説明

半導体搭載装置用基板、半導体搭載装置

【課題】高い信頼性を得ることができる半導体搭載装置用基板を提供すること。
【解決手段】本発明の半導体搭載装置用基板10では、多層配線基板11の第1主面12の半導体チップ搭載領域23に、半導体チップ21がフリップチップ接続方式で表面実装されうる。多層配線基板11の第2主面13において半導体チップ21の直下となる箇所には、板状部品搭載領域53をなす複数の第2主面側はんだバンプ52が形成されている。複数の第2主面側はんだバンプ52を介して、無機材料を主体とする板状部品101がフリップチップ接続方式で多層配線基板11上に表面実装されている。第2主面13と板状部品101との隙間S2に設けられた第2主面側アンダーフィル107により、複数の第2主面側はんだバンプ52が封止されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層配線基板の半導体チップ搭載領域に半導体チップがフリップチップ接続方式で表面実装された半導体搭載装置、及び半導体搭載装置用基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される半導体チップ(ICチップ)は、近年ますます高速化、高機能化しており、これに付随して端子数が増え、端子間ピッチも狭くなる傾向にある。一般的にICチップの底面には多数の端子が密集してアレイ状に配置されており、このような端子群はマザーボード側の端子群に対してフリップチップの形態で接続される。但し、ICチップ側の端子群とマザーボード側の端子群とでは端子間ピッチに大きな差があることから、ICチップをマザーボード上に直接的に接続することは困難である。そのため、通常はICチップを半導体搭載装置用基板上に搭載してなる半導体搭載装置を作製し、その半導体搭載装置をマザーボード上に搭載するという手法が採用される。なお、半導体搭載装置用基板とICチップとの隙間は、アンダーフィルにより封止されている。また、この種の半導体搭載装置においては、ICチップのスイッチングノイズの低減や電源電圧の安定化を図るために、コンデンサ(「キャパシタ」とも言う)を設けることが提案されている。その一例として、特許文献1には、コア基板の表面及び裏面にビルドアップ層を形成してなる多層配線基板の表面にICチップを搭載するとともに、多層配線基板の表面においてICチップの側方となる箇所に複数のチップコンデンサを搭載した半導体搭載装置が提案されている。また、特許文献1には、多層配線基板の表面にICチップを搭載するとともに、多層配線基板の裏面においてICチップの直下となる箇所に複数のチップコンデンサを搭載した半導体搭載装置も提案されている。
【0003】
ところで、近年では、ICチップの高速化に伴い、使用される信号周波数が高周波帯域となってきている。この場合、コア基板を貫通する配線(即ち、表面及び裏面に形成されたビルドアップ層間の導通を図るための配線)が大きなインダクタンスとして寄与し、高周波信号の伝送ロスや回路誤動作の発生につながり、高速化の妨げとなってしまう。この問題を解決するために、薄型化したコア基板を有する多層配線基板を作製することや、コア基板を有さない多層配線基板(コアレス配線基板)を作製することが提案されている。これらの配線基板は、比較的厚いコア基板を薄型化または省略することにより全体の配線長を短くしたものであるため、高周波信号の伝送ロスが低減され、ICチップを高速で動作させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−80976号公報(図1,図3等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ICチップ接合後の冷却時において、コア基板の裏面側に位置するビルドアップ層は収縮するが、コア基板の表面側に位置するビルドアップ層は、ICチップ等があるために殆ど収縮しない。よって、多層配線基板は裏面側に反りやすくなる。なお、従来の多層配線基板は、コア基板の薄型化または省略に伴って薄くなっているため、多層配線基板の反りは顕著になる。このとき、コア基板やビルドアップ層よりもかなり熱膨張係数が小さいICチップは、多層配線基板の反りに追従できないため、ICチップと多層配線基板との間に接続不良が発生する可能性がある。しかも、ICチップ−多層配線基板間の熱膨張係数差に起因して発生した応力が、ICチップとビルドアップ層との接合部やICチップ自身に集中するため、ICチップやその接合部が破壊されやすくなる。また、チップコンデンサとビルドアップ層との接合部やチップコンデンサ自身にも応力が集中するため、チップコンデンサやその接合部が破壊されやすくなる。その結果、多層配線基板を備える半導体搭載装置用基板、ひいては半導体搭載装置の信頼性が低下してしまう。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い信頼性を得ることができる半導体搭載装置用基板を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記の半導体搭載装置用基板を有する好適な半導体搭載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、第1主面及び第2主面を有する多層配線基板を備え、前記第1主面にて設定された半導体チップ搭載領域に半導体チップがフリップチップ接続方式で表面実装されうるとともに、前記第1主面と前記半導体チップとの隙間が第1主面側アンダーフィルにより封止されうる半導体搭載装置用基板において、前記第2主面において前記半導体チップの直下となる箇所に板状部品搭載領域をなす複数の第2主面側はんだバンプが形成され、前記複数の第2主面側はんだバンプを介して、無機材料を主体とする板状部品がフリップチップ接続方式で表面実装され、前記第2主面と前記板状部品との隙間に設けられた第2主面側アンダーフィルにより前記複数の第2主面側はんだバンプが封止されていることを特徴とする半導体搭載装置用基板がある。
【0008】
従って、手段1に記載の半導体搭載装置用基板によると、多層配線基板の第2主面に板状部品が実装されているため、多層配線基板の第1主面に半導体チップを実装すれば、多層配線基板が板状部品と半導体チップとによって挟み込まれた状態となる。この場合、多層配線基板の反りが防止されるようになるため、半導体チップと多層配線基板との接続状態が確実に維持される。しかも、第1主面と半導体チップとの隙間を第1主面側アンダーフィルによって封止した場合に、半導体チップと多層配線基板との接合部にかかる応力を第1主面側アンダーフィルで緩和できるようになり、板状部品と多層配線基板との接合部にかかる応力を第2主面側アンダーフィルで緩和できるようになる。この場合、半導体チップや、半導体チップと多層配線基板との接合部が破壊されにくくなるとともに、板状部品や、板状部品と多層配線基板との接合部が破壊されにくくなる。従って、半導体搭載装置用基板の信頼性が高くなる。
【0009】
半導体搭載装置用基板は、第1主面及び第2主面を有する多層配線基板を備えている。多層配線基板を形成する材料は特に限定されず任意であるが、例えば、樹脂材料などが好適である。好適な樹脂材料としては、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)等が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)との複合材料を樹脂材料として用いてもよい。その具体例としては、ガラス−BT複合基板、高Tgガラス−エポキシ複合基板(FR−4、FR−5等)等の高耐熱性積層板などがある。また、これらの樹脂とポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料を樹脂材料として用いてもよい。あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料を樹脂材料として用いてもよい。他の多層配線基板を形成する材料として、例えば各種のセラミックなどを選択することもできる。なお、かかる多層配線基板の構造としては特に限定されないが、例えばコア基板の片面または両面にビルドアップ層を有するビルドアップ多層配線基板であってもよいし、コア基板を有さないコアレス配線基板であってもよい。
【0010】
また、第1主面にて設定された半導体チップ搭載領域には、半導体チップがフリップチップ接続方式で表面実装されうるようになっている。なお、半導体チップ(ICチップ)としては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory )などを挙げることができる。ここで、「半導体チップ」とは、主としてコンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される素子をいう。
【0011】
一方、第2主面において半導体チップの直下となる箇所には、板状部品搭載領域をなす複数の第2主面側はんだバンプが形成され、複数の第2主面側はんだバンプを介して、無機材料を主体とする板状部品がフリップチップ接続方式で表面実装されている。ここで、板状部品搭載領域の面積は、半導体チップ搭載領域の面積よりも大きいことが好ましい。換言すると、板状部品搭載領域に搭載される板状部品の面積は、半導体チップ搭載領域に搭載される半導体チップの面積よりも大きいことが好ましい。このようにすれば、半導体チップが、多層配線基板によって直接的に支持されるだけではなく、板状部品によっても間接的に支持されるようになる。その結果、半導体チップと多層配線基板との接合部がよりいっそう破壊されにくくなるため、半導体搭載装置用基板の信頼性がよりいっそう向上する。
【0012】
また、板状部品は、多層配線基板よりも熱膨張係数が小さいものであることが好ましく、例えば、セラミック製板状部品や金属製板状部品などを挙げることができる。さらに、板状部品としては、例えば電気が流れる導体(回路など)を有するものを想定している。ここで、「熱膨張係数」とは、厚さ方向(Z方向)に対して垂直な方向(XY方向)の熱膨張係数のことを意味し、0℃〜100℃間のTMA(熱機械分析装置)にて測定した値のことをいう(以下、同じ)。「TMA」とは、熱機械的分析をいい、例えばJPCA−BU01に規定されるものをいう。
【0013】
なお、金属製板状部品を構成する金属材料としては、鉄、金、銀、銅、銅合金、鉄ニッケル合金、珪素、ガリウム砒素などがある。金属製板状部品としては、半導体チップ(ICチップ)や、半導体製造プロセスで製造されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などを挙げることができる。また、金属製板状部品としては、多層配線基板−マザーボード間に介在して両者の電気的な接続を図る中継基板(インターポーザ)などを挙げることもできる。中継基板は、基板主面−基板裏面間をつなぐ導体を複数有している。一方、セラミック製板状部品を構成するセラミック材料としては、例えばアルミナ、ガラスセラミック、結晶化ガラス等の低温焼成材料、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素などがある。セラミック製板状部品としては、上記した中継基板や、複数のビア導体を有するビアアレイタイプの板状セラミックコンデンサなどを挙げることができる。なお、セラミックコンデンサは、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体とニッケルを主体とする複数の内層電極とが積層配置され、複数の内層電極に対して接続する複数のビア導体が全体としてアレイ状に配置されているビアアレイタイプの板状積層セラミックコンデンサであることが好ましい。このような構造であれば、セラミックコンデンサのインダクタンスの低減化が図られ、ノイズ吸収や電源変動平滑化のための高速電源供給が可能となる。また、セラミックコンデンサ全体の小型化が図りやすくなり、ひいては半導体搭載装置用基板全体の小型化も図りやすくなる。しかも、小さい割に高静電容量が達成しやすく、より安定した電源供給が可能となる。
【0014】
ビア導体としては特に限定されないが、同時焼成法によってビア導体及び誘電体を形成する場合、ビア導体中の金属粉末は、誘電体の焼成温度よりも高融点である必要がある。なお、誘電体は高誘電率セラミックであるチタン酸バリウムからなるため、ビア導体中の金属粉末として、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)等やそれらの合金が選択可能である。
【0015】
さらに、板状部品は、板状部品搭載領域側に向けて配置される部品第1主面と、その部品第1主面の反対に位置する部品第2主面と、部品第1主面及び部品第2主面に対して直交する部品側面とを有するとともに、少なくとも部品第1主面と部品側面とをつなぐ部分が面取り加工部とされており、第2主面側アンダーフィルが、面取り加工部を被覆していることが好ましい。このような構成であれば、板状部品を板状部品搭載領域に搭載した場合に第2主面側アンダーフィルに応力が加わったとしても、部品第1主面と部品側面とをつなぐ部分への応力集中が、面取り加工部を設けることによって緩和される。その結果、第2主面側アンダーフィルでのクラックの発生を確実に防止することができる。
【0016】
なお、板状セラミックコンデンサにおける面取り加工部の表面粗さRaは、例えば0.5μm以上であることが好ましい。このようにすれば、面取り加工部に微小な凹凸が形成されるため、第2主面側アンダーフィルが凹凸に入り込みやすくなる。その結果、板状セラミックコンデンサと第2主面側アンダーフィルとの接合強度が向上し、ひいては半導体搭載装置用基板の信頼性がよりいっそう向上する。
【0017】
また、面取り加工部は、平面状の面取り加工部であってもよいし、曲面状の面取り加工部であってもよいが、平面状の面取り加工部であることが好ましい。このようにすれば、曲面状の面取り加工部を形成する場合よりも、面取り加工部を高精度にかつ容易に形成することができる。
【0018】
さらに、部品第1主面を基準とした面取り加工部の面取り角度、及び、部品側面を基準とした面取り加工部の面取り角度は、それぞれ90°未満であることが好ましい。このようにすれば、部品第1主面と面取り加工部とがなす角度、及び、部品側面と面取り加工部とがなす角度が鈍角となる。その結果、それぞれの面をつなぐ部分において応力集中が緩和されるため、面取り加工部を被覆する第2主面側アンダーフィルでのクラックの発生をより確実に防止することができる。
【0019】
また、第1主面と半導体チップとの隙間は、第1主面側アンダーフィルにより封止されうるようになっている。さらに、第2主面と板状部品との隙間に設けられた第2主面側アンダーフィルにより、複数の第2主面側はんだバンプが封止されている。ここで、第1主面側アンダーフィル及び第2主面側アンダーフィルの形成材料の好適例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
【0020】
なお、半導体チップ搭載領域内に、半導体チップをフリップチップ接続方式で表面実装するための複数の第1主面側はんだバンプが形成されるとともに、複数の第2主面側はんだバンプの高さが、複数の第1主面側はんだバンプの高さよりも大きく、第2主面と板状部品との隙間が、第1主面と半導体チップとの隙間よりも大きい場合、第1主面と半導体チップとの隙間に充填される第1主面側アンダーフィルの体積よりも、第2主面と板状部品との隙間に充填される第2主面側アンダーフィルの体積のほうが大きくなる。この場合、熱膨張係数が相対的に大きい材料によって第1主面側アンダーフィルを形成するとともに、熱膨張係数が相対的に小さい材料によって第2主面側アンダーフィルを形成することが好ましい。このようにすれば、第1主面側の熱膨張係数と第2主面側の熱膨張係数とのバランスが良くなるため、多層配線基板が第1主面側にも第2主面側にも反りにくくなる。
【0021】
ここで、第1主面側はんだバンプ及び第2主面側はんだバンプに使用されるはんだ材料としては特に限定されないが、例えば錫鉛共晶はんだ(Sn/37Pb:融点183℃)が使用される。錫鉛共晶はんだ以外のSn/Pb系はんだ、例えばSn/36Pb/2Agという組成のはんだ(融点190℃)などを使用してもよい。また、上記のような鉛入りはんだ以外にも、Sn−Ag系はんだ、Sn−Ag−Cu系はんだ、Sn−Ag−Bi系はんだ、Sn−Ag−Bi−Cu系はんだ、Sn−Zn系はんだ、Sn−Zn−Bi系はんだ等の鉛フリーはんだを選択することも可能である。
【0022】
また、第2主面側アンダーフィルの広がり面積は、第1主面側アンダーフィルの広がり面積よりも大きいことが好ましい。換言すると、第2主面側アンダーフィルに接触する板状部品の面積(具体的には、上記した部品第1主面の面積)は、第1主面側アンダーフィルに接触する半導体チップの面積(具体的には、半導体チップ搭載領域に向けて配置される面の面積)よりも大きいことが好ましい。このようにすれば、半導体チップが、多層配線基板によって直接的に支持されるだけではなく、板状部品によっても間接的に支持されるようになる。その結果、半導体チップと多層配線基板との接合部がよりいっそう破壊されにくくなるため、半導体搭載装置用基板の信頼性がよりいっそう向上する。
【0023】
上記課題を解決するための別の解決手段(手段2)としては、手段1に記載の半導体搭載装置用基板と、前記半導体チップ搭載領域にフリップチップ接続方式で表面実装された半導体チップと、前記第1主面と前記半導体チップとの隙間に設けられた第1主面側アンダーフィルとを備えた半導体搭載装置がある。
【0024】
従って、手段2に記載の半導体搭載装置によると、多層配線基板の第1主面に半導体チップが実装されるとともに、多層配線基板の第2主面に板状部品が実装されているため、多層配線基板が板状部品と半導体チップとによって挟み込まれた状態となる。その結果、多層配線基板の反りが防止されるため、半導体チップと多層配線基板との接続状態が確実に維持される。しかも、半導体チップと多層配線基板との接合部にかかる応力が第1主面側アンダーフィルによって緩和されるとともに、板状部品と多層配線基板との接合部にかかる応力が第2主面側アンダーフィルによって緩和される。その結果、半導体チップや、半導体チップと多層配線基板との接合部が破壊されにくくなるとともに、板状部品や、板状部品と多層配線基板との接合部が破壊されにくくなる。従って、半導体搭載装置の信頼性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1実施形態における半導体搭載装置を示す概略断面図。
【図2】半導体搭載装置の上面を示す概略平面図。
【図3】板状積層セラミックコンデンサと第2主面側アンダーフィルとの関係を示す概略断面図。
【図4】板状積層セラミックコンデンサを示す概略断面図。
【図5】板状積層セラミックコンデンサの内層における接続を説明するための概略説明図。
【図6】板状積層セラミックコンデンサの内層における接続を説明するための概略説明図。
【図7】第2実施形態における半導体搭載装置を示す概略断面図。
【図8】他の実施形態の半導体搭載装置を示す概略断面図。
【図9】他の実施形態の半導体搭載装置を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
以下、本発明の半導体搭載装置を具体化した第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0027】
図1に示される半導体搭載装置1は、半導体搭載装置用基板10と、半導体チップであるICチップ21と、第1主面側アンダーフィル20とを備えるBGA(ボールグリッドアレイ)である。半導体搭載装置用基板10は、第1主面12及び第2主面13を有する多層配線基板11を備えている。多層配線基板11は、略矩形板上のコア基板14と、コア基板14のコア主面15上に形成される第1ビルドアップ層31と、コア基板14のコア裏面16上に形成される第2ビルドアップ層32とからなるビルドアップ多層配線基板である。
【0028】
本実施形態のコア基板14は、縦50mm×横50mm×厚さ0.2mmの平面視略矩形板状である。コア基板14は、平面方向(XY方向)における熱膨張係数が10〜30ppm/℃程度(具体的には18ppm/℃)となっている。なお、コア基板14の熱膨張係数は、0℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。コア基板14は、ガラスエポキシからなる基材161と、基材161の上面及び下面に形成され、シリカフィラーなどの無機フィラーを添加したエポキシ樹脂からなるサブ基材164と、同じく基材161の上面及び下面に形成され、銅からなる導体層163とによって構成されている。また、コア基板14における複数箇所にはスルーホール導体17が形成されている。かかるスルーホール導体17は、コア基板14のコア主面15側とコア裏面16側とを接続導通するとともに、導体層163に電気的に接続している。なお、スルーホール導体17の内部は、例えばエポキシ樹脂などの閉塞体18で埋められている。スルーホール導体17の上端は、コア主面15上にパターン形成された導体層41の一部に電気的に接続されており、スルーホール導体17の下端は、コア裏面16上にパターン形成された導体層42の一部に電気的に接続されている。
【0029】
図1に示されるように、第1ビルドアップ層31は、エポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層33,35と、銅からなる導体層41とを交互に積層した構造を有している。本実施形態において、樹脂絶縁層33,35の熱膨張係数は、10〜60ppm/℃程度(具体的には30ppm/℃)となっている。なお、樹脂絶縁層33,35の熱膨張係数は、30℃〜ガラス転移温度(Tg)間の測定値の平均値をいう。また、第2層の樹脂絶縁層35の表面上における複数箇所には、端子パッド44がアレイ状に形成されている。さらに、樹脂絶縁層35の表面は、ソルダーレジスト37によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト37の所定箇所には、端子パッド44を露出させる開口部46が形成されている。また、樹脂絶縁層33,35内には、それぞれビア導体43が設けられている。これらのビア導体43は、導体層41及び端子パッド44を相互に電気的に接続している。
【0030】
図1に示されるように、端子パッド44の表面上には、高さ100μm程度の第1主面側はんだバンプ45が複数配置されている。各第1主面側はんだバンプ45は、MPUとしての機能を有するICチップ21の面接続端子22に電気的に接続されている。ここで、ICチップ21は、縦12.0mm×横12.0mm×厚さ0.6mmの矩形平板状であって、熱膨張係数が3〜4ppm/℃程度(具体的には3.5ppm/℃)のシリコンからなっている。ICチップ21の下面側表層には、図示しない回路素子が形成されている。また、ICチップ21の下面側には、複数の面接続端子22が約150μmピッチで格子状に設けられている。
【0031】
なお、各端子パッド44及び各第1主面側はんだバンプ45が位置する領域は、ICチップ21をフリップチップ接続方式で表面実装可能なICチップ搭載領域23(半導体チップ搭載領域)である。ICチップ搭載領域23は、多層配線基板11の第1主面12に設定された領域である。また、ICチップ搭載領域23は、縦12.0mm×横12.0mmの平面視正方形状の領域であり、面積が144mmとなっている。なお、ICチップ搭載領域23は、半導体搭載装置1においてICチップ21の下面の直下に配置された領域であって、ICチップ21の下面と同じ外形及び面積を有している。
【0032】
図1,図2に示されるように、第1主面12とICチップ21との隙間S1には、第1主面側アンダーフィル20が充填されている。その結果、多層配線基板11とICチップ21とが、隙間S1が封止された状態で互いに固定される。なお、本実施形態の隙間S1は80μmである。また、本実施形態の第1主面側アンダーフィル20は、熱膨張係数が20〜60ppm/℃程度(具体的には34ppm/℃)のエポキシ樹脂からなる。なお、半導体搭載装置用基板10の厚さ方向から見た場合、ICチップ21を構成する4つの辺からの第1主面側アンダーフィル20の突出量A1(図2参照)は、それぞれ1mmとなっている。よって、第1主面側アンダーフィル20は、第1主面12上における縦14.0mm×横14.0mmの平面視略正方形状の領域内に存在しており、広がり面積が196mmとなっている。
【0033】
図1に示されるように、第2ビルドアップ層32は、上述した第1ビルドアップ層31とほぼ同じ構造を有している。即ち、第2ビルドアップ層32は、エポキシ樹脂からなる樹脂絶縁層34,36と、導体層42とを交互に積層した構造を有しており、熱膨張係数が10〜60ppm/℃程度(具体的には30ppm/℃)となっている。第2層の樹脂絶縁層36の下面上における複数箇所には、ビア導体43を介して導体層42に電気的に接続されるBGA用パッド48及び端子パッド51がそれぞれアレイ状に形成されている。また、樹脂絶縁層36の下面は、ソルダーレジスト38によってほぼ全体的に覆われている。ソルダーレジスト38の所定箇所には、BGA用パッド48を露出させる開口部40と、端子パッド51を露出させる開口部47とが形成されている。なお、BGA用パッド48の表面上には、高さ600μm程度のはんだバンプ49が複数配置されている。そして、各はんだバンプ49により、図1に示される半導体搭載装置1は図示しないマザーボード上に実装される。
【0034】
図1に示されるように、端子パッド51の表面上には、高さ200μm程度の第2主面側はんだバンプ52が複数配置されている。各第2主面側はんだバンプ52の高さは、各第1主面側はんだバンプ45の高さ(100μm程度)よりも大きくなっている。また、各第2主面側はんだバンプ52は、無機材料を主体とする板状積層セラミックコンデンサ101(板状部品)に電気的に接続されている。なお、各端子パッド51及び各第2主面側はんだバンプ52が位置する領域は、板状積層セラミックコンデンサ101をフリップチップ接続方式で表面実装可能なコンデンサ搭載領域53(板状部品搭載領域)である。コンデンサ搭載領域53は、多層配線基板11の第2主面13においてICチップ21の直下となる箇所に設定された領域である。また、コンデンサ搭載領域53は、縦15.0mm×横15.0mmの平面視正方形状の領域であり、面積が225mmとなっている。従って、コンデンサ搭載領域53の面積は、ICチップ搭載領域23の面積(144mm)よりも大きくなる。なお、コンデンサ搭載領域53は、板状積層セラミックコンデンサ101のコンデンサ第1主面102の直上に配置された領域であって、コンデンサ第1主面102と同じ外形及び面積を有している。
【0035】
図1,図4〜図6に示されるように、本実施形態の板状積層セラミックコンデンサ101は、いわゆるビアアレイタイプのコンデンサである。板状積層セラミックコンデンサ101を構成するセラミック焼結体104は、縦15.0mm×横15.0mm×厚さ0.4mmの平面視略矩形板状をなしている。本実施形態において、セラミック焼結体104の熱膨張係数は、15ppm/℃未満、具体的には12〜13ppm/℃程度となっている。即ち、セラミック焼結体104の熱膨張係数は、コア基板14の熱膨張係数(18ppm/℃)、及び、樹脂絶縁層33〜36の熱膨張係数(30ppm/℃)よりも小さい値となっている。一方、セラミック焼結体104の熱膨張係数は、ICチップ21の熱膨張係数(3.5ppm/℃)よりも大きい値となっている。なお、セラミック焼結体104の熱膨張係数は、30℃〜250℃間の測定値の平均値をいう。また、セラミック焼結体104は、部品第1主面である1つのコンデンサ第1主面102(図1では上面)、部品第2主面である1つのコンデンサ第2主面103(図1では下面)、及び、部品側面である4つのコンデンサ側面106を有する略矩形板状をなしている。コンデンサ第1主面102は、コンデンサ搭載領域53側に向けて配置されている。コンデンサ第2主面103は、セラミック焼結体104の厚さ方向においてコンデンサ第1主面102の反対に位置している。コンデンサ側面106は、コンデンサ第1主面102及びコンデンサ第2主面103に対して直交している。
【0036】
図3,図5,図6に示されるように、コンデンサ側面106には、セラミック焼結体104の厚さ方向に延びる凹部185が複数箇所に形成されている。各凹部185は、平面視半円状をなし、それぞれのコンデンサ側面106において等間隔で配置されている。また、各凹部185は、コンデンサ側面106におけるコンデンサ第1主面102側の端部及びコンデンサ第2主面103側の端部にて開口している。
【0037】
図1,図4に示されるように、セラミック焼結体104は、複数の誘電体105と、複数の内層電極141,142とを備えている。具体的に言うと、セラミック焼結体104は、誘電体105を介して電源用内層電極141とグランド用内層電極142とを交互に積層配置した構造を有している。誘電体105は、高誘電率セラミックの一種であるチタン酸バリウムを主成分として形成された焼結体からなり、電源用内層電極141及びグランド用内層電極142間の絶縁体として機能する。電源用内層電極141及びグランド用内層電極142は、いずれもニッケルを主体として形成された電極である。
【0038】
図4〜図6に示されるように、セラミック焼結体104には、多数のビア穴130が形成されている。これらのビア穴130は、セラミック焼結体104の厚さ方向に沿って延びてセラミック焼結体104を貫通するとともに、全体として格子状(アレイ状)に配置されている。本実施形態では、説明の便宜上、ビア穴130を4列×4列で図示したが、実際にはさらに多くの列が存在している。各ビア穴130内には、セラミック焼結体104のコンデンサ第1主面102及びコンデンサ第2主面103間を連通する複数のビア導体131,132が、ニッケルを主材料として形成されている。各電源用ビア導体131は、各電源用内層電極141を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している(図4,図5参照)。各グランド用ビア導体132は、各グランド用内層電極142を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している(図4,図6参照)。
【0039】
図5,図6に示されるように、セラミック焼結体104は、四隅(隣接する2つのコンデンサ側面106をつなぐ部分)に平面状の側部面取り加工部151を有している。なお、隣接する2つのコンデンサ側面106のうち一方のコンデンサ側面106を基準とした側部面取り加工部151の面取り深さC1(図5参照)は、0.55mm以上(本実施形態では0.6mm)となっている。また、コンデンサ側面106を基準とした側部面取り加工部151の面取り角度は45°である。
【0040】
図4に示されるように、コンデンサ第1主面102とコンデンサ側面106とをつなぐ部分、及び、コンデンサ第1主面102と側部面取り加工部151とをつなぐ部分には、平面状の面取り加工部152が形成されている。また、コンデンサ第2主面103とコンデンサ側面106とをつなぐ部分、及び、コンデンサ第2主面103と側部面取り加工部151とをつなぐ部分にも、平面状の面取り加工部153が形成されている。
【0041】
なお、コンデンサ第1主面102を基準とした面取り加工部152の面取り深さC2(図4参照)は、0.1mmとなっている。また、コンデンサ第2主面103を基準とした面取り加工部153の面取り深さC3(図4参照)も、面取り深さC2と同様に0.1mmとなっている。さらに、コンデンサ第1主面102を基準とした面取り加工部152の面取り角度、及び、コンデンサ第2主面103を基準とした面取り加工部153の面取り角度は、それぞれ45°である。また、コンデンサ側面106を基準とした面取り加工部152,153の面取り角度も、それぞれ45°である。
【0042】
そして、図4に示されるように、セラミック焼結体104のコンデンサ第1主面102上には、複数の電源用電極111(表層電極)と複数のグランド用電極112(表層電極)とが突設されている。電源用電極111は、各電源用ビア導体131におけるコンデンサ第1主面102側の端面に対して直接接続されており、グランド用電極112は、各グランド用ビア導体132におけるコンデンサ第1主面102側の端面に対して直接接続されている。よって、電源用電極111は電源用ビア導体131及び電源用内層電極141に導通しており、グランド用電極112はグランド用ビア導体132及びグランド用内層電極142に導通している。
【0043】
図1に示されるように、電極111,112は、スルーホール導体17、導体層41,42、ビア導体43、端子パッド44、第1主面側はんだバンプ45、端子パッド51、第2主面側はんだバンプ52及びICチップ21の面接続端子22を介して、ICチップ21に電気的に接続される。
【0044】
図1,図4に示されるように、電極111,112は、ニッケルを主材料として形成され、表面が図示しない銅めっき層によって全体的に被覆されている。これら電極111,112及びビア導体131,132は、ICチップ21の略直下に配置されている。なお本実施形態では、電極111,112の直径が約500μmに設定されている。
【0045】
例えば、マザーボード側から多層配線基板11及び電極111,112を介して通電を行い、電源用内層電極141−グランド用内層電極142間に電圧を加えると、電源用内層電極141に例えばプラスの電荷が蓄積し、グランド用内層電極142に例えばマイナスの電荷が蓄積する。その結果、板状積層セラミックコンデンサ101がコンデンサとして機能する。また、板状積層セラミックコンデンサ101では、電源用ビア導体131及びグランド用ビア導体132がそれぞれ交互に隣接して配置され、かつ、電源用ビア導体131及びグランド用ビア導体132を流れる電流の方向が互いに逆向きになるように設定されている。このため、インダクタンス成分の低減化が図られるようになっている。
【0046】
図1〜図3に示されるように、多層配線基板11の第2主面13と板状積層セラミックコンデンサ101との隙間S2には、第2主面側アンダーフィル107が充填されている。その結果、多層配線基板11と板状積層セラミックコンデンサ101とが、隙間S2が封止された状態で互いに固定される。なお、本実施形態の隙間S2は180μmである。よって、隙間S2は、上記した隙間S1(80μm)よりも大きくなっている。また、第2主面側アンダーフィル107は、コンデンサ第1主面102と各コンデンサ側面106とを被覆している。さらに、第2主面側アンダーフィル107は、各側部面取り加工部151と各面取り加工部152とを被覆している。そして、第2主面側アンダーフィル107を構成するフィレット108(図3参照)は、コンデンサ側面106の面方向(即ち、セラミック焼結体104の厚さ方向)に沿って下方(コンデンサ第2主面103側)に延びている。さらに、フィレット108は、各コンデンサ側面106をほぼ全体的に被覆しており、フィレット108の先端は、コンデンサ側面106と面取り加工部153とをつなぐ部分に到達している。なお、コンデンサ第1主面102及びコンデンサ第2主面103の表面粗さRaは、0.5μmである。また、コンデンサ側面106の表面粗さRaは、凹凸155や凹部185が存在するために500μmとなっている。さらに、側部面取り加工部151及び面取り加工部152,153の表面粗さRaは、1.0μmとなっている。
【0047】
また、本実施形態の第2主面側アンダーフィル107は、熱膨張係数が20〜60ppm/℃程度(具体的には34ppm/℃)のエポキシ樹脂からなる。即ち、第2主面側アンダーフィル107の熱膨張係数は、第1主面側アンダーフィル20の熱膨張係数と等しくなっている。このようにすれば、同じ材料を用いて第1主面側アンダーフィル20及び第2主面側アンダーフィル107を形成できるため、製造コストを抑えることができる。なお、半導体搭載装置用基板10の厚さ方向から見た場合、板状積層セラミックコンデンサ101を構成する4つの辺からの第2主面側アンダーフィル107の突出量A2(図2参照)は、それぞれ1mmとなっている。よって、第2主面側アンダーフィル107は、第2主面13上における縦17.0mm×横17.0mmの平面視略正方形状の領域内に存在しており、広がり面積が289mmとなっている。従って、第2主面側アンダーフィル107の広がり面積は、第1主面側アンダーフィル20の広がり面積(196mm)よりも大きくなっている。
【0048】
次に、本実施形態の半導体搭載装置1の製造方法について述べる。
【0049】
コンデンサ準備工程では、板状積層セラミックコンデンサ101を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。
【0050】
板状積層セラミックコンデンサ101は以下のように作製される。まず、セラミックのグリーンシートを形成する。なお、グリーンシートは、正方形状の製品部(誘電体105となるべき部分)が平面方向に沿って縦横に複数配列された構造を有する多数個取り用グリーンシートである。そして、グリーンシートの製品部内に、内層電極用ニッケルペーストをスクリーン印刷して乾燥させる。その結果、後に電源用内層電極141となる電源用内層電極部と、グランド用内層電極142となるグランド用内層電極部とが形成される。次に、電源用内層電極部が形成されたグリーンシート、及び、グランド用内層電極部が形成されたグリーンシートを積層し、シート積層方向に押圧力を付与する。その結果、各グリーンシートが積層一体化され、正方形状の製品領域(板状積層セラミックコンデンサ101となるべき部分)が平面方向に沿って縦横に複数配列された構造の多数個取り用積層体が作製される。
【0051】
さらに、レーザー加工機を用いてレーザー加工を行うことにより、多数個取り用積層体にビア穴130を多数個貫通形成する。次に、図示しないペースト圧入充填装置を用いて、各ビア穴130内にビア導体用ニッケルペーストを充填する。その結果、後にビア導体131,132となる導体部が形成される。
【0052】
この後、シート積層方向に押圧力を付与することにより、多数個取り用積層体をより確実に一体化させる。次に、製品領域の外形線に沿ってレーザー加工を行う。その結果、多数個取り用積層体の上面(コンデンサ第1主面102)にて開口する第1溝部と、多数個取り用積層体の下面(コンデンサ第2主面103)にて開口する第2溝部とが形成される。第1溝部は、コンデンサ第1主面102とコンデンサ側面106とをつなぐ部分に面取り加工部152を形成するためのものであり、第2溝部は、コンデンサ第2主面103とコンデンサ側面106とをつなぐ部分に面取り加工部152を形成するためのものである。
【0053】
次に、多数個取り用積層体の上面(コンデンサ第1主面102)上にニッケルペーストを印刷し、多数個取り用積層体の上面側にて導体部の上端面を覆うように電源用電極111及びグランド用電極112となる表層電極部を形成する。この後、各表層電極部を乾燥してある程度固化させる。
【0054】
次に、第1溝部の底部に対してレーザー加工を行い、後に凹部185となるブレーク溝を形成する。なお、ブレーク溝は、第1溝部の底部及び第2溝部の底部にて開口しかつ製品領域の外形線に沿って配置され、ミシン目状をなしている。詳述すると、ブレーク溝は、外形線に沿って非連続的に配置された複数の穴部によって構成されている。さらに、製品領域の外形線同士が交差する部分(即ち製品領域の角部)に対してレーザー加工を行うことにより、板状積層セラミックコンデンサ101において隣接する2つのコンデンサ側面106をつなぐ部分に側部面取り加工部151を形成するための貫通孔を形成する。
【0055】
次に、多数個取り用積層体を脱脂し、さらに酸化雰囲気下にて所定温度で所定時間焼成を行う(焼成工程)。このときの焼成温度は、チタン酸バリウムが焼結しうる温度である1300℃に設定される。その結果、グリーンシート中のチタン酸バリウムが焼結してセラミック焼結体104となる。それと同時に、電源用内層電極部中及びグランド用内層電極部中のニッケルが焼結して内層電極141,142となり、表層電極部中のニッケルが焼結して電極111,112となる。また、ビア導体ニッケルペースト中のニッケルが焼結してビア導体131,132となる。
【0056】
次に、得られたセラミック焼結体104が有する各電極111,112に対して無電解銅めっき(厚さ10μm程度)を行う。その結果、各電極111,112の上に銅めっき層が形成される。そして、多数個取り用積層体をブレーク溝に沿って切断する。その結果、製品領域同士が分割され、複数ピースの板状積層セラミックコンデンサ101となる(図4参照)。
【0057】
また、基板準備工程では、多層配線基板11を従来周知の手法により作製し、あらかじめ準備しておく。なお、樹脂絶縁層35上に形成された端子パッド44上には、第1主面側はんだバンプ45が形成される。また、樹脂絶縁層36上に形成されたBGA用パッド48上にははんだバンプ49が形成され、同じく樹脂絶縁層36上に形成された端子パッド51上は第2主面側はんだバンプ52が形成される。
【0058】
次に、搭載工程を実施する。まず、多層配線基板11のコンデンサ搭載領域53に板状積層セラミックコンデンサ101を載置する。このとき、板状積層セラミックコンデンサ101側の電極111,112と、各第2主面側はんだバンプ52とを位置合わせするようにする。そして、230℃〜260℃程度の温度に加熱して各第2主面側はんだバンプ52をリフローすることにより、各第2主面側はんだバンプ52と電極111,112とを接合し、多層配線基板11側と板状積層セラミックコンデンサ101側とを電気的に接続する。さらに、多層配線基板11の第2主面13と板状積層セラミックコンデンサ101との隙間S2に第2主面側アンダーフィル107を充填して硬化処理を行い、隙間S2を樹脂封止する。なお、第2ビルドアップ層32は、凹凸の少ないソルダーレジスト38によって覆われているため、第2主面側アンダーフィル107はソルダーレジスト38上をスムーズに流れる。また、コンデンサ側面106には凹部185や微小な凹凸155(図3参照)が形成されている。さらに、側部面取り加工部151及び面取り加工部152の表面粗さRaが1.0μmであるため、側部面取り加工部151及び面取り加工部152には微小な凹凸154(図3参照)が形成される。よって、第2主面側アンダーフィル107は、凹部185や凹凸154,155に入り込みやすくなる。その結果、板状積層セラミックコンデンサ101と第2主面側アンダーフィル107との接合強度が向上する。この時点で、所望構造の半導体搭載装置用基板10が得られる。
【0059】
次に、多層配線基板11のICチップ搭載領域23にICチップ21を載置する。このとき、ICチップ21側の面接続端子22と、各第1主面側はんだバンプ45とを位置合わせするようにする。そして、190℃〜220℃程度の温度に加熱して各第1主面側はんだバンプ45をリフローすることにより、各第1主面側はんだバンプ45と面接続端子22とを接合し、多層配線基板11側とICチップ21側とを電気的に接続する。さらに、多層配線基板11の第1主面12とICチップ21との隙間S1に第1主面側アンダーフィル20を充填して硬化処理を行い、隙間S1を樹脂封止する。なお、第1ビルドアップ層31は、凹凸の少ないソルダーレジスト37によって覆われているため、第1主面側アンダーフィル20はソルダーレジスト37上をスムーズに流れる。その結果、図1に示す所望構造の半導体搭載装置1が完成する。
【0060】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0061】
(1)本実施形態の半導体搭載装置1によれば、多層配線基板11の第1主面12にICチップ21が実装されるとともに、多層配線基板11の第2主面13に板状積層セラミックコンデンサ101が実装されているため、多層配線基板11が板状積層セラミックコンデンサ101とICチップ21とによって挟み込まれた状態となる。その結果、本実施形態のようにコア基板14が薄い場合(具体的には、コア基板14の厚さが0.2mmである場合)に、第1主面12や第2主面13にスティフナ(補強材)を貼付したりしなくても、多層配線基板11の反りを防止できるため、ICチップ21と多層配線基板11との接続状態が確実に維持される。しかも、第1主面12とICチップ21との隙間S1を第1主面側アンダーフィル20で封止し、第2主面13と板状積層セラミックコンデンサ101との隙間S2を第2主面側アンダーフィル107で封止している。このため、ICチップ21と多層配線基板11との接合部(面接続端子22付近)にかかる応力が第1主面側アンダーフィル20によって緩和されるとともに、板状積層セラミックコンデンサ101と多層配線基板11との接合部(電極111,112付近)にかかる応力が第2主面側アンダーフィル107によって緩和される。その結果、ICチップ21や、ICチップ21と多層配線基板11との接合部が破壊されにくくなるとともに、板状積層セラミックコンデンサ101や、板状積層セラミックコンデンサ101と多層配線基板11との接合部が破壊されにくくなる。従って、半導体搭載装置用基板10の信頼性が高くなる。
【0062】
(2)特開2007−80976号公報に記載の従来技術では、多層配線基板の表面にICチップを搭載するとともに、多層配線基板の裏面に複数のチップコンデンサを搭載した半導体搭載装置が提案されている。しかし近年では、コンデンサの容量を稼ぐためにチップコンデンサの搭載数が増える傾向にあるため、半導体搭載装置の小型化が困難になる場合がある。そこで本実施形態では、多層配線基板11の裏面(第2主面13)に板状積層セラミックコンデンサ101を搭載している。この場合、複数のチップコンデンサが1つの板状積層セラミックコンデンサ101に集積される形となるため、半導体搭載装置1の小型化が可能となる。
【0063】
(3)本実施形態では、一般的にアンダーフィルで封止される箇所(隙間S1)が第1主面側アンダーフィル20により封止されるのに加え、通常アンダーフィルで封止されない箇所(隙間S2)も第2主面側アンダーフィル107により封止されている。その結果、第2主面側はんだバンプ52が、第2主面側アンダーフィル107によって保護されて外部に露出しなくなるため、第2主面側はんだバンプ52の耐食性が向上する。
【0064】
(4)本実施形態では、板状積層セラミックコンデンサ101と多層配線基板11との接合部に応力が加わった場合に、コンデンサ第1主面102とコンデンサ側面106とをつなぐ部分だけでなく、隣接する2つのコンデンサ側面106をつなぐ部分にも応力が集中してしまう。
【0065】
そこで本実施形態の板状積層セラミックコンデンサ101では、面取り加工部152に加えて側部面取り加工部151をセラミック焼結体104に形成している。このため、コンデンサ第1主面102とコンデンサ側面106とをつなぐ部分への応力集中が、面取り加工部152を設けることによって緩和される。しかも、板状積層セラミックコンデンサ101と多層配線基板11との接合部に応力が加わった場合に、隣接する2つのコンデンサ側面106をつなぐ部分への応力集中が、側部面取り加工部151を設けることによって緩和される。その結果、第2主面側アンダーフィル107でのクラックの発生を確実に防止できるため、半導体搭載装置用基板10の信頼性が向上する。
【0066】
(5)本実施形態では、板状積層セラミックコンデンサ101がICチップ搭載領域23に搭載されたICチップ21の直下に配置されるとともに、板状積層セラミックコンデンサ101とICチップ21との間に介在するコア基板14が薄く(0.2mmに)なっている。このため、板状積層セラミックコンデンサ101とICチップ21とをつなぐ配線が短くなり、配線のインダクタンス成分の増加が防止される。従って、板状積層セラミックコンデンサ101によるICチップ21のスイッチングノイズを確実に低減できるとともに、電源電圧の確実な安定化を図ることができる。また、ICチップ21と板状積層セラミックコンデンサ101との間で侵入するノイズを極めて小さく抑えることができるため、誤動作等の不具合を生じることもなく高い信頼性を得ることができる。
【0067】
(6)本実施形態では、ICチップ搭載領域23が板状積層セラミックコンデンサ101の真上の領域内に位置しているため、ICチップ搭載領域23に搭載されるICチップ21は高剛性で熱膨張率が小さい板状積層セラミックコンデンサ101によって支持される。よって、上記ICチップ搭載領域23においては、第1ビルドアップ層31が変形しにくくなるため、ICチップ搭載領域23に搭載されるICチップ21をより安定的に支持できる。
【0068】
[第2実施形態]
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に基づき説明する。ここでは、第1実施形態と相違する部分を中心に説明する。本実施形態では、多層配線基板の構造などが上記第1実施形態とは異なっている。
【0069】
詳述すると、図7に示されるように、本実施形態の半導体搭載装置200は、半導体搭載装置用基板210と、半導体チップであるICチップ221と、第1主面側アンダーフィル220とを備えるPGA(ピングリッドアレイ)である。
【0070】
半導体搭載装置用基板210が備える多層配線基板211は、コア基板を有さず、銅からなる導体層251とエポキシ樹脂からなる4層の樹脂絶縁層243,244,245,246とを交互に積層した構造を有している。各樹脂絶縁層243〜246には、それぞれビア穴271及びビア導体272が設けられている。各ビア穴271は、円錐台形状をなし、各樹脂絶縁層243〜246に対してYAGレーザーまたは炭酸ガスレーザーを用いた穴あけ加工を施すことで形成される。各ビア導体272は、多層配線基板211の第2主面242の方向(図7では下方向)に拡径した導体であって、各導体層251、端子パッド230,252及びPGA用パッド253を相互に電気的に接続している。
【0071】
図7に示されるように、多層配線基板211の第1主面241上(第4層の樹脂絶縁層246の表面上)には、端子パッド230がアレイ状に配置されている。さらに、端子パッド230の表面上には、第1主面側はんだバンプ254が複数配置されている。各第1主面側はんだバンプ254には、ICチップ221の面接続端子222が接続されている。なお、各端子パッド230及び各第1主面側はんだバンプ254が形成されている領域は、ICチップ221を搭載可能なICチップ搭載領域223(半導体チップ搭載領域)である。そして、第1主面241とICチップ221との隙間には、第1主面側アンダーフィル220が充填されている。その結果、多層配線基板211とICチップ221とが、隙間が封止された状態で互いに固定される。
【0072】
一方、図7に示されるように、多層配線基板211の第2主面242上(第1層の樹脂絶縁層243の下面上)には、PGA用パッド253及び端子パッド252がそれぞれアレイ状に形成されている。また、樹脂絶縁層243の下面は、ソルダーレジスト247によってほぼ全体的に覆われている。なお、樹脂絶縁層246の上面は、ソルダーレジストによって覆われていない。ソルダーレジスト247の所定箇所には、PGA用パッド253を露出させる開口部248と、端子パッド252を露出させる開口部249とが形成されている。なお、各PGA用パッド253の表面上には、ピン255が複数配置されている。そして、各ピン255により、半導体搭載装置200は図示しないマザーボード上に実装される。
【0073】
また、端子パッド252の表面上には、第2主面側はんだバンプ256が複数配置されている。各第2主面側はんだバンプ256は、板状積層セラミックコンデンサ261(板状部品)に電気的に接続されている。なお、各端子パッド252及び各第2主面側はんだバンプ256が位置する領域は、板状積層セラミックコンデンサ261をフリップチップ接続方式で表面実装可能なコンデンサ搭載領域262(板状部品搭載領域)である。そして、多層配線基板211の第2主面242と板状積層セラミックコンデンサ261との隙間には、第2主面側アンダーフィル267が充填されている。その結果、多層配線基板211と板状積層セラミックコンデンサ261とが、隙間が封止された状態で固定される。
【0074】
従って、本実施形態によれば、第1主面241にICチップ221が実装されるとともに、第2主面242に板状積層セラミックコンデンサ261が実装されているため、多層配線基板211が板状積層セラミックコンデンサ261とICチップ221とによって挟み込まれた状態となる。その結果、本実施形態のようにコア基板を有しない場合であったとしても、多層配線基板211の反りが防止されるため、ICチップ221と多層配線基板211との接続状態が確実に維持される。しかも、ICチップ221と多層配線基板211との接合部にかかる応力が第1主面側アンダーフィル220によって緩和されるとともに、板状積層セラミックコンデンサ261と多層配線基板211との接合部にかかる応力が第2主面側アンダーフィル267によって緩和される。従って、半導体搭載装置用基板210の信頼性が高くなる。
【0075】
なお、本発明の実施形態を以下のように変更してもよい。
【0076】
・上記第1実施形態の半導体搭載装置1では、第1主面12とICチップ21との隙間S1が第1主面側アンダーフィル20により封止されるとともに、第2主面13と板状積層セラミックコンデンサ101との隙間S2が第2主面側アンダーフィル107により封止されていた。しかし、図8の半導体搭載装置400に示されるように、多層配線基板11とICチップ21とを異方導電性シート401を介して接続するようにしてもよい。なお、異方導電性シート401は、熱可塑性樹脂(例えばエポキシ樹脂)からなるバインダ中にフィラーである銀粒子(導電体)を含んだ組成を有している。また、異方導電性シート401は、端子パッド44(図1参照)と面接続端子22(図1参照)とを電気的に接続する導体部を有している。導体部は、異方導電性シート401を厚さ方向に加圧した際に内部の銀粒子がシート厚さ方向に連続的に繋がることにより形成される。このようにすれば、多層配線基板11との接続が比較的困難なICチップ21を異方導電性シート401を用いて容易に接続できるため、信頼性の高い半導体搭載装置400を得ることができる。
【0077】
・上記実施形態では、多層配線基板11に板状積層セラミックコンデンサ101を実装した後、ICチップ21を実装していたが、板状積層セラミックコンデンサ101とICチップ21とを同時に実装してもよい。このようにした場合、板状積層セラミックコンデンサ101及びICチップ21を実装した後の冷却時において、第2ビルドアップ層32は、板状積層セラミックコンデンサ101があるために殆ど収縮することはない。また、第1ビルドアップ層31も、ICチップ21があるために殆ど収縮することはない。よって、多層配線基板11は、第1主面12側にも第2主面13側にも反りにくくなる。その結果、ICチップ21や、ICチップ21と多層配線基板11との接合部の破壊がより確実に防止されるとともに、板状積層セラミックコンデンサ101や、板状積層セラミックコンデンサ101と多層配線基板11との接合部の破壊がより確実に防止される。従って、半導体搭載装置用基板10の信頼性がよりいっそう高くなる。
【0078】
・上記第1実施形態の半導体搭載装置1は、ICチップ搭載領域23にICチップ21を表面実装するとともに、コンデンサ搭載領域53に板状積層セラミックコンデンサ101を表面実装することにより構成されていた。しかし、図9に示されるように、板状積層セラミックコンデンサ101が搭載されたセラミック製のインターポーザ302をインターポーザ搭載領域303(板状部品搭載領域)に表面実装することにより、半導体搭載装置300を構成してもよい。即ち、インターポーザ302を『板状部品』として用いてもよい。
【0079】
・上記実施形態では、第1主面側アンダーフィル20,220及び第2主面側アンダーフィル107,267が、互いに熱膨張係数が同じ材料によって形成されていたが、異なる材料によって形成してもよい。
【0080】
・上記実施形態の側部面取り加工部151及び面取り加工部152,153は、平面状の面取り加工部であったが、曲面状の面取り加工部であってもよい。このようにすれば、面取り加工部に「角」が存在しなくなるので、応力集中をより確実に緩和することができる。しかし、曲面状の面取り加工部を高精度に形成することは困難であるため、面取り加工部は上記実施形態のように平面状であることが好ましい。
【0081】
・上記実施形態の板状積層セラミックコンデンサ101では、面取り加工部152に加えて、側部面取り加工部151や面取り加工部153が形成されていた。しかし、側部面取り加工部151及び面取り加工部153の少なくとも一方を省略してもよい。なお、この場合、応力が集中しやすい側部面取り加工部151を省略するよりも、応力集中がない面取り加工部153を省略する方が好ましい。
【0082】
・上記第1実施形態では、樹脂絶縁層35の上面がソルダーレジスト37によって覆われるとともに、樹脂絶縁層36の下面がソルダーレジスト38によって覆われていたが、ソルダーレジスト37は省略されていてもよい。
【0083】
・上記実施形態の板状積層セラミックコンデンサ101では、コンデンサ第1主面102側のみに表層電極(電極111,112)が形成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、コンデンサ第1主面102及びコンデンサ第2主面103の両方に表層電極が形成された板状積層セラミックコンデンサであってもよい。
【0084】
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0085】
(1)上記手段1において、前記板状部品は、板状セラミックコンデンサであることを特徴とする半導体搭載装置用基板。
【0086】
(2)技術的思想(1)において、前記板状部品は、前記板状部品搭載領域側に向けて配置される部品第1主面と、その部品第1主面の反対に位置する部品第2主面と、前記部品第1主面及び前記部品第2主面に対して直交する部品側面とを有するとともに、少なくとも前記部品第1主面と前記部品側面とをつなぐ部分が面取り加工部とされており、前記板状セラミックコンデンサにおける前記面取り加工部の表面粗さRaは、0.5μm以上であることを特徴とする半導体搭載装置用基板。
【0087】
(3)上記手段1において、前記板状部品は、前記板状部品搭載領域側に向けて配置される部品第1主面と、その部品第1主面の反対に位置する部品第2主面と、前記部品第1主面及び前記部品第2主面に対して直交する部品側面とを有しており、前記第2主面側アンダーフィルを構成するフィレットは、前記部品側面の面方向に沿って前記部品第2主面側に延びており、前記フィレットが延びる長さは、前記板状部品の厚さの半分以上であることを特徴とする半導体搭載装置用基板。
【0088】
(4)上記手段1において、前記多層配線基板は、コア基板の片面または両面にビルドアップ層を有するビルドアップ多層配線基板であることを特徴とする半導体搭載装置用基板。
【0089】
(5)上記手段1において、前記多層配線基板は、コア基板を有さないコアレス配線基板であることを特徴とする半導体搭載装置用基板。
【0090】
(6)上記手段1において、前記第2主面と前記板状部品との隙間は、前記第1主面と前記半導体チップとの隙間よりも大きく、前記第2主面側アンダーフィルの熱膨張係数は、前記第1主面側アンダーフィルの熱膨張係数よりも小さいことを特徴とする半導体搭載装置用基板。
【0091】
(7)第1主面及び第2主面を有する多層配線基板を備え、前記第1主面にて設定された半導体チップ搭載領域に半導体チップが異方導電性シートを介して実装されうる半導体搭載装置用基板において、前記第2主面において前記半導体チップの直下となる箇所に板状部品搭載領域をなす複数の第2主面側はんだバンプが形成され、前記複数の第2主面側はんだバンプを介して、無機材料を主体とする板状部品がフリップチップ接続方式で表面実装され、前記第2主面と前記板状部品との隙間に設けられた第2主面側アンダーフィルにより前記複数の第2主面側はんだバンプが封止されていることを特徴とする半導体搭載装置用基板。
【符号の説明】
【0092】
1,200,300…半導体搭載装置
10,210…半導体搭載装置用基板
11,211…多層配線基板
12,241…第1主面
13,242…第2主面
20,220…第1主面側アンダーフィル
21,221…半導体チップとしてのICチップ
23,223…半導体チップ搭載領域としてのICチップ搭載領域
45,254…第1主面側はんだバンプ
52,256…第2主面側はんだバンプ
53,262…板状部品搭載領域としてのコンデンサ搭載領域
107,267…第2主面側アンダーフィル
101,261…板状部品としての板状積層セラミックコンデンサ
102…部品第1主面としてのコンデンサ第1主面
103…部品第2主面としてのコンデンサ第2主面
105…誘電体
106…部品側面としてのコンデンサ側面
131…ビア導体としての電源用ビア導体
132…ビア導体としてのグランド用ビア導体
141…内層電極としての電源用内層電極
142…内層電極としてのグランド用内層電極
152…面取り加工部
302…板状部品としてのインターポーザ
303…板状部品搭載領域としてのインターポーザ搭載領域
S1…(第1主面と半導体チップとの)隙間
S2…(第2主面と板状部品との)隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面及び第2主面を有する多層配線基板を備え、前記第1主面にて設定された半導体チップ搭載領域に半導体チップがフリップチップ接続方式で表面実装されうるとともに、前記第1主面と前記半導体チップとの隙間が第1主面側アンダーフィルにより封止されうる半導体搭載装置用基板において、
前記第2主面において前記半導体チップの直下となる箇所に板状部品搭載領域をなす複数の第2主面側はんだバンプが形成され、
前記複数の第2主面側はんだバンプを介して、無機材料を主体とする板状部品がフリップチップ接続方式で表面実装され、
前記第2主面と前記板状部品との隙間に設けられた第2主面側アンダーフィルにより前記複数の第2主面側はんだバンプが封止されている
ことを特徴とする半導体搭載装置用基板。
【請求項2】
前記板状部品は、前記板状部品搭載領域側に向けて配置される部品第1主面と、その部品第1主面の反対に位置する部品第2主面と、前記部品第1主面及び前記部品第2主面に対して直交する部品側面とを有するとともに、少なくとも前記部品第1主面と前記部品側面とをつなぐ部分が面取り加工部とされており、
前記第2主面側アンダーフィルが、前記面取り加工部を被覆している
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体搭載装置用基板。
【請求項3】
前記第2主面側アンダーフィルの広がり面積は、前記第1主面側アンダーフィルの広がり面積よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体搭載装置用基板。
【請求項4】
前記板状部品搭載領域の面積は、前記半導体チップ搭載領域の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体搭載装置用基板。
【請求項5】
前記半導体チップ搭載領域内には、前記半導体チップをフリップチップ接続方式で表面実装するための複数の第1主面側はんだバンプが形成されるとともに、
前記複数の第2主面側はんだバンプの高さは、前記複数の第1主面側はんだバンプの高さよりも大きく、
前記第2主面と前記板状部品との隙間は、前記第1主面と前記半導体チップとの隙間よりも大きい
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体搭載装置用基板。
【請求項6】
前記板状部品は、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体とニッケルを主体とする複数の内層電極とが積層配置され、前記複数の内層電極に対して接続する複数のビア導体が全体としてアレイ状に配置されているビアアレイタイプの板状積層セラミックコンデンサであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体搭載装置用基板。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体搭載装置用基板と、前記半導体チップ搭載領域にフリップチップ接続方式で表面実装された半導体チップと、前記第1主面と前記半導体チップとの隙間に設けられた第1主面側アンダーフィルとを備えた半導体搭載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−74505(P2012−74505A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217636(P2010−217636)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】