説明

化学的感受性電界効果トランジスタのための製造方法

【課題】使用可能な処理技術と材料の数、ならびに処理技術の順序における変更可能性を高めることである。
【解決手段】本発明は、とりわけガスセンサ用の化学的感受性電界効果トランジスタである電界効果トランジスタの製造方法に関する。使用可能な処理技術と材料の数、ならびに処理技術の順序における変更可能性を高めるために、本方法の枠内で、ゲート絶縁保護層(3)が形成され、このゲート絶縁保護層は、ゲート絶縁層(2)をさらなるプロセス化の際に環境の影響から保護し、ゲート電極層形成前に部分的にまたは完全に除去される。さらに本発明は、この種の電界効果トランジスタおよびその使用法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけガスセンサ用の化学的感受性電界効果トランジスタである電界効果トランジスタの製造方法、ならびにその種の電界効果トランジスタとその使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学的ガスセンサ用のセンサ素子は、電界効果トランジスタおよびワイドバンドギャップ半導体材料に基づくものであり、現在は半導体技術の標準材料をもっぱら使用して構築される。しかし化学的ガスセンサは、非常に薄い脆弱なゲート絶縁層と、このゲート絶縁層の上に配置された検知層とを備えるいわゆる「開放した」ゲートを必要とする。
【0003】
電気特性を悪化させ、安定性を損なうことになるゲート絶縁層の金属汚染(障害箇所)と、たとえば別の構成部材からの温度負荷を回避するために、ゲート絶縁層の作製は通常は、製造プロセスの開始時(フロントエンド)に行われる。従来のトランジスタのための公知の製造方法では、ゲート絶縁層の作製直後に、そこに持続的に残る導電性材料製のゲート電極層によってこのゲート絶縁層が覆われる。
【0004】
しかそのため、多数のさらなるプロセス、たとえばリソグラフ、被覆、エッチングおよびスパッタリングの際にゲート絶縁層の材料が、これらに結び付いた物理的および化学的影響に曝されてしまい、そのために、ゲート電極層として化学検知層を備える化学的感受性電界効果トランジスタを製造するための措置が適しないか、または以降の処理ステップを強く制限しないとならない。
【0005】
したがってたとえば公知の製造方法の枠内では、以降の処理ステップで、ゲート絶縁層またはゲート電極層のような同じ材料からなる層を構築し、構造化することができない。なぜならこれらの層が開放していると、ゲート絶縁層またはゲート電極層も侵襲され、除去されてしまうことになるからである。
【0006】
この理由からたとえば公知の製造方法では、酸化フィールドの取付けおよび構造化の後にゲート絶縁層が初めて形成される。
【0007】
同様に公知の製造方法では、以降に構築される金属層の構造化が通例は、湿式化学リフトオフ法によってだけ行われる。なぜなら乾式エッチングもゲート絶縁層を侵襲することがあるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、使用可能な処理技術と材料の数、ならびに処理技術の順序における変更可能性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の対象は、とりわけガスセンサ用の化学的感受性電界効果トランジスタである電界効果トランジスタの製造方法であって、
a)半導体材料からなる基板層、とりわけウェハを準備するステップ、
b)ゲート絶縁層を基板層の上に形成/取り付けるステップ、
c)少なくとも一つのゲート絶縁保護層をゲート絶縁層の上に形成/取り付けるステップ、
d)ゲート絶縁保護層を完全にまたは部分的に除去するステップ、
そして
e)ゲート電極層(検知層)をゲート絶縁層の上に、またはゲート絶縁保護層の残った部分の上に形成/取り付けるステップ、
を含む製造方法である。
【0010】
本発明の方法は、ゲート絶縁層がゲート絶縁保護層により、環境の影響から保護されているという利点を有する。たとえば方法ステップc)は、方法ステップc)と方法ステップd)の間で有利にはさらにプロセス化することができ、とりわけさらに処理することができ、たとえばバックスパッタリングのような有利な方法ステップを実施することができる。このことは「開放した」ゲート絶縁層を伴う公知の方法の枠内では不可能であった。有利には、処理技術のシーケンスで使用可能な処理技術および材料ならびに変形可能手段の数を格段に高めることができる。さらにゲート絶縁保護層は、輸送保護部として、および個別化の際の汚染保護部として用いることができ、たとえばゲート電極層(検知層)を形成する直前に除去することができる。とりわけゲート絶縁保護層は部分的に、ゲート絶縁層の構成部分となることができる。これはゲート絶縁保護層の一部またはゲート絶縁保護層が、ゲート絶縁層の上に、または電界効果トランジスタの別の領域の上にも残されることによって行われる。さらにゲート絶縁保護層により、有利には方法ステップc)とd)の間で形成された層の位置およびエッジ形状を調整することができる。とりわけ導電性ゲート絶縁保護層により、ゲート絶縁層の完全性を検査することができる。
【0011】
好ましくは、ゲート絶縁保護層の少なくとも複数は、方法ステップc)とd)の間で実施される方法ステップに対して耐性があり、これにより、方法ステップc)とd)の間で実施される方法ステップ中に、ゲート絶縁層を環境の影響に対して保護する。とりわけゲート絶縁保護層は、好ましくはゲート絶縁層から選択的に除去することができる。
【0012】
方法ステップc)の前に本方法は好ましくは、とりわけガスプラズマ処理により、たとえば剥離および/または汚れ除去により、またはバックスパッタリングにより、および/または湿式または乾式化学エッチングにより、および/またはたとえば酸素含有雰囲気中での熱処理により、またはそれらの組合せにより、ゲート絶縁層をクリーニングする方法ステップc0)を含む。このようにして有利には、有機成分を除去し、電界効果トランジスタの機能性を改善することができる。ガスプラズマ処理は、純粋ガス中で、またはたとえばアルゴン、酸素および/または窒素の混合ガス中で行うことができる。バックスパッタリングは、たとえばアルゴン、窒素および/または酸素を使用して行うことができる。湿式化学的エッチングはたとえば、HF含有の緩衝溶液中で行うことができる。乾式エッチングはたとえば、CFまたはSF含有の雰囲気中で行うことができる。たとえばクリーニングの際に、層厚は、≧2nmから≦30nmの範囲に除去される。
【0013】
好ましくは方法ステップc)は、方法ステップb)またはc0)に(直接)続いて行われる。
【0014】
ゲート絶縁保護層は、方法ステップc)でとりわけ平坦に、または完全に平坦に形成または取り付けることができる。
【0015】
方法の実施形態では、方法ステップc)で、異なる材料からなる二つ以上のゲート絶縁保護層が順次に形成または取り付けされる。
【0016】
ゲート絶縁保護層が複数ある場合、個々のゲート絶縁保護層の材料とそれらの順番は、好ましくは後の方法ステップ、とりわけ方法ステップc)とd)の間で整合される。ここで個々の材料は、とりわけ後続の方法ステップc)とd)の間の個別の方法ステップに対して高い(物理的および/または化学的)耐性または不活性度を有するように選択することができる。これにより、ゲート絶縁保護層系全体は、同じ耐性または不活性度を有する個々のゲート絶縁保護層よりも小さな全体厚を有することができる。
【0017】
方法のさらなる実施形態の枠内で、方法ステップc)では、物理的切削法または乾式エッチング、とりわけバックスパッタリング、イオンビームエッチング(IBE)または反応性イオンビームエッチング(RIBE)に対して耐性ある材料、たとえば炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、浸炭窒化ケイ素からなるゲート絶縁保護層を形成または取り付ける前に、湿式化学的エッチングにより溶解または剥離可能な材料、たとえば金属アルミニウムおよび/またはニッケルからなるゲート絶縁保護層が形成または取り付けされる。このようにして外側ゲート絶縁保護層は、物理的切削または乾式エッチングの際にゲート絶縁層を保護することができ、その下にある、湿式化学的エッチングで溶解または剥離可能なゲート絶縁保護層を溶解または剥離することによって剥離することができる。
【0018】
ゲート絶縁保護層に対する材料として、とりわけ非結晶シリコンまたは多結晶シリコンが適している。なぜならシリコンは、いずれにしろ基板の構成部分であり、通例は絶縁層でもあるからである。これに対して択一的にまたは補完的に、他の材料も可能である。たとえば後で容易に除去できる金属としての金属アルミニウムおよび/またはニッケル、または窒化ケイ素、または有機材料層または有機材料を有する層、または二酸化ケイ素と比較して選択的に除去可能な他の絶縁材料が適する。
【0019】
したがってさらなる実施形態の枠内で、方法ステップc)では一つまたは複数のゲート絶縁保護層が形成または取り付けされ、このゲート絶縁保護層は、
・ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびそれらの混合物の酸化物、窒化物、およびのケイ酸塩、たとえば二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムケイ酸塩、酸化ハフニウム、ハフニウムケイ酸塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される材料、および/または
・ケイ素(Si)、ホウ素(B)、炭素(C)および窒素(N)の混合物、および/または
・ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、酸化物(O)および窒化物(N)の、SiAlONとも称される混合物、および/または
・アルミニウムおよび/またはニッケル、および/または
・ケイ素、たとえば非結晶ケイ素または多結晶ケイ素、とりわけ多結晶ケイ素および/またはチタンおよび/またはタンタルおよび/またはニオブ、および/または
・浸炭窒化ケイ素、および/または
・炭化ケイ素、たとえば非結晶炭化ケイ素または多結晶炭化ケイ素、とりわけ導電性の低い炭化ケイ素、および/または
・窒化ケイ素および/または窒化チタンおよび/または窒化タンタル、および/または
・酸化ケイ素および/または酸化チタン、および/または
・有機材料を含み、またはそれらから作製することができる。
【0020】
方法ステップc)で一つまたは複数の導電性ゲート絶縁保護層が形成または取り付けされる場合、これらは好ましくは方法ステップd)でとりわけ完全に除去される。
【0021】
方法ステップc)で形成または取付されたゲート絶縁保護層は、たとえば10≧nmから≦10μmの範囲、とりわけ50≧nmから≦1000nmの範囲、たとえば≧50nmから≦500nmの範囲の全体厚dを有することができる。
【0022】
ゲート絶縁保護層は方法ステップc)で、たとえば物理蒸着(PVD、physical vapour deposition)、たとえばスパッタリング、または反応スパッタリング、または化学気相成長(CVD、chemical vapour deposition)、たとえば低圧化学気相成長(LPCVD、low pressure chemical vapour deposition)、またはプラズマCVD(PECVD、plasma enhanced chemical vapour deposition)またはアトミックレイヤーデポジション(ALD、atomic layer deposition)、またはこれら方法の組合せによって形成または取り付けることができる。
【0023】
たとえば方法ステップc)では、
・まず、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびそれらの混合物の酸化物、窒化物、およびのケイ酸塩、たとえば二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩ジルコニウム、酸化ハフニウム、ハフニウムケイ酸塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される誘電材料からなる少なくとも一つのゲート絶縁保護層、そして
・次に、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、炭素(C)および窒素(N)からなる混合物、および/またはSiAlONとも称されるケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、酸素(O)および窒素(N)の混合物、および/またはケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウムおよびそれらの混合物、たとえば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩ジルコニウム、酸化ハフニウム、ケイ酸塩ハフニウムおよびそれらの組合せからなる群から選択された材料である誘電性材料および/または自己不動態化材料からなる少なくとも一つのゲート絶縁保護層、
・そして、とりわけ炭化ケイ素、たとえば非結晶炭化ケイ素または多結晶炭化ケイ素、とりわけ導電性の低い炭化ケイ素、および/または浸炭窒化ケイ素および/または窒化ケイ素および/または窒化チタンを含むか、またはそれからなる少なくとも一つのゲート絶縁保護層を形成または取り付ける。
【0024】
このとき方法ステップc)では、
・まずゲート絶縁保護層を、たとえば物理蒸着により、たとえばスパッタリングまたは反応スパッタリングにより、または化学気相成長により、たとえばプラズマ化学気相成長またはアトムレイヤーデポジションにより、たとえば(全体)層厚dDが≧3nmから≦300nmとなるよう形成しまたは取り付け、
・次に形成または取り付けされたゲート絶縁保護層を、たとえば(それぞれ)物理蒸着により、たとえばスパッタリングまたは反応スパッタリングにより、または化学気相成長により、たとえばプラズマ化学気相成長またはアトムレイヤーデポジションにより、たとえば(全体)層厚dDが≧100nmから≦300nmとなるよう形成しまたは取り付け、
・その後に形成されまたは取り付けされたゲート絶縁保護層を、たとえば物理蒸着により、たとえばスパッタリングまたは化学気相成長により、たとえば低圧化学気相成長またはプラズマ化学気相成長により、たとえば(全体)層厚dDが≧100nmから≦300nmとなるよう形成または取り付ける。
【0025】
本方法のさらなる実施形態の枠内で、方法ステップc)では、まず、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびそれらの混合物の酸化物、窒化物、およびのケイ酸塩、たとえば二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩ジルコニウム、酸化ハフニウム、ケイ酸塩ハフニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択されるゲート絶縁保護層材料からなるゲート絶縁保護層が形成または取付される。方法ステップe)では、ゲート絶縁保護層が有利には部分的に、または完全にゲート絶縁層の上に残され、補強されたゲート絶縁層として用いられる。
【0026】
好ましくは方法ステップc)で、少なくとも一つのゲート絶縁保護層が無機材料から形成または取り付けされる。とりわけ方法ステップc)で形成または取り付けされたすべてのゲート絶縁保護層は無機材料からなる。
【0027】
方法の別の実施形態の枠内では、方法ステップc)で、導電材料からなる少なくとも一つのゲート絶縁保護層が形成または取り付けされる。このことは、方法ステップd0)で、とりわけ導電性材料からなるゲート絶縁保護層を検査針/プローブ針と電気接続し、容量性電圧測定(C−V測定)または電流強度電圧測定(I−V測定)を実施することにより、ゲート絶縁層の完全性を検査することができるという利点を有する。
【0028】
すでに説明したように、方法ステップc)とd)の間の方法は、少なくとも一つの方法ステップd0):すなわち、方法ステップc)のさらなるプロセス、とりわけさらなる処理を含むことができ、ゲート絶縁層が方法ステップd0)では、ゲート絶縁保護層の少なくとも一部によって覆われたままである。ゲート絶縁保護層を方法ステップd0)で、ゲート絶縁保護層の少なくとも一部によって覆われたままにすることにより、有利には方法ステップd0)による影響または損傷が回避され、または十分に厚い絶縁層を有する領域および/または重要な電気機能を備えない領域に制限することができる。
【0029】
本方法のさらなる実施形態の枠内で、方法ステップc)と方法ステップd)との間の方法は、
・ゲート絶縁保護層を部分的に除去することによる構造化、とりわけ側方構造化するステップ;
・金属/導電性層、電気絶縁性層、および/または不動態化層である一つまたは複数の別の層を、電気接点、導電路、絶縁層、および/または保護層の形成のために形成/付与するステップ;
・たとえばゲート絶縁保護層、金属/導電性層、電気絶縁性層、および/または不動態化層である形成または取り付けした一つまたは複数の層を、電気接点、導電路、絶縁層、および/または保護層の形成のために部分的に除去することによって構造化するステップ;
・導電性のゲート絶縁保護層を検査針/プローブ針と電気接続し、容量性電圧測定(C−V測定)または電流強度電圧測定(I−V測定)を実施することにより、ゲート絶縁層の完全性を検査するステップ;
・得られた構成体を、切り出しによって個別化するステップ;
・得られた構成体を搬送するステップ;
からなる群から選択される一つまたは複数の方法ステップd0)、およびそれらの組合せを含み、このときゲート絶縁層は、ゲート絶縁保護層の少なくとも一部によって覆われたままである。
【0030】
方法ステップd0)の枠内で、多数の異なる技術、たとえば被覆技術、エッチング技術、搬送技術、リソグラフ技術、およぶ分離技術を適用することができる。
【0031】
構造化は方法ステップd0)で、とりわけ湿式化学的エッチングまたは乾式エッチングまたは物理的切削法、たとえばバックスパッタリング、イオンビームエッチングIBEまたは反応イオンビームエッチングRIBEによって行うことができる。ここでゲート絶縁保護層および/または形成または取り付けされた他の層を、二つ以上の方法ステップd0)で構造化し、とりわけそれぞれ部分的に除去することができる。
【0032】
ここで切削は好ましくは、スペクトロスコープ測定(光学的エミション)またはスペクトロメトリ測定(分光計を介して)によって監視される。ここで前もって検知された特定の切削構成部分の欠陥は、切削開始からの所定の時間信号と組み合わせて切削法のための停止信号として使用することができる。露出した層が十分な層厚を有している場合、この層の切削構成部分の出現を、切削法のための停止信号として使用することができる。このようにして、切削法を停止する際には、露出した層の材料、たとえばゲート絶縁層が、切削すべき層を一切残さずに存在する。
【0033】
ゲート絶縁保護層を構造化する方法ステップd0)の後で、一つまたは複数の別の層を、たとえば物理蒸着(PVD、physical vapour deposition)、たとえばスパッタリング、または反応スパッタリング、または化学気相成長(CVD、chemical vapour deposition)、たとえば低圧化学気相成長(LPCVD、low pressure chemical vapour deposition)、またはプラズマCVD(PECVD、plasma enhanced chemical vapour deposition)またはアトミックレイヤーデポジション(ALD、atomic layer deposition)、またはこれら方法の組合せによって形成または取り付けることができる。これらの層は場合により、ゲート絶縁保護層を補強するように取り付けることができる。
【0034】
たとえば一つまたは複数の金属層を、導体路および/または電気接点の形成のために取り付けることができる。たとえば一つまたは複数の層、とりわけ導体路を、金属または金属混合物、とりわけ二基または三基金属混合物から形成することができ、これらの混合物は、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、タンタル、パラジウム、イリジウム、およびそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも一つの金属と、場合により追加でクロム、コバルト、銅、チタン、金、ケイ素、銀、タングステン、ジルコニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも一つの金属を含むことができる。とりわけ導体路の機能を備える金属層は、金属混合物の全重量を基準にして30重量%までのプラチナと、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、タンタル、チタン、パラジウム、イリジウム、およびそれらの混合物からなる群から選択された一つ以上の金属を含む金属混合物から形成することができる。金属層、とりわけ導体路は、10nm以上、10μm以下の範囲、たとえば50nm以上、500nm以下の範囲の層厚dLで形成または取り付けることができる。
【0035】
本方法の別の実施形態の枠内で、ゲート絶縁保護層は方法ステップd0)で、以降に形成または取り付けされる層、たとえば金属層のためのマーキングとして用いられるように構造化される。この種のマーキングにより、有利には以降に取り付けされる層のエッジを修正し、後の使用のために適合することができる。ここでゲート絶縁保護層は、場合により複数回、マーキングとして使用することができ、最終的なマーキングの後で初めて、ゲート絶縁保護層だけが残りのプロセス中に保護されたままであるよう除去することができる。ここでゲート絶縁保護層が複数ある場合、所期のようにマーキングすべき層の下に個々のゲート絶縁保護層を残すこともできる。
【0036】
方法ステップd)でのゲート絶縁保護層の除去は、二つ以上の部分的除去方法ステップを含むことができる。
【0037】
本方法の別の実施形態の枠内では、方法ステップd)でのゲート絶縁保護層の除去が乾式エッチングまたは湿式化学的エッチングによって行われる。とりわけ方法ステップd)でのゲート絶縁保護層の除去は、湿式化学的エッチングによって行われる。なぜなら湿式化学的エッチングはゲート絶縁層に対して高い選択性を備えるからである。
【0038】
本方法の別の実施形態の枠内では、方法ステップe)が方法ステップd)に(直接)続いて行われる。
【0039】
方法ステップe)では、ゲート電極層が、ゲート絶縁層の少なくとも一部および/またはゲート絶縁保護層の残った部分の少なくとも一部の上に形成または取り付けされる。さらにゲート電極層を、フィールド絶縁層の少なくとも一部および/または導体路の少なくとも一部の上に形成または取り付けることができる。好ましくはゲート電極層は導電性材料から作製される。とりわけゲート電極層は、金属、金属混合物、合金、またはセラミック金属混合物、たとえばプラチナ・ロジウム混合物から作製することができる。
【0040】
方法ステップe)でのゲート電極層(検知層)の取付けは、湿式被覆法によって行うことができる。ゲート絶縁保護層の除去後には、規定の表面特性が存在するから、湿式被覆の場合には付加的なクリーニングステップなしでも規定の濡れ特性が得られる。
【0041】
とりわけ基板層は、バンドギャップの広い半導体材料(ワイドバンドギャップ半導体)、たとえば炭化ケイ素から作製することができる。「バンドギャップの広い半導体材料」とは、本発明では、そのバンドギャップが1eVより大きい、たとえば2eV以上である半導体材料である。
【0042】
さらに本方法は、フィールド絶縁層(フィールド酸化物、FOX)を基板層に取り付ける方法ステップb0)を含むことができる。ここで方法ステップb0)は、方法ステップb)の前に、または方法ステップb)の後の方法ステップd0)で、または方法ステップb)と同時に行うことができる。
【0043】
たとえばまずフィールド絶縁層を方法ステップb0)で取り付け、場合により構造化し、その後にゲート絶縁層を方法ステップb)で取り付けることができる。ここでゲート絶縁層は、たとえばフィールド絶縁層領域の間の空き領域に取付けまたは成長させることができる。この順序は、フィールド絶縁層とゲート絶縁層が同じ材料から作製される場合に有利である。その代わりに、まずゲート絶縁層を方法ステップb)で取り付け、場合により構造化し、その後にフィールド絶縁層を方法ステップb0)で取り付けることもできる。ここでゲート絶縁層は、面を覆うように取付けまたは成長させることができる。この順序は、フィールド絶縁層とゲート絶縁層が異なる材料から作製される場合に有利である。ゲート絶縁層がフィールド絶縁層の前に取り付けされる場合、ゲート絶縁保護層を、フィールド絶縁層に対するマスクとして用いることができる。方法ステップc)では、ゲート絶縁保護層を部分的にまたは完全に、フィールド酸化層の上に取り付けることができる。
【0044】
ゲート絶縁層は、方法ステップb)でとりわけ平坦に、または完全に平坦に形成することができる。ゲート絶縁層はとりわけ酸化層とすることができる。たとえばゲート絶縁層は、二酸化ケイ素から作製することができる。方法ステップb)でのゲート絶縁層の取付けは、たとえば半導体材料の熱的酸化によって行うことができる。ここでゲート絶縁層は、フィールド絶縁層と同じ材料または異なる材料から作製することができる。たとえばフィールド絶縁層とゲート絶縁層とは二酸化ケイ素から作製することができる。これは、高温酸化物(HTO)がフィールド酸化物として堆積された後に、ケイ素含有ウェハ、たとえば炭化ケイ素ウェハを熱的酸化処理することによって行うことができる。しかしここで、フィールド絶縁層および/またはゲート絶縁層は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)を使用しても取り付けることができる。その代わりフィールド絶縁層および/またはゲート絶縁層を、ケイ酸塩ハフニウムから作製することもできる。
【0045】
本発明のさらなる対象は、本発明の方法によって作製される、ガスセンサ用の化学的感受性電界効果トランジスタである。
【0046】
本発明のさらなる対象は、本発明の方法によって作製される、ガスセンサ用の化学感受性電界効果トランジスタであり、この電界効果トランジスタは、少なくとも一つの基板層、ゲート絶縁層、フィールド絶縁層(フィールド酸化物、FOX)、導体路、およびゲート電極層(検知層)を含み、ゲート電極層は、ゲート絶縁層の少なくとも一部の上に配置されている。ここで本発明によれば、ゲート電極層が追加で、フィールド絶縁層の少なくとも一部および/または導体路の少なくとも一部の上に配置されている。この種の電界効果トランジスタは、有利には本発明の方法によって初めて作製することができる。さらなる利点および付加的な特徴に関しては、本発明の方法と関連して説明する利点および特徴を参照されたい。
【0047】
ここで、ゲート絶縁層および/またはゲート絶縁層は、基板層の上に配置することができる。フィールド絶縁層およびゲート絶縁層は互いに接し、および/または互いに重なる。たとえばフィールド絶縁層の少なくとも一部はゲート絶縁層の少なくとも一部の上に、またはゲート絶縁層の少なくとも一部はフィールド絶縁層の少なくとも一部の上に配置することができる。またはゲート絶縁層は、フィールド絶縁層の間の空き領域に取り付けることができる。導体路は、フィールド絶縁層の上に配置することができる。
【0048】
とりわけ基板層は、バンドギャップの広い半導体材料(ワイドバンドギャップ半導体)、たとえば炭化ケイ素(SiC)から作製することができる。基板層は、この種のウェハであって良い。
【0049】
フィールド絶縁層およびゲート絶縁層は、同じ材料または異なる材料から作製することができる。たとえばフィールド絶縁層およびゲート絶縁層は、互いに依存せずに、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびそれらの混合物の酸化物、窒化物、およびのケイ酸塩、たとえば二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩ジルコニウム、酸化ハフニウム、ハフニウムケイ酸塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される誘電材料から作製することができる。場合によりフィールド絶縁層とゲート絶縁層の両方を、酸化物、とりわけ二酸化ケイ素から作製することができる。
【0050】
ゲート絶縁層は、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびそれらの混合物の酸化物、窒化物、およびのケイ酸塩、たとえば二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩ジルコニウム、酸化ハフニウム、ハフニウムケイ酸塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される異なる材料からなる二つ以上の層を有することができる。
【0051】
たとえば導体路は、金属または金属混合物、とりわけ二基または三基金属混合物から形成することができ、これらの混合物は、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、タンタル、パラジウム、イリジウム、およびそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも一つの金属と、場合により追加でクロム、コバルト、銅、チタン、金、ケイ素、銀、タングステン、ジルコニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択された少なくとも一つの金属を含む。とりわけ導体路は、金属混合物の全重量を基準にして30重量%までのプラチナと、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、タンタル、チタン、パラジウム、イリジウム、およびそれらの混合物からなる群から選択された一つ以上の金属を含む金属混合物から作製することができる。導体路はたとえば層厚dLが、10nm以上、10μm以下、たとえば50nm以上、500nm以下の範囲にある。
【0052】
好ましくはゲート電極層は導電性材料から作製される。とりわけゲート電極層は、金属、金属混合物、合金、またはセラミック金属混合物、たとえばプラチナ・ロジウム混合物から作製することができる。
【0053】
さらに電界効果トランジスタは、一つの保護層または二つ以上、とりわけ三つ以上の保護層からなる保護層系を含むことができる。たとえば電界効果トランジスタは、ベース層と、カバー層と、場合によりベース層とカバー層の間に配置された少なくとも一つの中間層とを含むことができる。これをたとえば、基板層および/またはフィールド絶縁層および/またはゲート絶縁層および/または導体路の少なくとも一部の上に配置することができる。とりわけ保護層または保護層系は、ゲート電極層に接することができる。
【0054】
「層系」とは、本発明の趣旨で、異なる材料からなる三つ以上の順次配置された層の系であると理解することができる。ここで「ベース層」とは、覆われた層に当接する層系の層であり、「カバー層」とは、覆われた層の反対側の層または層系の最外/最上の層である。
【0055】
たとえば電界効果トランジスタは、
・ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびそれらの混合物の酸化物、窒化物、およびのケイ酸塩、たとえば二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩ジルコニウム、酸化ハフニウム、ハフニウムケイ酸塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される誘電材料からなるベース層、および/または
・とりわけ炭化ケイ素、たとえば非結晶炭化ケイ素または多結晶炭化ケイ素、とりわけ導電性の低い炭化ケイ素および/または浸炭窒化ケイ素を含むか、またはそれからなる耐化学性材料からなるカバー層、および/または
・ケイ素(Si)、ホウ素(B)、炭素(C)および窒素(N)からなる混合物、および/またはSiAlONとも称される、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、酸素(O)および窒素(N)の混合物、および/またはケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウムおよびそれらの混合物、たとえば酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸塩ジルコニウム、酸化ハフニウム、ケイ酸塩ハフニウムおよびそれらの組合せからなる群から選択された材料である誘電性材料および/または自己不動態化材料を含む中間層、またはそれからなる中間層を備える保護層系を含むことができる。
【0056】
ここでベース層の層厚d1Bは、3nm以上、300nm以下であり、および/またはカバー層の層厚d1Dは100nm以上、300nm以下であり、および/または中間層(全体)の層厚d1Zは100nm以上、300nm以下である。全体でこの層系の全体層厚d1は、10≧nmから≦10μmの範囲、とりわけ50≧nmから≦1000nmの範囲、たとえば≧50nmから≦500nmの範囲とすることができる。この種の保護層系は、フィールド絶縁層および/またはゲート絶縁層および/または導体路の少なくとも一部の上に配置することができる。
【0057】
その代わりにまたはそれに加えて、電界効果トランジスタは、拡散阻止された材料、とりわけ窒化チタンおよび/または窒化タンタルを含むか、それらからなる材料からなるベース層を備える(導体路)保護層、および/またはチタン、ケイ素、タンタルおよび/またはニオブ、とりわけチタンおよび/またはケイ素を含むか、それからなり、酸化保護層を形成する材料から作製された中間層、および/または酸化チタン、酸化ケイ素、酸化タンタルおよび/または酸化ニオブ、とりわけ酸化チタンおよび/または酸化ケイ素を含むか、それからなる酸化材料から作製されたカバー層を有することができる。ここでベース層は、5nm以上、50nm以下の範囲の層厚d2Bを有することができ、および/またはカバー層は全体で5nm以上、50nm以下の層厚d2ZDを有することができる。全体としてこの層系の全体層厚d2は、10nm以上、200μm以下、たとえば10nm以上、100nm以下の範囲にある。この種の保護層系はとりわけ、導体路の少なくとも一部の上に配置することができる。
【0058】
さらに本発明の対象は、本発明により作製された電界効果トランジスタおよび/または排気ガス、とりわけ窒素酸化物を、たとえばオンボード診断(OBD)の枠内で検知および/または分析するための本発明により作製された電界効果トランジスタの使用法に関する。
【0059】
本発明の対象のさらなる利点および有利な構成が図面によって示されており、以下の明細書で説明する。ここで図面は説明のための性質のみを有し、本発明をいずれかの形で限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の方法および電界効果トランジスタの実施形態を示す、縮尺通りではない概略的断面図である。
【図2】本発明の方法および電界効果トランジスタの別の実施形態を示す、縮尺通りではない概略的断面図である。
【図3】本発明の方法および電界効果トランジスタの別の実施形態を示す、縮尺通りではない概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1aは、方法のこの実施形態の枠内での方法ステップa)で、基板層1が半導体材料から作製され、この基板層に方法ステップb0)でまずフィールド絶縁層4が形成され、構造化され、続いて二つのフィールド絶縁層領域4の間の空き領域に方法ステップb)でゲート絶縁層2が形成された様子を示す。
【0062】
図1bは、方法ステップc)でゲート絶縁保護層3がゲート絶縁層2の上に、そしてこれに隣接してフィールド絶縁層領域4が形成された様子を示す。
【0063】
図1cは、方法ステップc)に続く方法ステップd0)で、金属層5がフィールド絶縁層領域4の上に形成された様子を示す。この金属層5は、ゲート絶縁保護層3に隣接しており、導体路として用いられる。
【0064】
図1dは、方法ステップd)の方法ステップd0)後に、ゲート絶縁保護層3が完全に除去された様子を示す。
【0065】
図1eは、方法ステップd)に直接続いて、ゲート電極層6がゲート絶縁層2の上に形成された様子を示す。ゲート電極層6は、フィールド絶縁層4の一部の上と、ゲート絶縁層2に隣接する導体路5の一部の上に付加的に配置されている。さらに図1eから、保護層7が、ゲート電極層6に隣接する導体路5の一部の上に形成されていることが分かる。
【0066】
図2は、本方法のこの実施形態の枠内で、同様に方法ステップa)で、半導体材料からなる基板層1が準備され、この基板層の上に方法ステップb0)およびb)でフィールド絶縁層4およびゲート絶縁層2が形成された様子を示す。図1aから1dに示した実施形態とは異なり、この実施形態の方法ステップc)では、異なる材料からなる三つのゲート絶縁保護層3’、3"、3"’がゲート絶縁層2とこれに隣接するフィールド絶縁層領域4の上に形成されており、方法ステップd)では上記二つのゲート絶縁保護層3"、3"’だけが完全に除去されてる。以降の方法ステップe)では、残ったゲート絶縁保護層3’の上にゲート電極層(図示せず)が形成され、残ったゲート絶縁保護層3’は補強されたゲート絶縁層として機能する。
【0067】
図3aは、本方法のこの実施形態の枠内で、同様に方法ステップa)で、半導体材料からなる基板層1が準備され、この基板層の上に方法ステップb0)およびb)でフィールド絶縁層4およびゲート絶縁層2が形成され、それらの上に方法ステップc)でさらにゲート絶縁保護層3が全面に取付された様子を示す。図1aから1dおよび図2に示した実施形態とは異なり、この実施形態の第1の方法ステップd0)ではゲート絶縁保護層3が部分的に除去されている。
【0068】
図3bは、第1の金属層8がコンタクト面の形成のために全面で取付された第2の方法ステップd0)で、ゲート絶縁保護層3がマスキングとして用いられる様子を示す。図3bはさらに、第3の方法ステップd0)に続いて、ゲート絶縁保護層3と第1の金属層8が部分的に除去された様子を示す。さらに図3bは、取り付けされた第1の金属層8が、ここではゲート絶縁保護層3の残った領域を補強していることを示す。
【0069】
図3cは、導体路を形成するための第4の方法ステップd0)で、第2の金属層5が全面に取付された様子を示す。この第2の金属層5も同様に、ゲート絶縁保護層3の残った領域を補強する。ここでは部分的に除去されたゲート絶縁保護層3が、新たにマスキングとして用いられる。
【0070】
図3dは、第5の方法ステップd0)で、ゲート絶縁保護層3、金属層8、および金属層5が部分的に除去された様子を示す。図3dは、ゲート絶縁保護層3による切削が、十分な層厚を有するフィールド絶縁層4の領域に制限された様子を示す。引き続く、図示しない方法ステップd)で、ゲート絶縁保護層3を、その上に配置された金属層8,5とともに、たとえばリフトオフ法によって除去することができる。このリフトオフ法では、ゲート絶縁保護層3がたとえば湿式化学的に溶解または剥離される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
とりわけガスセンサ用の化学的感受性電界効果トランジスタである電界効果トランジスタの製造方法であって、
a)半導体材料からなる基板層(1)を準備するステップと、
b)ゲート絶縁層(2)を基板層(1)の上に形成するステップと、
c)少なくとも一つのゲート絶縁保護層(3,3’、3"、3"’)をゲート絶縁層(2)の上に形成するステップと、
d)ゲート絶縁保護層(3,3’、3"、3"’)を完全にまたは部分的に除去するステップと、
e)ゲート電極層(6)をゲート絶縁層(2)の上に、またはゲート絶縁保護層(3,3’、3"、3"’)の残った部分の上に形成するステップと、を含む製造方法。
【請求項2】
前記方法ステップc)において、異なる材料からなる二つ以上のゲート絶縁保護層(3,3’、3"、3"’)を順番に形成しまたは取り付ける、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法ステップc)において、物理的切削法または乾式エッチングに対して耐性のある材料、たとえば炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタンまたは浸炭窒化ケイ素からゲート絶縁保護層(3"’)を形成または取付る前に、湿式化学的エッチングによって溶解または剥離可能な材料、たとえば金属アルミニウムまたはニッケルからゲート絶縁保護層(3")を形成しまたは取付る、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法ステップc)において、二つ以上のゲート絶縁保護層(3,3’、3"、3"’)を順番に形成しまたは取り付け、該ゲート絶縁保護層は、
・ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびそれらの混合物の酸化物、窒化物、およびのケイ酸塩、たとえば二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムケイ酸塩、酸化ハフニウム、ハフニウムケイ酸塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される材料、および/または
・ケイ素、ホウ素、炭化物および窒化物の混合物、および/または
・ケイ素、アルミニウム、酸素および窒素の混合物、および/または
・アルミニウムおよび/またはニッケル、および/または
・ケイ素および/またはチタンおよび/またはタンタルおよび/またはニオブ、および/または
・浸炭窒化ケイ素、および/または
・炭化ケイ素、および/または
・酸化ケイ素および/または酸化チタン、および/または
・有機材料、を含むことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法ステップc)において、ゲート絶縁保護層(3’)がゲート絶縁保護材料から形成される、ことを特徴とする請求項2から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法ステップc)において、少なくとも一つのゲート絶縁保護層(3"’)が導電性材料から形成される、ことを特徴とする請求項2から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
方法ステップc)と方法ステップd)との間に、以下の群から選択された一つ以上の方法ステップd0)
・ゲート絶縁保護層(3,3’、3"、3"’)を構造化するステップ、
・一つ以上の別の層(4,5,6,7,8)を、とりわけ電気接点、導体路、絶縁層および/または保護層を形成するために形成するステップ、
・形成された一つ以上の層(2,3,3’、3"、3"’、4,5,6,7,8)を、とりわけ電気接点、導体路、絶縁層および/または保護層を形成するために構造化するステップ、
・ゲート絶縁層(2)の完全性を、とりわけ導電性ゲート絶縁保護層(3"’)の電気接点によって検査するステップ、
・得られた構成体(1,2,3,3’、3"、3"’、4,5,6,7,8)を個別化するステップ、
・得られた構成体(1,2,3,3’、3"、3"’、4,5,6,7,8)を搬送するステップ、
・そしてそれらを組合せ、このときゲート絶縁層(2)は、ゲート絶縁保護層(3,3’、3"、3"’)の少なくとも一部によって覆われたままとするステップ、
を含む、ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ゲート絶縁保護層(3)は前記方法ステップd0)において、後で形成される層(4,5,6,7,8)に対してマスキングとして用いられるように構造化される、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法ステップd0)において、乾式エッチングまたは湿式化学的エッチングによってゲート絶縁保護層(3)を除去する、ことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法ステップe)を、前記方法ステップd)に続いて実施する、ことを特徴とする請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法によって作製された、ガスセンサ用の化学感受性電界効果トランジスタ。
【請求項12】
本発明の方法によって製造された、とりわけガスセンサ用の化学感受性電界効果トランジスタであって、
・半導体材料からなる基板層(1)、
・ゲート絶縁層(2)、
・フィールド絶縁層(4)、
・導体路(5)、
・ゲート電極層(6)、
の少なくとも一つを含み、
ゲート電極層(6)は、ゲート絶縁層(2)の少なくとも一部の上に配置されている電界効果トランジスタにおいて、
ゲート電極層(6)が追加で、フィールド絶縁層(4)の少なくとも一部および/または導体路(5)の少なくとも一部の上に配置されている、ことを特徴とする電界効果トランジスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−18166(P2012−18166A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151588(P2011−151588)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】