説明

化粧料

【課題】皮膚の弾力性の保持に重要な蛋白質であるコラーゲンの産生を、表皮及び真皮の両細胞に於いて促進する作用、即ち、基底膜を構成するIV型コラーゲンやVII型コラーゲンの産生を促進することにより基底膜の機能を正常化し、表皮角層の不健全化を予防或いは改善する作用と、さらに真皮を構成するI型コラーゲンの産生を促進することにより真皮構造を正常化し、真皮マトリックス成分のうちでも特に皮膚の弾力性に重要な役割を果たしているコラーゲンの産生を促進する作用を有し、内的要因で起こる器官・組織・細胞の活性低下による皮膚の老化や不健全化を予防・改善する作用を奏すると共に、皮膚刺激が少なく生体安全性にもすぐれた成分を見出し、かかる成分を化粧品配合原料として用いることにより、有効性と安全性とを兼ね具えた化粧料を提供すること。
【解決手段】水ナスの搾汁液及び/又はエキスから選ばれた1種又は2種以上を化粧料中に配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の老化防止や肌荒れの予防・改善に有効な化粧料に関し、詳しくは、表皮細胞におけるコラーゲン産生促進作用と真皮線維芽細胞におけるコラーゲン産生促進作用を併せ持ち、それら両作用の相乗的効果により皮膚の老化防止や肌荒れの予防・改善に高い有効性を示すと共に生体安全性にもすぐれた天然物由来成分を含んでなり、皮膚を健常で且つ若々しい状態に保持し或いは改善するために用いて有用な化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の老化は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化やホルモン分泌の低下などの内的要因と、太陽光(紫外線)に誘発される活性酸素による細胞・組織の損傷、細胞外マトリックス成分の量的低下或いは炎症などの外的要因が複雑に絡み合って生ずる現象である。それらの内、内的要因に基づく皮膚の老化は、表皮細胞の活性低下、特にIV型およびVII型コラーゲン、ラミニンなどの基底膜を構成するタンパク質の合成低下に基づく表皮基底細胞の不活化により、皮膚角質層のバリア機能、皮脂分泌機能、水分保持機能が低下することによって生じる。また、真皮線維芽細胞の活性低下や増殖能の低下、或いはコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの真皮マトリックス成分が減少し、皮膚組織が柔軟性や弾力を失うことも皮膚老化の原因となり、皮膚の形態的・生理的変化としては、シワ、タルミ、肌荒れなどの症状として現れる。
この皮膚の老化を防ぎ、皮膚を健全且つ若々しい状態に保持するため、従来より種々の活性成分の使用が提案され、それら成分を配合した化粧品が上市されている。例えば、ビタミンC類、ビタミンE類などの抗酸化剤、グリチルリチン酸などの抗炎症剤、各種紫外線吸収剤、α-ヒドロキシカルボン酸、胎盤抽出液、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸などの細胞賦活成分、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分、尿素などの保湿剤等がそれである。
しかしながら、それら成分は一般に、上述した皮膚老化要因のうちの一部を防止或いは改善することに与るに過ぎないため、それら成分を配合した従来の化粧料によっては、真に満足し得る皮膚老化防止効果は得られないのが現状である。また、成分の種類によっては、皮膚刺激性や皮膚感作性を有するなど生体に対する安全性に問題があったり、或いは細胞の活性化、増殖作用が十分ではないなどの難点もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、従来の化粧料にみられる上述のごとき問題点に鑑み、皮膚の老化、肌荒れ等の諸要因に対して複合的、多面的に作用することにより皮膚の老化防止や肌荒れの予防・改善に高い有効性を示すと共に、皮膚に対する安全性の点でも十分満足し得る新たな化粧料配合成分を見出すべく鋭意研究を行った結果、水ナスの搾汁液、さらにはそのエキスが、表皮細胞のコラーゲン産生の促進作用と真皮線維芽細胞のコラーゲン産生を促進する作用を併せ持つと共に、古くから食している野菜に由来するものであることから生体安全性にもすぐれ、上記の目的に合致するものであることを知り、本発明を完成するに至った。
【0004】
ナス科ナス属(ソラナム属;Solanum)の植物の成分を化粧料配合原料として利用することについては、従来より種々の提案がなされている。
例えば、特開平03−190809号公報には、ナスの抽出物を含む皮膚外用剤が肌荒れ防止・改善効果、特に活性剤による炎症及び過剰なターンオーバーの亢進を抑制することに基づく肌荒れ防止・改善効果を有することが、特開平10−316530号公報には、ナス科ソラナム属の植物の抽出物がメラニンの生成を抑制し、日焼け後の色素沈着、しみ、そばかす、肝斑等の予防及び改善に有効であることが、特開2000−290162号公報には、ナスなどの野菜の野菜汁を濃縮する工程で分離される野菜由来の水を配合した化粧料によって、皮膚にしっとり感、潤い感などの使用感および保湿効果、柔軟効果が付与されることが、特開2001−131046号公報には、ナス科植物のエッセンスからなる過酸化水素消去剤及びこれを含む皮膚外用剤が、特開2001−139420号公報には、ナスのエッセンスにカタラーゼを活性化する効果があり、過酸化水素の消去に用いて有効であることが、又特開2001−226219号公報には、ナスの水蒸気蒸留水を含有する化粧料組成物が乾燥肌を改善し、肌にツヤ・張りを与える効果を有することが、それぞれ開示されている。
【0005】
しかしながらそれら公知文献には、ナス科ナス属(ソラナム属;Solanum)の植物として本発明に云う水ナス(Solanum Melongena;Egg plant c.v.‘Mizu−nasu’)を使用することを具体的に開示したものは全く見当たらない。
又、後に試験例1及び2に示す通り、ナス類の搾汁液或いはエキスが有する表皮細胞のコラーゲン産生促進効果や真皮線維芽細胞のコラーゲン産生促進効果は、ナス(Solanum Melongena)の中でも特に水ナス(Solanum Melongena;Egg plant cv.Mizunasu)に顕著に認められるが、かかる事実に関しても、当然ながら公知文献中には何ら記載もなされておらず又これを示唆するものすら示されていない。
唯、それら公知文献のうちには、例えば特開2001−139420号公報や同2001−226219号公報にみられるように、ナス由来の成分に、過酸化水素消去に基づくシワ防止効果や乾燥肌の改善によるツヤ・張りの付与効果などの皮膚老化防止効果があることを開示したものがあるが、後述のモニターテストの結果に示す通り、それら公知文献の発明で用いる一般汎用のナスの成分が奏する肌のシワや張りの改善などの抗老化効果は、本発明の水ナス由来の成分のそれに遙かに及ばないものである。本発明の水ナスによってかかる特段の効果が奏し得られる理由については、前述の通りナス類のうちでも特に水ナスに、表皮細胞と真皮線維芽細胞の両細胞のコラーゲン産生を促進するという複合的、多面的な抗老化作用のあることが大きく寄与しているものと推察される。
いずれにせよ上述の公知文献の記載からは、本発明で有効成分として用いる水ナスの搾汁液やそのエキスが、表皮細胞のコラーゲン産生と真皮線維芽細胞のコラーゲン産生を顕著に促進する効果を併せ持ち、それら両作用の相乗効果によって表皮、基底膜さらには真皮を健全、健常化することを通じて、一般に汎用されているナスに由来する成分に比べて遙かにすぐれた皮膚老化防止効果、肌荒れの予防、改善効果を奏することについては、これを到底予測し得ないことが明らかである。
【0006】
【特許文献1】特開平03−190809号公報
【特許文献2】特開平10−316530号公報
【特許文献3】特開2000−290162号公報
【特許文献4】特開2001−131046号公報
【特許文献4】特開2001−139420号公報
【特許文献5】特開2001−226219号公報
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち本発明は、水ナスの搾汁液及び/又はエキスから選ばれた1種又は2種以上を配合したことを特徴とする化粧料に関するものである。
又本発明は、水ナスの搾汁液及び/又はエキスから選ばれた1種又は2種以上を有効成分として含む表皮細胞及び真皮線維芽細胞のコラーゲン産生促進剤に関するものでもある。
ここで水ナスとは、ナスの品種のうち在来系統7品種、水茄子柔、和泉水茄子、泉州絹川水茄子などの品種を指し(大阪農技セ研報 35:34〜39(1999))、特にそれら品種を大阪の泉州地域で栽培したものが本発明に於いて好適に用いられる。
本発明に於いてエキスとは、水ナスの乾燥粉砕物、抽出液或いは抽出液から濃縮などにより溶媒を除いて得られる固形成分を意味する。
又、本発明に於いて化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品をも含む広義で用いる。
【0008】
【非特許文献1】大阪府立農林技術センター研究報告 35:34〜39(1999)
【発明の効果】
【0009】
水ナスの搾汁液及び/又はエキスは表皮細胞と真皮線維芽細胞の両細胞のコラーゲン産生促進効果を併せ持っており、それら作用の複合に基づく相乗的な抗老化作用により、本発明の化粧料は、皮膚の弾力性やハリを向上させて、シワやタルミなどの皮膚の老化や不健全化の症状を予防或いは改善し、皮膚を真に健全で若々しい状態に維持する。
又、本発明化粧料で活性成分として用いる水ナスの搾汁液或いはエキスは、皮膚に対する刺激性がなく、このため本発明の化粧料は生体安全性にも大変すぐれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に於いて、水ナスとしては、在来系統7品種、水茄子柔、和泉水茄子、泉州絹川水茄子などを用いることができる。
【0011】
本発明の化粧料には、上記の水ナスの搾汁液(果汁)及び/又はエキスの1種又は2種以上が有効成分として配合される。
水ナスの搾汁液及びエキスは、後に試験例に示す通り、表皮細胞及び真皮線維芽細胞の両細胞に対して、それらのコラーゲン産生を顕著に促進する作用を有しており、表皮細胞及び真皮線維芽細胞のコラーゲン産生促進剤として用いることができる。
【0012】
水ナスの搾汁液は果実をそのまま圧搾するか、もしくは果実を破砕したのち、その破砕物を圧搾することにより調製することができる。
又水ナスのエキスは、水ナスの果実を乾燥したのち粉砕して乾燥粉砕物とするか、もしくは水ナスの搾汁液汁或いは果実、又場合によっては搾汁液に凍結乾燥等を施して得られる乾燥粉末を溶媒で抽出することによって調製される。
水ナスの果実からの抽出エキスの調製は、果実を、必要に応じてこれに予め水洗、乾燥処理などを施した上、浸漬法、向流抽出法など適宜の手段により抽出溶媒と接触させることによって行うことができる。又、超臨界抽出法を用いてもよい。
【0013】
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、トリオクタン酸グリセリルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。
なお、得られる抽出エキスの表皮細胞及び真皮線維芽細胞に於けるコラーゲン産生促進作用の観点から、本発明に於いては、それら溶媒のうちでも特には高極性のものが好適に使用される。さらには化粧料への幅広い適用が可能であるという点からも、水、低級アルコール類及び多価アルコール類から選ばれた一種の単独溶媒又は二種以上の混合溶媒の使用が好ましく、なかでも水の単独使用が最も好ましい。
【0014】
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水とエチルアルコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜20:1、又水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、1:1〜20:1の範囲とすることが好ましい。
【0015】
本発明の抽出エキスの調製に際して、抽出液のpHは5〜9の範囲に保持されることが好ましく、かかる意味で、必要ならば上記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニンなどのアルカリ性調整剤や、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
【0016】
抽出温度、時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類等によっても異なるが、例えば浸漬法の場合であれば、抽出温度は、一般に15〜100℃、好ましくは60〜90℃の範囲であり、又抽出時間は、0.1〜24時間程度、特に0.5〜3時間程度が好適である。
【0017】
以上の抽出処理が終わったならば、ろ過、遠心分離などの固液分離手段を施して液相を分取し、一般にはそのpHを化粧料配合成分として好ましい範囲である4〜8に調整した上、これをそのまま、もしくは希釈或いは減圧濃縮等により適宜の濃度に調整して化粧料に配合する。又必要ならば、この液相をスプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化して化粧料に配合してもよく、さらに場合によっては、固液分離手段を施す前の抽出原液を化粧料に配合することもできる。
又上記の粉末化処理は、水ナスの搾汁液にこれを施してもよい。
【0018】
なお、本発明の水ナスの搾汁液或いはエキスの表皮細胞及び真皮線維芽細胞に於けるコラーゲン産生促進作用は、水ナスの果実、搾汁液或いはエキスに加水分解処理を施してもそのまま保持されるだけでなく、加水分解処理を行った場合、抽出時の操作性や得られた抽出液の保存安定性が向上するという利点もあることから、必要に応じて加水分解処理を行ってもよい。加水分解処理の条件としては、酸加水分解、アルカリ加水分解、酵素加水分解などの常法を用いることができる。
【0019】
水ナスの果実、搾汁液或いはエキスに酵素加水分解処理を施す場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパインなどの蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α-アミラーゼなどの澱粉分解酵素、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼなどの繊維素分解酵素及びリパーゼなどの脂肪分解酵素から選ばれた1種又は2種以上が用いられ、特にそれら4種の酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせ用いることが好ましい。
【0020】
それらの酵素による水ナス(果実)、その搾汁液或いはエキスの加水分解処理は、果実或いはエキス粉末を用いる場合であれば、果実は好ましくは予め破砕して細片化した上、それらを水或いは水と低級アルコールもしくは多価アルコールとの混液、好適には水に懸濁或いは溶解した後 、又果汁或いはエキス溶液を用いる場合であれば、それら溶液をそのまま、もしく必要に応じて濃度調整等を施した後、これに酵素を添加し、酵素の至適温度付近に1〜24時間保持することによって行われる。
この場合、エキス溶液の溶媒組成が、酵素反応の妨げとなる恐れのあるときには、該溶媒を一旦留去した上、ここに得られるエキス粉末を好ましくは水に再溶解或いは分散させて酵素処理を行うようにする。
酵素の添加量は、被処理物として果実を用いる場合であれば、その固形分に対して、合計で0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜1.0%の範囲であり、又搾汁液、エキス溶液又はエキス粉末を用いる場合は、同じく固形分に対して合計で0.001〜5重量、好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲である。
【0021】
以上の酵素加水分解処理が終わったならば、処理液に加熱処理を施して酵素を失活させた後、ここに得られる液をそのまま、もしくはろ過、遠心分離などによって液相を分取し、さらに必要ならばpH調整、濃度調整或いは粉末化処理等を施した上、化粧料の配合原料として供する。
【0022】
以上の如くして調製される本発明の水ナス(Solanum Melongena;Egg plant c.v.Mizu−nasu)の搾汁液或いはそのエキスは、後に試験例に示す通り、表皮細胞及び真皮線維芽細胞のコラーゲン産生を顕著に促進する効果を有し、しかも皮膚に対する刺激性が少ないなど生体安全性にすぐれ、化粧料への配合剤として有用なものである。
【0023】
本発明の水ナスの搾汁液及び/又はエキス或いはそれらの酵素加水分解処理物を配合してなる化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、整髪料などの頭髪化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0024】
本発明の化粧料中に於ける水ナスの搾汁液及び/又はエキス或いはそれらの酵素加水分解処理物の配合量は、固形分として、例えば基礎化粧料については、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%の範囲、メイクアップ化粧料ついては、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲、頭髪化粧料については、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲、又清浄用化粧料については、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲である。
【0025】
本発明の化粧料には、必須成分の水ナスの搾汁液及び/又はエキスのほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、生理活性成分(美白成分、老化防止・美肌化・シワ防止成分など)、抗炎症剤、抗酸化剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。
又、本発明の水ナスの搾汁液及び/又はそのエキスの有効性や特長を損なわない限り、既知のコラーゲン合成促進剤を併せ配合することもできる。
【0026】
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0027】
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪酸アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Zizyphus juazeiro:Rhamnaceae)抽出物等を配合することもできる。
【0028】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、N−(3,4,5,6−テトラヒドロキシ−2−オキソヘキシル)ピログルタミン酸等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌発酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、海藻抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体(例えばトリメチルグリシンなど)、スフィンゴ脂質、ビャッキュウ抽出物、豆乳発酵液、納豆エキス、米由来抽出物及びその発酵物等が挙げられる。
【0029】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体、グルコシルトレハロースと加水分解水添デンプンを主体とする糖化合物等が挙げられる。
【0030】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャーマル(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、プロポリスエキス、メチルイソチアゾリノン等がある。
【0031】
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、6−又は12−ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
【0032】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
【0033】
生理活性成分としては、例えば美白成分として、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ハスの実発酵物、党参抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、ジンコウ抽出物、ハマメリス抽出物、イタドリ抽出物、サワヒヨドリ抽出物、甘草抽出物、フキタンポポ抽出物、アルテア抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ユキノシタ抽出物、ナツメ抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、モモ抽出物、柑橘類(ミカン、ユズ、ダイダイなど)の抽出物、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、又皮膚老化防止・美肌化・シワ防止 成分として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、コエンザイムQ−10、α−リポ酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、低アレルゲン米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、米発酵エキス、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Zizyphus juazeiro)抽出物、ブナ抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、イチョウ抽出物、スギナ抽出物、ベニバナ抽出物、オタネニンジン抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、ハゴロモグサ抽出物、レンゲ抽出物、マンゴー抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴスチン抽出物、タベブイア・インペチギノサ抽出物、柑橘類(ミカン、ユズ、ダイダイなど)の抽出物、酵母抽出物、卵殻膜抽出タンパク質、デオキシリボ核酸カリウム塩、スフィンゴ脂質、ハス発酵液、紫蘭根抽出物、ムラサキシキブ抽出物、イネ抽出物、サンゴ草抽出物、花粉荷エキス、ユリ全草抽出物等がある。
【0034】
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート、ビタミンEリン酸エステルナトリウム塩等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0035】
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸、アラントイン、ゲンチアナ根抽出物、タベブイア・インペチギノサ(Tabebuia impetiginosa)抽出物等がある。
【0036】
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ユビデカキノン(ユビキノン)、ルチン、ルチングルコシド、白芥子抽出物、イネ抽出物、ムラサキシキブ抽出物、シラカバ抽出物、ハマメリス抽出物、ウーロン茶抽出物、黒豆加水分解抽出液、ハゴロモグサ抽出液等がある。
【0037】
又コラーゲン合成促進剤としては、例えばアスコルビン酸及びその誘導体(L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシドなど)、米抽出物加水分解物、ニンジンエキス、ニンジン発酵物、アマモ抽出物などが挙げられる。
【0038】
次に、製造例、試験例及び実施例(化粧料の処方例)を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、又%はすべて重量%を意味する。
【0039】
製造例1.水ナス搾汁液の調製(1)
水ナス(泉州産。以下同じ)の果実2800gをフードプロセッサーでペースト状にし、さらにそれを圧搾して得られた液をろ過し、黄褐色澄明の水ナス搾汁液1980gを得た(固形分濃度3.70%)。
【0040】
製造例2.水ナス搾汁液の調製(2)
水ナス果実2800gをフードプロセッサーでペースト状にし、さらにそれを圧搾して得られた液を活性炭で脱色処理を行い、無色透明の水ナス搾汁液1700gを得た(固形分3.51%)。
【0041】
製造例3.水ナス果実エキスの調製(1)
水ナス果実の乾燥物100gに精製水1000gを混合し、40℃で4時間抽出を行った後ろ過し、黄色澄明の水ナス果実抽出液820gを得た(固形分濃度1.31%)。
【0042】
製造例4.水ナス果実エキスの調製(2)
水ナス果実の乾燥物100gに精製水と1,3‐ブチレングリコールの7:3(重量比)混液1200gを混合し、80℃で2時間抽出を行った後ろ過し、黄褐色澄明の水ナス果実抽出液910gを得た(固形分濃度1.01%)。
【0043】
製造例5.水ナス果実エキスの調製(3)
水ナス果実の乾燥物100gに精製水とエタノールの1:1(重量比)混液800gを混合し、4℃で72時間抽出を行った後ろ過し、淡黄色澄明の水ナス果実抽出液650gを得た(固形分濃度0.77%)。
【0044】
製造例6.水ナス果実エキスの調製(4)
水ナス果実の乾燥物100gを粉砕機で粉砕した後篩別し、平均粒径20μmの水ナス果実乾燥物粉末75gを得た。
【0045】
製造例7.水ナス搾汁液粉末の調製
製造例1と同様にして得た水ナス搾汁液500gを凍結乾燥した後粉砕し、黄褐色の水ナス搾汁液粉末16.8gを得た。
【0046】
比較製造例1.長ナス搾汁液の調製
製造例1において、水ナスに代えて長ナス2800gを使用する他は製造例1と同様にして、長ナス搾汁液1020gを得た(固形分3.15%)。
【0047】
比較製造例2.米ナス搾汁液の調製。
製造例1において、水ナスに代えて米ナス2800gを使用する他は製造例1と同様にして、米ナス搾汁液980gを得た(固形分3.20%)。
【0048】
実施例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1) 4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル
[B成分]
製造例1の水ナス搾汁液 10.0
グリセリン 5.0
メチルパラベン 0.1
モイストン・C (注2) 1.0
精製水 全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
【0049】
実施例2.クリーム
実施例1のB成分中製造例1の水ナス搾汁液に代えて製造例2の水ナス搾汁液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0050】
実施例3.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の水ナス搾汁液 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0051】
実施例4.ローション
[成分]

製造例2の水ナス搾汁液 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0052】
実施例5.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル 0.5
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例2の水ナス搾汁液 10.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
【0053】
実施例6.乳液
実施例3のB成分中、製造例1の水ナス搾汁液に代えて製造例3の水ナス果実抽出液を用いるほかは実施例3と同様にして乳液を得た。
【0054】
実施例7.乳液
実施例3のB成分中、製造例1の水ナス搾汁液に代えて製造例4の水ナス果実抽出液を用いるほかは実施例3と同様にして乳液を得た。
【0055】
実施例8.乳液
実施例3のB成分中、製造例1の水ナス搾汁液に代えて製造例5の水ナス果実抽出液を用いるほかは実施例3と同様にして乳液を得た。
【0056】
実施例9.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の水ナス搾汁液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
水酸化カリウ 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0057】
実施例10.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
【0058】
実施例11.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
【0059】
実施例12.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
【0060】
実施例13.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
【0061】
実施例14.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて白芥子(Brassica Alba)種子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
【0062】
実施例15.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
【0063】
実施例16.乳液
実施例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「オリゼノーブル」、固形分濃度1.5%)5.0部を用いるほかは実施例9と同様にして乳液を得た。
【0064】
実施例17.ローション
[成分] 部
製造例2の水ナス搾汁液 3.0
L−アスコルビン酸 −2−グルコシド 2.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
アルギン酸ナトリウム 0.1
水酸化カリウム 適量
香料 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0065】
実施例18.プレストパウダー
[A成分] 部
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.1
酸化チタン 10.0
6−ナイロンパウダー 4.0
セリサイト 全量が100部となる量
マイカ 23.0
タルク 25.0
製造例6の水ナス果実乾燥物粉末 0.1
[B成分]
スクワラン 1.0
メチルポリシロキサン 4.0
プロピルパラベン 0.1
デヒドロ酢酸 0.1
流動パラフィン 2.0
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ混合攪拌し混合した後、200メッシュのタイラーメッシュの篩にかけ、得られた混合粉末を金型に打型してプレストパウダーを得た。
【0066】
実施例19.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例1の水ナス搾汁液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
【0067】
実施例20.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分]
製造例2の水ナス搾汁液 5.0
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適量
[D成分]
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
【0068】
実施例21.ヘアートニック
[A成分] 部
エタノール 60.0
l−メントール 0.5
香料 0.1
メチルパラベン 0.1
[B成分]
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
製造例5の水ナス果実抽出液 10.0
精製水 全量が100部となる量
上記のA成分とB成分をそれぞれ常温で溶解した後、A成分にB成分を攪拌しながら加え溶解させてヘアートニックを得た。
【0069】
実施例22.ヘアートリートメント
[成分] 部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 6.0
ポリビニルピロリドン 4.0
グリセリン 1.0
エチルパラベン 0.1
製造例3の水ナス果実抽出液 5.0
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を80℃に加温した後混合攪拌してヘアートリートメントを得た。
本品はヘアーパックとしても好適なものであった。
【0070】
実施例23.ヘアーシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
クエン酸 0.1
製造例4の水ナス果実抽出液 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーシャンプーを得た。
【0071】
実施例24.ヘアーリンス
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の水ナス搾汁液 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーリンスを得た。
【0072】
実施例25.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例2の水ナス搾汁液 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
【0073】
実施例26.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
製造例7の水ナス搾汁液粉末 0.5
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
【0074】
比較実施例1.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の水ナス搾汁液に代えて比較製造例1の長ナス搾汁液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0075】
比較実施例2.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の水ナス搾汁液に代えて比較製造例2の米ナス搾汁液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
【0076】
試験例1.表皮細胞におけるコラーゲン産生促進試験
製造例1〜3で得られた水ナス搾汁液及び水ナス果実抽出液と比較製造例1及び2で得られた長ナス及び米ナス搾汁液を試料として用い、それらを各々精製水で希釈して固形分が1%となるように調整した溶液について、表皮細胞におけるコラーゲン産生促進作用を調べた。
【0077】
[試験方法]
ヒト皮膚由来表皮細胞PHK16−0b(Lot.060325)を、MCDB153(シグマ社製)及びエピダーセルHKGS(クラボウ社製)を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃で1日間プレ培養した後、培地に試料溶液を1.0又は5.0%の濃度(溶液濃度として)になるように添加して、37℃でさらに5日間培養した。
次に培養液を除去し、0.04%ファストグリーン、0,05%シリウスレッド溶液を添加し、細胞内のコラーゲン及び非コラーゲンを染色した後、充分に洗浄した。次に0.1%NaOH含有メタノールで抽出し、コラーゲン量は波長540nmで測定した。また、試料無添加の場合(コントロール)について同様の試験を行った。
結果は、試料無添加(コントロール)の波長540nmに於ける吸光度を100としたときの各試料添加時の吸光度の相対値(コラーゲン産生率)を以て示した。
【0078】
[結果]
結果を図1に示す。図1に於いて、A〜Kの符号は以下のものを意味する
A:コントロール
B:製造例1の搾汁液の1%添加区
C:製造例1の搾汁液の5%添加区
D:製造例2の搾汁液の1%添加区
E:製造例2の搾汁液の5%添加区
F:製造例3の搾汁液の1%添加区
G:製造例3の搾汁液の5%添加区
H:比較製造例1の搾汁液の1%添加区
I:比較製造例1の搾汁液の5%添加区
J:比較製造例2の搾汁液の1%添加区
K:比較製造例2の搾汁液の5%添加区
【0079】
図1に示すように、本発明の水ナスの搾汁液(製造例1、2)或いは水ナス果実抽出液(製造例3)には、ヒト皮膚由来表皮細胞におけるコラーゲン産生を顕著に促進する効果が確認された。これに対して、長ナスの搾汁液(比較製造例1)及び米ナスの搾汁液(比較製造例2)については、5%の添加で若干のコラーゲン産生促進作用が認められるが、本発明試料に遠く及ばないものであった。
【0080】
試験例2.線維芽細胞におけるコラーゲン産生促進試験
試験例1と同様の試料について、真皮線維芽細胞におけるコラーゲン産生促進作用を調べた。
[試験方法]
ヒト皮膚真皮由来線維芽細胞NB1RGB(Lot.051203(12))を、0.5%NCS含有最小必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃で1日間プレ培養した後、培地に試料溶液を1.0又は5.0%の濃度(溶液濃度として)になるように添加して、37℃でさらに5日間培養した。
次に培養液を除去し、0.04%ファストグリーン、0,05%シリウスレッド溶液を添加し、細胞内のコラーゲン及び非コラーゲンを染色した後、充分に洗浄した。次に0.1%NaOH含有メタノールで抽出し、コラーゲン量は波長540nmで測定した。また、試料無添加の場合(コントロール)と、さらに試験系が正常に機能しているかを確認するための試験として、試料溶液の代わりにL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム(APM)を2mM添加した場合について、それぞれ同様の試験を行った。
結果は、試料無添加(コントロール)の波長540nmに於ける吸光度を100としたときの各試料添加時の吸光度の相対値(コラーゲン産生率)を以て示した。
【0081】
[結果]
結果を図2に示す。図2に於いて、L〜Vの符号は以下のものを意味する
L:コントロール
M:製造例1の搾汁液の1%添加区
N:製造例1の搾汁液の5%添加区
O:製造例2の搾汁液の1%添加区
P:製造例2の搾汁液の5%添加区
Q:製造例3の搾汁液の1%添加区
R:製造例3の搾汁液の5%添加区
S:比較製造例1の搾汁液の1%添加区
T:比較製造例1の搾汁液の5%添加区
U:比較製造例2の搾汁液の1%添加区
V:比較製造例2の搾汁液の5%添加区
【0082】
図2に示すように、本発明の水ナス搾汁液(製造例1,2)および水ナス果実抽出液(製造例3)には、正常ヒト由来線維芽細胞におけるコラーゲン産生を顕著に促進する効果が確認された。これに対して、長ナスの搾汁液(比較製造例1)及び米ナスの搾汁液(比較製造例2)の示すコラーゲン産生促進作用は本発明試料に遠く及ばないものであった。
【0083】
試験例3.皮膚刺激性
[試料]
(1)製造例1の水ナス搾汁液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料1)
(2)製造例2の水ナス搾汁液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料2)
(3)製造例3の水ナス果実抽出液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料3)
(4)製造例4の水ナス果実抽出液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料4)
(5)日局親水ワセリン(対照)
【0084】
[試験方法]
年齢20〜50歳の成人男子5名を被験者とし、各々の上腕部内側をエタノールで拭って皮脂を除去し、該部位に、フィンチャンバーのアルミ板に本発明試料1〜4及び対照の日局親水ワセリンをそれぞれ0.2g宛塗布したものを貼付した。24時間後にフィンチャンバーを除去し、皮膚刺激の程度をつぎに述べる方法並びに基準により判定した。
[判定]
パッチ除去後1時間後、24時間後及び48時間後に、貼付部位の紅斑及び浮腫の状況を、以下の「ドレイズ法による皮膚刺激性判定基準」に基づき目視判定し、被験者5名の平均値を求めた。
(紅斑)
スコア 皮膚の状態
0 : 紅斑なし
1 : 極軽度の紅斑
2 : 明らかな紅斑
3 : 中程度から強い紅斑
4 : 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成
(浮腫)
スコア 皮膚の状態
0 : 浮腫なし
1 : 極軽度の浮腫
2 : 明らかな浮腫(周囲と明らかに区別可能)
3 : 中程度の浮腫(1mm以上の盛り上がり)
4 : 強い浮腫(さらに周囲にも広がり)
【0085】
結果を表1に示す。
【表1】

【0086】
表1の結果から明らかな通り、本発明の水ナス搾汁液及びその水ナス果実抽出液は、皮膚刺激がなく安全性に極めてすぐれている。
【0087】
試験例1.モニターテスト
実施例1及び2のクリームと比較実施例1及び2のクリームについて、モニターテストにより皮膚に対する効果を調べた。
[試験方法]
無作為に抽出した年齢18〜50歳の女性40名を被験者として20名ずつ2つのグループ(A、B)に分け、各グループに、実施例1と比較実施例1のクリーム又は実施例2と比較実施例2のクリームの2種の組み合わせのいずれかを割り振り、それぞれ左右の頬部に、実施例又は比較実施例のクリームを1日2回(朝、晩)、1ヵ月間塗布してもらった後、小ジワに対する改善効果及び肌のはり、艶に対する改善効果を、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0088】
[評価基準]
(小ジワに対する改善効果)
A:殆ど目立たなくなった
B:かなり目立たなくなった
C:わずかに目立たなくなった
D:変わらない
E:かえって増えた
(肌のはり、艶に対する改善効果)
A:明らかに改善された
B:かなり改善された
C:僅かに改善された
D:変わらない
E:かえって悪くなった
【0089】
[結果]
結果を表2に示す。なお、表中のA〜Eの各評価欄の数字は、被験者20名中当該評価を行った被験者の数を示す。
【表2】

【0090】
表2に示す通り、水ナスの搾汁液を活性成分として配合してなる本発明のクリームは、皮膚の老化或いは不健全化の典型的な症状であるシワ、たるみ等に対してすぐれた改善作用を示す。
これに対して、長ナス又は米ナスの搾汁液を配合した比較実施例のクリームでは、ほとんど改善効果が見られず、明らかに有効性に違いがある結果となった。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】は、試験例1の各試験区に於ける表皮細胞のコラーゲン産生率を示すグラフである。(縦軸:コラーゲン産生率(%))
【図2】は、試験例2の各試験区に於ける真皮線維芽細胞のコラーゲン産生率を示すグラフである。(縦軸:縦軸:コラーゲン産生率(%))
【符号の説明】
【0092】
A:試験例1に於けるコントロール
B:試験例1に於ける製造例1の搾汁液の1%添加区
C:試験例1に於ける製造例1の搾汁液の5%添加区
D:試験例1に於ける製造例2の搾汁液の1%添加区
E:試験例1に於ける製造例2の搾汁液の5%添加区
F:試験例1に於ける試験例1に於ける製造例3の搾汁液の1%添加区
G:試験例1に於ける製造例3の搾汁液の5%添加区
H:試験例1に於ける比較製造例1の搾汁液の1%添加区
I:試験例1に於ける比較製造例1の搾汁液の5%添加区
J:試験例1に於ける比較製造例2の搾汁液の1%添加区
K:試験例1に於ける比較製造例2の搾汁液の5%添加区
L:試験例2に於けるコントロール
M:試験例2に於ける製造例1の搾汁液の1%添加区
N:試験例2に於ける製造例1の搾汁液の5%添加区
O:試験例2に於ける試験例2に於ける製造例2の搾汁液の1%添加区
P:試験例2に於ける製造例2の搾汁液の5%添加区
Q:試験例2に於ける製造例3の搾汁液の1%添加区
R:試験例2に於ける製造例3の搾汁液の5%添加区
S:試験例2に於ける比較製造例1の搾汁液の1%添加区
T:試験例2に於ける比較製造例1の搾汁液の5%添加区
U:試験例2に於ける比較製造例2の搾汁液の1%添加区
V:試験例2に於ける比較製造例2の搾汁液の5%添加区

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水ナス(Solanum Melongena;Egg plant c.v.‘Mizu−nasu’)の搾汁液及び/又はエキスから選ばれた1種又は2種以上を配合したことを特徴とする化粧料。
【請求項2】
水ナスの搾汁液及びエキスが、表皮細胞のコラーゲン産生促進作用と真皮線維芽細胞のコラーゲン産生促進作用とを有する請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
水ナスの搾汁液及び/又はエキスから選ばれた1種又は2種以上を有効成分として含む表皮細胞及び真皮線維芽細胞のコラーゲン産生促進剤。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−69074(P2008−69074A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246264(P2006−246264)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000162021)共栄化学工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】