20は、バケットコンベア80の一端側を収めたケーシング83上に載せられるようにして設けられている。同装置20は大まかには、上面開口の角箱状の本体部21が設けられ、本体部21内における区画板25を挟んだ上部側に包装袋pの計数部22が、下部側に、計数された包装袋pを集積してバケットコンベア80に移行する集積部23が連続して設けられている。
【0018】
計数部22の構造を、図4ないし図8によって詳細に説明する。計数部22の上部側では収容室構成体27が形成され、この収容室構成体27はさらに、下部構成体40の上面に所定の間隙37を開けて上部構成体30を積み上げて構成されている。上部構成体30は、左右方向に長い前後一対の側壁31が所定間隔を開けて配され、前後の側壁31の間における左右両端部に寄った領域には、同じ高さの仕切壁32が6枚ずつ左右方向に所定間隔を開けて差し渡されている。これにより、上部構成体30では、左右両端に寄った領域において、前後方向に細長い上部収容室33が、5室ずつ一定ピッチで形成されている。
上部収容室33は、包装袋pよりも少し大きい長さと幅とを有しており、例えば包装袋pの厚さの4倍強の深さを有している。
なお、5室ずつの左右の上部収容室列33Aの間には、上部収容室33の3倍強の幅を持った中間スペース35が設けられている。
【0019】
下部構成体40は、同じく左右方向に長い前後一対の側壁41が、上部構成体30側と同じ間隔を開けて配されている。前後の側壁41の間における左右両端部に寄った領域には、上部構成体30側とほぼ同じ高さの仕切壁42が、6枚ずつ左右方向に所定間隔を開けて差し渡されており、これにより、左右両端に寄った領域でかつ上半分の領域において、前後方向に細長い下部収容室43が、5室ずつ、上記した上部構成体30の各上部収容室33と整合する一定ピッチで形成されている。
ただし下部収容室43は、上部収容室33と比べると、深さはほぼ同じであるが、2包の包装袋pが一部を重ねつつ並んで収容できるように少し幅広に形成されている。左右の下部収容室列43Aの間には、上部構成体30側と同幅の中間スペース45が設けられている。
なお、下部構成体40の底面には、詳しくは後記する可動底板55が配設されている。
【0020】
このような構造の下部構成体40と上部構成体30とが、上記したように所定の間隙を開けて積み上げられ、その間隙37の前後の開口を塞ぎつつ、連結体38(図6)が上下の側壁31,41に亘る外面に対して全長に当てられて固定されることにより、上下の構成体30,40が一体となった収容室構成体27が形成されている。各連結体38の内面における間隙37と対応する位置には、同間隙37と整合したガイド溝39が全長に亘って切られている。
【0021】
上記した包装機10における10列にわたる包装袋pの各供給部17には、図4に示すように、斜め下方を向いたシュート18が個別に接続されており、各シュート18の下端は、収容室構成体27に設けられた合計10個の上部収容室33のそれぞれ上面、詳細には、同上面における包装機10側の端部位置に臨んでいる。
【0022】
収容室構成体27の間隙37には、左右の上部収容室列33Aの各上部収容室33の底面を一斉に開閉可能な左右一対のシャッタ50が装備されている。シャッタ50は、図6に示すように、平面視方形状で同間隙37にほぼ緊密に嵌る厚さを持った本体板51を有し、その前後両側縁をガイド溝39に嵌めて、間隙37内を左右方向に摺動可能に嵌装されている。
各シャッタ50の本体板51には、上部収容室33の底面と同じ断面形状をなす5本の開口部52が、上部収容室33と同じピッチで間隔を開けて形成されている。
【0023】
一方、本体部21内における上記したシャッタ50の配設位置の左右両側には、左右一対のエアシリンダ54が、水平姿勢でかつ互いに向き合った姿勢で装備されている。左右のエアシリンダ54は、上部収容室33の配設ピッチ分だけピストンロッド54Aが伸縮するようになっており、各エアシリンダ54のピストンロッド54Aの先端が、それぞれ左右のシャッタ50の外側の端縁に連結されている。
【0024】
そして、図5及び図6の左側に示すように、エアシリンダ54のピストンロッド54Aが収縮した状態では、シャッタ50の各開口部52が対応する上部収容室33と整合する位置から外方に退避し、すなわち各上部収容室33の底面を塞ぐ閉鎖位置にあり、一方、図5及び図6の右側に示すように、ピストンロッド54Aが伸長すると、シャッタ50の各開口部52が対応する上部収容室33と整合してその底面を開放する開放位置に前進するようになっている。
端的には、エアシリンダ54のピストンロッド54Aの伸長によりシャッタ50が開放位置に前進し、5室ずつの上部収容室33の底面を一斉に開放し、ピストンロッド54Aが元位置に収縮することによりシャッタ50が閉鎖位置に後退し、5室ずつの上部収容室33の底面を一斉に閉鎖するようになっている。
【0025】
下部構成体40の底面側には、左右の下部収容室列43Aの各下部収容室43の底面を閉鎖するべく左右一対の可動底板55が装備されている。可動底板55は、図7に示すように、平面視方形状をなし、図示しないガイドに沿って左右方向の摺動可能となっている。左右の可動底板55の元設置位置は、図5の左側に示すように、その先端縁55Aが最も内側の仕切壁42に達する位置であり、そのとき、可動底板55の内側の領域により、左右の下部収容室列43Aごとに下部収容室43の全底面を閉鎖し、また外側の領域は、各下部収容室列43Aの外側に大きく突出するようになっている。各可動底板55の外方突出端の下面にはそれぞれ駆動体58が取り付けられ、各駆動体58は、図示しないガイドに沿って左右方向に移動自由となっている。
【0026】
上記した各駆動体58は、ねじ機構等の駆動連結機構を介して、それぞれサーボモータ59の出力軸と連結されており、同サーボモータ59の出力軸の回転量(回転時間)に応じて駆動体58の移動量が制御できるようになっている。
図5の右側の可動底板55を例に採ると、可動底板55が元位置にある状態からサーボモータ59が正方向に回転駆動されると、駆動体58の移動を介して可動底板55が同図の右方向である開放方向に摺動し、逆方向に回転駆動されると、可動底板55が同図の左方向である閉鎖方向に摺動する。
その際、サーボモータ59の回転量を制御すれば、駆動体58の往復運動のストロークが制御でき、それに伴い、下部収容室列43Aの5室のうち任意の数の下部収容室43の底面を開放し、その後に閉鎖することができる。
【0027】
より具体的には、サーボモータ59の回転量は、下部収容室43の数に対応して5段階に制御でき、例えば最小である1段目の回転量が選定されると、サーボモータ59が同回転量だけ正転駆動されることで、図5の右側に示すように、可動底板55が開放方向に向けて最小ストロークだけ移動して、一番内側の下部収容室43の底面のみが開放され、そののちサーボモータ59が同回転量だけ逆転駆動されることで、一番内側の下部収容室43の底面を閉鎖しつつ可動底板55が元位置に復動する。
そして、回転量の段階を上げるほど、底面が開放される下部収容室43の数が内側から順次に増え、最大では5室の下部収容室43の底面が全て開放されることになる。サーボモータ59の回転量の制御は、予めプログラミングされている。
詳しくは後記するように、下部収容室43の各底面を所定数開放して包装袋pをコンベア60上に落下させることが、包装袋pの袋数を計数することに機能する。
【0028】
上記した各下部構成体40における可動底板55の配設領域を挟んだほぼ直下位置には、それぞれコンベア60が配設されている。両コンベア60はまた、上記した集積部23との間を仕切る水平な区画板25のほぼ直上に位置している。区画板25の中央部には、上記した左右の下部収容室列43Aの間の中間スペース45の平面形状と整合した方形の平面形状を有する落とし込み口25Aが開口されている。
【0029】
コンベア60は、図8に示すように、2本のベルトコンベア61を並設した構造である。ベルトコンベア61は、一対の駆動プーリ62と従動プーリ63との間に無端状のタイミングベルト64が掛け回された構造であって、両ベルトコンベア61の駆動プーリ62同士と従動プーリ63同士は共通の軸62A,63Aで連結されている。コンベア60は、全体としては、下部構成体40の全長よりも大きい長さ寸法と、下部構成体40の奥行に匹敵する幅寸法とを備えて形成されている。
【0030】
ベルトコンベア61を構成する各タイミングベルト64の外面には、複数本ずつのガイド板66が、下部構成体40の下部収容室43と同じピッチで、かつ両ベルトコンベア61間で幅方向に整合した形態で形成されている。これにより、ベルトコンベア61の走行方向において隣り合うガイド板66同士の間に、包装袋pを両タイミングベルト64に渡して載せることが可能な載置部67が形成されている。
【0031】
このような構造になるコンベア60は、図5に示すように、下部構成体40の下方において、駆動プーリ62を内側に配し、言い変えると、同駆動プーリ62を区画板25の落とし込み口25Aの上方に若干臨ませた形態で設けられている。初期位置としては、コンベア60の上方走行面60Aにおいて形成された5個の載置部67が、下部構成体40の各下部収容室43の直下に整合するように設定されている。
【0032】
各コンベア60における駆動プーリ62の軸62Aには、それぞれサーボモータ68が連結されており、正面視右側のコンベア60では、タイミングベルト64が反時計回り方向に、また左側のコンベア60では、タイミングベルト64が時計回り方向にそれぞれ循環走行されるようになっている。また、両サーボモータ68は、同期して間欠的に所定時間ずつ駆動されるようになっており、具体的にはタイミングベルト64は、上方走行面60Aに載っている包装袋pを全て落とし込み口25Aに落下させることができるように、ガイド板66の間に形成された載置部67を、少なくとも上方走行面60A上に形成されている数(5個)だけ、また必要に応じて同数よりも1個または2個多い数だけ送るように間欠的に循環走行されるようになっている。
【0033】
集積部23は、上記した計数部22における区画板25の落とし込み口25Aから落とし込まれた包装袋pを必要数ずつ集積して、バケットコンベア80に移行することに機能するものである。
そのため、図2に示すように、区画板25の落とし込み口25Aと整合した断面形状を有する縦長の角筒状をなす移行路70が設けられ、上端の導入口71が、区画板25の落とし込み口25Aの下面に接続される一方、下端の導出口72が、バケットコンベア80に設定された移行位置の直上に対応するように配されている。
【0034】
移行路70における高さ方向の途中には、同移行路70を全閉または全開する第1、第2及び第3の開閉板73,74,75が、3段に亘って設けられている。各開閉板73,74,75は、図示しないエアシリンダによって、個別に開閉駆動されるようになっている。各開閉板73,74,75の開閉のタイミングは、集積する包装袋pの数や、バケットコンベア80の搬送速度等の条件に応じ、要は、包装袋pの必要数をバケット81に対して的確なタイミングで移行できるように、個別にプログラミングされている。
【0035】
続いて、本実施形態の作動を図9ないし図12によって説明する。本実施形態では、包装機10で自動製造された包装袋pを、24包ずつ纏めてバケットコンベア80の各バケット81に移行する場合を例示している。
計数部22の左右のシャッタ50と、左右の可動底板55、並びに集積部23の3枚の開閉板73,74,75の全てが閉じた状態において、包装機10で同時に製造された横一列に並んだ10包の包装袋pは、シュート18を滑落して個別に上部収容室33に入れられ、図9(A)に示すように、閉じたシャッタ50によって受けられる。一旦シャッタ50で受けることにより、包装袋pは正規の水平姿勢を保って上部収容室33に収容された状態となる。
【0036】
次に、図9(B)に示すように、左右のシャッタ50が開くことにより全10室の上部収容室33の底面が開放されて、10包の包装袋pは、水平姿勢を保ったまま直下の下部収容室43に落下し、閉鎖した元位置にある可動底板55で受けられる。次に、同図(C)に示すように、左右の可動底板55は、各5室ずつの全ての下部収容室43の底面を開く位置まで移動し、これにより全下部収容室43に収容されていた計10包の包装袋pが、コンベア60の上方走行面60Aに形成された各載置部67に落下して受けられる。このとき、包装袋pは、例えば斜め姿勢で落下しようとするところをガイド板66で矯正されたり、また載置部67の底面に当たって跳ねるのをガイド板66により規制されつつ、図8に参照して示すように、コンベア60の走行方向と略直交した姿勢を採った上で、各載置部67において両タイミングベルト64上に亘るように載せられて収容される。
この間に、開いたシャッタ50が閉じ、次に製造された10包の包装袋pが個別に上部収容室33に入れられて、シャッタ50で受けられる。
【0037】
続いて、図10(A)に示すように、左右の可動底板55が元位置に復動し、全10室の下部収容室43の底面を閉じると同時に、コンベア60が所定距離循環走行して、それぞれのコンベア60の載置部67に載せられていた左右の5包ずつの包装袋pを落とし込み口25Aに向けて移送し、それぞれ落とし込み口25Aから移行路70内に落とし込み、10包の包装袋pが第1開閉板73で受けられる。そののち、左右のシャッタ50が開くことにより、全10室の上部収容室33に収容された10包の包装袋pが下部収容室43に落下し、可動底板55で受けられる。
【0038】
次に図10(B)に示すように、左右の可動底板55は、再び各5室ずつの全ての下部収容室43の底面を開く位置まで移動し、計10包の包装袋pが、コンベア60の上方走行面60Aの各載置部67内に落下して受けられる。この間にシャッタ50が閉じ、さらに次に製造された10包の包装袋pが上部収容室33に入れられてシャッタ50で受けられる。続いて、同図(C)に示すように、左右の可動底板55が元位置に復動し、全10室の下部収容室43の底面を閉じると同時に、コンベア60が所定距離だけ循環走行して、コンベア60の載置部67に載せられていた左右の5包ずつの包装袋pを落とし込み口25Aから移行路70内に落とし込み、さらに10包を加えて、計20包の包装袋pが第1開閉板73で受けられた状態となる。そののち、左右のシャッタ50が開くことにより、全10室の上部収容室33に収容された10包の包装袋pが下部収容室43に落下し、可動底板55で受けられる。
【0039】
次に図11(A)に示すように、左右の可動底板55は、それぞれ内側の2室の下部収容室43の底面のみを開く位置まで移動し、したがって4包の包装袋pのみが、左右のコンベア60における落とし込み口25Aに近い側の2個の載置部67内に落下して受けられる。この間にシャッタ50が閉じ、次に製造された10包の包装袋pが上部収容室33に入れられてシャッタ50で受けられる。
続いて、同図(B)に示すように、左右の可動底板55が元位置に復動し、開かれた2室ずつを含めて全10室の下部収容室43の底面を閉じると同時に、左右のコンベア60が所定距離走行して、載置部67で受けられていた左右の2包ずつの包装袋pを落とし込み口25Aから移行路70内に落とし込み、さらに4包を加えて、必要な計24包の包装袋pが第1開閉板73で受けられた状態となる。
以上より、計数部22において必要な24包が計数され、同数の包装袋pが集積部23に落とし込まれることになる。
【0040】
併せて次の計数サイクルに入り、図11(B)に示すように、左右のシャッタ50が開くことにより、全10室の上部収容室33に収容された10包の包装袋pがそれぞれ下部収容室43に落下するが、内側の各2室の下部収容室43では、先の可動底板55の移動動作によって包装袋pがコンベア60上に落下しているから、1包の包装袋pが可動底板55で受けられた状態となり、一方、外側の3室ずつの下部収容室43では、先の包装袋pが落下せずに残っているために、2包の包装袋pが可動底板55で受けられた状態となる。
【0041】
次に、図11(C)に示すように、左右の可動底板55が、各5室ずつの全ての下部収容室43の底面を開く位置まで移動し、これに伴い、内側の2室ずつの下部収容室43から包装袋pが1包ずつ、外側の3室ずつの下部収容室43から包装袋pが2包ずつ落下し、それぞれ対応するコンベア60上の載置部67に落下し、結果、左右8包ずつ計16包の包装袋pがコンベア60上に落下することになる。特に、2包の包装袋pが落下する箇所では、包装袋p同士が干渉し合う等で向きがばらつくおそれがあるが、ガイド板66で向きのばらつきを規制されつつ、対応する載置部67内に正規に近い姿勢で受けられる。
この間にシャッタ50が閉じ、次に製造された10包の包装袋pが上部収容室33に入れられてシャッタ50で受けられる。
また、集積部23の第1開閉板73が開放することで、同第1開閉板73で受けられていた24包の包装袋pが落下して、その下の第2開閉板74上に移される。そののち第1開閉板73は閉鎖位置に戻る。
【0042】
続いて、図12(A)に示すように、左右の可動底板55が元位置に復動し、開かれた全10室の下部収容室43の底面を閉じると同時に、左右のコンベア60が所定距離走行して、載置部67内に落下して受けられていた左右の8包ずつの包装袋pを落とし込み口25Aから移行路70内に落とし込み、これらが第1開閉板73で受けられる。
そののち左右のシャッタ50が開くことにより、全10室の上部収容室33に収容された10包の包装袋pがそれぞれ下部収容室43に落下し、今度は先の包装袋pが全て落下済みであるから、可動底板55上には包装袋pが1包ずつ、計10包が受けられる。
この間に、第2開閉板74が開放することで、同第2開閉板74で受けられていた24包の包装袋pが落下して、その下の第3開閉板75上に移される。そののち第2開閉板74は閉鎖位置に戻る。
【0043】
次に、図12(B)に示すように、左右の可動底板55が、それぞれ4室の下部収容室43の底面を開く位置まで移動し、したがって、左右4包ずつ計8包の包装袋pが、それぞれ対応するコンベア60上の載置部67に落下して受けられる。この間にシャッタ50が閉じ、次に製造された10包の包装袋pが上部収容室33に入れられてシャッタ50で受けられる。
続いて、同図(C)に示すように、左右の可動底板55が元位置に復動し、開かれた4室ずつを含めて全10室の下部収容室43の底面を閉じると同時に、左右のコンベア60が所定距離走行して、載置部67内に落下して受けられていた左右の4包ずつの包装袋pを落とし込み口25Aから移行路70内に落とし込み、先に落とされた16包に8包が加えられて、計24包の包装袋pが第1開閉板73で受けられた状態となる。
同様に、計数部22において必要な24包が計数され、同数の包装袋pが集積部23に落とし込まれることになる。
【0044】
この間に、バケットコンベア80の一のバケット81が移行位置に達するタイミングとなったら、第3開閉板75が開放することで、同第3開閉板75で受けられていた24包の包装袋pが落下して、バケット81内に受容され、次工程に向けて搬送される。
【0045】
それ以降、同時に供給された10包の包装袋pが一旦上部収容室33に入れられたのち、シャッタ50の開放により揃って下部収容室43に落下され、続いて可動底板55の移動ストロークが制御されることで所定数の下部収容室43の底面が開放されて、それに対応した包数の包装袋pがコンベア60の載置部67内に落下されるとともに、同コンベア60の所定距離の走行に伴ってコンベア60上に落下した包装袋pを落とし込み口25Aに落とし込む動作が、同落とし込まれる包数が24包となるまで繰り返され、24包ずつ集積された包装袋pは、第1開閉板73から第3開閉板75に亘って順次に受けられつつ、バケットコンベア80の各バケット81に対して順次に受容されることになる。
【0046】
以上のように本実施形態によれば、数々の利点を得ることができる。
下部収容室43から包装袋pを落下させる過程で計数しかつ必要数の集積を行うことができ、言い換えると、下部収容室43の下方のスペースにおいて、計数部22と集積部23とを集約して配することが可能となり、収容室から離間した位置にある計数部に向けて大掛かりな搬送コンベアを配することが必須であった従来装置と比べると、同搬送コンベアを除去できる分省スペース化を実現することができ、併せて製造コストの低減も図ることができる。
【0047】
下部収容室43の底面の開放数を変更するに際し、各下部収容室43の底面に亘って覆う可動底板55を設け、サーボモータ59により同可動底板55の移動ストロークを変更することにより下部収容室43の各底面の開放数を変更するようにしたから、例えば各下部収容室43の底面に個別に底板を配して同底板を個々に開閉するものと比べると、構成部品の削減と、さらなる省スペースを図ることができる。
【0048】
下部収容室43から落下した包装袋pは、下方で待機しているコンベア60の上方走行面60A上に落下して受けられるが、コンベア60の上方走行面60Aには、ガイド板66で挟まれた各載置部67が、個々の下部収容室43の直下に対応して配されているから、下部収容室43から落下した包装袋pは、両側のガイド板66で案内されつつ確実に対応した載置部67内に収まって受けられる。またコンベア60が高速で駆動された場合も、包装袋pが載置部67内に保持されて、コンベア60から大きくはみ出したり落下することが防止され、結果、コンベア60の高速駆動に対応できる。
【0049】
下部収容室43が5室ずつの左右2組に分けられ、各組ごとに、サーボモータ59で駆動制御される可動底板55と、サーボモータ68で間欠走行されるコンベア60とを備えたから、下部収容室43の開閉動作時間と、包装袋pの集積部23への落とし込み動作の時間を短縮でき、さらなる製造の高速化を図ることができる。
下部収容室43の上に、底面がシャッタ50で開閉される上部収容室33が設けられ、供給された包装袋pを上部収容室33に導いて一旦閉じたシャッタ50で受け、その開放により同包装袋pを下部収容室43に落下させる構造としたから、包装袋pはシャッタ50により水平姿勢で受けられたのち同水平姿勢を維持して下部収容室43に落とされる。包装袋pを正規姿勢で下部収容室43に収容することができる。
【0050】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)左右の各下部収容室列において下部収容室の底面の開放数を変更する手段としては、各下部収容室の底面に個別に底板を配して同底板を個々に開閉するようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、下部収容室から落下した包装袋を受けたのち集積部に移送するコンベアとして、幅狭のタイミングベルトを用いた2本のベルトコンベアを並べて使用する場合を例示したが、幅広のタイミングベルトを用いた1本のベルトコンベアであってもよく、逆に3本以上のベルトコンベアに分割されていてもよい。
【0051】
(3)上記実施形態では、コンベアの走行面にガイド板を立てて載置部を形成したのであるが、包装袋の形状や内容物等の条件によって、包装袋をコンベアの上方走行面上にほぼ一定姿勢で落下させることができるような場合にあっては、ガイド板を立てること、すなわち載置部を形成することは割愛してもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(4)またコンベアとしては、ガイド板付きのベルトコンベアに代えて、小型のバケットコンベア等、他の形式のコンベアを用いてもよい。
【0052】
(5)上記実施形態では、左右2組の下部収容室列に分けられて、各組ごとに可動底板とコンベアとを備えたのであるが、2組に分けることなく、可動底板とコンベアとを全下部収容室に亘るように備えてもよい。
(6)上記に対応して上部収容室も一連に設け、併せてシャッタを全上部収容室に亘る1枚で賄うようにしてもよい。
(7)一方、上部収容室並びにシャッタを除去して、供給された包装袋をそのまま下部収容室(単一の収容室)に収容する構造としてもよい。
【0053】
(8)シャッタの駆動部材としては、上記実施形態に例示したエアシリンダに限らず、ソレノイド、サーボモータ等の他の駆動部材を適用することも可能である。
(9)上記実施形態では、10列に亘って包装袋を製造する包装機に対して、集積数が24包の場合を例示したのであるが、集積数は20包以上、任意の数に設定することが可能である。
(10)本発明は上記実施形態に例示した10列タイプに限らず、他の列数を擁する縦型多列自動充填包装機全般に付設して適用することが可能であり、その場合は、製造列に応じて計数集積装置における下部収容室等の数を設定すればよく、同様に集積数の設定も任意に行うことができる。
【符号の説明】
【0054】
p…スティック型包装袋
10…包装機
18…シュート
20…計数集積装置
22…計数部
23…集積部
25…区画板
25A…落とし込み口
33…上部収容室
43…下部収容室(収容室)
43A…下部収容室列(収容室列)
50…シャッタ
51…本体板
52…開口部
54…エアシリンダ(シャッタ駆動部材)
55…可動底板(底板;底部開閉機構)
59…サーボモータ(駆動部材;底部開閉機構)
60…コンベア
60A…上方走行面
61…ベルトコンベア
62…駆動プーリ
63…従動プーリ
64…タイミングベルト
66…ガイド板
67…載置部
68…サーボモータ
70…移行路
73,74,75…開閉板
80…バケットコンベア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スティック型の包装袋を複数列に亘って同時に製造しかつ間欠的に供給する包装機に付設された包装袋の計数集積装置であって、
開閉可能な底部を有し前記包装機から供給された包装袋を各列に対応して収容する同列の収容室と、
前記収容室の各底部を任意数開放して包装袋を落下させる底部開閉機構と、
前記収容室列の直下で循環走行可能に配され前記収容室から落下した包装袋を受けたのち集積部に移送して落とし込むコンベアと、
が具備されたことを特徴とする包装袋の計数集積装置。
【請求項2】
前記底部開閉機構は、前記各収容室の底部に亘って覆う底板が設けられる一方、この底板を前記収容室の並び方向に沿って往復運動させる駆動部材が具備され、前記底板の移動ストロークを変更することにより前記収容室の各底部の開放数を変更するようになっていることを特徴とする請求項1記載の包装袋の計数集積装置。
【請求項3】
前記コンベアが間欠的に所定距離ずつ循環走行可能であるとともに、同コンベアにおける上方走行面の移動方向の前方に前記集積部が設けられており、前記コンベアの前記上方走行面で包装袋が受けられたのち同コンベアが所定距離走行することに伴い受けられた包装袋の全てが前記上方走行面の前端から前記集積部に落とし込まれることを特徴とする請求項1または請求項2記載の包装袋の計数集積装置。
【請求項4】
前記コンベアの走行面には複数のガイド板が所定間隔を開けて立てられ、当該コンベアの停止時において前記各収容室の直下に位置する同数の載置部が形成されるようになっていることを特徴とする請求項3記載の包装袋の計数集積装置。
【請求項5】
前記収容室がその並び方向において所定数ずつの2組に分けられ、各収容室の組ごとに、前記底部開閉機構と前記コンベアとが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項4のいずれか一項に記載の包装袋の計数集積装置。
【請求項6】
前記収容室の深さ方向の途中位置には開閉可能なシャッタが設けられ、閉鎖時には前記包装機から供給された包装袋を一旦受け、その開放により同包装袋を前記収容室の底部に落下させるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の包装袋の計数集積装置。
【請求項7】
前記シャッタは、前記各収容室をその並び方向に沿って貫通する本体板に対して、前記収容室と整合する開口部を収容室の配設ピッチと同ピッチで複数並べて形成した形状になり、前記シャッタを、前記各開口部が対応する収容室と整合する開放位置と、同各開口部が対応する収容室の側方に退避する閉鎖位置との間で往復運動させるシャッタ駆動部材が設けられていることを特徴とする請求項6記載の包装袋の計数集積装置。
【請求項1】
スティック型の包装袋を複数列に亘って同時に製造しかつ間欠的に供給する包装機に付設された包装袋の計数集積装置であって、
開閉可能な底部を有し前記包装機から供給された包装袋を各列に対応して収容する同列の収容室と、
前記収容室の各底部を任意数開放して包装袋を落下させる底部開閉機構と、
前記収容室列の直下で循環走行可能に配され前記収容室から落下した包装袋を受けたのち集積部に移送して落とし込むコンベアと、
が具備されたことを特徴とする包装袋の計数集積装置。
【請求項2】
前記底部開閉機構は、前記各収容室の底部に亘って覆う底板が設けられる一方、この底板を前記収容室の並び方向に沿って往復運動させる駆動部材が具備され、前記底板の移動ストロークを変更することにより前記収容室の各底部の開放数を変更するようになっていることを特徴とする請求項1記載の包装袋の計数集積装置。
【請求項3】
前記コンベアが間欠的に所定距離ずつ循環走行可能であるとともに、同コンベアにおける上方走行面の移動方向の前方に前記集積部が設けられており、前記コンベアの前記上方走行面で包装袋が受けられたのち同コンベアが所定距離走行することに伴い受けられた包装袋の全てが前記上方走行面の前端から前記集積部に落とし込まれることを特徴とする請求項1または請求項2記載の包装袋の計数集積装置。
【請求項4】
前記コンベアの走行面には複数のガイド板が所定間隔を開けて立てられ、当該コンベアの停止時において前記各収容室の直下に位置する同数の載置部が形成されるようになっていることを特徴とする請求項3記載の包装袋の計数集積装置。
【請求項5】
前記収容室がその並び方向において所定数ずつの2組に分けられ、各収容室の組ごとに、前記底部開閉機構と前記コンベアとが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項4のいずれか一項に記載の包装袋の計数集積装置。
【請求項6】
前記収容室の深さ方向の途中位置には開閉可能なシャッタが設けられ、閉鎖時には前記包装機から供給された包装袋を一旦受け、その開放により同包装袋を前記収容室の底部に落下させるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の包装袋の計数集積装置。
【請求項7】
前記シャッタは、前記各収容室をその並び方向に沿って貫通する本体板に対して、前記収容室と整合する開口部を収容室の配設ピッチと同ピッチで複数並べて形成した形状になり、前記シャッタを、前記各開口部が対応する収容室と整合する開放位置と、同各開口部が対応する収容室の側方に退避する閉鎖位置との間で往復運動させるシャッタ駆動部材が設けられていることを特徴とする請求項6記載の包装袋の計数集積装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−140136(P2012−140136A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292081(P2010−292081)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(592242660)株式会社東陽機械製作所 (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(592242660)株式会社東陽機械製作所 (20)
【Fターム(参考)】
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