説明

化粧料

【課題】シロキクラゲ多糖体が発現する保湿効果を保持しつつ、油性化粧料として調製することができ、さらには、加圧処理後のシワの改善や保湿効果のさらなる向上を図ることのできる、化粧料を提供すること。
【解決手段】シロキクラゲ多糖体と、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルとを配合して、化粧料を調製する。本発明の化粧料によれば、シロキクラゲ多糖体が発現する保湿効果を保持しつつ、油性化粧料として調製することができる。また、本発明の化粧料によれば、加圧処理後のシワの改善や保湿効果などのさらなる向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキンケア化粧料などの化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
シロキクラゲの子実体から抽出されるシロキクラゲ多糖体は、保湿効果に優れることから、スキンケア化粧料として有用である。
例えば、シロキクラゲの子実体より抽出した水溶性多糖類と、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマーなどの非イオン性誘導体からなる水溶性高分子を含有する化粧料が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−330257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかるに、シロキクラゲ多糖体は水溶性が高いことから、上記例示の水溶性高分子に配合するのみで、メークアップ化粧料などの油性化粧料として調製すると、溶解しない、均一に分散しない、などの不具合が生じる。また、シロキクラゲ多糖体を超微粒子処理して使用すると、分散性は改善されるが、高分子としての機能が低下するなどの不具合がある。しかも、シロキクラゲ多糖体は、そのままでは疎水性溶媒に溶解しないため、やはり、油性化粧料として調製することが困難である。
【0004】
また、スキンケア化粧料として使用する場合には、保湿効果のさらなる改善が望まれており、とりわけ、加圧処理後に塗布したときの、シワの改善や保湿効果のさらなる向上が望まれている。
本発明の目的は、シロキクラゲ多糖体が発現する保湿効果を保持しつつ、油性化粧料としても調製することができ、さらには、加圧処理後のシワの改善や保湿効果のさらなる向上を図ることのできる、化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の化粧料は、シロキクラゲ多糖体と、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルとを含有することを特徴としている。
また、本発明の化粧料は、好適には、50〜190MPaで15分間以上加圧処理後、8時間以内に皮膚または毛髪に塗布するために使用される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の化粧料によれば、シロキクラゲ多糖体が発現する保湿効果を保持しつつ、油性化粧料としても調製することができる。また、本発明の化粧料によれば、加圧処理後のシワの改善効果、保湿効果、ハリの改善効果、リフトアップ効果、毛穴の改善効果、肌のキメの改善効果、透明感の向上効果、育毛効果、および髪のつや改善効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の化粧料は、シロキクラゲ多糖体と、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルとを含有している。
シロキクラゲ多糖体は、シロキクラゲの子実体を、水および/または水溶性溶媒(例えば、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類など)を抽出溶媒として、抽出することにより得ることができる。
【0008】
シロキクラゲ(白木耳、学名Tremella fuciformis)は、シロキクラゲ科シロキクラゲ属のキノコの1種であり、その子実体は、ゼリー質であり、乾燥すると収縮し湿ると復元する。
抽出方法は、特に制限されず、公知の方法が用いられる。例えば、抽出溶媒100重量部に対してシロキクラゲの子実体0.1〜30重量部を浸漬して、常温〜100℃で0.5〜24時間抽出する。その後、ろ過や遠心分離などにより、シロキクラゲ多糖体を得る。
【0009】
このようにして得られるシロキクラゲ多糖体は、マンノースを主鎖に有し、キシロースおよびグルクロン酸を側鎖に有する天然植物性多糖体(天然植物高分子)であり、グルクロン酸を20重量%以上含有する酸性ヘテロ多糖体である。また、その平均分子量はおおよそ100万以上である。
このようなシロキクラゲ多糖体は、市販されており、そのような市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば、「トレモイスト−TP」(日本精化株式会社製)などが挙げられる。
【0010】
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルは、グリセリンのアルキレンオキシド誘導体であり、具体的には、グリセリルエーテルに、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンおよびポリオキシブチレンが、ブロック共重合またはランダム共重合されている。好ましくは、グリセリルエーテルに、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンおよびポリオキシブチレンが、その順序にてブロック共重合されている。
【0011】
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルは、例えば、グリセリンを開始剤として、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドおよびブチレンオキサイドを順次付加重合することにより、得ることができる。
また、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルにおいて、各成分の割合は、例えば、グリセリルエーテル(グリセリン)1モル部に対して、ポリオキシプロピレン(プロピレンオキサイド)が2〜8モル部、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイド)が5〜11モル部、ポリオキシブチレン(ブチレンオキサイド)が1〜5モル部である。また、その平均分子量は、例えば、500〜1400、好ましくは、776〜1124である。
【0012】
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルは、市販されており、そのような市販品を使用することもできる。市販品としては、例えば、「ウィルブライド(WILBRIDE(R))S−753」(日油株式会社製)などが挙げられる。
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルは、シロキクラゲ多糖体100重量部に対して、例えば、1〜200重量部、好ましくは、10〜100重量部配合される。
【0013】
そして、本発明の化粧料は、例えば、液状、クリーム状、ゼリー状、乳液状、ゾル状およびゲル状など種々の剤型に製剤することができる。本発明の化粧料を調製するには、剤型により異なるが、例えば、水溶性溶媒に、シロキクラゲ多糖体と、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルと、剤型に必要な成分と、を配合する。
【0014】
水溶性溶媒としては、例えば、水、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、また、併用することもできる。好ましくは、水が挙げられる。
各成分の配合割合は、剤型により異なるが、例えば、水溶性溶媒100重量部に対して、シロキクラゲ多糖体が、例えば、0.001〜1重量部、好ましくは、0.01〜0.2重量部であり、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルが、例えば、0.1〜20重量部、好ましくは、1〜10重量部である。
【0015】
また、本発明の化粧料は、上記成分以外に、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、保湿性を向上させるための他の保湿剤を配合することができる。そのような保湿剤として、例えば、非イオン性水溶性高分子(例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体など)、アニオン性水溶性高分子(例えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、カルボキシメチルセルロースなど)、リン脂質(例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、大豆レシチン、卵黄レシチン、ヒマワリレシチンなど)、セラミド、多価アルコール、単糖類、アミノ酸類、ベタイン、尿素、天然エキス、ビタミン類などが挙げられる。このような保湿剤の配合割合は、適宜選択される。
【0016】
さらに、本発明の化粧料は、上記成分以外に、本発明の優れた効果を阻害しない範囲において、公知の添加剤を配合することができる。そのような添加剤として、例えば、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、キレート剤、pH調整剤、角質剥離・溶解剤、消炎剤、清涼剤、香料などが挙げられる。このような添加剤の配合割合は、適宜選択される。
【0017】
そして、本発明の化粧料は、シロキクラゲ多糖体と、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルとを含有している。このように、水溶性の高いシロキクラゲ多糖体を、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルと配合することにより、水性化粧料、油性化粧料などの各種化粧料を相溶させることができる。そのため、例えば、本発明の化粧料は、シロキクラゲ多糖体を含有しているにもかかわらず、油性化粧料としても調製することができ、油性化粧料において、シロキクラゲ多糖体の優れた保湿効果を発現させることができる。
【0018】
そのため、本発明の化粧料は、例えば、洗顔フォーム、化粧水、クリーム、乳液、ジェル、マッサージ料、美容液(エッセンス)、ローション、パック、日焼け止め料、シェービングローションなどのスキンケア化粧料、例えば、トニック、シャンプー、リンス、ヘアクリームなどの毛髪に塗布する毛髪化粧料、例えば、抜け毛予防・発毛促進を目的として、主として頭皮に塗布する、育毛剤、養毛剤などの頭皮に塗布する育毛・養毛化粧料、例えば、ヘアカラー、ヘアマニキュアなどの染毛料、例えば、口紅、リップグロス、チーク、コンシーラー、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、デオドラント、サンスクリーン、ヘアチックなどのメークアップ化粧料など、水性あるいは油性の化粧料として広く調製することができる。
【0019】
さらに、本発明の化粧料は、加圧処理後に皮膚または毛髪に塗布すれば、シワの改善効果、保湿効果、ハリの改善効果、リフトアップ効果、毛穴の改善効果、透明感の向上効果、育毛効果、および髪のつや改善効果を即効で発現させることができる。
次に、本発明の化粧料を、加圧処理後に皮膚または毛髪に塗布する方法について、詳述する。
【0020】
この方法では、本発明の化粧料(以下、単に「化粧料」とする場合がある。)を50〜190MPaで15分間以上加圧処理し、加圧処理後の化粧料を、加圧処理後から8時間以内に、皮膚または毛髪に塗布する。
この方法に使用される化粧料は、粉状、スラリー状、エマルション状(ミセル状も含む)、ディスパーション状など、平均粒子径の測定が可能な形態である場合には、加圧処理前の平均粒子径は、メジアン径として、例えば、0.1〜10μm、さらには、1〜5μmであることが好適である。メジアン径は、例えば、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置により測定することができる。また、本発明の化粧料は、加圧処理前の粘度(26℃)が、例えば、0.1〜50Pa・s(26℃)、さらには、0.5〜30Pa・s(26℃)であることが好適である。粘度は、26℃においてB型粘度計(ブルックフィールド粘度計)により測定することができる。
【0021】
化粧料を加圧処理するには、特に制限されず、剤型や処理量などに応じて、例えば、直圧式プレス法や等方圧式プレス法など、公知のプレス法を用いることができる。好ましくは、等方圧式プレス法、より好ましくは、静水圧プレス法を用いることができる。静水圧プレス法によって加圧処理する場合には、例えば、まず、化粧料を可撓性バッグ(ヒートシールバッグなど)に封入し、次いで、化粧料が封入された可撓性バッグを、公知の静水圧プレス機の水槽に投入して、その後、静水圧プレスする。
【0022】
加圧処理では、化粧料を、50〜190MPa、好ましくは、70〜150MPa、さらに好ましくは、85〜125MPaで、15分間以上、好ましくは、20分間以上、通常、60分間以下、例えば、15〜60分間、好ましくは、20〜60分間、さらに好ましくは、25〜50分間加圧し、その後、常圧に戻す。圧力が上記下限値に満たない場合や時間が上記下限値より短い場合には、化粧料の平均粒子径が大き過ぎるなどの理由から、皮膚や毛髪に対する本発明の十分な効果を得ることが困難となる。一方、圧力が上記上限値を越える場合には、化粧料の平均粒子径(平均粒子径を測定可能な場合、以下同様)が小さくなり過ぎるなどの理由から、皮膚や毛髪に対する本発明の即効的な効果を得ることが困難となる。また、時間が60分間以上経過しても、効果に変化が認められないため、時間の上限値は、経済的観点より、60分間が好適である。
【0023】
また、加圧処理では、化粧料を、好ましくは、10〜50℃、さらに好ましくは、30〜50℃、特に好ましくは、30〜40℃に加熱する。加圧処理において、化粧料を上記温度範囲において加熱すれば、化粧料の優れた効果の即効性を向上させることができる。なお、化粧料を上記上限値を超える温度で加熱すると、化粧料の状態変化を生じて、使用に不適となる場合がある。
【0024】
なお、加熱は、例えば、公知のプレス機(上記した静水圧プレス機など)に、ジャケットやヒータなどの加熱器を装備して、化粧料の温度が、上記温度範囲となるように、加熱器での加熱温度を設定する。
上記のような加圧処理によって、本発明の化粧料は、シワの改善やリフトアップ効果、さらには透明感向上効果、育毛効果などの、上記した各種の効果を付与できる活性状態となる。活性状態は、加圧処理よって変化した水分子のクラスターや成分粒子が、加圧処理前の状態に復元しようとする自己復元力を発現し得る状態である。
【0025】
つまり、加圧処理後の化粧料は、平均粒子径や粘度が、加圧処理前の化粧料に対して減少しており、例えば、本発明の化粧料が、平均粒子径の測定が可能な形態である場合には、加圧処理前の平均粒子径(メジアン径)に対して、例えば、1〜80%小さく、好ましくは、10〜50%小さくなっている状態であって、より具体的には、メジアン径として、例えば、0.01〜10μm、さらには、0.05〜5μmとなっている状態である。また、加圧処理後における化粧料の粘度(26℃)が、例えば、5〜50%低く、好ましくは、10〜30%低くなっている状態であって、より具体的には、例えば、0.5〜5Pa・s(26℃)、さらには、1〜3Pa・s(26℃)となっている状態である。
【0026】
このような状態にあると、本発明の化粧料は、皮膚や毛髪に塗布した直後から、自己復元力により、加圧処理前の平均粒子径(メジアン径)または粘度に徐々に復元(またはそれ以上に状態が変化)して、皮膚や毛髪に対してハリ(張り、弾力性)を与え、これによって、シワの改善、リフトアップ効果、さらには透明感向上効果、育毛効果などの、上記した各種の効果を付与することができる。
【0027】
次いで、この方法では、加圧処理後の化粧料を、加圧処理後から8時間以内、好ましくは、3時間以内、さらに好ましくは、1時間以内に、皮膚または毛髪に塗布する。
上記時間以内に塗布しない場合には、本発明の化粧料の活性状態が消失してしまい、換言すると、本発明の化粧料が、皮膚または毛髪に塗布する以前に、加圧処理前の状態(またはそれ以上に活性状態が消失する状態)に復元してしまい、この方法での優れた効果を得ることが困難となる。
【0028】
化粧料を塗布する皮膚は、特に限定されず、人体の皮膚のどの部位でもよい。
本発明の化粧料を皮膚に塗布するには、加圧処理後の化粧料を、その化粧料を通常塗布する方法にて皮膚に塗布すればよく、例えば、加圧処理後の化粧料を皮膚に直接塗り込む。塗布量は、特に限定されず、顔面1人分であれば、例えば、顔面の大きさにも拠るが0.1〜2g程度である。
【0029】
化粧料を塗布する毛髪は、特に限定されないが、主として頭髪であり、本発明の化粧料を毛髪に塗布するには、加圧処理後の化粧料を、その化粧料を通常塗布する方法にて毛髪に塗布すればよく、例えば、加圧処理後の化粧料を毛髪に直接塗り込む。
このようにして、加圧処理後から上記時間以内に化粧料が皮膚または毛髪に塗布されると、化粧料は、上記した活性化状態を維持しつつ、皮膚または毛髪に浸透して、皮膚または毛髪の内部において加圧処理前の状態に復元(またはそれ以上に状態が変化)しようする。例えば、活性化状態にある乳液は、平均粒子径や粘度が徐々に増加する状態にある。すると、皮膚または毛髪は、その化粧料の自己復元力によって膨張し、ハリが付与され、その結果、シワが伸びるなどのシワの改善効果、皮膚のハリが改善される(皮膚が上がる)効果、例えばリフトアップ効果や、保湿性向上により皮膚の透明感がアップする透明感向上効果、毛髪につやを付与するとともに育毛を促進する育毛効果、シェービング後などの肌荒れ(赤み、痒みなど)のトラブルから肌を保護する抗炎症効果などが発現される。
【0030】
このような効果は、化粧料が皮膚または毛髪に塗布されてから、即効で発現され、その後、化粧料が上記した活性状態にある一定期間維持された後、化粧料の活性状態が消失すると、上記効果も消失する。より具体的には、上記効果は、化粧料が皮膚または毛髪に塗布された直後から、例えば、3時間以内に発現され、その効果が持続される期間は、例えば、最長2週間程度である。
【実施例】
【0031】
以下、処方例、評価試験例、実施例などを示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの記載に何ら限定されるものではない。
処方例1(クリームの調製)
【0032】
【表1】

【0033】
上記の配合処方において、実施例1および比較例1〜3のクリームを処方した。具体的には、まず、成分番号1〜12を混合して、加熱により溶解し、70℃に調整した。別途、成分番号13に、成分番号14、15を混合して、加熱により溶解し、70℃に調整した。その後、成分番号1〜12の混合物と、成分番号13〜15の混合物とを混合して、ホモミキサーにて乳化し、その後冷却することにより、クリームを調製した。
【0034】
なお、表1中、「POB」は、ポリオキシブチレンの略であり、「POE」は、ポリオキシエチレンの略であり、「POP」は、ポリオキシプロピレンの略である。また、「POB」、「POE」または「POP」に続くカッコ書きの数値は、モル数を示す(以下同様)。また、ウィルブライトS−753は、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(グリセリン1モル部、POB3モル部、POE8モル部、POP5モル部、日油株式会社製)であり、シロキクラゲ多糖体は、トレモイスト−TP(日本精化株式会社製)である(以下同様)。
【0035】
評価試験例1(クリームの評価)
(加圧処理)
処方例1のクリーム各2gを、小容量ヒートシールバッグ(ユニパックA−4、株式会社生産日本社製)に入れ、脱気した後、ヒートシール装置(業務用卓上バキュームシーラー SQ−202、シャープ株式会社製)を用いて封止した。封止された小容量ヒートシールバッグを、後述する各評価試験例の測定回数分まとめて大容量ヒートシールバッグ(ユニパックF−4、株式会社生産日本社製)に入れ、ヒートシール装置(同上)を用いて、大容量ヒートシールバッグを封止し、これをサンプルとした。
【0036】
こうして、処方例1のクリームからなる各サンプルを、静水圧プレス機(水槽容量:8L、設計圧力:最高100MPa、設計温度:最高75℃、本体材質:SUS630)の水槽に投入し、クリームの温度が32℃になるように設定し、90MPaの圧力で30分加圧処理した。
次いで、加圧処理後の各サンプルについて、下記(1)および(2)の官能評価をした。
【0037】
(1)シワの改善度
加圧処理の終了から15分経過後に、処方例1のクリーム0.2gを目じりに塗布した。こうして、塗布前と、塗布から3時間経過後との目じりの状態を、肉眼および写真にて観察し、シワの程度を評価した。塗布前および塗布後から3時間経過後の写真を図1に示す。なお、実施例および比較例は、同一人物で比較する必要があったため、各測定は30日の間隔をおいて実施した。
【0038】
図1から、実施例1のクリームを塗布した場合は、比較例1〜3のクリームを塗布した場合に比べて、シワの改善が顕著であることがわかった。
(2)保湿効果
健常男性の上腕内側の部位に、2cm×2cm角で、処方例1のクリーム0.02gを均一に塗布した。塗布から10分、20分、30分、1時間、4時間および24時間の各時間経過後に、皮表角層水分量測定装置SKICON−200型(アイ・ビイ・エス株式会社製)にて、水分量(単位:μS(マイクロジーメンス))を測定した。その結果を表2に示す。なお、水分量は、1の測定項目につき5回測定し、その平均値として示す。
【0039】
【表2】

【0040】
表2から、実施例1のクリームを塗布した場合の保湿効果は、比較例1〜3のクリームを塗布した場合の保湿効果に比べて、顕著に良好であることがわかった。
処方例2(美容液Aの調製)
【0041】
【表3】

【0042】
上記の配合処方において、実施例2および比較例4、5の美容液Aを調製した。具体的には、まず、成分番号3〜6を混合し、80℃に加熱して混合物を溶解した。一方、成分番号1、2および7〜12を混合し、80℃に加熱して混合物を溶解した。次いで、成分番号3〜6の混合物に、成分番号1、2および7〜12の混合物を混合し、ホモミキサーにて1分間高速攪拌し、その後、ゆっくり攪拌しながら60℃まで空冷した。その後、成分番号13を混合し、ゆっくり攪拌しながら35℃まで水冷し、美容液Aを調製した。
【0043】
評価試験例2(美容液Aの評価)
処方例1のクリーム2gに代えて、処方例2の美容液A2gを使用したこと以外は、評価試験例1の加圧処理と同様にして、サンプルを得た。
こうして、処方例2の美容液Aからなる各サンプルを、美容液Aの温度が32℃となるように設定し、90MPaの圧力で30分加圧処理した。
【0044】
次いで、加圧処理後の各サンプルについて、下記(1)〜(3)の官能評価をした。
(1)ハリの改善度、リフトアップ効果
40代〜60代女性の健常者5名をパネラーとした。各パネラーにおいて、顔面を市販の洗顔フォームにて洗浄し、タオルにて水分をふき取った後、処方例2の美容液A0.2gを一方の半顔に均一に塗布し、他方の半顔は未塗布のままの状態で翌日まで放置した。そして、翌日に肌の状態を観察し、ハリの改善度およびリフトアップ効果につき官能評価した。官能評価では、試験前と試験終了後の肌の状態を比較して、下記の評価基準に基づき点数をつけた。その結果を表4に示す。
5:改善した 4:やや改善した 3:変わらない 2:やや悪化した 1:悪化した
【0045】
【表4】

【0046】
(2)毛穴の改善度、キメの改善度
40代〜60代女性の健常者5名をパネラーとした。各パネラーにおいて、顔面を市販の洗顔フォームにて洗浄し、タオルにて水分をふき取った後、処方例2の美容液A0.2gを一方の半顔に均一に塗布し、他方の半顔は未塗布のままの状態で翌日まで放置した。そして、翌日に肌の状態を評価した。評価では、マイクロスコープ(Charm Lite Stand III:株式会社モリテックス)を使用して、毛穴とキメを撮影し、美容液の塗布前後の状態を比較した。比較方法は、5名の専門レフリーにより、毛穴の改善度およびキメの改善度を下記評価基準に基づき評価し、その平均値を評価結果とした。その結果を表5〜10に示す。
【0047】
また、美容液Aの塗布前および塗布後の写真を図2(毛穴の評価)および図3(キメの評価)に示す。
2:改善した 1:やや改善した 0:変わらない −1:やや悪化した −2:悪化した
【0048】
【表5】

【0049】
【表6】

【0050】
【表7】

【0051】
【表8】

【0052】
【表9】

【0053】
【表10】

【0054】
また、図2において、○で囲った部分からわかるように、比較例4、5では、毛穴の周りが開いているのが観察されたが、実施例2では、毛穴の中心までキメの線が延び、毛穴が小さくなっていることが観察された。
また、図3において、比較例4、5では、キメの線はあまり観察されないが、実施例2では、毛穴を中心にして放射状にキメが延びていることが観察された。
【0055】
(3)透明感の改善度
40代〜60代女性の健常者5名をパネラーとした。各パネラーにおいて、顔面を市販の洗顔フォームにて洗浄し、タオルにて水分をふき取った後、処方例2の美容液A0.2gを顔に均一に塗布し、塗布直後、塗布3時間後、塗布6時間後の各時点で、透明感(L値)を測定した。透明感の測定では、分光測色計CD100(横河M&C株式会社製)を使用して、各パネラーの右頬でシミが気にならない部分のL値を測定した。また、測定値は、塗布前と同じ場所のL値を上記分光測色計で測定し、塗布から各時間経過後のL値から、塗布前のL値を差し引いた値として求めた。
【0056】
また、上記の結果に基づき、下記の判定基準I〜IVに照らして透明感の改善評価についての判定を行った。その結果を表11に示す。
I: L値の差1.5以上 非常に改善がみられる
II: L値の差1.0以上1.5未満 改善がみられる
III:L値の差0.5以上1.0未満 少し改善がみられる
IV: L値の差0.5未満 変化なし
【0057】
【表11】

【0058】
処方例3(洗顔フォームの調製)
【0059】
【表12】

【0060】
上記の配合処方において、洗顔フォームを調製した。具体的には、まず、成分番号1〜9を混合して、加熱により溶解し、80℃に調整した。別途、成分番号11を成分番号10に溶解し、それに、成分番号1〜9の混合物を攪拌しながら加えて中和した。中和反応終了後に、さらに、成分番号12〜14を添加して、攪拌しながら冷却することにより、洗顔フォームを調製した。
【0061】
処方例4(ヘアクリームの調製)
【0062】
【表13】

【0063】
上記の配合処方において、ヘアクリームを調製した。具体的には、まず、成分番号1〜9を混合し、加熱により溶解し、70℃に調整した。別途、成分番号11〜13を成分番号10に加えて、加熱により溶解し、70℃に調整した。その後、成分番号10〜13の混合物に、成分番号1〜9の混合物を加えて乳化し、ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした。その後、これに、さらに成分番号10で溶解した成分番号14を加え、均一に攪拌しながら冷却し、さらに、成分番号15を加えて、ヘアクリームを調製した。
【0064】
処方例5(育毛剤の調製)
【0065】
【表14】

【0066】
上記の配合処方において、育毛剤を調製した。具体的には、まず、成分番号1〜8を混合し、加熱により溶解し、それに、成分番号10および成分番号10で溶解した成分番号9を加えて均一に溶解して、育毛剤を調製した。
処方例6(美容液Bの調製)
【0067】
【表15】

【0068】
上記の配合処方において、実施例3および比較例6〜12の美容液Bを調製した。具体的には、まず、番号1〜16の成分を加熱溶解し、80℃に保った。また、番号17の成分に番号18〜25の成分を加えて加熱溶解し、これを80℃に保ちつつ、番号1〜16の混合物を加えて乳化させた後、ホモミキサーで攪拌しながら、乳化粒子を均一にした。次いで、乳濁液を50℃まで冷却し、番号26の成分を配合し、40℃まで攪拌、冷却することにより、美容液Bを調製した。
【0069】
評価試験例3(美容液Bの評価)
処方例1のクリーム2gに代えて、処方例6の美容液B2gを使用したこと以外は、評価試験例1の加圧処理と同様にして、サンプルを得た。
こうして、処方例6の美容液Bからなる各サンプルを、美容液Bの温度が32℃となるように設定し、90MPaの圧力で30分加圧処理した。
【0070】
次いで、加圧処理後の各サンプルについて、下記の(1)〜(6)の官能評価をした。
(1)シワの改善度・ハリの改善度・リフトアップ効果
40歳代〜50歳代の女性の健常者5名をパネラーとした。各パネラーにおいて、顔面を市販の洗顔フォームにて洗浄し、タオルにて水分を拭き取った。次いで、処方例6の美容液B0.2gを、左右いずれか一方側の顔面に塗布し、他方側の顔面には何も塗布せずに、翌日まで放置した。翌日、各パネラーの顔面の肌の状態を観察し、シワの改善、ハリの改善およびリフトアップ効果につき官能評価をした。官能評価では、試験前と試験終了後の肌の状態を比較して、下記の評価基準に基づき点数をつけた。
5:改善した 4:やや改善した 3:変わらない 2:やや悪化した 1:悪化した
また、試験は、上記サンプルについて、加圧処理(静水圧プレス)を施したもの(加圧処理終了から15分経過後もの)と、加圧処理を施していないものとの両方で実施した。シワの改善の結果を表16に、ハリの改善の結果を表17に、リフトアップ効果の結果を表18にそれぞれ示す。
【0071】
【表16】

【0072】
【表17】

【0073】
【表18】

【0074】
表16〜18より、シロキクラゲ多糖体(シロキクラゲエキス)と、ウィルブライト(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル)との両方を含有する実施例3の美容液では、シワの改善、ハリの改善およびリフトアップ効果に関し、より高い効果を感じる試験者が多かった。また、その傾向は、美容液に加圧処理を施すことで、より一層顕著になった。一方、シロキクラゲエキスと、ウィルブライトとのいずれか一方が含まれている比較例の美容液では、シワの改善、ハリの改善およびリフトアップ効果に関し、被験者は若干の効果を感じていた。しかし、シロキクラゲエキスと、ウィルブライトとの両方を含まない比較例の美容液では、シワの改善、ハリの改善およびリフトアップ効果が感じられなかった。
【0075】
(2)保湿効果
健常男性の上腕内側の部位に、2cm×2cm角で、処方例6の美容液B0.02gを均一に塗布した。塗布から10分、20分、30分、1時間、4時間および24時間の各時間経過後に、皮表角層水分量測定装置SKICON−200型(アイ・ビイ・エス株式会社製)にて、水分量(単位:μS(マイクロジーメンス))を測定した。その結果を表19に示す。なお、水分量は、1の測定項目につき5回測定し、その平均値として示す。
【0076】
【表19】

【0077】
表19より、シロキクラゲエキスと、ウィルブライト(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル)との両方を含有する実施例3の美容液は、加圧処理の有無にかかわらず、いずれも保湿効果が高かった。一方、シロキクラゲエキスと、ウィルブライトとのいずれか一方または両方が含まれていない比較例6〜12の美容液では、十分な保湿効果が得られなかった。
【0078】
(3)毛穴の改善度・キメの改善度
40代〜60代女性の健常者5名をパネラーとした。各パネラーにおいて、顔面を市販の洗顔フォームにて洗浄し、タオルにて水分をふき取った後、処方例6の美容液B0.2gを、左右いずれか一方側の顔面に均一に塗布し、他方側の顔面は未塗布のままの状態で翌日まで放置した。そして、翌日に肌の状態を評価した。評価では、マイクロスコープ(Charm Lite Stand III:株式会社モリテックス)を使用して、毛穴とキメを撮影し、美容液の塗布前後の状態を比較した。比較方法は、5名の専門レフリーにより、毛穴の改善およびキメの改善を下記評価基準に基づき評価し、その平均値を評価結果とした。その結果を表20および表21に示す。
2:改善した 1:やや改善した 0:変わらない −1:やや悪化した −2:悪化した
【0079】
【表20】

【0080】
【表21】

【0081】
表20および表21より、シロキクラゲエキスと、ウィルブライト(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル)との両方を含有する実施例3の美容液は、加圧処理の有無にかかわらず、いずれも毛穴の改善やキメの改善の効果が高かった。一方、シロキクラゲエキスと、ウィルブライトとのいずれか一方が含まれている比較例の美容液では、毛穴の改善やキメの改善に関し、被験者は若干の効果を感じていた。しかし、シロキクラゲエキスと、ウィルブライトとの両方を含まない比較例の美容液では、毛穴の改善やキメの改善が得られなかった。
【0082】
(4)透明感の改善度
30代〜60代女性の健常者5名をパネラーとした。各パネラーにおいて、顔面を市販の洗顔フォームにて洗浄し、タオルにて水分をふき取った後、処方例6の美容液B0.2gを顔に均一に塗布した。さらに、塗布6時間後の時点で、各パネラーの顔面の透明感(L値)を測定した。透明感の測定では、分光測色計CD100(横河M&C株式会社製)を使用して、各パネラーの右頬でシミが気にならない部分のL値を測定した。測定値は、塗布前と同じ場所のL値を上記分光測色計で測定し、塗布から6時間経過後のL値から、塗布前のL値を差し引いた値として求めた。
【0083】
また、上記の結果に基づき、評価試験例2の「(3)透明度の改善度」における判定基準I〜IVに照らして透明感の改善評価についての判定を行った。その結果を表22に示す。
【0084】
【表22】

【0085】
表22より、シロキクラゲエキスと、ウィルブライト(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル)との両方を含有する実施例3の美容液は、加圧処理の有無にかかわらず、いずれも透明感の改善効果が高かった。一方、シロキクラゲエキスと、ウィルブライトとのいずれか一方または両方が含まれていない比較例6〜12の美容液では、十分な改善効果が得られなかった。
【0086】
(5)毛髪の太さの改善度
毛髪として、人毛黒髪(株式会社ビューラックス、250g、30cm)をブリーチ処理したもの(以下、損傷毛という。)をスライドガラスに固定した。次いで、損傷毛の表面状態と太さとを、光学顕微鏡(BX60、オリンパス株式会社製)で撮影し、計測した。次に、スライドガラス上の毛髪に対し、所定の加圧処理が施された処方例6の美容液Bを塗布し、24時間放置した。放置後、スライドガラス上の毛髪の表面状態と太さとを、塗布前と同様にして光学顕微鏡(BX60)で撮影、計測し、美容液塗布前の計測結果と比較した。損傷毛の直径(mm)の測定結果と、美容液塗布前の計測結果との差(mm)とを、表23に示す。
【0087】
【表23】

【0088】
また、光学顕微鏡による損傷毛の撮影画像を図4(a)〜図4(c)に示す。図4(a)〜図4(c)に示す画像は、いずれも同じ倍率である。損傷毛の直径は、美容液が未塗布の状態(図4(a))で、0.080mmであり、加圧処理が施されていない実施例3の美容液を塗布した場合(図4(b))に、0.085mmであり、加圧処理(処理圧力90MPa、処理温度32℃、処理時間30分)が施された実施例3の美容液を塗布した場合(図4(c))に、0.095mmであった。
【0089】
(6)毛髪のつやの改善度
毛髪として、正常毛(株式会社ビューラックス、人毛黒髪、20g、15cm)を束ねたものと、損傷毛(上記正常毛をブリーチ処理したもの)とを束ねたものとを使用し、それぞれの束を水洗後、軽く水気を拭き取った。次いで、それぞれの毛髪の束に対し、所定の加圧処理が施された処方例6の美容液Bを塗布し、24時間放置した。放置後、毛髪の束を再度水洗し、十分に水分を拭き取ってから、ドライヤーで乾燥した。乾燥後、毛髪の束のつやの程度について官能評価をした。
【0090】
評価は、美容液を塗布していない正常毛におけるつやを基準として、5名の専門レフリーの目視判断により行った。また、目視判断の結果、つやの改善が「非常に多い」(+3)、「多い」(+2)、「やや多い」(+1)、「かわらない」(±0)、「やや少ない」(−1)、「少ない」(−2)、および「非常に少ない」(−3)の7段階(カッコ内は、評点)で評価した。また、5名のレフリーの評点を合計し、毛髪のつやの改善効果を総合的に評価した。総合評価の基準は、評点の合計が、満点(15点)に対して10%未満である場合に「効果なし」、10%以上40%未満である場合に「やや効果あり」、40%以上80%未満である場合に「効果あり」、80%以上である場合に「極めて有効」とした。評価結果を表24および表25に示す。
【0091】
【表24】

【0092】
【表25】

【0093】
評価試験例4(シロキクラゲ多糖体の溶解性の評価)
(1)目視観察
シロキクラゲ多糖体(商品名:トレモイスト)の有効成分0.10重量部と、ニッコールBC−20TX(ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.))5.00重量部と、スクワラン0.15重量部と、水94.75重量部とを配合して、総量100重量部の化粧料を調製した(これを、比較サンプル1という)。
【0094】
ニッコールBC−20TX(ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.))に代えて、ニッコールPBC34(ポリオキシエチレン(5)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル)5.00重量部を配合したこと以外は、比較サンプル1と同様にして化粧料を調製した(これを、比較サンプル2という)。
一方、ニッコールBC−20TXや、ニッコールPBC34に代えて、ウィルブライドS−753(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル)5.00重量部を配合したこと以外は、比較サンプル1と同様にして化粧料を調製した(これを、サンプル1という)。
【0095】
上記サンプルを目視で観察したところ、比較サンプル1および2は、化粧料が白濁しており、懸濁液であることがわかった。一方、サンプル1は、化粧料が白濁しておらず、良好な溶解状態を示していた。すなわち、シロキクラゲ多糖体は、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルと共存することで、油性媒体に対し、十分に溶解することがわかった。
【0096】
(2)濁度の測定
上記サンプル1と、比較サンプル1および2とについて、分光光度計(島津製作所(株)製、UV−2450)で、波長650nmにおける検体の吸光度を測定し、濁度を測定した。濁度の測定に際しては、まず、はくとう土(和光純薬工業(株)製)を100mg/Lの濃度で分散した水懸濁液を濁度100とした。さらに、この水懸濁液を希釈して吸光度を測定し、吸光度と濁度との関係を示す検量線を作成した。各上記サンプルの美容液の濁度は、上記検量線に基づいて算出した値である。また、濁度は、その値が0に近いほど、透明度が高いことを示している。
【0097】
上記測定の結果、サンプル1の濁度は35であったのに対し、比較サンプル1の濁度は185、比較サンプル2の濁度は225となった。すなわち、シロキクラゲ多糖体と、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルが共存しているサンプル1では、比較サンプル1および2と比べて濁度が格段に低く、透明度が高いことがわかった。
【0098】
また、上記測定結果は、図5(a)に示すように、サンプル1の濁度(35度)の程度は、サンプル1の化粧料を透明な容器に収容し、化粧料の深さ(厚み)を5cmとして、化粧料の上部から容器の底を目視で観察した場合に、容器の底に印字された数字(大きさ:11ポイント、フォント:century)を容易に視認できる程度であった。これに対し、比較サンプル1の濁度(185度)および比較サンプル2の濁度(225度)では、図5(a)および図5(b)に示すように、サンプル1と同条件で、数字の判読が全く不可能であった。
【0099】
また、以上の結果より、シロキクラゲ多糖体は、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルと共存することで、水性媒体にも、油性媒体にも溶解することがわかった。
評価試験例5(加圧処理後の粒子径経時変化の評価)
(1)配合処方による相違の評価
(加圧処理)
処方例1のクリーム2gに代えて、処方例6における実施例3、比較例6〜9および12の美容液B2gを使用したこと以外は、評価試験例1の加圧処理と同様にして、サンプルを得た。
【0100】
こうして、処方例6の美容液Bのうち、実施例3、比較例6〜9および12からなる各サンプルを、美容液Bの温度が32℃となるように設定し、90MPaの圧力で30分間加圧処理した。
(経時変化の観察)
加圧処理前と、加圧処理の終了から15分、1時間、2時間、3時間、4時間、8時間および24時間の各時間経過後に、美容液Bの平均粒子径を測定した。その結果を表26および表27に示す。
【0101】
平均粒子径の測定には、美容液Bを蒸留水により0.5重量%に希釈して調製されたサンプルを使用した。また、平均粒子径の測定は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−920型」(株式会社堀場製作所製)により行い、そのサンプル測定部に、レーザ光およびタングステン光の透過率が共に70〜95%となるように投入し、透過度が安定した後、測定を開始した。測定結果は、メジアン径とした。
【0102】
(官能評価)
各サンプルに対する加圧処理後の官能評価として、評価試験例3(1)の「シワの改善度」および「リフトアップ効果」の評価結果を、表26に併せて示す。
【0103】
【表26】

【0104】
【表27】

【0105】
表26中、「AA」は、極めて有効、「A」は効果あり、「A−」はやや効果あり、「B」は、効果なしを示す。
表26および表27に示したように、処方例6の美容液Bのうち、実施例3の処方については、加圧による粒子径の低下と、その後の粒子径の復元とのいずれも顕著であった。また、シワの改善効果やリフトアップ効果も極めて良好であった。
【0106】
一方、比較例6〜9および12の処方については、加圧による粒子径の低下と、その後の粒子径の復元とが認められたものの、実施例3ほど顕著ではなかった。シワの改善効果やリフトアップ効果は、比較的良好であった。
(2)加圧条件による相違の評価
(加圧処理)
処方例6における実施例3の美容液B2gを、小容量ヒートシールバッグ(ユニパックA−4、株式会社生産日本社製)に入れ、脱気した後、ヒートシール装置(業務用卓上バキュームシーラー SQ−202、シャープ株式会社製)を用いて封止した。封止された小容量ヒートシールバッグを、測定回数分まとめて大容量ヒートシールバッグ(ユニパックF−4、株式会社生産日本社製)に入れ、ヒートシール装置(同上)を用いて、大容量ヒートシールバッグを封止し、これをサンプルとした。
【0107】
こうして、実施例3の美容液Bからなる各サンプルを、処理圧力が100MPa以下の場合は、静水圧プレス機(水槽容量:8L、設計圧力:最高100MPa、設計温度:最高75℃、本体材質:SUS630)の水槽に投入し、処理圧力が100MPaを上回る場合は、冷間等方圧加圧法(CIP)によるプレス機(圧媒槽容量:10L、設計圧力:0〜500MPa、設計温度:0〜100℃)の圧媒槽に投入した。さらに、各サンプルを、乳液の温度が32℃となるように設定し、90MPaの圧力で30分加圧処理した。
【0108】
(経時変化の観察)
加圧処理前と、加圧処理の終了から15分、1時間、2時間、3時間、4時間、8時間および24時間の各時間経過後に、美容液Bの平均粒子径を測定した。平均粒子径の測定方法は、評価試験5(1)における平均粒子径の測定方法と同じである。測定結果を表28および表29に示す。
【0109】
(官能評価)
上記サンプルに対する加圧処理後の官能評価として、評価試験例3(1)の「シワの改善度」および「リフトアップ効果」と同様にして官能評価をした。その結果を表28に併せて示す。
【0110】
【表28】

【0111】
【表29】

【0112】
表28中、「AA」は、極めて有効、「A」は効果あり、「A−」はやや効果あり、「B」は、効果なしを示す。
表28および表29に示したように、実施例3の美容液Bに対する処理圧力が90MPaである場合には、加圧により美容液Bの粒子径を著しく低下させ、かつ、その粒子径を経時的に復元させることができた。処理圧力が150MPaである場合も、加圧により美容液Bの粒子径を低下させ、かつ、その粒子径を経時的に復元させることができた。また、いずれの場合も、加圧処理の終了から8時間を経過することで、美容液Bの粒子径が加圧処理の終了直後(15分経過後)に比べて大きくなり、かつ、ほとんど変化しない状態となっている。それゆえ、この結果より、加圧処理された化粧料は、加圧処理後から8時間以内に、皮膚または毛髪に塗布して使用することが好ましいことがわかった。
【0113】
一方、処理圧力が200、300および500MPaである場合には、加圧処理後の経時的な粒径の復元が観察されなかった。それゆえ、この結果より、加圧処理時の加圧の程度が大きすぎると、粒子径の経時的な復元効果が得られなくなることがわかった。
処方例6(美容液B;実施例3)
【0114】
【表30】

【0115】
上記の配合処方からなる、処方例6における実施例3の美容液Bについて、評価試験例5(2)における加圧処理と同様にして、サンプルを得た。
評価試験例6(美容液Bの加圧処理および評価)
処方例6における実施例3の美容液Bからなる各サンプルを、下記(i)〜(iii)の条件で加圧処理した。
(i)処理時間を30分、処理温度を32℃にそれぞれ固定し、処理圧力を40、50、90、150、190および200MPaの各圧力に設定した。
(ii)処理圧力を90MPa、処理温度を32℃にそれぞれ固定し、処理時間を10分、15分、30分、60分および24時間の各時間に設定した。
(iii)処理圧力を90MPa、処理時間を30分にそれぞれ固定し、処理温度を25、28、30、35、40、45、50および55℃の各温度に設定した。
【0116】
次いで、上記(i)〜(iii)の条件で加圧処理されたサンプルについて、以下に示す、(1)リフトアップ効果、(2)毛髪の太さの改善度、(3)毛髪のつやの改善度、(4)毛穴の改善度、(5)肌のキメの改善度、および(6)肌の透明感の改善度についての官能評価をした。
(1)リフトアップ効果
40歳代〜50歳代の女性5名をパネラーとし、各パネラーの顔面を市販の洗顔フォームで洗浄し、タオルで水分を拭き取った。次に、各パネラーの左右いずれか一方側の顔面に、所定の加圧処理が施された処方例6の美容液B0.2gを塗布し、かつ、他方側の顔面には何も塗布せずに、翌日まで放置した。翌日、各パネラーの顔面の肌の状態を観察し、リフトアップ効果の官能評価をした。
【0117】
リフトアップ効果は、各パネラーの目じり付近を写真撮影し、三次元曲面形状測定によって評価した。
三次元曲面形状測定には、3次元形状計測装置「TRiDY−F」(JFEテクノリサーチ株式会社製)を使用し、パネラーの顎および額を固定具により固定後、測定ボタンをクリックして、測定を開始した。
【0118】
測定結果に基づいて作成された目じり付近の等高線が、美容液の塗布前に比べて密になっているか否かと、その変化がどの程度であるかを観察し、リフトアップ効果を、「改善」(+2)、「やや改善」(+1)、「変化なし」(±0)、「やや悪化」(−1)および「悪化」(−2)の5段階(カッコ内は、評点)で評価した。また、5名のパネラーの評点を合計し、リフトアップ効果を総合的に評価した。総合評価の基準は、評点の合計が、満点(10点)に対して10%未満である場合に「効果なし」、10%以上40%未満である場合に「やや効果あり」、40%以上80%未満である場合に「効果あり」、80%以上である場合に「極めて有効」とした。評価結果を表31〜33に示す。
【0119】
【表31】

【0120】
【表32】

【0121】
【表33】

【0122】
リフトアップ効果は、表31より、加圧処理の処理圧力が50〜190MPaであるときに極めて有効であり、上記範囲を外れると、リフトアップ効果の程度がやや低くなることがわかった。また、リフトアップ効果は、表32および表33より、加圧処理の処理時間が30分以上であるときに極めて有効であること、および、処理温度が28〜50℃であるときに極めて有効であることがわかった。
【0123】
(2)毛髪太さの改善度
毛髪として、人毛黒髪(株式会社ビューラックス、250g、30cm)をブリーチ処理したもの(以下、損傷毛という。)をスライドガラスに固定した。次いで、損傷毛の表面状態と太さとを、光学顕微鏡(BX60、オリンパス株式会社製)で撮影し、計測した。次に、スライドガラス上の毛髪に対し、所定の加圧処理が施された処方例6の美容液Bを塗布し、24時間放置した。放置後、スライドガラス上の毛髪の表面状態と太さとを、塗布前と同様にして光学顕微鏡(BX60)で撮影、計測し、美容液塗布前の計測結果と比較した。損傷毛の直径(mm)の測定結果と、美容液塗布前の計測結果との差(mm)とを、表34〜36に示す。
【0124】
【表34】

【0125】
【表35】

【0126】
【表36】

【0127】
毛髪太さの改善効果については、表34より、加圧処理の処理圧力が50〜190MPaであるときに有効であり、上記範囲を外れると、毛髪太さの改善効果の程度がやや低くなることがわかった。また、毛髪太さの改善効果は、表35および表36より、処理時間が15分以上であるときに有効(効果あり)であること、および、処理温度が30〜50℃であるときに極めて有効であることがわかった。
【0128】
なお、光学顕微鏡による損傷毛の撮影画像は、図4(a)〜図4(c)に示すとおりである。上述のとおり、損傷毛の直径は、美容液が未塗布の状態(図4(a))で、0.080mmであり、加圧処理が施されていない美容液を塗布した場合(図4(b))に、0.085mmであり、加圧処理(処理圧力90MPa、処理温度32℃、処理時間30分)が施された美容液を塗布した場合(図4(c))に、0.095mmであった。
【0129】
(3)毛髪のつやの改善度
毛髪として、正常毛(株式会社ビューラックス、人毛黒髪、20g、15cm)を束ねたものと、損傷毛(上記正常毛をブリーチ処理したもの)とを束ねたものとを使用し、それぞれの束を水洗後、軽く水気を拭き取った。次いで、それぞれの毛髪の束に対し、所定の加圧処理が施された処方例6における実施例3の美容液Bを塗布し、24時間放置した。放置後、毛髪の束を再度水洗し、十分に水分を拭き取ってから、ドライヤーで乾燥した。乾燥後、毛髪の束のつやの程度について官能評価をした。
【0130】
つやの改善度の評価は、美容液を塗布していない正常毛におけるつやを基準として、5名の専門レフリーの目視判断により行った。また、目視判断の結果、つやの改善が「非常に多い」(+3)、「多い」(+2)、「やや多い」(+1)、「変化なし」(±0)、「やや少ない」(−1)、「少ない」(−2)、および「非常に少ない」(−3)の7段階(カッコ内は、評点)で評価した。さらに、5名のレフリーの評点を合計し、毛髪のつやの改善効果を総合的に評価した。総合評価の基準は、評点の合計が、満点(15点)に対して10%未満である場合に「効果なし」、10%以上40%未満である場合に「やや効果あり」、40%以上80%未満である場合に「効果あり」、80%以上である場合に「極めて有効」とした。評価結果を表37〜39に示す。
【0131】
【表37】

【0132】
【表38】

【0133】
【表39】

【0134】
毛髪のつやの改善効果については、表37より、加圧処理の処理圧力が50〜190MPaであるときに有効であり、上記範囲を外れると、毛髪のつやの改善効果の程度がやや低くなることがわかった。また、毛髪のつやの改善効果は、表38および表39より、処理時間が15分以上であるときに有効であること、および、処理温度が30〜50℃であるときに有効であることがわかった。
【0135】
(4)毛穴の改善度
40歳代〜60歳代の女性5名をパネラーとし、各パネラーの顔面を市販の洗顔フォームで洗浄し、タオルで水分を拭き取った。次に、各パネラーの顔面の毛穴の状態を、マイクロスコープ(Charm Lite Stand III、株式会社モリテックス)で撮影した。撮影後、各パネラーの顔面に、所定の加圧処理が施された処方例6における実施例3の美容液Cを塗布し、翌日まで放置した。翌日、各パネラーの顔面の毛穴の状態を、上記マイクロスコープで再度撮影し、美容液塗布前の写真と比較して、毛穴の改善度の官能評価をした。
【0136】
毛穴の状態の比較は、5名の専門レフリーが行い、毛穴の状態が「改善した」(+2)、「やや改善した」(+1)、「変わらない」(±0)、「やや悪化した」(−1)および「悪化した」(−2)の5段階(カッコ内は、評点)で評価した。さらに、パネラーごとの評価について、5名のパネラーの評点を合計し、各パネラーが獲得した評点を合計することにより、毛穴の改善効果を総合的に評価した。例えば、1人のパネラーに対し、5名のレフリー全員が「改善した」と評価した場合に、そのパネラーの評点は、(+2)×5=10点となる。パネラーは全5名であることから、全パネラーの評点の合計は、50点満点である。
【0137】
また、総合評価の基準は、5名のパネラーの評点の合計が、満点(50点)に対して10%未満である場合に「効果なし」、10%以上40%未満である場合に「やや効果あり」、40%以上80%未満である場合に「効果あり」、80%以上である場合に「極めて有効」とした。その結果を表40〜42に示す。
【0138】
【表40】

【0139】
【表41】

【0140】
【表42】

【0141】
毛穴の改善効果については、表40より、加圧処理の処理圧力が50〜190MPaであるときに有効であり、上記範囲を外れると、毛穴の改善効果の程度がやや低くなることがわかった。また、毛穴の改善効果は、表41および表42より、処理時間が15分以上であるときに有効であること、および、処理温度が30〜50℃であるときに極めて有効であることがわかった。
【0142】
(5)肌のキメの改善度
肌のキメの改善度についての官能評価は、毛穴の改善度の官能評価によって撮影された、美容液塗布前後の写真を用いて行った。
肌のキメの状態の比較は、5名の専門レフリーが行い、肌のキメの状態が「改善した」(+2)、「やや改善した」(+1)、「変わらない」(±0)、「やや悪化した」(−1)および「悪化した」(−2)の5段階(カッコ内は、評点)で評価した。また、パネラーごとの評価について、5名のパネラーの評点を合計し、さらに、各パネラーが獲得した評点を合計することにより、肌のキメの改善効果を総合的に評価した。総合評価の基準は、5名のパネラーの評点の合計が、満点(50点)に対して10%未満である場合に「効果なし」、10%以上40%未満である場合に「やや効果あり」、40%以上80%未満である場合に「効果あり」、80%以上である場合に「極めて有効」とした。その結果を表43〜45に示す。
【0143】
【表43】

【0144】
【表44】

【0145】
【表45】

【0146】
肌のキメの改善効果については、表43より、加圧処理の処理圧力が50〜190MPaであるときに極めて有効であり、上記範囲を外れると、肌のキメの改善効果の程度がやや低くなることがわかった。また、肌のキメの改善効果は、表44および表45より、処理時間が15分以上であるときに有効であること、および、処理温度が30〜50℃であるときに極めて有効であることがわかった。
【0147】
(6)肌の透明感の改善度
30歳代〜60歳代の女性5名をパネラーとし、各パネラーの顔面を市販の洗顔フォームで洗浄し、タオルで水分を拭き取った。次に、各パネラーの右側の顔面のうち、シミが気にならない部分において、そのL値を分光測色計(CD100、横河M&C株式会社製)で測定した。測定後、右側の顔面に、所定の加圧処理が施された処方例6における実施例3の美容液B0.2gを均等に塗布した。美容液の塗布から6時間後、塗布前と同じ場所のL値を上記分光測色計で測定し、塗布から6時間経過後のL値から、塗布前のL値を差し引いた値を求めた。
【0148】
その結果、処方例6における実施例3の美容液Bを用いることで、加圧処理を施していない場合も、加圧処理の条件が評価試験例6の(i)〜(iii)に示すいずれの条件である場合もともに、肌の透明感の改善度についてある程度の効果が得られたが、なかでも、処理圧力が50〜190MPaである場合と、処理時間が15分以上である場合と、処理温度が30℃以上50℃以下である場合には、肌の透明感の改善度が極めて良好であった。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】シワの改善の評価において撮影した目じり近傍の写真の画像処理図である。
【図2】毛穴の改善度の評価において撮影した半顔の写真の画像処理図である。
【図3】キメの改善度の評価において撮影した半顔の写真の画像処理図である。
【図4】(a)〜(c)は、いずれも毛髪太さの改善度の官能評価において撮影した損傷毛の光学顕微鏡写真の画像処理図である。
【図5】(a)および(b)は、いずれも濁度の測定において撮影したサンプルの写真の画像処理図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロキクラゲ多糖体と、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルとを含有することを特徴とする、化粧料。
【請求項2】
50〜190MPaで15分間以上加圧処理後、8時間以内に皮膚または毛髪に塗布するために使用される、請求項1に記載の化粧料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−303203(P2008−303203A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306357(P2007−306357)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(591230619)株式会社ナリス化粧品 (200)
【Fターム(参考)】