説明

化粧料

【課題】従来の天然高融点ワックスを配合した化粧料において、淡色化、無香料化が難しく、成形性、保形成、離型性が悪いという問題を、天然高融点ワックスの持つ付着性、発色性、良好な使用感等の利点を損なわずに精製されたワックス及びそれを使用した化粧料の提供。
【解決手段】溶剤に溶解した後、吸着剤を充填した吸着塔に通液し、不純物を吸着除去し、溶剤を留去することにより得られる天然高融点ワックスを化粧料に特定量配合使用する。天然高融点ワックスの回収率が79.0%以下となるようにする事を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性固形化粧料、睫化粧料、毛髪化粧料等の化粧料に関するものであり、更に詳しくは、吸着精製された天然高融点ワックスを含有することにより、成形性、保形成に優れ、成型型や容器との離型性が良好で、付着性、発色性、及び使用感に優れた化粧料を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天然高融点ワックスを含有する様々な化粧料がある。代表的な天然高融点ワックスであるキャンデリラワックスを含有する化粧料は、キャンデリラワックス中の樹脂分及びエステル分に由来する艶や、顔料分散性、付着性、または、キャンデリラワックス中の炭化水素分及びエステル分による成形性を利用して、油性固形化粧料に多くの前例がある。また、キャンデリラワックスの持つ樹脂由来の接着力を利用した睫化粧料や毛髪化粧料の前例も多く知られている。キャンデリラワックスは脱色精製されたキャンデリラワックスの他、樹脂分を除去したキャンデリラワックス、炭化水素を65%重量以上含有するように精製加工されたキャンデリラワックス等がある。
【0003】
天然高融点ワックスとしては、キャンデリラワックス以外にカルナウバワックス、ライスワックス、ケーンワックス、木ロウがある。カルナウバワックスやライスワックスもエステル分や樹脂分に由来する艶や、顔料分散性、付着性、または、エステル分による成形性を利用して、油性固形化粧料、睫化粧料、毛髪化粧料に多くの前例がある。
【特許文献1】特開2000−327524
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のキャンデリラワックスは、色相が褐色から黄色であり、多量に配合すると化粧料が着色したり、特有の臭いを有するため、無香料化や低香料化がむずかしいという問題があった。また、経時で変臭するという問題が生じる欠点があった。また、樹脂分を除去した精製キャンデリラワックスの場合は、化粧料の皮膚や頭髪への付着性や、艶、顔料分散性が損なわれるという問題があった。また、炭化水素を65%重量以上含有するように精製加工されたキャンデリラ炭化水素ワックスの場合は、エステル分や樹脂分が本来のキャンデリラワックスに比べ明らかに少ないため、化粧料の皮膚や頭髪への付着性や、艶、顔料分散性製品が十分ではなく、また、液状油に対する成形性、個化性、形状保持性に著しく劣るため、他の炭化水素系ワックス類、エステルワックス類と併用しなくてはならないなどの使い難さがあった。
【0005】
従来のカルナウバワックスやライスワックスも色相が褐色から黄色であり、多量に配合すると化粧料が着色したり、特有の臭いを有するため、無香料化や低香料化がむずかしいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究の結果、天然高融点ワックスを吸着精製するとき、回収率を79.0%以下にする事により、天然高融点ワックスの特徴を損なうことなく急激に色素成分、におい成分、過酸化物、カルボニル化合物等の不純物を効果的に除去することが出来、上記課題を解決し得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、溶剤に溶解した後、吸着剤を充填した吸着塔に通液し、不純物を吸着除去し、溶剤を留去することにより得られる天然高融点ワックスの回収率を79.0%以下に調整し、この精製天然脳融点ワックスを0.1〜20%含有することを特徴とする化粧料である。精製に用いる溶剤としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、エタノール、イソプロパノール等が例示され、吸着剤としては、シリカゲル、珪酸マグネシウム、活性白土、ゼオライト、活性炭が例示される。
【0008】
すなわち、本発明は、天然高融点ワックスがキャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックスであることを特徴とする請求項2記載の化粧料である。
【発明の効果】
【0009】
以上詳述したごとく、本発明の化粧料は、淡色化、無香料化が可能で、成形性、保形成に優れ、成型型や容器との離型性が良好で、付着性、発色性、及び優れた使用感を有するという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に用いられるキャンデリラワックスは、一般的なキャンデリラワックスを、本発明者等が考案したカラムクロマトグラフ的手法(特開昭62−205005)による精製法で製造することができる。
【0011】
本発明の化粧料には上記した必須成分の他に、通常の化粧品、医薬品、医薬部外品に用いられる各種成分を適宜任意に配合することで、本発明に係る化粧料組成物を得ることができる。配合される各種成分としては、油脂類、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、ステロール、脂肪酸エステル、保湿剤、界面活性剤、高分子化合物、顔料、色素などを例示することができる。
【0012】
具体的には、油脂類として、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、牛脂、ゴマ油、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、ツバキ油、パーシック油、ヒマシ油、ブドウ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、卵黄油、モクロウ、ヤシ油、硬化油などを例示することができる。
【0013】
ロウ類としては、オレンジラフィー油、鯨ロウ、ホホバ油、モンタンロウ、ミツロウ、ラノリンなどの天然ワックス、他に、セレシン、オゾケライト等の鉱物系ワックス、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレン共重合体ワックス等の合成ワックスを例示することができ、炭化水素としては、流動パラフィン、ワセリン、スクワランなどを例示することができる。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸などを例示することができる。
【0014】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコールなどを例示することができる。ステロールとしては、コレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトステロールなどを例示することができる。脂肪酸エステルとしては、リノール酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソオクタン酸セチル、パルミチン酸セチル、トリミリスチン酸グリセリン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グルセリン、トリイソオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリルなどを例示することができる。
【0015】
保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸ナトリウムなどを例示することができる。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤を例示することができる。
【0016】
高分子化合物としては、アラビアゴム、トラガントゴム、グアガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼインなどの天然高分子化合物、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロースなどの半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、シリコーン油などの合成高分子化合物を例示することができる。
【0017】
顔料としては、酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、マンガンバイオレットなどの有色顔料、酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの体質顔料を例示することができる。色素としては、アゾ系色素、ニトロ系色素、ニトロソ系色素、キサンテン系色素、キノリン系色素、アントラキノン系色素、インジゴ系色素、トリフェニルメタン系色素などのタール色素を例示することができる。この他、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸亜鉛などの皮膚収斂剤、香料、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ホルモン類、ビタミン類、アミノ酸、発毛促進剤、美白剤、動植物抽出物、水、エタノール、プロパノールなどを適宜任意に配合することができる。
【0018】
本発明に係る組成物は、液状、固形状、ペースト状などの様々な形態の組成物に調製することができる。具体的には、ファンデーション、口紅、リップクリーム、リップグロス、頬紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、アイブロウライナーなどのメークアップ化粧品、ヘアクリーム、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアワックス、などの頭髪用化粧品を例示することができる。本発明に係る組成物中の天然高融点ワックスの含有量は、組成物の形態に応じて適宜任意に調整することができるが、通常の場合、0.01〜40重量%、好ましくは0.1〜20重量%とされる。尚、本発明に係る組成物は、薬事法にいう化粧料、医薬部外品、医薬品のどれに属していても良く、属していなくても人体の外用に使用される物全てを含む。
【0019】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
キャンデリラワックス 100gをn−ヘキサン400mlに溶解し、吸着剤としてシリカゲル450gを充填したカラムに通液した後、更にn−ヘキサン1000mlを通液する。これらの通過液からn−ヘキサンを蒸発留去して、精製キャンデリラワックス66gを得た。精製高融点ワックスの回収率は66.0%であった。
【実施例2】
【0021】
キャンデリラワックス 150gをn−ヘキサン300mlに溶解し、吸着剤としてシリカゲル450gを充填したカラムに通液した後、更にn−ヘキサン500mlを通液する。これらの通過液からn−ヘキサンを蒸発留去して、精製キャンデリラワックス109gを得た。精製高融点ワックスの回収率は72.7%であった。
【実施例3】
【0022】
キャンデリラワックス 180gをn−ヘキサン500mlに溶解し、吸着剤として活性アルミナ450gを充填したカラムに通液した後、更にn−ヘキサン1000mlを通液する。これらの通過液からn−ヘキサンを蒸発留去して、精製キャンデリラワックス142.0gを得た。精製高融点ワックスの回収率は78.9%であった。
(比較例1)
【0023】
キャンデリラワックス 200gをn−ヘキサン600mlに溶解し、吸着剤として活性アルミナ450gを充填したカラムに通液した後、更にn−ヘキサン1000mlを通液する。これらの通過液からn−ヘキサンを蒸発留去して、精製キャンデリラワックス159gを得た。精製高融点ワックスの回収率は79.5%であった。
(評価例1)
【0024】
評価例1 酸価、ケン化価、ヨウ素価、融点、外観
実施例1〜3、比較例1により得られた精製キャンデリラワックスの酸価、ケン化価、ヨウ素価、融点、及び外観色について、キャンデリラワックスと比較した。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】

【実施例4】
【0026】
カルナウバワックス2号 100gをn−ヘプタン300mlに溶解し、吸着剤としてシリカゲル450gを充填したカラムに通液した後、更にn−ヘキサン1000mlを通液する。これらの通過液からn−ヘプタンを蒸発留去して、精製カルナウバワックス55.6gを得た。精製高融点ワックスの回収率は55.6%であった。
【実施例5】
【0027】
カルナウバワックス2号 180gをn−ヘプタン400mlに溶解し、吸着剤としてシリカゲル450gを充填したカラムに通液した後、更にn−ヘキサン1000mlを通液する。これらの通過液からn−ヘプタンを蒸発留去して、精製カルナウバワックス142.8gを得た。精製高融点ワックスの回収率は78.8%であった。
(比較例2)
【0028】
カルナウバワックス1号 200gをn−ヘキサン600mlに溶解し、吸着剤として活性アルミナ450gを充填したカラムに通液した後、更にn−ヘキサン1000mlを通液する。これらの通過液からn−ヘキサンを蒸発留去して、精製カルナウバワックス159.5gを得た。精製高融点ワックスの回収率は79.8%であった。
(評価例2)
【0029】
評価例2 酸価、ケン化価、ヨウ素価、融点、外観
実施例4〜5により得られた精製カルナウバワックスの酸価、ケン化価、ヨウ素価、融点、及び外観色について、カルナウバワックスと比較した。その結果を表2に示す。
【0030】
【表2】

【実施例6】
【0031】
ライスワックス 150gをn−ヘプタン400mlに溶解し、吸着剤として活性アルミナ450gを充填したカラムに通液した後、更にn−ヘキサン1000mlを通液する。これらの通過液からn−ヘプタンを蒸発留去して、精製ライスワックス108gを得た。精製高融点ワックスの回収率は72.0%であった。
【実施例7】
【0032】
ライスワックス 180gをn−ヘプタン500mlに溶解し、吸着剤としてシリカゲル450gを充填したカラムに通液した後、更にn−ヘキサン1000mlを通液する。これらの通過液からn−ヘプタンを蒸発留去して、精製ライスワックス140.8gを得た。精製高融点ワックスの回収率は78.2%であった。
(比較例3)
【0033】
ライスワックス 200gをn−ヘキサン600mlに溶解し、吸着剤として活性アルミナ450gを充填したカラムに通液した後、更にn−ヘキサン1000mlを通液する。これらの通過液からn−ヘキサンを蒸発留去して、精製ライスワックス159.8gを得た。精製高融点ワックスの回収率は79.9%であった。
(評価例3)
【0034】
評価例3 酸価、ケン化価、ヨウ素価、融点、外観
実施例6〜7により得られた精製ライスワックスの酸価、ケン化価、ヨウ素価、融点、及び外観色について、ライスワックスと比較した。その結果を表3に示す。
【0035】
【表3】

【実施例8】
【0036】
下記表4に示す処方のスティック状口紅を調製し、折れ強度、離型性、使用感(塗りやすさ、付着性)及び、発色性について下記の方法により試験及び官能評価を行った。その結果も合わせて表4に示す。
【0037】
【表4】

【0038】
A.成分1.〜9.を加熱溶解し、均一に混合する。
B.Aに成分10.〜15.を加えて3本ロールミルで均一分散し、再加熱後、脱泡、充填、冷却成形し製品とする。
【0039】
折れ強度:レオメーターJ型(不動工業(株)製)により測定し、下記の基準により評価した。
<基準>
300g以上 ◎
250〜299g 〇
1〜249g △
離形成:流し込み型からの型離れ具合を肉眼で判定した。
◎:非常に良い 〇:良い △:悪い ×:非常に悪い
使用感(塗りやすさ、及び付着性):得られたスティック状口紅ついて、25名からなる女子パネルを対照とした使用テストにより、使用性(塗りやすさ、付着性)について、良いとした人数により、以下の基準に従い評価した。
<基準>
良いとした人数
20名以上: ◎
15〜19名: 〇
10〜14名: △
9名以下: ×
発色性: 得られた口紅について、25名からなる女子パネルを対照とした使用テストにより、発色性について、良いとした人数により、以下の基準に従い評価した。
<基準>
良いとした人数
20名以上: ◎
15〜19名: 〇
10〜14名: △
9名以下: ×
【0040】
表2から明らかな如く、本発明のスティック状口紅は、成形性、離型性に優れ、なお且つ使用性、発色性ついて良好であった。
【実施例9】
【0041】
表5に示す処方のスティック状ファンデーションを調製し、折れ強度、離型性、使用感(塗りやすさ、付着性)について下記の方法により試験及び官能評価を行った。その結果も合わせて表5に示す。
【0042】
【表5】

【0043】
A.成分1.〜8.を加熱溶解し、均一に混合する。
B.Aに成分9.〜12.を加えて3本ロールミルで均一分散し、脱泡、充填、冷却成形し製品とする。
【0044】
(試験法及び評価法)
折れ強度:レオメーターJ型(不動工業(株)製)により測定し、下記の基準により評価した。
<基準>
300g以上 ◎
250〜299g 〇
1〜249g △
離形成:流し込み型からの型離れ具合を肉眼で判定した。
◎:非常に良い 〇:良い △:悪い ×:非常に悪い
使用感(塗りやすさ、及び付着性):得られたスティック状ファンデーションついて、25名からなる女子パネルを対照とした使用テストにより、使用性(塗りやすさ、付着性)について、良いとした人数により、以下の基準に従い評価した。
<基準>
良いとした人数
20名以上: ◎
15〜19名: 〇
10〜14名: △
9名以下: ×
【0045】
表5から明らかな如く、本発明のスティックファン状デーションは、成形性、離型性に優れ、なお且つ使用性、発色性ついて良好であった。
【実施例10】
【0046】
スティック状アイシャドウ
(処方成分) (重量%)
1.実施例6の精製ライスワックス 15
2.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 29
3.ワセリン 5
4.ソルビタンセスキオレート 1
5.窒化ホウ素紛 5
6.マイカ 10
7.雲母チタン 20
8.着色顔料 15
(製法)
A. 成分1〜4を加熱溶解する。
B. Aに成分5〜8を加えて撹拌混合する。
C. 脱気して繰り出し容器に直接流し込み、冷却して成形しスティック状アイシャドウを得る。
【0047】
以上の如く得られたスティック状アイシャドウは、成形性、繰り出し容器との離型性に優れ、尚且つ、使用感、付着性、発色性において優れたものであった。
【実施例11】
【0048】
マスカラ
(処方成分) (重量%)
1.実施例4の精製カルナバワックス 7.5
2.みつろう 7.5
3.ステアリン酸 5
4.黒酸化鉄 10
5.ジメチルポリシロキサン 2
6.ポリエーテル変性シリコーン 2
7.エタノール 6
8.水 56.35
9.トリエタノールアミン 1.3
10.ヒドロキシエチルセルロース 0.25
11.ポリビニルピロリドン 2
12.メチルパラベン 0.1
(製法)
A. 成分1−4を65℃に加熱し、完全に混合する。
B. 成分5−7を50℃に加熱し、混合する。
C.成分8−12をよく混合する。ホモジナイザーを中程度の回転数でかけながら、成分5−7の混合物を成分8−12の混合物にゆっくりと加える。60℃に加熱しながら、30分間攪拌する。
D.Cで攪拌したものを成分1−4の混合物にホモジナイザーをかけながら、ゆっくり加え、乳化を完成させる。
【0049】
以上の如く得られたマスカラは、使用感、付着性において優れたものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶剤に溶解した後、吸着剤を充填した吸着塔に通液し、不純物を吸着除去し、溶剤を留去することにより得られる天然高融点ワックスの回収率が79.0%以下である精製高融点ワックス。
【請求項2】
請求項1の精製高融点ワックスを0.1〜20.0%含有することを特徴とする化粧料
【請求項3】
天然高融点ワックスがキャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックスであることを特徴とする請求項2記載の化粧料。

【公開番号】特開2007−1994(P2007−1994A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−180046(P2005−180046)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(000104995)クローダジャパン株式会社 (35)
【Fターム(参考)】