説明

医療用用途のための多孔性膜を製造するための装置および方法

医療用用途のための多孔性膜(2)を製造するための機械(1)は、複数の、流体物質(18a、18b、18c、19a、19b、19c)を構成する成分のレザバー(25a、25b、25c、26a、26b、26c)、この流体物質を、要素(37)(この上に、この物質が沈着されて構築される)上に噴霧するため、このレザバーから供給される第一および第二のガン(16、17)を備える。膜(2)を形成するように設計されたこの流体物質の実質的に均一な分布のため、要素(37)およびガン(16、17)は、互いに対して可動性である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(記述)
(技術分野)
本発明は、医療用用途のための多孔性膜を製造するための機械および方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、医療用用途のための脈管プロテーゼおよび人工組織を構成するために設計される生体適合性および血液適合性(heamocompatible)の膜を製造するための機械および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)
先行技術は、ポリマーを用いた、小さな直径の孔のある管状組織かもしくは糸状の管状組織の製造のための、多くの技術を記載する。
【0004】
押出しを用いる現在確立された製造技術に加えて、膜の製造に関して噴霧法が公知である。この方法によって、これらは、例えば熱力学的に不安定なポリマー溶液から得られる。具体的には、この不安定な溶液は、希釈されたポリマー溶液への非溶媒の添加によって作製され、膜は、単一の噴霧手段を用いた噴霧沈着によってか、または別個の噴霧手段による、膜の形状を規定するように設計された支持要素上への、不安定なポリマー溶液および非溶媒溶液の、同時であるが別個の噴霧沈着によって得られる。
【0005】
上記の方法は、例えば、小さな直径の脈管プロテーゼの製造、もしくはより大きな直径を有する管状の膜を長軸方向に切断することによって得られる、平坦な膜の製造を可能にする。
【0006】
本明細書中の以下において、一般的に多孔性膜と呼ばれ、上記に述べられた技術によって得られる脈管プロテーゼ(prosthesis)もしくは平坦な膜は、疑う余地なくプラスの局面を有するが、不利な点がないわけでははない。
【0007】
主な不利な点は、噴霧法によって得られる多孔性膜の物理化学的特性、特に膜構造の多孔度が、制御し難いという事実から成る。
【0008】
一般的に言って、公知の方法による場合、血液適合性および生体適合性の要求を同時に満たし得、かつ適切な機械的強度を与える膜を得るのは困難である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の開示)
したがって、本発明の目的は上記に述べられた不利な点がなく、同時に、実用的で、製造が簡単かつ経済的な多孔性膜を製造するための機械を提供することである。
【0010】
したがって、本発明は、請求項1に記載されるような、医療用用途のための多孔性膜を製造するための機械を提供する。
【0011】
本発明の別の目的は、プロテーゼ、特に脈管プロテーゼとして、より具体的には、小さな直径の脈管プロテーゼとして使用され得る医療用用途のための膜、特に管状の膜を製造するための方法を提供することである。本方法は、実施が簡単で、かつ適応性がある。
【0012】
したがって、本発明の方法はまた、請求項16に記載されるような、医療用用途のための多孔性膜を製造するための方法を提供する。
【0013】
(図面の簡単な説明)
上記に述べられた目的に従う本発明の技術的特徴は、本明細書における特許請求の範囲において提示され、そしてその利点は、付随する図面を参照して、以下の詳細な説明において明瞭に示される。図面は、本発明の概念の範囲を限定することなく、本発明の好ましい実施形態を例示する。
【0014】
(発明の好ましい実施形態の詳細な説明)
図2を参照すると、番号1は、本発明に従って作製された、多孔性膜2を製造する機械の一部を、全体として示す。
【0015】
機械1は、フレーム3および、方向Dへ長軸方向に伸びる中央部4を備える。
【0016】
中心本体4は、第一スピンドル5および第二スピンドル6を有する。これらは、互いに同軸であり、それぞれの歯形ベルト7、8によって、方向Dに平行な軸Aの周りを同調して回転するように駆動される。
【0017】
次いで、歯形ベルト7、8は、歯形滑車(図2は、その一つのみを完全に示す)によって駆動される。この滑車は、9と表示され、軸10の反対の端へ合わせらている。軸10は、公知の型の駆動手段(これ以上詳しくは図示もしくは記載されない)によって回転される。
【0018】
軸10は、上記に述べたスピンドル5、6の、軸Aに平行な回転軸Bを有する。
【0019】
各スピンドル5、6は、支持要素11の一端を支持する。図2において、支持要素11は、小さな直径の円筒部12から成る。
【0020】
中央部4の側面に、機械1は、第一キャリッジ13を備える。これは、ガイド部14上を方向Dへと長軸方向にスライドする。ネジ棒15は、回転しながら、キャリッジ13と連動して、このキャリッジを方向Dに駆動する。ネジ棒15は、公知の型の(しかし図示されない)駆動手段によって回転される。
【0021】
図1および図2を参照すると、第一キャリッジ13は、ノズル16aおよび17aを有する第一ガン16および第二ガン17を備える。ノズル16aおよび17aは、流体物質(それぞれ第一混合物18および第二混合物19から成る)を噴霧するために設計される。
【0022】
混合物18および19は、ポンプ21、22によって、パイプ20を通してガン16、17に供給される。
【0023】
混合物18および19は、混合器部23、24において、混合器部23、24によって形成され、この混合器部に対して、上記に述べられた混合物18、19を形成するように設計された成分の複数の貯蔵型レザバーが、可変性に接続される。
【0024】
特に、例えば、図1は、第一混合物18のための成分18a、18b、18cの3つのレザバー25a、25b、25c、および第二混合物19のための成分19a、19b、19cの3つのレザバー26a、26b、26cを示す。
【0025】
機械1はまた、混合物18,19の噴霧射出のため、パイプ28によってガン16、17へ供給され、ノズル16a、17aを始動させる圧縮ガスの供給源27を備える。
【0026】
2つのガン16、17のノズル16a、17aは、実質的に円筒部12の同じ点に収束するように角度を成す。
【0027】
図2を参照すると、第一キャリッジ13に向かい合う円筒部12の側面上に、機械1は、第二キャリッジ29を備え、これもまた、それぞれのガイド部30上を方向Dへと長軸方向にスライドし、ネジ棒15によって駆動される。
【0028】
第二キャリッジ29は、抽出器フード31に覆われている。その取り入れ口32の一つは、ガン16および17上に配置される。
【0029】
図1に示されるように、フード31は、線33で模式的に示されたマニフォールドによって吸引源(やはり、ブロック34によって模式的に示される)に接続される
再び図1を参照すると、機械1はまた、上記に述べられた混合器部23、24およびガン16、17、ならびにスピンドル5、6およびキャリッジ13、29の駆動手段に作用するように設計された、中央制御ユニット35を備える。
【0030】
ガン16、17は、ノズル16a、17a、圧縮ガスの供給源27、およびポンプ21、22とともに、全体として、機械1のために、混合物18、19を噴霧するための手段36を規定する。
【0031】
実際上、図2に示されるように、円筒部12は、それぞれのスピンドル5、6に固定されたその端12a、12bで、機械1の中央部4に取り付けられる。
【0032】
上記に述べられた駆動手段(図示されない)を通じて、軸10およびベルト7、8によって、支持要素11を形成する円筒部12は、その軸Aの周りを回転する。
【0033】
図2に示されるように、第一キャリッジ13の第一限界位置で始まり、第一ノズル16aは、供給源27からパイプ28を通じた圧縮ガスの流れによって始動させられる。この圧縮ガスは、公知の方法(これ以上詳しくは記載されない)に従って、ノズル16aからの第一混合物18の噴霧射出を引き起し、第一噴流16bを生成する。この第一混合物は、第一ポンプ21によって、パイプ20を通じてノズル16aへ供給される。
【0034】
第一ポンプ21は、第一混合物18を、成分18a、18b、18cの3つのレザバー25a、25b、25cが接続された第一混合器23から汲み出して、第一ノズル16aに送る。
【0035】
第一ノズル16aを参照する上記の記載と同様に、そして実質的にはこれと同時に、第二ノズル17aもまた、供給源27からのパイプ28を通じた圧縮ガスの流れによって、始動させられる。この圧縮ガスは、ノズル17aからの第二混合物19の噴霧射出を引き起し、第二噴流17bを生成する。この第二混合物19は、第二ポンプ22によって、パイプ20を通じてノズル17aへ供給される。
【0036】
第二ポンプ22は、第二混合物19を、成分19a、19b、19cの3つのレザバー26a、26b、26cが接続された第二混合器24から汲み出して、第一ノズル17aに送る。
【0037】
再び、図2に示される限界位置で始まり、第一キャリッジ13は、ネジ棒15(回転しながらキャリッジ13と連動する)の回転によって駆動されて、矢印F1で示されるように、方向Dに動き始める。同時に、支持要素11を構成する円筒部12は、スピンドル5、6によって、軸Aの周りを回転する。
【0038】
上記と同様に、第二キャリッジ29が、矢印F1で示されるように、ネジ棒15(回転しながらキャリッジ29と連動する)の回転によって駆動されて、方向Dに動き始める。
【0039】
第二キャリッジ29と一体化した抽出器フード31もまた、矢印F1で示されるように、方向Dに動く。これは、実質的に第一キャリッジ13に同調されて、ノズル16a、17aを覆ったままである。フード31の抽出器動作は、主に、支持要素11に向かう混合物18、19の噴流16b、17bの規則的な射出を促進することを意図される。
【0040】
ノズル16a、17aの噴霧動作と同時の、上記に述べられた動きは、混合物18、19から成る流体物質が、支持要素11上に沈着されるようにする。したがって、後者は、この流体物質が沈着されて構築された要素37を構成する。
【0041】
支持要素11が、それ自体の軸Aの周りを連続的に回り続ける一方、方向Dへのキャリッジの動きは、交代性の動きを続ける。すなわち、第二の、反対側の限界位置(図示されず、形成されている膜についての所望される長軸方向の寸法によって規定される)に到達する場合、キャリッジ13、29の動きは逆転し、その動きは、矢印F2で示される方向に続く。
【0042】
交代性のキャリッジ13、29の動きの一連の多くのサイクルの繰り返しは、所定量の混合物18、19が沈着されることを可能にし、この量は、膜2の本体を形成するよう設計される。
【0043】
言い換えると、膜2の所望の厚さに従って、そしてノズル16b、17bでの混合物の流体の流速を考慮して、キャリッジ13、29について、交代性の動きをもたらすサイクルの数が確立される。
【0044】
このような供給サイクルの第一セットは、混合物18、19が、レザバー25a、25b、25c、26a、26b、26cに貯蔵される成分18a、18b、18c、19a、19b、19cを特定の相対量で混合することによって与えられる、それぞれの第一の組成を有した状態で、機械1によって行われる。
【0045】
これらの第一の組成に必要とされる値は、中央制御ユニット35上で設定される。このユニットは、第一の組成を作製するために、混合器部23、24に直接的に作用する。
【0046】
図10に示されるように、混合物18、19は、それらの第一の構造で、多孔性膜2の第一の層38を形成する。この第一の層38は、所定の物理化学特性を有する。
【0047】
設定されたコマンドを実行する場合、中央制御ユニット35は、それに従って、混合器部23、24に作用して、レザバー25a、25b、25c、26a、26b、26cに貯蔵された成分18a、18b、18c、19a、19b、19cの相対量を変化させ、そして混合物18、19の第二の組成を作製する。
【0048】
機械1は、混合物18、19が第二の組成を有する状態で、サイクルの第二セットを実行する。
【0049】
それらが、第一の層38上に沈着される場合、混合物18、19は、それらの第二の組成で、多孔性膜2の第二の層39を作製する。この第二の層39は、その下の第一の層38の特性とは異なる、所定の物理化学特性を有する。
【0050】
特に、図10に示されるように、これらの物理化学特性は、膜2の多孔度を含む。この膜は、例えば脈管プロテーゼの管状膜に関して、有利には、2つの異なる層を含み、血液と接触する第一の内層38は、より多孔であり、第二の外層39は、より密であって機械的強度がより高い。
【0051】
有利には、混合器23、24(詳しくは図示されない)は、電磁弁型で、プログラム可能であって、逐次的な弁の開放を可能にし、それによって、ノズル16a、17aは、レザバー25a、25b、25c中の所定量の成分18a、18b、18cを、そして同時にレザバー26a、26b、26c中の所定量の成分19a、19b、19cを供給され得る。
【0052】
図3に示されるように、要素37(この上に、物質が沈着されて構築される)は、図2を参照すると先に記載された円筒部12である。この円筒部は、脈管プロテーゼ(非常に小さな直径でありさえする)としての用途に適切な管状の多孔性膜2を製造するために設計される。円筒部12の端(図示されない)は、機械1のスピンドル5、6に接続されて、その軸Aの周りを回転する。
【0053】
図4を参照すると、要素37(この上に、物質が沈着されて構築される)は、上記に述べられた円筒部12の直径よりも大きい直径を有する円筒ドラム12cから成る。要素37(この上に、物質が沈着されて構築される)としてのドラム12の使用は、上記の方法で製造された管状膜2を長軸方向に切断することによって得られる平坦な多孔性膜を製造することを意図される。
【0054】
図5を参照すると、物質が沈着されて構築される要素37は、ステント40から成る。このステント40は、管状の要素であり、例えば、血管に挿入してそれを開いたまま保持し、閉塞もしくは外部からの圧力を防ぐために、金属もしくはプラスチックから作製される。ステント40は、微細な支持ワイヤ41で支持される。このワイヤは、有利には、ポリテトラフルオロエチレンから作製され、ステントの内側および向かい合う端を通り、図面には示されないが、機械1のスピンドル5、6に接続されて、その軸Aの周りを回転する。スピンドルが軸Aの周りを回転するに従い、ワイヤ41は、ステント40を回転させる。
【0055】
通常の機械1の動作の間、ステント40は、ノズル16、17からの噴流16b、17bの片方もしくは両方に当てられる。そして上記に述べられた技術によって、高密度な膜2が、その表面に形成される。ここで、高密度という用語は、多孔度が非常に低い、すなわち、実質的に閉鎖し、不透過性である膜2を指す。ステントは、表面に間隙を有する管状の要素であることから、噴霧された流体物質は、外部表面の間隙を通過して、有利には、外部表面および内部管表面の両方に、均一に沈着し得る。
【0056】
図6は、図5に示された構造の好ましい実施形態を示す。この改善された構造においては、機械1は、加熱要素46を備える(図面中に模式的に示される)。この要素46は、支持ワイヤ41に取り付けられたステント40の下に配置される。加熱要素46は、ステント40に近接する区域48を加熱するため、温度制御ユニット47によって調節され、公知の手段(これ以上詳しくは図示もしくは記載されない)によって動力を与えられる。
【0057】
有利には、加熱のおかげで、ノズル16a、17aによって噴霧される流体物質の粒子がステント40と接触する場合、それらは、実質的に滑らかで均一な層をその表面上に形成する。さらに、加熱要素46の存在によって区域48に生ぜられたより高い温度は、噴霧された流体中に存在する溶媒を迅速に蒸発させ、膜2によるステント40への固着を、それが形成されるに従って増進させる。
【0058】
図7は、開示される機械1の代替的実施形態を示す。この代替的実施形態は、流体物質を噴霧沈着させるための上記に述べられた手順が、適切な強化材料(ポリエステル、ポリウレタン、シリコンなど)のフィラメント42が支持要素11の周りに巻かれるのと同時に行われるようにする。特に、フィラメント42は、回転する円筒部12上に形成されている多孔性膜2に組込まれる。フィラメント42は、回転する支持部12およびフィラメント42のための回転式ディスペンサー要素43のそれぞれの動きによって、所定のピッチでらせん状に巻かれる。要素43は、図示されていない駆動手段によって駆動されて、方向Dにスライドし得る。
【0059】
図8および図9は、開示される機械1のなお別の実施形態を示す。この実施形態においては、一旦ノズル16および17が、所定量の流体物質を円筒部1上に沈着させて所定の多孔性膜2の厚さをもたらした場合、管状の強化メッシュ44が、この円筒部12上に挿入される。メッシュ44(有利には、ポリエステルから作製される)は、次いで別の材料で覆われる。この別の材料は、有孔であってもよいかまたは有孔でなくてもよく、やはり上記の噴霧技術で沈着される。有利には、管状メッシュ44は、相当に幅広い連結部を有し、メッシュ44の挿入前に噴霧沈着された材料と、メッシュ44の上に沈着された材料との間を実質的連続性にさせる。
【0060】
したがって、メッシュ44は、2つのポリマー層の間に組み込まれる。
【0061】
特定の必要性が要求する場合、管状メッシュ44はまた、上記のように前もって円筒部12上に何らかの材料を噴霧沈着することなく、メッシュ44を円筒部12上に直接的に挿入することによって、その外壁上のみをコーティングされ得る。
【0062】
強化フィラメント42および管状メッシュ44はともに、膜2の硬化要素45を構成する。
【0063】
図7、図8および図9を参照した上記の動作はまた、大きな沈着して構築する要素37(例えば、円筒ドラム12c)を用いて実行されて、強化された平坦な多孔性膜2を獲得し得る。
【0064】
有利には、要求される膜2の組成に依存して、制御ユニット35は、混合器部23、24に作用し、成分18a、18b、18c、19a、19b、19cの相対量を、例えば、段階的関数によって実質的に瞬間的な方法で、または漸進的関数によって連続的に、変更する。
【0065】
有利には、本発明の範囲を限定することなく、本発明の好ましい実施形態において、第一混合物18は、ポリマーを含有し、第二混合物19は、このポリマーの非溶媒を含有する。
【0066】
記載された本発明は、本発明の概念の範囲から離れることなく、改変および変更の対象となり得る。さらに、本発明の全ての詳細は、技術的に等価な要素によって置き換えられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、本発明に従って作製された多孔性膜を製造するための機械の、好ましい実施形態の模式図である。
【図2】図2は、本発明に従って作製された膜を製造するための機械の、平面透視図である。
【図3】図3は、図2に示した機械の一部の、多くの異なる動作設定の前面立面図である。
【図4】図4は、図2に示した機械の一部の、多くの異なる動作設定の前面立面図である。
【図5】図5は、図2に示した機械の一部の、多くの異なる動作設定の前面立面図である。
【図6】図6は、図2に示した機械の一部の、多くの異なる動作設定の前面立面図である。
【図7】図7は、図1および図2に示した機械の一部の、多くの異なる動作設定の上面平面図である。
【図8】図8は、図1および図2に示した機械の一部の、多くの異なる動作設定の上面平面図である。
【図9】図9は、図1および図2に示した機械の一部の、多くの異なる動作設定の上面平面図である。
【図10】図10は、図3に示された細部Pの拡大断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二種以上の成分(18a、18b、18c、19a、19b、19c)の混合物(18、19)から成る流体物質から出発して、医療用用途のための多孔性膜(2)を製造するための機械であって、以下:
該成分(18a、18b、18c、19a、19b、19c)のレザバー(25a、25b、25c、26a、26b、26c);
該レザバー(25a、25b、25c、26a、26b、26c)に接続された、該流体物質のための噴霧手段(36);
要素(37)を構成する支持部(11)、
を備え、該要素(37)の上に、該手段(36)によって噴霧される該流体物質は、沈着されて構築され、該要素(37)および該噴霧手段(36)は、該膜(2)を形成するように設計された該流体物質の実質的に均一な分布のため、互いに対して可動性であり、該機械は、該噴霧手段(36)の上流に、該流体物質を形成する該成分(18a、18b、18c、19a、19b、19c)を所望の相対混合量で互いに混合するための混合器手段(23、24)を備えることにおいて特徴付けられ、これらの相対量は、該膜(2)に所定の物理化学特性を与える、機械。
【請求項2】
中央制御ユニット(35)を備え、該中央制御ユニット(35)が、前記混合器手段(23、24)に作用して、該制御ユニット(35)上で設定される所望される値に従って、前記流体物質の前記成分(18a、18b、18c、19a、19b、19c)の混合物に対する前記相対量を変化させるために設計されることにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記支持部(11)で第一混合物(18)および第二混合物(19)を噴霧するために、前記噴霧手段(36)が、少なくとも第一ノズル(16a)および第二ノズル(17a)を備えることにおいて特徴付けられる、請求項1または2に記載の機械。
【請求項4】
前記流体物質を前記ノズル(16a、17a)に供給するための、少なくとも一つのポンプ(21、22)を備えることにおいて特徴付けられる、請求項3に記載の機械。
【請求項5】
前記ノズル(16a、17a)を始動させるための、少なくとも一つの圧縮ガスの供給源(27)を備えることにおいて特徴付けられる、請求項3または4に記載の機械。
【請求項6】
管状の多孔性膜(2)を製造するために、前記支持部(11)が円筒形要素(12、12c)を備え、該円筒形要素(12、12c)が、回転軸(A)の周りを回転するように設計されることにおいて特徴付けられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の機械。
【請求項7】
噴霧される前記流体物質が上に沈着されて構築される前記要素(37)が、該物質によって覆われるように設計されるステント(40)であり、該ステント(40)が、前記機械によって、その中を通るワイヤ(41)を用いて支持されて、回転軸(A)の周りを回転させられることにおいて特徴付けられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の機械。
【請求項8】
前記ステント(40)に近接する所定の区域(48)を加熱するように設計される加熱要素(46)を備えることにおいて特徴付けられる、請求項7に記載の機械。
【請求項9】
前記噴霧手段(36)が、前記ノズル(16a、17a)を支持する第一キャリッジ(13)を備え、該第一キャリッジ(13)および前記円筒形要素(12、12c)が、該円筒形要素(12、12c)の前記回転軸(A)と実質的に平行である方向(D)に、互いに対して可動性であることにおいて特徴付けられる、請求項6に記載の機械。
【請求項10】
前記第一キャリッジ(13)が、駆動手段によって駆動されて、前記円筒形要素(12、12c)の前記回転軸(A)と実質的に平行である前記方向(D)にスライドすることにおいて特徴付けられる、請求項9に記載の機械。
【請求項11】
抽出器フード(31)を支持する第二キャリッジ(29)を備え、該第二キャリッジ(29)が、前記回転軸(A)と実質的に平行である前記方向(D)にスライドし、そして該抽出器フード(31)が、前記ノズル(16a、17a)上に配置されることにおいて特徴付けられる、請求項6〜10のいずれか1項に記載の機械。
【請求項12】
前記混合物(18、19)のうちの一方が、ポリマーを含み、そして他方の混合物(18、19)が、該ポリマーに対する非溶媒を含むことにおいて特徴付けられる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の機械。
【請求項13】
膜(2)形成の間に膜(2)硬化要素(45)を挿入するための手段(43)を備えることにおいて特徴付けられる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の機械。
【請求項14】
前記硬化要素(45)が、前記膜(2)への挿入のために設計されるフィラメント(42)を備えることにおいて特徴付けられる、請求項13に記載の機械。
【請求項15】
前記硬化要素(45)が、前記膜(2)への挿入のために設計される管状メッシュ(44)を備えることにおいて特徴付けられる、請求項13に記載の機械。
【請求項16】
医療用用途のための多孔性膜(2)を製造するための方法であって、該方法は、2種以上の成分(18a、18b、18c、19a、19b、19c)の混合物(18、19)から成る流体物質に始まり、以下:
該流体物質を噴霧手段(36)に供給する工程;
該噴霧手段(36)によって噴霧される該流体物質を、支持手段(11)上に沈着させて、構築する工程;
該膜(2)を形成するように設計された該物質の実質的に均一な分布のために、噴霧手段(36)および支持手段(11)に駆動手段を提供する工程、
を包含し、該方法は、供給工程に関して、該膜(2)に必要とされる物理化学特性に関して所望される値に従って、該成分(18a、18b、18c、19a、19b、19c)の混合物に対する相対量を変化させる工程を包含することにおいて特徴付けられる、方法。
【請求項17】
前記成分(18a、18b、18c、19a、19b、19c)の混合物に対する相対量を変化させる前記工程が、段階的関数に従って、実質的に瞬時に起こることにおいて特徴付けられる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記成分(18a、18b、18c、19a、19b、19c)の混合物に対する相対量を変化させる前記工程が、漸進的関数に従って、連続的に起こることにおいて特徴付けられる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記物理化学特性が、前記膜(2)の多孔度のレベルを包含することにおいて特徴付けられる、請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
膜(2)形成の間に、前記膜(2)に硬化要素(45)を挿入する工程を包含することにおいて特徴付けられる、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
要素(37)を形成する支持部(11)に近接する区域(48)を加熱する工程を包含し、該要素(37)の上に、噴霧される前記流体物質が沈着されて構築されることにおいて特徴付けられる、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−509658(P2006−509658A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560061(P2004−560061)
【出願日】平成15年12月8日(2003.12.8)
【国際出願番号】PCT/IB2003/005791
【国際公開番号】WO2004/054775
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(505122081)インテグレイテッド バイオマテリアル アンド セル テクノロジーズ エス.アール.エル. (2)
【氏名又は名称原語表記】INTEGRATED BIOMATERIAL & CELL TECHNOLOGIES S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Aposazza, 2, I−40128 Bologna, Italy
【Fターム(参考)】