説明

化粧料用複合粒子

【課題】 酸化亜鉛の溶出を抑制し、耐油性に優れ、良好な配合安定性を有する化粧料用複合粒子及びその製法、並びにそれを含有する化粧料の提供。
【解決手段】 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による測定で、分子量500以下の割合が5面積%以下であるポリオレフィン系樹脂と、酸化亜鉛を含む化粧料用複合粒子、GPC法による測定で、分子量500以下の割合が5面積%以下であるポリオレフィン系樹脂と、酸化亜鉛を加熱混合後、気相中に噴霧固化して得られる化粧料用複合粒子、及びその製法、並びにこの複合粒子を含有する化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料用複合粒子及びその製法、並びにそれを含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から太陽光に含まれる紫外線の人体に対する有害性が指摘されており、特に近年、オゾン層が一部、破壊されていることによって、地表に到達する紫外線量の増加が問題とされている。そのため紫外線防御用の化粧料の需要が高まっており、その製剤化が行われている。
【0003】
油系ベース製剤(W/O型)では、紫外線防御剤として、無機系の紫外線防御粉体(酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムなど)を多量配合している。そのため、紫外線防御効果は高い。しかし、油性感があるため、発汗後にべたつき感が残る。
【0004】
一方、水系ベース製剤(O/W型)では、有機系の紫外線吸収剤を使用しており、さっぱり感はあるものの、紫外線防御能としての耐久性に乏しく、また皮膚への刺激性が懸念される事があり、配合量には上限が設けられている。そのため、紫外線防御効果は、W/O型よりも低く、O/W型で紫外線防御効果のある製剤化が求められている。
【0005】
特に紫外線防御粉体として用いられる酸化亜鉛は、水に微量溶解する性質があり、溶出した亜鉛イオンが化粧品分野で収斂剤/皮脂凝固剤として利用されている。しかし、これらの生理活性と化学反応性は、酸化亜鉛を超微粒子化することによって一層強くなる傾向にあり、今後、皮膚組織に対する安全性がより求められた場合や、製剤の安定性を考慮すると、酸化亜鉛の溶出を抑制する必要がある。また、処方中に油剤なども含まれるため、耐油性に優れる粒子が望まれている。
【0006】
そこで、紫外線防御効果のある無機粒子の表面処理又はコーティングや、複合化が行われたが、表面処理又はコーティングによる方法では、微粒子が凝集して表面処理/コーティングされるため、紫外線防御効果が低減する。
【0007】
また、特許文献1には、酸化亜鉛粒子の表面にケイ素酸化物からなる高密度の被覆層を設けることによって、純水への溶解度を抑制する技術が開示されているが、この特許文献の実施例中にも示されているとおり室温7日間保存品においてわずかながら粘度の低下が見られる。
【0008】
特許文献2には、酸化亜鉛を分散させたモノマー相を懸濁重合もしくは乳化重合法で複合化した粒子が開示されている。しかし、重合に伴う相変化よって、粒子内部の酸化亜鉛が均一に分散されていないため、紫外線防御効果が低減し、更に、加水分解が起こりやすく、酸化亜鉛の溶出抑制は不十分である。
【特許文献1】特開平11−302015号公報
【特許文献2】特開平8−53568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1における粘度の低下は、酸化亜鉛が水中に溶解するために起きるものと推定される。
本発明の課題は、O/W型化粧料での酸化亜鉛の問題点を解決し、酸化亜鉛の溶出を抑制し、耐油性に優れ、良好な配合安定性を有する化粧料用複合粒子及びその製法、並びにそれを含有する化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による測定で、分子量500以下の割合が5面積%以下であるポリオレフィン系樹脂と、酸化亜鉛を含む化粧料用複合粒子、GPC法による測定で、分子量500以下の割合が5面積%以下であるポリオレフィン系樹脂と、酸化亜鉛を加熱混合後、気相中に噴霧固化して得られる化粧料用複合粒子、及びその製法、並びにこの複合粒子を含有する化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の複合粒子は、耐油性に優れ、O/W型化粧料中での酸化亜鉛の溶出を抑制して安定に配合することができ、紫外線遮蔽用化粧料に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[ポリオレフィン系樹脂]
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂は、耐油性に優れた粒子を得る観点から、GPC法による測定で、分子量500以下の割合が5面積%以下であり、3面積%以下が好ましく、2面積%以下が更に好ましい。
【0013】
尚、本明細書において、原料ポリオレフィン系樹脂、及び複合粒子中のポリオレフィン系樹脂の分子量500以下の割合は、GPC測定装置(Waters Alliance GPCV 2000、Waters社製)を用い、標準試料としてポリスチレンを用い、以下の条件でポリスチレン換算分子量分布を測定することにより求める。
【0014】
測定条件:
展開溶媒:オルトジクロロベンゼン
カラム:Styragel HT6E×2本+Styragel HT3×1本(カラムサイズ 4.6×300mm);Waters社製
試料濃度:0.1mg/mL
検出器:示差屈折率検出器
測定温度:140℃。
【0015】
また、本発明のポリオレフィン系樹脂の数平均分子量は、耐油性に優れた粒子を得る観点から、750以上が好ましく、900以上が特に好ましい。また製造時のノズル詰まりを抑制する観点から、100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましく、10,000以下が特に好ましい。
【0016】
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ−1−ブテン、ポリメチルペンテン、ポリメチルブテン、ポリブタジエン等のオレフィン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体等のオレフィン共重合体等が挙げられる。また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素原子を有するポリオレフィンも用いることができる。これらのポリオレフィン系樹脂の中では、ポリエチレンが特に好ましい。また、変性を加えたポリオレフィンや、ポリオレフィン混合物であっても良い。酸化亜鉛と非相溶の場合は、相溶化剤を用いて両方を分散化することが好ましい。
【0017】
[酸化亜鉛]
本発明に用いられる酸化亜鉛としては、粒径0.1μm以下の酸化亜鉛が、紫外線遮蔽性を得る観点から好ましい。また、表面を予め疎水化処理した酸化亜鉛を用いると、ポリオレフィン系樹脂との混練性を高めることが出来るため好ましい。酸化亜鉛の表面疎水化処理剤としては、シリコーン油、脂肪酸金属塩、アルキルリン酸、アルキルリン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩、フッ素化合物などが挙げられる。また、金属酸化物を同時に複数組み合わせて用いても良い。
【0018】
[複合粒子]
本発明の複合粒子は、酸化亜鉛と、上記のような特定のポリオレフィン系樹脂を主成分とするもので、本発明の効果を損なわない限り、その他の成分、例えば無機及び有機顔料、有機染料等の色材、界面活性剤、シリコーン化合物あるいは酸化防止剤等を含有しても良い。
【0019】
複合粒子中のポリオレフィン系樹脂と酸化亜鉛の割合は、後述する製法への適性と紫外線遮蔽効果の観点から、ポリオレフィン系樹脂/酸化亜鉛(重量比)が、99/1〜20/80が好ましく、90/10〜30/70が更に好ましく、80/20〜40/60が特に好ましい。
【0020】
本発明の複合粒子の体積平均粒径は、ざらつき感やきしみ感を抑制する観点から、0.5〜30μmが好ましく、2〜10μmが更に好ましい。
ここで体積平均粒径は、コールターカウンター(装置名:ベックマンコールター社製,LS−230)を用いて、エタノール中で測定した値である。
【0021】
本発明の複合粒子は、良好な耐油性を得る観点から、下記式(I)で表される、ポリオレフィン系樹脂の溶出率Xが5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることが更に好ましい。
【0022】
X(%)=W1/W0×100 (I)
(式中、Xはポリオレフィン系樹脂の溶出率、W0は保存前の複合粒子内の全ポリオレフィン系樹脂重量、W1は複合粒子をヘキサン中で50℃、20時間保存後に溶出したポリオレフィン系樹脂重量を示す。)
尚、本明細書において、ポリオレフィン系樹脂の溶出率Xは、以下の方法で測定される。
【0023】
<溶出率Xの測定法>
ヘキサン20mL(13.2g)に複合粒子3.0gを加え、50℃にて20時間静置する。その後、孔径0.5μmのメンブレンフィルター(PTFE製)で濾過し、濾液を得る。この濾液試料約1gを取り、150℃で5分間乾燥させた後の残分の重量より濾液試料中のポリオレフィン系樹脂の重量を求め、換算によりヘキサン20mLに溶出したポリオレフィン系樹脂重量(W1)を求める。上記式(I)で表される、複合粒子内の全ポリオレフィン系樹脂重量(W0)に対する溶出したポリオレフィン系樹脂重量(W1)をもって、ポリオレフィン系樹脂の溶出率Xとする。
【0024】
[複合粒子の製法]
本発明の複合粒子の製法としては、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂と酸化亜鉛を加熱混合後、気相中に噴霧固化する方法が好ましい。ポリオレフィン系樹脂と酸化亜鉛との混合は、ポリオレフィン系樹脂の軟化温度(又は融点)以上でも以下でも良いが、以下が好ましい。この時のポリオレフィン系樹脂と酸化亜鉛の配合割合は、噴霧時のノズル詰まりの防止及び良好な紫外線遮蔽効果を得る観点から、ポリオレフィン系樹脂/酸化亜鉛の重量比で、99/1〜20/80が好ましく、90/10〜30/70が更に好ましく、80/20〜40/60が特に好ましい。混合は、ポリオレフィン系樹脂中に酸化亜鉛を一次粒子に近い状態で分散するように混練することが、優れた紫外線遮蔽性を得るために望ましい。混練に用いられる機器としては、ロールミル、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機(エクストルーダー)等が挙げられる。
【0025】
ポリオレフィン系樹脂と酸化亜鉛を加熱混合後、気相中に噴霧固化する際には、ポリオレフィン系樹脂の軟化温度(又は融点)以上の温度で気相中に噴霧して冷却固化することが好ましく、このような方法で得られた複合粒子は、粒子表面にクラックや孔が生じにくく、酸化亜鉛と外界を遮蔽することが可能である。
【0026】
気相中への噴霧固化は、回転ディスクアトマイザーや、1流体又は2流体以上、好ましくは2流体以上、更に好ましくは3流体以上の複数流体ノズルを使用して、好ましくは5〜50℃の冷媒中に噴霧し、冷却固化する。この際、圧縮ガスと共に、冷媒中に噴霧することが好ましい。冷媒としては、特に気相が好ましい。流体として使用する圧縮ガスは、好ましくは9.8×104Pa以上、更に好ましくは9.8×104〜29.4×104Paの圧縮空気や圧縮窒素を用いることができる。この気体は、噴霧温度以上に加熱したものを使用することが、ノズル部での冷却によるつまりを防止し、連続的に粒子を製造できるため、好ましい。
【0027】
噴霧温度は、良好な噴霧性が得られる温度以上とすることが好ましく、噴霧温度が高い方が、被噴霧物の溶融粘度が下がり、良好な噴霧性が得られる。噴霧温度の上限は特に設けないが、ポリオレフィン系樹脂の熱分解点以下が好ましい。
【0028】
[化粧料]
本発明の化粧料中、本発明に係わる複合粒子の含有量は、その化粧料の目的に応じて適宜選択することができ、特に限定されるものではないが、0.1〜50重量%、特に1〜30重量%が好ましい。
【0029】
本発明の化粧料の形態は特に限定されず、油中水型又は水中油型の乳化化粧料、油性化粧料、スプレー化粧料、スティック状化粧料、水性化粧料、シート状化粧料、ゲル状化粧料等のいずれでもよい。また本発明の化粧料の種類も特に限定されず、例えばパック、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、ネイルエナメル、ローション、コールドクリーム、ハンドクリーム、皮膚洗浄剤、柔軟化化粧料、栄養化粧料、収斂化粧料、美白化粧料、シワ改善化粧料、老化防止化粧料、洗浄用化粧料、制汗剤、デオドラント剤等の皮膚化粧料;シャンプー、リンス、トリートメント、整髪剤、養毛剤等の毛髪化粧料が挙げられ、紫外線遮蔽効果、皮膚隠蔽効果を発揮させ得る化粧料が好ましく、メイクアップ化粧料、サンスクリーン化粧料、下地化粧料として用いられるものが更に好ましい。
【0030】
本発明の化粧料は、アルコールを含有することができる。アルコールとしては、エタノール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール等の炭素数1〜6の1価又は多価アルコールが挙げられ、中でも1価アルコール、特にエタノールが好ましい。アルコールの配合量は、本発明の化粧料中5〜30重量%が好ましく、また本発明に係わる複合粒子の1〜50重量倍とすることが特に好ましい。
【0031】
本発明の化粧料には、更に化粧料成分として一般に使用されているその他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で、上記化粧料の形態、種類等に応じて適宜配合することができる。
【0032】
かかる化粧料成分としては、例えばマイカ、タルク、セリサイト、カオリン、ナイロンパウダー、ポリメチルシルセスキオキサン、硫酸バリウム等の体質顔料;酸化チタン、亜鉛華、酸化鉄等の固形顔料;これら粉体をシリコーン処理、金属石鹸処理、N−アシルグルタミン酸処理等の表面疎水化処理した粉体;固体状又は液状のパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、セレシン、オゾケライト、モンタンろう等の炭化水素類;オリーブ、地ろう、カルナウバろう、ラノリン、鯨ろう等の植物性油脂、動物性油脂又はろう;ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、イソプロピルミリスチン酸エステル、イソプロピルステアリン酸エステル、ブチルステアリン酸エステル等の脂肪酸又はそのエステル類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、ヘキシルドデシルアルコール等の高級アルコール類;カチオン化セルロース、カルボキシベタイン型ポリマー、カチオン化シリコーン等の吸着又は増粘剤;グリコール、ソルビトール等の保湿作用を有する多価アルコール類;ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル変性シリコーン、グリセリルエーテル変性シリコーン等のシリコーン油用の乳化剤;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、トラガント、寒天、ゼラチン等の増粘剤;アルミニウムヒドロキシクロリド、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性臭化アルミニウム、アルミニウムフェノールスルホン酸、塩基性ヨウ化アルミニウム等の制汗剤;3,4,4−トリクロロカルバアニリド(TCC)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、レゾルシン、フェノール、ソルビン酸、サリチル酸、ヘキサクロロフェン等の殺菌剤;ジャ香、スカトール、レモンオイル、ラベンダーオイル、アブソリュート、ジャスミン、バニリン、ベンゾイン、ベンジルアセテート、メントール等のマスキング剤、その他、乳化安定剤、キレート剤、紫外線防御剤、pH調整剤、防腐剤、色素類、美白剤、鎮痛消炎剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、収斂剤、皮膚軟化剤、ホルモン剤等の薬効成分;水;界面活性剤;W/O又はO/W型乳化剤、香料等が挙げられる。
【実施例】
【0033】
例中の「%」、「部」は特に記載がない限り、それぞれ「重量%」、「重量部」である。
【0034】
実施例1
ポリオレフィン系樹脂(PW1000、ベーカー・ペトロライト社製、分子量1000、分子量500以下の割合:3.5面積%)70重量部、酸化亜鉛(FINEX-50S-LP2、堺化学(株)製、メチコン処理3%) 30重量部を、2軸押出機(エクストルーダー)で混練を行った。得られた混練物を150℃に溶融後、下記造粒条件で気相中に噴霧固化する事で、複合粒子を得た。得られた複合粒子に含まれるポリオレフィン系樹脂中の分子量500以下の割合は4.2面積%であった。
【0035】
<造粒条件>
ノズル:4流体ノズル ペンシル型ノズル(藤崎電機(株)製)
混練物温度:150℃
混練物送液量:5mL/分
アシストエア温度:500℃
アシストエア流量:60L/分
実施例2
ポリオレフィン系樹脂として、PW2000(ベーカー・ペトロライト社製、分子量2000、分子量500以下の割合:1.0面積%)70重量部を用いる以外は実施例1と同様にして、複合粒子を得た。
【0036】
比較例1
ポリオレフィン系樹脂として、SPRAY105(シューマン・サゾール社製、分子量1000、分子量500以下の割合:7.1面積%)70重量部を用いる以外は実施例1と同様にして、複合粒子を得た。
【0037】
比較例2
ポリオレフィン系樹脂として、HW100P(三井化学(株)製、分子量900)35重量部とHW220MP(三井化学(株)製、分子量2000)35重量部の混合物(分子量500以下の割合:16.4面積%)を用いる以外は実施例1と同様にして、複合粒子を得た。
【0038】
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた複合粒子の体積平均粒径、及びポリオレフィン系樹脂の溶出率Xを前記方法で測定した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
処方例1〜2及び比較処方例1〜2
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた複合粒子を用い、下記組成のO/W型ジェル化粧料を得た。得られた化粧料について、下記方法で50℃/20日間保存後の粘度変化率を測定した。結果を表2に示す。
【0041】
<O/W型ジェル化粧料組成>
実施例又は比較例で得られた複合粒子 7.0%
95度合成アルコール 41.5%
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 8.5%
カーボポールETD2020(BFGoodrich社製) 0.3%
アキュリン22(ROHM AND HASS COMPANY) 1.5%
化粧用濃グリセリン 0.5%
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.08%
エデト酸二ナトリウム 0.01%
精製水 残量。
【0042】
<粘度変化率の測定法>
ジェル化粧料の調製直後、及び50℃、20日間保存後の粘度をB型粘度計を用いて25℃で測定し、下記式(II)により粘度変化率を求めた。
【0043】
粘度変化率(%)=(η1−η2)/η1×100 (II)
(式中、η1はジェル化粧料の調製直後の粘度(mPa・s)、η2はジェル化粧料の50℃、20日間保存後の粘度(mPa・s)を示す。)
【0044】
【表2】

【0045】
表2から明らかなように、本発明の複合粒子を配合した化粧料は、粘度変化率が低く、配合安定性が良好であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による測定で、分子量500以下の割合が5面積%以下であるポリオレフィン系樹脂と、酸化亜鉛を含む化粧料用複合粒子。
【請求項2】
下記式(I)で表される、ポリオレフィン系樹脂の溶出率Xが5重量%以下である、請求項1記載の化粧料用複合粒子。
X(%)=W1/W0×100 (I)
(式中、Xはポリオレフィン系樹脂の溶出率、W0は保存前の複合粒子内の全ポリオレフィン系樹脂重量、W1は複合粒子をヘキサン中で50℃、20時間保存後に溶出したポリオレフィン系樹脂重量を示す。)
【請求項3】
GPC法による測定で、分子量500以下の割合が5面積%以下であるポリオレフィン系樹脂と、酸化亜鉛を加熱混合後、気相中に噴霧固化して得られる化粧料用複合粒子。
【請求項4】
請求項1〜3いずれかに記載の複合粒子を含有する化粧料。
【請求項5】
ポリオレフィン系樹脂と酸化亜鉛を加熱混合後、気相中に噴霧固化する、請求項1〜3いずれかに記載の化粧料用複合粒子の製造法。

【公開番号】特開2006−219437(P2006−219437A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−35444(P2005−35444)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】