説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】接続電極を覆うアンダーフィル樹脂が形成されている場合にも、アライメントマークの認識が容易な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体素子11と、半導体素子11に形成されたパッド電極12と、半導体素子11に形成されたアライメントマーク15と、パッド電極12上に形成された接続電極と、接続電極を覆うように形成されたアンダーフィル樹脂18とを備える半導体装置10を構成する。そして、この半導体装置10は、半導体素子11からの高さが接続電極よりも大きいアライメントマーク15を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリップチップ接続用のアライメントマークが形成された半導体装置及び半導体装置の製造方法に係わる。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップをはんだバンプで実装するフリップチップ実装では、半導体チップ上の金属配線を利用してアライメントマークが形成されている。また、フリップチップ実装では、半導体チップを実装した後、実装した半導体チップの下部に信頼性を高めるためのアンダーフィル樹脂が充填される。また、実装基板又は半導体装置上に形成されたワイヤボンディングパッド等の電極上に、アンダーフィル樹脂の流れ込みによる樹脂汚染を防ぐために、アンダーフィル樹脂を充填する領域にダムを形成する技術が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−276879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フリップチップ実装において、半導体チップの実装面に、はんだバンプを覆うアンダーフィル樹脂を予め形成する方法が提案されている。この方法では、半導体チップのアライメントマーク上にもアンダーフィル樹脂が形成される。このため、実装する際にアライメントマークの位置を、アンダーフィル樹脂を通して確認する必要がある。しかし、フィラー等が充填されたアンダーフィル樹脂は光透過性が低いため、アンダーフィル樹脂の下部に形成されたアライメントマークの識別が困難である。
このため、半導体チップの実装時に正確な位置合わせが困難となり、バンプ間のショート等の接続不良の発生が問題となる。
【0005】
上述した問題の解決のため、本発明においては、アライメントマークの認識が容易であり、アライメントマークを用いた正確な位置合わせが可能な半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の半導体装置は、半導体素子と、半導体素子に形成されたパッド電極と、半導体素子に形成されたアライメントマークと、パッド電極上に形成された接続電極と、接続電極を覆うように形成されたアンダーフィル樹脂とを備える。そして、アライメントマークの半導体素子からの高さが、接続電極よりも大きい。
また、本発明の半導体装置は、上述の半導体装置の構成を有する第1の電子部品と、第1の電子部品が実装される第2の電子部品とを備える。
【0007】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体素子が形成されたウエハを準備する工程と、ウエハ上にバリア層を形成する工程とを有する。そして、バリア層上に、アライメントマークを形成する位置に開口部を有する第1レジストパターンを形成する工程と、電解メッキ法を用いて第1レジストパターンの開口部内にアライメントマークを形成する工程とを有する。さらに、第1レジストパターンを除去した後、バリア層及びアライメントマークを覆って、半導体素子の接続電極位置に開口部を有する第2レジストパターンを形成する工程を有する。電解メッキ法を用いて第2レジストパターンの開口部内に接続電極を形成する工程と、接続電極を覆って、半導体素子上にアンダーフィル樹脂を設ける工程とを有する。
また、本発明の半導体装置は、上述の半導体装置の製造方法により形成される第1の電子部品と、アライメントマーク及びパッド電極を有する第2の電子部品を準備する工程とを有する。そして、アライメントマークを用いて第1の電子部品と第2の電子部品との位置を合わせて、接続電極とパッド電極とを電気的に接続して、第2の電子部品上に第1の電子部品を実装する。
【0008】
本発明の半導体装置によれば、接続電極よりも高さの大きいアライメントマークが形成されていることにより、接続電極を覆うようにアンダーフィル樹脂が形成された状態であっても、アンダーフィル樹脂を透過してのアライメントマークの認識が容易となる。このアライメントマークを有する半導体装置のフリップチップ接続を行うことにより、実装位置の正確な位置合わせが可能となり、接続不良の抑制が可能となる。
【0009】
また、本発明の半導体装置の製造方法によれば、接続電極よりも高さの大きいアライメントマークを形成することにより、接続電極を覆うアンダーフィル樹脂を形成した後にも、アライメントマークの認識が容易となる。このため、接続不良の抑制が可能な半導体装置を製造することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、接続電極を覆うアンダーフィル樹脂が形成されている場合にも、アライメントマークの認識が容易であり、正確な位置合わせを容易に行うことができる半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる半導体装置の構成を示す図である。
【図2】A〜Eは、本発明の第1実施形態に係わる半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図3】F〜Iは、本発明の第1実施形態に係わる半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図4】J〜Mは、本発明の第1実施形態に係わる半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図5】A及びBは、本発明の第2実施形態に係わる半導体装置の構成を示す図である。
【図6】A〜Cは、本発明の第2実施形態に係わる半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係わる半導体装置の構成を示す図である。
【図8】A及びBは、本発明の第2実施形態に係わる半導体装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.半導体装置の第1実施形態
2.第1実施形態の半導体装置の製造方法
3.半導体装置の第2実施形態
4.第2実施形態の半導体装置の製造方法
5.アライメントマークの変形例
【0013】
〈1.半導体装置の第1実施形態〉
本発明の半導体装置の第1実施形態について説明する。図1に第1実施形態の半導体装置を示す。図1に示す半導体装置10は、半導体素子11上においてパッド電極12上にバンプ電極19が形成された部分を示す断面図である。
【0014】
半導体装置10は、半導体素子11上にパッド電極12を有する。また、半導体素子11上には、パッド電極12の開口を除く全面にパッシベーション層13が形成されている。
パッド電極12上に外部機器との接続電極として、バンプ電極19が形成されている。バンプ電極19は、パッド電極12上にバリア層14が形成されている。そして、バリア層14上に、アンダーバンプメタル(UBM)16を有する。さらに、UBM16上に、パッド電極12に対応するバンプ17が形成されている。
また、半導体装置10は、パッシベーション層13上に、アライメントマーク15が形成されている。そして、バンプ電極19、アライメントマーク15及びパッシベーション層13を覆って半導体素子11の全面にアンダーフィル樹脂18が形成されている。
【0015】
パッド電極12は、例えばアルミニウムからなり、半導体素子11において、図示しないウエハの電子回路に接続されている。また、パッド電極12の表面周囲にパッシベーション層13が形成され、中央部分に、バリア層14とUBM16とが形成されている。
【0016】
バリア層14は、パッド電極12の中央部分を被覆するように形成されている。また、バリア層14は、パッド電極12の表面周囲に形成されたパッシベーション層上において、UBM16が形成されている部分の下層に形成されている。
さらに、バリア層14は、アライメントマーク15に下部とパッシベーション層13との間にパッド電極12上と同様に形成されている。
バリア層14は、例えば、Ti,Cu等により形成されている。
【0017】
UBM16は、上述のバリア層14を介して、パッド電極12の中央部分に形成されている。また、UBM16上にバンプ17が形成されている。このように、バリア層14、UBM16及びバンプ17により、パッド電極12上にバンプ電極19が形成されている。
【0018】
UBM16は、バンプ17を形成するはんだによる侵食を受けるため、一定以上の厚さを有して形成される。UBM16は、例えば、Ni,Ti,TiW,W及びCu等により形成されている。通常UBM16は、UBM16上に形成されるSnAg等のはんだ合金による、AlCuやCu等からなるパッド電極12への拡散を防ぐため、バリア層14やパッド電極12よりも厚く形成される。
バンプ17は、UBM16上において、パッド電極12上において突出した球状に形成されている。バンプ17は、例えば、SnAg等のはんだ合金により形成されている。また、バンプ17としてUBM16上にはんだ合金等を形成せず、UBM16上にNi/Au等による酸化防止処理を行ってもよい。
【0019】
アライメントマーク15は、半導体素子11上の所定の位置に様式化して形成される。アライメントマーク15は、半導体装置10を他の半導体装置又は実装基板等にセットする際の位置合わせのために形成され、また、半導体装置10の歪み等を補正するために、半導体素子11上に複数個形成される。
【0020】
一般的に、半導体素子等に形成されるアライメントマークは、パッド電極12と同じ工程において形成される。このため、アライメントマークがパッド電極12と同一面に、パッド電極12と同様の厚さで形成される。
これに対して、本実施の形態の半導体装置10のアライメントマーク15は、パッシベーション層13上において、柱状に形成されている。アライメントマーク15は、半導体素子11の面からの高さが、パッド電極12上に形成されているバンプ電極19よりも高く形成されている。
また、アライメントマーク15の高さは、アンダーフィル樹脂18の高さと同じでもよい。また、アライメントマーク15の高さはアンダーフィル樹脂18以下の高さで形成することが好ましい。なお、アライメントマーク15の高さは、アンダーフィル樹脂18を形成した後も、アライメントマーク15が容易に認識でき、半導体装置10の実装時に不具合が発生しない高さであればよい。
【0021】
アンダーフィル樹脂18は、半導体装置10を実装する際に、バンプ17の接続部分、半導体装置10の実装面がアンダーフィル樹脂18によって被覆される厚さに形成する。例えば、半導体素子11表面からアンダーフィル樹脂の厚さが、実装後の半導体装置10の実装面と、半導体装置10が実装される半導体装置又は実装基板等の実装面との距離以上の厚さで形成されていることが好ましい。
【0022】
半導体装置10と実装基板等との間にアンダーフィル樹脂18が充填される構成とすることにより、実装信頼性を確保することができる。アライメントマーク15を、バンプ電極19の高さよりも高く形成することにより、光透過性の低いアンダーフィル樹脂18により表面が被覆された半導体装置10においても、アライメントマーク15の識別が容易となる。
【0023】
アライメントマーク15は、アンダーバンプメタル(UBM)16と同じ材料、例えば、Ni,Ti,TiW,W及びCu等で形成することが好ましい。また、UBM16と異なる材料により形成することもできる。
なお、半導体装置10においてアライメントマーク15は、パッシベーション層13上に形成されているが、パッド電極12と同一面に形成することも可能である。この場合には、アライメントマーク15をパッド電極12と同じ材料で形成することも可能である。
【0024】
〈2.第1実施形態の半導体装置の製造方法〉
次に、第1実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。なお、上述の図1で示す構成と同じ符号を付して、各構成の詳細な説明は省略する。
なお、以下説明では、半導体ウエハ上に形成される複数の半導体素子のうち、1つの半導体素子の断面図を示す。
【0025】
まず、図2Aに示すように、パッド電極12及びパッシベーション層13を備える半導体素子11が形成されたウエハ準備する。そして、ウエハ上の半導体素子11の表面に逆スパッタを行い、パッド電極12表面の酸化膜等を除去する。
【0026】
次に、図2Bに示すように、スパッタリング法を用いて、パッド電極12及びパッシベーション層13を被覆して、半導体素子11の全面にバリア層14を形成する。バリア層14の形成は、例えば、パッド電極12及びパッシベーション層13上に、スパッタリング法を用いてTi層を形成する。そして、Ti層を被覆するように、同様にスパッタリング法を用いてCu層を形成する。
【0027】
次に、図2Cに示すように、バリア層14上にフォトレジスト層21を形成する。フォトレジスト層21は、ウエハの面を覆うように、例えばスピンコート法により塗膜を形成後、この塗膜を乾燥させることにより形成する。また、フォトレジスト層21は、半導体素子11上に形成するアライメントマーク15の高さ以上の厚さに形成する。
【0028】
次に、図2Dに示すように、フォトマスク22を用いてフォトレジスト層21に露光処理を行う。フォトマスク22には、アライメントマークを形成する領域に露光光を照射するパターンを用いる。そして、図2Fに示すように、フォトレジスト層21に現像処理を行い、フォトレジスト層21の露光部を除去し、フォトレジスト層21に開口部23を形成する。開口部23は、アライメントマークの形成位置に対応するように半導体素子11上に形成する。
【0029】
次に、図3Fに示すように、電解メッキ法を用いてフォトレジスト層21の開口部23にメッキ層を形成し、アライメントマーク15を形成する。これにより、半導体素子11及びバリア層14上にアライメントマーク15が形成される。
アライメントマーク15は、例えば、Ni,Ti,TiW,W及びCu等のメッキ層により形成する。アライメントマーク15は、半導体素子11のパッド電極上に形成するバンプ電極19以上の高さに形成する。
【0030】
次に、図3Gに示すように、半導体素子11上からフォトレジスト層21を除去する。そして、図3Hに示すように、バリア層14上にフォトレジスト層24を形成する。フォトレジスト層24は、ウエハの面及びアライメントマーク15を覆うように、例えばスピンコート法により塗膜を形成後、この塗膜を乾燥させることにより形成する。
【0031】
次に、図3Iに示すように、フォトマスク25を用いてフォトレジスト層24に露光処理を行う。フォトマスク25には、パッド電極12の中央部分に露光光を照射するパターンを用いる。そして、露光後にフォトレジスト層24に現像処理を行い、露光部を除去してフォトレジスト層24に開口部26を形成する。
【0032】
そして、図4Jに示すように、電解メッキ法を用いて開口部26内にアンダーバンプメタル(UBM)16を形成する。さらに、図4Kに示すように、開口部26内においてUBM16上に、電解メッキ法を用いてはんだ層17Aを形成する。UBM16は、アライメントマーク15と同様に、Ni,Ti,TiW,W及びCu等の電解メッキにより形成する。また、はんだ層17Aは、SnAg等のはんだ合金を用いた電解メッキにより形成する。
【0033】
次に、フォトレジスト層24を除去した後、スパッタエッチングにより半導体素子11の表面に露出するバリア層14を除去する。そして、図4Lに示すように、リフローにより半導体層を溶融してバンプ17を形成する。バリア層14の除去では、ウエハ全面に対して、UBM16及びはんだ層17Aをマスクにして行うことにより、UBM16の下層にのみバリア層14を残存させることができる。また、アライメントマーク15もエッチングマスクとなるため、アライメントマーク15の下部にも、バリア層14が残存する。また、リフローによりはんだ層17Aを球状のバンプ17に形成することで、パッド電極12上にUBM16とバンプ17とからなるバンプ電極19を形成する。
【0034】
次に、図4Mに示すように、半導体素子11側のウエハの面にアンダーフィル樹脂18を形成する。アンダーフィル樹脂18は、例えば、アンダーフィル樹脂を含む塗布液を用いたスピンコート法、又は、アンダーフィル樹脂のドライフィルムのラミネートにより形成する。そして、ウエハから半導体素子11を切削及び個片化し、半導体装置10を製造する。
【0035】
以上のように、ウエハの半導体素子11形成面に、フォトリソグラフィと電解メッキとを用いて、アライメントマーク15と、UBM16及びはんだバンプ17とを形成する。アライメントマーク15は、半導体素子11の形成面からバンプ電極19の高さよりも、上面が高い位置となるように形成する。また、アンダーフィル樹脂18により半導体素子11のバンプ電極19形成面を被覆する際に、アライメントマーク15も同時に被覆する。このときのアンダーフィル樹脂18は、アライメントマーク15の高さ以上の厚さで形成する。
【0036】
なお、上述の実施形態の製造方法では、アライメントマーク15は、UBM16及びはんだ層17Aの形成工程前に作製しているが、UBM16及びはんだ層17Aの形成工程とアライメントマーク15の形成工程との順序は特に限定されない。アライメントマーク15と、UBM16及びはんだ層17Aの形成工程は、バリア層14の形成工程後であり、バリア層14のエッチング工程前であれば、順序を問わずに行うことができる。
【0037】
〈3.半導体装置の第2実施形態〉
次に、本発明の半導体装置の第2実施形態について説明する。図5に第2実施形態の半導体装置を示す。図5に示す半導体装置は、第1の電子部品と第2の電子部品とからなる。第1の電子部品は、図1に示す第1実施形態の半導体装置と同様の構成である。また、第2の電子部品は、第1実施形態の半導体装置が実装された半導体装置とからなる。以下、第2実施形態の半導体装置を半導体装置30、第1の電子部品となる半導体装置を第1の半導体装置10、第2の電子部品となる半導体装置を第2の半導体装置31として説明する。
図5に示す第2の半導体装置31は、半導体素子32上に電極接続用のアンダーバンプメタル(UBM)37及びアライメントマーク36が形成された部分を示す断面図である。
【0038】
第1の半導体装置10は、上述の第1実施形態と同様の構成を有する。なお、図5では、第2実施形態の半導体装置の説明に必要な構成のみを示し、半導体素子11上に形成されるパッド電極及びパッシベーション層等の構成を省略して示す。
【0039】
図5Aに示すように、第1の半導体装置10は、半導体素子11上の所定の位置にアライメントマーク15が形成されている。また、半導体素子11のパッド電極に対応する位置に、UBM16とバンプ17とからなるバンプ電極19が形成されている。また、アライメントマーク15の高さが、半導体素子11上においてバンプ電極19の高さよりも大きい。そして、バンプ電極19及びアライメントマーク15を覆って、アンダーフィル樹脂18が形成されている。
【0040】
また、図5Aに示すように、第2の半導体装置31は、半導体素子32の所定の位置にアライメントマーク36が形成されている。このアライメントマークは、半導体素子32の配線等を利用して、パッド電極と同じ層に、半導体素子32の表面とほぼ同じ高さで形成されている。また、半導体素子32のパッド電極に対応する位置に、接続パッドとしてUBM37が形成されている。UBM37は、第1の半導体装置10のUBM16と同様に構成することができ、例えば、Ni,Ti,TiW,W及びCu等により形成されている。
【0041】
第2の半導体装置31の端部には、ワイヤボンディングパッド39が形成されている。ワイヤボンディングパッド39において、第2の半導体装置31と外部電子機器とがワイヤボンディングにより電気的に接続される。
なお、第2の半導体装置31は、上述の第1の半導体装置10と同様に、半導体素子32上に、パッド電極やパッシベーション層等が形成されているが、第2実施形態の半導体装置の説明に必要な構成のみを示し、その他の構成の説明を省略する。
【0042】
図5Aに示すように、半導体装置30は、第2の半導体装置31上に第1の半導体装置10が実装されている。半導体装置30は、第1の半導体装置10と第2の半導体装置31とが、互いに電極形成面と対向させて配置されている。また、半導体装置30は、第1の半導体装置10と第2の半導体装置31とが、第1の半導体装置10のアライメントマーク15と、第2の半導体装置31のアライメントマーク36との位置を合わせて配置されている。
【0043】
また、第1の半導体装置10のバンプ17が第2の半導体装置31のUBM37と接触することにより、第1の半導体装置10と第2の半導体装置31とが電気的に接続されている。そして、アンダーフィル樹脂18により、第1の半導体装置10と第2の半導体装置31との間が機械的に接続され、バンプ電極19とUBM37との接続がアンダーフィル樹脂18内に形成されている。このように、半導体装置30では、第1の半導体装置10と第2の半導体装置31との間を満たすことにより、アンダーフィル樹脂18によるフィレットが形成される。
【0044】
次に、第2実施形態の半導体装置におけるアライメントマークの高さについて説明する。
第2実施形態の半導体装置では、第1の半導体装置に形成されアライメントマークとパッド電極との高さの差を、第2の半導体装置に形成される接続パッドの高さよりも小さくする。
図5Bに示す半導体装置30では、第1の半導体装置10のアライメントマーク15の高さは、第1の半導体装置10のバンプ電極19の高さよりも大きい。ここで、バンプ電極19とアライメントマーク15との差を高さAとする。
また、第2の半導体装置31に接続パッドとして形成されているUBM37の素子面からの高さをBとする。
このとき、アライメントマーク15を、高さAが高さBと等しく、又は、高さAが高さBよりも小さくなるように形成する。
【0045】
高さAが高さBと等しい又は小さいことにより、実装時の第1の半導体装置10と第2の半導体装置31との平行度が低い場合にも、バンプの片当たりによる接続不良の発生を防ぐことができる。このため、第1の半導体装置10を第2の半導体装置31上に実装した際に、バンプ電極19とUBM37との接続信頼性が向上する。
また、高さAが高さBよりも大きい場合には、第1の半導体装置10が第2の半導体装置31に実装された際、バンプ電極19とUBM37との接続よりも、アライメントマーク15とアライメントマーク36とが先に接触する。このため、接続不良が発生する。
【0046】
なお、第2の半導体装置31の接続パッドとして、UBM37上にバンプが形成されている場合には、第2の半導体装置31の半導体素子面からバンプまでの高さを上述の高さBとする。また、第2の半導体装置31の接続パッドが、パッド電極のみにより形成されている場合のように半導体素子面とほぼ同一面に形成されている場合には、第1の半導体装置10のアライメントマーク15とバンプ電極19とをほぼ同じ高さに形成する。これにより、上述の高さAと高さBとが等しくなるようにアライメントマーク15を形成する。
【0047】
また、上述の実施の形態では、第2の電子部品として半導体装置31を用いているが、第2の電子部品としては、例えば、半導体装置の実装用の配線パターンが形成された実装基板等でもよい。第1の電子部品として、上述の第1実施形態に示すアライメントマークを有する半導体装置を使用し、第2の電子部品として第1実施形態に示す半導体装置に対応する接続パッド及びアライメントマークを備えていればよい。第2実施形態の半導体装置では、第2の電子部品として半導体装置、実装基板等に限らず適用することができる。
【0048】
また、上述の第2実施形態の半導体装置では、第1の電子部品である第1の半導体装置側に、接続電極よりも高いアライメントマークとアンダーフィル樹脂が形成されている。しかし、第2の電子部品側に接続電極よりも高いアライメントマークとアンダーフィル樹脂とが形成されていてもよい。第1の電子部品側にアンダーフィル樹脂を設けることにより、第2の半導体装置に形成されているワイヤボンディングパッド等の実装部の周囲に形成されている電極へのアンダーフィル樹脂の形成の際に、樹脂による汚染がない。このため、第1の電子部品側に接続電極よりも高いアライメントマークとアンダーフィル樹脂とを形成する方が好ましい。
【0049】
〈4.第2実施形態の半導体装置の製造方法〉
次に、第2実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。なお、以下の製造方法の説明では、上述の図1〜5で示す構成と共通の構成には、同じ符号を付して各構成の詳細な説明は省略する。
なお、以下説明では、上述の第1実施形態により製造した半導体装置を用いて、第2実施形態の半導体装置を製造する方法について説明する。
【0050】
まず、図6Aに示すように、第1の電子部品として上述の第1実施形態により製造した第1の半導体装置10を準備する。
また、図6Bに示すように第2の電子部品として、半導体素子32上に接続パッドとアライメントマーク36が形成された第2の半導体装置を準備する。第2の半導体装置31は、半導体素子32上にパッド電極33とアライメントマーク36とを有する。そして、半導体素子32上には、パッド電極33の開口部とアライメントマーク36上を除く全面にパッシベーション層34が形成されている。また、パッド電極33上には、バリア層35を介してUBM37が形成されている。UBM37上にはバンプ38が形成されている。つまり、図6Bに示す第2の半導体装置31は、第1の半導体装置10を実装する接続パッドが、パッド電極33、バリア層35、UBM37及びバンプ38から形成されている。また、第2の半導体装置31は、アライメントマーク36が、パッド電極33と同じ層に形成されている。
【0051】
そして、第1の半導体装置10と第2の半導体装置31の位置合わせを行う。カメラ40を用いて、アライメントマーク15とアライメントマーク36の位置を読み取る。そして、第1の半導体装置10と第2の半導体装置31とでアライメントマーク15,36の位置が一致するように、第1の半導体装置10の位置を調整する。
【0052】
次に、図6Cに示すように、第1の半導体装置10のバンプ17と、第2の半導体装置31のバンプ38とを接触させて荷重を加える。また、荷重を加える際に、はんだの融点以上、例えば、バンプ17,38がSn−3.5Agの場合には、融点221℃以上に、ボンディングヘッド又はステージにより加熱を行い、バンプを溶融させて接続する。これにより、バンプ17,38を構成するはんだの表面酸化膜を破り、フラックスレス接続による接続部41を形成する。この接続部41により、第1の半導体装置10と第2の半導体装置31とが電気的に接続される。
さらに、第1の半導体装置10と第2の半導体装置31との間に充填されているアンダーフィル樹脂を加熱により硬化させる。アンダーフィル樹脂18は、半導体素子11を第2の半導体装置31に圧着することにより、半導体素子11と半導体素子32とを接着する。アンダーフィル樹脂18により、半導体素子同士を接着して機械的な接続信頼性を向上させる。
以上の工程により、第2実施形態の半導体装置30を製造することができる。
【0053】
なお、第1の半導体装置10と第2の半導体装置31とを接続する際は、アライメントマーク15とアライメントマーク36とを直接接触させてもよく、また、接触させなくてもよい。
また、上述の製造方法の説明では、第2の電子部品として用いている半導体装置31の代わりに、半導体装置の実装用の配線パターンが形成された実装基板等を用いることもできる。第1の電子部品として、上述の第1実施形態に示すアライメントマークを有する半導体装置を使用し、第2の電子部品として第1実施形態に示す半導体装置に対応する接続パッド及びアライメントマークを備えていればよい。
【0054】
〈5.アライメントマークの変形例〉
[変形例1]
次に、上述の半導体装置に形成するアライメントマークの形状について説明する。
アライメントマークは、識別を容易にするため、素子面に形成される平面形状をバンプ電極と異なる形状とすることが好ましい。例えば、図7に示すように、半導体素子11上において、バンプ電極19は通常円形に形成される。このため、アライメントマークを円形と異なる形状にする。アライメントマーク42のように矩形を組み合わせた十字型とする。また、アライメントマーク43のように、方形のアライメントマークを形成する。他にも、例えば星形や三角形等の形状とする。
このように、半導体装置に形成されるアライメントマークの形状とバンプ電極の形状とを異ならせることにより、例えば、フリップチップボンダのアライメントマーク認識カメラの視野内にバンプ電極が入った場合でも誤認識を防ぐことができる。
【0055】
[変形例2]
また、半導体装置に形成するアライメントマークは、例えば図8Aに示すように、半導体素子の外周部を囲むように形成してもよい。
図8Aに示す半導体装置は、半導体素子11上に円形のバンプ電極19が形成されている。そして、半導体素子11の外周部を囲んでアライメントマーク44が形成されている。また、半導体装置のバンプ電極19側に形成されるアンダーフィル樹脂は、半導体素子11の外周部を囲むアライメントマーク44の内側に形成される。
【0056】
アライメントマーク44は、半導体素子11の角部に形成される四角形のアライメントマーク44Aと、アライメントマーク44Aの対角に形成されるアライメントマーク44Bを備える。さらに、アライメントマーク44は、半導体素子11の外周部に連続して形成されたアライメントマーク44Cを備える。
【0057】
アライメントマーク44A,44Bは、図8Bに示すように、第2の半導体装置31に実装する際に、第2の半導体装置31のアライメントマーク36と位置合わせを行うため、バンプ電極19と異なる形状に形成することが好ましい。
また、半導体素子11の外周部を囲むことにより、アンダーフィル樹脂の流出を抑制することができる。
【0058】
第1の半導体装置の実装部と、この実装部の周囲に形成されているワイヤボンディングパッド等の電極部とが近い場合には、アンダーフィル樹脂が実装部から周囲の電極部に流れ出すことにより、電極が樹脂により汚染される。これは、半導体装置の小型化により、第2の半導体装置における、実装部と電極部との距離が近いときに問題となりやすい。
【0059】
このため、半導体素子11の外周部を囲むことにより、第2の半導体装置31に形成されたワイヤボンディングパッド39等への、アンダーフィル樹脂による汚染を防ぐことができる。そして、第1の電子部品(半導体装置10)と第2の電子部品(半導体装置31)との素子面積の差を小さくし、半導体装置の小型化が可能となる。
なお、図8Bに示すように、アライメントマーク44と、第2の半導体装置31の素子面との間に間隔ができた場合にも、アンダーフィル樹脂18の流出を抑制することは可能である。このため、アライメントマーク15が、第2の半導体装置31の素子面と、直接接触しなくてもよい。
【0060】
なお、上述の本実施の形態の半導体装置におけるアライメントマークは、例えば、下部半導体素子の電極と接続することも可能である。例えば、上部半導体素子のアライメントマークを、上部半導体素子の電極上に形成し、下部半導体素子のアライメントマークを、下部半導体素子の電極上に形成する。そして、下部半導体素子のアライメントマーク上にはんだ層を形成し、半導体素子同士を接続する際に、アライメントマーク同士をはんだで接続し、アライメントマーク同士の電気的な接続を形成することも可能である。
【0061】
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 半導体装置(第1の半導体装置)、11,32 半導体素子、12,33 パッド電極、13,34 パッシベーション層、14,35 バリア層、15,36,42,43,44,44A,44B,44C アライメントマーク、16,37 アンダーバンプメタル(UBM)、17,38 バンプ、17A はんだ層、18 アンダーフィル樹脂、19 バンプ電極、21,24 フォトレジスト層、22,25 フォトマスク、23,26 開口部、30 半導体装置、31 半導体装置(第2の半導体装置)、39 ワイヤボンディングパッド、40 カメラ、41 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と、
前記半導体素子に形成されたパッド電極と、
前記半導体素子に形成されたアライメントマークと、
前記パッド電極上に形成された接続電極と、
前記接続電極を覆うように形成されたアンダーフィル樹脂と、を備え、
前記アライメントマークの前記半導体素子からの高さが、前記接続電極よりも大きい
半導体装置。
【請求項2】
前記接続電極が、前記パッド電極上に形成されたアンダーバンプメタルと、前記アンダーバンプメタル上に形成されたはんだバンプとからなる請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記アライメントマークと前記アンダーバンプメタルとが、同じ材料から形成されている請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記アライメントマークの形状が、前記接続電極の形状と異なる請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記アライメントマークが、前記半導体素子の外周部を囲むように形成されている請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体素子が形成されたウエハを準備する工程と、
前記ウエハ上にバリア層を形成する工程と、
前記バリア層上に、アライメントマークを形成する位置に開口部を有する第1レジストパターンを形成する工程と、
電解メッキ法を用いて前記第1レジストパターンの開口部内にアライメントマークを形成する工程と、
前記第1レジストパターンを除去した後、前記バリア層及び前記アライメントマークを覆って、前記半導体素子の接続電極位置に開口部を有する第2レジストパターンを形成する工程と、
電解メッキ法を用いて前記第2レジストパターンの開口部内に接続電極を形成する工程と、
前記接続電極を覆って、前記半導体素子上にアンダーフィル樹脂を設ける工程と、を有する
半導体装置の製造方法。
【請求項7】
半導体素子、前記半導体素子に形成されたパッド電極、前記半導体素子に形成された高さが前記接続電極よりも大きいアライメントマーク、前記パッド電極上に形成された接続電極、及び、前記接続電極を覆うように形成されたアンダーフィル樹脂からなる第1の電子部品と、
前記第1の電子部品が実装される第2の電子部品とを備える
半導体装置。
【請求項8】
前記第1の電子部品における前記アライメントマークと前記接続電極との高さの差が、
前記第2の電子部品の電極の高さ以下である請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
第1の電子部品を形成する工程と、
アライメントマーク及びパッド電極を有する第2の電子部品を準備する工程と、
前記アライメントマークを用いて前記第1の電子部品と前記第2の電子部品との位置を合わせて、前記接続電極と前記パッド電極とを電気的に接続して、前記第2の電子部品上に前記第1の電子部品を実装する工程とを有し、
前記第1の電子部品を形成する工程は、
半導体素子が形成されたウエハを準備する工程と、
前記ウエハ上にバリア層を形成する工程と、
前記バリア層上に、アライメントマークを形成する位置に開口部を有する第1レジストパターンを形成する工程と、
電解メッキ法を用いて前記第1レジストパターンの開口部内にアライメントマークを形成する工程と、
前記第1レジストパターンを除去した後、前記バリア層及び前記アライメントマークを覆って、前記半導体素子の接続電極位置に開口部を有する第2レジストパターンを形成する工程と、
電解メッキ法を用いて前記第2レジストパターンの開口部内にアライメントマークを形成する工程と、
前記接続電極を覆って、前記半導体素子上にアンダーフィル樹脂を設ける工程とからなる
半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−129474(P2012−129474A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282082(P2010−282082)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】