説明

化学増幅ネガ型レジスト組成物及びパターン形成方法

【解決手段】高エネルギー線照射で発生する酸を触媒として、架橋剤及び/又はレジストポリマー中の架橋性官能基を有する繰り返し単位により、レジストポリマー間に架橋が形成され、アルカリ性現像液に対して不溶化する機構を有する化学増幅ネガ型レジスト組成物において、レジストポリマーが、(1)側鎖に酸発生基を有する(メタ)アクリル酸エステル類単位、(2)側鎖に縮合芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル類単位、(3)アセナフチレン類単位、(4)インデン類単位の繰り返し単位を含有する。
【効果】本発明によれば、酸発生能化合物のレジスト膜中の微細な分布及び拡散をより均一にすることができ、有効な感度を有利に確保できると共に、LERの改善、更には酸の基板界面の失活が抑制でき、ネガ型レジスト組成物特有のアンダーカットの度合いが小さいレジストプロファイルの形成を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化学増幅ネガ型レジスト組成物、特に半導体基板やフォトマスク基板の加工の際に使用される酸発生能を有する高分子化合物を用いた化学増幅ネガ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められていることはよく知られている。これに伴って露光方法やレジスト組成物も大きく変化しており、特に0.2μm以下のパターンのリソグラフィーを行う場合、露光光源にはKrFやArFエキシマレーザー光、あるいは電子線等が用いられ、フォトレジストにはそれらの高エネルギー線に良好な感度を示し、高い解像度を与える化学増幅型レジストが使用されている。
【0003】
レジスト組成物には露光部が溶解するポジ型と露光部がパターンとして残るネガ型があり、それらは必要とするレジストパターンに応じて使い易い方のものが選択される。化学増幅ネガ型レジスト組成物は、通常、水性アルカリ性現像液に溶解するポリマーと、露光光により分解して酸を発生する酸発生剤、及び酸を触媒としてポリマー間に架橋を形成してポリマーを現像液に不溶化させる架橋剤(場合によっては高分子化合物と架橋剤は一体化している)を含有しており、更に通常露光で発生した酸の拡散を制御するための塩基性化合物が加えられる。
【0004】
上記水性アルカリ性現像液に溶解する高分子化合物を構成するアルカリ可溶性単位として、フェノール単位を使用するタイプのネガ型レジスト組成物は、特にKrFエキシマレーザー光による露光用として多数が開発された。これらは、露光光が150〜220nmの波長である場合、フェノール単位が光の透過性を持たないため、ArFエキシマレーザー光用のものとしては使用されなかったが、近年、より微細なパターンを得るための露光方法である、EB、EUV露光用のネガ型レジスト組成物として再び注目されており、特許文献1や特許文献2、特許文献3等が報告されている。
【0005】
また、上述のようなレジスト組成物の開発において、レジスト組成物に要求される特性としては、レジスト膜の基本的性能である高解像性のみならず、より高いエッチング耐性に対する要求もある。これは、パターンがより微細化するに従ってレジスト膜を薄くしていく必要があるためである。この高いエッチング耐性を得るための一つの方法として、インデンやアセナフチレンのような、芳香環と非芳香環を含む多環状の化合物で、非芳香環に芳香環に共役する炭素−炭素二重結合を持つ化合物を、ヒドロキシスチレン単位を持つポリマーの副成分として導入してやる方法が知られており、特許文献1〜3にも開示されている他、特許文献4や特許文献5のようにフェノール性水酸基を有する単位としても使用されている。
【0006】
一方、化学増幅型レジスト組成物には、ポリマーの現像液に対する溶解性を変化させるための触媒として高エネルギー線の照射により分解して酸を発生する材料(以下酸発生剤と略記する)が含まれ、この酸発生剤についても多くの材料が提案されている。特に、液浸露光での酸発生剤の液浸媒体への漏出を防止する技術の一つである、酸発生剤をポリマーの繰り返し単位の一つとしてポリマー内に組み入れてしまう方法は、実際にポジ型レジストに適用することが試みられたが、ラインエッジラフネス(以下LERと略記する)の改善にも効果があることが確認されている(例えば特許文献6〜8参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−201532号公報
【特許文献2】特開2006−215180号公報
【特許文献3】特開2008−249762号公報
【特許文献4】特開2002−202610号公報
【特許文献5】特開2002−244297号公報
【特許文献6】特開平9−325497号公報
【特許文献7】特開2010−116550号公報
【特許文献8】特開2005−84365号公報
【特許文献9】特開2010−164933号公報
【特許文献10】特開2008−102383号公報
【特許文献11】特開2008−304590号公報
【特許文献12】特開平8−41150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のポリマーに組み込まれた酸発生剤は、原理的にはネガ型レジスト組成物にも適用可能である。しかし、酸発生剤を組み込んだポリマーは露光前には中性かつ脂溶性が高い状態であるのに対し、高エネルギー線を受けて分解すると強酸性へと変化する。そこで、アルカリ性現像液で現像しようとした場合には、酸発生剤を組み込んだポリマーの極性変化は、ポジ型パターンを作る場合には有利に働くが、ネガ型パターンを作る場合には逆方向になる。そこで、より高い解像性を狙うレジスト組成物を得ようとした場合には、ネガ型レジスト組成物では酸発生剤を組み込んだポリマーを用いる技術の適用は積極的には行われなかった。
【0009】
従って、本発明はLER(ラインエッジラフネス)の低減等の効果を与える、酸発生剤を組み込んだポリマーを含有するネガ型レジスト組成物、及び高解像性を得るためのレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らが、酸発生剤を組み込んだポリマーのネガ型レジスト組成物への適用を試みたところ、微細パターンの形成時にパターン間のブリッジやスカムを発生し易いことが判明した。しかし、特定の範囲の構造を持つ酸発生剤単位と、その他の繰り返し単位の組み合わせを特定の範囲とすると、不利な方向を持つ溶解コントラストにもかかわらず、高い解像性が得られると共に、本来のLERの低減効果が同時に得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0011】
即ち、本発明は、下記の化学増幅ネガ型レジスト組成物及びパターン形成方法を提供する。
請求項1:
高エネルギー線の照射により発生する酸を触媒として、架橋剤及び/又はレジストポリマー中の架橋性官能基を有する繰り返し単位により、レジストポリマー間に架橋が形成され、アルカリ性現像液に対して不溶化する機構を有する化学増幅ネガ型レジスト組成物において、レジストポリマーが、下記一般式(1)の繰り返し単位と下記一般式(2)、(3)及び(4)から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含有するレジストポリマーであり、
【化1】


(式中、Aは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。Rfは同一でも異なってもよく、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、又はペンタフルオロエチル基を表すが、全てが水素原子となることはない。Bは一部又は全部の水素原子がフッ素原子に置換していてもよく、エステル酸素原子のα位及びβ位以外の一部のメチレン基が酸素原子に置換されていてもよい炭素数1〜10の2価炭化水素基を表す。Cは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基を表す。R5はエーテル結合を含んでもよい炭素数1〜30の置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、あるいは、炭素数6〜14の置換もしくは非置換のアリール基を表す。R6はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表す。R7はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表す。aは0〜4の整数、bは1〜5の整数、c及びdは1〜4の整数、eは0以上(4−c)以下の整数、fは0以上(4−d)以下の整数である。pはそれぞれ独立に0又は1を表し、tは0〜2の整数を表す。k、m、nはそれぞれ独立して0〜3の整数である。)
該レジスト用ポリマーを構成する全繰り返し単位中、上記一般式(1)で示される繰り返し単位は0.5〜10モル%を占め、かつ、上記一般式(2)、(3)及び(4)で示される繰り返し単位を合計した量の割合は50〜99.5モル%を占めることを特徴とする化学増幅ネガ型レジスト組成物。
請求項2:
レジストポリマーは、更に下記一般式(5)
【化2】

(式中、Dは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。R1は前記の通り、R8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基、炭素数6〜20の芳香環含有炭化水素基、又は炭素数1〜12のハロゲン置換されていてもよいアシルオキシ基を表し、gは0〜5の整数、qは0又は1、sは0〜2の整数である。)
で示される単位を含有する請求項1記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
請求項3:
レジストポリマーは、更に下記一般式(6)及び/又は(7)
【化3】

(式中、hは0〜4の整数であり、R9はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜12のハロゲン置換されていてもよいアシルオキシ基、炭素数1〜8のハロゲン置換されていてもよいアルキル基、又は炭素数1〜8のハロゲン置換されていてもよいアルコキシ基を表す。)
で示される単位を含有する請求項1又は2記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
請求項4:
架橋剤として、アルコキシメチルグリコールウリル類及びアルコキシメチルメラミン類から選ばれる架橋剤を含有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
請求項5:
上記の高分子化合物が、下記一般式(M−1)又は(M−2)で示される繰り返し単位を含有し、レジスト組成物は架橋剤を含有しない請求項1乃至3のいずれか1項記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
【化4】

(式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R10は、水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、R11はそれぞれ独立に炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の酸素原子を含んでもよい1価炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。iは0〜4の整数、uは0〜2の整数を表す。)
請求項6:
更に、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないポリマーを配合した請求項1乃至5のいずれか1項記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
請求項7:
更に、塩基性化合物を含有する請求項1乃至6のいずれか1項記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
請求項8:
被加工基板上に請求項1乃至7のいずれか1項記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、高エネルギー線をパターン照射する工程、アルカリ性現像液を用いて現像してレジストパターンを得る工程を含むパターン形成方法。
請求項9:
上記高エネルギー線が、EUVあるいは電子線である請求項8記載のパターン形成方法。
請求項10:
上記被加工基板の最表面が、クロムを含む材料からなる請求項8又は9記載のパターン形成方法。
請求項11:
上記被加工基板が、フォトマスクブランクである請求項8乃至10のいずれか1項記載のパターン形成方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、超微細パターンを要求されるレジストパターンの形成において、上記に示す側鎖に酸発生能を含有する高分子化合物を用いて化学増幅ネガ型レジスト組成物とすることで、酸発生能化合物のレジスト膜中の微細な分布及び拡散をより均一にすることができ、有効な感度を有利に確保できると共に、ラインエッジラフネスの改善、更には酸の基板界面の失活が抑制でき、ネガ型レジスト組成物特有のアンダーカットの度合いが小さいレジストプロファイルの形成を可能とする化学増幅ネガ型レジスト組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、高エネルギー線の照射により発生する酸を触媒として、架橋剤及び/又はポリマー中の架橋性官能基を有する繰り返し単位より生じた求電子反応活性点が、ポリマーの芳香環及び/又は水酸基と反応して、ポリマー間に架橋が形成され、アルカリ性現像液に対して不溶化する機構により、アルカリ性現像液による現像でレジストパターンを与えるレジスト膜を形成するための化学増幅ネガ型レジスト組成物に関する。
【0014】
ここで、レジストポリマーの構成単位中に酸発生剤単位を組み込んでしまう方法により作製したレジストポリマーを含むレジスト膜は、レジスト膜を形成した際に、酸発生成分の局在化を防止できるため、LERを小さくする目的に対しては有効であることが公知であるが、上述の通り、ポリマーの露光前後での溶解挙動は、ネガ型には不利である。しかし、下記のような設計を行った場合には、LERと高解像性が両立できることが判明したものである。
【0015】
即ち、本発明のレジスト組成物は、レジスト用ポリマーとして、下記一般式(1)で示される繰り返し単位と、下記一般式(2)、(3)及び(4)より選ばれる1種以上の繰り返し単位を含有するものを用いる。
【0016】
【化5】


(式中、Aは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。Rfは同一でも異なってもよく、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、又はペンタフルオロエチル基を表すが、全てが水素原子となることはない。Bは一部又は全部の水素原子がフッ素原子に置換していてもよく、エステル酸素原子のα位及びβ位以外の一部のメチレン基が酸素原子に置換されていてもよい炭素数1〜10の2価炭化水素基を表す。Cは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基を表す。R5はエーテル結合を含んでもよい炭素数1〜30の置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、あるいは、炭素数6〜14の置換もしくは非置換のアリール基を表す。R6はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表す。R7はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表す。aは0〜4の整数、bは1〜5の整数、c及びdは1〜4の整数、eは0以上(4−c)以下の整数、fは0以上(4−d)以下の整数である。pはそれぞれ独立に0又は1を表し、tは0〜2の整数を表す。k、m、nはそれぞれ独立して0〜3の整数である。)
【0017】
この場合、上記レジスト用ポリマーは、上記一般式(1)で示される繰り返し単位が上記レジストポリマーの全繰り返し単位中0.5〜10モル%を占め、上記一般式(2)、(3)及び(4)で示される繰り返し単位の合計量の割合が上記レジスト用ポリマー中50〜99.5モル%である。
【0018】
上記一般式(1)で示される繰り返し単位の、上記レジストポリマー中の全繰り返し単位に対する割合が0.5モル%より低い場合には、有効な感度を得ようとすると、上記一般式(1)とは異なる補助的な酸発生剤量を多く使用しなければならず、高分子に結合されていない酸発生剤量が増えた場合にはLERが悪化し、また、弱いスルホン酸塩単位の使用量が増えた場合には高解像性を得にくくなる。一方、10モル%を超える場合には、現像時にスカム等の欠陥が発生する可能性がある。また、一般式(2)、(3)及び(4)で示されるフェノール性水酸基を含有する繰り返し単位の合計量が50モル%より低い場合には、現像時にスカムの発生が起きやすく、また、レジストパターン間にブリッジが発生し易くなる。
【0019】
上記一般式(1)はスルホニウム塩がリンカーによってレジストポリマーに結合されている繰り返し単位である。このようにスルホニウム塩を含有する繰り返し単位がレジストポリマーに結合されていることで、スルホニウム塩のレジストポリマー中への高分散状態が得られる。また、この単位は、高エネルギー線の照射を受けた際、スルホニウムカチオンが分解して電気的に中性な芳香環となり、カウンターアニオンがスルホン酸として遊離され、化学増幅ネガ型レジスト機構における酸触媒として作用する。
【0020】
上記一般式(1)中、Aは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。Aがアルキレン基である場合、好ましく用いられるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基及びその分岐状構造異性体を例示することができる。また、上記アルキレン基の一部炭素原子が酸素原子に置換されたものとしては、フェニル基側に酸素原子が入ったエチレンオキシド由来の単位による、オキシエチレン基、ジオキシエチレン基、トリオキシエチレン基や、プロピレンオキシド由来の単位によるオキシプロピレン基、ジオキシプロピレン基等を挙げることができる。
【0021】
また、上記一般式(1)中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。また、R2〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基を表すが、好ましいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができ、好ましいアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、tert−アミルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。なお、k、m、nはそれぞれ独立して0〜3の整数である。
【0022】
更に上記一般式(1)中、Bは一部又は全部の水素原子がフッ素原子に置換していてもよく、エステル酸素原子のα位及びβ位以外の一部のメチレン基が酸素原子に置換されていてもよい炭素数1〜10の2価炭化水素基を表すが、好ましく用いられるものとしては、メチレン基、トリフルオロメチルメチレン基等を挙げることができる。
【0023】
また、上記一般式(1)中、R5はエーテル結合を含んでもよい炭素数1〜30の置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、あるいは、炭素数6〜14の置換もしくは非置換のアリール基を表す。R5がアルキル基である場合の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2−イル基等が挙げられ、アリール基である場合の好ましい具体例としては、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、10−アントラニル基等を挙げることができる。また、R5がアルキル基もしくはアリール基である場合、該アルキル基もしくはアリール基の水素原子の一部がハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、アシロシキ基、アシロキシアルキル基、アルコキシアルコキシ基等に置換されていてもよく、更に、R5中の−CH2−の一部が−O−に置換されていてもよい。
【0024】
上記一般式(1)で示されるスルホニウム塩の繰り返し単位におけるカチオン部分の構造として好ましい具体例を下記に示すが、これらに限定されるものではない。
【0025】
【化6】

【0026】
上記一般式(1)で示されるスルホニウム塩の繰り返し単位におけるアニオン部分の構造として、好ましい具体例を下記に示すが、これらに限定されるものではない。
【0027】
【化7】

【0028】
【化8】

【0029】
【化9】

【0030】
【化10】

【0031】
【化11】

【0032】
【化12】

【0033】
上記一般式(1)の繰り返し単位の、上記レジストポリマー中の含有量は10モル%以下、好ましくは5モル%以下であり、上記一般式(1)をこの範囲とすることで、レジストパターンの剥がれ等を生じ易い基板、例えば最上層がクロム金属化合物で構成された基板上でレジストパターン形成を行った際にも、パターン剥がれの生じにくい信頼性の高いパターン形成を実現することができる。なお、式(1)の繰り返し単位は、0.5モル%以上、特に1.5モル%以上含有することで、結合された酸発生剤の低拡散効果を得つつ、好ましい感度を得ることができる。
【0034】
上記本発明のレジスト組成物に含まれるレジストポリマーは、アルカリ性現像液に対する溶解性を与え、分子中に極性を持つことによってポリマーに密着性を与える単位として下記一般式(2)、(3)及び(4)
【0035】
【化13】


(式中、Cは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。R1は前記の通りであり、R6はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表す。R7はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表す。aは0〜4の整数、bは1〜5の整数、c及びdは1〜4の整数、eは0以上(4−c)以下の整数、fは0以上(4−d)以下の整数である。pはそれぞれ独立に0又は1を表し、tは0〜2の整数を表す。)
より選択される1以上の繰り返し単位を含有する。
【0036】
上記一般式(2)中、Cは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子(エーテル結合)を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示す。
【0037】
好ましいアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、及び分岐又は環構造を持つ炭素骨格の構造異性体等が挙げられ、エーテル性酸素原子を含む場合には、一般式(2)中のpが1である場合には、エステル酸素原子に対してα位の炭素原子とβ位の炭素原子の間を除くいずれの箇所に入ってもよい。また、pが0である場合には、主鎖と結合する原子がエーテル性酸素原子となり、該エーテル性酸素原子に対してα位の炭素原子とβ位の炭素原子の間を除くいずれの箇所に第2のエーテル性酸素原子が入ってもよい。なお、上記アルキレン基の炭素数が10を超える場合はアルカリ性現像液に対する溶解性が低くなり、好ましくない。
【0038】
6はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。炭素数1〜8のアルキル基の好ましい例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基及び分岐構造を持つ炭素骨格の構造異性体、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。R6の炭素数が8を超えると、アルカリ性現像液に対する溶解性が低くなり、好ましくない。
【0039】
aは0〜4の整数、bは1〜5の正の整数であるが、tが0の場合、好ましくはaは0〜3の整数、bは1〜3の正の整数であり、tが1又は2の場合、好ましくはaは0〜4の整数、bは1〜5の正の整数である。
【0040】
更に、tは0〜2の整数を表し、0の場合はベンゼン骨格、1の場合はナフタレン骨格、2の場合はアントラセン骨格をそれぞれ示すが、これらの場合、リンカーCのナフタレン環及びアントラセン環への置換位置はいずれの位置でもよい。
【0041】
上記式(3)及び(4)中、R7はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。炭素数1〜8のアルキル基の好ましい例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基及び分岐構造を持つ炭素骨格の構造異性体、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。R6の炭素数が8を超えると、アルカリ性現像液に対する溶解性が低くなり、好ましくない。
【0042】
また、cは1〜4の整数、dは1〜4の整数であり、eは0以上(4−c)以下の整数、fは(4−d)以下の整数である。
【0043】
未露光時にレジストポリマーが現像液に対する溶解性を有している必要があることから、上記一般式(2)、(3)及び(4)より選ばれる繰り返し単位の、レジストポリマー中の全繰り返し単位に対する割合は50〜99.5モル%とされ、好ましくは60〜99.5モル%であるが、構成単位として用いられる(2)〜(4)の繰り返し単位の中、半分以上が上記一般式(2)においてpが1であるものが使用されない場合には、下限は65モル%以上であることが好ましい。また、上記一般式(1)を繰り返し単位として有するポリマーは、後述するように2種以上のポリマーを混合して用いる可能性もあるため、上述のように上記一般式(2)、(3)及び(4)の単位の上限値は高くなるが、レジストポリマー全体としての好ましい比率については後述する。
【0044】
上記一般式(2)で示される繰り返し単位のうち、pが0かつCが単結合である場合、つまり芳香環が高分子化合物の主鎖に直接結合した、即ちリンカーのない場合の繰り返し単位は、ヒドロキシスチレン単位に代表される水酸基が置換された芳香環に1位置換あるいは非置換のビニル基が結合されたモノマーに由来する単位であるが、好ましい具体例としては、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、5−ヒドロキシ−2−ビニルナフタレン、6−ヒドロキシ−2−ビニルナフタレン等を挙げることができる。
【0045】
また、pが1である場合、つまりリンカーとしてエステル骨格を有する場合の繰り返し単位は、(メタ)アクリル酸エステルに代表される、カルボニルオキシ基が置換したビニルモノマー単位である。
【0046】
(メタ)アクリル酸エステル由来のリンカー(−CO−O−C−)を持つ場合の一般式(2)の好ましい具体例を以下に示す。
【0047】
【化14】

【0048】
また、アセナフチレン誘導体(上記一般式(3)の原料)及びインデン誘導体(上記一般式(4)の原料)を上記レジスト用ポリマーの繰り返し単位用原料として用いることによって、高いエッチング耐性が得られることが公知であるが、下記繰り返し単位は相当する単量体の入手が容易であり、目的の効果を好ましく達成することができる。
【0049】
【化15】

【0050】
本発明のレジスト組成物において、パターン倒れ防止等の性能改善のために、酸性を示さない繰り返し単位をレジストポリマーに加えることができる。好ましく加えることができる主要な構成単位として、下記一般式(5)で示される単位を挙げることができる。
【0051】
【化16】


(式中、Dは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示す。R1は前記の通り、R8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基、炭素数6〜20の芳香環含有炭化水素基、又は炭素数1〜12のハロゲン置換されていてもよいアシルオキシ基を表し、gは0〜5の整数、qは0又は1、sは0〜2の整数である。)
【0052】
上記R8がハロゲン原子である場合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子であることが好ましい。また、R8が炭化水素あるいは炭化水素オキシ基であり、炭化水素基、あるいは炭化水素オキシ基の炭化水素部分がアルキル基である場合、該アルキル基は炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、好ましいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基やその構造異性体、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基を挙げることができる。一方、炭化水素基、あるいは炭化水素オキシ基の炭化水素部分が芳香族含有基である場合、炭素数6〜20の置換基を有していてもよい芳香族含有基であることが好ましく、好ましい芳香族含有基としては、アルキル基置換もしくは非置換の、フェニル基、ナフチル基、ベンジルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェネチル基を挙げることができる。また、R8が炭素数1〜12のアシルオキシ基である場合、好ましい置換基としてメチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、シクロオクチルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、ナフチルカルボニルオキシ基を挙げることができる。
【0053】
上記繰り返し単位(5)は、高分子化合物の架橋剤との反応性の制御及びアルカリ性現像液に対する溶解性を制御する繰り返し単位であるが、これによって現像液に対する溶解性が自在にコントロールできる。後述するように、本発明のレジスト組成物は、レジスト膜とした際にアルカリ性現像液に対して適度な溶解速度を持つことが要求されるが、この溶解速度を得るために、2種以上のポリマーを用いる場合には、それぞれ単独のポリマーとして溶解速度を上記適度な溶解速度を持つように調整する方法の他、溶解速度が異なるレジストポリマーを2種以上用いて溶解速度を調整することもできる。そこで、上述の繰り返し単位(1)を含有するレジストポリマーの溶解速度がブレンド後のポリマーの持つ溶解速度よりも高いものであってもよく、溶解速度を制御する繰り返し単位は必須構成ではない。しかし、高分子化合物間のブレンドを行う際の自由度を確保する上では、上記繰り返し単位(1)を含むレジストポリマーには、上記繰り返し単位(5)が含まれることが好ましい。該高分子化合物を構成する全ての繰り返し単位に対し、好ましくは5〜39.5モル%、より好ましくは5〜30モル%である。また、この場合、上記繰り返し単位(5)は1種のみが用いられても、複数種類が混合されて用いられてもよい。
【0054】
本発明のレジスト組成物に使用するポリマーの主要構成単位として好ましく加えることができる単位として、更に下記一般式(6)及び/又は(7)で示される単位を挙げることができる。
【0055】
【化17】


(式中、hは0〜4の整数であり、R9はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜12のハロゲン置換されていてもよいアシルオキシ基、炭素数1〜8のハロゲン置換されていてもよいアルキル基、又は炭素数1〜8のハロゲン置換されていてもよいアルコキシ基を示す。)
【0056】
上記一般式(6)及び(7)中のR9の具体例は、一般式(3)で挙げたものと同様のものを挙げることができる。
【0057】
これらを構成成分として使用した場合には、溶解速度の制御機能は上記繰り返し単位(5)と同じであるが、上記一般式(6)及び(7)の繰り返し単位を用いた場合には、芳香環が持つエッチング耐性に加えて主鎖に環構造が加わることによるエッチングやパターン検査の際の電子線照射耐性を高めるという効果を得ることができる。
【0058】
上記一般式(6)及び(7)の繰り返し単位を用いる場合、上記一般式(5)の繰り返し単位と同様、該高分子化合物を構成する全ての繰り返し単位に対し、好ましくは5〜39.5モル%、より好ましくは5〜30モル%である。また、この場合、一般式(6)及び(7)の繰り返し単位より選ばれる1種のみが用いられても、複数種類が混合されて用いられてもよい。更に、上記一般式(5)と併せて用いてもよく、但し、その場合には、上記一般式(5)、(6)、(7)の合計量が上記範囲となるように設計を行うことが好ましい。
【0059】
また、別概念の酸性を示す官能基を持たないとして、上記レジスト用ポリマーには、更に酸触媒により架橋を形成する機能を有する繰り返し単位を含有していてもよい。該酸触媒により架橋を形成する機能を有する繰り返し単位は、反応機構として、酸触媒により脱アルコールあるいは脱水、もしくは開環反応を生じてカチオンセンターを形成し、芳香環あるいは水酸基に対して求電子置換反応による結合を形成する活性構造を有するものである。この際、上記酸触媒により架橋を形成する機能を有する繰り返し単位としては、エポキシ基を始めとするオキシラン構造を持つ繰り返し単位等公知の活性構造(例えば、特開平8−41150号公報:特許文献12)が利用できるが、それ以外にも、下記のようなウレア構造を含む繰り返し単位は、保存安定性の点から、より好ましい単位として用いることができる。このような機能を有する繰り返し単位の好ましい具体例としては、下記式(M−1)及び(M−2)を挙げることができる。
【0060】
本発明のレジスト組成物に含まれる、酸性を示さないレジスト用ポリマーに含まれてもよい有用な繰り返し単位としては、下記一般式(M−1)及び(M−2)
【0061】
【化18】


(式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R10は、水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、R11はそれぞれ独立に炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の酸素原子を含んでもよい1価炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。eは0〜4の整数、uは0〜2の整数を表す。)
【0062】
上記式(M−1)及び(M−2)中、R10がアルキル基である場合、好ましく選択されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基やその構造異性体、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基を挙げることができる。また、芳香環を含む炭化水素基である場合、好ましく選択される基としては、アルキル基置換もしくは非置換の、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基等を例示することができる。
【0063】
また、R11がハロゲン原子である場合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子であることが好ましく、R11が炭化水素あるいは炭化水素オキシ基であり、炭化水素基、あるいは炭化水素オキシ基の炭化水素部分がアルキル基である場合、好ましいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基やその構造異性体、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基を挙げることができる。一方、炭化水素基、あるいは炭化水素オキシ基の炭化水素部分が芳香環含有基である場合、好ましい芳香環含有基としては、アルキル基置換もしくは非置換の、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基を挙げることができる。また、R11が炭素数2〜8の炭化水素カルボニルオキシ基である場合、好ましい置換基としてメチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、シクロペンチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基を挙げることができる。
【0064】
上記一般式(M−1)及び(M−2)で示される繰り返し単位は、高エネルギー線照射により発生した酸を触媒として、アルコールあるいは水が脱離し、芳香環あるいは水酸基と反応することで、ポリマー間に架橋を形成する機能を有する。架橋形成機能を持つ単位のポリマーへの導入はレジスト組成物の保存安定性を劣化させる場合があるが、この繰り返し単位を後述のレジスト組成物に添加する高分子化合物でない架橋剤の一部あるいは全部として置き換えることにより、保存安定性を損ねることなく、レジスト膜の感度を向上させることができる。
【0065】
上述のような架橋性繰り返し単位を高分子化合物に導入する場合、ポリマー全体に対する導入比は、目安として5モル%以上とすることで溶解性変化能を確保することができ、上限を20モル%程度とすることで、上述のポリマー設計をそのまま適用することができる。
【0066】
上記架橋性単位を導入するためには、例えば1,3−ジアミノ−2−プロパノール(8)を出発原料に用いた下記反応を行うことで重合性モノマーを得ることができる。なお、Meはメチル基、Etはエチル基を示す。
【0067】
【化19】

【0068】
上記レジスト用ポリマーに加える酸性を示さない繰り返し単位の、その他の例としては、下記一般式(11)、(12)、(13)
【化20】


(式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表し、Yは酸素原子又はメチレン基を表し、Zは水素原子又は水酸基を表し、R’は炭素数1〜4のアルキル基を表し、pは0〜3の整数を表す。)
で示される単位を挙げることができる。これらの単位は、酸性を示さず、基板に対する密着性を与える単位として補助的に用いることができる。
【0069】
本発明のレジスト組成物に用いる上記繰り返し単位を含有するポリマーは、公知の方法によって、それぞれの単量体を必要に応じて保護、脱保護反応を組み合わせ、共重合を行って得ることができる。共重合反応は特に限定されるものではないが、好ましくはラジカル重合である。これらの方法については特許文献6〜9を参考にすることができる。
【0070】
上記のポリマーの好ましい分子量は、一般的な方法としてポリスチレンを標準サンプルとしてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した場合、重量平均分子量が1,000〜50,000であり、好ましくは1,000〜20,000である。重量平均分子量が1,000より小さいと、従来知られているように、パターンの頭が丸くなって解像力が低下すると共に、ラインエッジラフネス(LER)が劣化する。一方、上記分子量が必要以上に大きくなった場合、解像するパターンにもよるが、ラインエッジラフネスが増大する傾向を表し、特にパターン線幅が100nm以下のパターンを形成する場合には、上記分子量を20,000以下に制御することが好ましい。
【0071】
GPC測定に一般的に用いられるのはテトラヒドロフラン(THF)溶媒であるが、上述の一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーにおいてはTHFに溶解しない場合もあり、そのときはジメチルホルムアミド(DMF)に100mM以下の臭化リチウムを添加した溶媒で測定することができる。
【0072】
更に、本発明に用いるポリマーにおいては、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0、特に1.0〜2.5と狭分散であることが好ましい。分子量分布が広い場合には、現像後、パターン上に異物が生じたり、パターンの形状が悪化することがある。
【0073】
本発明のレジスト組成物には、上述の一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジスト用ポリマーの他に、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーを含有していてもよい。上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーは、酸触媒によって、後述する架橋剤、あるいは上述のレジストポリマー中の架橋形成能を有する繰り返し単位と反応して現像液に対して不溶化する機能を持つポリマーであり、すでに多数が公知である。また、LERを増大させないためには、上述の一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーと相溶性が高いことが必要であり、上述の一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーに対して、上記一般式(1)を含まないものの、それ以外の繰り返し単位は類似のものを主たる繰り返し単位として含むもの、即ち上述の一般式(2)〜(7)や(M−1)、(M−2)又は(11)〜(13)の繰り返し単位を主たる繰り返し単位として含むレジストポリマーが好ましい。また、この場合のポリマーの分子量及び分散度についても、上記一般式(1)を含むポリマーの分子量及び分散度の好ましい範囲と同じ範囲であることが好ましい。
【0074】
上述の上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーを上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーと混合して用いる場合、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーの全レジストポリマーに対する割合は、30〜100質量%の範囲であることが好ましい。30質量%未満である場合には、LERを改善する効果が十分に発現しない可能性がある。
【0075】
上述の、主たる構成要素として上記一般式(2)〜(7)及び(M−1)(M−2)、更に(11)〜(13)より選ばれる繰り返し単位を含有し、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーを、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーと混合して用いる場合、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーとして1種のポリマーを単独で用いることも、複数種のポリマーを混合して用いることもできる。ポリマーに必要な設計として重要な点は、上述の相溶性の点と、溶解速度の設計である。
【0076】
レジスト膜の溶解速度を適正なものとするためには、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーと、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーを合わせたポリマー全体として、上記一般式(2)、(3)及び(4)で示されるフェノール性水酸基を含有する繰り返し単位が、ポリマー全体を構成する全ての繰り返し単位に対して、好ましくは50〜95モル%、より好ましくは60〜90モル%となるよう設計される。
【0077】
このフェノール性水酸基を含有する繰り返し単位の量が50モル%より低い場合には、現像時にスカムの発生が起きやすく、また、レジストパターン間にブリッジが発生し易くなる。また、95モル%より多い場合には、パターン形成時にアンダーカットが入り易くなり、基板によってはパターン倒壊の原因となりやすい。また、ポリマー全体の構成単位として用いられる上記一般式(2)、(3)及び(4)のグループの繰り返し単位の中半分以上が上記一般式(2)の繰り返し単位である場合には、これらの比が高くなるとアンダーカットが発生し易くなる傾向があるため、上限は85モル%以下であることが好ましい。
【0078】
上記一般式(1)の繰り返し単位と上記一般式(2)、(3)及び(4)の繰り返し単位に対し、残りの部分の繰り返し単位として、(5)〜(7)の繰り返し単位は、良好な相溶性や、エッチング特性を得るために有用な繰り返し単位であり、(M−1)、(M−2)の繰り返し単位は、感度向上に有用である。
【0079】
上記一般式(1)を含有しないレジストポリマーを用いる場合、上記一般式(1)を含有するレジストポリマーを構成する繰り返し単位の組成が上述の範囲より決定され、上記一般式(1)を含むレジストポリマーと上記一般式(1)を含有しないレジストポリマーの添加比が決定されれば、上記レジスト組成物に含まれるポリマー全体の繰り返し単位の構成比に基づき、上記一般式(1)を含有しないレジストポリマーの繰り返し単位の組成比の方針を決めることができる。
【0080】
公知の化学増幅ネガ型レジスト組成物と同様、本発明のネガ型レジスト組成物には、酸の作用によってポリマー間及び/又はポリマー内に架橋を形成して現像液に対してポリマーを不溶性とする架橋剤が含まれる。ポリマーが上述の架橋性繰り返し単位を含有する場合には、ポリマー自体が架橋剤であり、架橋剤とポリマーとは別に添加する必要はないが、性能を微調整するため更に下記の非高分子性の架橋剤を加えてもよい。
【0081】
非高分子性架橋剤を添加する方法はより一般的であり、本発明のレジスト組成物においても有用な処方である。非高分子性の架橋剤は、上記光酸発生剤より発生した酸を触媒として、上記ポリマーと反応して、ポリマー内及びポリマー間に架橋を形成し、ポリマーをアルカリ不溶性とするものである。これは、通常上記ポリマーの構成単位に含まれる芳香環あるいは水酸基に対して求電子的に反応して結合を形成する複数の官能基を有する化合物であり、既に多数の化合物が公知(例えば特許文献1〜3参照)である。
【0082】
本発明のレジスト組成物に用いる架橋剤としては、基本的には公知の架橋剤のいずれもが適用可能であるが、好適な架橋剤としてはアルコキシメチルグリコールウリル類、アルコキシメチルメラミン類を挙げることができ、具体的には、アルコキシメチルグリコールウリル類として、テトラメトキシメチルグリコールウリル、1,3−ビスメトキシメチル−4,5−ビスメトキシエチレンウレア、ビスメトキシメチルウレアが挙げられる。また、アルコキシメチルメラミン類として、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミンが挙げられる。
【0083】
本発明のネガ型レジスト組成物における架橋剤の添加量としては、レジスト組成物中のベースポリマー100質量部に対して2〜40質量部、好ましくは5〜20質量部である。また上記架橋剤は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0084】
本発明のレジスト組成物には、使用する上述の一般式(1)で示されるポリマーの持つ繰り返し単位により、高エネルギー線が照射された際に酸が発生し、かつ発生した酸はポリマーに結合されることで拡散が制御されるという特性があるため、基本的にはその他の酸発生剤を加える必要はない。しかし、補助的に感度を上げたい場合や、ラフネスの改善等を目的として、その他の酸発生剤を少量添加してもよい。但し、過剰な添加を行った場合にはポリマーに結合された酸発生剤を用いることによる効果が失われる可能性がある。そこで、添加量は組成物中の上記ポリマーに繰り返し単位として含まれる上記一般式(1)の構造に基づくモル当量を超えないことが好ましく、より好ましくは上記一般式(1)の構造に基づくモル当量の2分の1以下である。また、特にラフネスの改善を目的とする場合には、特許文献6のように酸拡散をより抑制した構造であるスルホネート側が高分子化合物の繰り返し単位の側鎖に組み込まれたものを用いてもよい。
【0085】
添加されてもよい酸発生剤が繰り返し単位からなる高分子化合物でない場合の好ましい例を下記に示す。
【0086】
【化21】

【0087】
【化22】

【0088】
【化23】

【0089】
【化24】

【0090】
添加されてもよい酸発生剤が高分子化合物である場合の好ましい例を下記に示す。
【0091】
【化25】

【0092】
【化26】

【0093】
【化27】

【0094】
【化28】

【0095】
また、本発明のレジスト組成物は、後述の溶剤を加えることによって基本的なレジスト組成物が得られるが、更に塩基性化合物は、事実上、高解像性を得るための必須の添加剤であり、必要に応じ、界面活性剤、溶解阻害剤等を加えることもできる。
【0096】
塩基性化合物の添加量は、上記全レジストポリマー100質量部に対し、0.01〜5質量部、特に0.05〜3質量部が好ましい。また、用いることができる塩基性化合物は多数が知られており(特許文献1〜5のいずれにも開示がある)、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類、アンモニウム塩類等が知られている。これらの具体例は特許文献1や特許文献4に多数例示されているが、基本的にはこれらの全てを使用することができ、また2つ以上の塩基性化合物を選択し、混合して使用することもできる。
【0097】
特に好ましく配合される塩基性化合物としては、トリス(2−(メトキシメトキシ)エチル)アミン、トリス(2−(メトキシメトキシ)エチル)アミン N−オキシド、モルホリン誘導体、イミダゾール誘導体等が挙げられる。
【0098】
また、パターン形成時に、パターンが基板界面で溶解しにくくなる現象、いわゆる裾引き形状になり易い基板上、これはクロム系化合物による表面を持つ基板もそうであるが、このような基板上でパターンを形成する場合、カルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素原子に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物又はアミンオキシド化合物(アミン及びアミンオキシドの窒素原子が芳香環の環構造に含まれるものを除く)を用いると、パターン形状の改善を図ることができる。
【0099】
上述のカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素原子に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物又はアミンオキシド化合物は、下記一般式(14)〜(16)で示される少なくともカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素原子に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物又はアミンオキシド化合物が好ましいが、これに限られるものではない。
【0100】
【化29】


(式中、R21、R22はそれぞれ炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数2〜10のアシルオキシアルキル基、又は炭素数1〜10のアルキルチオアルキル基のいずれかである。またR21とR22が結合してこれらが結合する窒素原子と共に環構造を形成してもよい。R23は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数2〜10のアシルオキシアルキル基、炭素数1〜10のアルキルチオアルキル基、又はハロゲン基のいずれかである。R24は単結合、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又は炭素数6〜20のアリーレン基である。R25は炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状の置換可アルキレン基であり、但し、アルキレン基の炭素−炭素間にカルボニル基(−CO−)、エーテル基(−O−)、エステル基(−COO−)、スルフィド(−S−)を1個あるいは複数個含んでいてもよい。また、R26は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又は炭素数6〜20のアリーレン基である。)
【0101】
上記の炭素数6〜20のアリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、ナフタセニル基、フルオレニル基を、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、デカヒドロナフタレニル基を、炭素数7〜20のアラルキル基として具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、アントラセニルメチル基を、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基として具体的には、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基を、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基として具体的には、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、プロポキシメチル基、2−プロポキシエチル基、ブトキシメチル基、2−ブトキシエチル基、アミロキシメチル基、2−アミロキシエチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、2−シクロヘキシルオキシエチル基、シクロペンチルオキシメチル基、2−シクロペンチルオキシエチル基及びそのアルキル部の異性体を、炭素数2〜10のアシルオキシアルキル基として具体的には、ホルミルオキシメチル基、アセトキシメチル基、プロピオニルオキシメチル基、ブチリルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、シクロヘキサンカルボニルオキシメチル基、デカノイルオキシメチル基を、炭素数1〜10のアルキルチオアルキル基として具体的には、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、プロピルチオメチル基、イソプロピルチオメチル基、ブチルチオメチル基、イソブチルチオメチル基、t−ブチルチオメチル基、t−アミルチオメチル基、デシルチオメチル基、シクロヘキシルチオメチル基を、それぞれ例示できるが、これらに限定されない。
【0102】
一般式(14)で示されるカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素原子に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物を以下に具体的に例示するが、これらに限定されない。
【0103】
即ち、o−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、m−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸、p−ジプロピルアミノ安息香酸、p−ジブチルアミノ安息香酸、p−ジブチルアミノ安息香酸、p−ジペンチルアミノ安息香酸、p−ジヘキシルアミノ安息香酸、p−ジエタノールアミノ安息香酸、p−ジイソプロパノールアミノ安息香酸、p−ジメタノールアミノ安息香酸、2−メチル−4−ジエチルアミノ安息香酸、2−メトキシ−4−ジエチルアミノ安息香酸、3−ジメチルアミノ−2−ナフタレン酸、3−ジエチルアミノ−2−ナフタレン酸、2−ジメチルアミノ−5−ブロモ安息香酸、2−ジメチルアミノ−5−クロロ安息香酸、2−ジメチルアミノ−5−ヨード安息香酸、2−ジメチルアミノ−5−ヒドロキシ安息香酸、4−ジメチルアミノフェニル酢酸、4−ジメチルアミノフェニルプロピオン酸、4−ジメチルアミノフェニル酪酸、4−ジメチルアミノフェニルリンゴ酸、4−ジメチルアミノフェニルピルビン酸、4−ジメチルアミノフェニル乳酸、2−(4−ジメチルアミノフェニル)安息香酸、2−(4−(ジブチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸等が挙げられる。
【0104】
一般式(15)で示されるカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素原子に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物は上記の具体的に例示されたアミン化合物を酸化したものであるが、これらに限定されない。
【0105】
一般式(16)で示されるカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素原子に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物を以下に具体的に例示するが、これらに限定されない。
【0106】
即ち、1−ピペリジンプロピオン酸、1−ピペリジン酪酸、1−ピペリジンリンゴ酸、1−ピペリジンピルビン酸、1−ピペリジン乳酸等が挙げられる。
【0107】
一般式(15)で示されるアミンオキシド構造を有する化合物は、化合物の構造に応じた最適な方法を選択して製造される。例として、窒素含有化合物の酸化剤を使用した酸化反応を用いる方法、あるいは含窒素化合物の過酸化水素水希釈溶液中での酸化反応を用いる方法が例示されているが、これらに限定されない(合成法の詳細は特許文献9:特開2010−164933号公報参照)。
【0108】
上記反応は酸化剤(m−クロロ過安息香酸)を用いたアミンの酸化反応であり、酸化反応の常法となる他の酸化剤を用いて反応を行うこともできる。反応後は、反応混合物を必要に応じて蒸留、クロマトグラフフィー、再結晶等の常法により精製することができる(詳細は特許文献10:特開2008−102383号公報参照)。
【0109】
本発明のレジスト組成物には、塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤を用いる場合、特許文献1〜5にも多数の例が記載されているように多数のものが公知であり、それらを参考にして選択することができる。また、特開2008−304590号公報(特許文献11)に開示されているようなフッ素を含有するポリマーを添加することもできる。
【0110】
なお、界面活性剤の添加量としては、レジスト組成物中の全高分子化合物100質量部に対して2質量部以下、好ましくは1質量部以下であり、配合する場合は0.01質量部以上とすることが好ましい。
【0111】
本発明のレジスト組成物の調製に使用される有機溶剤としては、高分子化合物、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れている乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びこれらの混合溶剤が好ましく使用される。
【0112】
有機溶剤の使用量は、全高分子化合物100質量部に対して1,000〜10,000質量部、特に2,000〜9,700質量部が好適である。このような濃度に調整することにより、回転塗布法を用い、膜厚が10〜200nmのレジスト膜を安定して平坦度よく得ることができる。
【0113】
本発明のレジスト組成物を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができる。一般論としては、集積回路製造用の基板(表層の材料がSi、SiO2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜等であるシリコンウエハー等)、あるいはマスク回路製造用の基板(表層の材料がCr、CrO、CrON、MoSi等である石英基板等)にスピンコーティング等の手法で膜厚が0.05〜2.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜150℃、1〜10分間、好ましくは80〜140℃、1〜5分間プリベークする。次いで目的のパターンを形成するためのマスクを用い、あるいはビーム露光により、遠紫外線、エキシマレーザー、X線等の高エネルギー線又は電子線を露光量1〜200mJ/cm2、好ましくは10〜100mJ/cm2となるように照射する。露光は通常の露光法の他、場合によってはマスクとレジスト膜の間を液浸するImmersion法を用いることも可能である。その場合には水に不溶な保護膜を用いることも可能である。次いで、ホットプレート上で、60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜140℃、1〜3分間ポストエクスポージャーベーク(PEB)する。更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像して、基板上に目的のパターンが形成される。
【0114】
なお、本発明のレジスト組成物は、特に高いエッチング耐性を持ち、かつ露光後、露光後加熱までの時間が延長された場合にもパターン線幅の変化が小さいことが要求される条件で使用される際に有用である。このことから、特に電子線リソグラフィーによるフォトマスクブランクの加工に有効である。また、被加工基板として、レジストパターンの密着性に優れ取り難いことからパターン剥がれやパターン崩壊を起こし易い材料を表面に持つ基板への適用に特に有用であり、特にパターン崩壊が問題になる基板表面の材料が金属クロムや酸素原子、窒素原子、炭素原子の1以上の軽元素を含有するクロム化合物をスパッタリング成膜した基板上、これはフォトマスクブランクで常用されるものであるが、これらの上でのパターン形成に有用である。
【実施例】
【0115】
以下、合成例、実施例及び比較例を表し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例中、Meはメチル基を示す。また、共重合組成比はモル比であり、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量を示す。
【0116】
[ポリマー合成例1]
窒素雰囲気下、200mLの滴下シリンダーに4−(1−エトキシエトキシ)スチレン57.69g、アセナフチレン6.21g、4−メチルスチレン6.51g、下記(Z−1)のモノマー9.59g、ジメチル−2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製、商品名V601)7.52g、溶媒としてメチルエチルケトンを90g加えた溶液を調製した。更に窒素雰囲気下とした別の500mL重合用フラスコに、メチルエチルケトンを59g加え、80℃に加温した状態で、上記で調製した溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、重合温度を80℃に維持しながら18時間撹拌を続け、次いで室温まで冷却した。得られた重合液にメタノール60g、シュウ酸二水和物を1.6g加え、50℃で4時間撹拌した。室温まで冷却後トリエチルアミンを2.1g加え中和を行った。得られた反応溶液を濃縮後、THF120gに再溶解し、ヘキサン1,000gに滴下して析出した共重合体を濾別した。濾別したポリマーを300gのヘキサンで二回洗浄を行い、洗浄した共重合体を酢酸エチル230gと水90gに溶解した。得られた2層溶液を分液ロートに移し、そこに酢酸0.48gを加えて分液操作を行った。続いて下層を抜き出し、残った有機層に水90g、ピリジン0.67gを加えて分液操作を行った。更に下層を抜き出し、水90gを加えての分液操作を4回繰り返した。その後、有機層である酢酸エチルを濃縮し、アセトン100gに溶解させ、得られたアセトン溶液を2Lの水に滴下し、析出した共重合体を濾別した。濾別したポリマーを1Lの水で二回洗浄を行い、得られた共重合体を50℃で24時間乾燥を行って、ポリマー1を50g得た(ポリマー1 Mw=4,300(Mw/Mn=1.42))。
【0117】
【化30】

【0118】
【化31】

【0119】
[ポリマー合成例2]
窒素雰囲気下、200mLの滴下シリンダーに4−(1−エトキシエトキシ)スチレン54.18g、アセナフチレン4.7g、4−メチルスチレン2.47g、上記(Z−1)のモノマー9.07g、下記(Y−1)のモノマー8.41g、ジメチル−2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製、商品名V601)6.93g、溶媒としてメチルエチルケトンを90g加えた溶液を調製した。更に窒素雰囲気下とした別の500mL重合用フラスコに、メチルエチルケトンを59g加え、80℃に加温した状態で、上記で調製した溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、重合温度を80℃に維持しながら18時間撹拌を続け、次いで室温まで冷却した。得られた重合液にメタノール60g、シュウ酸二水和物を1.6g加え、50℃で4時間撹拌した。室温まで冷却後トリエチルアミンを2.1g加え中和を行った。得られた反応溶液を濃縮後、THF120gに再溶解し、ヘキサン1,000gに滴下して析出した共重合体を濾別した。濾別したポリマーを300gのヘキサンで二回洗浄を行い、洗浄した共重合体を酢酸エチル230gと水90gに溶解した。得られた2層溶液を分液ロートに移し、分液操作を行った。続いて下層を抜き出し、残った有機層に水90g加えて分液操作を4回行った。その後、有機層である酢酸エチルを濃縮し、アセトン100gに溶解させ、得られたアセトン溶液を2Lの水に滴下し、析出した共重合体を濾別した。濾別したポリマーを1Lの水で二回洗浄を行い、得られた共重合体を50℃で24時間乾燥を行って、ポリマー2を50g得た(ポリマー2 Mw=4,400(Mw/Mn=1.45))。
【0120】
【化32】

【0121】
【化33】

【0122】
[ポリマー合成例6]
窒素雰囲気下、200mLの滴下シリンダーに4−ヒドロキノンモノメタクリレート54.15g、アセナフチレン7.94g、4−メチルスチレン7.7g、上記構造モノマー(Z−1)10.2g、ジメチル−2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製、商品名V601)を8.0g、溶媒としてメチルエチルケトンを90g加えた溶液を調製した。更に窒素雰囲気下とした別の300mL重合用フラスコに、メチルエチルケトンを59g加え、80℃に加温した状態で、上記で調製した溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、重合温度を80℃に維持しながら4時間撹拌を続け、次いで室温まで冷却した。得られた重合液を1,300gのヘキサンに滴下し、析出した共重合体を濾別した。濾別した共重合体をヘキサン300gで二回洗浄を行い、更に得られた濾別体をメチルエチルケトン140gに溶解し、0.02μmのナイロンフィルターを通したメチルエチルケトン溶液をヘキサン1,300gに滴下し、析出した共重合体を濾別した。濾別した共重合体をヘキサン300gで二回洗浄を行い、乾燥して白色の共重合体を75gで得た(ポリマー6 Mw=3,800(Mw/Mn=1.55))。
【0123】
【化34】

【0124】
[ポリマー合成例3〜5、7〜12]
各単量体の種類、配合比を変えた以外は、ポリマー合成例1,2,6と同様の手順により、表1に表した樹脂を製造した。表1中、各単位の構造を表2〜5に示す。なお、下記表1において、導入比はモル比を示す。
【0125】
【表1】

【0126】
[実施例1〜14、比較例1]
ネガ型レジスト組成物の調製
上記で合成したポリマー(ポリマー1〜12)、下記式で示されるポリマーK、酸発生剤(PAG−1)、(PAG−2)、塩基性化合物(Base−1)、(Base−2)を表3に示す組成で有機溶剤中に溶解してレジスト組成物を調合し、更に各組成物を0.02μmサイズのナイロン及びUPEフィルターで濾過することにより、ネガ型レジスト組成物の溶液をそれぞれ調製した。
【0127】
【表2】

【0128】
【表3】

【0129】
【表4】

【0130】
【表5】

【0131】
【化35】

【0132】
【化36】

【0133】
表6中の有機溶剤は、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、EL(乳酸エチル)である。
また、各組成物には、添加剤として、テトラメトキシメチルグリコールウリル(TMGU)、界面活性剤としてPF−636(OMNOVA SOLUTIONS製)を0.075質量部添加した。
【0134】
【表6】

【0135】
電子ビーム描画評価
上記調製したネガ型レジスト組成物(実施例1〜14、比較例1)をACT−M(東京エレクトロン(株)製)152mm角の最表面が酸化窒化クロム膜であるマスクブランク上にスピンコーティングし、ホットプレート上で、110℃で600秒間プリベークして80nmのレジスト膜を作製した。得られたレジスト膜の膜厚測定は、光学式測定器ナノスペック(ナノメトリックス社製)を用いて行った。測定はブランク外周から10mm内側までの外縁部分を除くブランク基板の面内81箇所で行い、膜厚平均値と膜厚範囲を算出した。
【0136】
更に、電子線露光装置((株)ニューフレアテクノロジー製、EBM−5000plus、加速電圧50keV)を用いて露光し、120℃で600秒間ベーク(PEB:post exposure bake)を施し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で現像を行うと、ネガ型のパターンを得ることができた。更に得られたレジストパターンを次のように評価した。
【0137】
作製したパターン付きウエハーを上空SEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、200nmの1:1のラインアンドスペースを1:1で解像する露光量を最適露光量(μC/cm2)とし、400nmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量における最小寸法を解像度とし、200nmLSのエッジラフネスをSEMで測定した。パターン形状については、矩形か否かを目視にて判定した。EB描画における本発明のレジスト組成物及び比較用のレジスト組成物の評価結果を表7に示す。
【0138】
【表7】

【0139】
上記表7に示す通り、本発明のレジスト組成物は、比較例1に挙げられたレジスト組成物と比較して、解像性、ラインエッジラフネスに優れていることを示した。このことから、特に超LSI製造用の電子線リソグラフィーによる微細パターン形成材料、マスクパターン形成材料として好適な化学増幅ネガ型レジスト組成物を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高エネルギー線の照射により発生する酸を触媒として、架橋剤及び/又はレジストポリマー中の架橋性官能基を有する繰り返し単位により、レジストポリマー間に架橋が形成され、アルカリ性現像液に対して不溶化する機構を有する化学増幅ネガ型レジスト組成物において、レジストポリマーが、下記一般式(1)の繰り返し単位と下記一般式(2)、(3)及び(4)から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含有するレジストポリマーであり、
【化1】


(式中、Aは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。Rfは同一でも異なってもよく、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、又はペンタフルオロエチル基を表すが、全てが水素原子となることはない。Bは一部又は全部の水素原子がフッ素原子に置換していてもよく、エステル酸素原子のα位及びβ位以外の一部のメチレン基が酸素原子に置換されていてもよい炭素数1〜10の2価炭化水素基を表す。Cは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2〜R4はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアルコキシ基を表す。R5はエーテル結合を含んでもよい炭素数1〜30の置換もしくは非置換の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、あるいは、炭素数6〜14の置換もしくは非置換のアリール基を表す。R6はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表す。R7はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表す。aは0〜4の整数、bは1〜5の整数、c及びdは1〜4の整数、eは0以上(4−c)以下の整数、fは0以上(4−d)以下の整数である。pはそれぞれ独立に0又は1を表し、tは0〜2の整数を表す。k、m、nはそれぞれ独立して0〜3の整数である。)
該レジスト用ポリマーを構成する全繰り返し単位中、上記一般式(1)で示される繰り返し単位は0.5〜10モル%を占め、かつ、上記一般式(2)、(3)及び(4)で示される繰り返し単位を合計した量の割合は50〜99.5モル%を占めることを特徴とする化学増幅ネガ型レジスト組成物。
【請求項2】
レジストポリマーは、更に下記一般式(5)
【化2】

(式中、Dは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を表す。R1は前記の通り、R8はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基、炭素数6〜20の芳香環含有炭化水素基、又は炭素数1〜12のハロゲン置換されていてもよいアシルオキシ基を表し、gは0〜5の整数、qは0又は1、sは0〜2の整数である。)
で示される単位を含有する請求項1記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
【請求項3】
レジストポリマーは、更に下記一般式(6)及び/又は(7)
【化3】

(式中、hは0〜4の整数であり、R9はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜12のハロゲン置換されていてもよいアシルオキシ基、炭素数1〜8のハロゲン置換されていてもよいアルキル基、又は炭素数1〜8のハロゲン置換されていてもよいアルコキシ基を表す。)
で示される単位を含有する請求項1又は2記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
【請求項4】
架橋剤として、アルコキシメチルグリコールウリル類及びアルコキシメチルメラミン類から選ばれる架橋剤を含有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
【請求項5】
上記の高分子化合物が、下記一般式(M−1)又は(M−2)で示される繰り返し単位を含有し、レジスト組成物は架橋剤を含有しない請求項1乃至3のいずれか1項記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
【化4】

(式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R10は、水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の1価炭化水素基を表し、R11はそれぞれ独立に炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状の酸素原子を含んでもよい1価炭化水素基、又はハロゲン原子を表す。iは0〜4の整数、uは0〜2の整数を表す。)
【請求項6】
更に、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないポリマーを配合した請求項1乃至5のいずれか1項記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
【請求項7】
更に、塩基性化合物を含有する請求項1乃至6のいずれか1項記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物。
【請求項8】
被加工基板上に請求項1乃至7のいずれか1項記載の化学増幅ネガ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、高エネルギー線をパターン照射する工程、アルカリ性現像液を用いて現像してレジストパターンを得る工程を含むパターン形成方法。
【請求項9】
上記高エネルギー線が、EUVあるいは電子線である請求項8記載のパターン形成方法。
【請求項10】
上記被加工基板の最表面が、クロムを含む材料からなる請求項8又は9記載のパターン形成方法。
【請求項11】
上記被加工基板が、フォトマスクブランクである請求項8乃至10のいずれか1項記載のパターン形成方法。

【公開番号】特開2012−177836(P2012−177836A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41528(P2011−41528)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】