半導体装置の製造方法
【課題】カーボンナノチューブを形成するための触媒粒子を含有する薄膜層を容易かつ確実に溝構造底部に形成することができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】シートフィルムFに感光性樹脂薄膜層1を塗布形成し、さらにその上層にカーボンナノチューブ形成のための触媒となる金属または金属化合物の粒子を含有するゲル状またはペースト状の触媒薄膜層2を塗布形成する。一方、半導体ウェハWのパターン形成面には下層配線層3および層間絶縁層4が形成されており、層間絶縁層4にはパターン化された溝部5が形成されている。これらのシートフィルムFと半導体ウェハWと押し付けて密着させることにより、感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2を半導体ウェハWに転写し、溝部5に感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2を充填する。その後、感光性樹脂薄膜層1と層間絶縁層4上面の触媒薄膜層2とを除去する。
【解決手段】シートフィルムFに感光性樹脂薄膜層1を塗布形成し、さらにその上層にカーボンナノチューブ形成のための触媒となる金属または金属化合物の粒子を含有するゲル状またはペースト状の触媒薄膜層2を塗布形成する。一方、半導体ウェハWのパターン形成面には下層配線層3および層間絶縁層4が形成されており、層間絶縁層4にはパターン化された溝部5が形成されている。これらのシートフィルムFと半導体ウェハWと押し付けて密着させることにより、感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2を半導体ウェハWに転写し、溝部5に感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2を充填する。その後、感光性樹脂薄膜層1と層間絶縁層4上面の触媒薄膜層2とを除去する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブを形成するための触媒粒子を含有する薄膜層を溝構造底部に形成する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブは、グラファイトのシート(グラフェンシート)を円筒状に巻いた形状を有しており、その直径は数nm〜数十nmであり、長さは数μm〜数十μmの範囲のものである。カーボンナノチューブは電気的にも機械的にも非常に優れた特性を有することが見出されており、様々な産業分野への応用、特に半導体装置の素材として注目されている。
【0003】
例えば、特許文献1および特許文献2には、半導体装置の多層配線構造において上層配線と下層配線とを電気的に接続するビア配線としてカーボンナノチューブを利用する技術が提案されている。これら特許文献には、半導体装置の絶縁膜の溝底部(ビア底部)にカーボンナノチューブを形成するための触媒となり得る金属層を形成し、アーク放電法、レーザーアブレーション法、CVD(化学気相蒸着法)等によって溝部にカーボンナノチューブを成長させることが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−72171号公報
【特許文献2】特開2005−22886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ビア底部に触媒金属層を形成する手法として、上記の特許文献1では無電解めっき法を使用しており、特許文献2では触媒金属の微粒子からなるパーティクルビームを照射している。カーボンナノチューブを成長させる際の触媒としては微粒子(いわゆるナノ粒子)の方が好ましいとされているが、特許文献1のようなめっき法では微粒子からなる層を形成することが困難であり、一方特許文献2の手法では装置が複雑かつ高価なものとならざるを得ない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、カーボンナノチューブを形成するための触媒粒子を含有する薄膜層を容易かつ確実に溝構造底部に形成することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、転写部材の薄膜担持面に感光性樹脂薄膜層を形成する第1薄膜層形成工程と、前記感光性樹脂薄膜層の上面にカーボンナノチューブ形成のための触媒粒子を含有する触媒粒子含有薄膜層を形成する第2薄膜層形成工程と、絶縁膜にパターン化された溝が形成された半導体基板を用意する工程と、前記感光性樹脂薄膜層および前記触媒粒子含有薄膜層が形成された転写部材と前記半導体基板とを密着させて前記感光性樹脂薄膜層および前記触媒粒子含有薄膜層を前記半導体基板に転写する転写工程と、前記転写部材を前記感光性樹脂薄膜層から剥離する剥離工程と、前記感光性樹脂薄膜層および前記溝に没入した触媒粒子含有薄膜層を除く触媒粒子含有薄膜層を除去する除去工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る半導体装置の製造方法において、前記除去工程に、前記溝に没入した感光性樹脂薄膜層を除く感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去する工程と、前記溝に没入した触媒粒子含有薄膜層を除く触媒粒子含有薄膜層を除去する工程と、前記溝に没入した感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去する工程と、を含ませる。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る半導体装置の製造方法において、前記触媒粒子含有薄膜層の触媒粒子を触媒として前記溝の底部からカーボンナノチューブを生成する工程をさらに備える。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、カーボンナノチューブ形成のための触媒粒子を含有する触媒粒子含有薄膜層を半導体基板に転写することによって、パターン化された溝の底部に容易かつ確実に該触媒粒子含有薄膜層を形成することができる。
【0011】
また、請求項2の発明によれば、溝に没入した感光性樹脂薄膜層を除く感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去し、溝に没入した触媒粒子含有薄膜層を除く触媒粒子含有薄膜層を除去し、さらに溝に没入した感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去しているため、余分な感光性樹脂薄膜層および触媒粒子含有薄膜層を確実に除去することができる。
【0012】
また、請求項3の発明によれば、触媒粒子含有薄膜層の触媒粒子を触媒として溝の底部からカーボンナノチューブを生成しているため、当該溝に確実にカーボンナノチューブを成長させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
本発明では、カーボンナノチューブを形成するための触媒粒子を含有する薄膜層を半導体装置の溝構造底部に転写形成することによって成膜する。図1は、触媒粒子を含有する薄膜層の転写形成を行う転写装置の構成例を示す概略図である。この転写装置10は、その内部が真空排気可能とされた処理容器11を備えている。処理容器11の側面部には排気口112が設けられるとともに、その排気口112に真空ポンプ12が接続されている。この真空ポンプ12は、図示を省略する制御ユニットからの動作指令に応じて作動し、排気口112を介して処理容器11内を真空排気することができる。
【0015】
また、処理容器11内には、第1プレート14および第2プレート15と、第1プレート14の第2プレート15に対する傾きを自動的に補正する傾斜補正機構18が配設されている。第1プレート14は、第2プレート15の上方にこれと軸線が一致するように傾斜補正機構18を介して吊設される。半導体ウェハWは第1プレート14の下面(第2プレート15と対向する面)に装着される。このため、第1プレート14の下面は、平坦性を確保するために研磨された石英板(図示省略)が設けられており、この石英板に半導体ウェハWが固定される。このように石英板を用いた理由は、石英が、半導体ウェハWを汚染する物質を含まないこと、および加工性がよく必要とする平坦性が容易に得られることなどから、半導体ウェハWを装着する材料として優れているからである。また、第1プレート14は、内部に加熱手段として加熱ヒータ141を具備している。この加熱ヒータ141は25℃〜300℃の間の温度となるように加熱制御される。
【0016】
もう一方のプレート、つまり第2プレート15は、第1プレート14の下方に第1プレート14と対向して配設される。また、第2プレート15は、後述するシートフィルムFが載置される石英製のステージと、シートフィルムFを加熱する加熱台とから構成されるとともに、その加熱台の内部に加熱手段として加熱ヒータ151が内蔵されている。この加熱ヒータ151も25℃〜300℃の間の温度となるように加熱制御される。なお、第1プレート14および第2プレート15は、静電チャック方式でシートフィルムFおよび半導体ウェハWをそれぞれ吸着保持するものであってもよいし、バキュームチャック方式で吸着保持するものであってもよい。
【0017】
また、加熱台の下面中央には、軸153が一体に垂設されている。この軸153は軸受191によって上下動自在に軸支され、加重機構としての加重モータ192によって鉛直方向に沿って上下動されるように構成されている。なお、軸受191は、軸153と処理容器11と間をシールして処理容器11内を気密に保つ機能も有する。
【0018】
傾斜補正機構18は、第1プレート14の外周を取り囲むように配設され、紙面の法線方向に延びる第1軸部材181を介して第1プレート14に連結され、第1軸部材181周りで第1プレート14を回動自在に支持するリング状の第1支持体182を備える。また、傾斜補正機構18は、第1支持体182の外周に配設され、紙面の幅方向に延びる第2軸部材183を介して第1支持体182に連結され、第2軸部材183周りで第1支持体182を回動自在に支持する第2支持体184を備えている。
【0019】
このように構成された傾斜補正機構18においては、第1プレート14は、第1支持体182により紙面法線方向に沿った第1軸部材181周りに回動自在に支持されるとともに、第2支持体184により紙面幅方向に沿った第2軸部材183周りに回動自在に支持されており、第2プレート15が多少傾いていたとしても、いわゆる軸回動によって第1プレート14を第2プレート15に平行にすることができる。
【0020】
また、傾斜補正機構18を構成する第2支持体184は支柱部185を介して処理容器11内の天井部から吊設されている。より詳しく説明すると、この支柱部185は、軸受193によって上下動自在に枢支され、上端には下方への落下を防止するフランジ194が一体に突設されている。なお、軸受193は、支柱部185と処理容器11と間をシールして処理容器11内を気密に保つ機能も有する。また、フランジ194は荷重センサ195と連結されており、半導体ウェハWとシートフィルムFとの間に印加される荷重は荷重センサ195によって検出される。
【0021】
次に、本発明に係る半導体装置の製造方法について図2から図12を参照しつつ説明する。まず、転写部材としてのシートフィルムFの薄膜担持面上に感光性樹脂薄膜層1を形成する(図2)。シートフィルムFとしては、例えばEFTE等のフッ素樹脂を使用する。なお、シートフィルムFとしては平坦な硬質の板、例えば石英板を使用するようにしても良い。また、感光性樹脂薄膜層1の素材としては例えば感光性ポリイミドを採用すれば良い。このような感光性樹脂の塗布液をシートフィルムFの上面に回転塗布することによって感光性樹脂薄膜層1を形成する。
【0022】
続いて、感光性樹脂薄膜層1の上面にさらに触媒薄膜層2を形成する(図3)。この触媒薄膜層2は、カーボンナノチューブ形成のための触媒となる金属または金属化合物の粒子(例えば、Ni,TiCo,FeO3等の粒子)を含有するゲル状またはペースト状の薄膜である。上記金属または金属化合物の粒子がコロイド粒子として分散した塗布液を感光性樹脂薄膜層1の上面に回転塗布することによって触媒薄膜層2を形成する。その結果、シートフィルムFの薄膜担持面上には感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2が二層構造にて形成されることとなる。なお、感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2の形成手法としては回転塗布に限定されるものではなく、公知の種々の手法を用いることができる。また、感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2の二層を同時に塗布するようにしても良い。
【0023】
一方、シートフィルムF上への薄膜形成と並行して、絶縁膜にパターン化された溝が形成された半導体ウェハを用意する。図4は、そのような半導体ウェハの一例を示す図である。半導体ウェハWのパターン形成面には下層配線層3および層間絶縁層4が形成されている。同図に示すように、層間絶縁層4にはパターン化された溝部5が形成されている。溝部5の底部は下層配線層3が露出しており、溝部5はいわゆるビアホールとなっている。
【0024】
このような半導体ウェハWをパターン形成面を下向きにして転写装置10の第1プレート14の下面に装着する。これとともに、上記シートフィルムFを感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2が上側を向くようにして第2プレート15上に装着する。ここでは、感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2が半導体ウェハWに転写すべき薄膜であり、これら二層の薄膜層が半導体ウェハWのパターン形成面に対向するように半導体ウェハWおよびシートフィルムFが配置されることとなる。
【0025】
次に、加熱ヒータ141に通電して第1プレート14を加熱して半導体ウェハWを所望の温度に加熱するとともに、加熱ヒータ151に通電して第2プレート15を加熱してシートフィルムFを所望の温度に加熱する。また、真空ポンプ12によって処理容器11内が所望の真空度となるように真空排気する。
【0026】
そして、処理容器11内が所望の真空度になった後、加重モータ192による加重操作を開始する。これによって、図5に示すように、第2プレート15が鉛直方向に沿って上昇してシートフィルムFを半導体ウェハWに押し付ける。このとき、第1プレート14と傾斜補正機構18は、第2プレート15によって一体に押し上げられる。なお、図5においては図示の便宜上、下側に半導体ウェハWを記載し、上側にシートフィルムFを記載しており、転写装置10にて実際に処理される配置関係とは上下が逆となっている。
【0027】
この押上時に、第1プレート14が第2プレート15に対して傾斜しているときは、第2プレート15が第1プレート14に当接したとき、傾斜補正機構18によって第1プレート14の傾斜が自動的に補正される。すなわち、第1プレート14は傾斜補正機構18によって鉛直方向に対して傾斜可能に保持されているので、例えば図1紙面上において第1プレート14の左方が若干下方となるように小角度傾斜しているとすると、まず第2プレート15の左端側が第1プレート14に接触して第1プレート14を押し上げる。このため、第1プレート14は第1軸部材181を回動中心として時計方向に回動して半導体ウェハWとシートフィルムFとの接触面積が右方に徐々に拡がっていく。そして、第1プレート14の傾斜が完全に補正され第2プレート15と平行になると、基板WとシートフィルムFとが全面にわたって等しい圧力で押し付けられる。
【0028】
そして、加重モータ192によって加重を続け、荷重センサ195によって所望の荷重が検知されると、加重モータ192はその荷重が維持されるように加重動作を継続する。また、その間も処理容器11内が所定の真空度となるように排気され続けるとともに、半導体ウェハWおよびシートフィルムFは所定の温度となるように加熱され続けている。そして、所定時間の上記加重動作が終了すると、加重モータ192は加重を解除して第2プレート15を下降させる。このとき、真空ポンプ12による真空排気も停止する。
【0029】
これら一連の処理の結果、パターン形成面に下層配線層3および層間絶縁層4が形成された半導体ウェハWが感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2を挟んでシートフィルムFと密着して一体となる(図6)。このとき、感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2はゲル状またはペースト状であって比較的軟質であるため、二層の積層構造がそのまま半導体ウェハWの溝部5に没入することとなる。すなわち、ビアホールたる溝部5の底部に下層配線層3に接するように触媒薄膜層2が埋入されるとともに、その上層に感光性樹脂薄膜層1が積層される。また、層間絶縁層4の上面にも触媒薄膜層2が積層されるとともに、さらにその上層に感光性樹脂薄膜層1が形成される。こうして形成された図6の如き密着物を処理容器11から取り出し、図7に示すようにシートフィルムFを剥離することによって、図8に示すような感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2がパターン形成面に転写形成された半導体ウェハWを得ることができる。
【0030】
上記のような薄膜の転写形成手法を用いれば、半導体ウェハWの溝部5に感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2を充填して、溝部5の底部に容易かつ確実に触媒薄膜層2を形成することができる。また、シートフィルムFが剥離された後の感光性樹脂薄膜層1の上面の平坦性を非常に高いものとすることができる。
【0031】
次に、図8の状態の半導体ウェハWに対して感光性樹脂薄膜層1の全面露光を行った後、現像処理を行い、感光性樹脂薄膜層1を除去する(図9)。このときには、露光時間や現像時間を調整することによって、感光性樹脂薄膜層1のうち溝部5に没入しているものについては残留するようにする。すなわち、溝部5に没入している感光性樹脂薄膜層1を除く感光性樹脂薄膜層1を露光現像プロセスによって除去する。
【0032】
続いて、層間絶縁層4の上面に積層されている触媒薄膜層2、つまり溝部5に没入している触媒薄膜層2を除く触媒薄膜層2を除去する(図10)。この触媒薄膜層2を除去する手法としては、公知の物理エッチングや化学エッチングを採用しても良いし、或いはCMP(Chemical Mechanical Polishing)のような研磨であっても良い。
【0033】
次に、図10の状態の半導体ウェハWに再び露光現像処理を行って溝部5に没入していた感光性樹脂薄膜層1をも完全に除去する(図11)。その結果、パターン化された溝部5の底部に触媒薄膜層2が形成された半導体ウェハWを得ることができる。
【0034】
その後、熱CVD法やプラズマCVD法により、半導体ウェハWの溝構造底部に形成された触媒薄膜層2の触媒粒子を触媒として溝部5にカーボンナノチューブ6を成長させる。これにより、ビア配線としてカーボンナノチューブ6を使用した半導体ウェハWを得ることができる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては感光性樹脂薄膜層1を除去するために露光現像プロセスを2回繰り返していたが、これを1回としても良い。具体的には、図8の状態から露光現像プロセスによって全ての感光性樹脂薄膜層1を除去した後に層間絶縁層4の上面に積層されている触媒薄膜層2のみを物理エッチング等によって除去するようにしても良いし、また図8の状態から直接CMPによって図10の状態としてから露光現像プロセスによって溝部5に残留している感光性樹脂薄膜層1を除去するようにしても良い。すなわち、感光性樹脂薄膜層1および溝部5に没入した触媒薄膜層2を除く触媒薄膜層2を除去するような手法であれば公知の種々のプロセスを採用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】触媒粒子を含有する薄膜層の転写形成を行う転写装置の構成例を示す概略図である。
【図2】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図3】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図4】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図5】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図6】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図7】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図8】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図9】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図10】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図11】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図12】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 感光性樹脂薄膜層
2 触媒薄膜層
3 下層配線層
4 層間絶縁層
5 溝部
6 カーボンナノチューブ
10 転写装置
W 半導体ウェハ
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブを形成するための触媒粒子を含有する薄膜層を溝構造底部に形成する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブは、グラファイトのシート(グラフェンシート)を円筒状に巻いた形状を有しており、その直径は数nm〜数十nmであり、長さは数μm〜数十μmの範囲のものである。カーボンナノチューブは電気的にも機械的にも非常に優れた特性を有することが見出されており、様々な産業分野への応用、特に半導体装置の素材として注目されている。
【0003】
例えば、特許文献1および特許文献2には、半導体装置の多層配線構造において上層配線と下層配線とを電気的に接続するビア配線としてカーボンナノチューブを利用する技術が提案されている。これら特許文献には、半導体装置の絶縁膜の溝底部(ビア底部)にカーボンナノチューブを形成するための触媒となり得る金属層を形成し、アーク放電法、レーザーアブレーション法、CVD(化学気相蒸着法)等によって溝部にカーボンナノチューブを成長させることが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−72171号公報
【特許文献2】特開2005−22886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ビア底部に触媒金属層を形成する手法として、上記の特許文献1では無電解めっき法を使用しており、特許文献2では触媒金属の微粒子からなるパーティクルビームを照射している。カーボンナノチューブを成長させる際の触媒としては微粒子(いわゆるナノ粒子)の方が好ましいとされているが、特許文献1のようなめっき法では微粒子からなる層を形成することが困難であり、一方特許文献2の手法では装置が複雑かつ高価なものとならざるを得ない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、カーボンナノチューブを形成するための触媒粒子を含有する薄膜層を容易かつ確実に溝構造底部に形成することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、転写部材の薄膜担持面に感光性樹脂薄膜層を形成する第1薄膜層形成工程と、前記感光性樹脂薄膜層の上面にカーボンナノチューブ形成のための触媒粒子を含有する触媒粒子含有薄膜層を形成する第2薄膜層形成工程と、絶縁膜にパターン化された溝が形成された半導体基板を用意する工程と、前記感光性樹脂薄膜層および前記触媒粒子含有薄膜層が形成された転写部材と前記半導体基板とを密着させて前記感光性樹脂薄膜層および前記触媒粒子含有薄膜層を前記半導体基板に転写する転写工程と、前記転写部材を前記感光性樹脂薄膜層から剥離する剥離工程と、前記感光性樹脂薄膜層および前記溝に没入した触媒粒子含有薄膜層を除く触媒粒子含有薄膜層を除去する除去工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る半導体装置の製造方法において、前記除去工程に、前記溝に没入した感光性樹脂薄膜層を除く感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去する工程と、前記溝に没入した触媒粒子含有薄膜層を除く触媒粒子含有薄膜層を除去する工程と、前記溝に没入した感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去する工程と、を含ませる。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る半導体装置の製造方法において、前記触媒粒子含有薄膜層の触媒粒子を触媒として前記溝の底部からカーボンナノチューブを生成する工程をさらに備える。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、カーボンナノチューブ形成のための触媒粒子を含有する触媒粒子含有薄膜層を半導体基板に転写することによって、パターン化された溝の底部に容易かつ確実に該触媒粒子含有薄膜層を形成することができる。
【0011】
また、請求項2の発明によれば、溝に没入した感光性樹脂薄膜層を除く感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去し、溝に没入した触媒粒子含有薄膜層を除く触媒粒子含有薄膜層を除去し、さらに溝に没入した感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去しているため、余分な感光性樹脂薄膜層および触媒粒子含有薄膜層を確実に除去することができる。
【0012】
また、請求項3の発明によれば、触媒粒子含有薄膜層の触媒粒子を触媒として溝の底部からカーボンナノチューブを生成しているため、当該溝に確実にカーボンナノチューブを成長させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
本発明では、カーボンナノチューブを形成するための触媒粒子を含有する薄膜層を半導体装置の溝構造底部に転写形成することによって成膜する。図1は、触媒粒子を含有する薄膜層の転写形成を行う転写装置の構成例を示す概略図である。この転写装置10は、その内部が真空排気可能とされた処理容器11を備えている。処理容器11の側面部には排気口112が設けられるとともに、その排気口112に真空ポンプ12が接続されている。この真空ポンプ12は、図示を省略する制御ユニットからの動作指令に応じて作動し、排気口112を介して処理容器11内を真空排気することができる。
【0015】
また、処理容器11内には、第1プレート14および第2プレート15と、第1プレート14の第2プレート15に対する傾きを自動的に補正する傾斜補正機構18が配設されている。第1プレート14は、第2プレート15の上方にこれと軸線が一致するように傾斜補正機構18を介して吊設される。半導体ウェハWは第1プレート14の下面(第2プレート15と対向する面)に装着される。このため、第1プレート14の下面は、平坦性を確保するために研磨された石英板(図示省略)が設けられており、この石英板に半導体ウェハWが固定される。このように石英板を用いた理由は、石英が、半導体ウェハWを汚染する物質を含まないこと、および加工性がよく必要とする平坦性が容易に得られることなどから、半導体ウェハWを装着する材料として優れているからである。また、第1プレート14は、内部に加熱手段として加熱ヒータ141を具備している。この加熱ヒータ141は25℃〜300℃の間の温度となるように加熱制御される。
【0016】
もう一方のプレート、つまり第2プレート15は、第1プレート14の下方に第1プレート14と対向して配設される。また、第2プレート15は、後述するシートフィルムFが載置される石英製のステージと、シートフィルムFを加熱する加熱台とから構成されるとともに、その加熱台の内部に加熱手段として加熱ヒータ151が内蔵されている。この加熱ヒータ151も25℃〜300℃の間の温度となるように加熱制御される。なお、第1プレート14および第2プレート15は、静電チャック方式でシートフィルムFおよび半導体ウェハWをそれぞれ吸着保持するものであってもよいし、バキュームチャック方式で吸着保持するものであってもよい。
【0017】
また、加熱台の下面中央には、軸153が一体に垂設されている。この軸153は軸受191によって上下動自在に軸支され、加重機構としての加重モータ192によって鉛直方向に沿って上下動されるように構成されている。なお、軸受191は、軸153と処理容器11と間をシールして処理容器11内を気密に保つ機能も有する。
【0018】
傾斜補正機構18は、第1プレート14の外周を取り囲むように配設され、紙面の法線方向に延びる第1軸部材181を介して第1プレート14に連結され、第1軸部材181周りで第1プレート14を回動自在に支持するリング状の第1支持体182を備える。また、傾斜補正機構18は、第1支持体182の外周に配設され、紙面の幅方向に延びる第2軸部材183を介して第1支持体182に連結され、第2軸部材183周りで第1支持体182を回動自在に支持する第2支持体184を備えている。
【0019】
このように構成された傾斜補正機構18においては、第1プレート14は、第1支持体182により紙面法線方向に沿った第1軸部材181周りに回動自在に支持されるとともに、第2支持体184により紙面幅方向に沿った第2軸部材183周りに回動自在に支持されており、第2プレート15が多少傾いていたとしても、いわゆる軸回動によって第1プレート14を第2プレート15に平行にすることができる。
【0020】
また、傾斜補正機構18を構成する第2支持体184は支柱部185を介して処理容器11内の天井部から吊設されている。より詳しく説明すると、この支柱部185は、軸受193によって上下動自在に枢支され、上端には下方への落下を防止するフランジ194が一体に突設されている。なお、軸受193は、支柱部185と処理容器11と間をシールして処理容器11内を気密に保つ機能も有する。また、フランジ194は荷重センサ195と連結されており、半導体ウェハWとシートフィルムFとの間に印加される荷重は荷重センサ195によって検出される。
【0021】
次に、本発明に係る半導体装置の製造方法について図2から図12を参照しつつ説明する。まず、転写部材としてのシートフィルムFの薄膜担持面上に感光性樹脂薄膜層1を形成する(図2)。シートフィルムFとしては、例えばEFTE等のフッ素樹脂を使用する。なお、シートフィルムFとしては平坦な硬質の板、例えば石英板を使用するようにしても良い。また、感光性樹脂薄膜層1の素材としては例えば感光性ポリイミドを採用すれば良い。このような感光性樹脂の塗布液をシートフィルムFの上面に回転塗布することによって感光性樹脂薄膜層1を形成する。
【0022】
続いて、感光性樹脂薄膜層1の上面にさらに触媒薄膜層2を形成する(図3)。この触媒薄膜層2は、カーボンナノチューブ形成のための触媒となる金属または金属化合物の粒子(例えば、Ni,TiCo,FeO3等の粒子)を含有するゲル状またはペースト状の薄膜である。上記金属または金属化合物の粒子がコロイド粒子として分散した塗布液を感光性樹脂薄膜層1の上面に回転塗布することによって触媒薄膜層2を形成する。その結果、シートフィルムFの薄膜担持面上には感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2が二層構造にて形成されることとなる。なお、感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2の形成手法としては回転塗布に限定されるものではなく、公知の種々の手法を用いることができる。また、感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2の二層を同時に塗布するようにしても良い。
【0023】
一方、シートフィルムF上への薄膜形成と並行して、絶縁膜にパターン化された溝が形成された半導体ウェハを用意する。図4は、そのような半導体ウェハの一例を示す図である。半導体ウェハWのパターン形成面には下層配線層3および層間絶縁層4が形成されている。同図に示すように、層間絶縁層4にはパターン化された溝部5が形成されている。溝部5の底部は下層配線層3が露出しており、溝部5はいわゆるビアホールとなっている。
【0024】
このような半導体ウェハWをパターン形成面を下向きにして転写装置10の第1プレート14の下面に装着する。これとともに、上記シートフィルムFを感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2が上側を向くようにして第2プレート15上に装着する。ここでは、感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2が半導体ウェハWに転写すべき薄膜であり、これら二層の薄膜層が半導体ウェハWのパターン形成面に対向するように半導体ウェハWおよびシートフィルムFが配置されることとなる。
【0025】
次に、加熱ヒータ141に通電して第1プレート14を加熱して半導体ウェハWを所望の温度に加熱するとともに、加熱ヒータ151に通電して第2プレート15を加熱してシートフィルムFを所望の温度に加熱する。また、真空ポンプ12によって処理容器11内が所望の真空度となるように真空排気する。
【0026】
そして、処理容器11内が所望の真空度になった後、加重モータ192による加重操作を開始する。これによって、図5に示すように、第2プレート15が鉛直方向に沿って上昇してシートフィルムFを半導体ウェハWに押し付ける。このとき、第1プレート14と傾斜補正機構18は、第2プレート15によって一体に押し上げられる。なお、図5においては図示の便宜上、下側に半導体ウェハWを記載し、上側にシートフィルムFを記載しており、転写装置10にて実際に処理される配置関係とは上下が逆となっている。
【0027】
この押上時に、第1プレート14が第2プレート15に対して傾斜しているときは、第2プレート15が第1プレート14に当接したとき、傾斜補正機構18によって第1プレート14の傾斜が自動的に補正される。すなわち、第1プレート14は傾斜補正機構18によって鉛直方向に対して傾斜可能に保持されているので、例えば図1紙面上において第1プレート14の左方が若干下方となるように小角度傾斜しているとすると、まず第2プレート15の左端側が第1プレート14に接触して第1プレート14を押し上げる。このため、第1プレート14は第1軸部材181を回動中心として時計方向に回動して半導体ウェハWとシートフィルムFとの接触面積が右方に徐々に拡がっていく。そして、第1プレート14の傾斜が完全に補正され第2プレート15と平行になると、基板WとシートフィルムFとが全面にわたって等しい圧力で押し付けられる。
【0028】
そして、加重モータ192によって加重を続け、荷重センサ195によって所望の荷重が検知されると、加重モータ192はその荷重が維持されるように加重動作を継続する。また、その間も処理容器11内が所定の真空度となるように排気され続けるとともに、半導体ウェハWおよびシートフィルムFは所定の温度となるように加熱され続けている。そして、所定時間の上記加重動作が終了すると、加重モータ192は加重を解除して第2プレート15を下降させる。このとき、真空ポンプ12による真空排気も停止する。
【0029】
これら一連の処理の結果、パターン形成面に下層配線層3および層間絶縁層4が形成された半導体ウェハWが感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2を挟んでシートフィルムFと密着して一体となる(図6)。このとき、感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2はゲル状またはペースト状であって比較的軟質であるため、二層の積層構造がそのまま半導体ウェハWの溝部5に没入することとなる。すなわち、ビアホールたる溝部5の底部に下層配線層3に接するように触媒薄膜層2が埋入されるとともに、その上層に感光性樹脂薄膜層1が積層される。また、層間絶縁層4の上面にも触媒薄膜層2が積層されるとともに、さらにその上層に感光性樹脂薄膜層1が形成される。こうして形成された図6の如き密着物を処理容器11から取り出し、図7に示すようにシートフィルムFを剥離することによって、図8に示すような感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2がパターン形成面に転写形成された半導体ウェハWを得ることができる。
【0030】
上記のような薄膜の転写形成手法を用いれば、半導体ウェハWの溝部5に感光性樹脂薄膜層1および触媒薄膜層2を充填して、溝部5の底部に容易かつ確実に触媒薄膜層2を形成することができる。また、シートフィルムFが剥離された後の感光性樹脂薄膜層1の上面の平坦性を非常に高いものとすることができる。
【0031】
次に、図8の状態の半導体ウェハWに対して感光性樹脂薄膜層1の全面露光を行った後、現像処理を行い、感光性樹脂薄膜層1を除去する(図9)。このときには、露光時間や現像時間を調整することによって、感光性樹脂薄膜層1のうち溝部5に没入しているものについては残留するようにする。すなわち、溝部5に没入している感光性樹脂薄膜層1を除く感光性樹脂薄膜層1を露光現像プロセスによって除去する。
【0032】
続いて、層間絶縁層4の上面に積層されている触媒薄膜層2、つまり溝部5に没入している触媒薄膜層2を除く触媒薄膜層2を除去する(図10)。この触媒薄膜層2を除去する手法としては、公知の物理エッチングや化学エッチングを採用しても良いし、或いはCMP(Chemical Mechanical Polishing)のような研磨であっても良い。
【0033】
次に、図10の状態の半導体ウェハWに再び露光現像処理を行って溝部5に没入していた感光性樹脂薄膜層1をも完全に除去する(図11)。その結果、パターン化された溝部5の底部に触媒薄膜層2が形成された半導体ウェハWを得ることができる。
【0034】
その後、熱CVD法やプラズマCVD法により、半導体ウェハWの溝構造底部に形成された触媒薄膜層2の触媒粒子を触媒として溝部5にカーボンナノチューブ6を成長させる。これにより、ビア配線としてカーボンナノチューブ6を使用した半導体ウェハWを得ることができる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては感光性樹脂薄膜層1を除去するために露光現像プロセスを2回繰り返していたが、これを1回としても良い。具体的には、図8の状態から露光現像プロセスによって全ての感光性樹脂薄膜層1を除去した後に層間絶縁層4の上面に積層されている触媒薄膜層2のみを物理エッチング等によって除去するようにしても良いし、また図8の状態から直接CMPによって図10の状態としてから露光現像プロセスによって溝部5に残留している感光性樹脂薄膜層1を除去するようにしても良い。すなわち、感光性樹脂薄膜層1および溝部5に没入した触媒薄膜層2を除く触媒薄膜層2を除去するような手法であれば公知の種々のプロセスを採用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】触媒粒子を含有する薄膜層の転写形成を行う転写装置の構成例を示す概略図である。
【図2】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図3】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図4】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図5】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図6】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図7】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図8】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図9】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図10】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図11】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【図12】半導体装置の製造工程の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 感光性樹脂薄膜層
2 触媒薄膜層
3 下層配線層
4 層間絶縁層
5 溝部
6 カーボンナノチューブ
10 転写装置
W 半導体ウェハ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写部材の薄膜担持面に感光性樹脂薄膜層を形成する第1薄膜層形成工程と、
前記感光性樹脂薄膜層の上面にカーボンナノチューブ形成のための触媒粒子を含有する触媒粒子含有薄膜層を形成する第2薄膜層形成工程と、
絶縁膜にパターン化された溝が形成された半導体基板を用意する工程と、
前記感光性樹脂薄膜層および前記触媒粒子含有薄膜層が形成された転写部材と前記半導体基板とを密着させて前記感光性樹脂薄膜層および前記触媒粒子含有薄膜層を前記半導体基板に転写する転写工程と、
前記転写部材を前記感光性樹脂薄膜層から剥離する剥離工程と、
前記感光性樹脂薄膜層および前記溝に没入した触媒粒子含有薄膜層を除く触媒粒子含有薄膜層を除去する除去工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記除去工程は、
前記溝に没入した感光性樹脂薄膜層を除く感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去する工程と、
前記溝に没入した触媒粒子含有薄膜層を除く触媒粒子含有薄膜層を除去する工程と、
前記溝に没入した感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記触媒粒子含有薄膜層の触媒粒子を触媒として前記溝の底部からカーボンナノチューブを生成する工程をさらに備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】
転写部材の薄膜担持面に感光性樹脂薄膜層を形成する第1薄膜層形成工程と、
前記感光性樹脂薄膜層の上面にカーボンナノチューブ形成のための触媒粒子を含有する触媒粒子含有薄膜層を形成する第2薄膜層形成工程と、
絶縁膜にパターン化された溝が形成された半導体基板を用意する工程と、
前記感光性樹脂薄膜層および前記触媒粒子含有薄膜層が形成された転写部材と前記半導体基板とを密着させて前記感光性樹脂薄膜層および前記触媒粒子含有薄膜層を前記半導体基板に転写する転写工程と、
前記転写部材を前記感光性樹脂薄膜層から剥離する剥離工程と、
前記感光性樹脂薄膜層および前記溝に没入した触媒粒子含有薄膜層を除く触媒粒子含有薄膜層を除去する除去工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記除去工程は、
前記溝に没入した感光性樹脂薄膜層を除く感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去する工程と、
前記溝に没入した触媒粒子含有薄膜層を除く触媒粒子含有薄膜層を除去する工程と、
前記溝に没入した感光性樹脂薄膜層を露光した後に現像することによって除去する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記触媒粒子含有薄膜層の触媒粒子を触媒として前記溝の底部からカーボンナノチューブを生成する工程をさらに備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−88373(P2007−88373A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−278207(P2005−278207)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
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