説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】実効的なエピタキシャル成長面積を拡大して、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響を抑えることを可能とする。
【解決手段】第1p型領域p1と、第1n型領域n1と、第2p型領域p2と、第2n型領域n2とが順に接合された第1サイリスタT1と第2サイリスタT2とが素子分離領域14で分離された状態に形成された半導体装置1であって、第1、第2サイリスタT1、T2の第1n型領域n1が素子分離領域14を挟んで設けられ、各第1n型領域n1上に選択エピタキシャル成長により形成される第1、第2サイリスタT1、T2の各第1p型領域p1が、各第1n型領域n1間の素子分離領域14上で連続した状態に形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイリスタを記憶素子に用いた半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サイリスタを用い、サイリスタのターンオン、ターンオフ特性をサイリスタ上に実現したゲート電極により制御し、アクセストランジスタと直列に接続したメモリ(特にSRAM向け)が提案されている(以下、T−RAMと呼ぶ)。これは、サイリスタのオフ領域を「0」、オン領域を「1」としてメモリー動作させるものである。
【0003】
サイリスタは基本的にp型領域p1とn型領域n1とp型領域p2とn型領域n2とを順に接合したもので、例えば、n型シリコンとp型シリコンとが4層に構成されたものである。以下、この基本構造をp1/n1/p2/n2と記す。T−RAM社から、2種類の構造が提案されている。一つは、p1/n1/p2/n2構造をシリコン基板上に縦型に構成したものである。もう一つは、SOI基板を用いて、p1/n1/p2/n2構造をシリコン層に横型に構成したものである。いずれの構成においても、n1/p2/n2のp2上にMOS構造を有するゲート電極を設けることで高速動作を可能にしている(例えば、非特許文献1−3、特許文献1参照)。
【0004】
また、本発明の出願人およびT−RAM社から、選択エピタキシャル成長技術を使う製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
T−RAM社はサイリスタの主要機能部分であるp1/n1/p2/n2構造を形成した後に、選択エピ技術を使い、CMOS製造技術で適用されているエレベーテッドソース/ドレイン(Elevated Source/Drain)と同様な選択エピタキシャル製造技術を用いている。一方、本発明の出願人は、サイリスタの主要機能部分であるp1/n1/p2/n2構造のいずれか、または複数(例えばp1、n2)を選択エピタキシャル成長技術で形成するというものである。
【0006】
デバイスのスケーリングに伴い(特に90nmノード世代以降)、選択エピタキシャル成長を行う活性領域が小さくなってくる。また、例えば図34、図35に示すように、サイリスタの主要機能部分であるp1/n1/p2/n2構造のいずれか、例えば、図34に示すp1領域もしくは図35に示すn2領域を選択エピタキシャル成長で形成する時には、ファセットが発生する(エピタキシャル成長層の側部が傾斜面で形成される)ので、選択エピタキシャル成長膜の形状が四角錘または台形状に成長する。これらのことから、選択エピ成膜された膜の形状は先端部が尖った形状(図示した形状)もしくは、上部の平らな面積部分が非常に小さいものになる。このため、活性領域端部でのエピ膜の実効的な膜厚が薄くなるので、このエピタキシャル成長層に対してシリサイドプロセスを行うと、最悪のケースではシリサイド層がエピタキシャル成長層を突き抜け、シリコン基板に達してショートするという問題が生じる。また、その後の上層配線工程でのコンタクト不良などの問題、選択エピ層の配線コンタクトとシリコン基板距離がばらつくことによる特性ばらつきを引き起こす懸念が生じる。
【0007】
【特許文献1】米国特許第6462359号明細書(B1)
【特許文献2】米国特許第6888176号明細書(B1)
【非特許文献1】Farid Nemati and James D. Plummer著 「A Novel High Density,Low Voltage SRAM Cell with a Vertical NDR Device」 1998 IEEE, VLSI Technology Tech.Dig. p.66 1998年
【非特許文献2】Farid Nemati and James D. Plummer著 「A Novel Thyristor-based SRAM Cell(T-RAM) for High-Speed, Low-Voltage, Giga-scale Memories」 1999 IEEE IEDM Tech., p.283 1999年
【非特許文献3】Farid Nemati, Hyun-Jin Cho, Scott Robins, Rajesh Gupta, Marc Tarabbia, Kevin J. Yang, Dennis Hayes, Vasudevan Gopalakrishnan著 「Fully Planar 0.562μm2 T-RAM Cell in a 130nm SOI CMOS Logic Technology for High-Density High-Performance SRAMs」 2004 IEEE IEDM Tech., p.273 2004年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、サイリスタの構成要素を選択エピタキシャル成長技術で形成した場合、ファセットが発生してエピタキシャル成長層の形状が四角錘または台形状に成長するため、このエピタキシャル成長層にシリサイドプロセスを施した場合、シリサイド反応により形成されるシリサイド層がエピタキシャル成長層を突き抜けるのを防止することが困難な点である。また、その後の上層配線工程でのコンタクト不良などの問題、選択エピ層の配線コンタクトとシリコン基板距離がばらつくことによる特性ばらつきを引き起こす可能性がある点である。
【0009】
本発明は、実効的なエピタキシャル成長面積を拡大して、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響を抑える。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1半導体装置は、第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合された第1サイリスタと第2サイリスタとが素子分離領域で分離された状態に形成された半導体装置であって、前記第1サイリスタの第2領域と前記第2サイリスタの第2領域が前記素子分離領域を挟んで設けられ、前記第1サイリスタの第2領域上に選択エピタキシャル成長により形成される前記第1サイリスタの第1領域と、前記第2サイリスタの第2領域上に選択エピタキシャル成長により形成される前記第2サイリスタの第1領域とが、前記第1サイリスタの第2領域と前記第2サイリスタの第2領域との間の前記素子分離領域上で連続した状態に形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の第1半導体装置では、選択エピタキシャル成長が横方向に成長することを利用して、素子分離領域を介して分離された第1サイリスタの第2領域と第2サイリスタの第2領域とからエピタキシャル成長させることで、実効的に選択エピタキシャル成長の成長を始める領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第2領域より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成されている。
【0012】
本発明の第2半導体装置は、第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合された第1サイリスタと第2サイリスタとが素子分離領域で分離された状態に形成された半導体装置であって、前記第1サイリスタの第2領域と前記第2サイリスタの第2領域が前記素子分離領域を挟んで設けられ、前記第1サイリスタが前記第1サイリスタと前記第2サイリスタとの配設方向に直交する方向に素子分離領域を介して複数配列され、
前記第2サイリスタが前記第1サイリスタと前記第2サイリスタとの配設方向に直交する方向に素子分離領域を介して複数配列されていて、前記各第1サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極が前記各第1サイリスタの配設方向に配設された共通の第1ゲート配線で形成され、前記各第2サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極が前記各第2サイリスタの配設方向に配設された共通の第2ゲート配線で形成され、前記各第1サイリスタの第1領域が前記各第1サイリスタの第2領域上およびその間の素子分離領域上に、かつ前記第1ゲート配線にそって連続的に形成され、前記各第2サイリスタの第1領域が前記各第2サイリスタの第2領域上およびその間の素子分離領域上に、かつ前記第2ゲート配線にそって連続的に形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の第2半導体装置では、選択エピタキシャル成長が横方向に成長することを利用して、素子分離領域を介して分離された第1サイリスタの第2領域同士、および第2サイリスタの第2領域同士からエピタキシャル成長させることで、実効的に選択エピタキシャル成長の成長を始める領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第2領域より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成されている。
【0014】
本発明の第3半導体装置は、第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合されたサイリスタとMIS型トランジスタとが素子分離領域で分離された状態に形成された半導体装置であって、前記第2領域と前記MIS型トランジスタの一方のソース・ドレイン領域が前記素子分離領域を挟んで設けられ、前記第2領域上に選択エピタキシャル成長により形成される前記第1領域と、前記一方のソース・ドレイン領域上に選択エピタキシャル成長により形成される積み上げソース・ドレイン領域とが、前記第2領域と前記一方のソース・ドレイン領域との間の前記素子分離領域上で連続した状態に形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の第3半導体装置では、選択エピタキシャル成長が横方向に成長することを利用して、素子分離領域を介して分離されたサイリスタの第2領域とMIS型トランジスタの一方のソース・ドレイン領域とからエピタキシャル成長させることで、実効的に選択エピタキシャル成長の成長を始める領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第2領域より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成されている。
【0016】
本発明の半導体装置の第1製造方法は、半導体基板に、第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合された第1サイリスタと第2サイリスタとが素子分離領域で分離された状態に形成される半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板に前記素子分離領域を挟んで前記第1サイリスタの第2領域と前記第2サイリスタの第2領域とを形成した後、選択エピタキシャル成長により、前記第1サイリスタの第2領域よりエピタキシャル成長させて前記第1サイリスタの第1領域を形成すると同時に、前記第2サイリスタの第2領域よりエピタキシャル成長させて前記第2サイリスタの第1領域を形成し、前記素子分離領域上で前記第1サイリスタの第1領域と前記第2サイリスタの第1領域とを接合させた状態に形成することを特徴とする。
【0017】
本発明の半導体装置の第1製造方法では、選択エピタキシャル成長が横方向に成長することを利用して、素子分離領域を介して分離された第1サイリスタの第2領域と第2サイリスタの第2領域とからエピタキシャル成長させることで、実効的に選択エピタキシャル成長の成長をはじめる領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第2領域より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成されるようになる。
【0018】
本発明の半導体装置の第2製造方法は、第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合された第1サイリスタと第2サイリスタとが素子分離領域で分離された状態に形成され、前記第1サイリスタの第2領域と前記第2サイリスタの第2領域が前記素子分離領域を挟んで設けられ、前記第1サイリスタが前記第1サイリスタと前記第2サイリスタとの配設方向に直交する方向に素子分離領域を介して複数配列され、前記第2サイリスタが前記第1サイリスタと前記第2サイリスタとの配設方向に直交する方向に素子分離領域を介して複数配列されていて、前記各第1サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極が前記各第1サイリスタの配設方向に配設された共通の第1ゲート配線で形成され、前記各第2サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極が前記各第2サイリスタの配設方向に配設された共通の第2ゲート配線で形成された半導体装置の製造方法であって、前記各第1サイリスタの第1領域を、前記各第1サイリスタの第2領域上およびその間の素子分離領域上に、かつ前記第1ゲート配線にそって連続的に形成し、前記各第2サイリスタの第1領域を、前記各第2サイリスタの第2領域上およびその間の素子分離領域上に、かつ前記第2ゲート配線にそって連続的に形成することを特徴とする。
【0019】
本発明の半導体装置の第2製造方法では、選択エピタキシャル成長が横方向に成長することを利用して、素子分離領域を介して分離された第1サイリスタの第2領域同士、および第2サイリスタの第2領域同士からエピタキシャル成長させることで、実効的に選択エピタキシャル成長の成長を始める領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第2領域より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成されるようになる。
【0020】
本発明の半導体装置の第3製造方法は、第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合されたサイリスタとMIS型トランジスタとが素子分離領域で分離された状態に形成される半導体装置の製造方法であって、前記半導体基板に前記素子分離領域を挟んで前記第2領域と前記MIS型トランジスタのソース・ドレイン領域とを形成した後、選択エピタキシャル成長により、前記第2領域よりエピタキシャル成長させて前記第1領域を形成すると同時に、前記第2領域に素子分離領域を挟んで形成された方の前記ソース・ドレイン領域よりエピタキシャル成長させて積み上げソース・ドレイン領域を形成し、前記素子分離領域上で前記第1領域と前記積み上げソース・ドレイン領域とを接合させた状態に形成することを特徴とする。
【0021】
本発明の半導体装置の第3製造方法では、選択エピタキシャル成長が横方向に成長することを利用して、素子分離領域を介して分離された第2領域とMIS型トランジスタの一方のソース・ドレイン領域とからエピタキシャル成長させることで、実効的に選択エピタキシャル成長の成長をはじめる領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第2領域より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成されるようになる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の第1半導体装置および第2半導体装置は、実効的に選択エピタキシャル成長の成長をはじめる領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第2領域より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成されている。これによって、サリサイドプロセスマージンの拡大、コンタクト形成のプロセスマージンの拡大が図れ、安定したばらつきの少ないデバイスの作製が行えるという利点がある。
【0023】
本発明の半導体装置の第1製造方法および第2製造方法は、実効的に選択エピタキシャル成長の成長をはじめる領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第2領域より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成されるようにできる。これによって、サリサイドプロセスマージンの拡大、コンタクト形成のプロセスマージンの拡大が図れ、安定したばらつきの少ないデバイスの作製が行えるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の半導体装置に係る一実施の形態(第1実施例)を、図1の概略構成断面図によって説明する。
【0025】
図1に示すように、半導体基板11に、第1サイリスタT1を形成する素子形成領域12と第2サイリスタT2を形成する素子形成領域13を分離する素子分離領域14が形成されている。この半導体基板11には例えばシリコン基板を用いる。そして上記素子分離領域14は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)、STI(Shallow Trench Isolation)、DTI(Deep Trench Isolation)などの技術により形成されたものである。上記素子形成領域12の下部には、例えばnウエル領域18が形成されている。さらに、半導体基板11の素子形成領域12、13の上部に第1伝導型(p型)の領域が形成されている。このp型領域がサイリスタの第2p型領域p2(第3領域)になっている。この第2p型領域p2(第3領域)はホウ素(B)をドーピングして形成され、その濃度は、例えば1×1018cm-3であり、1×1017cm-3から1×1019cm-3程度が望ましい。基本的には、後に形成される第2伝導型(n型)の第1n型領域のドーパント濃度より低いことが必要である。また、上記p型ドーパントは、ホウ素(B)の他にインジウム(In)等のp型ドーパントを用いることができる。インジウムを用いたときの濃度はホウ素を用いたときと同等である。
【0026】
上記半導体基板11上には、ゲート絶縁膜21が形成されている。このゲート絶縁膜21は、例えば酸化シリコン(SiO2)膜で形成され、1nm〜10nm程度の厚さに成膜されている。なお、上記ゲート絶縁膜21は、酸化シリコン(SiO2)に限らず、窒化酸化シリコン(SiON)はもちろんのこと、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化酸化ハフニウム(HfON)、酸化アルミニウム(Al23)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、酸化ランタン(La23)など通常のCMOSにおいて検討されているゲート絶縁膜材料を用いることもできる。
【0027】
上記素子形成領域12に形成された上記ゲート絶縁膜21上には、第1ゲート電極22Aが形成されていて、上記素子形成領域13に形成された上記ゲート絶縁膜21上には、第2ゲート電極22Bが形成されえている。上記第1、第2ゲート電極22A、22Bは、通常多結晶シリコンで形成されている。または金属ゲート電極とすることもでき、またシリコンゲルマニウム(SiGe)などで形成することもできる。
【0028】
また、上記第1、第2ゲート電極22A、22B上にハードマスクとして、酸化シリコン(SiO2)膜または窒化シリコン(Si34)膜等が形成されていてもよい。
【0029】
各第1、第2ゲート電極22A、22Bの側壁には、サイドウォール24、25が形成されている。上記サイドウォール24、25は、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(Si34)のどちらで形成してもよく、またそれらの積層膜で形成してもよい。
【0030】
上記各第1、第2ゲート電極22A、22B間の半導体基板11中には、n型のドーパントが導入されてなる第1n型領域n1(第2領域)が形成されている。この第1n型領域n1は、濃度は例えば1.5×1019cm-3となっている。この濃度は、1×1018cm-3から1×1020cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要である。また、リンの代わりにヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いることもできる。ヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いたときの濃度はリンを用いたときと同等である。
【0031】
各第1、第2ゲート電極22A、22Bの他方側の半導体基板11中には、n型のドーパントを導入してなる第2n型領域n2(第4領域)が形成されている。この第2n型領域n2は、例えばドーパントにリン(P)が用いられており、濃度は例えば5×1020cm-3になるように設定されている。この濃度は、1×1019cm-3から1×1020cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要であり、またカソード電極として動作することが重要である。また、リンの代わりにヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いることもできる。ヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いたときの濃度はリンを用いたときと同等である。
【0032】
各第1n型領域n1上およびその間の上記素子分離領域14上に、第1伝導型(p型)の第1p型領域p1(第1領域)が形成されている。この第1p型領域p1は、例えば選択エピタキシャル成長により形成され、膜中のホウ素(B)濃度が1×1020cm-3となっている。上記ドーパント(ホウ素)濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましい。また上記膜厚は50nm〜300nm程度が望ましいが、第1p型領域p1がアノード電極として機能を果たせる範囲であればよい。
【0033】
したがって、半導体装置1は、第1伝導型(例えばp型)の第1p型領域p1(第1領域)、第1伝導型とは逆伝導型の第2伝導型(例えばn型)の第1n型領域n1(第2領域)、第1伝導型(p型)の第2p型領域p2(第3領域)、第2伝導型(n型)の第2n型領域n2(第4領域)を順に接合した第1サイリスタT1と第2サイリスタT2とを有し、各第1、第2サイリスタT1、T2の各第1n型領域n1が素子分離領域14を挟んで対向するように形成されたもので、各第1p型領域p1が素子形成領域12、13(各第1n型領域n1)から選択エピタキシャル成長により、素子分離領域14上で接合するように形成されていることを特徴とする。
【0034】
上記半導体装置1では、選択エピタキシャル成長が横方向に成長することを利用して、素子分離領域14を介して分離された第1サイリスタT1の第1n型領域n1と第2サイリスタT2の第1n型領域n1とから第1p型領域p1をエピタキシャル成長させることで、実効的に選択エピタキシャル成長の成長を始める領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第1n型領域n1より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成されている。さらに、エピタキシャル成長層である第1p型領域p1の側壁がサイドウォール24、25で抑えられることによって、また、第1サイリスタT1の第1n型領域n1と第2サイリスタT2の第1n型領域n1とからエピタキシャル成長させた各第1p型領域p1同士が素子分離領域14上で接合し合うことによっても、第1p型領域p1の上面が平面状に形成され易くなる。このため、サリサイドプロセスマージンの拡大、コンタクト形成のプロセスマージンの拡大が図れ、安定したばらつきの少ないデバイスの作製が行えるという利点がある。
【0035】
次に、本発明の半導体装置の製造方法に係る一実施の形態(第1実施例)を、図2〜図6の製造工程断面図によって説明する。図2〜図6では、一例として、素子分離領域を挟んで二つのサイリスタを形成する製造方法を示す。この製造方法は、例えばサイリスタRAMの製造方法に適用できる。
【0036】
図2に示すように、半導体基板11を用意する。この半導体基板11には例えばシリコン基板を用いる。そして上記半導体基板11に素子形成領域12、13を分離する素子分離領域14を形成する。この素子分離領域14は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)、STI(Shallow Trench Isolation)、DTI(Deep Trench Isolation)などの技術により形成される。上記素子形成領域12の下部には、例えばnウエル領域18が形成されている。その後、半導体基板11の素子形成領域12、13の上部を第1伝導型(p型)の領域に形成する。このp型領域がサイリスタの第2p型領域p2(第3領域)になる。このイオン注入条件の一例としては、ドーパントにp型ドーパントであるホウ素(B)を用い、濃度は、例えば1×1018cm-3であり、1×1017cm-3から1×1019cm-3程度が望ましい。基本的には、後に形成される第2伝導型(n型)の第1n型領域のドーパント濃度より低いことが必要である。また、上記p型ドーパントは、ホウ素(B)の他にインジウム(In)等のp型ドーパントを用いることができる。インジウムを用いたときの濃度はホウ素を用いたときと同等である。
【0037】
次に、図3に示すように、上記半導体基板11上にゲート絶縁膜21を形成する。このゲート絶縁膜21は、例えば酸化シリコン(SiO2)膜で形成され、1nm〜10nm程度の厚さに成膜される。なお、上記ゲート絶縁膜21は、酸化シリコン(SiO2)に限らず、窒化酸化シリコン(SiON)はもちろんのこと、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化酸化ハフニウム(HfON)、酸化アルミニウム(Al23)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、酸化ランタン(La23)など通常のCMOSにおいて検討されているゲート絶縁膜材料を用いることもできる。
【0038】
次に、上記素子形成領域12に形成された上記ゲート絶縁膜21上に第1ゲート電極22Aを、上記素子形成領域13に形成された上記ゲート絶縁膜21上に第2ゲート電極22Bを形成する。上記第1、第2ゲート電極22A、22Bは、通常多結晶シリコンで形成されている。または金属ゲート電極とすることもでき、またシリコンゲルマニウム(SiGe)などで形成することもできる。
【0039】
各第1、第2ゲート電極22A、22Bは、例えば、上記ゲート絶縁膜21上にゲート電極形成膜を成膜した後、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術によるエッチングマスクの形成、そのエッチングマスクを用いたエッチング技術により、上記ゲート電極形成膜をエッチング加工されて形成される。このエッチング技術には、通常のドライエッチング技術を用いることができる。もしくはウエットエッチングにより形成することも可能である。また、ゲート電極形成膜上にハードマスクとして、酸化シリコン(SiO2)膜または窒化シリコン(Si34)膜等を形成してもよい。
【0040】
次に、図4に示すように、各第1、第2ゲート電極22A、22Bの側壁にサイドウォール24、25を形成する。例えば、第1、第2ゲート電極22A、22Bを被覆するようにサイドウォール形成膜を成膜した後、このサイドウォール形成膜をエッチバックすることで、各第1、第2ゲート電極22A、22Bの側壁に上記サイドウォール24、25を形成することができる。上記サイドウォール24、25は、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(Si34)のどちらで形成してもよく、またそれらの積層膜で形成してもよい。
【0041】
次に、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、上記第1、第2ゲート電極22A、22B間の素子形成領域12、13上を開口したイオン注入マスク(図示せず)を形成する。次いで、上記イオン注入マスクを用いたイオン注入技術により、上記各第1、第2ゲート電極22A、22B間の半導体基板11中にn型のドーパントを導入して、各素子形成領域12、13に第1n型領域n1(第2領域)を形成する。このイオン注入条件は、例えばドーパントにリン(P)を用い、濃度は例えば1.5×1019cm-3になるように設定する。この濃度は、1×1018cm-3から1×1020cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要である。また、リンの代わりにヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いることもできる。ヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いたときの濃度はリンを用いたときと同等である。その後、上記イオン注入マスクを除去する。
【0042】
続いて、活性化のアニールとして例えば加熱して1050℃に達した後、直ぐに冷却工程に入るスパイクアニールを行う。このときの条件はドーパントの活性化が行える範囲でよい。
【0043】
また、上記サイドウォール24、25の形成は第1n型領域n1を形成するイオン注入後に行ってもよい。
【0044】
次に、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、各第1、第2ゲート電極22A、22Bの他方側、すなわち第2n型領域が形成される領域上を開口したイオン注入マスク(図示せず)を形成する。次いで、このイオン注入マスクを用いたイオン注入技術により、各第1、第2ゲート電極22A、22Bの他方側の半導体基板11中にn型のドーパントを導入して、第2n型領域n2(第4領域)を形成する。このイオン注入条件は、例えばドーパントにリン(P)を用い、濃度は例えば5×1020cm-3になるように設定する。この濃度は、1×1019cm-3から1×1020cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要であり、またカソード電極として動作することが重要である。また、リンの代わりにヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いることもできる。ヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いたときの濃度はリンを用いたときと同等である。その後、上記イオン注入マスクを除去する。
【0045】
続いて、活性化のアニールとして例えば加熱して1050℃に達した後、直ぐに冷却工程に入るスパイクアニールを行う。このときの条件はドーパントの活性化が行える範囲でよい。
【0046】
また、第1n型領域n1、第2n型領域n2の形成順序は上記手順と異なっていても差し支えない。先に第2n型領域n2を形成し、後に第1n型領域n1を形成してもよい。上記アニールも第1n型領域n1、第2n型領域n2ともに形成後1回で行ってもよいし、選択トランジスタのソース/ドレイン活性化アニールなどの工程とかねても良い。
【0047】
次に、図5に示すように、各第1、第2ゲート電極22A、22B、サイドウォール24、25等を被覆する絶縁膜41を形成する。この絶縁膜41は、後の工程で行う選択エピタキシャル成長のマスクとなるもので、例えば窒化シリコン膜で形成され、例えば20nmの厚さに形成される。次いで、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、各第1、第2ゲート電極22A、22B間の素子形成領域12、13およびその間の素子分離領域14上を開口したエッチングマスク(図示せず)を形成する。その後、このエッチングマスクを用いたエッチング加工により、各第1n型領域n1上およびその間の素子分離領域14上の上記絶縁膜41に開口部42を形成する。このエッチング加工により、選択エピタキシャル成長部分のみ半導体基板11(第1n型領域n1)面を露出させることができる。ここでは一例として、上記絶縁膜41に窒化シリコン膜を用いたが、これはエピタキシャル成長時に選択性を取るためであるので、選択性が維持できればその他の種類の絶縁膜を用いることができる。その後、上記エッチングマスクを除去する。さらには、この工程はサイドウォール24、25の形成と同時に行ってもよい。また、膜厚は次に成長させる第1p型領域p1のエピ膜より薄い膜厚に設定する。
【0048】
また、この半導体基板11(第1n型領域n1)面を露出させる工程において、上記開口部42の形状については、後に詳述する。
【0049】
次に、図6に示すように、各第1n型領域n1上の上記開口部42に第1伝導型(p型)の第1p型領域p1(第1領域)を形成する。この第1p型領域p1は、例えば選択エピタキシャル成長により形成され、膜中のホウ素(B)濃度が1×1020cm-3となるようにした。このときの選択エピタキシャル成長条件は、例えばシラン系ガスとともにドーパントの原料ガスにジボラン(B26)ガスを用い、成膜時の基板温度を例えば750℃に設定するとともに、原料ガスの供給量、成膜雰囲気の圧力等を調整して、膜厚は例えば200nmとした。上記ドーパント(ホウ素)濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましい。また上記膜厚は50nm〜300nm程度が望ましいが、第1p型領域p1がアノード電極として機能を果たせる範囲であればよい。ここで、上記第1p型領域p1は、各第1n型領域n1よりエピタキシャル成長し始め、素子分離領域14上で接合し、さらに成長される。また、このとき必要に応じて、半導体基板11表面をHFなどの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。
【0050】
上記第1実施例では、第2n型領域n2をイオン注入法で形成したが、選択エピタキシャル法で行ってもよい。その場合は、上記に続いて、再び窒化シリコン膜を例えば20nm堆積し、その後に、第2n型領域n2となる領域をレジストでパターニングして開口し、その後、窒化シリコン膜をエッチングする。
【0051】
ここでは一例として、窒化シリコン膜を用いたが、これはエピタキシャル成長時に選択性をとるためであるので、選択性が維持できればその他の膜種、膜厚でもよい。
【0052】
次に、第2n型領域n2を選択エピタキシャル成長により成膜する。このときの条件は、例えばシラン系ガスとともにドーパントの原料ガスにアルシン(AsH3)ガスを用い、成膜時の基板温度を例えば750℃に設定するとともに、原料ガスの供給量、成膜雰囲気の圧力等を調整して、膜厚は例えば200nmとした。上記ドーパント(ヒ素)濃度は、例えば1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましく、ここでは、一例として1×1020cm-3とした。また膜厚は50nmから300nm程度が望ましいが、第2n型領域n2がカソード電極として機能を果たせる範囲であればよい。勿論使用するガスはホスフィン(PH3)や有機ソースなど、n型不純物がドーピングされるものであればよい。
【0053】
また、上記実施例では、第1p型領域p1、第2n型領域n2の順で作製したが、第2n型領域n2、第1p型領域p1の順に形成してもよい。また、このとき必要に応じて、シリコン(Si)基板表面をフッ酸(HF)などの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。また、必要に応じて第1p型領域p1または第2n型領域n2を成膜した後、いずれかまたは両方において活性化アニールを行ってもよい。活性化のアニールとして例えば加熱を1050℃まで行った後、直ぐに冷却工程に入るスパイクアニールを行う。このときのアニール条件は上記ドーパントの活性化が行える範囲でよい。
【0054】
次に、図示はしないが、各第1、第2ゲート電極22A、22B、各第1p型領域p1と第2n型領域n2を露出させるため、各領域上の上記絶縁膜41(前記図6参照)を除去する。そして、層間絶縁膜(図示せず)を形成する前に、各露出された第1p型領域p1、第2n型領域n2、第1、第2ゲート電極22A、22B上に、サリサイド工程によってシリサイド層を、例えばチタンシリサイド、コバルトシリサイドもしくはニッケルシリサイドで形成する。その後、層間絶縁膜を形成し、通常のCMOS工程と同様の配線工程を行う。
【0055】
上記製造方法によって形成される本発明の半導体装置1は、第1伝導型(例えばp型)の第1p型領域p1(第1領域)、第1伝導型とは逆伝導型の第2伝導型(例えばn型)の第1n型領域n1(第2領域)、第1伝導型(p型)の第2p型領域p2(第3領域)、第2伝導型(n型)の第2n型領域n2(第4領域)を順に接合した第1サイリスタT1と第2サイリスタT2とを有し、各第1、第2サイリスタT1、T2の各第1n型領域n1が素子分離領域14を挟んで対向するように形成されたもので、各第1p型領域p1が絶縁膜41に形成された開口部42内の素子形成領域12、13(各第1n型領域n1)から選択エピタキシャル成長により、素子分離領域14上で接合するように形成されていることを特徴とする。
【0056】
上記半導体装置1の製造方法では、選択エピタキシャル成長が横方向に成長することを利用して、素子分離領域14を介して分離された第1サイリスタT1の第1n型領域n1と第2サイリスタT2の第1n型領域n1とから第1p型領域p1をエピタキシャル成長させることで、実効的に選択エピタキシャル成長の成長を始める領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第1n型領域n1より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成される。さらに、エピタキシャル成長層である第1p型領域p1の側壁がサイドウォール24、25で抑えられることによって、また、第1サイリスタT1の第1n型領域n1と第2サイリスタT2の第1n型領域n1とからエピタキシャル成長させた各第1p型領域p1同士が素子分離領域14上で接合し合うことによっても、第1p型領域p1の上面が平面状に形成され易くなる。このため、サリサイドプロセスマージンの拡大、コンタクト形成のプロセスマージンの拡大が図れ、安定したばらつきの少ないデバイスの作製が行えるという利点がある。
【0057】
次に、上記半導体基板11(第1n型領域n1)面を露出させる工程において、上記開口部42およびアノード電極となる第1p型領域p1(第1領域)の形状の一例について説明する。
【0058】
図7に示すように、第1サイリスタT1および第2サイリスタT2を、素子分離領域14を挟んで第1サイリスタT1の第1n型領域n1(第2領域)と第2サイリスタT2の第1n型領域n1とが対抗するように配置し、第1サイリスタT1の第2p型領域p2(第3領域)上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して第1ゲート電極22Aが形成され、第2サイリスタT2の第2p型領域p2上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して第2ゲート電極22Bが形成されている。このような第1サイリスタT1および第2サイリスタT2が、第1ゲート電極22Aおよび第2ゲート電極22Bの配設方向に複数配置され、各第1サイリスタT1の第1ゲート電極22Aが一本の第1サイリスタワード線TW1で形成され、各第2サイリスタT2の第2ゲート電極22Bが一本の第2サイリスタワード線TW2で形成されている。
【0059】
そして、第1n型領域n1上およびその間の素子分離領域14上を含む第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2との間に、上記絶縁膜41の開口部42が形成されている。そして、上記開口部42内の各第1n型領域n1上より選択的にエピタキシャル成長されて、第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2との間に上記第1p型領域p1(第1領域)が形成されている。
【0060】
上記構成の半導体装置1(1A)における配線の一例を図8の平面レイアウト図および図9の回路図によって説明する。
【0061】
図8および図9に示すように、半導体装置1(1A)は、一例として、一方向(例えばX方向)に、第2選択トランジスタTr2、第1選択トランジスタTr1、第1サイリスタT1、第2サイリスタT2の順に繰り返し配置されている。なお、上記繰り返し配置方向において、選択トランジスタとサイリスタ間およびサイリスタ間には素子分離領域14が形成されている。一方、上記一方向とは直交する方向(例えばY方向)には、第2選択トランジスタTr2、第1選択トランジスタTr1、第1サイリスタT1、第2サイリスタT2がそれぞれ、素子分離領域14を介して繰り返し配置されている。そして、各第1サイリスタT1の第1サイリスタワード線TW1と各第2サイリスタT2の第2サイリスタワード線TW2とがY方向に配設され、各第1選択トランジスタTr1の第1ワード線W1と各第2選択トランジスタTr2の第2ワード線W2とがY方向に配設されている。
【0062】
上記第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2との間の各第1n型領域n1(第2領域)上より選択的にエピタキシャル成長された上記第1p型領域p1(第1領域)がアノード電極となり、それにアノードコンタクト64を介してアノード線Aが、上記第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2と並行する方向に接続されている。また、各第1選択トランジスタTr1(および第2選択トランジスタTr2)のサイリスタ側のソース・ドレイン51とサイリスタの第2n型領域n2(第4領域)とはそれぞれブリッジコンタクト61、62を介して配線(図示せず)により接続されている。さらに最上層には、上記第2選択トランジスタTr2と第1選択トランジスタTr1との間のソース・ドレイン領域52にビットコンタクト63を介して接続されたビット線Bが、上記第1、第2ワード線W1、W2と直交する方向に配設されている。
【0063】
そして、上記構成では、1つの選択トランジスタと一つのサイリスタとで一つのメモリ素子が構成されている。例えば、2点鎖線で囲む第1サイリスタT1と第1選択トランジスタTr1と(または第2サイリスタT2と第2選択トランジスタTr2)でメモリ素子M1(またはM2)が構成されている。
【0064】
次に、上記半導体基板11(第1n型領域n1)面を露出させる工程において、上記開口部42の形状の一例について説明する。
【0065】
図10に示すように、第1サイリスタT1および第2サイリスタT2を、素子分離領域14を挟んで第1サイリスタT1の第1n型領域n1(第2領域)と第2サイリスタT2の第1n型領域n1とが対抗するように配置し、第1サイリスタT1の第2p型領域p2(第3領域)上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して第1ゲート電極22Aが形成され、第2サイリスタT1の第2p型領域p2上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して第2ゲート電極22Bが形成されている。このような第1サイリスタT1および第2サイリスタT2が、第1ゲート電極22Aおよび第2ゲート電極22Bの配設方向に複数配置され、各第1サイリスタT1の第1ゲート電極22Aが一本の第1サイリスタワード線TW1で形成され、各第2サイリスタT2の第2ゲート電極22Bが一本の第2サイリスタワード線TW2で形成されている。
【0066】
そして、第1サイリスタT1の第1n型領域n1上と素子分離領域14を介してそれに隣接する第2サイリスタT1の第1n型領域n1上およびその素子分離領域14上に、上記絶縁膜41の開口部42が形成されている。したがって、第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2とに対して直交する方向で各第1n型領域n1上に、上記開口部42が形成されている。そして、上記開口部42内の各第1n型領域n1上より選択的にエピタキシャル成長されて、第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2との間に、第1サイリスタT1と第2サイリスタT2とで共通に用いられる上記第1p型領域p1(第1領域)が形成されている。この構成では、各第1n型領域n1上方の第1p型領域p1にアノードコンタクト64が設けられている。
【0067】
次に、上記構成の半導体装置1(1B)における配線の一例を図11の平面レイアウト図および図12の回路図によって説明する。
【0068】
図11および図12に示すように、半導体装置1(1B)は、一例として、一方向(例えばX方向)に、第2選択トランジスタTr2、第1選択トランジスタTr1、第1サイリスタT1、第2サイリスタT2の順に繰り返し配置されている。なお、上記繰り返し配置方向において、選択トランジスタとサイリスタ間およびサイリスタ間には素子分離領域14が形成されている。一方、上記一方向とは直交する方向(例えばY方向)には、第2選択トランジスタTr2、第1選択トランジスタTr1、第1サイリスタT1、第2サイリスタT2がそれぞれ、素子分離領域14を介して繰り返し配置されている。そして、各第1サイリスタT1の第1サイリスタワード線22Aと各第2サイリスタT2の第2サイリスタワード線22BとがY方向に配置され、各第1選択トランジスタTr1の第1ワード線W1と各第2選択トランジスタTr2の第2ワード線W2とがY方向に配置されている。
【0069】
上記第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2との間の各第1n型領域n1(第2領域)上より選択的にエピタキシャル成長された上記各第1p型領域p1(第1領域)がアノード電極となり、各アノード電極にアノードコンタクト64を介して接続するアノード線Aが上記第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2と直交する方向に配設されている。また、各第1選択トランジスタTr1(および第2選択トランジスタTr2)のサイリスタ側のソース・ドレイン51とサイリスタの第2n型領域n2(第4領域)とはそれぞれブリッジコンタクト61、62を介して配線(図示せず)により接続されている。さらに最上層には、上記第2選択トランジスタTr2と第1選択トランジスタTr1との間のソース・ドレイン領域52にビットコンタクト63を介して接続されたビット線Bが、上記第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2とに並行する方向に配設されている。
【0070】
そして、上記構成では、1つの選択トランジスタと一つのサイリスタとで一つのメモリ素子が構成されている。例えば、2点鎖線で囲む第1サイリスタT1と第1選択トランジスタTr1とでメモリ素子M1が構成されている。
【0071】
上記半導体装置1A、1Bでは、前記図1によって説明した作用効果が得られるとともに、半導体装置1Aでは、第1p型領域p1を広くとれるので、アノードコンタクト64が取りやすいという利点がある。また半導体装置1Bでは、ここのメモリセルにアノード線Aを接続することができるので、個々のメモリセルごとに制御することができる。
【0072】
次に、本発明の半導体装置に係る一実施の形態(第2〜第4実施例)を、図13〜図15の概略構成断面図によって説明する。
【0073】
第2実施例は、図13に示すように、半導体基板11に、第1サイリスタT1を形成する素子形成領域12と第2サイリスタT2を形成する素子形成領域13を分離する素子分離領域14が形成されている。この半導体基板11には例えばシリコン基板を用いる。そして上記素子分離領域14は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)、STI(Shallow Trench Isolation)、DTI(Deep Trench Isolation)などの技術により形成されたものである。上記素子形成領域12の下部には、例えばnウエル領域18が形成されている。さらに、半導体基板11の素子形成領域12、13の上部に第1伝導型(p型)の領域が形成されている。このp型領域がサイリスタの第2p型領域p2(第3領域)になっている。この第2p型領域p2(第3領域)はホウ素(B)をドーピングして形成され、その濃度は、例えば1×1018cm-3であり、1×1017cm-3から1×1019cm-3程度が望ましい。基本的には、後に形成される第2伝導型(n型)の第1n型領域のドーパント濃度より低いことが必要である。また、上記p型ドーパントは、ホウ素(B)の他にインジウム(In)等のp型ドーパントを用いることができる。インジウムを用いたときの濃度はホウ素を用いたときと同等である。
【0074】
上記半導体基板11上には、ゲート絶縁膜21が形成されている。このゲート絶縁膜21は、例えば酸化シリコン(SiO2)膜で形成され、1nm〜10nm程度の厚さに成膜されている。なお、上記ゲート絶縁膜21は、酸化シリコン(SiO2)に限らず、窒化酸化シリコン(SiON)はもちろんのこと、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化酸化ハフニウム(HfON)、酸化アルミニウム(Al23)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、酸化ランタン(La23)など通常のCMOSにおいて検討されているゲート絶縁膜材料を用いることもできる。
【0075】
上記素子形成領域12に形成された上記ゲート絶縁膜21上には、第1ゲート電極22Aが形成されていて、上記素子形成領域13に形成された上記ゲート絶縁膜21上には、第2ゲート電極22Bが形成されえている。上記第1、第2ゲート電極22A、22Bは、通常多結晶シリコンで形成されている。または金属ゲート電極とすることもでき、またシリコンゲルマニウム(SiGe)などで形成することもできる。
【0076】
また、上記第1、第2ゲート電極22A、22B上にハードマスクとして、酸化シリコン(SiO2)膜または窒化シリコン(Si34)膜等が形成されていてもよい。
【0077】
各第1、第2ゲート電極22A、22Bの側壁には、サイドウォール24、25が形成されている。上記サイドウォール24、25は、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(Si34)のどちらで形成してもよく、またそれらの積層膜で形成してもよい。
【0078】
上記各第1、第2ゲート電極22A、22B間の半導体基板11中には、n型のドーパントが導入されてなる第1n型領域n1(第2領域)が形成されている。この第1n型領域n1は、濃度は例えば1.5×1019cm-3となっている。この濃度は、1×1018cm-3から1×1020cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要である。また、リンの代わりにヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いることもできる。ヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いたときの濃度はリンを用いたときと同等である。
【0079】
各第1、第2ゲート電極22A、22Bの他方側の半導体基板11中には、n型のドーパントを導入してなる第2n型領域n2(第4領域)が形成されている。この第2n型領域n2は、例えばドーパントにリン(P)が用いられており、濃度は例えば5×1020cm-3になるように設定されている。この濃度は、1×1019cm-3から1×1020cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要であり、またカソード電極として動作することが重要である。また、リンの代わりにヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いることもできる。ヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いたときの濃度はリンを用いたときと同等である。
【0080】
また、上記半導体基板11上には上記第1n型領域n1(第2領域)上およびその間の素子分離領域14上に開口部44を形成した層間絶縁膜43が形成されている。この層間絶縁膜43の上面は、例えば平坦化されていてもよい。
【0081】
上記層間絶縁膜43の開口部44内において、各第1n型領域n1上およびその間の上記素子分離領域14上に、第1伝導型(p型)の第1p型領域p1(第1領域)が形成されている。この第1p型領域p1は、例えば選択エピタキシャル成長により形成され、膜中のホウ素(B)濃度が1×1020cm-3となっている。上記ドーパント(ホウ素)濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましい。また上記膜厚は50nm〜300nm程度が望ましいが、第1p型領域p1がアノード電極として機能を果たせる範囲であればよく、層間絶縁膜43の膜厚より薄く形成されている。
【0082】
したがって、半導体装置1は、第1伝導型(例えばp型)の第1p型領域p1(第1領域)、第1伝導型とは逆伝導型の第2伝導型(例えばn型)の第1n型領域n1(第2領域)、第1伝導型(p型)の第2p型領域p2(第3領域)、第2伝導型(n型)の第2n型領域n2(第4領域)を順に接合した第1サイリスタT1と第2サイリスタT2とを有し、各第1、第2サイリスタT1、T2の各第1n型領域n1が素子分離領域14を挟んで対向するように形成されたもので、各第1p型領域p1が素子形成領域12、13(各第1n型領域n1)から選択エピタキシャル成長により、素子分離領域14上で接合するように形成されていることを特徴とする。
【0083】
第3実施例は図14に示すように、半導体基板11に、第1サイリスタT1を形成する素子形成領域12と第2サイリスタT2を形成する素子形成領域13を分離する素子分離領域14が形成されている。この半導体基板11には例えばシリコン基板を用いる。そして上記素子分離領域14は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)、STI(Shallow Trench Isolation)、DTI(Deep Trench Isolation)などの技術により形成されたものである。上記素子形成領域12の下部には、例えばnウエル領域18が形成されている。さらに、半導体基板11の素子形成領域12、13の上部に第1伝導型(p型)の領域が形成されている。このp型領域がサイリスタの第2p型領域p2(第3領域)になっている。この第2p型領域p2(第3領域)はホウ素(B)をドーピングして形成され、その濃度は、例えば1×1018cm-3であり、1×1017cm-3から1×1019cm-3程度が望ましい。基本的には、後に形成される第2伝導型(n型)の第1n型領域のドーパント濃度より低いことが必要である。また、上記p型ドーパントは、ホウ素(B)の他にインジウム(In)等のp型ドーパントを用いることができる。インジウムを用いたときの濃度はホウ素を用いたときと同等である。
【0084】
上記半導体基板11上には、ゲート絶縁膜21が形成されている。このゲート絶縁膜21は、例えば酸化シリコン(SiO2)膜で形成され、1nm〜10nm程度の厚さに成膜されている。なお、上記ゲート絶縁膜21は、酸化シリコン(SiO2)に限らず、窒化酸化シリコン(SiON)はもちろんのこと、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化酸化ハフニウム(HfON)、酸化アルミニウム(Al23)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、酸化ランタン(La23)など通常のCMOSにおいて検討されているゲート絶縁膜材料を用いることもできる。
【0085】
上記素子形成領域12に形成された上記ゲート絶縁膜21上には、第1ゲート電極22Aが形成されていて、上記素子形成領域13に形成された上記ゲート絶縁膜21上には、第2ゲート電極22Bが形成されえている。上記第1、第2ゲート電極22A、22Bは、通常多結晶シリコンで形成されている。または金属ゲート電極とすることもでき、またシリコンゲルマニウム(SiGe)などで形成することもできる。
【0086】
また、上記第1、第2ゲート電極22A、22B上にハードマスクとして、酸化シリコン(SiO2)膜または窒化シリコン(Si34)膜等が形成されていてもよい。
【0087】
各第1、第2ゲート電極22A、22Bの側壁には、サイドウォール24、25が形成されている。上記サイドウォール24、25は、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(Si34)のどちらで形成してもよく、またそれらの積層膜で形成してもよい。
【0088】
上記各第1、第2ゲート電極22A、22B間の半導体基板11中には、n型のドーパントが導入されてなる第1n型領域n1(第2領域)が形成されている。この第1n型領域n1は、濃度は例えば1.5×1019cm-3となっている。この濃度は、1×1018cm-3から1×1020cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要である。また、リンの代わりにヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いることもできる。ヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いたときの濃度はリンを用いたときと同等である。
【0089】
各第1、第2ゲート電極22A、22Bの他方側の半導体基板11中には、n型のドーパントを導入してなる第2n型領域n2(第4領域)が形成されている。この第2n型領域n2は、例えばドーパントにリン(P)が用いられており、濃度は例えば5×1020cm-3になるように設定されている。この濃度は、1×1019cm-3から1×1020cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要であり、またカソード電極として動作することが重要である。また、リンの代わりにヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いることもできる。ヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いたときの濃度はリンを用いたときと同等である。
【0090】
また、上記半導体基板11上には上記第1n型領域n1(第2領域)上およびその間の素子分離領域14上に開口部44を形成した層間絶縁膜43が形成されている。この層間絶縁膜43の上面は、例えば平坦化されていてもよい。
【0091】
上記層間絶縁膜43の開口部44内において、各第1n型領域n1上およびその間の上記素子分離領域14上に、第1伝導型(p型)の第1p型領域p1(第1領域)が形成されている。この第1p型領域p1は、例えば選択エピタキシャル成長により形成され、膜中のホウ素(B)濃度が1×1020cm-3となっている。上記ドーパント(ホウ素)濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましい。また上記膜厚は50nm〜300nm程度が望ましいが、第1p型領域p1がアノード電極として機能を果たせる範囲であればよく、例えば、上記層間絶縁膜43より厚く形成されている。
【0092】
したがって、半導体装置1は、第1伝導型(例えばp型)の第1p型領域p1(第1領域)、第1伝導型とは逆伝導型の第2伝導型(例えばn型)の第1n型領域n1(第2領域)、第1伝導型(p型)の第2p型領域p2(第3領域)、第2伝導型(n型)の第2n型領域n2(第4領域)を順に接合した第1サイリスタT1と第2サイリスタT2とを有し、各第1、第2サイリスタT1、3の各第1n型領域n1が素子分離領域14を挟んで対向するように形成されたもので、各第1p型領域p1が素子形成領域12、13(各第1n型領域n1)から選択エピタキシャル成長により、素子分離領域14上で接合するように形成されていることを特徴とする。
【0093】
第4実施例は図15に示すように、半導体基板11に、第1サイリスタT1を形成する素子形成領域12と第2サイリスタT2を形成する素子形成領域13を分離する素子分離領域14が形成されている。この半導体基板11には例えばシリコン基板を用いる。そして上記素子分離領域14は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)、STI(Shallow Trench Isolation)、DTI(Deep Trench Isolation)などの技術により形成されたものである。上記素子形成領域12の下部には、例えばnウエル領域18が形成されている。さらに、半導体基板11の素子形成領域12、13の上部に第1伝導型(p型)の領域が形成されている。このp型領域がサイリスタの第2p型領域p2(第3領域)になっている。この第2p型領域p2(第3領域)はホウ素(B)をドーピングして形成され、その濃度は、例えば1×1018cm-3であり、1×1017cm-3から1×1019cm-3程度が望ましい。基本的には、後に形成される第2伝導型(n型)の第1n型領域のドーパント濃度より低いことが必要である。また、上記p型ドーパントは、ホウ素(B)の他にインジウム(In)等のp型ドーパントを用いることができる。インジウムを用いたときの濃度はホウ素を用いたときと同等である。
【0094】
上記半導体基板11上には、ゲート絶縁膜21が形成されている。このゲート絶縁膜21は、例えば酸化シリコン(SiO2)膜で形成され、1nm〜10nm程度の厚さに成膜されている。なお、上記ゲート絶縁膜21は、酸化シリコン(SiO2)に限らず、窒化酸化シリコン(SiON)はもちろんのこと、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化酸化ハフニウム(HfON)、酸化アルミニウム(Al23)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、酸化ランタン(La23)など通常のCMOSにおいて検討されているゲート絶縁膜材料を用いることもできる。
【0095】
上記素子形成領域12に形成された上記ゲート絶縁膜21上には、第1ゲート電極22Aが形成されていて、上記素子形成領域13に形成された上記ゲート絶縁膜21上には、第2ゲート電極22Bが形成されえている。上記第1、第2ゲート電極22A、22Bは、通常多結晶シリコンで形成されている。または金属ゲート電極とすることもでき、またシリコンゲルマニウム(SiGe)などで形成することもできる。
【0096】
また、上記第1、第2ゲート電極22A、22B上にハードマスクとして、酸化シリコン(SiO2)膜または窒化シリコン(Si34)膜等が形成されていてもよい。
【0097】
各第1、第2ゲート電極22A、22Bの側壁には、サイドウォール24、25が形成されている。上記サイドウォール24、25は、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(Si34)のどちらで形成してもよく、またそれらの積層膜で形成してもよい。
【0098】
上記各第1、第2ゲート電極22A、22B間の半導体基板11中には、n型のドーパントが導入されてなる第1n型領域n1(第2領域)が形成されている。この第1n型領域n1は、濃度は例えば1.5×1019cm-3となっている。この濃度は、1×1018cm-3から1×1020cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要である。また、リンの代わりにヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いることもできる。ヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いたときの濃度はリンを用いたときと同等である。
【0099】
各第1、第2ゲート電極22A、22Bの他方側の半導体基板11中には、n型のドーパントを導入してなる第2n型領域n2(第4領域)が形成されている。この第2n型領域n2は、例えばドーパントにリン(P)が用いられており、濃度は例えば5×1020cm-3になるように設定されている。この濃度は、1×1019cm-3から1×1020cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要であり、またカソード電極として動作することが重要である。また、リンの代わりにヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いることもできる。ヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いたときの濃度はリンを用いたときと同等である。
【0100】
また、上記半導体基板11上には上記第1n型領域n1(第2領域)上およびその間の素子分離領域14上に開口部44を形成した層間絶縁膜43が形成されている。この層間絶縁膜43の上面は、例えば平坦化されていてもよい。
【0101】
上記層間絶縁膜43の開口部44内において、各第1n型領域n1上およびその間の上記素子分離領域14上に、第1伝導型(p型)の第1p型領域p1(第1領域)が形成されている。この第1p型領域p1は、例えば選択エピタキシャル成長により形成され、膜中のホウ素(B)濃度が1×1020cm-3となっている。上記ドーパント(ホウ素)濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましい。また上記膜厚は50nm〜300nm程度が望ましいが、第1p型領域p1がアノード電極として機能を果たせる範囲であればよく、例えば、上記層間絶縁膜43と同等の厚さに形成されている。
【0102】
したがって、半導体装置1は、第1伝導型(例えばp型)の第1p型領域p1(第1領域)、第1伝導型とは逆伝導型の第2伝導型(例えばn型)の第1n型領域n1(第2領域)、第1伝導型(p型)の第2p型領域p2(第3領域)、第2伝導型(n型)の第2n型領域n2(第4領域)を順に接合した第1サイリスタT1と第2サイリスタT2とを有し、各第1、第2サイリスタT1、3の各第1n型領域n1が素子分離領域14を挟んで対向するように形成されたもので、各第1p型領域p1が素子形成領域12、13(各第1n型領域n1)から選択エピタキシャル成長により、素子分離領域14上で接合するように形成されていることを特徴とする。
【0103】
上記半導体装置の第2実施例〜第4実施例の構成を製造する方法の一例を半導体装置の製造方法の第2実施例として、図16〜図18の製造工程断面図によって説明する。
【0104】
図16に示すように、半導体基板11を用意する。前記図2〜図4によって説明したのと同様にして、上記半導体基板11に素子形成領域12、13を分離する素子分離領域14を形成する。上記素子形成領域12の下部には、例えばnウエル領域18が形成されている。その後、半導体基板11の素子形成領域12、13の上部を第1伝導型(p型)の領域に形成する。このp型領域がサイリスタの第2p型領域p2(第3領域)になる。
【0105】
次に、上記半導体基板11上にゲート絶縁膜21を形成する。次に、上記素子形成領域12に形成された上記ゲート絶縁膜21上に第1ゲート電極22Aを、上記素子形成領域13に形成された上記ゲート絶縁膜21上に第2ゲート電極22Bを形成する。次に、各第1、第2ゲート電極22A、22Bの側壁にサイドウォール24、25を形成する。
【0106】
次に、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、上記第1、第2ゲート電極22A、22B間の素子形成領域12、13上を開口したイオン注入マスク(図示せず)を形成する。次いで、上記イオン注入マスクを用いたイオン注入技術により、上記各第1、第2ゲート電極22A、22B間の半導体基板11中にn型のドーパントを導入して、各素子形成領域12、13に第1n型領域n1(第2領域)を形成する。その後、上記イオン注入マスクを除去する。
【0107】
続いて、活性化のアニールとして例えば加熱して1050℃に達した後、直ぐに冷却工程に入るスパイクアニールを行う。このときの条件はドーパントの活性化が行える範囲でよい。
【0108】
また、上記サイドウォール24、25の形成は第1n型領域n1を形成するイオン注入後に行ってもよい。
【0109】
次に、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、各第1、第2ゲート電極22A、22Bの他方側、すなわち第2n型領域が形成される領域上を開口したイオン注入マスク(図示せず)を形成する。次いで、このイオン注入マスクを用いたイオン注入技術により、各第1、第2ゲート電極22A、22Bの他方側の半導体基板11中にn型のドーパントを導入して、第2n型領域n2(第4領域)を形成する。その後、上記イオン注入マスクを除去する。
【0110】
続いて、活性化のアニールとして例えば加熱して1050℃に達した後、直ぐに冷却工程に入るスパイクアニールを行う。このときの条件はドーパントの活性化が行える範囲でよい。
【0111】
また、第1n型領域n1、第2n型領域n2の形成順序は上記手順と異なっていても差し支えない。先に第2n型領域n2を形成し、後に第1n型領域n1を形成してもよい。上記アニールも第1n型領域n1、第2n型領域n2ともに形成後1回で行ってもよいし、選択トランジスタのソース/ドレイン活性化アニールなどの工程とかねても良い。
【0112】
次に、図17に示すように、各第1、第2ゲート電極22A、22B、サイドウォール24、25等を被覆する層間絶縁膜43を形成する。この層間絶縁膜43は、例えば高密度プラズマCVDによる酸化シリコン(HDP−SiO2)膜を例えば300nmの厚さに堆積して形成する。このときの膜厚は第1、第2ゲート電極22A、22Bの高さ以上で1μm以下程度が望ましい。また、このときに用いる層間絶縁膜43はHDP−SiO2に限らず、P−SiO2や低誘電率(Low−k)膜のように、通常のCMOSプロセスで用いられている層間絶縁膜の膜種であって、エピタキシャル成長時に選択性が保てる絶縁膜であればいずれでもよい。ここで、必要に応じて化学的機械研磨(CMP)を行って、層間絶縁膜43の表面の平坦化を行ってもよい。
【0113】
次いで、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、各第1、第2ゲート電極22A、22B間の素子形成領域12、13およびその間の素子分離領域14上を開口したエッチングマスク(図示せず)を形成する。その後、このエッチングマスクを用いたエッチング加工により、各第1n型領域n1上およびその間の素子分離領域14上の上記層間絶縁膜43に開口部44を形成する。このエッチング加工により、選択エピタキシャル成長部分のみ半導体基板11(第1n型領域n1)面を露出させることができる。上記層間絶縁膜43には、エピタキシャル成長時に選択性を取るためであるので、酸化シリコン膜もしくは窒化シリコン膜の単膜を用いることもでき、上記選択性が維持できればその他の種類の絶縁膜を用いることもできる。その後、上記エッチングマスクを除去する。
【0114】
上記層間絶縁膜43の開口部44の形状は、後に説明する様に主に3通りある。一つはサイリスタワード線に垂直な方向に隣接するアノード領域をつなげて開口する(後に図19によって説明する)。一つはサイリスタワード線に平行に一列ずつ繋げて開口する(後に図21〜図26によって説明する)。一つはサイリスタワード線間に挟まれたアノード領域をすべてつなげて開口する(後に図20によって説明する)。
【0115】
次に、図18に示すように、各第1n型領域n1上の上記開口部44に第1伝導型(p型)の第1p型領域p1(第1領域)を形成する。この第1p型領域p1は、例えば選択エピタキシャル成長により形成され、膜中のホウ素(B)濃度が1×1020cm-3となるようにした。このときの選択エピタキシャル成長条件は、例えばシラン系ガスとともにドーパントの原料ガスにジボラン(B26)ガスを用い、成膜時の基板温度を例えば750℃に設定するとともに、原料ガスの供給量、成膜雰囲気の圧力等を調整して、膜厚は例えば200nmとした。上記ドーパント(ホウ素)濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましい。また上記膜厚は50nm〜300nm程度が望ましいが、第1p型領域p1がアノード電極として機能を果たせる範囲であればよい。また、このとき必要に応じて、半導体基板11表面をHFなどの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。
【0116】
上記実施例では、第2n型領域n2をイオン注入法で形成したが、選択エピタキシャル法で行ってもよい。その場合は、上記に続いて、再び窒化シリコン膜を例えば20nm堆積し、その後に、第2n型領域n2となる領域をレジストでパターニングして開口し、その後、窒化シリコン膜をエッチングする。
【0117】
ここでは一例として、窒化シリコン膜を用いたが、これはエピタキシャル成長時に選択性をとるためであるので、選択性が維持できればその他の膜種、膜厚でもよい。
【0118】
次に、第2n型領域n2を選択エピタキシャル成長により成膜する。このときの条件は、例えばシラン系ガスとともにドーパントの原料ガスにアルシン(AsH3)ガスを用い、成膜時の基板温度を例えば750℃に設定するとともに、原料ガスの供給量、成膜雰囲気の圧力等を調整して、膜厚は例えば200nmとした。上記ドーパント(ヒ素)濃度は、例えば1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましく、ここでは、一例として1×1020cm-3とした。また膜厚は50nmから300nm程度が望ましいが、第2n型領域n2がカソード電極として機能を果たせる範囲であればよい。勿論使用するガスはホスフィン(PH3)や有機ソースなど、n型不純物がドーピングされるものであればよい。
【0119】
また、上記実施例では、第1p型領域p1、第2n型領域n2の順で作製したが、第2n型領域n2、第1p型領域p1の順に形成してもよい。また、このとき必要に応じて、シリコン(Si)基板表面をフッ酸(HF)などの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。また、必要に応じて第1p型領域p1または第2n型領域n2を成膜した後、いずれかまたは両方において活性化アニールを行ってもよい。活性化のアニールとして例えば加熱を1050℃まで行った後、直ぐに冷却工程に入るスパイクアニールを行う。このときのアニール条件は上記ドーパントの活性化が行える範囲でよい。
【0120】
上記第2実施例の製造方法によって形成される本発明の半導体装置1は、第1伝導型(例えばp型)の第1p型領域p1(第1領域)、第1伝導型とは逆伝導型の第2伝導型(例えばn型)の第1n型領域n1(第2領域)、第1伝導型(p型)の第2p型領域p2(第3領域)、第2伝導型(n型)の第2n型領域n2(第4領域)を順に接合した第1サイリスタT1と第2サイリスタT2とを有し、各第1、第2サイリスタT1、T2の各第1n型領域n1が素子分離領域14を挟んで対向するように形成されたもので、各第1p型領域p1が絶縁膜43に形成された開口部44内の素子形成領域12、13(各第1n型領域n1)から選択エピタキシャル成長により、素子分離領域14上で接合するように形成されていることを特徴とする。
【0121】
上記第2実施例の製造方法では、選択エピタキシャル成長が横方向に成長することを利用して、素子分離領域14を介して分離された第1サイリスタT1の第1n型領域n1と第2サイリスタT2の第1n型領域n1とから第1p型領域p1をエピタキシャル成長させることで、実効的に選択エピタキシャル成長の成長を始める領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第1n型領域n1より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成される。さらに、エピタキシャル成長層である第1p型領域p1が層間絶縁膜43の開口部44の側壁で抑えられることによって、また、第1サイリスタT1の第1n型領域n1と第2サイリスタT2の第1n型領域n1とからエピタキシャル成長させた各第1p型領域p1同士が素子分離領域14上で接合し合うことによっても、第1p型領域p1の上面が平面状に形成され易くなる。このため、サリサイドプロセスマージンの拡大、コンタクト形成のプロセスマージンの拡大が図れ、安定したばらつきの少ないデバイスの作製が行えるという利点がある。
【0122】
上記層間絶縁膜43の開口部44およびアノード電極の形状について、図19、図20の平面レイアウト図によって説明する。
【0123】
図19に示すように、第1サイリスタT1および第2サイリスタT2が、素子分離領域14を挟んで第1サイリスタT1の第1n型領域n1(第2領域)と第2サイリスタT2の第1n型領域n1(第2領域)とが対抗するように形成され、第1サイリスタT1の第2p型領域p2(第3領域)上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して第1ゲート電極22Aが形成され、第2サイリスタT1の第2p型領域p2上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して第2ゲート電極22Bが形成されている。このような第1サイリスタT1および第2サイリスタT2が、第1ゲート電極22Aおよび第2ゲート電極22Bの配設方向に複数配置され、各第1サイリスタT1の第1ゲート電極22Aが一本の第1サイリスタワード線TW1で形成され、各第2サイリスタT2の第2ゲート電極22Bが一本の第2サイリスタワード線TW2で形成されている。
【0124】
そして、第1サイリスタT1の第1n型領域n1(第2領域)上と素子分離領域14を介してそれに隣接する第2サイリスタT1の第1n型領域n1上およびその素子分離領域14上に、上記層間絶縁膜43の開口部44が形成されている。したがって、第1サイリスタワード線22Aと第2サイリスタワード線22Bとに対して直交する方向で各第1n型領域n1上に、上記開口部44が形成されている。そして、上記開口部44内の各第1n型領域n1上より選択的にエピタキシャル成長されて、第1サイリスタワード線22Aと第2サイリスタワード線22Bとの間に、第1サイリスタT1と第2サイリスタT2とで共通に用いられる上記第1p型領域p1(第1領域)が形成されている。この構成では、各第1n型領域n1上方の第1p型領域p1にアノードコンタクト64が設けられている。
【0125】
次に、図20に示すように、第1サイリスタT1および第2サイリスタT2が、素子分離領域14を挟んで第1サイリスタT1の第1n型領域n1(第2領域)と第2サイリスタT2の第1n型領域n1とが対抗するように形成され、第1サイリスタT1の第2p型領域p2(第3領域)上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して第1ゲート電極22Aが形成され、第2サイリスタT1の第2p型領域p2上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して第2ゲート電極22Bが形成されている。このような第1サイリスタT1および第2サイリスタT2が、第1ゲート電極22Aおよび第2ゲート電極22Bの配設方向に複数配置され、各第1サイリスタT1の第1ゲート電極22Aが一本の第1サイリスタワード線TW1で形成され、各第2サイリスタT2の第2ゲート電極22Bが一本の第2サイリスタワード線TW2で形成されている。
【0126】
そして、第1n型領域n1上およびその間の素子分離領域14上を含む第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2との間に、上記層間絶縁膜43の開口部44が形成されている。そして、上記開口部44内の各第1n型領域n1上より選択的にエピタキシャル成長されて、第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2との間に上記第1p型領域p1(第1領域)が形成されている。
【0127】
上記第1n型領域n1上およびその間の素子分離領域14上を含む第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2との間に、上記層間絶縁膜43の開口部44が形成されている構成においては、第1サイリスタワード線22Aと第2サイリスタワード線22Bの配設方向に、二つまたはそれ以上の第1サイリスタT1の第1n型領域n1とそれに隣接する二つまたはそれ以上の第2サイリスタT2の第1n型領域n1およびその間の素子分離領域14上に上記開口部44が形成されていてもよい。したがって、上記開口部44内に形成される上記第1p型領域p1は、二つまたはそれ以上の第1サイリスタT1の第1n型領域n1とそれに隣接する二つまたはそれ以上の第2サイリスタT2の第1n型領域n1およびその間の素子分離領域14上に形成されてもよい。
【0128】
次に、図21〜図26によって、第2半導体装置の実施例およびその製造方法を説明する。この図21〜図26では、第1サイリスタワード線TW1にそって複数の第1サイリスタT1の第1n型領域n1(第2領域)上およびその間の素子分離領域14上に第1p型領域p1(第1領域)が形成され、第2サイリスタワード線TW2にそって複数の第2サイリスタT2の第1n型領域n1(第2領域)上およびその間の素子分離領域14上に第1p型領域p1(第1領域)が形成された構成について示す。
【0129】
まず、前記図2〜図4によって説明した工程を行い、さらに前記図17によって説明したようにして、図21に示すように、各第1サイリスタワード線TW1(第1ゲート電極22A)、第2サイリスタワード線TW2(第2ゲート電極22B)、サイドウォール24、25等を被覆する層間絶縁膜43を形成する。この層間絶縁膜43は、例えば高密度プラズマCVDによる酸化シリコン(HDP−SiO2)膜を例えば300nmの厚さに堆積して形成する。このときの膜厚は第1、第2ゲート電極22A、22Bの高さ以上で1μm以下程度が望ましい。また、このときに用いる層間絶縁膜43はHDP−SiO2に限らず、P−SiO2や低誘電率(Low−k)膜のように、通常のCMOSプロセスで用いられている層間絶縁膜の膜種であって、エピタキシャル成長時に選択性が保てる絶縁膜であればいずれでもよい。ここで、必要に応じて化学的機械研磨(CMP)を行って、層間絶縁膜43の表面の平坦化を行ってもよい。
【0130】
次いで、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、第1サイリスタワード線TW1にそって複数の第1サイリスタT1の第1n型領域n1(第2領域)上とその間の素子分離領域14上、および第2サイリスタワード線TW2にそって複数の第2サイリスタT2の第1n型領域n1(第2領域)上とその間の素子分離領域14上を開口したエッチングマスク(図示せず)を形成する。その後、このエッチングマスクを用いたエッチング加工により、第1サイリスタワード線TW1にそって複数の第1サイリスタT1の第1n型領域n1(第2領域)上とその間の素子分離領域14上および第2サイリスタワード線TW2にそって複数の第2サイリスタT2の第1n型領域n1(第2領域)上とその間の素子分離領域14上の上記層間絶縁膜43に開口部45、46を形成する。このエッチング加工により、選択エピタキシャル成長部分のみ半導体基板11(第1n型領域n1)面を露出させることができる。上記層間絶縁膜43には、エピタキシャル成長時に選択性を取るためであるので、酸化シリコン膜もしくは窒化シリコン膜の単膜を用いることもでき、上記選択性が維持できればその他の種類の絶縁膜を用いることもできる。その後、上記エッチングマスクを除去する。
【0131】
次に、図22の断面図および図23の平面レイアウト図に示すように、各第1サイリスタワード線TW1にそって複数の第1サイリスタT1の第1n型領域n1(第2領域)上の上記開口部45に第1伝導型(p型)の第1p型領域p1(第1領域)を形成すると同時に、各第2サイリスタワード線TW2にそって複数の第2サイリスタT2の第1n型領域n1(第2領域)上の上記開口部46に第1伝導型(p型)の第1p型領域p1(第1領域)を形成する。この第1p型領域p1は、例えば選択エピタキシャル成長により形成され、膜中のホウ素(B)濃度が1×1020cm-3となるようにした。このときの選択エピタキシャル成長条件は、例えばシラン系ガスとともにドーパントの原料ガスにジボラン(B26)ガスを用い、成膜時の基板温度を例えば750℃に設定するとともに、原料ガスの供給量、成膜雰囲気の圧力等を調整して、膜厚は例えば200nmとした。上記ドーパント(ホウ素)濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましい。また上記膜厚は50nm〜300nm程度が望ましいが、第1p型領域p1がアノード電極として機能を果たせる範囲であればよい。また、このとき必要に応じて、半導体基板11表面をHFなどの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。そして、上記第1p型領域p1上にアノードコンタクト64が設けられる。
【0132】
次に、上記構成の第2半導体装置2における配線の一例を図24の平面レイアウト図および図25、図26の回路図によって説明する。
【0133】
図24および図25、図26に示すように、半導体装置2は、一例として、一方向(例えばX方向)に、第2選択トランジスタTr2、第1選択トランジスタTr1、第1サイリスタT1、第2サイリスタT2の順に繰り返し配置されている。なお、上記繰り返し配置方向において、選択トランジスタとサイリスタ間およびサイリスタ間には素子分離領域14が形成されている。一方、上記一方向とは直交する方向(例えばY方向)には、第2選択トランジスタTr2、第1選択トランジスタTr1、第1サイリスタT1、第2サイリスタT2がそれぞれ、素子分離領域14を介して繰り返し配置されている。そして、各第1サイリスタT1の第1サイリスタワード線22Aと各第2サイリスタT2の第2サイリスタワード線22BとがY方向に配置され、各第1選択トランジスタTr1の第1ワード線W1と各第2選択トランジスタTr2の第2ワード線W2とがY方向に配置されている。
【0134】
上記第1サイリスタワード線TW1にそって各第1n型領域n1(第2領域)上より選択的にエピタキシャル成長された上記各第1p型領域p1(第1領域)がアノード電極となり、各アノード電極にアノードコンタクト64を介して接続するアノード線A1が上記第1サイリスタワード線TW1と並行する方向に配設されている。また、同様に、上記第2サイリスタワード線TW2にそって各第1n型領域n1(第2領域)上より選択的にエピタキシャル成長された上記各第1p型領域p1(第1領域)がアノード電極となり、各アノード電極にアノードコンタクト64を介して接続するアノード線A2が上記第1サイリスタワード線TW2と並行する方向に配設されている。各第1選択トランジスタTr1(および第2選択トランジスタTr2)のサイリスタ側のソース・ドレイン51とサイリスタの第2n型領域n2(第4領域)とはそれぞれブリッジコンタクト61、62を介して配線(図示せず)により接続されている。さらに最上層には、上記第2選択トランジスタTr2と第1選択トランジスタTr1との間のソース・ドレイン領域52にビットコンタクト63を介して接続されたビット線Bが、上記第1サイリスタワード線TW1と第2サイリスタワード線TW2とに直交する方向に配設されている。
【0135】
そして、上記構成では、1つの選択トランジスタと一つのサイリスタとで一つのメモリ素子が構成されている。例えば、2点鎖線で囲む第1サイリスタT1と第1選択トランジスタTr1とでメモリ素子M1が構成されている。
【0136】
上記半導体装置2では、前記半導体装置1A,1B等と同様なる作用効果が得られるとともに、半導体装置2では、第1p型領域p1を広くとれるので、アノードコンタクト64が取りやすいという利点がある。
【0137】
次に、図27〜図33によって、第3半導体装置の実施例およびその製造方法を説明する。この図27〜図33では、第1サイリスタT1の第1選択トランジスタTr1側の第2p型領域p2(第3領域)上と第1選択トランジスタTr1の第1サイリスタT1側のソース・ドレイン領域52上、およびその間の素子分離領域14上に第2n型領域n2(第4領域)が形成された構成について示す。
【0138】
まず、図27に示すように、半導体基板11を用意する。この半導体基板11には例えばシリコン基板を用いる。そして上記半導体基板11に素子形成領域12、15を分離する素子分離領域14を形成する。この素子分離領域14は、例えば、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)、STI(Shallow Trench Isolation)、DTI(Deep Trench Isolation)などの技術により形成される。上記素子形成領域12の下部には、例えばnウエル領域18が形成されている。その後、半導体基板11の素子形成領域12の上部を第1伝導型(p型)の領域に形成する。このp型領域がサイリスタの第2p型領域p2(第3領域)になる。このイオン注入条件の一例としては、ドーパントにp型ドーパントであるホウ素(B)を用い、濃度は、例えば1×1018cm-3であり、1×1017cm-3から1×1019cm-3程度が望ましい。基本的には、後に形成される第2伝導型(n型)の第1n型領域のドーパント濃度より低いことが必要である。また、上記p型ドーパントは、ホウ素(B)の他にインジウム(In)等のp型ドーパントを用いることができる。インジウムを用いたときの濃度はホウ素を用いたときと同等である。
【0139】
また、上記素子形成領域15にはp型ウエル領域55を形成する。このp型ウエル領域55は、既知のMOSプロセスで形成されるp型ウエル領域と同様に形成することができる。
【0140】
次に上記半導体基板11上にゲート絶縁膜21を形成する。このゲート絶縁膜21は、例えば酸化シリコン(SiO2)膜で形成され、1nm〜10nm程度の厚さに成膜される。なお、上記ゲート絶縁膜21は、酸化シリコン(SiO2)に限らず、窒化酸化シリコン(SiON)はもちろんのこと、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化酸化ハフニウム(HfON)、酸化アルミニウム(Al23)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、酸化ランタン(La23)など通常のCMOSにおいて検討されているゲート絶縁膜材料を用いることもできる。
【0141】
次に、上記素子形成領域12に形成された上記ゲート絶縁膜21上に第1ゲート電極22Aを、上記素子形成領域15に形成された上記ゲート絶縁膜21上にゲート電極56を形成する。上記第1ゲート電極22A、ゲート電極56は、通常多結晶シリコンで形成されている。または金属ゲート電極とすることもでき、またシリコンゲルマニウム(SiGe)などで形成することもできる。
【0142】
各第1ゲート電極22A、ゲート電極56は、例えば、上記ゲート絶縁膜21上にゲート電極形成膜を成膜した後、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術によるエッチングマスクの形成、そのエッチングマスクを用いたエッチング技術により、上記ゲート電極形成膜をエッチング加工されて形成される。このエッチング技術には、通常のドライエッチング技術を用いることができる。もしくはウエットエッチングにより形成することも可能である。また、ゲート電極形成膜上にハードマスクとして、酸化シリコン(SiO2)膜または窒化シリコン(Si34)膜等を形成してもよい。
【0143】
次に、第1ゲート電極22Aの側壁にサイドウォール24、25を形成すると同時に、ゲート電極56の側壁にサイドウォール57、58を形成する。例えば、第1ゲート電極22A、ゲート電極56を被覆するようにサイドウォール形成膜を成膜した後、このサイドウォール形成膜をエッチバックすることで、各第1ゲート電極22A、ゲート電極56の側壁に上記サイドウォール24、25、サイドウォール57、58を形成することができる。上記サイドウォール24、25、サイドウォール57、58は、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(Si34)のどちらで形成してもよく、またそれらの積層膜で形成してもよい。
【0144】
次に、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、上記第1ゲート電極22Aの一方側(ゲート電極56とは反対側)の素子形成領域12上を開口したイオン注入マスク(図示せず)を形成する。次いで、上記イオン注入マスクを用いたイオン注入技術により、上記半導体基板11中にn型のドーパントを導入して、素子形成領域12に第1n型領域n1(第2領域)を形成する。このイオン注入条件は、例えばドーパントにリン(P)を用い、濃度は例えば1.5×1019cm-3になるように設定する。この濃度は、1×1018cm-3から1×1020cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要である。また、リンの代わりにヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いることもできる。ヒ素、アンチモン等のn型ドーパントを用いたときの濃度はリンを用いたときと同等である。その後、上記イオン注入マスクを除去する。
【0145】
次に、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、上記素子形成領域15上を開口したイオン注入マスク(図示せず)を形成する。次いで、上記イオン注入マスクを用いたイオン注入技術により、上記半導体基板11中にn型のドーパントを導入して、ゲート電極56の両側の素子形成領域15にソース・ドレイン領域51、52を形成する。このイオン注入条件は、通常のnMOSトランジスタのソース・ドレイン領域の形成条件を用いることができる。その後、上記イオン注入マスクを除去する。
【0146】
なお、上記サイドウォール57、58を形成する前に、ゲート電極56の両側の素子形成領域15に、エクステンション領域(もしくはLDD領域)59、60を形成しておくことが好ましい。
【0147】
続いて、活性化のアニールとして例えば加熱して1050℃に達した後、直ぐに冷却工程に入るスパイクアニールを行う。このときの条件はドーパントの活性化が行える範囲でよい。
【0148】
次に、図28に示すように、各第1ゲート電極22A、ゲート電極56、サイドウォール24、25、サイドウォール57、58等を被覆する絶縁膜41を形成する。この絶縁膜41は、後の工程で行う選択エピタキシャル成長のマスクとなるもので、例えば窒化シリコン膜で形成され、例えば20nmの厚さに形成される。次いで、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、上記第1n型領域n1上と素子分離領域14を挟んで第1n型領域n1に隣接する図示はしていないが別のサイリスタの第1n型領域n1上およびその間の素子分離領域14上を開口したエッチングマスク(図示せず)を形成する。その後、このエッチングマスクを用いたエッチング加工により、各第1n型領域n1上およびその間の素子分離領域14上の上記絶縁膜41に開口部42を形成する。このエッチング加工により、選択エピタキシャル成長部分のみ半導体基板11(第1n型領域n1)面を露出させることができる。ここでは一例として、上記絶縁膜41に窒化シリコン膜を用いたが、これはエピタキシャル成長時に選択性を取るためであるので、選択性が維持できればその他の種類の絶縁膜を用いることができる。その後、上記エッチングマスクを除去する。
【0149】
また、この半導体基板11(第1n型領域n1)面を露出させる工程において、上記開口部42の形状については、前述した各形状(例えば、図7、図10、図19、図20、図23等によって説明した形状)に形成することができる。
【0150】
次に、図29に示すように、各第1n型領域n1上の上記開口部42に第1伝導型(p型)の第1p型領域p1(第1領域)を形成する。この第1p型領域p1は、例えば選択エピタキシャル成長により形成され、膜中のホウ素(B)濃度が1×1020cm-3となるようにした。このときの選択エピタキシャル成長条件は、例えばシラン系ガスとともにドーパントの原料ガスにジボラン(B26)ガスを用い、成膜時の基板温度を例えば750℃に設定するとともに、原料ガスの供給量、成膜雰囲気の圧力等を調整して、膜厚は例えば200nmとした。上記ドーパント(ホウ素)濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましい。また上記膜厚は50nm〜300nm程度が望ましいが、第1p型領域p1がアノード電極として機能を果たせる範囲であればよい。また、このとき必要に応じて、半導体基板11表面をHFなどの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。
【0151】
ここでは一例として、上記絶縁膜41に窒化シリコン膜を用いたが、これはエピタキシャル成長時に選択性をとるためであるので、選択性が維持できればその他の膜種、膜厚でもよい。
【0152】
次に、図30に示すように、各第1ゲート電極22A、ゲート電極56、サイドウォール24、25、サイドウォール57、58、絶縁膜41等を被覆する層間絶縁膜43を形成する。この層間絶縁膜43は、例えば高密度プラズマCVDによる酸化シリコン(HDP−SiO2)膜を例えば300nmの厚さに堆積して形成する。このときの膜厚は第1ゲート電極22A、ゲート電極56の高さ以上で1μm以下程度が望ましい。また、このときに用いる層間絶縁膜43はHDP−SiO2に限らず、P−SiO2や低誘電率(Low−k)膜のように、通常のCMOSプロセスで用いられている層間絶縁膜の膜種であって、エピタキシャル成長時に選択性が保てる絶縁膜であればいずれでもよい。ここで、必要に応じて化学的機械研磨(CMP)を行って、層間絶縁膜43の表面の平坦化を行ってもよい。
【0153】
次いで、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、各第1ゲート電極22A、ゲート電極56間の素子形成領域12、15およびその間の素子分離領域14上を開口したエッチングマスク(図示せず)を形成する。その後、このエッチングマスクを用いたエッチング加工により、第1サイリスタT1の第1選択トランジスタTr1側の第2p型領域p2(第3領域)上と第1選択トランジスタTr1の第1サイリスタT1側のソース・ドレイン領域51上、およびその間の素子分離領域14上の上記層間絶縁膜43に開口部44を形成する。このエッチング加工により、選択エピタキシャル成長部分のみ半導体基板11(第2p型領域p2およびソース・ドレイン領域51)面を露出させることができる。上記層間絶縁膜43には、エピタキシャル成長時に選択性を取るためであるので、酸化シリコン膜もしくは窒化シリコン膜の単膜を用いることもでき、上記選択性が維持できればその他の種類の絶縁膜を用いることもできる。その後、上記エッチングマスクを除去する。
【0154】
次に、図31の断面図および図32の平面レイアウト図に示すように、第2p型領域p2およびソース・ドレイン領域51上の上記開口部44に第2伝導型(n型)の第2n型領域n2(第4領域)を形成する。この第2n型領域n2は、例えば選択エピタキシャル成長により形成される。このときの条件は、例えばシラン系ガスとともにドーパントの原料ガスにアルシン(AsH3)ガスを用い、成膜時の基板温度を例えば750℃に設定するとともに、原料ガスの供給量、成膜雰囲気の圧力等を調整して、膜厚は例えば200nmとした。上記ドーパント(ヒ素)濃度は、例えば1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましく、ここでは、一例として1×1020cm-3とした。また膜厚は50nmから300nm程度が望ましいが、第2n型領域n2がカソード電極として機能を果たせる範囲であればよい。勿論使用するガスはホスフィン(PH3)や有機ソースなど、n型不純物がドーピングされるものであればよい。
【0155】
また、上記実施例では、第1p型領域p1、第2n型領域n2の順で作製したが、第2n型領域n2、第1p型領域p1の順に形成してもよい。また、このとき必要に応じて、シリコン(Si)基板表面をフッ酸(HF)などの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。また、必要に応じて第1p型領域p1または第2n型領域n2を成膜した後、いずれかまたは両方において活性化アニールを行ってもよい。活性化のアニールとして例えば加熱を1050℃まで行った後、直ぐに冷却工程に入るスパイクアニールを行う。このときのアニール条件は上記ドーパントの活性化が行える範囲でよい。また、図示したように、層間絶縁膜43表面と第2n型領域n2表面とが同一高さになるように、例えば化学的機械研磨を行って、平坦化してもよい。
【0156】
次に、図示はしないが、第1サイリスタワード線TW1(第1ゲート電極22A)、ゲート電極56、第1p型領域p1と第2n型領域n2、ソース・ドレイン領域51、52等を露出させるため、各領域上の上記層間絶縁膜43、絶縁膜41(前記図6参照)を除去する。そして、各露出された第1サイリスタワード線TW1(第1ゲート電極22A)、ゲート電極56、第1p型領域p1と第2n型領域n2、ソース・ドレイン領域51、52等の表面に、サリサイド工程によってシリサイド層を、例えばチタンシリサイド、コバルトシリサイドもしくはニッケルシリサイドで形成してもよい。その後、通常のCMOS工程と同様の配線工程を行う。
【0157】
上記製造方法によって形成される本発明の半導体装置3は、第1伝導型(例えばp型)の第1p型領域p1(第1領域)、第1伝導型とは逆伝導型の第2伝導型(例えばn型)の第1n型領域n1(第2領域)、第1伝導型(p型)の第2p型領域p2(第3領域)、第2伝導型(n型)の第2n型領域n2(第4領域)を順に接合した第1サイリスタT1とnMOSトランジスタからなる第1選択トランジスタTr1とを有し、各第1サイリスタT1の第2p型領域p2が素子分離領域14を挟んで第1選択トランジスタTr1のソース・ドレイン領域51と対向するように形成されたもので、開口部44内の第2p型領域p2とソース・ドレイン領域51から選択エピタキシャル成長により、素子分離領域14上で接合するように、第2n型領域n2(第4領域)が形成されていることを特徴とする。
【0158】
上記半導体装置3の製造方法では、選択エピタキシャル成長が横方向に成長することを利用して、素子分離領域14を介して分離された第1サイリスタT1の第2p型領域p2と第1選択トランジスタTr1のソース・ドレイン領域52とから第2n型領域n2をエピタキシャル成長させることで、実効的に選択エピタキシャル成長の成長を始める領域の面積を拡大することができるので、エピタキシャル成長時に発生するファセットの影響が小さくなり、選択エピタキシャル成長層が台形状でしかも上面の平面部分が一つの第2n型領域n2より選択エピタキシャル成長させた場合より広く形成される。さらに、エピタキシャル成長層である第2n型領域n2の側壁がサイドウォール24、58で抑えられることによって、また、第1サイリスタT1の第2p型領域p2と第1選択トランジスタTr1のソース・ドレイン領域5とからエピタキシャル成長させた各第2n型領域n2同士が素子分離領域14上で接合し合うことによっても、第2n型領域n2の上面が平面状に形成され易くなる。このため、サリサイドプロセスマージンの拡大、コンタクト形成のプロセスマージンの拡大が図れ、安定したばらつきの少ないデバイスの作製が行えるという利点がある。
【0159】
上記半導体装置3の製造方法では、第1n型領域n1をイオン注入法で形成する場合を説明したが、選択エピタキシャル法で形成することもできる。このときの条件は、一例として、アルシン(AsH3)ガスを用いて、成膜雰囲気の温度を750℃とし、n型不純物であるヒ素濃度が5×1018cm-3、膜厚が100nmとなるように、成膜を行えばよい。上記n型不純物の濃度は、例えば1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましい。また膜厚は50nm-300nm程度が望ましい。また使用するガスはホスフィン(PH3)や有機ソースなど、n型不純物であればよい。したがって、n型不純物は、ヒ素(As)、リン(P)、アンチモン(Sb)等を用いることができる。また、必要に応じて、半導体基板11表面をフッ酸(HF)などの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。
【0160】
次に、上記半導体装置3の変形例を、図33の概略構成断面図によって説明する。
【0161】
図33に示すように、第1n型領域n1もしくは第2n型領域n2が選択エピタキシャル成長によって形成される構成では、第1選択トランジスタTr1と同様に、第1サイリスタT1のゲート電極22Aの両側に、通常のCMOSプロセスにおいてLDD(Lightly Doped Drain)もしくはエクステンションと呼ばれる、通常のCMOSのソース・ドレインよりもごく浅い拡散層領域27、28を形成してもよい。この構成では、選択エピタキシャル成長で第1n型領域n1もしくは第2n型領域n2が形成されるため、サイドウォール24、25の直下に第1n型領域n1もしくは第2n型領域n2と同型の不純物はドーピングされない。
【0162】
また、上記第3半導体装置3において、上記第1p型領域p1を形成する前に、10nm〜50nm程度の厚さに第1n型領域n1をエピタキシャル成長により積み上げるように形成することもできる。これにより、第1p型領域p1の不純物が半導体基板11中に拡散するのを抑制することができる。
【0163】
また、上記第3半導体装置3において、上記第2n型領域n2を形成する前に、10nm-50nm程度の厚さに第2p型領域p2をエピタキシャル成長により積み上げるように形成することもできる。これにより、第2n型領域n2の不純物が半導体基板11中に拡散するのを抑制することができる。
【0164】
上記各実施例では、選択エピタキシャル成長は、n型不純物もしくはp型不純物をドープしながらエピタキシャル成長を行った。例えば、エピタキシャル成長層の全層または一部の層をノンドープでエピタキシャル成長を行い、その後、イオン注入法や固層拡散法により、所定の不純物をドーピングしてもよい。
【0165】
上記各実施例では、半導体基板11としてバルクシリコン基板を用いることを前提としていたが、SOI(Silicon on insulator)基板で作製することもできる。
【0166】
上記各実施例では、第1導電型不純物をp型不純物とし、第2導電型不純物をn型不純物として説明したが、これを入れ替えて、第1導電型不純物をn型不純物とし、第2導電型不純物をp型不純物として作製することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明の半導体装置に係る一実施の形態(第1実施例)を示した概略構成断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法に係る一実施の形態の第1実施例を示した製造工程断面図である。
【図3】本発明の半導体装置の製造方法に係る一実施の形態の第1実施例を示した製造工程断面図である。
【図4】本発明の半導体装置の製造方法に係る一実施の形態の第1実施例を示した製造工程断面図である。
【図5】本発明の半導体装置の製造方法に係る一実施の形態の第1実施例を示した製造工程断面図である。
【図6】本発明の半導体装置の製造方法に係る一実施の形態の第1実施例を示した製造工程断面図である。
【図7】半導体基板面を露出させる工程における開口部およびアノード電極の形状の一例を示した平面レイアウト図である。
【図8】半導体装置1(1A)における配線の一例を示した平面レイアウト図である。
【図9】半導体装置1(1A)における配線の一例を示した回路図である。
【図10】半導体基板面を露出させる工程における開口部およびアノード電極の形状の一例を示した平面レイアウト図である。
【図11】半導体装置1(1B)における配線の一例を示した平面レイアウト図である。
【図12】半導体装置1(1B)における配線の一例を示した回路図である。
【図13】本発明の半導体装置に係る一実施の形態(第2実施例)を示した概略構成断面図である。
【図14】本発明の半導体装置に係る一実施の形態(第3実施例)を示した概略構成断面図である。
【図15】本発明の半導体装置に係る一実施の形態(第4実施例)を示した概略構成断面図である。
【図16】本発明の半導体装置の製造方法の第2実施例を示した製造工程断面図である。
【図17】本発明の半導体装置の製造方法の第2実施例を示した製造工程断面図である。
【図18】本発明の半導体装置の製造方法の第2実施例を示した製造工程断面図である。
【図19】層間絶縁膜の開口部およびアノード電極の形状について示した平面レイアウト図である。
【図20】層間絶縁膜の開口部およびアノード電極の形状について示した平面レイアウト図である。
【図21】本発明の第2半導体装置の製造方法に係る一実施の形態(実施例)を示した製造工程断面図である。
【図22】本発明の第2半導体装置の製造方法に係る一実施の形態(実施例)を示した製造工程断面図である。
【図23】本発明の第2半導体装置の製造方法に係る層間絶縁膜の開口部およびアノード電極の形状について示した平面レイアウト図である。
【図24】半導体装置2における配線の一例を示した平面レイアウト図である。
【図25】半導体装置2における配線の一例を示した回路図である。
【図26】半導体装置2における配線の一例を示した回路図である。
【図27】本発明の第3半導体装置およびその製造方法に係る一実施の形態(実施例)を示した製造工程断面図である。
【図28】本発明の第3半導体装置およびその製造方法に係る一実施の形態(実施例)を示した製造工程断面図である。
【図29】本発明の第3半導体装置およびその製造方法に係る一実施の形態(実施例)を示した製造工程断面図である。
【図30】本発明の第3半導体装置およびその製造方法に係る一実施の形態(実施例)を示した製造工程断面図である。
【図31】本発明の第3半導体装置およびその製造方法に係る一実施の形態(実施例)を示した製造工程断面図である。
【図32】本発明の第3半導体装置およびその製造方法に係る一実施の形態(実施例)を示した平面レイアウト図である。
【図33】第3半導体装置に係る実施例の変形例を示した概略構成断面図である。
【図34】課題を示した概略構成断面図である。
【図35】課題を示した概略構成断面図である。
【符号の説明】
【0168】
1…半導体装置、14…素子分離領域、p1…第1p型領域(第1領域)、p2…第2p型領域(第3領域)、n1…第1n型領域(第2領域)、n2…第2n型領域(第4領域)、T1…第1サイリスタ、T2…第2サイリスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合された第1サイリスタと第2サイリスタとが素子分離領域で分離された状態に形成された半導体装置であって、
前記第1サイリスタの第2領域と前記第2サイリスタの第2領域が前記素子分離領域を挟んで設けられ、
前記第1サイリスタの第2領域上に選択エピタキシャル成長により形成される前記第1サイリスタの第1領域と、前記第2サイリスタの第2領域上に選択エピタキシャル成長により形成される前記第2サイリスタの第1領域とが、前記第1サイリスタの第2領域と前記第2サイリスタの第2領域との間の前記素子分離領域上で連続した状態に形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、
前記第2サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極を有し、
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とが並列に配設されている
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1サイリスタが前記第1サイリスタと前記第2サイリスタとの配設方向に直交する方向に素子分離領域を介して複数配列され、
前記第2サイリスタが前記第1サイリスタと前記第2サイリスタとの配設方向に直交する方向に素子分離領域を介して複数配列されていて、
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との間の前記第1領域に接続して、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とに並列に配設されたアノード線と、
前記第1サイリスタを選択する第1選択トランジスタの一方のソース・ドレインと前記第2サイリスタを選択する第2選択トランジスタの一方のソース・ドレインとに接続して、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極と直交する方向に配設されたビット線とを有する
ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との間の前記第1領域に接続して、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とに直交する方向に配設されたアノード線と、
前記第1サイリスタを選択する第1選択トランジスタの一方のソース・ドレインと前記第2サイリスタを選択する第2選択トランジスタの一方のソース・ドレインとに接続して、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との間で前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極に並行する方向に配設されたビット線とを有する
ことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項5】
複数の前記第1サイリスタが配設された列と複数の前記第2サイリスタが配設された列とが並列に配設されていて、
前記各第1サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極と、
前記各第2サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極を有し、
前記各第1サイリスタの第1ゲート電極同士が同一の第1ゲート配線で形成され、前記各第2サイリスタの第2ゲート電極同士が同一の第2ゲート配線で形成されていて、
前記各第1サイリスタの第1領域が連続して前記第1ゲート配線に沿って形成され、前記各第2サイリスタの第1領域が連続して前記第2ゲート配線に沿って形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極との間の前記第1領域に接続して、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とに並列に配設されたアノード線と、
前記第1サイリスタを選択する第1選択トランジスタの一方のソース・ドレインと前記第2サイリスタを選択する第2選択トランジスタの一方のソース・ドレインとに接続して、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極と直交する方向に配設されたビット線とを有する
ことを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合された第1サイリスタと第2サイリスタとが素子分離領域で分離された状態に形成された半導体装置であって、
前記第1サイリスタの第2領域と前記第2サイリスタの第2領域が前記素子分離領域を挟んで設けられ、
前記第1サイリスタが前記第1サイリスタと前記第2サイリスタとの配設方向に直交する方向に素子分離領域を介して複数配列され、
前記第2サイリスタが前記第1サイリスタと前記第2サイリスタとの配設方向に直交する方向に素子分離領域を介して複数配列されていて、
前記各第1サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極が前記各第1サイリスタの配設方向に配設された共通の第1ゲート配線で形成され、
前記各第2サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極が前記各第2サイリスタの配設方向に配設された共通の第2ゲート配線で形成され、
前記各第1サイリスタの第1領域が前記各第1サイリスタの第2領域上およびその間の素子分離領域上に、かつ前記第1ゲート配線にそって連続的に形成され、
前記各第2サイリスタの第1領域が前記各第2サイリスタの第2領域上およびその間の素子分離領域上に、かつ前記第2ゲート配線にそって連続的に形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
前記第1サイリスタの前記第1領域に接続して、前記第1ゲート配線とに並列に配設された第1アノード線と、
前記第2サイリスタの前記第1領域に接続して、前記第2ゲート配線とに並列に配設された第2アノード線と、
前記第1サイリスタを選択する第1選択トランジスタの一方のソース・ドレインと前記第2サイリスタを選択する第2選択トランジスタの一方のソース・ドレインとに接続して、前記第1ゲート配線および前記第2ゲート配線と直交する方向に配設されたビット線とを有する
ことを特徴とする請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合されたサイリスタとMIS型トランジスタとが素子分離領域で分離された状態に形成された半導体装置であって、
前記第2領域と前記MIS型トランジスタの一方のソース・ドレイン領域が前記素子分離領域を挟んで設けられ、
前記第2領域上に選択エピタキシャル成長により形成される前記第1領域と、前記一方のソース・ドレイン領域上に選択エピタキシャル成長により形成される積み上げソース・ドレイン領域とが、前記第2領域と前記一方のソース・ドレイン領域との間の前記素子分離領域上で連続した状態に形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
半導体基板に、第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合された第1サイリスタと第2サイリスタとが素子分離領域で分離された状態に形成される半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板に前記素子分離領域を挟んで前記第1サイリスタの第2領域と前記第2サイリスタの第2領域とを形成した後、
選択エピタキシャル成長により、前記第1サイリスタの第2領域よりエピタキシャル成長させて前記第1サイリスタの第1領域を形成すると同時に、前記第2サイリスタの第2領域よりエピタキシャル成長させて前記第2サイリスタの第1領域を形成し、前記素子分離領域上で前記第1サイリスタの第1領域と前記第2サイリスタの第1領域とを接合させた状態に形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合された第1サイリスタと第2サイリスタとが素子分離領域で分離された状態に形成され、
前記第1サイリスタの第2領域と前記第2サイリスタの第2領域が前記素子分離領域を挟んで設けられ、
前記第1サイリスタが前記第1サイリスタと前記第2サイリスタとの配設方向に直交する方向に素子分離領域を介して複数配列され、
前記第2サイリスタが前記第1サイリスタと前記第2サイリスタとの配設方向に直交する方向に素子分離領域を介して複数配列されていて、
前記各第1サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極が前記各第1サイリスタの配設方向に配設された共通の第1ゲート配線で形成され、
前記各第2サイリスタの第3領域にゲート絶縁膜を介して形成された第2ゲート電極が前記各第2サイリスタの配設方向に配設された共通の第2ゲート配線で形成された半導体装置の製造方法であって、
前記各第1サイリスタの第1領域を、前記各第1サイリスタの第2領域上およびその間の素子分離領域上に、かつ前記第1ゲート配線にそって連続的に形成し、
前記各第2サイリスタの第1領域を、前記各第2サイリスタの第2領域上およびその間の素子分離領域上に、かつ前記第2ゲート配線にそって連続的に形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合されたサイリスタとMIS型トランジスタとが素子分離領域で分離された状態に形成される半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板に前記素子分離領域を挟んで前記第2領域と前記MIS型トランジスタのソース・ドレイン領域とを形成した後、
選択エピタキシャル成長により、前記第2領域よりエピタキシャル成長させて前記第1領域を形成すると同時に、前記第2領域に素子分離領域を挟んで形成された方の前記ソース・ドレイン領域よりエピタキシャル成長させて積み上げソース・ドレイン領域を形成し、前記素子分離領域上で前記第1領域と前記積み上げソース・ドレイン領域とを接合させた状態に形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2009−94381(P2009−94381A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265288(P2007−265288)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】