半導体用途での正確な温度測定
【課題】半導体製造プロセスの正確な温度測定技術を提供する。
【解決手段】温度検知要素により、正確なその場温度測定を可能にする。温度検知要素は、プロセスチャンバ302内に配置される。温度検知要素は、空洞306を有しており、空洞の開口部を覆うように透明カバー310が配置されている。材料308が、温度検知要素の空洞内に配置され、センサ312が、透明カバーを通して材料の相変化を検知するよう構成されている。
【解決手段】温度検知要素により、正確なその場温度測定を可能にする。温度検知要素は、プロセスチャンバ302内に配置される。温度検知要素は、空洞306を有しており、空洞の開口部を覆うように透明カバー310が配置されている。材料308が、温度検知要素の空洞内に配置され、センサ312が、透明カバーを通して材料の相変化を検知するよう構成されている。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体の製造では、プロセスの一貫性および再現性を確保するために、プロセスパラメータを制御する必要がある。素子のノードが、より小さい形状(例えば、90nm以下)になり、半導体素子が、寸法公差(例えば、CD、厚さ、エッチング速度、均一性、プロフィルなど)において、ナノメートル以下の精度を必要とするようになっているため、プロセス制御の必要性が高くなっている。より高度なプロセスでは、すべてのプロセス変動による製造後の素子における形状サイズの変動および寸法公差(ウエハ内、ウエハ間、ロット間、ダイ間、チャンバ間など)が、5nm未満であって3シグマの標準偏差内であることが求められる。ウエハ処理が、さらに高度になると、許容可能な形状サイズの変動も、さらに小さくなる(例えば、2nm未満であって3シグマの標準偏差内など)。
【0002】
制御、維持、および特性化が困難なプロセスパラメータの1つとして、プロセス温度が挙げられる。例えば、チャンバ内壁面、基板支持面、および基板表面におけるプロセス温度は、制御、維持、および特性化が困難である。本発明の範囲内では、ウエハおよび基板への言及は置き換え可能である。半導体製造の当業者は、これらの用語を同じ意味で用いることが多いからである。多くのプロセスレシピは、プロセス温度の変動に敏感である。1℃程度の温度変動が、プロセスレシピの結果に大きな影響を及ぼしうる。例えば、半導体製造のエッチングプロセスにおいては、プロセス温度(基板支持の表面温度、基板の表面温度など)における1℃の変動あたり、ポリゲートのCD(限界寸法)は、1nm程度変化しうる。一部のプロセスレシピは、さらに小さいプロセス温度の変動(例えば、0.5℃)に影響される場合がある。したがって、素子のノードが、より小さい形状サイズになるにつれ、正確な温度制御および測定が、プロセス制御の要件において重要になっている。そのため、絶対温度の測定と、小さい温度変化(例えば、0.5℃未満の変化)の検知とを実行できる正確な温度測定および特性化が求められる。
【0003】
現在利用できる温度測定技術の多くは、性能が限られており、望ましくない影響を与えるものである。例えば、現在利用できる温度測定技術の多くは、その場(in situ)でのプロセス温度を正確に測定できない。ウエハのその場でのプロセス温度を測定できる技術は、通例、ウエハ上に温度センサを組み込んだ特別なウエハを配置する。プロセスチャンバ内に特別なウエハを配置するには、通常の処理の流れを中断する必要がある。通例、プロセスチャンバ内に特別なウエハを配置するには、排気してプロセスチャンバを周囲圧力にする必要がある。プロセスチャンバに対して排気を行うと、プロセス動作条件(例えば、圧力、温度など)にチャンバを戻すのに、かなりの時間が掛かるため、ロット処理のスループットに影響する。また、多くの場合、組み込みセンサは、素子の欠陥を引き起こしうる汚染源になる場合がある。さらに、組み込みセンサを備えた特別なウエハは高価であり、そのセンサの耐久性は、通例、あまり高くはない。センサは、プロセス動作条件に曝されると、故障したり誤作動したりすることがある。また、組み込みセンサのほとんどは、0.5℃以下の温度測定の不確実性を有するため、所望の測定精度を提供できない。したがって、改良されたその場温度測定方法および装置が求められている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、概略的には、その場温度の正確な測定を可能にする方法および構造を提供する。
【0005】
一実施形態では、正確なその場温度測定を可能にする温度検知要素を備えたプロセスチャンバが提供されている。この実施形態では、温度検知要素は、プロセスチャンバ内に配置される。温度検知要素は、空洞を有しており、空洞の開口部を覆うように透明カバーが配置されている。材料が、温度検知要素の空洞内に配置され、センサが、透明カバーを通して材料の相変化を検知するよう構成されている。
【0006】
別の実施形態では、正確なその場温度測定を可能にする別の温度検知要素を備えたプロセスチャンバが提供されている。この実施形態では、温度検知要素は、プロセスチャンバ内の表面(例えば、プロセスチャンバの内面、基板支持の表面など)の上に配置されている。温度検知要素は、空洞を有する。材料が、温度検知要素の空洞内に配置されており、その材料は、プロセスチャンバ内の表面と接触している。センサは、材料の相変化を検知するよう構成されている。
【0007】
さらに別の実施形態では、正確なその場温度測定のための方法が提供されている。その方法は、プロセスチャンバ内に温度検知要素を配置する工程を備える。温度検知要素は、埋め込まれた材料を有する。次に、プロセスチャンバ内でプロセス動作が開始される。一定時間後に、プロセス動作は、埋め込まれた材料の相変化を引き起こす。次いで、埋め込まれた材料の相変化が検出される。相変化に対応する温度が記録される。
本発明の原理を例示した添付図面との関連で行う以下の説明から、本発明のその他の態様および利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に従って、内部に配置された温度検知要素を有するプロセスチャンバを示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に従って、温度検知要素の一部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に従って、内部に配置された温度検知要素を有するプロセスチャンバを示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って、基板支持の表面上に配置された温度検知要素を有するプロセスチャンバを示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に従って、基板支持の表面上の温度を検知できる温度検知要素を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に従って、内部に配置された温度検知要素を有するプロセスチャンバを示す断面図である。
【図7A】本発明の一実施形態に従って、基板を配置された基板支持の表面上に配置された温度検知要素を有するプロセスチャンバを示す断面図である。
【図7B】本発明の一実施形態に従って、基板支持の表面上の温度を検知できる温度検知要素を示す上面図である。
【図8】本発明の一実施形態に従って、その場でのプロセス温度を正確に測定する方法を示すフローチャートである。
【図9A】本発明の一実施形態に従って、温度表示装置を示す断面図である。
【図9B】本発明の一実施形態に従って、相変化が起きたことを示している温度表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、以下の実施形態を参照して説明するように、基板の処理、特に、半導体の製造のための正確なその場温度測定を可能にする方法および構造を提供する。本発明の実施形態は、正確なその場温度測定をするために、簡単にプロセスチャンバに組み込むことが可能であり、それにより、プロセスのスループットおよび歩留まりに影響を与えることなく、プロセス制御、プロセス監視およびプロセスの再現性を全体的に改善することができる。本発明は、方法やシステムを含む種々な形態で実施できることを理解されたい。また、本発明を不明瞭にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明していない。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に従って、基板プロセスチャンバシステム100を示す図である。プロセスチャンバ102は、基板支持104を備えており、基板支持104は、複数の空洞106,116,126および136を有する。複数の空洞106,116,126および136の各々は、複数の材料108,118,128および138の各々を内部に保持するよう適切に構成されている。複数の透明カバー110,120,130および140の各々は、複数の空洞106,116,126および136の開口部をそれぞれ覆うよう適切に構成されている。したがって、材料108,118,128および138の各々は、複数の空洞106,116,126および136の対応する1つの中に収容される。材料108,118,128および138の各々は、実質的に密封されており、プロセスチャンバの内部環境から隔離されている。材料108,118,128および138は、プロセスチャンバ102の内部から隔離されているため、それらによって、プロセスチャンバ102内に汚染物質が導入されることも防止されている。材料108,118,128および138を適切に密封および隔離するために、透明カバー110,120,130および140は,プロセスチャンバ102内のプロセス条件に耐えるだけの耐性を備えた材料から形成される。かかる耐性を有する材料の一例として、石英が挙げられる。
【0011】
図1によると、1または複数のセンサ112が、材料108,118,128および138の各々の相変化を監視するために、プロセスチャンバ102内に構成されている。図示の簡単のため、図1は、プロセスチャンバ102内に構成された1つのセンサ112を示している。しかしながら、材料108,118,128および138の各々の相変化を監視するために、1または複数のセンサ112が、プロセスチャンバ102内に構成されてよい。センサ112の内の1または複数によって収集された相変化データは、監視システム114に送信される。監視システム114は、システム制御部を備える。システム制御部は、プロセスチャンバ102のプロセス動作を含めて、プロセスチャンバシステム100の構成要素すべてを制御する。例えば、システム制御部は、プロセスチャンバ102内に投入されるプロセス薬剤の動作、基板を処理するためにプロセスチャンバ102内の表面を加熱する1または複数のヒータ、プロセスを開始するためにプロセスチャンバ102内の薬剤を活性化するエネルギ(例えば、RF)など、を制御してよい。監視システム114は、例えば、データ処理アルゴリズムを用いて、データを処理し、ユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によって、解析データをユーザに対して適切に提示する。
【0012】
上述のように、1または複数のセンサ112は、材料108,118,128および138の相変化を監視し、各材料に相変化が起きると、相変化データを記録する。材料の相変化(例えば、固相から液相への変化)に対応する温度は、所与の圧力における特定の組成の材料については一定である。したがって、既知の組成の材料についての相変化の温度を、プロセスチャンバ102内のプロセス温度を測定するための基準として用いることができる。
【0013】
図1に示すように、材料108,118,128および138は、それぞれ、基板支持104に組み込まれた複数の空洞106,116,126および136の1つに収容されている。各材料108,118,128および138の相変化は、基板支持104のプロセス温度の監視、測定および、特性化に利用できる。例えば、プロセスチャンバ102でプロセスが開始されると、基板支持104は、通例は加熱される。十分な量の熱エネルギが、ヒータから基板支持104に伝導されると、各空洞106,116,126および136内の材料108,118,128および138は、相変化し始める。基板支持に伝導される熱エネルギの量は、プロセスチャンバシステムの制御部によって、経時的に測定および定量化することができる。その間、1または複数のセンサ112は、材料108,118,128および138の相変化を監視している。相変化が起きた時、材料が配置された位置(例えば、接触面)は、その材料に対応する相変化温度に到達している。
【0014】
表面における熱分布が一様であることはまれなため、本発明の実施形態は、表面における温度分布を決定することができる。例えば、図1に示すように、材料108,118,128および138は、基板支持104の表面における異なる領域に位置する複数の空洞106,116,126および136に配置されている。基板支持104の表面における温度分布は、材料108,118,128および138の各々に相変化が起きた時に決定できる材料108,118,128および138は、同じ組成を有しても、異なる組成を有してもよい。各材料108,118,128および138が、既知の相変化温度を有する既知の組成からなる場合、基板支持104の表面における温度分布は、熱エネルギが基板支持104に供給されて、時間と共に各材料の相変化が起きるにつれて、経時的に決定できる。
【0015】
各材料108,118,128および138は、それぞれ、各空洞106,116,126および136内に密封されているため、時間と共に起きる材料の損失は取るに足らないものである。したがって、材料108,118,128および138は、プロセスチャンバ102で繰り返されるプロセスで再利用できる。
【0016】
有機化合物および一部の無機化合物が、非常に正確な融点(例えば、0.1または0.2℃の範囲)を示すことは、化学および材料科学の分野で周知である。これらの有機および無機化合物としては、ナフタレン、サリチル酸、ベンゾフェノン、硝酸コバルト(II)、安息香酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、臭化アンチモン(III)および塩化アンチモン(III)が挙げられる。
【0017】
図1において、1または複数のセンサ112は、材料108,118,128および138の相変化を検知するよう構成されている。材料の相変化は、材料の屈折率の変化を引き起こす。一部の材料では、相変化は、さらに、材料の色の変化を引き起こす。図1に示すように、1または複数のセンサ112は、透明カバー110、120、130および140を通して、材料の相変化に伴う上述の変化または他の変化を検知するよう構成されている。上述のように相変化を検知できるセンサ112の一例として、レーザ分光計が挙げられる。センサ112は、プロセスチャンバシステムの制御部と通信するように接続される。センサ112は、材料108,118,128および138を監視して、相変化を検知するためのデータを収集する。センサ112は、収集したデータを処理するためにプロセスチャンバの制御部に送信する。プロセスチャンバの制御部は、データ処理アルゴリズムを用いて、データを処理し、複数の空洞106,116,126および136にそれぞれ収容された材料108,118,128および138の相変化温度に対応する光学定数の値を生成する。プロセスチャンバの制御部は、監視装置114と離れて配置された別個の装置であってよい。あるいは、プロセスチャンバの制御部と監視装置114とは、1つの一体的な装置として構成されてもよい。プロセスチャンバの制御部と監視装置114との実際の構成に関係なく、プロセスチャンバの制御部は、監視装置114と通信し、監視装置114は、ユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)を介して、プロセス温度情報をユーザに提供する。
【0018】
図2は、本発明の別の実施形態に従って、プロセスチャンバシステム200を示す図である。プロセスチャンバ202は、基板支持204を備えており、基板支持204は、複数の空洞206および216を有する。複数の空洞206および216の各々は、複数の材料208および218の各々を内部に保持するよう適切に構成されている。複数の透明カバー210および220の各々は、複数の空洞206および216の開口部をそれぞれ覆うよう適切に構成されている。したがって、各材料208および218は、それぞれ、複数の空洞208および218の1つに収容されており、材料208および218は、それぞれ、実質的に密封および隔離されている。透明カバー210および220は、プロセスチャンバシステム200内のプロセス条件に耐えるだけの耐性を備えた材料から形成される。かかる耐性を有する材料の一例として、石英が挙げられる。
【0019】
図2に示すように、1または複数のセンサ212および222が、材料208および218の各々の相変化を監視するために、プロセスチャンバシステム200内に構成されている。1または複数のセンサ212および222によって収集された相変化データは、監視システム214に送信される。監視システム214は、システム制御部を備える。システム制御部は、プロセスチャンバ202のプロセス動作を含めて、プロセスチャンバシステム200の構成要素すべてを制御する。例えば、システム制御部は、プロセスチャンバ202内に投入されるプロセス薬剤の動作、基板を処理するためにプロセスチャンバ202内の表面を加熱する1または複数のヒータ、プロセスを開始するためにプロセスチャンバ202内の薬剤を活性化するエネルギ(例えば、RF、マイクロ波など)など、を制御してよい。監視システム214は、例えば、データ処理アルゴリズムを用いて、データを処理し、ユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によって、解析データをユーザに対して適切に提示する。
【0020】
図2において、1または複数のセンサ212および222は、材料208および218の相変化を監視し、各材料に相変化が起きると、相変化データを記録する。材料の相変化(例えば、固相から液相への変化)に対応する温度は、所与の圧力における特定の組成の材料については一定である。したがって、既知の組成の材料についての相変化の温度を、プロセスチャンバ202内のプロセス温度(例えば、基板支持204の表面温度)を測定するための基準として用いることができる。
【0021】
図3は、本発明の別の実施形態に従って、プロセスチャンバシステム300を示す図である。プロセスチャンバ302は、基板支持304と、チャンバ302の壁に組み込まれた複数の空洞336,346,356および366とを備える。複数の材料338,348,358および368が、それぞれ、チャンバ302の壁の中の複数の空洞336,346,356および366に収容されている。複数の空洞336,346,356および366の各々は、それぞれ、複数の透明カバー340,350,360および370によって密封されている。1または複数のセンサ312が、複数の透明カバー340,350,360および370を通して、複数の材料338,348,358および368の各々の相変化を検知するよう構成されている。図3には、1つのセンサ312が示されているが、各材料308,318,328,338,348,358および368の相変化を検知するために、1または複数のセンサ312が、プロセスチャンバ302内に構成されてよい。一実施形態では、センサ312は、レーザ分光計であってよい。センサ312は、プロセスチャンバシステムの制御部と通信するように接続される。センサ312は、材料308,318,328,338,348,358および368を監視して収集したデータを、データ処理のために、プロセスチャンバシステムの制御部に送信する。プロセスチャンバの制御部は、データ処理アルゴリズムを用いて、データを処理し、材料308,318,328,338,348,358および368の相変化温度に対応する光学定数の値を生成する。相変化温度は、さらに、処理されて、ユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によってユーザに提示されてよい。ユーザに提示される情報は、温度分布のグラフ、例えば、時間に対する温度分布、位置に対する温度分布のグラフであってよい。
【0022】
図4は、本発明の一実施形態に従って、プロセスチャンバシステム400を示す断面図である。プロセスチャンバシステム400においては、基板支持404が、プロセスチャンバ402内に配置されている。基板支持404上には、温度検知試験用基板415が配置される。温度検知試験用基板415は、基板層414と、透明カバー410とで構成される。複数の空洞406,426および436が、透明カバー410内に構成されており、複数の材料408,428および438が、それぞれ、複数の空洞406,426および436内に配置されている。材料408,428および438は、基板層414と接触している。透明層410は、プロセスチャンバ402の内部環境に対して、材料408,428および438を密閉しており、それにより、材料408,428および438が、プロセスチャンバ402の内部環境に汚染物質を導入しないようになっている。1または複数のセンサ412が、材料408,428および438の相変化を検知するために、プロセスチャンバ402内に構成されている。
【0023】
図5は、本発明の一実施形態に従って、温度検知試験用基板415を示す拡大断面図である。温度検知試験用基板415は、基板層414と、透明カバー410とで構成される。透明カバー410は、複数の空洞406,426および436を備えるよう構成される。空洞406,426および436の各々は、複数の408,428および438の内の1つを収容する。材料408,428および438は、基板層414と接触しており、その結果、熱平衡の状態では、各材料408,428および438の温度が、各接触面の領域における基板層414の温度と同じになる。
【0024】
再び図4を参照して、プロセスチャンバ402でプロセスが開始されると、基板支持404は、通例は加熱される。温度検知試験用基板415は、プロセスチャンバ402内で処理されている基板の温度または熱の分布を決定するために用いられてよい。
【0025】
十分な量の熱エネルギが、ヒータから基板支持404に伝導されると、温度検知試験用基板415の基板層414も、伝導および対流によって加熱される。基板層414は、プロセスチャンバ402内で処理されている実際の基板をシミュレートする。したがって、基板層414の温度は、プロセスチャンバ402内で処理されている基板の温度と同じである。基板層414と接触する材料408,428および438は、基板層414と同じ温度を有する。十分な熱エネルギが、材料408,428および438に伝導されると、材料の相変化が始まる。1または複数のセンサ412は、材料408,428および438の相変化を検知する。1または複数のセンサ412は、検知したデータを、データ処理のためにプロセスチャンバシステムの制御部に送信し、処理後のデータを、ユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によってユーザに提示する。ユーザに提示される処理後のデータは、基板層414の温度分布のグラフの形態であってよく、それは、処理される基板の温度分布を表す。
【0026】
図6は、本発明の一実施形態に従って、温度検知要素を示す図である。温度検知要素610は、プロセスチャンバ602内に配置されている。温度検知要素は、材料608を収容するよう構成された透明シェル606を備える。透明シェル606は、材料の特性を損なうことなく、プロセスチャンバ602内の条件(例えば、熱、圧力、RFエネルギ、マイクロ波、反応性プラズマなど)に耐えることのできる耐性を有する材料から形成される。かかる耐性を有する材料の一例として、石英が挙げられる。材料608は、プロセスチャンバ602内の任意の表面と接触しつつ、プロセスチャンバ602内の接触面と透明シェル606との間に密封されるよう構成されている。センサ612が、透明シェル606を通して材料の相変化を検知するために、プロセスチャンバ602内に配置されている。例えば、センサ612は、レーザ分光計であってよい。材料608は、非常に正確な融点(例えば、0.1または0.2℃の範囲内の融点)を有する有機または無機化合物であってよい。これらの有機および無機化合物としては、ナフタレン、サリチル酸、ベンゾフェノン、硝酸コバルト(II)、安息香酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、臭化アンチモン(III)および塩化アンチモン(III)が挙げられる。図および説明の簡単のために、図6では、プロセスチャンバ602に、温度検知要素610およびセンサ612を1つずつ配置した構成を示したが、本発明の範囲内で、任意の数の温度検知要素およびセンサを、プロセスチャンバ602に備えることができる。
【0027】
プロセスチャンバ602内でプロセスが開始されると、チャンバの表面も加熱されてよい。チャンバの表面は、多くの異なる方法で加熱される。チャンバの表面は、循環する流体、ヒータ、または、任意の他の適切な手段によって加熱されてよい。本発明の実施形態は、その場でのプロセス温度を正確に測定するための方法および装置を提供する。
【0028】
プロセスチャンバ602内の表面に接触する材料608は、接触面と同じ温度になる。十分な量の熱エネルギが、接触面から材料608に伝導されると、材料608で相変化が起きる。センサ612は、相変化を検知して、相変化データをプロセスチャンバシステムの制御部に送信する。プロセスチャンバシステムの制御部は、相変化データを処理して、処理後の相変化データをユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によってユーザに提示する。処理後の相変化データは、温度分布グラフの形態であってよい。
【0029】
図7Aは、本発明の一実施形態に従って、別の温度検知要素を示す図である。温度検知要素710は、プロセスチャンバ702内の基板支持704の上に配置されている。基板714も、基板支持704の上に配置される。温度検知要素710は、複数の空洞を有してよい。図7Aに示すように、温度検知要素710の空洞の内の2つには、それぞれ、材料718および728が収容されている。材料718および728は、基板支持704と接触している。センサ712および722は、材料718および728の相変化を検知するよう構成されている。図7Aには、材料718および728の相変化を検知するよう構成されたセンサ712および728が図示されているが、材料718および728の相変化を検知するために、任意の数のセンサを用いてよい。例えば、1つのセンサが、温度検知要素710に収容された任意の数の材料の相変化を検知するよう構成されてもよい。
【0030】
図7Bは、温度検知要素710および基板714を示す上面図である。本発明の一実施形態に従った温度検知要素710は、温度検知と基板処理とを同時に行うことを可能にする。プロセスチャンバ702内でプロセスが開始されると、基板支持704は、通例、基板714の処理を促進するために加熱される。処理に向けて基板714を加熱するために、十分な量の熱エネルギが、ヒータから基板支持704に伝導されると、材料718,728,738および748も加熱される。材料718,728,738および748は、非常に正確な融点(例えば、0.1または0.2℃の範囲)を有するものが選択される。周知のように、材料の相変化に対応する温度は、特定の組成の材料については一定であるため、材料718,728,738および748の相変化を、基板714のプロセス温度を制御および監視するための基準温度として利用することができる。
【0031】
プロセスの結果(例えば、半導体の素子形状の限界寸法)に影響する温度の変動を防ぐよう、プロセス温度(例えば、基板の表面温度)を制御するために、材料718,728,738および748の相変化を検知するよう構成されたセンサ712および722は、相変化データをプロセスチャンバシステムの制御部に送信する。さらに、プロセスチャンバシステムの制御部は、リアルタイムで処理後の相変化データをユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によってユーザに提示できる。処理後の相変化データは、温度分布グラフの形態であってよい。
【0032】
図8は、本発明の一実施形態に従って、その場でのプロセス温度を正確に測定する方法を示すフローチャートである。その方法は、1または複数の温度検知要素をプロセスチャンバ内に配置する動作800から始まる。温度検知要素は、本発明の様々な実施形態に従って上述した温度検知要素のいずれであってもよい。次に、動作802において、プロセスチャンバ内でプロセスが開始される。開始されたプロセスは、最終的に、動作804において、それぞれの温度検知要素内の各材料の相変化を引き起こす。動作806において、プロセスチャンバ内の1または複数のセンサが、それぞれの温度検知要素内の材料の相変化を検出する。プロセスチャンバシステムの制御部は、動作808において、各材料の相変化データを処理する。動作810において、各材料の相変化に対応する温度が決定され、動作812において、それらの温度が記録される。本明細書で挙げた材料のいずれについても、相変化に対応する温度が、十分に立証されていることを理解されたい。例えば、ナフタレンは80.5℃の融点、サリチル酸は135℃の融点、ベンゾフェノンは48.1℃の融点、硝酸コバルト(II)は55℃の融点、安息香酸アルミニウムは198℃の融点、酢酸アルミニウムは114℃の融点、臭化アンチモン(III)は96.6℃の融点、塩化アンチモン(III)は73.4℃の融点を有する。
【0033】
図9Aは、本発明の別の実施形態に従って、温度表示装置を示す図である。図9Aは、空洞906を有する温度表示装置904を示している。空洞906は、少なくとも2つの空間、例えば、第1の空間912と第2の空間914とを有する。この実施形態では、第1の空間912内に、材料908が配置される。カバー910が空洞906を密閉する。カバー910は、透明のカバーであってよく、それにより、上述のように、温度表示装置904を、その場でのプロセス温度を示すために利用できる。本発明の他の実施形態について上述した温度検知要素と同様に、温度表示装置904は、プロセスチャンバ内に配置されてよく、材料908の相変化は、カバー910を通して材料908の相変化を検知するよう構成されたセンサによって検知されてよい。
【0034】
図9Bは、本発明の一実施形態に従って、材料908に位相変化が起きた状態の温度表示装置を示す図である。図9Bに示すように、材料908は、ある相から別の相(例えば、固相から液相、もしくは、液相から固相)に変化すると、第1の空間912から第2の空間914に移動される。温度表示装置904は、空洞906内の材料908の空間的な位置(すなわち、材料が、第1の空間912に収容されているか第2の空間914に収容されているか)を観察することによって、材料908に対応する位相変化温度に達したか否かを示すことができる。したがって、プロセスサイクルの終了後に、温度表示装置904を観察すれば、プロセスレシピが実行された時に、プロセス温度が、ある時点で材料908の相変化に対応する温度に到達したことを確認することができる。本発明の一実施形態では、カバー910は、透明カバーでなくてもよい。例えば、温度表示装置が、空間的な指標として利用される場合には、透明カバーを備える必要がない。
【0035】
本明細書では、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明したが、本発明の趣旨や範囲を逸脱することなく、様々な他の具体的な形態で本発明を実施できることは、当業者にとって明らかである。したがって、上述した例および実施形態は、例示に過ぎず、限定の意図はないため、本発明は、本明細書に記載した詳細事項には限定されず、添付した特許請求の範囲内で変型および実施することができる。
【背景技術】
【0001】
半導体の製造では、プロセスの一貫性および再現性を確保するために、プロセスパラメータを制御する必要がある。素子のノードが、より小さい形状(例えば、90nm以下)になり、半導体素子が、寸法公差(例えば、CD、厚さ、エッチング速度、均一性、プロフィルなど)において、ナノメートル以下の精度を必要とするようになっているため、プロセス制御の必要性が高くなっている。より高度なプロセスでは、すべてのプロセス変動による製造後の素子における形状サイズの変動および寸法公差(ウエハ内、ウエハ間、ロット間、ダイ間、チャンバ間など)が、5nm未満であって3シグマの標準偏差内であることが求められる。ウエハ処理が、さらに高度になると、許容可能な形状サイズの変動も、さらに小さくなる(例えば、2nm未満であって3シグマの標準偏差内など)。
【0002】
制御、維持、および特性化が困難なプロセスパラメータの1つとして、プロセス温度が挙げられる。例えば、チャンバ内壁面、基板支持面、および基板表面におけるプロセス温度は、制御、維持、および特性化が困難である。本発明の範囲内では、ウエハおよび基板への言及は置き換え可能である。半導体製造の当業者は、これらの用語を同じ意味で用いることが多いからである。多くのプロセスレシピは、プロセス温度の変動に敏感である。1℃程度の温度変動が、プロセスレシピの結果に大きな影響を及ぼしうる。例えば、半導体製造のエッチングプロセスにおいては、プロセス温度(基板支持の表面温度、基板の表面温度など)における1℃の変動あたり、ポリゲートのCD(限界寸法)は、1nm程度変化しうる。一部のプロセスレシピは、さらに小さいプロセス温度の変動(例えば、0.5℃)に影響される場合がある。したがって、素子のノードが、より小さい形状サイズになるにつれ、正確な温度制御および測定が、プロセス制御の要件において重要になっている。そのため、絶対温度の測定と、小さい温度変化(例えば、0.5℃未満の変化)の検知とを実行できる正確な温度測定および特性化が求められる。
【0003】
現在利用できる温度測定技術の多くは、性能が限られており、望ましくない影響を与えるものである。例えば、現在利用できる温度測定技術の多くは、その場(in situ)でのプロセス温度を正確に測定できない。ウエハのその場でのプロセス温度を測定できる技術は、通例、ウエハ上に温度センサを組み込んだ特別なウエハを配置する。プロセスチャンバ内に特別なウエハを配置するには、通常の処理の流れを中断する必要がある。通例、プロセスチャンバ内に特別なウエハを配置するには、排気してプロセスチャンバを周囲圧力にする必要がある。プロセスチャンバに対して排気を行うと、プロセス動作条件(例えば、圧力、温度など)にチャンバを戻すのに、かなりの時間が掛かるため、ロット処理のスループットに影響する。また、多くの場合、組み込みセンサは、素子の欠陥を引き起こしうる汚染源になる場合がある。さらに、組み込みセンサを備えた特別なウエハは高価であり、そのセンサの耐久性は、通例、あまり高くはない。センサは、プロセス動作条件に曝されると、故障したり誤作動したりすることがある。また、組み込みセンサのほとんどは、0.5℃以下の温度測定の不確実性を有するため、所望の測定精度を提供できない。したがって、改良されたその場温度測定方法および装置が求められている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、概略的には、その場温度の正確な測定を可能にする方法および構造を提供する。
【0005】
一実施形態では、正確なその場温度測定を可能にする温度検知要素を備えたプロセスチャンバが提供されている。この実施形態では、温度検知要素は、プロセスチャンバ内に配置される。温度検知要素は、空洞を有しており、空洞の開口部を覆うように透明カバーが配置されている。材料が、温度検知要素の空洞内に配置され、センサが、透明カバーを通して材料の相変化を検知するよう構成されている。
【0006】
別の実施形態では、正確なその場温度測定を可能にする別の温度検知要素を備えたプロセスチャンバが提供されている。この実施形態では、温度検知要素は、プロセスチャンバ内の表面(例えば、プロセスチャンバの内面、基板支持の表面など)の上に配置されている。温度検知要素は、空洞を有する。材料が、温度検知要素の空洞内に配置されており、その材料は、プロセスチャンバ内の表面と接触している。センサは、材料の相変化を検知するよう構成されている。
【0007】
さらに別の実施形態では、正確なその場温度測定のための方法が提供されている。その方法は、プロセスチャンバ内に温度検知要素を配置する工程を備える。温度検知要素は、埋め込まれた材料を有する。次に、プロセスチャンバ内でプロセス動作が開始される。一定時間後に、プロセス動作は、埋め込まれた材料の相変化を引き起こす。次いで、埋め込まれた材料の相変化が検出される。相変化に対応する温度が記録される。
本発明の原理を例示した添付図面との関連で行う以下の説明から、本発明のその他の態様および利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に従って、内部に配置された温度検知要素を有するプロセスチャンバを示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に従って、温度検知要素の一部を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に従って、内部に配置された温度検知要素を有するプロセスチャンバを示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って、基板支持の表面上に配置された温度検知要素を有するプロセスチャンバを示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に従って、基板支持の表面上の温度を検知できる温度検知要素を示す拡大断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に従って、内部に配置された温度検知要素を有するプロセスチャンバを示す断面図である。
【図7A】本発明の一実施形態に従って、基板を配置された基板支持の表面上に配置された温度検知要素を有するプロセスチャンバを示す断面図である。
【図7B】本発明の一実施形態に従って、基板支持の表面上の温度を検知できる温度検知要素を示す上面図である。
【図8】本発明の一実施形態に従って、その場でのプロセス温度を正確に測定する方法を示すフローチャートである。
【図9A】本発明の一実施形態に従って、温度表示装置を示す断面図である。
【図9B】本発明の一実施形態に従って、相変化が起きたことを示している温度表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、以下の実施形態を参照して説明するように、基板の処理、特に、半導体の製造のための正確なその場温度測定を可能にする方法および構造を提供する。本発明の実施形態は、正確なその場温度測定をするために、簡単にプロセスチャンバに組み込むことが可能であり、それにより、プロセスのスループットおよび歩留まりに影響を与えることなく、プロセス制御、プロセス監視およびプロセスの再現性を全体的に改善することができる。本発明は、方法やシステムを含む種々な形態で実施できることを理解されたい。また、本発明を不明瞭にしないように、周知のプロセス動作は詳細に説明していない。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に従って、基板プロセスチャンバシステム100を示す図である。プロセスチャンバ102は、基板支持104を備えており、基板支持104は、複数の空洞106,116,126および136を有する。複数の空洞106,116,126および136の各々は、複数の材料108,118,128および138の各々を内部に保持するよう適切に構成されている。複数の透明カバー110,120,130および140の各々は、複数の空洞106,116,126および136の開口部をそれぞれ覆うよう適切に構成されている。したがって、材料108,118,128および138の各々は、複数の空洞106,116,126および136の対応する1つの中に収容される。材料108,118,128および138の各々は、実質的に密封されており、プロセスチャンバの内部環境から隔離されている。材料108,118,128および138は、プロセスチャンバ102の内部から隔離されているため、それらによって、プロセスチャンバ102内に汚染物質が導入されることも防止されている。材料108,118,128および138を適切に密封および隔離するために、透明カバー110,120,130および140は,プロセスチャンバ102内のプロセス条件に耐えるだけの耐性を備えた材料から形成される。かかる耐性を有する材料の一例として、石英が挙げられる。
【0011】
図1によると、1または複数のセンサ112が、材料108,118,128および138の各々の相変化を監視するために、プロセスチャンバ102内に構成されている。図示の簡単のため、図1は、プロセスチャンバ102内に構成された1つのセンサ112を示している。しかしながら、材料108,118,128および138の各々の相変化を監視するために、1または複数のセンサ112が、プロセスチャンバ102内に構成されてよい。センサ112の内の1または複数によって収集された相変化データは、監視システム114に送信される。監視システム114は、システム制御部を備える。システム制御部は、プロセスチャンバ102のプロセス動作を含めて、プロセスチャンバシステム100の構成要素すべてを制御する。例えば、システム制御部は、プロセスチャンバ102内に投入されるプロセス薬剤の動作、基板を処理するためにプロセスチャンバ102内の表面を加熱する1または複数のヒータ、プロセスを開始するためにプロセスチャンバ102内の薬剤を活性化するエネルギ(例えば、RF)など、を制御してよい。監視システム114は、例えば、データ処理アルゴリズムを用いて、データを処理し、ユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によって、解析データをユーザに対して適切に提示する。
【0012】
上述のように、1または複数のセンサ112は、材料108,118,128および138の相変化を監視し、各材料に相変化が起きると、相変化データを記録する。材料の相変化(例えば、固相から液相への変化)に対応する温度は、所与の圧力における特定の組成の材料については一定である。したがって、既知の組成の材料についての相変化の温度を、プロセスチャンバ102内のプロセス温度を測定するための基準として用いることができる。
【0013】
図1に示すように、材料108,118,128および138は、それぞれ、基板支持104に組み込まれた複数の空洞106,116,126および136の1つに収容されている。各材料108,118,128および138の相変化は、基板支持104のプロセス温度の監視、測定および、特性化に利用できる。例えば、プロセスチャンバ102でプロセスが開始されると、基板支持104は、通例は加熱される。十分な量の熱エネルギが、ヒータから基板支持104に伝導されると、各空洞106,116,126および136内の材料108,118,128および138は、相変化し始める。基板支持に伝導される熱エネルギの量は、プロセスチャンバシステムの制御部によって、経時的に測定および定量化することができる。その間、1または複数のセンサ112は、材料108,118,128および138の相変化を監視している。相変化が起きた時、材料が配置された位置(例えば、接触面)は、その材料に対応する相変化温度に到達している。
【0014】
表面における熱分布が一様であることはまれなため、本発明の実施形態は、表面における温度分布を決定することができる。例えば、図1に示すように、材料108,118,128および138は、基板支持104の表面における異なる領域に位置する複数の空洞106,116,126および136に配置されている。基板支持104の表面における温度分布は、材料108,118,128および138の各々に相変化が起きた時に決定できる材料108,118,128および138は、同じ組成を有しても、異なる組成を有してもよい。各材料108,118,128および138が、既知の相変化温度を有する既知の組成からなる場合、基板支持104の表面における温度分布は、熱エネルギが基板支持104に供給されて、時間と共に各材料の相変化が起きるにつれて、経時的に決定できる。
【0015】
各材料108,118,128および138は、それぞれ、各空洞106,116,126および136内に密封されているため、時間と共に起きる材料の損失は取るに足らないものである。したがって、材料108,118,128および138は、プロセスチャンバ102で繰り返されるプロセスで再利用できる。
【0016】
有機化合物および一部の無機化合物が、非常に正確な融点(例えば、0.1または0.2℃の範囲)を示すことは、化学および材料科学の分野で周知である。これらの有機および無機化合物としては、ナフタレン、サリチル酸、ベンゾフェノン、硝酸コバルト(II)、安息香酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、臭化アンチモン(III)および塩化アンチモン(III)が挙げられる。
【0017】
図1において、1または複数のセンサ112は、材料108,118,128および138の相変化を検知するよう構成されている。材料の相変化は、材料の屈折率の変化を引き起こす。一部の材料では、相変化は、さらに、材料の色の変化を引き起こす。図1に示すように、1または複数のセンサ112は、透明カバー110、120、130および140を通して、材料の相変化に伴う上述の変化または他の変化を検知するよう構成されている。上述のように相変化を検知できるセンサ112の一例として、レーザ分光計が挙げられる。センサ112は、プロセスチャンバシステムの制御部と通信するように接続される。センサ112は、材料108,118,128および138を監視して、相変化を検知するためのデータを収集する。センサ112は、収集したデータを処理するためにプロセスチャンバの制御部に送信する。プロセスチャンバの制御部は、データ処理アルゴリズムを用いて、データを処理し、複数の空洞106,116,126および136にそれぞれ収容された材料108,118,128および138の相変化温度に対応する光学定数の値を生成する。プロセスチャンバの制御部は、監視装置114と離れて配置された別個の装置であってよい。あるいは、プロセスチャンバの制御部と監視装置114とは、1つの一体的な装置として構成されてもよい。プロセスチャンバの制御部と監視装置114との実際の構成に関係なく、プロセスチャンバの制御部は、監視装置114と通信し、監視装置114は、ユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)を介して、プロセス温度情報をユーザに提供する。
【0018】
図2は、本発明の別の実施形態に従って、プロセスチャンバシステム200を示す図である。プロセスチャンバ202は、基板支持204を備えており、基板支持204は、複数の空洞206および216を有する。複数の空洞206および216の各々は、複数の材料208および218の各々を内部に保持するよう適切に構成されている。複数の透明カバー210および220の各々は、複数の空洞206および216の開口部をそれぞれ覆うよう適切に構成されている。したがって、各材料208および218は、それぞれ、複数の空洞208および218の1つに収容されており、材料208および218は、それぞれ、実質的に密封および隔離されている。透明カバー210および220は、プロセスチャンバシステム200内のプロセス条件に耐えるだけの耐性を備えた材料から形成される。かかる耐性を有する材料の一例として、石英が挙げられる。
【0019】
図2に示すように、1または複数のセンサ212および222が、材料208および218の各々の相変化を監視するために、プロセスチャンバシステム200内に構成されている。1または複数のセンサ212および222によって収集された相変化データは、監視システム214に送信される。監視システム214は、システム制御部を備える。システム制御部は、プロセスチャンバ202のプロセス動作を含めて、プロセスチャンバシステム200の構成要素すべてを制御する。例えば、システム制御部は、プロセスチャンバ202内に投入されるプロセス薬剤の動作、基板を処理するためにプロセスチャンバ202内の表面を加熱する1または複数のヒータ、プロセスを開始するためにプロセスチャンバ202内の薬剤を活性化するエネルギ(例えば、RF、マイクロ波など)など、を制御してよい。監視システム214は、例えば、データ処理アルゴリズムを用いて、データを処理し、ユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によって、解析データをユーザに対して適切に提示する。
【0020】
図2において、1または複数のセンサ212および222は、材料208および218の相変化を監視し、各材料に相変化が起きると、相変化データを記録する。材料の相変化(例えば、固相から液相への変化)に対応する温度は、所与の圧力における特定の組成の材料については一定である。したがって、既知の組成の材料についての相変化の温度を、プロセスチャンバ202内のプロセス温度(例えば、基板支持204の表面温度)を測定するための基準として用いることができる。
【0021】
図3は、本発明の別の実施形態に従って、プロセスチャンバシステム300を示す図である。プロセスチャンバ302は、基板支持304と、チャンバ302の壁に組み込まれた複数の空洞336,346,356および366とを備える。複数の材料338,348,358および368が、それぞれ、チャンバ302の壁の中の複数の空洞336,346,356および366に収容されている。複数の空洞336,346,356および366の各々は、それぞれ、複数の透明カバー340,350,360および370によって密封されている。1または複数のセンサ312が、複数の透明カバー340,350,360および370を通して、複数の材料338,348,358および368の各々の相変化を検知するよう構成されている。図3には、1つのセンサ312が示されているが、各材料308,318,328,338,348,358および368の相変化を検知するために、1または複数のセンサ312が、プロセスチャンバ302内に構成されてよい。一実施形態では、センサ312は、レーザ分光計であってよい。センサ312は、プロセスチャンバシステムの制御部と通信するように接続される。センサ312は、材料308,318,328,338,348,358および368を監視して収集したデータを、データ処理のために、プロセスチャンバシステムの制御部に送信する。プロセスチャンバの制御部は、データ処理アルゴリズムを用いて、データを処理し、材料308,318,328,338,348,358および368の相変化温度に対応する光学定数の値を生成する。相変化温度は、さらに、処理されて、ユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によってユーザに提示されてよい。ユーザに提示される情報は、温度分布のグラフ、例えば、時間に対する温度分布、位置に対する温度分布のグラフであってよい。
【0022】
図4は、本発明の一実施形態に従って、プロセスチャンバシステム400を示す断面図である。プロセスチャンバシステム400においては、基板支持404が、プロセスチャンバ402内に配置されている。基板支持404上には、温度検知試験用基板415が配置される。温度検知試験用基板415は、基板層414と、透明カバー410とで構成される。複数の空洞406,426および436が、透明カバー410内に構成されており、複数の材料408,428および438が、それぞれ、複数の空洞406,426および436内に配置されている。材料408,428および438は、基板層414と接触している。透明層410は、プロセスチャンバ402の内部環境に対して、材料408,428および438を密閉しており、それにより、材料408,428および438が、プロセスチャンバ402の内部環境に汚染物質を導入しないようになっている。1または複数のセンサ412が、材料408,428および438の相変化を検知するために、プロセスチャンバ402内に構成されている。
【0023】
図5は、本発明の一実施形態に従って、温度検知試験用基板415を示す拡大断面図である。温度検知試験用基板415は、基板層414と、透明カバー410とで構成される。透明カバー410は、複数の空洞406,426および436を備えるよう構成される。空洞406,426および436の各々は、複数の408,428および438の内の1つを収容する。材料408,428および438は、基板層414と接触しており、その結果、熱平衡の状態では、各材料408,428および438の温度が、各接触面の領域における基板層414の温度と同じになる。
【0024】
再び図4を参照して、プロセスチャンバ402でプロセスが開始されると、基板支持404は、通例は加熱される。温度検知試験用基板415は、プロセスチャンバ402内で処理されている基板の温度または熱の分布を決定するために用いられてよい。
【0025】
十分な量の熱エネルギが、ヒータから基板支持404に伝導されると、温度検知試験用基板415の基板層414も、伝導および対流によって加熱される。基板層414は、プロセスチャンバ402内で処理されている実際の基板をシミュレートする。したがって、基板層414の温度は、プロセスチャンバ402内で処理されている基板の温度と同じである。基板層414と接触する材料408,428および438は、基板層414と同じ温度を有する。十分な熱エネルギが、材料408,428および438に伝導されると、材料の相変化が始まる。1または複数のセンサ412は、材料408,428および438の相変化を検知する。1または複数のセンサ412は、検知したデータを、データ処理のためにプロセスチャンバシステムの制御部に送信し、処理後のデータを、ユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によってユーザに提示する。ユーザに提示される処理後のデータは、基板層414の温度分布のグラフの形態であってよく、それは、処理される基板の温度分布を表す。
【0026】
図6は、本発明の一実施形態に従って、温度検知要素を示す図である。温度検知要素610は、プロセスチャンバ602内に配置されている。温度検知要素は、材料608を収容するよう構成された透明シェル606を備える。透明シェル606は、材料の特性を損なうことなく、プロセスチャンバ602内の条件(例えば、熱、圧力、RFエネルギ、マイクロ波、反応性プラズマなど)に耐えることのできる耐性を有する材料から形成される。かかる耐性を有する材料の一例として、石英が挙げられる。材料608は、プロセスチャンバ602内の任意の表面と接触しつつ、プロセスチャンバ602内の接触面と透明シェル606との間に密封されるよう構成されている。センサ612が、透明シェル606を通して材料の相変化を検知するために、プロセスチャンバ602内に配置されている。例えば、センサ612は、レーザ分光計であってよい。材料608は、非常に正確な融点(例えば、0.1または0.2℃の範囲内の融点)を有する有機または無機化合物であってよい。これらの有機および無機化合物としては、ナフタレン、サリチル酸、ベンゾフェノン、硝酸コバルト(II)、安息香酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、臭化アンチモン(III)および塩化アンチモン(III)が挙げられる。図および説明の簡単のために、図6では、プロセスチャンバ602に、温度検知要素610およびセンサ612を1つずつ配置した構成を示したが、本発明の範囲内で、任意の数の温度検知要素およびセンサを、プロセスチャンバ602に備えることができる。
【0027】
プロセスチャンバ602内でプロセスが開始されると、チャンバの表面も加熱されてよい。チャンバの表面は、多くの異なる方法で加熱される。チャンバの表面は、循環する流体、ヒータ、または、任意の他の適切な手段によって加熱されてよい。本発明の実施形態は、その場でのプロセス温度を正確に測定するための方法および装置を提供する。
【0028】
プロセスチャンバ602内の表面に接触する材料608は、接触面と同じ温度になる。十分な量の熱エネルギが、接触面から材料608に伝導されると、材料608で相変化が起きる。センサ612は、相変化を検知して、相変化データをプロセスチャンバシステムの制御部に送信する。プロセスチャンバシステムの制御部は、相変化データを処理して、処理後の相変化データをユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によってユーザに提示する。処理後の相変化データは、温度分布グラフの形態であってよい。
【0029】
図7Aは、本発明の一実施形態に従って、別の温度検知要素を示す図である。温度検知要素710は、プロセスチャンバ702内の基板支持704の上に配置されている。基板714も、基板支持704の上に配置される。温度検知要素710は、複数の空洞を有してよい。図7Aに示すように、温度検知要素710の空洞の内の2つには、それぞれ、材料718および728が収容されている。材料718および728は、基板支持704と接触している。センサ712および722は、材料718および728の相変化を検知するよう構成されている。図7Aには、材料718および728の相変化を検知するよう構成されたセンサ712および728が図示されているが、材料718および728の相変化を検知するために、任意の数のセンサを用いてよい。例えば、1つのセンサが、温度検知要素710に収容された任意の数の材料の相変化を検知するよう構成されてもよい。
【0030】
図7Bは、温度検知要素710および基板714を示す上面図である。本発明の一実施形態に従った温度検知要素710は、温度検知と基板処理とを同時に行うことを可能にする。プロセスチャンバ702内でプロセスが開始されると、基板支持704は、通例、基板714の処理を促進するために加熱される。処理に向けて基板714を加熱するために、十分な量の熱エネルギが、ヒータから基板支持704に伝導されると、材料718,728,738および748も加熱される。材料718,728,738および748は、非常に正確な融点(例えば、0.1または0.2℃の範囲)を有するものが選択される。周知のように、材料の相変化に対応する温度は、特定の組成の材料については一定であるため、材料718,728,738および748の相変化を、基板714のプロセス温度を制御および監視するための基準温度として利用することができる。
【0031】
プロセスの結果(例えば、半導体の素子形状の限界寸法)に影響する温度の変動を防ぐよう、プロセス温度(例えば、基板の表面温度)を制御するために、材料718,728,738および748の相変化を検知するよう構成されたセンサ712および722は、相変化データをプロセスチャンバシステムの制御部に送信する。さらに、プロセスチャンバシステムの制御部は、リアルタイムで処理後の相変化データをユーザインターフェース(例えば、スクリーンモニタ)によってユーザに提示できる。処理後の相変化データは、温度分布グラフの形態であってよい。
【0032】
図8は、本発明の一実施形態に従って、その場でのプロセス温度を正確に測定する方法を示すフローチャートである。その方法は、1または複数の温度検知要素をプロセスチャンバ内に配置する動作800から始まる。温度検知要素は、本発明の様々な実施形態に従って上述した温度検知要素のいずれであってもよい。次に、動作802において、プロセスチャンバ内でプロセスが開始される。開始されたプロセスは、最終的に、動作804において、それぞれの温度検知要素内の各材料の相変化を引き起こす。動作806において、プロセスチャンバ内の1または複数のセンサが、それぞれの温度検知要素内の材料の相変化を検出する。プロセスチャンバシステムの制御部は、動作808において、各材料の相変化データを処理する。動作810において、各材料の相変化に対応する温度が決定され、動作812において、それらの温度が記録される。本明細書で挙げた材料のいずれについても、相変化に対応する温度が、十分に立証されていることを理解されたい。例えば、ナフタレンは80.5℃の融点、サリチル酸は135℃の融点、ベンゾフェノンは48.1℃の融点、硝酸コバルト(II)は55℃の融点、安息香酸アルミニウムは198℃の融点、酢酸アルミニウムは114℃の融点、臭化アンチモン(III)は96.6℃の融点、塩化アンチモン(III)は73.4℃の融点を有する。
【0033】
図9Aは、本発明の別の実施形態に従って、温度表示装置を示す図である。図9Aは、空洞906を有する温度表示装置904を示している。空洞906は、少なくとも2つの空間、例えば、第1の空間912と第2の空間914とを有する。この実施形態では、第1の空間912内に、材料908が配置される。カバー910が空洞906を密閉する。カバー910は、透明のカバーであってよく、それにより、上述のように、温度表示装置904を、その場でのプロセス温度を示すために利用できる。本発明の他の実施形態について上述した温度検知要素と同様に、温度表示装置904は、プロセスチャンバ内に配置されてよく、材料908の相変化は、カバー910を通して材料908の相変化を検知するよう構成されたセンサによって検知されてよい。
【0034】
図9Bは、本発明の一実施形態に従って、材料908に位相変化が起きた状態の温度表示装置を示す図である。図9Bに示すように、材料908は、ある相から別の相(例えば、固相から液相、もしくは、液相から固相)に変化すると、第1の空間912から第2の空間914に移動される。温度表示装置904は、空洞906内の材料908の空間的な位置(すなわち、材料が、第1の空間912に収容されているか第2の空間914に収容されているか)を観察することによって、材料908に対応する位相変化温度に達したか否かを示すことができる。したがって、プロセスサイクルの終了後に、温度表示装置904を観察すれば、プロセスレシピが実行された時に、プロセス温度が、ある時点で材料908の相変化に対応する温度に到達したことを確認することができる。本発明の一実施形態では、カバー910は、透明カバーでなくてもよい。例えば、温度表示装置が、空間的な指標として利用される場合には、透明カバーを備える必要がない。
【0035】
本明細書では、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明したが、本発明の趣旨や範囲を逸脱することなく、様々な他の具体的な形態で本発明を実施できることは、当業者にとって明らかである。したがって、上述した例および実施形態は、例示に過ぎず、限定の意図はないため、本発明は、本明細書に記載した詳細事項には限定されず、添付した特許請求の範囲内で変型および実施することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバであって、
前記プロセスチャンバ内に配置され、空洞を有する温度検知要素と、
前記空洞の開口部を覆うよう配置された透明カバーと、
前記温度検知要素の前記空洞内に配置された材料と、
前記透明カバーを通して、前記材料の相変化を検知するよう構成されたセンサと
を備えるプロセスチャンバ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、前記相変化は、固相から液相への変化と、液相から固相への変化とのいずれかを含むプロセスチャンバ。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、前記材料は、有機化合物と無機化合物とのいずれかであるプロセスチャンバ。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセスチャンバであって、
前記有機化合物は、ナフタレン、サリチル酸、および、ベンゾフェノンの中から選択され、
前記無機化合物は、硝酸コバルト(II)、安息香酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、臭化アンチモン(III)、および、塩化アンチモン(III)の中から選択された
プロセスチャンバ。
【請求項5】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、
前記空洞は、少なくとも2つの空間を有し、
前記空洞内の前記材料は、前記材料の前記相変化が起きると、第1の空間から第2の空間に移動される
プロセスチャンバ。
【請求項6】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、前記センサはレーザ分光計であり、前記透明な材料は石英であるプロセスチャンバ。
【請求項7】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、前記温度検知要素は基板支持であるプロセスチャンバ。
【請求項8】
プロセスチャンバであって、
表面の上に配置され、空洞を有し、透明な材料で形成された温度検知要素と、
前記温度検知要素の前記空洞内に配置され、前記表面と接触する材料と、
前記材料の相変化を検知するよう構成されたセンサと
を備えるプロセスチャンバ。
【請求項9】
請求項8に記載のプロセスチャンバであって、前記相変化は、固相から液相への変化と、液相から固相への変化とのいずれかを含むプロセスチャンバ。
【請求項10】
請求項8に記載のプロセスチャンバであって、前記透明な材料は石英であり、前記センサはレーザ分光計であるプロセスチャンバ。
【請求項11】
請求項8に記載のプロセスチャンバであって、前記材料は、有機化合物と無機化合物とのいずれかであるプロセスチャンバ。
【請求項12】
請求項11に記載のプロセスチャンバであって、前記有機化合物は、ナフタレン、サリチル酸、および、ベンゾフェノンの中から選択されるプロセスチャンバ。
【請求項13】
請求項11に記載のプロセスチャンバであって、前記無機化合物は、硝酸コバルト(II)、安息香酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、臭化アンチモン(III)、および、塩化アンチモン(III)の中から選択されるプロセスチャンバ。
【請求項14】
請求項8に記載のプロセスチャンバであって、前記温度検知要素は試験用基板であるプロセスチャンバ。
【請求項15】
請求項8に記載のプロセスチャンバであって、前記温度検知要素は、処理される基板を有する基板支持の上に配置されるプロセスチャンバ。
【請求項16】
プロセスチャンバ内の温度分布を特性化する方法であって、
埋め込まれた材料を有する温度検知要素を前記プロセスチャンバ内に配置する工程と、
前記プロセスチャンバ内でプロセス動作を開始する工程と、
前記埋め込まれた材料の相変化を検出する工程と、
前記相変化に対応する温度を記録する工程と
を備える方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、さらに、
前記プロセスチャンバの内面上に前記温度検知要素を配置する工程を備える方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記温度検知要素は基板支持である方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、前記相変化は、固相から液相への変化と、液相から固相への変化とのいずれかを含む方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であって、さらに、
前記埋め込まれた材料を透明カバーで覆う工程を備える方法。
【請求項1】
プロセスチャンバであって、
前記プロセスチャンバ内に配置され、空洞を有する温度検知要素と、
前記空洞の開口部を覆うよう配置された透明カバーと、
前記温度検知要素の前記空洞内に配置された材料と、
前記透明カバーを通して、前記材料の相変化を検知するよう構成されたセンサと
を備えるプロセスチャンバ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、前記相変化は、固相から液相への変化と、液相から固相への変化とのいずれかを含むプロセスチャンバ。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、前記材料は、有機化合物と無機化合物とのいずれかであるプロセスチャンバ。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセスチャンバであって、
前記有機化合物は、ナフタレン、サリチル酸、および、ベンゾフェノンの中から選択され、
前記無機化合物は、硝酸コバルト(II)、安息香酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、臭化アンチモン(III)、および、塩化アンチモン(III)の中から選択された
プロセスチャンバ。
【請求項5】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、
前記空洞は、少なくとも2つの空間を有し、
前記空洞内の前記材料は、前記材料の前記相変化が起きると、第1の空間から第2の空間に移動される
プロセスチャンバ。
【請求項6】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、前記センサはレーザ分光計であり、前記透明な材料は石英であるプロセスチャンバ。
【請求項7】
請求項1に記載のプロセスチャンバであって、前記温度検知要素は基板支持であるプロセスチャンバ。
【請求項8】
プロセスチャンバであって、
表面の上に配置され、空洞を有し、透明な材料で形成された温度検知要素と、
前記温度検知要素の前記空洞内に配置され、前記表面と接触する材料と、
前記材料の相変化を検知するよう構成されたセンサと
を備えるプロセスチャンバ。
【請求項9】
請求項8に記載のプロセスチャンバであって、前記相変化は、固相から液相への変化と、液相から固相への変化とのいずれかを含むプロセスチャンバ。
【請求項10】
請求項8に記載のプロセスチャンバであって、前記透明な材料は石英であり、前記センサはレーザ分光計であるプロセスチャンバ。
【請求項11】
請求項8に記載のプロセスチャンバであって、前記材料は、有機化合物と無機化合物とのいずれかであるプロセスチャンバ。
【請求項12】
請求項11に記載のプロセスチャンバであって、前記有機化合物は、ナフタレン、サリチル酸、および、ベンゾフェノンの中から選択されるプロセスチャンバ。
【請求項13】
請求項11に記載のプロセスチャンバであって、前記無機化合物は、硝酸コバルト(II)、安息香酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、臭化アンチモン(III)、および、塩化アンチモン(III)の中から選択されるプロセスチャンバ。
【請求項14】
請求項8に記載のプロセスチャンバであって、前記温度検知要素は試験用基板であるプロセスチャンバ。
【請求項15】
請求項8に記載のプロセスチャンバであって、前記温度検知要素は、処理される基板を有する基板支持の上に配置されるプロセスチャンバ。
【請求項16】
プロセスチャンバ内の温度分布を特性化する方法であって、
埋め込まれた材料を有する温度検知要素を前記プロセスチャンバ内に配置する工程と、
前記プロセスチャンバ内でプロセス動作を開始する工程と、
前記埋め込まれた材料の相変化を検出する工程と、
前記相変化に対応する温度を記録する工程と
を備える方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、さらに、
前記プロセスチャンバの内面上に前記温度検知要素を配置する工程を備える方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記温度検知要素は基板支持である方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、前記相変化は、固相から液相への変化と、液相から固相への変化とのいずれかを含む方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であって、さらに、
前記埋め込まれた材料を透明カバーで覆う工程を備える方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2012−94875(P2012−94875A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−251423(P2011−251423)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【分割の表示】特願2008−504129(P2008−504129)の分割
【原出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251423(P2011−251423)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【分割の表示】特願2008−504129(P2008−504129)の分割
【原出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
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