説明

半固形物の切り出し設備及び方法並びに切り出し計量設備

【課題】コンタミネーションを無くして半固形物を切り出す。
【解決手段】洗浄装置70は、容器アタッチメント31に嵌合される略円筒状の受け部材74と、円状の吹出口を有する洗浄水ノズル75a〜75dと、略矩形状の吹出口を有するエアノズル77a〜77dとを備えている。半固形物の切り出し終了後、洗浄装置70の受け部材74を容器アタッチメント31に嵌合させ、半固形物の切り出し時とは逆方向に裁断刃12及び送り刃13を回転させる。裁断刃12及び送り刃13の回転と同時に、洗浄水ノズル75a〜75dの吐出口から水を吹き出して、裁断刃12や送り刃13等に付着した半固形物を除去する。その後に、エアノズル77a〜77dの吐出口からエアを吹き出して、裁断刃12や送り刃13等に付着した半固形物や水を吹き飛ばす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳剤、乳化物、ゼラチンなどの半固形物を切り出す半固形物の切り出し設備及び方法並びに切り出し計量設備に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にハロゲン化銀写真感光材料は、ポリマーフィルムなどの支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層とその上側に保護層を有している。感光性ハロゲン化銀乳剤層は、支持体に対して写真用塗布溶液を塗布し乾燥することで形成される。写真用塗布溶液は、以下のようにして製造される。まず、原料となる液体状の乳剤及び乳化物を、冷却させて半固形物化させる。そして、その半固形物化した乳剤または乳化物をカッター部などにより切り出して、切り出した乳剤または乳化物をポットに投入する。その際、ポット内の乳剤または乳化物の重量を計量し、一定の重量になったときに切り出しを停止する。そして、一定量の乳剤または乳化物が入ったポットは写真用塗布溶液調製ラインに送られ、そのポット内の乳剤または乳化物を用いて写真用塗布溶液の調製が行われる。
【0003】
また、ハロゲン化銀写真感光材料の製造工程では、様々な種類のハロゲン化銀写真感光材料を製造するために、乳剤及び乳化物の品種を適宜変更しながら、乳剤または乳化物の切り出しを行っている。したがって、異なる品種の乳剤または乳化物がカッター部やポットに一緒に混ざってしまう(コンタミネーション)と製品の品質に影響を与えるおそれがあることから、乳化物の品種を変更した場合には、カッター部やポットの洗浄を確実に行う必要がある。
【0004】
なお、特許文献1〜3には、ポットなどの容器の内部を洗浄する装置が示されている。
【特許文献1】特開2003−337195号公報
【特許文献2】特開平8−299701号公報
【特許文献3】特開平7−251061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1〜3に記載の洗浄装置は、ポット内部の洗浄には適しているものの、切り出しにより乳剤または乳化物が付着したカッター部の洗浄には適していない。
【0006】
本発明は、品種が異なる複数の半固形物を切り出す場合であっても、コンタミネーションを無くして切り出すことができる半固形物の切り出し設備及び方法並びに切り出し計量設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の半固形物の切り出し設備は、半固形物を切り出す一対の回転刃、及び前記一対の回転刃を回転自在に保持する機枠を有する切り出し装置と、前記切り出し装置を組み込んだ蓋部材と、前記蓋部材に着脱自在に取り付けられ、前記一対の回転刃、前記機枠の内部、及び前記蓋部材の内部を洗浄する洗浄装置とを備えることを特徴とする。
【0008】
前記洗浄装置は、前記蓋部材と嵌合する受け部材と、前記受け部材内に設けられ、前記一対の回転刃、前記機枠の内部、及び前記蓋部材の内部に対して洗浄液を吹き付ける洗浄液吹き付け部と、前記受け部材内に設けられ、前記一対の回転刃、前記機枠の内部、及び前記蓋部材の内部に対してエアを吹き付けるエア吹き付け部とを備え、前記一対の回転刃を回転させながら前記洗浄液又はエアの吹き付けを行い、吹き付け後の前記洗浄液を前記受け部材で回収することが好ましい。
【0009】
前記蓋部材と前記受け部材とを係合して、前記蓋部材及び前記受け部材を密封する係合部を備えることが好ましい。前記洗浄液及び前記エアの吹き付け方向は略上方向であることが好ましい。
【0010】
前記半固形物を収容する収容容器を搬送する搬送路を有し、前記半固形物の切り出しの際には前記収容容器を前記蓋部材の下方にまで搬送させるとともに、前記半固形物の切り出し後には前記収容容器を前記蓋部材の下方から退避させる搬送装置と、前記洗浄装置を前記蓋部材と前記搬送路との間に進入させ、前記洗浄装置を前記蓋部材に装着して洗浄を行う洗浄位置と、前記蓋部材と前記搬送路との間から前記洗浄装置を退避させた退避位置との間で、前記洗浄装置の位置を変位させる洗浄装置変位機構とを備えることが好ましい。
【0011】
前記洗浄装置変位機構は、前記洗浄位置にある前記洗浄装置を上昇または下降させるシフト機構を有し、前記シフト機構は、前記洗浄装置を上昇させることにより前記洗浄装置を前記蓋部材に装着する位置と、前記洗浄装置を下降させることにより前記洗浄装置を前記蓋部材から取り外した位置との間で、前記洗浄装置を変位させることが好ましい。
【0012】
上記記載の本発明の半固形物の切り出し設備と、前記半固形物を収容する収容容器を切り出し対象容器の上方に位置させる切り出し位置と、この切り出し位置から退避して前記蓋部材を着脱する着脱位置との間で、前記収容容器の位置を変位させる収容容器変位機構と、前記切り出し対象容器の重量を計量する計量器と、前記一対の回転刃の回転を制御し、前記計量器で計量した計量値に基づき切り出した半固形物が一定値に達したときに、前記一対の回転刃の回転を停止する制御部を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の半固形物の切り出し方法は、一対の回転刃、及び前記一対の回転刃を回転自在に保持する機枠を有する切り出し装置と、前記切り出し装置を組み込んだ蓋部材とを用いて、半固形物を前記一対の回転刃でブロック状に切り出し、前記半固形物の切り出し後に、前記蓋部材に着脱自在に取り付けられる洗浄装置により、前記一対の回転刃、前記機枠の内部、及び前記蓋部材の内部を洗浄することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、半固形物の切り出し後に、一対の回転刃、前記機枠の内部、及び前記蓋部材の内部を洗浄することで、その後に異なる品種の半固形物を切り出す場合であっても、コンタミネーションを無くして切り出しを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1に示すように、本発明の半固形物の切り出し装置10は、機枠11と、この機枠11に回転自在に取り付けられる裁断刃12と、裁断刃12に対して平行に回転自在に機枠11に取り付けられる送り刃13と、これら裁断刃12及び送り刃13を回転駆動する第1及び第2駆動部14,15と、半固形物の脱落阻止部材17,18とを備えており、裁断刃12と送り刃13により半固形物を切り出す一対の回転刃が構成される。この切り出し装置10上に半固形物の塊が載せられると、裁断刃12及び送り刃13が対向して回転することにより、裁断刃12及び送り刃13の間から、半固形物が熱等で溶解されること無く小さな略直方体状のブロックとなって切り出される。
【0016】
機枠11は矩形筒状に形成されており、この中に裁断刃12及び送り刃13が回転自在に保持されている。そして、機枠11の一方の側板11aには第1駆動部14が、他方の側板11bには第2駆動部15が取り付けられている。各駆動部14,15は減速機を有するモータから構成されており、コントローラ45(図5参照)により任意の回転速度で正逆回転が可能にされている。なお、第1駆動部のモータとしては、例えばハイポニックギアモータ(0.4KW 4P φ3 200V 50HZ 1/40(住友重機械工業(株)製))が、第2駆動部のモータとしては、例えばハイポニックギアモータ(0.4KW 4P φ3 200V 50HZ 1/150(住友重機械工業(株)製))が好ましい。
【0017】
図2(A)及び(B)に示すように、裁断刃12は、第1回転軸20と、この第1回転軸20の周面に取り付けられる縦刃21とを有する。縦刃21は、図2(A)に示すように、第1回転軸20に直交する面内で90°ピッチで放射線方向に4個取り付けられている。これら4個の縦刃により縦組刃23が構成される。縦組刃23は、第1回転軸20の軸方向にピッチP1で離されており、且つ隣接する縦組刃23の取り付け位置が互い違いになるように、45°だけ相互にずらして取り付けられている。また、図2(C)に示すように、縦刃21は矩形状に形成されており、先端辺と回転方向側の側辺とに刃本体21a,21bが形成されている。なお、図2では、図が複雑になるのを避けるために、縦刃21、縦組刃23の一部のみに符号を付している。また、ピッチP1は任意の距離で良いが、10〜60mmが好ましく、より好ましくは20〜50mmである。本実施形態では33mmである。また、側辺の刃本体21bの刃先角度θ1は任意角度で良いが、10°〜60°が好ましく、より好ましくは20°〜40°である。本実施形態では30°としている。
【0018】
図3(A)及び(B)に示すように、送り刃13は、第2回転軸25と、この第2回転軸25の周面に取り付けられる横刃26と、脱落制御ピン27とを有する。横刃26は、縦刃21と同様に、第2回転軸25に直交する面内で90°ピッチで放射線方向に4個取り付けられている。これら4個の横刃26により横組刃28が構成される。横刃26は、縦刃21の間に入り込むサイズで形成されており(図4参照)、第2回転軸25の軸方向に沿って、ピッチP2だけ離して配置されている。また、図3(C)に示すように、横刃26の先端には、回転方向に屈曲した屈曲部26aが形成されている。この屈曲部26aにより、送り刃13が回転して半固形物を切り出すときに、半固形物の切り出しと送り込みが確実に行われる。なお、図3では、図が複雑になるのを避けるために、横刃26、横組刃28の一部のみに符号を付している。また、ピッチP2は任意の距離で良いが、40mm〜80mmが好ましく、より好ましくは50〜70mmである。本実施形態では66mmである。
【0019】
脱落制御ピン27は、横刃26の間で、第2回転軸25に直交する面内で90°ピッチで、第2回転軸25に放射線方向で4個取り付けられている。脱落制御ピン27の先端は尖っており、切り出したブロック状の半固形物に突き刺さり、半固形物を送り刃13の周りで固定する作用を有する。そして、送り刃13が回転して、脱落制御ピン27が鉛直方向に位置すると、ブロック状の半固形物の保持機能が無くなり、その半固形物は自重により落下する。なお、脱落制御ピンが鉛直方向に位置するまでは、傾斜状態の脱落制御ピンによりブロック状の半固形物は脱落が阻止される。
【0020】
図4は、切り出し装置10を容器アタッチメント31(蓋部材)に組み込んだ状態を示している。機枠11には、縦刃21の隙間及び横刃26の隙間を塞ぐように、脱落阻止部材17,18が取り付けられている。この脱落阻止部材17,18は、各刃12,13の隙間から半固形物が脱落することを阻止している。容器アタッチメント31は、ポット(収容容器)の開口や洗浄装置70の受け部材74の開口(図8参照)に嵌着される着脱部31aと、ホッパ31bとから構成される。
【0021】
また、機枠11には扉30が設けられており、図示しない開閉装置により開閉される。切り出し時には、扉30が二点鎖線で示す開放位置となり、切り出しが終了すると実線で示す閉じ位置となる。
【0022】
切り出し装置10を組み込んだ容器アタッチメント31には、ポット32又は洗浄装置70(図5参照)が着脱自在に取り付けられる。容器アタッチメント31は、着脱部31aとポット32とを係合し、又は着脱部31aと洗浄装置70の受け部材74(図8参照)とを係合する係合部31cを備えている。この係合部31cで着脱部31aとポット32とを係合することにより、ポット32は容器アタッチメント31に確実に装着される。
【0023】
次に、図5に示すように、切り出し装置10を用いた半固形物の切り出し計量設備40について説明する。切り出し計量設備40は、ローラコンベア41と、半固形物の切り出し装置10を組み込んだ容器アタッチメント31と、投入装置43と、計量装置44と、コントローラ45と、洗浄ユニット46とを備える。
【0024】
ローラコンベア41は、切り出し対象の半固形物が入れられたポット32(以下「実ポット」という)を切り出し装置10に、半固形物を切り出して計量するための空のポット(以下「空ポット」という)33を計量装置44にそれぞれ搬送する。なお、本実施形態では、1本のローラコンベアを用いて、実ポット32及び空ポット33を1組として搬送しているが、搬送方法は特に限定されない。
【0025】
図6及び図7に示すように、投入装置43は、実ポット装着ユニット50と、チルト機構51とを有する。実ポット装着ユニット50は、実ポット32を容器アタッチメント31に装着する。チルト機構51は、実ポット装着ユニット50を回転させることにより、容器アタッチメント31に装着された実ポット32を例えば140°傾ける。なお、実ポット32内の半固形物が切り出し装置10に重力で滑り落ちる前に、予め半固形物と実ポット32の間の密着した部分を切り離したり、半固形物をおおまかに所定のサイズに破砕しておくことが望ましい。また、図6では、図が複雑になるのを避けるために、ローラコンベアの搬送ローラの図示を省略している。
【0026】
実ポット装着ユニット50は、保持フレーム53と、クランプ機構54と、保持フレーム53に取り付けられるポット昇降機構55とを有する。保持フレーム53の上部には、切り出し装置10が取り付けられた容器アタッチメント31が固定されている。クランプ機構54は、切り出し装置10に位置する実ポット32を挟んで保持する。ポット昇降機構55は、クランプ機構54が取り付けられた昇降部材57と、昇降部材57を上下方向に移動させるシフト部58を備えている。シフト部58は、昇降部材57を移動させることにより、クランプ機構54にクランプされた実ポット32を容器アタッチメント31に着脱する着脱位置と、実ポット32をローラコンベア41上に退避させる退避位置との間で、実ポット32を変位させる。
【0027】
チルト機構51は、保持フレーム53が固定されたチルト軸56と、このチルト軸56を140°の範囲で回転させる駆動部59とを有する。駆動部59は、チルト軸56を介して保持フレーム53を回転させることにより、切り出し装置10で切り出したブロック状の半固形物を空ポット33に投入する切り出し位置と、この切り出し位置から退避して容器アタッチメント31を着脱する着脱位置との間で、実ポット32を変位させる。
【0028】
図5に示すように、計量装置44は、空ポット33が位置するローラコンベア41の下方に取り付けられている。計量装置44は電子秤から構成され、中身が空の空ポット33が計量装置44の上方に位置したときに、空ポット33の重量及び計量装置44が取り付けられた部分のローラコンベア41の重量を差し引いて、カウンタを「0」にリセットする。そして、計量装置44のカウンタを「0」にリセットした後、空ポット33内に切り出された半固形物の計量を開始する。計量装置44は計量信号をコントローラ45に送信する。コントローラ45は、計量装置44からの計量信号に基づき、空ポット33内の半固形物の重量が所定値に達したときに、切り出し装置10を停止させる。
【0029】
図5、図6及び図8に示すように、洗浄ユニット46は、洗浄装置70と、シフト機構71と、回転機構72とを備えている。回転機構72は、洗浄装置70を反時計回りに回転させて容器アタッチメント31の下方に移動させ、また、洗浄装置70を時計回りに回転させてローラコンベア41から退避させる。シフト機構71は、洗浄装置70を上昇させて容器アタッチメント31に装着させ、また、洗浄装置70を下降させて容器アタッチメント31の下方に位置させる。
【0030】
洗浄装置70は、容器アタッチメント31に嵌合される略円筒状の受け部材74と、円状の吹出口を有する洗浄水ノズル75a〜75dと、略矩形状の吹出口を有するエアノズル77a〜77dと、洗浄水ノズル75a〜75dが取り付けられた円状の洗浄水用配管79と、エアノズル77a〜77dが取り付けられた円状のエア用配管81とを備えている。なお、切り出し装置、容器アタッチメント、及び受け部材に対しては、それら内部を無菌仕様にして無菌蒸気洗浄を行うことが好ましい。また、図示は省略するが、洗浄装置には、受け部材と容器アタッチメントとが確実に係合されたか否かを検出する着脱検知センサが設けられている。
【0031】
受け部材74の上面は開口となっており、この開口の大きさは容器アタッチメントの着脱部31aの大きさと略同じとされる。受け部材74の底面には、中央の排水口74aに向かって傾いたテーパー部74bが形成されている。受け部材74の内部には洗浄水用配管79及びエア用配管81が設けられており、エア用配管81は洗浄水用配管79の内側に設けられている。なお、エア用配管は、洗浄水用配管の外側に設けてもよい。
【0032】
洗浄水ノズル75a〜75dは洗浄水用配管79に4個取り付けられている。洗浄水ノズル75a,75bは、洗浄装置70を容器アタッチメント31に装着したときに、裁断刃12及び送り刃13の第1及び第2回転軸20,25の軸方向中央部から右側に位置するように取り付けられている。また、洗浄水ノズル75c,75dは、洗浄装置70を容器アタッチメント31に装着したときに、第1及び第2回転軸20,25の軸方向中央部から左側に位置するように取り付けられている。以上のように、洗浄水ノズル75a〜75dを取り付けることで、裁断刃12及び送り刃13に対して左右両方から水をまんべんなく吹き付けることができる。
【0033】
また、洗浄水用配管79には電磁流量計からなる水量検出センサ79aが設けられており、この水量検出センサ79aは洗浄水用配管79内の水量が予め設定された一定の範囲内の水量であるか否かを検出する。なお、洗浄ノズルの個数は4つに限る必要はない。また、洗浄水ノズルから吹き出す水は、温度が40℃以上45℃以下であることが好ましく、圧力が0.4MPa以上0.6MPa以下であることが好ましい。本実施形態では温度が40℃、圧力が0.5MPaである。
【0034】
エアノズル77a〜77dはエア用配管81に4個取り付けられている。エアノズル77a,77bは、洗浄水ノズル75a,75bと同様に、洗浄装置70を容器アタッチメント31に装着したときに、裁断刃12及び送り刃13の第1及び第2回転軸20,25の軸方向中央部から右側に位置するように取り付けられている。エアノズル77c,77dは、洗浄水ノズル75c,75dと同様に、第1及び第2回転軸20,25の左側に位置するように取り付けられている。以上のように、エアノズル77a〜77dを取り付けることで、裁断刃12及び送り刃13に対して左右両方からエアをまんべんなく吹き付けることができる。なお、エアノズルの個数は4つに限る必要はない。また、エアノズルから吹き出すエアの圧力は、圧力が0.4MPa以上0.6MPa以下であることが好ましい。本実施形態では0.5MPaである。
【0035】
シフト機構71は、受け部材74を容器アタッチメント31に装着して、裁断刃12及び送り刃13等の洗浄を行う実線表示の位置と、受け部材74を容器アタッチメント31から取り外し、容器アタッチメント31の下方で洗浄装置70を待機させる二点鎖線表示の位置との間で、洗浄装置70を上昇又は下降させる。
【0036】
回転機構72は、洗浄装置70を上下方向に移動自在に支持する略F字型のアーム83と、アーム83に固着される回転軸85と、アーム83を90°の範囲で回転させる駆動部87とを備える。アーム83の内部には、シフト機構71と、水を洗浄水用配管79に供給する給水部90と、エアをエア用配管81に供給するエア供給部91と、受け部材74の排水口74aからの水を排する排水部92とを備える。なお、給水部及び排水部は、アームに沿って設けられた配管(図示省略)を介して、給排水装置(図示省略)に接続されている。
【0037】
駆動部87は回転軸85を介してアーム83を回転させることにより、ローラコンベア41の上方で、切り出し装置10及び容器アタッチメント31内の洗浄を行う二点鎖線表示の洗浄位置と、半固形物の切り出しが完了するまで、洗浄装置70をローラコンベア41上から退避させる実線表示の退避位置との間で、洗浄装置70を変位させる。なお、図示は省略するが、回転機構には、洗浄装置を退避位置から洗浄位置に移動させたときに、受け部材が容器アタッチメントの下方の予め定められた位置に回転したか否かを検出する位置検知センサが設けられている。
【0038】
次に、半固形物の切り出し計量設備の作用について、図9の工程図と図10のタイムチャートを参照しながら、説明する。なお、図9では、切り出し計量設備40の装置等のうち作用の説明に最低限必要なもののみを記載している。また、図10に示す「ポット到着」から「裁断」及び「洗浄」を経た後「ポット搬送」までの所要時間は約600秒である。
【0039】
まず、図9(A)に示すように、実ポット32と空ポット33の一組のポットをローラコンベア41により切り出し計量設備40(図5参照)に搬送し、実ポット32を容器アタッチメント31の位置に、空ポット33を計量装置44の位置にセットする。次に、空ポット33が計量装置44に載置されている状態で、計量装置44のカウントを「0」にリセットする。次に、図9(B)に示すように、実ポット32をクランプ機構54(図7参照)によりクランプし、その状態で実ポット32をシフト部58(図7参照)により実線表示の退避位置から二点鎖線表示の着脱位置に移動させる。そして、着脱位置の実ポット32は、容器アタッチメント31に取り付けられる。次に、図9(C)に示すように、チルト機構51により実ポット32を反時計回りに回転させて、実ポット32を二点鎖線表示の切り出し位置にセットする(図5参照)。
【0040】
次に、実ポット32が切り出し位置にセットされると、切り出し装置10の扉30を開く。そして、第1及び第2駆動部14,15の回転駆動を開始させる。これにより、縦刃21が第1回転軸20を中心に時計回りに、横刃26が第2回転軸25を中心に反時計回りに回転する(図4参照)。実ポット32内の半固形物は、容器アタッチメント31を介して、回転中の縦刃21と横刃26にまで自重により落下する。そして、半固形物は、回転中の縦刃21と横刃26によりブロック状の細片にカットされる。カットされた半固形物は、空ポット33へと落下する。
【0041】
切り出し装置10による半固形物の切り出しの際には、脱落制御ピン27が半固形物を突き刺し、その脱落制御ピン27により突き刺された状態で縦刃21と横刃26により切り出される。これにより、半固形物を確実に切り出すことができる。そして、切り出された半固形物は、脱落制御ピン27が鉛直下方向に位置するまでは半固形物の脱落が阻止され、鉛直下向きに位置したときに自重により脱落制御ピン27から抜け落ちる。横刃26の屈曲部26aは、落下してきた半固形物を係止することで、半固形物に対する保持力を向上させるとともに、掻き出し力をも向上させる。機枠11には脱落阻止部材17,18が取り付けられているため、落下してきた半固形物は、縦刃21と横刃26により切り出されることなく、そのまま空ポット33へ落下することがない。
【0042】
また、裁断刃12及び送り刃13の回転速度(rpm(1分間当たりの回転速度))は、計量装置44で計量される空ポット33内の半固形物の重量(kg)が、予め設定された投入目標重量W0に到達するように制御される。図11に示すように、裁断刃12及び送り刃13の回転速度は、低速モードと高速モードの2種類がある。切り出し装置10の切り出しが開始すると、まず、裁断刃12及び送り刃13の回転速度を「0」から低速モードに徐々に上昇させる。裁断刃12及び送り刃13の回転速度が低速モードに到達したときに、裁断刃12及び送り刃13の回転速度を低速モードで一定にする。空ポット33の重量がW1になったときに、裁断刃12及び送り刃13の回転速度を低速モードから高速モードに徐々に上昇させる。裁断刃12及び送り刃13の回転速度が高速モードに到達したときに、裁断刃12及び送り刃13の回転速度を高速モードで一定にする。
【0043】
空ポット33の重量がW2になったときに、裁断刃12及び送り刃13の回転速度を高速モードから低速モードに徐々に下げる。次に、裁断刃12及び送り刃13の回転速度が低速モードに到達したときに、裁断刃12及び送り刃13の回転速度を低速モードで一定にする。そして、空ポット33の重量が投入目標重量W0に到達したときに、裁断刃12及び送り刃13の回転速度を下げ、裁断刃12及び送り刃13を停止する。さらに、裁断刃12及び送り刃13を停止直後に、扉30を閉めることにより、半固形物の過剰な落下を防ぐことで、計量の精度を上げている。
【0044】
なお、上記空ポットの重量のうち、投入目標重量W0を20kgとしたときに、W1は5kg、W2は(W0−3)kgであることが好ましい。投入目標重量W0が5kg未満のときは、低速モードのみで切り出しが行われる。
【0045】
また、低速モードでは、裁断刃12の回転速度は21.1rpm、送り刃13の回転速度は2.8rpm、及び裁断刃12と送り刃13の回転速度比(裁断刃の回転速度/送り刃の回転速度)は7.8/1であることが好ましい。また、高速モードでは、裁断刃12の回転速度は38.7rpm、送り刃13の回転速度は4.7rpm、及び裁断刃12と送り刃13の回転速度比(裁断刃の回転速度/送り刃の回転速度)は8.2/1であることが好ましい。裁断刃12と送り刃13の回転速度比については適宜変更してもよく、例えば、回転速度比は3/1〜12/1が好ましく、より好ましくは5/1〜10/1である。
【0046】
次に、図9(D)に示すように、空ポット33の重量が投入目標重量W0に到達し、裁断刃12及び送り刃13の回転が停止すると、チルト機構51は、実ポット32を切り出し位置から着脱位置に戻す。そして、着脱位置に戻った実ポット32から、容器アタッチメント31が取り外される。そして、実ポット32は、シフト部58によりローラコンベア41に載置される。そして、投入目標重量W0分の半固形物が投入された空ポット33は、空ポット33内の半固形物を原料として各種製品を製造する製造ラインPLに送られる。一方、図9(E)に示すように、ローラコンベア41に載置された実ポット32は、残った半固形物を一時保存する返却ラインRLに送られる。
【0047】
次に、図12のフローに従って、洗浄装置70により切り出し装置10の洗浄が行われる。まず、回転機構72は、アーム83を介して洗浄装置70を反時計回りに90°回転させて、洗浄装置70を退避位置からローラコンベア41上方の洗浄位置にセットする。洗浄装置70が洗浄位置にセットされると、シフト機構71は洗浄装置70を上昇させて、洗浄装置70の受け部材74を容器アタッチメント31に嵌合させる。このとき、係合部31cは、受け部材74と容器アタッチメント31とを係合し、受け部材74と容器アタッチメント31とを密封する。
【0048】
受け部材74と容器アタッチメント31とが係合されると、裁断刃12及び送り刃13が切り出し時の回転方向とは反対に回転する。そして、裁断刃12及び送り刃13の回転と同時または直後に、給水部90が洗浄水用配管79を介して水を洗浄水ノズル75a〜75dに供給する。これにより、洗浄水ノズル75a〜75dの吐出口から水が略上方向に吹き出し、裁断刃12や送り刃13等に付着した半固形物が水で除去される。裁断刃12等に吹き付けられた水は自重で受け部材74のテーパー部74bに流れ落ち、その後、排水として、排水口74aを介して排水部92により排される。
【0049】
洗浄水ノズル75a〜75dから水が吹き出している間は、水量検出センサ79aにより洗浄水用配管79内の水量が監視される。水量検出センサ79aが洗浄水用配管79内の水量が一定範囲外になったことを検出した場合には、アラーム(図示省略)が発され、洗浄が一時停止する。
【0050】
水の吹き出し開始から一定時間が経過すると、水の供給が停止する。次に、エア供給部91がエア用配管81を介してエアをエアノズル77a〜77dに供給する。これにより、エアノズル77a〜77dの吐出口からエアが略上方向に吹き出され、裁断刃12や送り刃13等に付着した水や半固形物がエアで吹き飛ばされる。
【0051】
エアの吹き出し開始から一定時間が経過すると、エアの供給が停止されるとともに、裁断刃12及び送り刃13の回転が停止する。その後に、係合部31cは受け部材74と容器アタッチメント31との係合を解除する。受け部材74と容器アタッチメント31との係合が解除されると、シフト機構71は洗浄装置70を下降させて、受け部材74を容器アタッチメント31から取り外す。回転機構72は、アーム83を介して洗浄装置70を時計回りに90°回転させて、洗浄装置70を洗浄位置からローラコンベア41外の退避位置に移動させる。これにより、洗浄が完了する。
【0052】
以上のように、洗浄水ノズル75a〜75d及びエアノズル77a〜77dにより、水及びエアを切り出し装置10及び容器アタッチメント31の内部全体に吹き付けることで、裁断刃12や送り刃13に付着した半固形物だけでなく、脱落阻止部材17,18、脱落制御ピン27、ホッパー31bの内部、及び機枠11の内部などに付着した半固形物も除去することができる。また、裁断刃12及び送り刃13を回転させながら水及びエアを吹き付けることで、裁断刃12及び送り刃13の全体を洗浄することができるとともに、それら刃の回転を利用して水及びエアを切り出し装置10の扉30側まで到達させることができる。また、洗浄水ノズル75a〜75dから吹き出される水は40℃以上の温度を有しているため、その水の熱により半固形物を溶解することができる。
【0053】
また、エアノズル77a〜77dから吹き出されるエアにより、裁断刃12等に吹き付けられた水を吹き飛ばすとともに、水で除去及び溶解しにくい半固形物をも吹き飛ばすことができる。また、係合部31cにより着脱部31aと受け部材74とを係合して、洗浄装置70と容器アタッチメント31とを密着させた状態で洗浄を行うため、洗浄に用いた水は外部に漏れることがない。
【0054】
以上のように、洗浄装置70により切り出し装置10及び容器アタッチメント31内の半固形物を確実に除去することができるため、その後に、品種の異なる半固形物を切り出す場合であっても、コンタミネーションを無くして切り出しを行うことができる。
【0055】
加えて、本発明の洗浄装置70によれば、コンタミネーションの防止だけでなく、以下のような効果をも更に得ることもできる。洗浄装置70による洗浄の際には、エアノズル77a〜77dからのエアにより、切り出し装置10及び容器アタッチメント31の内部に付着した水を完全に除去するため、洗浄装置70を容器アタッチメント31から取り外したとしても、水がローラコンベア41上に落ちることがない。そのため、ローラコンベア41上が水で汚れることがなく、計量装置44やローラコンベア41の電気系統に影響を与えることがない。したがって、ローラコンベア41外に洗浄専用のステーションを別途設けなくとも、ローラコンベア41の上方で簡便且つ確実に洗浄を行うことができる。なお、エアノズルに温風等を送り込むことで、切り出し装置及び容器アタッチメント内部の乾燥状態を更に高めてもよい。
【0056】
また、回転機構72により洗浄装置70の回転を何度も繰り返すことで、アーム83に沿って設けられた給水部90の配管が折れたり又は劣化し、洗浄水ノズル75a〜75dから吹き出す水の水圧が低下することが考えられるが、水量検出センサ79aが洗浄水用配管79内の水量を監視することで、その水圧の低下を検知することができる。
【0057】
また、洗浄装置70は洗浄、乾燥、及び洗浄液の回収、即ち洗浄に要する全ての機能を備えた小型の装置であり、その小型の洗浄装置70をローラコンベア41上に進入させ、容器アタッチメント31に装着して洗浄を行うことで、切り出し装置10及び容器アタッチメント31をローラコンベア41から退避させて洗浄を行うよりも、それら装置を移動させる装置や洗浄に要する装置等をシンプルかつコンパクトにすることができる。さらに、1本のローラコンベアを用いて、実ポット及び空ポットを1組として搬送する方法と組み合わせることで、ポットの搬送装置や洗浄装置をよりシンプル且つコンパクトにすることができる。
【0058】
なお、本発明の切り出し装置の切り出し対象物は、乳剤、乳化物、ゼラチンなどの半固形物であればよく、特に限定されない。また、切り出し対象物のゼリー強度は、300g以上600g以下が好ましい。また、切り出し対象物は、例えば、厚みが3〜5cm、直径が60cm以下のバームクーヘン状(円筒状)にスライスされて、ポットに収納することが好ましい。
【0059】
また、本発明の切り出し装置では、1回の切り出し量は、裁断刃及び送り刃の軸間距離、縦組刃のピッチで決定される。軸間距離及び縦組刃のピッチを小さくすると、これに応じて、切り出すブロック片1個の重量を小さくすることができ、切り出し量の精度を上げることができる。
【0060】
また、本発明の切り出し装置の送り刃では、横刃及び脱落制御ピンを第2回転軸の周方向に90°ピッチで4個取り付け、脱落制御ピンが略鉛直下方向を向いたときに落下するようにしているので、投入目標重量に達したときに、送り刃のみを90°逆転させることで、切り出し途中のブロック片を容器アタッチメント側に戻すようにしてもよい。これにより、更に精度の良い切り出しが可能となる。
【0061】
上記実施形態では、裁断刃及び送り刃の回転速度を低速モード及び高速モードの2段階で制御しているが、速度切り替えは3段階以上であってもよい。例えば、最後の切り出しを微速で行い、切り出し精度を更に向上させてもよい。また、裁断刃を縦刃で、送り刃を横刃で構成したが、これらに限る必要はなく、例えば裁断刃及び送り刃をノコ刃や丸刃で構成してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、半固形物の粘度やゼリー強度及び空ポット内の半固形物の重量の変化の割合に応じて、チルト機構の回転角度を調整してもよい。また、空ポット内の半固形物の重量が投入目標重量に到達した後には、チルト機構の回転角度を、実ポット内の半固形物が落下しない角度にしてもよい。また、切り出し対象を乳剤や乳化物とした場合には、切り出し計量設備内を遮光状態にして、かぶりを防ぐことが好ましい。
【0063】
また、上記実施形態では、洗浄水ノズルやエアノズルを円状の配管に対して固定としたが、これに限らず、常時可動又は一定時間ごとに可動にして、水やエアの吹出方向を可変にしてもよい。また、洗浄したい箇所を狙い打ちすることができるように、洗浄水ノズルやエアノズルは、洗浄水用配管やエア用配管との取付部をねじ込み式にして、それら吹出口の角度を調整可能としてもよい。また、水やエアの吹き出しに加えて、切り出し装置や容器アタッチメント全体に振動を与え、半固形物の剥離を促進させてもよい。また、洗浄時では、裁断刃等を切り出し時とは反対方向に回転させたが、これに限らず、一定の時間ごとに回転方向を切り替えてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、洗浄装置を容器アタッチメントに装着し、容器アタッチメント側から水やエアの吹き付けを行ったが、これに代えて又は加えて、切り出し装置の扉側から水やエアの吹付けを行ってもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、洗浄水用配管内に水量検出センサを設置したが、それら以外に、洗浄ユニットの各箇所に洗浄に関する動作不良を検知するセンサを設け、そのセンサの検知結果に応じて、アラームを発し、洗浄を停止してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、洗浄液として水を用いたが、他の液、例えば溶剤や洗剤を含む液や薬液を用いてもよく、更には、半固形物の種類に応じて、洗浄液の種類を適宜変更してもよい。また、洗浄水ノズルに対しては水だけでなく前記薬液をも供給できるようにしてもよく、受け部材内には洗浄水ノズルに加えて、前記薬液専用のノズルを設けてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、一つの洗浄装置だけで洗浄を行ったが、ノズル及び排水口の個数や洗浄液の種類が異なる複数の洗浄装置を用いて洗浄を行ってもよい。この場合には、例えば、洗浄装置を回転機構のアームから着脱自在とし、半固形物の品種を変更するごとに又は半固形物の切り出しごと等に、異なる洗浄装置に交換してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】切り出し装置の機枠を回転軸の位置で切り欠いた状態を示す平面図である。
【図2】(A)は裁断刃の側面図を、(B)は裁断刃の正面図を、(C)は縦刃を拡大して示す正面図及び側面図を示している。
【図3】(A)は送り刃の側面図を、(B)は送り刃の正面図を、(C)は横刃を拡大して示す側面図を示している。
【図4】切り出し装置及び容器アタッチメントを示す断面図である。
【図5】半固形物の切り出し計量設備の正面図である。
【図6】半固形物の切り出し計量設備の平面図である。
【図7】半固形物の切り出し計量設備の右側面図である。
【図8】ローラコンベア上方に位置する洗浄装置を容器アタッチメントに装着した状態を示す断面図である。
【図9】半固形物の切り出し計量設備のフローを示す工程図である。
【図10】半固形物の切り出し計量設備のフローを示すタイムチャートである。
【図11】空ポット内の半固形物の重量と裁断刃及び送り刃の回転速度との関係を示すグラフである。
【図12】洗浄装置による洗浄のフローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
10 切り出し装置
11 機枠
12 裁断刃
13 送り刃
14 第1駆動部
15 第2駆動部
17,18 脱落阻止部材
27 脱落制御ピン
31 容器アタッチメント
40 切り出し計量設備
44 計量装置
45 コントローラ
46 洗浄ユニット
70 洗浄装置
71 シフト機構
74 受け部材
75a〜75d 洗浄水ノズル
77a〜77d エアノズル
90 給水部
91 エア供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半固形物を切り出す一対の回転刃、及び前記一対の回転刃を回転自在に保持する機枠を有する切り出し装置と、
前記切り出し装置を組み込んだ蓋部材と、
前記蓋部材に着脱自在に取り付けられ、前記一対の回転刃、前記機枠の内部、及び前記蓋部材の内部を洗浄する洗浄装置とを備えることを特徴とする半固形物の切り出し設備。
【請求項2】
前記洗浄装置は、
前記蓋部材と嵌合する受け部材と、
前記受け部材内に設けられ、前記一対の回転刃、前記機枠の内部、及び前記蓋部材の内部に対して洗浄液を吹き付ける洗浄液吹き付け部と、
前記受け部材内に設けられ、前記一対の回転刃、前記機枠の内部、及び前記蓋部材の内部に対してエアを吹き付けるエア吹き付け部とを備え、
前記一対の回転刃を回転させながら前記洗浄液又はエアの吹き付けを行い、吹き付け後の前記洗浄液を前記受け部材で回収することを特徴とする請求項1記載の半固形物の切り出し設備。
【請求項3】
前記蓋部材と前記受け部材とを係合して、前記蓋部材及び前記受け部材を密封する係合部を備えることを特徴とする請求項2記載の半固形物の切り出し設備。
【請求項4】
前記洗浄液及び前記エアの吹き付け方向は略上方向であることを特徴とする請求項2または3記載の半固形物の切り出し設備。
【請求項5】
前記半固形物を収容する収容容器を搬送する搬送路を有し、前記半固形物の切り出しの際には前記収容容器を前記蓋部材の下方にまで搬送させるとともに、前記半固形物の切り出し後には前記収容容器を前記蓋部材の下方から退避させる搬送装置と、
前記洗浄装置を前記蓋部材と前記搬送路との間に進入させ、前記洗浄装置を前記蓋部材に装着して洗浄を行う洗浄位置と、前記蓋部材と前記搬送路との間から前記洗浄装置を退避させた退避位置との間で、前記洗浄装置の位置を変位させる洗浄装置変位機構とを備えることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の半固形物の切り出し設備。
【請求項6】
前記洗浄装置変位機構は、前記洗浄位置にある前記洗浄装置を上昇または下降させるシフト機構を有し、
前記シフト機構は、前記洗浄装置を上昇させることにより前記洗浄装置を前記蓋部材に装着する位置と、前記洗浄装置を下降させることにより前記洗浄装置を前記蓋部材から取り外した位置との間で、前記洗浄装置を変位させることを特徴とする請求項5記載の半固形物の切り出し設備。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれか1項記載の半固形物の切り出し設備と、
前記半固形物を収容する収容容器を切り出し対象容器の上方に位置させる切り出し位置と、この切り出し位置から退避して前記蓋部材を着脱する着脱位置との間で、前記収容容器の位置を変位させる収容容器変位機構と、
前記切り出し対象容器の重量を計量する計量器と、
前記一対の回転刃の回転を制御し、前記計量器で計量した計量値に基づき切り出した半固形物が一定値に達したときに、前記一対の回転刃の回転を停止する制御部を備えることを特徴とする半固形物の切り出し計量設備。
【請求項8】
一対の回転刃、及び前記一対の回転刃を回転自在に保持する機枠を有する切り出し装置と、前記切り出し装置を組み込んだ蓋部材とを用いて、半固形物を前記一対の回転刃でブロック状に切り出し、
前記半固形物の切り出し後に、前記蓋部材に着脱自在に取り付けられる洗浄装置により、前記一対の回転刃、前記機枠の内部、及び前記蓋部材の内部を洗浄することを特徴とする半固形物の切り出し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−280241(P2009−280241A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−134231(P2008−134231)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】