説明

半導体装置の製造方法

【課題】サイリスタ構成の半導体装置において、アノード側の第1p型領域p1とn型の第1n型領域n1との界面を、急峻な濃度プロファイルに形成することを可能とする。
【解決手段】第1伝導型の第1領域(第1p型領域p1)と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域(第1n型領域n1)と、第1伝導型の第3領域(第2p型領域p2)と、第2伝導型の第4領域(第2n型領域n2)とが順に接合されたサイリスタを有する半導体装置1の製造方法において、前記第1n型領域n1をn型の不純物をドーピングしながらエピタキシャル成長により形成する工程と、前記第1n型領域n1の表層を除去する表面処理を行う工程と、前記表面処理をした第1n型領域n1上に、前記第1p型領域p1をp型の不純物をドーピングしながらエピタキシャル成長により形成する工程とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイリスタ型記憶装置を形成する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)の65nm世代のSRAM開発では、リーク電流の増加、動作マージンの減少といった問題が顕著となり、回路設計が困難を極めるというSRAM危機が盛んに言われている。そこで、これまでの6個のトランジスタで構成されるSRAM(6Tr−SRAM)を置き換える新たなSRAMの検討が盛んに行われている。その有力な候補の一つに、サイリスタを用い、サイリスタ上に実現したゲート電極によりサイリスタのターンオン、ターンオフ特性を制御し、アクセストランジスタと直列に接続したとして、TRAM(Thyristor Random Access Memory)が提案されている。これは、サイリスタのoff領域を「0」、on領域を「1」としてメモリー動作させるものである。
【0003】
サイリスタは基本的にp型領域p1とn型領域n1とp型領域p2とn型領域n2とを順に接合したもので、例えば、n型シリコンとp型シリコンとが4層に構成されたものである。以下、この基本構造をp1/n1/p2/n2と記す。T−RAM社から、2種類の構造が提案されている。一つは、p1/n1/p2/n2構造をシリコン基板上に縦型に構成したものである。もう一つは、SOI基板を用いて、p1/n1/p2/n2構造をシリコン層に横型に構成したものである。いずれの構成においても、n1/p2/n2のp2にMOS構造を有するゲート電極を設けることで高速動作を可能にしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
PNPN接合で形成されるサイリスタRAMをバルク基板に形成する場合、深さ方向の不純物濃度プロファイルがメモリセルの大きさを決定づける。サイリスタに最適な深さ方向の不純物濃度プロファイルを実現するためには、選択エピタキシャル成長技術が必須の技術であるため、検討を進めている。従来プロセスにおいて、n型領域n1を形成するヒ素(As)がドープされたエピタキシャル成長膜に積層して、p型領域p1を形成するホウ素(B)のドープトエピタキシャル成長を行うと、ヒ素がホウ素のドープトエピタキシャル成長膜中に偏析し、n型領域n1とp型領域p1との界面において、いわゆる急峻な濃度プロファイルを有する界面の形成が困難となる。
【0005】
ここで、シリコン基板上にホウ素(B)をドーピングしてシリコンエピタキシャル成長させた場合のホウ素の濃度プロファイルの一例を、図8に示す。また、シリコン基板上にヒ素(As)をドーピングしてシリコンエピタキシャル成長させた場合のヒ素の濃度プロファイルの一例を、図9に示す。図9に示すように、ヒ素が表面に偏析しているのがわかる。次いで、上記濃度プロファイルが得られる条件で、シリコン基板上にヒ素(As)をドーピングしてシリコンエピタキシャル成長させ、このヒ素ドープトシリコンエピタキシャル層上に、ホウ素(B)をドーピングしてシリコンエピタキシャル成長させた場合の濃度プロファイルの一例を、図10に示す。図10に示すように、ヒ素が表面に偏析しているのがわかる。
【0006】
このように、通常、ヒ素のドープトエピタキシャル成長では、最表層に高濃度のヒ素が存在するため、そのヒ素が上層に形成されるホウ素のドープトエピタキシャル成長膜に偏析することにより、界面での急峻な不純物濃度プロファイルの形成を困難にしていた。
【0007】
【特許文献1】米国特許第6462359号明細書(B1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、n型領域n1を形成するヒ素(As)がドープされたエピタキシャル成長膜に積層して、p型領域p1を形成するホウ素(B)のドープトエピタキシャル成長を行うと、ヒ素がホウ素のドープトエピタキシャル成長膜中に偏析し、n型領域n1とp型領域p1との界面において、いわゆる急峻な濃度プロファイルを有する界面の形成が困難となる点である。
【0009】
本発明は、サイリスタ構成の半導体装置において、1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域との界面において、急峻な濃度プロファイルを形成することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る本発明は、第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合されたサイリスタを有する半導体装置の製造方法において、前記第2領域を第2伝導型の不純物をドーピングしながらエピタキシャル成長により形成する工程と、前記第2領域の表層を除去する表面処理を行う工程と、前記表面処理をした第2領域上に、前記第1領域を第1伝導型の不純物をドーピングしながらエピタキシャル成長により形成する工程とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項1に係る本発明では、第2領域を第2伝導型の不純物をドーピングしながらエピタキシャル成長により形成した後、第1領域を第1伝導型の不純物をドーピングしながらエピタキシャル成長により形成する際に、第2領域の表層を除去する表面処理を行うため、第2領域の表層に高濃度にドーピングされている第2伝導型の不純物領域を除去することができるので、第2領域上に第1領域をエピタキシャル成長によって形成する際に、第2領域中の第2伝導型の不純物の偏析が除去される。これによって、第1領域をエピタキシャル成長によって形成する際に、第2領域表層の高濃度の第2伝導型不純物が第1領域中に拡散されるのが抑制される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明によれば、第2領域中の第2伝導型の不純物の偏析が除去されるため、第1領域をエピタキシャル成長によって形成する際に、第2領域表層の高濃度の第2伝導型不純物が第1領域中に拡散されるのが抑制されるので、第1領域と第2領域との界面において、ドーパントの濃度プロファイルが急峻になるように作製することが可能となるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施の形態(第1実施例)を、図1および図2の製造工程断面図によって説明する。
【0014】
図1(1)に示すように、半導体基板21には例えばシリコン基板を用いる。この半導体基板21に素子形成領域を分離する素子分離領域(図示せず)を形成した後、半導体基板21の素子形成領域の上部を第1伝導型(p型)の領域に形成する。このp型領域がサイリスタの第2p型領域(第3領域)p2になる。このイオン注入条件の一例としては、ドーパントにp型ドーパントであるホウ素(B)を用いる。このドーパント濃度は、1×1018cm-3から1×1019cm-3程度が望ましいが、基本的には、後に形成される第2伝導型(n型)の第1n型領域のドーパント濃度より低いことが必要である。また、上記p型ドーパントは、ホウ素(B)の他に、インジウム(In)等のp型不純物が用いられる。
【0015】
次に、上記半導体基板21上にゲート絶縁膜22を形成する。このゲート絶縁膜22は、例えば酸化シリコン(SiO2)膜で形成され、1nm〜10nm程度の厚さに成膜される。なお、上記ゲート絶縁膜22は、酸化シリコン(SiO2)に限らず、窒化酸化シリコン(SiON)はもちろんのこと、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化酸化ハフニウム(HfON)、酸化アルミニウム(Al23)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、酸化ランタン(La23)など通常のCMOSにおいて検討されているゲート絶縁膜材料を用いることもできる。
【0016】
次に、第2p型領域p2となる領域上の上記ゲート絶縁膜22上にゲート電極23を形成する。上記ゲート電極23は、通常多結晶シリコンで形成されている。または金属ゲート電極とすることもでき、またシリコンゲルマニウム(SiGe)などで形成することもできる。
【0017】
上記ゲート電極23は、例えば、上記ゲート絶縁膜22上にゲート電極形成膜を成膜した後、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術によるエッチングマスクの形成、そのエッチングマスクを用いたエッチング技術により、上記ゲート電極形成膜をエッチング加工されて形成される。このエッチング技術には、通常のドライエッチング技術を用いることができる。もしくはウエットエッチングにより形成することも可能である。また、ゲート電極形成膜上にハードマスク24として、酸化シリコン(SiO2)膜または窒化シリコン(Si34)膜等を形成してもよい。その後、上記エッチングマスクを除去する。
【0018】
次に、上記ゲート電極23の側壁にサイドウォール25、26を形成する。例えば、ゲート電極23を被覆するようにサイドウォール形成膜を成膜した後、このサイドウォール形成膜をエッチバックすることで、上記サイドウォール25、26を形成することができる。上記サイドウォール25、26は、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(Si34)のどちらで形成してもよく、またそれらの積層膜で形成してもよい。
【0019】
次に、上記ゲート電極23、ハードマスク24、サイドウォール25、26等を被覆する第1絶縁膜41を形成する。この第1絶縁膜41は、例えば窒化シリコン膜で形成され、例えば20nmの厚さに形成される。次いで、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、上記ゲート電極23の一方側(図面右側)、すなわち第2p型領域p2の少なくとも一部上を開口したエッチングマスク(図示せず)を形成する。その後、このエッチングマスクを用いたエッチング加工により、上記第2p型領域p2上の上記第1絶縁膜41に開口部42を形成する。このエッチング加工により、選択エピタキシャル成長部分のみ半導体基板21(第2p型領域p2)面を露出させることができる。ここでは一例として、上記第1絶縁膜42に窒化シリコン膜を用いたが、これはエピタキシャル成長時に選択性を取るためであるので、選択性が維持できればその他の種類の絶縁膜や膜厚を用いることができる。さらには、この工程はサイドウォール形成と同時に行うこともできる。その後、上記エッチングマスクを除去する。
【0020】
次に、上記第2p型領域p2上の上記開口部42に第2伝導型(n型)の第1n型領域(第2領域)n1を形成する。このとき必要に応じて、シリコン(Si)基板表面をフッ酸(HF)などの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。上記第1n型領域n1は、例えばin−situでn型不純物のヒ素がドーピングされる選択エピタキシャル成長により形成される。この第1n型領域n1のドーパント濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要である。このときの選択エピタキシャル成長条件は、例えば、エピタキシャル成長ガスに、ジクロロシラン(SiH2Cl2:DCS)、アルシン(AsH3(1%H2希釈))、塩化水素(HCl)、水素(H2)を用い、例えば、DCSのガス流量を50cm3/min〜500cm3/minの範囲、AsH3のガス流量を5cm3/min〜200cm3/minの範囲、HClのガス流量を15cm3/min〜200cm3/minの範囲、H2のガス流量を10l/min〜30l/minの範囲とした。また成膜時の基板温度を例えば700℃〜800℃、成膜雰囲気の圧力を101kPaに設定した。また、上記ドーパントには、アルシン(AsH3)ガスを用いたが、またホスヒン(PH3)やn型不純物を含む有機ソースなどを用いることもできる。
【0021】
ここで、上記第1n型領域n1を形成した後の第2伝導型不純物(ヒ素(As))の不純物濃度プロファイルを調べると、図3(1)の濃度プロファイルの模式図に示すように、第1n型領域n1の表層には、ヒ素(As)の高濃度領域が形成されていることがわかる。
【0022】
次に、図1(2)に示すように、上記第1n型領域n1の表層のn型不純物の濃度が高い領域を除去する表面処理を行う。
【0023】
まず、表面酸化法によって、上記第1n型領域n1の表層のn型不純物(本実施例ではヒ素(As))の濃度が高い領域を酸化して、酸化層51を形成する。このとき、半導体基板21、ゲート電極23は、第1絶縁膜41、ハードマスク23、サイドウォール25、26に被覆されているため、酸化されない。なお、図示はしていないが、酸化層51は上記第1n型領域n1の側壁部分が露出している場合には、その側壁部分にも形成される。上記表面酸化法にはウエット酸化とドライ酸化がある。
【0024】
例えば、ウエット酸化法は、アンモニア過水(NH4OH+H22+H2O)を用いる。このアンモニア過水は、SC1と呼ばれている。酸化条件は、一例として、SC1の成分濃度を、NH4OH:H22:H2O=1:1〜5:4〜200とし、液温を25℃〜70℃、酸化時間を5min〜20minとした。
【0025】
または、上記ウエット酸化法には、塩酸過水(HCl2+H22+H2O)を用いる。この塩酸過水は、SC2と呼ばれている。酸化条件は、一例として、SC2の成分濃度を、HCl2:H22:H2O=1:1〜5:4〜200とし、液温を25℃〜40℃、酸化時間を5min〜20minとした。
【0026】
または、上記ウエット酸化法には、オゾン水(O3+H2O)を用いる。このオゾン水は、オゾン濃度を1ppm〜20ppmとし、酸化時間を1min〜10minとした。
【0027】
または、上記ウエット酸化法には、硫酸過水(H2SO4+H22)を用いる。この硫酸過水での酸化条件は、一例として、成分濃度を、H2SO4:H22=1〜15:1とし、液温を80℃〜150℃、酸化時間を5min〜20minとした。
【0028】
また、上記ドライ酸化法としては、酸素(O2)プラズマ処理がある。
【0029】
次に、図1(3)に示すように、エッチングにより上記酸化層51(前記図1(2)参照)を除去する。このエッチングでは、一例として、希フッ酸(DHF)をエッチング液に用いたウエットエッチングもしくはフッ化水素(HF)とアンモニア(NH3)からなるエッチングガス(例えばCOR)を用いたドライエッチングにより、上記酸化層51を除去する。したがって、上記ハードマスク24、第1絶縁膜41は、酸化シリコンのエッチングマスクとなる材料、例えば窒化シリコン膜で形成されていることが好ましいが、酸化シリコンで形成されていても、上記酸化層51の膜厚より十分に厚く形成されていれば問題はない。また、上記DHFによるエッチングでは次のエピタキシャル成長工程の前処理の機能も有する。
【0030】
また、上記ウエットエッチングには、エッチング液にアンモニア過水(NH4OH+H22+H2O)を用いることもできる。このアンモニア過水は、SC1と呼ばれている。酸化条件は、一例として、SC1の成分濃度を、NH4OH:H22:H2O=1:1〜5:5〜50とし、液温を50℃〜80℃、エッチング時間を5min〜30minとした。
【0031】
次に、エピタキシャル成長前処理を行う。この前処理は、例えば、DHF処理もしくはCOR処理による。
したがって、上記DHFやCORによるエッチング処理はエピタキシャル成長前処理の役割も果たす。
【0032】
ここで、表面処理を行って、第1n型領域n1の表層を除去した後の第2伝導型不純物(ヒ素(As))の不純物濃度プロファイルを調べると、図3(2)の濃度プロファイルの模式図に示すように、第1n型領域n1の表層のヒ素(As)の高濃度領域が除去されていることがわかる。
【0033】
次に、エピタキシャル成長により上記第1n型領域n1上に第1伝導型(p型)の第1p型領域(第1領域)p1を形成する。この第1p型領域p1は、例えば選択エピタキシャル成長により形成される。上記ドーパント(ホウ素)濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましい。このときの選択エピタキシャル成長条件は、例えばエピタキシャル成長ガスに、ジクロロシラン(SiH2Cl2:DCS)、ジボラン(B26)、塩化水素(HCl)、水素(H2)を用い、例えば、DCSのガス流量を50cm3/min〜500cm3/minの範囲、B26(50ppmにH2で希釈)のガス流量を5cm3/min〜200cm3/minの範囲、HClのガス流量を15cm3/min〜200cm3/minの範囲、H2のガス流量を10L/min〜30L/minの範囲とした。また成膜時の基板温度を例えば700℃〜800℃、成膜雰囲気の圧力を1.33kPaに設定した。上記エピタキシャル成長では、第1n型領域n1以外は、第1絶縁膜41、サイドウォール26等の絶縁膜に被覆されているので、第1p型領域p1は第1n型領域n1上に選択的に成長される。
【0034】
尚、上記第1n型領域n1、第1p型領域p1を成長させる各エピタキシャル成長では、エピタキシャル成長室の容積が5L-20Lの装置を用いたが、その体積比からプロセスガス流量比を上記値とすることで、種々の大きさのエピタキシャル成長室を有するバッチ式エピタキシャル成長装置、枚葉式エピタキシャル成長装置においても実現可能である。
【0035】
ここで、上記第1p型領域p1を形成した後の第1伝導型不純物(ホウ素(B))と第2伝導型不純物(ヒ素(As))の不純物濃度プロファイルを調べると、図4の濃度プロファイルの模式図に示すように、第1p型領域p1と第1n型領域n1との界面において、ドーパントの濃度プロファイルが急峻になるように形成されていることがわかる。
【0036】
次に、図2(4)に示すように、上記ゲート電極23、ハードマスク24、サイドウォール25、26、上記第1絶縁膜41等を被覆する第2絶縁膜43を形成する。この第2絶縁膜43は、例えば窒化シリコン膜で形成され、例えば20nmの厚さに形成される。次いで、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、上記ゲート電極23の他方側、すなわち第2p型領域p2の少なくとも一部上を開口したエッチングマスク(図示せず)を形成する。その後、このエッチングマスクを用いたエッチング加工により、上記第2p型領域p2上の上記第2絶縁膜43、第1絶縁膜41に開口部44を形成する。このエッチング加工により、選択エピタキシャル成長部分のみ半導体基板21(第2p型領域p2)面を露出させることができる。ここでは一例として、上記第2絶縁膜43に窒化シリコン膜を用いたが、これはエピタキシャル成長時に選択性を取るためであるので、選択性が維持できればその他の種類の絶縁膜や膜厚を用いることができる。その後、上記エッチングマスクを除去する。
【0037】
次に、図2(5)に示すように、上記第2p型領域p2上の上記開口部44に第2伝導型(n型)の第2n型領域n2を形成する。この第2n型領域n2は、例えばシリコンの選択エピタキシャル成長により、シリコン膜中にヒ素(As)が含まれるようにした。このときの選択エピタキシャル成長条件は、例えばドーパントガスにアルシン(AsH3)ガスを用い、シリコンエピタキシャル層の成膜時の基板温度を例えば750℃に設定するとともに、原料ガスの供給量、成膜雰囲気の圧力等を調整して、膜厚は例えば200nmとした。このドーパント濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要である。また上記膜厚は50nm〜300nm程度が望ましいが、第2n型領域n2がカソード電極として機能を果たせる範囲であればよい。また、上記ドーパントガスはホスヒン(PH3)や有機ソースなど、n型不純物を用いることができる。
【0038】
また、上記第1実施例では、第1n型領域n1、第1p型領域p1、第2n型領域n2の順で作製したが、第2n型領域n2を先に形成した後に第1n型領域n1、第1p型領域p1の順に形成してもよい。また、このとき必要に応じて、シリコン(Si)基板表面をフッ酸(HF)などの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。また、必要に応じて第1p型領域p1または第2n型領域n2を成膜した後、いずれかまたは両方に活性化アニールを行ってもよい。活性化のアニールとして例えば1000℃のスパイクアニールを行う。このときのアニール条件は上記ドーパントの活性化が行える範囲でよい。
【0039】
次に、通常の電極形成技術によって、第1p型領域p1に接続されるアノード電極Aと、第2n型領域n2に接続されるカソード電極Kとをそれぞれ形成する。この際、両端部の第1p型領域p1と第2n型領域n2の露出させるため、各領域上の上記第1絶縁膜41、第2絶縁膜43を除去する。また、層間絶縁膜(図示せず)を形成する前に、ゲート電極23上のハードマスク24を除去し、各露出された第1p型領域p1、第2n型領域n2、ゲート電極上に、サリサイド工程によってシリサイド(チタンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド等)を形成してもよい。このようにして、半導体装置1が形成される。その後、通常のCMOS工程と同様の配線工程を行う。
【0040】
次に、本発明の一実施の形態(第2実施例)を、図5および図6の製造工程断面図によって説明する。
【0041】
図5(1)に示すように、半導体基板21には例えばシリコン基板を用いる。この半導体基板21に素子形成領域を分離する素子分離領域(図示せず)を形成した後、半導体基板21の素子形成領域の上部を第1伝導型(p型)の領域に形成する。このp型領域がサイリスタの第2p型領域(第3領域)p2になる。このイオン注入条件の一例としては、ドーパントにp型ドーパントであるホウ素(B)を用いる。このドーパント濃度は、1×1018cm-3から1×1019cm-3程度が望ましいが、基本的には、後に形成される第2伝導型(n型)の第1n型領域のドーパント濃度より低いことが必要である。また、上記p型ドーパントは、ホウ素(B)の他に、インジウム(In)等のp型不純物が用いられる。
【0042】
次に、上記半導体基板21上にゲート絶縁膜22を形成する。このゲート絶縁膜22は、例えば酸化シリコン(SiO2)膜で形成され、1nm〜10nm程度の厚さに成膜される。なお、上記ゲート絶縁膜22は、酸化シリコン(SiO2)に限らず、窒化酸化シリコン(SiON)はもちろんのこと、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化酸化ハフニウム(HfON)、酸化アルミニウム(Al23)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、窒化ハフニウムシリケート(HfSiON)、酸化ランタン(La23)など通常のCMOSにおいて検討されているゲート絶縁膜材料を用いることもできる。
【0043】
次に、第2p型領域p2となる領域上の上記ゲート絶縁膜22上にゲート電極23を形成する。上記ゲート電極23は、通常多結晶シリコンで形成されている。または金属ゲート電極とすることもでき、またシリコンゲルマニウム(SiGe)などで形成することもできる。
【0044】
上記ゲート電極23は、例えば、上記ゲート絶縁膜22上にゲート電極形成膜を成膜した後、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術によるエッチングマスクの形成、そのエッチングマスクを用いたエッチング技術により、上記ゲート電極形成膜をエッチング加工されて形成される。このエッチング技術には、通常のドライエッチング技術を用いることができる。もしくはウエットエッチングにより形成することも可能である。また、ゲート電極形成膜上にハードマスク24として、酸化シリコン(SiO2)膜または窒化シリコン(Si34)膜等を形成してもよい。その後、上記エッチングマスクを除去する。
【0045】
次に、上記ゲート電極23の側壁にサイドウォール25、26を形成する。例えば、ゲート電極23を被覆するようにサイドウォール形成膜を成膜した後、このサイドウォール形成膜をエッチバックすることで、上記サイドウォール25、26を形成することができる。上記サイドウォール25、26は、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(Si34)のどちらで形成してもよく、またそれらの積層膜で形成してもよい。
【0046】
次に、上記ゲート電極23、ハードマスク24、サイドウォール25、26等を被覆する第1絶縁膜41を形成する。この第1絶縁膜41は、例えば窒化シリコン膜で形成され、例えば20nmの厚さに形成される。次いで、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、上記ゲート電極23の一方側(図面右側)、すなわち第2p型領域p2の少なくとも一部上を開口したエッチングマスク(図示せず)を形成する。その後、このエッチングマスクを用いたエッチング加工により、上記第2p型領域p2上の上記第1絶縁膜41に開口部42を形成する。このエッチング加工により、選択エピタキシャル成長部分のみ半導体基板21(第2p型領域p2)面を露出させることができる。ここでは一例として、上記第1絶縁膜42に窒化シリコン膜を用いたが、これはエピタキシャル成長時に選択性を取るためであるので、選択性が維持できればその他の種類の絶縁膜や膜厚を用いることができる。さらには、この工程はサイドウォール形成と同時に行うこともできる。その後、上記エッチングマスクを除去する。
【0047】
次に、上記第2p型領域p2上の上記開口部42に第2伝導型(n型)の第1n型領域(第2領域)n1を形成する。このとき必要に応じて、シリコン(Si)基板表面をフッ酸(HF)などの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。上記第1n型領域n1は、例えばin−situでn型不純物のヒ素がドーピングされる選択エピタキシャル成長により形成されるようにした。上記第1n型領域n1のドーパント濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要である。このときの選択エピタキシャル成長条件は、例えばエピタキシャル成長ガスに、ジクロロシラン(SiH2Cl2:DCS)、アルシン(AsH3(1%H2希釈))、塩化水素(HCl)、水素(H2)を用い、例えば、DCSのガス流量を50cm3/min〜500cm3/minの範囲、AsH3のガス流量を5cm3/min〜200cm3/minの範囲、HClのガス流量を15cm3/min〜200cm3/minの範囲、H2のガス流量を10l/min〜30l/minの範囲とした。また成膜時の基板温度を例えば700℃〜800℃、成膜雰囲気の圧力を101kPaに設定した。また、上記ドーパントには、アルシン(AsH3)ガスを用いたが、またホスヒン(PH3)やn型不純物を含む有機ソースなどを用いることもできる。
【0048】
ここで、上記第1n型領域n1を形成した後の第2伝導型不純物(ヒ素(As))の不純物濃度プロファイルを調べると、前記図3(1)の濃度プロファイルの模式図に示すように、第1n型領域n1の表層には、ヒ素(As)の高濃度領域が形成されていることがわかる。
【0049】
次に、図5(2)に示すように、上記第1n型領域n1の表層のn型不純物の濃度が高い領域を除去する表面処理を行う。この表面処理は、例えばドライエッチングにより行う。
【0050】
上記ドライエッチング条件は、一例として、エッチング雰囲気の圧力を1.33kPa〜101kPa、基板温度を700℃〜800℃、エッチングガスに、塩化水素(HCl)と水素(H2)を用い、HClの供給流量を15cm3/min〜200cm3/min、H2の供給流量を10L/min〜30L/minに設定する。
【0051】
もしくは、上記ドライエッチング条件は、一例として、エッチング雰囲気の圧力を1.33kPa〜101kPa、基板温度を700℃−800℃、エッチングガスに、塩素(Cl2)を用い、Cl2の供給流量を15cm3/min〜200cm3/minに設定する。
【0052】
ここで、表面処理を行って、第1n型領域n1の表層を除去した後の第2伝導型不純物(ヒ素(As))の不純物濃度プロファイルを調べると、前記図3(2)の濃度プロファイルの模式図に示すように、第1n型領域n1の表層のヒ素(As)の高濃度領域が除去されていることがわかる。
【0053】
次に、図5(3)に示すように、エピタキシャル成長により上記第1n型領域n1上に第1伝導型(p型)の第1p型領域(第1領域)p1を形成する。この第1p型領域p1は、例えば選択エピタキシャル成長により、膜中にホウ素(B)がドーピングされるようにした。上記ドーパント(ホウ素)濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましい。このときの選択エピタキシャル成長条件は、例えばエピタキシャル成長ガスに、ジクロロシラン(SiH2Cl2:DCS)、ジボラン(B26)、塩化水素(HCl)、水素(H2)を用い、例えば、DCSのガス流量を50cm3/min〜500cm3/minの範囲、B26(50ppmにH2で希釈)のガス流量を5cm3/min〜200cm3/minの範囲、HClのガス流量を15cm3/min〜200cm3/minの範囲、H2のガス流量を10L/min〜30L/minの範囲とした。また成膜時の基板温度を例えば700℃〜800℃、成膜雰囲気の圧力を1.33kPaに設定した。上記エピタキシャル成長では、第1n型領域n1以外は、第1絶縁膜41、サイドウォール26等の絶縁膜に被覆されているので、第1p型領域p1は第1n型領域n1上に選択的に成長される。
【0054】
尚、上記第1n型領域n1、第1p型領域p1を成長させる各エピタキシャル成長では、エピタキシャル成長室の容積が5L-20Lの装置を用いたが、その体積比からプロセスガス流量比を上記値とすることで、種々の大きさのエピタキシャル成長室を有するバッチ式エピタキシャル成長装置、枚葉式エピタキシャル成長装置においても実現可能である。
【0055】
ここで、上記第1p型領域p1を形成した後の第1伝導型不純物(ホウ素(B))と第2伝導型不純物(ヒ素(As))の不純物濃度プロファイルを調べると、前記図4の濃度プロファイルの模式図に示すように、第1p型領域p1と第1n型領域n1との界面において、ドーパントの濃度プロファイルが急峻になるように形成されていることがわかる。
【0056】
次に、図6(4)に示すように、上記ゲート電極23、ハードマスク24、サイドウォール25、26、上記第1絶縁膜41等を被覆する第2絶縁膜43を形成する。この第2絶縁膜43は、例えば窒化シリコン膜で形成され、例えば20nmの厚さに形成される。次いで、通常のレジスト塗布、リソグラフィー技術により、上記ゲート電極23の他方側、すなわち第2p型領域p2の少なくとも一部上を開口したエッチングマスク(図示せず)を形成する。その後、このエッチングマスクを用いたエッチング加工により、上記第2p型領域p2上の上記第2絶縁膜43、第1絶縁膜41に開口部44を形成する。このエッチング加工により、選択エピタキシャル成長部分のみ半導体基板21(第2p型領域p2)面を露出させることができる。ここでは一例として、上記第2絶縁膜43に窒化シリコン膜を用いたが、これはエピタキシャル成長時に選択性を取るためであるので、選択性が維持できればその他の種類の絶縁膜や膜厚を用いることができる。その後、上記エッチングマスクを除去する。
【0057】
次に、図6(5)に示すように、上記第2p型領域p2上の上記開口部44に第2伝導型(n型)の第2n型領域n2を形成する。この第2n型領域n2は、例えばシリコンの選択エピタキシャル成長により、シリコン膜中にヒ素(As)がドーピングされるようにした。このときの選択エピタキシャル成長条件は、例えばドーパントガスにアルシン(AsH3)ガスを用い、シリコンエピタキシャル層の成膜時の基板温度を例えば750℃に設定するとともに、原料ガスの供給量、成膜雰囲気の圧力等を調整して、膜厚は例えば200nmとした。このドーパント濃度は、1×1018cm-3から1×1021cm-3程度が望ましいが、上記第2p型領域p2のドーパント濃度より高いことが必要である。また上記膜厚は50nm〜300nm程度が望ましいが、第2n型領域n2がカソード電極として機能を果たせる範囲であればよい。また、上記ドーパントガスはホスヒン(PH3)や有機ソースなど、n型不純物を用いることができる。
【0058】
上記第2実施例では、第1n型領域n1のエピタキシャル成長、偏析領域の除去する表面処理、第1p型領域p1のエピタキシャル成長を、エピタキシャル成長装置のチャンバ内で、in−situで行うことが好ましい。そうすることで、エピタキシャル成長表面の汚染の防止が図れるとともに、スループットの向上が図れる。
【0059】
また、上記第2実施例では、第1n型領域n1、第1p型領域p1、第2n型領域n2の順で作製したが、第2n型領域n2を先に形成した後に第1n型領域n1、第1p型領域p1の順に形成してもよい。また、このとき必要に応じて、シリコン(Si)基板表面をフッ酸(HF)などの薬液や水素(H2)ガスなどを用いてクリーニングを行ってもよい。また、必要に応じて第1p型領域p1または第2n型領域n2を成膜した後、いずれかまたは両方に活性化アニールを行ってもよい。活性化のアニールとして例えば1000℃のスパイクアニールを行う。このときのアニール条件は上記ドーパントの活性化が行える範囲でよい。
【0060】
次に、通常の電極形成技術によって、第1p型領域p1に接続されるアノード電極Aと、第2n型領域n2に接続されるカソード電極Kとをそれぞれ形成する。この際、両端部の第1p型領域p1と第2n型領域n2の露出させるため、各領域上の上記第1絶縁膜41、第2絶縁膜43を除去する。また、層間絶縁膜(図示せず)を形成する前に、ゲート電極23上のハードマスク24を除去し、各露出された第1p型領域p1、第2n型領域n2、ゲート電極上に、サリサイド工程によってシリサイド(チタンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド等)を形成してもよい。このようにして、半導体装置2が形成される。その後、通常のCMOS工程と同様の配線工程を行う。
【0061】
上記第1、第2実施例の製造方法では、第1n型領域(第2領域)n1の表層を除去する表面処理を行うため、第1n型領域n1の表層に高濃度にドーピングされているn型の不純物領域を除去することができるので、第1n型領域n1上に第1p型領域(第1領域)p1をエピタキシャル成長によって形成する際に、第1n型領域n1のn型の不純物の偏析領域が除去される。これによって、第1p型領域p1をエピタキシャル成長によって形成する際に、第1n型領域n1表層の高濃度のn型不純物が第1p型領域p1中に拡散されるのが抑制される。よって、第1p型領域p1と第1n型領域n1との界面において、ドーパントの濃度プロファイルが急峻になるように作製することが可能となるという利点がある。
【0062】
また、第2p型領域p2の一部上に第1n型領域n1、第1p型領域p1を順に積むように形成し、さらに、第2p型領域p2上に第2n型領域n2を積むように形成するため、デバイスの縮小化が図れる。また、第1p型領域p1および第1n型領域n1を半導体基板21より上に形成することで、第1p型領域p1と第2p型領域p2とに挟まれた第1n型領域n1の厚さ方向におけるマージンが取れるようになり、パンチスルー耐性が向上されるという利点がある。さらに、プロセスマージンが増大し、デバイス特性のウィンドウも大きくとれるようになる。その結果、特性改善が図られ、先々の世代のデバイス製造に適用できるという利点がある。
【0063】
次に、本発明の半導体装置の製造方法が適用できる別構成の半導体装置の一例について、図7の概略構成断面図によって説明する。
【0064】
図7に示すように、半導体装置3は、第1p型領域p1、第1n型領域n1、第2p型領域p2、第2n型領域n2を順に接合したサイリスタ構造を有するものである。
【0065】
上記半導体装置3は、前記図1および図2によって説明した半導体装置1において、第2n型領域n2を半導体基板21にn型不純物として、例えばヒ素、アンチモン、リン等を導入して形成したものである。この形成方法としては、ゲート電極23、ハードマスク24を加工した後、第1n型領域n1の形成領域を覆うイオン注入マスクを形成し、イオン注入により形成する。
【0066】
このような構成の半導体装置3においても、第1n型領域n1を形成した後、本発明の製造方法の特徴とする表面処理工程を行い、その後、第1p型領域p1を形成する。
【0067】
この半導体装置3においても、上記第1、第2実施例で説明したのと同様に、第1p型領域p1と第1n型領域n1との界面において、ドーパントの濃度プロファイルが急峻になるように作製することが可能となるという利点がある。
【0068】
以上説明したように、本発明の半導体装置の製造方法は、第1p型領域p1、第1n型領域n1、第2p型領域p2、第2n型領域n2を順に接合したサイリスタ構造を有する半導体装置の製造方法において、エピタキシャル成長により形成された第1n型領域n1上に、エピタキシャル成長によって第1p型領域p1を形成する工程を有する半導体装置の製造方法に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施の形態(第1実施例)を示した製造工程断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態(第1実施例)を示した製造工程断面図である。
【図3】第1n型領域n1の表層を除去する前後のヒ素の不純物濃度プロファイルを示した濃度プロファイルの模式図である。
【図4】第1p型領域p1を形成した後のヒ素とホウ素の不純物濃度プロファイルを示した濃度プロファイルの模式図である。
【図5】本発明の一実施の形態(第2実施例)を示した製造工程断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態(第2実施例)を示した製造工程断面図である。
【図7】本発明の半導体装置の製造方法が適用できる別構成の半導体装置の一例について示した概略構成断面図である。
【図8】シリコン基板上にエピタキシャル成長させたホウ素ドープトシリコンエピタキシャル成長層の濃度プロファイル図である。
【図9】シリコン基板上にエピタキシャル成長させたヒ素ドープトシリコンエピタキシャル成長層の濃度プロファイル図である。
【図10】ヒ素ドープトシリコンエピタキシャル層上にホウ素ドープトシリコンエピタキシャル成長層を形成した場合の濃度プロファイル図である。
【符号の説明】
【0070】
1…半導体装置、p1…第1p型領域(第1領域)、n1…第1n型領域(第2領域)、p2…第2p型領域(第3領域)、n2…第2n型領域(第4領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1伝導型の第1領域と、前記第1伝導型とは逆伝導の第2伝導型の第2領域と、第1伝導型の第3領域と、第2伝導型の第4領域とが順に接合されたサイリスタを有する半導体装置の製造方法において、
前記第2領域を第2伝導型の不純物をドーピングしながらエピタキシャル成長により形成する工程と、
前記第2領域の表層を除去する表面処理を行う工程と、
前記表面処理をした第2領域上に、前記第1領域を第1伝導型の不純物をドーピングしながらエピタキシャル成長により形成する工程と
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記表面処理は、塩素系エッチング種を用いたドライエッチングで行う
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記表面処理は、薬液を用いたウエットエッチングで行う
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記表面処理は、
前記第2領域の表層を酸化する工程と、
前記酸化した領域を除去する工程と
からなることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−263113(P2008−263113A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105704(P2007−105704)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】