説明

半導体ダイにおける応力を軽減するためのルーティング層

【解決手段】
半導体ダイのためのルーティング層が開示される。ルーティング層は、半田バンプを取り付けるためのパッドと、集積回路を有するダイのバンプパッドにボンディングされるボンドパッドと、ボンドパッドをパッドと相互接続するトレースと、を含む。ルーティング層は誘電体材質の層上に形成される。ルーティング層は、パッドに取り付けられる半田バンプからの応力を吸収するように、幾つかのパッドを少なくとも部分的に包囲する伝導性トレースを含む。パッドを包囲するトレースの一部は、半田バンプに隣接する下層の誘電体材質の一部を応力から保護する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して半導体ダイスに関し、より特定的には半導体ダイのためのルーティング層設計に関する。
【背景技術】
【0002】
最新の半導体パッケージは、半導体ウエハ上に多数の集積回路を形成することによって製造される。ウエハは典型的にはダイスにされ、即ち個々の片に切り分けられ、その各々はダイと称される。各ダイは、1つの表面上に1つ以上の集積回路を含む。この表面(しばしば「アクティブ表面」と称される)は、入力・出力(I/O)パッドと称される多数の信号インタフェースコンタクトを含む。
【0003】
ダイは、典型的には、外部回路板上への取り付けに適した半田ボールを含むキャリア基板を用いてパッケージングされる。キャリア基板は、通常は、コアとコアのいずれかの側上に形成される1つ以上のビルドアップ層とを含む。各ビルドアップ層は、誘電体材質の層上に形成されるメタライゼーション又はトレースを有する。キャリア基板は、ダイのI/Oパッドとの電気的な相互接続のためのボンドパッドを含む。基板上のトレースは、個々のボンドパッドをそれらの対応する半田ボールと相互接続するために用いられる。
【0004】
ダイ上のI/Oパッドと基板上のボンドパッドの間での信頼性のある電気的接続を形成するために、種々のボンディング技術が用いられ得る。最も一般的な2つの技術は、ワイヤボンディングとフリップチップアセンブリである。
【0005】
ワイヤボンディングにおいては、ダイは、そのアクティブ表面がキャリア基板から外方を向くようにキャリア基板上に配置される。次いでワイヤの一端がダイ上のI/Oパッドにボンディングされ、そしてワイヤの他端は基板上の対応するボンドパッドにボンディングされる。
【0006】
一方、フリップチップアセンブリにおいては、ダイのアクティブ表面は、ダイが取り付けられるときにキャリア基板を向く。取り付けに先立ち、半田バンプと称される少量の半田が各I/Oパッド上に堆積させられる。半田バンプは次いで溶融させられて、ダイ上の各I/Oパッドを基板上の対応するボンドパッドと相互接続する。
【0007】
ダイ上のI/Oパッドは、ダイのアクティブ表面上のどこに配置されてもよい。例えば幾つかのダイスにおいては、I/Oパッドはアクティブ表面の全体にわたって分散されていることがある一方で、他のダイスにおいては、I/Oパッドはダイの周辺境界の近くに限られていることがある。いずれの場合にも、ダイ上のI/Oパッドは、典型的には、それらが最終的に取り付けられる基板上のボンドパッドに対して位置合わせされてはいない。また、I/Oパッドは互いに近接しすぎていて、フリップチップアセンブリで必要であるような適切な半田バンプを形成することができない場合がある。結果として、これら元のI/Oパッドを、半田バンプ形成に対してより適した新たなパッド位置(バンプパッドと称される)へと再配分することが多くの場合に有用である。次いでバンプパッドは、基板上のボンドパッドに対して位置合わせされ得ると共に、半田バンプを用いて取り付けられ得る。元のI/Oパッドをフリップチップボンディングに適した新たなバンプパッド位置に再配分するために、典型的には、ルーティング層又は再分配層(redistribution layer)(RDL)が、シリコンウエハ又は個々のダイ上でアクティブ表面上に形成される。
【0008】
ルーティング層は多くの場合に薄い誘電体層上に形成され、誘電体層上には、各I/Oパッドを対応するバンプパッドと相互接続するために伝導性トレースが形成されている。トレースは、それらが相互接続されるI/Oパッドを除き、誘電体材質によってダイの下層から絶縁される。ルーティング層は、基板ボンドパッドの位置を考慮する必要性なしに、I/Oドライバがダイ内のどこにでも配置されることを可能にする。従って、再分配層はそのバンプパッド上に形成されている半田バンプを基板上のボンドパッドに対して位置合わせすることができるから、I/Oドライバはダイ内で自由に位置させられ得る。また、ルーティング層の使用は、基板の形成を簡単にし、場合によってはビルドアップ層を少なくしてコストの低減につながる。
【0009】
ルーティング層は、誘電体材質とルーティングの必要性に応じた関連するトレースとの多重層を含み得る。場合によっては、金属製のトレースを空気への露出から保護するために、最上層のルーティング層上にはパッシべーション層が形成される。パッシべーション層内の開口はバンプパッドを露出させる。
【0010】
露出させられたバンプパッド上には典型的にはアンダーバンプメタライゼーション(UBM)が形成されて、基板への取り付けのために半田バンプへの低抵抗な電気的接続を提供する。バンプパッドのUBM上には、典型的には例えば半田ペーストの堆積によって半田バンプが形成される。
【0011】
フリップチップ取り付けに際して、再分配バンプパッド上に形成された半田バンプは、基板における対応するボンドパッドに対して位置決めされ、次いでリフローされて、即ち溶融されて、信頼性のある電気的且つ機械的なコンタクトを形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
半導体ダイが基板に取り付けられた後の動作の間、その半田バンプは多くの場合に機械的且つ熱的な応力にさらされる。各バンプパッドは、それがなければルーティング層における下層の誘電体層に影響を及ぼすであろう応力の多くを吸収するのに役立つ。半田バンプからのそのような応力を緩衝するために、各バンプパッドは、多くの場合にその対応するUBMと少なくとも同等の大きさで(場合によってはUBMよりも実質的に大きく)作製される。
【0013】
しかし、この場合、バンプパッドが大きくなるのに従ってルーティング層におけるルーティング伝導性トレースのために利用可能な面積が減少するという不都合があり、その結果、トレース及びバンプパッドのより高密度な配置が潜在的に信号品位を損なう可能性がある。また、大きなバンプパッドの周りにルーティングされなければならないトレースは、より長く作製される必要があるであろうから、それらの抵抗及び容量が増大する場合がある。トレースにおける抵抗及び容量の増大は、多くの場合に電力トレースにおける電圧降下や信号トレースにおけるより長い伝搬遅延をもたらす。加えて、より新しくより小型なダイスは、それらのルーティングの必要性に対して利用可能な面積を増大するために、しばしばより小さなバンプパッドを必要とし、また場合によっては脆弱な誘電体材質を使用している。
【0014】
バンプパッドのサイズを小さくするための1つの既知の方法は、小さなバンプパッドとその上に形成される大きなUBMとの間にポリイミドを使用して、ダイの誘電体層に影響を及ぼし得る応力を軽減するのに役立てることである。しかし、残念ながらこの方法はパッケージングのコストを付加し、また脆弱な誘電体層とは有効に機能しないかもしれない。
【0015】
従って、信号品位を損なうことなしにトレースの数を増やすことができ、また熱的且つ機械的な応力から誘電体層を保護することができる半導体ダイが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の1つの態様に従うと、半導体ウエハの一片の1つの表面上に形成される集積回路と、集積回路と相互接続される複数の入力・出力(I/O)パッドと、ルーティング層と、を含む半導体ダイが提供される。ルーティング層は、1つの表面上に形成される誘電体層と、誘電体層上に形成される複数の伝導性トレースと、を含み、伝導性トレースの各々は、I/Oパッドの1つと誘電体層上に形成される複数のバンプパッドの1つとの間で延在する。半導体ダイはまた、複数のアンダーバンプメタライゼーション(UBM)を含み、UBMの各々は、複数の半田バンプの各1つを取り付けるための上面と、上面よりも小さくバンプパッドの各1つと物理的に接触する底部コンタクト表面と、を有する。伝導性トレースの少なくとも幾つかは、UBMの上面の下方でバンプパッドに接触することなしにバンプパッドに隣接して通過してUBMに隣接するルーティング層を機械的に補強する。
【0017】
本発明の別の態様に従うと、1つの表面上に形成される少なくとも1つの集積回路及び集積回路に接続される複数の入力・出力(I/O)パッドと、ダイの表面上に形成される誘電体層と誘電体層上に形成される複数の伝導性トレースとを含み伝導性トレースの各々はI/Oパッドの1つと誘電体層上に形成される複数のバンプパッドの1つとの間で延在するルーティング層と、集積回路を基板と電気的に相互接続するためにバンプパッド上に形成される複数の半田バンプと、を含む半導体ダイが提供される。バンプパッドの少なくとも1つは、各バンプパッド上に形成される対応するアンダーバンプメタライゼーション(UBM)の上面の平均半径以上の半径を有する円形外接区域内に含まれる。伝導性トレースの少なくとも幾つかは、含まれるバンプパッドに接触することなしに円形外接区域を通過して、含まれるバンプパッドに隣接するルーティング層を機械的に補強する。
【0018】
本発明の他の態様及び特徴は、添付の図面と共に本発明の特定の実施形態の以下の説明を精査することによって当業者に明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は例示のみを目的として本発明の実施形態を示している。
【0020】
【図1】図1はI/Oパッドをバンプパッドに再分配する従来の半導体ダイのための従来のルーティング層の平面図である。
【0021】
【図2】図2は従来の半導体ダイの垂直断面図である。
【0022】
【図3】図3は図2の従来の半導体ダイの一部分の平面図である。
【0023】
【図4】図4は本発明の実施形態の例示である半導体ダイの一部分の垂直断面図である。
【0024】
【図5】図5は図4に示される例示的な半導体ダイの一部分の平面図である。
【0025】
【図6】図6は図4の例示的な半導体ダイの別の断面図である。
【0026】
【図7】図7は図5の例示的なバンプパッドと図3の従来のバンプパッドの相対的なサイズを示す図である。
【0027】
【図8】図8は図3の半導体ダイの例示的なルーティング層の平面図である。
【0028】
【図9】図9は例示的なバンプパッドとの比較を目的として示される従来のバンプパッドのオーバーレイを伴う図8の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は従来の半導体ダイ100のルーティング層の平面図を示している。ダイ100は、その集積回路の一部を形成している元のI/Oパッド114A,114B,114C(個別的表記、総称するとI/Oパッド114)と、フリップチップ半田バンプ形成に適する再分配されたバンプパッド104A,104B,104C,104D(個別的表記、総称するとバンプパッド104)と、を含む。伝導性トレース122A,122B,122C,122D,122E,122F(個別的表記、総称すると伝導性トレース122)は、I/Oパッド114を対応するバンプパッド104と相互接続する。
【0030】
図2は伝導性トレース122とI/Oパッド114と半田バンプ112を伴うバンプパッド104とを含む従来の半導体ダイ100の一部分の垂直断面図を示しており、半田バンプ112はバンプパッド104上に形成されている。I/Oパッド114は、半導体ウエハ(例えばシリコンウエハ)の一片上に形成される集積回路を含むダイ100の下側金属層116上に形成される。
【0031】
バンプパッド104は、集積回路へのI/O接続点を提供する。バンプパッド104上に形成される半田バンプ112は、フリップチップ取り付け技術を用いてダイ100をキャリア基板又はプリント配線板等の基板に取り付けるために用いられる。
【0032】
下側金属層116上に形成されるルーティング層108は、誘電体層120とその上に形成される伝導性トレース122とを含む。誘電体層120は、I/Oパッド114を除いて下側金属層116を伝導性トレース122から絶縁する。伝導性トレース122の各1つは、I/Oパッド114をバンプパッド104と相互接続する。
【0033】
バンプパッド104の各々上に形成されるアンダーバンプメタライゼーション(UBM)102は、半田バンプ112の各々に対して低抵抗取り付け表面を提供する。各UBM102は、半田バンプ112に通じる上面102Aとバンプパッド104に通じる底部コンタクト表面102Bとを有し得る。
【0034】
ダイ100を基板と相互接続するために、半田バンプ112は基板上のボンドパッドに対して位置合わせされ、そして熱を用いて溶融させられて基板との電気的且つ機械的ボンドを形成する。
【0035】
動作の間、半導体ダイ100は電圧又は電流入力の形態にある電気的エネルギーを消費し、そしてそのエネルギーの一部を熱として消散させる。熱は、ダイ100及びそれが取り付けられている基板の両方をそれらそれぞれの熱膨張係数(CTE)で膨張させる。ダイ100のCTEと基板(半田バンプ112を介してダイ100が相互接続されている)のCTEは、多くの場合に異なる。CTE値のこの不整合は、半田バンプ112上での並びにUBM102及び誘電体材質120等のルーティング層108における他の近隣の構造上での熱応力の原因になる。熱応力に加えて、半田バンプ112に隣接する構造は、基板又はダイ100のいずれかの屈曲及び/又は振動に起因する機械的な応力にもさらされることがある。
【0036】
熱的及び/又は機械的な応力は、ルーティング層108(特に誘電体材質120)及び下側層116において用いられる他の材質に対して潜在的に損傷を与える可能性がある。例えば、極端に低Kな(extreme low K)(ELK)誘電体材質(κ<3.0の誘電定数値を有する)が下側層116において用いられていることがある。しかし、ELK材質は脆弱である傾向があり、機械的又は熱的な応力の下で反り、ひびが入り、又は壊れる場合がある。必ずしもELKではない誘電体材質にあってさえも、熱的且つ機械的な応力にさらされることで損傷を受けることがある。
【0037】
ルーティング層108の誘電体材質120、及び下側層116への応力の影響を軽減するために、バンプパッド104はしばしばUBM102よりも大きく作製される。大きなバンプパッドは、それらがなければ下層の誘電体材質に影響するであろう応力を吸収するのに役立つ。
【0038】
図3にはUBM102及びバンプパッド104の表面の相対的サイズが示されており、図3は図2におけるIII−III線に沿った従来のダイ100の一部分の平面図を表している。図示されるように、従来のバンプパッド104はUBM102よりも大きく、従って対応する半田バンプ(図3には図示せず)からの機械的且つ熱的な応力を吸収するのに役立ち、それにより誘電体材質120及び下側層116の損傷を防止している。
【0039】
残念なことに、より大きなバンプパッド104は、ルーティング層108内で伝導性トレース122をルーティングするために用いられ得る利用可能な面積を減少させてしまう。加えて、より大きなパッド104の周りをルーティングさせられるために、幾つかのトレースは長くされる必要がある。前述したように、長いトレースは抵抗及び容量の増大の一因となり、同時に電力トレースに沿った電圧降下及び信号トレースに沿った伝搬遅延の増大を招く。更に、45nm以下のプロセス技術を用いて形成される集積回路は典型的には小さなサイズであり、そして多くの場合にELK誘電体材質と共にパッケージングされる。そのようなデバイスに対しては、バンプパッド104等の大きなバンプパッドは適していないであろう。
【0040】
そこで、本発明の例示的な実施形態は、ELK誘電体材質を伴う使用に適するより小さいサイズのバンプパッドを利用することができる。より小さなパッドサイズは、空間を解放して所与の区域内における電力トレース及びグランドトレースの密度の増大を可能にする。逆に、新たに解放された空間は、並列トレースの間の間隔の増大を可能にし、クロストークを低減することができる。理解されるであろうように、低減されたクロストーク並びに/又は電力トレース及びグランドトレースの増加は、信号品位を改善し且つ性能を高めるのに役立つ。
【0041】
それに沿って、図4は本発明の実施形態の例示である半導体ダイ200の垂直断面図を示している。図5は図4における例示的なダイ200の一部分の平面図を示している。図示されるように、例示的なダイ200は、半導体ウエハ(例えばシリコンウエハ又はガリウムヒ素ウエハ)の一片上に形成される集積回路(IC)とICに相互接続されるI/Oパッド214とを含み、I/Oパッド214は例えばアルミニウム(Al)又は銅(Cu)から作製され得る。
【0042】
ダイ200はまた、誘電体材質220の1つ以上の層から構成されるルーティング層208を含み、誘電体材質220の各層は、その上に形成される伝導性トレース222A,222B,222C(個別的表記、総称すると伝導性トレース222)の層を有している。ダイ200は、伝導性トレース222を空気への露出から遮蔽して酸化を防止するために、パッシべーション層206等の保護カバーを含んでいてよい。伝導性トレース222は、I/Oパッド214を対応するバンプパッド204と相互接続することができる。
【0043】
複数の半田バンプ212は、各々がバンプパッド204の1つの上になるように形成され得る。半田バンプ212は、フリップチップ取り付け方法を用いてダイ200を基板に取り付けるために用いられ得る。半田バンプ212は基板上の対応するボンドパッドに対して位置合わせされ、そしてリフローされて電気的且つ機械的なボンドを形成することができる。フリップチップ取り付け方法は当業者によく知られている。
【0044】
各伝導性トレース222は、その一端にあるI/Oパッド214を対応するバンプパッド204(及びこれに伴い半田バンプ212)に接続することができる。好都合なことに、バンプパッド204は、ダイ200上で集積回路へのI/O相互接続を提供する。
【0045】
理解されるであろうように、他の最適化を妨げないようなバンプパッド配置を考慮することなく、I/Oパッド214及び関連するI/Oドライバ回路の配置を設計することは有利であろう。I/Oパッド214は区域パッド(area pads)、多重行パッド(multi-row pads)、周辺パッド(perimeter pads)等であってよい。I/Oパッド214の位置にかかわらず、ルーティング層208は、I/Oパッド214をバンプパッド204へと再分配して半田バンプ212を基板上のそれぞれのボンドパッドと位置合わせするために用いられ得る。
【0046】
伝導性トレース222は典型的には銅又はアルミニウムから作製されるが、金、鉛、錫、銀、ビスマス、アンチモン、亜鉛、ニッケル、ジルコニウム、マグネシウム、インジウム、テルル、ガリウム等の他の金属から作製されてもよい。上記金属の1つ以上の合金が用いられてもよい。
【0047】
半田バンプ212への低抵抗実装表面を提供するために、バンプパッド204の各々上にはアンダーバンプメタライゼーション(UBM)202が形成され得る。例えば1つの実施形態においては、各UBM202上に半田ペーストが堆積させられて各半田バンプ212を形成し得る。
【0048】
各UBM202は、対応する半田バンプ212に通じる上面202Aとそれぞれのバンプパッド204に下部で通じる底部コンタクト表面202Bとを有していてよい。UBM202は、その上面202Aとその底部コンタクト表面202Bの間に、接着サブ層、拡散バリアサブ層、半田濡れサブ層、及び随意的に酸化バリアサブ層、等の幾つかのサブ層(図示せず)を含んでいてよい。底部コンタクト表面202Bはバンプパッド204と物理的に接触している。
【0049】
UBM202の形成は、洗浄、絶縁性酸化物除去、及び半田バンプ212への良好な電気的且つ機械的な接続を行うメタラジー(metallurgy)の堆積を含んでいてよい。半田濡れサブ層は、下層のバンプパッド204への半田バンプ212の良好なボンディングのために、溶融半田に対して濡れ易い表面を提供する。半田バンプ212(図2の半田バンプ112と同様に)は、半導体ダイ200と基板又は回路板との間での電気的且つ機械的な相互接続を形成するために、熱を用いて溶解させられてよい。
【0050】
以下に詳細に説明されるように、ダイ200のバンプパッド204はダイ100のバンプパッド104よりも小さい。その結果、ルーティング層208は、伝導性トレース222をルーティングするために、より大きな余地又は付加的な空間を提供し、伝導性トレース222の長さを短くすることができる。より短いトレースは、トレースの抵抗及び容量の減少をもたらすので、有利である。抵抗値及び容量値の減少は、同時に、電力トレースに沿った電圧降下の低減、及び信号トレースに沿ったより小さい信号伝搬遅延をもたらす。
【0051】
図6は図5におけるVI−VI線に沿った半導体ダイ200の垂直断面を示している。図6に示されるように、例示的なバンプパッド204は、その対応するUBM202よりも小さい。例示的なバンプパッド204は、金属トレース222を経由してI/Oパッド214と相互接続される。
【0052】
図2を図4と比較する(又は図3を図5と比較する)と、より小さいバンプパッド204が、概ねバンプパッド104によって占められているのと同一区域内で、複数の伝導性トレース222A、222B、及び222C(個別的表記、総称すると伝導性トレース222)をルーティングするのを可能にしていることが観察されるであろう。バンプパッド104及びバンプパッド204の相対的なサイズが、更に図7及び図9に示されている。
【0053】
ここで、バンプパッド204の減少したサイズからもたらされ得るルーティング層208内の誘電体材質への応力の効果を軽減するために、1つ以上のトレース222は、機械的且つ/又は熱的な応力を吸収することを支援するやり方で、バンプパッド204の近くにおいてルーティングされ得る。
【0054】
具体的には、図4〜6に示される特定の実施形態においては、伝導性トレース222A,222B,222Cは、UBM202に隣接するルーティング層208を機械的に補強するために、バンプパッド204に隣接して通過する。バンプパッド204に隣接してこれを包囲する又は通過する伝導性トレース222A,Bの部分は、UBM202の上面202Aの下方にあってよいが、バンプパッド204と物理的に接触している底部コンタクト表面202Bの下方にはないであろう。このように、伝導性トレース222A,222Bは、UBM202に隣接するルーティング層208を補強する。従って、バンプパッド204に隣接して通過する伝導性トレース222A,222Bは、バンプパッド204に取り付けられる半田バンプからの機械的且つ/又は熱的な応力を吸収して、半田バンプ212に隣接する下層の誘電体材質220を保護することができる。
【0055】
図5に示されるように、バンプパッド204の各々は、上面UBM202Aの平均半径RUBM以上の半径Rareaを有する(即ちRUBM=D/2の場合、Rarea≧RUBM)円形外接区域224内に含まれていてよい。後で詳細に説明されるように、伝導性トレースの少なくとも幾つか(例えばトレース222A,222B)は、円形外接区域224内に含まれているバンプパッドに直接接触することなしに円形外接区域224を通過して、その含まれているバンプパッドに隣接するルーティング層208を機械的に補強することができる。
【0056】
バンプパッド204及び、円形外接区域224の内側の伝導性トレース222A,222B,222Cは、従来のバンプパッド104と同様の大きさの実効サイズ(応力吸収の観点からの)を有する「仮想パッド」とみなされ得る。外接区域224は、対応する半田バンプ(外接バンプパッド204上のUBM表面202A上に形成される)からの応力を効果的に緩衝することができ、それにより下層の誘電体材質を応力誘起損傷から保護することができる。言うまでもなく、他の実施形態においては、円形外接区域224は、従来のバンプパッド104と同じサイズであってよく又は従来のバンプパッド104よりも大きい若しくは僅かに小さいサイズであってもよい。
【0057】
異なる形状のパッド、UBM、及び外接区域の相対的なサイズを比較するためには、所与の形状内で内接する円の直径が、その形状のサイズを表すものと考えられてよい。
【0058】
図2においては、UBM102の上面102A内で内接する円の直径は約80μm(即ちD≒80μm)であろう。つまり、UBM上面102Aの内接円半径(inradius)は約80μm/2=40μmである。バンプパッド104内で内接する円の直径は約92μm(即ちD≒92μm)であろうし、そして開口110内で内接する円の直径(又は底部コンタクト表面102B内、Dで示される)は約60μm(即ちD≒60μm)であろう。
【0059】
一方、図4における1つの実施形態においては、UBM202の上面202A(内で内接する円)の直径(Dで示される)は約80μm(即ちD≒80μm)であろう。バンプパッド204(内で内接する円)の直径は約50μm(即ち図4においてD≒50μm)であろうし、そして開口210(内で内接する円)の直径(図4においてDで示される)は約46μm(即ちD≒46μm)であろう。各伝導性トレース222の幅(Wで示される)は約12μmであろう。当業者に理解されるであろうように、上述の形態は例示のみを目的とし、他の実施形態においては、より大きい又はより小さい寸法が用いられてよい。
【0060】
同様に、UBM表面202A,202B、バンプパッド204、及び開口210も、同じ形である必要はないし、また必ずしも八角形である必要はない。むしろ、UBM202、バンプパッド204、及びパッシべーション開口210は、任意の形状を有していてよく、また多様なサイズを有していてよい。それらは例えば、六角形又は長方形等の他の多角形形状を有していてよい。それらはまた他の形状を有していてよく、即ちそれらは適切なサイズの円、楕円、不規則な形状、又は任意の形状であってよい。
【0061】
例示的なルーティング層208においてバンプパッド204の周囲の又はバンプパッド204を包囲している伝導性トレース222A,222B,222Cの配置は有利である。所与の区域内で追加された数の信号ルーティングトレースを許容することに加えて、当該配置は、従来のバンプパッド104を大きくするよりも応力に対してより大きな保護を効果的に提供するであろう円形外接区域224の形態にある応力緩衝ゾーンを作り出す。理解されるであろうように、バンプパッド204(区域224内)に隣接する伝導性トレース222A,222B,222Cの部分によって、それらがなければルーティング層208における下層の誘電体材質に損傷を与えるであろう応力が吸収される。
【0062】
図7は例示的なバンプパッド204及び従来のバンプパッド104の相対的なサイズ並びに種々の応力緩衝ゾーンに対する輪郭を表す例示的な円形外接区域を示している。区域702は、より大きな従来のバンプパッド104とこれと同心円状に配置されるより小さな例示的なバンプパッド204との間での表面積の差に対応する。従来のバンプパッド104においては、区域702(バンプパッド104の一部を形成する)のどこも、ルーティングには使用することができない。好都合なことに、区域702の部分は、バンプパッド204を用いる例示的な実施形態においては、ルーティングトレースのために使用され得る。
【0063】
しかし、反対に、バンプパッド104のような従来のパッドにおいては区域702の全てが応力を吸収するのに役立つ一方で、本発明の例示的な実施形態においては、トレースによって占められる区域702の一部のみが応力を吸収してルーティング層208を補強する。区域702内での応力吸収を増大するために、例示的な実施形態は、伝導性トレースによって覆われる区域702の割合を増やしてよい。
【0064】
例示的なルーティング層208においては、応力緩衝ゾーン(応力吸収の区域)は、区域702に限定される必要はない。むしろ、応力緩衝ゾーンは区域702よりも小さいか又は大きくてよい。従って、応力緩衝区域は、バンプパッド204とそこに含まれるトレースの一部とを含む第1の円形外接区域224’によって定義され得る。図7に示されるように、円形外接区域224’は、バンプパッド104よりも小さいサイズであってよい。しかし、バンプパッド204を包囲してルーティング層208を補強する更に多くのトレースを用いることによって、バンプパッド104より大きな応力緩衝ゾーンが形成されてよい。このことは、図7に示される第2の円形外接区域224”によって例示される。理解されるであろうように、所与の円形外接区域(例えば区域224”)に含まれるバンプパッド及び伝導性トレースの一部によって覆われるその円形外接区域の表面積の割合を増やすことは、含まれているバンプパッドに隣接するルーティング層208に対してより大きな機械的補強を提供する。幾つかの実施形態においては、伝導性トレースによって覆われる区域702の割合は、約30%と100%の間であってよい。
【0065】
図8は例示的な半導体ダイ200の例示的なルーティング層208の平面図を示している。ルーティング層208は、集積回路の元のI/Oパッド214A,214B,214C(個別的表記、総称的にはI/Oパッド214)とフリップチップ半田バンプ形成に適する再分配された例示的なバンプパッド204A,204B,204C,204D(個別的表記、総称的にはバンプパッド204)とを含む。I/Oパッドを対応するバンプパッド(全ては図示されていない)と相互接続するために、伝導性トレース222D,222E,222F,222G,222H,222I,222J,222K,222L(個別的表記、総称的には伝導性トレース222)が用いられる。
【0066】
図1においては、5つの信号トレースのみがバンプパッド104A及び104Dの間でルーティングされている。一方、図8においては、少なくとも10の信号トレース、グランドトレース、及び電力トレース(即ち222D,222E,222F,222G,222H,222I,222J,222K,222L、及び222M)が、バンプパッド204Aとバンプパッド204Dの間に収容され得る。観察されるであろうように、図8のルーティング層は、隣接するトレースを隔てる間隔を狭めることなしに更に多くの信号トレースを複数のバンプパッドの間に含み、信号密度の改良を促進することができる。
【0067】
図8において、ルーティング層208のための図示される伝導性パターンは、第1の半田バンプをI/Oパッド214Aに接続するための第1のバンプパッド204Aと相互接続される第1の伝導性トレース222A’と、第2の半田バンプ及び第2のI/Oパッド214Bを接続するための第2のバンプパッド204Bと相互接続される第2の伝導性トレース222B’と、を含む。I/Oパッド214は任意の形状を有していてよく、またダイ200上のどこに配置されてもよい。
【0068】
図9もまた例示的な半導体ダイ200の例示的なルーティング層208の平面図を示しており、例示的なルーティング層208によって達成される相対的なサイズ及びルーティング密度を説明するために従来の仮想的なバンプパッド104A’、104B’、104C’、104D’(個別的表記、総称的にはバンプパッド104’)の輪郭と共に示されている。
【0069】
図示されるように、伝導性トレース222B’、222C’の一部(例えばパッド輪郭104A’内の部分)は、少なくとも部分的にバンプパッド204Aを包囲し又はバンプパッド204Aに隣接して通過する。従って、バンプパッド204Aの近くのトレース222A’、222B’、222C’の一部は、バンプパッド204Aに取り付けられる半田バンプからの応力を吸収する。図示される配置は、パッド204Aを包囲する「仮想パッド」又は外接区域(例えば輪郭104A’又は内部の内接円)を効果的に形成し、バンプパッド204Aに隣接する誘電体層を熱的且つ機械的な応力に起因する潜在的な損傷から保護する。
【0070】
図8及び9はまた追加的なパッド204C及び204Bを示しており、これらの各々は個々のそれぞれのトレースと相互接続される。図示されるように、伝導性トレース222B’、222C’はバンプパッド204Aと直接的には相互接続されていないが、伝導性トレース222B’、222C’の一部は、パッド204Aに隣接する誘電体層を保護するのに役立つ。
【0071】
有利なことに、半導体ダイ200を製造するためにコスト的に追加のステップは不要である。例えばダイ200等の半導体ダイを製造する1つの方法は、アクティブ表面上に形成された一連のI/Oパッドを含む少なくとも1つの集積回路(IC)を有するウエハを準備することを含んでいてよい。誘電体材質の層を含むルーティング層208等のルーティング層は、ウエハ上に形成されてよい。ルーティング層は、その上に形成される少なくとも1つの伝導性トレースを有していてよく、第1のパッド(例えばバンプパッド204)を第1のI/Oパッドと相互接続することができる。ルーティング層はまた、第2のバンプパッドと、第2のI/Oパッドと、第2のバンプパッドを第2のI/Oパッドに相互接続する第2の伝導性トレースと、を含んでいてよい。第2の伝導性トレース(例えばトレース222B’)は、第1のバンプパッド(例えば図8におけるバンプパッド204A)に隣接して通過するように形成されてよく、また第1のバンプパッドを部分的に包囲してよい。従って、第2の伝導性トレースは、第1のバンプパッドに取り付けられる半田バンプからの応力を緩衝して、半田バンプに隣接する下層の誘電体材質を応力から保護することができる。
【0072】
パッシべーション層が形成されてもよい。製造方法は更に、バンプパッドを露出させるためにパッシべーション層に開口を形成することと、バンプパッド上に半田バンプを実装し、堆積させ、又は取り付けるために各バンプパッド上にアンダーバンプメタライゼーション(UBM)パッドを形成することと、を含んでいてよい。
【0073】
方法は更に、フリップチップ取り付けを用いてダイ200をキャリア基板上に取り付けることを含んでいてよい。フリップチップ取り付けは当業者によく知られており、例えば、ハーパー、チャールス・エー、エレクトロニック・パッケージング・アンド・インターコネクション、第4版、ニューヨーク:マグローヒル(Harper, Charles A. 2005, Electronic Packaging and Interconnection, 4th ed. New York: McGraw Hill)において論じられており、その内容は参照によりここに組み込まれる。
【0074】
有利なことに、図8及び9に示されるトレース222のためのパターンをルーティングすることは、ルーティング密度の増大を可能にする一方で、にもかかわらず、それらがなければ、より小さなダイスと共に用いられてますます脆弱になっている誘電体材質に悪影響を及ぼすであろう半田バンプからの応力の多くを吸収することができる。より小さなバンプパッド204は、より大きなバンプパッドと比べて信号、電力/グランドのために更に多くの伝導性トレース222を可能にする。加えて、より小さなバンプパッド204は、信号伝送に対してより小さな容量にはるはずである。
【0075】
電力トレース及びグランドトレースの実効抵抗は、ルーティング層における電力/グランドトレースの数を増やすことによって低減することができ、それにより更に効率的な電力使用が可能になる。また、本発明の実施形態の例示としての半導体ダイスは、バンプパッド上に形成されるUBMパッドの形状に適合する必要のないバンプパッド形状を可能にする。
【0076】
好都合なことに、説明された実施形態は、UBMとルーティング層の間にポリイミドバッファを付加することに関連するコストを回避し得る。
【0077】
理解されるであろうように、明瞭さを目的として、1層の誘電体材質220及び対応する1層の伝導性トレース222のみが図4及び5に示されている。しかし、当業者であれば、他の実施形態においては、トレースの幾つかの層がルーティング層208内で誘電体材質の層によって各々絶縁されて配置され得ることを容易に理解するであろう。
【0078】
他の実施形態においては、ダイ200のルーティング層208におけるバンプパッドの幾つかのみが、バンプパッドに隣接して通過する伝導性トレースによって包囲されてよい。ルーティング層208を機械的に補強するために、それぞれのUBMに隣接して通過する伝導性トレースを必ずしも有していない幾つかの他のバンプパッドがあってよい。また、対応するUBMの上面よりも小さい例示的なバンプパッド204に加えて、対応するUBMよりも大きい他のバンプパッド(バンプパッド104のような)があってもよい。
【0079】
本発明の実施形態は、DRAM、SRAM、EEPROM、フラッシュメモリ、グラフィクスプロセッサ、汎用プロセッサ、DSP、並びに種々の標準的なアナログ信号、デジタル信号、及び混合された信号の回路パッケージの製造を含む種々の応用において用いられ得る。
【0080】
言うまでもなく、上述した実施形態は例示的であることのみを意図されており、また限定を意図するものではけっしてない。本発明を実施する上述の実施形態は、形態、構成要素の配置、動作の詳細及び順序の多くの修正を許容する。もっと言えば、本発明は、特許請求の範囲によって画定される本発明の範囲内での全てのそのような修正を包含することが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i) 半導体ウエハの一片の1つの表面上に形成される集積回路と、
ii) 前記集積回路と相互接続される複数の入力・出力(I/O)パッドと、
iii) 前記1つの表面上に形成される誘電体層と前記誘電体層上に形成される複数の伝導性トレースとを備え前記伝導性トレースの各々は前記I/Oパッドの1つと前記誘電体層上に形成される複数のバンプパッドの1つとの間で延在するルーティング層と、
iv) 複数の半田バンプの各1つを取り付けるための上面と前記上面よりも小さく前記複数のバンプパッドの各1つと物理的に接触する底部コンタクト表面とを各々が有する複数のアンダーバンプメタライゼーション(UBM)と、を備え、
前記伝導性トレースの少なくとも幾つかは前記UBMの前記上面の下方で前記バンプパッドに接触することなしに前記バンプパッドに隣接して通過して前記UBMに隣接する前記ルーティング層を機械的に補強する半導体ダイ。
【請求項2】
前記ルーティング層は伝導性トレースの複数の層を備え、前記伝導性トレースの複数の層の各々は少なくとも1つの誘電体層によって前記伝導性トレースの複数の層の別の1つから隔てられている請求項1の半導体ダイ。
【請求項3】
前記伝導性トレースの前記少なくとも幾つかは前記半導体ダイの熱膨張係数と前記半田バンプが取り付けられる基板の熱膨張係数の不整合に起因する対応する前記半田バンプからの応力を吸収する請求項1の半導体ダイ。
【請求項4】
前記伝導性トレースの前記少なくとも幾つかは電力トレース、グランドトレース、及び信号トレースの1つを備える請求項1の半導体ダイ。
【請求項5】
対応するUBMの上面の平均半径RUBM以上の半径Rareaの円形領域として定義される、バンプパッドを含む円形外接区域は、前記含まれるバンプパッドを除くその区域の30%乃至100%を前記伝導性トレースの一部で覆われている請求項1の半導体ダイ。
【請求項6】
前記バンプパッドの各1つ内で内接する円の直径は約50μmである請求項1の半導体ダイ。
【請求項7】
前記UBMの各々の上面内で内接する円の直径は約80μmであり、前記UBMの前記各々の底部コンタクト表面内で内接する円の直径は約46μmである請求項6の半導体ダイ。
【請求項8】
前記伝導性トレースの各々の幅は約12μmである請求項7の半導体ダイ。
【請求項9】
前記ダイはフリップチップ取り付けを用いて前記基板に取り付けられる請求項1の半導体ダイ。
【請求項10】
前記パッケージはDRAM、SRAM、EEPROM、フラッシュメモリ、グラフィクスプロセッサ、汎用プロセッサ、及びDSPの1つである請求項1の半導体ダイ。
【請求項11】
半導体ダイであって、
i) 1つの表面上に形成される少なくとも1つの集積回路及び前記少なくとも1つの集積回路に接続される複数の入力・出力(I/O)パッドと、
ii) 前記ダイの前記表面上に形成される誘電体層と前記誘電体層上に形成される複数の伝導性トレースとを備え前記伝導性トレースの各々は前記I/Oパッドの1つと前記誘電体層上に形成される複数のバンプパッドの1つとの間で延在するルーティング層と、
iii) 前記集積回路を基板と電気的に相互接続するために前記バンプパッド上に形成される複数の半田バンプと、を備え、
前記バンプパッドの少なくとも1つは各前記バンプパッド上に形成される対応するアンダーバンプメタライゼーション(UBM)の上面の平均半径以上の半径を有する円形外接区域内に含まれ、前記伝導性トレースの少なくとも幾つかは、含まれるバンプパッドに接触することなしに前記円形外接区域を通過して前記含まれるバンプパッドに隣接する前記ルーティング層を機械的に補強する半導体ダイ。
【請求項12】
円形外接区域内に含まれる前記少なくとも1つのバンプパッドは形状において六角形、八角形、及び多角形の1つである請求項11の半導体ダイ。
【請求項13】
前記UBM上に形成される半田バンプを更に備える請求項11の半導体ダイ。
【請求項14】
前記半田バンプの1つは前記UBMの前記上面に取り付けられ、前記上面よりも小さい前記UBMの底部コンタクト表面は前記少なくとも1つのバンプパッドと物理的に通じている請求項13の半導体ダイ。
【請求項15】
半導体ダイのためのルーティング層であって、
i) アンダーバンプメタライゼーション(UBM)を用いて半田バンプを取り付けるための複数のバンプパッドと、
ii) 前記バンプパッド、及びダイ上に形成される集積回路の複数の入力・出力(I/O)パッドの対応する1つずつを相互接続する複数の伝導性トレースと、を備え、
前記伝導性トレースの少なくとも1つは前記バンプパッドの1つに隣接して通過して前記UBMの対応する1つに隣接する前記ルーティング層を機械的に補強するルーティング層。
【請求項16】
前記バンプパッドの各々は形状において多角形、円、及び長方形の1つである請求項15のルーティング層。
【請求項17】
前記複数の伝導性トレースの各々は、銅、アルミニウム、金、鉛、錫、銀、ビスマス、アンチモン、亜鉛、ニッケル、ジルコニウム、マグネシウム、インジウム、テルル、及びガリウムの少なくとも1つを備える請求項15のルーティング層。
【請求項18】
誘電体層を更に備え、前記複数の伝導性トレースは前記誘電体層上に形成される請求項15のルーティング層。
【請求項19】
請求項15のルーティング層を備える半導体ダイ。
【請求項20】
複数の入力・出力(I/O)パッドと相互接続される集積回路(IC)を有するダイのための半導体ダイを製造する方法であって、
i) 対応する複数のバンプパッドと前記I/Oパッドとを相互接続する複数の伝導性トレースであって少なくともその1つは前記バンプパッドの1つに隣接する誘電体層を補強するように前記バンプパッドの前記1つに隣接して通過する複数の伝導性トレースを前記誘電体層上に形成することと、
ii) 複数の半田バンプを対応する前記バンプパッドに取り付けることと、を備える方法。
【請求項21】
前記複数の半田バンプを取り付けることは、前記バンプパッドの各々上にアンダーバンプメタライゼーション(UBM)を形成することと、前記半田バンプの各1つを前記UBMの対応する1つの上に実装することと、を備える請求項20の方法。
【請求項22】
ルーティング層上にパッシべーション層を形成することを更に備える請求項21の方法。
【請求項23】
前記バンプパッドを露出させて前記UBMを形成するために前記パッシべーション層内に開口を形成することを更に備える請求項22の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−508954(P2013−508954A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534507(P2012−534507)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001670
【国際公開番号】WO2011/047479
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(508301087)エーティーアイ・テクノロジーズ・ユーエルシー (68)
【氏名又は名称原語表記】ATI TECHNOLOGIES ULC
【住所又は居所原語表記】One Commerce Valley Drive East, Markham, Ontario, L3T 7X6 Canada
【Fターム(参考)】