説明

医用画像表示装置及びプログラム

【課題】医用画像データに対するユーザ操作を繰り返す際の医用画像表示装置の操作性の向上を図ること。
【解決手段】CPU10は、ユーザによる医用画像データに対する検像の操作を入力部20からの操作信号に基づいて検知した場合には、当該医用画像データに検像のデータ処理を施す。そして、その検像の履歴を示す履歴データを検像履歴テーブル64に蓄積的に記憶する。CPU10は、ユーザの操作に基づいて検像済みの医用画像データをPACSのサーバに送信する。このとき、その送信の成否を判定し、当該判定の結果を示す判定データを検像履歴テーブル64に記憶する。検像履歴画面で履歴データが選択された場合には、その履歴データに基づいて検像画像DB62の医用画像データにデータ処理を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人体を撮影して、被写体の画像を含む医用画像データを生成するCT(Computed Tomography)やCR(Computed Radiography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、乳房撮影装置、超音波診断装置等といった様々な医用画像生成装置(以下、「モダリティ」という。)は、各種システムへ統合化される傾向にある。
【0003】
具体的には、HIS(Hospital Information System:病院情報システム)やRIS(Radiological Information System:放射線情報システム)から患者情報や検査情報を含むオーダ情報が送信され、モダリティは、撮影技師の操作に従ってそのオーダ情報に基づいた撮影を行う。そして、その撮影によって得られた画像を含む医用画像データを、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に基づいたデータ形式で生成した後に、PACS(Picture Archiving and Communication System:画像保管管理システム)にデータ転送する。
【0004】
撮影技師は、医用画像データが転送される前に、オーダ情報通りの撮影を行ったか、診断に適した画質の医用画像であるか、医用画像データに含まれる各種情報が正しいか等を事前にチェック・確認する必要がある。このような点から、医用画像データの転送前に、当該医用画像データの確認及び修正を行う(以下、医用画像データの確認及び修正するという行為を「検像」という。)ための検像装置の実用化が望まれている。
【0005】
検像装置は、HISやRISから送信されるオーダ情報と、モダリティから送信される医用画像データとを受信し、オーダ情報及び医用画像データを表示して、撮影技師等のユーザ操作に応じて医用画像データの修正・調整等のデータ処理を行うための医用画像表示装置である。
【0006】
具体的には、医用画像の画像データに付随する画像構成情報に基づいて変更の必要があると判定し、ウォーニング画面によりユーザの確認入力が為された場合に当該変更を行い画像サーバに送信する医用画像情報処理装置が知られている(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2004−337347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、検像装置からPACSへの医用画像データの送信が通信不良等により失敗した場合のように、再度を検像装置で検像を行ってPACSに医用画像データを再送するという状況がある。しかし、この場合、ユーザは、特許文献1の医用画像情報処理装置のように画像データの変更の都度ウォーニング画面の確認入力を行わなければならず、過去に行った検像の操作を繰り返す必要があり、煩雑であった。
【0009】
また、一般的にユーザの操作履歴を記録しておく機能があるが、この機能を単に検像装置に適用したとしても、ユーザは、その操作履歴を参照しながら同様の操作を繰り返す必要があり、煩雑であった。
【0010】
本発明は、上述した課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、医用画像データに対するユーザ操作を繰り返す際の医用画像表示装置の操作性の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の医用画像表示装置は、
他機から受信した医用画像データを表示する表示制御手段と、
前記受信した医用画像データを蓄積記憶する画像記憶手段と、
前記表示制御手段により表示された医用画像データにユーザ操作に応じたデータ処理を施すデータ処理手段と、
前記データ処理の処理内容を示す履歴データを当該データ処理を施した医用画像データの識別情報と対応付けて記憶する履歴記憶手段と、
前記履歴記憶手段に記憶された識別情報に基づいた医用画像データを前記画像記憶手段から読み出し、当該識別情報に対応付けられた前記履歴データに基づいて当該医用画像データにデータ処理を行う履歴再生制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記データ処理手段は、
前記表示制御手段により表示された医用画像データに前記データ処理を施して他機に送信する送信処理手段と、
前記送信処理手段による医用画像データの送信の成否を判定する判定手段と、
を有し、
前記履歴記憶手段は、
前記判定処理手段による判定の結果を示す判定データを前記履歴データとして前記医用画像データの識別情報と対応付けて記憶する判定結果記憶手段を有し、
前記履歴再生制御手段は、
前記判定結果記憶手段に記憶された判定データに対応付けられた識別情報に基づいて医用画像データを前記画像記憶手段から読み出し、当該識別情報に対応付けられた前記履歴データに基づいて当該医用画像データに対するデータ処理を行う送信画像データ処理手段を有することを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記履歴データを一覧表示する履歴表示手段を更に備えることを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記履歴表示手段により表示された履歴データを選択する選択手段を更に備え、
前記履歴再生制御手段は、
前記選択手段により選択された履歴データに対応付けられた識別情報に基づいた医用画像データを前記画像記憶手段から読み出し、当該履歴データに基づいて当該医用画像データにデータ処理を行う選択履歴再生手段を有することを特徴としている。
【0015】
請求項5に記載の発明は、コンピュータを、
他機から受信した医用画像データを表示する表示制御手段、
前記受信した医用画像データを蓄積記憶する画像記憶手段、
前記表示制御手段により表示された医用画像データにユーザ操作に応じたデータ処理を施すデータ処理手段、
前記データ処理の処理内容を示す履歴データを当該データ処理を施した医用画像データの識別情報と対応付けて記憶する履歴記憶手段、
前記履歴記憶手段に記憶された識別情報に基づいた医用画像データを前記画像記憶手段から読み出し、当該識別情報に対応付けられた前記履歴データに基づいて当該医用画像データにデータ処理を行う履歴再生制御手段、
として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1及び5に記載の発明によれば、履歴記憶手段に記憶された識別情報に基づいた医用画像データを読み出し、当該識別情報に対応付けられた履歴データに基づいてその読み出した医用画像データにデータ処理を行う。このため、ユーザは、過去に行った医用画像データに対する操作を繰り返すことなく、同一の操作に応じたデータ処理が施された医用画像データを得ることができる。従って、医用画像データに対するユーザ操作を繰り返す際の医用画像表示装置の操作性の向上を図ることである。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、医用画像データの送信の成否に応じたデータ処理が医用画像データに施される。このため、例えば、医用画像データの送信に失敗した際に、ユーザは過去に行った医用画像データに対する操作を繰り返すことなく、同一の操作に応じたデータ処理が施された医用画像データを得ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、履歴データが一覧表示されるため、ユーザは、過去に行った医用画像データに対する操作を確認することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られるのは無論のこと、選択された履歴データに対応付けられた識別情報に基づいた医用画像データに、当該履歴データに基づいたデータ処理を行う。このため、ユーザは、過去に行った医用画像データに対する操作履歴を選択することで、その操作を繰り返すことなく、同一の操作に応じたデータ処理が施された医用画像データを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の医用画像表示装置を図1の検像装置1に適用した場合の実施形態について図1〜図14を参照して説明する。
【0021】
先ず、検像装置1を有する放射線科システムSのシステム構成について図1を用いて説明する。図1は、放射線科システムSのシステム構成の一例を示すブロック図である。図1によれば、放射線科システムSは、モダリティMと、検像装置1と、PACS2と、RIS(放射線情報システム)5とが通信ネットワークNに接続されて、それぞれがデータ通信可能に構成されている。
【0022】
RIS5は、CPU(Central Processing Unit)や記憶部、入力部、表示部、通信部等を有するコンピュータにより構成され、放射線科部門内における診療予約、診断結果のレポート、実績管理、材料在庫管理等の情報管理を行い、放射線科システムS内の情報を統括的に管理するシステムである。
【0023】
RIS5はHISから送信されたオーダ情報DT5を受信し、そのオーダ情報DT5に基づいて、撮影を行うモダリティMを判別して、当該オーダ情報DT5をモダリティMに送信する。また、モダリティMへのオーダ情報DT5の送信と共に、検像装置1へも同じオーダ情報DT5を送信する。
【0024】
オーダ情報DT5とは、撮影や診察のオーダの内容を示すデータであり、患者情報、検査情報及びシリーズ情報を含む。患者情報は、撮影を行う患者の受付番号や氏名、ID、性別等の患者毎に設定されたデータである。検査情報は、医師がオーダした検査を識別する検査ID、検査部位、撮影方向及び体位といった検査条件を示すデータである。
【0025】
また、シリーズ情報は、一つの検査の中で生成されるモダリティM毎の一連の医用画像データの単位を示すシリーズIDや当該モダリティMの種別を含むデータである。ここで、シリーズとは、一つの検査の中で生成される同じ種類のモダリティで撮影された一連の医用画像データの単位のことをいう。
【0026】
モダリティMは、CTやCR、MRI、乳房撮影装置、超音波診断装置等であり、撮影技師の操作に従って撮影して得られた画像のデータ信号をDICOM規格に則したデジタルデータに変換して医用画像データDT1を生成する。モダリティMは、生成した医用画像データDT1を検像装置1に送信する。
【0027】
例えば、CRは、被写体に放射線を照射して、その被写体を透過した放射線をプレート状の輝尽性蛍光体に吸収させる。そして、この輝尽性蛍光体を例えばレーザ光で走査しながら励起することにより、この輝尽性蛍光体が蓄積している放射線エネルギを発光させ、その発光を光電変換して得られた放射線画像のデータ信号をデジタル変換して被写体の画像データを生成する。
【0028】
図1に、医用画像データDT1のデータ構造の一例を示す。図1によれば、医用画像データDT1は、付帯情報DT2と、実画像データDT3とを有して構成される。付帯情報DT2は、患者情報DT20と、検査情報DT21と、シリーズ情報DT22と、画像詳細情報とを含み、例えば、DICOM規格に則って記述される。
【0029】
患者情報DT20、検査情報DT21及びシリーズ情報DT22は、RIS5から送信されたオーダ情報DT5に基づいて設定される。画像詳細情報DT23は、当該画像詳細情報DT23に対応付けられたシリーズ情報DT22のIDと、医用画像が生成された際に付された医用画像データDT1毎の画像番号と、画像が生成された画像時刻等の画像管理や画像生成に関する各種情報とを含んで構成される。これらの付帯情報DT2は、当該付帯情報DT2を有する医用画像データDT1を個々に識別するための識別情報となる。
【0030】
検像装置1は、RIS5から送信されるオーダ情報DT5と、モダリティMから送信される医用画像データDT1とを受信して、後述するデータベースにデータを蓄積していき、撮影技師の検像を待機する。
【0031】
検像とは、オーダ情報DT5通りの撮影を行ったか、実画像データDT3が診断に適した画質であるか、オーダ情報DT5と付帯情報DT2との整合性が取れているか等を医用画像データDT1のPACS2への送信前に確認及び修正する行為である。撮影技師が各医用画像データDT1の検像を行った後に、当該撮影技師の操作に従ってその医用画像データDT1がPACS2に転送される。
【0032】
PACS2は、検像装置1から送信される医用画像データDT1を保存管理し、検索やデータ解析を行うデータベースシステムであり、図1に示すようにサーバ3とクライアント4(4a,4b)とが通信ネットワークNを介して接続されて構成される。このサーバ3及びクライアント4は、一般的なコンピュータにより実現が可能であり、CPUや記憶部、通信部等を備えて構成される。
【0033】
サーバ3は、検像装置1から受信した医用画像データDT1に含まれる付帯情報DT2に基づいて当該医用画像データDT1を蓄積的に記憶していく。そして、読影医等のユーザの操作指示に応じて指定された患者IDや検査ID等を検索キーとして医用画像データDT1を検索し、クライアント4に送信する。
【0034】
クライアント4は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成され、医用画像データDT1に基づいた医用画像を表示する医用画像表示装置である。読影医等が表示する医用画像データDT1をクライアント4において指定すると、その医用画像データDT1がサーバ3から読み出されて再生される。
【0035】
次に、検像装置1の機能構成について説明する。図2は、検像装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。図2によれば、検像装置1は、CPU10と、入力部20と、表示部30と、通信部40と、RAM(Random Access Memory)50と、記憶部60とを備えて構成される。
【0036】
CPU10は、各機能部の動作の制御と、機能部間のデータ入出力の制御等を行うことで検像装置1を統括的に管理・制御する制御部である。具体的には、入力部20から入力される操作信号に応じてROM50や記憶部60に格納されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従った処理を実行する。そして、その処理結果に基づいて、表示部30の表示画面の更新や記憶部60へのデータの記憶、外部機器とのデータ通信等を行う。
【0037】
入力部20は、カーソルキーやテンキー等の各種キー群や、マウスやタッチパネル等のポインティングデバイスを備えて構成される。入力部20は、ユーザに押下されたキーに対応する操作信号や、ポインティングデバイスにより指定された画面上の座標位置に対応する操作信号をCPU10に出力する。
【0038】
表示部30は、CRT(Cathode-ray Tube)やLCD等により構成され、CPU10の制御に基づいた表示画面の表示や、医用画像データDT1の再生表示等を行う。通信部40は、LANインターフェイス等により構成され、通信ネットワークNを介してRIS5やモダリティM、PACS2等の外部機器との間でデータ通信を行う機能部である。
【0039】
RAM50は、書き換え可能な半導体素子等で構成され、CPU10が実行する各種プログラムやこれらのプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持する。
【0040】
記憶部60は、データの読み書きを行う不揮発性のメモリであり、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等により構成される。記憶部60は、各種初期設定、ハードウェアの検査、又は必要なプログラムのロード等を行うための初期プログラムを格納する。
【0041】
図2によれば、RAM50は、検像中画像テーブル51と、不整合判定テーブル52と、転送画像テーブル53とを記憶している。また、記憶部60は、オーダ情報DB61と、検像画像DB62と、比較対象項目ファイル63と、検像履歴テーブル64とを記憶している。
【0042】
記憶部60のオーダ情報DB61は、RIS5から通信部40を介して受信したオーダ情報DT5を蓄積的に記憶するデータベースである。また、検像画像DB62は、モダリティMから通信部40を介して受信した医用画像データDT1を蓄積的に記憶するデータベースである。
【0043】
CPU10は、RIS5からオーダ情報DT5を受信すると、当該オーダ情報DT5をオーダ情報DB61に記憶する。また、モダリティMから医用画像データDT1を受信すると、当該医用画像データDT1を検像画像DB62に記憶する。
【0044】
ユーザは、検像の対象の医用画像の検査IDを入力・指定する。このとき、CPU10は、ユーザにより入力・指定された検査IDを付帯情報DT2中に含む医用画像データDT1を検像画像DB62から読み出し、RAM50の検像中画像テーブル51に記憶する。検像中画像テーブル51は、ユーザが検像の対象として指定した医用画像データDT1を一時的に記憶するデータテーブルである。
【0045】
そして、CPU10は、検像中画像テーブル51に記憶した医用画像データDT1の付帯情報DT2中の検査IDと同一の検査IDを有するオーダ情報DT5をオーダ情報DB61から読み出し、そのオーダ情報DT5と付帯情報DT2の各項目のデータを比較する。このとき、CPU10は、比較対象項目ファイル63を参照して比較対象のデータをオーダ情報DT5及び付帯情報DT2から抽出する。
【0046】
図3に比較対象項目ファイル63のデータ構成の一例を示す。比較対象項目ファイル63は、オーダ情報DT5と付帯情報DT2との比較の対象となる項目(比較対象項目)を示す項目データを記憶するファイルであり、初期設定等により予め設定される。図3に示すように、比較対象項目ファイル63は、患者ID、氏名(ローマ字、漢字、カナ)、受付番号、検査IDといった項目データを記憶する。
【0047】
CPU10は、この比較対象項目ファイル63に記憶された項目データが示す比較対象項目のデータをオーダ情報DT5及び付帯情報DT2からそれぞれ抽出する。そして、この抽出した比較対象項目のデータを、不整合判定テーブル52に記憶する。不整合判定テーブル52は、図4に示すように比較対象項目毎の付帯情報と、オーダ情報と、不整合フラグとを対応付けて記憶するデータテーブルである。
【0048】
不整合フラグは、付帯情報とオーダ情報を比較した結果、一致するか否かを示すフラグであり、一致する場合にOFF、不一致の場合にONが設定される。図4においては、比較対象項目の「受付番号」が不一致であるために、不整合フラグにONが設定されている。
【0049】
ユーザは、この不整合判定テーブル52の不整合フラグを図11に示す不整合修正画面110において確認することができる。CPU10は、不整合判定テーブル52の比較対象項目、付帯情報、オーダ情報及び不整合フラグを不整合修正画面110中に一覧表示させる。
【0050】
この不整合修正画面110中の各比較対象項目に、部分書換ボタン111を表示させる。この部分書換ボタン111のユーザによる指定をCPU10が検知した場合には、その部分書換ボタン111の比較対象項目に対応する不整合判定テーブル52の付帯情報を当該付帯情報に対応付けられたオーダ情報で書き換える。
【0051】
また、不整合修正画面110中の一括書換ボタン112の指定を検知した場合には、不整合判定テーブル52の全ての付帯情報を、当該付帯情報に対応付けられたオーダ情報で書き換える。そして、CPU10は、OKボタン114の指定を検知した場合には、その書き換えた付帯情報を検像中画像テーブル51中の医用画像データDT1の付帯情報DT2として設定・更新する。
【0052】
図2に示す転送画像テーブル53は、検像装置1からPACS2のサーバ3に転送する医用画像データDT1を一時的に記憶するデータテーブルである。CPU10は、図10の検像リスト画面100を表示部30に表示させた後、その画面内の画像確認ボタン103のユーザによる指定を検知すると、図12に示すような画像確認画面120を表示させる。
【0053】
検像リスト画面100は、検像画像DB62に記憶された医用画像データDT1を一覧表示する画面であり、図10に示すように一覧リスト101と、転送ボタン102と、検像履歴ボタン105と、画像確認ボタン103と、不整合修正ボタン104とが含まれる。
【0054】
転送ボタン102は、検像済みの医用画像データDT1をPACS2に転送させるためのボタンであり、ユーザにより指定された場合に、転送画像テーブル53に記憶されている医用画像データDT1がPACS2に送信される。不整合修正ボタン104は、図11に示す不整合修正画面110を表示させるためのボタンである。
【0055】
画像確認ボタン103は、画像確認画面120を表示させるためのボタンである。CPU10は、画像確認ボタン103の指定を検知すると、検像リスト画面100の一覧リスト101上で選択されていた医用画像データDT1の検査IDと同一の検査IDを有する医用画像データDT1を検像画像DB62から読み出し、その医用画像データDT1のコピーを生成して検像中画像テーブル51に記憶する。そして、その検像中画像テーブル51中の医用画像データDT1に基づいた医用画像を画像確認画面120上に表示する。
【0056】
画像確認画面120には、再生表示された医用画像毎にOKボタン122及びNGボタン123が表示されると共に、画像処理ボタン124と、シリーズ分割ボタン125と、検査終了ボタン126とが表示される。ユーザは、この画像確認画面120に表示された医用画像を確認して、PACS2に転送してよければ当該医用画像に対応するOKボタン122を指定する。このとき、CPU10は、OKボタン122の指定を検知すると、当該OKボタン122に対応する医用画像データDT1のコピーを生成して、転送画像テーブル53に記憶する。
【0057】
画像処理ボタン124は、画像確認画面120に表示している医用画像に画像処理を施すためのボタンであり、より詳しくは濃度ボタン、コントラストボタン、反転/回転ボタン及びマスキングボタン等を有する。CPU10は、これらの画像処理ボタン124の指定を検知すると、その指定された画像処理ボタン124に応じた画像処理を検像中画像テーブル51中の医用画像データDT1の実画像データDT3に施して更新する。
【0058】
具体的には、例えば、コントラストボタンのユーザによるスライドを検知した場合には、そのスライドの比率に応じて実画像データDT3のコントラストを調整して当該実画像データDT3を更新する。
【0059】
シリーズ分割ボタン125は、同一のシリーズの医用画像データDT1を複数のシリーズに分割するためのシリーズ分割画面130(図13参照)を表示させるためのボタンである。シリーズ分割画面130には、図13に示すように複数のシリーズ領域131が表示される。各シリーズ領域131は、同一シリーズの医用画像データDT1を区分して表示するための表示領域である。
【0060】
CPU10は、検像中画像テーブル51に記憶された医用画像データDT1のシリーズ情報DT22に基づいて、同一のシリーズIDを有する医用画像データDT1をシリーズ領域131毎に表示せる。図13においては、医用画像132a〜132cが同一のシリーズとしてシリーズ領域131に表示されている。
【0061】
ユーザは、この同一シリーズの医用画像132を他のシリーズとして分割する際には、入力部20を操作(例えば、ドラッグアンドドロップ操作)して、所望の医用画像を指定して他のシリーズ領域131に移動させるシリーズ分割操作を行う。CPU10は、このシリーズ分割操作を検知した際には、その指定された医用画像データDT1のシリーズ情報DT22を新たなシリーズ情報DT22で更新することで、シリーズの分割を行う。
【0062】
検像履歴ボタン105は、検像履歴テーブル64のデータ内容を表示する検像履歴画面140を表示させるためのボタンである。図5に検像履歴テーブル64のデータ構成の一例を示す。図5によれば、検像履歴テーブル64は、日時情報と、検査IDと、シリーズIDと、画像番号と、履歴データとを対応付けて記憶している。履歴データは、検像装置1が行ったデータ処理の履歴を示すデータであり、ユーザによる検像操作を示す操作データや送信の成否の判定結果を示す判定データを含む。
【0063】
CPU10は、ユーザにより検像が行われ、その検像の操作を検知すると、現在日時と、その検像が行われた医用画像データDT1の検査ID、シリーズID及び画像番号とを取得して、当該操作を示す操作データ(履歴データ)と対応付けて検像履歴テーブル64に記憶する。
【0064】
また、転送画像テーブル53に記憶した医用画像データDT1をPACS2に転送した際にも、現在日時と、その転送した医用画像データDT1の検査ID、シリーズID及び画像番号とを取得して、判定データ(履歴データ)と対応付けて検像履歴テーブル64に記憶する。
【0065】
判定データは、医用画像データDT1の送信の成否を示すデータであり、検像装置1から送信した医用画像データDT1の全てがPACS2によって受信されたか否かに応じて設定される。例えば、CPU10は、医用画像データDT1をPACS2に送信する際に、送信する医用画像データDT1のデータ量を示すサイズデータをPACS2のサーバ3に予め送信しておく。
【0066】
サーバ3は、検像装置1から受信した医用画像データDT1の枚数とデータ容量と、予め受信したサイズデータとに基づいて、全医用画像データDT1を受信したか否かを判定する。このとき、全医用画像データDT1を受信した場合には、受信の成功を示す受信成功信号を検像装置1に送信し、全医用画像データDT1を受信していない場合には、受信の失敗を示す受信失敗信号を検像装置1に送信する。
【0067】
検像装置1のCPU10は、サーバ3から送信される受信成功信号又は受信失敗信号に基づいて医用画像データDT1の送信の成否を判定する。尚、この医用画像データDT1の送信の成否の判定方法は、適宜公知技術を採用可能である。
【0068】
CPU10は、検像リスト画面100中の検像履歴ボタン105のユーザによる指定を検知すると、検像履歴テーブル64を読み出して図14に示すような検像履歴画面140を表示部30に表示させる。ユーザは、この検像履歴画面140内の一覧リスト101により、過去に行った検像の履歴を確認することができる。
【0069】
検像履歴画面140は、検像結果の一覧リスト101の他に、再検像ボタン143と、OKボタン144と、キャンセルボタン145とが表示される。このとき、各検像結果には選択ボタン142が表示される。
【0070】
選択ボタン142は、当該選択ボタン142に対応付けられた履歴データを選択するためのボタンである。ユーザは、選択ボタン142を指定することで、その選択ボタン142に対応する検像結果の内容を再び検像装置1に行わせて検像が施された医用画像データDT1を得ることができる。
【0071】
CPU10は、再検像ボタン143の指定を検知すると、検像履歴画面140上で指定されている選択ボタン142を検知して、当該選択ボタン142に対応する履歴データを検像履歴テーブル64から読み出す。そして、その履歴データに対応付けられた検査ID、シリーズID及び画像番号を含む医用画像データDT1を検像画像DB62から読み出し、当該履歴データに基づいて過去に行われた検像のデータ処理を当該医用画像データDT1に施す。
【0072】
また、指定された選択ボタン142に対応する履歴データが送信の成否を示す判定データである場合には、その判定データに対応する検査ID及びシリーズIDを含む医用画像データDT1を検像画像DB62から読み出す。そして、その履歴データに対応付けられた検査ID及びシリーズIDと同一のIDが対応付けられた履歴データを検像履歴テーブル64から読み出し、その履歴データの検像のデータ処理を医用画像データDT1に施す。
【0073】
このように、検像履歴画面140において選択ボタン142を指定することで、過去に行ったユーザの検像のデータ処理が検像画像DB62に記憶された医用画像データDT1に施されて、ユーザの検像の操作が再度行われるようになる。
【0074】
次に、放射線科システムSの具体的な動作について図6〜図9のフローチャートと、図10〜図14の表示画面例を参照して説明する。
【0075】
先ず、RIS5においてオーダ情報DT5が医師等のユーザにより入力され登録されると(ステップA1)、そのオーダ情報DT5がモダリティMと検像装置1とに送信される(ステップA2)。
【0076】
モダリティMでは、このオーダ情報DT5を受信すると(ステップB1)、当該オーダ情報DT5に基づいて撮影を開始し(ステップB2)、当該オーダ情報DT5に基づいた付帯情報DT2を含む医用画像データDT1を生成する(ステップB3)。そして、その生成した医用画像データDT1を検像装置1に送信する(ステップB4)。
【0077】
検像装置1では、CPU10が、RIS5からのオーダ情報DT5を受信すると(ステップD2)、当該オーダ情報DT5をオーダ情報DB61に記憶する(ステップD3)。また、モダリティMからの医用画像データDT1を受信すると(ステップD3)、当該医用画像データDT1を検像画像DB62に記憶する(ステップD4)。
【0078】
そして、CPU10は、オーダ情報DB61及び検像画像DB62に記憶したオーダ情報DT5及び医用画像データDT1を用いて図7〜図9に示す検像処理を開始する(ステップD6)。この検像処理の詳細については後述するが、簡単には、付帯情報DT2の不整合のチェックや修正、医用画像に対する画像処理等の検像をユーザ操作に従って行うと共に、その検像の履歴を検像履歴テーブル64に記憶していく。
【0079】
図6においてCPU10は、検像処理を終了すると、検像リスト画面100上の転送ボタン102が押下されたか否かを判定する(ステップD7)。そして、入力部20からの操作信号に基づいて転送ボタン102が押下されたことを検知した場合には(ステップD7;Yes)、転送画像テーブル53に記憶している医用画像データDT1をPACS2のサーバ3に送信する(ステップD11)。
【0080】
サーバ3側では、検像装置1から医用画像データDT1を受信すると(ステップC1)、上述したように全ての医用画像データDT1を受信したか否かを判定する(ステップC2)。そして、全医用画像を受信していないと判定した場合には(ステップC2;No)、受信失敗信号を検像装置1に送信した後に、ステップC1に処理を移行する。
【0081】
また、全医用画像を受信したと判定した場合には(ステップC2;Yes)、受信成功信号を検像装置1に送信して、画像管理DBに受信した医用画像データDT1を記憶する(ステップC5)。
【0082】
検像装置1側で、CPU10は、医用画像データDT1の送信後に、サーバ3から送信されてくる受信成功信号又は受信失敗成功に基づいて医用画像データDT1の送の成否を判定する(ステップD12)。このとき、受信成功信号を受信して医用画像データDT1の送信に成功したと判定した場合には(ステップD12;Yes)、その送信の成功を示す判定データを検像履歴テーブル64に記憶する(ステップD13)。
【0083】
また、受信失敗信号を受信して医用画像データDT1の送信に失敗したと判定した場合には(ステップD12;No)、その送信の失敗を示す判定データを検像履歴テーブル64に記憶する(ステップD14)。
【0084】
次に、ステップD6における検像処理の詳細について説明する。CPU10は、検像画像DB62から医用画像データDT1を読み出し、その医用画像データDT1から付帯情報DT2を取得すると共に(ステップE1)、その付帯情報DT2と同一の検査IDを有するオーダ情報DT5をオーダ情報DB61から読み出す(ステップE2)。
【0085】
そして、ステップE1及びE2において読み出した付帯情報DT2とオーダ情報DT5とから比較対象項目のデータを抽出して、不整合判定テーブル52に記憶した後(ステップE3)、その比較対象項目のデータをそれぞれ比較して不整合フラグのON/OFFを不整合判定テーブル52に設定・記憶する(ステップE4)。
【0086】
CPU10は、不整合判定テーブル52に記憶した不整合フラグに基づいて不一致な付帯情報DT2の比較対象項目があるか否かを判定する(ステップE5)。このとき、不一致な比較対象項目があると判定した場合には(ステップE5;Yes)、図10の「NG有」のような不整合がある旨を示す不整合通知情報106を一覧リスト101上に表示させる(ステップ)。
【0087】
また、不一致な比較対象項目がないと判定した場合には(ステップE5;No)、不整合通知情報106を含まない標準の検像リスト画面100を表示部30に表示させる(ステップE8)。
【0088】
CPU10は、ステップE6において不整合通知情報106を含む検像リスト画面100を表示させた後に、不整合修正ボタン104が押下されたことを入力部20からの操作信号に基づいて検知した場合には(ステップE7:Yes)、検像リスト画面100上で選択されている医用画像データDT1に対応する不整合判定テーブル52を読み出して、当該不整合判定テーブル52に基づいて不整合修正画面110を表示部30に表示させる(ステップE9)。
【0089】
そして、検像リスト画面100上で選択されている医用画像データDT1を検像画像DB62から読み出して、当該医用画像データDT1のコピー(複製)を生成して検像中画像テーブル51に記憶する(ステップE10)。
【0090】
CPU10は、不整合修正画面110上の部分書換ボタン111、一括書換ボタン112及びキャンセルボタン113の押下に応じた処理を行う。具体的には、部分書換ボタン111の押下を入力部20からの操作信号に応じて検知した場合には(ステップE11;Yes)、その押下された部分書換ボタン111に対応する不整合判定テーブル52の付帯情報の比較対象項目を対応付けられたオーダ情報で仮書き換えする(ステップE12)。
【0091】
また、一括書換ボタン112が押下されたことを検知した場合には(ステップE13;Yes)、不整合判定テーブル52の全付帯情報を対応するオーダ情報で仮書き換えする(ステップE14)。
【0092】
また、キャンセルボタン113が押下されたことを検知した場合には(ステップE15;Yes)、ステップE12又はE14において仮書き換えした付帯情報DT2を検像画像DB62に記憶されたオリジナルの医用画像データDT1中の付帯情報DT2によって更新することで、その仮書き換えした情報をリセットし(ステップE16)、ステップE22に処理を移行する。
【0093】
CPU10は、ステップE12、E14の処理後、又はステップE15においてキャンセルボタン113が押下されないと判定した場合(ステップE15;No)、OKボタン114が押下されたか否かを判定する(ステップE17)。このとき、OKボタン114が押下されたことを検知した場合には(ステップE17;Yes)、ステップE12又はE14において処理した付帯情報DT2の書き換えの内容を検像履歴テーブル64の履歴データとして記憶する(ステップE18)。
【0094】
そして、検像中画像テーブル51内の医用画像データDT1の付帯情報DT2をステップE12及びE14の書き仮換え内容に基づいて書き換えて更新し(ステップE19)、その書き換えた比較対象項目に対応する不整合判定テーブル52の不整合フラグをOFFに変更して設定する(ステップE20)。
【0095】
例えば、図10においてNo.10の医用画像データDT101を選択した状態で不整合修正ボタン104を押下した場合、図11に示すような不整合修正画面110が表示される。そして、「受付番号」に対応する部分書換ボタン111を押下した場合には、図4の不整合判定テーブル52の受付番号‘11111111’が受付番号‘1050829003’で仮書き換えされる。
【0096】
また、OKボタン114の押下により、その仮書き換えが確定されて検像中画像テーブル51に記憶している医用画像データDT1の付帯情報DT2が更新される。このとき、不整合判定テーブル52の受付番号の不整合フラグ「ON」が「OFF」に変更される。また、図5の検像履歴テーブル64のように、受付番号を変更した旨の操作データ(履歴データ)が医用画像データDT1を識別する検査ID、シリーズID及び画像番号と共に記憶される。
【0097】
CPU10は、不整合判定テーブル52に不整合フラグの「ON」が記憶されているか否かを判定して(ステップE21)、記憶されている場合には(ステップE21;Yes)、ステップE9に処理を移行して、再度不整合修正画面110を表示部30に表示させる。また、不整合フラグ「ON」が記憶されていないと判定した場合(ステップE21;No)、ステップE16の処理後には、ステップE22の処理に移行して、検像リスト画面100を表示部30に表示させる(ステップE22)。
【0098】
次いで、画像確認ボタン103の押下を入力部20からの操作信号に基づいて検知した場合(ステップE23;Yes)、画像確認画面120の表示を行う。CPU10は、検像リスト画面100上で選択されている医用画像データDT1の検査IDを取得し、その検査IDを有する医用画像データDT1を検像画像DB62から読み出す。そして、その読み出したシリーズ毎の医用画像データDT1を一覧表示(例えば、サムネイル表示)する図12のような画像確認画面120を表示部30に表示させる(ステップE24)。
【0099】
また、CPU10は、画像確認画面120上に表示させた医用画像データDT1のコピーを生成して検像中画像テーブル51に記憶する(ステップE25)。そして、画像確認画面120上の各ボタンの押下に応じた処理を行う。
【0100】
具体的には、各医用画像データDT1に対応するOKボタン122の押下を検知した場合には(ステップE26;Yes)、そのOKボタン122に対応する医用画像データDT1を転送画像テーブル53に記憶する(ステップE27)。
【0101】
また、画像処理ボタン124の押下を検知した場合には(ステップE30;Yes)、当該画像処理ボタン124の押下に応じて入力された画像処理条件(例えば、コントラスト比の濃度の変更)を取得して、表示中の医用画像データDT1に画像処理を施して更新する(ステップE32)。
【0102】
また、図12に示す付帯情報修正ボタン127が押下されたことを検知した場合には(ステップE33;Yes)、付帯情報入力エリア128に入力された付帯情報を取得して、検像中画像テーブル51内の医用画像データDT1の付帯情報DT2を更新する(ステップE35)。
【0103】
また、シリーズ分割ボタン125が押下されたことを検知した場合には(ステップE36;Yes)、画像確認画面120上に表示中の医用画像データDT1をシリーズ毎にシリーズ分割画面130上に表示させる(ステップE37)。そして、その表示したシリーズ毎に医用画像データDT1に対するユーザのシリーズ分割操作に応じて新たなシリーズIDを付帯情報DT2に設定して、検像中画像テーブル51内の医用画像データDT1を更新する(ステップE38)。
【0104】
CPU10は、ステップE27、E32、E35及びE38の処理後、各ステップにおいて行った操作の内容を履歴データとして検像履歴テーブル64に記憶する(ステップE27)。そして、検査終了ボタン126の押下を検知するまで、ステップE24に処理を移行して、ステップE24〜E28の処理を繰り返す。このようにして図6の検像処理や医用画像データDT1の送信による処理結果が検像履歴テーブル64に記憶されていくこととなる。
【0105】
図6のフローチャートにおいて、検像履歴ボタン105の押下を検知した場合(ステップD1;Yes)、CPU10は、検像履歴テーブル64を読み出して図14のような検像履歴画面140を表示部30に表示させる(ステップD8)。そして、再検像ボタン143の押下を検知したか否かを判定し(ステップD9)、当該再検像ボタン143の押下を検知した場合には(ステップD9;Yes)、選択ボタン142が押下されている履歴データに基づいた検像を施した医用画像データDT1を生成して転送画像テーブル53に記憶する。
【0106】
例えば、図14に示すように検像結果が「転送失敗」に対応する選択ボタン142が押下されている場合には、検査IDが‘11111111’、シリーズIDが‘2222222’の医用画像データDT1を検像画像DB62から読み出し、その医用画像データDT1に対して検像履歴テーブル64に基づいて受付番号‘11111111’を‘1050829003’に変更するデータ処理、画像番号‘2’の医用画像データDT1のシリーズIDを‘22222222’から‘33333333’に変更するデータ処理を行って、転送画像テーブル53に記憶する。
【0107】
以上、本実施形態によれば、ユーザによる医用画像データDT1に対する検像の操作によるデータ処理の履歴や、当該医用画像データDT1の送信の成否の履歴等を医用画像データDT1の識別情報と対応付けて検像履歴テーブル64に記憶し、その検像履歴テーブル64に基づいてユーザが過去に行った検像の操作のデータ処理を行う。このため、ユーザは、過去に行った検像の操作を、再び繰り返すことなく、容易に当該検像の操作を検像装置1に行わせて、検像が施された医用画像データDT1を生成させることができる。従って、過去に行った検像の操作を再利用できる使い勝手のよい検像装置1を実現することができる。
【0108】
尚、上述した実施形態では、検像装置1においてユーザの検像の履歴データを記憶することとして説明したが、この履歴の記憶をPACS2側で行ってもよい。例えば、サーバ3やクライアント4において医用画像データDT1に対するユーザの検像の操作を検知し、その検像の履歴データを蓄積的に記憶する。そして、その履歴データに基づいてユーザの検像の操作を再生する。
【0109】
このとき、サーバ3又はクライアント4は、例えば、電子カルテシステムやHISに検像済みの医用画像データDT1を送信し、その送信の成否を示す判定データを検像履歴テーブルに記憶して、上述した実施形態と同様に履歴の再生を行うこととしてもよい。
【0110】
また、ステップD10において検像履歴テーブル64に基づいた処理を施した医用画像データDT1を転送画像テーブル53に記憶して、ステップD7に処理を移行することとして説明したが、例えば、画像確認画面120上で指定された選択ボタン142が転送失敗の履歴データを示す場合には、ステップD10からステップD11に処理を移行して、自動的に医用画像データDT1をサーバ3に送信することしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】放射線科システムのシステム構成の一例を示すブロック図。
【図2】検像装置の機能構成の一例を示すブロック図。
【図3】比較対象項目ファイルのデータ構成の一例を示す図。
【図4】不整合判定テーブルのデータ構成の一例を示す図。
【図5】検像履歴テーブルのデータ構成の一例を示す図。
【図6】放射線科システムの動作を説明するためのフローチャート。
【図7】検像処理の処理内容を説明するための第1のフローチャート。
【図8】検像処理の処理内容を説明するための第2のフローチャート。
【図9】検像処理の処理内容を説明するための第3のフローチャート。
【図10】検像リスト画面の表示例を示す図。
【図11】不整合修正画面の表示例を示す図。
【図12】画像確認画面の表示例を示す図。
【図13】シリーズ分割画面の表示例を示す図。
【図14】検像履歴画面の表示例を示す図。
【符号の説明】
【0112】
M モダリティ
1 検像装置
3 サーバ
4 クライアント
10 CPU
20 入力部
30 表示部
40 通信部
60 RAM
51 検像中画像テーブル
52 不整合判定テーブル
53 転送画像テーブル
60 記憶部
61 オーダ情報DB
62 検像画像DB
63 比較対象項目ファイル
64 検像履歴テーブル
DT1 医用画像データ
DT2 付帯情報
DT3 実画像データ
DT5 オーダ情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他機から受信した医用画像データを表示する表示制御手段と、
前記受信した医用画像データを蓄積記憶する画像記憶手段と、
前記表示制御手段により表示された医用画像データにユーザ操作に応じたデータ処理を施すデータ処理手段と、
前記データ処理の処理内容を示す履歴データを当該データ処理を施した医用画像データの識別情報と対応付けて記憶する履歴記憶手段と、
前記履歴記憶手段に記憶された識別情報に基づいた医用画像データを前記画像記憶手段から読み出し、当該識別情報に対応付けられた前記履歴データに基づいて当該医用画像データにデータ処理を行う履歴再生制御手段と、
を備えることを特徴とする医用画像表示装置。
【請求項2】
前記データ処理手段は、
前記表示制御手段により表示された医用画像データに前記データ処理を施して他機に送信する送信処理手段と、
前記送信処理手段による医用画像データの送信の成否を判定する判定処理手段と、
を有し、
前記履歴記憶手段は、
前記判定処理手段による判定の結果を示す判定データを前記履歴データとして前記医用画像データの識別情報と対応付けて記憶する判定結果記憶手段を有し、
前記履歴再生制御手段は、
前記判定結果記憶手段に記憶された判定データに対応付けられた識別情報に基づいた医用画像データを前記画像記憶手段から読み出し、当該識別情報に対応付けられた前記履歴データに基づいて当該医用画像データに対するデータ処理を行う送信画像データ処理手段を有することを特徴とする請求項1に記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記履歴データを一覧表示する履歴表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記履歴表示手段により表示された履歴データを選択する選択手段を更に備え、
前記履歴再生制御手段は、
前記選択手段により選択された履歴データに対応付けられた識別情報に基づいた医用画像データを前記画像記憶手段から読み出し、当該履歴データに基づいて当該医用画像データにデータ処理を行う選択履歴再生手段を有することを特徴とする請求項3に記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
コンピュータを、
他機から受信した医用画像データを表示する表示制御手段、
前記受信した医用画像データを蓄積記憶する画像記憶手段、
前記表示制御手段により表示された医用画像データにユーザ操作に応じたデータ処理を施すデータ処理手段、
前記データ処理の処理内容を示す履歴データを当該データ処理を施した医用画像データの識別情報と対応付けて記憶する履歴記憶手段、
前記履歴記憶手段に記憶された識別情報に基づいた医用画像データを前記画像記憶手段から読み出し、当該識別情報に対応付けられた前記履歴データに基づいて当該医用画像データにデータ処理を行う履歴再生制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−161532(P2008−161532A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−355929(P2006−355929)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】