説明

半導体ウエハのエッチング方法及びそのエッチング装置

【課題】半導体装置の製造方法に関し、特に半導体ウエハの枚葉処理における湿式エッチング装置のクリーンルーム占有床面積の拡大を防止し、生産性の向上を図ること、並びにそれに伴う歩留改善、間接材料の使用量低減可能な作業方法の確立を図る。
【解決手段】本発明の半導体ウエハ1のエッチング方法は、半導体ウエハ1を床面に対して垂直に保持した状態でエッチングするもので、吸着チャック10に垂直に保持された半導体ウエハ1と垂直状態で相対するエッチング機構13の正面部17並びに凸部18の間に、上から下に流れる落ちるエッチング液による薬液層19を形成しつつ、半導体ウエハ1を低速回転させながらエッチングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法及びそれに使用される半導体製造装置に関し、特に、半導体ウエハのエッチング方法及びそれに使用されるエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
その主表面に半導体素子が形成された半導体ウエハの、裏面側の酸化膜や半導体ウエハ自体等をエッチングする場合、主表面に形成された半導体素子がエッチングされないように主表面にワックス等の保護膜を塗布し、主表面の保護を行っていた。この場合、主表面が保護膜で覆われた半導体ウエハを複数枚、1つのエッチング用カセットに入れてエッチング処理していた。通常25枚または50枚が同時にエッチング処理されることからエッチング作業自体のスループットは優れ、生産性の高いエッチング方法であった。
【0003】
しかし、エッチング作業の前後における保護膜の塗布、保護膜の除去に大きな費用と工数を費やしていた。また、工程数が増加することから半導体ウエハの割れやチッピングの発生という歩留まり低下の問題もあった。係る問題は半導体ウエハの大口径化と共に、特に仕上げ厚みの薄いウエハの場合顕著になった。
【0004】
そこで、スループットの低下を犠牲にしても上記諸問題を解決するため半導体ウエハ1枚づつ水平状態にしてその主表面を吸着チャック上に吸着して、高速回転しつつ、その上部からエッチング液を噴射し半導体ウエハの裏面をエッチングする方法が採用されるようになった。この場合半導体ウエハの主表面側には保護膜を塗布することなく作業することも可能となることから保護膜がらみのコスト、費用の節約が図れる。但しエッチング液が、下側を向いている主表面側に回りこまないように、半導体ウエハの主表面である下側から半導体ウエハの外周側に向け、窒素ガス等でブローしていた。
【0005】
このような、半導体ウエハの裏面側をエッチングする方法に関するものとして、以下の特許文献1、特許文献2等に記載されている。
【特許文献1】特開2003−45835号公報
【特許文献2】特開2002−280355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記、半導体ウエハを吸着チャックにセットして1枚づつ裏面をエッチングする方法の採用により、従来の保護膜の塗布、除去という工程が廃止可能となった。しかし、窒素ガスによる下側からのブローにもかかわらず、エッチング液が主表面である半導体ウエハの下側の面に廻りこむという新規課題を完全には解決する事ができず、保護テープを主表面に貼付する等の方法で対処していた。また、半導体ウエハの高速回転によるミストの発生と、それを排気することによるエッチング液の排出量の増大という新たな問題を抱えるこ
とになった。高速回転するため、半導体ウエハの割れやチッピングの発生という歩留まり低下の問題も完全には解決できなかった。さらに、半導体ウエハの大口径化の進展と共に、半導体ウエハを1枚づつ枚葉処理することによるエッチング装置の床面積増大という問題は、工場全体の生産性向上に対して大きな障害となり、その解決は緊急を有する課題として大きく再浮上してきた。本発明では上記の諸問題の解決を図ること、特に床面積あたりの生産性の高いエッチング方法、並びにそれに使用するエッチング装置を開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体ウエハのエッチング方法は、半導体ウエハを床面に垂直に保持された吸着チャックに吸着する工程と、前記半導体ウエハを吸着した前記吸着チャックを床面に垂直に設置されたエッチング機構に接近させ、床面と垂直に相対させる工程と、前記吸着チャックを低速で回転させながら、前記エッチング機構から前記ウエハの中心より上の部分に薬液を供給しつつ前記半導体ウエハをエッチングする工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の半導体ウエハのエッチング方法は、前記エッチング機構が、筐体に設置された薬液供給配管と、前記薬液供給配管と直結された当該薬液供給配管の直径より大きな開口をその上部に有する薬液溜め槽と、当該薬液溜め槽の前面の薬液流出口と、当該薬液流出口の下部の前記吸着チャックと垂直状態で相対する正面部と、当該正面部に設けられた複数の凸部とを有し、前記吸着チャックに吸着された半導体ウエハと、前記正面部及び前記凸部に囲まれた領域に前記薬液溜め槽から流出する薬液で薬液層を形成しつつ、前記半導体ウエハをエッチングすることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の半導体ウエハのエッチング方法は、前記エッチング機構が、親水性を有する材料から構成されていることを特徴とし、前記エッチング機構の前記側壁部の最下部が前記吸着チャックの垂直面に対して反対側に傾斜していることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のエッチング装置は、床面に垂直に保持された吸着チャックと、動作制御部とからなる吸着機構と、前記吸着チャックと相対する、床面に垂直に設置されたエッチング機構と、を有する半導体ウエハのエッチング装置であって、前記エッチング機構が、筐体に設置された薬液供給配管と、前記薬液供給配管と直結され当該薬液供給配管の直径より大きな開口をその上部に有する薬液溜め槽と、当該薬液溜め槽の前面の薬液流出口と、その下部の前記吸着チャックと垂直状態で相対する正面部と、当該正面部に設けられた複数の凸部と、前記正面部の最下部に前記吸着チャックの垂直面と反対側に傾斜している傾斜面と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の半導体ウエハのエッチング方法によれば、半導体ウエハを床面に垂直に立てて作業する事が可能なため、占有床面積の小さなエッチング装置で作業が可能となる。また、低速で半導体ウエハを回転させ、半導体ウエハとエッチング機構間に形成されたエッチング液層でエッチングするためエッチング精度が改善され、またミストの発生もなくエッチング液の大幅な削減も実現された。薬液が半導体ウエハの非エッチング面への回り込むという不具合も解消された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る半導体ウエハのエッチング方法を採用した半導体装置の製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の半導体ウエハのエッチング方法は、半導体ウエハ1を床面に垂直に立ててエッチングをするもので、エッチング装置の床面積を小さく出来ることに大きな特徴を有している。また、半導体ウエハを立てて作業する場合の弊害について対処したところに特徴を有する。
【0013】
本発明の実施形態であるパワートランジスタの製造方法について、以下に図1乃至図6を参照しながら説明する。図1に示すようにFZタイプの比抵抗数10Ω・cm以上の高抵抗のN型半導体ウエハ1を準備し、その両面からコレクタ拡散を行い、N+型コレクタ層2を形成する。この場合、POCL3等のN型材料を使用し、半導体ウエハ1の両面にリン(P)をプリデポし、その後1,200℃前後の高温でリンを半導体ウエハ1内に数十ミクロン以上の深さで拡散する。その後図2に示すように、半導体ウエハ1を片方の面から研削し、その表面をミラー状に仕上げるためミラーポリツシュ工程を経た後、酸化膜3aを半導体ウエハ1上の表裏全面に形成する。
【0014】
次に、図3に示すように、所定のフォトリソ工程を経ることにより、P型ベース拡散層4を形成するため酸化膜3aに開口部を形成する。その後、前記開口部に3臭化ボロン(BBr3)等のP型材料によるボロン(B)のプリデポを行い、高温で半導体ウエハ1内部に拡散しつつ、半導体ウエハ1の表面及び裏面には酸化膜3bを形成する。フォトリソ工程で酸化膜3aに開口部を形成する際、半導体ウエハ1の表面側にフォトレジストが塗布され、裏面側にはフォトレジストが塗布されない。したがって、原則、裏面側の酸化膜3aはエッチング除去されるが、フォトレジストの塗布や現像作業時にレジスト等の跳ね返りが裏面に付着する場合があり、その場合裏面に局所的に酸化膜3aによる酸化膜残渣5aが残る場合がある。
【0015】
次に図4に示すように、所定のフォトリソ工程を経て、N+型エミッタ層6を形成する位置の酸化膜3bを除去し開口部を設ける。この場合も、半導体ウエハ1の裏面側に、跳ね返りのフォトレジスト等が付着して、その下の酸化膜3bを被覆することにより、酸化膜エッチング後に酸化膜3bからなる酸化膜残渣5bが残る場合がある。N+型エミッタ層6はN+型コレクタ層2の形成と同様、リンのプリデポとエミッタ拡散により形成されるが、同時に半導体ウエハ1の表裏全面に酸化膜3cが形成される。
【0016】
次に、図5に示すように、N+型エミッタ層6及びP型ベース層4と電気的接続を取るためのコンタクトホールを形成するため、所定のフォトリソ工程を経て、酸化膜3c等に開口部を設ける。この場合も、半導体ウエハ1の裏面側に、前述同様にフォトレジストの
跳ね返り等による付着物がつき、その下の酸化膜3cがエッチングされず酸化膜3cからなる酸化膜残渣5cが残る場合がある。N+型エミッタ層6及びP型ベース層4との電気的接続は、前記開口部上にスパッタリング等されたAl(アルミニューム)等を、所定のフォトリソ工程を経ることによりエッチングし形成されたエミッタ電極7及びベース電極8により実現される。
【0017】
最後に、図6(a)に示すように、半導体ウエハ1の裏面と裏面電極9の電気的接続を良好にするため、半導体ウエハ1の裏面側のダメージ層や、ベース形成時に拡散されたP型不純物層を10μm程度エッチングし、清浄なN+型コレクタ層2を露出させる。この場合、裏面に酸化膜残渣5c等が存在しないため、平坦なシリコン面が露出する。その後、Ti、Ni、Ag等から成る裏面電極9をスパッタリング等により形成し、半導体ウエハ1を基板とするパワートランジスタが完成する。それに対して、図6(b)に示されるように、前記コンタクトホール等を形成する際に裏面側に酸化膜残渣5c等が残る場合は、酸化膜残渣5c等がエッチングマスクとなりその部分の半導体ウエハ1の裏面部がエッチングされず、突起5c′等となり残存するという弊害が生ずる。そこで、半導体ウエハ1の裏面をエッチングする前に、半導体ウエハ1を床面に水平状態にして酸化膜残渣5c等エッチング除去してから半導体ウエハの裏面をエッチングし、図6(a)のように突起5c´等の存在しない面に裏面電極9を形成していた。
【0018】
本発明に係る実施形態は、係る裏面に残存する酸化膜残渣5c等をエッチングする方法に関するものである。その特徴は、半導体ウエハ1を床面に垂直に立ててエッチングする方法を採用したため、エッチング装置のクリーンルームにおける占有床面積を、従来の半導体ウエハ1を水平状態にして作業するエッチング装置に比べ数分の1に小さくする事が出来ることである。また、副次的効果として、エッチング液のミストの発生をなくす事ができ、環境面改善、並びに薬液の使用量の大幅削減が可能になった点があげられる。
【0019】
それでは、本発明に係る半導体ウエハ1のエッチングに使用するエッチング装置の構成とエッチング方法に関して以下に説明する。本エッチング装置は、図7に示すように、半導体ウエハ1を吸着する、吸着面が床面に垂直な吸着チャック10と動作制御機構11からなる吸着機構12と、エッチング液をウエハに供給しエッチングするエッチング機構13から構成される。また、エッチング機構13は、図8(a)に平面図、図8(b)に正面図、図8(c)に側面図で示すように、その筐体に設置された薬液供給配管14と、当該薬液供給配管14に直結された、当該薬液供給配管14の口径より大きな開口をその上部に有する液溜め槽15と、当該液溜め槽15の正面に形成された液流出口16と、当該液流出口16から下側に床面に垂直に形成された正面部17と、当該正面部17に等間隔で設けられた複数の凸部18とから構成される。
【0020】
また、半導体ウエハ1のエッチング方法は以下の通りであり、図9に基づいて詳述する。最初に、半導体ウエハ1は、前記吸着チャック10に床面と垂直になる状態で搬送装置等によりセットされ、吸着機構12の動作制御機構11が動作することにより固定される。次に、吸着チャック10はその動作制御機構11が動作することにより、エッチング機構13の設置された位置の近傍まで移動する。吸着チャック10に吸着された半導体ウエハ1とエッチング機構13の正面部17とは床面に垂直に相対する。この場合の半導体ウエハ1と、エッチング機構13の凸部18の先端との距離は、後述の薬液層19が半導体ウエハ1の表面とエッチング機構13の正面部17の間に形成される距離が好ましい。
【0021】
半導体ウエハ1と凸部18が離れすぎている場合は、エッチング液が十分に半導体ウエハ1に当たらずエッチングが進行しない。また、両者の距離が接近しすぎるとエッチング液が凸部18の両側に大きく広がって流れるためエッチングのバラツキが大きくなる。この状態で半導体ウエハ1をセットした吸着チャック10は低速で回転する。本実施形態においては毎分30回転で回転させた。薬液供給配管14に直結され、当該薬液供給配管の口径よりその上部の開口部が大きい液溜め槽15では、薬液供給配管14から供給されたエッチング液の圧力が開放され低下するため、エッチング液は緩やかな流れとなり、半導体ウエハ1と当該半導体ウエハ1の中心部より上の位置で相対する液流出口16からゆっくりとエッチング機構13の正面部17に流れ出す。
【0022】
液の流路となるエッチング機構13の正面部17や凸部18は親水性の材料で構成されていることが好ましく、この場合、液流出口16から流れ出たエッチング液は正面部17や凸部18に沿って流れ、凸部18と正面部17と半導体ウエハ1で囲まれた領域に薬液層19を形成する。凸部18の先端と半導体ウエハ1の狭い隙間を通って下側に流れるエッチング液は当該凸部18とその下にある凸部18の間にも同様な薬液層19を順次形成する。各凸部18上に形成された各薬液層17内では、エッチング液は回転しながら半導体ウエハ1と凸部18の先端の空隙を通って、下方に流れる。凸部18の下面部分は、凸部18の先端部から正面部17に向かって、正面部17側で凸部18が厚くなるよう傾斜している事が好ましい。
【0023】
最終的に、半導体ウエハの中心部Cより上の位置から、半導体ウエハ1の最下部までの間の半導体ウエハ1と、エッチング機構13の間の空間全体に、薬液層19が形成された状態になる。半導体ウエハ1は回転していることから、あたかも半導体ウエハ1を上から下に薬液の流れのある薬液層19に浸漬して、エッチングしているのと同じ状態となる。半導体ウエハ1は低速で回転しており、エッチング液は半導体ウエハ1の中心部Cより上の部分から半導体ウエハ1に接触する構成となっているので、半導体ウエハ1の裏面全面がエッチング液中で最適な速度でエッチングされ、均一なエッチングが実現できる。エッチング液が半導体ウエハ1の中心部Cより上の部分から半導体ウエハ1に接触するようにしているのは、仮に、半導体ウエハ1の中心部Cより下の部分から接触する場合は半導体ウエハ1の中心部Cの近傍が精度良くエッチングされないからである。最後に、不図示の水洗部で半導体ウエハ1は水洗され、乾燥工程を経てエッチング工程は終了する。
【0024】
半導体ウエハ1を低速で回転することから、エッチング液の跳ね返りもなく、エッチング液が非エッチング面に付着することもない。最終的に上から下に流れるエッチング液は親水性のエッチング機構13の正面部17、凸部18を伝いながら流れ落ちる。更に、エッチング機構13の正面部17の最下端は半導体ウエハ面とは反対側に傾いた傾斜面20を有していることからエッチング液の半導体ウエハ1からの乖離が円滑に行われることになりエッチング液が半導体ウエハ1の非エッチング面に廻りこむことも防止できる。
また、半導体ウエハ1が低速回転していることからエッチング液のミストの発生もなく、排気として排出される量も微々たる物で、薬液の回収率98%を達成する事ができ、その
結果、薬液使用量も95%削減する事ができた。
【0025】
更に、エッチング装置の床面積も、5インチウエハにおいてでも、従来の半導体ウエハ1を水平にして処理するエッチング装置に比べ、5分の1程度にする事が可能となった。
また、本発明のエッチング装置は、その上部に同じエッチングチャンバーを多段に構成する事が可能であり、更に床面積あたりの生産性を向上させる事ができる。なお、本実施形態では、NPN型パワートランジスタについて記述したがPNP型パワートランジスタに於いても同様に実施できる。
【0026】
本発明の他の実施形態についても簡単に触れておく。本発明は、限られたクリーンルームの床面積あたりの半導体ウエハの処理枚数を増やすことを最大の目的に進められた。
半導体ウエハの大口径化に伴う加工装置の床面積増大を防止するため、半導体ウエハを床面に対して垂直な状態、即ち、半導体ウエハを立てた状態で加工する製造方法、製造装置の開発である。手始めに、高いエッチング精度が要求されない、半導体ウエハ1の裏面の酸化膜の全面除去工程をターゲットに開発を進めた。その中でミスト発生防止や、非エッチング面への薬液の回り込みの防止等の対策を講じてきたがそれがエッチング精度向上策にもつながることが判明した。
【0027】
したがって、本発明は前述のパワートランジスタの半導体ウエハ1の裏面のシリコンエッチングにも使用する事が可能になった。また、半導体ウエハ1の半導体素子が形成された主表面の各種メタルパターンの形成等を含む各種の膜のエッチングにも使用する事が可能である。本発明は、同様な技術的思想に基づく、他の用途にも使用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態における半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明における半導体ウエハのエッチング装置の中の半導体ウエハ吸着機構を示す概略図である。
【図8】本発明における半導体ウエハのエッチング装置の中の半導体ウエハエッチング機構を示す概略図である。
【図9】本発明における半導体ウエハのエッチング装置のエッチング機構と吸着チャックの間で半導体ウエハがエッチングされる状態を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1 N型半導体ウエハ 2 N+型コレクタ層 3a、3b、3c 酸化膜
4 P型ベース層 5a,5b,5c 酸化膜残渣 5a′、5b′,5c′ 突起
6 N+型エミッタ層 7 エミッタ電極 8 ベース電極 9 裏面電極
10 吸着チャック11 動作制御機構 12 吸着機構 13 エッチング機構
14 薬液供給配管 15 薬液溜め槽 16 液流出口 17 正面部
18 凸部 19 薬液層 20 傾斜部 C 中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハのエッチング方法であって、
前記半導体ウエハを床面に垂直に保持された吸着チャックに吸着する工程と、
前記半導体ウエハを吸着した前記吸着チャックを床面に垂直に設置されたエッチング機構に接近させ、床面と垂直に相対させる工程と、
前記吸着チャックを回転させながら、前記エッチング機構から前記ウエハの中心より上の部分に薬液を供給しつつ前記半導体ウエハをエッチングする工程と、を有することを特徴とする半導体ウエハのエッチング方法。
【請求項2】
前記エッチング機構は、筐体に設置された薬液供給配管と、前記薬液供給配管と直結された当該薬液供給配管の直径より大きな開口をその上部に有する薬液溜め槽と、当該薬液溜め槽の前面の薬液流出口と、当該薬液流出口の下部の前記吸着チャックと垂直状態で相対する正面部と、当該正面部に設けられた複数の凸部とを有し、前記吸着チャックに吸着された半導体ウエハと、前記正面部及び前記凸部に囲まれた領域に前記薬液溜め槽から流出する薬液で薬液層を形成しつつ、前記半導体ウエハをエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハのエッチング方法。
【請求項3】
前記エッチング機構は、親水性を有する材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハのエッチング方法。
【請求項4】
前記エッチング機構の前記正面部の最下部が前記吸着チャックの垂直面に対して反対側に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハのエッチング方法。
【請求項5】
床面に垂直に保持された吸着チャックと動作制御部とからなる吸着機構と、
前記吸着チャックと相対する、床面に垂直に設置されたエッチング機構と、を有する半導体ウエハのエッチング装置であって、
前記エッチング機構が、筐体に設置された薬液供給配管と、前記薬液供給配管と直結され当該薬液供給配管の直径より大きな開口をその上部に有する薬液溜め槽と、当該薬液溜め槽の前面の薬液流出口と、その下部の前記吸着チャックと垂直状態で相対する正面部と、当該正面部に設けられた複数の凸部と、前記正面部の最下部に前記吸着チャックの垂直面と反対側に傾斜している傾斜面と、を具備することを特徴とする半導体ウエハのエッチング装置。
【請求項6】
前記エッチング機構が親水性を有する材料から構成されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体ウエハのエッチング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−118421(P2010−118421A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289447(P2008−289447)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【出願人】(501464440)三洋半導体製造株式会社 (49)
【Fターム(参考)】